説明

多列スティック自動包装機の横シール装置及び多列スティック自動包装機

【課題】 簡単かつ安価で軽量な構成としながら、対面配置される横シール金具の長手方向に亘ってシール面圧を均一化することができる多列スティック自動包装機の横シール装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、複数条の包装フィルムF’を袋状にフォーミングし、フォーミングされた両端重ね合わせ部に縦シールを施し、筒状になった包装フィルムを横シール装置7の横シール金具71、81(82)により横方向に挟み込んで横シールを施し、その中に充填パイプ5を用いて内容物を充填した後、内容物投入口を横シールすることで包装体を多列同時に成形する多列スティック自動包装機1の横シール装置7であって、横シール金具81、82が長手方向において複数に分割されていると共に、横シール金具81、82が支持部材80に対して挟み込み方向に沿った平面内において支点軸80A,80B廻りに回動自在に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多列スティック自動包装機の横シール装置及び多列スティック自動包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に記載されているように、一度に複数本のスティックの包装体を連続的にシール成形できるように構成した多列スティック自動包装機が知られている。
【0003】
かかる多列スティック自動包装機では、原反包装フィルムを各包装袋で必要なサイズ毎にスリッター刃で切り分け、切り分けられた各包装フィルムを袋状にフォーミングし、フォーミングされた両端重ね合わせ部を縦シール金具(縦ヒートシーラ)が縦方向に挟み込んで縦シールを施し、筒状になった包装フィルムの規定の位置を横シール金具(横ヒートシーラ)が横方向に挟み込んで横シールを施し、出来上がった袋状の包装フィルム内に、充填パイプを用いて原料(内容物)を充填し、その後に原料投入口を横シールして封止し、この封止された横シール部分の中央付近に対してカッター装置を用いて切り離すことで、最終的に個別包装形態のスティック状包装体を、多列かつ連続的に成形できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−42840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載されている多列スティック自動包装機の横シール装置は、図 8に示すように、多列に並んで円筒状にフォーミングされた包装フィルム(30)を一斉に横シールすることができるように、前側横ヒートシールバー(23)と奥側横ヒートシールバー(24)は、円筒状の包装フィルム(30)の並び方向に亘って所定に長尺で形成されている。
【0006】
しかし、このように横シール金具(横ヒートシールバー)が長尺であると、図7に示すように、長手方向の中央付近におけるたわみが大きくなる。
従って、横シール金具がストレートな角棒形状であるような場合、開閉時に発生する横シール金具のたわみ(長手方向に略直交する方向)によって、包装フィルムとの接触面に対する面圧が長手方向において不均一となり、例えば長手方向に多列に並ぶ包装フィルムのうち中央付近の包装フィルムの横シールが十分でなくなるおそれがあった。
【0007】
また、模様付けの目的或いは横シールの密着性等を高めるなどのために、例えば、対面する横シール金具の包装フィルム接触面(横シール面)の一方に1方向或いは2方向の溝が刻設されていると共に、その溝に対応する凸部が他方に設けられている場合があるが、横シール金具のたわみによって溝と凸部の位置関係にずれが生じて面圧が異常となって、包装フィルムの横シール部に損傷等が生じるといったことも想定される。
【0008】
包装体の横シールが十分でなかったり或いは損傷等が生じてしまうような場合、いずれも不良品となるため、品質が低下する一方、例えば、品質を維持するためには、頻繁に品質チェックを行って横シール金具の微調整を行うようなことが要求されるため生産能率が低下し、以ってコストアップの要因となってしまう。
【0009】
また、包装体の横シール品質が許容範囲内であっても、包装フィルム接触面における面圧が多列に並ぶ方向に沿って不均一であれば、品質にばらつきが生じることとなり好ましいとは言えない。
【0010】
