説明

固体撮像装置

【課題】CCD型の固体撮像装置において、水平方向の読み出しの際の転送動作による発熱を効率良く放熱し、且つ出力信号に含まれるノイズを低減する。
【解決手段】固体撮像装置2Aは、M×N個(M,Nは2以上の整数)の画素がM行N列に2次元配列されて成る撮像面12、及び、撮像面12に対して列方向の一端側に各列毎に配置されており各列から取り出される電荷の大きさに応じた電気信号をそれぞれ出力するN個の信号読出回路20を有するCCD型の固体撮像素子10と、信号読出回路20から各列毎に出力される電気信号をディジタル変換してシリアル信号として順次出力するC−MOS型の半導体素子50と、主面81a及び裏面81bを有する伝熱部材80と、裏面81b上に設けられた冷却ブロック84とを備え、半導体素子50と伝熱部材80の主面81aとが互いに接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インターライン型のCCD構成部を備える固体撮像装置が開示されている。この固体撮像装置は、垂直転送用CCDから出力される電荷を電圧信号に変換する複数の電荷検出回路と、これらの電荷検出回路から出力される電圧信号を順次読み出すための水平走査回路とを備えている。水平走査回路は、高速での読み出し動作を行うためにCMOS回路によって構成されている。
【0003】
特許文献2には、インターライン型のCCD構成部を備える固体撮像装置が開示されている。この固体撮像装置は、複数の光電変換部が行及び列を構成するように配列された画素アレイ領域と、画素アレイ領域の各列毎に配置された垂直CCDと、画素アレイ領域の各行毎に配置された転送電極と、光電変換部の電荷が垂直CCDに転送された後に垂直CCDにおいて電荷が垂直転送されるように転送電極を駆動する垂直駆動回路とを備えている。そして、各垂直CCDの最も下流側(電荷が垂直転送される先)には、垂直CCDによって垂直転送されてきた信号電荷を電圧信号に変換する回路と、該電圧信号を増幅して保持する読出回路とが設けられている。読出回路は、CMOS回路によって構成され、画素アレイ領域の列数に相当する個数の増幅回路と、それらから出力される増幅信号を保持するラインメモリを有する。
【0004】
特許文献3には、画像の読み取りに用いられるイメージセンサヘッドが開示されている。このイメージセンサヘッドは、CCDセンサ及び制御回路を備えている。CCDセンサを有するCCDセンサチップと、制御回路を有するC−MOS制御用チップとは互いに独立的に分離されて基板上に実装されている。CCDセンサチップとC−MOS制御用チップとの間は、複数の制御信号線によって直接的に接続されている。なお、CCDセンサチップは複数個設けられ、C−MOS制御用チップはCCDセンサチップに対応して複数個設けられている。
【0005】
特許文献4には、CCDセンサチップを備えるイメージセンサヘッドが開示されている。CCDセンサチップは、入射光を電荷に変換することでその光の強度に応じた信号電荷を発生させる複数のフォトダイオードと、それらのフォトダイオードから発生した信号電荷を蓄積して記憶する複数のメモリと、これら複数のメモリの信号電荷を読み出して転送するレジスタとを備えている。フォトダイオードより発生した信号電荷は、メモリからそれに隣接するメモリに順次に蓄積しながら転送される。このイメージセンサヘッドは、CCDセンサチップとは別にC−MOS制御用チップを備えており、これらは互いに独立して基板上に実装されている。
【0006】
特許文献5には、裏面入射型のCCDを備える半導体エネルギー検出器が開示されている。CCDは、短波長光等のエネルギ線を検出する。
【0007】
特許文献6及び7には、裏面入射型のCCDを備える電子管が開示されている。CCDは、入射光を電子に変換する光電面より放出された電子を検出する。
【0008】
特許文献8には、撮像装置が開示されている。この撮像装置では、真空容器内に、入射光に応じて光入射面の反対面から光電子を放出する光電面と、光電面の光電子放出面に対向して配置され、光電子の空間分布を複数の画素により画像として検出する裏面入射型のCCDとが内蔵されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−135656号公報
【特許文献2】特開2007−19664号公報
【特許文献3】特開2003−152952号公報
【特許文献4】国際公開第2008/142968号パンフレット
【特許文献5】特開平6−196680号公報
【特許文献6】特許第3441101号公報
【特許文献7】特許第4098852号公報
【特許文献8】特許第4173575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
CCD型固体撮像装置では、撮像面の面積が大きいこと等により水平方向の画素数(画素列数)が多くなると、水平方向の読み出しの際の転送動作によって大きな発熱が生じる。また、撮像面の水平方向の幅が広くなると、増幅回路から最も遠い画素と増幅回路との距離が長くなり、出力信号に含まれるノイズが増大する原因となる。
【0011】
