説明

圧縮樹脂封止成形に用いられる液状樹脂材料供給方法及び装置

【課題】電子部品を樹脂封止成形する際に、樹脂成形型の下型キャビティ内に定量の液状樹脂材料Rを効率良く供給する液状樹脂材料供給方法及び装置B(400) を提供する。
【解決手段】液状樹脂材料供給装置B(400)は、樹脂成形型の上型804側に設けた嵌合着脱部401に対して着脱自在に装設した液状樹脂材料供給装置本体402と、該本体の内部に嵌装した冷却水路部材403と、該冷却水路部材内に嵌装した液状樹脂材料の吐出口部404を備えるノズル部材405と、該ノズル部材内に嵌装した液状樹脂材料流動経路406を備える吐出口部開閉用のバルブ部材407と、ノズル部材405の吐出口部404とバルブ部材407のバルブ408とを嵌合させて吐出口部404を閉じるための弾性押動部材409 とから構成されている。液状樹脂材料供給装置Bを冷却することにより、バルブ部材407及びノズル部材405内を流通する熱硬化性樹脂材料(R)に対する熱硬化反応を効率良く抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等の小形の電子部品を樹脂材料にて封止成形するための圧縮樹脂封止成形に用いられる液状樹脂材料の供給方法とこの方法を用いる液状樹脂材料供給装置の改良に係り、特に、液状樹脂材料を圧縮樹脂封止成形用型内に効率良く且つ迅速に供給することができるように改善したものに関する。
【背景技術】
【0002】
上下両型から成る圧縮樹脂封止成形型の下型キャビティ内に液状の熱硬化性樹脂材料を供給して、この液状樹脂材料中に基板上の電子部品を浸漬させると共に、この液状樹脂材料に所定の加熱作用及び型締圧力を加えて該電子部品を樹脂封止成形する、所謂、電子部品の圧縮樹脂封止成形(圧縮成形)方法が採用されているが、この方法において、下型のキャビティ内に液状の熱硬化性樹脂材料を供給するには、通常、ディスペンサが用いられている。
例えば、ディスペンサの本体を上下両型間に進退可能となるように装設して上下両型の型開時において、該ディスペンサ本体を上下両型間に進入させると共に、該ディスペンサの先端ノズルから所定量の液状熱硬化性樹脂材料を吐出させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献2】特開2003−165133号公報(第4頁第5欄第7〜14行目、第9図、第11図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたディスペンサを用いる樹脂材料供給装置の構成によれば、次のような問題がある。
電子部品を樹脂封止するための材料として液状熱硬化性樹脂材料を使用する場合、例えば、半導体基板上に装着した発光ダイオード(LEDチップ)をシリコーン樹脂にて封止成形するようなときは、該液状熱硬化性樹脂材料が短時間で硬化すると云う樹脂成形上の問題があるため、下型キャビティ内への液状熱硬化性樹脂材料の供給作業と、基板上の発光ダイオードを下型キャビティ内の液状熱硬化性樹脂材料中に浸漬させる作業を迅速に且つ効率良く行う必要がある。
即ち、下型キャビティ内への液状熱硬化性樹脂材料の供給作業が迅速に行われないときはその熱硬化反応が促進されて高粘度状態となるため下型キャビティ内の隅々にまで該液状熱硬化性樹脂材料を均一に供給することができず、その結果、下型キャビティ内への樹脂充填不足と云った不具合を生じることになる。また、高粘度状態の液状熱硬化性樹脂材料中に発光ダイオードを浸漬させようとするとその金線ワイヤを変形させ或はこれを切断することがあり、その結果、電気的接続不良の状態で樹脂封止成形が行われると云った樹脂封止成形上の重大な弊害が発生する。
なお、上下両型間に複数のキャビティ部を配設してこれらのキャビティ部の夫々に基板を装填セットする大型の圧縮樹脂封止成形装置を用いる場合は、各キャビティ内の夫々に液状熱硬化性樹脂材料を供給することになるが、その全部の樹脂材料供給工程が終了した時点での各キャビティ内における熱硬化性樹脂材料の夫々は異なる粘度を有することになる。このため、発光ダイオードの液状熱硬化性樹脂材料中への浸漬工程を均一な条件下において行うことができず、前記したと同様に、該樹脂材料中に浸漬させた発光ダイオードの金線ワイヤを変形させ或はこれを切断して電気的接続不良の状態で樹脂封止成形が行われる等の重大な弊害が発生し、均等で高品質性・高信頼性を備えた電子部品の圧縮樹脂封止成形品を効率良く且つ確実に成形することができないと云った樹脂成形上の重大な問題がある。
また、大型の圧縮樹脂封止成形装置を用いる場合においては、例えば、各キャビティ内への液状熱硬化性樹脂材料の供給作業を夫々同時に行うことにより、各キャビティ内における液状熱硬化性樹脂材料の粘度を夫々均等にすることができる。しかしながら、このときは、上記したディスペンサの配設数を増加させる等の必要があって全体的な装置構造が更に複雑化され或はその全体形状が更に大型化すると云った問題がある。
【0005】
本発明は、電子部品の圧縮樹脂封止成形用型に定量の液状樹脂材料をその流動性を保ちながら効率良く供給することができる液状樹脂材料の供給方法とこの方法を用いる液状樹脂材料供給装置を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、特に、小型化された電子部品の圧縮樹脂封止成形装置に組み込んで好適に実施することができる液状樹脂材料の供給方法とこの方法を用いる液状樹脂材料供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するための請求項1に係る発明は、少なくとも上下両型から成る電子部品の樹脂封止成形用下型に基板セット用キャビティを配置して前記基板上に装着した電子部品を前記下型キャビティ内に供給した液状樹脂材料中に浸漬させると共に、前記液状樹脂材料に所定の加熱作用及び加圧作用を加えて前記電子部品を樹脂封止成形する電子部品の圧縮樹脂封止成形に用いられる液状樹脂材料供給方法であって、
前記樹脂封止成形用上型側に、液状樹脂材料吐出口部を備えたノズル部材と、液状樹脂材料流動経路を備えた前記吐出口部開閉用のバルブ部材と、前記ノズル部材の吐出口部と前記バルブ部材のバルブとを嵌合させて前記吐出口部を閉じるための弾性押動部材とを備えた液状樹脂材料供給装置を準備する液状樹脂材料供給装置準備工程と、
前記液状樹脂材料供給装置の液状樹脂材料流動経路内に所要量の液状樹脂材料を所要の圧力にて流入させる液状樹脂材料流入工程と、
前記液状樹脂材料流入工程における液状樹脂材料の流入圧力によって前記ノズル部材の吐出口部を前記弾性押動部材の弾性に抗して開放する吐出口部開放工程と、
前記吐出口部開放工程にて開放された液状樹脂材料吐出口部から前記液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料を前記下型キャビティ内に吐出する液状樹脂材料吐出工程と、
前記液状樹脂材料吐出工程の終了後に、または、これと同時的に、前記液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料に対する流入圧力を解除する液状樹脂材料流入圧力解除工程と、
液状樹脂材料流入圧力解除工程の次に、または、これと同時的に、前記液状樹脂材料吐出口部を閉塞する液状樹脂材料吐出口部閉塞工程とを行うことを特徴とする。
【0007】
