説明

増幅装置、通信システムおよび増幅方法

【課題】信号対雑音比を向上させること。
【解決手段】合波器は、信号光および励起光をEDFに入力して信号光を増幅する。波長情報取得部は、信号光の波長を示す波長情報を取得する。EDF出力決定部および出力制御部は、波長情報取得部によって取得された波長情報に基づいて、EDFの出力パワーを制御する。これにより、EDFの波長利得特性を変化させて信号波長の利得を相対的に大きくし、信号対雑音比を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を増幅する増幅装置、通信システムおよび増幅方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアネットワークの進展に伴い、通信トラフィックの需要が増大し、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)したWDM信号を伝送するWDM通信システムが用いられている。WDM通信システムにおいては、たとえばEDF(Erbium Doped Fiber:エルビウム添加ファイバ)などの光ファイバを増幅媒体にした光増幅器が用いられる。また、伝送容量の需要拡大により、たとえば40[Gbps]の通信システムが検討されている。
【0003】
WDM通信システムにおいては、たとえば、波長多重されたWDM信号の伝送路におけるロスをWDMアンプで一括補償した後、AWG(Arrayed Waveguide Grating:アレイ導波路格子)などで波長多重分離する。この後に、波長多重分離した光信号ごとにVDC(Variable Dispersion Compensator:可変分散補償器)によって波長分散を補償する。
【0004】
従来のように、WDM信号を1個のVDCで一括で分散補償する場合は波長により分散補償誤差が発生するが、高速(たとえば40[Gbps])の通信システムでは許される分散補償誤差が微小であるため、各波長ごとにVDCで分散補償することが求められる。このVDCやAWGのロスが大きいため、後段に1波用アンプを配置し、ロスを補償してから受信機で受信させる構成が用いられている。1波用アンプについては、顧客が抱える在庫などの観点から、WDM信号の各信号波長に対応可能な1波用アンプが用いられる。
【0005】
また、利得の特性を一定に維持し広い入力ダイナミックレンジを得る技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。下記特許文献1の技術は、第1の光増幅器の第1の可変利得の目標利得からの偏差を検出し、検出された偏差を補償するために第2の光増幅器の第2の可変利得を第1および第2の可変利得の和が一定に維持されるように調節する利得調節器を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−192256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、たとえば受信機の前段において発生するASE(Amplified Spontaneous Emission:自然放出)光によって信号光のS(Signal)/ASE比が劣化するという問題がある。S/ASE比は、信号(Signal)とASE光のパワー比である。ASE光は、たとえばVDCやAWGなどの光素子において発生する。S/ASE比が劣化すると、受信機における受信品質が低下する。
【0008】
開示の増幅装置、通信システムおよび増幅方法は、上述した問題点を解消するものであり、信号対雑音比を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示技術は、信号光および励起光を希土類ドープした増幅媒体に入力して前記信号光を増幅し、前記信号光の波長を示す波長情報を取得し、取得された波長情報に基づいて、前記増幅媒体へ入力される励起光のパワーを制御する。
【発明の効果】
【0010】
開示の増幅装置、通信システムおよび増幅方法によれば、光の増幅について信号対雑音比を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態にかかる増幅装置の構成例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかる増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】EDFの波長利得特性の一例を示すグラフである。
【図4】信号波長とEDFの出力パワーの目標値との関係の一例を示すグラフである。
【図5−1】信号波長が比較的短い場合のEDFの波長出力特性を示すグラフである。
【図5−2】信号波長が比較的長い場合のEDFの波長出力特性を示すグラフである。
【図6−1】信号波長が比較的短い場合のVOAの波長出力特性を示すグラフである。
【図6−2】信号波長が比較的長い場合のVOAの波長出力特性を示すグラフである。
【図7−1】信号波長とS/ASE比との関係を示すグラフである。
【図7−2】S/ASE比の改善量を示すグラフである。
【図8】信号波長とEDFの出力パワーとの関係の具体例を示すグラフである。
【図9】信号波長とVOAの減衰量との関係を示すグラフである。
【図10】実施の形態にかかる通信システムを示す図である。
【図11】実施の形態にかかる増幅装置の変形例1を示す図である。
【図12】実施の形態にかかる増幅装置の変形例2を示す図である。
【図13】実施の形態にかかる増幅装置の変形例3を示す図である。
