説明

回路基板、および可撓性基板

【課題】可撓性基板上に形成された多数の配線のそれぞれと接続される多数の端子を備えた回路基板において、製造コストを増加させることなく、基板の長大化や端子間ピッチの狭小化に柔軟に対応させ、基板側の端子と可撓性基板側の配線とを確実に接続できるようにする。
【解決手段】可撓性基板20上に形成された多数の外部配線21のそれぞれと積層された状態で導通して接続される多数の端子3を備えた回路基板1aであって、回路基板は、上下方向に扁平で左右に幅広の略長方形の平面形状であり、前記多数の端子は、所定本数毎にブロック5を形成して複数のブロックに組分けされているとともに、当該複数のブロックは、前記略長方形の長辺側縁端2に沿って左右に並んで配置され、一つの前記ブロックに含まれる所定本数の端子は、左右に先端6と基端7を有して上下方向に櫛歯状に並んで配置されている回路基板としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓性基板上に形成された多数の配線のそれぞれと積層された状態で導通して接続される多数の端子を備えた回路基板に関する。また、前記可撓性基板にも関する。そして、本発明は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)やTCP(Tape Carrier Package)などに形成された配線と接続される回路基板に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
回路基板には、FPCやTCPなどに形成された配線、すなわち可撓性基板上に形成された配線と接続される端子を備えたものがある。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)の駆動回路を実装した回路基板には、基板の縁端に多数の端子が櫛歯状に形成され、この回路基板によって駆動されるLCD側にも多数の櫛歯状端子が形成されている。そして、双方の端子同士がFPCを介して接続される。
【0003】
図11に、本発明の従来例として、FPCを用いてLCDと接続される回路基板を示した。図11では、回路基板1f、LCD30、およびFPC20の接続構造を平面図にして示した。また図12に、当該接続構造を構成要素毎に分解した図を示した。図12では回路基板1f、FPC20、およびLCD30の端子や配線の形状を示した。回路基板1fは、略長方形の平面形状で、長辺の長さがLCD30の幅とほぼ同じとなっている。そして、回路基板1fにおけるFPC20との接続側長辺2と矩形のLCD30の下方長辺31とが対向配置されている。そして、これら互いに対向する長辺(2,31)の縁端に櫛歯状の端子(3,32)が形成され、双方の端子(3,32)同士がFPC20を介して接続される。
【0004】
回路基板1fにおける櫛歯状の端子3は、所定本数の端子を組4として、複数の組4に区分されている。各組4に含まれる所定本数の端子は、所定ピッチで左右に整列し、隣り合う組4の左右端の端子3間は、同じ組4の端子3間の距離よりも広く離間している。また、各端子3の基端7は、回路基板1f上に実装されている電子部品などからの配線8に接続されている。FPC20は、各組4に対応して複数枚あり、この例では、LCD30側の端子32のピッチや配列は、回路基板1fの端子とは同じとなっており、1つのFPC20には、一つの組4に含まれる端子3と同じ数の配線21がストライプ状に形成されている。
【0005】
図13は、図11におけるf−f矢視断面図である。回路基板1fにおける各組4の端子3とFPC20におけるストライプ状配線21の一方の端部23、およびLCD30の端子32とFPC020の他方の配線端部24とは、異方導電性テープ(ACF)40を介して積層され、その積層部分が熱圧着されることで、ACFが積層方向のみ導電性を有する接着層として機能し、回路基板1fの端子3とFPC20の一方の配線端部23、およびFPC20の他方の配線端部24とLCD30の端子32がそれぞれ導通して接続される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