また、前記の課題を解決するための請求項2に係る発明は、前記した液状樹脂材料流入圧力解除工程と液状樹脂材料吐出口部閉塞工程との間において、前記液状樹脂材料流動経路内を減圧状態に設定することにより前記液状樹脂材料吐出口部から液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料が吐出されるのを防止する液状樹脂材料吐出防止工程を行うことを特徴とする。
【0008】
また、前記の課題を解決するための請求項3に係る発明は、少なくとも上下両型から成る電子部品の樹脂封止成形用下型に基板セット用キャビティを配置して前記基板上に装着した電子部品を前記下型キャビティ内に供給した液状樹脂材料中に浸漬させると共に、前記液状樹脂材料に所定の加熱作用及び加圧作用を加えて前記電子部品を樹脂封止成形する電子部品の圧縮樹脂封止成形装置に用いられる液状樹脂材料供給装置であって、
前記液状樹脂材料供給装置は、前記成形用上型側に設けられた嵌合着脱部に対して着脱自在に装設させる液状樹脂材料供給装置本体と、前記液状樹脂材料供給装置本体の内部に嵌装した冷却水路部材と、前記冷却水路部材内に嵌装した液状樹脂材料吐出口部を備えたノズル部材と、前記ノズル部材内に嵌装させた液状樹脂材料流動経路を備える前記吐出口部開閉用のバルブ部材と、前記ノズル部材の吐出口部と前記バルブ部材のバルブとを嵌合させて前記吐出口部を閉じるための弾性押動部材とから構成されており、
前記ノズル部材の液状樹脂材料流動経路内に液状樹脂材料を流入させたとき、その流入圧力によって前記ノズル部材の吐出口部を前記弾性押動部材の弾性に抗して押動し且つ吐出口部を開放するように設けられていることを特徴とする。
【0009】
前記の課題を解決するための請求項4に係る発明は、前記した液状樹脂材料供給装置本体の上端部に、冷却水管接続用の冷却水導入排出部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る液状樹脂材料の供給方法及び液状樹脂材料供給装置を用いるときは、液状樹脂材料を圧縮樹脂封止成形用型内に効率良く且つ迅速に供給することができる。
即ち、本発明によれば、液状樹脂材料供給装置における液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料に対して所要の圧力を加えて該供給装置における吐出口部から該液状樹脂材料を吐出させることができるので、高粘度の液状樹脂材料であってもその流動性を保ちながらこれを圧縮樹脂封止成形用型における下型キャビティ内に供給することができる。
また、本発明によれば、液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料を吐出した後に、該流動経路内を減圧して吐出口部から液状樹脂材料が吐出するのを阻止できるので、所謂、該吐出口部からの液漏れ現象を確実に防止することができる。
また、本発明によれば、液状樹脂材料供給装置における液状樹脂材料流動経路内を流動する液状樹脂材料に対して冷却作用を加えることができるので、電子部品の封止成形に用いられる液状熱硬化性樹脂材料の使用及び取扱いが容易となる。
また、本発明によれば、液状樹脂材料供給装置の形状を小型化することができるため、該液状樹脂材料供給装置を電子部品の圧縮樹脂封止成形装置における成形型内に組み込んで好適に実施することができる。更に、このように、液状樹脂材料供給装置の形状を小型化することができるため、所謂、卓上型等の小型の圧縮樹脂封止成形装置に組み込んで好適に実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る液状樹脂材料供給装置を備えた電子部品の圧縮樹脂封止成形装置の全体形状を概略的に示しており、図1(1) はその概略正面図、図1(2) はその概略平面図である。
【図2】本発明に係る液状樹脂材料供給装置に定量の液状樹脂材料を搬送供給するための定量搬送装置の要部を示しており、図2(1) は図1(2) のA1−A1線における一部切欠拡大縦断正面図、図2(2) は該定量搬送装置の通路切替部を拡大して示す縦断正面図である。
【図3】図2(2) に対応する液状樹脂材料の定量搬送装置の縦断正面図で、図3(1) は液状樹脂材料の定量を計測する場合の説明図、図3(2) は計測した定量液状樹脂材料を本発明に係る液状樹脂材料供給装置側へ搬送供給する場合の説明図、図3(3) は該定量搬送装置の通路切替部等に滞溜する液状樹脂材料を液状樹脂材料供給装置側へ排出する場合の説明図である。
【図4】図2(1) に対応する定量搬送装置の他の構成例を示す一部切欠縦断正面図である。
【図5】本発明に係る液状樹脂材料供給装置の構造を示しており、図5(1) 及び図5(2) は該供給装置における液状樹脂材料吐出口部が閉塞されている状態を示す一部切欠拡大縦断正面図であり、図5(3) 及び図5(4) は該装置における液状樹脂材料吐出口部が開放されている状態を示す一部切欠拡大縦断正面図である。
【図6】本発明に係る液状樹脂材料供給装置を電子部品の圧縮樹脂封止成形装置における上型側に装設した状態を示す概略中央縦断面図であり、図6(1) は該成形装置における上下両型の型開きとその下型キャビティ内への液状樹脂材料供給状態を示す一部切欠縦断正面図、図6(2) はその要部を拡大して示す説明図である。
【図7】図6に対応する圧縮樹脂封止成形装置の概略中央縦断面図であり、図7(1) は該成形装置の上下両型を型締めした時の一部切欠縦断正面図、図7(2) はその要部を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0013】
まず、図1乃至図3を参照して、本発明に係る液状樹脂材料供給装置に定量の液状樹脂材料を搬送供給するための定量搬送装置Aについて詳述する。
上記液状樹脂材料の定量搬送装置Aには、流動性を有する液状樹脂材料200 を貯溜するための貯溜部100 と、この貯溜部100 に貯溜された液状樹脂材料200 を計量してその定量を計測する液状樹脂材料の計量部300 と、この計量部300 にて計量した定量液状樹脂材料の吐出部400 と、この吐出部400 への圧縮エア給気部500 と、図2(2) に拡大して図示するように、貯溜部100 と計量部300 、又は、計量部300 と吐出部400 、又は、吐出部400 と圧縮エア給気部500 とを連通状態として各別に接続させるための連通路601 を形成した通路切替部600 とが備えられている。
【0014】
また、上記液状樹脂材料の貯溜部100 、液状樹脂材料の計量部300 及び定量液状樹脂材料の吐出部400 は、後述するように、定量搬送装置Aの本体に対して着脱自在(容易に着脱できる状態)となるように装着されている。
【0015】
また、上記通路切替部600 は、インサートプレート700 の中心部に配設されている。
この通路切替部600 には、図2(2) に示すように、図において前後方向に配設されている筒状の装着部材701 と、該筒状装着部材内において回転可能に且つ密に(両者が密接している状態として)嵌装された分岐バルブ部材602 と、該分岐バルブ部材を所定の回転角度位置に回転制御させるためのサーボ機構等の回転制御機構603 (図1(2) 参照)が設けられている。
なお、上記筒状装着部材701 は、適宜な回止部材(図示なし)にてインサートプレート700 に対して固定されており、従って、該筒状装着部材はインサートプレート700 に対して回転しないように設けられている。
