説明

多孔質の低誘電率組成物並びにそれを作製及び使用するための方法

【課題】多孔質の有機ケイ酸塩ガラス膜を提供する。
【解決手段】当該膜、Sivwxyz(式中、v+w+x+y+z=100%、vは10〜35原子%、wは10〜65原子%、xは5〜30原子%、yは10〜50原子%、zは0〜15原子%である)は、Si−CH3を有するケイ酸塩の網目構造を有し、細孔及び2.7よりも低い誘電率を有する。予備的な膜が、オルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体と細孔形成前駆体とからCVD法によって堆積される。ポロゲン前駆体が予備的な膜中に細孔を形成し、続いて除去されて多孔質膜を与える。組成物は、少なくとも1つのSi−H結合を含有するオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン化合物と、アルコール、エーテル、カルボニル、カルボン酸、エステル、ニトロ、第一、第二及び/又は第三アミン官能性又はそれらの組み合わせを含有する炭化水素のポロゲン前駆体とを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
化学気相成長(CVD)法によって製造される低誘電率材料は、電子デバイスの絶縁層として典型的に使用される。エレクトロニクス産業では、集積回路(IC)及びそれに関連する電子デバイスの回路とコンポーネントの間の絶縁層として誘電材料が使用されている。マイクロエレクトロニクス素子(例えば、コンピュータチップ)の速度及びデバイス密度を向上させるために線寸法が低減されている。線寸法が減少するにつれて、層間絶縁膜(ILD)に関する絶縁要件がより厳しくなる。線間距離を小さくするには、RC時定数を最小にするためより低い誘電率が必要であり、ここで、Rは導線の抵抗であり、Cは絶縁誘電中間層のキャパシタンスである。Cは線間距離に反比例し、層間絶縁膜(ILD)の誘電率(k)に比例する。
【0002】
SiH4又はTEOS(Si(OCH2CH34、テトラエチルオルソシリケート)とO2から製造される従来のシリカ(SiO2)CVD誘電膜は、4.0よりも高い誘電率kを有する。産業において、より低い誘電率のシリカ系化学気相成長(CVD)膜を製造する試みが幾つかの方法でなされており、最も好結果のものは、有機基で絶縁用酸化ケイ素膜をドープすることであり、2.7〜3.5の範囲の誘電率を与える。この有機ケイ酸塩(OSG)ガラスは、酸化体、例えば、O2又はN2Oに加えて、ケイ素含有前駆体、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン及び/又はシロキサンから高密度膜(密度約1.5g/cm3)として典型的に堆積される。デバイス密度が次第に高くなりかつデバイス寸法が次第に小さくなると、誘電率、即ち「k」値を2.7よりも低くすることが必要となるため、産業における関心は絶縁特性を改善するための種々の多孔質材料に向いている。OSGへの多孔性の付与(空隙空間が1.0の固有誘電率を有する)により、材料の全体的な誘電率が低下する。多孔質OSG材料は低k材料であると考えられる。なぜなら、その誘電率が産業において従来用いられている標準的な材料、即ち、ドープされていないシリカガラスよりも低いからである。これらの材料は、堆積プロセスの際に試薬として細孔形成種又はポロゲン前駆体を加えること、及び堆積されたままの材料又は多孔質材料を提供するための予備的な材料からポロゲンを除去することにより典型的に形成される。他の材料特性、例えば、機械的な硬さ、弾性率、残留応力、熱安定性、及び種々の基材に対する付着力は、多孔質材料又は膜の化学的な組成及び構造に左右される。残念ながら、これらの膜特性の多くは、多孔性が膜に付与されると有害な影響を受ける。
【発明の概要】
【0003】
式Sivwxyzによって表される単相の材料からなる多孔質の有機ケイ酸塩ガラス(OSG)膜であって、式中、v+w+x+y+z=100%、vは10〜35原子%、wは10〜65原子%、xは5〜30原子%、yは10〜50原子%、zは0〜15原子%であり、本明細書で記載されるように、当該膜は細孔及び2.7以下の誘電率を有する。
【0004】
さらに、多孔質の有機ケイ酸塩ガラス膜を製造するための化学気相成長法であって、処理チャンバー内に基材を用意する工程;少なくとも1つのSi−H結合を含有するオルガノシランとオルガノシロキサンからなる群より選択された少なくとも1つの前駆体とポロゲン前駆体とを含むガス状試薬を導入する工程;処理チャンバー中のガス状試薬にエネルギーを加えてガス状試薬の反応を誘発し、基材上にポロゲンを含む予備的な膜を提供する工程;並びに予備的な膜からポロゲンの少なくとも一部を除去して、細孔及び2.7よりも低い誘電率を有する多孔質膜を提供する工程を含む方法が本明細書で記載される。
【0005】
さらに、多孔質のOSG膜を製造するためのポロゲン及び前駆体を含む組成物が本明細書で記載される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本明細書で記載される多孔質有機ケイ酸塩ガラス材料を形成するプロセスの1つの実施態様に関するプロセスフローチャートを与える。
【図2】オルガノシラン前駆体ジエトキシメチルシラン(DEMS)とシクロヘキサノン(CHO)又は1,2,4−トリメチルシクロヘキサン(TMC)ポロゲン前駆体とから堆積された膜についての2つの異なるポロゲン前駆体の化学量論量に関する屈折率を与える。
【図3】堆積後、UV光に5分間さらした後のオルガノシラン前駆体DEMSとポロゲン前駆体CHO又はTMCとから堆積された多孔質OSG膜に関するフーリエ変換赤外(FT−IR)吸収スペクトルを与える。
【図4】モルパーセント配合22/78のDEMSとCHOを含む前駆体混合物から堆積された膜に関するFT−IR吸収スペクトルを与える。
【図5】モルパーセント配合20/80のDEMSとDMHDを含む前駆体混合物から堆積された膜に関するFT−IR吸収スペクトルを与える。
【図6】α−テルピネン(ATP)、リモネン(LIM)、CHO及びシクロヘキサンオキシド(CHOx)を含む前駆体混合物から堆積された膜に関する硬さ対誘電率を与える。
【発明を実施するための形態】
【0007】
多孔質有機ケイ酸塩の材料及び膜並びにそれを作製するための方法及び混合物が本明細書で記載される。多孔質の無機SiO2材料とは異なり、本明細書で記載される多孔質OSGの材料及び膜は、その中に含まれる有機基のために疎水性を示すことができる。多孔質OSG材料はまた、これらの材料を様々な用途に関して好適なものとすることができる十分な機械的硬さ、弾性率、低残留応力、高熱安定性、及び種々の基材に対する高付着力を示すと同時に、低誘電率、即ち、2.7以下の誘電率を示すことができる。本明細書で記載される多孔質OSG材料は、1.5g/ml以下、1.25g/ml以下、又は1.0g/ml以下の密度を有することができる。幾つかの実施態様においては、この多孔質OSG材料から、他の多孔質OSGガラス材料と比べて、種々の環境(例えば、酸素、水性、酸化性又は還元性環境)において低い誘電率、高い機械的性質、及び比較的高い熱及び化学安定性を示す薄膜を作製することができる。これらの特性の幾つかは、炭素、好ましくは主として有機炭素−CHx(式中、xは1〜3の数であるか、又は有機炭素の少なくとも一部はSi−C結合を介して末端メチル基としてケイ酸塩の網目構造に結合された−CH3の形態である)の形態の炭素を膜に選択的に組み込んだ結果であろうと考えられる。幾つかの好ましい実施態様においては、本明細書で記載されるOSG材料中に含まれる水素の50%以上、75%以上又は90%以上が炭素に結合しているか、あるいはまた、最終的な膜の末端Si−H結合の量が最小である。幾つかの実施態様においては、当該材料は、Si−H結合1個につき少なくとも10個のSiCH3結合、より好ましくはSi−H結合1個につき50個のSi−CH3結合、最も好ましくはSi−H結合1個につき100個のSi−CH3結合を有する。
【0008】
図1は、多孔質OSG材料膜を形成するための本明細書で記載される方法の1つの実施態様に関するプロセスフローを与える。多孔質OSG材料又は膜は、ケイ素含有前駆体とポロゲン前駆体を含む試薬混合物から堆積させることができる。本明細書で用いられる「ケイ素含有前駆体」は、少なくとも1つのSi原子を含有する試薬、例えば、オルガノシラン又はオルガノシロキサンである。本明細書で用いられる「ポロゲン前駆体」は、得られる膜中に空隙容量を生成するのに使用される試薬である。第1工程において、基材が処理チャンバーに導入される。堆積工程の際に、ケイ素含有前駆体とポロゲン前駆体が処理チャンバーに導入され、チャンバーへの導入の前及び/又は後に、1つ又は複数のエネルギー源によって活性化される。これらの前駆体を基材表面の少なくとも一部の上に共堆積又は共重合させて、予備的な膜を提供することができる。次の工程において、熱、光、電子及びそれらの組み合わせなど、しかしそれらには限定されない1つ又は複数のエネルギー源を膜に適用することにより、この予備的な膜からポロゲン前駆体の少なくとも一部を除去することができる。この処理は、不活性、酸化性又は還元性の条件下において真空から周囲雰囲気までの範囲の1つ又は複数の圧力で実施することができる。ポロゲンの少なくとも一部を除去することにより、多孔質の有機ケイ酸塩材料が得られる。これらの実施態様においては、結果として得られる膜の多孔性の度合い及び/又は誘電率は、前駆体混合物中のケイ素含有前駆体/ポロゲン前駆体の比を含むがそれらに限定されない様々な因子によって影響を受ける場合がある。幾つかの実施態様においては、膜形成の少なくとも一部の間又はその後に更なる処理を実施することができる。これらの追加の処理により、例えば、機械的強度、残留応力及び/又は付着力などの幾つかの特性を向上させることができる。
【0009】
「化学前駆体」という表現は、「有機ケイ素前駆体」と「ポロゲン前駆体」を含む試薬、及び基材上に膜を形成するのに望ましい任意の追加の試薬、例えば、「1つ又は複数のキャリヤーガス」又は他の「1つ又は複数の添加ガス」を説明するのに本明細書で用いられる。「ガス状」という表現が前駆体を説明するのに本明細書で時々用いられるが、この表現は、以下のものに限定はされないが、気体として反応器に直接供給されるか、気化した液体、昇華した固体として供給されるか、及び/又は不活性なキャリヤーガスによって反応器に運ばれる試薬を包含するものである。
【0010】
幾つかの実施態様においては、ケイ素含有前駆体とポロゲン前駆体は、互いに化学的に区別され、任意の共有結合によって結合されていない。これら及び他の実施態様においては、ケイ素含有前駆体とポロゲン前駆体の濃度は、別々のマスフローコントローラにより制御して別々の供給源から反応チャンバーに導入することができ、チャンバー内で混合することができるか、チャンバーに入れる前に供給ライン中で混合することができるか、及び/又はチャンバーに入れる前に混合して反応混合物を与えることができる。後の実施態様においては、ケイ素含有前駆体とポロゲン前駆体及び他の任意選択の添加物は、単一の供給源から反応混合物を供給することができ、その場合には、反応チャンバー中のそれらの濃度は混合物の化学量論によって決定され、反応チャンバーへの流量は単一のマスフローコントローラによって制御される。化学前駆体は、反応チャンバーへの液体の供給を可能にするための適切なバルブ及びフィッティングを取り付けた加圧可能なステンレス鋼容器を含むがそれに限定されない多くの手段によって反応器システムに供給することができる。
【0011】
他の実施態様においては、分子の単一種が、構造形成体とポロゲンの両方として機能することができる。即ち、構造形成前駆体と細孔形成前駆体は、必ずしも異なる分子ではなく、幾つかの実施態様においては、ポロゲンは構造形成前駆体の一部である(例えば、構造形成前駆体に共有結合している)。ポロゲンが結合した前駆体は、以下、時に「ポロゲン化前駆体」と称される。例えば、ネオヘキシルTMCTSを単一種として使用することが可能であり、それによって分子のTMCTS部分がベースのOSG構造を形成し、巨大アルキル置喚基のネオヘキシルがアニ−ルプロセスの際に除去される細孔形成種である。OSG構造に網目構造を形成するSi種にポロゲンを結合させることは、堆積プロセスの際、より高い効率でポロゲンを膜に取り込むのに有利な場合がある。さらに、堆積プロセスの際にプラズマ中で最も壊れやすい結合がSi−ポロゲン結合であるため、前駆体、例えば、ジ−ネオヘキシル−ジエトキシシラン中の1つのSiに2つのポロゲンを結合させること、又は例えば、1,4−ビス(ジエトキシシリル)シクロへキサン中の1つのポロゲンに2つのSiを結合させることもまた有利な場合がある。このように、プラズマ中で1つのSi−ポロゲン結合が反応しても、堆積膜には依然としてポロゲンが組み込まれている。好ましいポロゲン化前駆体の追加の限定的でない例としては、1−ネオヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−ネオペンチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ネオペンチルジエトキシシラン、ネオヘキシルジエトキシシラン、ネオヘキシルトリエトキシシラン、ネオペンチルトリエトキシシラン、及びネオペンチル−ジ−t−ブトキシシランが挙げられる。
【0012】
単一又は複数のポロゲンがケイ素に結合している材料の幾つかの実施態様においては、膜が硬化して細孔を形成するときに、ポロゲンの一部がケイ素に結合したまま膜に疎水性を付与するようにポロゲンを設計することが有利な場合がある。Si−ポロゲンを含有する前駆体中のポロゲンは、分解又は硬化により−CH3のようなポロゲンからの末端化学基がSiに結合したままになるよう選択することができる。例えば、ポロゲンにネオペンチルが選択される場合には、適切な条件下での熱アニ−リングによりSiに対してβ位のC−C結合で結合の切断が生じることが予想され、それはSiに隣接する第二炭素とt−ブチル基の第四炭素との間の結合であり、熱力学的に切断するのに最も有利な結合である。適切な条件下においては、これによってSiを満たすように末端−CH3基が残り、膜に疎水性及び低誘電率が与えられる。前駆体の例は、ネオペンチルトリエトキシシラン、ネオペンチルジエトキシシラン、及びネオペンチルジエトキシメチルシランである。
【0013】
幾つかの実施態様においては、多孔質OSG膜は、(a)約10〜約35原子%又は約20〜約30原子%のケイ素と;(b)約10〜約65原子%又は約20〜約45原子%の酸素と;(c)約10〜約50原子%又は約15〜約40原子%の水素と;(d)約5〜30原子%又は約5〜約20原子%の炭素とを含む。使用される前駆体に応じて、本明細書で記載されるOSG膜は、材料特性の1つ又は複数を改善するために約0.1〜約15原子%又は約0.5〜約7.0原子%のフッ素をさらに含有することができる。これら及び他の実施態様においては、OSG膜は、以下の元素、即ち、フッ素、ホウ素、窒素、及びリンのうち少なくとも1つをさらに含有することができる。
【0014】
プラズマ増強(PE)CVD TEOSによって製造されるドープされていないシリカガラスは、陽電子消滅寿命分光法(PALS)分析により決定される固有の自由体積細孔サイズが等価球径で約0.6nmである。(細孔形成ポロゲン前駆体なしで)アルキル、アルコキシ、シラン及び/又はシロキサン前駆体のみのCVDによって製造される高密度OSG膜は、PALS分析により決定される固有の自由体積細孔サイズが等価球径で約0.7〜0.9nmである。
【0015】
堆積されたままの膜の多孔性は、陽電子消滅寿命分光法(PALS)分析により決定される固有の自由体積細孔サイズが、等価球径においてドープされていないケイ酸塩ガラス及び高密度有機ケイ酸塩ガラス(約0.6〜0.9nm)と同等である。幾つかの場合には、堆積されたままの膜の細孔サイズは、ドープされていないケイ酸塩ガラス又は高密度有機ケイ酸塩ガラスにおいて観測されるよりも非常に小さい場合がある。なぜなら、膜中のポロゲンの存在がこの空隙空間を満たすからである。小角中性子散乱(SANS)又はPALSによって決定される本発明の膜(「最終的な膜」)の細孔サイズは、等価球径において3.0nm未満であるか、あるいはまた、等価球径において2.0nm未満である。
【0016】
最終的な膜の合計の多孔性は、プロセス条件及び所望の最終的な膜特性に応じて5〜75%であることができる。本明細書で記載される多孔質膜は、1.5g/ml未満、1.25g/ml未満、又は1.00g/ml未満の密度を有する。幾つかの実施態様においては、本明細書で記載されるOSG膜は、ポロゲンなしで製造された類似のOSG膜よりも少なくとも10%低いか又は少なくとも20%低い密度を有する。
【0017】
