説明

外部スイッチング機能を提供する集積回路

本発明は、論理回路(42)、及び外部信号を受信し、この受信した外部信号を論理回路(42)に伝送する受信手段(34)を具えた集積回路(30,34,70)に関するものであり、そしてこうした集積回路に結合された装置(72)、及びこうした集積回路を製造し動作させる方法、及び制御データを装置に伝送する方法に関するものである。こうした集積回路(30,54,70)に、従来のトランスポンダに比べて拡張された機能を提供するために、論理回路(42)、少なくとも2つの外部接点(44a,44b,76a,76b)、この論理回路(42)をこれらの外部接点(44a,44b,76a,76b)に接続するためのスイッチング手段(46)、及び外部信号を受信し、この受信した外部信号を前記論理回路(42)に伝送するための受信手段(34)を具えた集積回路(30,54,70)を提案し、この集積回路(30,54,70)は、前記スイッチング手段(46)によって前記外部接点(44a,44b,76a,76b)間の電気接続をスイッチングする前記外部接点(44a,44b,76a,76b)を通したスイッチング機能を提供する第1動作モードで動作可能であり、前記スイッチング手段(46)は、前記受信した外部信号に応答して前記論理回路(42)によって制御される。さらに、こうした集積回路(30,54,70)に結合された対応する装置(72)、及びこうした集積回路(30,54,70)を製造し動作させる対応する方法、及び制御データを装置(72)に伝送する対応する方法を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、論理回路、及び外部信号を受信し、この受信した外部信号を上記論理回路に伝送する受信手段を具えた集積回路に関するものである。本発明はさらに、こうした集積回路を具えた装置、及びこうした集積回路を製造し動作させる方法、及び制御データを装置に伝送する方法に関するものである。
【0002】
(発明の背景)
論理回路及び受信手段を有する集積回路は既知であり、現在、いわゆるRFID(Radio Frequency Identification:無線ICタグ)トランスポンダの形で、サービス分野、あるいは物流、取引、または製造の分野における識別目的に、ますます使用されている。しかし、より低い周波数(800MHz以下)を利用するシステムも使用されている。
【0003】
トランスポンダは通常、データを記憶するための半導体チップを具え、このチップはプログラマブル(プログラム可能)かつ書替可能にすることができ、そして関連周波数帯域(例えばUS-UHF(米国のUHF):902〜928MHz、ヨーロッパ:863〜868MHz、ISM(Industrial Scientific Medical:産業科学医療用):2.4〜2.483GHz)に適合したアンテナを具えている。一般的なRFIDシステムは、RFIDトランスポンダ及び読取り装置を具え、この読取り装置は、このトランスポンダと双方向(データ)通信を提供するためのシステムアンテナを有する。
【0004】
一般に、アクティブ(能動型)トランスポンダとパッシブ(受動型)トランスポンダとの区別が存在する。アクティブトランスポンダには自前のエネルギー供給源が設けられているのに対し、パッシブトランスポンダは、動作に必要なエネルギーを、通信にも使用する高周波信号から受け取る。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開US 2004/0131897 A1
【0006】
米国特許出願公開US 2004/0131897A1は、アクティブトランスポンダとパッシブトランスポンダとを組み合わせたRFトランスポンダを開示している。US 2004/0131897A1のトランスポンダは、電子回路、RFアンテナ、及びバッテリを具え、電子回路はバッテリに接続され、これにより、アンテナによるRFエネルギーの受信時にバッテリからエネルギーを受け取り、アンテナは電子回路とバッテリとの間のスイッチを閉じて、バッテリと電子回路との間の電気接続を可能にする。
【0007】
既知のトランスポンダシステムはその目的を限定されている、というのは、トランスポンダは、識別、及びトランスポンダと読取り装置との間のデータ通信の機能を提供するに過ぎないからである。
【0008】
(発明の目的及び概要)
本発明の第1目的は、従来のトランスポンダに比べて拡張された機能を可能にする、冒頭段落に記載の集積回路を提供することにある。さらなる目的は、こうした集積回路を具えた装置の提供、こうした集積回路を製造し動作させる方法の提供、及び制御データを装置に伝送する方法の提供にある。
【0009】