回路基板の端子と、FPCなどの配線端部とを接続する場合、回路基板側の端子とFPCにおいて対応する配線との位置を正確に合わせる必要がある。もちろん、この位置合わせは、回路基板の端子とFPCの配線端部とを一本一本確認しながら行うわけではなく、回路基板の外形とFPCの外形を基準にして位置をあわせている。具体的には、基板の長辺の左右の端や中央などにアライメントマークなどの位置あわせの目印をパターンニングしておき、その目印と各FPCとの相対位置関係に基づいてFPCを一括して熱圧着する。例えば、回路基板の長辺の右端と各FPCの右端までの距離や、基板の中央とFPCの左右何れかの端の距離が所定の距離となるように、治具などを用いてFPCと基板を保持しておき、複数枚のFPCを一括して熱圧着する。
【0007】
ところで、最近のLCDの駆動用回路基板などは、画面サイズの大型化によって、長方形の長辺方向の幅が長大化する傾向にある。その一方で、LCDの高精細化に伴い、端子幅やピッチは狭小化する傾向にある。FR−4などの硬質樹脂製の回路基板上の電子部品は、通常、リフロー半田付けによって実装され、このとき回路基板が熱膨張する。冷却時には熱収縮する、このように、回路基板には、熱履歴による外形変形がある。特に、長方形の回路基板では、上記変形の度合いは長辺方向で大きくなり、長辺の長大化によって、さらに、その度合いは大きくなる。回路基板は、公差を考慮して設計されているが、回路基板に電子部品を実装する前の実寸がその公差の上限値あるいは下限値であった場合、端子間隔の狭小化を考慮すると、結果的に、端子の幅や端子間ピッチの実寸と計サイズとの誤差が無視できなくなり、端子とFPCの配線との位置関係にずれが生じる。例えば、FR−4基板では、上記熱履歴により、当初の辺の長さに対して0.012%程度の外形変形がある。長辺の幅が200mmのFR−4基板では、24μmとなる。
【0008】
図14に実際に製造されている従来の回路基板1fにおける各種サイズ(設計値)を示した。(A)は回路基板1fの外形に関するサイズを示しており、(B)は、一つの組4に含まれる端子3に関するサイズを示している。例示した回路基板1fは、多数の端子3が所定本数毎に複数組4に分けられており、長辺において、左右両端の端子間の距離Lが224.69mmとなっている。この回路基板1fでは、端子3の長さhは2.7mmであり、端子ピッチpと端子間隔d1は、それぞれ300μmと120μmとなっている。すなわち、端子の幅wは180μmである。なお、一つの組4における両端の端子間の距離Lgは37.2mmである。すなわち、各組4には、125本の端子3が含まれている。そして、回路基板1fにおける上記距離Lの公差は±0.1mmである。この基板1fが、熱履歴によって上記の度合い(0.012%)に従って外形が変形すると、左右両端にある端子3間の距離が約24μm伸縮し、公差を加えると、設計サイズと実寸との誤差が最大で約124μmとなる。
【0009】
このように誤差が最大となった場合、例えば、回路基板1fの左右両端の端子3間の距離Lの中央に位置する端子3を基準にしてFPCの圧着位置を合わせると、左右端部に向かって誤差が累積され、左右両端にある端子3では、約62μmのずれが生じる。このずれは、一つの組4における端子3同士の距離の半分程度である。左右何れかの端部にある端子3を基準にすると、他端の端子3では、124μmの誤差が発生し、ほぼ端子一本分の位置ずれが発生する。
【0010】
しかも、FPCを熱圧着する際には、熱膨張係数が異なる回路基板とFPCの双方が熱膨張するため、上記の位置ずれはさらに大きくなる。大きな位置ずれは、回路基板の端子とFPCにおける配線端部との積層方向での重複面積の減少に伴う導通不良や、異なる端子と配線との短絡を発生させる原因となる。もちろん、公差を少なくしたり、電子部品実装時の温度管理を厳密にしたりして、外形変形とそれに伴う端子サイズの誤差を許容範囲内に抑えることは可能であるが、その公差や誤差に対応した製造設備が必要となり、製造過程での品質管理に掛かるコストも増加する。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、可撓性基板上に形成された多数の配線のそれぞれと接続される多数の端子を備えた回路基板において、製造コストを増加させることなく、基板の長大化や端子間ピッチの狭小化に柔軟に対応させ、基板側の端子と可撓性基板側の配線とを確実に接続できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明は、可撓性基板上に形成された多数の外部配線のそれぞれと積層された状態で導通して接続される多数の端子を備えた回路基板であって、
前記回路基板は、上下方向に扁平で左右に幅広の略長方形の平面形状であり、