【図14】波長フィルタの波長減衰特性の一例を示すグラフである。
【図15】実施の形態にかかる増幅装置の変形例4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる増幅装置の構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる増幅装置100は、励起光源111と、合波器112と、EDF113と、波長情報取得部121と、分岐器131と、光検出部132と、対応情報記憶部133と、EDF出力決定部134と、出力制御部135と、VOA141と、目標出力記憶部142と、減衰量決定部143と、減衰制御部144と、を備えている。
【0014】
励起光源111および合波器112は、信号光および励起光を希土類ドープした増幅媒体に入力して信号光を増幅する増幅器である。具体的には、励起光源111は、励起光を生成して合波器112へ出力する。励起光源111が生成する励起光のパワー(反転分布率)は、たとえば出力制御部135によって制御される。励起光源111は、たとえばLD(Laser Diode:レーザダイオード)によって実現することができる。
【0015】
合波器112は、増幅装置100へ入力された信号光と、励起光源111から出力された励起光と、を合波する。合波器112は、合波した光をEDF113へ出力する。EDF113は、希土類ドープした増幅媒体である。EDF113は、合波器112から出力された光を通過させて分岐器131へ出力する。これにより、EDF113は、励起光のパワーに応じて信号光が増幅されて出力される。
【0016】
波長情報取得部121は、増幅装置100へ入力された信号光の波長(信号波長λ)を示す波長情報を取得する。波長情報取得部121は、取得した波長情報をEDF出力決定部134へ出力する。たとえば、増幅装置100のメモリには波長情報が記憶されており、波長情報取得部121は、増幅装置100のメモリに記憶された波長情報を取得する。または、波長情報取得部121は、外部の制御装置から波長情報を取得してもよい。
【0017】
分岐器131および光検出部132は、EDF113によって増幅された信号光のパワーをモニタするモニタ部である。具体的には、分岐器131は、EDF113から出力された信号光を分岐し、分岐した各信号光をそれぞれVOA141および光検出部132へ出力する。光検出部132は、分岐器131から出力された信号光を電気信号に変換する。光検出部132は、変換した電気信号を出力制御部135へ出力する。また、光検出部132は、たとえばフォトダイオードによって実現することができる。
【0018】
対応情報記憶部133は、信号光の波長(信号波長λ)と、EDF113の出力パワーの目標値Pedfと、を対応付ける対応情報を記憶するパワー記憶部である。対応情報は、たとえば、信号波長λと目標値Pedfとの対応テーブルでもよいし、信号波長から出力パワーの目標値Pedfを算出する関係式であってもよい。また、対応情報記憶部133に記憶された対応情報においては、相対的に短い信号波長λには、相対的に長い信号波長λよりも大きな目標値Pedfが対応付けられている。
【0019】
EDF出力決定部134は、波長情報取得部121から出力された波長情報と、対応情報記憶部133に記憶された対応情報と、に基づいて、EDF113の出力パワーの目標値Pedfを決定する。具体的には、EDF出力決定部134は、波長情報が示す信号波長λに対応する目標値Pedfを対応情報から得る。EDF出力決定部134は、決定した目標値Pedfを出力制御部135および減衰量決定部143へ出力する。
【0020】
出力制御部135は、光検出部132から出力された電気信号のパワーが、EDF出力決定部134から出力された目標値Pedfとなるように、励起光源111が出力する励起光のパワーを制御する。これにより、波長情報取得部121によって取得された波長情報に基づいて、EDF113へ入力される励起光のパワーを制御することができる。
【0021】
VOA141(Variable Optical Attenuator:光可変減衰器)は、分岐器131から出力された信号光を可変の減衰量だけ減衰(ロス)させる。VOA141は、減衰させた信号光を増幅装置100の後段へ出力する。VOA141の減衰量は、たとえば減衰制御部144によって制御される。
【0022】
目標出力記憶部142、減衰量決定部143および減衰制御部144は、VOA141から出力される信号光のパワーが一定になるようにVOA141の減衰量を制御する減衰制御部である。具体的には、目標出力記憶部142は、増幅装置100から出力される信号光のパワーの目標値Poutを記憶している。
【0023】
減衰量決定部143は、目標出力記憶部142に記憶された目標値Poutと、EDF出力決定部134から出力された目標値Pedfと、に基づいてVOA141の減衰量Lvoaを決定する。たとえば、減衰量決定部143は、減衰量LvoaをLvoa=Pedf−Poutにより算出する。これにより、減衰量決定部143は、VOA141から出力される信号光のパワーが目標値Poutとなる減衰量Lvoaを決定することができる。減衰量決定部143は、決定した減衰量Lvoaを減衰制御部144へ出力する。
【0024】
減衰制御部144は、VOA141の減衰量を、減衰量決定部143から出力された減衰量Lvoaに制御する。このように、減衰量決定部143および減衰制御部144は、EDF113の出力パワーの目標値Pedfと、増幅装置100から出力される信号光のパワーの目標値Poutと、の差分に基づいてVOA141の減衰量を制御する。