膜の多孔性は、膜の全体を通じて均一である必要はない。幾つかの実施態様においては、多孔性の勾配があるか及び/又は様々な多孔度を有する多層がある。このような膜は、例えば、堆積の際にポロゲン/前駆体の比を調整することにより又は堆積後に膜を処理して組成勾配若しくは密度勾配を形成することにより与えることができる。
【0018】
本明細書で記載される多孔質OSG膜は、設計された多孔性を有しない高密度のOSG材料と比べてより低い誘電率を有する。幾つかの実施態様においては、本明細書で記載される膜は、ポロゲンなしで製造された類似のOSG膜よりも少なくとも15%低いか、より好ましくは少なくとも25%低い誘電率を有する。
【0019】
幾つかの実施態様においては、本明細書で記載される多孔質OSG膜は、普通のOSG材料と比べて優れた機械的性質を有することができる。標準的なMTSプロトコルを用いたナノインデンテーションにより決定される機械的硬さは、0.5GPaよりも大きいか又は1.0GPaよりも大きい。
【0020】
幾つかの実施態様においては、多孔質OSG膜は、無機フッ素(例えば、Si−F)の形態でフッ素を含有することができる。フッ素は、存在する場合には、0.5〜7原子%の範囲の量で存在する。
【0021】
膜は熱的に安定である。とりわけ、アニール後の好ましい膜は、N2中425℃等温で1.0wt%/hよりも小さい平均減量を有する。さらには、膜は、空気中425℃等温で1.0wt%/hよりも小さい平均減量を有することが好ましい。
【0022】
膜は、様々な化学環境に対して優れた化学抵抗を示す。化学抵抗は、誘電率の変化、赤外線スペクトルの振動バンドの出現若しくは消失、又はX線光電子分光法(XPS)によって測定される膜組成の変化によって測定することができる。これらの膜がその優れた化学安定性を発揮する典型的な化学環境は、フォトレジストの剥離剤処方物において典型的に用いられる水性の酸性又は塩基性環境、プラズマアッシングにおいて典型的に用いられる酸化プラズマ条件、及び高湿度条件(>85%相対湿度、>85℃)などの他の環境である。
【0023】
膜は、化学機械平坦化(CMP)及び異方性エッチングに適合しており、様々な材料、例えば、ケイ素、SiO2、Si34、OSG、FSG、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、水素化炭窒化ケイ素、ホウ窒化物、反射防止コーティング、フォトレジスト、有機ポリマー、多孔質有機材料、多孔質無機材料、金属、例えば、銅及びアルミニウム、並びにTiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、WN又はW(C)Nなど、しかしそれらに限定されない拡散バリヤー層に付着させることができる。膜は、通常の引張試験、例えば、ASTM D3359−95aのテープ引張試験に十分に合格するように、上記材料の少なくとも1つに付着できることが好ましい。試料は、膜の除去が認められない場合に試験に合格したとみなされる。
【0024】
このように、幾つかの実施態様においては、膜は、集積回路における絶縁層、層間誘電層、金属間誘電層、キャッピング層、化学機械平坦化層、エッチストップ層、バリヤー層、又は付着層である。
【0025】
これらの特性により、膜は様々な用途に適している。膜は、半導体基材上の堆積に特に適しており、例えば、絶縁層、層間誘電層及び/又は金属間誘電層としての使用に特に適している。膜は、コンフォーマルコーディングを形成することができる。これらの膜によって示される機械的性質により、これらの膜は、Alサブトラクティブ技術、及びCuダマシン又はデュアルダマシン技術での使用に特に適したものとなる。
【0026】
本明細書で記載される方法の生成物及び混合物は、主に膜として本明細書で記載されているが、本明細書で記載されるものはそれらには限定されない。例えば、多孔質OSG材料は、CVDによって堆積することができる任意の形態、例えば、コーティング、多層アセンブリ、及び必ずしも平面又は薄いとは限らない他のタイプの物体、必ずしも集積回路で用いられるとは限らない多くの物体において提供することができる。幾つかの好ましい実施態様においては、基材は半導体である。
【0027】
本明細書で記載される多孔質OSG材料及び膜に加えて、製品が作製されるプロセス、製品及び化合物を使用する方法、並びに製品を調製するのに有用な組成物もまた本明細書で記載される。
【0028】
本明細書で記載される組成物は、例えば、ポロゲン前駆体、ケイ素含有前駆体及び/又はポロゲン前駆体とケイ素含有前駆体の混合物を反応チャンバーに供給できるよう適切なバルブ及びフィッティングを取り付けた少なくとも1つの加圧可能な容器(好ましくはステンレス鋼)をさらに含むことができる。1つ又は複数の容器の内容物は予備混合することができる。あるいはまた、ポロゲン前駆体とケイ素含有前駆体は、別々の容器に又は貯蔵の際にポロゲンと前駆体を別々に保持するための分離手段を有する1つの容器に保持することができる。このような容器はまた、望ましい場合にはポロゲンと前駆体を混合するための手段を有することもできる。
【0029】
幾つかの実施態様においては、ケイ素含有前駆体は、異なるオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサンの混合物から構成することができる。さらに、ポロゲン前駆体は、異なるポロゲン前駆体の混合物から構成することができると考えられる。
【0030】
幾つかの実施態様においては、ケイ素含有前駆体及びポロゲン前駆体に加えて1つ又は複数の化学前駆体を、膜形成工程の前、その間及び/又はその後に反応チャンバーに供給することができる。このような追加の化学前駆体としては、例えば、1つ又は複数の不活性ガス(例えば、He、Ar、N2、Kr、Xeなど)、及び反応物質、例えば、ガス状、液体又は揮発性の固体有機物質(例えば、NH3、H2、CO2、CO、H2O、H22、O2、O3、CH4、C22、C24など)を挙げることができ、それらは、キャリヤーガスとして使用できるか、膜形成反応の修飾、それゆえ膜特性の修飾を促進させるために亜化学量論的、化学量論的、又は過剰な濃度で使用できるか、及び/又は最終的な膜の特性又は安定性を改善するために後処理試薬として使用できる。
【0031】
当業者であれば、ヘリウムが反応チャンバーへの化学前駆体の供給を助長するためのキャリヤーガスとしてしばしば使用されるとわかるであろう。ヘリウムとは異なるイオン化エネルギーを有するキャリヤーガスを用いることが有利な場合がある。これによってプラズマ中の電子の温度を下げることができ、それにより膜形成プロセスが変化し、次いで堆積されたままの膜の構造及び/又は組成が変化する。ヘリウムよりも低いイオン化エネルギーを有するガスの例としては、CO2、NH3、CO、CH4、Ne、Ar、Kr及びXeが挙げられる。
【0032】
ガス状の化学前駆体のそれぞれの流量は、単一の200mmウェハ上に形成される膜に関して5〜5000sccmの範囲であることが好ましい。他の反応チャンバーに関して使用される流量は、基材のサイズや反応チャンバーの構成に左右される場合があり、200mmのシリコンウェハ又は単一の基材を保持する反応チャンバーに決して限定はされない。幾つかの実施態様においては、有機ケイ素前駆体及びポロゲン前駆体に関する流量は、堆積されたままの膜において有機ケイ酸塩とポロゲンの所望の量を与えて約1.1〜約2.7の誘電率を有する最終的な膜を与えるよう選択される。
【0033】
エネルギーを化学前駆体に適用し、反応を誘発して基材上に膜を形成させる。このようなエネルギーは、例えば、熱、プラズマ、パルスプラズマ、マイクロ波プラズマ、ヘリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合プラズマ、及びリモートプラズマ法によって与えることができる。幾つかの実施態様においては、放射線の2つの周波数を同じプラズマにおいて使用することができ、基材表面でのプラズマ特性を改質するのに使用することができる。好ましくは、膜はプラズマ増強化学気相成長によって形成される。これらの実施態様においては、容量結合プラズマを13.56MHzの周波数で発生させることができる。プラズマ電力は、基材の表面積に基づいて0.02〜7ワット/cm2又は0.3〜3ワット/cm2の範囲であることができる。
【0034】
堆積の際の反応チャンバーの圧力は、0.01〜600torr又は1〜15torrの範囲であることができる。
【0035】
膜は0.002〜10μmの厚さに堆積させることが好ましいが、厚さは必要に応じて変えることができる。パターニングされていない表面に堆積されたブランケット膜は、優れた均一性を有し、妥当なエッジ除外で以って基材全体で1標準偏差に関し厚さの変動が2%未満である。ここでは、例えば、基材の最も外側の縁5mmが均一性の統計計算に含まれない。
【0036】
堆積されたままの膜は、有機ケイ酸塩とポロゲンから構成される。膜の合計質量又は体積は、有機ケイ酸塩の質量%又は体積%とポロゲンの質量%又は体積%をそれぞれ足したものが堆積されたままの膜の合計質量又は体積に等しくなるようにする。
【0037】
理論に縛られることを意図するものではないが、堆積されたままの膜における有機ケイ酸塩とポロゲンの相対的な量は、以下のパラメータ、即ち、化学前駆体混合物中のポロゲン前駆体とケイ素含有前駆体の相対的な量、及び基材上の有機ケイ酸塩ガラスとポロゲンそれぞれの相対的な形成速度の1つ又は複数によって影響を受ける場合があり、堆積されたままの膜における有機ケイ酸塩の相対的な量は、前駆体混合物中のケイ素含有前駆体の量と、基材上の有機ケイ酸塩の相対的な形成速度の関数である。同様に、堆積されたままの膜におけるポロゲンの量は、前駆体混合物中のポロゲン前駆体の量と、基材上のポロゲンの相対的な形成速度の関数である。したがって、膜形成工程の際、有機ケイ素前駆体とポロゲン前駆体の選択を通して、基材上に形成される有機ケイ酸塩とポロゲンのそれぞれの量、組成及び構造に独立して作用することが可能である。
【0038】
望ましい機械的性質を有する多孔質OSG膜は、1つ又は複数のケイ素含有前駆体とポロゲン前駆体を含有する化学試薬又は前駆体の混合物から調製される。以下は、異なるポロゲン前駆体とともに使用するのに適したケイ素含有前駆体の限定的でない例である。以下の化学式及び本明細書を通じてすべての化学式において、「独立して」という用語は、対象のR基が異なる上付き文字を有する他のR基に関して独立して選択されるだけでなく、同じR基の任意の追加の化学種に関しても独立して選択されることを示すと解されるべきである。例えば、式R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Siにおいて、n=2又は3である場合に、2つ又は3つのR1基が互いに又はR2と同一である必要はない。
【0039】
(1)式R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Siによって表され、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3である化学構造体;
【0040】
(2)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qによって表され、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3である化学構造体;
【0041】
(3)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qによって表され、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3である化学構造体;
【0042】
(4)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qによって表され、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R7がC2〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3である化学構造体;
【0043】
(5)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-tによって表され、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが2〜4、n+p≦4である化学構造体;
【0044】
(6)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-tによって表され、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが1〜3、n+p≦4である化学構造体;
【0045】
(7)式(NR1SiR23xの環状シラザンによって表され、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であることができる化学構造体;
【0046】
(8)式(C(R12)Si(R34))xの環状カルボシランによって表され、式中、R1〜R4が独立してH、C1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であることができる化学構造体。
【0047】
明細書を通して、前駆体及びポロゲン化前駆体としてシロキサン、カルボシラン及びシラザンが挙げられるが、方法及び膜はそれらに限定されず、例えば、他のシロキサン、例えば、トリシロキサン、テトラシロキサン、及び他の非常に長い直鎖シロキサンを使用することもできると解されるべきである。
【0048】
上記のケイ素含有前駆体は、ポロゲン前駆体及び/又は上に挙げた中の他の任意のケイ素含有前駆体と混合することができ、当該他の任意のケイ素含有前駆体は、n及び/又はmが0〜3である場合を除いてクラス中の様々なケイ素含有前駆体を含む。例:TEOS、トリエトキシシラン、ジ−tert−ブトキシシラン、シラン、ジシラン、ジ−tert−ブトキシジアセトキシシランなど。
【0049】
このような実施態様により、堆積されたままの膜の有機ケイ酸塩部分の量、構造及び組成の制御が容易になる。さらに、これらの実施態様により、堆積されたままの膜におけるポロゲン/有機ケイ酸塩の比を制御することができるか、堆積されたままの膜及び/又は最終的な膜の1つ又は複数の重要な特性を向上させることができるか、堆積されたままの膜のポロゲンサイズ又は最終的な膜の細孔サイズを制御することができるか、堆積されたままの膜のポロゲン分布又は最終的な膜の細孔分布を制御することができるか、及び/又は最終的な膜の細孔の結合性を制御することができる。例えば、シエトキシメチルシラン(DEMS)とポロゲン前駆体の反応によって形成される膜は、追加のケイ素含有前駆体、例えば、TEOSを使用することで膜の有機ケイ酸塩部分に結合する末端基の量を少なくする利益を得ることができ、それによって堆積されたままの膜及び最終的な多孔質膜中のケイ酸塩の密度を増加させ、1つ又は複数の望ましい膜特性、即ち、堆積されたままの膜及び最終的な膜の機械的強度又はより低い引張応力を改善する。更なる例は、ジ−tert−ブトキシメチルシランとポロゲン前駆体の反応によって形成される膜であり、ジ−tert−ブトキシ−ジアセトキシシランを反応チャンバーに加えることで同様に利益を得ることができる。それゆえ、幾つかの実施態様においては、2つ以下のSi−O結合を有する第1のケイ素含有前駆体と3つ以上のSi−O結合を有する第2のケイ素含有前駆体との混合物が、本発明の膜の化学組成に合わせて提供される。
【0050】
理論に縛られるものではないが、ポロゲンを用いた有機ケイ酸塩ガラス膜の設計細孔の形成では、ポロゲンのサイズ及び形状が、ポロゲンを除去することで形成される細孔のサイズ及び形状を主として決定することができる。したがって、最終的な膜の細孔のサイズ、形状、結合性、及び量は、堆積されたままの膜のポロゲンのサイズ、形状、結合性、及び量によって主として決定される。それゆえ、多孔質有機ケイ酸塩材料の細孔サイズ、形状、結合性、及び細孔の量は、ポロゲン前駆体の構造、組成、反応チャンバーに導入される有機ケイ酸塩前駆体/ポロゲン前駆体の比、及び反応チャンバーにおいて基材上にポロゲンを形成するのに使用される条件を制御することにより影響を受ける場合がある。さらに、ポロゲン前駆体の幾つかの組成及び構造は、堆積されたままの膜においてポロゲンを形成するのに有利な場合があり、最終的な膜に好ましい特性を与える。
【0051】