また、上記筒状装着部材701 の仮想同一円周線上における上方位置には貯溜部100 側との連通口702 が、また、その下方位置には吐出部400 側との連通口703 が、また、その一方の横位置(図では、右横)には計量部300 側との連通口704 が、また、その他方の横位置(図では、左横)には圧縮エア給気部500 側との連通口705 が形成されている。
更に、制御部(図示なし)からの指示を受けて分岐バルブ部材602 が回転されると、上記したように、分岐バルブ部材602 に形成した連通路601 の位置が、貯溜部100 と計量部300 、又は、計量部300 と吐出部400 、又は、吐出部400 と圧縮エア給気部500 とのいずれかと連通接続されるように構成されている。
【0016】
また、上記液状樹脂材料の貯溜部100 は、インサートプレート700 に嵌着した筒状装着部材701 における上方連通口702 との接続孔706 に対して着脱自在となるように装着されている。
図例においては、一端(上端)が開口された樹脂製シリンダ101 を用いると共に、その他端(下端)の接続部位101a は上記接続孔706 に対して密に嵌合されている。
また、通常の場合、このシリンダ101 はシリンダガイド102 及び該シリンダガイドの固定部材103 を介してインサートプレート700 の上面に保持されているが、交換時等においては、シリンダ101 のみをシリンダガイド102 から抜き出すことができるように設けられている。
なお、このシリンダ101 は、液状樹脂材料200 の少量を、若しくは、数回の計量を行うのに必要な量を貯溜することができる小形のものを例示しているが、液状樹脂材料の計量供給を繰り返して行うような場合は、例えば、図2(1) に示すように、シリンダ101 の上端開口部に液状樹脂材料の収容タンク104 等を直接的に取り付けるようにしてもよく、また、このシリンダ101 の上端開口部と液状樹脂材料の収容部とを適宜な給送経路(図示なし)を介して連通接続させる構成を採用しても差し支えない。
【0017】
また、上記液状樹脂材料の計量部300 は、インサートプレート700 に嵌着した筒状装着部材701 における連通口704 と連通するように設けられた装着孔707 に対して着脱自在となるように装着されている。
図例においては、その一端(右端)が開口されたシリンダ301 を用いると共に、その他端(左端)の接続部位301a は上記装着孔707 に対して密に嵌合されている。
また、このシリンダ301 は固定部材302 を介してインサートプレート700 の一端面(右側面)に固定されているが、交換時等においては、この固定部材302 を取り外すことによってシリンダ301 を上記装着孔707 から抜き出すことができるように設けられている。
また、このシリンダ301 内には、先端(左端)部に弾性ゴム等のシール部材303 が止着されたプランジャ304 が密に嵌装されている。
更に、このプランジャ304 はシリンダ301 内を往復動(左右移動)可能な状態に嵌装されると共に、サーボ機構等の往復駆動機構305 を介して該プランジャの往復移動位置を制御することができるように設けられている。
このプランジャ304 に対する位置制御は、後述するように、該プランジャを、図において右方向へ移動させるプランジャ移動ストローク長に対応して該シリンダ内に吸入移送される液状樹脂材料の量を計測するものであり、従って、該プランジャの移動ストローク長を適宜に変更することによって、シリンダ301 内に吸入移送される液状樹脂材料の量を適宜に変更・選択することができるように設定されている。
なお、上記したシール部材303 の先端形状を上記したシリンダの接続部位301a の内面形状に対応して形成するようにしてもよい。このようなシール部材を用いる場合は、上記301 内に吸入移送された液状樹脂材料の全量を該シリンダの外部へ移送することができると云った利点がある。
【0018】
また、上記定量液状樹脂材料の吐出部400 には、本発明に係る液状樹脂材料供給装置Bが装設されている。
図5(1) に示すように、上記液状樹脂材料供給装置Bは、成形用上型側に設けられた嵌合着脱部401 に対して着脱自在に装設させる液状樹脂材料供給装置本体402 と、該本体の内部に嵌装した冷却水路部材403 と、該冷却水路部材内に嵌装した液状樹脂材料吐出口部404 を備えたノズル部材405 と、該ノズル部材内に嵌装させた液状樹脂材料流動経路406 を備える上記吐出口部開閉用のバルブ部材407 と、上記ノズル部材の吐出口部404 と上記バルブ部材のバルブ408 とを嵌合させて吐出口部404 を閉じるための弾性押動部材409 とから構成されている。
上記した弾性押動部材409 の弾性は、液状樹脂材料流動経路406 内に液状樹脂材料Rが流入されていない常態においては、図5(1) 及び(2) に示すように、上記ノズル部材の吐出口部404 を上記バルブ部材のバルブ408 に嵌合させる方向(図例では、ノズル部材405 を押し上げる方向)に加えられている。なお、このとき、上記吐出口部404 の先端部(図例では、下端部)は成形用上型804 の型面804a から後退する位置804b にまで移動(上動)して該型面からは突出しないように設けられており、後述する上型面への基板装着作用を阻害しないように構成されている。
また、図5(3) 及び(4) に示すように、上記ノズル部材の液状樹脂材料流動経路406 内に液状樹脂材料Rが流入されたとき、ノズル部材405 は、該液状樹脂材料の流入圧力によって該ノズル部材の吐出口部404 が弾性押動部材409 の弾性に抗して押動されることにより、吐出口部404 を開放する(図例では、ノズル部材405 を押し下げる)ことになる。
なお、このとき、上記吐出口部404 の先端部は成形用上型804 の型面804a から突出された位置804c にまで移動(下動)するように設けられているため、吐出口部404 からその下方へ吐出される液状樹脂材料Rが上型面804a 側に付着するようなことがなく、従って、液状樹脂材料Rを下型キャビティ内に効率良く供給することができる。
また、上記液状樹脂材料供給装置本体402 の上端部には、冷却水管410 を接続するための冷却水Wの導入排出部411 が設けられている。
【0019】
なお、上記した液状樹脂材料供給装置Bは小型化された卓上型の圧縮樹脂封止成形装置Cの型構成部(図例では、圧縮樹脂封止成形用の上型部)に組み込んで好適に実施することができる。
【0020】
また、上記圧縮エア給気部500 は、筒状装着部材701 に形成した連通口705 と、この連通口705 に連通するように形成したインサートプレート700 の接続孔709 と、この接続孔709 と圧縮エアタンク(図示なし)側とを連通接続させた圧縮エア給気経路501 等から構成されている場合を示している。
【0021】
以下、上記液状樹脂材料の定量搬送装置Aによって定量の液状樹脂材料を液状樹脂材料供給装置B(400) へ搬送する作用について説明する。
【0022】
予め、計量部300 の往復駆動機構305 を介して、プランジャ304 を左側に移動させると共に、その先端シール部材303 をシリンダ301 内の左端部にまで移動させておく。
この状態で、貯溜部100 のシリンダ101 内に液状樹脂材料200 を供給・充填させる。
なお、図例においては、液状樹脂材料200 の少量を、若しくは、複数回の計量を行うのに必要な量を貯溜する小形のシリンダ101 を示しているが、例えば、シリンダ101 内に液状樹脂材料200 を連続的に供給・充填させるように設定しておくことによって、液状樹脂材料200 の計量供給を繰り返し継続して行うことができる。