【0025】
これにより、出力制御部135によって励起光のパワーを制御しても、増幅装置100の出力パワーを目標値Pedfで一定にすることができる。また、EDF113の出力パワーの目標値Pedfを用いてVOA141の減衰量を制御することで、たとえばVOA141の出力パワーをモニタするモニタ部を設けなくても増幅装置100の出力パワーを一定にすることができる。このため、回路規模の増大を抑えることができる。
【0026】
上述したEDF出力決定部134、出力制御部135、減衰量決定部143および減衰制御部144は、1つまたは複数のDSP(Digital Signal Processor)などの回路によって実現することができる。また、対応情報記憶部133および目標出力記憶部142は、1つまたは複数のメモリによって実現することができる。
【0027】
なお、EDF113を合波器112の後段に設ける前方励起の構成について説明したが、EDF113を合波器112の前段に設ける後方励起の構成としてもよい。この場合は、励起光源111から出力された励起光を合波器112がEDF113へ入力することにより、EDF113において信号光と励起光が逆方向に通過する。この構成においても信号光を増幅することができる。
【0028】
図2は、実施の形態にかかる増幅装置の動作の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、まず、波長情報取得部121が、信号波長λを示す波長情報を取得する(ステップS201)。つぎに、EDF出力決定部134が、ステップS201によって取得された波長情報と、対応情報記憶部133に記憶された対応情報と、に基づいてEDF113の出力パワーの目標値Pedfを決定する(ステップS202)。
【0029】
つぎに、出力制御部135が、光検出部132から出力される電気信号のパワーが、ステップS202によって決定された目標値Pedfとなるように励起光のパワーを制御する(ステップS203)。つぎに、減衰量決定部143が、ステップS202によって決定された目標値Pedfと、目標出力記憶部142に記憶された目標値Poutと、に基づいてVOA141の減衰量Lvoaを決定する(ステップS204)。
【0030】
つぎに、減衰制御部144が、ステップS204によって決定された減衰量Lvoaとなるように、VOA141の減衰量を制御し(ステップS205)、一連の動作を終了する。以上の各ステップにより、信号波長λに応じて励起光のパワーを制御するとともに、増幅装置100から出力される信号光のパワーを一定に制御することができる。以上の各ステップは、たとえば増幅装置100の起動時に実行される。また、以上の各ステップは、増幅装置100の運用中に繰り返し実行されてもよい。
【0031】
図3は、EDFの波長利得特性の一例を示すグラフである。図3において、横軸は光の波長を示し、縦軸は光の利得を示している。波長利得特性301〜303のそれぞれは、EDF113へ入力された光における波長に対する利得の特性を示している。波長利得特性301においては、波長が長くなるほどEDF113における利得が高くなっている。
【0032】
波長利得特性302は、EDF113へ入力される励起光のパワー(励起状態)が波長利得特性301の場合より高い場合における波長利得特性を示している。波長利得特性302においては、波長に対してEDF113における利得がほぼ一定になっている。波長利得特性303は、EDF113へ入力される励起光のパワーが波長利得特性302の場合より高い場合における波長利得特性を示している。波長利得特性303においては、波長が高くなるほどEDF113における利得が低くなっている。
【0033】
このように、EDF113における波長利得特性は、入力される励起光のパワーによって変化する。このため、たとえば、信号波長λが信号帯域における短波長側である場合は、励起光のパワーを高くしてEDF113における波長利得特性を波長利得特性303のようにすることで、信号波長λにおける利得を相対的に高くすることができる。また、信号波長λが信号帯域における長波長側である場合は、励起光のパワーを低くしてEDF113における波長利得特性を波長利得特性301のようにすることで、信号波長λにおける利得を相対的に高くすることができる。
【0034】
図4は、信号波長とEDFの出力パワーの目標値との関係の一例を示すグラフである。図4において、横軸は信号波長λを示し、縦軸はEDF113の出力パワーの目標値Pedfを示している。関係400は、信号波長λと目標値Pedfとの関係を示している。関係400においては、信号波長λに対して目標値Pedfが一次傾斜となっており、信号波長λが短いほど目標値Pedfが大きくなっている。対応情報記憶部133は、関係400を示す対応情報を記憶している。
【0035】
関係400を示す対応情報は、たとえば関係400を離散化して作成した、信号波長λと目標値Pedfとを対応付けた対応テーブルである。また、関係400を示す対応情報は、たとえば関係400を一次関数として示す関係式Pedf=aλ+bであってもよい。a,bは係数であり、ここではaは負の係数となる。これにより、信号波長λが短いほど励起光のパワーが大きくなり、信号帯域における長波長側の利得に対して短波長側の利得が大きくなる。また、信号波長λが長いほど励起光のパワーが小さくなり、信号帯域における短波長側の利得に対して長波長側の利得が大きくなる。
【0036】
