説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】リングボートでウエハの飛び出しとリング状プレートの飛び出しとを検出することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板12及び基板支持部70の基板支持体の既定位置からの飛び出しをそれぞれ検出する飛び出し検出手段は、第1の飛び出し検出センサ92と、第2の飛び出し検出センサ94と、第1の飛び出し検出センサ92及び第2の飛び出し検出センサ94を支持する飛び出し検出センサ支持部と、前記飛び出し検出センサ支持部を基板12又は基板支持部70の載置方向に移動する移動手段とを有し、第2の飛び出し検出センサ94は、第1の飛び出し検出センサ92よりも前記基板支持体から離れ、かつ、第1の飛び出し検出センサ92が設けられた位置における飛出し検出センサ支持部の移動方向の前面より前側の位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス等の基板を処理するための基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置として、基板(ウエハ)を多段に保持する基板保持体(ボート)と、この基板保持体に基板を移載する基板移載機とを有し、基板保持体に多数の基板を保持した状態で処理炉にて基板を処理するものは公知である。
【0003】
基板処理装置により基板処理を行なう際に、ボート又はフープに搭載されているウエハがボート又はフープから飛び出した状態になっている場合、半導体製造装置内にてウエハを搬送する際、基板移載機に付いているウエハ搬送部品等に衝突する可能性がある。衝突した場合、衝突した部品又はウエハの破壊又は破損等の恐れがあるほか、それによって多数の細かなごみが発生し、周囲の製品ウエハに付着し、製品として使用できなくなるという被害が及ぶ。また、ボートに搭載されたウエハ等が飛び出している場合、ウエハの膜付け等の工程において、ボートを処理炉に入れる際、炉口部に飛び出したウエハ等が接触又は衝突する可能性があり、装置部品とウエハやボートの破損等、多大な損害が発生する。
【0004】
このような損害の発生を事前に防ぐためにウエハ飛び出し検出を行なうことがある。ウエハ飛び出し検出とは、ボート又はフープに搭載されているウエハが、ボート又はフープから飛び出した状態になっていないかどうかを検出することをいう。
【0005】
特許文献1では、ボートやウエハの破損を防止できる基板処理装置として、基板移載機に設けられたフォトセンサによる光量のピーク値を検出することで、ボートに保持されたウエハが正常な位置にあるか異常な位置にあるかを検出する基板処理装置について開示している。より具体的には、基板移載機がボートの下端から上端に向かって移動し、その間、基板移載機に設けられたフォトセンサによる光軸がボートに搭載されたウエハによって遮られることによる光量の変化に基づいて、ウエハが正常な位置にあるか異常な位置にあるかを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−142245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ウエハ飛び出し検出は、特許文献1に開示されている検出方法と同様にして行うことができる。ただし、ウエハ飛び出し検出では、ウエハがボート等から飛び出した状態を検出することを目的とするため、基板移載機に設けられたフォトセンサは、飛び出しが発生していない正常な位置にあるウエハの外形部分から離れた位置において下端から上端に向かって移動することとなる。
【0008】
しかしながら、例えばリングボートのリング状プレート部分のように基板移載機側のボートの形状がウエハの外形よりも大きい場合、ウエハは飛び出していないにもかかわらず、ウエハの外形よりも外側部分にあるボートが光軸を遮ってしまうという問題がある。この場合、ボートが光軸を遮らないようボートから離れた位置でフォトセンサを使用することが考えられるが、ウエハが飛び出した状態となっていてもフォトセンサの光軸を遮るほどの飛び出しでない場合には検出することができない。
【0009】
さらに、例えば、リング状プレートを取り外すことが可能なボートにあっては、ウエハのみならずリング状プレートも正常な位置からずれて飛び出す恐れがあり、ウエハ及びリング状プレートのそれぞれの飛び出しについて検出することが求められる。
【0010】
本発明の目的は、リングボートでウエハの飛び出しとリング状プレートの飛び出しとを検出することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明にかかる基板処理装置は、基板と、基板を支持する基板支持部とを載置可能に支持する基板支持体と、基板及び基板支持部の基板支持体の既定位置からの飛び出しをそれぞれ検出する飛び出し検出手段とを有する。
【0012】
好適には、前記基板支持体は、基板又は基板支持部を一方向に複数載置可能であり、前記飛び出し検出手段は、第1の飛び出し検出センサと、第2の飛び出し検出センサと、前記第1の飛び出し検出センサ及び前記第2の飛び出し検出センサを支持する飛び出し検出センサ支持部と、前記飛び出し検出センサ支持部を前記基板又は基板支持部の載置方向に移動する移動手段とを有し、前記第2の飛び出し検出センサは、前記第1の飛び出し検出センサよりも基板支持体から離れ、かつ、前記第1の飛び出し検出センサが設けられた位置における飛出し検出センサ支持部の移動方向の前面より前側の位置に設けられている。
【0013】
好適には、基板支持部の載置方向の位置を予め記憶する記憶手段をさらに有する。
【0014】
また、本発明にかかる基板処理方法は、基板と、基板を支持する基板支持部とを基板支持体に載置し、前記基板及び前記基板支持部の基板支持体の既定位置からの飛び出しをそれぞれ検出し、前記基板支持体に載置された前記基板に対し基板処理をする。
【0015】