【0023】
次に、上記通路切替部600 の回転制御機構603(図1(2)参照)を介して、分岐バルブ部材602 を回転させると共に、該分岐バルブ部材における連通路601 の一方側を、図3(1) に示すように、インサートプレート700 に嵌着した筒状装着部材701 の上方連通口702 に接続させ且つその他方側を該筒状装着部材の右横側連通口704 に接続させることにより、貯溜部のシリンダ101 と計量部のシリンダ301 とを連通接続させることができる。
この状態で、上記計量部300 における往復駆動機構305 を介して、プランジャ304 を右側へ所定のストローク長の位置にまで移動させることによって液状樹脂材料の定量を計測することができる。即ち、プランジャ304 が計量部シリンダ301 内を移動する際に生ずる負圧に基づく吸引力によって貯溜部シリンダ101 内の液状樹脂材料200 を計量部シリンダ301 内に移送することができる。また、この液状樹脂材料の定量・計測は、分岐バルブ部材602 の連通路601 内部及び筒状装着部材701 の連通口704 内部に収容される液状樹脂材料の容量と、計量部シリンダ301 内のプランジャ304 を右側へ移動させてシリンダ301 内に吸引移送される液状樹脂材料の容量との総和によって決定することができる。
なお、上記連通路601 及び連通口704 内部に収容される液状樹脂材料の容量は一定となるため、例えば、所望する定量からこの一定量を差し引いた分量を計量部シリンダ301 内に移送することができればよい。従って、このために必要なプランジャ304 の移動位置をプランジャ移動ストローク長として設定すればよい。そして、上記プランジャ304 を予め設定した上記ストローク長だけ移動させて、貯溜部シリンダ101 内の液状樹脂材料200 を計量部シリンダ301 内に吸引移送することによって、上記連通路601 と連通口704 及び計量部シリンダ301 内には計測された定量の液状樹脂材料が収容されることになる。
【0024】
次に、上記通路切替部600 を介して、計量された定量液状樹脂材料を吐出部400 に設置された液状樹脂材料供給装置Bに搬送する。
図3(2) に示すように、通路切替部600 の分岐バルブ部材602 を回転させると共に、該分岐バルブ部材における連通路601 の一方側を筒状装着部材701 の右横側連通口704 に接続させ且つその他方側を該筒状装着部材の下方連通口703 に接続させる。このとき、計量部シリンダ301 内と吐出部400 側とが連通接続されると共に、貯溜部シリンダ101 下端の接続部位101a は分岐バルブ部材602 によって確実に閉じられることになる。
この状態で、上記計量部300 における往復駆動機構305 を介して、プランジャ304 を左側の元位置にまで移動させることによって上記定量液状樹脂材料を吐出部400 の液状樹脂材料供給装置Bに搬送することができる。即ち、プランジャ304 が元の左側位置にまで復帰移動されることにより、計量部シリンダ301 内と連通路601 内及び連通口704 内の定量液状樹脂材料201 が、上記した下方連通口703 及びインサートプレートの接続孔708 を通して吐出部400 の液状樹脂材料供給装置B内に導入される。
なお、後述するように、液状樹脂材料供給装置B内に導入された定量液状樹脂材料は、直ちに流下してその吐出口部(404) からスムーズに下方へ吐出されると共に、下方に配置された電子部品の圧縮樹脂封止成形装置Cにおける下型キャビティ(801) 内へ効率良く且つ迅速に供給されることになる。
【0025】
上記した定量液状樹脂材料を液状樹脂材料供給装置Bに搬送する場合において、図例のプランジャ先端のシール部材303 は、計量部シリンダ301 の接続部位301a の内面には嵌合されないことになるため、この接続部位301a 内に定量液状樹脂材料の一部が残溜することがある。そこで、この接続部位301a 内に残溜する液状樹脂材料を含むシリンダ301 内の液状樹脂材料の全量を供給装置B側へ搬送する必要がある場合には、例えば、シール部材303 の先端形状を該シリンダの接続部位301a の内面形状に対応して形成しておくことにより、プランジャ304 の上記復帰移動時に、そのシール部材303 の先端部をシリンダ接続部位301a の内面に嵌合させて、該接続部位内の液状樹脂材料を供給装置B側へ積極的に排出するようにしてもよい。
また、上記した右横側連通口704 内についても同様に液状樹脂材料の一部が残溜することがあるが、例えば、シール部材303 の先端を該連通口内にまで嵌入させることにより、同様に、これを供給装置B側へ排出することができる。
【0026】
次に、上記通路切替部600 及び供給装置Bへ圧縮エア502 を給気して該通路切替部内及び該供給装置内の滞溜液状樹脂材料を下方の下型キャビティ(801) 内へ排出する。
図3(3) に示すように、通路切替部600 の分岐バルブ部材602 を回転させると共に、該分岐バルブ部材における連通路601 の一方側を筒状装着部材701 の下方連通口703 に接続させ且つその他方側を該筒状装着部材の左横側連通口705 に接続させる。このとき、吐出部400(供給装置B) 側と圧縮エア給気部500 側とが連通接続されると共に、上記した両シリンダの接続部位101a・301aは分岐バルブ部材602 によって確実に閉じられることになる。
この状態で、圧縮エアの給気経路501 を通してインサートプレート700 の接続孔709 内に圧縮エア502 を給気することにより、該圧縮エア圧にて、通路切替部(連通路601 )と下方連通口703 ・接続孔708 ・吐出部400(供給装置B) 内に滞溜しようとする液状樹脂材料を下方の圧縮樹脂封止成形装置Cにおける下型キャビティ(801) 内へ確実に排出することができる。
この圧縮エア502 の給気作用によって、液状樹脂材料の定量を又は通路切替部600 内や吐出部400(供給装置B) 内に滞溜しようとする液状樹脂材料を下型キャビティ(801) 内へ確実に排出できるので、通路切替部600 及び吐出部400(供給装置B) 内を効率良く清掃することができると共に、例えば、該通路切替部及び吐出部(供給装置B)内に滞溜する液状樹脂材料がノズル部材の吐出口部404 から漏れ出す、所謂、液漏れ現象を効率良く防止することができる。
【0027】
ノズル部材の吐出口部404 からの液漏れ現象を防止するためには、上記したように、通路切替部600 及び吐出部400(供給装置B) の内部に液状樹脂材料Rを滞溜させないようにすればよいが、例えば、図3(2) に示す状態、即ち、分岐バルブ部材602 を介して、計量部シリンダ301 内と吐出部400 側とを連通接続させた状態で、計量部シリンダ301 内のプランジャ304 を移動させて連通路601 内の減圧作用を行うことにより、滞溜した液状樹脂材料を吐出部400(供給装置B) の内部に吸入するようにしても良い。
【0028】
なお、上記した貯溜部100 に、該貯溜部に貯溜された液状樹脂材料200 を加圧して計量部300 側に移送する適宜な液状樹脂材料の加圧移送手段を配設して構成してもよい。この液状樹脂材料の加圧移送手段を併用することにより、計量部シリンダ301 側への移送作用を効率良く補助することができる。