なお、横シール金具の剛性を上げてたわみを抑制することも考えられるが、横シール金具は開閉方向に移動するうえに、包装フィルムの搬送方向に比較的速い速度で往復移動するものであるため、高速化を図るためには本来軽量化を促進したい部位であるため、剛性アップによる重量増加は避けるべきものである。また、重量増加に伴う振動騒音等の悪化も回避すべきである。
【0011】
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、簡単かつ安価で軽量な構成としながら、対面配置される横シール金具の長手方向に亘って横シール面圧を均一なものとすることができる多列スティック自動包装機の横シール装置及び多列スティック自動包装機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本発明に係る多列スティック自動包装機の横シール装置は、
幅の広い原反包装フィルムを複数条の包装フィルムにスリットし、スリットされた多列に並ぶ包装フィルムのそれぞれに対して、袋状にフォーミングし、フォーミングされた両端重ね合わせ部を縦シール装置の縦シール金具により縦方向に挟み込んで縦シールを施し、筒状になった包装フィルムを横シール装置の対面配置される横シール金具により横方向に挟み込んで横シールを施し、出来上がった袋状の包装フィルム内に充填パイプを用いて内容物を充填した後、内容物投入口を横シールして封止することで包装体を多列同時に成形する多列スティック自動包装機の横シール装置であって、
前記横シール装置の対面配置されて包装フィルムを挟み込み方向に開閉される横シール金具の少なくとも一方が、長手方向において複数に分割されていると共に、複数に分割された横シール金具が横シール金具を支持する支持部材に対して挟み込み方向に沿った平面内において支点軸廻りに回動自在に支持されていることを特徴とする。
【0013】
本発明において、前記横シール金具は、支点軸廻りに弾性付勢されることを特徴とすることができる。
【0014】
本発明に係る多列スティック自動包装機は、上述した横シール装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単かつ安価で軽量な構成としながら、対面配置される横シール金具の長手方向に亘って横シール面圧を均一なものとすることができる多列スティック自動包装機の横シール装置及び多列スティック自動包装機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態に係る多列スティック自動包装機の正面図である。
【図2】同上実施の形態に係る多列スティック自動包装機の側面図である。
【図3】同上実施の形態に係る多列スティック自動包装機の横シール装置を包装フィルム搬送方向上流側から見た上面図(対面する横シール金具が開いた状態を示す開時位置)である。
【図4】同上実施の形態に係る多列スティック自動包装機の横シール装置を包装フィルム搬送方向上流側から見た上面図(対面する横シール金具が閉じた状態を示す閉時位置)である。
【図5】同上実施の形態に係る多列スティック自動包装機の横シール装置の対面する横シール金具の側面図(閉時位置)である。
【図6】同上実施の形態に係る多列スティック自動包装機の横シール装置の対面する横シール金具の側面図(開時位置)である。
【図7】従来の多列スティック自動包装機の横シール装置におけるたわみを説明するための上面図である。
【図8】従来の多列スティック自動包装機の横シール装置の一構成例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る縦型の多列スティック自動包装機の全体構成を示す正面図(包装フィルムの図示は省略している)であり、図2は当該多列スティック自動包装機の側面図である。
【0019】
本実施の形態に係る多列スティック自動包装機1は、一例として8列構成のものを示しており、一度に8列で内容物を充填しつつ包装フィルムを連続的にシール成形して包装体を形成して切り離すことにより、一度に8個の包装体を生産可能に構成されている。但し、列数は、多列スティック自動包装機1の購入者の要求、原反ロールフィルム幅や包装体の採用寸法に応じて適宜の数とすることができる。
【0020】
図1、図2に示すように、本実施の形態に係る多列スティック自動包装機1は、原料(粉末、粒状、練り物、液状その他の内容物)を収容したホッパー2と、ホッパー2の下方に備えられ各列に供給する原料の量目を計数するスライド供給盤3と、スライド供給盤3から落下した原料を受け入れて後述する充填パイプ5に送り込む接続シュート4と、スリッター装置FXにより8列にスリットされて幅が狭くなった包装フィルムF’(包装フィルム(F、F’)は、原反ロールFHに巻回されていて所定速度で引き出される)をそれぞれ略円筒状にフォーミングすると共に原料の投入通路となる充填パイプ5と、が備えられている。
