説明

圧力レギュレータ用の流れ制限用弁座リング

制御部材114との間にシールを形成すべく接合し制御デバイスの流路108を流れる流体の流れを制御するように構成された弁座104であって、この弁座104は、前記制御部材114との間にシールを形成すべく接合するように構成された着座面172と、前記流路内に配置され、該流路108を流れる流体のうちの少なくとも一部が前記制御部材114のうちの少なくとも一部に直接衝突することを防ぐような輪郭を有した少なくとも一つのオリフィス170とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に流体制御デバイスに関するものであり、より詳細には制御デバイス用の弁座リングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体制御デバイスには、制御弁およびレギュレータを含むさまざまなカテゴリの装置が含まれる。このような制御デバイスは、化学処理システム、天然ガス分配システムなどの如き流体プロセス制御システム内に設けられ、そこを流れる流体の流れを制御するために設けられている。各制御デバイスには、流路が形成されているとともに、流路の寸法を調節するための制御部材を有している。たとえば、図1には、バルブボディ12とアクチュエータ14とを備えた公知のレギュレータアッセンブリ10が示されている。前記バルブボディ12には、流路16が形成されているとともに、喉部18が設けられている。図1では、レギュレータアッセンブリ10は、流れが上方に向かう構造に構成されている。前記アクチュエータ14は、上部アクチュエータケース20と、下部アクチュエータケース22と、制御部材24とを有している。前記制御部材24は前記上部アクチュエータケース20および下部アクチュエータケース22の内部に配設され、レギュレータアッセンブリ10の配置部位の前後の圧力変化に応じて双方向に変位するように構成されている。このように構成されているので、制御部材24は喉部18を流れる流体の流れを制御することができる。加えて、図示されているように、レギュレータアッセンブリ10は、バルブボディ12の喉部18に配設される弁座リング26を有している。バルブボディ12の流出口圧力が高い場合、制御部材24のシール面28は、弁座リング26との間にシールを形成すべく接合して喉部18を閉じることが可能となっている。このようにして、流体がレギュレータ10を通過しようとするのを阻止する。
【0003】
図1には、一つの公知の弁座リング26を備えたレギュレータアッセンブリ10が示されている。弁座リング26は、喉部18に固定される概略リング形状の本体を具備している。弁座リング26は、着座面30と、オリフィス32とを有している。図示されているように、前記着座面30は、閉弁位置にあるとき、制御部材24のシール面28に接合することにより、流体が、バルブボディ12を通って流れることのないように構成されている。図1に示されている弁座リング26は、さらに、丸いまたはテーパ形状の面34を有している。この丸いまたはテーパ形状の面34は、オリフィス32を流れようとする流体の流れを滑らかにするという機能を有している。これに加えて、図1から明らかなように、着座面30の直径は、弁座リング26のオリフィス32の直径および制御部材24のシール面28の直径と略等しくなっている。したがって、流体がバルブボディ12を流れる際、この流体は、図1に示されているようにバルブボディ12の左側から、弁座リング26のオリフィス32を経由して喉部18通って、上方に向かって流れる。次いで、この流体は、シール面28を含む制御部材24の下面に当たって反れ、図1のバルブボディ12の右側に向かって流出することになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】公知の弁座リングを有したレギュレータアッセンブリを示す側断面図である。
【図2】本発明の理念に沿って構成された一つの形態の弁座リングを組み込んだレギュレータアッセンブリを示す側断面図である。
【図3】図2に示すレギュレータアッセンブリの、図2の円3の部分を示す、側断面図である。
【図4】図2および図3に示す弁座リングを示す斜視図である。
【図5A】本発明の理念に従って構成された他の形態の弁座リングを示す斜視図である。
【図5B】図5Aの5B−5B線に沿って断面された図5Aに示す弁座リングの構成を表した側横断面である。
