説明

回折構造物及びそれを用いた偽造防止媒体、並びに偽造防止用紙

【課題】偽造防止効果をより一層向上させ、かつ一目で簡単に真偽判定が可能で、しかも基材の表裏とちらの面からでも回折光を観察できるユニークな回折構造物及びこれを用いたカード等偽造防止媒体、並びに証券用紙等偽造防止用紙の提供。
【解決手段】透明基材1の片面に、異なる回折構造が形成されている複数の回折構造形成層が積層されている回折構造物20であって、少なくとも回折構造であるエンボス加工面3が形成されている第一の回折構造形成層2、光反射層3、前記第一の回折構造形成層2とは異なる回折構造であるエンボス加工面6が形成されている第二の回折構造形成層5、光反射層7の4層が順に積層されていて、前記回折構造は任意の特定波長のみを回折する回折格子である回折構造物20及びこれを用いた偽造防止媒体、並びに偽造防止用紙である

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造や改ざんを困難とするための偽造防止機能を有する回折構造物及びそれを用いた偽造防止媒体、並びに偽造防止用紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、偽造を防止する手段は、物品そのものを模倣する事が困難な物とするか、或いは、模倣する事が困難な物を本物の証明として物品に取り付ける事によって、真贋を判定出来るようにしているものがある。例えば前者は紙幣や株券などの有価証券のようにそのもの自体に微細な印刷加工や透かし加工を施したり色再現が困難な色調の彩色を使用したり、素材自体にも特殊なものとする事により、印刷技術による偽造や、複写機やスキャナーによる偽造を困難なものとしていた。
【0003】
ところが、デジタル技術の進歩により、上記のように従来偽造が困難であった微細な印刷加工や色彩までもが容易にカラーコピーやスキャナー等で再現出来るようになった。その結果、偽造防止策としての印刷加工も更に高微細化し、より複製や偽造を困難なものとしているが、このように高微細化が進んでくると一目で真偽判定を行う事ができず、それらの真贋の判定が容易ではないものとなる。
【0004】
そこで、物品(偽造防止対象物)に取り付ける事により一目で容易に真贋を判定する事が可能であり、取り扱いも容易である事から回折格子パターンが記録された回折構造物が偽造防止手段として広く使われる事となった。このような偽造防止手段として採用される回折構造物としては、例えば、基材上に剥離性を持つ剥離層、回折格子が形成された回折構造形成層、金属光沢を持つ反射層、接着層を順次積層して回折構造物を転写箔化したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、基材上に直接回折構造形成層を設け、反射層、粘着加工層が順次積層されてステッカー化したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
上記回折構造物の回折格子パターンを形成するための製造方法は多数あり、本発明ではこの製造方法について限定するものではないが、その一例としてレリーフ型回折構造物の製造方法について述べる事にする。
【0007】
上記レリーフ型回折構造物とは、任意の画像情報を干渉縞として記録されている回折格子パターンが凹凸状に回折構造形成層に形成されたもので、回折構造形成層に光を当てると入射光がこの凹凸によって干渉を起こし、入射光に対してある一定の角度もしくはある一定の範囲内の角度に任意の画像情報を再生するものである。このレリーフ型回折構造物は、画像情報を凹凸で記録した原版を作製し、これをエンボス加工する事によって大量に生産する事が可能であるため、現在多くの回折構造物に採用されている。
【0008】
また、透明な回折格子として、反射層に透明金属蒸着薄膜や無機化合物の薄膜を形成する事により、反射層より下層に位置するものも、回折格子を通して目視にて観察出来るようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
更に、回折構造形成層を複数層設け、同一の絵柄もしくは別の絵柄を異なる再生方向で再生可能にし、また、複数の絵柄を重畳して再生可能にしたものもある(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
しかし、これら従来用いられている回折構造物は、何れも回折構造物の片面に形成された回折構造形成層に光が入射する事によって回折光を生じさせ、反射層にて回折光を反射して層を透過する事によって、光が入射した側からその回折光を観察するものであり、その反対面に光を当てても、不透明な基材に遮光されたり、基材が透明であっても反射層が回折構造形成層の手前に位置する事になるため、回折光を観察する事は出来ず、結果、回折構造物の片面側からしか回折光を観察する事が出来ない。
【0011】
以下に、上記先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開昭61−190369号公報