好適には、前記基板支持体に基板又は基板支持部を一方向に複数載置し、第1の飛び出し検出センサと、前記第1の飛び出し検出センサよりも基板支持体から離れ、かつ、前記第1の飛び出し検出センサが設けられた位置における飛出し検出センサ支持部の移動方向の前面より前側の位置に設けられている第2の飛び出し検出センサとを支持する飛び出し検出センサ支持部を前記基板又は基板支持部の載置方向に移動して、前記基板及び前記基板支持部の基板支持体の飛び出しをそれぞれ検出し、前記第2の飛び出し検出センサにより基板又は基板支持部の飛び出しを検出した場合には、前記飛び出し検出センサ支持部の移動を停止し、前記第1の飛び出し検出センサ及び前記第2の飛び出し検出センサのいずれも基板又は基板支持部の飛び出しを検出しない場合には、前記基板支持体に載置された前記基板に対し基板処理をする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リングボートでウエハの飛び出しとリング状プレートの飛び出しとを検出することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置全体を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた基板保持体(リングボート)を示す図で、(a)は断面図、(b)は平面図である。なお、(a)は(b)のA−A線断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた処理炉及びその周辺を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた基板移載機の側面図である。
【図6】スライド型の検出部について示す側面図であり、(a)は、基板を基板保持体に載せる場合の側面図であり、(b)は検出を行なう場合の側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る検知機構の電気機構を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたウエハ位置基準設定の動作を示す。
【図9】本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いたリング位置基準設定の動作を示す。
【図10】本発明の実施形態に係る(a)は、本発明の実施形態に係る基板処理装置に用いた基板保持体(リングボート)にウエハを載置した状態のリングボートの側面図を示し、(b)はウエハ及びリング状プレートの位置基準の範囲の設定例を示す。
【図11】本発明の実施形態に係る(a)は、ウエハ飛び出し検出センサ及びリング飛び出し検出センサの設置位置の関係及び各センサの光軸移動範囲を示す側面図であり、(b)はその平面図である。
【図12】アームが、飛び出したウエハと接触する様子を示した平面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る基板保持具(リングボート)で、(a)は、ウエハが飛び出し状態にある様子を示し側面図であり、(b)は、リング状プレートが飛び出し状態にある様子を示す側面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る検知機構の動作の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る検知機構のデータフローの一例を示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る検出結果による判定方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1及び図2には、本発明の実施形態に係る基板処理装置10が示されている。基板処理装置10は、基板に拡散処理やCVD処理などを行う縦型のものである。この基板処理装置10は、シリコン等からなる基板12を収納したポッド14を、外部から筐体16内へ挿入するための入出ステージ18が筐体16の前面に付設されている。筐体16内には、挿入されたポッド14を保管するためのカセット棚22が設けられている。また、筐体16内には、N2パージ室24が設けられており、このN2パージ室24は、基板12の搬送エリアであり、基板保持体(ボート)26の搬入、搬出空間となっている。N2パージ室24は、基板12の処理を行う場合、N2ガスなどの不活性ガスで充満され、基板12に自然酸化膜が形成されるのを防止するようになっている。
【0020】
上述したポッド14としてはフープ(FOUP)が用いられており、ポッド14の一側面に設けられた開口部を蓋体(図示せず)で塞ぐことで大気から基板12を隔離して搬送することができ、蓋体を取り去ることでポッド14内へ基板12を入出させることができる。このポッド14には例えば25枚の基板12が収納される。このポッド14の蓋体を取外し、ポッド14内の雰囲気とN2パージ室24の雰囲気とを連通させるために、N2パージ室24の前面には、ポッドオープナ28が設けられている。ポッドオープナ28、カセット棚22及び入出ステージ18間のポッド14の搬送は、カセット移載機30によって行われる。このカセット移載機30によるポッド14の搬送空間には、筐体16に設けられたクリーンユニット(図示せず)によって清浄化した空気をフローさせるようにしてある。
【0021】
N2パージ室24の内部には、複数の基板12を多段に積載する基板保持体26と、基板12のノッチ(またはオリエンテーションフラット)の位置を任意の位置に合わせる基板位置合わせ装置32と、ポッドオープナ28上のポッド14と基板位置合わせ装置32との間で基板12の搬送を行う基板移載装置としての基板移載機34とが設けられている。また、N2パージ室24の上部には基板12を処理するための処理炉36が設けられており、基板保持体26は、昇降手段であるボートエレベータ38によって処理炉36へロードされ、又は処理炉36からアンロードされる。処理炉36は、基板12の処理中以外は、炉口シャッタ40によって炉口が閉鎖されている。
【0022】
次に上記実施形態に係る基板処理装置10の動作について説明する。
まず、AGVやOHTなどにより筐体16の外部から搬送されたポッド14は、入出ステージ18に載置される。入出ステージ18に載置されたポッド14は、カセット移載機30によって、直接ポッドオープナ28上に搬送されるか、又は一旦カセット棚22にストックされた後にポッドオープナ28上に搬送される。ポッドオープナ28上に搬送されたポッド14は、ポッドオープナ28によってポッド14の蓋体が取外され、ポッド14の内部雰囲気がN2パージ室24の雰囲気と連通される。
【0023】
次に、基板移載機34によって、N2パージ室24の雰囲気と連通した状態のポッド14内から基板12を取出す。取出された基板12は、基板位置合わせ装置32によって任意の位置にノッチ又はオリエンテーションフラットが定まるように位置合わせが行われ、位置合わせ後、基板保持体26へ搬送される。
【0024】