【0021】
また。8列にスリットされた包装フィルムF’に対して縦方向のシールを行う縦シール装置6と、当該縦シール装置6の下流側に設けられ包装フィルムF’に対して横方向のシールを行う横シール装置7が設けられている。
【0022】
更に、横シール装置7により形成された横シール部の略中央部分を切り離すカッター装置8を経て切り離され自然落下する包装体を受け取り下流側のベルトコンベア等の搬送装置に排出する滑り台状の包装体排出装置9が備えられている。
【0023】
ここにおいて、本実施の形態に係る多列スティック自動包装機1における包装について説明する。
原反ロールFHから引き出される包装フィルムF及び複数列にスリットされた各包装フィルムF’は、横シール動作中における横シール装置7の上下運動に従って順次下方に引き出され、各包装フィルムF’は充填パイプ5に巻き付けられることによって略円筒形状にフォーミングされる。
【0024】
次に、多列スティック自動包装機1では、縦シール装置6の縦シール金具(縦ヒートシールバー)によって略円筒形状にフォーミングされて重ね合わされた各包装フィルムF’の両端同士をヒートシールして円筒状にシール成形する。更に、この略円筒形状になった包装フィルムF’に対して横シール装置7の横シール金具(横ヒートシールバー)によって挟み込んで包装袋状とした後、上記充填パイプ5を介してこの包装袋内部に原料(内容物)を投入する。同時に、横シール装置7による挟持状態のまま1包装袋分下方に移動させて包装フィルムF’の引き出しを行う。
【0025】
その後、この横シール装置7を1包装袋分上方に復帰作動させて再度横シールを行うことによって内容物(粉末原料)が入った袋状の包装フィルムの充填口を封止して密封し、多列式にスティック包装体をシール成形するものである。
【0026】
そして、上記の動作を連続して繰り返し行い、且つ各横シールの中央部分をカッター装置8で上下に切断することにより、一度に多数本のスティック個別包装体を連続的に生産できるように構成されている。
【0027】
なお、横シール装置7は、上下方向に摺動自在に案内する摺動ガイド7Aにより両サイドが支持されており、この摺動ガイド7Aに沿ってエアシリンダ等のアクチュエータ7Bによって制御装置10からの駆動信号に従って所定タイミングで上下動されるようになっている。
【0028】
ここで、従来の多列スティック自動包装機における横シール装置においては、図8に示したように、複数の略円筒状の包装フィルムを挟み込んで横シールを施すために対面配置されている比較的長尺な横ヒートシール金具(横ヒートシールバー)を離接方向に開閉するが、その駆動源としては、横ヒートシール金具の長尺方向略中央部に配設されたエアシリンダ等の往復動を利用するものであった。
【0029】
しかしながら、一方では、より多数の包装フィルムを多列に配設して生産能率を高めたいといった要求があり、また、横ヒートシール金具の中央付近前後に大型のエアシリンダ等の構造物が配備されるとこれを支える横ヒートシール金具全体の剛性を高める必要や、包装機前面での作業を行なう操作者の作業性の向上等を図る必要があり、上述したような従来のレイアウトでは限界があった。
【0030】
そこで、エアシリンダの出力軸等を横ヒートシール金具の長尺方向端部に配設することで、このようなレイアウト上の問題を解決することを試みたが、本発明者は種々の試行錯誤を行ううちに、別の問題があることに至った。
【0031】
すなわち、横ヒートシール金具の長手方向中央付近にエアシリンダを設けて開閉駆動していた従来のレイアウトでは、顕著に現れることがなかった以下のような現象があることを知るに至った。
【0032】
つまり、多列スティック自動包装機の横シール装置において、一斉に8列の略円筒状の包装フィルムF’に対して横シールを施すような場合、幅方向(図1の左右方向)に長尺な横ヒートシール金具が必要であるが、長尺であると、図7に示したように、長手方向の中央付近におけるたわみが大きくなり、多列に並ぶ包装フィルムとの接触面に対する面圧が長手方向において不均一となり、包装フィルムの横シールが十分でなくなったり横シール品質のバラツキが大きくなり、品質や生産能率等の低下などを招くおそれがある。
【0033】
