説明

回路板熱伝達システム及びその組み立て方法

【課題】回路板組立体のための熱除去システム(250)を提供する。
【解決手段】熱除去システム(250)は、印刷回路板(PCB)(106)と、該PCBを通って延在する少なくとも1つの熱的バイア(222)と、熱が前記PCBから前記少なくとも1つの熱的バイア及び当該熱界面材料(122)を通って除去されるように、前記少なくとも1つの熱的バイアに結合されている熱界面材料(TIM)(122)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本書に記載される内容は、一般的に云えば、印刷回路板(PCB)組立体についての熱伝達を改善することに関し、より詳しくは、PCBと筐体との間の熱抵抗を低減するための熱界面材料及び熱的バイア(thermal via) に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大電力用装置を含んでいる組立体のような、熱をPCBから筐体へ熱伝導によって除去するように設計された構成部品は、より多量の熱を除去することが問題になってきている。その理由は、新しく開発された処理装置が典型的にはより多くの回路を含み、従ってより大きな熱負荷を生じる傾向があるためであり、並びに/又は構成部品がより小形になり、従ってPCBがより多数の構成部品を含むことができるようになり、これによってPCBによって発生される熱量が大きくなるためである。
【0003】
少なくとも幾種類かの既知のPCB組立体では、熱を除去するように設計された構成部品が、PCB上の非伝導性基板に接触している。電気的に接地された筐体とPCB上の電気構成部品(例えば、回路平面及び/又は回路構成部品)との間での電気伝導を避けるために、少なくとも幾種類かのPCB組立体では、回路平面及び/又は回路構成部品に直接接触する熱除去構成部品が設けられていない。しかしながら、回路平面及び/又は回路構成部品は一般的にPCB上の主要な熱発生源である。回路平面及び/又は回路構成部品によって発生された熱が充分に除去及び/又は散逸されなかった場合、PCB及び回路構成部品は損傷を受け及び/又は機能不良になる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6448509号
【発明の概要】
【0005】
本発明の一面においては、印刷回路板組立体を提供する。本組立体は、筐体と、前記筐体に結合されたヒートフレーム(heatframe) と、印刷回路板(PCB)と、前記PCBと前記ヒートフレームとの間に結合された熱界面材料(TIM)と、前記PCBを通って延在して前記TIMに結合された少なくとも1つの熱的バイアとを含み、また本組立体は、前記PCBから前記TIM及び前記少なくとも1つの熱的バイアを介して前記筐体へ熱を伝達するように構成される。
【0006】
本発明の別の面においては、熱除去システムを提供する。本熱除去システムは、印刷回路板(PCB)と、前記PCBを通って延在する少なくとも1つの熱的バイアと、熱界面材料(TIM)とを含み、該熱界面材料(TIM)は、熱が前記PCBから前記少なくとも1つの熱的バイア及び当該TIMを通って除去されるように、前記少なくとも1つの熱的バイアに結合される。
【0007】
本発明の更に別の面においては、印刷回路板組立体を組み立てる方法を提供する。本方法は、印刷回路板(PCB)を用意する工程と、前記PCB内に少なくとも1つの熱的バイアを配置する工程と、熱界面材料(TIM)を前記少なくとも1つの熱的バイアに結合する工程と、前記TIMをヒートフレームに結合する工程と、熱が前記PCBから前記少なくとも1つの熱的バイア及び前記TIMを介して当該筐体へ伝達されるように、前記ヒートフレームを筐体に結合する工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、模範的な印刷回路板組立体の概略図である。
【図2】図2は、図1に示された印刷回路板組立体の一部分の概略図である。
【図3】図3は、図1に示された印刷回路板組立体に用いることのできる模範的な冷却構造の分解図である。
【図4】図4は、図3に示された冷却構造の断面図である。
【図5】図5は、図2に示された印刷回路板組立体を組み立てるために用いることのできる模範的な印刷回路板組立体の組み立て方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本書に記載される様々な実施形態は、印刷回路板(PCB)で発生された熱の除去を促進する。熱伝導性の電気絶縁材料で構成された熱界面材料(TIM)により、ヒートフレームをPCBに結合する。PCBは、TIMに結合された少なくとも1つの熱的バイアを含む。PCBで発生された熱は、熱的バイア、TIM及びヒートフレームを介して除去される。TIMが電気絶縁されているので、PCB上の回路接地平面を熱的バイアに直接連結することができ、これにより、PCBから除去される熱量及び/又は熱流量を改善する。最後に、熱的バイアが回路接地平面に直接連結されるので、本書に記載したシステムは、既知のPCB組立体と比べて熱抵抗率が低く、従って、熱伝達特性が増大する。
【0010】
