説明

固体撮像素子の検査装置

【課題】単焦点だけで評価していた固体撮像素子の光学特性が、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端で評価することができる固体撮像素子の検査装置を提供する。
【解決手段】電極にプローブ針17aを接触させた固体撮像素子に所定条件の光を照射しながら、固体撮像素子に対して信号印加と信号読み出しを行う固体撮像素子の検査装置100であって、固体撮像素子に向けて照明を行う光源21と、光源21からの光を固体撮像素子に導く光学系23とを有し、光学系23が、光軸を固体撮像素子に向ける光学レンズ25と、光学レンズ25を光軸と平行に移動させる焦点距離調整部27とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像素子の光学特性を評価する固体撮像素子の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、固体撮像素子の光学サイズの縮小化やこれを組み込む撮像装置の小型化とともに光学レンズと固体撮像素子との距離が縮まってきている。このため、実際の固体撮像素子において、その受光面の中央部分では平行光の成分が多く、周辺部分では斜め光の成分が多くなっている。つまり、上記のような固体撮像素子を評価する評価装置では、実際の光学系によって生成される光の成分に十分な対応がとれていないため、正確な特性評価を行えないという問題が生じている。
【0003】
このように不具合を解消したものに、例えば特許文献1に開示される固体撮像素子の評価装置がある。この固体撮像素子の評価装置は、固体撮像素子の電極パッドに接触するプローブ針を備えるプローブカードと、固体撮像素子の受光面に対向する位置に配置される光源と、光源と固体撮像素子との間に配置され、光源から出射される光を通過して固体撮像素子へ入射するにあたり、固体撮像素子の受光面における中央部分から周辺部分へ向かうに従い受光面に対する略垂直方向の光量より斜め方向の光量を強くする光学系とを備えている。
【0004】
このような構成とすることにより、光源から出射される光を光学手段に通すことで、固体撮像素子の受光面における中央部分から周辺部分に向かうに従い受光面に対する略垂直方向の光量より斜め方向の光量を強くするようにしている。これにより、実際の使用状態での受光面位置に対応した光の入射角度及びその光量と、評価時における受光面位置に対応した光の入射角度及びその光量とを合わせるようにしている。
【特許文献1】特開平11−26521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、今日では短射出瞳距離の固体撮像素子(CCD;Charge Coupled Device)が搭載される携帯電話用カメラにも光学ズーム機能が搭載されつつある。このため、固体撮像素子もそれに応じたテレ端(望遠端)、ワイド端(広角端)の光学条件で性能保障(例えば画面の隅が中央部より暗くなるシェーディング等に対する保障)が求められつつある。
固体撮像素子は、携帯電話、デジタルカメラなどに使用される場合、回路基板等に実装されて上面にズームレンズが配置され、テレ・ワイド撮影を可能にしている。ところが、このような撮像装置に用いる固体撮像素子の検査においては、ズームレンズを用いる実使用状態でなく、単焦点のレンズにより光像を結像させてシェーディングや画像歪みなどの特性評価を行っていた。したがって、特に、高画素数、高画質では、テレ撮影時とワイド撮影時とで、光学特性が変化するために、撮像画像にシェーディングなどの欠陥が残ることが目立つようになってきた。
また、上記特許文献1に開示される固体撮像素子の評価装置は、固体撮像素子の受光面における中央部分から周辺部分へ向かうに従い受光面に対する略垂直方向の光量より斜め方向の光量を強くする光学系を備えることにより、実際の使用状態での受光面位置に対応した光の入射角度及びその光量と、評価時における受光面位置に対応した光の入射角度及びその光量とを合わせるようにしているが、光学系は固定であるため、異なる光学特性に対応した複数種類の固体撮像素子を検査することはできなかった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、従来、単焦点だけで評価していた固体撮像素子の光学特性が、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端で評価することができる固体撮像素子の検査装置を提供し、もって、広範囲の光学特性が保障された固体撮像素子を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1)電極にプローブ針を接触させた固体撮像素子に所定条件の光を照射しながら、該固体撮像素子に対して信号印加と信号読み出しを行う固体撮像素子の検査装置であって、