なお、ここでは信号波長λが短いほど目標値Pedfが連続的に増加する例について説明したが、信号波長λが相対的に短い場合に、信号波長λが相対的に長い場合よりも目標値Pedfを大きくすればよい。たとえば、信号波長λが信号帯域の中心波長より長波長側の場合は目標値Pedfを一定値Aとし、信号波長λが信号帯域の中心波長より短波長側の場合は目標値Pedfを一定値B(>A)としてもよい。
【0037】
図5−1は、信号波長が比較的短い場合のEDFの波長出力特性を示すグラフである。図5−1において、横軸は波長を示し、縦軸は光のパワーを示す(図5−2〜図6−2においても同様)。信号光510は、EDF113から出力される光に含まれる信号光を示している。ASE光520は、EDF113から出力される光に含まれるASE光を示している。信号波長λが比較的短い場合は、EDF113の出力パワーの目標値Pedfが比較的高く設定されるため、EDF113へ入力される励起光のパワーも大きくなる。
【0038】
これにより、EDF113の波長利得特性は、たとえば波長利得特性303(図3参照)のようになる。したがって、EDF113へ入力された光は、長波長側の利得よりも短波長側の利得が大きくなる。このため、短波長である信号光510の利得が大きくなるとともに、ASE光520の長波長側の利得が抑制される。このため、S/ASE比を向上させることができる。
【0039】
図5−2は、信号波長が比較的長い場合のEDFの波長出力特性を示すグラフである。図5−2において、図5−1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。信号波長λが比較的長い場合は、EDF113の出力パワーの目標値Pedfが比較的低く設定されるため、EDF113へ入力される励起光のパワーも小さくなる。これにより、EDF113の波長利得特性は、たとえば波長利得特性301(図3参照)のようになる。
【0040】
したがって、EDF113へ入力された光は、短波長側の利得よりも長波長側の利得が大きくなる。このため、長波長である信号光510の利得が大きくなるとともに、ASE光520の短波長側の利得が抑制される。このため、S/ASE比を向上させることができる。また、この場合は、EDF113の出力パワーの目標値Pedfが比較的低く設定されるため、図5−1に示した場合に比べてEDF113から出力される光のパワーが全体的に小さくなる。
【0041】
図6−1は、信号波長が比較的短い場合のVOAの波長出力特性を示すグラフである。図6−2は、信号波長が比較的長い場合のVOAの波長出力特性を示すグラフである。図6−1,図6−2において、図5−1,図5−2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
信号波長λが比較的短い場合と比較的長い場合では、励起光のパワーが異なるため、EDF113から出力される光のパワーが異なる(図5−1,図5−2参照)。これに対して、減衰量決定部143は、VOA141から出力される光のパワーが一定になるようにVOA141の減衰量Lvoaを決定する。これにより、図6−1,図6−2に示すように、VOA141から出力される光のパワーは、信号波長λによらずに一定になる。
【0043】
図7−1は、信号波長とS/ASE比との関係を示すグラフである。図7−1において、横軸は増幅装置100へ入力される信号光の信号波長λ[nm]を示し、縦軸は増幅装置100から出力される信号光のS/ASE比[dB]を示している。関係711は、増幅装置100のように、信号波長λに基づいてEDFの出力パワーを制御する場合における信号波長λとS/ASE比との関係を示している。関係712は、たとえば従来の増幅装置のように、信号波長λに基づいてEDFの出力パワーを制御しないと仮定した場合における信号波長λとS/ASE比との関係を参考として示している。
【0044】
図7−2は、S/ASE比の改善量を示すグラフである。図7−2において、横軸は増幅装置100へ入力される信号光の信号波長λ[nm]を示し、縦軸は増幅装置100から出力される信号光のS/ASE比の改善量[dBm]を示している。関係720は、図7−1に示した関係711と関係712との差分の関係であり、関係712の場合に対する関係711の場合のS/ASE比の改善量を示している。関係720に示すように、増幅装置100によれば、特に信号波長λが長波長側または短波長側である場合に、S/ASE比をたとえば1.5[dB]以上改善することができる。
【0045】
つぎに、信号波長λと目標値Pedfとを対応付ける対応情報の作成方法の一例について説明する。一例として、Cバンド帯域で波長間隔が50[GHz]、波長数が88波のWDM通信システムに用いられ、入力が−20[dBm]、出力が3[dBm]、利得が23[dB]の1波用アンプに増幅装置100を適用する場合について説明する。励起光源111が出力する励起光の波長は、たとえば0.98[μm]や1.48[μm]があるが、ここでは1.48[μm]とする。
【0046】
図8は、信号波長とEDFの出力パワーとの関係の具体例を示すグラフである。図8において、横軸は信号波長λ[nm]を示し、縦軸はEDF113の出力パワー[dBm]を示している。
【0047】
まず、信号波長λが信号帯域の中心波長である場合を想定し、この場合の減衰量Lvoaをたとえば5[dB]に設定する。この場合は、EDF113に必要とされる利得は、23[dB]+5[dB]=28[dB]となる。また、EDF113の長さは、利得が28[dB]の時に波長利得特性(図3参照)がなるべく平坦になるように、たとえば24[m]とする。この場合のEDF113の目標出力(目標値Pedf)は3[dBm]+5[dB]=8[dBm]となる(プロット点801)。
