説明

基板から汚染物質を除去するための方法及び装置

【解決手段】基板の表面に、洗浄材料が塗布される。洗浄材料は、基板の表面上に存在する汚染物質を閉じ込めるための1つ又は2つ以上のポリマ材料を含む。洗浄材料及び洗浄材料の中に閉じ込められた汚染物質の基板の表面からの除去を達成するために、すすぎ流体が制御速度で基板の表面に塗布される。すすぎ流体の制御速度は、すすぎ流体による影響を受けたときの洗浄材料を弾性的に振る舞わせるように設定され、そうして、基板の表面からの汚染物質の除去を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
集積回路やメモリセルなどの半導体デバイスの作成では、半導体ウエハ(「ウエハ」)上に特徴を定めるために、一連の製造動作が実施される。ウエハ(又は基板)は、シリコン基板上に定められたマルチレベル構造形態の集積回路デバイスを含む。基板レベルでは、拡散領域を伴うトランジスタデバイスが形成される。後続のレベルでは、所望の集積回路デバイスを定めるために、相互接続金属配線がパターン形成され、トランジスタデバイスに電気的に接続される。また、パターン形成された導電層は、誘電体材料によってその他の導電層から絶縁される。
【0002】
一連の製造動作において、ウエハ表面は、様々なタイプの汚染物質に曝される。製造動作において存在するほぼあらゆる材料は、潜在的な汚染源である。例えば、汚染源は、なかでも、プロセスガス、化学剤、蒸着材料、及び液体を含みえる。これらの様々な汚染物質は、ウエハ表面上に微粒子の形態で蒸着する可能性がある。もし、微粒子汚染が除去されないと、汚染の付近にあるデバイスは、動作不能になることがある。したがって、ウエハ上に定められた特徴を損傷させることなく十分に完全な形でウエハ表面から汚染物質を洗浄することが必要である。しかしながら、微粒子汚染のサイズは、多くの場合、ウエハ上に作成される特徴の微小寸法と同程度である。ウエハ上の特徴に悪影響を及ぼすことなくこのような小さい微粒子汚染を除去することは、極めて困難な可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、基板から汚染物質を洗浄するための方法が開示される。方法は、基板の表面に洗浄材料を塗布するための動作を含む。洗浄材料は、基板の表面上に存在する汚染物質を閉じ込めるための1つ又は2つ以上のポリマ材料を含む。方法は、また、洗浄材料及び洗浄材料内に閉じ込められた汚染物質の基板の表面からの除去を達成するためにすすぎ流体を制御速度で基板の表面に塗布するための動作を含む。すすぎ流体の制御速度は、すすぎ流体による影響を受けたときの洗浄材料を弾性的に振る舞わせるように設定される。
【0004】
別の実施形態では、基板から汚染物質を洗浄するためのシステムが開示される。システムは、基板を支持するように構成された支持構造を含む。システムは、また、支持構造上にあるときの基板の上に洗浄材料が塗布されるように支持構造の上方において洗浄材料を吐出するように構成された洗浄材料吐出器を含む。システムは、更に、支持構造上にあるときの基板にすすぎ流体が影響を与えるように支持構造にすすぎ流体の流れを向けるように構成されたすすぎ流体吐出器を含む。すすぎ流体吐出器は、すすぎ流体による影響を受けたときの洗浄材料を弾性的に振る舞わせる速度範囲内にすすぎ流体の流速を制御するように構成される。
【0005】
別の実施形態では、基板から汚染物質を洗浄するためのシステムが開示される。システムは、基板を支持するように構成された支持構造を含む。システムは、また、支持構造上にあるときの基板の上に洗浄材料が塗布されるように支持構造の上方において洗浄材料を吐出するように構成された洗浄材料吐出器を含む。システムは、更に、支持構造上にあるときの基板の上面に底面が曝されるように支持構造の上方に配置されたプロキシミティヘッドを含む。プロキシミティヘッドは、その底面からすすぎ流体を吐出するように、及びその底面において真空吸引を適用するように構成される。すすぎ液の吐出及び真空吸引の適用は、プロキシミティヘッドの底面と、プロキシミティヘッド下において支持構造上にあるときの基板の上面との間に流体メニスカスを形成する働きをする。プロキシミティヘッドは、すすぎ流体による影響を受けたときの洗浄材料を弾性的に振る舞わせる速度範囲内にすすぎ流体の流速を制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明を例として示した添付の図面に関連させた以下の詳細な説明から、本発明のその他の態様及び利点が明らかになる。
【図1A】本発明の一実施形態にしたがった、ポリマ材料を中に分布させた洗浄溶液を含む液体洗浄材料を示す図である。
【図1B】本発明の一実施形態にしたがった、液体洗浄材料のポリマ内に閉じ込められた幾つかの汚染物質粒子を示す図である。
【図1C】洗浄材料の中のポリマがデバイス構造の周囲においてどのようにデバイス構造に損傷力を及ぼすことなく滑らかに動くことができるかを表す図である。
【図1D】本発明の一実施形態にしたがった、洗浄溶液の中にゲル状ポリマ小滴を乳化された液体洗浄材料を示す図である。
【図1E】本発明の一実施形態にしたがった、洗浄溶液内において明確な境界を持たないゲル状ポリマ塊を形成するために洗浄溶液にポリマを溶解された液体洗浄材料を示す図である。
【図1F】本発明の一実施形態にしたがった、洗浄溶液内に気泡を分散された洗浄材料を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にしたがった、基板から汚染物質を洗浄するためのシステムを示した説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にしたがった、基板から汚染物質を洗浄するための方法を示した説明図である。