堆積されたままの膜におけるポロゲンは、反応チャンバーに導入されるポロゲン前駆体と同じ形態であってもよいし又は同じ形態でなくてもよい。ポロゲンの除去プロセスは、膜からポロゲンの実質的にすべて又はポロゲンのフラグメントを遊離又は除去する。ポロゲン前駆体、堆積されたままの膜におけるポロゲン、及び除去されるポロゲンは、同じ化学種であってもよいし又は同じ化学種でなくてもよいが、それらはすべてポロゲン前駆体又はポロゲン前駆体の混合物から生じることが好ましい。ポロゲンの組成が本発明のプロセスを通して変化するか否かにかかわらず、本明細書で用いられる「ポロゲン前駆体」という用語は、本明細書で記載されるプロセス全体を通じて見出されるあらゆる形態の、すべての細孔形成試薬及びそれらの誘導体を包含するものである。
【0052】
堆積されたままの膜におけるポロゲン材料の組成は、炭素及び水素、並びに酸素、窒素、フッ素、ホウ素及びリンから選択される元素の少なくとも1つから構成される。
【0053】
堆積されたままの膜中のポロゲンの構造及び組成は、様々な分析技術を用いて測定することができる。堆積されたままの膜のポロゲンの組成は、主として炭素から構成され、X線光電子分光法(XPS)及びラザフォード後方散乱/水素前方散乱(RBS/HFS)を含む種々の技術によって検出することができる。堆積されたままの膜の炭素含有量は、前駆体混合物中にポロゲン前駆体なしで堆積された比較の膜よりも10%を超えて高いか又は20%を超えて高い。堆積されたままの膜の高炭素含有量はまた、C−H振動伸縮の周波数と関連した2600〜3100cm-1の領域のピーク面積を測定することによりFT−IRを用いて測定することもできる。主として炭化水素のポロゲン種の場合には、この領域のピーク面積は、前駆体混合物中にポロゲン前駆体なしで堆積された比較の膜よりも少なくとも100%高いか又は200%高い。
【0054】
幾つかの実施態様においては、堆積されたままの膜のポロゲンの少なくとも一部又は実質的にすべては、1つ又は複数の後処理工程の際に実質的に除去することができる。1つ又は複数の後処理工程はまた、基材上に残って最終的な多孔質膜を形成する多孔質有機ケイ酸塩の網目構造の化学的な構造及び/又は組成に影響を与えることができる。
【0055】
ガス状、液体又は固体の化学物質は、様々な基準に基づいてポロゲン前駆体として使用するのに望ましいと評価することができる。例えば、基材上にポロゲンを形成するため、ポロゲン前駆体は、反応チャンバーに供給するのに十分揮発性であるべきである。いったん反応チャンバーに入ると、ポロゲン前駆体は、気相又は蒸気相で、あるいはまたポロゲンとして膜に取り込まれるよう基材表面上で反応を受けることができる。ポロゲン前駆体からのポロゲンの形成を促進するのに用いられる方法は、分子内反応及び/又は分子間反応を含み、例えば、二体衝突、三体衝突、側壁との衝突、不活性ガスとの衝突、準安定状態の不活性ガスとの反応、酸化性又は還元性ガスとの反応、ケイ酸塩の網目構造形成前駆体との反応又は衝突、プラズマ中での反応性電子との反応又は衝突、プラズマ中での反応性ニュートラルとの反応又は衝突、イオン化、酸化反応、還元反応、プラズマ中でのイオンとの衝突、光化学反応又は転位、熱活性化反応又は転位、基材上での活性化された及び/又は中性の化学種との反応、あるいは膜中にポロゲンを堆積させるのに考えられる実行可能な方法である基材上にポロゲン前駆体を堆積させることができる他の任意の方法を含む。ポロゲン前駆体はまた、ポロゲンに転化するのに基材上への凝縮以外の反応を受けることはない。
【0056】
ポロゲン前駆体の構造及び組成は、基材上へのポロゲンの形成のためにポロゲン前駆体を有用なものにする官能基を含有することができる。ポロゲン前駆体中に含まれる官能基の例としては、エーテル;エポキシド;アルデヒド;ケトン;ケテン;アセトキシ;エステル;アクリレート;アクロレイン;アクリル酸;アクリロニトリル;カルボン酸;第一、第二又は第三アミン;ニトロ;シアノ;イソ−シアノ;アミド;イミド;無水物;部分的に及び/又は過フッ素化された基;ホウ窒化物;ホウ酸、ホウ酸塩;ホスフィル(phosphyl)、亜リン酸塩及び/又はリン酸塩;及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
プラズマ増強化学気相成長技術を用いたポロゲン前駆体からのポロゲン形成は、ポロゲン前駆体中の官能基の電子衝突断面積に依存する場合があると考えられ、当該ポロゲン前駆体中の官能基は、ポロゲンが形成される第2の反応を誘発することができる。それゆえ、幾つかの実施態様においては、元素、組成物及び/又は構造体、例えば、他の原子種、例えば、O2、N2、B又はPhは、ポロゲン前駆体及び硬化プロセスからポロゲンを形成する速度を向上させるのに望ましいであろう。
【0058】
理論に縛られることを意図するものではないが、ポロゲン前駆体からのポロゲンの形成が有機ケイ素前駆体からの有機ケイ酸塩の形成に有意に作用しないこと、及び幾つかの条件下で有機ケイ酸塩膜とポロゲンの間の共有結合を最小にすることが可能である。例えば、堆積されたままの膜のポロゲン領域と有機ケイ酸塩領域の間の共有結合が不足していると、後処理工程によって堆積されたままの膜から容易にポロゲンを除去することができ、1つ又は複数の後処理工程のサーマルバジェット要件を最小にすることができる。半導体処理に関する主な制約の1つがサーマルバジェットである。個々のプロセス工程に関するサーマルバジェットは、当該工程を実施するのに必要とされる時間と温度からなる。幾つかの例では、任意のプロセス工程に関するサーマルバジェットを最小にすることが望ましい場合がある。それゆえ、低温及び/又は短時間で実施できるプロセスが、高温及び/又は長時間を必要とする類似のプロセスよりも望ましい。それゆえ、本明細書で記載されるポロゲン前駆体とケイ素含有前駆体は、サーマルバジェットを制御することができるか又は最小にすることさえできる幾つかのプロセス工程によって、多孔質の有機ケイ酸塩膜を形成する。
【0059】
ポロゲンは、後処理工程によって堆積されたままの膜から除去され、当該後処理工程は、不活性雰囲気下での熱アニーリング、真空下での熱アニーリング、酸化性雰囲気下での熱アニーリング、還元性雰囲気下での熱アニーリング、酸化性及び/又は還元性化学試薬にさらすこと、電子ビーム放射線にさらすこと、酸化性プラズマにさらすこと、還元性プラズマにさらすこと、真空下で紫外光にさらすこと、不活性雰囲気下で紫外光にさらすこと、酸化性及び/又は還元性雰囲気下で紫外光にさらすこと、真空下でマイクロ波放射線にさらすこと、不活性雰囲気下でマイクロ波放射線にさらすこと、酸化性及び/又は還元性雰囲気下でマイクロ波放射線にさらすこと、レーザーからの放射線にさらすこと、ここに挙げた任意のプロセスの同時の適用にさらすこと、又は膜の構造を低下させ、膜からポロゲンを除去する開始剤として作用する任意の形態のエネルギー又は化学処理にさらすことを含むことができる。他のその場又は堆積後処理は、硬さ、(収縮、大気暴露、エッチング、湿式エッチングなどに対する)安定性、完全性、均一性及び付着力のような材料特性を向上させるのに使用することができる。このような処理は、ポロゲンの除去に用いられるのと同じか又は異なる手段によってポロゲンの除去前、その間及び/又はその後に適用することができる。したがって、本明細書で用いられる「後処理」という用語は、エネルギー(例えば、熱、プラズマ、光子、電子、マイクロ波など)又は化学物質によって膜を処理してポロゲンを除去し、任意選択で材料特性を向上させることを典型的に示す。
【0060】
ポロゲン前駆体は、構造、組成又は堆積されたままの膜からポロゲンを完全に除去するのを助ける官能基を含めたものに基づいて選択することができる。例えば、熱的にセンシティブな、光センシティブな又は化学的にセンシティブな官能基を基材上のポロゲンに含ませることになるポロゲン前駆体により、熱、光又は化学反応を効率的に利用して膜からポロゲンを除去することが可能となる。それゆえ、ポロゲン前駆体の使用により、堆積されたままの膜中にポロゲンが形成され、そこでは、ポロゲンはポロゲンの化学基又は構造の活性化によって効率的でかつ潜在的に完全な除去を受けることができる。
【0061】
後処理が実施される条件は大きく変えることができる。例えば、後処理は、高圧、大気圧又は真空下で実施することができる。後処理はまた、高温(400〜500℃)、低温(−100℃以上)又はこれらの2点の間の温度で実施することができる。後処理はまた、様々な圧力及び/又は温度の組み合わせのもとで実施される一連の工程からなる。
【0062】
熱アニーリングは、以下の条件下で実施される。即ち、その環境は、不活性(例えば、窒素、CO2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)など)、酸化性(例えば、酸素、空気、希釈酸素環境、酸素富化環境、オゾン、一酸化二窒素など)又は還元性(希釈又は濃縮水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖又は分枝、芳香族)など)であることができる。圧力は、好ましくは約1torr〜約1000torr、より好ましくは大気圧である。しかしながら、真空の周囲環境もまた、熱アニーリング及び他の任意の後処理手段に関して可能である。温度は200〜500℃が好ましく、温度ランプ速度は0.1〜100℃/分である。合計のアニーリング時間は、0.01分〜12時間が好ましい。
【0063】
OSG膜の化学処理は、以下の条件、即ち、フッ素化(HF、SIF4、NF3、F2、COF2、CO22など)、酸化(H22、O3など)、化学乾燥、メチル化、又は最終材料の特性を向上させる他の化学処理を使用することで実施される。このような処理に用いられる化学物質は、固体、液体、ガス状及び/又は超臨界流体の状態であることができる。
【0064】
有機ケイ酸塩膜からポロゲンを選択的に除去するための超臨界流体の後処理は、以下の条件下で実施することができる。即ち、流体は、二酸化炭素、水、一酸化二窒素、エチレン、SF6及び/又は他のタイプの化学物質であることができる。他の化学物質を超臨界流体に添加してプロセスを向上させることができる。化学物質は、不活性(例えば、窒素、CO2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)など)、酸化性(例えば、酸素、オゾン、一酸化二窒素など)又は還元性(希釈又は濃縮炭化水素、水素など)であることができる。温度は周囲温度から500℃が好ましい。化学物質はまた、界面活性剤などのより大きな化学種を含むことができる。合計の暴露時間は0.01分〜12時間が好ましい。
【0065】
ポロゲンの除去、場合により有機ケイ酸塩の化学的な改質のためのプラズマ処理は、以下の条件下で実施される。即ち、その環境は、不活性(窒素、CO2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)など)、酸化性(例えば、酸素、空気、希釈酸素環境、酸素富化環境、オゾン、一酸化二窒素など)又は還元性(例えば、希釈又は濃縮水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖又は分枝、芳香族)など)であることができる。プラズマ電力は0〜5000Wが好ましい。温度は周囲温度から500℃が好ましい。圧力は10mtorrから大気圧が好ましい。合計の硬化時間は0.01分〜12時間が好ましい。ウェハサイズはプロセスに依存している。
【0066】
ポロゲンを除去するための光硬化は、以下の条件下で実施される。即ち、その環境は、不活性(例えば、窒素、CO2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)など)、酸化性(例えば、酸素、空気、希釈酸素環境、酸素富化環境、オゾン、一酸化二窒素など)又は還元性(例えば、希釈又は濃縮炭化水素、水素など)であることができる。温度は周囲温度から500℃が好ましい。電力は平方インチ当たり0.1〜5000Wが好ましい。波長はIR、可視、UV又は深UV(波長<200nm)が好ましい。合計の硬化時間は0.01分〜12時間が好ましい。
【0067】
ポロゲンを除去するためのマイクロ波の後処理は、以下の条件下で実施される。即ち、その環境は、不活性(例えば、窒素、CO2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)など)、酸化性(例えば、酸素、空気、希釈酸素環境、酸素富化環境、オゾン、一酸化二窒素など)又は還元性(例えば、希釈又は濃縮炭化水素、水素など)であることができる。温度は周囲温度から500℃が好ましい。電力及び波長は、具体的な結合に対して変化し調整できる。合計の硬化時間は0.01分〜12時間が好ましい。
【0068】
ポロゲンを除去するための及び/又は膜特性を改善するための電子ビームの後処理は、以下の条件下で実施される。即ち、その環境は、真空、不活性(例えば、窒素、CO2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)など)、酸化性(例えば、酸素、空気、希釈酸素環境、酸素富化環境、オゾン、一酸化二窒素など)又は還元性(例えば、希釈又は濃縮炭化水素、水素など)であることができる。温度は周囲温度から500℃が好ましい。電子密度及びエネルギーは、具体的な結合に対して変化し調整できる。合計の硬化時間は0.001分〜12時間が好ましく、連続であってもよいし又はパルスであってもよい。電子ビームの一般的な使用に関する更なる指導は、S.Chattopadhyayら,Journal of Materials Science,36(2001)4323−4330;G.Klosterら,Proceedings of IITC,June 3−5,2002,SF,CA;並びに米国特許第6,207,555号明細書、同第6,204,201号明細書及び同第6,132,814号明細書などの刊行物において利用できる。電子ビーム処理の使用により、ポロゲンの除去及び膜の機械的性質の向上を可能とすることができる。
【0069】
膜の多孔性を向上させることができると、かさ密度がそれに対応して減少し、材料の誘電率における更なる減少が生じて、本材料の適用性が将来の世代(例えば、k<2.0)まで拡大される。
【0070】
実質的にすべてのポロゲンが除去される実施態様においては、実質的にすべてのポロゲンの除去は、後処理された多孔質有機ケイ酸塩とポロゲン前駆体なしで反応チャンバーにおいて形成された類似の有機ケイ酸塩膜との間の炭化水素領域(別名C−Hx、2600〜3100cm-1)に関するFT−IR吸収において統計学的に有意な測定差がない場合に仮定される。
【0071】
以下は、ポロゲン前駆体として使用するのに好適な材料の限定的でない例である。
【0072】
(1)1つ又は複数のアルコール基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(OH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール官能性が環外及び/又は環内にあることができる。例:プロパノール(n=3、x=0、y=0、z=1)、エチレングリコール(n=2、x=0、y=0、z=2)、ヘキサノール(n=6、x=0、y=0、z=1)、シクロペンタノール(n=5、x=1、y=0、z=1)、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール(n=6、x=0、y=2、z=2)、クレゾール(n=7、x=1、y=3、z=1)及びレゾルシノール(n=6、x=1、y=3、z=2)など。
【0073】
(2)1つ又は複数のエーテル基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2yzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエーテル結合の数であって1〜4であり、1つ又は複数のエーテル結合が環外及び/又は環内にあることができる。例:ジエチルエーテル(n=4、x=0、y=0、z=1)、2−メチル−テトラヒドロフラン(n=5、x=1、y=0、z=1)、2,3−ベンゾフラン(n=8、x=2、y=4、z=1)、エチレングリコールジビニルエーテル(n=6、x=0、y=2、z=2)、シネオール(オイカリプトール)(n=10、x=2、y=0、z=1)など。
【0074】
(3)1つ又は複数のエポキシド基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエポキシド基の数であって1〜4であり、エポキシド基が環状環又は直鎖に結合することができる。例:1,2−エポキシ−3−メチルブタン(n=5、x=0、y=0、z=1)、1,2−エポキシ−5−ヘキセン(n=5、x=0、y=1、z=1)、シクロヘキセンオキシド(n=6、x=1、y=0、z=1)、9−オキサビシクロ[6.1.0]ノ−4−エン(n=8、x=1、y=1、z=1)など。
【0075】
