説明

地図表示装置および地図データ作成装置

【課題】ネットワーク状に互いに接続されている複数の高速道路と、ネットワーク高速道路と分離されている孤立高速道路とをそれぞれ強調表示する際に、それらの高速道路の接続関係が不自然にならないようにする。
【解決手段】表示モニタ16には、ネットワーク高速道路21b〜21dと孤立高速道路21aとが強調表示される。また、ネットワーク高速道路21b〜21dの出入口と孤立高速道路21aの出入口とを接続する高速間一般道路22a,22bを抽出して他の一般道路に比べて強調表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般道路に比べて高速道路や有料道路などを強調表示する地図表示装置および地図データ作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般道路に比べて高速道路の道幅を広く表示し、高速道路を強調表示するナビゲーションシステムが従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−253368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーションシステムでは、他の高速道路や有料道路と接続せずに孤立して高速道路または有料道路が表示され、高速道路または有料道路から一度降りて一般道路を走行し、前回走行した高速道路または有料道路とは違う高速道路または有料道路を走行する場合、わかりづらい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の地図表示装置は、一般道路と、高速道路および有料道路を含む特定道路とを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶した特定道路のうち、他の特定道路と分離されている特定道路(以下、孤立特定道路)の出入口と、他の特定道路の出入口との間を接続する一般道路を特定道路間道路として抽出する抽出手段と、特定道路および抽出された特定道路間道路を一般道路に比べて強調して表示する表示データを作成する表示データ作成手段と、作成された表示データに基づいて表示モニタに地図を表示する地図表示制御手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、抽出手段は、孤立特定道路の出入口と、他の特定道路の出入口との間が所定距離内であることを条件として特定道路間道路を抽出することを特徴とする。
(3)請求項3の発明の地図データ作成装置は、一般道路と、高速道路および有料道路を含む特定道路とを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶した特定道路のうち、他の特定道路と分離されている特定道路(以下、孤立特定道路)の出入口と、他の特定道路の出入口との間を接続する一般道路を特定道路間道路として抽出する抽出手段と、特定道路および抽出された特定道路間道路を一般道路に比べて強調した地図の表示データを作成する表示データ作成手段と、表示データ作成手段で作成した表示データを無線通信で地図表示装置に配信する配信手段とを備えることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の地図データ作成装置において、抽出手段は、孤立特定道路の出入口と、他の特定道路の出入口との間が所定距離内であることを条件として特定道路間道路を抽出することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項3に記載の地図データ作成装置において、地図表示装置を搭載した車両から少なくとも自車位置の情報を収集する収集手段をさらに備え、抽出手段は、収集手段で収集した情報に基づいて、他の特定道路の出口から孤立特定道路の入口へ走行する複数の車両が通過した経路、および孤立特定道路の出口から他の特定道路の入口へ走行する複数の車両が通過した経路を検索し、複数の経路の中から、もっとも通過車両の多い経路を特定道路間道路として抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、互いにネットワーク状に接続された高速道路や有料道路を含むネットワーク特定道路と、ネットワーク特定道路と分離した孤立特定道路とを強調表示するとともに、ネットワーク特定道路と孤立特定道路にそれぞれ設けられている出入口間を互いに接続する一般道路も特定道路間道路として強調表示するようにした。その結果、強調表示されたネットワーク特定道路と孤立特定道路が途切れ途切れで表示されず、高速道路または有料道路を一度降りて、一般道路を走行し、前回走行して高速道路または有料道路とは異なる高速道路または有料道路を走行したい場合には見やすい表示となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施形態−