本発明による第1目的は、論理回路、少なくとも2つの外部接点、この論理回路をこれらの外部接点に接続するスイッチング手段、及び外部信号を受信し、この受信した外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段を具えた集積回路によって達成され、この集積回路は、前記スイッチング手段によって前記外部接点間の電気接続をスイッチング(開閉)する前記外部接点を通したスイッチング(開閉)機能を提供する第1動作モードで動作可能であり、前記スイッチング手段は、前記受信した外部信号に応答して前記論理回路によって制御される。
【0010】
本発明は、集積回路によって制御される外部接点をこの集積回路に設けると、この集積回路が拡張機能を示すという見識に基づくものであり、この拡張機能は即ち、通常のトランスポンダの機能、及び上記外部接点間の電気接続を制御することによって他の装置を制御する追加的な制御機能である。電気接続を制御すること、即ち、接点間の電気接続をスイッチングすることは、上記集積回路内に存在するプロセスであり、そして集積回路の能力の一部である。しかし、当該接点間の電気接続が制御される接点が外部接点である場合のみに、電気接続のスイッチングが、これらの外部接点に接続された装置に影響を与えることができる。
【0011】
本発明の好適例では、前記集積回路がさらに、前記集積回路の少なくとも2つの動作モードどうしを入れ替えるモード変更手段を具え、前記外部接点によって前記集積回路の機能テストを実行する第2動作モードを設ける。従来のトランスポンダの多くが、トランスポンダ・アンテナの接続用の接点、及び通常2つの追加的な接点を具えている。これらの追加的な接点は、チップの論理回路に接続され、トランスポンダの半導体チップの機能、特に論理回路の機能をテストするために使用される。このテストは通常、ウエハーレベルで、即ちダイスの分離前に行われる。電源を供給するために、これらのテスト接点はアンテナ接点にも接続することができる。ダイスの分離後、即ちウエハーの裁断(カッティング)後に、上記テスト接点はトランスポンダのチップ上に残り得るが、さらに使用されることはない。モード変更手段、及び集積回路の少なくとも2つの動作モードを設けることによって、これらのテスト接点は、1つの動作モードにおけるテスト用、及び他の動作モードにおける上記外部接点として使用することができ、このことは、ウエハー及び集積回路の空間の改善された利用を可能にする。
【0012】
本発明の有利な好適例では、前記受信手段が、前記外部信号からのエネルギーを利用して前記集積回路に電源を供給するように構成されている。これらの外部信号は、前記集積回路へのデータの入力に不可欠である。前記スイッチング手段は前記外部信号に応答して制御され、これらの信号は電源として使用することもできる。
【0013】
他の好適例の集積回路はさらに、実質的に一意的な識別子を含む識別手段を具え、前記論理回路は、受信した外部信号のみに応答して前記スイッチング手段を制御し、これらの外部信号は前記一意的な識別子に対応する。複数の集積回路が前記外部接点の放出体の範囲内にあり、そして、放出された信号がこれらの集積回路の1つのみに指向されている確率にかかわらず、これらの集積回路のすべてが放出された信号に応答する際に、このことは意図しない混乱をもたらす。こうした混乱は、集積回路が当該集積回路に指向された外部信号、即ち、当該集積回路を識別する識別子に対応する外部信号のみを観測すれば、回避することができる。
【0014】
前記受信手段は、電磁信号、特に無線周波数信号を受信するように構成されていることが好ましい。こうした受信手段を含む前記集積回路は、トランスポンダ、特にRFトランスポンダを形成することができ、このトランスポンダは拡張された機能を示し、それにもかかわらず、既知の通信システム、特にRF通信システムに内蔵させることができる。
【0015】
本発明の集積回路の別な有利な好適例では、前記論理回路が、前記スイッチング手段を制御して一連のスイッチング動作をさせてコード信号を発生するコード化手段を具えている。相当単純なスイッチングの作業、即ちオン状態とオフ状態との間の変化に加えて、一連のスイッチング動作は、こうした状態間の変化の列を形成し、従ってデータをバイナリ(2進)コード信号の形で伝送するために使用することができる。なお、「一連のスイッチング動作」は1回のみのスイッチング動作、即ち1つの状態から他の状態へのスイッチングも含む。
【0016】
これに加えて、本発明の関係の「スイッチング」及び「スイッチング動作」にはより広い意味が存在する、というのは、前記接点間の電気接続の状態は、単にオン状態とオフ状態の2つ以外の状態を設けることができるからである。さらに他の好適例では、前記スイッチング手段を前記コード化手段によって制御して、電気外部接点間の電気接触の電気抵抗の変化を、(完全に閉じた接続またはオン状態に対応する)低い値(あるいは非常に低い値)と(開放接続またはオフ状態に対応する)高い値(あるいは非常に高い値)との間で提供する。さらに、異なる値を有し、これによりコード信号を形成する電圧を、前記コード化手段の制御時に出力して、例えば前記外部接点に接続された外部A/D変換器に送ることができる。