図1は、印刷回路板(PCB)組立体100の概略図である。組立体100は、筐体102、ヒートフレーム104、及びPCB106を含む。筐体102は低温壁108及び110を含み、低温壁108及び110はそれらの長さに沿って延在する溝穴112を形成する。低温壁108は下側表面114を持ち、また低温壁110は上側表面116を持つ。楔形固定具(wedgelock) 118のような幅広の保持器又は他の適当な固定機構が、低温壁108及び110の内の一方又は両方とヒートフレーム104との間に結合される。模範的な実施形態では、楔形固定具118が下側表面114とヒートフレーム104との間に結合され且つそれらに突合せ接触する。低温壁108及び110は、後で詳しく説明するように、筐体102がヒート・シンク(放熱体)として動作するように、一定温度に保たれる。
【0011】
模範的な実施形態では、楔形固定具118は、複数の個別の楔(図示せず)を介して、ヒートフレーム104と溝穴112の下側表面114との間に拡張して接触圧力を加えることによって、溝穴112内にヒートフレーム104を固定するように設計された機械的留め具である。一実施形態では、楔形固定具118は、拡張ネジ(図示せず)を用いて複数の楔を拡張して、ヒートフレーム104及び溝穴112の下側表面114の両方に圧力を加えさせることによって、溝穴112内にヒートフレーム104を機械的に固定する。楔形固定具118によって生じるこの圧力は、ヒートフレーム104を上側表面116及び低温壁110に対して押し付けて、後で詳しく説明するように、PCB106から熱を除去し易くする。代替の形態では、楔形固定具118は、溝穴112内にヒートフレーム104を固定するのを容易にする任意の機械的留め具であってよい。
【0012】
模範的な実施形態では、ヒートフレーム104は、熱伝導性金属、例えば、アルミニウム又は銅で製造される。代替の形態では、ヒートフレーム104は、PCB組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の材料から製造される。ヒートフレーム104は取付け装置120によりPCB106に結合される。取付け装置120は、例えば、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、ピン・グリッド・アレイ(PGA)、及び/又はランド・グリッド・アレイ(LGA)を含むことができる。また、熱界面材料(TIM)122が、後で詳しく説明するように、ヒートフレーム104とPCB106との間に結合される。模範的な実施形態では、TIM122は、ヒートフレーム104がPCB106に直接接触しないように、ヒートフレーム104とPCB106との間の間隔を維持する。代替の形態では、ヒートフレーム104は、PCB106からの熱の除去を容易にするために、PCB106の少なくとも一部分に直接接触させることができる。
【0013】
模範的な実施形態では、TIM122は、PCB106の上側表面130とヒートフレーム104の下側表面132とに結合される。代替の形態では、TIM122は、PCB106とヒートフレーム104との間に、組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の場所及び/又は位置で結合することができる。更に、実施形態によっては、TIM122は、PCB106から除去される熱がヒートフレーム104を通過しないように、PCB106と筐体102との間に結合することができる。
【0014】
図2は、図1に示されたPCB組立体100の一部分の断面図である。TIM122は、TIM122が熱エネルギ(すなわち、熱)を導くが電気を通さないように、熱伝導性であるが電気絶縁性の材料で構成される。PCB106から効率よく熱を除去するために、TIM122は、熱抵抗の低い材料で構成される。一実施形態では、TIM122は、3.6ケルビン/ワット(K/W)の熱抵抗θを持つ。代替の形態では、TIM122は、PCB組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の材料で構成することができる。例えば、TIM122は、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化硼素及び/又は銀が注入されたシリコンをベースとした材料とすることができる。
【0015】
PCB106は、PCB基板204の層間に配置された複数の銅の回路平面202を含む。PCB基板204は、誘電体材料で構成すること、例えば、ポリアミド樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維シートで構成することができる。代替の形態では、PCB基板204は、PCB組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の材料で構成することができる。
【0016】
模範的な実施形態では、PCB106の複数の回路平面202には、第1の回路平面210、第2の回路平面212、第3の回路平面214及び第4の回路平面216が含まれる。これらの回路平面202は、PCB106上に積み重ねた及び/又はオーバーラップした配向で配置される。模範的な実施形態では、第1の回路平面210がPCB106の上側表面130上に位置決めされる。第1、第2、第3及び第4の回路平面210、212、214及び216の各々は、回路接地平面(すなわち、接地電位を持つ回路平面)又は回路電力平面(すなわち、非ゼロ電位を持つ回路平面)を含むことができる。模範的な実施形態では4つの回路平面202が示されているが、PCB106は、PCB組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の数の回路平面202を含むことができる。