基板保持体26への基板12の搬送が完了したならば、処理炉36の炉口シャッタ40を開けて、ボートエレベータ38により基板12を搭載した基板保持体26を処理炉36内にロードする。
ロード後は、処理炉36にて基板12に所定の処理が実施され、処理後は上述の逆の手順で、基板12及びポッド14は筐体16の外部へ払出される。
【0025】
図3には、本実施形態にかかる基板処理装置10に用いられる基板保持体(リングボート)26が示されている。図3(a)は、基板保持体26の縦断面図であり、図3(b)は基板保持体26の平面図である。
【0026】
基板保持体26は、円板状の天板(図示せず)と円板状の底板(図示せず)とを接続する例えば4本の円柱状の支柱50と、該支柱50によって支持される複数の基板支持部、すなわち、例えばリング形状のプレート(リング状プレート70)とを有する。図3(a)に示すように、リング状プレート70は、4本の支柱50に支持され上下方向に複数搭載されている。また、リング状プレート70には、支柱50に近接する上面にウエハ12を載せるための爪72が複数設けられている。この爪72に基板12を載せることが可能になっている。なお、図3(b)に示すように、4本の支柱50は、基板移載機34によって基板保持体26へと基板12を載せることができるように配置されている。
【0027】
図4において、上記処理炉36の周辺構成が示されている。処理炉36は、例えば石英(SiO2)等の耐熱性材料からなるアウターチューブ42を有する。このアウターチューブ42は、上端が閉鎖され、下端に開口を有する円筒状の形態である。このアウターチューブ42内には同心円状にインナーチューブ44が配置されている。また、アウターチューブ42の外周には、加熱手段としてのヒータ46が同心円状に配置されている。このヒータ46は、ヒータベース48を介して筐体16上に保持されている。
【0028】
図4及び図5にも示すように、基板移載機34は、上下方向に移動し、回転する移載機本体54と、この移載機本体54上で往復動する主ツィーザ本体56とを有する。この主ツィーザ本体56には例えば4つのツィーザ58a,58b,58c,58dが平行に延びるように固定されている。また、移載機本体54上には副ツィーザ本体57が主ツィーザ本体56とは一体に往復動できると共に、主ツィーザ本体56とは独立して往復動できるように設けられている。この副ツィーザ本体57には、ツィーザ58eが前述した4つのツィーザ58a〜58dの下位置で平行に固定されている。このため、図5に示すように、基板移載機34は、5つのツィーザ58a〜58eにより5枚の基板12を一括移載することができるし、最下段のツィーザ58eを用いて1枚のモニタ基板を移載(枚葉移載)することもできる。
【0029】
ポッド14には、例えば25枚の基板12が収納されており、基板移載機34により基板12を基板保持体26へ移載又は基板保持体26から回収する場合、5つのスロット(スロット群)の中に異常状態の基板が無いときは、5つのツィーザ58a〜58eにより5枚の基板12を一括移載又は回収し、スロット群の中に異常状態の基板があるときは、正常状態の基板のみを最下段のツィーザ58eを用いて回収する。なお、モニタ基板については、挿入時と同様に一枚ずつ回収してもよい。
【0030】
検出装置としての検出部60は、移載機本体54に設けられている。この検出部60は、平行な2つのアーム62a,62bを有し、該アーム62a,62bが移載機本体54の側面で回動できるように設けられている。該アーム62a,62bには、フォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fが設けられている。より具体的には、該アーム62aの先端付近には、投光素子からなる透過型のフォトセンサ64a,64c,64eが設けられており、該アーム62bの先端付近には、受光素子からなる透過型のフォトセンサ64b,64d,64fが配置されているとする。なお、該アーム62aに受光素子からなる透過型のフォトセンサが設けられ、該アーム62bに投光素子からなる透過型のフォトセンサが設けられていてもよい。
【0031】
ここで、フォトセンサ64a,64bは位置検出センサ90として、フォトセンサ64c,64dはウエハ飛び出し検出センサ92として、フォトセンサ64e,64fはリング飛び出し検出センサ94としてそれぞれ設けられている。位置検出センサ90は、後述するウエハ位置基準及びリング位置基準を定めるために使用し、また、搭載されている基板12及びリング状プレート70が基板保持体26の上下方向において既定の範囲にあるか否かを確認するためのセンサである。ここで、ウエハ位置基準とは、基板保持体26の各段に対して設定されており、当該段においてウエハ12を正常に搭載した際の基板保持体26の上下方向のウエハ12の位置を示すものである。また、リング位置基準も同様に、基板保持体26の各段に対して設定されており、当該段においてリング状プレート70を正常に搭載した際の基板保持体26の上下方向のリング状プレート70の位置を示すものである。
ウエハ飛び出し検出センサ92は、基板保持体26からウエハ12が飛び出している状態を検知するセンサである。リング飛び出し検出センサ94は、基板保持体26からリング状プレート70が飛び出している状態を検出するセンサである。
【0032】
基板保持体26に移載された基板12の保持状態を検知する場合は、アーム62a,62bを基板保持体26側に回動固定し、フォトセンサ64a,64bの光軸が基板12を通過するようにし、基板移載機34を基板保持体26下端から上端まで移動し、フォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fの検知出力をモニタする。一方、基板移載機34により基板12を基板保持体26に移載する場合は、アーム62a,62bを反基板保持体側に回動し、アーム62a,62bが基板12又は基板保持体26と干渉するのを防止するようになっている。
【0033】
検出部の構成は上記の構成に限られない。図6は、スライド型の検出部61を示した図である。スライド型の検出部61も検出部60と同様に2つのアーム62c,62dを有しており、該アーム62c,62dの先端付近にフォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fが設けられている。図6(a)は、基板保持体26に対して基板を載せる際の基板移載機34の向きを示している。一方、図6(b)は、基板保持体26に移載された基板12の保持状態を検知する際の基板移載機34の向きを示している。すなわち、基板12の保持状態を検知する際は、基板移載機34が回転し、検出対象にアーム62c,62dを向ける。また、基板12の保持状態を検知する際は、移載機本体54の側面に設けられたアーム62c,62dが横方向に移動する。
