説明

【課題】支柱にコーナー部材を取付ける際に、支柱の他側端に取付けられる塀パネルと干渉しないようになされた塀パネルを提供する。
【解決手段】支柱4と、支柱4の一側端に取付ボルトAにより固定されるコーナー部材9と、支柱4の他側端に取付けられる塀パネルPとを備え、塀パネルPはその端部に支柱4側に開口するコ字状溝31が形成され、コーナー部材9から塀パネルPに向けて支柱4を貫通する取付ボルトAが挿入され、取付ボルトAのねじ部に締着されたナットBが、塀パネルPのコ字状溝31に収納されるように塀Fを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナー部における塀に関するものであり、特にコーナー部において隣接する支柱どうしが連結された塀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、敷地境界部や隣地境界部に沿って設置される塀において、特にコーナー部においてコーナー部における塀の交差角度に合わせて塀を設ける方法としては様々なものが提案されている。例えば、コーナー部に支柱を立設し、塀の交差角度に合わせて、支柱の側面に塀パネル取付部を設け、この取付部に塀パネルの側端部を取付けて塀のコーナー部を形成するものである。この場合、塀の交差角度が一般的な90度の場合は好適に利用できるものの、塀の交差角度が90度以外の場合は、その交差角度に合わせてその都度支柱を作成する必要があり、又、実際に塀を施工する際に、施工誤差や加工誤差等により交差角度に誤差が生じた場合、その調整作業は容易なものではなかった。
【0003】
そこで、下端部が固定された固定柱と、固定柱の一側縁に蝶番を介して水平回動自在に連結した自由柱とを有し、交差する一方のフェンスパネル体の端部を固定柱の側面に取付け、他方のフェンスパネル体の端部を自由柱の側面に取付けたフェンスのコーナー支柱が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このコーナー支柱は、交差するフェンスパネル体の交叉角度に合わせて自由柱を水平回動すれば、自由柱の側面をフェンスパネル体の端部の向きに合わせることができる。また、施工場所に固定するのは固定柱だけなので、施工作業は固定柱を立設するだけで完了するものである。
【特許文献1】特開2003−206652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記のコーナー支柱には次のような問題点があった。すなわち、コーナー支柱の一側縁に蝶番を固定部材で固定する際、この反対側の支柱側縁にフェンスパネル体が取付けられることが多いため、フェンスパネル体と干渉しないように、支柱を貫通しないタッピングビス等が用いられるが、ボルト・ナット等による固定方法と比べると、固定強度が低く、取付後に蝶番にがたつきが生じやすいという点で問題があった。
【0006】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、支柱の一側端にコーナー部材を取付ける際に、支柱の他側端に取付けられる塀パネルと干渉しないようになされた塀を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわちこの発明に係る塀は、支柱と、前記支柱の一側端に取付ボルトにより固定されるコーナー部材と、前記支柱の他側端に取付けられる塀パネルとを備え、塀パネルはその端部に前記支柱側に開口するコ字状溝が形成され、該コーナー部材から前記塀パネルに向けて支柱を貫通する取付ボルトが挿入され、前記取付ボルトのねじ部に締着されたナットが、前記塀パネルのコ字状溝内に収納されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、該コーナー部材から前記塀パネルに向けて支柱を貫通する取付ボルトが挿入され、前記取付ボルトのねじ部に締着されたナットが、前記塀パネルのコ字状溝内に収納されているので、取付ボルトのねじ部に締着されたナットは、塀パネルの側端部と不必要な接触等を起こさず、且つ取付ボルトによりコーナー部材を支柱に強固に固定することができる。
【0009】
本発明に係る塀において、前記支柱の他側面には塀パネル側に向けて相対向して突出する接続片が塀パネルのコ字状溝に挿入され、前記接続片とコ字状溝の側壁部とが固定され、もって塀パネルが支柱に取付けられるようになされれば、コーナー部材を支柱に固定した後に塀パネルを支柱に取付けることができるので、コーナー部材の固定作業を容易にすることができ、塀の施工性を向上させることができる。
【0010】
