地図情報処理装置
【課題】正常な地図表示やルート案内を可能にする地図情報処理装置を提供する。
【解決手段】位置検出手段15と、地図情報記憶部16aと、位置検出手段で検出された位置に対応する道路が、地図情報記憶部から取得した道路情報中に存在しない場合に、該道路を新規道路として検出し、該検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を生成する新規道路検出部19と、新規道路検出部で生成された新規道路走行履歴情報に基づき新規道路情報を生成する新規道路生成部20と、新規道路生成部で生成された新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部16bと、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報を編集する新規道路編集部23と、新規道路編集部で編集された新規道路情報を、地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新する道路情報更新部21とを備えている。
【解決手段】位置検出手段15と、地図情報記憶部16aと、位置検出手段で検出された位置に対応する道路が、地図情報記憶部から取得した道路情報中に存在しない場合に、該道路を新規道路として検出し、該検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を生成する新規道路検出部19と、新規道路検出部で生成された新規道路走行履歴情報に基づき新規道路情報を生成する新規道路生成部20と、新規道路生成部で生成された新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部16bと、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報を編集する新規道路編集部23と、新規道路編集部で編集された新規道路情報を、地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新する道路情報更新部21とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図情報を処理する地図情報処理装置に関し、特に新規道路を検出して地図情報に組み込む技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるナビゲーション装置が知られている。このナビゲーション装置に内蔵される地図情報処理装置は、予め記憶された地図情報に基づいて表示装置に地図を表示させる。運転者は、この表示装置に表示された地図を見ることにより自車両の位置を確認しながら運転を行うことができるので、道に迷うことなく、目的地に確実且つ短時間で到着できる。
【0003】
このようなナビゲーション装置として、自己が保有している地図情報に存在しない道路を走行した場合に、走行履歴から新規道路を検出し、保有している地図情報に追加または更新するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このナビゲーション装置は、車両の走行履歴に基づいて検出された新規道路の始点と終点を、記憶されている地図情報に含まれる既存の道路に接続する処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−243469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示されたナビゲーション装置においては、記憶されている地図情報には、その作成プロセス上、実際の位置との誤差が存在する。また、ナビゲーション装置に搭載されたGPS(Global Positioning System)アンテナで取得した位置情報にも誤差が含まれている。そのため、上述した特許文献1に記載された技術では、始点および終点の位置が実際の新規道路の始点および終点の位置とはずれてしまう可能性がある。その結果、ナビゲーション装置におけるルート案内が異常になる場合があり、最悪の場合は、実際とは異なる既存道路に接続された新規道路を表示し、また、ルート案内を行うという問題がある。
【0006】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、正常な地図表示やルート案内を可能にする地図情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る地図情報処理装置は、上記課題を解決するために、自已の位置を検出する位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、位置検出手段で検出された位置に対応する道路が、地図情報記憶部から取得した道路情報中に存在しない場合に、該道路を新規道路として検出し、該検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を生成する新規道路検出部と、新規道路検出部で生成された新規道路走行履歴情報に基づき新規道路情報を生成する新規道路生成部と、新規道路生成部で生成された新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部と、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する基準地点として新規に追加する地点を指定する追加基準地点指定手段と、追加基準地点指定手段で指定された基準地点を含む新規道路情報を生成して編集する新規道路編集部と、新規道路編集部で編集された新規道路情報を、地図情報記憶部に追加するとともに、新規道路情報と地図情報記憶部に記憶された既存の道路情報とを接続することにより道路情報を更新する道路情報更新部とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る地図情報処理装置によれば、検出された新規道路に基づき生成された新規道路情報を編集できるように構成したので、例えば、道路地図上の始点および終点の位置が実際の新規道路の始点および終点の位置とずれている場合は補正することができる。その結果、正常な地図表示やルート案内が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置を構成するナビゲーション装置が新規道路を走行したときの走行イメージを示す図である。
【図3】図1に示したナビゲーション装置の構成要素のうち、新規道路検出処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される新規道路検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で使用される新規道路情報の例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される接続判定処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される接続判定処理を説明するための説明図である。
【図8】図1に示したナビゲーション装置の構成要素のうち、新規道路編集処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される新規道路編集処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路情報の更新例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路編集処理で行われる編集の他の例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路編集処理で行われる編集のさらに他の例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路編集処理で行われる編集のさらに他の例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において、新規道路の地点座標を追加するイメージを示す図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において実行される地点追加処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において実行される地点追加処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において、新規道路の地点座標を削除するイメージを示す図である。
【図18】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において実行される地点削除処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。
【図19】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において、新規道路の地点座標を削除する場合の他の方法を説明するための図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係る地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態3に係る地図情報処理装置に表示される確認メッセージの例を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置における自動形状補正を説明するための図である。
【図23】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置における自動形状補正処理によって、道路の形状を自動的に補正するイメージを示す図である。
【図24】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置において実行される自動形状補正処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置において実行される自動形状補正処理の変形例を説明するための図である。
【図26】この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図27】この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置を構成するナビゲーション装置の走行により新規道路の形状を補正するイメージを示す図である。
【図28】この発明の実施の形態6に係る地図情報処理装置において、移動対象となる基準地点の推定イメージを示す図である。
【図29】この発明の実施の形態6に係る地図情報処理装置において、移動先の地点座標の推定イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面にしたがって説明する。なお、以下の各実施の形態において、同一または相当する構成部分には同一の符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。この地図情報処理装置は、ナビゲーション装置1と、このナビゲーション装置1に接続された表示装置40、音声出力装置41、入力装置42、車速センサ43、角速度センサ44およびGPS受信アンテナ45から構成されている。
【0011】
ナビゲーション装置1は、表示地図計算部10、経路計算部11、表示制御部12、音声出力制御部13、入力受信部14、測位部15、HDD(Hard Disk Drive)16、HDDアクセス部17、一時記憶メモリ部18、新規道路検出部19、新規道路生成部20、道路情報更新部21、新規道路管理部22、新規道路編集部23および中央制御部25から構成されている。
【0012】
中央制御部25は、予めプログラムされた手順に従い、表示地図計算部10、経路計算部11、表示制御部12、音声出力制御部13、入力受信部14、測位部15、HDDアクセス部17、一時記憶メモリ部18、新規道路検出部19、新規道路生成部20、新規道路管理部22、新規道路編集部23および道路情報更新部21の起動および停止、ならびに、これら構成要素の相互間のデータの送受を制御する。以下においては、説明が煩雑になることを避けるために、上述した構成要素の相互間のデータの送受は中央制御部25を経由して行われる旨の記述は省略する。
【0013】
表示地図計算部10は、HDD16の地図情報記憶部16aからHDDアクセス部17を介して送られてくる地図情報およびHDD16の新規道路情報記憶部16bからHDDアクセス部17を介して送られてくる新規道路情報から表示用の地図画像を計算する。この表示地図計算部10における計算により得られた地図画像は、表示制御部12に送られる。
【0014】
経路計算部11は、入力受信部14から入力された地点または測位部15から送られてきた地点のうちの任意の2点間の推奨経路を、HDD16の地図情報記憶部16aからHDDアクセス部17を介して送られてくる地図情報に基づき計算する。この経路計算部11で計算された推奨経路は、表示制御部12に送られる。表示制御部12は、表示地図計算部10から送られてきた表示用の地図画像および経路計算部11から送られてきた推奨経路等を、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、表示装置40に地図および推奨経路が表示される。
【0015】
音声出力制御部13は、経路計算部11から送られてきた推奨経路に従って目的地までの案内を行う音声情報や、地図情報に含まれている情報を運転者に知らせるための音声情報を、音声出力装置41が出力可能な形式に変換し、該音声出力装置41に送る。入力受信部14は、入力装置42から送られてくる入力信号を受け取り、表示地図計算部10、経路計算部11等に送る。
【0016】
測位部15は、この発明の位置検出手段に対応する。この測位部15は、車速センサ43、角速度センサ44およびGPS受信アンテナ45から送られてくる信号に基づいて、自己(当該地図情報処理装置が搭載された車両をいう。以下においても同じ)の現在位置を検出して位置情報を生成するとともに、生成した位置情報とHDD16に記憶されている道路情報を照合し、自己の現在位置が道路情報で表されている何れの道路の何れの位置に該当するかを算出する。この測位部15は、表示地図計算部10において自己の周囲の地図を表示するための計算が行われる場合、または、経路計算部11において自己の現在位置から入力地点への推奨経路が計算される場合には、測位結果を表示地図計算部10または経路計算部11に送る。
【0017】
HDD16は、地図情報を記憶する地図情報記憶部16aと新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部16bとを備えている。地図情報記憶部16aには、当該地図情報処理装置の出荷時に、道路情報を含む地図情報が記憶されている。新規道路情報記憶部16bは、出荷時に地図情報記憶部16aに記憶された地図情報に存在しない道路を走行した場合に、その道路を表す新規道路情報が追加される領域である。HDDアクセス部17は、中央制御部25からの指示に応じて、HDD16へのデータの書き込みおよびHDD16からのデータの読み出しを制御する。
【0018】
一時記憶メモリ部18は、例えば揮発性メモリから構成されており、種々の情報を一時的に記憶するために使用される。中央制御部25に接続されている各構成要素は、HDD16に記憶されている地図情報や新規道路情報に含まれている道路(以下、「既存道路」という)の道路情報を使用してそれぞれの処理を実行する際には、その処理の過程において使用するメッシュに該当する地図領域の地図情報や新規道路情報をHDDアクセス部17によってHDD16から読み出し、読み出した情報を一時記憶メモリ部18に保存して使用する。
【0019】
新規道路検出部19は、HDD16の地図情報記憶部16aからHDDアクセス部17を介して送られてくる地図情報に含まれる道路情報と測位部15から送られてくる位置情報とを比較することにより、地図情報に含まれる道路情報に存在しない新規道路を検出し、この検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を新規道路生成部20に送る。