このようなおそれは、横ヒートシール金具の長手方向中央付近にエアシリンダを設けて開閉駆動していた従来のレイアウトでは、そのたわみが大となる部分をエアシリンダで締め付けていたため、たわみの悪影響が顕著ではなかったが、エアシリンダの出力軸等を横ヒートシール金具の長尺方向端部付近に配設した場合には、横ヒートシール金具の長尺方向略中央付近がフリーな状態となるため、たわみの悪影響が顕著となることが確認された。
【0034】
このようなたわみの悪影響を抑制して品質や生産能率等を向上させるために、本実施の形態に係る横シール装置7は、図3〜図6に示すように構成されている。
【0035】
すなわち、電熱式ヒーターが内蔵される横ヒートシール金具71が支持部材70に支持されている。
また、包装フィルムF’に対して横シールを施すための横シール面71Aに対面して、横シール面81Aを有し電熱式ヒーターが内蔵される横ヒートシール金具81が支持部材80に支持されていると共に、横シール面82Aを有し電気式ヒーターが内蔵される横ヒートシール金具82が支持部材80に支持されている。
【0036】
支持部材80は、支点軸80Aを介して回動自在(揺動自在)に横ヒートシール金具81を支持すると共に、支点軸80Bを介して回動自在(揺動自在)に横ヒートシール金具82を支持している。
【0037】
このため、横ヒートシール金具81、82は、それぞれ独立して、支持部材80に対して支点軸80A、80B廻りに図3平面に平行な面内において回転自在(揺動自在)となっている。
【0038】
支持部材70及び支持部材80の一端付近にはガイド穴90A、90Bが開口されていて、図3に示すスライド方向に摺動自在にスライドガイド90に挿通されて支持部材70及び支持部材80は支持される一方で、支持部材70及び支持部材80の他端付近にはガイド穴91A、91Bが開口されていて、図3に示すスライド方向に摺動自在にスライドガイド91に支持部材70及び支持部材80は支持されている。
【0039】
なお、スライドガイド90、91から支持部材70及び支持部材80が脱落しないように、スライドガイド90、91の両端部にはストッパ90C、91Cが設けられている。
【0040】
また、本実施の形態では、スライドガイド90、91に沿って支持部材70と支持部材80との間の相対距離を短くして横シール面71Aと横シール面81A、82Aを接近させて熱シールを施す閉時位置(図4、図5参照)と、当該相対距離を長くして横シール面71Aと横シール面81A、82Aとを離間させて、横シール面71Aと横シール面81A、82Aとの間に存在する略円筒状の包装フィルムF’との干渉を避けつつ図2の上方位置へ、横シール装置7を復帰させることが可能な開持位置(図3、図6参照)と、を達成するための駆動機構が備えられている。
【0041】
図3、図4に示すように、支持部材70の両端部付近にはエアシリンダ等のアクチュエータ100A,100Bが取り付けられている。この出力軸101A,101Bがシャフト102A、102Bに連結されていて、シャフト102A、102Bは支持部材80に取り付けられている。
【0042】
従って、アクチュエータ100A、100Bを押すように駆動して出力軸101A,101Bを支持部材80側に伸長させると、この動きに連動して、シャフト102A,102Bに連結されている支持部材80と、支持部材70と、は離間する方向に移動されて開持位置(図3、図6参照)となる。
【0043】
これに対して、アクチュエータ100A,100Bを引くように駆動して出力軸101A,101Bを収縮させると、この動きに連動して、シャフト102A,102Bに連結されている支持部材80と、支持部材70と、は接近する方向に移動されて閉時位置(図4、図5参照)となる。
【0044】
ここにおいて、本実施の形態では、横ヒートシール金具81、82を、それぞれ独立に、支持部材80に対して、支点軸80A、80B廻りに、図3、図4平面に平行な平面内において回動自在な構成(横シールイコライズ機構)を採用したので、閉時位置(図4、図6参照)にて包装フィルムF’に対して横シールを施す際に、長尺な横ヒートシール金具71(基準横シール金具)が図4や図7に示すようにたわんでいたとしても、そのたわみに追従して横ヒートシール金具81、82(微調整横シール金具)が回動して、横シール面71Aと横シール面81A、82Aとの間の面圧(包装フィルムF’との接触面における面圧)を長手方向亘って均一化することができる。
【0045】