【図6A】本発明の理念に沿って構成された他の形態の弁座リングを示す斜視図である。
【図6B】図6Aの6B−6B線に沿って断面された図6Aに示す弁座リングの構成を示す側断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図2〜図4を参照すると、本発明の理念にかかる制御デバイスは、圧力レギュレータ100を備えている。通常、前記圧力レギュレータ100は、バルブボディ102と、弁座リング104と、アクチュエータ106とを有している。前記バルブボディ102には、流入口110と流出口112との間に延設される流路108が形成されている。前記アクチュエータ106は、図1に示されているような開弁位置と、コントロールアッセンブリ114が弁座リング104と接合している閉弁位置との間を移動可能となっている。前記コントロールアッセンブリ114は、流路108を流れる流体の圧力の変動に応じて移動するようになっている。したがって、前記弁座リング104に対する前記コントロールアッセンブリ114の位置により、圧力レギュレータ100の流量が決まることになる。
【0013】
さらに詳細には、図2および図3を参照すると、前記バルブボディ102には、流入口110と流出口112の間に喉部116がさらに形成されている。この喉部116は、弁座リング104を受けて支持する段部118を有している。一つの形態としては、O−リングを、弁座リング104と喉部116の段部118との間に配設して、これらの間に、液密性を与えるべくシールが形成される。
【0014】
再び図2を参照すると、上述のように、前記アクチュエータ106は、前記コントロールアッセンブリ114に加えて、上部アクチュエータケース122と、下部アクチュエータケース124と、複数のピン126(図3にさらに詳細に図示されている)とを有している。 前記上部アクチュエータケース122と前記下部アクチュエータケース124は、少なくとも一つのネジ締結部材119とそれに対応するナット121とにより固定されるようになっている。前記上部アクチュエータケース122には、補助流出口123と、第一の制御流入口125(想像線で記載されている)と、トラベルチャンバ127とが形成されている。トラベルチャンバ127は、アクチュエータ106内のコントロールアッセンブリ114の位置を示すトラベルインジケータ131を収納している。下部アクチュエータケース124には、第二の制御流入口129が形成されている。
【0015】
上部アクチュエータケース122と下部アクチュエータケース124とが合わさって、中空のネック部128を含むキャビティ135を形成する。中空のネック部128は、バルブボディ102内のアクチュエータ開口部115に配設される下部128aを有している。図3に図示されているように、複数のピン126は、中空のネック部128の下部128aへ固定される第一の端部126aと、中空のネック部128の下部128aから離れた位置に設けられる第二の端部126bとを有している。図示されている形態では、第一の端部126aは、中空のネック部128内に形成された孔の中に螺着されている。第二の端部126bは弁座リング104に接合されるようになっている。したがって、ピン126と喉部116の段部118とは、バルブボディ102内で弁座リング104を間に挟んで、軸方向に配設されて、弁座リング104を固定している。レギュレータ100がバルブボディ102に弁座リング104を配設する複数のピンを有するものとして記載されているが、これに代えて、レギュレータ100の他の形態としては、喉部116にケージを設けて弁座リング104を配設するようにしてもよい。他の形態としては、弁座リング104が、バルブボディ102に螺着、接着または他の方法で固定されていてもよい。
【0016】
さらに図2を参照すると、コントロールアッセンブリ114は、管状部材130と、取付サブアッセンブリ132と、リアクションサブアッセンブリ133とを有している。管状部材130は、キャビティ135内に配設される上端130aと、中空のネック部128内に配設される下端130bとを有している。前記管状部材130の上端130aは、開放され、環状フランジ140を有している。管状部材130の下端130bは、開放されており、前記取付サブアッセンブリ132を収容している。
【0017】