(4)1つ又は複数のアルデヒド基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4である。例:シクロペンタンカルボキシアルデヒド(n=5、x=1、y=0、z=1)など。
【0076】
(5)1つ又は複数のケトン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4であり、1つ又は複数のケトン基が環外及び/又は環内にあることができる。例:3,4−ヘキサンジオン(n=6、x=0、y=0、z=2)、シクロペンタノン(n=5、x=1、y=0、z=1)、メシチルオキシド(n=6、x=0、y=1、z=1)など。
【0077】
(6)1つ又は複数のカルボン酸基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-3z(OOH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のカルボン酸基の数であって1〜4である。例:シクロペンタンカルボン酸(n=6、y=1、x=0、z=1)など。
【0078】
(7)偶数のカルボン酸基を含有し、酸性官能性が脱水されて環状無水物基を形成し、一般式Cn2n+2-2x-2y-6z(O3zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である。例:無水マレイン酸(n=2、x=0、y=1、z=1)など。
【0079】
(8)エステル基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であり、不飽和結合がエステルのカルボニル基と共役ではなく、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である。
【0080】
(9)エステル基と当該エステル基のカルボニルと共役である少なくとも1つの不飽和結合とからなるアクリレート官能性を含有し、かつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって1以上であり、不飽和結合の少なくとも1つがエステルのカルボニル基と共役であり、zが構造中のエステル基の数であって1又は2である。例:エチルメタクリレート(n=6、x=0、y=1、z=1)など。
【0081】
(10)エーテルとカルボニル官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2w-2x-2y(O)y(O)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる。例:エトキシメタクロレイン(n=6、w=0、x=1、y=1、z=1)など。
【0082】
(11)エーテルとアルコール官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2w-2x-y(OH)y(O)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yが構造中のアルコール基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる。例:3−ヒドロキシテトラヒドロフランなど。
【0083】
(12)アルコール、エーテル、カルボニル、及びカルボン酸から選択された官能基の任意の組み合わせを含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2y-3z(OH)w(O)x(O)y(OOH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが構造中のアルコール基の数であって0〜4であり、xが構造中のエーテル基の数であって0〜4であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができ、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であって0〜3であり、zが構造中のカルボン酸基の数であって0〜2である。
【0084】
(13)1つ又は複数の第一アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(NH2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる。例:シクロペンチルアミン(n=5、x=1、y=0、z=1)など。
【0085】
(14)1つ又は複数の第二アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(NH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第二アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる。例:ジイソプロピルアミン(n=6、x=0、y=0、z=1)、ピペリジン(n=5、x=1、y=0、z=1)、ピリド(pyride)(n=5、x=1、y=3、z=1)など。
【0086】
(15)1つ又は複数の第三アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-3z(N)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第三アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる。例:トリエチルアミン(n=6、x=0、y=0、z=1)、N−メチルピロリジン(n=5、x=1、y=0、z=1)、N−メチルピロール(n=5、x=1、y=2、z=1)など。
【0087】
(16)1つ又は複数のニトロ基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(NO2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のニトロ基の数であって1〜4であり、ニトロ官能性が環外及び/又は環内にあることができる。例:ニトロシクロペンタン(n=5、x=1、y=0、z=1)、ニトロベンゼン(n=6、x=1、y=3、z=1)など。
【0088】
(17)アミンとエーテル官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる。例:2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール(n=4、u=0、v=0、w=1、x=1、y=0、z=1)、N−メチルモルホリン(n=5、u=1、v=0、w=0、x=0、y=1、z=1)など。
【0089】
(18)アミンとアルコール官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のエーテル基の数であって1〜4であり、エーテル及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる。例:テトラヒドロフルフリルアミン(n=5、u=1、v=0、w=1、x=0、y=0、z=1)など。
【0090】
(19)アミンとカルボニル官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-2z(NH2w(NH)x(N)y(O)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のカルボニル基の数であって1〜4であり、カルボニル基が1つ又は複数のアルデヒド及び/又はケトンであることができ、カルボニル及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる。例:N,N−ジエチルホルムアミド(n=5、u=0、v=0、w=0、x=0、y=1、z=1)、(ジメチルアミン)アセトン(n=5、u=0、v=0、w=0、x=0、y=1、z=1)、N−メチルピロリジノン(n=5、u=1、v=1、w=0、x=0、y=1、z=1)など。
【0091】
幾つかの実施態様においては、前駆体混合物はポロゲン化前駆体をさらに含む。以下は、ポロゲン材料がR1、R3又はR7の1つ又は複数であるSi系ポロゲン化前駆体の限定的でない例である。
【0092】
−R1n(OR23-nSiであって、式中、R1が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3である。例:ジエトキシ−ネオ−ヘキシルシラン。
【0093】
−R1n(OR23-nSi−O−SiR3m(OR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR4が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1,3−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシロキサン。
【0094】
−R1n(OR23-nSi−SiR3m(OR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR4が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1,2−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン。
【0095】
−R1n(OR23-nSi−R7−SiR3m(OR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR4が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R7がC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素でありかつ2つのSi原子を架橋し、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1,4−ビス(ジメトキシシリル)シクロヘキサン。
【0096】
−R1n(OR23-nSi−SiR3m(OR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR4が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1,2−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン。
【0097】
−R1n(O(O)CR24-nSiであって、式中、R1が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3である。例:ジアセトキシ−ネオ−ヘキシルシラン。
【0098】
−R1n(O(O)CR23-nSi−O−SiR3m(O(O)CR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR4が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1,3−ジアセトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシロキサン。
【0099】
−R1n(O(O)CR23-nSi−SiR3m(O(O)CR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR4が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1,2−ジアセトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン。
【0100】
−R1n(O(O)CR23-nSi−O−SiR3m(OR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R4が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1−アセトキシ−3,3−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシロキサン。
【0101】
−R1n(O(O)CR23-nSi−SiR3m(OR43-mであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R4が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3である。例:1−アセトキシ−2,2−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシラン。
【0102】
−R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Siであって、式中、R1が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、pが1〜3である。例:アセトキシ−t−ブトキシ−ネオ−ヘキシルシラン。
【0103】
−R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR6が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R4及びR5が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3であり、pが1〜3であり、qが1〜3である。例:1,3−ジアセトキシ−1,3−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシロキサン。
【0104】
−R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R2及びR6が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、R4及びR5が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、nが1〜3であり、mが1〜3であり、pが1〜3であり、qが1〜3である。例:1,2−ジアセトキシ−1,2−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシラン。
【0105】
−式(OSiR13xの環状シロキサンであって、式中、R1及びR3が独立してH、C1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であることができ、xが2〜8の任意の整数であることができる。例:例えば、1−ネオヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン。
【実施例】
【0106】
すべての実験は、ドープしていないTEOSプロセスキットを用いて、Advance Energy 2000高周波発生器を備えた200mm DxZチャンバーにおいて、Applied Materials Precision−5000システムにより実施した。この処方は、以下の基本的な工程、即ち、ガス流、堆積、及びウェハを取り出す前のチャンバーのパージ/排気についての初期設定及び安定化を伴った。
【0107】
熱アニーリングを有する1つ又は複数の後処理を、N2下で少なくとも1時間425℃で以って管状炉において実施した。UV光への暴露を、H+バルブを備えたFusion UV製6000ワット広域紫外線ランプを用いて実施した。雰囲気は、光で膜を照射できるように12.52mm厚さの合成シリカプレートを備えた処理チャンバーに膜を置くことにより制御した。チャンバー中の圧力は、0.3〜760torrに維持した。
【0108】
ポロゲン:DEMSの比は、反応チャンバーに導入されるケイ素含有前駆体に対するポロゲン前駆体の相対的なモル濃度である。この比が増加するにつれて、ケイ素含有前駆体に対するポロゲン前駆体の量が増加する。モル比であるため、相対濃度は分子当たりのベースであり、例えば、ポロゲン:DEMSの比が4とは、ケイ素含有前駆体1分子につき、反応チャンバーに導入されるポロゲン前駆体が4分子であることを意味する。
【0109】
堆積速度とは、堆積されたままの膜が反応チャンバー中の基材上に形成される速度である。それは、堆積されたままの膜の膜厚を測定し、それを堆積が起こった時間の量で割ることにより決定される。堆積速度は、ポロゲン前駆体とケイ素含有前駆体が堆積チャンバーで反応を受け、基材表面上にそれぞれポロゲンと有機ケイ酸塩を形成する効率に関係している。
【0110】
厚さと屈折率は、SCI Filmtek 2000 Reflectometerによって測定した。材料の屈折率は、
【数1】