【0020】
新規道路生成部20は、新規道路検出部19から送られてくる新規道路走行履歴情報から新規道路情報を生成し、新規道路情報記憶部16bに蓄積する。また、新規道路生成部20は、新規道路情報の生成が完了すると、道路情報更新部21に対し、道路情報の更新要求を発行する。道路情報更新部21は、この更新要求に応答して、新規道路生成部20によって生成された道路更新情報に基づき、HDD16の内部の地図情報および道路情報を更新する。新規道路管理部22は、新規道路情報記憶部16bに蓄積されている新規道路情報を管理する。新規道路編集部23は、入力受信部14から受信した入力情報に応じて新規道路情報を編集する。
【0021】
ナビゲーション装置1に接続される表示装置40は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、表示制御部12から送られてくる表示用の地図画像または推奨経路のデータに基づき地図または推奨経路等を表示する。音声出力装置41は、例えばスピーカから構成されており、推奨経路に従って目的地までの案内を行う音声や、地図情報に含まれている情報を音声で出力する。
【0022】
入力装置42は、表示装置40に表示したい地図領域や、推奨経路の計算を行いたい始点や終点を入力する。この入力装置42は、例えばナビゲーション装置の前面に配される本体パネルに設置された入力ボタン、入力ボタンと同等の入力信号を発信するリモートコントローラ(リモコン)、表示装置40の画面上に設定されたタッチパネル、音声操作を行うための音声入力用マイクロホン、または、これらの組合せによって構成できる。
【0023】
車速センサ43は、自己が移動する速度を検出する。この車速センサ43で検出された速度は、測位部15に送られる。角速度センサ44は、自己の方向変化を検出する。この角速度センサ44で検出された方向変化は、測位部15に送られる。GPS受信アンテナ45は、GPS衛星から送られてくる電波を受信する。このGPS受信アンテナ45で電波を受信することにより得られたGPS信号は、測位部15に送られる。
【0024】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置の動作を、新規道路検出処理および新規道路編集処理を中心に説明する。
【0025】
(1−1)新規道路検出処理
図2は、ナビゲーション装置1が搭載された車両が新規道路を走行したときの走行イメージを示す図である。図2において、始点Aと終点Bは、既存道路における交差点であり、交差点間を結ぶ道路(破線で示す)が新規道路として検出される。
【0026】
図3は、図1に示したナビゲーション装置1の構成要素のうち、新規道路検出処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図であり、HDD16を除く各構成要素はソフトウェア処理によって実現されている。図4は、新規道路検出処理の詳細を示すフローチャートである。以下、図3に示すブロック図および図4に示すフローチャートを参照しながら新規道路検出処理の詳細を説明する。
【0027】
新規道路検出処理では、まず、新規道路始点検出処理が行われる(ステップST11)。次いで、新規道路の始点が検出されたかどうかが調べられる(ステップST12)。このステップST12において、新規道路の始点が検出されなかったことが判断されると、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0028】
一方、ステップST12において、新規道路の始点が検出されたことが判断されると、次いで、新規道路終点検出処理が行われる(ステップST13)。次いで、新規道路の終点が検出されたかどうかが調べられる(ステップST14)。このステップST14において、新規道路の終点が検出されなかったことが判断されると、シーケンスはステップST13に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST14において、新規道路の始点が検出されたことが判断されると、シーケンスはステップST15に進む。
【0029】
なお、上述した新規道路始点検出処理および新規道路終点検出処理において、既存の地図情報に存在しない道路を走行しているかどうかを判定する処理については、例えば、本願出願人が先に出願した特開2006−53123号公報に詳細に記載されているので、必要に応じて参照されたい。
【0030】
上述したステップST11〜ST14の処理によって新規道路の始点および終点が検出されると、次いで、新規道路情報の生成処理が実行される(ステップST15)。すなわち、新規道路検出部19は、上述したステップST11〜ST14によって検出された始点Aから終点Bまでの新規道路走行履歴情報を新規道路生成部20に送る。新規道路走行履歴情報は、例えば図5の「地点座標(走行履歴)」の欄に示すような、始点Aから終点Bまでの所定時間間隔毎の地点座標リストから構成されている。
【0031】
新規道路生成部20は、新規道路検出部19から受け取った新規道路走行履歴情報によって示される始点および終点が既存道路の交差点上の点であるかどうかといった接続関係を判定する接続判定処理を行い、始点および終点の接続関係を示す接続情報として「既存」、「新規」または「接続なし」のいずれかを設定する。これにより、図5に示すような新規道路情報が生成される。
【0032】
図6は、接続判定処理を示すフローチャートであり、図7は、接続判定処理を説明するための説明図である。この接続判定処理では、まず、始点と既存道路との間の距離dが所定値d1より大きいかどうかが調べられる(ステップST21)。このステップST21において、例えば図7(a)に示すように、始点Aと既存道路との間の距離dが所定値d1より大きいことが判断されると、始点の接続情報として「接続なし」が設定される(ステップST22)。
【0033】
上記ステップST21において、始点と既存道路との間の距離dが所定値d1以下であることが判断されると、次いで、始点と既存交差点との間の距離dが所定値d2より大きいかどうかが調べられる(ステップST23)。このステップST23において、例えば図7(b)に示すように、始点Aと既存交差点との距離dが所定値d2より大きいことが判断されると、始点の接続情報として「新規」が設定される(ステップST24)。
【0034】
上記ステップST23において、例えば図7(c)に示すように、始点Aと既存交差点との間の距離dが所定値d2以下であることが判断されると、始点の接続情報として「既存」が設定される(ステップST25)。なお、図6および図7においては、新規道路の始点Aの接続関係を判定する場合についてのみ示しているが、新規道路の終点Bの接続関係を設定する場合も同様である。
【0035】
新規道路生成部20は、以上のようにして生成した新規道路情報を、HDDアクセス部17を介して、HDD16の新規道路情報記憶部16bに書き込むとともに、道路情報更新部21に対し、道路情報の更新要求を発行する。
【0036】
次いで、道路情報更新処理が実行される(ステップST16)。すなわち、道路情報更新部21は、新規道路生成部20からの更新要求に応答して、新規道路情報に含まれる接続情報も加味して、既存の地図情報に含まれる道路情報と新規道路情報とを接続する地図更新処理を行う。この地図更新処理の詳細については、例えば上述した特開2006−53123号公報に記載されているので、必要に応じて参照されたい。
【0037】
また、道路情報更新部21は、地図更新処理が完了すると、更新通知を新規道路管理部22に送る。更新通知を受け取った新規道路管理部22は、HDDアクセス部17を介して、HDD16から更新された地図情報(既存地図および新規道路情報)を読み出し、その内部に保有し、管理している新規道路リスト(図示は省略する)を更新する。
【0038】
なお、上述した新規道路検出処理では、接続関係として、新規道路が既存道路の交差点に接続される場合についてのみ説明したが、新規の交差点が作成される場合、既存道路に接続されない場合も同様である。
【0039】
また、上述した新規道路検出処理では、新規道路走行履歴情報をそのまま利用して新規道路情報を生成するように構成したが、新規道路情報のデータサイズを削減するために、新規道路走行履歴情報を適宜間引きして新規道路情報を生成するように構成することもできる。この場合、地点座標によって示される道路の形状が直線になる場合は、直線上の点(端点を除く)を省くことができる。
【0040】
(1−2)新規道路編集処理
新規道路編集処理では、上述した新規道路検出処理によって検出された新規道路に対応して生成された新規道路情報を編集する処理が行われる。
【0041】
図8は、図1に示したナビゲーション装置1の構成要素のうち、新規道路編集処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図であり、HDD16を除く各構成要素はソフトウェア処理によって実現されている。図9は、新規道路編集処理の詳細を示すフローチャートである。以下、図8に示すブロック図および図9に示すフローチャートを参照しながら新規道路編集処理の詳細を説明する。
【0042】
新規道路編集処理では、まず、編集対象とする新規道路の選択が行われる(ステップST31)。具体的には、新規道路管理部22は、自己が保有している新規道路リストを表示制御部12に送る。表示制御部12は、新規道路管理部22から送られてきた新規道路リストを、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、表示装置40に新規道路リストが表示される。
【0043】
ユーザは、表示装置40に表示されている新規道路リストから、入力装置42を用いて、編集対象とする新規道路を選択する。このユーザの選択操作によって入力装置42で発生された選択操作情報は、入力受信部14を介して新規道路管理部22に送られる。新規道路管理部22は、受け取った選択操作情報によって示される新規道路に対応する新規道路情報をHDD16内の新規道路情報記憶部16bから読み出して新規道路編集部23に送る。新規道路情報記憶部16bから読み出された新規道路情報は、その構成要素として、新規道路を規定する複数の基準地点を含み、それら基準地点のリンクにより新規道路が表される。新規道路の一方の端部の基準地点が始点であり、他方の端部の基準地点が終点である。
【0044】
また、新規道路管理部22は、新規道路情報記憶部16bから読み出した新規道路情報を表示制御部12に送る。表示制御部12は、新規道路管理部22から送られてきた新規道路情報を、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、表示装置40には、新規道路が描かれた地図が表示される。
【0045】
次いで、移動する地点の選択が行われる(ステップST32)。すなわち、ユーザは、入力装置42を用いて、表示装置40に表示されている地図上の新規道路上の移動させたい地点を指定する。この入力装置42によって指定された地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。なお、実際には、ユーザによって指定された地点に最も近い新規道路上の基準地点の地点座標が新規道路編集部23に送られる。移動する地点の選択に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の移動基準地点指定手段に対応する。
【0046】
次いで、移動先の地点座標が指定される(ステップST33)。すなわち、ユーザは、入力装置42を用いて、ステップST32で選択した、移動させたい地点の移動先を指定する。この入力装置42によって指定された地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。なお、実際には、ユーザによって指定された地点に最も近い地点座標が、移動先の地点座標として新規道路編集部23に送られる。移動先の地点座標の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の移動基準地点座標指定手段に対応する。
【0047】
次いで、新規道路情報の更新が行われる(ステップST34)。すなわち、新規道路編集部23は、ステップST32で選択された移動する地点とステップST33で指定された移動先の地点座標とから、例えば図10に示すように新規道路情報を更新し、HDDアクセス部17を介してHDD16の新規道路情報記憶部16bに書き込む。この際、移動先の地点座標と既存道路との接続関係が、上述した新規道路検出処理における接続判定処理と同様の処理によって判定され、新規道路情報に設定される。
【0048】
次いで、道路情報更新処理が行われる(ステップST35)。すなわち、新規道路編集部23による新規道路情報の書き込み処理が完了すると、新規道路編集部23は、道路情報の更新要求を道路情報更新部21に送り、道路情報更新部21は、上述した新規道路検出処理のステップST16で行われる処理と同様の方法で、新規道路情報を更新する処理を行う。
【0049】
なお、上述した新規道路編集処理では、新規道路の始点の座標を移動している例について説明したが、移動候補点は始点に限らず任意の点とすることができる。ただし、ナビゲーション装置におけるナビゲーション機能(例えばルート案内)を正確にするためには、始点および終点の位置が重要であり、始点および終点の移動頻度が多くなる。そのため、移動候補の地点をユーザに選択させる場合に、始点および終点に限定したユーザインタフェースを提供するように構成することもできる。
【0050】
また、上述した新規道路編集処理において、新規道路の始点または終点の移動時に、既存道路に対する接続方向をユーザが指定するように構成することができる。例えば、図11(a)に示すように、既存道路に終点が接続された新規道路が存在する場合に、終点の移動の1つの形態として、新規道路を既存道路の一方側に接続するか他方側に接続するかの指定をユーザが行うように構成できる。この構成によれば、図11(b)に示すように、既存道路の一方側から直接に接続される新規道路と、図11(c)に示すように、既存道路と交差した後に該既存道路の反対側から接続される新規道路とを区別して表すことができる。図14(b)に示すように接続される場合は、道路情報では、図11(d)に示すように表現され、図14(b)に示すように接続される場合は、道路情報では、図11(e)に示すように表現される。
【0051】
また、上述した新規道路編集処理において、ユーザによって新規道路の始点または終点が移動された後に、既存道路と新規道路との接続角度によって、通行規制を行うように構成することができる。例えば、新規道路から既存道路に入って右折する場合の角度が鋭角である場合に右折を禁止し、左折のみを許可するように構成できる。この構成によれば、道路の実情に合致した道路情報の提供が可能になる。
【0052】
また、上述した新規道路編集処理において、既存道路と新規道路とが重複する区間が存在する場合は、既存道路を削除するように構成できる。例えば、図12(a)に示すような新規道路の終点が既存道路から離れている場合に、その終点を移動して既存道路に接続した結果、図12(b)に示すように、新規道路と既存道路とが重複する区間が生じる場合がある。この場合、新規道路編集処理において既存道路を削除することにより、図12(c)に示すような道路情報が得られる。この構成によれば、現実の道路に近い道路情報の提供が可能になる。
【0053】
さらに、上述した新規道路編集処理において、既存道路と新規道路とが重複する区間が存在する場合は、新規道路の既存道路に対する接続角度を変更するように構成できる。例えば、新規道路の終点を移動して既存道路に接続した結果、図13(a)に示すように、新規道路と既存道路とが重複する区間が生じる場合がある。この場合、新規道路編集処理において新規道路の既存道路に対する接続角度を変更することにより、図13(b)に示すように、新規道路と既存道路とを区別した道路情報が得られる。この構成によれば、新規道路と既存道路とが併走するような場合であっても、正確な道路情報の提供が可能になる。
【0054】
実施の形態2.
