説明

地図放送受信端末および地図放送受信方法

【課題】移動体端末が地図コンテンツを受信する放送サービスにおいて、電波状況が悪い、放送エリアから外れる、受信部が他の放送を受信中である等の理由から、所望の地図コンテンツを必ずしも1回の受信の試みで取得できないことがある。
【解決手段】本発明の地図受信端末では、地図放送を受信する受信部と、地図を記録する記録部と、上記地図放送の予定表に基づいて、上記記録部に記録されないコンテンツの受信を行う情報受信部と、情報取得の期日を指定する操作部を有し、上記情報受信部は上記コンテンツの受信ができなかった場合には、再度上記予定表に基づいて、指定期日までに該コンテンツの取得を試みる。また放送による取得の機会がなければユーザへ代替手段を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放送メディアによって配信されるコンテンツを受信する移動体端末に関する。
【背景技術】
【0002】
放送データ受信装置を設ける場合、受信状況が悪い場合が想定される。こうした課題解決のために受信状態を監視して受信レベルが悪いとき、電子番組表(EPG)から同番組の再放送を検索して予約設定し再録画行う技術がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
又、複数の予約に対して録画時間が重ならないような組合せを作成する。また受信エラー発生時には、残りの予約と合わせて再度、予約の組合せを作成する番組予約録画装置に関する技術もある(例えば、特許文献2)。更に車載端末を想定し、予定していた映像コンテンツの受信が不可の場合、予約データを家庭内に別途設置する番組予約録画装置へ発行し、車載端末の代わりに録画を行う仕組みを備える装置に関する発明もある(例えば、特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】特開2000-312323号公報
【特許文献2】特開2000-287140号公報
【特許文献3】特開2005-184316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では車載端末にてナビゲーションに用いる地図情報を受信対象としている。車載端末のように移動することを前提とすると、端末の位置が固定しないために、屋内設置の端末に比べて受信に失敗する可能性が非常に高くなる。また、ナビゲーションに利用する場合、例えば今週末のドライブなどのように予め所望の地図取得の期限があることが想定される。これらのような前提において、上記従来技術には検討がなされていない
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、確実な情報受信が見込めない放送環境においても、移動体端末が所望のコンテンツをユーザの求める日時までに取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願で開示する代表的な発明は以下の通りである。
上記課題を解決するために、本発明の受信端末では、放送を受信する受信部と、受信したコンテンツを記録する記録部と、受信対象のコンテンツを指定し、その取得期限を入力する入力部と、放送の予定表に基づいて、上記記録部に記録されていないコンテンツの受信制御を行う情報処理部とを有する放送受信端末。特に情報処理部は、上記指定されたコンテンツの受信を上記取得期日まで繰り返し試みる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動体端末にとって確実な情報取得が期待できない放送媒体を用いても、受信失敗後に予定表により、所望の日時までの期間で次の機会を捉えて受信を試みることにより、所望のコンテンツの取得を図る。もし所望の日時までに機会がなければ、情報取得の代替手段を提示し、ユーザによるコンテンツ利用を確実とする効果が得られる。
これにより、ドライブの例のように、ユーザが求める日時までに所望の地図コンテンツの受信を終えることができる。さらには、ユーザが求める日時までに所望の地図コンテンツを受信できないことを事前に通知し、またコンテンツ取得の代替手段を提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面にもとづいて説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施形態が適用された地図受信端末を用いて、放送により情報取得を行う概略構成を表す。本願システムは、放送を介して情報を受信する地図受信端末110と、この地図受信端末110に対してコンテンツを放送によって提供する放送局120からなる。地図受信端末110は、放送の予定表と取得したコンテンツを保持する記録部111と、コンテンツの受信制御を行う情報処理部112と、上記情報処理部112の制御により放送局120からの地図放送を受信する受信部113と、ユーザからの所望のコンテンツの指示を与えるなどのためのユーザ操作部114を備える。放送局120は、コンテンツを発信する発信部121と、発信するコンテンツを予め格納しておく管理部122と、放送の予定表を管理する予定表管理部123を備える。
