説明

基板から汚染物質を除去するための方法および装置

基板から汚染金属を除去し、電気性能を向上させる方法が提供される。ポリカチオン金属は、絶縁体または半導体基板の電気的性質に著しく有害であることが知られている。本方法は、基板の電気性能を向上させるために、式(I):


[式中、nは各出現時に独立して0から6の間の整数値であり、Xは各出現時に独立してH、NR4、Li、NaまたはKであり、またXの少なくとも1つはNR4であり、Rは各出現時に独立してHまたはC1〜C6アルキルである。] の少なくとも1種の化合物の水溶液への基板の曝露を含む。この種の溶液を調製するためのキットは、式(I)の少なくとも1種の化合物の合計1〜20重量パーセントの水性濃縮物を含む。キットはまた、濃縮物を希釈して溶液を形成するための説明書を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2009年4月8日出願の米国仮特許出願第61/167,641号および2009年10月5日出願の同61/248,620号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、基板からの汚染物質の除去、特に、シリコン基板から遊離した金属汚染物質の水性処理およびキレート化の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
光起電(太陽光(solar))基板を処理する際、しばしば光起電(太陽光)基板上に層を堆積させる。例えば、いくつかの光起電(太陽光)基板の製作中に、1つまたは複数の層が光起電(太陽光)基板の片面に(例えば電気めっき法または物理的気相成長法もしくは化学的気相成長法によって)しばしば施される。基板上の金属(metallics)(例えば、鉄、銅)および粒子の存在は、その後の製作において、例えば接着強度および/または均質性に関する問題を引き起こす。例えば、後続の基板上での製作中に、表面汚染(粒子および微量金属)によって引き起こされる接着不良のために、堆積膜が剥離することがあり、それによってさらなる粒子の問題および交差汚染が引き起こされる。さらに、このような汚染物質は太陽光エネルギーの変換効率を低下させる。酸素、炭素および窒素などの軽元素は、金属の析出(例えばFe、CrおよびNi)の非均質核形成中心を生じ、これは深いトラップとして働き、少数キャリア拡散長を低下させることにより全体のセル変換効率を下げる原因となる(学位論文:インドラディープ・セン(INDRADEEP SEN)、ノースカロライナ州立大学(NCSU)、2002年)。
【0004】
効率低下の理由には、光の不完全な吸収または一部光子エネルギーの熱としての散逸、不完全な接合、バルクおよび表面内の再結合作用、および直列およびシャント抵抗作用が含まれる。太陽光産業界は、「独創的」または「知的」な洗浄によって不純物を回避する代わりに、様々なゲッタリングや除去ステップを用いてこれらの問題を最小限にしている。不純物は電気動作欠陥の主な原因である。したがって、それらの除去または最小化が最も重要である。金属不純物はシリコンバンドギャップにおいて、より深いエネルギー準位を持つため、寿命に対してより強い影響を及ぼす。広範囲の欠陥は、金属および非金属性不純物と点欠陥の相互作用により生み出される。鉄(Fe)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)などの重金属は、シリコン母材の中へ、また母材の中を通過して非常に速く拡散する(例えば1100℃における鉄原子の拡散速度は、およそ1μm/秒である)。結晶内に入ると、分離した不純物は、強い再結合中心として作用する、または、結晶学的欠陥に堆積することができ、複合した欠陥は有効な再結合部位として作用する。広範囲の結晶欠陥の再結合特性は、主に、特定の欠陥を修飾する金属不純物によって規定される。したがって、欠陥が接合部の近傍に、または接合部の1または2拡散長内の領域に存在する場合、これらの欠陥が金属で修飾されれば、素子のVoc(開放回路電圧)の急激な低下をもたらし得る。これらの金属不純物を活性素子領域から除去しなければ、またはそれらを電気的に不活性化しなければ、PV性能は低下し、妨害されさえする。PVシリコンについての広域的欠陥モデルは、金属不純物と結晶欠陥の間に強い関連があり、これが全体の電池効率を低下させる原因となっていることを示唆している。有効寿命は、概して、鉄濃度によって限定される(「多結晶シリコン中の遷移金属不純物と少数キャリアの再結合の直接的な相関関係(Direct correlation of transition metal impurities and minority carrier recombination in multicrystalline silicon)」、スコット・エー(Scott A.)、エムシーヒューゴ(McHugo)およびエー・シー・トンプソン(A. C. Thompson)、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)、バークレー(Berkeley)、カリフォルニア(California) 94720、ペリチャード(Perichaud)およびエス・マルティヌッツィ(S. Martinuzzi)、アプライド・フィジックス・レターズ(Appl. Phys. Lett.) 72、3482頁(1998); DOI: 10.1063/1.121673)。