上述した実施の形態1に係る地図情報処理装置においては、新規道路上の地点を移動することにより新規道路情報を編集するように構成したが、実施の形態2に係る地図情報処理装置は、新規道路に対して、新規の地点座標を追加したり、新規道路上の地点を削除したりすることにより新規道路情報を編集するようにしたものである。
【0055】
実施の形態2に係る地図情報処理装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成と同じである。また、実施の形態2に係る地図情報処理装置では、図8のブロック図に示した新規道路編集処理を実現するための構成が使用される。以下では、基準地点を追加する地点追加処理および基準地点を削除する地点削除処理について説明する。
【0056】
(2−1)地点追加処理
図14は、地点追加処理を実行することによって、新規道路の地点座標を追加するイメージを示す図である。また、図15は、地点追加処理の詳細を示すフローチャートである。さらに、図16は、地点追加処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。以下、これらを参照しながら地点追加処理を説明する。
【0057】
地点追加処理では、まず、ユーザによって追加地点Xが指定される(ステップST41)。すなわち、ユーザは、入力装置42を用いて、追加地点Xを指定する。この入力装置42によって指定された追加地点Xの座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。追加地点の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の追加基準地点指定手段に対応する。
【0058】
次いで、ステップST41で指定された追加地点から所定の距離d3以内に存在する基準地点の数が調べられる(ステップST42)。すなわち、新規道路編集部23は、ステップST41で指定された追加地点の座標から距離d3以内に存在する、編集対象としている新規道路上の基準地点の数を調べる。
【0059】
このステップST42において、図14(a)に示すように、追加地点Xから距離d3以内に2点以上の基準地点が存在することが判断されると、追加地点Xに近い2つの基準地点BおよびCが選択され、この選択された基準地点BおよびCと追加地点Xとが接続されて新たな新規道路情報が生成される(ステップST43)。その後、シーケンスはステップST46に進む。このステップST43の処理により生成される新規道路情報の例を、図16(a)に示す。
【0060】
上記ステップST42において、図14(b)に示すように、追加地点Xから距離d3以内に基準地点が1つも存在しないことが判断されると、追加地点Xから距離d3に存在する新規道路上の2つの地点PおよびQが新たな基準地点とされ、それら2つの地点PおよびQと追加地点Xとが接続されて新たな新規道路情報が生成される(ステップST44)。その後、シーケンスはステップST46に進む。このステップST44の処理により生成される新規道路情報の例を、図16(b)に示す。
【0061】
上記ステップST42において、図14(c)に示すように、追加地点Xから距離d3以内に1つの基準地点Bだけが存在することが判断されると、追加地点Xから距離d3に存在する新規道路上の2つの地点RおよびSのうち、距離d3以内の基準地点Bから遠い方の地点Rを他の1点とし、これら基準地点B、追加地点Xおよび地点Rが接続されて新たな新規道路情報が生成される(ステップST45)。その後、シーケンスはステップST46に進む。このステップST45の処理により生成される新規道路情報の例を、図16(c)に示す。
【0062】
ステップST46においては、新規道路情報の更新が行われる。すなわち、新規道路編集部23は、ステップST43〜ST45で生成した新規道路情報を、HDDアクセス部17を介してHDD16の新規道路情報記憶部16bに書き込む。新規道路編集部23による新規道路情報の書き込み処理が完了すると、新規道路編集部23は、道路情報の更新要求を道路情報更新部21に送り、道路情報更新部21は、上述した実施の形態1における新規道路検出処理のステップST16で行われる処理と同様の方法で、新規道路情報を更新する。
【0063】
なお、上述した地点追加処理では、1点のみ新規に追加しているが、複数の地点を追加するように構成することもできる。また、上述した地点追加処理では、追加地点に接続される地点を自動的に決定するように構成したが、ユーザに指定させるように構成することもできる。この場合、ユーザは、入力装置42を用いて、追加地点に接続される地点を指定する。この入力装置42によって指定された、追加地点に接続される地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。追加地点に接続される地点の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の接続基準地点指定手段に対応する。
【0064】
(2−2)地点削除処理
図17は、新規道路の地点座標を削除する地点削除処理のイメージを示す図である。また、図18は、地点削除処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。新規道路の地点座標を削除する場合も、地点追加と同様に、図18に示すような新規道路情報の更新処理を行うことにより、新規道路を編集することができる。
【0065】
以下、図17を参照しながら、削除対象となる基準地点を指定する際に、ユーザ入力から削除候補を選択する処理を中心に説明する。基準地点を削除した後に、各地点を接続して新規道路情報を更新する処理は、上述した地点追加処理の場合と同じである。
【0066】
地点を削除する場合は、ユーザは、入力装置42で削除する地点を指定する。この入力装置42によって指定された削除地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。削除地点の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の削除基準地点指定手段に対応する。
【0067】
この場合、ユーザは、基準地点を正確に指定することは困難であるので、ユーザが指定した近傍に存在する地点が削除候補として選択される。例えば、図17(a)に示すように、1点のみが指定された場合は、その指定された地点の近傍の地点Cのみが選択されて削除される。また、図17(b)に示すように、2点が指定された場合は、指定された地点Bと地点Dで形成される線分に含まれる地点B、CおよびDが削除候補として選択される。また、図17(c)に示すように、指定された2点によって形成される矩形に含まれる地点を削除候補として選択するように構成することもできる。
【0068】
なお、図示は省略しているが、削除対象とする地点座標を1つずつユーザに問い合わせ、ユーザによる削除指示がなされた地点座標を削除するように構成することもできる。また、例えば、図17(c)に示す場合は、地点B、CおよびDを削除するだけでなく、図19に示すように、矩形と新規道路の交点を新規の基準地点として追加し、新規道路情報を更新するように構成することもできる。
【0069】
実施の形態3.
上述した実施の形態1に係る地図情報処理装置では、移動する地点の移動先が既存道路か交差点かを判定するように構成したが、移動先の道路が、高架道路と一般道路が並走している場合など、複数の道路のいずれに接続すべきか分からない場合がある。この実施の形態3に係る地図情報処理装置は、このような場合、ユーザに確認して移動先候補を選択するようにしたものである。
【0070】
実施の形態3に係る地図情報処理装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成と同じである。また、実施の形態2に係る地図情報処理装置では、図8に示した新規道路編集処理を実現するための構成が使用される。
【0071】
次に、実施の形態3に係る地図情報処理装置の動作を、図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、移動先の地点座標が取得される(ステップST51)。次いで、近傍に既存道路が存在するかどうかが調べられる(ステップST52)。このステップST52において、近傍に既存道路が1本も存在しないことが判断されると、「接続なし」として処理される(ステップST53)。ステップST52において、近傍に既存道路が1本だけ存在することが判断されると、接続判定処理が実行される(ステップST58)。この接続判定処理は、図6および図7を参照して既に説明した処理と同じである。
【0072】
上記ステップST52において、近傍に複数の既存道路が存在することが判断されると、次いで、近傍の既存道路の道路属性が取得される(ステップST54)。道路属性としては、高速道路、有料道路、トンネル、橋といった道路種別に関する情報、高架道路のように道路の高さを表す情報を用いることができる。
【0073】
次いで、ステップST54で取得された複数の既存道路の道路属性が異なるかどうかが調べられる(ステップST55)。このステップST55において、複数の既存道路の道路属性が異なることが判断されると、次いで、ユーザに対する確認が行われる(ステップST56)。すなわち、新規道路編集部23は、表示制御部12に対して、確認メッセージを表すデータを送る。表示制御部12は、新規道路編集部23から送られてきた確認メッセージを表すデータを、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、例えば図21に示すような確認メッセージが、表示装置40に表示される。ユーザは、入力装置42を用いて、移動先を指示する。例えば、図21(a)に示す例では、ユーザは、「高速道」または「一般道」のいずれかを指定し、図21(b)に示す例では、ユーザは、「交差点」または「一般道」のいずれかを指定する。この入力装置42によって指定されたデータは、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。ユーザに対する確認に使用される表示制御部12、表示装置40、入力装置42および入力受信部14は、この発明のユーザ確認手段に対応する。
【0074】
次いで、ユーザによって選択された道路に接続する処理が行われる(ステップST57)。すなわち、移動先の地点座標が、ユーザによって確認された既存道路上の基準地点の地点座標に変換される。その後、接続判定処理が行われる(ステップST58)。上記ステップST55において、複数の既存道路の道路属性が同じであることが判断されると、近いほうの既存道路が選択される(ステップST59)。その後、シーケンスはステップST58に進み、接続判定処理が行われる。
【0075】
なお、ステップST59においては、近いほうの既存道路を選択するように構成したが、ユーザにどちらの道路を選択するかを確認するように構成することもできる。この場合、接続候補となる既存道路を、色を変えて表現すれば、ユーザは区別しやすくなる。
【0076】
また、図6および図7を参照して説明した既存道路の有無の判定または交差点の近傍の判定の場合も、例えば図21に示すような確認メッセージを表示装置40に表示してユーザに確認し、ユーザの応答に従って処理するように構成することもできる。
【0077】
実施の形態4.
