地図情報処理方法、地図情報処理装置およびプログラム
【課題】電子ペンを利用する地図情報表示装置で、電子ペンを取得したデータを簡単な操作で削除できるようにする。
【解決手段】本発明は、座標情報を表すパターンが地図情報とともに印刷された印刷媒体50と、この印刷媒体のパターンを読み取る読み取り装置10と、上記読み取り装置が前記印刷媒体上で描画しまたはなぞったストロークの座標情報に基づいて座標情報に対応する地図情報に変換する地図情報変換手段31と、変換された地図情報を処理する地図情報処理手段32とを備えた地図情報処理装置において、印刷媒体の地図上の所定領域は、読み取り装置が取得したデータの削除を指示する取得データ削除領域に設定され、取得データ削除領域を読み取り装置が読み取ったことを判定しその操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段を備えることを特徴とする。
【解決手段】本発明は、座標情報を表すパターンが地図情報とともに印刷された印刷媒体50と、この印刷媒体のパターンを読み取る読み取り装置10と、上記読み取り装置が前記印刷媒体上で描画しまたはなぞったストロークの座標情報に基づいて座標情報に対応する地図情報に変換する地図情報変換手段31と、変換された地図情報を処理する地図情報処理手段32とを備えた地図情報処理装置において、印刷媒体の地図上の所定領域は、読み取り装置が取得したデータの削除を指示する取得データ削除領域に設定され、取得データ削除領域を読み取り装置が読み取ったことを判定しその操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報処理方法、地図情報処理装置および当該地図情報処理装置の機能を実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報としての地図を表示するナビゲーション装置において、地図情報の入力あるいは、目的地や目的の店舗、目的地までの経路などユーザが求める地図情報を表示するために、座標位置を認識できる特殊なドットパターンを印刷した専用地図とこのドットパターンを読み取るいわゆる電子ペンとを用いる電子ペンシステムは公知である。そして、この電子ペンで専用地図から読み取る情報は一筆ごとの軌跡(ストローク)として読み取られ、保存、処理される。このため、取得したデータを破棄するには、電子ペンシステム上に保存されているデータの削除(破棄)処理をデータの読み取り処理とは別途行う必要がある。
【0003】
この取得したデータの削除処理を簡便化する手段として、データ消去用の専用用紙を用意し、記入した用紙の消去部分にその消去用紙を添付して再記入する提案がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−085155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子ペンは、従来の筆記用具の形態をとっているため、人が操作するものとしては、馴染みやすいインタフェースになっているが、逆に筆記用具という形態であるため、データの削除が多くなるきらいがある。上述の特許文献1の提案では、データ消去用の専用用紙を用意して、消去用紙を消去したい記入部分に貼付あるいは添付し、その位置を電子ペンで再度読み込ませるという工程が必要であり、ユーザにとって取得したデータの削除処理は煩雑となっている。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するもので、電子ペンなどの読み取り装置で取得したデータの削除の処理が簡便となる地図情報処理方法、地図情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、印刷媒体に地図とパターンとが印刷された媒体からパターンを読み取って座標情報を取得し、当該座標情報に基づいて地図情報を取得し取得した地図情報を処理する地図情報処理方法であって、印刷媒体の地図上の所定の領域が取得データ削除領域として設定され、パターンを読み取る読み取り手段が印刷媒体上の所定の領域を読み取ったときは、読み取り手段で以前に取得したデータの削除の指示であるとして、取得したデータを削除することを特徴とする。
【0007】
処理する地図情報は、車両の走行に関する地図情報であり、取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖または河川であることがよい。
【0008】
処理する地図情報は、車両の走行に関する地図情報であり、取得データ削除領域は、地図上の陸地から所定距離離れた海または湖の領域であることがよい。
【0009】
処理する地図情報は、車両の走行に関する地図情報であり、取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖の領域を所定区画に分け、分けられた領域によって、取得データの削除範囲を区別することがよい。
【0010】
地図上の領域であって、処理する地図情報としては、選択され得ない領域または選択されることが他の領域に比べて少ない領域に所定の面積をもって表された領域を設け、この領域を取得データ削除領域とすることもできる。
【0011】
また、本発明は、座標情報を表すパターンが地図とともに印刷された印刷媒体と、この印刷媒体のパターンを読み取る読み取り装置と、上記読み取り装置が前記印刷媒体上で描画しまたはなぞった軌跡の座標情報に基づいて座標情報に対応する地図情報に変換する地図情報変換手段と、変換された地図情報を処理する地図情報処理手段とを備えた地図情報処理装置において、印刷媒体の地図上の所定領域が、読み取り装置の取得したデータの削除を指示する取得データ削除領域に設定され、取得データ削除領域を読み取り装置が読み取ったことを判定しその操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段を備えることを特徴とする。
【0012】
または、本発明は、コンピュータにインストールすることにより、当該コンピュータを地図情報処理装置の読取装置が、地図上に設定された取得データ削除領域を読み取ったときは、取得データ削除領域を読み取り装置が読み取ったことを判定し、その操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段として機能させるプログラムとしても可能であり、このプログラムは、記録媒体あるいは通信回線を介して提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従前に取得したデータを簡単に削除することができるため、データ削除(廃棄)操作が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る地図情報処理システムとしてのナビゲーションシステム1全体の構成を示す図である。この例では、ナビゲーションシステム1は、絶対座標が特殊な配列のドットによって書き込まれた印刷媒体としての地図帳50、ナビゲーション装置30およびペン型の入力装置である電子ペン10を主要な構成要素としている。
【0016】
図2は、地図帳50の所定のページに印刷された光学ドットパターンの詳細を説明する図である。この図に示すように、地図帳50の各ページには、図2中の左に示す図2(A)の一部を中央に拡大して示す図2(B)のように、例えば、0.3mm間隔で直交する格子状の縦横線(印刷されず)により形成される各交点を中とした上下左右のいずれか1箇所に赤外線を吸収するドットが配置され、地図情報とともに印刷されている。これらのドットは、図2の中の右にさらに拡大して示す図2(C)のように、格子の中心から上下左右のいずれかの方向に所定量だけずれて印刷されている。6×6=36ドットが集まって、1つの光学ドットパターンを構成し、そのパターンによって中央の値を表示するようになっている。すなわち図2の例で示せば、36ドットの光学ドットパターンDP1は、その中心の4つのドットで囲まれる領域PC1を表すものとなる。領域PC1の1つの左の領域PC2を表す光学ドットパターンは、光学ドットパターンDP1を1列分の格子を左にずらした36ドットのパターンとなる。1ドットは4通りの組み合わせを有することから、1.8mm×1.8mmサイズの1つの光学ドットパターンには4の36乗通りの組み合わせが存在する。1つの光学ドットパターンは、地図帳50の所定のページの位置を示す座標値に変換できる。
【0017】
なお、複数のページのうち、どのページが指定されたかを知る方法としては、例えば、光学ドットパターンにページに関する情報を格納する方法がある。また、全てのページに対して同一の座標系の位置情報を格納する方法もある。すなわち、全てのページを平面上に並べて大きな用紙とした場合に、この大きな用紙の左上隅が原点となるように座標系を設定することができる。
