説明

基準電圧回路、駆動回路、プリントヘッドおよび画像形成装置

【課題】LED発光パワーのマイナスの温度依存性とドライバIC内の基準抵抗の温度依存性を補償するもので、 所望の温度係数や出力電圧値を任意に設定可能な基準電圧発生回路、駆動回路、プリンタ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の基準電圧発生回路38は、所定電圧を出力するレギュレータ回路101、トランジスタ102、抵抗103、104、105、106で構成され、レギュレータ回路101の出力端子はトランジスタ102のコレクタおよび抵抗103と接続され、グランド端子はグランドに接続される。抵抗103はトランジスタ102のベースと抵抗104に接続され、抵抗104はトランジスタ102のエミッタと抵抗105に接続され、抵抗105は抵抗106および基準電圧出力端子Vrefに接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被駆動素子の群、例えば光源に発光ダイオード(以下LEDという)を用いた電子写真プリンタにおけるLEDの列、サーマルプリンタにおける発熱抵抗体の列、表示装置における表示装置の列を、選択的にかつサイクリックに駆動するための基準電圧発生回路、該基準電圧発生回路を有する駆動回路に関し、さらに、そのような駆動装置を有するプリンタならびに画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明において、発光ダイオードをLED(Light Emitting Diode)、モノリシック集積回路をIC(Integrated Circuit)、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタをNMOS、PチャネルMOSトランジスタをPMOSと略称する。また、信号端子名とそれに入出力される信号名とに同一名称を付して説明する。個々の発光素子の発光により感光ドラム上に形成される静電潜像、もしくは現像後、あるいは印刷媒体上に転写されたトナー像の各々をドットと称する。
【0003】
それと同様に、前記ドットと対応する個々の発光素子それぞれをドットと呼ぶ。本書で取り上げているLEDヘッドとは、発光素子およびその駆動素子等を配置してなるユニットの一般名称である。LEDヘッドをプリンタ装置に限定して適用される場合にはLEDプリントヘッドと称する。以下、被駆動素子の群が電子写真プリンタに用いられたLEDの列である。
【0004】
従来の画像形成装置、例えば電子写真プリンタにおいては、帯電した感光体ドラムをプリント情報に応じて選択的に光照射して静電潜像を形成し、該静電潜増にトナーを付着させて現像を行ってトナー像を形成し、該トナー像を用紙に転写し、定着させるようになっている。このような電子写真プリンタでは、光源としてLEDを用いたものが知られている。こうしたプリンタに用いられるLEDヘッドは、複数のLED素子を配列したLEDアレイチップと、LEDアレイチップを駆動するドライバICとから構成される。
【0005】
LEDヘッドは、基準電圧を発生する基準電圧発生回路を備え、この基準電圧発生回路から発生した基準電圧と、ドライバIC内に配置された抵抗によりLED素子を駆動する駆動電流を決定する構成となっている。抵抗は半導体プロセス技術を用いて作成され、抵抗素子の素材としては一般的にはポリシリコンや不純物拡散抵抗等が用いられ、ドライバIC内部にモノリシックに集積されている。
【0006】
以上の構成を有する電子写真プリンタにおいては、LED素子の発光パワーの温度依存性は、マイナスの温度係数を持ち、LEDアレイチップのジャンクション温度の上昇に伴って発光パワーが減少することが知られている。
【0007】
一例として、GaAsP基材を用いて作成したLEDにおいては、約-0.6%/℃であり、AlGaAs基材を用いたもので−0.25%/℃、GaAs基材を用いた赤外LEDで−1%/℃など、用いる化合物半導体の組成や発光波長などにより、発光パワーの温度依存性は大きく変化してしまう。
【0008】
上述のように、LED素子の駆動手段はLEDヘッド内に備えることになるが、LED発光パワーのマイナスの温度係数を補償するため、LED駆動電流値の温度係数をプラスのものとして構成することが望ましい。ドライバICからの駆動電流出力値は、前述したドライバIC内に配置された抵抗と基準電圧発生回路の出力電圧値とで決定されるため、抵抗の温度係数(通常プラスの値を持つ)を考慮して基準電圧発生回路の出力電圧にはプラスの温度特性を与える必要がある。
【0009】
このように、LEDヘッドとしては、LED駆動に伴う温度変動があったとしても、発光パワーを所定値に維持する必要があり、前記したLED素子の発光パワーの温度依存性を補償できるような駆動方法を備える必要がある。このような温度補償回路を備えた回路として、例えば、特開平10−332494号公報(特許文献1)に開示されるものがある。以下、図面を用いて説明する。
【0010】
図14はLEDヘッドの駆動回路を示す回路図、図15は上記特許文献1に開示される基準電圧発生回路を示す回路図である。図14はドライバICの要部を示すもので、LED駆動回路とその周辺回路との接続関係を示し、一つのLED素子(代表してドット1)について示している。
【0011】
図14において、破線にて囲まれた部分G1はプリバッファ回路であり、プリバッファ回路G1には、AND回路42、PMOSトランジスタ43、NMOSトランジスタ44が配置されている。またG0はインバータ回路、LT1はラッチ回路である。また一点鎖線にて囲まれる部分36は制御電圧発生回路であって、ドライバICチップ毎に1回路ずつ設けられている。
【0012】
51は演算増幅器でその出力電圧がVcontなる電位として図中に記載されている。該電位はLEDの駆動電流を調整するためLED駆動用トランジスタTr1へ印加される制御電圧である。また、53は抵抗であって、その抵抗値がRrefとして図中に記載されている。52はPMOSトランジスタで、LED駆動用トランジスタTr1とゲート長が相等しいサイズとなる様に構成されている。
【0013】
VREFは基準電圧入力端子であって演算増幅器51の反転入力端子と接続され、後述する基準電圧発生回路より発生される基準電圧Vrefが入力される。演算増幅器51とPMOSトランジスタ52と抵抗53による回路でフィードバック制御回路を構成しており、抵抗53に流れる電流(Iref)、すなわちPMOSトランジスタ52に流れる電流は、電源電圧(VDD)に依らず、基準電圧Vrefと抵抗53の値Rrefのみにより決定される構成としている。
【0014】
すなわち、演算増幅器51の働きによりその反転入力端子の電位と非反転入力端子の電位とは略等しくなるように制御されるので、演算増幅器51の非反転入力端子の電位は基準電圧Vrefと略等しくされ、抵抗53に流れる電流IrefはIref=Vref/Rrefとして与えられる。
【0015】
前述したように、LED駆動用トランジスタTr1とPMOSトランジスタ52はゲート長が相等しいサイズとなる様に構成されており、LED駆動時にはそのゲート電位はVcontと等しく、PMOSトランジスタ52とLED駆動用トランジスタTr1は飽和領域で動作しておりカレントミラーの関係にある。
【0016】
この結果、LED素子LD1の駆動電流値は抵抗53に流れる電流Irefに比例することになり、この基準電流IrefはVREF端子に入力された基準電圧Vrefに比例するので、基準電圧VrefによりLED駆動電流値を一括して調整することが可能となっている。
【0017】
図15は上記基準電圧Vrefを発生する基準電圧発生回路37を示す。図15において、ソース端子が電源VDDに接続された同一サイズのPMOSトランジスタ61乃至63は、各々のゲート端子が接続されカレントミラー回路を構成し、PMOSトランジスタ61のドレーン出力は直列接続された抵抗66、67を介してNPNバイポーラトランジスタ64のコレクタに接続され、NPNバイポーラトランジスタ64のエミッタはグランドに接続され、そのベースは前記抵抗66、67の接続点に接続される。