具体的には、例えば、貯溜部シリンダ101 内に液状樹脂材料加圧用のプランジャを密に嵌装させると共に、該加圧用プランジャを計量部プランジャ304 による吸引移送作用に追従させながら、或は、該吸引移送作用と連携させながら貯溜部シリンダ101 内の液状樹脂材料200 を加圧するように設定・構成すればよい。
また、例えば、図4に示すように、シール用ケース部材105 にて貯溜部シリンダ101 の外方周囲をシールすると共に、該ケース部材内に圧縮エア給気部500 の圧縮エア502 を給気し且つ貯溜部シリンダ101 内の液状樹脂材料200 をこの圧縮エア502 にて加圧するように設定・構成してもよい。
更に、このシール用ケース部材105 を開閉自在に設けて、例えば、液状樹脂材料200 を貯溜部100 へ供給するときに該ケース部材105 を開閉するようにしても良い。また、適宜な給送経路106 を介して貯溜部シリンダ101 内に液状樹脂材料200 を直に供給するようにしても良い。
このような加圧移送手段を併設するときは、液状樹脂材料を計量部シリンダ301 側へ効率良く移送することができるので、例えば、高粘度又は流動性が低い性状を有する液状樹脂材料を計量供給するような場合においても、これに好適に即応することができる。
【0029】
また、被計量液状樹脂材料の性状に応じて、該液状樹脂材料を冷却又は加熱する液状樹脂材料の温度管理工程を行うようにしてもよい。
即ち、上記液状樹脂材料の貯溜時、液状樹脂材料の定量計測時、定量液状樹脂材料の吐出時及び滞溜液状樹脂材料の排出時の全ての段階において、被計量液状樹脂材料の流動性を高めるために該液状樹脂材料を適正温度にまで加熱するようにしてもよい。
また、被計量液状樹脂材料が液状熱硬化性樹脂材料等のように、常温においても硬化が促進されるような液状樹脂材料である場合には、上記した全段階、或はその一部の段階において、該液状樹脂材料を適正温度にまで冷却するようにしてもよい。
なお、このような液状樹脂材料の温度管理は、液状樹脂材料の貯溜部、液状樹脂材料の計量部、定量液状樹脂材料の吐出部、圧縮エア給気部の全ての部位或はその一部の部位に適宜な液状樹脂材料の加熱機構又はその冷却機構を併設することによって容易に実施することができる。
【0030】
次に、図6及び図7を参照して、本発明に係る液状樹脂材料供給装置Bを備えた電子部品の圧縮樹脂封止成形装置Cによる圧縮樹脂封止成形の概要について説明する。
図1(1) に示すように、上記した圧縮樹脂封止成形装置Cは、該装置の基盤800 と、該基盤上の四隅部に立設したタイバー802 と、該タイバー上端の固定板に上型断熱板(図示なし)及び上型プレート803 を介して装着した圧縮樹脂封止成形用の上型804 と、この上型804 の下方位置においてタイバー802 に嵌装した可動板805 と、該可動板の上部に下型断熱板806 を介して装着した下型プレート807 と、該下型プレートに装設した圧縮樹脂封止成形用の下型808 と、可動板805 を上下方向へ昇降移動させることによって、上下両型(804・808)の対向面を接合・離反させることができるように設けたサーボモータ等による型開閉機構809 等から構成されている。
【0031】
上記上型プレート803 及び下型プレート807 には上型804 及び下型808 を加熱するためのヒータが各別に備えられており、また、上型プレート803 及び下型プレート807 に装設された上下両型(804・808)には専用の冷却手段が各別に設けられている。
また、可動板805 の上面部には下型キャビティ面を含む下型808 の型面に成形品離型用のフイルム810(図6(1)参照)を張設する適宜な離型フイルム張設機構(図示なし)が配設されている。
また、下型808 には小形の基板、例えば、一辺が約50乃至70mm程度となる角型基板811(図7(1)参照)の単数枚を装填セットするための単数の樹脂成形用キャビティ801 が設けられており、これによって成形型の小型化とこれに対応する各構成部位の構造も小型化されて、所謂、卓上型の圧縮樹脂封止成形装置として構成されている。
【0032】
また、上型804 は上型プレート803 の底面側に設けられた凹所812 に対して着脱自在として装設されている。
更に、該上型は止着ピン813 を介して該凹所内に止着されると共に、弾性部材814 による弾性突出力によって下方への押圧力が加えられており、従って、上型804 は凹所812 の内面から下方へ離反するように付勢された、所謂、フローティング構造となっている。
なお、上型804 は、通常時には、凹所812 の内面との間に約1mm程度の間隙Sが設けられている。
また、上型プレート803 内には上型加熱用のカートリッジヒータ815 が装設されて該上型プレート803 を常時加熱する状態にあるが、通常時には、上型804 と凹所812 との間隙Sによる空気断熱作用により、該上型に対する加熱作用は効率良く抑制されている。
また、上型804 内には該上型冷却用の冷却水路816 が配設されると共に、該冷却水路には給排水ポンプ(図示なし)に連通接続された冷却水の導入排出管817 が連通接続されている。従って、上型804 の冷却時には該給排水ポンプを作動させることにより導入排出管817 を通して該上型の冷却水路816 内に冷却水を導入させることができ、逆に、上型804 の加熱時においては導入排出管817 を通して上型冷却水路816 内の冷却水を上型804 の外部へ排出させることができるように設けられている。
符号818 は上型804 の底面に突設したパイロットピン、符号819 は上型804 の底面に開設された吸気孔で、上記凹所812 内と連通接続するように設けられている。
なお、上型804 に対する加熱及び冷却作用を更に効率良く且つ迅速に行うためには、例えば、該上型を熱伝導率の高い銅系の材料にて形成することが好ましい。
【0033】
また、上型804 の外方周囲となる上型プレート803 の底面にはシール部材820 が配設されており、このシール部材820 は上下両型(804・808)の型締時において両型面が接合された際に該上下両型の外方周囲をシールすることができるように設けられている。
また、上型プレート803 にはシール部材820 による上記シール範囲と外部とを連通接続させると共に、該シール範囲を減圧するための吸気通路822 が設けられている。
また、上型プレート803 には上記凹所812 内と外部とを連通接続させる吸気通路821 が設けられている。更に、この吸気通路821 は外部に配設した真空モータ(図示なし)と連通接続されており、該真空モータを作動させることによって凹所812 内を減圧することができるように設けられている。
なお、真空モータにて凹所812 内を減圧したとき、該凹所内に嵌装された上型804 は、弾性部材814 の弾性に抗して上昇し該凹所の内面に接合されるように設けられている。従って、この上型804 と凹所812 内面とを接合させる機構は、上型プレート803 に設けた上型加熱用のカートリッジヒータ815 からの熱伝導による加熱作用を該上型に加えるための上型加熱機構を構成している。符号823 は上型ガイドピンである。
【0034】
また、上下両型(804・808)の型締時にはシール部材820 によるシール範囲と外部に配設した真空モータとが吸気通路822 を介して連通接続される。従って、該真空モータを作動させることによって、シール部材820 によるシール範囲を減圧することができる。