【0005】
この問題の解決法が提案され、遷移金属不純物と少数キャリア再結合との間に直接相関があることが示された。他方で、洗浄が丹念なほど性能が改善される傾向が示された。有効な自由電子の寿命は、洗浄が徹底するほど増加することが知られている。さらに、電流収集チャネルに隣接するpn接合領域中に十分高濃度で存在する金属(すなわち、析出物の集合体)は、界面付近の電荷を捕らえ、中間ギャップ(midgap)付近にフェルミ準位をピン止めし、ポテンシャル障壁高さを下げる原因となり得る。PV動作を低下させるシリコン中への様々な金属の拡散において、金属に対する熱力学的障壁はわずかである。これらには、鉄だけでなく、銅、マンガン、クロムおよびニッケルもまた含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,949,123号「多結晶シリコンを含む太陽電池及びp型多結晶シリコンの表面をテクスチャライズする方法(Solar cell including multi-crystalline silicon and a method of texturizing the surface of p-type multi-crystalline silicon)」
【特許文献2】にしもと(Nishimoto)、米国特許第6,197,611号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】学位論文: インドラディープ・セン、ノースカロライナ州立大学、2002年
【非特許文献2】「多結晶シリコン中の遷移金属不純物と少数キャリアの再結合の直接的な相関関係」、スコット・エー、エムシーヒューゴおよびエー・シー・トンプソン、ローレンス・バークレー国立研究所、バークレー、カリフォルニア94720、ペリチャードおよびエス・マルティヌッツィ、アプライド・フィジックス・レターズ72、3482頁(1998); DOI: 10.1063/1.121673
【非特許文献3】エス・ケイパート(S. Keipert)ら、第23回ヨーロッパ光起電太陽光エネルギー会議及び展示(23rd European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition)、2008年9月1〜5日、バレンシア(Valencia)、スペイン(Spain)
【非特許文献4】エドワード・シュヴァイツァー(Eduard Schweizer)(1857)、「植物繊維のための代表的な酸化銅-アンモニア(Das Kupferoxyd-Ammoniak, ein Auflosungsmittel fur die Pflanzenfaser)」、J Prakt. Chem. 72 (1): p.109〜111
【非特許文献5】ISES 2001 ソーラー世界会議(Solar World Congress)、「テクスチャリング産業の多結晶シリコン太陽電池(Texturing Industrial Multicrystalline Silicon Solar Cells)」、ディー・マクドナルド(D. Macdonald)ら
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、基板、特に光起電基板から不純物を高度に除去できる洗浄の方法および組成物に対するニーズが存在する(エス・ケイパートら、第23回ヨーロッパ光起電太陽光エネルギー会議及び展示、2008年9月1〜5日、バレンシア、スペイン)。
【課題を解決するための手段】
【0009】
基板から汚染金属を除去し、電気性能を向上させる方法が提供される。ポリカチオン金属は、絶縁体または半導体基板の電気的性質に特に有害であることが知られている。本方法は、基板の電気性能を向上させるために、式(I):[化1] [式中、nは各出現時に独立して0から6の間の整数値であり、Xは各出現時に独立してH、NR4、Li、NaまたはKであり、Xの少なくとも1つはNR4であり、Rは各出現時に独立してHまたはC1〜C6アルキルである。] の少なくとも1種の化合物の水溶液に、絶縁体または半導体基板を曝露するステップを含む。本方法は、式(I)の化合物が過酸化物を含む溶液中に存在する場合に、過酸化物の安定性が強まるので、特に有利となることに留意されたい。絶縁体または半導体基板から金属汚染物質を除去し、電気性能を向上させるための溶液を調製するためのキットは、式(I) [式中、nは各出現時に独立して0から6の間の整数値であり、XはH、NR4、LiまたはKであり、Rは各出現時に独立してHまたはC1〜C6アルキルである。] の少なくとも1種の化合物の合計1〜20重量パーセントの水性濃縮物を含む。キットはまた、濃縮物を希釈して、絶縁体または半導体基板から汚染金属を除去してその電気性能を向上させるための溶液を形成するための指示を提供する。
【0010】
【化1】

【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明による洗浄方法の概略流れ図である。
【図1B】従来法と比較した、破線ボックス(省略可能なステップ)、および太線ボックス(エチレンジアミン四塩基酸(ethylene diamine tetracid)(I)を含み得るステップ)を含む、光起電力に関する好ましい概略流れ図である。