【0018】
印刷媒体としての地図帳50は、赤外線を透過させる通常のインクで地図情報が印刷されるとともに、赤外線を吸収するインクにより光学ドットパターンが印刷されている。光学ドットパターンを電子ペン10が読み取ることにより、後述する方法で地図上における位置を座標値として得ることができる。
【0019】
電子ペン10は、地図帳50の所定のページにおいて、地図帳50に印刷されているそれぞれの地点の光学ドットパターンを読み取る読取部として機能する。電子ペン10は、ペン先が当接する部分の光学ドットパターンを読み取り、その光学ドットパターンを座標値に変換する。また、得られた座標値を、取得データとしてナビゲーション装置30に無線で送信する。
【0020】
また、電子ペン10は、双方向通信可能として、ナビゲーション装置30が送信する通知データを無線で受信し、その通知データに基づき、ユーザに通知する通知部を有することもできる。ユーザに通知する方法としては、視覚、聴覚、嗅覚あるいは触覚等によりユーザが認識できるような各種の方法により出力されることでユーザに通知できる。また、通知用データは、段階的な値とされている。
【0021】
図3は、電子ペン10の外観を示す図である。この図3に示すように、電子ペン10は、略円柱形状を有するハウジング11を有している。なお、電子ペン10の形状は角柱形状など他の形状としてもよい。ハウジング11の底部の一部には、硬質の筆記部材によって構成されるペン先12が設けられている。なお、このペン先12としてはボールペンの芯または実際には筆記されることのない非筆記部材により構成されるペン先12等を採用してもよい。なお、ペン先12の一端はハウジング11の内部で、後述する筆圧センサに接触されている。ハウジング11の底部のペン先12の近傍には、地図帳50に印刷された光学ドットパターンを読み取るための読取部の一部としての赤外線LED(Light Emitting Diode)13と、同じく読取部の一部としてのC−MOS(Complementary−Metal Oxide Semiconductor)カメラ14が設けられている。
【0022】
ハウジング11の側面部には、各色に発光できるものであって、文字情報または画像情報として各種情報を表示して確認できるLCD(Liquid Crystal Display)15が設けられている。LCD15の上部には、例えば、種々の音声により出力等するためのスピーカ16が設けられている。
【0023】
なお、ユーザは、ハウジング11を把持し、地図中の読み取りたい位置にペン先12を接触させることで、その地図の所望の位置を読み取ることができる。このとき、赤外線LED13とC−MOSカメラ14によって読み取られた光学ドットパターンに基づいて、座標値が取得され、その座標値は、取得データとしてナビゲーション装置30に送信される。
【0024】
図4は、図3に示す電子ペン10の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、電子ペン10は、赤外線LED13、C−MOSカメラ14、LCD15、スピーカ16、CPU(Central Processing Unit)21、筆圧センサ22、画像処理部23、メモリ24、通信部25、および、音源部26を主要な構成要素としている。
【0025】
ここで、赤外線LED13は、CPU21の制御に基づいて、印刷媒体としての地図帳50の所定のページに赤外線を照射する。C−MOSカメラ14は、地図帳50から反射されてきた赤外線を受光し、光学ドットパターンを読み取る。
【0026】
図5は、地図帳50の所定のページの一部の断面構造を示す図である。この図に示すように、地図帳50のベースとなる紙部51上には、赤外線を吸収するドットインク52によって、図2に示す光学ドットパターンが印刷されている。また、その上には、赤外線を透過する通常インク53によって、地図情報が印刷されている。赤外線LED13から射出された赤外線のうち、ドットインク52に照射された部分は吸収されてC−MOSカメラ14には入射されない。また、通常インク53に照射された部分は透過し、その後、ドットインク52以外の部分を通過する赤外線は、紙部51により反射され、C−MOSカメラ14に入射される。これにより、光学ドットパターンに応じた反転図形の赤外線画像がC−MOSカメラ14に入射される。
【0027】
LCD15は、電子ペン10の通知部として機能すると共に、操作の為の案内表示を行う。スピーカ16は、電子ペン10の通知部として機能すると共に、音によって操作案内を可能としている。さらに電子ペン10全体をオンオフさせるボタンを設けてもよい。
【0028】
CPU21は、電子ペン10の各部を制御する。筆圧センサ22は、印加される圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサによって構成され、ペン先12が書き込み動作による筆圧を検出すると、ONになり、C−MOSカメラ14により光学ドットパターンを読み込むと共に、光学ドットパターンの読み込みに基づくデータを、ナビゲーション装置30に送信する。これらの動作は、電子ペン10に設けられる図示しない操作ボタンによって行ってもよい。
【0029】
画像処理部23は、C−MOSカメラ14に入射された赤外線によって形成された光学ドットパターンに対応する反射した赤外線画像データを入力して画像処理を施すことにより、光学ドットパターンに含まれている情報(座標値)を抽出し、CPU21に供給する。
【0030】
メモリ24は、フラッシュメモリまたは他の記憶媒体によって構成されており、CPU21が実行する基本的なプログラムおよび定数を格納している。また、メモリ24は、CPU21が演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に格納する、あるいは、CPU21からの制御指令に基づいて通信部25からの通信情報を一時的に記憶する。
【0031】
通信部25は、受信部および送信部の両方として機能する。通信部25は、無線通信、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の規格に基づいて、ナビゲーション装置30との間で、アンテナを介して情報を授受する。なお、無線通信の代わりに、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のケーブルを用いて、ナビゲーション装置30と電子ペン10とを有線接続し、情報を授受するようにしてもよい。しかし、無線で接続した場合には、より電子ペン10を使用しやすいものとすることができる。
【0032】
音源部26は、CPU21にて処理された音響データ(例えば、圧縮処理が施されているデータ)を、再生可能な音響信号に変換する。つまり、音源部26は、デコーダとして機能する。音源部26にて変換された再生可能な音響信号(アナログ信号)は、アンプ(不図示)にて増幅され、スピーカ16から音響として出力される。
【0033】
ナビゲーション装置30は、本実施の形態において、電子ペン10が取得したデータを受信する。具体的には、ナビゲーション装置30は、読取部となる電子10より受信した取得情報としての座標値を、1次情報としての緯度経度に変換し、その緯度経度を、2次情報としての通知用データに変換する変換部を有する。さらに、ナビゲーション装置30は、自動車等に設置されて、目的地あるいは所望の経路等を入力することで、現在地から目的地までの経路を画像および音声等でナビゲーション(案内)する装置として機能してもよい。
【0034】
図6は、電子ペン10を使った情報表示装置となる車両走行用のナビゲーションシステム1の主要構成を示すブロック図である。なお、情報表示方法については、ナビゲーションシステム1の動作とあわせて説明する。このナビゲーションシステム1では、電子ペン10と地図とともに特殊なドットパターンが印刷された地図を兼ねる専用の地図帳50とが一対で使用される。車両に搭載されるナビゲーション装置30側には、電子ペン10で取得された紙面の座標情報を地理座標情報に変換するデータ変換部31と、変換された地理座標情報に基づいてナビゲーション装置としてのアプリケーションに沿ってデータ処理を行い、その結果を表示するデータ処理部32とを備える。
【0035】
データ変換部31には、電子ペン10で取得された座標情報を緯度経度情報の地理情報に変換してデータ処理部32に出力する緯度経度変換部34と、紙面の座標情報と緯度経度との対応関係を記憶し、緯度経度変換部34が参照する経度緯度変換テーブル35を備える。
【0036】