と規定され、式中、cは真空下での光の速度であり、υは膜を通過する光の速度である。屈折率は632nmの光を用いて測定される。膜を通過する光の速度は、膜の電子密度に依存しており、この研究において膜の堆積されたままの膜特性と最終的な膜特性を比較及び対照するために、誘電率と相当に関連がある。それゆえ、より高い屈折率を有する膜は、より高い誘電率の値を一般に有する。一般的には、後処理後の膜は、堆積されたままの膜よりも低い屈折率を有する。これは、堆積されたままの膜中のポロゲンが空隙空間に取って代わり、空気の屈折率がポロゲンのおよそ1.400〜1.600に比べておよそ1.00029であるからである。
【0111】
材料の誘電率kは、
【数2】

と規定され、式中、Cは誘電体のキャパシタンスであり、C0は真空のキャパシタンスである。キャパシタンスは、水銀プローブ技術を用いて低抵抗率のp−タイプのシリコンウェハ(<0.02Ω−cm)上に堆積した、堆積されたままの膜及び/又は最終的な多孔質有機ケイ酸塩膜に関して測定した。
【0112】
機械的性質(ナノインデンテーション硬さ、ヤング率)は、標準的なプロトコルを用いたMTS Nano Indenterによって決定した。
【0113】
熱安定性及びオフガス生成物は、Thermo TA Instruments 2050 TGAの熱重量分析によって決定した。組成データは、Physical Electronics 5000LSのX線光電子分光法(XPS)によって得た。表において報告される原子%値は水素を含んでいない。
【0114】
以下の表の幾つかにおいて、「n/a」は、データが入手できないことを示している。
【0115】
[例1]
[ポロゲン前駆体/ケイ素含有前駆体の化学量論量の変化]
比較の膜を、シクロヘキサノン(CHO)とジエトキシメチルシラン(DEMS)の混合物から堆積させた。堆積条件は以下の通りであった。即ち、プラズマ電力が450ワット、反応チャンバーの圧力が8torr、電極の間隔が350ミリインチ、キャリヤーガスが流量210sccmのヘリウム、基材温度が225℃であった。反応チャンバーへの化学物質の合計流量を一定にしたままにして、CHOとDEMSの流量を変化させて反応チャンバーに導入されるCHOとDEMSの比を制御した。膜は、真空下で5分間、広域UV光(λ=200〜400nm)に膜をさらすことにより後処理した。
【0116】
【表1】