【特許文献2】特公平1−54709号公報
【特許文献3】特開平11−91297号公報
【特許文献4】特開平7−199781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記のような偽造防止策としての回折構造物であっても、回折構造物の製造方法の簡易化や低コスト化が進んだ事により、一目では簡単に真偽判定をする事が出来ない回折構造物の偽造が増加しており、最近では、その偽造防止効果が薄れつつあるという問題がある。
【0013】
また、有価証券や紙幣の偽造防止策として、UVやIVといった波長の光を利用して真贋判定を行う特殊発光(もしくは吸収)インキなども使用されているが、その確認には専用の光源が必要であり、一目で真贋判定ができないという問題がある。
【0014】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題は、偽造防止効果をより一層向上させ、かつ一目で簡単に真偽判定が可能で、しかも基材の表裏どちらの面からでも回折光を観察できるユニークな回折構造物及びこれを用いたカード等偽造防止媒体、並びに証券用紙等偽造防止用紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず、請求項1の発明では、透明基材の片面の全面もしくは一部分に、異なる回折構造が形成されている複数の回折構造形成層が積層されている回折構造物であって、少なくとも前記回折構造が形成されている第一の回折構造形成層、光反射層、前記第一の回折構造形成層とは異なる回折構造が形成されている第二の回折構造形成層、光反射層の4層が順に積層されていることを特徴とする回折構造物としたものである。
【0016】
また、請求項2の発明では、前記透明基材は、屈折率の異なる複数の層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の回折構造物としたものである。
【0017】
また、請求項3の発明では、前記透明基材の少なくとも片面に、着色された画像パターンが印刷されていることを特徴とする請求項1または2記載の回折構造物としたものである。
【0018】
また、請求項4の発明では、前記回折構造は、任意の特定波長のみを回折する回折格子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回折構造物としたものである

【0019】
また、請求項5の発明では、前記光反射層は、前記回折構造形成層上に部分的にパターン化されて積層されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回折構造物としたものである。
【0020】
また、請求項6の発明では、前記光反射層のうち、最表面に露出する光反射層上に該光反射層を保護する透明保護層が及び/又は前記基材、回折構造形成層、光反射層の各層間に該各層の密着性を高める密着補助層が施されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の回折構造物としたものである。
【0021】
また、請求項7の発明では、請求項1乃至6のいずれかに記載の回折構造物を用いた偽造防止媒体であって、前記回折構造物を構成する透明基材の回折構造形成層のない面に絵柄や文字及び/又は情報記録媒体が施されていることを特徴とする偽造防止媒体としたものである。
【0022】
また、請求項8の発明では、請求項1乃至6のいずれかに記載の回折構造物を用いた偽造防止媒体であって、前記回折構造物を構成する透明基材の回折構造形成層のない面が偽造防止を要する透明物品に施されていることを特徴とする偽造防止媒体としたものである。
【0023】
さらにまた、請求項9の発明では、請求項1乃至6のいずれかに記載の回折構造物を用いた偽造防止用紙であって、紙に抄き入れまたは貼付されていることを特徴とする偽造防止用紙としたものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
【0025】
即ち、上記請求項1に係る第1の発明によれば、透明基材の片面の全面もしくは一部分に、異なる回折構造が形成されている複数の回折構造形成層が積層されている回折構造物において、少なくとも前記回折構造が形成されている第一の回折構造形成層、光反射層、前記第一の回折構造形成層とは異なる回折構造が形成されている第二の回折構造形成層、光反射層の4層が順に積層されていることによって、光が回折構造物の表面、裏面のどちらから入射しても、観察者が回折光を観察する事が出来るという従来にはない視覚効果が得られる回折構造物とする事ができる。
【0026】
また、上記請求項2に係る第2の発明によれば、透明基材が単層ではなく屈折率の異なる複数の層から構成されていることにより、観察する角度によって基材自体に色彩の変化が発現するため、更に視覚的な効果を高めた回折構造物とする事が出来る。
【0027】