【0010】
例えば、地図受信端末110はカーナビゲーション端末に相当し、放送局120はFM多重放送や地上波デジタル放送などの放送局に相当する。このような地図受信端末110は、記録部111にまだ記録されていないコンテンツを取得するため、同記録部111に保持される放送の予定表から未取得のコンテンツが配信される次回の日時を把握し、左記放送日時にコンテンツを受信部113により受信し、記録部111へ格納する指示を情報処理部112から行う。
【0011】
なお、一般に放送によるコンテンツ配信では、放送局は繰り返し同じコンテンツを配信し、受信端末は何度かある機会のなかのうちから受信する手法がとらえている。これは次に示すような理由から必ずしも受信に成功するとは限らないためである。本実施例でもこれにならい、放送局120は同一コンテンツを複数回配信することとする。
【0012】
本発明で対象とするところの地図受信端末110は移動することを前提としているため、次のような理由からコンテンツを取得できないことが想定される。1つ目としては、該予定表の属する放送局のエリア外に地図受信端末110が位置するため、放送を受信できない。2つ目としては、放送局のエリア内であっても障害物などによって受信状況が悪く、受信できない。3つ目としては、上記受信部113が映像受信などユーザ操作により他の放送局の放送を受信しているため、所望の放送を受信できない場合である。これについて、端末をずっと受信状態としておくことも考えられる。しかし、例えばカーナビゲーション端末に代表される移動体端末では、使用時のみ通電され、使用しない時は電源がOFFの状態となる。また移動体端末に電源供給するバッテリーの電力消費の観点から、常に地図受信端末110の電源を入れて受信し続けることは得策ではない。
【0013】
そこで、このように確実なコンテンツ取得が期待できない放送媒体においても、安定したコンテンツ取得を図るため、本願地図受信端末110は、一度受信に失敗した場合には、予定表を用いて再度次回の受信日時を求め、左記日時に前回失敗したコンテンツの受信を試みる。
【0014】
なお、本願においてコンテンツ取得において用いる予定表は受信開始前に記録部111に格納されていれば良い。その入手手段としては、次に示すように複数の実装をとることができる。予め前述の地図受信端末110に記録されている、あるいは地図受信端末110の備える受信部113から放送を介して取得する。あるいは、地図受信端末110ユーザ操作部114、ネットワーク接続部、メディア読取部等を有しており、これらを介して取得することも可能である。又、これらのうちいずれか一つ以上を組み合わせても構わない。なお、放送によって予定表を受信する場合については、予定表は放送局120から定期的に配信される。予定表に記載される内容も、定期的に更新されるものとする。
【0015】
地図受信端末110をカーナビゲーション端末として捉えたとき、放送局120から地図受信端末110へ放送手段によって配信されるコンテンツとして、本実施例では地図情報を考える。もちろん地図情報以外のものを放送することも可能である。例えば、日々更新される最新の地図情報が定期的に放送局120の管理部122に登録され、随時地図受信端末110へ配信される。これにより、地図受信端末110の記録部111に保持する地図情報が更新され、カーナビゲーションの経路計算処理が常に最適な探索結果を求めてユーザに提示するという機能が実現できる。
【0016】
このように地図情報をコンテンツとして扱った場合、放送方法として以下の実装例をとることができる。例えば毎月最新の全国範囲の地図情報が放送局120の管理部122に登録され、逐次、地図受信端末110へ配信される。または地図情報をいくつかの種類もしくは地域、もしくは種類と地域の適当な組み合わせに分け、各々を単位として配信を行う。又は、ある特定期間に更新された地図情報の変更差分データだけを全国/領域ごとに配信する。あるいはこれらを一つ以上組み合わせて配信を行うといった実装をとりえる。