データ処理部32は、緯度経度変換部34で変換された地理情報が入力され、アプリケーションに沿って、地理情報に基づき、例えば、目的地までの車両の経路情報を検索する処理を行う地図情報処理部37と、この地図情報処理部37の処理結果をディスプレイなどに表示する表示部38とを備える。地図情報処理部37は、ナビゲーション機能としての種々の地図情報の処理を行う部分であり、ユーザによって指示された内容に基づいて、指示された目的地までの経路の地図を表示し、あるいは表示する地図を拡大するなどナビゲーション機能としての情報処理を行う。
【0037】
ここで、緯度経度変換テーブル35について図7を参照して説明する。図7は、緯度経度変換テーブル35に記録されている地図帳のドットパターンの座標情報と経度緯度の地理情報との対応関係のデータを示す図である。地図帳の1〜Nページについて、それぞれ、頁の基準点を左上端とする場合に、頁ごとに、基準点のxy座標に対応する緯度、経度のデータおよび縮尺が記憶されており、電子ペン10が地図帳上で描いたストローク(軌跡あるいは筆跡)の座標情報を地理情報である緯度経度情報に変換することができる。電子ペン10の筆圧センサ22および画像処理部23からの出力によって、電子ペン10が専用シート50上を移動したストロークの範囲のデータが分かるので、緯度経度変換部34で電子ペン10のストローク情報は紙面上の座標情報から緯度経度の情報に変換されて、データ処理部32に入力され、指示されたデータ処理の結果が表示部38に出力される。
【0038】
次に、本実施の形態の取得したデータを削除(破棄)するための構成を図8に示す。図6との相違点は、データ変換部31にエリア判定部40およびエリア判定テーブル41を設けたことにある。エリア判定テーブル41には、地図上で電子ペン10のストロークが取得したデータの削除を指示する領域の情報が記録されている。エリア判定部40は、このエリア判定テーブル41を参照して、電子ペン10のストロークの座標情報から、ストローク情報を削除する領域が指示されたのか、地図情報の取得が指示されたのかを判定する。
【0039】
ここで図9にデータ削除領域が設定された地図の例を示す。この例は、海が取得情報の削除領域として設定された例を示すもので、図9では地図に対応して、下側にエリア判定テーブルの例が示されている。海の領域が削除領域として設定されるのは、車両の走行地点として選択されることはないからである。この例は、頁nに表示された海の領域のうち、二つの矩形の領域がデータ削除領域として設定されている場合である。このデータ削除領域の座標は、第一の削除領域の座標は、左上の座標が(Xn1,Yn1)、右下の座標が(Xn2,Yn2)、第二の削除領域の座標は、左上の座標が(Xn3,Yn3)、右下の座標が(Xn4,Yn4)に設定されている例である。
【0040】
地図上では、地理座標に紐付けされた地図関連情報が少ないあるいは地図関連情報の無い領域が存在する。また、車両の走行経路として表示する必要がないため、地点情報を必要としない領域が存在する。例えば海や湖、あるいは河川などである。このような地点情報や地図関連情報のない領域は、電子ペン10でのデータ取得に利用されることはないので、別途、別のコマンドを指示する領域として設定しても問題はない。このため、海あるいは湖など陸上ではない領域を電子ペン10で取得したデータを削除するためのコマンドを指示する領域として設定しておき、この領域内で電子ペン10のストロークが描かれたときには、直前の電子ペン10のストロークデータを削除するという処理を行う。地点情報のある陸地は、地図情報を取得する領域とし、地点情報のない海や湖、河川などは、データの削除するための領域として設定しておくことで、面倒な取得データ削除処理を簡便に行うようにできる。また、専用の地図帳の任意の領域をデータ削除領域として設定できるため、印刷物のデザインの美観を損なうことがない。
【0041】
図10に削除領域判定処理のフローチャートを示して、電子ペン10による地図情報の取得とデータ削除の動作を説明する。
【0042】
電子ペン10により専用シート50(地図帳)上にストローク(軌跡)を描いて、座標情報を取得する(ステップS1)。取得したストロークデータの代表値を決定して、どの領域が指示されたかを決定するため、取得したストロークデータの平均値などをとって、その代表値を決定する(ステップS2)。この処理は、どの領域(エリア)にストロークを描いたかを判定するためである。そして、その値から、エリアを判定し(ステップS3)、データ取得領域内である場合には、緯度経度変換テーブル35を参照して紙面座標を地理座標(緯度経度情報)に変換する(ステップS4)。そして、変換された地理座標に基づいてアプリケーションに沿って、電子ペン10の取得データを処理する(ステップS5)。この処理は、例えば、取得した目的地点をナビゲーション装置30の表示画面に表示するなどの処理である。
【0043】
一方、電子ペン10がデータ削除領域をなぞり、あるいは描画し、あるいは領域内を指示した場合には、直前に電子ペン30が描いたストロークデータを破棄する処理を行う(ステップS6)。そして、直前のストロークデータを使用した処理をキャンセルする(ステップS7)。この処理は、例えば、電子ペン10で目的地を指示してこれを画面に表示するようにした処理要求をした場合に誤った目的地を指示した場合に、削除領域を電子ペン10を用いて、なぞりあるいは指定等の動作を行うことにより、前の指示をキャンセルする処理になる。このキャンセル処理により、取得したデータは破棄されて削除されるため、仮に誤った地点を指示してデータ取得した場合に、その誤ったデータの削除が簡単に行える。また、データの削除を行った場合に、ユーザがデータが削除されたことを確認可能とするために、音で報知したり、その旨の表示を行うようにすることがよい。
【0044】
図11には、データ削除の別の実施の態様を示す。この図11に示す例は、海をデータ削除の領域として用いる点では、図9と共通するが、削除のコマンドの内容を削除領域によって異なるものにする例である。すなわち、削除領域を二つにわけ、一つの削除領域は、直前の電子ペン10のストロークのデータを削除する1ストローク削除領域61として設定し、もう一つは、すべてのストロークのデータを削除する全ストローク削除領域62として設定する例である。このように削除領域によって、削除の内容を異なるものとすることで、データの削除指示を容易にすることが可能である。
【0045】
図11のデータ削除領域によって異なる削除内容とする場合のフローチャートを図12に示す。この場合、図10のフローチャートにおいて、エリア判定の結果、どのデータストローク削除領域を指示したかによって処理が二つに分岐する(ステップS8)。1ストローク削除領域61が選択された場合は、直前の1ストロークのデータが破棄、削除され(ステップS9)、直前の1ストロークデータを使用した処理がキャンセルされる(ステップS10)。全ストローク削除領域62が選択された場合には、電子ペン10による取得データがすべて破棄、削除され(ステップS11)、取得した全ストロークのデータを使用した処理はキャンセルされることになる(ステップS12)。全ストローク削除の場合には、いわば電子ペン10によるデータ取得処理が初期化される状態になる。
【0046】
図13は、別の実施の態様を示すもので、図10では、海に所定の矩形のデータ削除領域を設定したものであったが、図13に示す例は、海や湖については、陸地から所定距離離れた領域をあらかじめデータ削除領域として設定しておく例である。上述のように、海や湖で陸から離れたところが車両走行に当たって電子ペン10で指示されることはほとんどないため、海や湖で陸地から所定距離離れたところをデータ削除領域としてあらかじめ設定しておけば、ユーザは、海や湖の全体がデータ削除領域として認識することができ、海や湖のどの領域がデータ削除領域であるかを識別する必要がないため、データ削除作業が簡便である利点がある。この場合、陸地から何km離れた領域全体が削除領域となるようにエリア判定テーブル41の内容を設定しておく。
【0047】
図14は、海や湖がない場合の例である。地図帳の頁全体に都市が表されている場合、その頁にデータ削除領域を設けることは難しい。他の頁のデータ削除領域として設定されている海や湖を開いて取得データの削除処理を行うことはもちろん可能であるが、そのような海や湖がある頁を探して開く作業が煩わしく感じられることがある。車両走行に際して、都市部の地図でもあまり電子ペン10で指示することの少ない場所があれば、そのような地点を選んで、その地点を枠で囲ってデータ削除領域としてもよい。例えば、森林のような場合には、地図上で広い面積を占めるが、車両走行に当たって電子ペン10を用いて地図情報の取得を行うことは少ない。このような場合には、森林の部分を枠で囲み、この領域を走行経路の地点情報がない空白領域とし、かつその部分をデータ削除領域として明示することで、電子ペン10で取得したデータの削除を行うことは可能である。また、森林以外にも、畑や山地も車両走行に際して電子ペン10によるデータ取得が行われることがほとんどないので、海等と同じく、データ削除領域として利用することも可能である。