基準地点を移動させた場合、例えば図22に示すように、1点を移動させただけでは道路の形状が異常(現実には考えられない形状)になることがある。上述した実施の形態2で説明したように、ユーザが基準地点を削除することにより、道路の形状を補正することも可能であるが、ユーザにとっては煩わしい操作になる。そこで、実施の形態4に係る地図情報処理装置は、道路の形状を自動的に補正するようにしたものである。
【0078】
実施の形態4に係る地図情報処理装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成と同じである。また、実施の形態4に係る地図情報処理装置では、図8のブロック図に示した新規道路編集処理を実現するための構成が使用され、各構成要素が連携動作することにより、ユーザからの入力、補正後の新規道路の形状の表示などの処理が行われる。
【0079】
図23は、自動形状補正処理によって、道路の形状を自動的に補正するイメージを示す図である。また、図24は、自動形状補正処理を示すフローチャートである。以下、これらを参照しながら自動形状補正処理を説明する。
【0080】
まず、実施の形態1で説明したように、基準地点を移動した後、移動先の地点F’の近傍(所定距離d5以内)にある基準地点が取得される(ステップST61)。図23に示す例では、基準地点C,DおよびEが取得される。次いで、ステップST61で取得された基準地点と移動先の地点F’を接続した場合の新規道路の長さ(新規道路長)が、各近傍基準地点に対して計算される(ステップST62)。図23に示す例では、地点A−B−C−F’、A−B−C−D−F’およびA−B−C−D−E−F’といった3つの新規道路長の長さが求められる。
【0081】
次いで、ステップST62で求められた新規道路長のうち、新規道路長が最短となる基準地点が選択される(ステップST63)。図23に示す例では、地点Cが選択される。次いで、余分な基準地点の削除と新規道路情報の更新が行われる(ステップST64)。すなわち、地点A−B−C−F’を新規道路とするために、実施の形態2で説明した方法を用いて、地点DおよびEが削除され、その後、新規道路情報が更新される。
【0082】
なお、上述した実施の形態4に係る地図情報処理装置では、最短になる新規道路をそのまま自動的に選択するように構成したが、例えば図25(a)に示すような画面を用いて道路の形状の妥当性をユーザに確認した後に、新規道路情報を更新するように構成することもできる。この場合、実施の形態3に係る地図情報処理装置と同様に、ユーザに対する確認には、表示制御部12、表示装置40、入力装置42および入力受信部14が使用され、これらの各構成要素は、この発明のユーザ確認手段に対応する。
【0083】
また、近傍の基準地点を取得する際に、所定距離d5を変化させることにより、近傍の基準地点が異なるので、複数の形状補正候補を算出できる。したがって、例えば図23(b)に示すように、取得した近傍の基準地点に応じて異なる形状を候補として表示装置40に表示させてユーザに提示し、ユーザに所望の形状を選択させるように構成することもできる。この場合、上述したユーザ確認手段と同様に、ユーザに形状を選択させるための表示制御部12、表示装置40、入力装置42および入力受信部14は、この発明の形状選択手段に対応する。
【0084】
実施の形態5.
実施の形態4では、基準地点を移動させた後、新規道路の形状を自動的に補正するように構成したが、実際には、自動的に補正した道路の形状と実際の道路の形状とは異なる。そこで、実施の形態5に係る地図情報処理装置は、実際に新規道路を走行することにより、その形状を補正するようにしたものである。
【0085】
図26は、この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。この地図情報処理装置は、実施の形態1に係る地図情報処理装置のナビゲーション装置1に、走行履歴管理部24が追加されるとともに、HDD16に走行履歴記憶部16cが追加されて構成されている。
【0086】
HDD16内の走行履歴記憶部16cは、測位部15からHDDアクセス部17を介して送られてくる位置情報を走行履歴として蓄積する。走行履歴管理部24は、走行履歴記憶部16cに記憶された走行履歴を管理する。
【0087】
図27は、走行により新規道路の形状を補正するイメージを示す図である。以下、この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置の動作を、図27を参照しながら説明する。新規道路編集部23は、入力装置42から新規道路の形状を補正すべき旨の指示を受けると、走行履歴管理部24に対し、形状補正の対象となる新規道路付近の走行履歴を要求する。走行履歴管理部24は、要求された走行履歴を走行履歴記憶部16cから取得し、新規道路編集部23に送る。
【0088】
新規道路編集部23は、受け取った走行履歴と、形状補正の対象となっている新規道路情報から、実施の形態1における新規道路検出処理と同様の方法で、走行履歴によって示される道路が新規道路から逸脱している部分(図27(a)において破線で囲った部分)を検出し、逸脱している部分を新規道路の形状補正部分として、適宜基準地点を追加し、実施の形態1または実施の形態2に示した方法で新規道路情報を編集し、更新する。これにより、図27(b)に示すように、実際の道路形状に近い形状を有する道路情報が得られる。
【0089】
なお、この実施の形態5に係る地図情報処理装置では、入力装置42からの指示を形状補正のトリガとするように構成したが、形状補正の対象となる新規道路に対して、所定回数以上の走行履歴が蓄積されたことをトリガとして形状補正を開始するように構成することもできる。また、走行履歴を記録しなくても、実際に例えば図27に示す地点Bおよび地点C間を実際に走行したときに、測位部15から得られる位置情報を用いて補正するように構成することもできる。
【0090】
実施の形態6.
上述した実施の形態1に係る地図情報処理装置では、移動対象となる基準地点は、ユーザが選択するように構成したが、実施の形態6に係る地図情報処理装置は、新規道路が生成された後の走行履歴を用いて、移動する地点の候補および移動先の地点座標を推定するようにしたものである。
【0091】
実施の形態6に係る地図情報処理装置の構成は、図26に示した実施の形態5に係る地図情報処理装置の構成と同じである。以下では、移動対象となる基準地点の推定処理および移動先の地点座標の推定処理について説明する。
【0092】
(3−1)移動対象となる基準地点の推定処理
図28は、移動対象となる基準地点の推定イメージを示す図である。新規道路の近傍に存在する、走行履歴情報によって示される地点座標の中で、新規道路の基準地点の候補として、地点P、QおよびRが選択される(なお、既存道路との接続点も新規道路の基準地点に含まれる)。次いで、地点P、QおよびRの各点から所定の距離d6内に存在する基準地点BおよびCが移動対象となる基準地点の候補と推定される。この推定された移動対象となる基準地点の候補は表示装置40に表示される。ユーザは、表示装置40に表示された移動対象となる基準地点の候補の中から1つを選択する。これにより、実施の形態1に係る地図情報処理装置の方法を用いて、ユーザによって選択された基準地点が移動され、新規道路情報が更新される。
【0093】
(3−2)移動先の地点座標の推定処理
図29は、移動先の地点座標の推定イメージを示す図である。ユーザが地点C(既存道路との接続点)を選んだ場合は、新規道路編集部23は、端点の移動であると判定し、走行履歴によって示される地点のうち、既存道路上の地点でもある地点RおよびSを移動先の候補と推定してユーザに提示する。そして、ユーザが選択した地点に基準地点Cを移動させ、新規道路情報を更新する。
【0094】
ユーザが地点B(新規道路上の途中の地点)を選択した場合は、新規道路編集部23は、地点Bの近傍の地点(所定距離内の地点)を移動先の候補と推定してユーザに提示する。そして、ユーザが選択した地点に基準地点Bを移動させ、新規道路情報を更新する。
【0095】
なお、(3−1)に示す方法で推定した移動対象となる基準地点の移動先を、(3−2)に示す方法で推定して新規道路情報を更新するように構成することもできる。
【0096】
以上のように、この発明に係る地図情報処理装置は、検出された新規道路に基づき生成された新規道路情報を編集し、地図情報に組み込むことができるよう構成することで、正常な地図表示やルート案内することのできる地図情報処理装置としたので、車両搭載のナビゲーション装置に内蔵される地図情報処理装置などに用いるのに適している。
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図情報を処理する地図情報処理装置に関し、特に新規道路を検出して地図情報に組み込む技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載されるナビゲーション装置が知られている。このナビゲーション装置に内蔵される地図情報処理装置は、予め記憶された地図情報に基づいて表示装置に地図を表示させる。運転者は、この表示装置に表示された地図を見ることにより自車両の位置を確認しながら運転を行うことができるので、道に迷うことなく、目的地に確実且つ短時間で到着できる。
【0003】
このようなナビゲーション装置として、自己が保有している地図情報に存在しない道路を走行した場合に、走行履歴から新規道路を検出し、保有している地図情報に追加または更新するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このナビゲーション装置は、車両の走行履歴に基づいて検出された新規道路の始点と終点を、記憶されている地図情報に含まれる既存の道路に接続する処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−243469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示されたナビゲーション装置においては、記憶されている地図情報には、その作成プロセス上、実際の位置との誤差が存在する。また、ナビゲーション装置に搭載されたGPS(Global Positioning System)アンテナで取得した位置情報にも誤差が含まれている。そのため、上述した特許文献1に記載された技術では、始点および終点の位置が実際の新規道路の始点および終点の位置とはずれてしまう可能性がある。その結果、ナビゲーション装置におけるルート案内が異常になる場合があり、最悪の場合は、実際とは異なる既存道路に接続された新規道路を表示し、また、ルート案内を行うという問題がある。
【0006】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、正常な地図表示やルート案内を可能にする地図情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る地図情報処理装置は、上記課題を解決するために、自已の位置を検出する位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、位置検出手段で検出された位置に対応する道路が、地図情報記憶部から取得した道路情報中に存在しない場合に、該道路を新規道路として検出し、該検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を生成する新規道路検出部と、新規道路検出部で生成された新規道路走行履歴情報に基づき新規道路情報を生成する新規道路生成部と、新規道路生成部で生成された新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部と、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する基準地点として新規に追加する地点を指定する追加基準地点指定手段と、追加基準地点指定手段で指定された基準地点を含む新規道路情報を生成して編集する新規道路編集部と、新規道路編集部で編集された新規道路情報を、地図情報記憶部に追加するとともに、新規道路情報と地図情報記憶部に記憶された既存の道路情報とを接続することにより道路情報を更新する道路情報更新部とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る地図情報処理装置によれば、検出された新規道路に基づき生成された新規道路情報を編集できるように構成したので、例えば、道路地図上の始点および終点の位置が実際の新規道路の始点および終点の位置とずれている場合は補正することができる。その結果、正常な地図表示やルート案内が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置を構成するナビゲーション装置が新規道路を走行したときの走行イメージを示す図である。
【図3】図1に示したナビゲーション装置の構成要素のうち、新規道路検出処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される新規道路検出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で使用される新規道路情報の例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される接続判定処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される接続判定処理を説明するための説明図である。
【図8】図1に示したナビゲーション装置の構成要素のうち、新規道路編集処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置において実行される新規道路編集処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路情報の更新例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路編集処理で行われる編集の他の例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路編集処理で行われる編集のさらに他の例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置で行われる新規道路編集処理で行われる編集のさらに他の例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において、新規道路の地点座標を追加するイメージを示す図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において実行される地点追加処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において実行される地点追加処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。
【図17】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において、新規道路の地点座標を削除するイメージを示す図である。