【0048】
つぎに、信号波長λが信号帯域の最長波長である場合を想定し、この場合の減衰量Lvoaをたとえば0[dB]に設定する。この場合は、EDF113の目標出力(目標値Pedf)は3[dBm]+0[dB]=3[dBm]となる(プロット点802)。
【0049】
つぎに、信号波長λが信号帯域の最短波長である場合を想定し、この場合の減衰量Lvoaを、たとえば中心波長のロスの2倍の5[dB]×2=10[dB]に設定する。この場合は、EDF113の目標出力(目標値Pedf)は3[dBm]+10[dB]=13[dBm]となる(プロット点803)。
【0050】
つぎに、プロット点801〜803を結ぶ直線を、信号波長λと目標値Pedfとの関係800(図4に示した関係400と同様)として決定する。つぎに、関係800を示す対応情報を対応情報記憶部133に記憶させる。これにより、信号波長λが短いほど目標値Pedfが高くなる対応情報を作成することができる。
【0051】
図9は、信号波長とVOAの減衰量との関係を示すグラフである。図9において、横軸は信号波長λ[nm]を示し、縦軸はVOA141の減衰量Lvoa[dB]を示している。関係900は、信号波長λとVOA141の減衰量Lvoaとの関係を示している。図8に示した関係800のように、増幅装置100においては信号波長λが短くなるほどEDF113の出力パワーが高くなる。これに対して、関係900に示すように、信号波長λが短くなるほどVOA141の減衰量Lvoaが高くなる。このため、信号波長λによってEDF113の出力パワーが変化しても、増幅装置100から出力される信号光のパワーを一定にすることができる。
【0052】
図10は、実施の形態にかかる通信システムを示す図である。図10に示すように、通信システム1000は、WDMアンプ1010と、AWG1020と、VDC1031〜1035と、アンプ1041〜1045と、受信機1051〜1055と、を備えている。通信システム1000は、伝送路1001を介して送信されたWDM光信号において波長多重された各光信号を受信するシステムである。
【0053】
WDMアンプ1010は、伝送路1001から出力されたWDM光信号を増幅し、伝送路1001などにおいて発生したロスを補償する。WDMアンプ1010は、増幅したWDM光信号をAWG1020へ出力する。AWG1020は、WDMアンプ1010から出力されたWDM光信号を波長多重分離する分離器である。AWG1020は、波長多重分離した各光信号をそれぞれVDC1031〜1035へ出力する。
【0054】
VDC1031〜1035は、AWG1020から出力された光信号の波長分散をそれぞれ補償し、波長分散を補償した光信号をそれぞれアンプ1041〜1045へ出力する分散補償器である。アンプ1041〜1045は、それぞれVDC1031〜1035から出力された光信号を増幅し、増幅した光信号をそれぞれ受信機1051〜1055へ出力する。受信機1051〜1055は、それぞれアンプ1041〜1045から出力された光信号を受信する。
【0055】
アンプ1041〜1045のそれぞれには、増幅装置100を適用することによってS/ASE比を向上させることができる。このため、受信機1051〜1055における受信品質を向上させることができる。
【0056】
なお、ここでは増幅装置100をWDM通信システムである通信システム1000に適用する場合について説明したが、増幅装置100はWDM通信システム以外にも適用可能である。たとえば、増幅装置100は、1波長の光信号を送受信する通信システムの受信側に適用することもできる。この場合も、増幅装置100によって光信号のS/ASE比を向上させ、受信品質を向上させることができる。
【0057】
図11は、実施の形態にかかる増幅装置の変形例1を示す図である。図11において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すように、増幅装置100は、図1に示した構成に加えて、分離器1101と、光検出部1102と、を備えていてもよい。ここでは、増幅装置100へ入力された信号光には、信号光の波長を示す波長情報が制御信号として含まれているとする。
【0058】
分離器1101は、増幅装置100へ入力されて合波器112へ出力される信号光から制御信号の波長を分離し、分離した各制御信号を光検出部1102へ出力する。光検出部1102は、分離器1101から出力された制御信号を電気信号に変換する。光検出部1102は、電気信号に変換した制御信号を波長情報取得部121へ出力する。波長情報取得部121は、光検出部1102から出力された制御信号から波長情報を取得する。このように、光検出部1102は外部からの制御情報として波長情報を受信してもよい。
【0059】
図12は、実施の形態にかかる増幅装置の変形例2を示す図である。図12において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図12に示すように、増幅装置100は、図1に示した構成に加えて、分岐器1201と、光検出部1202と、を備えていてもよい。この場合は、図1に示した減衰量決定部143を省いた構成にしてもよい。
【0060】
分岐器1201は、VOA141から増幅装置100の後段へ出力される信号光を分岐し、分岐した信号光を光検出部1202へ出力する。光検出部1202は、分岐器1201から出力された信号光を電気信号に変換する。光検出部1202は、変換した電気信号を減衰制御部144へ出力する。