【図4A】本発明の一実施形態にしたがった、洗浄材料及びその中に閉じ込められた汚染物質の除去を達成するためにすすぎ流体を制御速度で基板の表面に塗布するように構成されたプロキシミティヘッドを示す図である。
【図4B】本発明の一実施形態にしたがった、基板の上に位置決めされたプロキシミティヘッドの断面を示した説明図である。
【図4C】本発明の一実施形態にしたがった、プロキシミティヘッドの底面を示した説明図である。
【図4D】本発明の別の実施形態にしたがった、プロキシミティヘッドの底面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部または全部の詳細を特定しなくても実施されえる。また、本発明が不必要に不明瞭になるのを避けるため、周知のプロセス動作の詳細な説明は省略される。
【0008】
本明細書において、基板から汚染物質粒子を洗浄するための方法及び装置が開示される。方法は、洗浄されるべき基板の表面に洗浄材料を塗布することを含む。洗浄材料は、基板上の汚染物質粒子を閉じ込めるように構成される。洗浄材料内に閉じ込められた汚染物質粒子とともに洗浄材料を除去するために、基板表面にすすぎ流体が塗布される。すすぎ流体の流速は、すすぎ流体から洗浄材料への運動量の移行が洗浄材料を弾性的に振る舞わせるように十分に高速度に制御される。弾性的な洗浄材料の振る舞いは、すすぎ流体による影響を受けたときに、洗浄材料内に閉じ込められた汚染物質粒子が閉じ込められたままの状態で洗浄材料とともに基板表面から除去されるようにする。
【0009】
本明細書において言及される基板は、非限定例として、製造動作時又は取り扱い動作時に汚染されえる半導体ウエハ、ハードディスクドライブ、光ディスク、ガラス基板、フラットパネルディスプレイ表面、液晶ディスプレイ表面などを指すものとする。表面は、実際の基板次第で異なる形で汚染されることがあり、汚染の許容レベルは、基板を取り扱っている特定の産業において定められる。説明を簡単にするために、基板の汚染は、本明細書において、基板表面上における汚染物質粒子の存在によって表される。しかしながら、本明細書において言及される汚染物質粒子は、ほぼあらゆる基板処理動作時及び基板取り扱い動作時に基板に接触しえるほぼあらゆるタイプの汚染物質の形態をとりえるものと理解されることが望ましい。
【0010】
各種の実施形態において、本明細書において開示される方法及び装置は、パターン形成された基板及びパターン形成されていない同様の基板から汚染物質粒子を洗浄するために使用することができる。パターン形成された基板の場合、洗浄されるべきパターン形成された基板表面上の突出構造は、ポリシリコン線又は金属線などの突出線に対応しえる。また、洗浄されるべきパターン形成された基板表面は、化学的機械的平坦化(CMP)プロセスの結果生じる陥凹ビアなどの陥凹特徴を含みえる。
【0011】
図1Aは、本発明の一実施形態にしたがった、ポリマ材料を中に分布させた洗浄溶液105を含む液体洗浄材料100を示している。ポリマ材料は、高分子量のポリマ110によって構成される。一実施形態において、液体洗浄材料100は、ゲルである。別の実施形態において、液体洗浄材料100は、ゾルである、すなわち液体の中の固体粒子のコロイド懸濁である。更に別の実施形態において、液体洗浄材料100は、液体溶液である。液体洗浄材料100は、基板に塗布されたときに基板から汚染物質粒子を除去するように構成される。
【0012】
図1Bは、本発明の一実施形態にしたがった、液体洗浄材料100のポリマ110内に閉じ込められた幾つかの汚染物質粒子120を示している。高分子量の(例えば分子量が10,000g/molよりも大きい)ポリマ110は、長いポリマ鎖を形成する。これらの長いポリマ鎖は、互いに寄り合わさってポリマ網目を形成し、このポリマ網目は、基板の表面上の汚染物質粒子を閉じ込めるように、そして閉じ込められた汚染物質粒子をひとたび基板の表面から除去されたらもうそこには戻らせないように機能する。
【0013】
ポリマ110は、洗浄溶液105に溶解される。洗浄溶液105は、pH値に影響を及ぼしてポリマ110の可溶性を高めるような成分を含む。洗浄溶液105に溶解されたポリマ110は、軟質ゲルであってよい、又は洗浄溶液105の中に浮遊するゲル状小滴になってよい。また、一実施形態では、複数のタイプのポリマ110が、同時に洗浄溶液105に溶解されてよい。一実施形態では、基板表面上の汚染物質は、イオン力、ファンデルワールス力、静電力、疎水性相互作用、立体相互作用、又は化学結合によって溶媒和ポリマ110に付着する。したがって、汚染物質の相互作用領域内に持ってこられたポリマ110は、汚染物質を捕獲して閉じ込める。また、液体洗浄材料100は、洗浄プロセス時に基板上に存在するデバイス構造に対して穏やかであるように調合される。例えば、図1Cに示されるように、洗浄材料100の中のポリマ110は、デバイス構造102の周囲においてデバイス構造102に損傷力を及ぼすことなく滑らかに動くことができる。
【0014】
高分子量のポリマを有するポリマ材料は、非限定例として、a)ポリアクリルアミド(PAM)などのアクリルポリマ、b)Carbopol 940(登録商標)及びCarbopol 941(登録商標)などのポリアクリル酸(PAA)、c)ポリ(N,N−ジメチル−アクリルアミド)(PDMAAm)、d)ポリ(N−イソプロピル−アクリルアミド)(PIPAAm)、e)ポリメタクリル酸(PMAA)、f)ポリメタクリルアミド(PMAAm)、g)ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)などのポリイミン及びオキシド、h)ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンスルホン酸(PESA)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリビニル−ピロリドン(PVP)、ポリ4−ビニルピリジン(P4VP)などのビニルポリマ、i)メチルセルロース(MC)、エチル−セルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体、j)アカシア(アラビアゴム)、寒天及びアガロース、ヘパリン、グアーゴム、キサンタンゴムなどの多糖類、k)卵白、コラーゲン、グルテンなどのタンパク質が挙げられる。