【図2】本発明による代替洗浄方法の概略流れ図である。
【図3】従来法および本発明の方法によって処理し減少した基板について測定した、開放回路電圧の棒グラフである。
【図4】意図的な汚染および標準HF洗浄と比較した、本発明の洗浄の鉄汚染レベルに基づく、キャリア寿命の棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、以下に示す詳細な説明および本発明の様々な実施形態の添付の図面から、より完全に理解されるであろうが、これらは本発明を特定の実施形態に限定すると受け取られるべきではなく、説明および理解のためのみのものである。
【0013】
本発明は、基板から汚染物質を除去するための洗浄溶液および方法として有用である。光起電基板への本発明の方法の適用によって、光起電素子動作パラメータが改善される。本発明は、分離したシリコンウェーハまたは連続的なリボン基板のいずれかのシリコン基板に関して詳述されるが、本発明の洗浄組成物および洗浄方法は、単結晶シリコン以外の基板だけでなく、他の用途に用いられるシリコン基板にも適用可能であることが理解される。本発明から恩恵を得るシリコン基板の他の用途には、LED、化合物半導体、MEMS素子およびセンサが含まれる。シリコン基板には、多結晶、非晶質および結晶性のシリコン基板が含まれることが理解される。本明細書において有効な他の基板には、例証的に、シリコンオンインシュレーター(SOI)、ガラス、サファイア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ポリマーまたは有機シート、および化合物半導体が含まれる。
【0014】
この後、本発明は主として光起電基板について詳述するが、前述の他の用途が、金属汚染物質の除去によって恩恵を得ることに留意するべきである。表面がエッチングに曝露され得ることは理解される。通常、基板にはオイルなどの表面有機汚染物質があるが、金属イオンは、限定はしないが通常、基板本体の内部に見られ、内部の特定の金属イオンは優先的に分離して、基板の一部になる。特定の理論によって束縛される意図はないが、本発明は、基板表面上に露出された金属原子および/または金属イオンを、溶媒和したキレート剤の相互作用によりキレート化する。金属イオンは、基板内または組成物界面で、格子間に割り込み、置換し、または集合体さえ形成し得る。集積回路基板のための方法と比較した光起電基板洗浄の方法でのさらなる要件は、バルクエッチングおよび粗面処理を起こし、入射光線の内部散乱をその結果得られる光起電内部で促進し、それによって光起電励起の可能性を強め自由電子を生み出すことへの要望である。
【0015】
本明細書で使用する場合、具体的にはエチレンジアミン四塩基酸およびクエン酸含有化合物を含めたキレート剤に関しては、このような酸の塩もまた本発明において有効であり、このようなキレート剤を参照することにより包含されるよう意図されることが理解される。
【0016】
本発明の方法は、従来技術のプロセスステップを不要にするかまたはこれらと相乗的に作用し、基板汚染物質およびそこからの特定の金属イオンをより効率的に除去する。
【0017】
ここで図1Aを参照すると、本発明の方法を、シリコンなどの疎水性表面を有する基板の洗浄を示す流れ図として、全体として100で示す。方法100は、光起電基板から生来の酸化物を除去するステップ110、バルクエッチングおよび粗面処理を実施するステップ120、および処理中の基板への遊離金属汚染物質の再結合を阻止するために、バルクエッチングおよび粗面処理の過程で遊離した金属イオン汚染物質をキレート剤の酸性溶液に曝露するステップ130という、3つの本質的なステップを特徴とする。場合によっては、硫酸および過酸化水素の溶液(一般にピラニア溶液と呼ばれる)に曝露させるステップ102を、生来の酸化物を除去するステップより先に行う。基板表面に見られる有機物質の反応速度が溶液活性剤濃度と比例関係にあることを理解するならば、従来のピラニア溶液濃度がここでは有効である。通常、硫酸、過酸化水素、脱イオン水の混合物において、硫酸は1から10パーセント、および過酸化水素は1から10パーセントの範囲にある。触媒量の可溶性金属硫酸塩を、水性硫酸および過酸化水素溶液に加え、有機物質の除去を触媒するのが好ましい。水性の可溶性金属硫酸塩はより好ましい。硫酸塩の金属イオンが、光起電効率低下の一因とならないことが好ましい。特に好ましい水性の可溶性金属硫酸塩は、硫酸カルシウムである。特定の理論によって束縛される意図はないが、硫酸塩は基板表面からの有機物質除去を触媒すると考えられる。基板をステップ102でピラニア溶液に曝露させる場合、ステップ102の次に、脱イオン水中でのリンス104が来る。脱イオン水リンス104は、式(I) [式中、nは各出現時に独立して0から6の間の整数値であり、XはH、NR4、Li、NaまたはKであり、Rは各出現時に独立してHまたはC1〜C6アルキルである。] のエチレンジアミン四塩基酸を含むことが好ましい。全出現時において、Rは同じであることが好ましい。NR4の具体的な例は、アンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムおよびテトラエチルアンモニウムである。
【0018】
(I)の代表的なエチレンジアミン四塩基酸には、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、エチレンジアミンジマロン酸(EDDM)、およびエチレンジアミンジグルタル酸(EDDG)が含まれる。式Iの本発明のエチレンジアミン四塩基酸が、銅のためのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)と類似のKfを有し、さらに重要なことに、EDTAとは対照的に生分解性であることが理解される。EDTAより低い結合有効性を持つキレート試薬を選択することもまた、多少直観に反することであるが、驚いたことに、本発明中で優れた界面効果を示した。さらに、高い生物学的適合性を持つ、すなわち天然の生物経路を経由し容易に分解されるキレート試薬の組み合わせもまた、過酸化水素のような酸化剤、例えば水性のNH4OHまたはKOHのような苛性アルカリ溶液に見られる高pH、または例えばHClまたはHFの酸性溶液に見られる低pHの存在下での高い化学安定性について評価する場合、直ちには直観に沿うものではない。
【0019】
本明細書において用いられる式Iの本発明のエチレンジアミン四塩基酸は、酸性および塩基性両方のpHで過酸化物と相溶性があり、溶液中でありがちな劣化に抗して過酸化物を安定させ、それによって過酸化物使用率を低下させるという、さらなる利点を提供する。場合によって、脱イオン水リンス104は、金属イオン、特にカルシウム2+イオンと結合して酸性pHで効力のあるクエン酸ナトリウム(またはアンモニウム)を含む。
【0020】
アンモニウム塩、例えばNR4+(R=H、CH3またはより長鎖のアルキル)は、その遊離酸の一、二、三、または四置換塩であるかに関わらず、好ましい。より好ましくは、ジエチレンジアミン四塩基酸アンモニウムは、トリス-またはトリアンモニウム塩である。溶液中の活性アンモニウムが特に、Cu2+、Ni2+、およびAg+の水性錯体の形成を助けると知られているので、この塩の使用はさらなる新規性を有する(エドワード・シュヴァイツァー (1857)、「植物繊維のための代表的な酸化銅-アンモニア」、J Prakt. Chem. 72 (1): p.109〜111) 。本発明に見られる実際の溶解メカニズムは重要ではないが、アンモニウムカチオンとジエチレンジアミン四塩基酸アニオンとの組み合わせは、NH4+の金属イオン汚染物質への表面化学吸着によって、いくつかの金属のより有効な結合に導き、その金属イオンのまわりにアンモニア錯体として溶媒球体を構成し、続いて、部分的に溶媒和されたこの金属/アンモニウム配位錯体をキレートアニオンによって捕捉し、完全に溶媒和された金属キレートを最終的に形成し、洗浄される界面から運び出されると、本発明者らは理論付けている。
【0021】
エチレンジアミン四塩基酸(I)は、基板を曝露させる他の溶液槽に容易に添加されることが理解される。形成される素子の細部および基板の性質とともに基板処理溶液槽の組成物を変化させつつ、例として、エチレンジアミン四塩基酸(I)はHF酸化物またはリンケイ酸(phosphorosilicate)ガラス(PSG)除去溶液に容易に添加される。脱イオン水(DIW)リンス液、HCl溶液、過酸化物溶液(SC1、SC2)、KOH溶液、NH4OH溶液、またはHFもしくはKOH活性溶液のいずれかを含む過酸化物の組み合わせ。基板を処理してポリカチオン金属汚染物質のキレート化をさらに高めるために使用される複数の溶液槽に、エチレンジアミン四塩基酸(I)が容易に添加されることがさらに理解される。例として、HFエッチング溶液、その直後のDIWリンス、リン注入後に使用するPSG除去HF溶液のそれぞれまたはすべては、エチレンジアミン四塩基酸(I)を含むことができる。所与のステップの後にエチレンジアミン四塩基酸(I)残渣が観察される場合、従来のDIWリンスがジアミン四塩基酸(I)残渣を容易に除去することが理解される。
【0022】
本発明において、ジエチレンジアミン四塩基酸(I)は、脱イオン水リンス104中に存在する場合、5から1000ppmの範囲の濃度で存在する。ジエチレンジアミン四塩基酸(I)は、脱イオン水リンス104中に存在する場合、10から500ppmの範囲の濃度で存在するのが好ましい。エチレンジアミン四塩基酸(I)は、脱イオン水リンス104中に存在する場合、10から500ppmの範囲の濃度で存在するのが最も好ましい。ジエチレンジアミン四塩基酸(I)の同様な濃度はHF溶液中で有効である。場合によって、脱イオン水リンス104は、基板洗浄および有機汚染物質のそこからの除去を容易にするために超音波エネルギー投入を含む。
【0023】
シリコン基板を処理するとき、生来の酸化物はフッ化水素酸(HF)溶液に曝露することによってシリコン基板から除去される。フッ化水素酸の代表的な濃度は0.5から50モルパーセントの範囲であるが、標準濃度は5〜10重量%、またはおよそ2.5〜5.0モル濃度の間である。場合によって、HF溶液はまた式Iのエチレンジアミン酸を含むことができる。
【0024】