また、固体撮像装置の用途によっては、或る一定の速度で移動する被写体を撮像する場合がある。例えば、半導体ウエハ上に作り込まれた半導体素子構造の検査を行う場合、12インチウエハ上の微小な領域(例えば一辺が数十μm)を拡大して撮像すると、撮像回数が極めて多くなり、検査に長時間を要してしまう。そこで、被写体に対して固体撮像装置を相対的に移動させ、且つCCDの電荷転送速度をその相対速度に一致させながら撮像を行う、いわゆるTDI(Time Delay Integration)動作が行われる。このTDI動作によれば、大面積の被写体を高い空間分解能で且つ短時間で撮像することが可能となる。このTDI動作は、CCD型の固体撮像装置を用いることで可能となる動作であって、C−MOS型の固体撮像装置ではこのような動作は不可能である。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、CCD型の固体撮像装置において、水平方向の読み出しの際の転送動作による発熱を効率良く放熱し、且つ出力信号に含まれるノイズを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明による固体撮像装置は、M×N個(M,Nは2以上の整数)の画素がM行N列に2次元配列されて成る撮像面、及び、撮像面に対して列方向の一端側に各列毎に配置されており各列から取り出される電荷の大きさに応じた電気信号をそれぞれ出力するN個の第一信号読出回路を有するCCD型の固体撮像素子と、第一信号読出回路から各列毎に出力される電気信号をディジタル信号に変換するとともに、各列のディジタル信号をシリアル信号として順次出力するC−MOS型の第一半導体素子と、第一面及び第二面を有する伝熱部材と、第二面上に設けられた冷却構造とを備え、第一半導体素子と伝熱部材の第一面とが互いに接合されていることを特徴とする。
【0014】
この固体撮像装置では、CCD型の固体撮像素子が、列方向(垂直方向)の一端に配置された信号読出回路を有しており、更に、この信号読出回路には、シリアル信号出力のためのC−MOS型の半導体素子が接続されている。このような構成によれば、CCD型である固体撮像素子上に水平転送回路を設ける場合と比較して、固体撮像素子における発熱を低減することができる。また、半導体素子では発熱が生じるが、上記構成によれば、半導体素子が伝熱部材を介して冷却構造と熱的に結合されるので、半導体素子における熱を効率よく放熱することができる。
【0015】
また、この固体撮像装置では、N個の信号読出回路が各列毎に配置されており、これらの信号読出回路から各列毎に電気信号を半導体素子へ出力する。このような構成により、複数列の出力信号を一つの出力ポートからまとめて出力していた従来のCCDと比較して、出力ポート当たりの読み出し列数を格段に低減することができる。したがって、1つの出力ポート当たりの読み出し速度を抑えることができるので、周波数の大きさに依存するノイズを効果的に低減することができる。
【0016】
以上のように、上記固体撮像装置によれば、水平方向の読み出しの際の転送動作による発熱を効率良く放熱し、且つ出力信号に含まれるノイズを低減することができる。
【0017】
また、固体撮像装置は、第一半導体素子が、第一信号読出回路から各列毎に出力される電気信号のノイズを低減する相関二重サンプリング回路と、相関二重サンプリング回路から出力された信号を増幅するバッファと、バッファから出力された信号をディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換回路と、アナログ−ディジタル変換回路から出力された各列のディジタル信号をシリアル信号として順次出力するマルチプレクサとを有することを特徴としてもよい。
【0018】
また、固体撮像装置は、相関二重サンプリング回路、バッファ、アナログ−ディジタル変換回路、及びマルチプレクサのうち少なくとも一つが、撮像面の法線方向から見て固体撮像素子に覆われていることを特徴としてもよい。これにより、固体撮像素子に入射する紫外線などの光、X線などの放射線、または電子線といった検出対象から、相関二重サンプリング回路、バッファ、アナログ−ディジタル変換回路、及びマルチプレクサのうち少なくとも一つを好適に保護することができる。
【0019】
また、固体撮像装置は、固体撮像素子の第一信号読出回路と第一半導体素子とがバンプ電極を介して互いに電気的に接続されていることを特徴としてもよい。このような構成によれば、例えば第一信号読出回路と第一半導体素子とがワイヤを介して接続される場合等と比較して、固体撮像素子において生じた熱を半導体素子及び伝熱部材を介して効率よく冷却構造へ逃がすことができる。
【0020】
また、固体撮像装置は、伝熱部材の第一面上に実装パターンが設けられており、第一半導体素子と実装パターンとがバンプ電極を介して互いに電気的に接続されていることを特徴としてもよい。このような構成によれば、例えば第一半導体素子と実装パターンとがワイヤを介して接続される場合等と比較して、第一半導体素子において生じた熱を伝熱部材を介して効率よく冷却構造へ逃がすことができる。
【0021】
また、固体撮像装置は、伝熱部材が絶縁性材料から成ることを特徴としてもよい。この場合、絶縁性材料はセラミックスであることが好ましい。
【0022】
また、固体撮像装置は、固体撮像素子が、撮像面に対して列方向の他端側に各列毎に配置されており各列から取り出される電荷の大きさに応じた電気信号をそれぞれ出力するN個の第二信号読出回路を更に有し、当該固体撮像装置は、第二信号読出回路から各列毎に出力される電気信号をディジタル信号に変換するとともに、各列のディジタル信号をシリアル信号として順次出力するC−MOS型の第二半導体素子を更に備え、第二半導体素子と伝熱部材の第一面とが互いに接合されていることを特徴としてもよい。
【0023】