【0048】
なお、実施の態様では、図9のデータ削除領域を電子ペン10の直前のストローク(軌跡)データだけ削除するための領域として説明したが、全軌跡データの削除領域としてもよい。
【0049】
また、上記実施例において、海や湖等を用いてデータを消去した場合、データを消去した旨をユーザが確認可能とする必要もある。この場合、ビープ音や、単に「消去しました」などと表示してもよいが、本発明においては、海や湖、森林等公共の場所を利用することになるため、「海を汚さないでね」「自然を大切に」などの表示を行ってもよい。
【0050】
なお、本発明の実施の形態に係る地図情報処理装置および地図情報処理方法は、プログラムとしても実現できる。このプログラムは、ナビゲーションシステム1を構成するコンピュータにインストールすることができる。上述のナビゲーション装置の機能を実現することができる。このプログラムは、記録媒体を介し、あるいはネットワークを介してインストールすることができ。また、このプログラムは、暗号化された形でも提供することが可能である。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【0052】
たとえば、各実施の形態において、電子ペン10は、光学ドットパターンから座標値を得て、その得られた座標値を送信し、通知用データを受信して出力するものとしているが、このような形態に限らない。例えば、座標値を1次情報に変換して送信するものでもよい。電子ペン10が座標値を送信することで、送信するデータの容量が小さいため好ましい。
【0053】
また、各実施の形態に係る地図帳50は、図2のような0.3mm間隔で赤外線を吸収するドットが、地図情報とともに印刷されているものとしている。しかし、このようなものに限らず、座標値として得られるようなパターンであればよい。例えば、ドットで構成されていないパターンを用いてもよい。また、磁気式のドットなど他の方式のパターンでもよい。
【0054】
上述の実施の形態では、光学式の電子ペン10を用いて地図情報を取得したが、地図から座標データを取得できるものであれば、磁気式の読み取り装置を使用してもよい。
【0055】
また、叙述した各実施の形態では、車両走行用のナビゲーションシステムとして説明し、扱う地図情報は陸地を対象としたが、船舶用のナビゲーションシステムとしてもよい。その場合、処理する地図情報は、海の部分となるので、取得データ削除領域は陸地の部分に決定される。
【0056】
また、上記の実施形態では、印刷媒体として紙の例で説明したが、紙の他に、セルロイド等の樹脂、金属などを用いてもよい。また、上記の実施形態では電子ペン10で描画する例で説明しが、描画ではなく、単になぞるのみとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムの一例を示すシステム図である。
【図2】図1に示すナビゲーションシステムを構成する地図帳を説明するための説明図である。
【図3】図1に示すナビゲーションシステムを構成する電子ペンの外観図である。
【図4】図3に示す電子ペンの構成例を示すブロック図である。
【図5】図3に示す電子ペンの読取原理を説明するための説明図である。
【図6】図1に示す電子ペンを用いたナビゲーションシステムの基本構成部分を示すブロック図である。
【図7】図6に示すナビゲーションシステム(情報表示装置)に用いられる地図帳と経路変換テーブルの内容との対応関係を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図9】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の海の領域に二つの取得データ削除領域が設定された地図の例と、それに対応するエリア判定テーブルの例を示す図である。
【図10】図1に示すナビゲーションシステムにおいて、取得データ削除領域を用いた取得データの削除動作を説明するフローチャートである。
【図11】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の海の領域に異なる内容の取得データ削除領域が設けられた地図の例を示す図である。
【図12】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の海の領域に異なる内容の取得データ削除領域が設けられた場合の取得データの削除動作を説明するフローチャートである。
【図13】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の陸地から所定距離離れた海全体が取得データ削除領域として設定された地図の例を示す図である。
【図14】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の都市部の中に取得データ削除領域が設定された例を説明する図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ナビゲーションシステム(情報処理装置)
10 電子ペン(読み取り手段)
30 ナビゲーション装置
31 データ変換部(データ削除手段)
32 データ処理部(データ削除手段)
34 緯度経度変換部
35 緯度経度変換テーブル
37 地図情報処理部
38 表示部
40 エリア判定部
41 エリア判定テーブル
50 地図帳(印刷媒体)
52、53 取得データ削除領域
60 1ストローク削除領域
61 全ストローク削除領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報処理方法、地図情報処理装置および当該地図情報処理装置の機能を実現するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報としての地図を表示するナビゲーション装置において、地図情報の入力あるいは、目的地や目的の店舗、目的地までの経路などユーザが求める地図情報を表示するために、座標位置を認識できる特殊なドットパターンを印刷した専用地図とこのドットパターンを読み取るいわゆる電子ペンとを用いる電子ペンシステムは公知である。そして、この電子ペンで専用地図から読み取る情報は一筆ごとの軌跡(ストローク)として読み取られ、保存、処理される。このため、取得したデータを破棄するには、電子ペンシステム上に保存されているデータの削除(破棄)処理をデータの読み取り処理とは別途行う必要がある。
【0003】
この取得したデータの削除処理を簡便化する手段として、データ消去用の専用用紙を用意し、記入した用紙の消去部分にその消去用紙を添付して再記入する提案がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−085155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子ペンは、従来の筆記用具の形態をとっているため、人が操作するものとしては、馴染みやすいインタフェースになっているが、逆に筆記用具という形態であるため、データの削除が多くなるきらいがある。上述の特許文献1の提案では、データ消去用の専用用紙を用意して、消去用紙を消去したい記入部分に貼付あるいは添付し、その位置を電子ペンで再度読み込ませるという工程が必要であり、ユーザにとって取得したデータの削除処理は煩雑となっている。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するもので、電子ペンなどの読み取り装置で取得したデータの削除の処理が簡便となる地図情報処理方法、地図情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、印刷媒体に地図とパターンとが印刷された媒体からパターンを読み取って座標情報を取得し、当該座標情報に基づいて地図情報を取得し取得した地図情報を処理する地図情報処理方法であって、印刷媒体の地図上の所定の領域が取得データ削除領域として設定され、パターンを読み取る読み取り手段が印刷媒体上の所定の領域を読み取ったときは、読み取り手段で以前に取得したデータの削除の指示であるとして、取得したデータを削除することを特徴とする。
【0007】
処理する地図情報は、車両の走行に関する地図情報であり、取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖または河川であることがよい。
【0008】
処理する地図情報は、車両の走行に関する地図情報であり、取得データ削除領域は、地図上の陸地から所定距離離れた海または湖の領域であることがよい。
【0009】