【0034】
図4に示すように、フォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fから出力されるアナログ信号は、例えばコンピュータからなる制御装置としての制御部66に出力される。制御部66は、記憶装置としての記憶部67と判断装置としての判断部69を有し、検出装置としての検出部60が検出したデータと記憶部67に記憶されたデータとを判断部69において比較し、例えばモータ等からなる駆動部68を介して基板移載機34を制御する。
【0035】
図7は、本発明の実施形態に係る検知機構の電気機構をさらに詳述する図である。
本実施形態における検知機構として使用されるセンサは透過型光電センサであり、図4に示すものと同様のものを使用する。また、値出力をアンプ出力とするための機構を備えている。検知機構は、入出力装置80、シーケンサ84、アンプ86a,86b,86c及びフォトセンサ64a、64b,64c,64d,64e,64fから構成されている。入出力装置80、シーケンサ84及びアンプ86a,86b,86cは、フォトセンサ64a、64b,64c,64d,64e,64fに、例えばダイレクト配線接続LANやWANなどのネットワーク85を介して接続されている。したがって、検知する際、フォトセンサ64a、64b,64c,64d,64e,64fから得られた受光量数値変化はアンプ86a,86b,86cによってそれぞれ電圧数値変化に置き換えられ入出力装置80やシーケンサ84に伝えられる。その数値変化の度合いでウエハの状態判断を行い、入出力装置80等に伝えられる。入出力装置80は、基板処理装置10と一体に、又はネットワーク85を介して接続して設けられており、操作画面を表示する。操作画面には、ユーザにより所定のデータが入力される入力画面及び装置の状況等を示す表示画面などが表示される。また、入出力装置80には、制御部66が設けられている。
【0036】
位置検出センサ90を用いた、ウエハ位置基準及びリング位置基準の設定方法について説明する。
ウエハ12及びリング状プレート70のリング位置基準の設定は2点ティーチング方式で行うものとする。ここで、2点ティーチング方式とは、検出物(本実施形態においてはボート上のウエハ12又はリング状プレート70のリング)の各段の基準となる位置を求める方法の一つで実測に基づいた複数ある検出物のうち、最下位置にある検出物と最上位置にある検出物とを検出、すなわち最下値と最上値を検出し、その差分値を各段間に均等分し、理論上の基準位置の値とする。
【0037】
ここで、アナログ方式のデータ取得においては各段のリング位置基準で検出波形のピーク値を使用しないものとする。これは、今回、透過型光電センサにてどのウエハの厚みもほぼ同一であり、ウエハ端面を水平にしてデータを取得した場合にピークが現れるが、リングの厚みはリング形状によっても異なり、受光及び投光部におけるフォトセンサのセンサレンズ径よりも厚いものもあり、リングの中心に検出波形のピークが現れるとは限らないため、原則的には、基準としては使用できないからである。
【0038】
なお、本実施例において、データ取得方式はアナログ方式を使用しているが、データ取得方式がデジタルの場合にはピーク値がでないため、判定はOFF,ONの2点で行う。
なお、データ取得方式がアナログ方式であってもピーク値を使用せず、ピーク部分の処理及び判定は省いてもよい。
【0039】
次に、ウエハの第一正常位置範囲としての正常位置範囲データを得るためのウエハ位置基準の設定について図8に基づいて説明する。
ステップS10として、まず、ウエハ位置基準を定めるにあたって正常位置範囲とみなすことができるズレ許容値を設定する。
次に、ステップS12として、リングボート26の最上段及び最下段に今後使用するものと同じ異常のないウエハ12を載せる。
次に、ステップS14として、上述の検知機構でリングボート26のリング状プレート70とウエハ12のデータを取得する。
次に、ステップS16として、取得されたデータを生データとして、それから各ピーク位置、OFF位置、ON位置を抽出する。
次に、ステップS18として、各ピーク位置、OFF位置、ON位置、各々のデータの中から記憶部67に記憶(格納)されている各段のリング位置基準データと入力されたズレ許容値を基にリング適正位置範囲以外の位置データを抽出し、その抽出された位置データで各段のウエハ理論位置を2点ティーチング法により算出する。
次に、ステップS20として、各ピーク位置、OFF位置、ON位置それぞれの各段の理論位置をウエハ位置基準として記憶部67に記憶(格納)させる。
【0040】
次に、リング状プレート70の第二正常位置範囲としての正常位置範囲データを得るためのリング位置基準の設定について図9に基づいて説明する。
ステップS22として、初期設定としてリングボート26の段数を入力する。
次に、ステップS24として、上述の検知機構でウエハを載置していない状態でリングボート26のリング状プレート70のデータを取得する。
次に、ステップS26として、取得されたデータを生データとして、それから各ピーク位置、OFF位置、ON位置を抽出する。
次に、ステップS28として、各ピーク位置、OFF位置、ON位置の各々で各段のリングの理論位置を2点ティーチング法により算出する。
次に、ステップS30として、OFF位置、ON位置それぞれの各段の理論位置をリング位置基準として記憶部67に記憶(格納)させる。ここで、ピーク値は使用しない。
【0041】
上述のウエハ位置基準及びリング位置基準の設定により、各位置基準が設定される。
図10(a)は、ウエハ12を載置した状態のリングボート26の側面図を示し、(b)はウエハ12及びリング状プレート70の位置基準の範囲の設定例を示す。
図10(b)に示すように、A1は1段リングボート許容位置範囲、A2は2段リングボート許容位置範囲、B1は1段ウエハ許容位置範囲、B2は2段ウエハ許容位置範囲を示す。また、C1とD1は1段異常位置範囲、C2とD2は2段異常位置範囲を示す。
すなわち、リングボート26の1段目のリング状プレート70がA1である1段リングボート許容範囲に、2段目のリング状プレート70がA2である2段リングボート許容範囲等になく、1段目のウエハ12がB1である1段ウエハ許容位置範囲、B2である2段ウエハ許容位置範囲になく、C1、D1の1段異常位置範囲やC2、D2の2段異常位置範囲にある等の場合にウエハ12又はリングボート26の位置が異常であると判断される。