前記固体撮像素子に向けて照明を行う光源と、
前記光源からの光を前記固体撮像素子に導く光学系と、を有し、
前記光学系が、光軸を前記固体撮像素子に向ける光学レンズと、該光学レンズを前記光軸と平行に移動させる焦点距離調整部とを備えたことを特徴とする固体撮像素子の検査装置。
【0007】
この固体撮像素子の検査装置によれば、焦点距離調整部によって光学レンズを移動させることで、固体撮像素子に照射させる光の焦点距離が可変可能となる。これにより、従来、単焦点だけで評価していた固体撮像素子の光学特性が、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端で評価することができるようになる。
【0008】
(2)前記光学系が、絞り値を変更する絞り値変更部を、前記光学レンズと前記固体撮像素子との間に備えたことを特徴とする(1)項記載の固体撮像素子の検査装置。
【0009】
この固体撮像素子の検査装置によれば、絞り値変更部によって固体撮像素子に照射される光量を調節することで、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端における光量が正確に設定可能となる。これにより、光量調節が行われない場合に比べ、光学ズームカメラ特性に対応したテレ端、ワイド端での評価をより高精度に行うことができる。
【0010】
(3)前記焦点距離調整部と、前記絞り値変更部とが、測定制御部から送出される焦点距離制御信号と、絞り値制御信号とによって自動制御されることを特徴とする(2)項記載の固体撮像素子の検査装置。
【0011】
この固体撮像素子の検査装置によれば、測定制御部から焦点距離調整部へ焦点距離制御信号が送出されるとともに、絞り値変更部へ絞り値制御信号が送出されることにより、焦点距離調整部での光学レンズが所定位置に移動されるとともに、固体撮像素子に照射される光量が所定量に調節され、光学ズームカメラ特性に対応したテレ端、ワイド端のそれぞれの光学条件が自動で設定可能となる。
【0012】
(4)前記測定制御部には、異なるレンズタイプに対応する複数の焦点距離値及び絞り値を格納した記憶手段が接続され、
前記測定制御部が、被検査対象となる前記固体撮像素子の種別に応じた焦点距離値及び絞り値を該記憶手段から読み出して対応する前記焦点距離制御信号及び前記絞り値制御信号を、前記焦点距離調整部と前記絞り値変更部とのそれぞれに送出することを特徴とする(3)項記載の固体撮像素子の検査装置。
【0013】
この固体撮像素子の検査装置によれば、固体撮像素子の種別に応じた焦点距離値及び絞り値を格納した記憶手段が測定制御部に接続されているので、複数種類の固体撮像素子を測定する場合においても、被検査対象となる固体撮像素子に応じた焦点距離値及び絞り値が記憶手段から読み出され、これらに対応する焦点距離制御信号及び絞り値制御信号によって、焦点距離調整部と絞り値変更部とを制御できる。この結果、複数種類の固体撮像素子の中から任意の固体撮像素子を、当該固体撮像素子固有の光学条件下で測定することができる。
【0014】
(5)前記測定制御部に、前記固体撮像素子の種別を入力する入力操作部と、照射光により前記固体撮像素子に生じた電気信号を表示する表示部とが接続されたことを特徴とする(4)項記載の固体撮像素子の検査装置。
【0015】
この固体撮像素子の検査装置によれば、被検査対象となる固体撮像素子の種別を入力操作部を介して入力することにより、測定制御部によって焦点距離調整部と絞り値変更部とが上記動作の下に所定の光学条件に設定され、当該設定条件で測定された固体撮像素子からの電気信号が、表示部に表示されることとなる。この結果、複数種別の固体撮像素子の中から任意のものを被検査対象として、当該検査装置のみによって、所定条件下における測定、及び測定結果の評価までを行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る固体撮像素子の検査装置によれば、固体撮像素子に向けて照明を行う光源と、光源からの光を固体撮像素子に導く光学系とを有し、光学系が、光軸を固体撮像素子に向ける光学レンズと、この光学レンズを光軸と平行に移動させる焦点距離調整部とを備えたので、焦点距離調整部によって光学レンズを移動させることで、固体撮像素子に照射させる光の焦点距離が可変可能となり、従来、単焦点だけで評価していた固体撮像素子の光学特性が、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端で評価することができるようになる。