このような構成によれば、他端側から一端側へ向かう方向にTDI動作を行う場合には、その方向に電荷を転送し、その電荷を第一信号読出回路および第一半導体素子によってシリアル信号出力に変換するとよい。また、一端側から他端側へ向かう方向にTDI動作を行う場合には、その方向に電荷を転送し、その電荷を第二信号読出回路および第二半導体素子によってシリアル信号出力に変換するとよい。このように、上記固体撮像装置によれば、CCDの電荷転送方向を反転させることができる。したがって、TDI動作によって撮像を行う際に、固体撮像装置の移動を少なくすることができるので、撮像に要する時間を短くすることができる。
【0024】
また、固体撮像装置は、撮像面が、電子線、X線、及び紫外線のうち何れかを撮像することを特徴としてもよい。
【0025】
また、固体撮像装置は、伝熱部材が真空容器の一部を構成しており、固体撮像素子及び第一半導体素子が真空容器内に配置されており、冷却構造が真空容器外に配置されていることを特徴としてもよい。このような構成によれば、電子線やX線といった真空容器内で発生される検出対象を、その真空容器内において効率良く撮像することができる。また、通常、真空中では固体撮像装置において発生する熱が逃げにくいが、この構成によれば、固体撮像素子や半導体素子において生じた熱を、真空容器の一部を構成する伝熱部材を介して冷却構造へ効率的に伝え、放熱することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による固体撮像装置によれば、CCD型の固体撮像装置において、水平方向の読み出しの際の転送動作による発熱を効率良く放熱し、且つ出力信号に含まれるノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す側断面図である。
【図2】(a)固体撮像素子及び二つの半導体素子の構成を示す平面図である。(b)図2(a)の部分拡大図である。
【図3】転送制御部と固体撮像素子とを概略的に表すブロック図である。
【図4】固体撮像素子における撮像面の一端付近の構成を示す平面図である。
【図5】固体撮像素子における撮像面の他端付近の構成を示す平面図である。
【図6】第一半導体素子の構成を示す底面図である。
【図7】第二半導体素子の構成を示す底面図である。
【図8】一変形例に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
【図9】別の変形例に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら本発明による固体撮像装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る固体撮像装置2Aの構成を示す側断面図である。図1に示されるように、固体撮像装置2Aは、固体撮像素子10と、二つの半導体素子50及び60と、伝熱部材80と、冷却ブロック84と、回路基板110とを備えている。
【0030】
図2(a)は、固体撮像素子10及び二つの半導体素子50及び60の構成を示す平面図である。また、図2(b)は、図2(a)の部分拡大図である。なお、図1は、図2に示された固体撮像装置2AのI−I線に沿った断面を示している。
【0031】
固体撮像素子10は、いわゆるCCD(Charge Coupled Device)型の電荷結合素子を含むデバイスであって、図1に示されるように、主面10a及び裏面10bを有する基板状を呈している。固体撮像素子10は、撮像面12と、第一信号読出回路及び第二信号読出回路とを主面10aに有する。撮像面12は、図2(b)に示されるようにM×N個(M,Nは2以上の整数)の画素13がM行N列に2次元配列されて成る。Mは例えば512であり、Nは例えば2048である。撮像面12には、固体撮像素子10の裏面10b側から検出対象(紫外線などの光、X線などの放射線、または電子線)Eが入射する。撮像面12は、これらの検出対象のうち何れかを撮像する。なお、主面10a側において撮像面12に検出対象Eが十分に入射するように、裏面10bは固体撮像素子10の縁部に対して薄化されて窪んでいる。各画素13では、撮像面12に入射したこれらの検出対象Eの強さに応じた電荷を発生するとともに、その電荷を蓄積する。各画素13上には、電荷を列方向に転送するためのM本の転送電極(不図示)が各行毎に配設されている。M本の転送電極には、撮像面12における列方向の電荷の転送を制御するための電圧信号(ドライブ電圧)が与えられる。
【0032】
図2に示されるように、本実施形態の固体撮像装置2Aは、二つのドライブパッド用変換基板71,72を更に備えている。ドライブパッド用変換基板71,72は、行方向における撮像面12の両端縁に沿ってそれぞれ配設されており、固体撮像素子10の主面10aに固定されている。ドライブパッド用変換基板71(72)は、撮像面12の端縁に沿って配列された少なくとも3個のドライブ電圧用パッド71a(72a)を有しており、転送制御部(後述)で発生した転送信号を受けて、これらのドライブ電圧用パッド71a(72a)には、電荷の転送を制御するための電圧信号(ドライブ電圧)が提供される。後述するように、信号電荷は図3のA1方向及びA2方向(後述する第一動作モード及び第二動作モード)のいずれかに転送されるため、固体撮像素子10のCCDは3相で構成され、これらのドライブ電圧用パッド71a(72a)に互いに異なる位相の電圧が加えられる。各相の電極は固体撮像素子10内で接続されているため、ドライブ電圧用パッド71a(72a)は3個あれば良い。ただし、高速で転送する場合には1つの相を複数(k個)のアンプ(ドライブ回路)で駆動する場合がある。その場合、ドライブ電圧用パッド71a(72a)の数は(3×k)個となる。
