説明

圧電デバイス、及び電子機器

【課題】外部回路に接続され、周波数温度特性と周波数ドリフト特性の優れた、小型で低コストの圧電デバイスを得る。
【解決手段】圧電振動素子10と、感温部品30と、容器20と、を備えた圧電デバイスである。容器20は、表面に電極パッド28a、28bを有し裏面に複数の実装端子22c、22dと接続端子22a、22bとを有する第1の絶縁基板20aと、環状の第2の絶縁基板20bと、蓋部材38と、を備えている。感温部品は、容器20の外側面に接合され、実装端子22と電極パッド28a、28bは、第1の熱伝導部より電気的及び熱的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感温部品と圧電振動素子とを備えた圧電デバイスに関する。本圧電デバイスと、主回路基板(マザーボード)上に共に搭載されるIC部品とにより、精度のよい温度補償型圧電発振器が構成される。また、この圧電デバイスを用いた圧電モジュール、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至4には、携帯電話等の無線通信機器に用いられる温度補償型圧電発振器が開示されている。特許文献4には、温度補償回路として温度に関する四次成分以上の回路を用いて電源投入後の周波数ドリフトを小さくした温度補償型圧電発振器が開示されている。これに使用されるIC部品は、温度を感知する温度センサーと、圧電振動素子の温度変化による周波数変動を補償するための温度補償回路と、可変容量素子と、増幅回路等を有しており、圧電振動素子を高精度に温度補償できると開示されている。また、実装端子、素子搭載パッド、IC搭載パッドは、容器(パッケージ)の絶縁基板内部に設けられたビア電極(貫通孔(ビアホール)にビア電極ペーストを充填した導体)、及び絶縁基板の層間に配置された配線パターン等により電気的接続されている。
【0003】
特許文献5には、絶縁容器の隅部に設けたキャスタレーションに金属膜等を焼成し、この導電膜(キャスタレーション電極)を実装端子と素子搭載パッドとの電気的導通の手段とした例が開示されている。なお、絶縁容器の4つの角部に上下方向に伸長するキャスタレーションは、多数の容器がマトリクス状に形成された積層マザーウェーハから個別の容器に小割切断する際に用いられる。
容器の内部に形成したビア電極の一方の端部を蓋部材(リッド)に接続し、他方の端部を接地用実装端子に接続することにより、電磁気的なシールド効果が得られる。また、容器の層間に焼成した配線パターンとキャスタレーション電極とを接続することにより、実装端子と配線パターンとを電気的に導通することができる。キャスタレーション電極同志を層間に焼成した配線パターンにより導通した例も開示されている。配線パターン等の電極材料にはタングステン等が用いられる。
【0004】
ところで、上記の温度補償型圧電発振器では、パッケージ内の圧電振動素子の温度と、絶縁容器の外部に設けたIC部品に内蔵する温度センサーが検出する温度との間に僅かに温度差が生じる。両者間に温度差があると、誤差のある温度に基づいて圧電振動子の周波数温度特性を補償することになり、高精度の温度補償ができず、周波数ドリフトが生じるという問題があった。そこで、このような不具合に対処するために、圧電振動素子が搭載されている絶縁基板の温度を精度よく測定する試みがなされてきた。
【0005】
特許文献6〜特許文献8には、温度検出精度の向上と、小型化を図るために、容器の上部のキャビティー内に圧電振動素子を収容し、反対側の下部のキャビティー内に発振回路、温度補償回路等を収容した構造の表面実装型圧電発振器が開示されている。特許文献6には、圧電振動素子を接続するパッドの近傍に温度センサーを配置し、圧電振動素子の温度と温度センサーにより検出される温度との温度差を小さくすることにより、周波数温度特性、周波数ドリフト特性を安定化できると開示されている。しかし、圧電振動素子搭載用のパッドに接続されたIC部品の端子は、発振回路の増幅器の近傍に配置されているので、増幅器の動作に伴い発熱する。その結果、IC部品に内蔵する温度センサーを圧電振動素子側に近接させてもIC部品の発熱温度を検出する虞があり、周波数ドリフト特性を劣化させるという課題がある。
【0006】
次に、特許文献7には、容器の上部のキャビティーに圧電振動素子と、発振回路、温度センサーを備えた第1のIC部品とを収容すると共に、下部のキャビティーに温度補償回路を備えた第2のIC部品を収容することにより、圧電振動素子と温度センサーとを同じ温度環境下に配置でき、周波数温度特性、周波数ドリフト特性を安定化できると開示されている。しかし、IC部品を二分して、温度センサー付きの第1のIC部品を圧電振動素子と同じキャビティーに収容する構造はコスト高となって実現性が低く、また発振器全体の小型化に逆行するという課題がある。
また、特許文献8には、容器の上部の凹部に圧電振動素子を片持ち支持状態で収容し、下部の凹部にIC部品を収容し、IC部品の温度センサー端子を上部凹部に設けた枕部材と接続することにより、圧電振動素子の温度と、温度センサーの検出温度との温度差を縮小して、周波数温度特性、周波数ドリフト特性を安定化できると開示されている。
【0007】
しかし、特許文献6〜特許文献8に開示された何れの構造も、セラミック基板に圧電振動素子を搭載する構成であるため、導電性接着剤を介して圧電振動素子と接続されたセラミック基板の温度を測定すれば、圧電振動素子の温度を正確に検出できると推測されている。しかし、実際には周波数ドリフト特性を改善する効果は、十分ではなかった。このように、圧電振動素子と離れて温度センサーを内蔵するIC部品を配置した従来の表面実装型圧電発振器では、圧電振動素子の温度を正確に検出することはできず、安定した周波数温度特性が得られない。また起動時の周波数ドリフト特性の改善も不十分であるという問題があった。
【0008】
特許文献9には、圧電振動子の容器の主面に、ICチップを接着した表面実装型圧電発振器が開示されている。ICチップは温度センサーを内蔵し、圧電振動素子は容器内に収容されている。圧電振動素子は温度変化によってその周波数が変動し、温度センサーは温度変化によって出力信号が変化する。ICチップに内蔵される発振回路と、圧電振動素子とによって圧電発振器が構成され、ICチップに内蔵される温度補償回路で圧電発振器の周波数が補償される。つまり、温度補償発振回路は、温度センサーからの出力信号に基づいて温度補償用の電圧信号を出力し、それを可変容量素子に印加することにより可変容量素子の容量を変化させて、周波数を補償する。温度の変化により圧電振動素子の振動周波数が変動するが、温度センサーの出力信号により温度補償発振回路が動作し、周波数の変化分を補償する。ICチップを圧電振動子の容器に固定することで、両者の位置を近接させ、温度差を縮小できると記述されている。温度センサーはICチップの表層部に形成されおり、発振器をこのような構成にすることにより周波数温度特性、周波数ドリフト特性を安定化できると開示されている。
【0009】
最近、携帯電話の主回路基板に関し、集積化、チップセット化等の技術革新が進み、部品の小型・低背化、少数化の傾向は目覚ましい。即ち、前述の特許文献1乃至9に記載されているような温度補償型圧電発振器は必ずしも必要とされず、主回路基板(マザーボード)上に搭載されるIC部品に温度補償回路を付加する傾向がある。しかし、基準周波数源には、圧電振動子を用い、圧電振動子と前記のようなIC部品(チップセット)と組合せることにより、圧電振動子の温度補償を実現するという試みがなされている。
【0010】