【0042】
記憶部67に記憶されているウエハ及びリング位置基準範囲と、検知されたウエハ12及びリング状プレート70の検知波形とを判断部69にて照合させて、検知されたデータが1つでも異常範囲Cにあれば、ウエハ12の搬送を中止もしくは、異常範囲にあるとされたウエハ以外のウエハを1枚ずつ枚葉搬送する。
【0043】
次に、ウエハ飛び出し検出センサ92、及びリング飛び出し検出センサ94によるウエハ12及びリング状プレート70の飛び出し状態の検出について説明する。
【0044】
図11(a)はウエハ飛び出し検出センサ92及びリング飛び出し検出センサ94の設置位置の関係及び各センサの光軸移動範囲を示す側面図であり、図11(b)はその平面図である。図中のE,F,及びGは、それぞれ位置検出センサ90,ウエハ飛び出し検出センサ92,及びリング飛び出し検出センサ94の各光軸の移動範囲を示している。なお、図11(a)(b)において、基板保持体26に搭載されているウエハ12及びリング状プレート70は正常な位置、すなわち、飛び出していない状態にある。
ここで、アーム62a,62bに設けられた位置検出センサ90、ウエハ飛び出し検出センサ92及びリング飛び出し検出センサ94の位置関係は、図11(a)に示す通り、次のようになっている。各センサは、アーム62a,62bの先端部分から位置検出センサ90、ウエハ飛び出し検出センサ92、リング飛び出し検出センサ94の順に設けられており、さらに、ウエハ飛び出し検出センサ92は位置検出センサ90よりも上方の位置に設けられ、リング飛び出し検出センサ94はウエハ飛び出し検出センサ92よりも上方の位置に設けられている。なお、図11(a)は、アーム62a,62bが基板保持体26の下端から上端に向かって移動して検出する場合の構成を示しており、例えばアーム62a,62bが基板保持体26の上端から下端に向かって移動する場合には、各センサの上下方向の位置関係は逆転する。すなわち、ウエハ飛び出し検出センサ92は位置検出センサ90よりも下方の位置に設けられ、リング飛び出し検出センサ94はウエハ飛び出し検出センサ92よりも下方の位置に設けられることとなる。
【0045】
図12は、アーム62a,62bが飛び出したウエハ12と接触する様子を示した図である。図12に示すように、ウエハ12の飛び出しの程度によっては、基板保持体26の下端から移動してくるアームと接触する可能性がある。この問題に対し、飛び出したウエハ12との接触が生じない程度にアーム62aとアーム62bとの間隔を広げるということも考えられるが、間隔を広げる対応をとることができない場合には依然として解決されない。
【0046】
しかし、本実施形態にかかる検知機構は、各センサが上記で説明した位置関係で設けられているため、リング飛び出し検出センサ94の光軸移動範囲まで飛び出ているウエハ12又はリング状プレート70に対して、リング飛び出し検出センサ94が飛び出しを検出した時点では、当該飛び出したウエハ12又はリング状プレート70の下方に、ウエハ飛び出し検出センサ92、位置検出センサ90、アーム62a,62bが存在する。したがって、リング飛び出し検出センサ94が飛び出しを検出した時点で、基板移載機の移動を停止させる制御を行い、アーム62a,62bの上昇を止めることにより、接触を防ぐことができる。
【0047】
また、図11(a)(b)に示すように、ウエハ飛び出し検出センサ92は、ウエハ飛び出し検出センサ92の光軸移動範囲Fが、正常な位置にあるウエハ12から一定の許容幅H1だけ離れた位置となるように設けられている。同様に、リング飛び出し検出センサ94は、リング飛び出し検出センサ94の光軸移動範囲Gが、正常な位置にあるリング状プレート70から一定の許容幅H2だけ離れた位置となるように設けられている。したがって、ウエハ飛び出し検出センサ92とリング飛び出し検出センサ94とによって、ウエハの飛び出し状態とリング状プレート70の飛び出し状態とをそれぞれ検出することが可能である。また、ウエハの飛び出し状態の検出では、ウエハ12の飛び出しがリング状プレート70の外形を逸脱する程ではない場合であっても、飛び出しを検出することが可能である。
なお、正常な位置にあるリング状プレート70がウエハ飛び出し検出センサの光軸移動範囲F内に含まれうるが、ウエハの飛び出しのみを検出する方法については後述する。
【0048】
図13は飛び出し状態にあるウエハ12又はリング状プレート70を示す側面図である。図13(a)は、ウエハ12が飛び出し状態にある様子を示し、図13(b)は、リング状プレート70が飛び出し状態にある様子を示している。アーム62a,62bが基板保持体26の下端から上端に向かって移動すると、ウエハ飛び出し検出センサ92又はリング飛び出し検出センサ94の光軸移動範囲まで飛び出したウエハ12又はリング状プレート70によってウエハ飛び出し検出センサ92又はリング飛び出し検出センサ94の光軸が遮られることとなる。このように光軸が遮られることにより、ウエハ12又はリング状プレート70が飛び出した状態にあることを検出する。
【0049】
ここで、ウエハ飛び出し検出センサ92の光軸は、飛び出していない状態のリング状プレート70によっても遮られるが、基板保持体26の上下方向のウエハ12又はリング状プレート70の位置データを利用することで、ウエハ12の飛び出しのみを検出することができる。位置データは、例えば予め記憶部67に記憶されている。ウエハの飛出しのみを検出する方法としては、例えば、ウエハ飛び出し位置基準を参照して、ウエハが搭載されている位置における光軸の遮断のみを有効な飛び出し検出結果としてもよいし、又は、リング飛び出し位置基準を参照して、検出された光軸の遮断のうち、リング状プレート70が搭載されている位置における遮断は無効とする処理を行なってもよい。
なお、ウエハ飛び出し位置基準とは、基板保持体26の各段に対して設定されており、当該段におけるウエハの飛び出しに対し、基板保持体26の上下方向の位置を示すものである。また、リング飛び出し位置基準とは、基板保持体26の各段に対して設定されており、当該段におけるリング状プレート70の飛び出しに対し、基板保持体26の上下方向の位置を示すものである。ウエハ飛び出し位置基準及びリング飛び出し位置基準は、上述のウエハ位置基準及びリング位置基準と同様にして設定できる。
【0050】