また、上記請求項3に係る第3の発明によれば、基材の片面に着色された文字や絵柄等画像パターンの印刷を施す事により、基材側から観察した時の回折光を印刷した色に着色して観察する事や、意匠性を向上させる事ができる。
【0028】
尚、上記請求項1乃至3のいずれかの発明によれば、前記光反射層の少なくとも1層が光透過性を持つ厚さ1nm〜1000nmの金属薄膜で形成されている事が好ましく、これにより、複数形成された回折構造形成層の回折構造による回折光が観察面側だけでなく、観察面の反対面からも観察する事が可能となり、今までにない視覚効果を得るとともに、より一層偽造防止効果を高める事ができる。
【0029】
また、上記請求項4に係る第4の発明によれば、前記回折構造を、任意の特定波長のみを回折する回折格子(パターン)とすることによって、この回折格子パターンに光を入射して画像を再生する時の再生光である回折光の波長が限定され、回折構造物における回折構造形成層が任意の特定波長のみを回折するようにする事ができる。
【0030】
また、上記請求項5に係る第5の発明によれば、前記光反射層が回折構造層上の全面ではなく、部分的に文字や絵柄などのパターン状に形成されていることにより、より一層の偽造防止効果を高める事が可能となる。
【0031】
また、上記請求項6に係る第6の発明によれば、請求項1〜5のいずれかに記載の回折構造物において、基材と光反射層の間や回折構造層と保護層の間に密着性を高めるための密着補助層を設け、最表面に露出している光反射層を保護するための保護層を設けることによって、より一層の耐久性を高めた回折構造物とする事ができる。
【0032】
また、上記請求項7に係る第7の発明によれば、請求項1〜6のいずれかに記載の回折構造物を構成する基材の裏面に、絵柄や文字の印刷、及び/又は磁気テープやICチップ等情報媒体の貼付または埋め込みによって、偽造防止効果をより一層高め、偽造や改竄が非常に困難な会員券、磁気カード、ICカード等の偽造防止媒体とする事が可能となる。
【0033】
また、上記請求項8に係る第8の発明によれば、請求項1〜6のいずれかに記載の回折構造物を構成する透明基材の裏面を偽造防止を要する透明物品に貼付等で施すことによって、偽造防止効果をより一層高め、偽造や改竄が非常に困難な偽造防止を要するブランド品等透明物品でなる偽造防止媒体とする事ができる。
【0034】
さらにまた、上記請求項9に係る第9の発明によれば、請求項1〜6のいずれかに記載の回折構造物をその両面が部分的に露出するよう紙に抄き入れして偽造防止効果をより一層高めた偽造防止用紙とし、この用紙の表裏どちらの面からでも回折光が観察できるようにして、偽造や改竄がより困難なチケットや商品券等に使用することが可能な偽造防止用紙とする事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
図1は、上記第1の発明の回折構造物20の事例を示す断面図であり、光が透過できる基材1上に、裏面から入射した光によって回折光を発生させる回折構造形成層2と回折構造であるエンボス加工面3、及び回折光を反射する光反射層4を有している。
【0037】
また、光反射層4上には表面から入射した光によって回折光を発生させる回折構造形成層5と回折構造であるエンボス加工面6,及び回折光を反射する光反射層7が積層されており、更に光反射層7上に表面を摩擦による傷や各種薬品等の付着から保護するための保護護8が積層されており、本発明の基本的な層構成の回折構造物20である。
【0038】
また、図2は、上記図1に示した第1の発明の回折構造物20の表裏で回折光が発生する事を示した図であり、表面では回折光bを、裏面では回折光dを発生させる事を示したものである。まず、表面では、入射光aが保護層8を通過して光反射層7が形成されている回折構造であるエンボス加工面6に到達すると、このエンボス加工面6に沿って反射した光が回折現象によって回折光bとなって図示する方向へ進み、表面で回折光を観察する事ができる。一方、裏面では入射光cが光透過性を持つ基材1と回折構造形成層2を透過して回折構造形成層2の上端面に形成されている回折構造であるエンボス加工面3で回折光dを生じ、回折光dは光反射層4にて反射されて、再び基材1を通過して図示する方向
へ進み、裏面で回折光を観察する事が出来る。その結果、表裏のどちらにおいても回折光が観察できる回折構造物20とすることができる。
【0039】
また、図3は、上記図1に示した回折構造物20の基材1の表面に予め公知の印刷法によって画像や文字等の印刷を行って着色された画像パターン12を設けた回折構造物20の断面図であり、第3の発明の回折構造物20の基本的な層構成を示す事例である。
【0040】
また、図4は、上記図1に示した回折構造物20の基材1の裏面に公知の印刷法によって絵柄や文字の印刷で印刷層9を設けた偽造防止媒体30の断面図であり、第7の発明の基本的な層構成を示す事例である。
【0041】