しかし、主回路基板に搭載された圧電振動子の温度と、圧電振動子の温度を検出する温度センサーの出力温度との間に温度差があることが問題になっている。これは回路基板上に圧電振動子、温度センサー、及び熱源を配置し、回路基板上の温度分布をシミュレーションによって求めることにより明らかとなった。圧電振動子と温度センサーとの僅かの温度差は、携帯電話に搭載されているGPSの位置測定精度に影響する。GPSは基準周波数の短期安定度が極めて重要な要素となるからである。
【0011】
特許文献10には、底板及び枠壁からなる凹部を有する矩形状の容器と、容器に収容された水晶振動素子と、容器の開口部に接合された金属カバーと、水晶振動素子の温度検出用で容器の長手方向の一端側に付着させたサーミスタと、を備えた表面実装型水晶振動子が開示されている。サーミスタの長手方向が、容器の高さ方向に直交して容器の外側面に固着した構成とした温度センサー付き水晶振動子である。
【0012】
特許文献11には、底板層と枠壁層と有した凹状積層セラミックからなる容器と、容器内に収容され一端部両側が固着された水晶振動素子と、水晶振動素子と共に容器内に収容されたサーミスタと、を備えた表面実装型水晶振動子が開示されている。水晶振動素子の主面は底板層の最上位層と対面し、サーミスタは底板層に設けられた凹所内に配置された構成の温度センサー付き水晶振動子である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−217782公報
【特許文献2】特開2005−244925公報
【特許文献3】特開2009−089437公報
【特許文献4】特開2010−206443公報
【特許文献5】特開2006−054314公報
【特許文献6】特開2006−191517公報
【特許文献7】特開2008−263564公報
【特許文献8】特開2010−035078公報
【特許文献9】特開2009−105199公報
【特許文献10】特開2010−118979公報
【特許文献11】特開2008−205938公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記の圧電デバイスでは、圧電振動素子を収容する第1の収納部は、その底部(セラミック製)を介して反対側の第2の収納部に感温部品(サーミスタ)を搭載する構造を有しており、容器が絶縁性のセラミックであるため、熱伝導性の点から、第1の収納部内の圧電振動素子の温度と、第2の収納部内の感温部品が検出する温度との間に温度差が生じるという問題があった。
また、特許文献11に開示の構造では、サーミスタが圧電振動子の容器の内部に搭載されており、圧電振動素子の温度を検出できることが期待できる。しかし、容器に収容された圧電振動素子に何らかの特性不良が発生したとき、同じ容器内に搭載されているサーミスタも廃棄させざるを得ず、その分コスト高となるという問題があった。
また、特許文献10に開示の構造では、容器の構造は簡素になるものの、容器の形状寸法が大きくなりすぎるという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、圧電振動素子の温度を高精度に検出することを可能とし、主回路基板(マザーボード)上に搭載された補償回路と組合せることにより、高安定、高精度の周波数温度特性の発振器を可能とする、表面実装型の小型圧電デバイスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0016】
[適用例1]本発明に係る圧電デバイスは、圧電振動素子と、温度を検出する感温部品と、前記圧電振動素子を収容する収容部を有する容器と、を備えた圧電デバイスであって、前記容器は、第1の主面に前記圧電振動素子搭載用の電極パッドを有し、該第1の主面の反対側の第2の主面に複数の実装端子、及び複数の接続端子を有する第1の絶縁基板と、前記第1の絶縁基板の第1の主面に対して底部を積層固定されて前記収容部を形成する環状の第2の絶縁基板と、前記収容部を気密封止する蓋部材と、を備え、前記感温部品は、前記容器の一つの外側面に導電材により接合されると共に前記感温部品の端子の少なくとも1つが前記接続端子と導通接続され、少なくとも1つの前記実装端子と前記電極パッドとは、第1の熱伝導部により電気的及び熱的に接続されているとことを特徴とする圧電デバイスである。
【0017】
この構成によれば、感温部品への熱の伝導は、マザーボードのランドから直接感温部品の端子を経由して伝わる。圧電振動素子への熱の伝導は、ランドから実装端子を経て第1の熱伝導部を経由して伝わる。圧電デバイスは、圧電振動素子、感温部品の熱容量を考慮して、実装端子と電極パッドとを導通接続する第1の熱伝導部の径と長さとを適切に設定するにより、圧電振動素子の温度と感温部品の検出する温度との温度差を縮小することが可能となる。また、両者の温度差を縮小することにより圧電デバイスを外部回路に接続して動作させると、良好な周波数温度特性が得られ、また優れた周波数ドリフト特性を有する圧電発振器が実現できるという効果がある。
【0018】
[適用例2]また圧電デバイスは、圧電振動素子と、温度を検出する感温部品と、前記圧電振動素子を収容する収容部を有する容器と、を備えた圧電デバイスであって、前記容器は、第1の主面に前記圧電振動素子搭載用の電極パッドを有し、該第1の主面の反対側の第2の主面に複数の実装端子、及び複数の接続端子を有する絶縁基板と、前記絶縁基板の第1の主面に対して底部を積層固定されて前記収容部を形成するシールリングと、前記収容部を気密封止する蓋部材と、を備え、前記感温部品は、前記容器の一つの外側面に導電材により接合されると共に前記感温部品の端子の少なくとも1つが前記接続端子と導通接続され、少なくとも1つの前記実装端子と前記電極パッドとは、第1の熱伝導部により電気的及び熱的に接続されていることを特徴とする圧電デバイスである。
【0019】
この構成によれば、感温部品への熱の伝導は、マザーボードのランドから直接感温部品の端子を経由して伝わる。圧電振動素子への熱の伝導は、ランドから実装端子を経て第1の熱伝導部を経由して伝わる。圧電デバイスは、圧電振動素子、感温部品の熱容量を考慮して、実装端子と電極パッドとを導通接続する第1の熱伝導部の径と長さとを適切に設定するにより、圧電振動素子の温度と感温部品の検出する温度との温度差を縮小することが可能となる。第2の絶縁基板の代わりに肉厚のシールリングを用いたので低背化の利点がある。また、両者の温度差を縮小すると、外部回路と併用することにより、良好な周波数温度特性、周波数ドリフト特性を有する圧電発振器が実現できるという効果がある。また、周波数ドリフト特性が改善されれば、携帯電話のGPS性能が改善される。
【0020】
[適用例3]また圧電デバイスは、圧電振動素子と、温度を検出する感温部品と、前記圧電振動素子を収容する収容部を有する容器と、を備えた圧電デバイスであって、前記容器は、第1の主面に前記圧電振動素子搭載用の電極パッドを有し、該第1の主面の反対側の第2の主面に複数の実装端子、及び複数の接続端子を有する絶縁基板と、前記収容部を気密封止する蓋部材と、を備え、前記感温部品は、前記容器の一つの外側面に導電材により接合されると共に前記感温部品の端子の少なくとも1つが前記接続端子と導通接続され、少なくとも1つの前記実装端子と前記電極パッドとは、第1の熱伝導部により電気的及び熱的に接続されているとことを特徴とする圧電デバイスである。
【0021】