【0033】
固体撮像装置2Aは、電荷の転送を制御するための電圧信号を生成する転送制御部を更に備えてもよい。図3は、転送制御部40と固体撮像素子10とを概略的に表すブロック図である。転送制御部40は、列方向の電荷の転送を制御するための3個の電圧信号を生成し、これらの電圧信号を、ドライブパッド用変換基板71,72を介して転送電極に提供する。
【0034】
撮像面12は、列方向における一端12a及び他端12bを有している。転送制御部40は、列方向における撮像面12の他端12b側から一端12a側へ向かう方向(図中の矢印A1)に電荷を転送する動作モード(第一動作モード)と、一端12a側から他端12b側へ向かう方向(図中の矢印A2)に電荷を転送する動作モード(第二動作モード)とを有する。また、固体撮像素子10は、撮像面12の一端12aに沿って配列されたN個の信号読出回路(第一信号読出回路)と、撮像面12の他端12bに沿って配列されたN個の信号読出回路(第二信号読出回路)とを有する。第一動作モードでは、各列から取り出される電荷の大きさに応じた電気信号が第一信号読出回路から出力され、第二動作モードでは、各列から取り出される電荷の大きさに応じた電気信号が第二信号読出回路から出力される。
【0035】
本実施形態の転送制御部40は、被写体の移動速度及び移動方向と電荷の転送速度及び転送方向とをそれぞれ一致させることにより、TDI動作を行うことができる。すなわち、撮像面12の列方向に移動する被写体に対し、その移動速度と同じ転送速度でもって電荷を転送し、且つ、矢印A1の方向に被写体が移動する場合には第一動作モードで、矢印A2の方向に被写体が移動する場合には第二動作モードで電荷を転送することによって、被写体の或る位置における検出対象(紫外線などの光、X線などの放射線、または電子線)Eの強度に応じた電荷を、転送動作と並行して蓄積し続けることができる。
【0036】
このようなTDI動作について、具体的に或る一つの画素列を例示して説明する。当該画素列に含まれる第m行目の画素に対し、被写体の或る部分から検出対象Eが入射し、電荷が生成される。この電荷は、次段の第(m+1)行目の画素に転送され、この第(m+1)行目の画素に蓄積される。これと同時に、被写体の当該部分が撮像面12に対して転送速度と同じ速度で相対的に移動する。したがって、第(m+1)行目の画素には、被写体の同じ部分からの検出対象Eが入射することとなるので、第(m+1)行目の画素において電荷が更に生成される。その後、第(m+1)行目の画素に蓄積された電荷は次段の第(m+2)行目の画素に転送される。以降、同様の動作が各行において繰り返され、被写体の当該部分に対応する検出対象Eの強度に応じた電荷が複数の行にわたって蓄積され続ける。これにより、移動する被写体の鮮明な画像を作成することができる。
【0037】
再び図1及び図2を参照する。半導体素子50は、本実施形態における第一半導体素子である。半導体素子50は、撮像面12の一端12aに沿って、該一端12aを覆うように固体撮像素子10の主面10a上に実装されている。半導体素子50は、例えばC−MOS型の半導体チップを有しており、その半導体チップに作り込まれた回路によって、上述した第一信号読出回路から各列毎に出力される電気信号をディジタル信号に変換し、各列のディジタル信号をシリアル信号として固体撮像装置2Aの外部へ順次出力する。
【0038】
半導体素子60は、本実施形態における第二半導体素子である。半導体素子60は、撮像面12の他端12bに沿って、該他端12bを覆うように固体撮像素子10の主面10a上に実装されている。半導体素子60は、例えばC−MOS型の半導体チップを有しており、その半導体チップに作り込まれた回路によって、上述した第二信号読出回路から各列毎に出力される電気信号をディジタル信号に変換し、各列のディジタル信号をシリアル信号として固体撮像装置2Aの外部へ順次出力する。
【0039】
一般的に、CCDとC−MOSとはプロセスが互いに異なるので、CCD型である固体撮像素子10上にC−MOS型のディジタル変換回路やシリアル変換回路を作製することはできない。また、これらの回路をディスクリートな回路素子及びIC群によって構成することは可能だが、列数Nが100を超えると実装面積が大きくなるため、固体撮像素子10とこれらの回路とを結ぶ配線が数10mmと長くなるので、ノイズの重畳が大きくなると共に読み出し速度(帯域)が制限される。
【0040】
図1に示されるように、半導体素子50及び60は、固体撮像素子10に対して導電性材料(例えばバンプ電極59及び69)を介して接合されている。バンプ電極59及び69それぞれの周囲には、アンダーフィル73が設けられており、これらのアンダーフィル73によって固体撮像素子10と半導体素子50及び60とがより強固に接合されている。
【0041】
図4は、固体撮像素子10における撮像面12の一端12a付近の構成を示す平面図である。前述したように、固体撮像素子10は、列方向の電荷の転送を制御するための電圧信号を転送制御部40から受けるドライブパッド用変換基板71,72を有する。各行毎に設けられた転送電極には、これらの電圧信号が印加される。なお、図中の矢印A1は、第一動作モードにおける電荷転送方向を示している。
【0042】