図3を参照すると、前記取付サブアッセンブリ132は、取り付け部材142と、ディスクリテーナ144と、ディスクホルダ14と、シール用ディスク148とを有している。開示されている形態では、前記取り付け部材142は概ねシリンダ形状をした本体を備え、この本体は、管状部材130の開放されている下端130bの中に螺着されるようになっており、また、該本体には貫通孔150が形成されている。この貫通孔150は、管状部材130と概ね軸方向に沿って一直線上に並ぶように形成されている。前記ディスクリテーナ144は、締結部材152によって前記取り付け部材142へ固定される概略シリンダ形状の本体を有する。図示されている形態では、締結部材152にはネジ締結部分が含まれている。前記取り付け部材142と同様、ディスクリテーナ144にも貫通孔154が形成されている。かかるディスクリテーナ144の貫通孔154は、取り付け部材142の貫通孔150の直径と略同一の直径を有しており、また、それと軸方向に沿って一直線に並んで設けられている。
【0018】
加えて、図3に示されているように、前記ディスクリテーナ144は、中央シリンダ形状部144aと、この中央シリンダ形状部144aの半径方向外側に延設されているリム部144bとを有している。この中央シリンダ形状部144aおよびリム部144bは、略平坦な底面145を形成している。このリム部144bは、弁座リング104に着座するための面取りされた面144cを有している。このリム部144bは、前記管状部材130に対して、ディスクホルダ146およびシール用ディスク148を位置決めし、固定する。このディスクホルダ146は、スチールの如き剛性材料から製造される概ねリング形状のプレートを有している。前記シール用ディスク148は、弾性材料からなる概ねリング形状のディスクを有し、ディスクホルダ146へ固定される。一つの形態としては、前記シール用ディスク148は、接着剤を用いてディスクホルダ146へ固定される。開示されている形態によれば、前記ディスクリテーナ144は、コントロールアッセンブリ114が、閉弁位置にあり、前記シール用ディスク148を弁座リング104に対して押圧された状態にあるとき、該シール用ディスク148の半径方向の変形を制限するよう構成されている。
【0019】
ここで、図2に示されているレギュレータ100の上部を参照すると、リアクションサブアッセンブリ133は、ダイヤフラム134と、上側ダイヤフラム板136aと、下側ダイヤフラム板136bと、バネ138とを有している。前記上側ダイヤフラム板136と下側ダイヤフラム板136bとは、管状部材130の環状フランジ140にクランプによって固定されている。前記ダイヤフラム板136a、136b同士を締結部材156によって固定することにより、前記管状部材130とダイヤフラム板136a、136bとが固定される。加えて、ダイヤフラム板136a、136bは、ダイヤフラム134の半径方向内側の部分を間に挟んでいる。このダイヤフラム134の半径方向外側の部分は、上部アクチュエータケース122と下部アクチュエータケース124との間で固定されている。前記バネ138は、上部アクチュエータケース122および下部アクチュエータケース124により形成されたキャビティ135の中で且つ前記上側アクチュエータと上側ダイヤフラム板136との間に配設されている。開示されている形態では、前記バネ138は、ダイヤフラム板136a、136b、管状部材130、および取付サブアッセンブリ132を含むコントロールアッセンブリ114全体を、アクチュエータケース122、124に対して前もって決められている位置に付勢するコイルバネを有する。
【0020】
一般的に、このレギュレータアッセンブリ100が流体プロセス制御システム内に設置されると、このコントロールアッセンブリ114は、バルブボディ102を内を通過する流体の圧力に応じて、前記アクチュエータ106内のキャビティ135および中空のネック部128の内部を往復動的に変位する。詳細にいえば、流体は、バルブボディ102の流入口110から、喉部116を通って流入するようになっている。いったん流体が喉部116を通過すると、この流体のうちの相当な量が流出口112へ向けて流れ、残りは前記取り付け部材142およびディスクリテーナ144の貫通孔150、154を通って流れる。前記残りの流体は、引き続いて、管状部材130を通り抜け、補助流出口123から流れ出ることになる。