【0015】
代表的なポリマ110構造について、ポリアクリルアミド(PAM)は、アクリルアミドサブユニットから形成されるアクリラートポリマ(−CH2CHCONH2−)nであり、「n」は、整数である。ポリビニルアルコール(PVA)は、ビニルアルコールサブユニットから形成されるポリマ(−CH2CHOH−)mであり、「m」は、整数である。ポリアクリル酸(PAA)は、アクリル酸サブユニットから形成されるポリマ(−CH2=CH−COOH−)oであり、「o」は、整数である。ポリマ材料の中の高分子量のポリマ110は、水溶液に対して可溶性である、又は水溶液の中に軟質ゲルを形成できるように高吸水性である。ポリマ110は、洗浄溶液に溶解する、洗浄溶液の中に完全に分散される、洗浄溶液の中に液滴を形成する(乳化する)、又は洗浄溶液の中に塊を形成することができる。
【0016】
一実施形態では、ポリマ材料の分子量は、100,000g/molより大きい。別の実施形態では、ポリマ材料の分子量は、約10万g/molから約1兆g/molに及ぶ範囲内である。別の実施形態では、ポリマ化合物の分子量は、約100万g/molから約2000万g/molに及ぶ範囲内である。更に別の実施形態では、ポリマ化合物の分子量は、約1500万g/molから約2000万g/molに及ぶ範囲内である。
【0017】
一実施形態では、洗浄材料100の中のポリマ110の重量パーセントは、約0.001%から約20%に及ぶ範囲内である。別の実施形態では、洗浄材料100の中のポリマ110の重量パーセントは、約0.001%から約10%に及ぶ範囲内である。別の実施形態では、洗浄材料100の中のポリマ110の重量パーセントは、約0.01%から約10%に及ぶ範囲内である。更に別の実施形態では、洗浄材料100の中のポリマ110の重量パーセントは、約0.05%から約5%に及ぶ範囲内である。
【0018】
或いは、ポリマ110は、2つ又は3つ以上のモノマ種から得られるコポリマであってよい。例えば、コポリマ分子は、90%のアクリルアミド(AM)と、10%のアクリル酸(AA)とを含むことができる。また、ポリマ110は、2種類又は3種類以上のポリマの混合であってよい。例えば、ポリマ110は、90%のPAMと10%のPAAなどの2種類のポリマを溶媒の中で混合することによって作成することができる。
【0019】
図1A〜1Cの代表的実施形態では、ポリマ110は、洗浄溶液105に均一に溶解される。洗浄溶液105の基礎液体、すなわち溶媒は、テレビン油などの無極性液体、又は水(H2O)などの極性液体であってよい。溶媒の一例として、イソプロピルアルコール(IPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びジメチルホルムアミド(DMF)が挙げられる。一実施形態では、溶媒は、2つ又は3つ以上の液体の混合である。PAM、PAA、又はPVAなどの、極性を有するポリマ110の場合、洗浄溶液105に適した溶媒は、水(H2O)などの極性液体である。
【0020】
別の実施形態では、洗浄溶液105は、洗浄材料100の特質を変更できるように、水などの溶媒のほかに、その他の化合物を含む。例えば、洗浄溶液105は、洗浄溶液105及び対応する洗浄材料の水素指数(pH)値を調整するために、緩衝剤を含むことができ、この緩衝剤は、弱酸又は弱塩基であってよい。弱酸の一例は、クエン酸である。弱塩基の一例は、アンモニウム(NH4OH)である。洗浄材料100のpH値は、約1から約12に及ぶことができる。一実施形態において、フロントエンド応用(銅及び金属間誘電体の蒸着前)のためには、洗浄材料100は、約7から約12に及ぶ範囲内のpH値を有する塩基である。別の実施形態では、フロントエンド応用のためのpH値は、約8から約11に及ぶ範囲内である。更に別の実施形態では、フロントエンド応用のためのpH値は、約8から約10に及ぶ範囲内である。
【0021】
一実施形態において、バックエンド処理(銅及び金属間誘電体の蒸着後)のためには、洗浄溶液は、僅かに塩基性、中性、又は酸性であってよい。一実施形態では、バックエンド応用のためのpH値は、約1から約7に及ぶ範囲内である。別の実施形態では、バックエンド応用のためのpH値は、約1から約5に及ぶ範囲内である。更に別の実施形態では、バックエンド応用のためのpH値は、約1から約2に及ぶ範囲内である。
【0022】
一実施形態では、洗浄溶液は、洗浄溶液105の中でのポリマ110の分散を助けるために、ドデシル硫酸アンモニウム(ADS)などの表面活性剤を含む。一実施形態では、表面活性剤は、基板表面上での洗浄材料100の湿潤化も助ける。基板表面上での洗浄材料100の湿潤化は、洗浄材料100が基板表面及びその上の汚染物質粒子に密接することを可能にする。湿潤化は、また、洗浄効率も向上させる。また、表面の湿潤化、基板の洗浄、すすぎ、及びその他の関連の特質を向上させるために、その他の添加物を追加することができる。
【0023】
一実施形態では、洗浄溶液105は、緩衝溶液として調合される。例えば、洗浄溶液105は、0.44wt%(重量パーセント)のNH4OHと0.4wt%のクエン酸などの塩基性の緩衝剤と酸性の緩衝剤とを含む緩衝アンモニウム溶液(BAS)として構成されてよい。更に、BASなどの緩衝洗浄溶液は、洗浄溶液105の中でのポリマ110の浮遊及び分散を助けるために、1wt%のADSなどの幾らかの量の表面活性剤を含むことができる。1wt%のADSと、0.44wt%のNH3と、0.4wt%のクエン酸とを含む洗浄溶液105は、本明細書において溶液「S100」として言及される。溶液「S100」及びBASは、ともに、約10のpH値を有する。