【0017】
本発明の集積回路のさらに他の好適例では、前記論理回路が、前記外部接点に供給される外部電気信号を検出する入力検出手段を具えている。この好適例の外部接点は前記論理回路とのインタフェースとして使用される。前記外部接点に供給される外部電気信号は、例えば、前記論理回路を再プログラムするため、上述した一意的な識別子を変更するため、あるいは前記集積回路への他のデータ入力用に用いることができる。前記供給される電気信号は、バイナリ信号、即ちハイ(高)とロー(低)の信号の列、及びアナログセンサ、例えば温度センサによって、あるいは外部D/A変換器によって供給されるもののようなアナログ信号を含むあらゆる種類のものとすることができる。
【0018】
本発明の目的はさらに、本発明の集積回路に結合され、機能回路を具えた装置によって達成され、この機能回路は前記集積回路の前記外部接点に接続され、前記集積回路は、前記第1動作モードにおいて、前記スイッチング手段によって前記機能回路を制御する。
【0019】
本発明の目的はさらに、論理回路、少なくとも2つの外部接点、前記論理回路を前記外部接点に接続するスイッチング手段、及び外部信号を受信し、この受信した外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段を具えた集積回路を動作させる方法によって達成され、この方法は:
前記スイッチング手段によって前記外部接点を通したスイッチング機能を提供する第1動作モードを用意するステップと;
前記外部信号を受信し、前記外部信号を前記受信手段によって前記論理回路に伝送するステップと;
前記受信した外部信号に応答して、前記論理回路によって前記スイッチング手段を制御するステップとを具えている。
【0020】
本発明の目的のさらに他の解決法は、論理回路、少なくとも2つの外部接点、前記論理回路を前記外部接点に接続するスイッチング手段、外部信号を受信し、この受信した外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段、及び前記集積回路の少なくとも2つの動作モードどうしを入れ替えるモード変更手段を具えた集積回路を製造する方法であり、この方法は:
前記集積回路を第2動作モードにして生産するステップと;
前記外部接点によって前記論理回路をテストするステップと;
前記集積回路を第1動作モードに変更するステップとを具え、
前記論理回路は、前記集積回路の前記第1動作モードにおいて、前記受信した外部信号に応答して前記スイッチング手段を制御して、前記外部接点を通したスイッチング機能を提供する。
【0021】
最後に、本発明の目的は、制御される装置に制御データを伝送する方法によって達成され、この方法は:
前記制御データを外部信号として集積回路に伝送するステップであって、前記集積回路は、論理回路、少なくとも2つの外部接点、前記論理回路を前記外部接点に接続するスイッチング手段、及び外部信号を受信し、この受信した外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段を具え、前記論理回路は、前記集積回路の少なくとも1つの動作モードにおいて、前記受信した外部信号に応答して前記スイッチング手段を制御して、前記外部接点を通したスイッチング機能を提供し、前記装置は前記外部接点に接続されているステップと;
前記論理回路によって前記スイッチング手段を制御して、前記制御データを表現する一連のスイッチング動作を発生するステップと;
前記装置が前記外部接点によって前記一連のスイッチング動作を検出するステップとを具えている。
【0022】
なお、本発明の集積回路について上述した好適例及び利点は、本発明の装置及び本発明の方法にも当てはまる。
【0023】
以下では、本発明をさらに詳細に説明すべく、本発明の好適な実施例を図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施例の説明)