一つの形態では、補助流出口123から流れ出た流体を、流体管路(図示せず)を経由して流体プロセス制御システムへ戻し、たとえばパイロットシステムへ供給することが可能である。バルブボディ102を通り流出口112へと抜ける流体も、流体プロセス制御システムの中へと戻される。詳細にいえば、一つの形態では、流出口112での流体の圧力のうちの一部は、他の流体管路(図示せず)へ伝達され、上部アクチュエータケースの第一の制御流入口125へ導かれる。したがって、バルブボディ102の流出口112での流体の圧力は、第一の制御流入口125での流体の圧力と等しく、この圧力は、最終的に、上側ダイヤフラム板136aへ加えられる。したがって、圧力が高く、流量が少ない条件下では、バルブボディ102の流出口112の圧力が、ダイヤフラム板136a、136bおよびコントロールアッセンブリ114をバネ138の付勢により下方に向けて押圧する。あるいは、圧力が高く、流量が少ない条件下では、前記バネ138が、ダイヤフラム板136a、136bおよびコントロールアッセンブリ114を、バルブボディ102の流出口112の圧力で、図2に示されている開弁位置に向けて下方に押圧する。下方向きの力の和は、下流の要求を充足させるために必要とされる流量にしたがって、弁の位置決めをするべく、流入口129を通じて作用する、制御圧力によって対抗される。
【0021】
ここで、とくに図3および図4を参照して、本発明の一つの形態にかかる弁座リング104を説明する。この弁座リング104は、固定部158と、着座部160と、障壁部162とを有する、概ねリング形状の本体を備えている。前記着座部160は、固定部158と障壁部162との間に、半径方向に延設されている。前記固定部158は、取り付け用肩部164を有している。 図3に示されているように、前記取り付け用肩部164は、前記喉部116の段部118と接合してこの弁座リング104を支持している。開示された形態では、弁座リング104の取り付け用肩部164の接合により、弁座リング104が軸方向および半径方向にバルブボディ102に対して位置決めされる。
【0022】
前記弁座リング104の着座部160は、固定部158から半径方向内側に向けて延設されており、また、着座用フランジ170を有している。この着座用フランジ170は、図4において最も明瞭に表されているように着座面172を形成している。着座用フランジ170は、着座面172を図2および図3に示されているようにシール用ディスク148に対向させて配設するべく、弁座リング104から上方に向かって延設されている略シリンダ形状の突起を有している。したがって、コントロールアッセンブリ114が閉弁位置へ変位すると、シール用ディスク148は、軸方向に沿って、着座面172と接合してシールする。
【0023】
前記弁座リング104の障壁部162は、前記着座部160から半径方向内側に向けて延設されており、遷移部174と干渉部176とを有している。前記遷移部174は、前記着座部160から半径方向内側に向けかつ軸方向下方に向けて延設されてている中空の概ね円錐台形状の部分を有している。前記干渉部176は、前記弁座リング104にオリフィス180を形成する内面178を備えた概ねリング形状の部分を有している。前記オリフィス180は、コントロールアッセンブリ114が開弁位置にあるときバルブボディ102を通って流体が流れるのを可能とし、図2を参照して説明したように開弁位置にあるときおよび閉弁位置にあるとき取り付けアッセンブリ132を通り管状部材130の中へ流体が流入することを可能とする。前記干渉部176の内面178は、流入口側のリム182と流出口側のリム184とを備えた略円錐台形状の面を有している。前記流入口側のリム182が流出口側のリム184の直径よりも小さな直径を有していることにより、略円錐台形状のオリフィス180が形成される。これに加えて、前記流入口側のリム182および流出口側のリム184の各々は、着座用フランジ170およびシール用ディスク148の直径よりも著しく小さな直径を有している。このように、オリフィス180は、着座用フランジ170およびシール用ディスク148の直径よりも著しく小さな平均直径を有している。
【0024】