光起電シリコン基板の調製の過程で、基板の片面は「織り込まれる(textured)」。この織り込みは、太陽光(光子)を捕捉するのを助けて、それらが電子/正孔対を作り、光電流を生じさせ得る時まで、内部反射によって光起電基板中にそれらを捕らえておくのを助ける。光子は基板に入るが、吸収は定量的ではない。一般に、裏面には、基板をぬけた未吸収光子をすべて反射する鏡面がある。しかし、再反射して基板へ戻されなければ、前面の損失は極めて高くなり得る。粗面は、入射光子に対する透明度を維持しながら、優れた内部反射を有効に成立させ、通常は窒化ケイ素の反射防止薄膜を加えるが、これは、入射光子の浸透をさらに可能にし、また、既にバルク基板中にある光子の内部反射の実現を助ける。一般に、この表面織り込みは、いかなるシリコン系光起電基板(多結晶であれ単結晶であれ)についても必要であると考えられる。多結晶シリコン用の織り込みステップのために、HF溶液はまた、二酸化ケイ素エッチングを触媒するために多量の硝酸を含むのが好ましい(酸化→HF-エッチング)。生来の酸化物エッチング溶液110中に存在する硝酸量は15から70重量パーセントの範囲である(ISES 2001 ソーラー世界会議、「テクスチャリング産業の多結晶シリコン太陽電池」、ディー・マクドナルドら、および米国特許第5,949,123号「多結晶シリコンを含む太陽電池及びp型多結晶シリコンの表面をテクスチャライズする方法」)。
【0025】
生来の光起電基板から、または表面織り込みステップから生来の酸化物をHF/HNO3を用いて除去するステップに続いて、基板は脱イオン水112でリンスされる。場合によって、脱イオン水はまた、式Iのエチレンジアミン酸を含む。場合によって、脱イオン水リンス112は超音波の揺動に同時に曝露することによって促進される。
【0026】
有機汚染物質および粒子の除去を包含する初めの表面下処理は、塩基性過酸化物水溶液を用いるステップ120で実施される。好ましくは、塩基は水酸化アンモニウムとして存在する。半導体工業において、これは一般に「SC-1」、または「標準洗浄1」と呼ばれる。PV製造において、時には、「SC-1」の手順は実施されないが、苛性アルカリ水溶液およびイソプロピルアルコールを含むバルクエッチング工程に置き換えられる。バルクエッチングおよび粗面処理は、粒子状汚染物質を除去し、大量の表面シリコンも除去しながら結晶成長の間に不純物としてSi表面に流入し得る金、銀、銅、ニッケル、マンガンおよびFe、Cu、Crまたは他の遷移金属などの微量金属を多少脱着することができる。好ましくは、バルクエッチングおよび粗面処理120はまた、エチレンジアミン四塩基酸(I)を単独で、またはテトラメチルクエン酸アンモニウムと組み合わせて、含む。ジエチレンジアミン四塩基酸(I)、テトラメチルクエン酸アンモニウム(TMAC)、他の従来のキレート剤またはこれらの組み合わせなどのキレート剤を取り込んで、脱着した微量金属はキレート化され、それによって、基板のエッチングおよび粗化した表面上に再び化学吸着または物理吸着するのが排除される。使用者の都合のよい時に、バルク洗浄工程と組み合わせて、または単純にエチレンジアミン四塩基酸(I)の脱イオン水溶液として単独で、このキレート化を行うことができるが、ポイントは、その化学的性質がいくらかの有効性を示す他のエッチング液または化学薬剤の使用に依存しないことである。過酸化水素濃度は通常5%から30%の範囲で、好ましくは5%から7%の間である。TMACが類似の濃度で存在する場合、エチレンジアミン四塩基酸濃度は通常5から1000ppmの間であり、好ましくは10から500ppmの間である。バルクエッチングおよび表面粗化溶液120に曝露した後に、脱イオン水リンス104に関して上に詳述された特質を共有する、エチレンジアミン四塩基酸(I)104'を場合によって含む脱イオン水リンス液で、基板はリンスされる。
【0027】
単結晶シリコンのバルクエッチングおよび粗面処理は、80℃から100℃の高温で保持された一定量のイソプロパノールをしばしば伴って、苛性塩基性水溶液を使用してより典型的に実施される。この方法はバルク材をエッチングして優先的に<100>結晶面にし、シリコンのランダムな小さいピラミッド構造を特徴とする粗面が結果として得られることが示された(にしもと、米国特許第6,197,611号)。
【0028】
次いで、ここでエッチングされ粗面処理した基板は、ステップ104'でのリンスに続いて、アルカリイオンおよび三価金属イオンの水酸化物を溶解するために、ならびにステップ120で遊離しない残留微量金属を脱着するために酸性過酸化水素水溶液に曝露される。適切な酸は例示として塩酸および硫酸を含むが、通常塩酸が好ましい。許容できない残留汚染物質が基板に付着しないという保証があれば、他の酸を使用することができることは理解される。ステップ130で、アルカリイオンおよび二価および三価金属塩化物の酸性過酸化物の溶解が起きる。好ましくは、遊離した金属イオンとキレート化するために酸性過酸化物溶液はエチレンジアミン四塩基酸(I)、クエン酸またはこれらの組み合わせを含む。酸濃度が一般に1モル濃度未満の濃度である場合、過酸化水素濃度は通常、3%から30%、好ましくは1から5の間である。エチレンジアミン四塩基酸(I)はステップ120に関して上に詳述された濃度で存在し、一方、クエン酸はTMACのステップ120に関して上に詳述された濃度と同様の量で存在してよい。
【0029】