また、前述したように、撮像面12の一端12aには、N個の第一信号読出回路20が各列毎に配置されている。これらの第一信号読出回路20は、トランジスタ(本実施形態ではFET)21と、信号出力用ボンディングパッド22とを有する。トランジスタ21の制御端子(ゲート)は、撮像面12における対応する画素列の一端12a側の終端と電気的に接続されている。この制御端子の電位は、当該画素列から取り出される電荷の量が多くなるほど大きくなる。トランジスタ21の一方の電流端子(ドレイン)は、N列にわたって共通に設けられた配線23を介してボンディングパッド24に電気的に接続されている。このボンディングパッド24には、所定の大きさの電圧が常に印加される。トランジスタ21の他方の電流端子(ソース)は、信号出力用ボンディングパッド22に電気的に接続されている。第一動作モードの際に、或る画素列において電荷が一端12aまで転送されると、その電荷の量に応じた電圧が当該列のトランジスタ21の制御端子に印加される。これにより、該電荷の量に応じた大きさの電流が、当該トランジスタ21の他方の電流端子から出力されて信号出力用ボンディングパッド22を介して取り出される。
【0043】
また、固体撮像素子10は、トランジスタ(本実施形態ではFET)25を更に有する。N個のトランジスタ21の制御端子は、N列にわたって共通に設けられた配線26を介して、トランジスタ25の一方の電流端子(ドレイン)に電気的に接続されている。また、トランジスタ25の制御端子(ゲート)及び他方の電流端子(ソース)は、ボンディングパッド27及び28にそれぞれ電気的に接続されている。転送された電荷の量に応じた電流を各トランジスタ21が出力し終わると、トランジスタ25の制御端子には、ボンディングパッド27を介してリセット電圧が印加される。これにより、各列に蓄積した電荷がトランジスタ25の他方の電流端子からボンディングパッド28を介して放出され、各トランジスタ21の制御端子電圧がリセットされる。
【0044】
図5は、固体撮像素子10における撮像面12の他端12b付近の構成を示す平面図である。図中の矢印A2は、第二動作モードにおける電荷転送方向を示している。前述したように、撮像面12の他端12bには、N個の第二信号読出回路30が配置されている。第二信号読出回路30の回路構成は、以下に述べるように、前述した第一信号読出回路20の構成と同様である。
【0045】
N個の第二信号読出回路30それぞれは、トランジスタ(本実施形態ではFET)31と、信号出力用ボンディングパッド32とを有する。トランジスタ31の制御端子(ゲート)は、撮像面12における対応する画素列の他端12b側の終端と電気的に接続されている。この制御端子の電位は、当該画素列から取り出される電荷の量が多くなるほど大きくなる。トランジスタ31の一方の電流端子(ドレイン)は、N列にわたって共通に設けられた配線33を介してボンディングパッド34に電気的に接続されている。このボンディングパッド34には、所定の大きさの電圧が常に印加される。トランジスタ31の他方の電流端子(ソース)は、信号出力用ボンディングパッド32に電気的に接続されている。第二動作モードの際に、或る画素列において電荷が一端12aまで転送されると、その電荷の量に応じた電圧が当該列のトランジスタ31の制御端子に印加される。これにより、該電荷の量に応じた大きさの電流が、当該トランジスタ31の他方の電流端子から出力されて信号出力用ボンディングパッド32を介して取り出される。
【0046】
また、第二信号読出回路30は、トランジスタ(本実施形態ではFET)35を更に有する。N個のトランジスタ31の制御端子は、N列にわたって共通に設けられた配線36を介して、トランジスタ35の一方の電流端子(ドレイン)に電気的に接続されている。また、トランジスタ35の制御端子(ゲート)及び他方の電流端子(ソース)は、ボンディングパッド37及び38にそれぞれ電気的に接続されている。転送された電荷の量に応じた電流を各トランジスタ31が出力し終わると、トランジスタ35の制御端子には、ボンディングパッド37を介してリセット電圧が印加される。これにより、各列に蓄積した電荷がトランジスタ35の他方の電流端子からボンディングパッド38を介して放出され、各トランジスタ31の制御端子電圧がリセットされる。
【0047】
図6は、半導体素子50の構成を示す底面図である。半導体素子50は、N列それぞれに設けられた第一信号読出回路20から出力される電気信号をディジタル信号に変換し、各列のディジタル信号をシリアル信号として固体撮像装置2Aの外部へ順次出力する。本実施形態の半導体素子50は、各列に対応して設けられたN個のボンディングパッド51と、N個の相関二重サンプリング(CDS;Correlated Double Sampling)回路52と、N個のバッファ53と、N個のアナログ−ディジタル変換回路54と、マルチプレクサ55とを有する。
【0048】
N個のボンディングパッド51それぞれは、固体撮像素子10のN個の信号出力用ボンディングパッド22それぞれと、バンプ電極59(図2を参照)を介して電気的に接続される。また、N個のCDS回路52それぞれは、N個の第一信号読出回路20それぞれから出力される電気信号をボンディングパッド51を介して入力し、その電気信号のノイズを低減する。CDS回路52によって取り除かれるノイズは、例えば各列に配置されるFDA(Floating Diffusion Amplifier)のリセットノイズや、ダーク時のオフセットFPN(Fixed Pattern Noise)である。N個のバッファ53それぞれは、N個のCDS回路52それぞれから出力される電気信号を入力し、その電気信号を増幅する。N個のアナログ−ディジタル変換回路54それぞれは、N個のバッファ53それぞれから出力される電気信号を入力し、その電気信号をディジタル信号に変換する。マルチプレクサ55は、アナログ−ディジタル変換回路54から出力された各列のディジタル信号を、シリアル信号として固体撮像装置2Aの外部へ順次出力する。なお、FDAのゲインのばらつきはCDS回路52によって取り除くことができないので、ディジタル信号の段階でシェーディング補正を行う回路が更に付加されてもよい。