【0017】
これらはいずれも基本的な処理に違いはないので、以下に代表例として地域毎に地図情報を分けて配信する例を図1、図2、図3、図4を用いて詳述する。まず図2は、地域毎に地図コンテンツの管理単位を分けた概念図をあらわす。ここではエリアAからエリアFまでの6地域に分けて、地図情報が更新管理されているとし、毎月最新の情報を反映して修正された地図コンテンツデータ地域ごとに図1の放送局120の有する管理部122に登録されるとする。
【0018】
続いて図3には、図1の地図受信端末110の有する記録部111に記録される取得済みのコンテンツを管理する既取得コンテンツ表300を表す。これには受信部113を介して既に取得済みのコンテンツの識別情報を格納する。例えば地図情報の対象とするエリアと何月版かの情報が記載される。ここでは、エリアA、エリアBについては既に9月版まで受信を終えていることを表している。
【0019】
次に図4に示す予定表400は、図1の放送局120から配信される放送の予定表である。本実施例では、放送日、開始時刻、終了時刻、および、放送コンテンツの項目について記載されている。放送コンテンツの項目にはコンテンツを識別するため、地図コンテンツの表すエリアと逐次更新されるバージョンを識別できるデータが記載されている。例えば、エリアA10月版は2005年10月1日と8日の10時から11時まで放送される予定となっている。
【0020】
なお、この予定表のデータ構造としては上記に限定されない。例えば、曜日や放送周期などが固定された放送形態をとった場合にはさらに簡略化でき、開始時刻と放送されるコンテンツ識別情報だけが記載されていればよい。一方、複数の放送局からの受信による形態がとれる場合は、予定表に放送局も記載されるか、もしくは放送局毎に予定表を設け、予定表データ毎に放送局を識別できる情報が付与されるものとする。
【0021】
次に図5には、図3に示した既取得コンテンツ表300と、図4に示した予定表400から求まる未取得のコンテンツの次回受信機会を表す受信予約表500を示す。ここではユーザによりエリアAとエリアBの地図コンテンツを受信対象とするよう事前に指定されているとする。受信対象は地図受信端末110のユーザ操作部114を介してメニュー若しくは地図表示画面から選択されたものとする。あるいは、ユーザの居住地をもとに包含するエリアを受信対象と設定してもよい。このような受信予約表500の作成手順については、予定表400の各レコードに対して、まず放送日と現在の日時とを比較し、放送日がまだ過ぎていないレコードを抽出する。次に上記事前に設定されたユーザ所望のエリア情報と予定表400の放送コンテンツを比較し、該当するレコードを抽出する。さらに、既取得コンテンツ表に登録された情報と前述のレコードの放送コンテンツを比較し、取得済みのコンテンツの放送予定を表すレコードを除去する。以上の処理手順に従った結果、図5に示すような受信予約表500を生成することができる。
【0022】
前述の図3の例で示したとおり、地図受信端末110はエリアAについてはまだ9月版までしか受信していないため、図4に示すエリアA10月版の今後の受信機会を探すと、図5に示すように2005年10月1日と8日の10時からと求められる。
【0023】
最後に、ここまで説明した既取得コンテンツ表300、予定表400、受信予約表500を用いた放送受信フローを図6に示す。ステップ610で受信予約表500から直近の受信予約レコードを取得する。この受信予約表500の各レコードは、前述のとおりユーザ操作により決定されたものである。ステップ620におけるタイマー処理において受信予約レコードに記載の放送日および開始時間に達するまで待ち、開始時間に至るとともにステップ630で地図受信端末110の有する受信制御部112から受信部113へ受信開始通知が発せられ、電源がONの状態となり受信を開始する。ステップ640でデータ取得に成功したことを確認すると、ステップ650において受信した地図コンテンツを記録部111へ記録し、既取得コンテンツ表300を修正する。もしデータ取得に失敗した場合にはステップ610へ戻る。続いてステップ660において、該受信予約レコードを受信予約表500から削除する。この結果ステップ670において、受信予約表のレコード登録数が0件となった場合は処理を終了し、レコードが残っていればステップ610へ戻る。この時点でいずれも電源OFF状態となり、以上の放送受信フローを実装することにより、何らかの理由から未取得コンテンツの受信に失敗したとしても、端末が自動的に継続して次の機会を設定し受信を試みる。これにより、ユーザは安定して最新の地図情報を用いることができるようになる。尚、初めに複数件受信予約レコードが作成され、時間順に図6フローに取り込まれる処理としても良い。なお、上記電源のON/OFFの記載については、地図受信端末110の情報処理部112にのみ常時通電しておき、指定時刻になれば主電源をONにして全ての処理部へ通電を行う実装としても良い。