【0061】
減衰制御部144は、光検出部1202から出力された電気信号のパワーが、目標出力記憶部142に記憶された目標値PoutとなるようにVOA141の減衰量を制御する。このように、VOA141の出力パワーを監視し、監視したパワーが一定になるようにVOA141の減衰量を制御してもよい。この場合においても、増幅装置100から出力される信号光のパワーを一定(Pout)にすることができる。
【0062】
図13は、実施の形態にかかる増幅装置の変形例3を示す図である。図13において、図1に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図13に示すように、増幅装置100は、図1に示した構成に加えて、分岐器1301と、波長フィルタ1302と、光検出部1303と、対応情報記憶部1304と、を備えていてもよい。分岐器1301は、増幅装置100へ入力されて合波器112へ出力される信号光を分岐して波長フィルタ1302へ出力する第1分岐器である。
【0063】
波長フィルタ1302は、分岐器1301から出力された信号光を透過させて光検出部1303へ出力する。また、波長フィルタ1302は、波長ごとに減衰量が異なる波長減衰特性を有する。光検出部1303は、波長フィルタ1302を透過した信号光のパワーをモニタする第1モニタ部である。具体的には、光検出部1303は、波長フィルタ1302から出力された信号光を電気信号に変換する。光検出部1303は、変換した電気信号を波長情報取得部121へ出力する。
【0064】
対応情報記憶部1304は、光検出部1303から出力された電気信号のパワーと、信号波長λと、を対応付ける対応情報を記憶する波長記憶部である。波長情報取得部121は、光検出部1303から出力された電気信号のパワーに対応する信号波長λを、対応情報記憶部1304に記憶された対応情報から検索することによって波長情報を取得する。
【0065】
波長フィルタ1302は波長ごとに減衰量が異なる波長減衰特性を有するため、増幅装置100へ入力される信号光のパワーが一定であれば、波長フィルタ1302から出力された信号光のパワーと信号波長λは一対一で対応する。このため、波長情報取得部121は、光検出部1303から出力された電気信号のパワーと信号波長λとを対応付ける対応情報と、光検出部1303から出力された電気信号のパワーと、に基づいて信号波長λを判定することができる。これにより、波長情報をあらかじめ設定したり外部から取得したりしなくても、信号波長λを示す波長情報を自律的に取得することができる。
【0066】
対応情報記憶部1304に記憶する対応情報は、たとえば、波長が既知の信号光を増幅装置100へ入力し、光検出部1303から出力された電気信号のパワーをモニタすることによって作成することができる。
【0067】
図14は、波長フィルタの波長減衰特性の一例を示すグラフである。図14において、横軸は信号波長λを示し、縦軸は図13に示した波長フィルタ1302における減衰量を示している。波長減衰特性1400は、波長フィルタ1302を透過する光の波長に対する減衰量の特性である。波長減衰特性1400のように、波長フィルタ1302は、波長に対する減衰量が一次傾斜となる波長減衰特性を有する。
【0068】
これにより、増幅装置100へ入力される信号光のパワーが一定であれば、波長フィルタ1302から出力された信号光のパワーと信号波長λが一対一で対応する。ただし、波長フィルタ1302の波長減衰特性は波長減衰特性1400に限らず、波長ごとに減衰量が異なる波長減衰特性であればよい。
【0069】
図15は、実施の形態にかかる増幅装置の変形例4を示す図である。図15において、図13に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図15に示すように、増幅装置100は、図13に示した構成に加え、分岐器1501と、光検出部1502と、を備えていてもよい。
【0070】
分岐器1501は、分岐器1301から波長フィルタ1302へ出力される信号光を分岐して光検出部1502へ出力する第2分岐器である。光検出部1502は、分岐器1501によって分岐された信号光のパワーをモニタする第2モニタ部である。具体的には、光検出部1502は、分岐器1501から出力された信号光を電気信号に変換する。光検出部1502は、変換した電気信号を波長情報取得部121へ出力する。
【0071】
対応情報記憶部1304は、光検出部1303,1502から出力された各電気信号のパワーの差分と、信号波長λと、を対応付ける対応情報を記憶している。波長情報取得部121は、光検出部1303,1502から出力された各電気信号のパワーの差分に対応する信号波長λを、対応情報記憶部1304に記憶された対応情報から検索することによって波長情報を取得する。
【0072】
光検出部1303,1502から出力された各電気信号のパワーの差分は、波長フィルタ1302における信号光の波長ごとの減衰量を示す。また、波長フィルタ1302は波長ごとに減衰量が異なる波長減衰特性を有するため、光検出部1303,1502から出力された各電気信号のパワーの差分と信号波長λは一対一で対応する。
【0073】
このため、波長情報取得部121は、光検出部1303から出力された電気信号のパワーと信号波長λとを対応付ける対応情報と、光検出部1303,1502から出力された各電気信号のパワーの差分と、に基づいて信号波長λを判定することができる。これにより、増幅装置100へ入力される信号光のパワーが一定でなくても、信号波長λを示す波長情報を自律的に取得することができる。