【0017】
模範的な実施形態では、少なくとも1つの開口220がPCB106を貫通する。開口220は、PCB基板204、第1の回路平面210、第2の回路平面212、第3の回路平面214及び第4の回路平面216を通って延在する。模範的な実施形態では、開口220はほぼ円筒形であって、上側表面130に対してほぼ垂直な方向にPCB106を貫通する。代替の形態では、開口220は、PCB組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の適当な形状及び/又は配向を持つことができる。例えば、実施形態によっては、開口220は、上側表面130に対して斜めに又は平行に配向することができる。
【0018】
熱的バイア222が開口220を通って延在する。模範的な実施形態では、熱的バイア222はPCB106の上側表面130から下側表面224まで延在する。代替の形態では、熱的バイア222はPCB106の一部分のみを通って延在する。更に、実施形態によっては、開口220を通って延在する代わりに、熱的バイア222はPCB106の縁部226に沿って延在する。
【0019】
熱的バイア222はTIM122に結合される。TIM122、熱的バイア222及びPCB106は、熱除去システム250を形成する。PCB106から筐体102への熱の伝達を容易にするために、回路平面202によって発生された熱が熱除去システム250に導かれるように、少なくとも1つの回路平面202が熱的バイア222に連結される。本書で用いられる場合、回路平面202を熱的バイア222に「連結」するとは、熱を回路平面202から熱的バイア222へ伝達できるように回路平面202を熱的バイア222に電気的及び/又は機械的に結合することを意味する。例えば、実施形態によっては、開口220は、回路平面202に接触するメッキ被覆を含み、このメッキ被覆を介して熱的バイア222が回路平面202に結合される。この代わりに、回路平面202は電気リードによって熱的バイア222に連結することができる。更に、実施形態によっては、熱的バイア222は回路平面202に突合せ接触することができる。模範的な実施形態では、第3の回路平面214が接触点260で熱的バイア222に連結される。代替の形態では、第1、第2、第3及び第4の回路平面210、212、214及び216のいずれかを、PCB組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の手段によって、熱的バイア222に連結することができる。熱エネルギがまた、熱的バイア222を取り囲むPCB基板204からも熱的バイア222へ流入することができる。
【0020】
PCB106からの熱の除去を容易にするために、熱的バイア222は熱伝導性材料で構成される。TIM122が存在するので、熱的バイア222はヒートフレーム104及び筐体102から電気的に隔離される。従って、熱的バイア222に連結された回路平面202もまた、ヒートフレーム104及び筐体102から電気的に隔離される。このことから、模範的な実施形態では、熱的バイア222は、例えば銅のような、導電性材料で構成される。この代わりに、熱的バイア222は、PCB組立体100が本書で述べるように機能することを可能にする任意の材料で構成することができる。
【0021】
前に述べたように、回路平面202には回路接地平面及び/又は回路電力平面を含むことができる。従って、熱的バイア222は、少なくとも1つの回路接地平面又は少なくとも1つの回路電力平面に連結することができる。更に、図2には唯一つの熱的バイア222しか示していないが、実施形態によっては、PCB106は熱的バイア222の配列を含み、その各々はTIM122に結合することができる。実施形態によっては、第1の熱的バイアをPCB106上の回路接地平面に連結し、また第2の熱的バイアをPCB106上の回路電力平面に連結することができる。
【0022】
動作について説明すると、PCB106及び/又は複数の回路平面202が熱を発生する。より具体的に述べると、これらの回路平面202に結合され及び/又はそれらの上に配置された通電回路が熱を発生する。PCB106からの熱の除去を容易にするために、第1の低温壁108、第2の低温壁110及び/又は筐体102をPCB106の温度よりも冷たい一定の温度に保って、PCB106で発生される熱が筐体102へ流れるようにする。図2に示された実施形態について、より具体的に説明すると、第3の回路平面214で発生された熱が接触点260を通って熱的バイア222へ流入する。熱的バイア222から、熱はTIM122を通ってヒートフレーム104へ流入する。更に、低温壁108及び110がPCB106の温度よりも冷たい一定の温度に保たれ、且つ楔形固定具118がヒートフレーム104を低温壁110に対して押し付けているので、熱はヒートフレーム104を通って筐体102へ流入する。このように、熱的バイア222、TIM122及びヒートフレーム104は、回路平面202から筐体102への直接的な熱流路を提供する。しかしながら、TIM122が電気絶縁されているので、電気は回路平面202から筐体102へ導通しない。従って、TIM122及び熱的バイア222はPCB106上の回路平面202から直接的に熱を除去しながら、回路平面202と筐体102との間を電気絶縁状態に維持する。
【0023】