【図18】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において実行される地点削除処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。
【図19】この発明の実施の形態2に係る地図情報処理装置において、新規道路の地点座標を削除する場合の他の方法を説明するための図である。
【図20】この発明の実施の形態3に係る地図情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態3に係る地図情報処理装置に表示される確認メッセージの例を示す図である。
【図22】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置における自動形状補正を説明するための図である。
【図23】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置における自動形状補正処理によって、道路の形状を自動的に補正するイメージを示す図である。
【図24】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置において実行される自動形状補正処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】この発明の実施の形態4に係る地図情報処理装置において実行される自動形状補正処理の変形例を説明するための図である。
【図26】この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図27】この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置を構成するナビゲーション装置の走行により新規道路の形状を補正するイメージを示す図である。
【図28】この発明の実施の形態6に係る地図情報処理装置において、移動対象となる基準地点の推定イメージを示す図である。
【図29】この発明の実施の形態6に係る地図情報処理装置において、移動先の地点座標の推定イメージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面にしたがって説明する。なお、以下の各実施の形態において、同一または相当する構成部分には同一の符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。この地図情報処理装置は、ナビゲーション装置1と、このナビゲーション装置1に接続された表示装置40、音声出力装置41、入力装置42、車速センサ43、角速度センサ44およびGPS受信アンテナ45から構成されている。
【0011】
ナビゲーション装置1は、表示地図計算部10、経路計算部11、表示制御部12、音声出力制御部13、入力受信部14、測位部15、HDD(Hard Disk Drive)16、HDDアクセス部17、一時記憶メモリ部18、新規道路検出部19、新規道路生成部20、道路情報更新部21、新規道路管理部22、新規道路編集部23および中央制御部25から構成されている。
【0012】
中央制御部25は、予めプログラムされた手順に従い、表示地図計算部10、経路計算部11、表示制御部12、音声出力制御部13、入力受信部14、測位部15、HDDアクセス部17、一時記憶メモリ部18、新規道路検出部19、新規道路生成部20、新規道路管理部22、新規道路編集部23および道路情報更新部21の起動および停止、ならびに、これら構成要素の相互間のデータの送受を制御する。以下においては、説明が煩雑になることを避けるために、上述した構成要素の相互間のデータの送受は中央制御部25を経由して行われる旨の記述は省略する。
【0013】
表示地図計算部10は、HDD16の地図情報記憶部16aからHDDアクセス部17を介して送られてくる地図情報およびHDD16の新規道路情報記憶部16bからHDDアクセス部17を介して送られてくる新規道路情報から表示用の地図画像を計算する。この表示地図計算部10における計算により得られた地図画像は、表示制御部12に送られる。
【0014】
経路計算部11は、入力受信部14から入力された地点または測位部15から送られてきた地点のうちの任意の2点間の推奨経路を、HDD16の地図情報記憶部16aからHDDアクセス部17を介して送られてくる地図情報に基づき計算する。この経路計算部11で計算された推奨経路は、表示制御部12に送られる。表示制御部12は、表示地図計算部10から送られてきた表示用の地図画像および経路計算部11から送られてきた推奨経路等を、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、表示装置40に地図および推奨経路が表示される。
【0015】
音声出力制御部13は、経路計算部11から送られてきた推奨経路に従って目的地までの案内を行う音声情報や、地図情報に含まれている情報を運転者に知らせるための音声情報を、音声出力装置41が出力可能な形式に変換し、該音声出力装置41に送る。入力受信部14は、入力装置42から送られてくる入力信号を受け取り、表示地図計算部10、経路計算部11等に送る。
【0016】
測位部15は、この発明の位置検出手段に対応する。この測位部15は、車速センサ43、角速度センサ44およびGPS受信アンテナ45から送られてくる信号に基づいて、自己(当該地図情報処理装置が搭載された車両をいう。以下においても同じ)の現在位置を検出して位置情報を生成するとともに、生成した位置情報とHDD16に記憶されている道路情報を照合し、自己の現在位置が道路情報で表されている何れの道路の何れの位置に該当するかを算出する。この測位部15は、表示地図計算部10において自己の周囲の地図を表示するための計算が行われる場合、または、経路計算部11において自己の現在位置から入力地点への推奨経路が計算される場合には、測位結果を表示地図計算部10または経路計算部11に送る。
【0017】
HDD16は、地図情報を記憶する地図情報記憶部16aと新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部16bとを備えている。地図情報記憶部16aには、当該地図情報処理装置の出荷時に、道路情報を含む地図情報が記憶されている。新規道路情報記憶部16bは、出荷時に地図情報記憶部16aに記憶された地図情報に存在しない道路を走行した場合に、その道路を表す新規道路情報が追加される領域である。HDDアクセス部17は、中央制御部25からの指示に応じて、HDD16へのデータの書き込みおよびHDD16からのデータの読み出しを制御する。
【0018】
一時記憶メモリ部18は、例えば揮発性メモリから構成されており、種々の情報を一時的に記憶するために使用される。中央制御部25に接続されている各構成要素は、HDD16に記憶されている地図情報や新規道路情報に含まれている道路(以下、「既存道路」という)の道路情報を使用してそれぞれの処理を実行する際には、その処理の過程において使用するメッシュに該当する地図領域の地図情報や新規道路情報をHDDアクセス部17によってHDD16から読み出し、読み出した情報を一時記憶メモリ部18に保存して使用する。
【0019】
新規道路検出部19は、HDD16の地図情報記憶部16aからHDDアクセス部17を介して送られてくる地図情報に含まれる道路情報と測位部15から送られてくる位置情報とを比較することにより、地図情報に含まれる道路情報に存在しない新規道路を検出し、この検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を新規道路生成部20に送る。
【0020】
新規道路生成部20は、新規道路検出部19から送られてくる新規道路走行履歴情報から新規道路情報を生成し、新規道路情報記憶部16bに蓄積する。また、新規道路生成部20は、新規道路情報の生成が完了すると、道路情報更新部21に対し、道路情報の更新要求を発行する。道路情報更新部21は、この更新要求に応答して、新規道路生成部20によって生成された道路更新情報に基づき、HDD16の内部の地図情報および道路情報を更新する。新規道路管理部22は、新規道路情報記憶部16bに蓄積されている新規道路情報を管理する。新規道路編集部23は、入力受信部14から受信した入力情報に応じて新規道路情報を編集する。
【0021】
ナビゲーション装置1に接続される表示装置40は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、表示制御部12から送られてくる表示用の地図画像または推奨経路のデータに基づき地図または推奨経路等を表示する。音声出力装置41は、例えばスピーカから構成されており、推奨経路に従って目的地までの案内を行う音声や、地図情報に含まれている情報を音声で出力する。
【0022】
入力装置42は、表示装置40に表示したい地図領域や、推奨経路の計算を行いたい始点や終点を入力する。この入力装置42は、例えばナビゲーション装置の前面に配される本体パネルに設置された入力ボタン、入力ボタンと同等の入力信号を発信するリモートコントローラ(リモコン)、表示装置40の画面上に設定されたタッチパネル、音声操作を行うための音声入力用マイクロホン、または、これらの組合せによって構成できる。
【0023】
車速センサ43は、自己が移動する速度を検出する。この車速センサ43で検出された速度は、測位部15に送られる。角速度センサ44は、自己の方向変化を検出する。この角速度センサ44で検出された方向変化は、測位部15に送られる。GPS受信アンテナ45は、GPS衛星から送られてくる電波を受信する。このGPS受信アンテナ45で電波を受信することにより得られたGPS信号は、測位部15に送られる。
【0024】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る地図情報処理装置の動作を、新規道路検出処理および新規道路編集処理を中心に説明する。
【0025】
(1−1)新規道路検出処理
図2は、ナビゲーション装置1が搭載された車両が新規道路を走行したときの走行イメージを示す図である。図2において、始点Aと終点Bは、既存道路における交差点であり、交差点間を結ぶ道路(破線で示す)が新規道路として検出される。
【0026】
図3は、図1に示したナビゲーション装置1の構成要素のうち、新規道路検出処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図であり、HDD16を除く各構成要素はソフトウェア処理によって実現されている。図4は、新規道路検出処理の詳細を示すフローチャートである。以下、図3に示すブロック図および図4に示すフローチャートを参照しながら新規道路検出処理の詳細を説明する。
【0027】
新規道路検出処理では、まず、新規道路始点検出処理が行われる(ステップST11)。次いで、新規道路の始点が検出されたかどうかが調べられる(ステップST12)。このステップST12において、新規道路の始点が検出されなかったことが判断されると、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0028】
一方、ステップST12において、新規道路の始点が検出されたことが判断されると、次いで、新規道路終点検出処理が行われる(ステップST13)。次いで、新規道路の終点が検出されたかどうかが調べられる(ステップST14)。このステップST14において、新規道路の終点が検出されなかったことが判断されると、シーケンスはステップST13に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST14において、新規道路の始点が検出されたことが判断されると、シーケンスはステップST15に進む。
【0029】
なお、上述した新規道路始点検出処理および新規道路終点検出処理において、既存の地図情報に存在しない道路を走行しているかどうかを判定する処理については、例えば、本願出願人が先に出願した特開2006−53123号公報に詳細に記載されているので、必要に応じて参照されたい。
【0030】
上述したステップST11〜ST14の処理によって新規道路の始点および終点が検出されると、次いで、新規道路情報の生成処理が実行される(ステップST15)。すなわち、新規道路検出部19は、上述したステップST11〜ST14によって検出された始点Aから終点Bまでの新規道路走行履歴情報を新規道路生成部20に送る。新規道路走行履歴情報は、例えば図5の「地点座標(走行履歴)」の欄に示すような、始点Aから終点Bまでの所定時間間隔毎の地点座標リストから構成されている。
【0031】
新規道路生成部20は、新規道路検出部19から受け取った新規道路走行履歴情報によって示される始点および終点が既存道路の交差点上の点であるかどうかといった接続関係を判定する接続判定処理を行い、始点および終点の接続関係を示す接続情報として「既存」、「新規」または「接続なし」のいずれかを設定する。これにより、図5に示すような新規道路情報が生成される。
【0032】
図6は、接続判定処理を示すフローチャートであり、図7は、接続判定処理を説明するための説明図である。この接続判定処理では、まず、始点と既存道路との間の距離dが所定値d1より大きいかどうかが調べられる(ステップST21)。このステップST21において、例えば図7(a)に示すように、始点Aと既存道路との間の距離dが所定値d1より大きいことが判断されると、始点の接続情報として「接続なし」が設定される(ステップST22)。
【0033】
上記ステップST21において、始点と既存道路との間の距離dが所定値d1以下であることが判断されると、次いで、始点と既存交差点との間の距離dが所定値d2より大きいかどうかが調べられる(ステップST23)。このステップST23において、例えば図7(b)に示すように、始点Aと既存交差点との距離dが所定値d2より大きいことが判断されると、始点の接続情報として「新規」が設定される(ステップST24)。
【0034】
上記ステップST23において、例えば図7(c)に示すように、始点Aと既存交差点との間の距離dが所定値d2以下であることが判断されると、始点の接続情報として「既存」が設定される(ステップST25)。なお、図6および図7においては、新規道路の始点Aの接続関係を判定する場合についてのみ示しているが、新規道路の終点Bの接続関係を設定する場合も同様である。
【0035】
新規道路生成部20は、以上のようにして生成した新規道路情報を、HDDアクセス部17を介して、HDD16の新規道路情報記憶部16bに書き込むとともに、道路情報更新部21に対し、道路情報の更新要求を発行する。
【0036】
次いで、道路情報更新処理が実行される(ステップST16)。すなわち、道路情報更新部21は、新規道路生成部20からの更新要求に応答して、新規道路情報に含まれる接続情報も加味して、既存の地図情報に含まれる道路情報と新規道路情報とを接続する地図更新処理を行う。この地図更新処理の詳細については、例えば上述した特開2006−53123号公報に記載されているので、必要に応じて参照されたい。
【0037】
また、道路情報更新部21は、地図更新処理が完了すると、更新通知を新規道路管理部22に送る。更新通知を受け取った新規道路管理部22は、HDDアクセス部17を介して、HDD16から更新された地図情報(既存地図および新規道路情報)を読み出し、その内部に保有し、管理している新規道路リスト(図示は省略する)を更新する。
【0038】