図1に、既知の集積回路12の基本回路を示し、この集積回路は、外部アンテナを集積回路12に接続してRFトランスポンダを形成するためのアンテナ接点パッド14a、14bを具えている。集積回路12はさらに、集積回路12をテストするための機能を提供するためのテスト接点パッド16a、16bを具えている。集積回路12は他の集積回路(図示せず)と共にウエハー(図示せず)上に製造される。このウエハー上には多数の集積回路が配置され、集積回路間にはいくらかの空間が未使用で残されている。集積回路どうしの分離のために、集積回路をウエハー上に形成し、これらの集積回路をテストした後に、このウエハーを裁断する。テストする目的で、テスト中に集積回路12に電力を供給するために、テスト接点パッド16a、16bをそれぞれ接触線18a、18b経由でアンテナ接点パッド14a、14bに電気接続し、これらの接触線はウエハー上に、大部分は集積回路12の領域外に配置される。ウエハーの裁断中、即ち集積回路の分離中には、接触線18a、18bを遮断し、テスト接点パッド16a、16bは残すがさらに使用しない。集積回路12はさらに、アンテナ接点パッド14a、14bに電気接続される論理回路20を具えている。キャパシタ22及び抵抗器24が論理回路20に並列に配置されている。さらに整流素子26が設けられ、論理回路20とアンテナ接点パッド14bとの間に接続されている。整流素子26、抵抗器24、及びキャパシタ22は、アンテナ(図示せず)によって受信した電磁信号を整流して集積回路12の動作用のDC電圧を供給するための整流回路28を形成する。抵抗器24はトランジスタに置き換えることができ、そして整流回路28は、集積回路12に電源を供給するための何らかの異なる手段に置き換えることができる。このことは以下に説明する本発明の実施例にも当てはまる。
【0025】
図2に、本発明による集積回路の第1実施例30の基本回路を示す。集積回路30は、2つのアンテナパッド32a、32b、整流素子36、キャパシタ38、及び抵抗器40(またはトランジスタ)を含む整流回路34、及び図1に示す集積回路12と同様の方法で整流回路34経由でアンテナパッド32a、32bに接続された論理回路42を具えている。さらに、この集積回路30には2つの外部接点44a、44bが設けられ、これらの外部接点は、2つの抵抗器48、50及びトランジスタ素子52、即ちMOSFETで構成されるスイッチング手段46経由で論理回路42及び一方のアンテナパッド32aに接続されている。論理回路42はトランジスタ素子52のゲート電極に結合され、そのドレイン電極及びソース電極はそれぞれ外部接点44a、44bに結合されている。抵抗器48、50は、例えば2つの外部接点44a、44b間に短絡が存在する場合の、トランジスタ素子52の過負荷を防止するために設けられている。スイッチング手段46、即ちトランジスタ素子52を制御することによって、論理回路42は2つの外部接点44a、44b間の電気接続を制御する。こうしたスイッチング機能を提供するために、当業者にとって既知の多くの可能な配線を利用することができ、従って、図2に示す実施例は例示に過ぎない。さらに、所望のスイッチング機能を提供する他の可能な方法が存在し、これらは他の種類のトランジスタ素子、微小電気機械スイッチ、及び/または圧電型微小電気機械スイッチを使用することを含む。
【0026】
図3に、本発明による集積回路の第2実施例54の基本回路を示す。第2実施例の集積回路54は、その多くの部分が図2の第1実施例の集積回路30に対応する。(従って、対応する要素は図2で用いたのと同じ参照番号で表す。)第1実施例の集積回路30に加えて、第2実施例の集積回路54は、外部接点44bと論理回路42との間に電気結合56を具えている。外部接点44a、44b間の電気接続が閉じ、外部接点44bにはトランジスタ素子52経由でロー(低)信号が供給され、そして外部素子によって外部接点44bに供給されるハイ(高)信号が論理回路42によって検出されるものと仮定する。ここでも、外部接点44a、44b経由で入力を供給すること、及びこの入力の論理回路42による検出の他の可能な方法は、当業者にとって既知である。
【0027】
本発明の他の実施例(図示せず)では、図1に示す既知の集積回路12の接触線18a、18bと同様の接触線が外部端子44a、44b間に設けられ、一般的なテストプロセスと同様の方法での集積回路54のテストプロセスを可能にする。
【0028】
図4に、本発明による論理回路42をより詳細に示す。論理回路42には、外部接点44a、44bを通したスイッチング機能を提供するための第1動作モードと、外部接点44a、44bによって集積回路30、54の機能テストを実行するための第2動作モードとを入れ替えるためのモード変更手段58が設けられている。論理回路42にはさらに、識別子を含む識別手段60が設けられている。この識別子、例えばバイナリ(2進)数は実質的に一意的であり、そして論理回路42、従って集積回路30、54を実質的に一意的に識別するために使用される。従って、論理回路42は、アンテナパッド32a、32b経由で受信した外部信号において、論理回路42、及び/または論理回路42を含む論理回路のグループに指向された外部信号と、他の論理回路、あるいは論理回路42を含まない論理回路のグループに指向された外部信号とを区別することができる。論理回路42は、コード信号を形成する一連のスイッチングコマンドを生成するためのコード化手段62、及び(例えばバイナリ、あるいは特別な振幅の)外部電気信号を電気結合56経由で検出するための入力検出回路64を含む。