ステップ130に続いて、ここで洗浄された基板は、脱イオン水で、場合によってはステップ132での超音波の同時適用でリンスされる。例えばステップ134において、ここで洗浄された光起電基板上の水を置き換えるイソプロピルアルコールなどの揮発性溶剤を用いるマランゴニ効果乾燥装置を使用することで、本発明の方法100の処理量は促進されることが理解される。
【0030】
前述の各ステップに関連する相対的な時間は、流速、活性な洗浄剤の濃度、温度を含む因子に、また、超音波エネルギーが溶液への曝露と同時に適用されるかどうかに、依存することが理解される。シリコン基板光起電力のための好ましい概略流れ図は、従来の方法と比較した破線ボックス(省略することができるステップ)および太線ボックス(エチレンジアミン四塩基酸(I)を含むことができるステップ)で、図1Bに示される。
【0031】
ここで図2を参照すると、光起電基板から汚染物質を除去するための代替方法は、200で全体として提供され、ここで、図1および2の間で共通に使用された類似の番号は、上の図1に関する用語に割り当てた意味を有する。工程200は、基板表面から有機物質を除去する初期の随意のステップ102を含む。硫酸、過酸化水素、および場合によって少量の硫酸金属塩を含有する溶液に基板を曝露するステップを含む、随意のステップ102が実施される場合、ステップ102の次に、ある濃度のエチレンジアミン四塩基酸(I)104を場合によって含む脱イオン水リンスが来る。生来の酸化物除去は、工程200の第1の本質的ステップを代表し、脱イオン水リンス112の前のステップ210においてHF溶液中で起きる。バルクエッチング液粗面処理は、ここで生来の酸化物のない基板を、塩基性かつ水溶性であるグアニジン誘導体を含有する溶液中へ装入することにより、ステップ102で実施される。ステップ102で使用される溶液は、水酸化アンモニウムまたは他の塩基で、場合によって強化され、よりよくエッチング速度を制御するためにpHを調節する。過酸化水素も、特定のグアニジン誘導体との相溶性を保証するように注意を払って、場合によって添加される。エチレンジアミン四塩基酸(I)は、図1のステップ120に関して詳述されたようなレベルで、場合によって供給される。
【0032】
エッチングおよび粗面処理された基板を与えるバルクエッチングおよび粗面処理220に続いて、基板はステップ104'で、エチレンジアミン四塩基酸(I)を場合によって含む脱イオン水溶液でリンスされる。基板はその後、エチレンジアミン四塩基酸(I)を含有する酸性過酸化物溶液にステップ130で曝露され、続いて脱イオン水リンス104'または132が繰り返される。場合によって、最終のHF曝露は、酸性過酸化物ステップ103の間に成長した何らかの酸化物を除去するために240で提供される。図1に関して詳述されたように、随意のマランゴニ効果乾燥ステップは134での処理量を高めるために提供される。乾燥の他の一般的な方法もまた、場合によって本明細書において使用され、真空乾燥およびエアナイフを含むことが理解される。
【0033】
図1および2に関して上に詳述された特許請求の方法は、手動のバッチ工程または自動化工程に修正可能であることが理解される。当分野では普通であるが、高い処理量を伴う処理均一性は、流動タンク、スクラバー、超音波揺動およびコンピューター制御の移送メカニズムを使用することによって容易になる。さらに、本発明の工程100または200において取り扱いを容易にするために、個々の基板をカセットに装填するのが好ましい。
【0034】
光起電(太陽光)基板に加えて、本発明の洗浄工程に修正可能な他の基板は裸のまたは純粋なシリコン基板(ドーピングした、またはしていない)、エピタキシャル層を含む基板、処理のいずれかのステージで1個または複数の素子層を組み込む基板、1つまたは複数の層を組み込む他の種類の基板、または他の装置および発光ダイオードまたはレーザーダイオード、フラットパネルディスプレー、およびマルチチップモジュールなどの、しかしこれらに限定されない素子を処理するための基板を含む。しかしながら、本発明を不明瞭にしないようにするために、以下の記載は、一般に光起電(太陽光)基板洗浄を記載し、また、一実施形態の実施例として、ガス洗浄(scrubbing)工程における本発明の使用を記載する。
【0035】
本発明は、以下の実施例に関してさらに詳述される。これらの実施例は、添付の特許請求範囲の範囲を限定することを意図しない。
【実施例1】
【0036】
結晶シリコン光起電基板を標準的な洗浄方法を用いて洗浄し、同一の基板(最終の、室温、300ppmエチレンジアミンジコハク(disuccinnic)酸トリス-アンモニウム(TA-EDDS)と脱イオン水との溶液中への30秒浸漬と、純粋な脱イオン水を用いた最終リンスを追加したこととを除いて同一に洗浄した)と比較した。この巧妙に思える洗浄ステップの有効性および影響は、基板の処理が完了した後に、洗浄ステップが基板の光起電の電気的性能に与える影響を測定することによって、間接的に測定される。電気試験は、ミリボルト(mV)で測られるシリコン基板の開放回路電圧(Voc)の測定により行う。この実施例においては、ドーパント熱活性化より先に基板を洗浄する場合、標準洗浄(対照試料)の572mVから標準洗浄後の水性TA-EDDSを用いた洗浄の580mVへと、1.4%の絶対的改善が直接示される。