又、本発明に係る塀において、塀パネルは、矩形状のパネル本体と、前記パネル本体の上下左右端部にそれぞれ相対向して取付けられた横枠材及び縦枠材とを備え、前記横枠材には前記支柱側に開口するコ字状溝が形成されると共に、前記パネル本体の周端部が前記各枠材の内側面に設けられた凹溝に挿入され、前記パネル本体は上下方向に延びる複数の縦リブを表裏両面に形成すると共に、表裏両面において、前記縦リブは互い違いに形成され、前記凹溝はその入口部の間隔寸法が、表裏両面の縦リブの頂部間の寸法より狭くなされて、前記縦リブが形成されたパネル本体の端部を前記凹溝に圧入させるようになされれば、塀パネルが凹溝内に挿入されると凹溝の入口部を形成する両側壁部から横リブの頂部を介して押圧力を受けるため、凹溝内で確実に挟持される。
【0011】
更に、本発明に係る塀において、塀パネルの凹溝の奥部は入口部の間隔より幅広となされ、凹溝内において、前記縦リブが入口部と奥部との間の段部に係止可能となされれば、塀パネルに対して凹溝から引き出される方向に力が掛かっても、横リブが前記段部に係止され容易に引き出されなくなり、より好ましい
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0013】
すなわち、図1は本発明に係る塀パネルの実施の一形態を示す説明図、図2のA−A断面の縦断面図、図3はB−B断面の横断面図、図4は本発明に係る塀の実施の一形態を示す説明図、図5は図4の主要部の拡大横断面図、図6は図4の支柱の説明図、図7は図4の他の主要部の別の拡大横断面図である。
【0014】
図面において、1は矩形状のパネル本体、2は塀パネル2の上下端部に取付けられた横枠材、3は塀パネル1の左右端部に取付けられた縦枠材、4は塀パネルPが取付けられる支柱、9は支柱4どうしを連結するコーナー部材であり、塀パネルPはパネル本体1、横枠材2、及び縦枠材3から主に構成され、塀Fは、支柱4と、支柱4の間に取付けられた塀パネルPと、支柱4どうしを連結するコーナー部材9から主に構成されている。
【0015】
図1は、塀パネルPの説明図であり、(a)は正面図、(b)は部分拡大側面図である。塀パネルPは、矩形状のパネル本体1の上下端部に横枠材2がそれぞれ取付けられ、塀パネル1の左右端部に縦枠材3がそれぞれ取付けられたものである。
【0016】
図2の(a)は、図1のA−A断面の主要部を示す拡大縦断面図であり、(b)は(a)の部分分解図である。まず、パネル本体1は、略矩形の薄板状で表裏面は略平坦となされた平坦面11、12が形成されると共に、表裏両面において、平坦面11、12からそれぞれ突出され左右方向に延びる複数の横リブ13、14が略等間隔で形成される。そして、この横リブ13、14は互い違いに形成されている。
【0017】
次に、横枠材2は、断面矩形の中空角パイプ状に形成されると共に、内側面には、長手方向に沿って凹溝21が形成され、この凹溝21にパネル本体1の上端部が挿入されている。
【0018】
凹溝21は、開口部先端の間隔寸法がパネル本体1の横リブ13、14の頂部間の寸法より広くなされると共に、凹溝21の間隔寸法は奥に向けて徐々に狭くなりその奥に入口部22が形成されている。そして、入口部22の間隔寸法はほぼ一定となされ、前記横リブ13、14の頂部間の寸法より狭くなされている。これにより、パネル本体1の側端部を横枠材2の凹溝21に圧入させた際に、凹溝21の入口部22を形成する両側壁221、222によりパネル本体1の横リブ13、14が押圧され、パネル本体1は、凹溝21内で確実に挟持される。又、横リブ13、14は互い違いに形成され、それぞれの真裏側には横リブ14、13が形成されていないため、両側壁部221、222から受けた過剰な押圧力は、パネル本体1自身が横リブ13、14の基端側へ向けて弾性的に変形することによって吸収可能となる。これにより、パネル本体1を凹溝21内に比較的容易に圧入させることができ、且つパネル本体1を凹溝21内で確実に挟持させることができる。又、入口部22の間隔寸法は、横リブ13の頂部と平坦面12との距離寸法、及び横リブ14と平坦部11との距離寸法より長くなされている。これにより、パネル本体1に対して凹溝21から過剰な押圧力が掛かりにくく、又パネル本体1を凹溝21に比較的圧入させやすくなる。
【0019】
凹溝21において、本形態では、入口部22の両側壁部221、222からパネル本体1にに受ける押圧力は、横リブ13、14がそれぞれに掛かるようになされている。これにより、パネル本体1は凹溝21内でより安定的に挟持される。前記押圧力を受ける横リブ13、14の数が多い程、パネル本体はより安定的に挟持されるが、それぞれ側壁部221、222から少なくとも1個の横リブ13、14で前記押圧力を受けるように配置するのが好ましい。
【0020】