処理する地図情報は、車両の走行に関する地図情報であり、取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖の領域を所定区画に分け、分けられた領域によって、取得データの削除範囲を区別することがよい。
【0010】
地図上の領域であって、処理する地図情報としては、選択され得ない領域または選択されることが他の領域に比べて少ない領域に所定の面積をもって表された領域を設け、この領域を取得データ削除領域とすることもできる。
【0011】
また、本発明は、座標情報を表すパターンが地図とともに印刷された印刷媒体と、この印刷媒体のパターンを読み取る読み取り装置と、上記読み取り装置が前記印刷媒体上で描画しまたはなぞった軌跡の座標情報に基づいて座標情報に対応する地図情報に変換する地図情報変換手段と、変換された地図情報を処理する地図情報処理手段とを備えた地図情報処理装置において、印刷媒体の地図上の所定領域が、読み取り装置の取得したデータの削除を指示する取得データ削除領域に設定され、取得データ削除領域を読み取り装置が読み取ったことを判定しその操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段を備えることを特徴とする。
【0012】
または、本発明は、コンピュータにインストールすることにより、当該コンピュータを地図情報処理装置の読取装置が、地図上に設定された取得データ削除領域を読み取ったときは、取得データ削除領域を読み取り装置が読み取ったことを判定し、その操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段として機能させるプログラムとしても可能であり、このプログラムは、記録媒体あるいは通信回線を介して提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従前に取得したデータを簡単に削除することができるため、データ削除(廃棄)操作が簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る地図情報処理システムとしてのナビゲーションシステム1全体の構成を示す図である。この例では、ナビゲーションシステム1は、絶対座標が特殊な配列のドットによって書き込まれた印刷媒体としての地図帳50、ナビゲーション装置30およびペン型の入力装置である電子ペン10を主要な構成要素としている。
【0016】
図2は、地図帳50の所定のページに印刷された光学ドットパターンの詳細を説明する図である。この図に示すように、地図帳50の各ページには、図2中の左に示す図2(A)の一部を中央に拡大して示す図2(B)のように、例えば、0.3mm間隔で直交する格子状の縦横線(印刷されず)により形成される各交点を中とした上下左右のいずれか1箇所に赤外線を吸収するドットが配置され、地図情報とともに印刷されている。これらのドットは、図2の中の右にさらに拡大して示す図2(C)のように、格子の中心から上下左右のいずれかの方向に所定量だけずれて印刷されている。6×6=36ドットが集まって、1つの光学ドットパターンを構成し、そのパターンによって中央の値を表示するようになっている。すなわち図2の例で示せば、36ドットの光学ドットパターンDP1は、その中心の4つのドットで囲まれる領域PC1を表すものとなる。領域PC1の1つの左の領域PC2を表す光学ドットパターンは、光学ドットパターンDP1を1列分の格子を左にずらした36ドットのパターンとなる。1ドットは4通りの組み合わせを有することから、1.8mm×1.8mmサイズの1つの光学ドットパターンには4の36乗通りの組み合わせが存在する。1つの光学ドットパターンは、地図帳50の所定のページの位置を示す座標値に変換できる。
【0017】
なお、複数のページのうち、どのページが指定されたかを知る方法としては、例えば、光学ドットパターンにページに関する情報を格納する方法がある。また、全てのページに対して同一の座標系の位置情報を格納する方法もある。すなわち、全てのページを平面上に並べて大きな用紙とした場合に、この大きな用紙の左上隅が原点となるように座標系を設定することができる。
【0018】
印刷媒体としての地図帳50は、赤外線を透過させる通常のインクで地図情報が印刷されるとともに、赤外線を吸収するインクにより光学ドットパターンが印刷されている。光学ドットパターンを電子ペン10が読み取ることにより、後述する方法で地図上における位置を座標値として得ることができる。
【0019】
電子ペン10は、地図帳50の所定のページにおいて、地図帳50に印刷されているそれぞれの地点の光学ドットパターンを読み取る読取部として機能する。電子ペン10は、ペン先が当接する部分の光学ドットパターンを読み取り、その光学ドットパターンを座標値に変換する。また、得られた座標値を、取得データとしてナビゲーション装置30に無線で送信する。
【0020】
また、電子ペン10は、双方向通信可能として、ナビゲーション装置30が送信する通知データを無線で受信し、その通知データに基づき、ユーザに通知する通知部を有することもできる。ユーザに通知する方法としては、視覚、聴覚、嗅覚あるいは触覚等によりユーザが認識できるような各種の方法により出力されることでユーザに通知できる。また、通知用データは、段階的な値とされている。
【0021】
図3は、電子ペン10の外観を示す図である。この図3に示すように、電子ペン10は、略円柱形状を有するハウジング11を有している。なお、電子ペン10の形状は角柱形状など他の形状としてもよい。ハウジング11の底部の一部には、硬質の筆記部材によって構成されるペン先12が設けられている。なお、このペン先12としてはボールペンの芯または実際には筆記されることのない非筆記部材により構成されるペン先12等を採用してもよい。なお、ペン先12の一端はハウジング11の内部で、後述する筆圧センサに接触されている。ハウジング11の底部のペン先12の近傍には、地図帳50に印刷された光学ドットパターンを読み取るための読取部の一部としての赤外線LED(Light Emitting Diode)13と、同じく読取部の一部としてのC−MOS(Complementary−Metal Oxide Semiconductor)カメラ14が設けられている。
【0022】
ハウジング11の側面部には、各色に発光できるものであって、文字情報または画像情報として各種情報を表示して確認できるLCD(Liquid Crystal Display)15が設けられている。LCD15の上部には、例えば、種々の音声により出力等するためのスピーカ16が設けられている。
【0023】
なお、ユーザは、ハウジング11を把持し、地図中の読み取りたい位置にペン先12を接触させることで、その地図の所望の位置を読み取ることができる。このとき、赤外線LED13とC−MOSカメラ14によって読み取られた光学ドットパターンに基づいて、座標値が取得され、その座標値は、取得データとしてナビゲーション装置30に送信される。
【0024】
図4は、図3に示す電子ペン10の構成例を示すブロック図である。この図に示すように、電子ペン10は、赤外線LED13、C−MOSカメラ14、LCD15、スピーカ16、CPU(Central Processing Unit)21、筆圧センサ22、画像処理部23、メモリ24、通信部25、および、音源部26を主要な構成要素としている。
【0025】
ここで、赤外線LED13は、CPU21の制御に基づいて、印刷媒体としての地図帳50の所定のページに赤外線を照射する。C−MOSカメラ14は、地図帳50から反射されてきた赤外線を受光し、光学ドットパターンを読み取る。
【0026】
図5は、地図帳50の所定のページの一部の断面構造を示す図である。この図に示すように、地図帳50のベースとなる紙部51上には、赤外線を吸収するドットインク52によって、図2に示す光学ドットパターンが印刷されている。また、その上には、赤外線を透過する通常インク53によって、地図情報が印刷されている。赤外線LED13から射出された赤外線のうち、ドットインク52に照射された部分は吸収されてC−MOSカメラ14には入射されない。また、通常インク53に照射された部分は透過し、その後、ドットインク52以外の部分を通過する赤外線は、紙部51により反射され、C−MOSカメラ14に入射される。これにより、光学ドットパターンに応じた反転図形の赤外線画像がC−MOSカメラ14に入射される。
【0027】
LCD15は、電子ペン10の通知部として機能すると共に、操作の為の案内表示を行う。スピーカ16は、電子ペン10の通知部として機能すると共に、音によって操作案内を可能としている。さらに電子ペン10全体をオンオフさせるボタンを設けてもよい。
【0028】