【0117】
表1a及び2aのデータは、前駆体の化学量論量の変化によって膜の最終的な特性が変化することを示している。これは、反応チャンバーに入る化学フィード中のポロゲン前駆体とケイ素含有前駆体の量が、主として基材上に堆積されるポロゲンと有機ケイ酸塩それぞれの量を決定するからである。例えば、最も高いCHO:DEMS比では、最も低い最終的な膜の誘電率が達成される。CHO:DEMS比が減少するにつれて、膜の誘電率と機械的硬さの両方が高くなる。それゆえ、膜の特性は、反応チャンバー中のポロゲン前駆体の量と有機ケイ素前駆体の量によって制御することができる。
【0118】
[例2]
[ポロゲン前駆体の官能基]
ポロゲン前駆体の構造及び/又は組成はまた、膜の特性を制御するのに使用することができる。複合膜は、CHO又は1,2,4−トリメチルシクロヘキサン(TMC)から堆積した。表2は、これら前駆体の無希釈の液体特性を比較している。CHO前駆体はケトン官能基を有する6炭素環からなり、一方で、TMC前駆体は3つのメチル基が1、2及び4−位に結合した6炭素環を有する。
【0119】
【表2】

【0120】
TMCとDEMS又はCHOとDEMSから堆積した複合膜の堆積条件は、表3に詳述される。CHO前駆体を用いて堆積した膜は、より高い堆積速度と堆積されたままの屈折率を有し、これは堆積されたままのTMC膜と比べて堆積されたままのCHO膜のポロゲン濃度がより高いことを示している。このより高いCHO膜のポロゲン量は、図2で示される堆積されたままの膜のFT−IRスペクトルを調べることにより容易に観測することができる。図2のスペクトルは、1μmの膜厚に標準化されている。堆積されたままの膜のポロゲン濃度は、2700〜3100cm-1のC−Hx振動伸縮における増加として最もよく観測される。表3のデータは、CHO−1膜のピーク面積が5.25であり、一方で、TMC−1膜のピーク面積が3.27しかないことを示している。したがって、CHOポロゲン前駆体は、同様のプロセス条件下では堆積されたままの複合膜のC−Hx結合濃度を増加させるのにより効果的である。
【0121】
【表3】