【0018】
一方、前記カレントミラーのPMOSトランジスタ62のドレーンはNPNバイポーラトランジスタ65のコレクタに接続され、該NPNトランジスタ65のエミッタはグランドに接続され、そのベースはNPNバイポーラトランジスタ64のコレクタに接続されている。また、PMOSトランジスタ63のドレーンは抵抗68を介してグランドに接続される。ここで、NPNバイポーラトランジスタ65のエミッタ面積は、前記NPNバイポーラトランジスタ64のエミッタ面積のN倍に設定されたものである。また、PMOSトランジスタ63のドレーンと抵抗68との接続点が基準電圧発生回路37の出力となり、図15ではVrefとして記載され、該端子の電圧値が前記した基準電圧Vrefとなる。
【0019】
特許文献1に開示されているように、図15に示す基準電圧発生回路37からは温度に対して正の温度係数をもつ出力電圧が得られる。以下、これについて簡単に説明する。なお図に示す抵抗66、67、68の抵抗値をそれぞれR1、R2、R3と記号する。
【0020】
図15の基準電圧発生回路37において、バイポーラトランジスタ64、65の各コレクタ電流に対してベース電流が無視できると仮定すると、基準電圧発生回路37の出力電圧Vrefは、
Vref = (R3/R2)(kT/q)ln(N)
で与えられる。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷であり、ln( )は自然対数関数である。
ここで、Vrefの温度係数Tcを
Tc = (1/Vref)・(ΔVref/ΔT)
として定義すると、前記Vref電圧の温度係数は1/Tで与えられ、室温(約300K)における値は 約+0.33%/℃となることが判る(特許文献1第16頁参照)。
【0021】
LEDヘッドに用いられるGaAlAs基材からなるLED素子においては、その発光パワーの温度依存性が概ね -0.25%/℃ であり、一方CMOSプロセスで構成されるドライバIC内の基準抵抗の温度係数は 約+0.1%/℃ である。
LED温度は隣接配置されたドライバICの温度とほぼ等しく、各LEDチップ同士や前記した基準電圧発生回路をプリント配線板上に形成されたグランド配線上に配置することでLED素子の温度を略等しくすることができる。
このため、LED温度の上昇に伴う発光パワーの減少を補償するためには、基準電圧Vrefとしては、
-( -0.25 -0.1 ) = +0.35%/℃
程度の温度係数を与えれば良いことになる。この値は前述した基準電圧発生回路37の温度係数に概ね等しい値である。
【0022】
次に、温度補償回路を開示する他の文献(特許文献2:特開2000−159472号公報)に開示される従来例を説明する。図16は特許文献2に開示される基準電圧発生回路を示す回路図である。図16において、基準電圧発生回路37には、レギュレータ回路71、ダイオード72、73および抵抗74、75が設けられている。
【0023】
レギュレータ回路71の第1端子は電源端子であり電源VDDと接続され、第2端子は出力端子であってダイオード72のアノードと接続され、レギュレータ回路71の第3端子はグランド端子であってグランドに接続される。ダイオード72のカソードはダイオード73のアノードと接続され、ダイオード73のカソードは抵抗74の一端に接続され、抵抗74の他端は抵抗75を介してグランドと接続されている。また抵抗74、75の接続中点は基準電圧Vref端子と接続されている。
【0024】
図16において、レギュレータ回路71の出力電圧をVo、ダイオード72、73の順方向電圧をVf、ダイオード73のカソード電位をVk、74、75の抵抗値をR1、R2と記号する。これより、
Vk = Vo 2×Vf
Vref = R2×Vk/(R1+R2)= R2×(Vo-2×Vf)/(R1+R2)
の関係式が得られる。これらの式において、ダイオードの順方向電圧は温度上昇に対し約-2mV/℃の割合で減少することから、基準電圧値Vrefは温度上昇に対して、ほぼ直線的に増加する特性であることが判る。
【0025】
ここで、基準電圧Vrefの温度係数を求めてみよう。抵抗74、75の温度依存性は小さく、レギュレータ回路71自体の温度依存性も小さいので、これらの温度係数は無視することができて、図16の回路における基準電圧Vrefの温度係数Tcは
Tc = (1/Vref)×(ΔVref/ΔT) = 2/(Vo-2×Vf)×(-ΔVf/ΔT)
と求めることができる。
【0026】
ここで実際に数値を当てはめて温度係数および基準電圧値を求めてみる。
(数値例1)
典型的な数値として、ダイオードの順電圧Vf=0.6V、順電圧の温度係数を-2mV/℃とし、レギュレータ回路71の出力電圧値としてVo=2.5Vを選び、数値を当てはめて計算すると、
Tc = (1/Vref)×(ΔVref/ΔT)= 2/(2.5-2×0.6)×(2mV/℃)
= +0.31[%/℃]
を得る。また、このときのVref出力電圧は
Vref = 2.5 2×0.6 =1.3[V]
である。
【0027】
(数値例2)
また別の場合として、レギュレータ回路71の出力電圧値としてVo=1.87Vとした場合を計算してみよう。このときVref出力電圧は
Vref = 1.87 2×0.6 = 0.67[V]
このとき温度係数は
Tc = 2×(2 mV/℃)/0.67 = 0.6 [%/℃]
となって、先の場合と比べ約2倍の温度係数が得られたものの、得られるVref出力電圧は約1/2と減少してしまうことが判る。
前述したようにLED駆動IC単体での温度係数は約-0.1%/℃であり、基準電圧発生回路と組み合わせた場合におけるLED駆動電流の温度係数は+0.5%/℃となって、温度依存性が-0.5%/℃となるLEDの温度補償用に適することがわかる。
【0028】
(数値例3)
更に別の場合として、レギュレータの出力電圧値としてVo=1.56Vとした場合を計算してみよう。このときVref出力電圧は
Vref = 1.56 2×0.6 = 0.36[V]
このとき温度係数は
Tc = 2×(2 mV/℃)/0.36 = 1.1 [%/℃]
となって、先の場合と比べ更に約2倍の温度係数が得られたものの、得られるVref出力電圧も更に約1/2と減少してしまうことが判る。
【0029】
また、前述したようにLED駆動IC単体での温度係数は約-0.1%/℃であり、基準電圧回路と組み合わせた場合におけるLED駆動電流の温度係数は+1%/℃となって、温度依存性が-1%/℃となるLEDの温度補償用に適することがわかる。
【特許文献1】特開平10−332494号公報
【特許文献2】特開2006−159472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
LEDヘッドとしては、LED駆動に伴う温度変動があったとしても、発光パワーを所定値に維持できる必要があり、前記したLEDの発光パワーの温度依存性を補償できるような駆動方法を備える必要があるが、前述したようにLEDの温度依存性は様々であるため、簡単な構成で所定の温度係数が得られる温度補償回路がこれまで切望されていた。
【0031】
例えば、特許文献1に開示される基準電圧発生回路(図15)においては、温度係数は絶対温度に反比例する値しかとることができず、種々の温度依存性をもつLEDの温度補償に用いることができないという問題があった。
【0032】
また、特許文献2に開示される基準電圧発生回路(図16)においては、温度依存性が -0.5%/℃や -1%/℃といった特性のLEDの温度補償を行うことは原理的には可能であるものの、温度係数を大きく設定しようとすると、出力できる基準電圧はVref=0.67VやVref=0.36Vといったように微小な電圧値となってしまい、LEDドライバICの所望値に合わせることが困難であった。
【0033】