【0024】
補足となるが、図1の地図受信端末110は、図7に示すように放送受信部を2つの筐体とし、地図受信端末710と放送受信端末730に分けて実装してもよい。この形態であっても、前記図1と同じ処理フローにより受信可能な機会を捉えてコンテンツを受信、記録することができる。また筐体を分けることにより、地上波デジタルやFM多重といった異なる放送方式による複数の放送受信端末730との組み合わせが可能となり、放送によるサービスの多様性に寄与する。
【0025】
また図8には、図1の地図受信端末110にさらにネットワーク接続部814を備え、ネットワーク830を介してコンテンツ放送局820から予定表400を取得する場合の構成を示している。実装例としては、地図受信端末810へケーブル等を介して携帯電話へ接続する手法がある。この場合、携帯無線通信網を介して放送局820から随時、最新の放送予定を取得することができるので、地図受信端末810は放送予定の変更に迅速に対応することができる利点が得られる。
【0026】
ここまでに述べてきた実施例に対して、さらに更新するコンテンツと期日を予め指定する処理を加え、地図受信端末が指定どおりの期日までに地図コンテンツを取得するような実装をとることは、ユーザの利便性につながる。このような所望のコンテンツの指定と期日指定を設定する実施例を説明する。まず、所定範囲について予め指定された周期で取得期日を設定する。更に、地図受信端末110がさらに有するユーザ操作部114を介した入力によって所望のエリアや期日を設定することもできる。例えば、地図受信端末110に表示部を設けて、地図表示画面上からユーザが目的地と期日についての旅行予定の入力を受けた場合に指定した目的地までの経路を設定するとともに該経路の周辺領域を地図取得を希望するエリアとして設定する。又、地図受信端末110の有する受信部113から放送を経由して取得した情報を活用することもできる。例えば、放送あるいは別途ネットワーク・メディア読取を介してある場所と期間に開催されるイベント情報などを取り込み、何れかのユーザ選択を受けることで設定を行う。尚、これらいずれか単独で用いて実装してもよいし、2つ以上組み合わせて実装してもよい。図9に上記いずれかの手段によって定められる取得期日とコンテンツ識別について記載する期日指定表900の例を示す。この例では、2005年10月10日までにエリアA10月版の地図コンテンツを取得するよう期日を指定している。この期日指定表900は情報処理部112によって作成され、記録部111に記録される。
【0027】
上記期日指定表900を新たに設けた場合には、情報処理部112は既取得コンテンツ表300と予定表400と、新たに設けた期日指定表900から受信予約表500を生成する。例えば前述の図3の既取得コンテンツ300、図4の予定表400、図9の期日指定表900に示す2005年10月10日までにエリア10月版の地図コンテンツを取得するよう指定して受信予約表を求めると、図5のように2005年10月1日と8日の2回の受信機会が受信予約表500に登録される。これにより例えば、ユーザがある目的地へのドライブ計画をたてる場合、ドライブ予定日よりも前に目的地へ至る範囲の地図が更新され、最新の地図情報を利用できる、といった効果がえられる。
【0028】
なお、各項目の組み合わせによっては期日までに所望のコンテンツの放送予定がないため、取得できない場合もある。このような状況を期日指定時にユーザへ提示することで、受信可否の見込みを通知することは有益である。この受信可否の見込みとしては、受信予約表500を生成するに当たって、期日指定表の各登録毎に受信機会が所定値以下で在る場合に、ユーザへその旨の提示をすればよい。
【0029】
前述の受信可否を通知する際に、ユーザ指定の期日までに既に受信機会が残されていない場合、もしくは実際の受信中に電波状況が悪くなり受信に失敗したときに、放送以外の地図コンテンツ取得代替手段を提示することは、有効である。このコンテンツ取得代替手段としては、次に示す実装例が挙げられる。1つ目としては、地図受信端末110の備える情報処理部112から受信部113を介して放送局120へ、再放送の要求を送り、新たな受信機会が設けられるよう働きかけることである。2つ目としては、地図受信端末110にさらに設けるネットワーク接続部を介して、所望のコンテンツの再放送もしくは所望のコンテンツのネットワークを介した送信を要求する。3つ目としては、地図受信端末110にさらに設けるメディア読取部を介して、可搬型メモリ媒体などから所望のコンテンツを取得する。もちろん、これら複数の手段のうち、一つ以上を組み合わせて取得を試みてもよい。