図1は、本発明の第1の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。ナビゲーション装置1は、地図上に表示された高速道路または有料道路を一般道路に比べて強調表示する。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18およびディスクドライブ19を有している。ディスクドライブ19には、地図データが記憶されたDVD−ROM110が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、DVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行う。そして、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定する。また、現在地検出装置14により検出された車両の現在地が自車位置マークとして地図上に表示される。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて、制御回路11において適宜生成される。
【0010】
ディスクドライブ19は、DVD−ROM110から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。道路のリンク情報には、リンクに対応する道路(東名高速道路、国道1号など)を識別するための識別情報、高速道路、有料道路、一般道路などの道路種別の情報が含まれる。この道路種別の情報に基づいて、線色や線種などの道路の表示方法が決定される。また、高速道路または有料道路の出入口(インターチェンジや料金所など)に対応するノードのノード情報には、高速道路または有料道路の出入口であることを示す情報が含まれる。
【0011】
地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM110以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0012】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などのために操作される操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0013】
目的地がユーザによって設定されると、目的地に経路探索終了点が設定される。そして、経路探索用データを用いて経路探索開始点から経路探索終了点までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは道路地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0014】
次に、図2を参照して本発明の第1の実施形態における道路表示について説明する。図2(a)は、自車両が表示画面外の一般道路を走行している場合に表示モニタ16に表示される道路地図20の一例を示す。表示画面上には、高速道路21a〜21dが一般道路に比べて強調して表示されている。高速道路21b,21c,21dは、互いに接続されている高速道路であり、本明細書ではネットワーク高速道路と呼ぶ。高速道路21aは、他の高速道路と接続していない孤立した高速道路であり、本明細書では孤立高速道路と呼ぶ。図2(a)に示すように、孤立高速道路21aの終端の出入口とネットワーク高速道路21b,21c,21dのインターチェンジの出入口との間には一般道路が存在しているが、強調表示されないので、高速道路同士が途切れているように表示され、高速道路21〜21dの表示が不自然に見える。
なお、符号24は、道路種別の表示を説明するためのヘルプ画面である。
【0015】
図2(b)は、車両が孤立高速道路21aを走行しているときの表示モニタ16の表示画面を説明するための図である。表示モニタ16の表示画面には、地図20に重ねて自車位置マーク23が表示される。一般道路22a,22bは、孤立高速道路21aの終端の出入口とネットワーク高速道路21bに設けられている出入口間を互いに接続する一般道路であるが、下記の強調表示条件(1),(2)に合致しているため強調表示されている。
(1)同一種別の道路として接続されていること
(2)互いに一般道路で接続される出入口間の距離が所定距離以内であること
【0016】
このような強調表示により、孤立高速道路21aとネットワーク高速道路21bとの間の接続関係が自然に表示され、孤立高速道路21aとネットワーク高速道路21bとの間が途切れて見えてしまう違和感を緩和することができる。なお、この実施の形態では、このように一般道路でありながら強調表示される道路を「高速間一般道路」と呼ぶ。
【0017】
次に、本発明の第1の実施形態における道路表示処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3の処理は、表示モニタ16に地図が表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0018】
ステップS301では、現在地検出装置14を用いて、車両の現在地を検出する。ステップS302では、車両が高速道路を走行しているか否かを判定する。車両が高速道路を走行している場合はステップS302が肯定判定され、ステップS303へ進む。車両が高速道路を走行していない場合はステップS302が否定判定され、ステップS301に戻る。
【0019】
ステップS303では、自車位置周辺の、つまり車両の現在地からある定めた距離内にある、全ての高速道路を抽出する。ステップS304では、抽出した全ての高速道路について、表示モニタ16に表示された地図範囲内に存在する出入口を抽出する。ステップS305では、抽出した全ての出入口に接続している道路について、同一種別のまま他の高速道路の出入口に接続しているものを抽出する。
【0020】