また、ウエハ飛び出し検出センサ92又はリング飛び出し検出センサ94により、飛び出しを検出した場合、当該飛び出しが発生した基板保持体26の上下方向の位置を把握できる構成となっている。かかる構成を実現する方法としては、例えば、光軸が遮られることによるセンサのON/OFF信号の各々が検知開始からどのくらい時間が経過して発生したかを記録するか、又はセンサがON/OFFが発生した時の駆動部の位置信号(位置を数値的に表すなどした信号)を利用することで飛び出し位置を把握することができる。また、上述のウエハ飛び出し基準又はリング飛び出し位置基準を用いることで、基板保持体26のどの段において飛び出しが発生しているかを把握することができる。
【0051】
図14は、本実施形態にかかる検知機構の動作の一例を示すフローである。図14に示すように、飛び出し検出を行なわない場合(以下、飛び出し検出無効の場合という)、飛び出し検出を行い、飛び出しが発生した位置を取得する場合(以下、飛び出し位置確認機能の場合という)、飛び出し検出を行ない、飛び出しを検出したら即時に基板移動機を停止する場合(以下、飛び出し確認時即時動作停止機能の場合という)、それぞれで動作が異なっている。
【0052】
まず、ステップS100として、飛び出し検出を行なうか否かを判定する。飛び出し検出を行なう場合は、ステップS102へ進み、飛び出し検出を行なわない場合には、ステップS130に進む。
【0053】
ステップS102では、検出動作中に飛び出しを検出した場合に、即時に検出動作を停止させるか否かを判定する。即時に検出動作を停止させる場合は、ステップS104へ進み、基板移載機34の移動を開始する。また、即時に検出動作を停止させない場合は、ステップS120へ進む。
【0054】
以下、ステップS104以降のフロー、すなわち、飛び出し確認時即時動作停止機能の場合を説明する。
ステップS106では、位置検出センサ90によりウエハ12又はリング状プレート70の位置を検出し、位置データを取得する。
【0055】
ステップS108では、ウエハ12又はリング状プレート70の飛び出しを検出したか否かを判定し、飛び出しを検出した場合は、ステップS110にて飛び出しが発生した位置データを取得し、即時に基板移載機34の移動を止めて検出動作を停止する(ステップS112)。また、飛び出しを検出していない場合は、ステップS114へ進む。なお、飛び出し確認時即時動作停止機能の場合では、検出動作を開始後最初に飛び出しを検出すると即時に動作を停止するため、他に飛び出しが発生していたとしても飛び出し位置データの取得は行なわない。
【0056】
ステップS114では、基板移載機34が検出終了位置まで移動し、基板保持体26に搭載された全てのウエハ12及びリング状プレート70について位置データの取得が終了したかを判定する。検出終了位置まで移動した場合は、ステップS112へ進み、検出動作を終了する。また、検出終了位置まで移動していない場合は、ステップS106へと戻り、位置データの取得を継続する。
【0057】
次に、ステップS120以降のフロー、すなわち、飛び出し位置確認機能の場合を説明する。
ステップS120では、ステップS104と同様、基板移載機34の移動を開始する。
【0058】
ステップS122では、ステップS106と同様、位置検出センサ90によりウエハ12又はリング状プレート70の位置を検出し、位置データを取得する。
【0059】
ステップS124では、ステップS108と同様、ウエハ12又はリング状プレート70の飛び出しを検出したか否かを判定する。飛び出しを検出した場合は、ステップS126へ進み、飛び出しを検出していない場合は、ステップS128へ進む。
【0060】
ステップS126では、飛び出しが発生した位置データを取得する。
【0061】
ステップS128では、ステップS114と同様、基板移載機34が検出終了位置まで移動し、基板保持体26に搭載された全てのウエハ12及びリング状プレート70について位置データの取得が終了したかを判定する。検出終了位置まで移動した場合は、ステップS112へ進み、検出動作を終了する。また、検出終了位置まで移動していない場合は、ステップS122へと戻り、位置データの取得を継続する。
【0062】
次に、ステップS130以降のフロー、すなわち飛び出し検出無効の場合を説明する。
ステップS130では、ステップS104と同様、基板移載機34の移動を開始する。
【0063】
ステップS132では、ステップS106と同様、位置検出センサ90によりウエハ12又はリング状プレート70の位置を検出し、位置データを取得する。
【0064】
ステップS134では、ステップS114と同様、基板移載機34が検出終了位置まで移動し、基板保持体26に搭載された全てのウエハ12及びリング状プレート70について位置データの取得が終了したかを判定する。検出終了位置まで移動した場合は、ステップS112へ進み、検出動作を終了する。また、検出終了位置まで移動していない場合は、ステップS132へと戻り、位置データの取得を継続する。
【0065】
図15は、前述した飛び出し位置確認機能の場合のデータフローの一例を示す図である。図15に示すように、本発明の検知機構は、基板保持体にリングボートのみならず、リング状プレート70を持たない標準ボートを使用することも可能である。なお、標準ボートを使用した場合の実施形態については後述する。
【0066】
まず、ステップS200として、基板保持体がリングボートであるか否かを判定する。リングボートである場合は、ステップS202へ進み、標準ボートである場合には、ステップS220へ進む。
【0067】
ステップS202では、記憶装置としての記憶部67に、リング状プレート70の正常位置範囲データを含むリング位置基準が格納されているか否かを判定する。リング位置基準が格納されていると判定された場合には、次のステップS204へ進み、リング位置基準が格納されていないと判定された場合には、前述したリング位置基準の設定を行う。
【0068】
次のステップS204において、記憶装置としての記憶部67に、ウエハ12の正常位置範囲データを含むウエハ位置基準が格納されているか否かを判定する。ウエハ位置基準が格納されていると判定された場合には、次のステップS206へ進み、ウエハ位置基準が格納されていないと判定された場合には、前述したウエハ位置基準の設定を行う。
【0069】
ステップS206では、記憶装置としての記憶部67に、ウエハ飛び出し位置基準及びリング飛び出し位置基準が格納されているか否かを判定する。ウエハ位置基準が格納されていると判定された場合には、ステップS208へ進む。また、ウエハ位置基準が格納されていないと判定された場合には、ウエハ位置基準及びリング位置基準と同様に設定を行う。