CPU21は、電子ペン10の各部を制御する。筆圧センサ22は、印加される圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサによって構成され、ペン先12が書き込み動作による筆圧を検出すると、ONになり、C−MOSカメラ14により光学ドットパターンを読み込むと共に、光学ドットパターンの読み込みに基づくデータを、ナビゲーション装置30に送信する。これらの動作は、電子ペン10に設けられる図示しない操作ボタンによって行ってもよい。
【0029】
画像処理部23は、C−MOSカメラ14に入射された赤外線によって形成された光学ドットパターンに対応する反射した赤外線画像データを入力して画像処理を施すことにより、光学ドットパターンに含まれている情報(座標値)を抽出し、CPU21に供給する。
【0030】
メモリ24は、フラッシュメモリまたは他の記憶媒体によって構成されており、CPU21が実行する基本的なプログラムおよび定数を格納している。また、メモリ24は、CPU21が演算処理を実行する際に、演算途中のプログラムまたはデータを一時的に格納する、あるいは、CPU21からの制御指令に基づいて通信部25からの通信情報を一時的に記憶する。
【0031】
通信部25は、受信部および送信部の両方として機能する。通信部25は、無線通信、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の規格に基づいて、ナビゲーション装置30との間で、アンテナを介して情報を授受する。なお、無線通信の代わりに、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のケーブルを用いて、ナビゲーション装置30と電子ペン10とを有線接続し、情報を授受するようにしてもよい。しかし、無線で接続した場合には、より電子ペン10を使用しやすいものとすることができる。
【0032】
音源部26は、CPU21にて処理された音響データ(例えば、圧縮処理が施されているデータ)を、再生可能な音響信号に変換する。つまり、音源部26は、デコーダとして機能する。音源部26にて変換された再生可能な音響信号(アナログ信号)は、アンプ(不図示)にて増幅され、スピーカ16から音響として出力される。
【0033】
ナビゲーション装置30は、本実施の形態において、電子ペン10が取得したデータを受信する。具体的には、ナビゲーション装置30は、読取部となる電子10より受信した取得情報としての座標値を、1次情報としての緯度経度に変換し、その緯度経度を、2次情報としての通知用データに変換する変換部を有する。さらに、ナビゲーション装置30は、自動車等に設置されて、目的地あるいは所望の経路等を入力することで、現在地から目的地までの経路を画像および音声等でナビゲーション(案内)する装置として機能してもよい。
【0034】
図6は、電子ペン10を使った情報表示装置となる車両走行用のナビゲーションシステム1の主要構成を示すブロック図である。なお、情報表示方法については、ナビゲーションシステム1の動作とあわせて説明する。このナビゲーションシステム1では、電子ペン10と地図とともに特殊なドットパターンが印刷された地図を兼ねる専用の地図帳50とが一対で使用される。車両に搭載されるナビゲーション装置30側には、電子ペン10で取得された紙面の座標情報を地理座標情報に変換するデータ変換部31と、変換された地理座標情報に基づいてナビゲーション装置としてのアプリケーションに沿ってデータ処理を行い、その結果を表示するデータ処理部32とを備える。
【0035】
データ変換部31には、電子ペン10で取得された座標情報を緯度経度情報の地理情報に変換してデータ処理部32に出力する緯度経度変換部34と、紙面の座標情報と緯度経度との対応関係を記憶し、緯度経度変換部34が参照する経度緯度変換テーブル35を備える。
【0036】
データ処理部32は、緯度経度変換部34で変換された地理情報が入力され、アプリケーションに沿って、地理情報に基づき、例えば、目的地までの車両の経路情報を検索する処理を行う地図情報処理部37と、この地図情報処理部37の処理結果をディスプレイなどに表示する表示部38とを備える。地図情報処理部37は、ナビゲーション機能としての種々の地図情報の処理を行う部分であり、ユーザによって指示された内容に基づいて、指示された目的地までの経路の地図を表示し、あるいは表示する地図を拡大するなどナビゲーション機能としての情報処理を行う。
【0037】
ここで、緯度経度変換テーブル35について図7を参照して説明する。図7は、緯度経度変換テーブル35に記録されている地図帳のドットパターンの座標情報と経度緯度の地理情報との対応関係のデータを示す図である。地図帳の1〜Nページについて、それぞれ、頁の基準点を左上端とする場合に、頁ごとに、基準点のxy座標に対応する緯度、経度のデータおよび縮尺が記憶されており、電子ペン10が地図帳上で描いたストローク(軌跡あるいは筆跡)の座標情報を地理情報である緯度経度情報に変換することができる。電子ペン10の筆圧センサ22および画像処理部23からの出力によって、電子ペン10が専用シート50上を移動したストロークの範囲のデータが分かるので、緯度経度変換部34で電子ペン10のストローク情報は紙面上の座標情報から緯度経度の情報に変換されて、データ処理部32に入力され、指示されたデータ処理の結果が表示部38に出力される。
【0038】
次に、本実施の形態の取得したデータを削除(破棄)するための構成を図8に示す。図6との相違点は、データ変換部31にエリア判定部40およびエリア判定テーブル41を設けたことにある。エリア判定テーブル41には、地図上で電子ペン10のストロークが取得したデータの削除を指示する領域の情報が記録されている。エリア判定部40は、このエリア判定テーブル41を参照して、電子ペン10のストロークの座標情報から、ストローク情報を削除する領域が指示されたのか、地図情報の取得が指示されたのかを判定する。
【0039】
ここで図9にデータ削除領域が設定された地図の例を示す。この例は、海が取得情報の削除領域として設定された例を示すもので、図9では地図に対応して、下側にエリア判定テーブルの例が示されている。海の領域が削除領域として設定されるのは、車両の走行地点として選択されることはないからである。この例は、頁nに表示された海の領域のうち、二つの矩形の領域がデータ削除領域として設定されている場合である。このデータ削除領域の座標は、第一の削除領域の座標は、左上の座標が(Xn1,Yn1)、右下の座標が(Xn2,Yn2)、第二の削除領域の座標は、左上の座標が(Xn3,Yn3)、右下の座標が(Xn4,Yn4)に設定されている例である。
【0040】
地図上では、地理座標に紐付けされた地図関連情報が少ないあるいは地図関連情報の無い領域が存在する。また、車両の走行経路として表示する必要がないため、地点情報を必要としない領域が存在する。例えば海や湖、あるいは河川などである。このような地点情報や地図関連情報のない領域は、電子ペン10でのデータ取得に利用されることはないので、別途、別のコマンドを指示する領域として設定しても問題はない。このため、海あるいは湖など陸上ではない領域を電子ペン10で取得したデータを削除するためのコマンドを指示する領域として設定しておき、この領域内で電子ペン10のストロークが描かれたときには、直前の電子ペン10のストロークデータを削除するという処理を行う。地点情報のある陸地は、地図情報を取得する領域とし、地点情報のない海や湖、河川などは、データの削除するための領域として設定しておくことで、面倒な取得データ削除処理を簡便に行うようにできる。また、専用の地図帳の任意の領域をデータ削除領域として設定できるため、印刷物のデザインの美観を損なうことがない。
【0041】
図10に削除領域判定処理のフローチャートを示して、電子ペン10による地図情報の取得とデータ削除の動作を説明する。
【0042】
電子ペン10により専用シート50(地図帳)上にストローク(軌跡)を描いて、座標情報を取得する(ステップS1)。取得したストロークデータの代表値を決定して、どの領域が指示されたかを決定するため、取得したストロークデータの平均値などをとって、その代表値を決定する(ステップS2)。この処理は、どの領域(エリア)にストロークを描いたかを判定するためである。そして、その値から、エリアを判定し(ステップS3)、データ取得領域内である場合には、緯度経度変換テーブル35を参照して紙面座標を地理座標(緯度経度情報)に変換する(ステップS4)。そして、変換された地理座標に基づいてアプリケーションに沿って、電子ペン10の取得データを処理する(ステップS5)。この処理は、例えば、取得した目的地点をナビゲーション装置30の表示画面に表示するなどの処理である。
【0043】