【0024】
図1Dは、本発明の一実施形態にしたがった、洗浄溶液105’の中にゲル状ポリマ小滴140を乳化された液体洗浄材料100’を示している。洗浄溶液105’は、孤立した小さいポリマ106’も含むことができる。洗浄溶液105’全体に及ぶゲル状ポリマ小滴140の均一な分散を助けるために、洗浄溶液105’に、ADSなどの表面活性剤を追加することができる。図1Dの代表的実施形態では、洗浄溶液105’とゲル状ポリマ小滴140との間に、境界141が発生する。ゲル状ポリマ小滴140は、柔らかく、基板表面上のデバイス特徴の周囲において変形する。ゲル状ポリマ小滴140は、デバイス特徴の周囲において変形するので、デバイス特徴に損傷力を及ぼさない。一実施形態では、ゲル状ポリマ小滴140の直径は、約0.1μm(マイクロメートル)から約100μmに及ぶ範囲内である。
【0025】
図1Eは、本発明の一実施形態にしたがった、洗浄溶液105”内において明確な境界を持たないゲル状ポリマ塊150を形成するために洗浄溶液105”にポリマを溶解された液体洗浄材料100”を示している。洗浄溶液105”は、孤立した小さいポリマ106も含むことができる。ゲル状ポリマ塊150は、柔らかく、基板表面上のデバイス特徴の周囲において変形するので、デバイス特徴に損傷力を及ぼさない。一実施形態では、ポリマ塊150の直径は、約0.1μmから約100μmに及ぶ範囲内である。
【0026】
上述された洗浄材料100、100’、及び100”は、全て、液相状態である。更に別の実施形態では、洗浄材料100、100’、及び100”は、洗浄材料100、100’、及び100”を泡状に変えるために、N2などのガス、不活性ガス、又は空気などのガス混合の添加を通じて撹拌することができる。図1Fは、本発明の一実施形態にしたがった、洗浄溶液105内に気泡160を分散された洗浄材料100*を示している。洗浄材料は、ポリマ鎖110、ポリマ小滴140、又はポリマ塊150、又はそれらの組み合わせを含むことができる。なお、洗浄材料100*は、気相部分及び液相部分の両方を含むことが理解されるべきである。
【0027】
図1A〜1Cに示されるように、高分子量ポリマ110の長鎖は、ポリマ網目を形成し、このポリマ網目は、ポリマ架橋を含むことも含まないこともある。図1Cに示されるように、ポリマ110は、基板表面上の汚染物質粒子(汚染物質粒子120I及び120IIなど)に接触し、それらの汚染物質粒子を閉じ込める。汚染物質粒子は、基板表面から除去される際に、ポリマ110の網目によって洗浄材料100の中で浮遊している。例えば、図1Cは、汚染物質粒子120III及び120IVが、それぞれ、ポリマ鎖111I及び111IIへの付着によって洗浄材料100の中で浮遊していることを示している。なお、ポリマ網目内の複数のポリマ鎖には、あらゆる汚染物質粒子が付着可能であることが理解されるべきである。
【0028】
上述のように、基板上の汚染物質粒子は、洗浄材料のポリマ列内/ポリマ網目内に閉じ込められる。洗浄材料内に閉じ込められた汚染物質粒子は、基板から洗浄材料が除去されるときに基板から除去される。例えば、一実施形態では、汚染物質粒子と基板との間の結合は、洗浄材料だけでは断ち切ることができない。この実施形態では、すすぎ流体から洗浄材料に移行される運動量が、汚染物質粒子と基板との間の結合を断ち切るのに十分なエネルギを提供する。したがって、基板からの汚染物質粒子除去の効率は、基板から洗浄材料を除去するために塗布されるすすぎ流体の運動量に依存する。
【0029】
上述のように、すすぎ流体は、密度の異なる数々の異なる材料によって構成されてよい。したがって、すすぎ流体の速度は、洗浄材料及びその中に閉じ込められた汚染物質粒子を基板から除去するのに十分なすすぎ流体運動量を達成できるように、すすぎ流体の密度に基づいて設定される。より高密度のすすぎ流体は、十分なすすぎ流体運動量を達成するために、より低速度で塗布されるであろう。反対に、より低密度のすすぎ流体は、十分なすすぎ流体運動量を達成するために、より高速度で塗布されるであろう。洗浄材料に加えられるすすぎ流体の運動量は、洗浄材料を弾性的に振る舞わせるのに十分な大きさであることが望ましいが、基板又はその上に定められた特徴に損傷を及ぼすほどには大きくはないことが望ましい。
【0030】
すすぎ流体の運動量は、主に、すすぎ動作時のすすぎ流体の速度によって制御されることが理解されるべきである。したがって、洗浄材料による基板からの汚染物質粒子の除去は、すすぎ流体速度の適切な設定によって制御することができる。上述のように、すすぎ流体速度は、基板を損傷させることなく洗浄材料を弾性的に振る舞わせるのに十分に高速度であることが望ましい。
【0031】
もし、すすぎ流体速度が低速度すぎると、すすぎ流体と洗浄材料との間における運動量の移行は、汚染物質粒子と基板との間の接着接合を断ち切れるように洗浄材料内のポリマから汚染物質粒子に十分な力を移行させるのに十分でないであろう。また、もし、すすぎ流体速度が低速度すぎると、すすぎ流体は、洗浄材料を希釈して、汚染物質粒子を洗浄材料のポリマ内への閉じ込めから逃れさせるであろう。もし、汚染物質粒子が洗浄材料内への閉じ込めから逃れると、洗浄材料は、基板から汚染物質粒子を除去することなく基板から除去されるであろう。更に、もし、すすぎ流体速度が低速度すぎると、洗浄材料の残渣が、その中に閉じ込められた汚染物質粒子とともに基板上に残されるであろう。
【0032】
以上より、基板から汚染物質粒子を除去するために洗浄材料を用いるに際してすすぎ流体の速度が重要なパラメータであることが理解されるべきである。一実施形態では、すすぎ流体速度は、約1m/s(毎秒メートル)に制御される。別の実施形態では、すすぎ流体速度は、約0.5m/sから約10m/sに及ぶ範囲内に制御される。更に別の実施形態では、すすぎ流体速度は、約0.1m/sから約100m/sに及ぶ範囲内に制御される。