また、上型804 の底面に開設された吸気孔819 及び上型プレートの凹所812 内と外部に配設した真空モータとは吸気通路821 を介して連通接続されており該真空モータを作動させることによって吸気孔819 と上型プレートの凹所812 内及び吸気通路821 内を減圧することができる。
従って、この減圧に基づく吸気孔819 の吸着作用によって角型基板811 を上型804 の底面に供給セットすることができる。なお、このとき、角型基板811 は上型804 の底面に突設されたパイロットピン818 を介して位置決めされるため、この吸着作用及び位置決作用によって、該角型基板は上型804 の底面における所定の位置に確実に装着されることになる。
なお、この角型基板811 の吸着作用とシール部材820 によるシール範囲の減圧作用とは別個に独立して行うことができる。
【0035】
また、下型プレート807 の上面部にはフローティングプレート824 が装設されている。
更に、下型プレート807 とフローティングプレート824 との間には弾性部材825 が介在されており、この弾性部材825 よる弾性は該両者を上下方向へ離反させる方向への押圧力として加えられている。
また、下型プレート807 の上面部には下型808 が嵌装されている。
この下型808 はフローティングプレート824 の中央部に設けられた取付孔部826 内において上下摺動可能な状態で嵌装されると共に、該下型の外周面と該取付孔部の内周面との間には吸気用の間隙Sが構成されている。更に、下型808 は止着ピン827 を介して取付孔部826 に止着されると共に、弾性部材828 の弾性によって止着ピン827 を上方へ押し上げる方向の弾性突出力が加えられており、従って、該下型は下型プレート807 の上面から離反するように付勢された、所謂、フローティング構造となっており、通常時には下型808 と下型プレート807 の上面との間には約1mm程度の間隙Sが設けられるように設定されている。
また、下型プレート807 内には下型808 を加熱するためのカートリッジヒータ829 が装設されているが、通常時は、下型808 と下型プレート807 の上面との間隙Sによる空気断熱作用により該下型に対する加熱作用は効率良く抑制されている。
また、下型808 内には該下型冷却用の冷却水路830 が配設されると共に、該冷却水路には給排水ポンプ(図示なし)に連通接続された冷却水の導入排出管831 が連通接続されている。従って、下型808 の冷却時には該給排水ポンプを作動させることにより導入排出管831 を通して該下型の冷却水路830 内に冷却水を導入させることができ、逆に、下型808 の加熱時においては導入排出管831 を通して下型冷却水路830 内の冷却水を下型808 の外部へ排出させることができるように設けられている。
なお、下型808 に対する加熱及び冷却作用を効率良く且つ迅速に行うためには、該下型を熱伝導率の高い銅系の材料にて形成することが好ましい。
【0036】
また、下型808 はフローティングプレート824 の取付孔部826 に上下摺動可能な状態で嵌装されると共に、下型808 と下型プレート807 の上面との間には間隙Sが設けられており、また、下型プレート807 とフローティングプレート824 との両者はシール部材833 を介して嵌装されている。
また、下型プレート807 には、取付孔部826 及び間隙Sと外部とを連通接続させる吸気通路834 が設けられており、更に、この吸気通路834 は外部に配設した真空モータ(図示なし)と連通接続されている。従って、該真空モータを作動させることによって取付孔部826 及び間隙S内を減圧することができるように設けられている。
更に、該真空モータにて取付孔部826 及び間隙S内を減圧したとき、取付孔部826 に嵌装された下型808 は、弾性部材828 による弾性突出力に抗して下方の下型プレート807 の上面にまで下降し該上面に接合されるように設けられている。従って、この下型808 と下型プレート807 とを接合させる機構は下型プレート807 のカートリッジヒータ829 からの熱伝導による加熱作用を該下型に加えるための下型加熱機構を構成している。
【0037】
次に、この圧縮樹脂封止成形装置Cによる圧縮樹脂封止成形作用について説明する。
【0038】
まず、上記液状樹脂材料供給装置Bと圧縮樹脂封止成形装置Cにおける上型804 及び下型808 に冷却水Wを導入・循環して夫々を冷却状態とし、また、上型プレート803 と下型プレート807 にカートリッジヒータ815・829による加熱作用を加えて樹脂成形温度にまで加熱した状態とする。
このとき、上下両型プレート(803・807)と上下両型(804・808)との間には間隙Sが保持されているため、該間隙による空気断熱作用により、該両カートリッジヒータによる該上下両型の加熱作用は効率良く抑制された状態にある。
この状態において、図6(1) に示すように、上下両型(804・808)を型開きすると共に、離型フイルム張設機構(図示なし)を介して、下型808 の型面に離型フイルム810 を供給する。
【0039】
次に、前述したように、定量搬送装置Aを用いて、貯溜部100 の液状樹脂材料200 を計測し且つその定量液状樹脂材料を供給装置Bに移送すると共に、通路切替部600 及び供給装置Bへ圧縮エア502 を給気して滞溜液状樹脂材料を排出することにより、該定量液状樹脂材料及び滞溜液状樹脂材料の全量を圧縮樹脂封止成形装置Cの下型キャビティ801 内へ供給する。
このとき、図5(3)及び(4)に示すように、上記したノズル部材405 の液状樹脂材料流動経路406 内に液状樹脂材料Rが流入されると、このノズル部材405 は該液状樹脂材料の流入圧力によって該ノズル部材の吐出口部404 を弾性押動部材409 の弾性に抗して押し下げることになるため、上記吐出口部404 の先端部は成形用上型804 の型面804a からの突出位置804c まで突出した状態となる。
従って、この吐出口部404 から下方へ吐出される液状樹脂材料Rが上型の型面804a に付着するようなことなく、下型キャビティ801 内に効率良く供給される。また、この液状樹脂材料Rが高粘度のものであっても、例えば、該液状樹脂材料がその凝集力や表面張力によって吐出口部404 で樹脂滴状に固まる等の弊害を未然に防止することができる。更には、該液状樹脂材料が吐出口部404 で樹脂滴状に固まることに基因して該吐出口部からの樹脂吐出作用を阻害する等の弊害を防止することができると云った利点がある。
【0040】
なお、上記したように、供給装置Bから下型キャビティ801 内へ供給される定量液状樹脂材料は下型808 の型面に張設された離型フイルム810 を介して下型キャビティ801 内へ供給されることになる。
また、このとき、供給装置Bの液状樹脂材料供給装置本体402 及び冷却水路部材403 には冷却水Wが導入されているため、液状樹脂材料流動経路406 の上部からから流入・流下して液状樹脂材料吐出口部404 から下方へ吐出される液状樹脂材料Rを冷却することができる。
従って、例えば、液状樹脂材料Rが熱硬化性樹脂材料である場合は、その熱硬化反応を効率良く抑制することができるから、該熱硬化性樹脂材料は下型キャビティ801 内に供給されてもその流動性が維持されると共に、該下型キャビティ内をスムーズに流動してその隅々にまで均一に供給・充填されることになる。
【0041】
次に、図7に示すように、上型804 の底面所定位置に角型基板811 を供給セットすると共に、可動板805 を上昇させてフローティングプレート824 の上面と上型プレート803 底面のシール部材820 とを接合させる第一の型締めを行う。