なお、上述した新規道路検出処理では、接続関係として、新規道路が既存道路の交差点に接続される場合についてのみ説明したが、新規の交差点が作成される場合、既存道路に接続されない場合も同様である。
【0039】
また、上述した新規道路検出処理では、新規道路走行履歴情報をそのまま利用して新規道路情報を生成するように構成したが、新規道路情報のデータサイズを削減するために、新規道路走行履歴情報を適宜間引きして新規道路情報を生成するように構成することもできる。この場合、地点座標によって示される道路の形状が直線になる場合は、直線上の点(端点を除く)を省くことができる。
【0040】
(1−2)新規道路編集処理
新規道路編集処理では、上述した新規道路検出処理によって検出された新規道路に対応して生成された新規道路情報を編集する処理が行われる。
【0041】
図8は、図1に示したナビゲーション装置1の構成要素のうち、新規道路編集処理に使用される構成要素のみを抽出して示すブロック図であり、HDD16を除く各構成要素はソフトウェア処理によって実現されている。図9は、新規道路編集処理の詳細を示すフローチャートである。以下、図8に示すブロック図および図9に示すフローチャートを参照しながら新規道路編集処理の詳細を説明する。
【0042】
新規道路編集処理では、まず、編集対象とする新規道路の選択が行われる(ステップST31)。具体的には、新規道路管理部22は、自己が保有している新規道路リストを表示制御部12に送る。表示制御部12は、新規道路管理部22から送られてきた新規道路リストを、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、表示装置40に新規道路リストが表示される。
【0043】
ユーザは、表示装置40に表示されている新規道路リストから、入力装置42を用いて、編集対象とする新規道路を選択する。このユーザの選択操作によって入力装置42で発生された選択操作情報は、入力受信部14を介して新規道路管理部22に送られる。新規道路管理部22は、受け取った選択操作情報によって示される新規道路に対応する新規道路情報をHDD16内の新規道路情報記憶部16bから読み出して新規道路編集部23に送る。新規道路情報記憶部16bから読み出された新規道路情報は、その構成要素として、新規道路を規定する複数の基準地点を含み、それら基準地点のリンクにより新規道路が表される。新規道路の一方の端部の基準地点が始点であり、他方の端部の基準地点が終点である。
【0044】
また、新規道路管理部22は、新規道路情報記憶部16bから読み出した新規道路情報を表示制御部12に送る。表示制御部12は、新規道路管理部22から送られてきた新規道路情報を、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、表示装置40には、新規道路が描かれた地図が表示される。
【0045】
次いで、移動する地点の選択が行われる(ステップST32)。すなわち、ユーザは、入力装置42を用いて、表示装置40に表示されている地図上の新規道路上の移動させたい地点を指定する。この入力装置42によって指定された地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。なお、実際には、ユーザによって指定された地点に最も近い新規道路上の基準地点の地点座標が新規道路編集部23に送られる。移動する地点の選択に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の移動基準地点指定手段に対応する。
【0046】
次いで、移動先の地点座標が指定される(ステップST33)。すなわち、ユーザは、入力装置42を用いて、ステップST32で選択した、移動させたい地点の移動先を指定する。この入力装置42によって指定された地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。なお、実際には、ユーザによって指定された地点に最も近い地点座標が、移動先の地点座標として新規道路編集部23に送られる。移動先の地点座標の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の移動基準地点座標指定手段に対応する。
【0047】
次いで、新規道路情報の更新が行われる(ステップST34)。すなわち、新規道路編集部23は、ステップST32で選択された移動する地点とステップST33で指定された移動先の地点座標とから、例えば図10に示すように新規道路情報を更新し、HDDアクセス部17を介してHDD16の新規道路情報記憶部16bに書き込む。この際、移動先の地点座標と既存道路との接続関係が、上述した新規道路検出処理における接続判定処理と同様の処理によって判定され、新規道路情報に設定される。
【0048】
次いで、道路情報更新処理が行われる(ステップST35)。すなわち、新規道路編集部23による新規道路情報の書き込み処理が完了すると、新規道路編集部23は、道路情報の更新要求を道路情報更新部21に送り、道路情報更新部21は、上述した新規道路検出処理のステップST16で行われる処理と同様の方法で、新規道路情報を更新する処理を行う。
【0049】
なお、上述した新規道路編集処理では、新規道路の始点の座標を移動している例について説明したが、移動候補点は始点に限らず任意の点とすることができる。ただし、ナビゲーション装置におけるナビゲーション機能(例えばルート案内)を正確にするためには、始点および終点の位置が重要であり、始点および終点の移動頻度が多くなる。そのため、移動候補の地点をユーザに選択させる場合に、始点および終点に限定したユーザインタフェースを提供するように構成することもできる。
【0050】
また、上述した新規道路編集処理において、新規道路の始点または終点の移動時に、既存道路に対する接続方向をユーザが指定するように構成することができる。例えば、図11(a)に示すように、既存道路に終点が接続された新規道路が存在する場合に、終点の移動の1つの形態として、新規道路を既存道路の一方側に接続するか他方側に接続するかの指定をユーザが行うように構成できる。この構成によれば、図11(b)に示すように、既存道路の一方側から直接に接続される新規道路と、図11(c)に示すように、既存道路と交差した後に該既存道路の反対側から接続される新規道路とを区別して表すことができる。図14(b)に示すように接続される場合は、道路情報では、図11(d)に示すように表現され、図14(b)に示すように接続される場合は、道路情報では、図11(e)に示すように表現される。
【0051】
また、上述した新規道路編集処理において、ユーザによって新規道路の始点または終点が移動された後に、既存道路と新規道路との接続角度によって、通行規制を行うように構成することができる。例えば、新規道路から既存道路に入って右折する場合の角度が鋭角である場合に右折を禁止し、左折のみを許可するように構成できる。この構成によれば、道路の実情に合致した道路情報の提供が可能になる。
【0052】
また、上述した新規道路編集処理において、既存道路と新規道路とが重複する区間が存在する場合は、既存道路を削除するように構成できる。例えば、図12(a)に示すような新規道路の終点が既存道路から離れている場合に、その終点を移動して既存道路に接続した結果、図12(b)に示すように、新規道路と既存道路とが重複する区間が生じる場合がある。この場合、新規道路編集処理において既存道路を削除することにより、図12(c)に示すような道路情報が得られる。この構成によれば、現実の道路に近い道路情報の提供が可能になる。
【0053】
さらに、上述した新規道路編集処理において、既存道路と新規道路とが重複する区間が存在する場合は、新規道路の既存道路に対する接続角度を変更するように構成できる。例えば、新規道路の終点を移動して既存道路に接続した結果、図13(a)に示すように、新規道路と既存道路とが重複する区間が生じる場合がある。この場合、新規道路編集処理において新規道路の既存道路に対する接続角度を変更することにより、図13(b)に示すように、新規道路と既存道路とを区別した道路情報が得られる。この構成によれば、新規道路と既存道路とが併走するような場合であっても、正確な道路情報の提供が可能になる。
【0054】
実施の形態2.
上述した実施の形態1に係る地図情報処理装置においては、新規道路上の地点を移動することにより新規道路情報を編集するように構成したが、実施の形態2に係る地図情報処理装置は、新規道路に対して、新規の地点座標を追加したり、新規道路上の地点を削除したりすることにより新規道路情報を編集するようにしたものである。
【0055】
実施の形態2に係る地図情報処理装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成と同じである。また、実施の形態2に係る地図情報処理装置では、図8のブロック図に示した新規道路編集処理を実現するための構成が使用される。以下では、基準地点を追加する地点追加処理および基準地点を削除する地点削除処理について説明する。
【0056】
(2−1)地点追加処理
図14は、地点追加処理を実行することによって、新規道路の地点座標を追加するイメージを示す図である。また、図15は、地点追加処理の詳細を示すフローチャートである。さらに、図16は、地点追加処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。以下、これらを参照しながら地点追加処理を説明する。
【0057】
地点追加処理では、まず、ユーザによって追加地点Xが指定される(ステップST41)。すなわち、ユーザは、入力装置42を用いて、追加地点Xを指定する。この入力装置42によって指定された追加地点Xの座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。追加地点の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の追加基準地点指定手段に対応する。
【0058】
次いで、ステップST41で指定された追加地点から所定の距離d3以内に存在する基準地点の数が調べられる(ステップST42)。すなわち、新規道路編集部23は、ステップST41で指定された追加地点の座標から距離d3以内に存在する、編集対象としている新規道路上の基準地点の数を調べる。
【0059】
このステップST42において、図14(a)に示すように、追加地点Xから距離d3以内に2点以上の基準地点が存在することが判断されると、追加地点Xに近い2つの基準地点BおよびCが選択され、この選択された基準地点BおよびCと追加地点Xとが接続されて新たな新規道路情報が生成される(ステップST43)。その後、シーケンスはステップST46に進む。このステップST43の処理により生成される新規道路情報の例を、図16(a)に示す。
【0060】
上記ステップST42において、図14(b)に示すように、追加地点Xから距離d3以内に基準地点が1つも存在しないことが判断されると、追加地点Xから距離d3に存在する新規道路上の2つの地点PおよびQが新たな基準地点とされ、それら2つの地点PおよびQと追加地点Xとが接続されて新たな新規道路情報が生成される(ステップST44)。その後、シーケンスはステップST46に進む。このステップST44の処理により生成される新規道路情報の例を、図16(b)に示す。
【0061】
上記ステップST42において、図14(c)に示すように、追加地点Xから距離d3以内に1つの基準地点Bだけが存在することが判断されると、追加地点Xから距離d3に存在する新規道路上の2つの地点RおよびSのうち、距離d3以内の基準地点Bから遠い方の地点Rを他の1点とし、これら基準地点B、追加地点Xおよび地点Rが接続されて新たな新規道路情報が生成される(ステップST45)。その後、シーケンスはステップST46に進む。このステップST45の処理により生成される新規道路情報の例を、図16(c)に示す。
【0062】
ステップST46においては、新規道路情報の更新が行われる。すなわち、新規道路編集部23は、ステップST43〜ST45で生成した新規道路情報を、HDDアクセス部17を介してHDD16の新規道路情報記憶部16bに書き込む。新規道路編集部23による新規道路情報の書き込み処理が完了すると、新規道路編集部23は、道路情報の更新要求を道路情報更新部21に送り、道路情報更新部21は、上述した実施の形態1における新規道路検出処理のステップST16で行われる処理と同様の方法で、新規道路情報を更新する。
【0063】
なお、上述した地点追加処理では、1点のみ新規に追加しているが、複数の地点を追加するように構成することもできる。また、上述した地点追加処理では、追加地点に接続される地点を自動的に決定するように構成したが、ユーザに指定させるように構成することもできる。この場合、ユーザは、入力装置42を用いて、追加地点に接続される地点を指定する。この入力装置42によって指定された、追加地点に接続される地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。追加地点に接続される地点の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の接続基準地点指定手段に対応する。
【0064】
(2−2)地点削除処理
図17は、新規道路の地点座標を削除する地点削除処理のイメージを示す図である。また、図18は、地点削除処理による新規道路情報の変化を説明するための図である。新規道路の地点座標を削除する場合も、地点追加と同様に、図18に示すような新規道路情報の更新処理を行うことにより、新規道路を編集することができる。
【0065】
以下、図17を参照しながら、削除対象となる基準地点を指定する際に、ユーザ入力から削除候補を選択する処理を中心に説明する。基準地点を削除した後に、各地点を接続して新規道路情報を更新する処理は、上述した地点追加処理の場合と同じである。
【0066】
地点を削除する場合は、ユーザは、入力装置42で削除する地点を指定する。この入力装置42によって指定された削除地点の座標は、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。削除地点の指定に使用される入力装置42および入力受信部14は、この発明の削除基準地点指定手段に対応する。
【0067】
この場合、ユーザは、基準地点を正確に指定することは困難であるので、ユーザが指定した近傍に存在する地点が削除候補として選択される。例えば、図17(a)に示すように、1点のみが指定された場合は、その指定された地点の近傍の地点Cのみが選択されて削除される。また、図17(b)に示すように、2点が指定された場合は、指定された地点Bと地点Dで形成される線分に含まれる地点B、CおよびDが削除候補として選択される。また、図17(c)に示すように、指定された2点によって形成される矩形に含まれる地点を削除候補として選択するように構成することもできる。
【0068】
なお、図示は省略しているが、削除対象とする地点座標を1つずつユーザに問い合わせ、ユーザによる削除指示がなされた地点座標を削除するように構成することもできる。また、例えば、図17(c)に示す場合は、地点B、CおよびDを削除するだけでなく、図19に示すように、矩形と新規道路の交点を新規の基準地点として追加し、新規道路情報を更新するように構成することもできる。
【0069】
実施の形態3.