また、別の方法として図16に示した回路で用いられるダイオードの直列接続の段数を2個の直列接続から3個や4個の直列接続というように接続段数を増し、同時にレギュレータ回路の出力電圧を増加させる方法も取り得るのであるが、必要なダイオード素子数が増してしまいコストアップするという問題がある上に、必要となるレギュレータ回路の出力電圧も増大して電源電圧VDDに近い値となってしまい、所望のレギュレーション特性が得られなくなり、場合によっては電源電圧を超える出力電圧が必要となるなど、現実味に乏しいものであった。
【0034】
本発明は、LED発光パワーのマイナスの温度依存性とドライバIC内の基準抵抗の温度依存性を補償するためのものであって、 所望の温度係数や出力電圧値を任意に設定可能な基準電圧発生回路、駆動回路、プリンタおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
上記課題を解決するために本発明の基準電圧発生回路は、入力電圧から所望の基準電圧を出力する基準電圧発生回路であって、前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを設けたことを特徴とするものである。
【0036】
本発明の基準電圧発生回路においては、前記所定電圧出力手段は電源に第1端子が接続されたレギュレータ回路であり、前記第1の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子に接続されたバイポーラトランジスタ素子から構成され、前記第2の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子および前記バイポーラトランジスタ素子のコレクタと該バイポーラトランジスタ素子のエミッタに接続された抵抗から構成される。
【0037】
また本発明の基準電圧発生回路においては、前記所定電圧出力手段は電源に第1端子が接続されたレギュレータ回路であり、前記第1の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子に接続されたバイポーラトランジスタ素子と該バイポーラトランジスタ素子のエミッタに接続されたダイオードとから構成され、前記第2の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子および前記バイポーラトランジスタ素子のコレクタと該バイポーラトランジスタ素子のエミッタに接続された抵抗から構成される。
【0038】
さらに本発明の基準電圧発生回路においては、前記所定電圧出力手段は電源に第1端子が接続されたレギュレータ回路であり、前記第1の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子に順方向に接続されたダイオードであり、前記第2の回路は、前記レギュレータ回路の第3端子と前記ダイオードに接続された抵抗とする。
【0039】
また本発明の基準電圧発生回路は、入力電圧から所望の基準電圧を出力する基準電圧発生回路であって、前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する電圧を出力する第1の回路と、前記第1の回路から出力される前記電圧の大きさを設定する第2の回路とから構成される第1の温度補償回路と、前記第1の温度補償回路の出力電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第3の回路と、前記第3の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第4の回路とから構成される第2の温度補償回路とを具備することを特徴とする。
【0040】
また本発明の駆動回路は、入力電圧から基準電圧を出力する基準電圧発生回路を有し、前記基準電圧により非駆動素子を駆動する駆動電流を調整する駆動回路であって、前記基準電圧発生回路は、前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを具備することを特徴とするものである。
【0041】
また本発明に係るプリンタは、入力電圧から基準電圧を出力する基準電圧発生回路を有し、前記基準電圧により非駆動素子を駆動する駆動電流を調整する駆動回路を有するプリンタであって、前記基準電圧発生回路は、前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを具備することを特徴とするものである。
【0042】
さらに本発明に係る画像形成装置は、入力電圧から基準電圧を出力する基準電圧発生回路を有し、前記基準電圧により非駆動素子を駆動する駆動電流を調整する駆動回路を有する画像形成装置であって、 前記基準電圧発生回路は、前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0043】
上記構成を有する本発明に拠れば、素子数を増加させることなく、温度係数を大きく設定することが可能になるとともに、所望の温度係数および基準電圧の出力値を任意に設定可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は本発明に係る電子写真プリンタを示すブロック図、図2は図1に示す電子写真プリンタの動作を示すタイムチャートである。
【実施例1】
【0045】
図1において、1はマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成される印刷制御部であり、プリンタの印刷部の内部に配設され、図示しない上位コントローラからの制御信号SG1、ビデオ信号(ドットマップデータを一次元的に配列したもの)SG2等によってプリンタ全体をシーケンス制御し、印刷動作を行う。
【0046】
制御信号SG1によって印刷指示を受信すると、印刷制御部1は、先ず定着器温度センサ23によってヒータ22aを内蔵した定着器22が使用可能な温度範囲にあるか否かを検出し、該温度範囲になければヒータ22aに通電し、使用可能な温度まで定着器22を加熱する。次に、ドライバ2を介して現像・転写プロセス用モータ(PM)3を回転させ、同時にチャージ信号SGCによって帯電用電圧電源25をオンにし、現像器27の帯電を行う。
【0047】
そして、セットされている図示しない用紙の有無および種類が用紙残量センサ8、用紙サイズセンサ9によって検出され、該用紙に合った用紙送りが開始される。ここで、用紙送りモータ(PM)5はドライバ4を介して双方向に回転させることが可能であり、最初に逆転させて、用紙吸入口センサ6が検知するまで、セットされた用紙を予め設定された量だけ送る。続いて、正回転させて用紙をプリンタ内部の印刷機構内に搬送する。
【0048】
図1、図2において、印刷制御部1は、用紙が印刷可能な位置に到達した時点において、上位コントローラに対してタイミング信号SG3(主走査同期信号、副走査同期信号を含む)を送信し、上位コントローラからビデオ信号SG2を受信する。上位コントローラにおいてページ毎に編集され、印刷制御部1に受信されたビデオ信号SG2は、印刷データ信号HD−DATAとしてLEDヘッド19に転送される。LEDヘッド19はそれぞれ1ドット(ピクセル)の印刷のために設けられたLEDを複数個線上に配列したものである。
【0049】
そして、印刷制御部1は1ライン分のビデオ信号SG2を受信すると、LEDヘッド19にラッチ信号HD−LOADを送信し、印刷データ信号HD−DATAをLEDヘッド19内に保持させる。また印刷制御部1は、上位コントローラから次のビデオ信号SG2を受信している最中においても、LEDヘッド19に保持した印刷データ信号HD−DATAについて印刷することができる。なお、HD−CLKは印刷データ信号HD−DATAをLEDヘッド19に送信するためのクロック信号である。
【0050】
ビデオ信号SG2の送受信は、印刷ライン毎に行われる。LEDヘッド19によって印刷される情報は、マイナス電位に帯電させられた図示しない感光体ドラム上において電位の上昇したドットとして潜像化される。そして、現像部27において、マイナス電位に帯電させられた画像形成用のトナーが、電気的な吸引力によって各ドットに吸引され、トナー像が形成される。
【0051】