【0030】
なお、これらのうち1つ目と2つ目に挙がった再放送の要求に対して放送局120では、多くの同様の要求を多く受取った場合に、再放送枠を設けて所望のコンテンツの再放送を行うことも、ユーザの利便性の向上に寄与する。放送局120の設定する予定に定常放送枠とユーザからの要求の高いコンテンツを放送する枠を設けて、放送することも有効であろう。
【0031】
さらに、次の受信予約における受信成功の見込みや、データ取得終了後、若しくはデータ取得終了後の次の電源起動時にユーザへ成否を通知することは、使い勝手の面からユーザにとって利点がある。例えば前者の予め受信成功の見込みをユーザが検知することにより、直近のドライブ計画に必要な地図コンテンツ更新が予定通り受信できるか、あるいは受信が難しいのかが把握できる。また後者のデータ取得成否の通知は、移動体端末の保持する地図コンテンツの更新状態をユーザが把握できる。さらに受信に失敗したときに必要となるコンテンツ取得代替手段の提示は、コンテンツの取得手段をユーザが把握することができる。これらの処理を考慮した放送受信フローを図10に示す。これは図6に示した放送受信フローに対して、以下に述べる項目を新たに追加したフローとなる。まず、受信予約から同一コンテンツ取得の受信機会残回数を提示することにより、今後のコンテンツ受信の確度をユーザへ提示する受信機会残回数通知1015、次に、受信の直前に電波状況などを検知し、受信成功の見込みを通知する受信成功見込み通知1025、また、データ取得に失敗した場合にその旨をユーザへ提示する受信失敗通知1041、さらに取得に失敗したコンテンツをネットワークや可般型メディアなどの別手段を提示する代替取得手段提示1042、最後に、受信に成功した場合にはその旨をユーザへ通知する受信成功通知1065。なお、1065の通知処理は次回電源起動時に行う。これらの拡張項目は、すべてを備える必要はなく、任意の一つ以上の組み合わせた項目だけを備えてもよい。
【0032】
またさらに、図10の放送受信フローにおいて次の放送受信予約をセット(1010)した後に、例えばユーザがナビゲーション機能の経路計算を実施する際、受信可能性についての情報を提示することもできる。例えば、目的地となる駐車場が地下である場合には、ナビゲーションの算出する予測走行時間の情報に基いて到着時刻予定に重複して受信予定が設定されているコンテンツは受信できない可能性が在る旨表示し、代替案を提示するようにする。こうすれば、コンテンツ受信の確度を向上させるのに有益である。
【0033】
続いて述べる実施例では、複数の放送局が存在する環境で、効率的に受信を行うための放送受信フローについて、図11、図12、図13、図14、図15を用いて説明する。図11には図1の地図受信端末110に位置検出部1114をさらに設けた地図受信端末1110を示す。この位置検出部1114にはGPSあるいはジャイロもしくはこれらの組み合わせなどが相当し、常に地図受信端末1110の位置を把握することができる。また図12には、複数の放送局1、2、3の受信がそれぞれ可能なエリアを表している。また地図コンテンツについては、図2で示した同じ管理単位によって更新される地図コンテンツが、各放送局1120の管理部1122に定期的に登録されるものとする。図13には、図12で示した各放送局における予定表の例を記しており、それぞれ放送局1の予定表1301、放送局2の予定表1302を表している。項目については前述の図4の予定表400と同じであるが、放送局毎に放送内容は、放送エリア内の地図コンテンツを重点的に配信する傾斜配分がなされる。例えば図13の放送局1の予定表1301には、放送エリアに重なるエリアA、エリアC、エリアFの地図コンテンツが主に配信される。これにより、放送エリア付近地の地図コンテンツは頻繁に配信され、遠隔地の地図コンテンツはたまに配信されることになり、放送帯域の有効活用が図れる。なお、放送局毎の予定表については、放送局1から放送局2、放送局3の予定表も配信する、というように隣接する放送局の予定表も配信するなお、放送エリア以外の予定表をユーザが取得できるようにすることが望ましい。これにより、特定の放送局の受信エリアへ進入しなくても該放送局の予定表を取得できる利点が得られる。
【0034】