また、図5は、上記図1に示した回折構造物の基材1の裏面に磁気テープ10を貼付し、任意(カード)の大きさに断裁して製造した偽造防止媒体30の断面図であり、上記第7の発明の偽造防止体30の他の事例である。
【0042】
図6は、上記図1に示した回折構造物20を構成する基材1にICチップ13とアンテナ14からなる非接触ICインレット15を内包し、任意(カード)の大きさに断裁して製造した偽造防止媒体30の断面図であり、上記第7の発明の偽造防止体30の他の事例である。
【0043】
また、図7は、上記第1の発明の回折構造物を用いた偽造防止用紙40の平面図で、上記図1に示した回折構造物20をスレッド状に裁断し、そのスレッド状回折構造物20aの表裏が部分的に用紙11から露出するように抄き入れした上記第9の発明の偽造防止用紙40の事例である。
【0044】
また、図8は、図7のスレッド状回折構造物20aの露出部A−Aの断面図であり、図9は、抄き入れ部のB−B断面図である。上記スレッド状回折構造物20aは、表裏の両面で回折光を観察する事ができるため、紙へ抄き入れた場合にも、抄き入れされているスレッド回折構造物20aは、部分的には紙の中に完全に埋没しているが、露出部に於いては、表裏の両面が露出しているものである。
【0045】
また、図10は、本発明の偽造防止用紙40の別の事例を示した平面図で、前記回折構造物をスレッド状に裁断したスレッド状回折構造物20aを、表裏が交互に用紙11から露出するように抄き入れした偽造防止用紙40で、図11は上記図10においてスレッド状回折構造物20aが表面で露出している部分A−Aの断面図であり、図12は裏面でスレッド状回折構造物20aが露出している部分B−Bの断面図である。
【0046】
以下に、本発明の回折構造物とそれを用いた偽造防止媒体を構成する各層の材質と形成方法などについて解説する。
【0047】
〔基材〕
まず、透明基材1としては樹脂フィルムが使用でき、その樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、耐熱塩化ビニルフィルム等が挙げられる。これらの樹脂の中で、耐熱性が高く厚みが安定している事から、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが好ましく使用される。これら樹脂フィルムの単層としてもよいが、屈折率の異なる複数のフィルムを積層したものとすることもでき、観察する角度によって基材1自体に色彩の変化が発現させ、更に視覚的な効果を高めた回折構造物20とする事が出来る。
【0048】
また、これら樹脂フィルムには、帯電防止処理、マット加工、エンボス処理、文字や絵柄の印刷、レーザーマーキング等の加工を施したフィルムも使用する事ができる。
【0049】
〔回折構造〕
回折構造形成層2、5に形成する回折構造でなるエンボス加工面3、6は、レリーフ型回折格子や体積型回折格子等の回折構造体が利用できる。
【0050】
上記レリーフ型回折格子は、その表面に回折構造であるエンボス加工面3、6として微細な凹凸パターンの形態で回折格子を記録したものである。このような凹凸パターンは、例えば、二光束干渉法を使用して感光性樹脂の表面に互いに可干渉の2本の光線を照射してこの感光性樹脂表面に干渉縞を生成させ、この干渉縞を凹凸の形態で感光性樹脂に記録する事で形成できる。尚、この二光束性干渉法によって形成された干渉縞も回折格子であり、前記2本の光線の選択によって任意の立体画像を回折格子パターンとして記録する事が可能である。また、観察する角度に応じて異なる画像(以下チェンジング画像と言う)が見られるように記録する事も可能である。
【0051】
本発明に用いられる回折構造物となる画像パターンを記録する方法については、前記二光束干渉法の他にもイメージホログラムやリップマンホログラム、レインボーホログラム、インテグラルホログラムなど、従来から知られているホログラムの製造方法により作製が可能である。
【0052】
また、レリーフ型回折格子の凹凸パターンは、電子線硬化型樹脂の表面に電子線を照射して、回折格子となる縞状パターンに露光する事によって回折構造物を形成する事も可能である。この場合には、その干渉縞を1本ごとに制御する事ができるため、ホログラムと同様に任意の立体画像やチェンジング画像を記録する事ができる。また、画像をドット状の画素領域に分割し、この画素領域ごとに異なる回折格子を記録し、これら画祖の集合で全体の画像を表現する事も可能である。画素は円形のドットの他、星形のドットでも構わない。
【0053】
また、誘起表面レリーフ形成法によって、前記凹凸パターンを形成する事も可能である。すなわち、アゾベンゼンを鎖側に持つポリマーのアモルファス薄膜に対して、青色〜緑色に渡る範囲の或る波長を有した数十mW/cm2 程度の比較的弱い光を照射する事によって、数μmスケールでポリマー分子の移動を起こし、結果、薄膜表面に凹凸によるレリーフを形成する事ができる。
【0054】