上述した実施の形態1に係る地図情報処理装置では、移動する地点の移動先が既存道路か交差点かを判定するように構成したが、移動先の道路が、高架道路と一般道路が並走している場合など、複数の道路のいずれに接続すべきか分からない場合がある。この実施の形態3に係る地図情報処理装置は、このような場合、ユーザに確認して移動先候補を選択するようにしたものである。
【0070】
実施の形態3に係る地図情報処理装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成と同じである。また、実施の形態2に係る地図情報処理装置では、図8に示した新規道路編集処理を実現するための構成が使用される。
【0071】
次に、実施の形態3に係る地図情報処理装置の動作を、図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、移動先の地点座標が取得される(ステップST51)。次いで、近傍に既存道路が存在するかどうかが調べられる(ステップST52)。このステップST52において、近傍に既存道路が1本も存在しないことが判断されると、「接続なし」として処理される(ステップST53)。ステップST52において、近傍に既存道路が1本だけ存在することが判断されると、接続判定処理が実行される(ステップST58)。この接続判定処理は、図6および図7を参照して既に説明した処理と同じである。
【0072】
上記ステップST52において、近傍に複数の既存道路が存在することが判断されると、次いで、近傍の既存道路の道路属性が取得される(ステップST54)。道路属性としては、高速道路、有料道路、トンネル、橋といった道路種別に関する情報、高架道路のように道路の高さを表す情報を用いることができる。
【0073】
次いで、ステップST54で取得された複数の既存道路の道路属性が異なるかどうかが調べられる(ステップST55)。このステップST55において、複数の既存道路の道路属性が異なることが判断されると、次いで、ユーザに対する確認が行われる(ステップST56)。すなわち、新規道路編集部23は、表示制御部12に対して、確認メッセージを表すデータを送る。表示制御部12は、新規道路編集部23から送られてきた確認メッセージを表すデータを、表示装置40が表示可能な形式に変換し、該表示装置40に送る。これにより、例えば図21に示すような確認メッセージが、表示装置40に表示される。ユーザは、入力装置42を用いて、移動先を指示する。例えば、図21(a)に示す例では、ユーザは、「高速道」または「一般道」のいずれかを指定し、図21(b)に示す例では、ユーザは、「交差点」または「一般道」のいずれかを指定する。この入力装置42によって指定されたデータは、入力受信部14を介して新規道路編集部23に送られる。ユーザに対する確認に使用される表示制御部12、表示装置40、入力装置42および入力受信部14は、この発明のユーザ確認手段に対応する。
【0074】
次いで、ユーザによって選択された道路に接続する処理が行われる(ステップST57)。すなわち、移動先の地点座標が、ユーザによって確認された既存道路上の基準地点の地点座標に変換される。その後、接続判定処理が行われる(ステップST58)。上記ステップST55において、複数の既存道路の道路属性が同じであることが判断されると、近いほうの既存道路が選択される(ステップST59)。その後、シーケンスはステップST58に進み、接続判定処理が行われる。
【0075】
なお、ステップST59においては、近いほうの既存道路を選択するように構成したが、ユーザにどちらの道路を選択するかを確認するように構成することもできる。この場合、接続候補となる既存道路を、色を変えて表現すれば、ユーザは区別しやすくなる。
【0076】
また、図6および図7を参照して説明した既存道路の有無の判定または交差点の近傍の判定の場合も、例えば図21に示すような確認メッセージを表示装置40に表示してユーザに確認し、ユーザの応答に従って処理するように構成することもできる。
【0077】
実施の形態4.
基準地点を移動させた場合、例えば図22に示すように、1点を移動させただけでは道路の形状が異常(現実には考えられない形状)になることがある。上述した実施の形態2で説明したように、ユーザが基準地点を削除することにより、道路の形状を補正することも可能であるが、ユーザにとっては煩わしい操作になる。そこで、実施の形態4に係る地図情報処理装置は、道路の形状を自動的に補正するようにしたものである。
【0078】
実施の形態4に係る地図情報処理装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係る地図情報処理装置の構成と同じである。また、実施の形態4に係る地図情報処理装置では、図8のブロック図に示した新規道路編集処理を実現するための構成が使用され、各構成要素が連携動作することにより、ユーザからの入力、補正後の新規道路の形状の表示などの処理が行われる。
【0079】
図23は、自動形状補正処理によって、道路の形状を自動的に補正するイメージを示す図である。また、図24は、自動形状補正処理を示すフローチャートである。以下、これらを参照しながら自動形状補正処理を説明する。
【0080】
まず、実施の形態1で説明したように、基準地点を移動した後、移動先の地点F’の近傍(所定距離d5以内)にある基準地点が取得される(ステップST61)。図23に示す例では、基準地点C,DおよびEが取得される。次いで、ステップST61で取得された基準地点と移動先の地点F’を接続した場合の新規道路の長さ(新規道路長)が、各近傍基準地点に対して計算される(ステップST62)。図23に示す例では、地点A−B−C−F’、A−B−C−D−F’およびA−B−C−D−E−F’といった3つの新規道路長の長さが求められる。
【0081】
次いで、ステップST62で求められた新規道路長のうち、新規道路長が最短となる基準地点が選択される(ステップST63)。図23に示す例では、地点Cが選択される。次いで、余分な基準地点の削除と新規道路情報の更新が行われる(ステップST64)。すなわち、地点A−B−C−F’を新規道路とするために、実施の形態2で説明した方法を用いて、地点DおよびEが削除され、その後、新規道路情報が更新される。
【0082】
なお、上述した実施の形態4に係る地図情報処理装置では、最短になる新規道路をそのまま自動的に選択するように構成したが、例えば図25(a)に示すような画面を用いて道路の形状の妥当性をユーザに確認した後に、新規道路情報を更新するように構成することもできる。この場合、実施の形態3に係る地図情報処理装置と同様に、ユーザに対する確認には、表示制御部12、表示装置40、入力装置42および入力受信部14が使用され、これらの各構成要素は、この発明のユーザ確認手段に対応する。
【0083】
また、近傍の基準地点を取得する際に、所定距離d5を変化させることにより、近傍の基準地点が異なるので、複数の形状補正候補を算出できる。したがって、例えば図23(b)に示すように、取得した近傍の基準地点に応じて異なる形状を候補として表示装置40に表示させてユーザに提示し、ユーザに所望の形状を選択させるように構成することもできる。この場合、上述したユーザ確認手段と同様に、ユーザに形状を選択させるための表示制御部12、表示装置40、入力装置42および入力受信部14は、この発明の形状選択手段に対応する。
【0084】
実施の形態5.
実施の形態4では、基準地点を移動させた後、新規道路の形状を自動的に補正するように構成したが、実際には、自動的に補正した道路の形状と実際の道路の形状とは異なる。そこで、実施の形態5に係る地図情報処理装置は、実際に新規道路を走行することにより、その形状を補正するようにしたものである。
【0085】
図26は、この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置の構成を示すブロック図である。この地図情報処理装置は、実施の形態1に係る地図情報処理装置のナビゲーション装置1に、走行履歴管理部24が追加されるとともに、HDD16に走行履歴記憶部16cが追加されて構成されている。
【0086】
HDD16内の走行履歴記憶部16cは、測位部15からHDDアクセス部17を介して送られてくる位置情報を走行履歴として蓄積する。走行履歴管理部24は、走行履歴記憶部16cに記憶された走行履歴を管理する。
【0087】
図27は、走行により新規道路の形状を補正するイメージを示す図である。以下、この発明の実施の形態5に係る地図情報処理装置の動作を、図27を参照しながら説明する。新規道路編集部23は、入力装置42から新規道路の形状を補正すべき旨の指示を受けると、走行履歴管理部24に対し、形状補正の対象となる新規道路付近の走行履歴を要求する。走行履歴管理部24は、要求された走行履歴を走行履歴記憶部16cから取得し、新規道路編集部23に送る。
【0088】
新規道路編集部23は、受け取った走行履歴と、形状補正の対象となっている新規道路情報から、実施の形態1における新規道路検出処理と同様の方法で、走行履歴によって示される道路が新規道路から逸脱している部分(図27(a)において破線で囲った部分)を検出し、逸脱している部分を新規道路の形状補正部分として、適宜基準地点を追加し、実施の形態1または実施の形態2に示した方法で新規道路情報を編集し、更新する。これにより、図27(b)に示すように、実際の道路形状に近い形状を有する道路情報が得られる。
【0089】
なお、この実施の形態5に係る地図情報処理装置では、入力装置42からの指示を形状補正のトリガとするように構成したが、形状補正の対象となる新規道路に対して、所定回数以上の走行履歴が蓄積されたことをトリガとして形状補正を開始するように構成することもできる。また、走行履歴を記録しなくても、実際に例えば図27に示す地点Bおよび地点C間を実際に走行したときに、測位部15から得られる位置情報を用いて補正するように構成することもできる。
【0090】
実施の形態6.