【0029】
これらの手段は、本発明による集積回路30、54内に分離して配置された別個の手段として提供することができる。例えば、集積回路30、54に接触線18a、18bが、図1に示すようにウエハーレベルで設けられ、このウエハーは異なるダイスの分離中に裁断される場合には、モード変更手段58はウエハー上の集積回路30、54の領域外に設けることもでき、そしてダイスの分離中に集積回路30、54から分離することもできる、というのは、一旦、集積回路30、54をテストして良好であれば、再びスイッチングとテストという異なる動作モード間で変更する必要はないからである。
【0030】
図5に、制御ユニット68、集積回路70、及び制御される装置72を具えた、本発明によるシステム66のブロック図を示す。制御ユニット68には、制御信号を発生して送信する手段が設けられている。集積回路70はこの送信された信号を受信するように構成され、そして外部接点76a、76bが設けられている。この制御信号により制御される装置72は外部接点76a、76bに結合され、そして制御される機能回路78が設けられている。装置72の例はTV(テレビジョン)セットであり、集積回路70によってスイッチオン及びスイッチオフすることができる。集積回路70のスイッチング機能を用いて、既知のTVセットの一般的なスタンバイ(待機)機能の代替を実現する。外部接点76a、76b間の電気接続をスイッチング(開閉)することによって、TVセットをスイッチオン及びスイッチオフすることができる。装置72はさらに、外部接点76a、76b間の電気接続の一連のスイッチング動作を検出するための出力検出回路80、及び外部接点76a、76bに電気信号を供給するための信号手段82を具えている。
【0031】
制御ユニット68は、例えば電磁信号、特に無線周波数信号74を用いて、制御データを集積回路70に送信し、集積回路70は信号74を受信し信号74を処理して、集積回路70の2つの外部接点76a、76b間の電気接続の一連のスイッチング動作を発生する。この一連のスイッチング動作は装置72の出力検出手段80によって検出され、これに応じて機能回路78が制御される。これに加えて、装置72は信号手段82によって電気信号を外部接点76a、76bに供給して、機能回路78の制御動作を集積回路70に確認応答することができる。
【0032】
本発明のさらに他の実施例では、装置72は、例えばセンサのような単一の外部構成要素にすることもでき、このセンサは、このセンサが置かれた環境の例えば温度及び/または湿度及び/または気圧等のような1つまたはそれ以上の物理的パラメータを検出する。こうした場合には、センサデバイスが発生する特別な振幅のDC信号(またはAC信号)をトランスポンダによって検出することができる。この情報を読取り装置に送信して、物理的パラメータの制御を可能にすることができる。
【0033】
本発明のさらに他の実施例(図示せず)では、電流/電圧を増加させるための電力素子がさらに設けられ、この電力素子は外部接点76a、76b間の電気接続によってスイッチングされる。この電力素子はこの接続のスイッチングによって制御され、従って、電力素子自体が、増加した電流及び/または電圧を可能にする電気接続をスイッチングする。
【0034】
さらに、本発明は2つのアンテナ接点32a、32及び2つの外部接点44a、44b、76a、76bで説明してきたが、本発明はこの接点数に限定されないことに留意しなければならない。モノポール(単極)アンテナ用の1つのみのアンテナ接点を含む異なる数のアンテナ接点32a、32b、及びより多数の外部接点44a、44b、76a、76bを設けることが可能である。
【0035】
図6に、本発明による集積回路30、54、70を動作させる方法83のブロック図を示す。最初のステップ84では、集積回路30、54、70を、集積回路30、54、70の2つの外部接点44a、44b、76a、76b間の電気接続に関するスイッチング機能を有する第1動作モードにして用意する。集積回路30、54、70が外部信号を受信するステップ86が、ステップ84に続く。ステップ88では、この外部信号により、集積回路30、54、70のスイッチング手段46が制御されて上記電気接続のスイッチングを実行し、ステップ86が再びこれに続くことができる。
【0036】