そして、このように形成された凹凸パターンを有するレリーフ型のマスター版の表面に電気メッキ法で金属膜を形成する事によって、レリーフ型マスター版の凹凸パターンを複製し、これをプレス版とする。そして、基材1上に塗布された樹脂層や光反射層7が表面に形成されている樹脂層にこのプレス版を熱圧着し、この樹脂層の表面に微細な凹凸パターンを転写することにより、回折構造のエンボス加工面3が形成されている回折構造形成層2とすることができる。
【0055】
前記レリーフ型回折格子による回折構造形成層2、5に適用される樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂等が使用できる。例えば、熱可塑性樹脂では、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。また、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオール等にポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂等が使用できる。また、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂としては、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレート等が使用できる。
【0056】
また、回折構造形成層2、5として、多層薄膜である光学多層干渉膜、コレステリック液晶の層、観察する角度に応じて異なる色彩を見る事ができる粉末を含有するインキ等が利用可能である。
【0057】
前記光学多層干渉膜は、金属薄膜、セラミックス薄膜、又は、それらを併設してなる複合薄膜として、各層の光学特性と層の組み合わせの関係による適当な数の層が積層されていれば良い。例えば、屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜とを組み合わせても良く、また特定の組み合わせを交互に積層するようにしても、いずれでもよい。それらの層による光学的条件を満たす適当な組み合わせにより、所望の光学的効果(ここでは構造色)を発現する光学多層干渉薄膜を得ることができる。
【0058】
このような光学多層干渉膜に用いられる材料の例を以下に挙げる。尚、化学式の後ろに続くカッコ内の数値は、それぞれの屈折率nを示す。
【0059】
まず、セラミックスとしては、Sb23(3.0)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb23(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO(1.6)、Si22(1.5)、MgF2(1.4)、CeF3(1.6)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1.6)、Al23(1.6)、GaO(1.7)、等があり、また、金属系の材料としては、Al、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、Ni、Cu、Si、等の金属単体もしくは合金が挙げられる。
【0060】
また、低屈折率の材料としては、例えば有機ポリマーのうち、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等がある。但し、ここでカッコ内の数値はそれぞれの屈折率nを示す。これらの高屈折率材料もしくは20〜70%の光透過率とした金属薄膜より少なくとも一種、低屈折率材料より少なくとも一種をそれぞれ選択し、所定の厚さで交互に積層させる事により、可視光における特定の波長だけを吸収あるいは反射するようになる。
【0061】
前記の各材料から屈折率、反射率、透過率等の光学特性や耐候性、層間密着性などに基づき適宜選択され、薄膜として積層される事によって光学的な波長干渉を発生させる多層薄膜を形成する。その形成方法は、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚等の制御が可能な公知の方法が使用できる。例えば真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法等である。尚、前記光学膜厚とはn・dで与えられる量であり、nは屈折率、またdは膜厚である。
【0062】
また、コレステリック液晶の層は、その構成分子が光学活性を有し、薄層内ではネマッティック一軸配向しているが、隣接層間では相互に一定方向に一定角のねじれを起こしている螺旋構造を有している。そのピッチは数百nmから無限大まで分布する。この螺旋構造のため、コレステリック液晶は螺旋ピッチに相応した波長の光を選択的に反射し、青から赤まで煌びやかな色彩を持つ。
【0063】
次に、観察する角度に応じて異なる色彩を見る事ができる粉末としては、例えば、雲母などの層状物質が挙げられる。この雲母を還元二酸化チタンや酸化鉄で被覆した粉末を利用する事ができる。これらは、いわゆるフリップフロップ効果によって、波長分散性能を発揮する。これら粉末をインキ化して公知の印刷法または塗布法に事により、波長分散性能を有する層を形成する事ができる。