【0122】
図3は、広域UV光に真空下で5分間さらした後のCHO−1膜とTMC−1膜のFT−IRスペクトルを示している。このスペクトルは、両方の膜のC−Hxピーク面積がそれぞれ約0.9と0.6に減少したことを示している。ポロゲンを除去した後のC−Hxピークの強度差は、CHO−1膜により多量のSi−CH3基があることに起因するとみなすことができ、CHO−1膜はこの領域に幾らかの吸収を与えている。
【0123】
広域UV光に真空下で5分間さらした後のTMC−1とCHO−1に関する最終的な膜の特性を表4に挙げる。このデータは、CHO−1膜がTMC−1膜よりも低い誘電率を有することを示している。これは、CHO前駆体を用いて達成されるより高いポロゲン濃度、それゆえより高い多孔性の度合いによるものである。それゆえ、多孔質有機ケイ酸塩膜の1つ又は複数の特性を向上させるために、純粋に有機の組成を有するポロゲン前駆体と比べてケトン又は他の官能基を有するポロゲン前駆体を選択することが、幾つかの用途にとって有利な場合がある。
【0124】
【表4】

【0125】
[例3]
複合膜を、モルパーセント比22/78のシクロヘキサノン(CHO)とジエトキシメチルシラン(DEMS)の混合物から堆積させた。堆積条件は以下の通りであった。即ち、プラズマ電力が600ワット、反応チャンバーの圧力が8torr、電極の間隔が350ミリインチ、キャリヤーガスが流量200sccmのCO2、添加ガスが流量10sccmのO2、堆積速度が450ナノメートル(nm)/分、基材温度が250℃であった。反応チャンバーへの化学物質の合計流量を一定にしたままにして、CHOとDEMSの流量を変化させて反応チャンバーに導入されるCHOとDEMSの比を制御した。膜は、真空下で5分間、広域UV光(λ=200〜400nm)に膜をさらすことにより後処理し、収縮の割合は30%であった。堆積されたままの膜とUV処理にさらした後の最終的な膜の種々の特性を表5に与える。
【0126】
図4は、広域UV光に真空下で5分間さらす前、即ち、堆積されたままの状態、及びさらした後のDEMS/CHO膜のFT−IRスペクトルを示している。このスペクトルは、堆積されたままの膜に対するUV処理後の膜のC−Hxピーク面積が約84%減少したことを示している。
【0127】
【表5】

【0128】
複合膜を、モルパーセント比20/80のDMHDとジエトキシメチルシラン(DEMS)の混合物から堆積させた。堆積条件は以下の通りであった。即ち、プラズマ電力が600ワット、反応チャンバーの圧力が8torr、電極の間隔が350ミリインチ、キャリヤーガスが流量200sccmのCO2、添加ガスが流量10sccmのO2、基材温度が300℃であった。反応チャンバーへの化学物質の合計流量を一定にしたままにして、DMHDとDEMSの流量を変化させて反応チャンバーに導入されるDMHDとDEMSの比を制御した。膜は、真空下で5分間、広域UV光(λ=200〜400nm)に膜をさらすことにより後処理し、収縮の割合は30%であった。堆積されたままの膜とUV処理にさらした後の最終的な膜の種々の特性を表6に与える。
【0129】
図5は、広域UV光に真空下で5分間さらす前、即ち、堆積されたままの状態、及びさらした後のDEMS/DMHD膜のFT−IRスペクトルを示している。
【0130】
【表6】

【0131】
DEMSを含有する膜は、以下のポロゲン前駆体、即ち、ATP、LIM、CHO、CHOxを用いて堆積した。各膜の堆積条件を表7a〜7dに与える。UV硬化に5分間さらした後の最終的な膜の特性を表8a〜8dに与える。図6は、これらの膜の硬さと誘電率の関係を示している。
【0132】
【表7】