図7に、本発明による集積回路30、54、70を製造する方法89のブロック図を示し、集積回路30、54、70は、論理回路42、少なくとも2つの外部接点44a、44b、76a、76b、論理回路42を外部接点44a、44b、76a、76bに接続するスイッチング手段46、外部信号を受信し、この受信した外部信号を論理回路42に伝送するための受信手段34、及び集積回路30、54、70の少なくとも2つの動作モードどうしを入れ替えるモード変更手段58を具えている。この方法は、集積回路30、54、70を第2動作モードにして生産するステップ90を具え、外部接点44a、44b、76a、76bによって論理回路42をテストするステップ92がこれに続く。ステップ92における論理回路42のテストが良好な場合には、ステップ94において、集積回路30、54、70を、外部接点44a、44b、76a、76bを用いたスイッチング機能を提供するための第1動作モードに変更する。
【0037】
図8に、本発明による集積回路30、54、70によって制御データを伝送する方法95のブロック図を示す。ステップ96では、制御データを外部信号として本発明による集積回路30、54、70に伝送し、集積回路30、54、70は外部接点44a、44b、76a、76b経由で制御される装置72に結合されている。これに続くステップ98では、スイッチング手段46が論理回路42によって制御されて、例えばバイナリまたはアナログ形式の上記制御データを表現する一連のスイッチング動作を発生する。ステップ98に続くステップ100では、上記一連のスイッチング動作を、外部接点44a、44b、76a、76b経由で装置72によって検出する。ステップ100にステップ96を後続させて次の制御データを伝送するか、あるいはステップ98を後続させて他の一連のスイッチング動作を発生することができる。
【0038】
本明細書では、例えばRFトランスポンダの一部である集積回路30、54、70の拡張機能を提案する。追加的な外部接点44a、44b、76a、76bを用いてスイッチング機能を提供し、これにより、集積回路30、54、70を用いて他の装置を制御して、例えば他の装置を活性化及び不活性化することができる。これにより、例えばRFトランスポンダのいくつかの新たな応用が可能になる。
【0039】
なお、最後に、「具える」等は他の要素またはステップを排除するものではない。また、異なる実施例に関連して説明した要素は組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】既知の集積回路の基本回路を示す図である。
【図2】本発明による集積回路の第1実施例の基本回路を示す図である。
【図3】本発明による集積回路の第2実施例の基本回路を示す図である。
【図4】本発明による論理回路をより詳細に示す図である。
【図5】本発明による、制御ユニット、集積回路、及び被制御装置を具えたシステムを示すブロック図である。
【図6】本発明による集積回路を動作させる方法を示すブロック図である。
【図7】本発明による集積回路を製造する方法を示すブロック図である。
【図8】本発明による集積回路によって制御データを伝送する方法のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
論理回路と、少なくとも2つの外部接点と、前記論理回路を前記外部接点に接続するスイッチング手段と、外部信号を受信し、受信した前記外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段とを具えた集積回路において、
前記集積回路が、前記スイッチング手段によって前記外部接点間の電気接続をスイッチングする前記外部接点を通したスイッチング機能を提供する第1動作モードで動作可能であり、前記スイッチング手段は、前記受信した外部信号に応答して前記論理回路によって制御されることを特徴とする集積回路。
【請求項2】
さらに、前記集積回路の少なくとも2つの動作モードどうしを入れ替えるモード変更手段を具え、前記外部接点によって前記集積回路の機能テストを実行する第2動作モードを設けたことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記受信手段は、前記外部信号からのエネルギーを利用して前記集積回路に電源を供給するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
さらに、実質的に一意的な識別子を含む識別手段を具え、前記論理回路は、前記一意的な識別子に対応する前記受信した外部信号のみに応答して前記スイッチング手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記受信手段は、電磁信号、特に無線周波数信号を受信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記論理回路が、前記スイッチング手段を制御して一連のスイッチング動作をさせてコード信号を発生するコード化手段を具えていることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