上述した実施の形態1に係る地図情報処理装置では、移動対象となる基準地点は、ユーザが選択するように構成したが、実施の形態6に係る地図情報処理装置は、新規道路が生成された後の走行履歴を用いて、移動する地点の候補および移動先の地点座標を推定するようにしたものである。
【0091】
実施の形態6に係る地図情報処理装置の構成は、図26に示した実施の形態5に係る地図情報処理装置の構成と同じである。以下では、移動対象となる基準地点の推定処理および移動先の地点座標の推定処理について説明する。
【0092】
(3−1)移動対象となる基準地点の推定処理
図28は、移動対象となる基準地点の推定イメージを示す図である。新規道路の近傍に存在する、走行履歴情報によって示される地点座標の中で、新規道路の基準地点の候補として、地点P、QおよびRが選択される(なお、既存道路との接続点も新規道路の基準地点に含まれる)。次いで、地点P、QおよびRの各点から所定の距離d6内に存在する基準地点BおよびCが移動対象となる基準地点の候補と推定される。この推定された移動対象となる基準地点の候補は表示装置40に表示される。ユーザは、表示装置40に表示された移動対象となる基準地点の候補の中から1つを選択する。これにより、実施の形態1に係る地図情報処理装置の方法を用いて、ユーザによって選択された基準地点が移動され、新規道路情報が更新される。
【0093】
(3−2)移動先の地点座標の推定処理
図29は、移動先の地点座標の推定イメージを示す図である。ユーザが地点C(既存道路との接続点)を選んだ場合は、新規道路編集部23は、端点の移動であると判定し、走行履歴によって示される地点のうち、既存道路上の地点でもある地点RおよびSを移動先の候補と推定してユーザに提示する。そして、ユーザが選択した地点に基準地点Cを移動させ、新規道路情報を更新する。
【0094】
ユーザが地点B(新規道路上の途中の地点)を選択した場合は、新規道路編集部23は、地点Bの近傍の地点(所定距離内の地点)を移動先の候補と推定してユーザに提示する。そして、ユーザが選択した地点に基準地点Bを移動させ、新規道路情報を更新する。
【0095】
なお、(3−1)に示す方法で推定した移動対象となる基準地点の移動先を、(3−2)に示す方法で推定して新規道路情報を更新するように構成することもできる。
【0096】
以上のように、この発明に係る地図情報処理装置は、検出された新規道路に基づき生成された新規道路情報を編集し、地図情報に組み込むことができるよう構成することで、正常な地図表示やルート案内することのできる地図情報処理装置としたので、車両搭載のナビゲーション装置に内蔵される地図情報処理装置などに用いるのに適している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自已の位置を検出する位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、前記位置検出手段で検出された位置に対応する道路が、前記地図情報記憶部から取得した道路情報中に存在しない場合に、該道路を新規道路として検出し、該検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を生成する新規道路検出部と、前記新規道路検出部で生成された新規道路走行履歴情報に基づき新規道路情報を生成する新規道路生成部と、前記新規道路生成部で生成された新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部と、前記新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する基準地点として新規に追加する地点を指定する追加基準地点指定手段と、前記追加基準地点指定手段で指定された基準地点を含む新規道路情報を生成して編集する新規道路編集部と、前記新規道路編集部で編集された新規道路情報を、前記地図情報記憶部に追加するとともに、前記新規道路情報と前記地図情報記憶部に記憶された既存の道路情報とを接続することにより道路情報を更新する道路情報更新部とを備えたことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項2】
追加基準地点指定手段による指定によって新規に追加された基準地点に接続される他の基準地点を指定する接続基準地点指定手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段で指定された基準地点および前記接続基準地点指定手段で指定された他の基準地点を含む新規道路情報を生成することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する複数の基準地点の中から削除対象とする基準地点を指定する削除基準地点指定手段を備え、新規道路編集部は、前記削除基準地点指定手段で削除された基準地点を除く新規道路情報を生成することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
削除基準地点指定手段は、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する複数の基準地点を結ぶ線分の一部を指定することにより、該線分に含まれる基準地点を削除対象として指定することを特徴とする請求項3記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
削除基準地点指定手段は、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する複数の基準地点を囲むエリアを指定することにより、該エリアに含まれる基準地点を削除対象として指定することを特徴とする請求項3記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
新規道路編集部は、追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に既存道路が存在することを判定した場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該地点座標によって示される地点に最も近い既存道路上の基準地点の地点座標に変換することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項7】
追加基準地点指定手段によって指定された地点座標が既存道路上の地点かどうかをユーザに確認するユーザ確認手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に既存道路が存在することを判定し、且つ、前記ユーザ確認手段によって既存道路上の地点であることが確認された場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該確認された既存道路上の基準地点の地点座標に変換することを特徴とする請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
新規道路編集部は、追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に交差点があることを判定した場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該交差点の地点座標に変換することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
追加基準地点指定手段によって指定された地点座標が交差点かどうかをユーザに確認するユーザ確認手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に交差点があることを判定し、且つ、前記ユーザ確認手段によって交差点であることが確認された場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該交差点の地点座標に変換することを特徴とする請求項8記載の地図情報処理装置。
【請求項10】
追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に複数の既存道路が存在する場合は、複数の既存道路の道路属性をユーザに確認するユーザ確認手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、前記ユーザ確認手段によって確認された道路属性を有する既存道路上の基準地点の地点座標に変換することを特徴とする請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項11】
新規道路編集部は、編集後の新規道路情報に基づき新規道路の形状を推定し、道路情報更新部は、前記新規道路編集部により推定された形状を有する新規道路に対する新規道路情報を地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項12】
新規道路編集部によって推定された新規道路の形状の妥当性をユーザに確認するユーザ確認手段を備え、道路情報更新部は、前記ユーザ確認手段により新規道路の形状が妥当である旨が確認された場合に、新規道路編集部により推定された形状を有する新規道路に対する新規道路情報を地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理装置。
【請求項13】
新規道路編集部によって推定された新規道路の複数の形状の中から1つを選択させる形状選択手段を備え、道路情報更新部は、前記形状選択手段により選択された形状を有する新規道路に対する新規道路情報を地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理装置。
【請求項14】
新規道路編集部は、位置検出手段によって検出された位置情報に基づき新規道路の形状を補正することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理装置。
【請求項1】
自已の位置を検出する位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、前記位置検出手段で検出された位置に対応する道路が、前記地図情報記憶部から取得した道路情報中に存在しない場合に、該道路を新規道路として検出し、該検出した新規道路を走行した履歴を表す新規道路走行履歴情報を生成する新規道路検出部と、前記新規道路検出部で生成された新規道路走行履歴情報に基づき新規道路情報を生成する新規道路生成部と、前記新規道路生成部で生成された新規道路情報を記憶する新規道路情報記憶部と、前記新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する基準地点として新規に追加する地点を指定する追加基準地点指定手段と、前記追加基準地点指定手段で指定された基準地点を含む新規道路情報を生成して編集する新規道路編集部と、前記新規道路編集部で編集された新規道路情報を、前記地図情報記憶部に追加するとともに、前記新規道路情報と前記地図情報記憶部に記憶された既存の道路情報とを接続することにより道路情報を更新する道路情報更新部とを備えたことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項2】
追加基準地点指定手段による指定によって新規に追加された基準地点に接続される他の基準地点を指定する接続基準地点指定手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段で指定された基準地点および前記接続基準地点指定手段で指定された他の基準地点を含む新規道路情報を生成することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する複数の基準地点の中から削除対象とする基準地点を指定する削除基準地点指定手段を備え、新規道路編集部は、前記削除基準地点指定手段で削除された基準地点を除く新規道路情報を生成することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
削除基準地点指定手段は、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する複数の基準地点を結ぶ線分の一部を指定することにより、該線分に含まれる基準地点を削除対象として指定することを特徴とする請求項3記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
削除基準地点指定手段は、新規道路情報記憶部から取得した新規道路情報によって示される新規道路を規定する複数の基準地点を囲むエリアを指定することにより、該エリアに含まれる基準地点を削除対象として指定することを特徴とする請求項3記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
新規道路編集部は、追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に既存道路が存在することを判定した場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該地点座標によって示される地点に最も近い既存道路上の基準地点の地点座標に変換することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項7】
追加基準地点指定手段によって指定された地点座標が既存道路上の地点かどうかをユーザに確認するユーザ確認手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に既存道路が存在することを判定し、且つ、前記ユーザ確認手段によって既存道路上の地点であることが確認された場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該確認された既存道路上の基準地点の地点座標に変換することを特徴とする請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項8】
新規道路編集部は、追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に交差点があることを判定した場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該交差点の地点座標に変換することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項9】
追加基準地点指定手段によって指定された地点座標が交差点かどうかをユーザに確認するユーザ確認手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に交差点があることを判定し、且つ、前記ユーザ確認手段によって交差点であることが確認された場合は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、該交差点の地点座標に変換することを特徴とする請求項8記載の地図情報処理装置。
【請求項10】
追加基準地点指定手段によって指定された地点座標の近傍に複数の既存道路が存在する場合は、複数の既存道路の道路属性をユーザに確認するユーザ確認手段を備え、新規道路編集部は、前記追加基準地点指定手段によって指定された地点座標を、前記ユーザ確認手段によって確認された道路属性を有する既存道路上の基準地点の地点座標に変換することを特徴とする請求項6記載の地図情報処理装置。
【請求項11】
新規道路編集部は、編集後の新規道路情報に基づき新規道路の形状を推定し、道路情報更新部は、前記新規道路編集部により推定された形状を有する新規道路に対する新規道路情報を地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項12】
新規道路編集部によって推定された新規道路の形状の妥当性をユーザに確認するユーザ確認手段を備え、道路情報更新部は、前記ユーザ確認手段により新規道路の形状が妥当である旨が確認された場合に、新規道路編集部により推定された形状を有する新規道路に対する新規道路情報を地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理装置。
【請求項13】
新規道路編集部によって推定された新規道路の複数の形状の中から1つを選択させる形状選択手段を備え、道路情報更新部は、前記形状選択手段により選択された形状を有する新規道路に対する新規道路情報を地図情報記憶部に追加することにより道路情報を更新することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理装置。
【請求項14】
新規道路編集部は、位置検出手段によって検出された位置情報に基づき新規道路の形状を補正することを特徴とする請求項11記載の地図情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2011−53226(P2011−53226A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270554(P2010−270554)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【分割の表示】特願2008−535278(P2008−535278)の分割
【原出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【分割の表示】特願2008−535278(P2008−535278)の分割
【原出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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