角型基板811 の供給セットは、真空モータ(図示なし)を作動させて上型プレートの凹所812 内とこれに連通する上型の吸気孔819 を減圧することによる該吸気孔からの吸着作用と上型の底面に突設されたパイロットピン818 とによる位置決作用とによって該上型底面の所定位置に角型基板811 の本体を吸着させ且つその反対面に装着された電子部品832 を下側とする状態で吸着することにより行われる。
また、この第一型締時では、上下両型(804・808)の型面間における下型キャビティ801 部の外方周囲がシール部材820 にてシールされるため外気が遮断された状態となる。
なお、このとき、角型基板811 の底面はフローティングプレート824 の上面に接合されておらず、従って、下型キャビティ801 内の減圧作用によって上記シール範囲内のエア及び液状樹脂材料R中に含まれる気泡等を外部へ効率良く且つ強制的に排出する上下両型面間の減圧を行うことができる。
【0042】
次に、又は、上記した角型基板811 の供給セットと同時的に、上型804 にカートリッジヒータ815 による加熱作用を加えて該上型を樹脂成形温度にまで加熱する。
この上型804 の加熱は、該上型と凹所812 の内面との間の間隙S内を減圧して該上型を弾性部材814 の弾性突出力に抗して上昇させ且つ該上型凹所812 の内面に接合させることにより、上型804 にカートリッジヒータ815 からの熱伝導による加熱作用を加えることによって行われる。
なお、この上型加熱後に、又は、これと同時的に、給排水ポンプ(図示なし)を作動させて上型冷却水路816 内の冷却水Wを導入排出管817 を通して外部へ排水することによって該上型の加熱を、より迅速に行うことができる。
【0043】
上記した下型キャビティ801 内への液状樹脂材料Rの供給時には下型808 の型面に離型フイルム810 が供給されており、また、下型808 は樹脂成形温度にまで加熱された状態にある。この下型808 の加熱は真空モータ(図示なし)を作動させて吸気通路834 から取付孔部826 及び下型808 と下型プレート807 の上面との間の間隙S内を減圧して該下型を弾性部材828 の弾性突出力に抗して下降させ且つこの下型プレート807 の上面に接合させることにより、下型808 にカートリッジヒータ829 からの熱伝導による加熱作用を加えることによって行われる。
なお、この下型加熱後に、又は、これと同時的に、給排水ポンプ(図示なし)を作動させて下型冷却水路830 内の冷却水Wを導入排出管831 を通して外部へ排水することによって該下型の加熱を、より迅速に行うことができる。
また、この下型加熱時における取付孔部826 及び間隙S内の減圧作用は、図7(2) に示すように、下型808 と取付孔部826 との嵌合部に構成された間隙Sから離型フイルム810 を強制的に吸引して下型キャビティ801 面にフイットさせる吸引力としても作用する。
【0044】
次に、可動板805 を更に上昇させることにより、フローティングプレート824 の上面と角型基板811 の底面とを接合させる第二の型締めを行う。
この第二型締時では、上記シール範囲内の減圧作用が行われると共に、角型基板底面の電子部品832 を下型キャビティ801 内の液状樹脂材料R中に浸漬させる。
【0045】
次に、下型プレート807 を弾性部材825 の弾性突出力に抗して更に上昇させる第三の型締めを行う。
この第三型締時においては、下型プレート807 及び下型808 が上昇することによって下型キャビティ801 内の液状樹脂材料Rが圧縮される。
従って、このとき、角型基板底面の電子部品832 は下型キャビティ801 内の液状樹脂材料R中に浸漬されると共に、徐々に加圧され且つ所定の圧縮力が加えられて該液状樹脂材料により封止成形されることになる。
【0046】
次に、上型804 と上型加熱用のカートリッジヒータ815 、及び、下型808 と下型加熱用のカートリッジヒータ829 との間に空気断熱用の間隙Sを設定する第一の型開きを行うと共に、この第一型開時に上型804 及び下型808 を冷却する。
この上下両型(804・808)の冷却時では、真空モータ(図示なし)の作動を停止して取付孔部826 内の減圧状態を解除することにより弾性部材828 の弾性突出力にて下型808 を下型プレート807 面から上昇させて該下型と下型プレートとの間に間隙Sを保持させる下型上昇を行い、また、これと同様に、真空モータの作動を停止して上型プレート803 の凹所812 内の減圧状態を解除することにより弾性部材814 の弾性突出力にて上型804 を下降させて該上型と上型プレートとの間に間隙Sを保持させる上型下降を行う。この間隙Sによる空気断熱作用により該上下両型に対する上下両プレート側、即ち、カートリッジヒータ(815・829)からの熱伝導による加熱作用を効率良く抑制することができる。
更に、給排水ポンプ(図示なし)を作動させて、導入排出管831 を通して下型冷却水路830 内に冷却水Wを供給・循環させることにより下型808 の強制冷却を行い、また、これと同様に、導入排出管817 を通して上型冷却水路816 内に冷却水Wを供給・循環させることにより上型804 の強制冷却を行う。これによって、上下両型(804・808)に対する強制的な且つ迅速な冷却を行うことができる。
上記した真空モータの作動停止による上下両型(804・808)と上下両プレート(803・807)との間における間隙Sの保持、及び、給排水ポンプ作動による上下両型(804・808)の強制冷却によって、上下両型の冷却を迅速に且つ確実に行うことができる。
また、上記した減圧状態の解除によって上型804 を下降させたとき、該上型底面の吸気孔819 内の減圧状態も解除されて角型基板811 に対する吸着作用が無くなるため該角型基板の取り外しが容易となる。
【0047】
なお、上記第一型開きに続いて該上下両型が更に型開きするとフローティングプレート824 は弾性部材825 の弾性突出力により下型プレート807 に対して相対的に上昇されることになるため、このフローティングプレート824 の上昇作用は角型基板底面の圧縮樹脂封止成形体(図示なし)を下型キャビティ801 内から離型させる成形品離型作用として働いている。
【0048】
次に、可動板805 を下降させて上下両型(804・808)を離反させ且つ該上下両型を元の型開位置(図6参照)にまで復帰させる第二の型開きを行い、次に、離型フイルム810 が張設された下型キャビティ801 部から圧縮樹脂封止成形体が一体化された角型基板811 (圧縮樹脂封止成形品)を外部へ取り出す。
なお、上記した圧縮樹脂封止成形体を下型キャビティ801 部から離型させるとき、上下両型(804・808)は迅速に冷却されているため、該圧縮樹脂封止成形体はこの冷却作用を受けて収縮し該下型キャビティ部から離型し易い状態となっている。即ち、この圧縮樹脂封止成形体を冷却することにより該圧縮樹脂封止成形体の硬度が高まるので上記離型時に該圧縮樹脂封止成形体の形状精度が維持され、その結果、該圧縮樹脂封止成形体に反りや変形等の不具合が発生するのを効率良く防止することができる。
従って、上下両型(804・808)の型開き終了後に、直ちに、この圧縮樹脂封止成形品を外部へ取り出すことが可能となるため、全体的な樹脂成形サイクルタイムが短縮化されて高能率生産を図ることができる。
【0049】