従って、横シールイコライズ機構を備えた本実施の形態によれば、従来のように長手方向に多列に並ぶ包装フィルムF’のうち中央付近の包装フィルムの横シールが不十分となるようなことを効果的に抑制することができ、また多列に並ぶ略円筒状の包装フィルムF’間における横シールのバラツキを抑制することができるため、製品品質を高いレベルで維持することができ、延いては品質及び生産能率の向上等を促進することができる。
【0046】
また、模様付けの目的或いは横シールの密着性等を高めるなどのために、例えば、横ヒートシール金具71の包装フィルム接触面(横シール面)71Aに1方向或いは2方向の溝を刻設し、横ヒートシール金具81、82の包装フィルム接触面(横シール面)81A、81Bにその溝に対応する凸部を設ける場合も想定されるが、横シールイコライズ機構を備えた本実施の形態によれば、一方が可動であることから溝と凸部とのかみ合わせが円滑に行われ易くなることから、従来のように横シール金具のたわみによって溝と凸部の位置関係にずれが生じて面圧が異常となって、包装フィルムの横シール部に損傷等が生じるといったおそれを抑制することができる。
【0047】
なお、横シールイコライズ機構を備えた本実施の形態によれば、重量の増加も抑えることができるため、横シール金具の剛性を上げてたわみを抑制するような場合に比べて、慣性力の増加が抑えられているため、高速運転が可能であると共に、振動騒音等も低く抑えることができる。
【0048】
ところで、本実施の形態においては、支持部材70と、支持部材80と、は、リンク機構200により連結されている。
【0049】
リンク機構200は、スライドガイド90(91)に支持されるリンク支持部201と、支持部材70(支持部材80)の長手方向に沿った遊動を許容しつつ枢軸203を支持する遊動支持部202と、枢軸203に回転自在に連結されると共に支持部材70に枢軸205を介して回転自在に連結されるリンク204と、枢軸203に回転自在に連結されると共に支持部材80に枢軸207を介して回転自在に連結されるリンク206と、を含んで構成されている。
【0050】
かかる構成のリンク機構200は、以下のように機能する。
すなわち、アクチュエータ100A,100Bを引くように駆動して出力軸101A,101Bを収縮させると、支持部材70(横ヒートシール金具71)と支持部材80(横ヒートシール金具81、82)は、スライドガイド90、91に沿って相互に接近する方向に移動して閉時位置(図4、図5参照)となるが、その際に、このリンク機構200がないと、多列スティック自動包装機1本体或いは横シール装置7本体(包装フィルムF’の搬送位置)に対する支持部材70(横ヒートシール金具71)及び支持部材80(横ヒートシール金具81、82)延いては横シール面71A,80A、82Aの相対位置が定まらなくなる。
【0051】
このため、横シールを施す際に、横シール面71A,80A、82Aの開閉方向(スライド方向)における当接位置が所定位置からずれるおそれがあり、横シールに悪影響を及ぼすおそれがある。
【0052】
また、アクチュエータ100を押すように駆動して出力軸101を伸長させると、支持部材70(横ヒートシール金具71)と支持部材80(横ヒートシール金具81、82)は、スライドガイド90、91に沿って相互に離間して開時位置(図3、図6参照)となるが、その際に、このリンク機構200がないと、多列スティック自動包装機1本体或いは横シール装置7本体(包装フィルムF’の搬送位置)に対する支持部材70(横ヒートシール金具71)及び支持部材80(横ヒートシール金具81、82)延いては横シール面71A,80A、82Aの相対位置が定まらなくなる。
【0053】
このため、横シールを施しつつ包装フィルムF’を下方に引き出す動作を行った後、包装フィルムF’を解放して開状態で包装フィルムF’の搬送方向上流側の元位置へ復帰する際に、横シール面71Aと横シール面80A(82A)との間に存在する包装フィルムF’と、横シール面71A及び横シール面80A(82A)と、の相対位置が定まらず、包装フィルムF’と、横シール面71A及び横シール面80A(82A)と、が干渉して包装フィルムF’が損傷してしまうなどのおそれがある。
【0054】
しかしながら、リンク機構200を設け、リンク支持部201のスライドガイド90(91)に対する取り付け位置を調整することで、支持部材70(横ヒートシール金具71)及び支持部材80(横ヒートシール金具81、82)延いては横シール面71A,80A、82Aの横シール装置7本体(包装フィルムF’の搬送位置)に対する相対位置を中心位置に調整することが可能となる。