ステップS306では、抽出した出入口のうち、出入口間が所定距離内となる出入口を抽出する。ステップS307では、抽出した出入口を接続する一般道路を高速間一般道路として強調表示する。たとえば、抽出した出入口をそれぞれ出発地と目的地とし、出発地から目的地まで同一種別で接続される道路であることを探索条件として推奨経路を探索し、探索された推奨経路上の道路を、抽出した出入口を接続する高速間一般道路とする。高速間一般道路の道路種別を一般道路からバイパス道などの他の種別に変更して道路を表示することにより、抽出した出入口を接続する一般道路を強調表示する。高速間一般道路に専用に割り当てた表示形態で強調表示してもよい。
【0021】
なお、ネットワーク高速道路または孤立高速道路について抽出した一の出入口に接続されている道路を道なりに進んでネットワーク高速道路または孤立高速道路の他の出入口に到達する道路を、抽出した出入口間を接続する高速間一般道路としてもよい。
【0022】
以上の第1の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)ネットワーク状に接続されている複数の高速道路、すなわちネットワーク高速道路、および、ネットワーク高速道路と分離されている孤立した高速道路、すなわち孤立高速道路を、一般道路と識別可能に強調表示する。この場合、孤立高速道路の出入口とネットワーク高速道路の出入口とを接続する高速間一般道路も強調表示する。したがって、孤立高速道路がネットワーク高速道路と接続しているかのように表示され、ユーザは、孤立高速道路とネットワーク高速道路との接続関係に違和感を覚えない。
【0023】
(2)ユーザが強調表示された高速間一般道路に沿って走行することにより、ネットワーク高速道路から孤立高速道路への移動、あるいはその逆の移動を容易に行うことができる。すなわち、高速間一般道路の強調表示は、推奨経路としての表示機能も有する。
【0024】
(3)孤立高速道路の出入口と、ネットワーク高速道路の出入口間が所定距離以内である接続道路を高速間一般道路として抽出して強調表示するようにした。したがって、孤立高速道路の全長と対比して、強調表示された高速間一般道路の長さが不自然に長くなるのを防止することができる。
【0025】
−第2の実施形態−
図4は、本発明の第2の実施形態によるナビゲーションシステムを示す。ナビゲーションシステムは、車両に設けられたナビゲーション装置1Aと情報センタ3とを含む。ナビゲーション装置1Aと情報センタ3とはネットワーク4を介して接続している。このナビゲーションシステムでは、情報センタ3からナビゲーション装置1Aへ、地図データが配信される。
【0026】
情報センタ3はサーバ31を備える。サーバ31には、第1の実施形態DVD−ROM110に記憶した道路地図を表す地図データと、この地図データに基づいて各車両ごとに加工されて送信される地図データとが記憶される。情報センタ3は、サーバ31に記憶した全国エリアもしくはサービス提供エリア内に存在する全ての高速道路に関するデータを対象として、ネットワーク高速道路の強調表示処理、孤立高速道路の強調表示処理、高速間一般道路の強調表示処理をそれぞれ行って記憶しておく。そして、高速道路上を走行中の車両から地図データが要求されると、当該車両の自車位置を中心とした周辺地図データを抽出して、通信装置32より対応する車両に配信する。この地図データはネットワーク4を介してナビゲーション装置1Aで受信される。
【0027】
図5を参照して、ナビゲーション装置1Aの構成について、第1の実施形態のナビゲーション装置1と異なる部分を主に説明する。ナビゲーション装置1Aは、第1の実施形態のナビゲーション装置1と異なり、地図データを情報センタ3から取得する。したがって、情報センタ3との間でデータの送受信を行う通信装置111と、情報センタ3から取得した地図データを記憶するデータ記憶装置112を有する。
【0028】
通信装置111は、無線電波を利用して情報センタ3との間でデータ通信を行う装置であり、情報センタ3から地図データを取得してデータ記憶装置112に記憶する。また、通信装置111は、車両の現在地の情報などを情報センタ3に送信する。データ記憶装置112は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な記録媒体によって構成される。
【0029】
第2の実施形態においても、第1の実施形態の図2(b)と同様に、ナビゲーション装置1Aの表示モニタ16に表示される地図において、ネットワーク高速道路21b、孤立高速道路21a、および高速間一般道路22a,22bを、他の一般道路と識別可能に強調表示する。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態における地図データ配信処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6の処理は情報センタ3において実行される。ナビゲーション装置1Aは、この処理で配信されデータ記憶装置112に記憶された地図データを用いて、ネットワーク高速道路21b、孤立高速道路21a、および高速間一般道路22a,22bを、他の一般道路と識別可能に強調した表示を行う。図3の処理と共通するステップには共通の符号を付し、図3の処理と異なる部分を主に説明する。
【0031】
ステップS601では、ナビゲーション装置1Aから地図配信を要求する車両の現在地の情報を取得する。そして、ステップS302へ進む。ステップS302が肯定判定されるとステップS303〜S306へ進む。
【0032】