この構成によれば、感温部品への熱の伝導は、マザーボードのランドから直接感温部品の端子を経由して伝わる。圧電振動素子への熱の伝導は、ランドから実装端子を経て第1の熱伝導部を経由して伝わる。圧電デバイスは、圧電振動素子、感温部品の熱容量を考慮して、実装端子と電極パッドとを導通接続する第1の熱伝導部の径と長さとを適切に設定するにより、圧電振動素子の温度と感温部品の検出する温度との温度差を縮小することが可能となる。第2の絶縁基板を用いないので逆椀状(逆バスタブ状)の蓋部材を用いたのでコスト軽減の利点がある。また、両者の温度差を縮小すると、外部回路と併用することにより、良好な周波数温度特性、周波数ドリフト特性を有する圧電発振器が実現できるという効果がある。また、周波数ドリフト特性が改善されれば、携帯電話のGPS性能が改善される。
【0022】
[適用例4]また圧電デバイスは、前記蓋部材が、前記容器の内部を貫通する第2の熱伝導部により前記接続端子と電気的及び熱的に接続されていることを特徴とする適用例1乃至3のうち何れか1項に記載の圧電デバイスである。
【0023】
この構成によれば、蓋部材は、シールリング、第2の熱伝導部、接続端子、導電材、感温部品の一方の端子を経由してマザーボードのランドと導通接続される。このため、圧電振動素子への熱の伝導は、ランド、実装端子、第1の熱伝導部を経由する経路と、ランド、感温部品の一方の端子、導電材、接続端子、第2の熱伝導部、蓋部材を経由する経路の2経路となる。後者の経路は、蓋部材の温度を上昇させ、その輻射熱、または収容部内の対流により圧電振動素子の温度上昇を速め、短い時間で圧電振動素子の温度と感温部品の検出する温度との温度差がより短い時間で縮小されるという効果がある。更に、シールド効果もある。
【0024】
[適用例5]また圧電デバイスは、前記第1、及び第2の熱伝導部は、少なくとも一部が前記第1の絶縁基板の内部に貫通配置されていることを特徴とする適用例1乃至4のうち何れか一項に記載の圧電デバイスである。
【0025】
この構成によれば、第1、第2の熱伝導部は、第1の絶縁基板の内部を貫通する経路と、それ以外を経由する経路とが可能となり、短い時間で感温部品と圧電振動素子との温度平衡が実現できるという効果がある。
【0026】
[適用例6]また圧電デバイスは、前記第1、及び第2の熱伝導部の少なくとも何れか一方の少なくとも一部は、前記容器の外側面に設けられたキャスタレーション内に配置されていることを特徴とする適用例1乃至4のうち何れか一項に記載の圧電デバイスである。
【0027】
この構成によれば、第1、第2の熱伝導部は、第1の絶縁基板の内部を貫通する経路と、キャスタレーションを介する経路との2経路が可能となり、短い時間で感温部品と圧電振動素子との温度平衡が実現できるという効果がある。
【0028】
[適用例7]また圧電デバイスは、前記圧電振動素子の圧電基板は、水晶の結晶軸である電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系の前記X軸を中心として、前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ所定の角度だけ傾けた軸をZ’軸とし、前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ前記所定の角度だけ傾けた軸をY’軸とし、前記X軸と前記Z’軸に平行な面で構成され、前記Y’軸に平行な方向を厚みとする水晶基板であり、前記X軸に平行な辺を長辺とし、前記Z’軸に平行な辺を短辺とした水晶基板であることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の圧電デバイスである。
【0029】
この構成によれば、仕様が要求する温度特性を適切に実現できるという効果がある。
【0030】
[適用例8]また圧電デバイスは、前記圧電振動素子が、音叉型水晶振動素子であることを特徴とする適用例1乃至6のうち何れか一項に記載の圧電デバイスである。
【0031】
この構成によれば、圧電振動素子に音叉型水晶振動素子を用いることにより、高周波を分周することなく所望の低周波得られるという利点がある。
【0032】
[適用例9]また圧電デバイスは、前記圧電振動素子が、ATカット水晶振動素子と音叉型水晶振動素子とが前記収容部に併置されていることを特徴とする圧電デバイスである。
【0033】
この構成によれば、発振回路、及び補償回路を有する外部回路と併用することにより、高周波と低周波の2つの圧電発振器が構成され、温度補償された高安定、且つ短期安定度の優れた2つの基準周波数が得られるという効果がある。
【0034】
[適用例10]また本発明の電子機器は、適用例1乃至9のうち何れか一項に記載の圧電デバイスを内蔵したことを特徴とする電子機器である。
【0035】
この構成によれば、上記の圧電デバイスを用いて電子機器を製作することにより、高安定で短期安定度の優れた基準周波数源が容易に構成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る圧電デバイス1の構成を示す概略図であり、(a)は蓋部材を除いた平面図であり、(b)はQ−Q断面図であり、(c)は底面図。
【図2】第1の絶縁基板の、(a)は平面図(表面図)であり、(b)は裏面図。
【図3】他の実施形態に係る第1の絶縁基板の、(a)は平面図(表面図)であり、(b)は裏面図。
【図4】座標軸と切断角度を説明する図。
【図5】(a)は圧電振動素子の平面図であり、(b)はQ−Q断面図。
【図6】(a)はマザーボード上に搭載した圧電デバイス1の熱の伝導を説明する断面図であり、(b)は各部材の熱伝導率を説明する図。
【図7】圧電デバイス1の変形例である圧電デバイス1’をマザーボード上に搭載したときの熱の伝導を説明する断面図。
【図8】圧電デバイス2の構成を示す、(a)は断面図であり、(b)は第1の絶縁基板の平面図であり、(c)は(b)のQ−Q断面図。
【図9】(a)は圧電デバイス3の構成を示す断面図であり、(b)はその変形例3’の構成を示す断面図。
【図10】デジタル携帯電話の構成を示すブロック図。
【図11】圧電デバイス4の構成を示す断面図。
【図12】音叉型圧電振動素子の構成を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)のP−P断面図。
【図13】圧電デバイス5の構成を示す概略図であり、(a)は蓋部材を除いた平面図であり、(b)は(a)のQ−Q断面図。
【図14】圧電デバイス6の構成を示す概略図であり、(a)は斜視図であり、(b)は蓋部材を除いた平面図であり、(c)は(b)のQ−Q断面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る圧電デバイス1の構成を示す概略図である。図1(a)は蓋部材を省略した平面図であり、同図(b)は(a)のQ−Q断面図であり、同図(c)は底面図である。圧電デバイス1は、図1(b)に示すように、外部の発振回路及び補償回路(主回路基板上に搭載された発振回路部品及び補償回路部品)と接続されて、所望の周波数を出力する圧電振動素子10と、圧電振動素子10の温度を検出する感温部品30と、第1の主面(図1(b)では上部)に圧電振動素子10を収容する収容部27を有する容器(パッケージ本体)20と、収容部27を封止する蓋部材38と、を備えている。感温部品30は容器20の底面と直交する外側面に導電材36、例えば導電性接着剤、半田等を用いて固着される。図1の実施形態では容器20の短辺方向の外側面に、感温部品30の長手方向側面が固着されている。
【0038】
容器20の一例は、図1(b)に示すように、矩形平板状の第1の絶縁基板20aと、平板環状の第2の絶縁基板20bと、を積層焼成して形成されている。第1の絶縁基板20aの第1の主面(表部)と、第1の絶縁基板20aの第1の主面(表部)に対して底部を積層固定された環状の第2の絶縁基板20bと、により圧電振動素子10を収容する収容部(キャビティー)27が形成される。