したがって、流体が前記オリフィス180を通過するとき、流入口側のリム182および流出口側のリム184を含む内面178により、流体は、弁座リング104を通過して、ディスクリテーナ144の底面145の方向へ向けて導かれることになる。前述したように、上記の流体のうちの一部は、ディスクリテーナ144および取り付け部材142の中のそれぞれ対応する貫通孔150および154を通り管状部材130の中へ抜ける。上記の流体の残りの部分は、ディスクリテーナ144の底面145に衝突し、それに対して略直角に反れ、バルブボディ102の流出口112の方向に向かって流れる。したがって、上記の流体はシール用ディスク148に対して略平行に移動することになる。前記弁座リング104の開示された形態により、流体およびこの流体に含まれる砕片または粒状物質がシール用ディスク148に対して垂直に衝突することがなくなる。
【0025】
図5Aおよび図5Bには、本発明の理念に従って作られた弁座リング204の他の形態が示されている。図3および図4を参照して説明された前述した弁座リング104と同様、この弁座リング204は、固定部258と、着座部260と、障壁部262とを有している。前記固定部258および着座部260は、先に記載されたものと同一であるので、詳細には説明しない。しかしながら、前記障壁部262はプレート部264を有している。このプレート部264は、概ね平坦になっており、バルブボディ102の喉部116を流れる流体の流れに対して略垂直な面266(図5Bに示されている)内に位置している。該プレート部264は、それを貫通して延びている複数のオリフィス270を形成する複数のシリンダ形状の面268を有している。これらの複数のオリフィス270により、流体が弁座リング204を通過して流れることが可能となっている。前記シリンダ形状の面268の各々は、前記プレート部分264に含む面266に対して略垂直になった長手方向の軸272を有している。このような構成に加えて、この複数のオリフィス270の各々は、前記弁座リング204の着座用フランジおよびコントロールアッセンブリ114のシール用ディスク148に対して略半径方向内側の位置に設けられている。
【0026】
したがって、流体が弁座リング204を流れると、複数のオリフィス270により、流体がディスクリテーナ144の底面145の方向に向けて導かれる。前述したように、上記の流体のうちの一部は、ディスクリテーナ144および取り付け部材142の中のそれぞれ対応する貫通孔150および154を通過して管状部材130の中に流入する。上記の流体の残りの部分は、前記ディスクリテーナ144の底面145に衝突し、それに対して略直角に反れ、バルブボディ102の流出口112の方向へ向かって流れることになる。したがって、上記の流体はシール用ディスク148に対して略平行に移動することになる。先に説明した弁座リング104と同様に、前記弁座リング204の開示された構成により、流体およびこの流体に含まれる砕片または粒状物質はシール用ディスク148に対して垂直に衝突することはない。
【0027】
図6Aおよび図6Bには、図5Aおよび図5Bに示されている弁座リング204の変形実施例である、弁座リング304が示されている。具体的に述べると、この弁座リング304は、前述した弁座リング204に類似した構造に構成されており、面366(図6Bに示されている)に含まれるプレート部364を有している。かかる面366は、バルブボディ102の喉部116を流れる流体の流れに対して略直角となっている。プレート部364は、複数のオリフィス370を形成する複数のシリンダ形状の面368を有している。かかる複数のオリフィス370の各々は、この弁座リング304の着座用フランジおよびコントロールアッセンブリ114のシール用ディスク148から略半径方向内側の位置に設けられている。前述したシリンダ形状の面368の各々は、流入口側のリム368aと流出口側のリム368bとを有している。図示さている形態では、前記流入口側のリム368aおよび流出口側のリム368bは直径が略等しい。この流入口側のリム368aは、図6に示されているオリフィス370の各々が前記面366に対してある角度で配置された長手方向の軸372を有するように、それぞれ対応する流出口側のリム368bからずらした位置に配設されている。このオリフィス370の長手方向の軸372の各々の面366に対する角度は、90度未満となっている。
【0028】