【0033】
上述のように、適切なすすぎ流体速度は、一部には、すすぎ流体の密度、すなわちすすぎ流体材料に依存する。すすぎ流体材料は、洗浄材料及び洗浄されるべき基板と化学的に共存可能であることが望ましい。各種の実施形態において、すすぎ流体は、脱イオン水(DIW)、イソプロピルアルコール(IPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセテート(DMAC)、窒素ガス、DIWと容易に混合可能な極性溶媒、霧状極性溶媒(例えばDIW)などの霧状液体、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。上記のすすぎ流体材料は、例として挙げられたものであること、及び全てのすすぎ流体材料を表すものではないことが理解されるべきである。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態にしたがった、基板から汚染物質を洗浄するためのシステムを示した説明図である。システムは、基板洗浄動作時に吐出される流体を集めるように構成されたタンク201を含む。タンク201の内部体積内には、基板支持構造203が配置される。基板支持構造203は、洗浄されるべき基板207を受け取って支持するように構成された上面を含む。基板支持構造203の底面の重心部分には、軸205が取り付けられる。軸205は、回転機構239に接続され、該回転機構239は、矢印206によって示されるように軸205を回転させて基板支持構造203の相応する回転を生じさせるように動作することができる。一実施形態では、回転機構239は、軸205を、約500RPM(毎分回転数)から約4000RPMに及ぶ範囲内の回転数で回転させることができる。別の実施形態では、回転機構239は、軸205を、約100RPMから約10000RPMに及ぶ範囲内の回転数で回転させることができる。
【0035】
システムは、また、洗浄材料217を基板支持構造203に向かわせて基板支持構造203上にある基板207上に吐出するように構成された洗浄材料吐出ヘッド213を含む。洗浄材料吐出ヘッド213は、洗浄材料送出制御部209に流体連通式に接続される。洗浄材料送出制御部209は、洗浄材料溜め231から導管211を通って洗浄材料吐出ヘッド213に到る洗浄材料の流れを制御するように構成れる。一実施形態では、導管211は、硬質管などの硬質性部品として構成される。別の実施形態では、導管211は、可撓管などの可撓性部品として構成される。各種の実施形態において、導管211は、矢印215によって例示されるような、基板支持構造203及びその上の基板207の上方における洗浄材料吐出ヘッド213の平行移動を可能にするための可動構成をとるように定めることができる。
【0036】
システムは、また、すすぎ流体227を基板支持構造203に向かわせて基板支持構造203上にある基板207上に吐出するように構成されたすすぎ流体吐出ヘッド223を含む。すすぎ流体吐出ヘッド223は、すすぎ流体送出制御部219に流体連通式に接続される。すすぎ流体送出制御部219は、すすぎ流体溜め229から導管221を通ってすすぎ流体吐出ヘッド223に到るすすぎ流体の流れを制御するように構成される。一実施形態では、導管221は、硬質管などの硬質性部品として構成される。別の実施形態では、導管221は、可撓管などの可撓性部品として構成される。各種の実施形態において、導管221は、矢印225によって例示されるような、基板支持構造203及びその上の基板207の上方におけるすすぎ流体吐出ヘッド223の平行移動を可能にするための可動構成をとるように構成することができる。
【0037】
すすぎ流体吐出ヘッド223は、すすぎ流体に印加される圧力にしたがった所要の制御速度ですすぎ流体227を基板207に向けて吐出するように構成される。一実施形態では、すすぎ流体送出制御部219は、導管221内のすすぎ流体227の圧力を所要の圧力レベルに増大させることができる増圧器を備えている。各種の実施形態において、すすぎ流体吐出ヘッド223は、とりわけ、単一のノズルとして、マニホールドに取り付けられた複数のノズルとして、又は複数ポートのすすぎヘッドとして構成することができる。すすぎ流体吐出ヘッド223の具体的な実施形態如何によらず、すすぎ流体吐出ヘッド223は、すすぎ流体227を制御パターンで且つ制御流速で基板207に向かわせるように構成される。
【0038】
一実施形態では、システムは、洗浄材料送出制御部209、すすぎ流体送出制御部219、及び回転機構239の各自とそれぞれ接続237、235、及び241を通じて電気的に通信している計算システム233も含む。洗浄材料送出制御部209、すすぎ流体送出制御部219、及び回転機構239の各自は、計算システム233からの制御信号を受信してその受信制御信号にしたがって動作を指示するように構成されたそれぞれのデータ取得/制御装置を含むことができる。また、計算システム233は、洗浄材料送出制御部209、すすぎ流体送出制御部219、及び回転機構239の各自を制御するための仮想制御を提供するように構成されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を実行するように動作することができる。更に、計算システム233は、GUIによって、洗浄材料送出制御部209、すすぎ流体送出制御部219、及び回転機構239の動作を規定の基板洗浄レシピにしたがって指示するようにプログラムすることができる。
【0039】