なお、第1の絶縁基板20a、第2の絶縁基板20bの角隅部の側壁面には、キャスタレーションC1、C2、C3、C4が形成されている。
【0039】
図2(a)は、図1(b)に示した容器20に用いる第1の絶縁基板20aの第1の主面(表面)の構成を示す概略平面図である。第1の絶縁基板20aの第1の主面(表面)の長手方向(図中横方向)の一端部寄りには、圧電振動素子10を搭載する一対の電極パッド28a、28bが短手方向に併置されている。図2(b)は、第1の絶縁基板20aの第2の主面(裏面)の構成を示す裏面図である。第2の主面の一方の短手方向に沿って端部に接続端子22a、22bが設けられ、他方の短手方向に沿って端部に実装端子22c、22dが設けられている。実装端子22c、22dはマザーボード上に圧電デバイス1を搭載する際の実装用の端子であり、接続端子22a、22bは、導電材(導電性接着剤)36により容器20の外側面に感温部品30を固着する際に、感温部品30の端子30a、30bと夫々導通接続されるための端子である。
なお、図1(b)に示すように、第2の絶縁基板20bは、中央部を中空とした環状体であり、環状体の上部周縁にシールリング42が焼成された平板状の絶縁基板である。
【0040】
第1の絶縁基板20aの絶縁体内部には、ビア電極(ビアホール(貫通孔)にビア電極ペーストを充填し、焼成形成した導体)が形成されている。図1に示す実施形態例では、図2(a)、(b)に示すように、第1の絶縁基板20aの肉厚内部に、第2の主面(裏面)に形成された実装端子22d、22cと、第1の主面(表面)に形成された圧電振動素子10用の一対の電極パッド28a、28bと、を夫々導通接続するビア電極23a、23b(第1の熱伝導部)が貫通形成されている。また、第1の絶縁基板20a、及び第2の絶縁基板20bの角隅部に、接続端子22bとシールリング42とを導通接続するビア電極25(第2の熱伝導部)が貫通形成されている。
【0041】
つまり、実装端子22d、22cは、夫々ビア電極23a、23bを経由して第1の主面(表部)に設けた圧電振動素子10搭載用の一対の電極パッド28a、28bと電気的及び熱的に導通している。また、接続端子22bはビア電極25を介して第2の絶縁基板20bの上部周縁に形成したシールリング42に導通接続している。蓋部材38がシールリング42に溶接されることにより、蓋部材38と接続端子22bとは電気的及び熱的に導通している。ここで、実装端子22d、22cと一対の電極パッド28a、28bとを接続するビア電極23a、23bを第1の熱伝導部と称し、接続端子22bとシールリング42とを接続するビア電極25を第2の熱伝導部と称する。なお、容器20の角隅部の側面にはキャスタレーションC1〜C4が形成されている。
【0042】
図3(a)は他の例の圧電デバイスに用いられる第1の絶縁基板20a1の第1の主面の平面(表面)図であり、同図(b)は第2の主面の平面図(裏面図)である。図2に示した第1の絶縁基板20aと、図3に示した第1の絶縁基板20a1との違いは、絶縁基板20a1では、キャスタレーションC1〜C4の側面に金属膜が焼成されてキャスタレーション電極Ce1〜Ce4となっている点である。更に、第1の絶縁基板20a1の第1の主面(表面)では、一対の電極パッド28a、28bと、キャスタレーション電極Ce4、Ce3と、を夫々導通接続する第1の配線パターン26a、26a(第1の熱伝導部)が形成されている点と、第2の主面(裏面)では、実装端子22c、22dと、キャスタレーション電極Ce3、Ce4とが夫々導通されている点と、が異なる。また、第2の主面の接続端子22a、22bと、キャスタレーション電極Ce1、Ce1とが夫々導通されている点が異なる。
つまり、実装端子22d、22cは、ビア電極23a、23bを経由して電極パッド28a、28bと導通接続すると共に、キャスタレーション電極Ce4、Ce3、第1の配線パターン26a、26aを経由して電極パッド28a、28bと導通接続している。なお、一対の電極パッド28a、28bに導通接続する第1の配線パターン26a、26aも第1の熱伝導部と称する。
即ち、実装端子22d、22cから第1の電極パッド28a、28bへの熱の伝導経路としては、ビア電極23a、23b(第1の熱伝導部)を経由して伝導する経路と、キャスタレーション電極Ce4、Ce3を経て、第1の配線パターン26a、26a(第1の熱伝導部)を経由して伝導する経路と、の2つの経路がある。
【0043】
図1の実施形態例に用いられる圧電振動素子10には、例えばATカット水晶振動素子がある。水晶等の圧電材料は三方晶系に属し、図4に示すように互いに直交する結晶軸X、Y、Zを有する。X軸、Y軸、Z軸は、夫々電気軸、機械軸、光学軸と呼称される。ATカット水晶基板12は、XZ面をX軸の回りに角度θだけ回転させた平面に沿って、水晶から切り出された平板である。ATカット水晶基板12の場合は、θは略35°15′である。なお、Y軸及びZ軸もX軸の周りにθ回転させて、夫々Y’軸、及びZ’軸とする。従って、ATカット水晶基板12は、直交する結晶軸X、Y’、Z’を有する。ATカット水晶基板12は、厚み方向がY’軸であって、Y’軸に直交するXZ’面(X軸及びZ’軸を含む面)が主面であり、厚みすべり振動が主振動として励振される。ATカット以外にカットアングルは異なるが、例えばBTカット等も用いることができる。
【0044】
即ち、図1に示す圧電基板12の一例は、図4に示すようにX軸(電気軸)、Y軸(機械軸)、Z軸(光学軸)からなる直交座標系のX軸を中心として、Z軸をY軸の−Y方向へ傾けた軸をZ’軸とし、Y軸をZ軸の+Z方向へ傾けた軸をY’軸とし、X軸とZ’軸に平行な面で構成され、Y’軸に平行な方向を厚みとするATカット水晶基板からなる。
【0045】
ATカット水晶基板の外形形状は、一般的にX軸方向を長手方向とする矩形状であり、共振周波数はY’軸方向の厚さに依存する。周波数が高く、X辺比(X/t、XはX軸方向の長さ、tは厚さ)、又はZ辺比(Z/t、ZはZ’軸方向の長さ)が大きい場合には、図1に示すように、平板形状の水晶基板12が用いられる。また、周波数が低く、X辺比(X/t)、又はZ辺比(Z/t)が小さい場合には、メサ型水晶基板(周辺部に比べ中央部を厚くした水晶基板)12が用いられる。図5はメサ型水晶振動素子の一例であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)はQ−Q断面図である。
メサ型水晶基板12は、その中央に位置し主たる振動領域となる励振部13と、励振部13より薄肉で励振部13の周縁に沿って形成された従たる振動領域となる周辺部15と、を有している。つまり、振動領域は、励振部13と、周辺部15の一部に跨っている。図5に示す例では、圧電基板12の長手方向(図中横方向)には2段の段差があり、短手方向(図中縦方向)には図5(b)に示すように1段の段差が形成されたメサ型圧電基板を用いた圧電振動素子10の例である。
【0046】
圧電振動素子10は、水晶基板12の励振部13の表裏に励振電極14a、14bが形成され、励振電極14a、14bの夫々から水晶基板12の端部に設けた端子電極18a、18bに向かって延びるリード電極16a、16bが形成されている。
励振電極14a、14bに交番電圧を印加すると、水晶振動素子10は固有の振動モード、例えばATカット水晶の場合は厚みすべりモードが励振される。