【0064】
〔光反射層〕
光反射層4、7は、回折構造形成層2、5に直接接触して設ける必要はないが、回折構造形成層2、5がレリーフ型回折格子の場合には、その凹凸パターンすなわちエンボス加工面3、6に光反射層4、7を直接接触して設けられる必要がある。この場合には、この光反射層4、7によって反射した光は回折光である。
【0065】
光反射層4、7として、反射輝度が高い点で金属薄膜が好ましく利用できる。この金属としては、例えば、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、真鍮等が挙げられる。そして、真空製膜法を利用してこの金属薄膜を形成する事ができる。真空製膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が適用でき、厚みは1〜1000nm程度に制御できれば良い。
【0066】
また、上記光反射層4、7として、高屈折率の透明薄膜を利用する事もできる。この透明薄膜は、回折構造形成層2、5の屈折率より0.2以上大きい屈折率を有するものが望ましく、例えば、屈折率2.0以上の透明材料から構成される薄膜である。
【0067】
このような透明材料としては、例えば、Sb23(屈折率n=3.0)、Fe23(n=2.7)、TiO2(n=2.6)、Cds(n=2.6)、CeO2(n=2.3)、ZnS(n=2.3)、PbCl2(n=2.3)、CdO(n=2.2)、Sb23(n=2.0)、WO3(n=2.0)、SiO(n=2.0)、Si23(n=2.5)、In23(n=2.0)、PbO(n=2.6)、Ta23(n=2.4)、ZnO(n=2.1)、ZrO2(n=2.0)、等が挙げられる。そして、真空製膜法を利用してその薄膜を形成する事ができる。薄膜の厚みは1〜1000nm程度で良い。
【0068】
また、金属粉末や透明材料の粉末を含むインキを印刷して薄膜としても良い。この場合、粉末としては粒子径500nm以下のものが好ましい。薄膜の厚みは0.1〜20μmが好ましく、印刷方式として、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等、公知の印刷方法が利用できる。
【0069】
そして、この光反射層4、7は、次のような方法を各々別工程で行う事により、画像パターンに加工する事ができる。
【0070】
すなわち、その第1の方法は、前述の印刷方式を利用する方法である。また、第2の方法は、回折構造形成層2、5に所定の画像等でなるパターン状の開口部を有するマスクを重ねて光反射層4、7を各々の工程で真空製膜することにより、画像パターン状に光反射層4、7を製膜する方法である。
【0071】
また、その第3の方法は、まず、溶剤溶解性の樹脂層をネガパターン状に設け、この溶剤溶解性樹脂層を被覆して全面一様に光反射層4、7を形成した後、溶剤で前記の溶剤溶解性樹脂層を溶解して除去すると同時に、この溶剤溶解性樹脂層上に重ねられた光反射層4及び7を除去する事によって、残存する光反射層4、7が所定の画像等でなるパターン状に形成される方法である。
【0072】
また、その第4の方法は、まず、回折構造形成層2、5の上に、この回折構造形成層2や5から剥離しやすい樹脂層をネガパターン状に設け、この樹脂層を被覆して全面一様に光反射層4、7を形成した後、粘着ロールや粘着紙等に押し当てる事によって粘着ロールや粘着紙等にネガパターン状に転写させて除去し、結果、光反射層4、7が各々画像パターン状に残存される方法である。
【0073】
また、その第5の方法は、全面一様に光反射層4、7を形成し、この光反射層4、7上に耐薬品性の樹脂層を画像パターン状に設け、アルカリ性または酸性のエッチング液を適用して露出している光反射層4、7を溶解して除去する方法である。この場合、光反射層4及び7を画像パターン状に加工したした後、前記耐薬品性樹脂層を除去しても良いが、そのまま残存させて、耐薬品性を持たせるための保護層として利用する事もできる。
【0074】
また、その第6の方法は、全面一様に形成された光反射層4、7上に感光性樹脂層を形成し、パターン状に露光・現像した後、アルカリ性または酸性のエッチング液を適用して露出した光反射層4、7を溶解して除去する方法である。この場合も、残存する感光性樹脂層をそのまま残存させて、耐薬品性を持たせる保護層として利用する事ができる。
また、その第7の方法は、全面一様に形成された光反射層4及び7にレーザー光を照射して除去する事により、残存する光反射層4、7がパターン状となる方法である。
【0075】
このパターンとしては、明確な意味を持たないランダムなパターンでも良いが、絵柄、図形、模様、文字、数字、記号等のパターンとして、この画像等でなるパターンに認知可能な情報を付与させる事も可能である。但し、画像パターンは各々独立した状態で存在し、且つ、パターン同士が電気的に絶縁された状態を保持している必要がある。