発生される前記コード信号がバイナリ信号またはアナログ信号であることを特徴とする請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記論理回路が、前記外部接点に供給される外部電気信号を検出する検出手段を具えていることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項9】
前記集積回路が、無線周波数識別トランスポンダの一部であることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項10】
前記スイッチング手段が、トランジスタ、微小電気機械スイッチ、及び/または圧電型微小電気機械スイッチで構成されることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項11】
請求項1に記載の集積回路に結合され、機能回路を具えている装置において、
前記機能回路が前記集積回路の前記外部接点に接続され、前記集積回路は、前記第1動作モードにおいて前記スイッチング手段によって前記機能回路を制御することを特徴とする装置。
【請求項12】
さらに、コード信号を形成する一連のスイッチング動作を検出する出力検出手段を具えていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記外部接点に電気信号を供給する信号手段を具えていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
論理回路と、少なくとも2つの外部接点と、前記論理回路を前記外部接点に接続するスイッチング手段と、外部信号を受信し、受信した前記外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段とを具えた集積回路を動作させる方法において、
前記スイッチング手段によって前記外部接点を通したスイッチング機能を提供する第1動作モードを用意するステップと;
前記受信手段によって、前記外部信号を受信し、受信した前記外部信号を前記論理回路に伝送するステップと;
前記受信した外部信号に応答して、前記論理回路によって前記スイッチング手段を制御するステップと
を具えていることを特徴とする集積回路の動作方法。
【請求項15】
論理回路と、少なくとも2つの外部接点と、前記論理回路を前記外部接点に接続するスイッチング手段と、外部信号を受信し、受信した前記外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段と、前記集積回路の少なくとも2つの動作モードどうしを入れ替えるモード変更手段とを具えた集積回路を製造する方法において、
前記集積回路を第2動作モードにして生産するステップと;
前記外部接点によって前記論理回路をテストするステップと;
前記集積回路を第1動作モードに変更するステップであって、前記集積回路の前記第1動作モードでは、前記論理回路が、前記受信した外部信号に応答して前記スイッチング手段を制御して、前記外部接点を通したスイッチング機能を提供するステップと
を具えていることを特徴とする集積回路の製造方法。
【請求項16】
制御される装置に制御データを伝送する方法において、
前記制御データを外部信号として集積回路に伝送するステップであって、前記集積回路は、論理回路と、少なくとも2つの外部接点と、前記外部信号を受信し、受信した前記外部信号を前記論理回路に伝送する受信手段と、前記論理回路を前記外部接点に接続するスイッチング手段とを具え、前記論理回路は、前記集積回路の少なくとも1つの動作モードにおいて、前記受信した外部信号に応答して前記スイッチング手段を制御して、前記外部接点を通したスイッチング機能を提供し、前記装置は前記外部接点に接続されているステップと;
前記論理回路によって前記スイッチング手段を制御して、前記制御データを表現する一連のスイッチング動作を発生するステップと;
前記装置が前記外部接点によって前記一連のスイッチング動作を検出するステップと
を具えていることを特徴とする制御データの伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−535234(P2008−535234A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503646(P2008−503646)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/IB2006/050882
【国際公開番号】WO2006/103599
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507219491)エヌエックスピー ビー ヴィ (657)
【Fターム(参考)】