また、図1に示す圧電デバイス1に用いる感温部品30は、温度変化に応じて物理量、例えば電気抵抗が変わるサーミスタ等を用いる。サーミスタ30の電気抵抗の変化を外部回路で検出し、サーミスタ30の温度が測定される。
【0047】
圧電デバイス1の製造手順としては、初めに表面実装型の圧電振動子10Aを構成する。圧電振動子10Aの製造においては、容器20の一対の電極パッド28a、28bに導電性接着剤35を塗布し、その上に予め用意した図5に示すような圧電振動素子10を載置して軽く押さえる。これを乾燥炉に入れて所定の温度で所定の時間加熱して導電性接着剤35の乾燥とアニールを行った後、真空中、又は不活性ガスの雰囲気中で、容器20の上部周縁に形成したシールリング42に蓋部材38をシーム溶接し、気密封止して圧電振動子10Aを完成する。CI値(クリスタルインピーダンス値)の小さな圧電振動子10Aが要求される場合は、収容部27を真空にする方がよいし、圧電振動素子10への熱の伝導を考慮する場合は、窒素N等の不活性ガスを用いるとよい。次に、圧電振動子10Aの容器20の底面と直交する外側面に、導電材(導電性接着剤、半田等)36を用いて感温部品30の長手方向の側面を固着する。感温部品30の一方の端子30bと容器20の接続端子22bとが導電材(導電性接着剤、半田等)により導通接続されるように注意を払う。また、固着する際に、感温部品30の底面と圧電振動子10Aの底面とが同一平面上に併置されるようにする。
【0048】
本発明の圧電デバイス1は、表面実装型の圧電振動子10Aを構成しており、圧電振動子10Aの容器20の外側面に感温部品30を導電材(導電性接着剤、半田等)36により固着して構成される。そのため、容器20の構成がシンプルであり、小型でコストが低減できること、容器20の収容部27には圧電振動子10のみを収容するために収容部27に感温部品30を共に収容する場合に比べ、脱ガスの影響を大幅に低減できて周波数経年変化特性が良くなること、等の利点がある。また、感温部品30の形状寸法が多少変化しても、容器20の外側面に適切に固着すればよく、容器20の寸法を変更する必要がないという利点もある。
【0049】
本発明に係る圧電デバイス1の特徴は、図1に示すように、感温部品30を容器20の内部に、又は底面の凹部に収容するのではなく、容器20の外側面(図1の実施例では底面に直交する短辺側の外側面)に、感温部品30の長手方向の一方の側面を導電材(導電性接着剤、半田等)36で固着している。感温部品30の一方の端子30bと容器20の接続端子22bとは、導電材36により導通接続され、感温部品30の端子30aと容器20の接続端子22aとは導電材36により導通接続されている。また、感温部品30の端子30aと容器20の接続端子22aとは非電導性の接着剤を用いて固着してもよい。
【0050】
圧電デバイス1がマザーボードに実装されると、マザーボード上のランド(配線パターン)と、容器20の実装端子22c、22d、及び感温部品30の両端子30a、30bとが半田等により接続固定される。感温部品30の一方の端子30bと、容器20の接続端子22bとは、導電材(導電性接着剤、半田等)により導通接続され、接続端子22bに接続されるビア電極25により蓋部材38も導通接続される。一般的に感温部品の一方の端子は接地して用いられるので、端子30bに接続するランドを接地することにより、蓋部材38も接地され、シールド効果を持たせることができるし熱の伝導にも寄与する。感温部品30の他方の端子30aは非接地のランドに接続されて温度検出に用いられる。従って、端子30aとNC端子(非接続端子)である接続端子22aとは、導電材36でもよいし、非導電性の接着剤でもよい。つまり、端子30aと接続端子22aとの固着は、感温部品30と圧電振動子10Aとの固定が目的である。
要するに、マザーボード上のランドと感温部品30の端子30a、30bとは、電気的導通と熱的伝導とが行われる。端子30bは導電材36、接続端子22b、ビア電極25を介して蓋部材38に導通接続し、シールド効果と熱の伝導に寄与している。マザーボード上のランドと圧電振動素子10とは、実装端子22d、22c、ビア電極23a、23b(第1の熱伝導部)、及び一対の電極パッド28a、28bを介して電気的導通と熱的伝導とが行われる。
【0051】
容器20の実装端子22c、22d、及び接続端子22a、22bと、第1の熱伝導部(ビア電極23a、23b、第1の配線パターン26a)、第2の熱伝導部25に用いる金属材料としては、例えばタングステン材を例示することができる。キャスタレーション電極Ce1〜Ce4の金属膜、及び第2の絶縁基板20bの上部周縁に形成されるメタライズ部としてもタングステン材を用いることができる。
【0052】
図1に示した圧電デバイス1の構成例では、マザーボード上に実装されると、マザーボード上のランドと実装端子22d、22cとが接続され、実装端子22d、22cと圧電振動素子10とはビア電極(第1の熱伝導部)23a、23bを経由して電気的導通と熱的伝導が行われる。一方、感温部品30は、圧電デバイス1がマザーボード上に実装された際に、マザーボード上のランドと直接電気的導通と熱的伝導が行われる。
図3の第1の絶縁基板20a1を用い、図7に示すように構成した圧電デバイス1’では、実装端子22d、22cと圧電振動素子10とは、ビア電極(第1の熱伝導部)23a、23bを経由する経路と、キャスタレーション電極Ce4、Ce3を経て第1の配線パターン26a、26aを経由する経路と、の2つの経路で電気的導通と熱的伝導が図られている。
【0053】
本発明に係る圧電デバイス1の特徴は、短い時間で圧電振動素子10の温度と感温部品30の検出する温度とがほぼ等しくなるように、圧電振動素子10、感温部品30の熱容量を考慮し、第1、及び第2の熱伝導部(ビア電極23a、23b、25)の材質(熱伝導率)、それらの径と、キャスタレーション電極Ce3、Ce4、第1配線パターン26a(第1の熱伝導部)の幅、厚さを設定することである。感温部品30は直接マザーボードのランドに接続しており、熱の伝導量も多く、その温度上昇は速い。圧電振動素子10と感温部品30とは一般的に熱容量が異なるので、第1、及び第2の熱伝導部に流れる熱量を両者の熱容量を考慮して適切に設定する必要がある。言い換えると、圧電振動素子10の温度と感温部品30の温度とが短い時間でほぼ等しくなるように、即ち両者の熱的平衡状態が達成されるように、上記部材の種類、寸法形状を適切に設定することである。
【0054】
図6(a)は、マザーボードMBに搭載した圧電デバイス1の熱の主伝導経路を示す断面図であり、同図(b)は圧電デバイス1に使用される部材の熱伝導率を示す表である。圧電デバイス1を包む雰囲気内の空気の熱伝導率は極めて小さい。また、容器20を主に構成するセラミック材(Al)の熱伝導率は、例えば第1、第2の熱伝導部(ビア電極23a、23b、ビア電極25)に用いるタングステン(W)の熱伝導率に比べて1/10程度である。従って、マザーボードMBに搭載された各種の増幅器等から生じる熱が、圧電デバイス1の圧電振動素子10へ伝導する経路としては、ランド45から実装端子22d、22cに伝導し、実装端子22d、22cから第1の熱伝導部23a、23bを経由して圧電振動素子10へ伝導して圧電振動素子10の温度を上昇させる経路と、ランド45から感温部品30の一方の端子30bへ伝導し、導電材36(導電性接着剤、半田等)を経て接続端子22bへ伝わり、第2の熱伝導部25を経て蓋部材38へ伝導して蓋部材38の温度を上昇させ、その輻射熱、又は収容部27内が不活性ガスで充満されていれば対流により、圧電振動素子10の温度を上昇させる経路と、がある。