一実施形態では、計算システム233は、基板から汚染物質を洗浄するための動作を指示するためにコンピュータ実行可能プログラム命令を格納されたコンピュータ可読媒体を含んでよい。コンピュータ可読媒体は、基板の表面の上に洗浄材料を吐出するように洗浄材料吐出器の動作を指示するためのプログラム命令を含むことができる。上述のように、一実施形態では、洗浄材料は、基板の表面上に存在する汚染物質を閉じ込めるためにポリアクリルアミドを溶解された極性溶媒として構成される。コンピュータ可読媒体は、また、洗浄材料及びその中に閉じ込められた汚染物質の基板の表面からの除去を達成するためにすすぎ流体の流れを制御速度で基板の表面に向かわせようにすすぎ流体吐出器の動作を指示するためのプログラム命令を含むことができる。プログラム命令は、すすぎ流体による影響を受けたときの洗浄材料を弾性的に振る舞わせるようにすすぎ流体の制御速度を制御するように構成される。また、一実施形態では、プログラム命令は、基板の表面にすすぎ流体が塗布されている間に基板を回転させるように回転機構に指示するためのプログラム命令が提供される。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態にしたがった、基板から汚染物質を洗浄するための方法を示した説明図である。方法は、基板の表面に洗浄材料を塗布するための動作301を含む。一実施形態では、洗浄材料は、基板の表面上に存在する汚染物質を閉じ込めるための1つ又は2つ以上のポリマ材料を含む。一実施形態では、洗浄材料は、ポリアクリルアミドを溶解された極性溶媒として構成される。
【0041】
方法は、また、洗浄材料及びその中に閉じ込められた汚染物質の基板の表面からの除去を達成するためにすすぎ流体の流れを制御速度で基板の表面に向かわせための動作303を含む。すすぎ流体の制御速度は、すすぎ流体による影響を受けたときの洗浄材料を弾性的に振る舞わせるように設定される。一実施形態では、すすぎ流体速度は、約0.1メートル毎秒から約100メートル毎秒に及ぶ範囲内に制御される。別の実施形態では、すすぎ流体速度は、約1メートル毎秒に制御される。すすぎ流体の運動量が洗浄効率に及ぼす多大な影響ゆえに、すすぎ流体は、基板の表面に洗浄材料が塗布された直後に基板の表面に塗布することができる。
【0042】
様々な実施形態において、すすぎ流体は、脱イオン水、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセテート、窒素ガス、極性溶媒、及び霧状極性溶媒の、1つ又は2つ以上として構成される。また、一実施形態では、すすぎ流体は、基板の上方に位置決めされたノズルから吐出される。ノズルは、すすぎ流体を吐出しつつ基板の上方において平行移動することができる。
【0043】
方法は、更に、基板の表面にすすぎ流体が塗布されている間に基板を回転させるための動作305を含んでよい。一実施形態では、基板は、約100毎分回転数から約10000毎分回転数に及ぶ範囲内で回転される。なお、基板の回転は、一部の実施形態において用いられてよいが、全ての実施形態において必要とは限らないことが理解されるべきである。
【0044】
上述のコンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによって後ほど読み取ることが可能なデータを格納する任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体の例として、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、及びその他の光又は非光データストレージデバイスが挙げられる。また、上記のように、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして実装されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)は、本発明の任意の実施形態を実施するためのユーザインターフェースを提供するように開発可能である。
【0045】
図2に関連して上述された代表的実施形態は、すすぎ流体送出制御部219に導管221を通じて接続されたすすぎ流体吐出ヘッド223を示しているが、基板上にすすぎ流体を吐出するために、その他のすすぎ流体吐出構成も使用されえることが理解されるべきである。例えば図4Aは、動作303に関連して上述されたように、洗浄材料及びその中に閉じ込められた汚染物質の除去を達成するためにすすぎ流体を制御速度で基板の表面に塗布するよう構成された、本発明の一実施形態にしたがったプロキシミティヘッド400を示している。
【0046】
システム400は、プロキシミティヘッド405と、基板ホルダ401とを含む。一実施形態では、プロキシミティヘッド405は、固定式に配置され、基板ホルダ401は、その上に保持された基板403を、矢印415によって示されるようにプロキシミティヘッド405の下方において移送するように構成される。しかしながら、その他の実施形態では、基板ホルダ401は、固定されてよく、プロキシミティヘッド405は、基板ホルダ401の上方において移動されてよい。また、一実施形態では、プロキシミティヘッド405は、プロキシミティヘッド405下における基板ホルダ401の一回の通過によって基板403の上面全体がプロキシミティヘッド405による処理を受けられるように、基板403の全直径に及ぶように構成される。
【0047】
システム400は、また、導管409を通じてプロキシミティヘッド405にすすぎ流体227の制御流を供給するように構成されたすすぎ流体供給407を含む。システム400は、更に、導管413を通じてプロキシミティヘッド405に真空を提供するように構成された真空源411を含む。プロキシミティヘッド405は、洗浄材料及びその中に閉じ込められた汚染物質の除去を達成するためにすすぎ流体227を制御速度で基板403の上面に塗布するように構成される。プロキシミティヘッド405は、また、塗布されたすすぎ流体、洗浄材料、及びその中に閉じ込められた汚染物質を真空源411によって基板403の上面から除去するように構成される。
【0048】