前記多数の端子は、所定本数毎にブロックを形成して複数のブロックに組分けされているとともに、当該複数のブロックは、前記略長方形の長辺側縁端に沿って左右に並んで配置され、
一つの前記ブロックに含まれる所定本数の端子は、左右に先端と基端を有して上下方向に櫛歯状に並んで配置されている回路基板としている。
【0013】
そして、前記多数の端子は同一形状で、前記一つのブロックに含まれる前記所定本数の端子は、前記先端が前記縁端に向かって昇段する階段状となっているとともに、前記基端が前記長辺側縁端に向かって降段する階段状となっているように配置されて、当該基端に前記回路基板に形成されている内部配線が接続されている回路基板とすればよりこのましい。
【0014】
上記何れかの回路基板は、前記回路基板の表面に前記端子が矩形島状に形成されているとともに、基板裏面に前記内部配線が形成され、当該内部配線と前記端子とがスルーホールを介して接続されていてもよい。あるいは、前記回路基板は、複数の基板を積層した多層基板からなり、当該多層基板の最上面に前記端子が矩形島状に形成されているとともに、積層基板の内層に前記内部配線が形成され、当該内部配線と前記端子とがスルーホールまたはIVHを介して接続されている回路基板とすることもできる。
【0015】
本発明は、上記何れかの回路基板の多数の端子に接続される外部配線が多数形成された可撓性基板にも及んでおり、当該可撓性基板に係る本発明は、多数の前記外部配線が、前記一つのブロックに含まれる前記所定本数の端子に対応して当該所定本数毎に組分けされ、当該各組の所定本数の外部配線が、ストライプ状に上下方向に延長しつつ、前記端子と接続される先端側が、当該端子と対向するように左右の何れか一方向に向かって屈曲するとともに、各外部配線の前記先端から前記屈曲点までの線分領域内に前記端子と積層されて接続される領域が形成されている可撓性基板としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の回路基板によれば、製造過程における外形変形に伴う端子幅や端子間隔の実寸と設計サイズとの誤差を許容し、電子部品の実装時おける温度管理や製造時の基板サイズを厳格に管理しなくても、基板の長大化や端子間ピッチの狭小化に柔軟に対応でき、長方形基板の長辺縁端に形成された多数の端子を可撓性基板上に形成された配線と確実に接続することができる。したがって、製造コストを増加させることなく信頼性の高い回路基板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
===第1の実施例===
図1に、本発明の第1の実施例における回路基板の端子構造を示した。例示した回路基板1aは、図11に示した従来例1fと同様に、LCD30の幅と同程度の幅の横長の長方形状で、長辺縁端2に多数の端子が形成されている。そして、この端子がFPC20上に形成された配線を介してLCD30の端子と接続される。多数の端子は、所定本数毎に組みわけされて、各組4毎に1枚のFPC20が対応している。ここまでの構造は、従来の回路基板1fと同様である。しかし、第1の実施例における回路基板1aでは、端子の配列や配置が従来の回路基板1fとは大きく異なっている。なお、以下では、図1における上下左右の関係に従って説明することとする。すなわち、回路基板1aは左右に横長となる長方形状で、端子3は、その長方形の上方縁端に形成されている。また、紙面手前方向と奥行き方向をそれぞれ前と後とし、回路基板1aにおいて端子3が形成されている面を「おもて面」とする。
【0018】
図2に、第1の実施例における回路基板1aの概略を示した。(A)は、1枚のFPC20に対応する一組4の端子3と、端子3と接続されるFPC20の配線(以下、外部配線)とについて、それぞれの形状や配置を示しており、(B)は(A)における楕円領域100の拡大図である。なお、当該図2では説明を容易にするために、端子3の数を実際よりも少なくしている。また(B)では、端子3と、その端子3の基端7に接続される回路基板1a上の配線(以下、内部配線)8とを識別できるようにハッチングの種類を変えて示した。
【0019】