したがって、レギュレータ100の中へ前記弁座リング304を設置すると、かかる弁座リング304は、流入口側のリム368aがバルブボディ102の流入口110に向けて配置され且つ流出口側のリム368bがバルブボディ102の流出口112へ向けて配置されることになる。このように構成されていると、かかるオリフィス370は、弁座リング304を通過する流体の流れをある角度に導く。図5Aおよび図5Bに示されている弁座リング204を参照して前述したように、流体のうちの一部が、ディスクリテーナ144の底面145の中へと導かれるようになっている。しかしながら、図2〜図5に示されている弁座リング204とは異なり、図6Aおよび図6Bに示されている弁座リング304は、流体をディスクリテーナ144の中へ向けてある角度で導く。したがって、ディスクリテーナ144の底面145に衝突すると、かかる流体は、シール用ディスク148に対して略平行に移動するが如くに、バルブボディ102の流出口112の方向に向けて当然反れることとなる。
【0029】
本発明の開示された形態によれば、特筆すべき点は、前述した弁座リング104、204、304が、バルブボディ102を流れる流体の流れをゴム製のシール用ディスク148に対して略平行に導くことにより、シール用ディスク148の耐用年数が最適化されるようになるということである。さらに特筆すべき点は、前述した形態とは異なる流路を形成する異なる構造を有する種々の弁座リングが本発明の技術範囲に含まれるということである。したがって、本発明は、圧力レギュレータまたは弁座リングが組み込まれる他の制御デバイスの、異なる用途に対応するために、本発明の理念に従ってつくられる他の形態の流体制御用の弁座リングによっても置換されことができる、流体制御用の弁座リングを提供している。
【0030】
加えて、特筆すべき点は、図3および図4に示される如き、単一の円錐台形状のオリフィス180が形成される弁座リング104の一つの形態が記載されているが、弁座リング104の他の形態として、単一のシリンダ形状のオリフィスが形成される略シリンダ形状の内面178の形態のものが含まれてよい。一つの形態では、シリンダ形状のオリフィス180は、弁座リング104の干渉部176により占められた面に対して概ね垂直になっている長手方向の軸を有してよい。他の形態としては、シリンダ形状のオリフィス180は、弁座リング104の干渉部176により占められる面に対して90度未満の角度で配置される長手方向の軸を有してもよい。さらに、弁座リング104が、図示されているような圧力レギュレータ100の向きに対して軸方向下側に向かって徐々に先細となってゆく円錐台形状の内面178を有する形態のものとして図示および記載されているが、弁座リング104の他の形態としては、圧力レギュレータ100の向きに対して軸方向上側に向かって徐々に先細になってゆく円錐台形状の内面178を有していてもよい。
【0031】
さらに、特筆すべき点は、図5および図6に図示および記載されている弁座リング204、304は、シリンダ形状のオリフィス270、370が形成されるシリンダ形状の面268、368を有しているものとして開示されているが、弁座リング204、304の他の形態としては、円錐台形状のオリフィス270、370が形成される図2および図3に示された形態のものに類似した円錐台形状の面268、368を有する形態のものであってよい。このような一つの形態では、円錐台形状の面268、368は、圧力レギュレータ100の向きに対して軸方向下側に向けて徐々に先細になっていってもよい。他の形態としては、円錐台形状の面268、368は、圧力レギュレータ100の向きに対して軸方向上側に向けて徐々に先細になっていってもよい。さらに、上記の形態を有する円錐台形状のオリフィスが、それらが設けられている弁座リング104、204、304に対して略垂直になっている軸を有している形態のものとして図示および記載されているが、弁座リング104、204、304の他の形態としては、図6Aおよび図6Bに記載されているオリフィス370と同様に、弁座リング104、204、304に対してある角度で配置される軸を有する円錐台形状のオリフィスを有するような形態のものであってもよい。さらに、図6Aおよび図6Bに示されている複数のオリフィス370が弁座リング304に対してある共通の角度で配置されている形態のものとして図示および記載されているが、弁座リング304の他の形態としては、各々が弁座リング304に対して異なる角度で配置される複数のオリフィス370を有しているような形態のものであってもよく、これらの角度の一部または全部が、弁座リング304を流れる流体をバルブボディ102の流出口112の方向に向けて導くようになっていてもよいし又はなっていなくてもよい。