凹溝21の奥部23は入口部22の間隔より幅広となされ、入口部22と奥部23との間には段部24が設けられると共に、本形態では、この奥部23にパネル本体1の側端部の先端が挿入され、少なくとも1個の横リブ13、14が奥部23内に位置するようになされている。これにより、図4に示すように、パネル本体1を支柱4の間に取付けられた場合、パネル本体1に風等による外力が生じた場合、パネル本体1には横リブ13、14が形成されているため、比較的上下方向に撓みが生じやすく、したがってパネル本体1は、凹溝21内から引き出される方向に力が掛かる場合があるが、横リブ13又は横リブ14の少なくとも一方が段部24に係止されるため容易に引き出されなくなり、パネル本体1に生じる撓みを抑えることができる。又、パネル本体1の縁部において加工時にバリや突起等が生じても、この縁部は奥部23内に配置されることになるため、凹溝21に対して不必要に接触し、パネル本体1の挟持が阻害されるようなことは起こりにくくなる。尚、図示していないが、図1においてパネル本体1の下端部の横枠材2も上記の横枠材2と同様な形態である。又、パネル本体1を横枠材2の凹溝21に圧入させる際は、凹溝21の開口部側から圧入させてもよく、横枠材2の側端部から凹溝21に圧入させてもよい。
【0021】
凹溝21の底部において、開口側とは反対側から横枠材2の外周部に向けて縦リブ25が延設され、この縦リブ25により凹溝21の底部と横枠材2の外周部とが連結されている。これにより、塀パネル1が自重によって下方向に撓むことを抑えることができる。
【0022】
図3は、図1のB−B断面の主要部を示す横断面図である。縦枠材3は、一側面に上下方向に沿ってコ字状溝31が設けられると共に、コ字状溝31の底部において開口側とは反対面には、長手方向に沿って凹溝32が設けられ、パネル本体1の側端部が挿入されている。凹溝32の形態は、横枠材2の凹溝21と同様な形態であり、従って前記凹溝21と同様な効果が生じるが、パネル本体1の挿入方向が異なっている。すなわち、横枠材2の凹溝21にはパネル本体1の横リブ13、14が凹溝21の深さ方向に平行に挿入されるのに対して、縦枠材3の凹溝32にはパネル本体1の横リブ13、14が凹溝32の深さ方向に平行に挿入される点が異なる。これにより、パネル本体1が縦枠材3の凹溝32内に圧入された状態で、風等によりパネル本体に外力が掛かった場合、パネル本体1の厚さ方向において左右方向に生じる撓みを効果的に抑えることができる。尚、パネル本体1を縦枠材3の凹溝32に圧入させる際は、凹溝32の開口部側から圧入させてもよく、縦枠材3の側端部から凹溝32に圧入させてもよい。
【0023】
パネル本体1は、本形態では、熱可塑性合成樹脂からなる芯材の表裏両面に金属箔が貼着されたものであり、前記金属箔の表裏に横リブ1にはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の樹脂、或いはこれらを適宜混練されたもの、これらに水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機材料を適宜混練したものが用いられるが、使用時に弾性的に変形可能なものが好ましい。又金属箔としては、一般にはアルミニウム合金、ステンレス鋼、銅等の金属箔が用いられ、その表面には、装飾性を高めるために塗装が施されてもよく、装飾用のシートやフィルムを貼着されてもよいが、そのまま用いてもよい。
【0024】
又パネル本体1は、横方向に横リブ13、14が形成されたものであるが、横リブ13、14が縦方向に形成されたものを用いてもよい。
【0025】
横枠材2、縦枠材3は、一般にはアルミニウムや合成樹脂を押出成型して得られる長尺の型材を適宜長さに切断した部材からなるものであるが、アルミニウム以外の金属、または金属や無機材料と合成樹脂との複合材料、例えば合成樹脂に金属フィルムをラミネートしたもの、表面に着色がなされたもの等、横枠材2及び縦枠材3の長さや必要な強度に応じて、適宜使用できる。又、横枠材2及び縦枠材3の凹溝21、32は、本形態では、それぞれ1個形成されたものであるが、2個以上の複数個形成され、塀パネルPを前後に間隔を開けて複数個取付けられる形態としてもよい。更に、本形態では、横枠材2と縦枠材3とを接続する際は、図1の(b)に示すように、縦枠材3のコ字状溝31の底部に設けた取付孔から、図2に示された横枠材2に形成されたビスホール26に向けて取付ビス10を螺入して、横枠材2と縦枠材3とを接続しているが、この接続方法は本形態に限られるものではない。
【0026】
図4は、本発明に係る塀パネルPを用いた塀Fの実施の一形態を示す正面図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。塀パネルPは縦枠材3を介して支柱4の間に取付られたものである。尚、本形態では、塀パネルPは上下方向に2段積み重なった形態であるが、塀パネルPが1段からなるものでもよく、3段以上積み重なった形態でもよい。