また、感温部品30への熱の伝導は、マザーボードMBのランド45から半田等を経て直接端子30a、30bへ伝わり、感温部品30の温度を上昇させる。
【0055】
つまり、圧電振動素子10の温度上昇に関与する経路としては、マザーボードMBの増幅器等から発生した熱がランド45から実装端子22d、22cに伝達し、ビア電極23a、23bを経由して素子搭載用の一対の電極パッド28a、28b、導電性接着剤35を介して圧電振動素子10の端子電極18b、18a、リード電極16b、16aを経て励振電極14b、14aに伝わり、圧電基板12の温度を上昇させる。更に、ランド45から感温部品30の一方の端子30b、導電材36を経て接続端子22bへ伝わり、接続端子22bからビア電極(第2の熱伝導部)25を介して蓋部材38に伝導し、蓋部材38からの輻射熱により、又は蓋部材38が収容部27内の不活性ガスの温度を上昇させることにより、圧電振動素子10の温度を上昇させる。
また、感温部品30の温度上昇に関与する経路としては、マザーボードMBの熱が半田層を介して感温部品30の電極端子30a、30bに伝導して、感温部品30の温度を上昇させる。
しかし、圧電振動素子10、感温部品30夫々に同じ熱量が伝導したとしても、両者の熱容量により温度上昇に差が生じるので、両者の熱容量を考慮して夫々に流れ込む熱量を設定するようにする。
【0056】
容器20の形状寸法と、第1、及び第2の熱伝導部のメタライズ材を設定した後は、圧電振動素子10、感温部品30の夫々の熱容量に応じて、ランド45から実装端子22d、22cを経て圧電振動素子10へ、ランド45から半田層を介して感温部品30へ、夫々所要の熱が流れるように、第1の絶縁基板20aの第1の熱伝導部(ビア電極)23a、23bの径と第2の熱伝導部25の径とを、圧電振動素子10と感温部品30との温度が夫々ほぼ等しくなるように設定する。つまり、ビア電極23a、23bの径φ1、ビア電極25の径φ2を適切に設定し、短い時間で圧電振動素子10と、感温部品30との温度がほぼ等しくなるようにする。
【0057】
図1の実施形態のように構成し、マザーボードに実装すると、感温部品30への熱の伝導は、マザーボードのランド45から直接感温部品30の端子30a、30bを経由して伝わる。圧電振動素子10への熱の伝導は、ランドから実装端子22c、22dを経て第1の熱伝導部23a、23bを経由して伝わる。圧電デバイス1は、圧電振動素子10、感温部品30の熱容量を考慮して、実装端子22と電極パッド28a、28bとを導通接続する第1の熱伝導部の径と長さと、を適切に設定するにより、圧電振動素子10の温度と感温部品30の検出する温度との温度差を縮小することが可能となる。また、両者の温度差を縮小することにより圧電デバイスを外部回路に接続して動作させると、良好な周波数温度特性が得られ、また優れた周波数ドリフト特性を有する圧電発振器が実現できるという効果がある。また、周波数ドリフト特性が改善されることにより携帯電話のGPS性能を改善できるという効果がある。
第2の絶縁基板20bの代わりに肉厚のシールリングを用いたので、低背化の利点がある。第2の絶縁基板20bを用いないので、逆椀状(逆バスタブ状)の蓋部材38を用いたのでコスト軽減の利点がある。
【0058】
また、図1(b)、図8(a)、図9(a)の実施形態に示すように、蓋部材38は、シールリング42、第2の熱伝導部25、接続端子22b、導電材36、感温部品30の一方の端子30bを経由してマザーボードのランド45と導通接続される。このため、圧電振動素子10への熱の伝導は、ランド45、実装端子23c、23d、第1の熱伝導部23a、23bを経由する経路と、ランド45、感温部品30の一方の端子30b、導電材36、接続端子22b、第2の熱伝導部25、蓋部材38を経由する経路の2経路となる。後者の経路は、蓋部材38の温度を上昇させ、その輻射熱、または収容部27内の対流により圧電振動素子10の温度上昇を速め、短い時間で圧電振動素子10の温度と感温部品30の検出する温度との温度差がより短い時間で縮小されるという効果がある。更に、シールド効果もある。
また、図4に示すような切断角度を用いることにより、客先仕様が要求する温度特性を適切に実現できるという効果がある。
【0059】
図7は、図3に示した第1の絶縁基板20a1を用いた圧電デバイス1’の断面図と、その図に重ねて熱の伝導経路を白抜き矢印で示した図である。図1の圧電デバイス1と異なる点は、図3の第1の絶縁基板20a1に示すように、第1、第2の熱伝導部(ビア電極23a、23b、25)に加え、キャスタレーション電極Ce3、Ce4を併用した点である。つまり、第1、及び第2の熱伝導部とは別に、実装端子22d、22cからキャスタレーション電極Ce4、Ce3と、第1の配線パターン26a、26aとを経由して、圧電振動素子10へ伝導される熱も考慮に入れている点である。つまり、圧電デバイス1’では、実装端子22d、22cと電極パッド28a、28bとの熱伝導経路は、ビア電極23a、23bを経由する経路と、キャスタレーション電極Ce4、Ce3と配線パターン26a、26aを経由する経路の2つ経路がある。電気的導通に関しては、1つの経路で十分であるが、熱の伝導に関しては複数の経路がある方が伝わる熱量は多くなる。また、接続端子22bはビア電極(第2の熱伝導部)25を介してシールリング42、蓋部材38と熱的に導通している。蓋部材38に熱が伝わることにより、蓋部材38の温度が上昇し、その輻射熱、又は収容部27内の対流により圧電振動素子10の温度が上昇することになる。
圧電振動素子10、感温部品30の夫々の熱容量を考慮して、圧電振動素子10、感温部品30の夫々の温度が短い時間でほぼ同一温度になるように、ビア電極23a、23bの径φ1、ビア電極25の径φ2と、第1の配線パターン26aの幅W、及び厚さhと、を適切に設定する。
【0060】
図3、図7の実施形態に示すように、第1、及び第2の熱伝導部は、第1の絶縁基板20a1の内部を貫通する経路と、キャスタレーション電極Ceを介する経路との2経路が可能となり、短い時間で感温部品30と圧電振動素子10との温度平衡が実現できるという効果がある。
【0061】
図1に示すように、感温部品30の端子30bと導電材36を介して導通接続される容器20の接続端子22bは、ビア電極25を経由してシールリング42と接続されることによりシールリング42に導通接続されている。感温部品30の一方の端子(ここでは30b)は一般に接地されて用いられるので、シールリング42に溶接される蓋部材38は接地されることになる。蓋部材38がビア電極25により接地されることにより、圧電デバイス1、圧電デバイス1’からの高周波雑音の放射を防止できる。また、キャスタレーション電極Ce2を介して蓋部材38と接続端子22bとを導通接続してもよい。
【0062】
圧電デバイスにおいて、感温部品(サーミスタ)30の一方の端子と蓋部材38とを接地する利点は、次の通りである。即ち、蓋部材38と圧電振動素子10とは近接しているので、輻射熱、又は収容部27内の不活性ガスの対流等により温度分布的に近い温度となる。感温部品30の一方の端子30bと導通する接続端子22bと、蓋部材38とを、第2の熱伝導部(ビア電極25)で導通接続することにより、圧電振動素子10の温度と感温部品30との温度差が小さくなることが期待できる。また、キャスタレーション電極Ce2を介して接続端子22bと蓋部材38とを電気的及び熱的に導通接続してもよい。
つまり、圧電振動素子10と感温部品30とは、短い時間で熱的平衡状態に近づくことが推測される。更に感温部品30の一方の端子を接地すると、主回路基板からの熱は接地の端子から多く伝導されるので、感温部品30と蓋部材38に熱が伝導し、感温部品30と圧電振動素子10との熱的平衡状態が早まる。また、蓋部材38を接地することによりシールド効果も同時に得られる。