【0074】
対応情報記憶部1304に記憶する対応情報は、たとえば、波長が既知の信号光を増幅装置100へ入力し、光検出部1303,1502から出力された各電気信号のパワーの差分をモニタすることによって作成することができる。
【0075】
また、増幅装置100は、EDF113へ入力される励起光のパワーをモニタし、モニタ結果が目標値となるように励起光のパワーを制御する構成としてもよい。この場合は、たとえば分岐器131を励起光源111と合波器112の間に設ける。また、この場合は、対応情報記憶部133は、信号波長λと、EDF113へ入力される励起光のパワーと、を対応付ける対応情報を記憶する。
【0076】
また、増幅装置100において、誘導放出現象を有する光ファイバとしてEDF113を用いる構成について説明したが、EDF113に代えて、誘導放出現象を有する他の希土類ドープ光ファイバを用いる構成としてもよい。他の希土類ドープするものとしてツリウム、プラセオジウムなどが知られている。
【0077】
このように、実施の形態にかかる増幅装置100によれば、信号光とともに光ファイバへ入力するEDFの出力パワーを信号波長に基づいて制御することで、光ファイバの波長利得特性を変化させて信号波長の利得を相対的に大きくすることができる。これにより、信号対雑音比(たとえばS/ASE比)を向上させることができる。このため、たとえば後段の受信機における受信品質を向上させることができる。
【0078】
以上説明したように、増幅装置、通信システムおよび増幅方法によれば、信号対雑音比を向上させることができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0079】
(付記1)信号光および励起光を希土類ドープした増幅媒体に入力して前記信号光を増幅する増幅器と、
前記信号光の波長を示す波長情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された波長情報に基づいて、前記増幅媒体へ入力される励起光のパワーを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする増幅装置。
【0080】
(付記2)前記制御部は、前記波長情報が示す波長が相対的に短い場合に、前記波長情報が示す波長が相対的に長い場合よりも前記励起光のパワーを大きくすることを特徴とする付記1に記載の増幅装置。
【0081】
(付記3)前記増幅器によって増幅された信号光のパワー、または前記励起光を含む光のパワーをモニタするモニタ部と、
前記信号光の波長と、前記モニタ部によってモニタされるパワーの目標値と、を対応付ける対応情報を記憶するパワー記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記モニタされるパワーが、前記パワー記憶部によって記憶された対応情報において前記波長情報が示す波長と対応付けられている目標値となるように前記励起光のパワーを制御することを特徴とする付記1または2に記載の増幅装置。
【0082】
(付記4)前記増幅器によって増幅された信号光を減衰させる減衰量が可変の減衰器と、
前記減衰器から出力される信号光のパワーが一定になるように前記減衰器の減衰量を制御する減衰制御部と、
を備えることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の増幅装置。
【0083】
(付記5)前記モニタ部は、前記増幅器によって増幅された信号光のパワーをモニタし、
前記増幅器によって増幅された信号光を減衰させる減衰量が可変の減衰器と、
前記減衰器から出力される信号光のパワーの目標値を記憶する目標出力記憶部と、
前記波長と対応付けられている目標値と、前記目標出力記憶部によって記憶された目標値と、の差分に基づいて前記減衰器の減衰量を制御する減衰制御部と、
を備えることを特徴とする付記3に記載の増幅装置。
【0084】
(付記6)前記信号光を分岐する第1分岐器と、
前記第1分岐器によって分岐された信号光を透過させ、波長ごとに減衰量が異なる波長減衰特性を有する波長フィルタと、
前記波長フィルタを透過した信号光のパワーをモニタする第1モニタ部と、
前記第1モニタ部によってモニタされるパワーと、前記信号光の波長と、を対応付ける対応情報を記憶する波長記憶部と、
を備え、
前記取得部は、前記第1モニタ部によってモニタされたパワーと、前記波長記憶部によって記憶された対応情報と、に基づいて前記波長情報を取得することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の増幅装置。
【0085】
(付記7)前記信号光を分岐する第1分岐器と、
前記第1分岐器によって分岐された信号光を透過させ、波長ごとに減衰量が異なる波長減衰特性を有する波長フィルタと、
前記波長フィルタを透過した信号光のパワーをモニタする第1モニタ部と、
前記第1分岐器から前記波長フィルタへ出力される信号光を分岐する第2分岐器と、
前記第2分岐器によって分岐された信号光のパワーをモニタする第2モニタ部と、
前記第1モニタ部および前記第2モニタ部によってモニタされる各パワーの差分と、前記信号光の波長と、を対応付ける対応情報を記憶する波長記憶部と、
を備え、
前記取得部は、前記第1モニタ部および前記第2モニタ部によってモニタされた各パワーの差分と、前記波長記憶部によって記憶された対応情報と、に基づいて前記波長情報を取得することを特徴とする付記6に記載の増幅装置。
【0086】