上述したように、第1の実施例の回路基板1aの外形や基本的な接続構造は従来の回路基板1fと同様である。しかし、第1の実施例における回路基板1aでは、端子3の形状が基板1aの上方縁辺2と平行となっている点が異なっている。第1の実施例において、回路基板1aの端子3は、所定本数の端子3毎に組4が形成され、各組4の端子3がさらに複数の組(ブロック)5に分けられている。各ブロック5の端子3は、上下に扁平した矩形状で、その先端6と基端7が揃うように上下方向に並列している。また、1枚のFPC20には、一組4の端子3と同じ数の外部配線21が形成されており、その外部配線21が端子3の1ブロック5ごとに対応して複数の組22に分けられている。そして、各外部配線21は、上方から下方に向けて延長しつつ、その先端23が回路基板1aの端子3と対向するように直角に屈曲している。なお、この例では、外部配線21の先端23は、端子3の形状に合わせて幅が太くなっているが、屈曲点25から先端23まで同じ太さであってもよい。
【0020】
図3に一つのブロック5中の各端子3と外部配線21の先端23との接続状態を示した。内部配線8、外部配線21をそれぞれ異なるハッチングで示した。また、端子3と外部配線21との積層部分を黒塗りで示した。端子3と外部配線21の先端23は、異方導電性フィルム(ACF)40を介して前後方向に重複するように積層された状態で熱圧着されている。なお、本実施例では、ACF40は、各ブロック5や各組4の端子3毎に区切られているのではなく、一つのブロックに含まれる端子3を包含する上下幅で、左右に長い1本のテープ状となっている。
【0021】
なお、当該第1の実施例では、一つのブロック5に含まれる端子3が全て同じ形状で両端が上下で揃っていたが、図4に示した端子形状のように、端子3の基端7は、回路基板1の下方から上方(縁辺2)に向かって降段する階段状となっていてもよい。すなわち、縁辺2に向かって端子3の左右の幅が徐々に長くなっている形状としてもよい。そして、このような端子形状では、内部配線8は、上下方向に延長しつつ、端子3が延長する左右方向と直交するように端子3の基端7に接続される。
【0022】
===温度履歴による基板の変形について===
上述した第1の実施例の回路基板1aを含め、本発明の回路基板は、端子3が略長方形状の基板の長辺に平行な形状で、上下方向に櫛歯状となるように平行して並んでいる、という構造に特徴がある。そして、この特徴により、本発明の回路基板では、温度履歴によって回路基板の、とくに長辺方向の左右幅が変化しても、端子3は、主にその左右方向の長さが伸縮するだけであり、ピッチや端子幅は、回路基板の設計公差や製造時の品質管理を厳しくしなくても、ほとんど伸縮せず、端子3と外部配線21などの外部配線との位置合わせに関わる誤差を許容範囲内に抑制することができるのである。
【0023】
===第2の実施例===
図5に本発明の第2の実施例における回路基板1bを示した。当該図では、端子3と外部配線21との接続状態を示している。また、端子3と内部配線8と外部配線21をそれぞれ異なるハッチングによって示した。なお、当該図では、端子3を格子状のハッチングで示すとともに、説明を容易にするために、外部配線21と端子3の積層部分をずらして示した。第2の実施例は、第1の実施例と同様に、回路基板1bの多数の端子3が、複数の組に区分され、各組毎に複数のブロック5が形成されている。そして、各ブロック5の端子3は、上下方向に櫛歯状となるように並んでいる。しかし、第2の実施例では、各ブロック5の端子3は、その先端6が階段状になっている。各端子3の基端7も階段状である。すなわち、端子3の左右幅が全て同じであり、端子3が回路基板1bの縁辺2に向かって左右の何れか一方向に徐々にずれていくように配置されている。また、端子3の先端側の階段が下方から上方(長辺の縁辺2)に向かって「昇段」するようにずれており、この例では、下方から上方に向かって先端が左から右方向にずれるように昇段している。
【0024】
一方、端子3に接続される外部配線21は、これも第1の実施例と同様に、上方から下方に直線状に延長しつつ、その先端23が端子3の先端に対向するように左右方向に屈曲している。当該図5では端子3の先端6が左にあることから、外部配線21は、上方から下方に延長しつつ、その先端23側が右方向に屈曲している。そして、その外部端子21の先端23も階段状の端子3の配置に合わせて階段状となっており、屈曲点25から端子3に対向する先端までの長さが端子3の左右幅に一致している。そのため、端子3と外部端子21の先端とを積層すると端子3と外部配線21の屈曲部分のそれぞれの領域が一致する。
【0025】