図4Bは、本発明の一実施形態にしたがった、基板403の上に位置決めされたプロキシミティヘッド405の断面を示した説明図であり、基板403は、プロキシミティヘッド405下において方向415に移動される。プロキシミティヘッド405は、1つ又は2つ以上の中央に位置するすすぎ流体吐出口422を含むように構成され、すすぎ流体227は、これらの吐出口を通して、矢印421によって示されるように基板403に向かって流れる。一実施形態では、すすぎ流体吐出口422は、プロキシミティヘッド405の底面の中央に位置しており、プロキシミティヘッド405の底面は、基板403の上面と対面される。プロキシミティヘッド405は、また、すすぎ流体吐出口422を取り巻くようにプロキシミティヘッド405の底面の外周付近に設けられた幾つかの真空口424に、真空源411から真空を提供するように構成される。このように、塗布されたすすぎ流体227、洗浄材料、及びその中に閉じ込められた汚染物質は、矢印423によって示されるように、真空口424を通して基板403の上面から運び去られる。
【0049】
すすぎ流体吐出口422を通るすすぎ流体227の流れ、及び真空口424に印加される真空は、プロキシミティヘッド405の底面と、基板403の上面との間に流体メニスカス427を形成して維持するように制御される。一実施形態では、すすぎ流体227は、約1リットル毎分から約4リットル毎分に及ぶ範囲内の流量ですすぎ流体吐出口422を通って流れるように制御される。なお、すすぎ流体吐出口422のサイズは、洗浄材料が汚染物質を中に閉じ込めたままで基板403から除去されるように、すすぎ流体227から基板403の上面上に存在する洗浄材料に十分な運動量を移行させられる十分なすすぎ流体227の流れを提供するように構成されることが理解されるべきである。更に、真空吸引は、プロキシミティヘッド405を通って基板403に到るすすぎ流体227の流れを補償してメニスカス427を維持することができるように制御される。
【0050】
図4Cは、本発明の一実施形態にしたがった、プロキシミティヘッド405の底面を示した説明図である。この実施形態では、すすぎ流体吐出口422は、プロキシミティヘッド405の長さに沿って中央に位置する幾つかの穴として構成される。また、この実施形態では、真空口424は、すすぎ流体吐出口422を取り巻くようにプロキシミティヘッド405の底面の外周付近に設けられた幾つかの穴として構成される。
【0051】
図4Dは、本発明の別の実施形態にしたがった、プロキシミティヘッド405の底面を示した説明図である。この実施形態では、すすぎ流体吐出口422は、プロキシミティヘッド405の長さに沿って中央に位置する連続流路として構成される。また、この実施形態では、真空口424は、すすぎ流体吐出口422を取り巻くようにプロキシミティヘッド405の底面の外周付近に設けられた連続環状流路として構成される。図4C及び図4Dに関連して開示される実施形態は、例として挙げられたものであること、並びにすすぎ流体吐出口422及び真空口424として可能な全ての構成を表すことを意図していないことが理解されるべきである。その他の実施形態では、プロキシミティヘッド405のすすぎ流体吐出口422及び真空口424は、1)洗浄材料及びその中に閉じ込められた汚染物質を基板403から除去できるように十分なすすぎ流体227の制御流を基板403に提供する、及び2)制御方式でメニスカス427を維持する、ほぼあらゆる形で構成することができる。
【0052】
本発明は、幾つかの実施形態の観点から説明されてきたが、当業者ならば、先の明細書を読むこと及び図面を検討することによって、様々な代替、追加、置き換え、及び均等物を認識できることがわかる。したがって、本発明は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとして、このようなあらゆる代替、追加、置き換え、及び均等物を含むことを意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板から汚染物質を洗浄するための方法であって、
基板の表面に洗浄材料を塗布する工程であって、前記洗浄材料は、前記基板の前記表面上に存在する汚染物質を閉じ込めるための1つ又は2つ以上のポリマ材料を含む、工程と、
前記洗浄材料及び前記洗浄材料内に閉じ込められた汚染物質の前記基板の前記表面からの除去を達成するためにすすぎ流体を制御速度で前記基板の前記表面に塗布する工程であって、前記すすぎ流体の前記制御速度は、前記すすぎ流体による影響を受けたときに前記洗浄材料を弾性的に振る舞わせるように設定される、工程と、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記洗浄材料は、ポリアクリルアミドを溶解された極性溶媒として構成される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記すすぎ流体速度は、約1メートル毎秒に制御される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記すすぎ流体速度は、約0.1メートル毎秒から約100メートル毎秒に及ぶ範囲内に制御される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
すすぎ流体は、脱イオン水として構成される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
すすぎ流体は、すすぎ流体は、脱イオン水、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセテート、窒素ガス、極性溶媒、及び霧状極性溶媒の、1つ又は2つ以上として構成される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記基板の前記表面に前記すすぎ流体が塗布されている間に前記基板を回転させる工程を備える方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記基板は、約100rpmから約10000rpmに及ぶ範囲内の速度で回転される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記すすぎ流体は、前記基板の上方に位置決めされたノズルから吐出される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、更に、