【0133】
【表8】

【0134】
【表9】

【0135】
【表10】

【0136】
【表11】

【0137】
【表12】

【0138】
【表13】

【0139】
【表14】

【0140】
【表15】

【0141】
【表16】

【0142】
【表17】

【0143】
【表18】

【0144】
【表19】

【0145】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
細孔及び2.7以下の誘電率を有する有機ケイ酸塩ガラスの多孔質膜を基材上に形成するための化学気相成長法であって、少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体と、
(a)1つ又は複数のアルコール基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(OH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール官能性が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(b)1つ又は複数のエーテル基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2yzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエーテル結合の数であって1〜4であり、1つ又は複数のエーテル結合が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(c)1つ又は複数のエポキシド基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエポキシド基の数であって1〜4であり、エポキシド基が環状環又は直鎖に結合することができる炭化水素構造体;
(d)1つ又は複数のアルデヒド基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4である炭化水素構造体;
(e)1つ又は複数のケトン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4であり、1つ又は複数のケトン基が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(f)1つ又は複数のカルボン酸基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-3z(OOH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のカルボン酸基の数であって1〜4である炭化水素構造体;
(g)偶数のカルボン酸基を含有し、酸性官能性が脱水されて環状無水物基を形成し、一般式Cn2n+2-2x-2y-6z(O3zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である炭化水素構造体;
(h)エステル基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であり、不飽和結合がエステルのカルボニル基と共役ではなく、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である炭化水素構造体;
(i)エステル基と当該エステル基のカルボニルと共役である少なくとも1つの不飽和結合とからなるアクリレート官能性を含有し、かつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって1以上であり、不飽和結合の少なくとも1つがエステルのカルボニル基と共役であり、zが構造中のエステル基の数であって1又は2である炭化水素構造体;
(j)エーテルとカルボニル官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2w-2x-2y(O)y(O)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる炭化水素構造体;
(k)エーテルとアルコール官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2w-2x-y(OH)y(O)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yが構造中のアルコール基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる炭化水素構造体;
(l)アルコール、エーテル、カルボニル、及びカルボン酸から選択された官能基の任意の組み合わせを含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2y-3z(OH)w(O)x(O)y(OOH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが構造中のアルコール基の数であって0〜4であり、xが構造中のエーテル基の数であって0〜4であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができ、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であって0〜3であり、zが構造中のカルボン酸基の数であって0〜2である炭化水素構造体;
(m)1つ又は複数の第一アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(NH2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(n)1つ又は複数の第二アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(NH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第二アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(o)1つ又は複数の第三アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-3z(N)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第三アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(p)1つ又は複数のニトロ基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(NO2zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のニトロ基の数であって1〜4であり、ニトロ官能性が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(q)アミンとエーテル官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;
(r)アミンとアルコール官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zを有する炭化水素構造体であって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のエーテル基の数であって1〜4であり、エーテル及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる炭化水素構造体;並びに
(s)それらの混合物
からなる群より選択されたポロゲン前駆体とを含む前駆体混合物を反応させることを含む、方法。
【請求項2】
前記誘電率が1,9よりも低い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多孔質膜が、Sivwxyz(式中、v+w+x+y+z=100%、vは20〜30原子%、wは20〜45原子%、xは5〜20原子%、yは15〜40原子%、zは0である)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
zが0.5〜7原子%であり、少なくとも1つのフッ素化剤が、SiF4、NF3、F2、COF2、CO22及びHFからなる群より選択され、Fを前記多孔質膜に導入するのに使用され、当該多孔質膜中の実質的にすべてのFがSi−F基のSiに結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記膜中の水素の50%以上が炭素に結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多孔質膜が1.5g/ml未満の密度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記細孔が3nm以下の等価球径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多孔質膜のフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルが、ガス状試薬中にポロゲン前駆体がないこと以外は前記方法と実質的に同一のプロセスによって調製された参照膜の参照FTIRと実質的に同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記多孔質膜が、ガス状試薬中にポロゲン前駆体がないこと以外は前記方法と実質的に同一のプロセスによって調製された参照膜よりも少なくとも0.3低い誘電率を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記多孔質膜が、ガス状試薬中にポロゲン前駆体がないこと以外は前記方法と実質的に同一のプロセスによって調製された参照膜よりも少なくとも10%低い誘電率を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記多孔質膜が、N2中425℃等温で1.0wt%/hよりも小さい平均減量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記多孔質膜が、空気中425℃等温で1.0wt%/hよりも小さい平均減量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ポロゲン前駆体が、少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式SiR1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)によって表され、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qによって表され、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qによって表され、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qによって表され、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R7がC2〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-tによって表され、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが2〜4、n+p≦4である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-tによって表され、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが1〜3、n+p≦4である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式(N(R1)Si(R12))xの環状シラザンによって表され、式中、R1及びR2が独立してH、C1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、式(C(R12)Si(R12))xの環状カルボシランによって表され、式中、R1及びR2が独立してH、C1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であることができ、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジ−イソプロポキシメチルシラン、ジ−tert−ブトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−イソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、及びトリ−tert−ブトキシシランからなる群より選択された構成要素である、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体が、2つ以下のSi−O結合を有する第1のケイ素含有前駆体と3つ以上のSi−O結合を有する第2のケイ素含有前駆体との混合物であり、当該混合物が、前記多孔質膜の化学組成に合わせて提供され、但し、当該前駆体が少なくとも1つのSi−O結合を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数のアルコール基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(OH)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール官能性が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数のエーテル基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2yzを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエーテル結合の数であって1〜4であり、1つ又は複数のエーテル結合が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数のエポキシド基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエポキシド基の数であって1〜4であり、エポキシド基が環状環又は直鎖に結合することができる、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数のアルデヒド基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4である、請求項13に記載の方法。
【請求項28】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数のケトン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2zzを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4であり、1つ又は複数のケトン基が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項29】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数のカルボン酸基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-3z(OOH)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のカルボン酸基の数であって1〜4である、請求項13に記載の方法。
【請求項30】
前記ポロゲン前駆体が、偶数のカルボン酸基を含有し、酸性官能性が脱水されて環状無水物基を形成し、一般式Cn2n+2-2x-2y-6z(O3zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である、請求項13に記載の方法。
【請求項31】
前記ポロゲン前駆体が、エステル基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であり、不飽和結合がエステルのカルボニル基と共役ではなく、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である、請求項13に記載の方法。
【請求項32】
前記ポロゲン前駆体が、エステル基と当該エステル基のカルボニルと共役である少なくとも1つの不飽和結合とからなるアクリレート官能性を含有し、かつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって1以上であり、不飽和結合の少なくとも1つがエステルのカルボニル基と共役であり、zが構造中のエステル基の数であって1又は2である、請求項13に記載の方法。
【請求項33】
前記ポロゲン前駆体が、エーテルとカルボニル官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2w-2x-2y(O)y(O)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項34】
前記ポロゲン前駆体が、エーテルとアルコール官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2w-2x-y(OH)y(O)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yが構造中のアルコール基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項35】
前記ポロゲン前駆体が、アルコール、エーテル、カルボニル、及びカルボン酸から選択された官能基の任意の組み合わせを含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2y-3z(OH)w(O)x(O)y(OOH)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが構造中のアルコール基の数であって0〜4であり、xが構造中のエーテル基の数であって0〜4であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができ、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であって0〜3であり、zが構造中のカルボン酸基の数であって0〜2である、請求項13に記載の方法。
【請求項36】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数の第一アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(NH2zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項37】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数の第二アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-2z(NH)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第二アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項38】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数の第三アミン基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-3z(N)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第三アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項39】
前記ポロゲン前駆体が、1つ又は複数のニトロ基を含有しかつ一般式Cn2n+2-2x-2y-z(NO2zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のニトロ基の数であって1〜4であり、ニトロ官能性が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項40】
前記ポロゲン前駆体が、アミンとエーテル官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項41】
前記ポロゲン前駆体が、アミンとアルコール官能基の両方を含有しかつ一般式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zを有する炭化水素構造体によって表され、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のエーテル基の数であって1〜4であり、エーテル及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる、請求項13に記載の方法。
【請求項42】
前記前駆体混合物がポロゲン化前駆体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記ポロゲン化前駆体が、1−ネオヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−ネオペンチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ネオペンチルジエトキシシラン、ネオヘキシルジエトキシシラン、ネオヘキシルトリエトキシシラン、ネオペンチルトリエトキシシラン、及びネオペンチル−ジ−t−ブトキシシランからなる群より選択された構成要素である、請求項19に記載の方法。
【請求項44】
前記膜が式Sivwxyzによって表される材料からなり、式中、v+w+x+y+z=100%、vが10〜35原子%、wが10〜65原子%、xが5〜30原子%、yが10〜50原子%、zが0〜15原子%であり、当該膜が細孔及び2.6よりも低い誘電率を有する、請求項1に記載の方法によって製造される有機ケイ酸塩ガラスの多孔質膜。
【請求項45】
vが20〜30原子%、wが20〜45原子%、xが5〜25原子%、yが15〜40原子%、zが0である、請求項42に記載の膜。
【請求項46】
zが0.5〜7原子%であり、前記多孔質膜中の実質的にすべてのFがSi−F基のSiに結合している、請求項42に記載の膜。
【請求項47】
前記膜中に含まれる水素の50%以上が炭素に結合している、請求項42に記載の膜。
【請求項48】
(a)少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体であって、
(1)式SiR1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)であって、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3であり、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、SiR1n(OR2p(O(O)CR3);
(2)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3であり、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(3)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3であり、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(4)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR6が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R4及びR5が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R7がC2〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、n+m≧1、n+p≦3、及びm+q≦3であり、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(5)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-tであって、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが2〜4、n+p≦4であり、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-t
(6)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-tであって、式中、R1が独立してH又はC1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2が独立してC1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R3が独立してH、C1〜C6の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが1〜3、n+p≦4であり、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-t
(7)式(N(R1)Si(R12))xであって、式中、R1及びR2が独立してH、C1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であることができる、(N(R1)Si(R12))x
(8)式(C(R12)Si(R12))xであって、式中、R1及びR2が独立してH、C1〜C4の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であることができ、但し、分子中に少なくとも1つのSi−H結合がある、(C(R12)Si(R12))x;並びに
(9)それらの混合物
からなる群より選択された少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体と、
(b)当該少なくとも1つのオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン前駆体とは異なるポロゲンであって、
(1)式Cn2n+2-2x-2y-z(OH)zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール官能性が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2x-2y-z(OH)z
(2)式Cn2n+2-2x-2yzであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエーテル結合の数であって1〜4であり、1つ又は複数のエーテル結合が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2x-2yz
(3)式Cn2n+2-2x-2y-2zzであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のエポキシド基の数であって1〜4であり、エポキシド基が環状環又は直鎖に結合することができる、Cn2n+2-2x-2y-2zz
(4)式Cn2n+2-2x-2y-2zzであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4である、Cn2n+2-2x-2y-2zz
(5)式Cn2n+2-2x-2y-2zzであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のアルデヒド基の数であって1〜4であり、1つ又は複数のケトン基が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2x-2y-2zz
(6)式Cn2n+2-2x-2y-3z(OOH)zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中のカルボン酸基の数であって1〜4である、Cn2n+2-2x-2y-3z(OOH)z
(7)式Cn2n+2-2x-2y-6z(O3zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である、Cn2n+2-2x-2y-6z(O3z
(8)式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であり、不飽和結合がエステルのカルボニル基と共役ではなく、zが構造中の無水物基の数であって1又は2である、Cn2n+2-2x-2y-2z(O2z
(9)式Cn2n+2-2x-2y-2z(O2zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって1以上であり、不飽和結合の少なくとも1つがエステルのカルボニル基と共役であり、zが構造中のエステル基の数であって1又は2である、Cn2n+2-2x-2y-2z(O2z
(10)式Cn2n+2-2w-2x-2y(O)y(O)zであって、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる、Cn2n+2-2w-2x-2y(O)y(O)z
(11)式Cn2n+2-2w-2x-y(OH)y(O)zであって、式中、n=1〜12であり、wが構造中の環状環の数であって0〜4であり、xが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、yが構造中のアルコール基の数であり、zが構造中のエーテル基の数であって1又は2であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができる、Cn2n+2-2w-2x-y(OH)y(O)z
(12)式Cn2n+2-2u-2v-w-2y-3z(OH)w(O)x(O)y(OOH)zであって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが構造中のアルコール基の数であって0〜4であり、xが構造中のエーテル基の数であって0〜4であり、1つ又は複数のエーテル基が環内又は環外にあることができ、yがケトン及び/又はアルデヒドであることができる構造中のカルボニル基の数であって0〜3であり、zが構造中のカルボン酸基の数であって0〜2である、Cn2n+2-2u-2v-w-2y-3z(OH)w(O)x(O)y(OOH)z
(13)式Cn2n+2-2x-2y-z(NH2zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のアミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2x-2y-z(NH2z
(14)式Cn2n+2-2x-2y-2z(NH)zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第二アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2x-2y-2z(NH)z
(15)式Cn2n+2-2x-2y-3z(N)zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中の第三アミン基の数であって1〜4であり、アミン官能性が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2x-2y-3z(N)z
(16)式Cn2n+2-2x-2y-z(NO2zであって、式中、n=1〜12であり、xが構造中の環状環の数であって0〜4であり、yが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、zが化合物中のニトロ基の数であって1〜4であり、ニトロ官能性が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2x-2y-z(NO2z
(17)式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zであって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のアルコール基の数であって1〜4であり、アルコール及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)z
(18)式Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)zであって、式中、n=1〜12であり、uが構造中の環状環の数であって0〜4であり、vが構造中の不飽和結合の数であって0〜nであり、wが第一アミン基の数であり、xが第二アミン基の数であり、yが第三アミン基の数であり、1<w+x+y<4であり、zが化合物中のエーテル基の数であって1〜4であり、エーテル及び/又はアミン基が環外及び/又は環内にあることができる、Cn2n+2-2u-2v-w-2x-3y-z(NH2w(NH)x(N)y(OH)z;並びに
(19)それらの混合物
からなる群より選択されたポロゲンとを含む、組成物。
【請求項49】
(c)ポロゲン化前駆体であって、
(1)式R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Siであって、式中、R1が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR3が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3であり、但し、n+p≦4であり、R1の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si;
(2)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2、R4、R5及びR6が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、R1及びR3の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(3)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2、R4、R5及びR6が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、R1及びR3の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(4)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-qであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2、R4、R5、R6及びR7が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが0〜3、mが0〜3、qが0〜3、pが0〜3、但し、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、R1、R3及びR7の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(5)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-tであって、式中、R1が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR3が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが2〜4であり、但し、n+p≦4であり、R1の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-t
(6)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-tであって、式中、R1が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、R2及びR3が独立してC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、芳香族の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素、nが1〜3、pが0〜3、tが1〜3、但し、n+p≦4であり、R1の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-t
(7)式(OSiR13xの環状シロキサンであって、式中、R1及びR2が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であり、但し、R1及びR3の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、(OSiR13x
(8)式(NR1SiR13xの環状シラザンであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であり、但し、R1及びR3の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、(NR1SiR13x
(9)式(CR13SiR13xの環状カルボシランであって、式中、R1及びR3が独立してH又はC1〜C12の直鎖又は分枝の、飽和の、単又は複不飽和の、環状の、部分的に又は完全にフッ素化された炭化水素であり、xが2〜8の任意の整数であり、但し、R1及びR3の少なくとも1つがポロゲンとしてのC3以上の炭化水素で置換された、(CR13SiR13x;並びに
(10)それらの混合物
からなる群より選択されたポロゲン前駆体をさらに含む、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
熱エネルギー、プラズマエネルギー、光子エネルギー、電子エネルギー、マイクロ波エネルギー、及び化学物質からなる群より選択された少なくとも1つの後処理剤で予備的な膜を処理することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの後処理剤が、予備的な膜からポロゲンの実質的にすべてを除去する前、その間及び/又はその後に、得られた多孔質の有機シリカガラス膜の特性を改善する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
追加の後処理剤が、予備的な膜からポロゲンの少なくとも一部を除去する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記少なくとも1つの後処理剤が、200〜8000nmの範囲の光子エネルギーである、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1つの後処理剤が、電子ビームによって与えられる電子エネルギーである、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1つの後処理剤が超臨界流体である、請求項50に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−114452(P2010−114452A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−281999(P2009−281999)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【分割の表示】特願2005−282302(P2005−282302)の分割
【原出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】