この結果、光学ズームカメラ特性に対応するテレ端、ワイド端でのシェーディング特性を測定可能にし、当該検査を通じて広範囲の光学特性が保障された固体撮像素子を得ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る固体撮像素子の検査装置の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る検査装置の概略構成を表す断面図、図2は図1に示した検査装置の制御系のブロック図、図3はテレ端、ワイド端別の焦点距離、絞り値、シェーディングパターンの例を(a)、撮像素子サンプル毎のパターン別評価を(b)に表した評価説明図、図4は記憶手段に記憶される各種光学レンズ毎の焦点距離値、絞り値のデータテーブルを表した説明図である。
本実施の形態による固体撮像素子の検査装置100は、基本的に、電極にプローブ針を接触させた固体撮像素子に対し、所定条件の光を照射しながら、信号印加と信号読み出しを行うことで検査を行う。
【0018】
検査装置100は、主としてプローバー11と図2に示す測定器13とを組み合わせた構成となっている。このうちプローバー11は、固体撮像素子(図示せず)が形成されたウェーハ15の上に配置するプローブカード17と、プローブカード17を取り付ける測定用基板19と、固体撮像素子へ光を照射する光源21とから構成され、測定器13はプローバー11、測定用基板19および光源21を制御する制御系を備えた構成となっている。
【0019】
光源21にはランプからなる発光源21aと、発光源21aから出射された光を平行光に変換するレンズ21bとが設けられている。さらに、プローブカード17にはプローブ針17aが取り付けられており、このプローブ針17aを測定対象のウェーハ15に形成された固体撮像素子の電極パッド(図示せず)に接触させることで信号の入出力を行う。
【0020】
本実施の形態における検査装置100は、光源21からの光を固体撮像素子に導く光学系23を備える。光学系23は、光軸を固体撮像素子に向ける光学レンズ25と、この光学レンズ25を光軸と平行に移動させる焦点距離調整部27とを備えている。すなわち、ズームレンズを搭載するデジタルカメラ関係機器用の固体撮像素子を検査するにあたって、従来の単焦点レンズから、実使用状態と殆ど同じズームレンズを検査光学系23に取り入れている。つまり、テレ撮影からワイド撮影にかけての評価を可能にしている。なお、光学系23は、基本的にテレ端、ワイド端の2点での評価を行うが、これに限らず、焦点距離値は、任意の多段階で調節されてもよい。
【0021】
焦点距離調整部27の具体的な構成としては、プローブカード17にレンズ保持筒29を固定し、このレンズ保持筒29の内方にレンズホルダ31に保持した光学レンズ25を配設する。レンズホルダ31は可動手段33を介してレンズ保持筒29に多条ネジ等により係合され、可動手段33は光学レンズ25をレンズホルダ31ごと光軸と平行な方向Hに移動させる。可動手段33としては、例えば進行波を回転エネルギーに変える超音波モーターを用いることができる。この可動手段33を備えた焦点距離調整部27は、測定器13から送出される焦点距離制御信号によって駆動制御される。
【0022】
また、光学系23には絞り値を変更する絞り値変更部35が、光学レンズ25と固体撮像素子との間に設けられている。光学系23は、絞り値変更部35によって固体撮像素子に照射される光量を、絞り開口部37をD方向に拡縮調節することで、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端における光量が正確に設定可能となる。これにより、光量調節が行われない場合に比べ、光学ズームカメラ特性に対応したテレ端、ワイド端での評価をより高精度に行うことができるようになっている。
【0023】
図2に示すように、測定器13は、その主要構成部として測定制御部41を有している。測定制御部41は、例えばCPUからなる。焦点距離調整部27と、絞り値変更部35とは、この測定制御部41から送出される焦点距離制御信号c1と、絞り値制御信号c2とによって自動制御される。測定制御部41から焦点距離調整部27へ焦点距離制御信号c1が送出されるとともに、絞り値変更部35へ絞り値制御信号c2が送出されることにより、焦点距離調整部27での光学系23が所定位置に移動されるとともに、固体撮像素子に照射される光量が所定量に調節され、光学ズームカメラ特性に対応したテレ端、ワイド端のそれぞれの光学条件が自動で設定可能となっている。
【0024】
また、測定制御部41には、異なるレンズタイプに対応する複数の焦点距離値及び絞り値を格納した記憶手段(メモリ)43が接続されている。測定制御部41は、被検査対象となる固体撮像素子の種別に応じた焦点距離値及び絞り値を、この記憶手段43から読み出して、対応する焦点距離制御信号c1及び絞り値制御信号c2を、焦点距離調整部27と絞り値変更部35とのそれぞれに送出するようになっている。