【0049】
図7は、半導体素子60の構成を示す底面図である。半導体素子60は、N列それぞれに設けられた第二信号読出回路30から出力される電気信号をディジタル信号に変換し、各列のディジタル信号をシリアル信号として固体撮像装置2Aの外部へ順次出力する。本実施形態の半導体素子60は、前述した半導体素子50と同様の構成を有する。すなわち、半導体素子60は、各列に対応して設けられたN個のボンディングパッド61と、N個のCDS回路62と、N個のバッファ63と、N個のアナログ−ディジタル変換回路64と、マルチプレクサ65とを有する。
【0050】
N個のボンディングパッド61それぞれは、固体撮像素子10のN個の信号出力用ボンディングパッド32それぞれと、バンプ電極69(図2を参照)を介して電気的に接続される。また、N個のCDS回路62それぞれは、N個の第二信号読出回路30それぞれから出力される電気信号をボンディングパッド61を介して入力し、その電気信号のノイズを低減する。N個のバッファ63それぞれは、N個のCDS回路62それぞれから出力される電気信号を入力し、その電気信号を増幅する。N個のアナログ−ディジタル変換回路64それぞれは、N個のバッファ63それぞれから出力される電気信号を入力し、その電気信号をディジタル信号に変換する。マルチプレクサ65は、アナログ−ディジタル変換回路64から出力された各列のディジタル信号を、シリアル信号として固体撮像装置2Aの外部へ順次出力する。
【0051】
ここで、図6及び図7には、固体撮像素子10の端縁10c及び10dがそれぞれ示されている。図6に示される端縁10cは、撮像面12の一端12a側の固体撮像素子10の端縁であり、図7に示される端縁10dは、撮像面12の他端12b側の固体撮像素子10の端縁である。これらの図に示されるように、撮像面12の法線方向から見て、端縁10cは半導体素子50のバッファ53とアナログ−ディジタル変換回路54との間に位置しており、端縁10dは半導体素子60のバッファ63とアナログ−ディジタル変換回路64との間に位置している。すなわち、本実施形態では、CDS回路52,62及びバッファ53,63が、撮像面12の法線方向から見て固体撮像素子10に覆われている。これにより、固体撮像素子10に入射する紫外線などの光、X線などの放射線、または電子線といった検出対象EからCDS回路52,62及びバッファ53,63を好適に保護することができる。
【0052】
なお、固体撮像素子10に覆われる半導体素子50,60の回路要素は、必要に応じて変更されることができる。CDS回路52,62、バッファ53,63、アナログ−ディジタル変換回路54,64、及びマルチプレクサ55,65のうち少なくとも一つが固体撮像素子10に覆われていることによって、当該回路要素を検出対象Eから好適に保護することができる。
【0053】
再び図1を参照する。前述したように、固体撮像装置2Aは、伝熱部材80と、冷却ブロック84と、回路基板110とを備えている。
【0054】
伝熱部材80は、固体撮像素子10及び半導体素子50,60において発生した熱を放散するための部材であって、例えばセラミックスといった絶縁性材料から成る。伝熱部材80は、板状部81と、該板状部81の周囲に設けられた側壁部82とを有する。板状部81は、主面81a(第一面)及び裏面81b(第二面)を有する板状を呈しており、主面81a上には、固体撮像素子10及び半導体素子50,60が載置される。本実施形態では、半導体素子50,60はアンダーフィル74を介して主面81aに接合されている。また、伝熱部材80の側壁部82には配線パターン(不図示)が形成されており、半導体素子50,60は、ボンディングワイヤ58,68を介してこの配線パターンに電気的に接続されている。なお、この配線パターンは、伝熱部材80の側壁部82の外周部分に設けられたピン57,67を介して回路基板110と接続される。
【0055】
冷却ブロック84は、本実施形態における冷却構造であり、固体撮像素子10及び半導体素子50,60において発生した熱を放散するための部材である。冷却ブロック84は、板状部81の裏面81b上に設けられ、板状部81と熱的に結合(好適には接合)されている。冷却ブロック84は、熱伝導性の良い金属等の材料から成ることが好ましく、また、例えば複数のフィンが形成されたヒートシンクによって好適に実現される。
【0056】
以上に説明した本実施形態による固体撮像装置2Aによって得られる効果について説明する。この固体撮像装置2Aでは、CCD型の固体撮像素子10が、列方向(垂直方向)の一端に配置された信号読出回路20を有しており、更に、この信号読出回路20には、シリアル信号出力のためのC−MOS型の半導体素子50が接続されている。このような構成によれば、CCD型である固体撮像素子10上に水平転送回路を設ける場合と比較して、固体撮像素子10における発熱を低減することができる。また、半導体素子50では発熱が生じるが、上記構成によれば、半導体素子50が伝熱部材80を介して冷却ブロック84と熱的に結合されるので、半導体素子50における熱を効率よく放熱することができる。
【0057】