同一のウェーハを、窒化ケイ素の堆積(封止材、フロントオーミック接触層および反射防止薄膜として施される)より先に洗浄する場合、さらに劇的に改善され、標準(対照試料)洗浄の580mVから標準洗浄後の水性TA-EDDSを用いた洗浄の601mVへと、3.6%改善される。性能の改善度はもとの表面の清浄状態および基板のバルク的性質に反比例するため、示した絶対的改善値は、初期基板品質、湿式洗浄時間および他の因子の反映となり得るし、反映であると思われるが、これらの結果は、本発明の使用が実際に、他のすべての可変項が同一に保たれる直接比較において、最終的な素子の電気性能を向上させることを明白に示している。従来(標準)に対する脱イオン水中のトリス-アンモニウムEDDS(改善)、濃度300ppm、30秒の急速投下リンス、T=約22℃、P注入されたc-Si、における棒グラフプロット試験として、結果を図3に示す。
【実施例2】
【0037】
表面から金属イオンを除去するために水性エチレンジアミン四塩基酸(I)を使用することの有効性は、いくつかのフロート-ゾーン単結晶シリコン基板を、標準半導体SC-1およびSC-2洗浄によって下処理し、均質な出発基板を準備し、次いでこれらを別個の3グループに分けることで実証される。交差汚染を回避するために、このグループ分けのうちの汚染されておらず下記とは別々に処理された対照基板に加えて、2つのグループを、様々な濃度のFe3+(水性Fe(NO3)3からの)で故意に汚染する。次いで、これらの基板を洗浄する。汚染された2つのグループの一方を、標準HF最終用洗浄(脱イオン水中10%HF)を用いて洗浄し、他方を同じこの溶液配合物(ただし新液)を用い、ただし500ppmエチレンジアミンジコハク酸トリス-アンモニウム(TA-EDDS)をそのHF溶液へ添加して、洗浄する。次いで、シリコンと反応することがある任意の表面の鉄を「活性化する」ために、全グループを750℃で30分間加熱アニールする。このプロセスは、太陽光発電においてまたは標準処理で見られる様々な高温ステップ中の半導体プロセスにおいて、通常の基板がさらされ得るプロセスをモデル化している。この高温アニール処理に続いて、基板を少数キャリア寿命性能について評価する。実施例1と同様に、これは、表面近傍領域における鉄汚染のレベルの間接的な徴候である。シリコン中の鉄は中レベルのバンドギャップ電気トラップである。鉄が多いほど、少数キャリア寿命は短くなる。その結果として、少数キャリア寿命は、とりわけ中程度の表面汚染レベルにおいて、劇的な改善を示す。このことは、標準HF洗浄にTA-EDDSを単に加えることによって、対照および標準工業洗浄の両方に対して、試料によっては対応する標準洗浄に対して数桁という、劇的な改善を証拠づける。これらの実験のTA-EDDS(「SUNSONIX(商標)洗浄」として示した)における結果は、故意に汚染されたHF洗浄のみのものと同様に、図4の棒グラフプロットとして提供される。
【実施例3】
【0038】
多結晶シリコン基板をまず、標準工業HF/HNO3プロセスを用いて織り込まれ、脱イオン水(DIW)でリンスし、希KOHで処理し(バルクから表面の細孔を除去するエッチングステップ)、DIWでリンスし、(KOHを中和するために)SC1で処理し、DIWでリンスし、次いで、(KOHステップの間に成長した残りの酸化物を除去するために)希HF溶液で処理し、続いて最終的にDIWでリンスし、40℃で乾燥した。次いで、対照基板グループは、リンドーピングステップ(エミッターを形成する)に直接進み、アニールステップの間に形成されたリンケイ酸(phosphorosilicate)(PSG)ガラスをHFおよびDIWリンス液を用いて除去し、次いで、窒化ケイ素堆積ステップを続けた。これらのウェーハの他方のグループを、10%HF/300ppm TA-EDDS処理に15秒、30秒、45秒および60秒間曝露させて処理し、30秒間DIWをスプレーしてリンスし、30秒間DIWに浸漬してリンスし、乾燥した。次いで、この第2のグループにも、対照グループと同様、リンドーピングステップおよび窒化ケイ素堆積を実施する。対照グループは、全体で15.28%の絶対的光起電効率を示した。記載したHF/TA-EDDSステップでの処理を除いて、対照基板と同一の分離ロット処理を受けた基板は、全体で15.44%の絶対的光起電効率を示し、0.16%の増加となった。これは小さな絶対的効果に見えるが、太陽光発電産業界は、絶対的光起電応答効率において、年間0.05〜0.1%を改善目標としており、そのためTA-EDDSステップの単純な挿入でその目標を2倍近くに出来るということは、その大きさにおいて劇的かつ驚異的である。この結果を次の表に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
本明細書に述べた特許文書および刊行物は、本発明が関連する当業者の水準を示す。これらの文書および刊行物は、個々の各文書または各刊行物が具体的におよび個別に参照により本明細書に組み込まれるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
前述の記載は本発明の特定の実施形態の例示であるが、それを実施する上で限定されることを意味するものではない。以下の請求項(その等価物をすべて含む)は、本発明の範囲を定義することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気性能を向上させるために絶縁体または半導体基板から汚染金属を除去する方法であって、式(I):