さらに、弁座リング304の他の形態としては、取付サブアッセンブリ132内の貫通孔150、154の中心に向けて流体の流れを導くような角度に傾けられた複数のオリフィス370を有するような形態であってもよい。さらに、弁座リング104、204、304の中のオリフィス170、270、370が、概ねシリンダ形状または円錐台形状であるとともに、概ね円形状の平断面を有しているものとして図示および記載されているが、本発明の他の形態としては、円形状以外の断面を有したオリフィスを有するものであってもよい。たとえば、オリフィスの他の形態としては、多角形状の平断面を有していてもよいし又ははその他の不規則な形状の平断面を有してもよい。最後に、言うまでもないが、本発明は圧力レギュレータに関連するものとして記載しているが、本発明を、制御弁、アクチュエータおよびその他の推測可能なデバイスを含む、他の流体プロセス制御デバイスの中に組み入れるものであっても、前記同様に良好な結果を得ることが可能である。
【0032】
前述したとおり、本明細書の記載が本発明の単なる例示のみを提供することを意図したものであることから、本発明の理念から逸脱しない変形例は、本発明の技術範囲に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部材との間にシールを形成すべく接合し制御デバイスの流路を流れる流体の流れを制御するように構成された弁座であって、
前記制御部材との間でシールを形成すべく接合するように構成された着座面と、
前記流路内に配置され、該流路を流れる流体のうちの少なくともその一部が前記制御部材のうちの少なくとも一部に直接衝突することを防ぐような形状を有した、少なくとも一つのオリフィスとを、有する弁座。
【請求項2】
前記着座面が第一の直径を有しており、前記少なくとも一つのオリフィスが、前記第一の直径よりも実質上小さな第二の直径を有している請求項1に記載の弁座。
【請求項3】
前記少なくとも一つのオリフィスが、各々が前記着座面の半径方向内側に延設されている複数のオリフィスを含む請求項1記載の弁座。
【請求項4】
前記着座面を含む面に対して略垂直に形成された長手方向の軸を有するような、前記少なくとも一つのオリフィスとしての、略シリンダ形状の内面を、さらに具備している請求項1記載の弁座。
【請求項5】
前記着座面を含む面に対して90度未満の角度で形成される長手方向の軸を有し、前記少なくとも一つのオリフィスを形成する、略シリンダ形状の内面を、さらに具備している請求項1に記載の弁座。
【請求項6】
前記少なくとも一つのオリフィスを形成する、略円錐台形状の内面をさらに備えてなる請求項1に記載の弁座。
【請求項7】
制御部材との間にシールを形成すべく接合し制御デバイスの流路を流れる流体の流れを制御するように構成された弁座であって、
前記制御部材との間にシールを形成すべく接合するように構成された、第一の直径を有する着座面と、
少なくとも一つのオリフィスが形成されるとともに、前記流路に配置され、且つ前記第一の寸法よりも小さな第二の寸法を有する干渉部とを具備しているとともに、
前記干渉部が、流体が前記流路を通り、前記制御部材のうちの少なくとも一部から離れる方向に向けて流れるように該流体を導くように構成されている、弁座。
【請求項8】
前記少なくとも一つのオリフィスを形成する、略シリンダ形状の内面を、さらに備えている請求項7に記載の弁座。
【請求項9】
前記少なくとも一つのオリフィスを形成する、略円錐台形状の内面を、さらに備えている請求項7に記載の弁座。
【請求項10】
前記オリフィスを通る流路の方向に対して略垂直な面内に、前記少なくとも一つのオリフィスが配置されている請求項7に記載の弁座。
【請求項11】
前記少なくとも一つのオリフィスが複数のオリフィスを含んでおり、該複数のオリフィスを形成する複数の内面をさらに備えてなる請求項7に記載の弁座。
【請求項12】
前記複数のオリフィスの各々が、前記着座面の半径方向内側に配設されている請求項11に記載の弁座。
【請求項13】
流体用の流路を形成するバルブボディと、
前記流路内に配設される弁座リングと、