前記ノズルから前記すすぎ流体を吐出させつつ前記ノズルを前記基板の上方において平行移動させる工程を備える方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記すすぎ流体は、前記基板の前記表面に前記洗浄材料が塗布された直後に前記基板の前記表面に塗布される、方法。
【請求項12】
基板から汚染物質を洗浄するためのシステムであって、
基板を支持するように構成された支持構造と、
前記支持構造上にあるときの前記基板の上に洗浄材料が塗布されるように前記支持構造の上方において洗浄材料を吐出するように構成された洗浄材料吐出器と、
前記支持構造上にあるときの前記基板にすすぎ流体が影響を与えるように前記支持構造にすすぎ流体の流れを向けるように構成されたすすぎ流体吐出器と、
を備え、
前記すすぎ流体吐出器は、前記すすぎ流体による影響を受けたときに前記洗浄材料を弾性的に振る舞わせる速度範囲内に前記すすぎ流体の流速を制御するように構成される、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記洗浄材料は、ポリアクリルアミドを溶解された極性溶媒であり、前記すすぎ流体は、脱イオン水であり、
前記すすぎ流体吐出器は、前記すすぎ流体の前記流速を約0.1メートル毎秒から約100メートル毎秒に及ぶ速度範囲内に制御するように構成される、システム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、更に、
前記洗浄材料吐出器及び前記すすぎ流体吐出器の各自と電気的に通信している計算システムを備え、
前記洗浄材料吐出器及び前記すすぎ流体吐出器の各自は、前記計算システムからの制御信号を受信して、前記受信された制御信号にしたがって洗浄材料堆積動作及びすすぎ流体堆積動作をそれぞれ指示するように構成される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、更に、
前記支持構造の底面の重心部分に接続された軸と、
前記軸に接続され、前記軸を制御回転速度で回転させて前記支持構造の相応する回転を生じさせるように構成された回転機構と、
を備え、
前記回転機構は、前記計算システムと電気的に通信しており、前記回転機構は、前記計算システムからの制御信号を受信して、前記受信された制御信号にしたがって前記軸及び前記軸に接続された前記支持構造の回転を指示するように構成される、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記回転機構は、前記軸及び前記軸に接続された前記支持構造を約100rpmから約10000rpmに及ぶ範囲内の速度で回転させるように構成される、システム。
【請求項17】
基板から汚染物質を洗浄するためのシステムであって、
基板を支持するように構成された支持構造と、
前記支持構造上にあるときの前記基板の上に洗浄材料が塗布されるように前記支持構造の上方において洗浄材料を吐出するように構成された洗浄材料吐出器と、
前記支持構造上にあるときの前記基板の上面に底面が曝されるように前記支持構造の上方に配置されたプロキシミティヘッドと、
を備え、
前記プロキシミティヘッドは、前記プロキシミティヘッドの前記底面と、前記プロキシミティヘッド下において前記支持構造上にあるときの前記基板の前記上面との間に流体メニスカスが形成されるように、前記プロキシミティヘッドの前記底面からすすぎ流体を吐出するように及び前記プロキシミティヘッドの前記底面において真空吸引を適用するように構成され、
前記プロキシミティヘッドは、前記すすぎ流体による影響を受けたときの前記洗浄材料を弾性的に振る舞わせる速度範囲内に前記すすぎ流体の流速を制御するように構成される、システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、
前記支持構造は、前記プロキシミティヘッドの前記底面において前記すすぎ流体が塗布されている間及び前記真空吸引が適用されている間に前記プロキシミティヘッド下において前記基板を平行移動させるように構成される、システム。
【請求項19】
請求項17に記載のシステムであって、更に、
前記プロキシミティヘッドに流体連通しているすすぎ流体供給部を備え、
前記すすぎ流体供給部は、約1リットル毎分から約4リットル毎分に及ぶ範囲内の流速で前記プロキシミティヘッドの前記底面からすすぎ流体が放出されるように前記プロキシミティヘッドにすすぎ流体の流れを提供するように構成される、システム。
【請求項20】
請求項17に記載のシステムであって、
前記洗浄材料は、ポリアクリルアミドを溶解された極性溶媒であり、前記すすぎ流体は、脱イオン水である、システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【公表番号】特表2011−507279(P2011−507279A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538220(P2010−538220)
【出願日】平成20年12月14日(2008.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/086742
【国際公開番号】WO2009/079422
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】