また、この固体撮像装置2Aでは、N個の信号読出回路20が各列毎に配置されており、これらの信号読出回路20から各列毎に電気信号を半導体素子50へ出力する。このような構成により、複数列の出力信号を一つの出力ポートからまとめて出力していた従来のCCDと比較して、出力ポートあたりの読み出し列数を格段に低減することができる。したがって、1つの出力ポート当たりの読み出し速度を抑えることができるので、周波数の大きさに依存するノイズを効果的に低減することができる。
【0058】
これらのように、本実施形態に係る固体撮像装置2Aによれば、水平方向の読み出しの際の転送動作による発熱を効率良く放熱し、且つ出力信号に含まれるノイズを低減することができる。
【0059】
また、本実施形態のように、固体撮像素子10は、撮像面12に対して列方向の一端側に配置される信号読出回路20に加えて、他端側に配置される信号読出回路30を更に有することが好ましい。そして、この信号読出回路30には、半導体素子50とは別の半導体素子60が接続されることが好ましい。このような構成によれば、撮像面12の他端側から一端側へ向かう方向にTDI動作を行う場合には、その方向に電荷を転送し、その電荷を信号読出回路20および半導体素子50によってシリアル信号出力に変換するとよい。また、一端側から他端側へ向かう方向にTDI動作を行う場合には、その方向に電荷を転送し、その電荷を信号読出回路30および半導体素子60によってシリアル信号出力に変換するとよい。このように、本実施形態の上記固体撮像装置2Aによれば、CCDの電荷転送方向を反転させることができる。したがって、TDI動作によって撮像を行う際に、固体撮像装置2Aの移動を少なくすることができるので、撮像に要する時間を短くすることができる。
【0060】
そして、半導体素子50と同様に、半導体素子60と伝熱部材80の主面81aとが互いに接合されているとよい。これにより、半導体素子60が伝熱部材80を介して冷却ブロック84と熱的に結合されるので、半導体素子60における熱を効率よく放熱することができる。
【0061】
また、本実施形態のように、固体撮像素子10の信号読出回路20,30と半導体素子50,60とは、バンプ電極59,69を介して互いに電気的に接続されていることが好ましい。このような構成によれば、例えば信号読出回路20,30と半導体素子50,60とがワイヤを介して接続される場合等と比較して、固体撮像素子10において生じた熱を半導体素子50,60及び伝熱部材80を介して効率よく冷却ブロック84へ逃がすことができる。
【0062】
図8は、本実施形態の一変形例に係る固体撮像装置2Bの構成を示す断面図である。この変形例に示される固体撮像装置2Bと上述した固体撮像装置2Aとの相違点は、半導体素子50,60と伝熱部材80上の配線パターンとの接続方式である。本変形例では、伝熱部材80の主面81a上に配線パターン(不図示)が設けられており、この配線パターンと半導体素子50,60とが、バンプ電極56,66を介して互いに電気的に接続されている。このような構成によれば、図1のように半導体素子50,60と実装パターンとがワイヤを介して接続される場合等と比較して、半導体素子50,60において生じた熱を伝熱部材80を介して効率よく冷却ブロック84へ逃がすことができる。
【0063】
図9は、本実施形態の別の変形例に係る固体撮像装置2Cの構成を示す断面図である。この変形例に示される固体撮像装置2Cは、上述した固体撮像装置2Aの構成に加えて、真空容器90を更に備えている。なお、図9には、真空容器90の一部(フランジ部分)が示されている。そして、伝熱部材80は、このフランジ部分に固定されることにより、真空容器90の一部を構成している。
【0064】
具体的には、真空容器90の一部に開口90aが形成されており、伝熱部材80は、この開口90aを覆うように配置されている。そして、開口90aの周縁部と、伝熱部材80の側壁部82の頂面とが互いに対向しており、それらの隙間はOリング86によって真空封止されている。伝熱部材80の主面81aは真空容器90の内側に向けられており、固体撮像素子10及び半導体素子50,60は、真空容器90内に配置される。これに対し、伝熱部材80の裏面81bは真空容器90の外側に向けられるので、冷却ブロック84は、真空容器90の外に配置される。
【0065】
また、真空容器90には、押さえ部材92が取り付けられている。押さえ部材92は、固体撮像装置2Cを真空容器90に押し付けるためのものであり、固体撮像装置2Cの周囲を囲んでいる。そして、押さえ部材92の一端に形成された環状の底板部分92aが、固体撮像装置2Cの伝熱部材80の裏面81bと接しており、押さえ部材92の他端は、ボルト94によって真空容器90に固定されている。このような構成によって、固体撮像装置2Cには、真空容器90に近づく方向の押圧力が付与される。
【0066】
本変形例の構成によれば、電子線やX線といった真空容器90内で発生される検出対象Eを、その真空容器90内において効率良く撮像することができる。また、通常、真空中では固体撮像装置において発生する熱が逃げにくいが、本変形例の構成によれば、固体撮像素子10や半導体素子50,60において生じた熱を、真空容器90の一部を構成する伝熱部材80を介して冷却ブロック84へ効率的に伝え、放熱することができる。
【0067】
本発明による固体撮像装置は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、列方向における撮像面の一端側に第一信号読出回路および第一半導体素子が設けられ、他端側に第二信号読出回路および第二半導体素子が設けられる例を示したが、本発明による固体撮像装置は、撮像面の一端側にのみ信号読出回路および半導体素子が設けられる構成を備えてもよい。このような場合であっても、水平方向の読み出しの際の転送動作による発熱を効率良く放熱し、且つ出力信号に含まれるノイズを低減するという本発明の効果を好適に奏することができる。