前記バルブボディに連結され、前記流路を流れる流体の流れを調節するための前記弁座リングに対して変位する制御部材を備えたアクチュエータとを具備しているとともに、
前記制御部材が、前記弁座リングとの間にシールを形成すべく接合するように構成されたシール用ディスクを有しており、
前記弁座リングは、オリフィスを有し、前記流体の流れのうちの少なくとも一部が前記シール用ディスクに衝突するのを防ぐように前記流路内に配設されている、制御デバイス。
【請求項14】
前記シール用ディスクが第一の直径を有しており、前記弁座リング内の前記オリフィスが前記第一の直径よりも相当小さな第二の直径を有している請求項13に記載の制御デバイス。
【請求項15】
前記オリフィスが複数のオリフィスを含んでいる請求項13に記載の制御デバイス。
【請求項16】
前記複数のオリフィスの各々が、前記シール用ディスクの半径方向内側に配設されている請求項15に記載の制御デバイス。
【請求項17】
前記弁座リングが、前記オリフィスを形成する略シリンダ形状の側壁を有しており、該略シリンダ形状の側壁が、前記弁座リングを含む面に対して略垂直な長手方向の軸を有している請求項13に記載の制御デバイス。
【請求項18】
前記弁座リングが、前記オリフィスを形成する略シリンダ形状の側壁を有しており、
前記略シリンダ形状の側壁が、前記弁座リングを含む面に対して90度未満の角度からなる長手方向の軸を有している請求項13に記載の制御デバイス。
【請求項19】
前記弁座リングが、前記オリフィスを形成する略円錐台形状の側壁を有している請求項13に記載の制御デバイス。
【請求項20】
流体用の流路が形成されたバルブボディと、
前記流路を流れる流体の流量を調節するべく前記バルブボディに対して変位するように構成され且つシール面を具備している制御部材を有し、前記バルブボディと連結されたアクチュエータと、
前記流路に配設され且つ前記バルブボディへ取り付けられている弁座リングとを備えているとともに、
前記弁座リングが、
前記制御部材の前記シール面により選択的に接合されるように構成された着座面と、
前記流路を流れる流体を受けるための前記弁座リングを貫通する、少なくとも一つのオリフィスが形成され、且つ前記着座面から半径方向内側に向けて延設された干渉部とを具備している、制御デバイス。
【請求項21】
前記シール面と前記少なくとも一つのオリフィスとが同軸状に並ぶように設けられている請求項20に記載の制御デバイス。
【請求項22】
前記シール面と前記少なくとも一つのオリフィスが軸方向に対してずらして設けられている請求項20に記載の制御デバイス。
【請求項23】
前記少なくとも一つのオリフィスが複数のオリフィスを含んでいる請求項20に記載の制御デバイス。
【請求項24】
前記複数のオリフィスの各々が前記シール面の半径方向内側に配設されている請求項23に記載の制御デバイス。
【請求項25】
前記干渉部が前記少なくとも一つのオリフィスを形成する略シリンダ形状の側壁を有しており、該略シリンダ形状の側壁が、前記弁座リングを含む面に対して略垂直になっている長手方向の軸を有している請求項20に記載の制御デバイス。
【請求項26】
前記干渉部が前記少なくとも一つのオリフィスを形成する略シリンダ形状の側壁を有しており、該略シリンダ形状の側壁が、前記弁座リングを含む面に対して90度未満の角度からなる長手方向の軸を有してなる、請求項20に記載の制御デバイス。
【請求項27】
前記干渉部が、前記少なくとも一つのオリフィスを形成する略円錐台形状の側壁を有している請求項20に記載の制御デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【公表番号】特表2009−545714(P2009−545714A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522755(P2009−522755)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/014529
【国際公開番号】WO2008/018953
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(591055436)フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー (183)
【Fターム(参考)】