その後、該トナー像は転写部28に送られ、一方、転写信号SG4によってプラス電位に転写用高圧電源26がオンになり、転写器28は感光体ドラムと転写器28との間隔を通過する用紙上にトナー像を転写する。転写されたトナー像を有する用紙は、ヒータ22aを内蔵する定着器22に当接して搬送され、該定着器22の熱によって用紙に定着される。この定着された画像を有する用紙は、更に搬送されてプリンタの印刷機構から用紙排出口センサ7を通過してプリンタの外部に排出される。
【0052】
印刷制御部1は用紙サイズセンサ9、用紙吸入口センサ6の検知に対応して、用紙が転写器28を通過している間だけ転写用高圧電源26からの電圧を転写器28に印加する。そして、印刷が終了し、用紙が用紙排出口センサ7を通過すると、帯電用高圧電源25による現像器27への電圧の印加を終了し、同時に現像・転写プロセス用モータ3の回転を停止させる。以後、前記の動作を繰り返す。
【0053】
次に、LEDヘッド19について説明する。図3は本発明に係るLEDヘッドの構造を示す図である。本実施例の説明においては、一例としてA4サイズの用紙に1インチ当たり600ドットの解像度で印刷可能なLEDヘッドについてとりあげ、その具体的な構成を説明する。本実施例ではLED素子の総数は4992ドットであり、これを構成するために26個のLEDアレイを配列し、各LEDアレイには各々192個のLED素子を含んでいる。
【0054】
図3において、CHP1乃至CHP26はLEDアレイであり、CHP3乃至CHP25は記載を省略している。IC1乃至IC26はCHP1乃至CHP26に対応して配置されたドライバICであって、LEDアレイCHP1乃至CHP26をそれぞれ駆動するためのものである。各ドライバICは同一回路により構成され、隣接して配置されるドライバIC同士はカスケードに接続される。
【0055】
このように、図3に示すLEDヘッドにおいては、図示しないプリント配線板上にLEDアレイ26個(CHP1乃至CHP26)とそれを駆動するドライバIC 26個(IC1乃至IC26)とが、それぞれ対向しながら整列して配置されており、ドライバIC1チップ当たり192個のLED素子が駆動でき、これらのチップが26個カスケードに接続され、外部から入力される印刷データをシリアルに転送できる様になっている。
【0056】
図3について、その構成を以下に順をおって説明する。各ドライバIC IC1乃至IC26は同一回路により構成され、隣接するドライバICとカスケードに接続されている。ドライバICはクロック信号HD−CLKを受けて印刷データのシフト転送を行うシフトレジスタ回路31と、シフトレジスタ回路31の出力信号をラッチ信号(以下HD−LOADと記す)によりラッチするラッチ回路32と、ラッチ回路32とインバータ回路33との出力信号を入力して論理積をとるAND回路34と、AND回路34の出力信号により電源VDDから駆動電流をLED素子(CHP1等)に供給するLED駆動回路35と、LED駆動回路35の駆動電流が一定となる様に指令電圧を発生する制御電圧発生回路36とを備えている。HD−STB−Nはストローブ信号であり、インバータ回路33へ入力されている。
【0057】
また38は基準電圧発生回路であり、その出力はIC1乃至IC26の制御電圧発生回路36に接続されて、所定の基準電圧Vrefを供給する。なお、前記HD−DATA、HD−CLK、HD−LOAD、HD−STB−Nの各信号は印刷時に印刷制御回路1から送られてくる。
【0058】
図4は図3のブロック図にて示したLEDヘッドの構成を簡略化して示す回路図である。図4に示すように、印刷データ信号HD−DATAはクロック信号HD−CLKと共にLEDヘッド19に入力され、プリンタにおいては、4992ドット分のビットデータがフリップフロップ回路FF1、FF2、..、FF4992から成るシフトレジスタ中を順次転送される。
【0059】
次に、ラッチ信号HD−LOADがLEDヘッド19に入力され、前記ビットデータは各ラッチ回路LT1、LT2、..、LT4992にラッチされる。続いて、ビットデータと印刷駆動信号HD−STB−Nとによって、発光素子LD1、LD2、..、LD4992のうち、High(高)レベルであるドットデータに対応するものが点灯される。なお、図4において、G0はインバータ回路、G1、G2、..、G4992はプリバッファ回路、Tr1、Tr2、..、Tr4992はスイッチ素子、VDDは電源である。
【0060】
図5は図4におけるドライバICのLED駆動要部を抜き出して説明する図であって、LED駆動回路及び、その周辺回路との接続関係を示し、図5では代表してドット1(たとえばLED1の駆動回路周辺)について記載している。前述したように、LED駆動電流値はドライバIC内部で発生させた基準電流値により決定される。以下では、IC内部に立ち入ってその動作の概要を説明する。なお図5に示す回路構成は、従来技術として説明した図14に示すものと同様である。
【0061】
図5において、破線にて囲まれた部分G1はプリバッファ回路であり、プリバッファ回路G1には、AND回路42、PMOSトランジスタ43、NMOSトランジスタ44が配置されている。またG0はインバータ回路、LT1はラッチ回路である。また一点鎖線にて囲まれる部分36は制御電圧発生回路であって、ドライバICチップ毎に1回路ずつ設けられている。
【0062】
51は演算増幅器でその出力電圧がVcontなる電位として図中に記載されている。該電位はLEDの駆動電流を調整するためLED駆動用トランジスタTr1へ印加される制御電圧である。また、53は抵抗であって、その抵抗値がRrefとして図中に記載されている。52はPMOSトランジスタで、LED駆動用トランジスタTr1とゲート長が相等しいサイズとなる様に構成されている。
【0063】
VREFは基準電圧入力端子であって演算増幅器51の反転入力端子と接続され、後述する基準電圧発生回路より発生される基準電圧Vrefが入力される。演算増幅器51とPMOSトランジスタ52と抵抗53による回路でフィードバック制御回路を構成しており、抵抗53に流れる電流(Iref)、すなわちPMOSトランジスタ52に流れる電流は、電源電圧(VDD)に依らず、基準電圧Vrefと抵抗53の値Rrefの値のみにより決定される構成としている。
【0064】
すなわち、演算増幅器51の働きによりその反転入力端子の電位と非反転入力端子の電位とは略等しくなるように制御されるので、演算増幅器51の非反転入力端子の電位は基準電圧Vrefと略等しくされ、抵抗53に流れる電流IrefはIref=Vref/Rrefとして与えられる。
【0065】
前述したように、LED駆動用トランジスタTr1とPMOSトランジスタ52はゲート長が相等しいサイズとなる様に構成されており、LED駆動時にはそのゲート電位はVcontと等しく、PMOSトランジスタ52とLED駆動用トランジスタTr1は飽和領域で動作しておりカレントミラーの関係にある。
【0066】
この結果、LED素子LD1の駆動電流値は抵抗53に流れる電流Irefに比例することになり、この基準電流IrefはVREF端子に入力された基準電圧Vrefに比例するので、基準電圧VrefによりLED駆動電流値を一括して調整することが可能となっている。
【0067】
LEDヘッドの駆動は概ね前述したようなものであるため、下記の点に配慮して回路構成する必要がある。LEDアレイを駆動するためにドライバICを設けているが、LEDの駆動電流値はドライバIC内に配置された抵抗53の値Rref と入力される基準電圧値Vrefとで決定されている。一方、前記抵抗53は半導体プロセス技術を用いて作成されたものであり、抵抗素子の素材として一般的にはポリシリコンや不純物拡散抵抗等が用いられ、ドライバIC内部にモノリシックに集積されている。
【0068】
図6は実施例1における基準電圧発生回路の構成を示す回路図で、図3に38で示す回路である。図6において、101はレギュレータ回路で、102はNPNトランジスタで、103乃至106は抵抗である。レギュレータ回路101の第1端子は電源端子であり電源VDDと接続され、第2端子は出力端子であってNPNトランジスタ102のコレクタおよび抵抗103の一端と接続され、レギュレータ回路101の第3端子はグランド端子であってグランドに接続される。