第1の実施例では、外部配線21の先端23と端子3を接続した状態では、互いに隣接する2つのブロック5間に外部配線21が配置されるため、隣接するブロック5間の距離をある程度広くする必要があった。しかし、この第2の実施例では、各ブロック5のそれぞれに含まれる端子3の先端6を階段状に並べることで、隣接するブロック5間に一組22の外部配線21に含まれる全ての上下直線部分を配置する必要がない。すなわち、隣接するブロック5間の距離を狭くすることができる。したがって、この第2の実施例における回路基板1bは、長辺の幅が限られた回路基板に、より多数の端子3を形成する場合に有効と言える。
【0026】
参考までに、図6に第2の実施例における回路基板1bや当該基板1bに形成された端子3のサイズ(設計値)を例示した。(A)は、回路基板1b全体のサイズを示す図であり、左右両端の端子間の設計距離Lは、224.69mmで、図11〜図14に示した従来の回路基板1bと同じである。図6(B)は、各ブロックにおける端子の各種サイズを示す図であり、端子の長さh、幅w、端子間距離d1、ピッチpは、従来例と同じで、それぞれ、h=2.7mm、w=180μm、d1=120μm、p=300μmである。また、同じブロック5における内部配線8間の距離d2は、端子間3の距離d1と同じ120μmとなっている。ブロック間の距離d3は、端子幅wとほぼ同等の200μmであり、実施例1の回路基板1cのブロック3間の距離よりも極めて狭くすることができる。なお、図6(B)では、説明を容易にするために端子数を少なくして示しているが、当該図6に示したサイズで、図14に示した従来例の回路基板1fと同じ端子数を基板の長辺縁端2に形成することができる。
【0027】
===第3の実施例===
本発明の第3の実施例における回路基板は、端子とそれに接続される内部配線とが同一面内になく、端子と内部配線をスルーホールを用いて基板の表裏で接続する構造、あるいは、積層基板の最表層に形成された端子と内層に形成された内部配線とをIVH(Interstitial Via Hole)を介して接続する構造となっている。
【0028】
図7にスルーホールを介して接続する実施形態を示した。当該図は、回路基板1cのおもて面の平面図を示しており、端子3に接続される外部配線21も合わせて示している。また、図8に図7のc−c矢視断面図を示した。各端子3は、上記第1および第2の実施例と同様に、左右に横長の略矩形状で、ブロック5ごとに、上下に櫛歯状となるように平行配置されている。しかし、この回路基板1cでは、内部配線8がおもて面11に形成されておらず、各端子3は、扁平矩形状の独立した島となっている。そして、内部配線8は、基板1cの裏面12に形成されている。
【0029】
回路基板1cの裏面12の内部配線8とおもて面11の端子3とは、端子3の基端7に穿設されたスルーホール9を介して接続されている。なお、スルーホール9の位置は、図7、図8に示した例に限らず、例えば、図9(A)の平面図と(B)の断面図に示した回路基板1dのように、端子3の基端7に連続して接触するように形成されていてもよい。もちろん、スルーホール9は、端子3の端部7側になくてもよく、先端側や中央部にあってもよい。なお、IVHを介して接続する形態では、図10に断面図として示した回路基板1eのように、多層基板の内層に形成されている内部配線8が基板1eのおもて面11に形成されている端子3とIVH10を介して接続される。もちろん、内層の内部配線8と端子3とをスルーホール9を介して接続する形態もある。
【0030】
この第3の実施例における回路基板1c〜1eでは、隣接するブロック5間に内部配線8を形成する必要がない。すなわち、端子3が形成されるおもて面11には、内部配線8を端子3の基端7に接続するためのスペースを確保する必要がしない。さらに、端子3の先端6を第2の実施例のように階段状にすれば、隣接するブロック5間の距離も小さくすることができ、長辺縁辺2にさらに多くの端子3を形成することができる。それによって、例えば、同じ画面サイズであっても、より画素数の多いLCDとの接続が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施例における回路基板の接続構造を示す図である。
【図2】上記第1の実施例の回路基板における端子と、当該端子に接続されるFPCの配線の形状や配置を示す図である。
【図3】上記第1の実施例における回路基板の端子と外部配線との接続状態を示す図である。