上記したように、本実施例の構成においては、本発明に係る液状樹脂材料供給装置Bを小型の液状樹脂材料の定量搬送装置A及び小型の圧縮樹脂封止成形装置Cと組み合わせる形態を採用したので、均等で高品質性・高信頼性を備えた電子部品の圧縮樹脂封止成形品を効率良く且つ確実に成形することができるのみならず、圧縮樹脂封止成形装置の全体的な構造・形状の小型化と軽量化を図ることができるため、所謂、卓上型の電子部品の圧縮樹脂封止成形装置として好適に実施することができる。
【0050】
本発明は上記した実施例のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、必要に応じて任意に且つ適宜に変更または選択して実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は装置形状を小型化・軽量化した電子部品の圧縮樹脂封止成形装置に採用することができるので、簡易型若しくは卓上型の圧縮樹脂封止成形装置として適用できる。
【符号の説明】
【0052】
A 液状樹脂材料定量搬送装置
B 液状樹脂材料供給装置
C 圧縮樹脂封止成形装置
R 液状樹脂材料
S 間隙
W 冷却水
100 貯溜部
101 樹脂製シリンダ
101a 先端接続部位
102 シリンダガイド
103 固定部材
104 収容タンク
105 シール用ケース部材
200 液状樹脂材料
300 計量部
301 樹脂製シリンダ
301a 接続部位
302 固定部材
303 シール部材
304 プランジャ
305 往復駆動機構
400 吐出部
401 嵌合着脱部
402 液状樹脂材料供給装置本体
403 冷却水路部材
404 液状樹脂材料吐出口部
405 ノズル部材
406 液状樹脂材料流動経路
407 バルブ部材
408 バルブ
409 弾性押動部材
410 冷却水管
411 冷却水導入排出部
500 圧縮エア給気部
501 給気経路
502 圧縮エア
600 通路切替部
601 連通路
602 分岐バルブ部材
603 回転制御機構
700 インサートプレート
701 筒状装着部材
702 上方連通口
703 下方連通口
704 右横側連通口
705 左横側連通口
706 接続孔
707 装着孔
708 接続孔
709 接続孔
800 基盤
801 下型キャビティ
802 タイバー
803 上型プレート
804 圧縮樹脂封止成形用の上型
804a 上型の型面
804b 上型面からの後退位置
804c 上型面からの突出位置
805 可動板
806 下型断熱板
807 下型プレート
808 圧縮樹脂封止成形用の下型
809 型開閉機構
810 成形品離型用フイルム
811 角型基板
812 凹所
813 止着ピン
814 弾性部材
815 カートリッジヒータ
816 上型冷却水路
817 導入排出管
818 パイロットピン
819 吸気孔
820 シール部材
821 吸気通路
822 吸気通路
823 上型ガイドピン
824 フローティングプレート
825 弾性部材
826 取付孔部
827 止着ピン
828 弾性部材
829 カートリッジヒータ
830 下型冷却水路
831 導入排出管
832 電子部品
833 シール部材
834 吸気通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上下両型から成る電子部品の樹脂封止成形用下型に基板セット用キャビティを配置して前記基板上に装着した電子部品を前記下型キャビティ内に供給した液状樹脂材料中に浸漬させると共に、前記液状樹脂材料に所定の加熱作用及び加圧作用を加えて前記電子部品を樹脂封止成形する電子部品の圧縮樹脂封止成形に用いられる液状樹脂材料供給方法であって、
前記樹脂封止成形用上型側に、液状樹脂材料吐出口部を備えたノズル部材と、液状樹脂材料流動経路を備えた前記吐出口部開閉用のバルブ部材と、前記ノズル部材の吐出口部と前記バルブ部材のバルブとを嵌合させて前記吐出口部を閉じるための弾性押動部材とを備えた液状樹脂材料供給装置を準備する液状樹脂材料供給装置準備工程と、
前記液状樹脂材料供給装置の液状樹脂材料流動経路内に所要量の液状樹脂材料を所要の圧力にて流入させる液状樹脂材料流入工程と、
前記液状樹脂材料流入工程における液状樹脂材料の流入圧力によって前記ノズル部材の吐出口部を前記弾性押動部材の弾性に抗して開放する吐出口部開放工程と、
前記吐出口部開放工程にて開放された液状樹脂材料吐出口部から前記液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料を前記下型キャビティ内に吐出する液状樹脂材料吐出工程と、
前記液状樹脂材料吐出工程の終了後に、または、これと同時的に、前記液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料に対する流入圧力を解除する液状樹脂材料流入圧力解除工程と、
液状樹脂材料流入圧力解除工程の次に、または、これと同時的に、前記液状樹脂材料吐出口部を閉塞する液状樹脂材料吐出口部閉塞工程とを行うことを特徴とする電子部品の圧縮樹脂封止成形に用いられる液状樹脂材料供給方法。
【請求項2】
前記した液状樹脂材料流入圧力解除工程と液状樹脂材料吐出口部閉塞工程との間において、前記液状樹脂材料流動経路内を減圧状態に設定することにより前記液状樹脂材料吐出口部から液状樹脂材料流動経路内の液状樹脂材料が吐出されるのを防止する液状樹脂材料吐出防止工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の液状樹脂材料供給方法。
【請求項3】
少なくとも上下両型から成る電子部品の樹脂封止成形用下型に基板セット用キャビティを配置して前記基板上に装着した電子部品を前記下型キャビティ内に供給した液状樹脂材料中に浸漬させると共に、前記液状樹脂材料に所定の加熱作用及び加圧作用を加えて前記電子部品を樹脂封止成形する電子部品の圧縮樹脂封止成形装置に用いられる液状樹脂材料供給装置であって、
前記液状樹脂材料供給装置は、前記成形用上型側に設けられた嵌合着脱部に対して着脱自在に装設させる液状樹脂材料供給装置本体と、前記液状樹脂材料供給装置本体の内部に嵌装した冷却水路部材と、前記冷却水路部材内に嵌装した液状樹脂材料吐出口部を備えたノズル部材と、前記ノズル部材内に嵌装させた液状樹脂材料流動経路を備える前記吐出口部開閉用のバルブ部材と、前記ノズル部材の吐出口部と前記バルブ部材のバルブとを嵌合させて前記吐出口部を閉じるための弾性押動部材とから構成されており、
前記ノズル部材の液状樹脂材料流動経路内に液状樹脂材料を流入させたとき、その流入圧力によって前記ノズル部材の吐出口部を前記弾性押動部材の弾性に抗して押動し且つ吐出口部を開放するように設けられていることを特徴とする電子部品の圧縮樹脂封止成形装置に用いられる液状樹脂材料供給装置。
【請求項4】
前記した液状樹脂材料供給装置本体の上端部に、冷却水管接続用の冷却水導入排出部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液状樹脂材料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−238844(P2010−238844A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84064(P2009−84064)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】