一方、電子ペン10がデータ削除領域をなぞり、あるいは描画し、あるいは領域内を指示した場合には、直前に電子ペン30が描いたストロークデータを破棄する処理を行う(ステップS6)。そして、直前のストロークデータを使用した処理をキャンセルする(ステップS7)。この処理は、例えば、電子ペン10で目的地を指示してこれを画面に表示するようにした処理要求をした場合に誤った目的地を指示した場合に、削除領域を電子ペン10を用いて、なぞりあるいは指定等の動作を行うことにより、前の指示をキャンセルする処理になる。このキャンセル処理により、取得したデータは破棄されて削除されるため、仮に誤った地点を指示してデータ取得した場合に、その誤ったデータの削除が簡単に行える。また、データの削除を行った場合に、ユーザがデータが削除されたことを確認可能とするために、音で報知したり、その旨の表示を行うようにすることがよい。
【0044】
図11には、データ削除の別の実施の態様を示す。この図11に示す例は、海をデータ削除の領域として用いる点では、図9と共通するが、削除のコマンドの内容を削除領域によって異なるものにする例である。すなわち、削除領域を二つにわけ、一つの削除領域は、直前の電子ペン10のストロークのデータを削除する1ストローク削除領域61として設定し、もう一つは、すべてのストロークのデータを削除する全ストローク削除領域62として設定する例である。このように削除領域によって、削除の内容を異なるものとすることで、データの削除指示を容易にすることが可能である。
【0045】
図11のデータ削除領域によって異なる削除内容とする場合のフローチャートを図12に示す。この場合、図10のフローチャートにおいて、エリア判定の結果、どのデータストローク削除領域を指示したかによって処理が二つに分岐する(ステップS8)。1ストローク削除領域61が選択された場合は、直前の1ストロークのデータが破棄、削除され(ステップS9)、直前の1ストロークデータを使用した処理がキャンセルされる(ステップS10)。全ストローク削除領域62が選択された場合には、電子ペン10による取得データがすべて破棄、削除され(ステップS11)、取得した全ストロークのデータを使用した処理はキャンセルされることになる(ステップS12)。全ストローク削除の場合には、いわば電子ペン10によるデータ取得処理が初期化される状態になる。
【0046】
図13は、別の実施の態様を示すもので、図10では、海に所定の矩形のデータ削除領域を設定したものであったが、図13に示す例は、海や湖については、陸地から所定距離離れた領域をあらかじめデータ削除領域として設定しておく例である。上述のように、海や湖で陸から離れたところが車両走行に当たって電子ペン10で指示されることはほとんどないため、海や湖で陸地から所定距離離れたところをデータ削除領域としてあらかじめ設定しておけば、ユーザは、海や湖の全体がデータ削除領域として認識することができ、海や湖のどの領域がデータ削除領域であるかを識別する必要がないため、データ削除作業が簡便である利点がある。この場合、陸地から何km離れた領域全体が削除領域となるようにエリア判定テーブル41の内容を設定しておく。
【0047】
図14は、海や湖がない場合の例である。地図帳の頁全体に都市が表されている場合、その頁にデータ削除領域を設けることは難しい。他の頁のデータ削除領域として設定されている海や湖を開いて取得データの削除処理を行うことはもちろん可能であるが、そのような海や湖がある頁を探して開く作業が煩わしく感じられることがある。車両走行に際して、都市部の地図でもあまり電子ペン10で指示することの少ない場所があれば、そのような地点を選んで、その地点を枠で囲ってデータ削除領域としてもよい。例えば、森林のような場合には、地図上で広い面積を占めるが、車両走行に当たって電子ペン10を用いて地図情報の取得を行うことは少ない。このような場合には、森林の部分を枠で囲み、この領域を走行経路の地点情報がない空白領域とし、かつその部分をデータ削除領域として明示することで、電子ペン10で取得したデータの削除を行うことは可能である。また、森林以外にも、畑や山地も車両走行に際して電子ペン10によるデータ取得が行われることがほとんどないので、海等と同じく、データ削除領域として利用することも可能である。
【0048】
なお、実施の態様では、図9のデータ削除領域を電子ペン10の直前のストローク(軌跡)データだけ削除するための領域として説明したが、全軌跡データの削除領域としてもよい。
【0049】
また、上記実施例において、海や湖等を用いてデータを消去した場合、データを消去した旨をユーザが確認可能とする必要もある。この場合、ビープ音や、単に「消去しました」などと表示してもよいが、本発明においては、海や湖、森林等公共の場所を利用することになるため、「海を汚さないでね」「自然を大切に」などの表示を行ってもよい。
【0050】
なお、本発明の実施の形態に係る地図情報処理装置および地図情報処理方法は、プログラムとしても実現できる。このプログラムは、ナビゲーションシステム1を構成するコンピュータにインストールすることができる。上述のナビゲーション装置の機能を実現することができる。このプログラムは、記録媒体を介し、あるいはネットワークを介してインストールすることができ。また、このプログラムは、暗号化された形でも提供することが可能である。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。
【0052】
たとえば、各実施の形態において、電子ペン10は、光学ドットパターンから座標値を得て、その得られた座標値を送信し、通知用データを受信して出力するものとしているが、このような形態に限らない。例えば、座標値を1次情報に変換して送信するものでもよい。電子ペン10が座標値を送信することで、送信するデータの容量が小さいため好ましい。
【0053】
また、各実施の形態に係る地図帳50は、図2のような0.3mm間隔で赤外線を吸収するドットが、地図情報とともに印刷されているものとしている。しかし、このようなものに限らず、座標値として得られるようなパターンであればよい。例えば、ドットで構成されていないパターンを用いてもよい。また、磁気式のドットなど他の方式のパターンでもよい。
【0054】
上述の実施の形態では、光学式の電子ペン10を用いて地図情報を取得したが、地図から座標データを取得できるものであれば、磁気式の読み取り装置を使用してもよい。
【0055】
また、叙述した各実施の形態では、車両走行用のナビゲーションシステムとして説明し、扱う地図情報は陸地を対象としたが、船舶用のナビゲーションシステムとしてもよい。その場合、処理する地図情報は、海の部分となるので、取得データ削除領域は陸地の部分に決定される。
【0056】
また、上記の実施形態では、印刷媒体として紙の例で説明したが、紙の他に、セルロイド等の樹脂、金属などを用いてもよい。また、上記の実施形態では電子ペン10で描画する例で説明しが、描画ではなく、単になぞるのみとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステムの一例を示すシステム図である。
【図2】図1に示すナビゲーションシステムを構成する地図帳を説明するための説明図である。
【図3】図1に示すナビゲーションシステムを構成する電子ペンの外観図である。
【図4】図3に示す電子ペンの構成例を示すブロック図である。
【図5】図3に示す電子ペンの読取原理を説明するための説明図である。
【図6】図1に示す電子ペンを用いたナビゲーションシステムの基本構成部分を示すブロック図である。
【図7】図6に示すナビゲーションシステム(情報表示装置)に用いられる地図帳と経路変換テーブルの内容との対応関係を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るナビゲーションシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図9】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の海の領域に二つの取得データ削除領域が設定された地図の例と、それに対応するエリア判定テーブルの例を示す図である。
【図10】図1に示すナビゲーションシステムにおいて、取得データ削除領域を用いた取得データの削除動作を説明するフローチャートである。
【図11】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の海の領域に異なる内容の取得データ削除領域が設けられた地図の例を示す図である。
【図12】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の海の領域に異なる内容の取得データ削除領域が設けられた場合の取得データの削除動作を説明するフローチャートである。