(付記8)波長多重された光信号を波長多重分離する分離器と、
付記1〜7のいずれか一つに記載の増幅装置であって、前記分離器によって分離された各光信号をそれぞれ増幅する複数の増幅装置と、
前記複数の増幅装置によって増幅された光信号をそれぞれ受信する複数の受信機と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【0087】
(付記9)前記複数の増幅装置の前段に設けられ、前記各光信号の波長分散をそれぞれ補償する複数の分散補償器を含むことを特徴とする付記8に記載の通信システム。
【0088】
(付記10)信号光および励起光を希土類ドープした増幅媒体に入力して前記信号光を増幅する増幅器を備える増幅装置による増幅方法において、
前記信号光の波長を示す波長情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された波長情報に基づいて、前記増幅媒体へ入力される励起光のパワーを制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする増幅方法。
【符号の説明】
【0089】
111 励起光源
112 合波器
113 EDF
131,1201,1301,1501 分岐器
141 VOA
301〜303 波長利得特性
510 信号光
520 ASE光
801〜803 プロット点
1000 通信システム
1001 伝送路
1010 WDMアンプ
1020 AWG
1041〜1045 アンプ
1101 分離器
1400 波長減衰特性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光および励起光を希土類ドープした増幅媒体に入力して前記信号光を増幅する増幅器と、
前記信号光の波長を示す波長情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された波長情報に基づいて、前記増幅媒体へ入力される励起光のパワーを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする増幅装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記波長情報が示す波長が相対的に短い場合に、前記波長情報が示す波長が相対的に長い場合よりも前記励起光のパワーを大きくすることを特徴とする請求項1に記載の増幅装置。
【請求項3】
前記増幅器によって増幅された信号光のパワー、または前記励起光を含む光のパワーをモニタするモニタ部と、
前記信号光の波長と、前記モニタ部によってモニタされるパワーの目標値と、を対応付ける対応情報を記憶するパワー記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記モニタされるパワーが、前記パワー記憶部によって記憶された対応情報において前記波長情報が示す波長と対応付けられている目標値となるように前記励起光のパワーを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の増幅装置。
【請求項4】
前記増幅器によって増幅された信号光を減衰させる減衰量が可変の減衰器と、
前記減衰器から出力される信号光のパワーが一定になるように前記減衰器の減衰量を制御する減衰制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の増幅装置。
【請求項5】
前記信号光を分岐する第1分岐器と、
前記第1分岐器によって分岐された信号光を透過させ、波長ごとに減衰量が異なる波長減衰特性を有する波長フィルタと、
前記波長フィルタを透過した信号光のパワーをモニタする第1モニタ部と、
前記第1モニタ部によってモニタされるパワーと、前記信号光の波長と、を対応付ける対応情報を記憶する波長記憶部と、
を備え、
前記取得部は、前記第1モニタ部によってモニタされたパワーと、前記波長記憶部によって記憶された対応情報と、に基づいて前記波長情報を取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の増幅装置。
【請求項6】
波長多重された光信号を波長多重分離する分離器と、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の増幅装置であって、前記分離器によって分離された各光信号をそれぞれ増幅する複数の増幅装置と、
前記複数の増幅装置によって増幅された光信号をそれぞれ受信する複数の受信機と、
を含むことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
信号光および励起光を希土類ドープした増幅媒体に入力して前記信号光を増幅する増幅器を備える増幅装置による増幅方法において、
前記信号光の波長を示す波長情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された波長情報に基づいて、前記増幅媒体へ入力される励起光のパワーを制御する制御工程と、
を含むことを特徴とする増幅方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−43934(P2012−43934A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183040(P2010−183040)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】