【0027】
次に、支柱4に対する塀パネル4の取付構造について説明する。図5は図4の主要部を示す拡大横断面図であり、(a)はC−C断面、(b)はD−D断面、(c)はE−E断面を示す。又図6は支柱4の説明図であり、(a)は部分拡大正面図、(b)はF−F断面の横断面図である。支柱4は中空の角パイプ状に形成されると共に、支柱4の上部には上下方向に着脱可能な上取付部材5が取付けられ、支柱4において2個の塀パネルPが上下に積み重ねられる箇所には中取付部材6が取付けられ、支柱4の下部には下接続部材7が取付けられている。
【0028】
先ず、上取付部材5は、支柱4及び支柱4に取付けられる縦枠材3の上端部を隠蔽する天板部51と、天板部51の下部から、支柱4の内部及び縦枠材3の上端部からコ字状溝31の内部に向けて挿入される接続片52が前後に相対向して突出されている。
【0029】
次に、中取付部材6は、支柱4の側端部に固着される基部61と、この基部61から縦枠材3が取付けられる方向に向けて相対向して突出すると共に縦枠材3のコ字状溝31内に挿入されるする接続片62とからなる横断面コ字状に形成されたものである。
【0030】
次に、下取付部材7は、支柱4の側端部に固着される基部71と、この基部71から縦枠材3が取付けられる方向に向けて相対向して突出すると共に縦枠材3のコ字状溝31内に挿入されるする接続片72とからなる横断面コ字状に形成されたものであり、下取付部材7の下部には底板部73が設けられ、底板部73は両接続片72の外方に水平方向に延設されている。
【0031】
これらの構造により、塀パネルPを支柱4の間に取付ける際に、塀パネルPの縦枠材3の下端部が、下接続部材7の底板部73上に載置されると共に、縦枠材Pの上端部は上取付部材5が取付けられることにより前後方向へ倒れないように支持することが可能となり、塀パネルPを支柱4間に仮置きすることができる。又、図4に示されるように、塀パネルPが上下に2段以上積み重ねられる場合は、塀パネルPの積み重ねられる箇所に取付けられた中取付部材6によって、下方の塀パネルPの上端部が前後方向に倒れないように支持されると共に、積み重ねられる上方の塀パネルPの下端部が前後方向に位置ずれしないように支持されるため、同様に塀パネルPを支柱4の間に仮置きすることができる。
【0032】
又、これら接続部材の接続片52、72の少なくとも一方には螺子孔53、74が設けられ、これら螺子孔53、74に対向する縦枠材3の側壁部には横長孔33(図1参照)が設けられている。又、中接続部材6の接続片62の少なくとも一方には螺子孔63が上下方向に2個設けられ、螺子孔63に対向する上下両縦枠材3の側壁部には横長孔33が設けられている。これにより、支柱4の間に塀パネルPを仮置きした後に、塀Fの一方の面から取付ネジ8を横長孔33に挿入し、ネジ孔53、63、74に螺入させることによって、縦枠材3が支柱4に固定され、塀パネルPを支柱4に取付けることができる。尚、接続片52、62、72のネジ孔53、63、74は、バーリング加工等により螺子孔が形成されたものでもよく、ナット等を接続片52、62、72に予め取付けたものでもよい。
【0033】
図7は図4のG−G断面の主要部を示す拡大横断面図である。支柱4の一方の側端部にコーナー部材9が取付けられ、支柱4どうしが連結されると共に、コーナー部材9が取付けらえた支柱4の側面部の反対側に塀パネルPがそれぞれ取付けられたものである。
【0034】
まず、コーナー部材9は、縦長の基板91と、基板91の両側端の嵌合部92の介してそれぞれ回動可能に嵌合された縦長の支柱取付板93と、基板91及び嵌合部92の上下端部を隠蔽すると共に基板91と両支柱取付板93との嵌合が外れないようになされたカバー部材94(図4参照)とからなる。
【0035】
基板91は、その両側端から同じ向きにそれぞれ折り返された折り返し部911と、折り返し部911から外側に向けて突出した突条912と、突条912の先端に形成された断面略円状の軸部913とからなる。そして折り返し部911は軸部913と同心円状の断面円弧状となされ、折り返し部911と軸部913との間には円弧状のガイド溝914が突条912を挟んで設けられている。
【0036】
支柱取付板93は、支柱4に固定される際に取付ボルトが挿入する挿入孔(図示せず)が設けられ、又、支柱取付板93の一側端に断面C字状で上下方向に延びる嵌合突部931が設けられ、この嵌合突起931の両側端部は基板91の両ガイド溝914にそれぞれ挿入されると共に、嵌合突起931の内部中空部932に基板1の軸部913が挿入され、嵌合部92が形成されている。内部中空部932の内径は、軸部913の外径と同程度であり、基板91に対して支柱取付板93が回動可能となされる。