図3は、図1に示されているPCB組立体100に用いることのできる模範的な冷却構造300の分解図である。図4は、図3に示されている冷却構造300の断面図である。図3及び図4に示されている実施形態では、ヒートフレーム302が取付け点306でPCB304に取り付けられる。図3及び図4には唯一つの取付け点306しか示されていないが、ヒートフレーム302は、冷却構造300が本書で述べるように機能することを可能にする任意の数の取付け点306でPCB304に取り付けることができる。
【0024】
ヒートフレーム302は、例えば取付けネジのような取付け用構成部品308によってPCB304に取り付けることができる。取付け用構成部品308は、PCB304中の開口310を通って延在する。模範的な実施形態では、開口310は、PCB304上の表面層320、第1の平面層322、通路層324及び第2の平面層326を通って延在する。第1の平面層322、通路層324及び第2の平面層326は、PCB基板328によって分離されている。第1及び第2の平面層322及び326は通電回路を含み、他方、通路層324の少なくとも一部分は通電回路を含んでいない。代替の形態では、PCB304は、冷却構造300が本書で述べるように機能することを可能にする任意の数及び/又は配列の層を含むことができる。
【0025】
模範的な実施形態では、冷却板330が通路層324において取付け用構成部品308に結合される。冷却板330は実質的に通路層324と同一平面上にある。更に、模範的な実施形態では冷却板330は実質的に環状形状を持つが、その代わりに冷却板330は、四角、矩形及び/又は多角形のような任意の適当な形状を持つことができる。前に述べたように、通路層324の少なくとも一部分は通電回路を含んでいない。従って、冷却板330はPCB304上の通電回路から電気的に隔離される。より具体的に述べると、冷却板330はPCB基板328によって第1及び第2の平面層322及び326から電気的に隔離される。
【0026】
模範的な実施形態では、冷却板330は第1及び第2の平面層322及び326の少なくとも一部分にオーバーラップするように成形及び配向される。従って、第1の平面層322及び/又は第2の平面層326上で熱が発生されたとき、その発生された熱は、熱伝達経路340及び342に沿って、第1の平面層322及び/又は第2の平面層326からPCB基板328を通って冷却板330へ流れる。更に、熱は、熱伝達経路344に沿って、冷却板330から取付け用構成部品308を通ってヒートフレーム302へ流れる。従って、冷却構造300は、冷却板330と第1及び第2の平面層322及び326との間の電気的隔離を維持しながら、第1の平面層322及び/又は第2の平面層326上に発生された熱を除去するの容易にする。
【0027】
図5は、PCB組立体100のようなPCB組立体を組み立てるための模範的な方法500の流れ図である。方法500は、PCB106のようなPCBを用意する工程502を含む。工程504で、熱的バイア222のような少なくとも1つの熱的バイアをPCB内に配置する。PCBからの熱の除去を容易にするために、工程506で、少なくとも1つの熱的バイアに、TIM122のようなTIMを結合する。工程508で、TIMはまた、ヒートフレーム104のようなヒートフレームにも結合する。工程510で、ヒートフレームを、筐体102のような筐体に結合する。筐体はPCBの温度よりも低い温度に保って、これにより、PCBで熱が発生されたとき、その発生された熱が熱的バイアを通り、次いでTIMを通り、次いでヒートフレームを通って筐体へ流れるようにする。これは、PCBとその上に設けられた任意の電気及び/又は回路構成部品との冷却を促進する。
【0028】
本書に記載したシステム及び方法は、印刷回路板(PCB)で発生された熱の除去を容易にする。熱伝導性で電気絶縁性の材料で構成された熱界面材料(TIM)により、ヒートフレームをPCBに結合する。PCBは、TIMに結合された少なくとも1つの熱的バイアを含む。PCBで発生された熱は、熱的バイア、TIM及びヒートフレームを通って除去される。TIMが電気絶縁されているので、PCB上の回路接地平面を熱的バイアに直接に連結することができ、これにより、PCBから除去される熱量及び/又は熱流量が改善される。最後に、熱的バイアを回路接地平面に直接連結することができるので、本書で述べたシステムは既知のPCB組立体と比べて熱抵抗が低く、従って、熱伝達特性が増大する。
【0029】
以上、PCBから熱を除去するためのシステムの模範的な実施形態を詳しく説明した。本発明の方法及びシステムは、本書に述べた特定の実施形態に制限されず、むしろシステムの様々な構成部品及び/又は方法の様々な工程を、本書に記載した他の構成部品及び/又は工程とは独立に且つ別々に利用することができる。本発明の方法及びシステムは、他の装置と組み合わせて用いることができ、また本書に記載したシステム及び方法のみにより実施することに制限されない。例えば、本書に述べたTIM及び熱的バイアは、電源ユニットと基板との間、筐体と冷却フィンとの間、筐体と基板との間などで熱を伝達するために使用することができる。従って、模範的な実施形態は、多数の他の用途について具現化し利用することができる。
【0030】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴を幾分かの図面に示し且つ他の図面には示さないが、これは単に便宜のためにすぎない。本発明の原理に従って、図面の任意の特徴を任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて引用し及び/又は請求することができる。