【0063】
図8(a)は第2の実施形態例の圧電デバイス2の構成を示す断面図であり、同図(b)は容器20の第1の絶縁基板20a2の平面図であり、同図(c)は(b)のQ−Q断面図である。圧電デバイス2の構成が図1に示す圧電デバイス1の構成と異なる点は、図1に示す第2の絶縁基板20bの代わりに、図8に示すように、第1の絶縁基板20a2の第1の主面(表面)の周縁部に厚肉環状のシールリング42を焼成した点である。第1の絶縁基板20a2の第1の主面(表面)と、厚肉環状のシールリング42とで圧電振動素子10の収容部27を構成している。シールリング42の上部にコバール等の蓋部材38をシーム溶接することにより、収容部27を気密封止することができる。気密封止した後に、感温部品30を容器20の側面に導電材36により固着するのは、圧電デバイス1の場合と同様である。圧電デバイス2の方が圧電デバイス1より低背化が可能となる。
【0064】
図9(a)は、第3の実施形態に係る圧電デバイス3の構成を示す断面図であり、同図(b)は圧電デバイス3の変形例である。圧電デバイス3は、第1の主面の周縁部にシールリング42を形成した第1の絶縁基板20aと、逆バスタブ状(逆椀状)の蓋部材38と、圧電振動素子10と、感温部品30と、を備えている。第1の絶縁基板20aの第1の主面(表部)に設けた第1の電極パッド28a、28bに導電性接着剤35を塗布し、この上に圧電振動素子10を載置し、軽く押さえた後、所定の温度の乾燥炉内で所定の時間保持し、導電性接着剤35を乾燥、硬化させる。また、必要に応じて真空炉内で高温アニールを行い、真空中、又は不活性ガスの雰囲気中で第1の主面の空間部を逆椀状の蓋部材38で気密封止して表面実装型の圧電振動子10Aを完成する。気密封止の方法は、第1の絶縁基板20aの第1の主面にシールリング42を設けた場合は、金属製の蓋部材38を抵抗溶接し、シールリングを設けない場合は第1の絶縁基板20aの第1の主面の周縁部に低融点ガラス材等を塗布し、蓋部材38を載置して気密封止する。
【0065】
次に、表面実装型の圧電振動子10Aの外側面に感温部品30の長手方向の側面を導電材36を用いて固着して圧電デバイス3を完成する。この際、感温部品30の一方の端子30bと、第1の絶縁基板20aの第2の主面(裏部)に設けた接続端子22bとが導電材36により導通接続されるように注意を払う。また、第1の絶縁基板20aの第2の主面と、感温部品30の底面とが同一面上になるようにする。
図9(b)は、同図(a)の圧電デバイス3の変形例であり、逆椀状の金属製蓋部材38に代わりに、セラミック、ガラス等の材質を用いて成形した非金属製の蓋部材38を用いて構成した圧電デバイス3’の例である。蓋部材38の内側壁面は、シールド効果を考慮してメタライズ加工が施されてある。
【0066】
図10は、第4の実施形態の圧電デバイス4を用いるデジタル携帯電話100の構成を示す概略ブロック図である。圧電デバイス4は、既に図1で説明した容器20を用い、収容部27に音叉型水晶振動素子10bを収容し、蓋部材38で収容部27を真空封止した後、感温部品30を容器の側面に導電材36で固着して圧電デバイス4を構成する。
図10に示すデジタル携帯電話100で音声を送信する場合、使用者が自分の音声をマイクロフォンに入力すると、信号はパルス幅変調・符号化の回路と変調器/復調器の回路を経てトランスミッター、アンテナスイッチを介しアンテナから送信される。一方、他者から送信された信号は、アンテナで受信され、アンテナスイッチ、受信フィルター+アンプ回路等を経て、レシーバー回路に入り、このレシーバー回路から変調器/復調器回路に入力される。そして、復調器回路で復調された信号がパルス幅変調・符号化回路を経てスピーカーから音声として出力されるように構成されている。アンテナスイッチや変調器/復調器ブ回路等を制御するためにコントローラが設けられている。
【0067】
このコントローラは、上述の機能の他に表示部であるLCDや、数字等の入力部であるキー、さらにRAMやROM等も制御するため、用いられる音叉型水晶振動子の周波数は、高精度、高安定度であることが求められる。この要求に応えるべく、音叉型水晶振動素子10bを容器20の収容部27に収容し、感温部品30を容器20の側面に固着して構成した圧電デバイスが、図11示す圧電デバイス4である。
つまり、第4の実施形態例の圧電デバイス4が、図1に示す圧電デバイス1との異なる点は、圧電デバイス1では、圧電振動素子10として厚みすべり振動素子を用いているが、圧電デバイス4では屈曲振動をする音叉型水晶振動素子10bを用いている点が異なる。高周波の基準周波数が必要とされる場合は、圧電デバイス1が適し、低周波の基準周波数が要求される場合は圧電デバイス4が適している。
圧電振動素子10に音叉型水晶振動素子10bを用いることにより、高周波を分周することなく所望の低周波得られるという利点がある。また、圧電デバイス1〜4を用いて電子機器を製作すると、高安定で短期安定度の優れた基準周波数源が容易に構成できるという効果がある。
【0068】
音叉型圧電振動素子について簡単に説明する。図12(a)は、音叉型圧電振動素子10bの平面図であり、同図(b)は(a)のP−P断面図である。圧電基板52は、フォトリソグラフィ技術とエッチング手法を用いて形成される。図12(a)に示すように、音叉型圧電振動素子10bは、互いに並行(平行)して直線状に延びる細幅帯状の複数の振動腕55a、55bと、各振動腕55a、55bの一方の端部(基端部)間を連接する基部54と、各振動腕55a、55bの振動中心線に沿った表面及び裏面に夫々形成された溝部57a、57b、58a、58bと、を備えている。
【0069】
図12(b)は、同図(a)のP−P断面図であり、各振動腕55a、55bに夫々形成された励振電極60、62、64、66の配置を示す断面図である。励振電極60、64は、各溝部57a(57b)、58a(8b)の表面、及び側面に形成され、励振電極62、66は各振動腕55a、55bの夫々両側面に形成されている。励振電極60、66と、励振電極62、64とは、互いに異符号の電圧が基部54の電極パッド(図示せず)を介して印加されるように構成されている。つまり、励振電極60、66に+電圧が印加されるとき、励振電極62、64には−電圧が印加され、図12(b)の矢印で示すような電界が生じ、圧電振動素子50の重心を通る中心線に対し対称な音叉振動(屈曲振動)が励振される。
なお、溝部57a(57b)、58a(58b)を形成することにより、電界強度が強まり、音叉振動をより効率的に励振することができる。即ち、圧電振動素子のCI(クリスタルインピーダンス)を小さくすることができる。
【0070】
図13は、第5の実施形態例の圧電デバイス5の構成を示す図である。図13(a)は平面図であり、同図(b)は(a)のQ−Q断面図である。圧電デバイス5が、図1に示す圧電デバイス1と異なる点は、第1の絶縁基板20a3の第1の主面(表部)と、第2の絶縁基板20b3の環状体で形成される収容部27に、厚みすべり振動の圧電振動素子10aと、屈曲振動の音叉型圧電振動素子10bと、を併置して収容した点である。2つの圧電振動素子10a、10bを併置したので、第1の電極パッド28a〜28dは4個必要となり、これに対応するビア電極も4つ必要となる。また、ビア電極の個数が増えるのに応じ、実装端子の数も多くなる。