【0037】
次に、支柱4に対するコーナー部材9の取付方法について詳しく説明する。先ず、一方の支柱4を地表に固定し、他方の支柱4を塀Fどうしの交差角度に応じて配置する。他方の支柱4は地表又は土台等の上に載置したものでもよく、地表に固定したものでもよい。そしてコーナー部材9を両支柱4にそれぞれ取付ける。この時、塀Fどうしの交差角度に応じてコーナー部材9の基板91と支柱取付板93との交差角度を調節する。尚、コーナー部材9は、予め支柱4の一方或いは両方に取付けてもよい。そして、支柱取付板93の取付孔(図示せず)から、支柱4を貫通する取付ボルトAを挿入し、支柱4を貫通した取付ボルトAの螺子部にナットBを締着する。この際、ナットBが締着される側に塀パネルPの縦枠材3が取付けられると共に、ナットB及び取付ボルトAの螺子部先端部は縦枠材3のコ字状溝32内に収納されるように配置されている。これにより、ナットBと縦枠材3とが不必要に接触せず、ナットBと縦枠材3とが干渉を起こさず、それぞれ支柱4に取付けることが可能となる。そして、コーナー部材9を支柱4に取付けた後に、縦枠材3を取付けることが可能となるので、塀Fの施工作業が容易となる。尚、支柱4に対する取付ボルトAによる締結箇所は、1箇所でもよく、2箇所以上の複数箇所でもよく、支柱4に対してコーナー部材9が強固に取付けられる範囲で適宜設定することができる。
【0038】
コーナー部材9は、本携帯に限られるものではない。すなわち、2個の支柱取付板93とからなり、支柱取付板93が蝶番によって回動可能に連結されたものでよく、塀Fの交差角度に応じて、端部に配置された支柱4どうしを連結できるものであればよく、塀Fの施工性等に応じて適宜選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る塀パネルの実施の一形態を示す説明図である。
【図2】図1のA−A断面の縦断面図である。
【図3】図1のB−B断面の横断面図である。
【図4】本発明に係る塀の実施の一形態を示す説明図である。
【図5】図4の主要部の拡大横断面図である。
【図6】図4の支柱の説明図である。
【図7】図4の他の主要部の拡大横断面図であるである。
【符号の説明】
【0040】
1 パネル本体
13、14 横リブ
2 横枠材
21 凹溝
3 縦枠材
31 コ字状溝
32 凹溝
4 支柱
5 上接続部材
6 中接続部材
7 下接続部材
9 コーナー部材
91 基板
93 支柱取付板
A 取付ボルト
B ナット
F 塀
P 塀パネル3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と、前記支柱の一側端に取付ボルトにより固定されるコーナー部材と、前記支柱の他側端に取付けられる塀パネルとを備え、塀パネルはその端部に前記支柱側に開口するコ字状溝が形成され、該コーナー部材から前記塀パネルに向けて支柱を貫通する取付ボルトが挿入され、前記取付ボルトのねじ部に締着されたナットが、前記塀パネルのコ字状溝内に収納されていることを特徴とする塀。
【請求項2】
前記支柱の他側面には塀パネル側に向けて相対向して突出する接続片が塀パネルのコ字状溝に挿入され、前記接続片とコ字状溝の側壁部とが固定され、もって塀パネルが支柱に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の塀。
【請求項3】
前記塀パネルは、矩形状のパネル本体と、前記パネル本体の上下左右端部にそれぞれ相対向して取付けられた横枠材及び縦枠材とを備え、前記横枠材には前記支柱側に開口するコ字状溝が形成されると共に、前記パネル本体の周端部が前記各枠材の内側面に設けられた凹溝に挿入され、前記パネル本体は上下方向に延びる複数の縦リブを表裏両面に形成すると共に、表裏両面において、前記縦リブは互い違いに形成され、前記凹溝はその入口部の間隔寸法が、表裏両面の縦リブの頂部間の寸法より狭くなされて、前記縦リブが形成されたパネル本体の端部を前記凹溝に圧入させるようになされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の塀。
【請求項4】
前記塀パネルの凹溝の奥部は入口部の間隔より幅広となされ、凹溝内において、前記縦リブが入口部と奥部との間の段部に係止可能となされたことを特徴とする請求項3に記載の塀。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−7819(P2009−7819A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169985(P2007−169985)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】