【符号の説明】
【0068】
2A〜2C…固体撮像装置、10…固体撮像素子、12…撮像面、13…画素、20…第一信号読出回路、21,25…トランジスタ、22…信号出力用ボンディングパッド、24,27,28…ボンディングパッド、30…第二信号読出回路、31,35…トランジスタ、32…信号出力用ボンディングパッド、34,37,38…ボンディングパッド、40…転送制御部、50…第一半導体素子、51,61…ボンディングパッド、52,62…CDS回路、53,63…バッファ、54,64…アナログ−ディジタル変換回路、55,65…マルチプレクサ、56,66…バンプ電極、57,67…ピン、58,68…ボンディングワイヤ、59,69…バンプ電極、60…第二半導体素子、71,72…ドライブパッド用変換基板、73,74…アンダーフィル、80…伝熱部材、81…板状部、82…側壁部、84…冷却ブロック、86…Oリング、90…真空容器、92…押さえ部材、110…回路基板、E…検出対象。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M×N個(M,Nは2以上の整数)の画素がM行N列に2次元配列されて成る撮像面、及び、前記撮像面に対して列方向の一端側に各列毎に配置されており各列から取り出される電荷の大きさに応じた電気信号をそれぞれ出力するN個の第一信号読出回路を有するCCD型の固体撮像素子と、
前記第一信号読出回路から各列毎に出力される電気信号をディジタル信号に変換するとともに、各列の前記ディジタル信号をシリアル信号として順次出力するC−MOS型の第一半導体素子と、
第一面及び第二面を有する伝熱部材と、
前記第二面上に設けられた冷却構造と
を備え、
前記第一半導体素子と前記伝熱部材の前記第一面とが互いに接合されていることを特徴とする、固体撮像装置。
【請求項2】
前記第一半導体素子が、
前記第一信号読出回路から各列毎に出力される電気信号のノイズを低減する相関二重サンプリング回路と、
前記相関二重サンプリング回路から出力された信号を増幅するバッファと、
前記バッファから出力された信号をディジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換回路と、
前記アナログ−ディジタル変換回路から出力された各列の前記ディジタル信号をシリアル信号として順次出力するマルチプレクサと
を有することを特徴とする、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記相関二重サンプリング回路、前記バッファ、前記アナログ−ディジタル変換回路、及び前記マルチプレクサのうち少なくとも一つが、前記撮像面の法線方向から見て前記固体撮像素子に覆われていることを特徴とする、請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記固体撮像素子の前記第一信号読出回路と前記第一半導体素子とがバンプ電極を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記伝熱部材の前記第一面上に実装パターンが設けられており、
前記第一半導体素子と前記実装パターンとがバンプ電極を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記伝熱部材が絶縁性材料から成ることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記絶縁性材料がセラミックスであることを特徴とする、請求項6に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記固体撮像素子が、前記撮像面に対して列方向の他端側に各列毎に配置されており各列から取り出される電荷の大きさに応じた電気信号をそれぞれ出力するN個の第二信号読出回路を更に有し、
当該固体撮像装置は、前記第二信号読出回路から各列毎に出力される電気信号をディジタル信号に変換するとともに、各列の前記ディジタル信号をシリアル信号として順次出力するC−MOS型の第二半導体素子を更に備え、
前記第二半導体素子と前記伝熱部材の前記第一面とが互いに接合されていることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記撮像面が、電子線、X線、及び紫外線のうち何れかを撮像することを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記伝熱部材が真空容器の一部を構成しており、
前記固体撮像素子及び前記第一半導体素子が前記真空容器内に配置されており、
前記冷却構造が前記真空容器外に配置されていることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の固体撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−98853(P2013−98853A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241354(P2011−241354)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】