ステップS306の次に進むステップS602では、抽出した出入口を接続する高速間一般道路も強調表示した地図表示データを作成する。ステップS603では、作成した地図表示データをナビゲーション装置1Aへ配信する。ナビゲーション装置1Aは、受信した地図表示データに基づいて表示モニタ16に図2に示すような地図を表示する。
【0033】
以上の第2の実施形態によるナビゲーションシステムは、第1の実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、次のような作用効果を奏する。
情報センタ3のサーバ31、すなわち、車載ナビゲーション装置のプロセッサよりも処理速度が早いサーバ31で地図表示データを作成するので、高速道路の強調表示処理、および、高速間一般道路の抽出/強調表示処理を短時間に実行することができる。
【0034】
なお、第1および第2の実施形態の図2(b)では、孤立高速道路の終端または基端の出入口と、ネットワーク高速道路の出入口とを接続する一般道道路を高速間一般道路として強調して示している。本発明は、孤立高速道路の終端または基端出入口以外に存在するインターチェンジなどの出入口と、ネットワーク高速道路の種々の出入口とを接続する一般道路を高速間一般道路として強調表示してもよい。
【0035】
−第3の実施形態−
以上の第2の実施形態のナビゲーションシステムでは、孤立高速道路の出入口と、ネットワーク高速道路の出入口間が所定距離以内である接続道路を高速間一般道路として抽出して強調表示するようにした。しかし、各車両から情報センタ3に収集される車両位置情報、時刻情報などを含むプローブ情報を用いて高速間一般道路を抽出してもよい。
【0036】
たとえば、情報センタ3は、所定時間、あるいは所定日数にわたって収集したプローブ情報に基づいて、孤立高速道路からネットワーク高速道路へ、あるいはネットワーク高速道路から孤立高速道路へ移動する車両(高速間移動車両と呼ぶ)の経路と台数を抽出する。高速間移動車両の経路は複数種類存在するので、複数の経路のうち通行量が所定レベル以上の経路を一つ選択し、高速間一般道路とする。情報センサ3は、選択した高速間一般道路を強調表示するような地図表示データを作成する。
【0037】
なお、第2の実施形態と同様に、情報センタ3は、全国エリアもしくはサービス提供エリア内に存在する全ての高速道路を対象として、ネットワーク高速道路の強調表示処理、孤立高速道路の強調表示処理、高速間一般道路の強調表示処理をそれぞれ行い、配信用地図表示データを予め作成してサーバ31に記憶しておく。そして、高速道路上を走行中の車両から地図データが要求されると、当該車両の自車位置を中心とした周辺地図データを抽出して、通信装置32より対応する車両に配信する。この地図データがネットワーク4を介してナビゲーション装置1Aで受信される。
【0038】
次に、プローブ情報を利用して作成した地図データの配信処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。図6の処理は情報センタ3において実行される。
【0039】
ステップS701では、サーバ31の地図データに基づいて孤立高速道路を抽出する。孤立高速道路の地図データには、それを識別するフラグを付しておけばよい。ステップS702では、抽出した孤立高速道路の終端もしくは基端の出入口(端部出入口と呼ぶ)を抽出する。ステップS702では、プローブ情報より、孤立高速道路の終端出口から退出し、ネットワーク高速道路の入口に至り、その高速道路に進入する車両の通過台数が最も多い一般道路を抽出する。ステップS703では、プローブ情報より、ネットワーク高速道路の出口から退出し、孤立高速道路の基端入口に至りその孤立高速道路に進入する車両の通過台数が最も多い一般道路を抽出する。ステップS704では、ステップS702およびS703で抽出した各一般道路のうち、交通量の多い道路を高速間一般道路とし、強調表示した地図表示データを作成する。
【0040】
ステップS705では、ナビゲーション装置1Aから地図データの配信を要求する車両の現在地の情報を取得する。ステップS706では、車両が高速道路を走行しているか否かを判定する。車両が高速道路を走行している場合はステップS706が肯定判定され、ステップS707へ進む。車両が高速道路を走行していない場合はステップS706が否定判定され、ステップS705に戻る。ステップS707では、作成した地図表示データをナビゲーション装置1Aへ配信する。
【0041】
第3の実施形態のナビゲーション装置でも、第1および第2の実施形態のナビゲーション装置と同様に、ネットワーク状の高速道路と孤立高速道路間の接続関係を自然に表示することができるという効果を奏することができる。
【0042】
以上の第1の実施の形態〜第3の実施形態を次のように変形することができる。
(1)強調表示する高速間一般道路を決定する手法は上述した手法に何ら限定されない。孤立高速道路の出入口と、ネットワーク高速道路の出入口とを接続する一般道路の全てを強調表示してもよい。
【0043】
(2)道路を強調表示するための強調方法は、道路を目立たせる表示方法であれば実施形態に限定されない。たとえば、道路の表示色を目立つ色に変更して強調表示してもよいし、道路幅を広く表示して強調表示するようにしてもよい。
【0044】
(3)高速道路について説明したが、高速道路、有料道路、都市間高速道路、車両専用道路などの特定道路を含む表示画面内において、それら特定道路を接続する一般道路(特定道路間道路)を抽出して強調表示してもよい。
【0045】