【0076】
また、上記保護層8としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が使用できる。例えば、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂である。また、傷付き防止のために滑剤を入れる場合には、滑材としてポリエチレンパウダーや、カルナバロウ等のワックスを使用する事ができ、20重量部まで添加する事が可能である。これらは保護層8として、光反射層7上にグラビア印刷法やマイクログラビア法等、公知の塗布方法によって形成される。
【0077】
〔偽造防止媒体〕
本発明に係る回折構造物の基材や保護層にオフセット印刷法やスクリーン印刷法などの公知の印刷方法で直接印刷し、所望の大きさにする事により、偽造防止媒体30を製造する事が出来る。
【0078】
〔偽造防止用紙〕
また、本発明の回折構造物を、公知の抄紙機により、紙を製造する際の抄紙工程において回折構造物の表裏の両面が同時に、もしくは交互に紙の表面に露出するように抄き込む事により、偽造防止用紙40を製造する事が出来る。
【実施例】
【0079】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0080】
<実施例1>
図1に示す基材1として、厚さ250μmの透明なポリエチレンテレフタレート(通称PET)フィルムを使用し、その片面に、下記組成物からなるインキを塗布・乾燥し、膜厚1μmの層を形成した後、ロールエンボス法により回折格子形成用のプレス版を熱圧してその表面に回折格子を発生させるためのエンボス加工面3を形成し、回折構造形成層2とした。
【0081】
この回折構造形成層2の全面に真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成し、光反射層4の薄膜を形成し、この光反射層4上に、前記回折構造形成層2とエンボス加工面3、光反射層4と同様の方法、膜厚にて回折構造形成層5とエンボス加工面6,光反射層7を積層した。
【0082】
さらに、上記で得られた光反射層7上に、下記組成物からなるインキを塗布・乾燥し、膜厚2μmの保護層8を積層し、図1に示す第1の発明の回折構造物20を製造した。
【0083】
「回折構造形成層用インキ組成物」
ウレタン樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
「保護層用インキ組成物」
ポリアミドイミド樹脂 19.5重量部
カルバナロウワックス 0.5重量部
ジメチルアセトアミド 55.0重量部
トルエン 25.0重量部
次に、上記で得られた回折構造物20の裏側の基材1面にオフセット印刷法により文字や絵柄を印刷し、任意の形状に抜き加工する事によって、図4に示す所望の偽造防止媒体30を製造した。
【0084】
上記実施例1で製造された偽造防止媒体30は、観察する角度に応じて異なる色彩や画像を見る事ができる回折光を発生させる回折構造物を有しており、この回折構造物は偽造防止媒体の表面からだけでなく裏面においても、表面と同様に観察する角度によって回折光による色彩や画像を見る事ができ、回折構造物が基材に直接積層されている事から、偽造や改ざんが困難な偽造防止媒体とすることができた。
【0085】
<実施例2>
図1に示す基材1として、厚さ12μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その片面に、下記組成物からなるインキを塗布・乾燥し、膜厚0.5μmの層を形成した後、ロールエンボス法により回折格子形成用のプレス版を熱圧してその表面に回折格子を発生させるためのエンボス加工面3を形成し、回折構造形成層2とした。
【0086】
次に、この回折構造形成層2のエンボス加工面3全面に真空蒸着法にてアルミニウム蒸着膜を膜厚50nmにて均一に形成し、光反射層4の薄膜を形成し、この光反射層4上に、前記回折構造形成層2とエンボス形成面3、光反射層4と同様の方法、膜厚にて回折構造形成層5とエンボス6,光反射層7を積層し、この光反射層7上に、下記組成物からなるインキを塗布・乾燥し、膜厚1μmの保護層8を積層し、図1に示す第1の発明の回折構造物20を製造した。
【0087】
「回折構造形成層用インキ組成物」
ウレタン樹脂 20.0重量部
メチルエチルケトン 50.0重量部
酢酸エチル 30.0重量部
「保護層用インキ組成物」
ポリアミドイミド樹脂 20.0重量部
ジメチルアセトアミド 45.0重量部
トルエン 35.0重量部
上記で得られた回折構造物20の両面に、抄紙時に紙の繊維との密着性を向上させるための接着材(ここでは材料は限定されるものではないが、透明性が高いものが望ましい)をグラビア印刷法により1μmずつ塗布し、幅5mmにスリット加工を行い、この接着剤が塗布された5mm幅のスリット状回折構造物20aを、円網抄紙機によって表裏が交互に露出するように抄き入れしてスレッド入り用紙とし、図7に示すような任意の大きさに切断して所望の偽造防止用紙40を製造した。