【図4】上記第1の実施例の変形形態における回路基板の端子と、当該端子に接続されるFPCの配線の形状や配置を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例における回路基板の端子と外部配線との接続状態を示す図である。
【図6】上記第2の実施例の回路基板や当該基板における端子のサイズを示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例の回路基板における端子と、当該端子に接続されるFPCの配線の形状や配置を示す図である。
【図8】上記第3の実施例の回路基板の断面図である。
【図9】上記第3の実施例の変形形態における回路基板の端子構造を示す図である。
【図10】上記第3の実施例のその他の実施形態における回路基板の端子構造示す図である。
【図11】本発明の従来例における回路基板の接続構造を示す図である。
【図12】上記従来例の回路基板における端子と、液晶ディスプレイの端子と、これらの端子に接続されるFPCの配線の形状や配置を示す図である。
【図13】上記従来例における回路基板とFPCと液晶ディスプレイとの接続構造の断面図である。
【図14】上記従来例の回路基板や当該基板における端子のサイズを示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1a〜1f 回路基板
2 回路基板の縁辺
3 回路基板の端子
4 回路基板の端子の組
5 回路基板の端子のブロック
8 内部配線
9 スルーホール
10 IVH
20 FPC
21 外部配線
30 液晶ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性基板上に形成された多数の外部配線のそれぞれと積層された状態で導通して接続される多数の端子を備えた回路基板であって、
前記回路基板は、上下方向に扁平で左右に幅広の略長方形の平面形状であり、
前記多数の端子は、所定本数毎にブロックを形成して複数のブロックに組分けされているとともに、当該複数のブロックは、前記略長方形の長辺側縁端に沿って左右に並んで配置され、
一つの前記ブロックに含まれる所定本数の端子は、左右に先端と基端を有して上下方向に櫛歯状に並んで配置され、当該基端に前記回路基板に形成されている内部配線が接続されている
ことを特徴とする回路基板。
【請求項2】
請求項1において、前記多数の端子は同一形状で、前記一つのブロックに含まれる前記所定本数の端子は、前記先端が前記縁端に向かって昇段する階段状となっているとともに、前記基端が前記長辺側縁端に向かって降段する階段状となっているように配置されていることを特徴とする回路基板。
【請求項3】
請求項1または2において、前記回路基板の表面に前記端子が矩形島状に形成されているとともに、基板裏面に前記内部配線が形成され、当該内部配線と前記端子とがスルーホールを介して接続されていることを特徴とする回路基板。
【請求項4】
請求項1または2において、前記回路基板は、複数の基板を積層した多層基板からなり、当該多層基板の最上面に前記端子が矩形島状に形成されているとともに、積層基板の内層に前記内部配線が形成され、当該内部配線と前記端子とがスルーホール、またはIVHを介して接続されていることを特徴とする回路基板。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の回路基板の多数の端子に接続される外部配線が多数形成された可撓性基板であって、
多数の前記外部配線は、前記一つのブロックに含まれる前記所定本数の端子に対応して当該所定本数毎に組分けされ、
当該各組の所定本数の外部配線は、ストライプ状に上下方向に延長しつつ、前記端子と接続される先端側が、当該端子と対向するように左右の何れか一方向に向かって屈曲するとともに、各外部配線の前記先端から前記屈曲点までの線分領域内に前記端子と積層されて接続される領域が形成されていることを特徴とする可撓性基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−147084(P2010−147084A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319856(P2008−319856)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(508128244)FDKモジュールシステムテクノロジー株式会社 (8)
【Fターム(参考)】