圧電デバイス5の場合も感温部品30の一方の端子30bと、容器20の角隅部に設けられた接続端子22bとは、導電材36により導通接続されている。接続端子22bと蓋部材38とは、第1、及び第2の絶縁基板20a3、20b3を貫通する第2の熱伝導部25により導通接続され、蓋部材38を接地できるように構成されており、シールド効果を持たせることができる。
【0071】
図14は、第6の実施形態例の圧電デバイス6の構成を示す図である。図14(a)は斜視図であり、同図(b)は平面図であり、同図(c)は(b)のQ−Q断面図である。圧電デバイス6は、感温部品30を間に挟んで両側に厚み振動をする表面実装型の振動子10Aと、屈曲振動(音叉振動)をする表面実装型の振動子10Bとが導電材36で固着された圧電デバイスである。厚みすべり振動の振動子10A、屈曲振動の振動子10B、及び感温部品30の夫々については、既に説明した。感温部品30の一方の端子30bと、圧電振動子10A、及び圧電振動子10Bの夫々の容器20A、20Bの接続端子22b、22bとは、導電材(導電性接着剤、半田等)36にて導通接続されている。圧電振動子10A、及び圧電振動子10Bの夫々の蓋部材38は、第2の熱伝導部25a、25bにより、接続端子22b、22bと夫々導通接続されている。従って、端子30bに接続するランド45を接地することにより、圧電振動子10A、及び圧電振動子10Bの夫々の蓋部材38が接地されるのは、圧電デバイス1〜5の場合と同様である。
圧電デバイス5、又は圧電デバイス6と、発振回路、及び補償回路を有する外部回路と併用することにより、高周波と低周波の2つの圧電発振器が構成され、温度補償された、高安定、且つ短期安定度の優れた2つの基準周波数が得られるという効果がある。
【符号の説明】
【0072】
1、1’2、3、4、5、6…圧電デバイス、10、10a、10b…圧電振動素子、10A、10B…圧電振動子、12…圧電基板、13…励振部、14a、14b…励振電極、15…周辺部、16a、16b…リード電極、18a、18b…端子電極、20、20A、20B…容器、20a、20a1、20a2、20a3…第1の絶縁基板、20b、20b1、20b2、20b3…第2の絶縁基板、22a、22b…接続端子、22c、22d…実装端子、23a、23b…第1の熱伝導部(ビア電極)、25、25a、25b…第2の熱伝導部(ビア電極)、26a…第1の熱伝導部(第1の配線パターン)、27…収容部、28a、28b…電極パッド、30…感温部品、30a、30b…端子、35…導電性接着剤、36…導電材、38…蓋部材、40…中継パッド、42…シールリング、45…ランド、C1、C2、C3、C4…キャスタレーション、Ce1、Ce2、Ce3、Ce4…キャスタレーション電極、MB…マザーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動素子と、温度を検出する感温部品と、前記圧電振動素子を収容する収容部を有する容器と、を備えた圧電デバイスであって、
前記容器は、第1の主面に前記圧電振動素子搭載用の電極パッドを有し、該第1の主面の反対側の第2の主面に複数の実装端子、及び複数の接続端子を有する第1の絶縁基板と、
前記第1の絶縁基板の第1の主面に対して底部を積層固定されて前記収容部を形成する環状の第2の絶縁基板と、
前記収容部を気密封止する蓋部材と、
を備え、
前記感温部品は、前記容器の一つの外側面に導電材により接合されると共に前記感温部品の端子の少なくとも1つが前記接続端子と導通接続され、
少なくとも1つの前記実装端子と前記電極パッドとは、第1の熱伝導部により電気的及び熱的に接続されているとことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項2】
圧電振動素子と、温度を検出する感温部品と、前記圧電振動素子を収容する収容部を有する容器と、を備えた圧電デバイスであって、
前記容器は、第1の主面に前記圧電振動素子搭載用の電極パッドを有し、該第1の主面の反対側の第2の主面に複数の実装端子、及び複数の接続端子を有する絶縁基板と、
前記絶縁基板の第1の主面に対して底部を積層固定されて前記収容部を形成するシールリングと、
前記収容部を気密封止する蓋部材と、
を備え、
前記感温部品は、前記容器の一つの外側面に導電材により接合されると共に前記感温部品の端子の少なくとも1つが前記接続端子と導通接続され、
少なくとも1つの前記実装端子と前記電極パッドとは、第1の熱伝導部により電気的及び熱的に接続されていることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項3】
圧電振動素子と、温度を検出する感温部品と、前記圧電振動素子を収容する収容部を有する容器と、を備えた圧電デバイスであって、
前記容器は、第1の主面に前記圧電振動素子搭載用の電極パッドを有し、該第1の主面の反対側の第2の主面に複数の実装端子、及び複数の接続端子を有する絶縁基板と、
前記収容部を気密封止する蓋部材と、
を備え、
前記感温部品は、前記容器の一つの外側面に導電材により接合されると共に前記感温部品の端子の少なくとも1つが前記接続端子と導通接続され、
少なくとも1つの前記実装端子と前記電極パッドとは、第1の熱伝導部により電気的及び熱的に接続されているとことを特徴とする圧電デバイス。
【請求項4】
前記蓋部材は、前記容器の内部を貫通する第2の熱伝導部により前記接続端子と電気的及び熱的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の圧電デバイス。
【請求項5】
前記第1、及び第2の熱伝導部は、少なくとも一部が前記第1の絶縁基板の内部に貫通配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の圧電デバイス。
【請求項6】
前記第1、及び第2の熱伝導部の少なくとも何れか一方の少なくとも一部は、前記容器の外側面に設けられたキャスタレーション内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の圧電デバイス。
【請求項7】
前記圧電振動素子の圧電基板は、水晶の結晶軸である電気軸としてのX軸と、機械軸としてのY軸と、光学軸としてのZ軸と、からなる直交座標系の前記X軸を中心として、
前記Z軸を前記Y軸の−Y方向へ所定の角度だけ傾けた軸をZ’軸とし、
前記Y軸を前記Z軸の+Z方向へ前記所定の角度だけ傾けた軸をY’軸とし、
前記X軸と前記Z’軸に平行な面で構成され、
前記Y’軸に平行な方向を厚みとする水晶基板であり、
前記X軸に平行な辺を長辺とし、
前記Z’軸に平行な辺を短辺とした水晶基板であることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の圧電デバイス。
【請求項8】
前記圧電振動素子は、音叉型水晶振動素子であることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の圧電デバイス。
【請求項9】
前記圧電振動素子は、ATカット水晶振動素子と音叉型水晶振動素子とが前記収容部に併置されていることを特徴とする圧電デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の圧電デバイスを内蔵したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−62707(P2013−62707A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200261(P2011−200261)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】