図14には、前記図13に記載の各放送局の予定表に基づいて受信予約表を放送局毎に設定する。例えばエリアC10月版の放送は、放送局1の受信エリアにいれば受信予約表1401に示されるように2005年10月1日10時からであるし、放送局2の受信エリアにいれば、同様に受信予約表1402に示されるように2005年10月1日11時からである。このように地図受信端末1110の位置に応じて受信予約表を切り替えるため、図15に示す受信予約表切り替えフローにより、その時々に位置する放送受信エリアに応じて、受信予約を切り替えて動作する。図15のフローでは、位置検出1501を定期的に繰り返し、毎回どの放送局の受信エリアに位置するのかを把握し、前回と変わっていれば(1502)、該当する放送局の受信予約表に切り替え処理(1503)を行う。この切り替え処理を図6もしくは図10に示した放送受信フローと並列して行うことで、複数の放送局を跨った移動を行った場合にも、地図コンテンツの受信を行うことができる。
【0035】
前述のとおり、複数の放送局の受信エリア間を地図受信端末が移動することを前提とした実装例において、地図受信端末の今後の移動先と滞在時間帯を記載する移動予定表を新たに設けることは、前記複数の放送局毎の受信予約表を生成及び管理する処理を省力する効果が得られる。この移動予定表の実装例として図16に示す移動予定表1600がある。この移動予定表の例では、日付又は曜日、時間帯、位置座標からなるレコードが複数登録されている。例えば過去の地図受信端末の移動履歴から、平日の昼間の時間帯9時から18時までは、出勤先駐車場の位置(x2、y2)に滞在し、平日の0時から8時、19時から24時、さらに土日の終日は自宅駐車場(x1、y1)に滞在することを表すレコードが登録されている。またあるいは、地図受信端末110がさらに有するユーザ操作部を介した入力によって、例えば、2005年10月10日の6時から20時はドライブ先の観光地(x3、y3)に滞在する、といったように特定の日時と場所を記載したレコードが登録してもよい。もしくは、地図受信端末110にさらに設けるメディア読取部を介し、可搬型メモリ媒体、もしくは別のPDA等に登録されたスケジューラから取り込む実装をしてもよい。もちろん、これらの手段のいずれか一つ以上の組合せから移動予定レコードを生成して移動予定表1600へ登録してもよい。以上に記した移動予定表1600を新たに用いることにより、前述の図14に示した放送局毎の受信予約表を生成する際に、放送日に該放送局受信エリアに滞在する可能性の低い受信予約レコードについては、図10放送受信フローの1015受信機会残回数通知における、残回数から除いて通知することにより、受信機会の見込みを正しくユーザに提示することができるという効果が得られる。 また、放送によるコンテンツ配信では、その地域や時期に特化したイベント情報を盛り込むことも有効である。これには、図4の予定表に上記イベントのエリア及び時節を放送コンテンツに記載して、放送局から配信し、受信予約表500の生成処理時に、事前にユーザが指定したエリアに該当するイベント情報を表すレコードを抽出して、受信予約表に出力すればよい。これにより、定期的な地図コンテンツの更新と合わせて、非定期的なイベント情報も受信対象とでき、ユーザが利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】地図受信端末及び放送局を表す構成図。
【図2】地図コンテンツの管理単位を表す概念図。
【図3】既取得コンテンツ表の実装例を表す図。
【図4】放送局の予定表の実装例を表す図。
【図5】受信予約表の実装例を表す図。
【図6】地図受信端末の放送受信フローを表す図。
【図7】地図受信端末と放送受信端末を分けた構成図。
【図8】ネットワーク接続部を装えた地図受信端末及び放送局を表す構成図。
【図9】期日指定表の実装例を表す図。
【図10】地図受信端末の放送受信フローを表す図。
【図11】放送局と位置検出部を装えた地図受信端末を表す構成図。
【図12】地図コンテンツ管理単位と放送局受信エリアを表す図。
【図13】放送局毎の予定表の実装例を表す図。
【図14】放送局毎の受信予約表の実装例を表す図。
【図15】受信予約表切替フローを表す図。
【図16】移動予定表の実装例を表す図。
【符号の説明】
【0037】
110 地図受信端末
120 放送局
300 既取得コンテンツ表
400 予定表
500 受信予約表
610、620、630、640、650、660、670 放送受信フロー
710 地図受信端末
720 放送局
730 放送受信端末
810 ネットワーク接続部を備えた地図受信端末