【化1】

[式中、nは各出現時に独立して0から6の間の整数値であり、Xは各出現時に独立してH、NR4、Li、NaまたはKであり、Rは各出現時に独立してHまたはC1〜C6アルキルである。] の少なくとも1種の化合物の水溶液に、基板の電気性能を向上させるために基板を曝露するステップを含む、絶縁体または半導体基板から汚染金属を除去する方法。
【請求項2】
前記曝露するステップに先立ってまたは前記曝露するステップと同時に、前記基板から生来の酸化物を除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式Iの化合物が5から1000ppmの間で存在し、Xの少なくとも1つがNR4である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記式Iの化合物がエチレンジアミンジコハク酸であり、3回の出現時のXがNR4であり、化合物が10から500ppmの間で存在する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記水溶液が過酸化物または無機酸の少なくとも一方を含む、請求項1から4に記載の方法。
【請求項6】
前記水溶液がSC1またはSC2である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記無機酸が塩酸、硝酸、またはフッ化水素酸である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記水溶液が塩基である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基が水酸化カリウムまたは水酸化アンモニウムである、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記基板がシリコンであり、前記汚染金属が鉄である、請求項1から9に記載の方法。
【請求項11】
シリコン基板から汚染金属を除去する方法であって、
生来のシリコン基板から生来の酸化物を除去するステップと、
生来の酸化物の除去に続いて、式(I) [式中、nは各出現時に独立して0から6の間の整数値であり、Xは各出現時に独立してH、NR4、Li、NaまたはKであり、Rは各出現時に独立してHまたはC1〜C6アルキルである。] の少なくとも1種の化合物を含む塩基性水溶液を用いてバルクエッチングおよび粗面処理を実施するステップと、
を含む、シリコン基板から汚染金属を除去する方法。
【請求項12】
前記式Iの化合物が5から1000ppmの間で存在する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記式Iの化合物がエチレンジアミンジコハク酸であり、3回の出現時のXがNR4であり、前記化合物が10から500ppmの間で存在する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記水溶液が過酸化物または無機酸の少なくとも一方を含む、請求項11から13に記載の方法。
【請求項15】
前記水溶液がSC1またはSC2である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記無機酸が塩酸、硝酸またはフッ化水素酸である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記水溶液が塩基である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
電気性能を向上させるために絶縁体または半導体基板から汚染金属を除去する溶液を調製するキットであって、式(I) [式中、nは各出現時に独立して0から6の間の整数値であり、Xは各出現時に独立してH、NR4、Li、またはKであり、Rは各出現時に独立してHまたはC1〜C6アルキルである。] の少なくとも1種の化合物の1から20重量パーセント水性濃縮物を、前記濃縮物を希釈して溶液を形成するための説明書と一緒に含む、絶縁体または半導体基板から汚染金属を除去する溶液を調製するキット。
【請求項19】
前記式Iの化合物が5から1000ppmの間で存在する、請求項18に記載のキット。

【図1A】
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【図2】
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【図1B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−523706(P2012−523706A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504850(P2012−504850)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/030349
【国際公開番号】WO2010/118206
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511245341)
【Fターム(参考)】