【0088】
上記実施例2で製造された偽造防止用紙40は、観察する角度に応じて異なる色彩や画像を見る事ができる回折光を発生させる回折構造物をスレッド状に有しており、このスレッド状の回折構造物は偽造防止媒体の表面と裏面の両面に露出し、観察する角度によって回折光による色彩や画像を見る事ができ、更に抄き入れによって偽造や改さんを困難なものであった。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の回折構造物の1事例を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明の回折構造物の1事例の表裏面で回折光が発生する事例を側断面で表した説明図である。
【図3】本発明の回折構造物の他の事例を側断面で表した説明図である。
【図4】本発明の回折構造物を用いた偽造防止媒体の1事例を側断面で表した説明図である。
【図5】本発明の回折構造物を用いた偽造防止媒体の他の1事例を説明する側断面図である。
【図6】本発明の回折構造物を用いた偽造防止媒体の他の1事例を説明する側断面図である。
【図7】本発明の回折構造物を用いた偽造防止用紙の1事例を説明する正面図である。
【図8】図7のA−A面を表す断面図である。
【図9】図7のB−B面を表す断面図である。
【図10】本発明の回折構造物を用いた偽造防止用紙の1事例を説明する正面図である。
【図11】図10のA−A面を表す断面図である。
【図12】図10のB−B面を表す断面図である。
【符号の説明】
【0090】
1‥‥基材
2‥‥回折構造形成層
3‥‥回折構造であるエンボス加工面
4‥‥光反射層
5‥‥回折構造形成層
6‥‥回折構造であるエンボス加工面
7‥‥光反射層
8‥‥保護層
9‥‥印刷層
10‥‥磁気テープ
11‥‥用紙
12‥‥画像パターン
13‥‥ICチップ
14‥‥アンテナ
15‥‥非接触ICインレット
20‥‥回折構造物
20a‥‥スリット状回折構造物
30‥‥偽造防止媒体
40‥‥偽造防止用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材の片面の全面もしくは一部分に、異なる回折構造が形成されている複数の回折構造形成層が積層されている回折構造物であって、少なくとも前記回折構造が形成されている第一の回折構造形成層、光反射層、前記第一の回折構造形成層とは異なる回折構造が形成されている第二の回折構造形成層、光反射層の4層が順に積層されていることを特徴とする回折構造物。
【請求項2】
前記透明基材は、屈折率の異なる複数の層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の回折構造物。
【請求項3】
前記透明基材の少なくとも片面に、着色された画像パターンが印刷されていることを特徴とする請求項1または2記載の回折構造物。
【請求項4】
前記回折構造は、任意の特定波長のみを回折する回折格子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回折構造物。
【請求項5】
前記光反射層は、前記回折構造形成層上に部分的にパターン化されて積層されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回折構造物。
【請求項6】
前記光反射層のうち、最表面に露出する光反射層上に該光反射層を保護する透明保護層が及び/又は前記基材、回折構造形成層、光反射層の各層間に該各層の密着性を高める密着補助層が施されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の回折構造物。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の回折構造物を用いた偽造防止媒体であって、前記回折構造物を構成する透明基材の回折構造形成層のない面に絵柄や文字及び/又は情報記録媒体が施されていることを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の回折構造物を用いた偽造防止媒体であって、前記回折構造物を構成する透明基材の回折構造形成層のない面が偽造防止を要する透明物品に施されていることを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれかに記載の回折構造物を用いた偽造防止用紙であって、紙に抄き入れまたは貼付されていることを特徴とする偽造防止用紙。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−134093(P2009−134093A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310311(P2007−310311)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】