【図13】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の陸地から所定距離離れた海全体が取得データ削除領域として設定された地図の例を示す図である。
【図14】図1に示すナビゲーションシステムで用いられる地図帳の都市部の中に取得データ削除領域が設定された例を説明する図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ナビゲーションシステム(情報処理装置)
10 電子ペン(読み取り手段)
30 ナビゲーション装置
31 データ変換部(データ削除手段)
32 データ処理部(データ削除手段)
34 緯度経度変換部
35 緯度経度変換テーブル
37 地図情報処理部
38 表示部
40 エリア判定部
41 エリア判定テーブル
50 地図帳(印刷媒体)
52、53 取得データ削除領域
60 1ストローク削除領域
61 全ストローク削除領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に地図とパターンとが印刷された媒体から上記パターンを読み取って座標情報を取得し、当該座標情報に基づいて地図情報を取得し取得した地図情報を処理する地図情報処理方法であって、
上記印刷媒体の地図上の所定の領域が取得データ削除領域として設定され、
上記パターンを読み取る読み取り手段が上記印刷媒体上の上記所定の領域を読み取ったときは、上記読み取り手段で以前に取得したデータの削除の指示であるとして、取得したデータを削除する
ことを特徴とする地図情報処理方法。
【請求項2】
前記処理する地図情報は車両の走行に関する地図情報であり、
前記取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖または河川であることを特徴とする請求項1記載の地図情報処理方法。
【請求項3】
前記処理する地図情報は車両の走行に関する地図情報であり、
前記取得データ削除領域は、地図上の陸地から所定距離離れた海または湖の領域であることを特徴とする請求項2記載の地図情報処理方法。
【請求項4】
前記処理する地図情報は車両の走行に関する地図情報であり、
前記取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖の領域を所定区画に分け、分けられた領域によって、取得データの削除範囲を区別することを特徴とする請求項2記載の地図情報処理方法。
【請求項5】
前記地図上の領域であって、前記処理する地図情報としては選択され得ない領域または選択されることが他の領域に比べて少ない領域に所定の面積をもって表された領域を設け、この領域を取得データ削除領域とする請求項1記載の地図情報処理方法。
【請求項6】
座標情報を表すパターンが地図とともに印刷された印刷媒体と、
この印刷媒体のパターンを読み取る読み取り装置と、
上記読み取り装置が前記印刷媒体上で描画しまたはなぞった軌跡を解析して軌跡の座標情報に基づいて座標情報に対応する地図情報に変換する地図情報変換手段と、
変換された地図情報を処理する地図情報処理手段と
を備えた地図情報処理装置において、
上記印刷媒体の地図上の所定領域が、前記読み取り装置の取得したデータの削除を指示する取得データ削除領域に設定され、
上記取得データ削除領域を上記読み取り装置が読み取ったことを判定しその操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段を備える
ことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項7】
前記取得データ削除領域は、地図上の海または湖または河川であることを特徴とする請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
前記取得データ削除領域は、陸地から所定距離離れた海または湖の領域であることを特徴とする請求項7記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
前記取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖の領域を所定区画に分け、分けられた領域によって取得データの削除範囲が区別されることを特徴とする請求項7記載の地図情報処理装置。
【請求項10】
前記地図上に所定の面積の地点情報がない領域を設け、この地点情報がない領域が取得データ削除領域として設定された請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータにインストールすることにより、
当該コンピュータを請求項6〜10記載のいずれか1項記載の取得データ削除手段として機能させるプログラム。
【請求項1】
印刷媒体に地図とパターンとが印刷された媒体から上記パターンを読み取って座標情報を取得し、当該座標情報に基づいて地図情報を取得し取得した地図情報を処理する地図情報処理方法であって、
上記印刷媒体の地図上の所定の領域が取得データ削除領域として設定され、
上記パターンを読み取る読み取り手段が上記印刷媒体上の上記所定の領域を読み取ったときは、上記読み取り手段で以前に取得したデータの削除の指示であるとして、取得したデータを削除する
ことを特徴とする地図情報処理方法。
【請求項2】
前記処理する地図情報は車両の走行に関する地図情報であり、
前記取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖または河川であることを特徴とする請求項1記載の地図情報処理方法。
【請求項3】
前記処理する地図情報は車両の走行に関する地図情報であり、
前記取得データ削除領域は、地図上の陸地から所定距離離れた海または湖の領域であることを特徴とする請求項2記載の地図情報処理方法。
【請求項4】
前記処理する地図情報は車両の走行に関する地図情報であり、
前記取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖の領域を所定区画に分け、分けられた領域によって、取得データの削除範囲を区別することを特徴とする請求項2記載の地図情報処理方法。
【請求項5】
前記地図上の領域であって、前記処理する地図情報としては選択され得ない領域または選択されることが他の領域に比べて少ない領域に所定の面積をもって表された領域を設け、この領域を取得データ削除領域とする請求項1記載の地図情報処理方法。
【請求項6】
座標情報を表すパターンが地図とともに印刷された印刷媒体と、
この印刷媒体のパターンを読み取る読み取り装置と、
上記読み取り装置が前記印刷媒体上で描画しまたはなぞった軌跡を解析して軌跡の座標情報に基づいて座標情報に対応する地図情報に変換する地図情報変換手段と、
変換された地図情報を処理する地図情報処理手段と
を備えた地図情報処理装置において、
上記印刷媒体の地図上の所定領域が、前記読み取り装置の取得したデータの削除を指示する取得データ削除領域に設定され、
上記取得データ削除領域を上記読み取り装置が読み取ったことを判定しその操作前に取得したデータを削除する取得データ削除手段を備える
ことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項7】
前記取得データ削除領域は、地図上の海または湖または河川であることを特徴とする請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
前記取得データ削除領域は、陸地から所定距離離れた海または湖の領域であることを特徴とする請求項7記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
前記取得データ削除領域は、地図上に表された海または湖の領域を所定区画に分け、分けられた領域によって取得データの削除範囲が区別されることを特徴とする請求項7記載の地図情報処理装置。
【請求項10】
前記地図上に所定の面積の地点情報がない領域を設け、この地点情報がない領域が取得データ削除領域として設定された請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータにインストールすることにより、
当該コンピュータを請求項6〜10記載のいずれか1項記載の取得データ削除手段として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−229824(P2009−229824A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−75327(P2008−75327)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】
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