【0031】
本明細書は、最良の実施形態を含めて、本発明を開示するために、また当業者が任意の装置又はシステムを作成し使用し、且つ任意の採用した方法を遂行すること含めて、本発明を実施できるようにするために、様々な例を使用した。本発明の特許可能な範囲は「特許請求の範囲」の記載に定めており、また当業者に考えられる他の例を含み得る。このような他の例は、それらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない構造的要素を持つ場合、或いはそれらが「特許請求の範囲」の文字通りの記載から実質的に差異のない等価な構造的要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0032】
100 PCB組立体
102 筐体
104 ヒートフレーム
106 印刷回路板(PCB)
108、110 低温壁
112 溝穴
114 下側表面
116 上側表面
118 楔形固定具
120 取付け装置
122 熱界面材料(TIM)
130 上側表面
132 下側表面
202 回路平面
204 PCB基板
210 第1の回路平面
212 第2の回路平面
214 第3の回路平面
216 第4の回路平面
220 開口
222 熱的バイア
224 下側表面
226 縁部
250 熱除去システム
260 接触点
300 冷却構造
302 ヒートフレーム
304 PCB
306 取付け点
308 取付け用構成部品
310 開口
320 表面層
322 第1の平面層
324 通路層
326 第2の平面層
328 PCB基板
330 冷却板
340、342、344 熱伝達経路
500 印刷回路板組立体の組み立て方法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(102)と、
前記筐体に結合されたヒートフレーム(104)と、
印刷回路板(PCB)(106)と、
前記PCBと前記ヒートフレームとの間に結合された熱界面材料(TIM)(122)と、
前記PCBを通って延在していて、前記TIMに結合された少なくとも1つの熱的バイア(222)と
を有していて、前記PCBから前記TIM及び前記少なくとも1つの熱的バイアを介して前記筐体へ熱を伝達するように構成されている印刷回路板組立体(100)。
【請求項2】
前記TIM(122)は熱伝導性の電気絶縁材料で構成されている、請求項1記載の組立体(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの熱的バイア(222)は熱伝導性の導電性材料で構成されている、請求項1記載の組立体(100)。
【請求項4】
前記PCB(106)は複数の回路平面(202)を有し、また前記少なくとも1つの熱的バイア(222)は前記複数の回路平面の内の少なくとも1つに連結されている、請求項1記載の組立体(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの熱的バイア(222)は前記複数の回路平面の内の少なくとも1つの回路接地平面に連結されている、請求項4記載の組立体(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの熱的バイア(222)は前記複数の回路平面の内の少なくとも1つの回路電力平面に連結されている、請求項4記載の組立体(100)。
【請求項7】
前記PCB(106)は少なくとも1つの通路層(324)及び少なくとも1つの平面層(322)を有しており、
前記組立体が更に、前記ヒートフレーム(104)に結合されていて、前記PCBを通るように画成された開口(310)の中を通って延在する取付け用構成部品(308)を有すると共に、前記取付け用構成部品に結合されていて、前記少なくとも1つの通路層とほぼ同一平面上に配向された冷却板(330)を有し、
前記冷却板が、前記少なくとも1つの平面層からの熱の除去を容易にするために、前記少なくとも1つの平面層の少なくとも一部分にオーバーラップしている、請求項1記載の組立体(100)。
【請求項8】
回路板組立体のための熱除去システム(250)であって、
印刷回路板(PCB)(106)と、
前記PCBを通って延在する少なくとも1つの熱的バイア(222)と 、
熱界面材料(TIM)(122)であって、熱が前記PCBから前記少なくとも1つの熱的バイア及び当該TIMを通って除去されるように、前記少なくとも1つの熱的バイアに結合されている熱界面材料(TIM)(122)と、
を有する熱除去システム(250)。
【請求項9】
前記TIM(122)は熱伝導性の電気絶縁材料で構成されている、請求項8記載のシステム(250)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱的バイア(222)は熱伝導性の導電性材料で構成されている、請求項8記載のシステム(250)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−244172(P2012−244172A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−108085(P2012−108085)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】