【0055】
従って、リンク機構200を備えた本実施の形態によれば、より一層横シールを品質良く施すことができると共に、損傷等の発生を確実に抑えることができるため、製品品質をより一層高めることができ、延いては品質及び生産能率の向上等を一層促進することができることになる。
【0056】
ところで、本実施の形態に係る多列スティック自動包装機1の横シール装置7は、横シール動作と共に略円筒状の包装フィルムF’を横ヒートシール金具71及び横ヒートシール金具81、82で挟んで下方に引き出すために図1中下方に移動すると共に、引き出した後図1に示す状態(原位置)へ復帰するために図1中上方に移動するため、比較的高速で往復移動されることに加えて、支持部材70と支持部材80の開閉動作も伴うため、横ヒートシール金具81(82)を支点軸80A、82A廻りの回転をフリーな状態としておくと、騒音や振動等の発生原因になるおそれがある。
【0057】
このため、図3に二点鎖線で示すように、支点軸80A、82A廻りの横ヒートシール金具81(82)の回転に対して、スプリング等による弾性付勢力により自由な動きに制限等を加える構成として、騒音や振動等の発生を抑制するようにすることもできる。
【0058】
また、本実施の形態では、支持部材80側の横ヒートシール金具を長手方向に2分割して、横ヒートシール金具81、82を支点軸80A、80B廻りにそれぞれ回動自在な構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つより多数の複数に分割してそれぞれを支持部材80に対して支点軸廻りに回動自在に支持する構成とすることができる。
【0059】
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
1 多列スティック自動包装機
2 ホッパー
3 スライド供給盤
4 接続シュート
5 充填パイプ
6 縦シール装置
7 横シール装置
8 カッター装置
9 包装体排出装置
10 制御装置
70 支持部材
71 横ヒートシール金具
80 支持部材
81 横ヒートシール金具
82 横ヒートシール金具
80A,80B 支点軸
90、91 スライドガイド
100A,100B アクチュエータ
200 リンク機構
201 リンク支持部
202 遊動支持部
203、205 枢軸
204、206 リンク
207 枢軸
FH 原反ロール
F 包装フィルム
FX スリッター装置
F’ スリットされた包装フィルム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅の広い原反包装フィルムを複数条の包装フィルムにスリットし、スリットされた多列に並ぶ包装フィルムのそれぞれに対して、袋状にフォーミングし、フォーミングされた両端重ね合わせ部を縦シール装置の縦シール金具により縦方向に挟み込んで縦シールを施し、筒状になった包装フィルムを横シール装置の対面配置される横シール金具により横方向に挟み込んで横シールを施し、出来上がった袋状の包装フィルム内に充填パイプを用いて内容物を充填した後、内容物投入口を横シールして封止することで包装体を多列同時に成形する多列スティック自動包装機の横シール装置であって、
前記横シール装置の対面配置されて包装フィルムを挟み込み方向に開閉される横シール金具の少なくとも一方が、長手方向において複数に分割されていると共に、複数に分割された横シール金具が横シール金具を支持する支持部材に対して挟み込み方向に沿った平面内において支点軸廻りに回動自在に支持されていることを特徴とする多列スティック自動包装機の横シール装置。
【請求項2】
前記横シール金具は、支点軸廻りに弾性付勢されることを特徴とする請求項1に記載の多列スティック自動包装機の横シール装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の多列スティック自動包装機の横シール装置を備えたことを特徴とする多列スティック自動包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−240958(P2011−240958A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114298(P2010−114298)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(596092595)三光機械株式会社 (102)
【Fターム(参考)】