【0069】
抵抗103の他端はNPNトランジスタ102のベースと抵抗104の一端と接続され、抵抗104の他端はNPNトランジスタ102のエミッタと抵抗105の一端と接続され、抵抗105の他端は抵抗106および基準電圧出力端子Vrefと接続される。抵抗106の他端はグランドと接続されている。
【0070】
レギュレータ回路101としては電源端子に印加される電源電圧VDDによらず所定の出力電圧Voが得られるものであれば、いかなるものであっても用いることができるが、レギュレータ回路101としては出力電圧Voの温度係数が略ゼロであるものが望ましく、具体的には、例えばセイコーインスツル社製CMOSボルテージレギュレータS−817シリーズを用いることができる。このCMOSボルテージレギュレータは出力電圧の温度係数がたかだか100ppm/℃程度と非常に小さく、消費電流も数μAと小さいものである。もちろん、レギュレータ回路101としてはこの具体例に限られるものではなく、種々のものが使用可能である。
【0071】
以上の構成により、実施例1の基準電圧発生回路38は以下のように動作する。本動作を図7を用いて以下詳細に説明する。図7は実施例1の動作を説明する図であって、図6に対応するものである。図7において、抵抗103、104、105、106の抵抗値をそれぞれR2、R1、R3、R4と記号している。また、抵抗103、104の両端電圧をV2、V1と記号するとともに、該抵抗V2、V1に流れる電流値をI2、I1とし、NPNトランジスタ102のベース電流をIBと記号している。
【0072】
電圧V1はNPNトランジスタ102のベース・エミッタ間電圧と等しくVbeと表記する。このとき電流I1は
I1 = Vbe/R1
で表わされる。一方、NPNトランジスタ102のベース電流IBはI1、I2と比べて無視できるほど小さいので、抵抗103に流れる電流I2は、
I2 = IB + I1 ≒ I1
と表わすことができる。抵抗103の両端電圧V2は
V2 = R2×I2≒ R2×I1= (R2/R1)×Vbe
と表わせる。これより、NPNトランジスタ102のコレクタ・エミッタ間電圧は
V1+V2 = Vbe + (R2/R1)×Vbe =(1+R2/R1)×Vbe
として求めることができる。
【0073】
レギュレータ回路101の出力電圧をVo、NPNトランジスタ102のエミッタ電位をVkと記号して基準電圧Vrefの値を具体的に計算してみよう。Vk点の電位は
Vk = Vo - (V2+V1)= Vo - (1+R2/R1)× Vbe
であるので、これより
Vref = R4/(R3+R4)×Vk= R4/(R3+R4)×[Vo - (1+R2/R1)×Vbe]
として求めることができる。
上式において、NPNトランジスタ102のベース・エミッタ間電圧は温度上昇に対し約-2mV/℃の割合で減少することから、基準電圧値Vrefは温度上昇に対して、ほぼ直線的に増加する特性が得られることが判る。
【0074】
ここで、前記Vref電圧の温度係数を求めてみよう。抵抗103、104、015、106の温度依存性は小さく、レギュレータ回路101自体の温度依存性も小さいので、これらの温度係数は無視することができて、図6の回路におけるVref電圧の温度係数Tcは
Tc = (1/Vref)×ΔVref/ΔT
= (1+R2/R1)/[(Vo-(1+R2/R1)×Vbe)]×(-ΔVbe/ΔT)
と求まる。簡単にするためR1とR2を等しく設定すると,
Tc = 2/(Vo-2×Vbe)×(-ΔVbe/ΔT)
となって、正の温度特性が得られることが判る。
【0075】
NPNトランジスタ102のベース・エミッタ間電圧Vbeは図16に示した従来例のダイオードの順電圧と略等しく、その温度依存性も約-2mV/℃と略等しいので,R1とR2の抵抗値を等しく設定した場合には図7のV1+V2は2×Vbeとなり、2個のダイオードを順方向に直列接続したものと同様となって、図16の回路と同様の特性となることが判る。またこの場合の基準電圧Vrefの温度係数は
Tc = 2/(Vo-2×Vbe)
となって、図16に示す回路と同様な特性が得られることが判る。
【0076】
別の場合として、R2/R1の抵抗比を3と設定した場合には
V1+V2 = 4×Vbe
となって、4個のダイオードを順方向に直列接続したものと同様となり、1個のトランジスタ102でありながら図16の構成においてダイオードの接続個数を4個とした場合と同様の回路特性が得られる。それのみならず、前記抵抗104、103の抵抗値R1、R2の設定は任意に取り得るので、ダイオードの直列接続数に対応させたときに2.5個や2.6個といった実数個に相当する特性をも得られることが判る。
【0077】
(実施例1の効果)
実施例1に示す基準電圧発生回路38に用いるレギュレータ回路101は入力される電源電圧によらず所定の出力電圧が得られるものであり、その出力電圧の温度係数は殆どゼロに構成されている。また基準電圧回路における基準電圧値やその温度依存性はレギュレータ回路101の出力電圧値とNPNトランジスタ102のベース・エミッタ間電圧の温度特性、および2つの抵抗間の抵抗比により決定することができる。
【0078】
従来技術による構成において温度係数を大きく設定しようとすると、図16を用いて示したようにダイオードの直列接続段数を増す必要から所要の素子数が増えてコストアップしてしまうのに対し、実施例1の構成においては素子数の増加はなく、それを用いるLEDヘッドのコストを低く抑えることが可能となる。
【0079】
それに加えて、基準電圧発生回路内の抵抗を設定することで、ダイオードの順方向電圧の2.5個分や2.6個分といった実数個に相当する温度依存性を与えることが可能となり、従来構成の場合と比べて温度補償特性をより細かく設定することができて、LEDの温度補償をより正確に実現できるようになるのである。
【実施例2】
【0080】
図8は実施例2の基準電圧発生回路を示す回路図である。図8において、実施例2の基準電圧発生回路39には、レギュレータ回路101、NPNトランジスタ102、ダイオード110および抵抗103乃至106が設けられている。レギュレータ回路101の第1端子は電源端子であり電源VDDと接続され、第2端子は出力端子であってNPNトランジスタ102のコレクタおよび抵抗103の一端と接続され、レギュレータ回路101の第3端子はグランド端子であってグランドに接続される。
【0081】
抵抗103の他端はNPNトランジスタ102のベースと抵抗104の一端と接続され、NPNトランジスタ102のエミッタはダイオード110のアノードと接続され、ダイオード110のカソードは104の他端と抵抗105の一端と接続され、抵抗105の他端は抵抗106および基準電圧出力端子Vrefと接続される。抵抗106の他端はグランドと接続されている。
【0082】
次に実施例2の動作を説明する。図9は実施例2の動作を説明する図であって、図8に対応するものである。図9において、抵抗103、104、105、106の抵抗値をR2、R1、R3、R4と記号している。また抵抗103、104の両端電圧をそれぞれV2、V1と記号するとともに、該抵抗103、104に流れる電流値をI2、I1とし、NPNトランジスタ102のベース電流をIBと記号している。
【0083】
抵抗104の両端電圧V1はNPNトランジスタ102のベース・エミッタ間電圧Vbeとダイオード110の順電圧Vfの加算値と略等しく、VbeとVfは略等しいので、
V1 = 2×Vbe
となる。このとき抵抗104に流れる電流I1は
I1 = V1/R1 = 2×Vbe/R1
である。
【0084】
一方、NPNトランジスタ102のベース電流IBは抵抗103、104に流れる電流値I1、I2と比べて無視できるほど小さいので、
I2 = IB + I1 ≒ I1
となり、抵抗103の両端電圧V2は
V2 = R2×I2≒ R2×I1= (R2/R1)×2×Vbe