(4)情報センタから配信した地図データを地図表示装置が受信し、地図データに係る地図を表示する地図表示システムの場合、車載ナビゲーションシステムに限定されず、地図表示可能な携帯電話でもよい。
【0046】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0047】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0048】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の記憶手段はDVD−ROM110やRAM13、あるいはデータ記憶装置112に対応し、抽出手段、表示データ作成手段および地図表示制御手段は制御回路11やサーバ31に対応する。配信手段は、通信装置32と通信装置112に対応する。また、地図データ作成装置は情報センタ3のサーバ31に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における道路表示を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における道路表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態のナビゲーションシステムの概要を説明するブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のナビゲーションシステムを構成するナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のナビゲーションシステムにおける各種処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態のナビゲーションシステムにおける各種処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1,1A ナビゲーション装置
3 情報センタ
4 ネットワーク
16 表示モニタ
21a〜21d 孤立高速道路
21b〜21d ネットワーク高速道路
22a,22b 一般道路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般道路と、高速道路および有料道路を含む特定道路とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した特定道路のうち、他の特定道路と分離されている特定道路(以下、孤立特定道路)の出入口と、前記他の特定道路の出入口との間を接続する前記一般道路を特定道路間道路として抽出する抽出手段と、
前記特定道路および前記抽出された特定道路間道路を前記一般道路に比べて強調して表示する表示データを作成する表示データ作成手段と、
前記作成された表示データに基づいて表示モニタに地図を表示する地図表示制御手段とを備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記抽出手段は、前記孤立特定道路の出入口と、前記他の特定道路の出入口との間が所定距離内であることを条件として前記特定道路間道路を抽出することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
一般道路と、高速道路および有料道路を含む特定道路とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した特定道路のうち、他の特定道路と分離されている特定道路(以下、孤立特定道路)の出入口と、前記他の特定道路の出入口との間を接続する前記一般道路を特定道路間道路として抽出する抽出手段と、
前記特定道路および前記抽出された特定道路間道路を前記一般道路に比べて強調した地図の表示データを作成する表示データ作成手段と、
前記表示データ作成手段で作成した前記表示データを無線通信で地図表示装置に配信する配信手段とを備えることを特徴とする情報センタで用いる地図データ作成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の地図データ作成装置において、
前記抽出手段は、前記孤立特定道路の出入口と、前記他の特定道路の出入口との間が所定距離内であることを条件として前記特定道路間道路を抽出することを特徴とする地図データ作成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の地図データ作成装置において、
前記地図表示装置を搭載した車両から少なくとも自車位置の情報を収集する収集手段をさらに備え、
前記抽出手段は、前記収集手段で収集した前記情報に基づいて、前記他の特定道路の出口から前記孤立特定道路の入口へ走行する複数の車両が通過した経路、および前記孤立特定道路の出口から前記他の特定道路の入口へ走行する複数の車両が通過した経路を検索し、複数の経路の中から、もっとも通過車両の多い経路を前記特定道路間道路として抽出することを特徴とする地図データ作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−257878(P2009−257878A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105828(P2008−105828)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】