【0070】
ステップS208では、ウエハ12及びリング状プレート70が正常な位置にあるかの判定を行なうための検知が開始される。
具体的には、まず、リング位置基準及びウエハ位置基準において正常位置範囲とみなすことができるズレ許容値を設定後、リングボート26にウエハ12を載置し、基板移載機34とフォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fの駆動を開始する。即ち、図5に示したように、基板移載機34により、5つのツイーザ58a〜58eによって5枚のウエハ12を一括移載する。そして、すべてのウエハ12がボート26に載置されたら、図4に示したように、アーム62a,62bをボート26側に回動固定し、基板移載機34をボート26の最下端から一定速度で上昇させ、フォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fによりウエハ12の移載状態及びボート26の状態を検知する。フォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fの投光/受光の光量がアナログ信号として制御部66に入力されることになる。
【0071】
次のステップS210においては、フォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fから入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、フォトセンサ64a,64b,64c,64d,64e,64fからの検知出力を解析し、データを取得する。具体的には、取得されたデータを生データとして、それから各OFF位置、ON位置を抽出する。フォトセンサ64a,64bによる検知出力から抽出されたウエハ位置データ及びリング位置データのOFF位置、ON位置については、正常位置範囲内にあるか否かを判定する処理であるステップS212a,S212b,S212c,S212dへと渡される。また、フォトセンサ64c,64d,64e,64fによる検知出力から抽出された飛び出し位置データのOFF位置、ON位置については、飛び出し位置を判定する処理であるS212eへと渡される。
【0072】
基板保持体26に搭載された全てのウエハ12及びリング状プレート70について位置データの取得が終了するまで、ステップS210の処理が続き、位置データの取得が終了すると、後続のステップであるステップS212a,S212b,S212c,S212d,S212eへと進む。
【0073】
ステップS212a,S212b,S212c,S212dでは、判断装置としての判断部69において、リング状プレート70の位置が適正範囲内、すなわち正常位置範囲内にあるか否かの判定、及びウエハの位置が適正範囲内、すなわち正常位置範囲内にあるか否かを判定する。具体的には、ステップS212a、S212cでは、リング状プレート70についての各OFF位置、ON位置と、記憶(格納)されている各段のリング位置基準データと入力されたズレ許容値とを基にリング位置が適正な位置にあるか合否判定を行う。また、ステップS212b,S212dでは、ウエハ12についての各OFF位置、ON位置と、記憶(格納)されている各段のウエハ位置基準データと入力されたズレ許容値とを基にウエハ位置が適正な位置にあるか合否判定を行う。
【0074】
一方、ステップS212eでは、判断装置としての判断部69において、ウエハ飛び出し位置基準及びリング飛び出し位置基準を基に飛び出しが発生した位置を判定する。
【0075】
次のステップS214では、ステップS212a,S212b,S212c,S212d,S212eにおける判定結果に基づき、後述する総合的な判定を行なう。
【0076】
次に、標準ボートの場合、すなわちステップS220以降のデータフローについて説明する。
ステップS220では、ステップS204と同様、記憶部67にウエハ位置基準が格納されているか否かを判定する。ウエハ位置基準が格納されていると判定された場合には、次のステップS222へ進み、ウエハ位置基準が格納されていないと判定された場合には、前述したウエハ位置基準の設定を行う。
【0077】
ステップS222では、ステップS206と同様、記憶部67に、ウエハ飛び出し位置基準及びリング飛び出し位置基準が格納されているか否かを判定する。ウエハ位置基準が格納されていると判定された場合には、ステップS224へ進む。また、ウエハ位置基準が格納されていないと判定された場合には、ウエハ位置基準及びリング位置基準と同様に設定を行う。
【0078】
ステップS224では、ウエハ12が正常な位置にあるか否かの判定を行なうための検知が開始される。
【0079】
次のステップS226では、ステップS210と同様の処理が行なわれる。ただし、リング位置データのOFF位置及びON位置は取得されない点においてステップS210とは異なる。
【0080】
次のステップS228a,S228b,S228cは、前述のステップS212a,S212b,S212eと同様の処理が行なわれる。ただし、ステップS228cは、リング状プレート70の飛び出しに対しての処理がない点で、ステップS212eと異なる。
【0081】
次のステップS230では、ステップS228a,S228b,S228cにおける判定結果に基づき、総合的な判定を行なう。
【0082】
次に、総合的な判定について説明する。図16は、ステップS214における総合的な判定の一例である。
リングボート位置判定は、ステップS212c及びS212dにおける判定結果に基づき判定され、全てのリング状プレート70が正常位置範囲にある場合は「正常」、正常位置範囲にないリング状プレート70が存在する場合は「異常」、リング状プレート70がない場合には「無」とそれぞれ判定される。
ウエハ位置判定は、ステップS212a,S212bにおける判定結果に基づき判定され、全てのウエハ12が正常位置範囲にある場合は「正常」、正常位置範囲にないウエハ12が存在する場合は「異常」、ウエハ12がない場合には「無」とそれぞれ判定される。
飛び出し判定は、ステップS212eにおける判定結果に基づき判定され、飛び出しが検出された場合には「飛出し」、飛び出しが検出されなかった場合には「無」とそれぞれ判定される。
図16に示した例では、リングボート位置判定及びウエハ位置判定でいずれも「正常」であり、飛び出し判定が「無」の場合に総合的な判定として正常とされる。