となる。これより、V1+V2は
V1+V2 = 2×Vbe + (R2/R1)×2×Vbe =(1+R2/R1)×2×Vbe
として求めることができる。
【0085】
次にレギュレータ回路101の出力電圧をVo、ダイオード110のカソード電位をVkと記号して基準電圧Vrefの値を具体的に計算してみよう。Vk点の電位は
Vk = Vo - (V2+V1)= Vo - (1+R2/R1)×2×Vbe
であるので、これより
Vref = R4/(R3+R4)×Vk= R4/(R3+R4)×[Vo - (1+R2/R1)×2×Vbe]
として求めることができる。
【0086】
次に基準電圧Vrefの温度係数を求めてみよう。抵抗103、104、105、106の温度依存性は小さく、レギュレータ回路101自体の温度依存性も小さいので、これらの温度係数は無視することができて、図8の回路における基準電圧Vrefの温度係数Tcは
Tc = (1/Vref)×ΔVref/ΔT = (1+R2/R1)/[(Vo-(1+R2/R1)×2×Vbe)]×(-2×ΔVbe/ΔT)
と求まる。簡単にするためR1とR2を等しく設定すると,
Tc = 4/(Vo-4×Vbe)×(-ΔVbe/ΔT)
となって、正の温度特性が得られることが判る。
【0087】
NPNトランジスタ102のベース・エミッタ間電圧Vbeは図Cで示したダイオードの順電圧と略等しく、その温度依存性も約-2mV/℃と略等しいので、抵抗104と抵抗103の抵抗値R1とR2を等しく設定した場合には、図9のV1+V2は4×Vbeとなり、4個のダイオードを順方向に直列接続したものと同様となることが判る。
また別の場合として、R2/R1の抵抗比を3と設定した場合には、
V1+V2 = 8×Vbe
となって、8個のダイオードを順方向に直列接続したものと同様となる。
【0088】
実施例2では、このように1個のトランジスタ102とダイオード110から成る回路でありながら、4個や8個のダイオードを直列接続した場合と同様の回路特性が得られる。それのみならず、抵抗104、103の抵抗値R1、R2の設定は任意に取り得るので、ダイオードの直列接続数に対応させたときに4.5個や4.6個といった実数個に相当する特性をも得られることが判る。
【0089】
ここで実際に数値を当てはめて温度係数および基準電圧値を求めてみる。
(数値例1)
典型的な数値として、抵抗値R1とR2とを等しく設定し、簡単化するため抵抗値R3をゼロとし、ダイオード110の順電圧Vf=0.6V、順電圧の温度係数を-2mV/℃とし、レギュレータ回路101の出力電圧値としてVo=4Vを選び、数値を当てはめて計算すると、
Vk = Vo-(1+R2/R1)×2×Vbe=44×Vbe=44×0.6=1.6[V]
となり、また温度係数Tcは、
Tc= 4/(Vo-4×Vbe)×(-ΔVbe/ΔT)= 4/(4-4×0.6)×2mV/℃= +0.5%/℃
を得る。
【0090】
前述したようにLED駆動IC単体での温度係数は約-0.1%/℃であり、基準電圧発生回路と組み合わせた場合におけるLED駆動電流の温度係数は+0.4%/℃となって、温度依存性が-0.4%/℃となるLEDの温度補償用に適することがわかる。
【0091】
(実施例2の効果)
第2実施例に示す基準電圧発生回路39に用いるレギュレータ回路101は入力される電源電圧によらず所定の出力電圧が得られるものであり、その出力電圧の温度係数は殆どゼロに構成されている。また基準電圧発生回路39における基準電圧値やその温度依存性は前記レギュレータ回路101の出力電圧値とNPNトランジスタ102のベース・エミッタ間電圧の温度特性、および2つの抵抗103、104間の抵抗比により決定することができる。
【0092】
従来技術による構成において温度係数を大きく設定しようとすると、図16を用いて示したように、ダイオードの直列接続段数を増す必要から所要の素子数が増えてコストアップしてしまうのに対し、実施例2の構成においては素子数の増加はなく、それを用いるLEDヘッドのコストを低く抑えることが可能となる。
【0093】
それに加えて,基準電圧発生回路39内の抵抗を設定することで,ダイオードの順方向電圧の4.5個分や4.6個分といった実数個に相当する温度依存性を与えることが可能となり、従来構成の場合と比べて温度補償特性をより細かく設定することができて、LEDの温度補償をより正確に実現できるようになる。
【実施例3】
【0094】
次に実施例3について説明する。図10は実施例3の基準電圧発生回路を示す回路図である。図10において、実施例3の基準電圧発生回路40には、レギュレータ回路101、ダイオード121、122、抵抗123、124が設けられている。レギュレータ回路101の第1端子は電源端子であり電源VDDと接続され、第2端子は出力端子であってダイオード121のアノードと接続され、レギュレータ回路101の第3端子はグランド端子であって、後述する抵抗123、124の接続中点と接続される。
【0095】
ダイオード121のカソードはダイオード122のアノードと接続され、ダイオード122のカソードは抵抗123の一端と接続され、抵抗123の他端は抵抗124の一端と前述したレギュレータ回路の第3端子と接続される。また抵抗124の他端はグランドと接続されている。
【0096】
次に実施例3の動作を説明する。図11は実施例3の動作を説明する図であって、図10に対応するものである。図11において、抵抗123、124の抵抗値をR1、R2と記号している。また抵抗123、124の両端電圧をV1、V2と記号するとともに、該抵抗123、124に流れる電流値をI1、I2とし、レギュレータ回路101のグランド端子の電流をIssと記号している。
【0097】
抵抗123の電圧V1はレギュレータ回路101の出力電圧Voからダイオード121、122の順電圧Vfの加算値を減じたもので、
V1 = Vo 2×Vf
となる。このときの抵抗123に流れる電流I1は
I1 = V1/R1 = (Vo-2×Vf)/R1
である。
一方、レギュレータ回路101のグランド電流Issは抵抗123、124の電流I1、I2と比べて無視できるほど小さいので、
I2 = Iss + I1 ≒ I1
であり、抵抗124の両端電圧V2は
V2 = R2×I2≒ R2×I1= (Vo 2×Vf)×R2/R1
と求まる。
【0098】
基準電圧Vrefの出力はV1+V2であるので、これより基準電圧Vrefは
Vref=(Vo−2×Vf)+(Vo−2×Vf)×R2/R1=(1+R2/R1)×(Vo−2×Vf)
として求めることができる。図16に示す従来例における対応する位置の電位Vkは
Vk = Vo 2×Vf
であったことを想起すると、図11における回路においては出力電圧が(1+R2/R1)倍されていることが判る。
【0099】
次に基準電圧Vrefの温度係数を求めてみよう。抵抗123、124の温度依存性は小さく、レギュレータ回路101自体の温度依存性も小さいので、これらの温度係数は無視することができて、図11の回路における基準電圧Vrefの温度係数Tcは
Tc = (1/Vref)×ΔVref/ΔT = 2/(Vo-2×Vf)×(-ΔVf/ΔT)
となって、正の温度特性が得られることが判る。またレギュレータ回路101の出力電圧Voの設定を変えることで温度係数を調整可能である。
【0100】
それに加えて、実施例3における回路においては、図16に示す従来例の回路に比べてその出力電圧が(1+R2/R1)倍されて出力できるので、前記抵抗比を変えることで前記温度係数の設定に独立して出力電圧も所要値に設定可能となり、部品点数を増加させることなく任意の温度係数で任意の出力電圧が得られるという設計上の利点が得られるのである。
【0101】
ここで実際に数値を当てはめて温度係数および基準電圧値を求めてみる。
(数値例1)
典型的な数値として、ダイオードの順電圧Vf=0.6V、順電圧の温度係数を-2mV/℃とし、レギュレータの出力電圧値としてVo=2.5Vを選び、また簡単のため抵抗123、124の抵抗値R1とR2とを等しく選び、前記数値を当てはめて計算すると、温度係数Tcは