820 ネットワーク接続部を備えた放送局
900 期日指定表
1010、1015,1020、1025、1030、1040、1041、1042、1050、1060、1065、1070 放送受信フローの処理ステップ
1110 位置検出部を備えた地図受信端末
1120 放送局
1301 放送局1の予定表
1302 放送局2の予定表
1401 放送局1受信エリア用の受信予約表
1402 放送局2受信エリア用の受信予約表
1501、1502、1503 受信予約切替フローの処理ステップ
1600 移動予定表。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送を受信する受信部と、
上記受信したコンテンツを記録する記録部と、
受信対象のコンテンツを指定し、その取得期限を入力する入力部と、
上記放送の予定表に基づいて、上記記録部に記録されていないコンテンツの受信制御を行う情報処理部とを有し、
上記情報処理部は、上記指定されたコンテンツの受信を上記取得期日まで繰り返し試みることを特徴とする放送受信端末。
【請求項2】
上記放送の予定表は、
上記受信部又は、ネットワークに接続されるネットワーク接続部を介して取得されたものであることを特徴とする請求項1記載の放送受信端末。
【請求項3】
上記情報処理部は上記コンテンツ取得時に電源を起動して上記受信を試み、受信できないと判断した場合には電源を切って、上記再度の取得時に再度電源を起動することを特徴とする請求項1又は2に記載の放送受信端末。
【請求項4】
上記コンテンツは、それぞれ特定領域の地図データであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の放送受信端末。
【請求項5】
上記コンテンツは、それぞれ特定期間に変更された地図データの差分データであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の放送受信端末。
【請求項6】
上記コンテンツの上記取得期日までの受信見込みを提示することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の放送受信端末。
【請求項7】
上記取得期日までに上記コンテンツの受信の見込みが低い場合、
上記受信部又はネットワークを介して該コンテンツ取得リクエストを出す、又は、該コンテンツの別方法により取得を促す旨表示することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の地図受信端末。
【請求項8】
電源起動時に、該電源起動前に試みた上記コンテンツ受信の結果を提示することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の地図受信端末
【請求項9】
上記予定表は、異なる放送エリアにおける複数の予定表であって、
該地図受信端末の現在位置における上記放送エリアの予定にしたがって上記受信を試みることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の地図受信端末。
【請求項10】
上記情報処理部は経路設定が指示された場合に、上記取得しようと予定するコンテンツが在る場合には、該予定時刻と上記経路走行予定時刻から上記受信できない可能性が在る旨を提示することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の地図受信端末。
【請求項11】
ユーザからコンテンツの指定と該コンテンツの受信期日の入力を受け、記録される放送予定表に基いて上記コンテンツ放送時刻を取得し、
上記コンテンツの放送時刻に該コンテンツの取得に失敗した場合に、該放送時刻より後の該コンテンツ放送時刻に再度該コンテンツの取得を試み、該試みを上記放送期日まで繰り返すことを特徴とする放送受信プログラム。
【請求項12】
上記コンテンツは地図情報であって、
上記コンテンツ取得に失敗した場合に端末の電源を切り、上記再度コンテンツの取得を試みる時に自動的に該端末の電源を入れることを特徴とする請求項11記載の放送受信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−170933(P2007−170933A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367366(P2005−367366)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】