【0025】
記憶手段43は、上記の異なるレンズタイプに対応する複数の焦点距離値及び絞り値を、例えば図3に示すデーターテーブル45として格納している。データーテーブル45は、第1フィールドがI、II、III等のレンズタイプ、第2フィールドが28〜85mm等の焦点距離値、第3フィールドがF3.3〜F5.6等の絞り値となる。
【0026】
このように、固体撮像素子の種別に応じた焦点距離値及び絞り値を格納した記憶手段43が測定制御部41に接続されているので、複数種類の固体撮像素子を測定する場合においても、被検査対象となる固体撮像素子に応じた焦点距離値及び絞り値が記憶手段43から読み出され、これらに対応する焦点距離制御信号c1及び絞り値制御信号c2によって、焦点距離調整部27と絞り値変更部35とが制御できるようになっている。この結果、複数種類の固体撮像素子の中から任意の固体撮像素子を、当該固体撮像素子固有の光学条件下で測定することができるようになっている。
【0027】
さらに、測定制御部41には、固体撮像素子の種別を入力する入力操作部47と、照射光により固体撮像素子に生じた電気信号を表示する表示部49とが接続されている。したがって、被検査対象となる固体撮像素子の種別を入力操作部47を介して入力することにより、測定制御部41によって焦点距離調整部27と
絞り値変更部35とが上記動作の下に所定の光学条件に設定され、当該設定条件で測定された固体撮像素子からの電気信号p1が、表示部49に表示されることとなる。この結果、複数種別の固体撮像素子の中から任意のものを被検査対象として、当該検査装置100のみによって、所定条件下における測定、及び測定結果の評価までを行うことができるようになっている。
【0028】
なお、測定制御部41は、ウェーハ15の保持されたステージ51を、所望の固体撮像素子が検査位置に配置されるように、XY方向へ移動させるための移動制御信号c3も送出する。
【0029】
次に、このように構成される検査装置100の作用を説明する。
本実施の形態における検査装置100で固体撮像素子の光学特性を検査するには、先ず、被検査対象となる固体撮像素子が形成されたウェーハ15をプローバー11にセットし、そのウェーハ15の上方に測定用基板19及びプローブカード17を配置する。
次に、プローブカード17とウェーハ15との位置合わせを行い、被検査対象となる固体撮像素子の電極パッドにプローブ針17aを接触させる。
【0030】
次いで、測定を行うため、光源21の発光源21aから光を出射し、レンズ21bを介して平行光を出射する。この平行光は光学系23によって実際の撮像装置で使用されるものと同様な光量分布となって被検査対象の固体撮像素子へ照射される。
【0031】
ズームレンズを搭載するデジタルカメラ関係機器用の固体撮像素子を検査するにあたっては、当該固体撮像素子の種別が入力操作部47に入力されることで、測定制御部41によって当該固体撮像素子に応じたテレ端、ワイド端の焦点距離値及び絞り値が記憶手段43から読み込まれる。この焦点距離値及び絞り値に応じた焦点距離制御信号c1及び絞り値制御信号c2が、焦点距離調整部27と絞り値変更部35へと送出され、実使用状態と同じ光学条件で被検査対象の固体撮像素子へ光源21からの光が照射される。
【0032】
具体的な一例として、図4(a)に示すように、テレ端では、焦点距離値が85mm、絞り値がF5.6、シェーディングパターンがAで設定され、ワイド端では、焦点距離値が28mm、絞り値がF3.3、シェーディングパターンがBで設定される。
【0033】
次に、このような光学系23を介して光を照射した状態で、固体撮像素子の電極パッドから出力される電気信号p1(光電変換によって得られた信号)を予め電極パッドに接触させておいたプローブ針17aを介して取り込み、プローブカード17から測定用基板19へ送る。
【0034】
測定用基板19へ送られた電気信号p1は最終的に測定制御部41へと入力され、ここで所定の演算によって光学特性の評価が行われる。また、別の固体撮像素子の特性評価を行う場合には、プローバー11に被検査対象の固体撮像素子が形成された別のウェーハ15をセットする。そして、このウェーハ15の上方に測定用基板19及びプローブカード17を配置する。この際、入力操作部47に固体撮像素子の種別を入力することで、被検査対象となる固体撮像素子に適用される実際のレンズ系と同じ焦点距離値、絞り値に光学系23がセットされる。
【0035】
その後は先に説明した手順と同様に、光源21から光を出射し、セットした光学系23を介して実際の撮像装置で使用されるものと同様な光量分布の光を固体撮像素子へ照射し、固体撮像素子の電極パッドから出力される電気信号p1に基づき表示部49にて特性評価を行う。