Tc=2/(Vo-2×Vf)×(-ΔVf/ΔT)=2/(2.5-2×0.6)×(2mV/℃)
=+0.31[%/℃]
を得る。なおこのときの基準電圧Vrefの出力電圧は
Vref = (1+R2/R1)×(Vo-2×Vf)=2×(2.5 2×0.6) =2.6[V]
である。
【0102】
(数値例2)
また別の場合として、レギュレータ回路101の出力電圧値としてVo=2Vとした場合を計算してみよう。このときの基準電圧Vrefは、
Vref = (1+R2/R1)×(Vo-2×Vf) = 2×(2 2×0.6) = 1.6[V]
このとき温度係数は
Tc=2/(Vo-2×Vf)×(-ΔVf/ΔT)=2×(2-2×0.6)×(2mV/℃)=0.5[%/℃]
となって、温度係数を大きく設定しても、出力される基準電圧値の大幅な低下を防止できていることが判る。
【0103】
(実施例3の効果)
LEDヘッドとしては、LED駆動に伴う温度変動があったとしても、発光パワーを所定値に維持する必要があり、前記したLEDの発光パワーの温度依存性を補償できるような駆動方法を備える必要があるが、前述したようにLEDの温度依存性は様々であるため、簡単な構成で所定の温度係数が得られる温度補償回路がこれまで切望されてきた。
【0104】
実施例3の構成ではレギュレータ回路101の出力電圧Voの設定を変えることで温度係数を調整可能であり、それに加えて、実施例3における回路においては図16に示す従来例の回路に比べてその出力電圧が(1+R2/R1)倍されて出力できるので、前記抵抗比を変えることで前記温度係数の設定に独立して出力電圧も所要値に設定可能となり、部品点数を増加させることなく任意の温度係数で任意の出力電圧が得られるという設計上の利点が得られる。
【実施例4】
【0105】
次に実施例4を説明する。図12は実施例4の基準電圧発生回路を示す回路図である。図12において、実施例4の基準電圧発生回路41には、レギュレータ回路101、ダイオード131、132、抵抗133乃至135が設けられている。レギュレータ回路101の第1端子は電源端子であり電源VDDと接続され、第2端子は出力端子であってダイオード131のアノードと接続される。レギュレータ回路101の第3端子はグランド端子であって、抵抗133、134の接続中点と接続される。
【0106】
ダイオード131のカソードはダイオード132のアノードと接続され、ダイオード132のカソードは抵抗135の一端と接続され、抵抗135の他端はグランドと接続される。またダイオード131のカソードは抵抗133の一端と接続され、抵抗133の他端はレギュレータ回路101の第3端子と抵抗134の一端と接続される。また抵抗134の他端はグランドと接続されている。
【0107】
次に実施例4の動作を説明する。図13は実施例4の動作を説明する図であって、図12に対応するものである。図13において、抵抗133、134の抵抗値をR1、R2と記号している。また抵抗133、134の両端電圧をV1、V2と記号するとともに、該抵抗に流れる電流値をI1、I2とし、レギュレータ回路101のグランド端子の電流をIssと記号している。またダイオード131、132の順電圧をVfとして図中に記載している。さらに破線で囲まれた141の領域はレギュレータ回路101、ダイオード131、抵抗133、134からなる第1の温度補償回路を構成し、一点鎖線で囲まれた142の領域はダイオード132と抵抗135からなる第2の温度補償回路を構成している。
【0108】
抵抗133の両端電圧V1は、レギュレータ回路101の出力電圧Voからダイオード131の順電圧Vfを減じたものであり、
V1 = Vo - Vf
となる。このときの電流I1は
I1 = V1/R1 = (Vo-Vf)/R1
である。一方レギュレータ回路101のグランド電流Issは抵抗133、134の電流I1、I2と比べて無視できるほど小さいので、
I2 = Iss + I1 ≒ I1
となり、抵抗134の両端電圧V2は
V2 = R2×I2≒ R2×I1= (Vo - Vf)×R2/R1
となる。
【0109】
ダイオード131のカソード電位をVkと記号すると、
Vk = V1 +V2= (Vo-Vf)+(R2/R1)×(Vo-Vf)=(1+R2/R1)×(Vo-Vf)
となり、該電圧は前述した第1の温度補償回路141の出力電圧となる。一方、基準電圧Vrefは前述したVk電位からダイオード132の順電圧Vfを減じたものであり、これよりVrefは
Vref = (1+ R2/R1)×(Vo - Vf) -Vf
として求めることができる。
【0110】
次に基準電圧Vrefの温度係数を求めてみよう。抵抗133,134の温度依存性は小さく、レギュレータ回路101自体の温度依存性も小さいので、これらの温度係数は無視することができて、図13の回路における基準電圧Vrefの温度係数Tcは
Tc = (1/Vref)×ΔVref/ΔT
= 1/[(1+R2/R1)×(Vo-Vf) Vf]×[(1+R2/R1)×(-ΔVf/ΔT) -ΔVf/ΔT]
が得られる。
【0111】
上式を参照して明らかなように、ダイオードの順電圧Vfは約-2mV/℃の温度依存性をもつので、実施例4の基準電圧回路は温度上昇に対して出力電圧が増加する正の温度特性が得られることが判る。また前記実施例1乃至実施例3における回路と同様に、レギュレータ回路101の出力電圧Voの設定を変えることで温度係数を調整可能である。それに加えて、レギュレータ回路101の出力電圧Voからダイオードの順電圧Vfを減じた値を (1+R2/R1)倍した出力電圧が得られるので、抵抗133と134の抵抗比を変えることで前記温度係数の設定に独立して出力電圧も所要値に設定可能となり、この出力電圧から更にダイオード132の順電圧Vfを減じることで更に大きな温度係数を得ることができる。
【0112】
このように、実施例4による基準電圧発生回路41においては、従来構成の回路に比べ部品点数を増加させることなく、任意の温度係数で任意の出力電圧が得られるという設計上の利点が得られるのである。
【0113】
ここで実際に数値を当てはめて温度係数および基準電圧値を求めてみる。
(数値例1)
典型的な数値として、ダイオードの順電圧Vf=0.6V、順電圧の温度係数を-2mV/℃とし、レギュレータ回路の出力電圧値としてVo=2.5Vを選び、また簡単のため抵抗133、134の抵抗値R1とR2とを等しく選び、前記式に当てはめて計算すると、基準電圧Vrefは、
Vref = (1+R2/R1)×(Vo-Vf)−Vf=2×(2.5−0.6)−0.6 =3.2[V]
また温度係数Tcとして
Tc = +0.2[%/℃]
が得られる。
【0114】
(数値例2)
また別の場合として、レギュレータ回路101の出力電圧値としてVo=2Vとした場合を計算してみよう。この場合は、
Vref = (1+R2/R1)×(Vo−Vf)−Vf = 2×(2−0.6)−0.6 = 2.2[V]
ことのとき温度係数Tcは
Tc = +0.3 [%/℃]
が得られる。
【0115】
(数値例3)
さらに別の場合として、レギュレータ回路101の出力電圧値としてVo=1.2Vとした場合を計算してみよう。この場合は、
Vref=(1+R2/R1)×(Vo−Vf)−Vf=2×(1.2−0.6)−0.6=0.6[V]
ことのとき温度係数は
Tc =+1 [%/℃]
と更に大きな温度係数が得られることが判る。
【0116】
(実施例4の効果)
LEDヘッドとしては、LED駆動に伴う温度変動があったとしても、発光パワーを所定値に維持する必要があり、前記したLEDの発光パワーの温度依存性を補償できるような駆動方法を備える必要があるが、前述したようにLEDの温度依存性は様々であるため、簡単な構成で所定の温度係数が得られる温度補償回路がこれまで切望されてきたのである。
【0117】
これまで詳細に説明したように、実施例4の構成ではレギュレータ回路101の出力電圧Voの設定を変えることで温度係数を調整可能であり、それに加えて、実施例4における第1の温度補償回路部においては図16に示す従来例の回路に比べてその出力電圧が(1+R2/R1)倍されて出力できるので、前記抵抗比を変えることで前記温度係数の設定に独立して出力電圧も所要値に設定可能となり、さらにダイオード132の順電圧Vfを減じることで更に大きな温度係数を得ることができる。