また、リングボート位置判定が「正常」又は「無」であり、かつ、ウエハ位置判定及び飛び出し判定が何れも「無」である場合、総合的な判定は、ウエハ12が存在しないことを示す「無」と判定される。そして、これら以外の場合には、総合的な判定として、「異常」と判定される。
なお、リングボート位置判定において「無」と判定された場合には、ウエハ位置判定及び飛び出し判定の結果にかかわらず、総合的な判定を「異常」としてもよい。
【0083】
ステップS230における総合的な判定においても、図16に示した判定と同様な判定が行なわれる。ただし、リングボート位置判定が行なわれない点で、ステップS214における総合的な判定とは異なる。
【0084】
以上が、飛び出し位置確認機能の場合のデータフローの説明となる。飛び出し確認時即時動作停止機能の場合のデータフローも図15に示した飛び出し位置確認機能の場合のデータフローと同様であるが、以下の点で異なる。飛び出し確認時即時動作停止機能の場合、飛び出しを検出した時点で即時に動作を停止することなるため、図15で示したデータフローにおいて、リング位置基準設定、ウエハ位置基準設定、飛び出し位置基準設定、又は、ステップS208の処理の途中で飛び出しが検出された場合、検出動作は停止し、以降のデータ処理は中止される。
また、飛び出し検出無効の場合のデータフローでは、飛び出し検出に関する処理がない点で、飛び出し位置確認機能の場合のデータフローと異なる。具体的には、飛び出し検出無効の場合のデータフローでは、図15で示したデータフローにおけるステップS206,S212e,S222,S228cがない。
【0085】
飛び出し位置確認機能の場合、飛び出し確認時即時動作停止機能の場合、及び飛び出し検出無効の場合のそれぞれのデータフローを実現する各プログラムを制御部66に格納し、いずれのプログラムに基づいて処理を行なうか選択できるようにしてもよい。
【0086】
次に、本実施形態の変形例について説明する。変形例では、基板保持体として標準ボートを使用する。ここで、標準ボートとは、リング状プレート70を有さない基板保持体をいう。したがって、標準ボートに基板を正常に載せた場合、基板移載機側のボートの外形は、基板よりも内側に存在することになる。
標準ボートを使用した場合の飛び出し検出では、ウエハ飛び出し検出センサ92及びリング飛び出し検出センサ94それぞれでウエハ12の飛び出しを検出することとなり、ウエハ12の飛び出しに対して、飛び出し具合に応じた段階的な検出を行なうことができる。
【0087】
また、飛び出し確認時即時動作停止機能の場合には、ウエハ飛び出し検出センサ92で飛び出しを検出した際に、検出動作を即時停止するようにしてもよい。
【0088】
ウエハ12の飛び出しが大きいほど飛び出したウエハ12とアーム62a,62bとが接触する危険が高くなる。したがって、リング飛び出し検出センサ94で飛び出しを検出した場合は検出動作を即時停止し、ウエハ飛び出し検出センサ92のみで飛び出しが検出された場合は検出動作の即時停止は行なわずに飛び出し位置の確認を行なうよう設定してもよい。
【0089】
なお、上記変形例では、標準ボートに搭載されたウエハの飛び出しを検出する場合について説明したが、ポッド14に搭載されたウエハの飛び出しを検出でも同様の処理を行なうことができる。
【符号の説明】
【0090】
10 基板処理装置
12 基板(ウエハ)
26 基板保持体(ボート)
34 基板移載機
36 処理炉
50 支柱
60 検出部
66 制御部
67 記憶部
68 駆動部
70 基板支持部(リング状プレート)
90 位置検出センサ
92 ウエハ飛び出し検出センサ
94 リング飛び出し検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、基板を支持する基板支持部とを載置可能に支持する基板支持体と、
基板及び基板支持部の基板支持体の既定位置からの飛び出しをそれぞれ検出する飛び出し検出手段と
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記基板支持体は、基板又は基板支持部を一方向に複数載置可能であり、
前記飛び出し検出手段は、
第1の飛び出し検出センサと、
第2の飛び出し検出センサと、
前記第1の飛び出し検出センサ及び前記第2の飛び出し検出センサを支持する飛び出し検出センサ支持部と、
前記飛び出し検出センサ支持部を前記基板又は基板支持部の載置方向に移動する移動手段と
を有し、
前記第2の飛び出し検出センサは、前記第1の飛び出し検出センサよりも基板支持体から離れ、かつ、前記第1の飛び出し検出センサが設けられた位置における飛出し検出センサ支持部の移動方向の前面より前側の位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板支持部の載置方向の位置を予め記憶する記憶手段をさらに有する
請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
基板と、基板を支持する基板支持部とを基板支持体に載置し、
前記基板及び前記基板支持部の基板支持体の既定位置からの飛び出しをそれぞれ検出し、
前記基板支持体に載置された前記基板に対し基板処理を実行する
基板処理方法。
【請求項5】
前記基板支持体に基板又は基板支持部を一方向に複数載置し、
第1の飛び出し検出センサと、前記第1の飛び出し検出センサよりも基板支持体から離れ、かつ、前記第1の飛び出し検出センサが設けられた位置における飛出し検出センサ支持部の移動方向の前面より前側の位置に設けられている第2の飛び出し検出センサとを支持する飛び出し検出センサ支持部を前記基板又は基板支持部の載置方向に移動して、前記基板及び前記基板支持部の基板支持体の飛び出しをそれぞれ検出し、
前記第2の飛び出し検出センサにより基板又は基板支持部の飛び出しを検出した場合には、前記飛び出し検出センサ支持部の移動を停止し、
前記第1の飛び出し検出センサ及び前記第2の飛び出し検出センサのいずれも基板又は基板支持部の飛び出しを検出しない場合には、前記基板支持体に載置された前記基板に対し基板処理を実行する
請求項4に記載の基板処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−146809(P2012−146809A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3813(P2011−3813)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】