【0036】
具体的には、図4(b)に示すように、固体撮像素子の被検査対象(サンプル)別に、表示部49に表示されたシェーディングパターンA,Bを目視して、良(図中、白丸印)、不良(図中、X印)、修正(図中、三角印)等の評価を行う。
【0037】
これにより、従来単焦点だけで評価していた素子の光学特性が、実使用状態に合わせたテレ端、ワイド端で評価される。このように、焦点距離調整部27によって光学レンズ25を移動させることで、固体撮像素子に照射させる光の焦点距離が可変可能となり、従来、単焦点だけで評価していた固体撮像素子の光学特性が、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端で、表示部49により評価されることとなる。
【0038】
したがって、上記の固体撮像素子の検査装置100によれば、固体撮像素子に向けて照明を行う光源21と、光源21からの光を固体撮像素子に導く光学系23とを有し、光学系23が、光軸を固体撮像素子に向ける光学レンズ25と、この光学レンズ25を光軸と平行に移動させる焦点距離調整部27とを備えたので、焦点距離調整部27によって光学レンズ25を移動させることで、固体撮像素子に照射させる光の焦点距離が可変可能となり、従来、単焦点だけで評価していた固体撮像素子の光学特性が、ズームカメラ仕様に対応するテレ端、ワイド端で評価することができるようになる。この結果、光学ズームカメラ特性に対応するテレ端、ワイド端でのシェーディング特性を測定可能にし、当該検査を通じて広範囲の光学特性が保障された固体撮像素子を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る検査装置の概略構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した検査装置の制御系のブロック図である。
【図3】記憶手段に記憶される各種光学レンズ毎の焦点距離値、絞り値のデータテーブルを表した説明図である。
【図4】テレ端、ワイド端別の焦点距離、絞り値、シェーディングパターンの例を(a)、撮像素子サンプル毎のパターン別評価を(b)に表した評価説明図である。
【符号の説明】
【0040】
17a プローブ針
21 光源
23 光学系
25 光学レンズ
27 焦点距離調整部
35 絞り値変更部
41 測定制御部
43 記憶手段
47 入力操作部
49 表示部
100 固体撮像素子の検査装置
c1 焦点距離制御信号
c2 絞り値制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極にプローブ針を接触させた固体撮像素子に所定条件の光を照射しながら、該固体撮像素子に対して信号印加と信号読み出しを行う固体撮像素子の検査装置であって、
前記固体撮像素子に向けて照明を行う光源と、
前記光源からの光を前記固体撮像素子に導く光学系と、を有し、
前記光学系が、光軸を前記固体撮像素子に向ける光学レンズと、該光学レンズを前記光軸と平行に移動させる焦点距離調整部とを備えたことを特徴とする固体撮像素子の検査装置。
【請求項2】
前記光学系が、絞り値を変更する絞り値変更部を、前記光学レンズと前記固体撮像素子との間に備えたことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子の検査装置。
【請求項3】
前記焦点距離調整部と、前記絞り値変更部とが、測定制御部から送出される焦点距離制御信号と、絞り値制御信号とによって自動制御されることを特徴とする請求項2記載の固体撮像素子の検査装置。
【請求項4】
前記測定制御部には、異なるレンズタイプに対応する複数の焦点距離値及び絞り値を格納した記憶手段が接続され、
前記測定制御部が、被検査対象となる前記固体撮像素子の種別に応じた焦点距離値及び絞り値を該記憶手段から読み出して対応する前記焦点距離制御信号及び前記絞り値制御信号を、前記焦点距離調整部と前記絞り値変更部とのそれぞれに送出することを特徴とする請求項3記載の固体撮像素子の検査装置。
【請求項5】
前記測定制御部に、前記固体撮像素子の種別を入力する入力操作部と、照射光により前記固体撮像素子に生じた電気信号を表示する表示部とが接続されたことを特徴とする請求項4記載の固体撮像素子の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−103787(P2007−103787A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293783(P2005−293783)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】