【0118】
このように実施例4の構成においては、従来技術による基準電圧発生回路と比べ、部品点数を増加させることなく、より大きな温度係数が任意に設定でき、さらに出力電圧も比較的自由に設定し得るという設計上の利点が得られるのである。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上述べたように、本発明の実施例1乃至実施例4では、駆動回路として光源にLEDを用いた電子写真プリンタにおけるLEDヘッドへ適用する場合について説明したが、同様の方法で、光源に有機EL素子を用いた有機ELヘッドへ適用することも可能であり、さらには、サーマルプリンタにおける発熱抵抗体、表示装置における表示素子の列を駆動する場合にも適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明に係る電子写真プリンタを示すブロック図である。
【図2】電子写真プリンタの動作を示すタイムチャートである。
【図3】LEDヘッドの構造を示す図である。
【図4】LEDヘッドの構成を簡略化して示す回路図である。
【図5】ドライバICのLED駆動要部を示す回路図である。
【図6】実施例1における基準電圧発生回路の構成を示す回路図である。
【図7】実施例1の動作を説明する回路図である。
【図8】実施例2における基準電圧発生回路の構成を示す回路図である。
【図9】実施例2の動作を説明する回路図である。
【図10】実施例3における基準電圧発生回路の構成を示す回路図である。
【図11】実施例3の動作を説明する回路図である。
【図12】実施例4における基準電圧発生回路の構成を示す回路図である。
【図13】実施例4の動作を説明する回路図である。
【図14】LEDヘッドの駆動回路を示す回路図である。
【図15】特許文献1に開示される基準電圧発生回路を示す回路図である。
【図16】特許文献2に開示される基準電圧発生回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0121】
19 LEDヘッド
38、39、40、41 基準電圧発生回路
101 レギュレータ回路
102 NPNトランジスタ
103、104、105、106、133、134、135 抵抗
110、121、122、123、124、131、132 ダイオード
LD1、LD2、・・・、LD4992 LED素子
Vref 基準電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧から所望の基準電圧を出力する基準電圧発生回路において、
前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、
前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、
前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを設けたことを特徴とする基準電圧発生回路。
【請求項2】
前記所定電圧出力手段は電源に第1端子が接続されたレギュレータ回路であり、
前記第1の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子に接続されたバイポーラトランジスタ素子から構成され、
前記第2の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子および前記バイポーラトランジスタ素子のコレクタと該バイポーラトランジスタ素子のエミッタに接続された抵抗から構成される請求項1記載の基準電圧発生回路。
【請求項3】
前記所定電圧出力手段は電源に第1端子が接続されたレギュレータ回路であり、
前記第1の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子に接続されたバイポーラトランジスタ素子と該バイポーラトランジスタ素子のエミッタに接続されたダイオードとから構成され、
前記第2の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子および前記バイポーラトランジスタ素子のコレクタと該バイポーラトランジスタ素子のエミッタに接続された抵抗から構成される請求項1記載の基準電圧発生回路。
【請求項4】
前記所定電圧出力手段は電源に第1端子が接続されたレギュレータ回路であり、
前記第1の回路は、前記レギュレータ回路の第2端子に順方向に接続されたダイオードであり、
前記第2の回路は、前記レギュレータ回路の第3端子と前記ダイオードに接続された抵抗である請求項1記載の基準電圧発生回路。
【請求項5】
入力電圧から所望の基準電圧を出力する基準電圧発生回路において、
前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、
前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する電圧を出力する第1の回路と、
前記第1の回路から出力される前記電圧の大きさを設定する第2の回路とから構成される第1の温度補償回路と、
前記第1の温度補償回路の出力電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第3の回路と、
前記第3の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第4の回路とから構成される第2の温度補償回路とを具備することを特徴とする基準電圧発生回路。
【請求項6】
入力電圧から基準電圧を出力する基準電圧発生回路を有し、前記基準電圧により非駆動素子を駆動する駆動電流を調整する駆動回路において、
前記基準電圧発生回路は、
前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、
前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、
前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを具備することを特徴とする駆動回路。
【請求項7】
入力電圧から基準電圧を出力する基準電圧発生回路を有し、前記基準電圧により非駆動素子を駆動する駆動電流を調整する駆動回路を有するプリンタにおいて、
前記基準電圧発生回路は、
前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、
前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、
前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを具備することを特徴とするプリンタ。
【請求項8】
入力電圧から基準電圧を出力する基準電圧発生回路を有し、前記基準電圧により非駆動素子を駆動する駆動電流を調整する駆動回路を有する画像形成装置において、
前記基準電圧発生回路は、
前記入力電圧から所定電圧を出力する所定電圧出力手段と、
前記所定電圧出力手段から出力される前記所定電圧から正の温度特性を有する前記基準電圧を出力する第1の回路と、
前記第1の回路から出力される前記基準電圧の大きさを設定する第2の回路とを具備することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−64323(P2009−64323A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232849(P2007−232849)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(500002571)株式会社沖デジタルイメージング (186)
【Fターム(参考)】