説明

多層基板の金属配線の製造方法及びその構造

共軸導線に応用される金属配線を製作する多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を提供する。多層基板の金属配線の製造方法は、多層基板(300)の誘電層の表面にフォトレジスト層(304)を塗布する工程と、フォトレジスト層(304)を露光して金属配線の所定の位置を定義する工程と、所定の位置に位置されるフォトレジスト層を除去する工程と、所定の位置に金属配線(302)を形成する工程後、金属配線(302)の表面に上被覆金属層(306)を形成する工程とを含む。一次露光工程で金属配線の上表面、側面にさらに底面に被覆金属層を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層基板の金属配線の製造方法及びその構造に関し、特にフレキシブル多層基板に応用される多層基板の金属配線の製造方法及びその構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のいずれかの電子製品は小型化の方向へ向かって発展している。半導体製造工程のサイズの小型化に伴い、後段プロセスの封止技術も小型化の方向へ向かって発展する必要がある。現在、I.C. 集積回路の集積度は大幅に高められてい、多層基板を使用して異なる種類の素子を封止することで、各種機能を高効率のシステムに統合する必要がある。現在の業界において方法に応じた、エッチング法または多層工法(build up process)により多層基板の金属配線を作製している。多層基板の回路の集積度が高くなると、金属配線のサイズの要求は精密になる。
【0003】
図1を参照する。図1は、従来のエッチング法により作製される金属配線を示す略図である。金属層は、先ず多層基板の誘電層100上に形成される。フォトレジスト104を塗布して露光する後、エッチング法により金属配線102を作製する。一般的に、金属配線は、エッチング法により作製されている。図1に矢印を示すように、ウェットエッチングの等方特性のため、金属配線102の側面にもエッチングされてアンダーカット(undercut)構造を形成する。さらに、金属の粒径(Grain)に制限されるため、金属配線の側面が粗くなっている。しかし、集積回路の集積度は高められてい、精密な金属配線の要求も徐々に高くなっている場合、前述の金属配線においてアンダーカット構造、側面に粗れなどといった欠陥のため、前述のエッチング法は、現在の精密な金属配線の要求を満たすことができない。
【0004】
なお、多層基板を製造する場合、銅を使用して金属配線を作製している。誘電層を作製する工程やその他の工程において、銅が容易に浸食或いは汚染される。特にポリイミド(polyimide)を使用して誘電層を作製する時に、もし金属配線の表面上を、多層基板やその他の材料により浸食或いは汚染されることを防止して金属配線の信頼性を向上する被覆金属層で被覆する場合、追加の露光とエッチング工程の必要がある。この追加の露光とエッチング工程は、金属配線および被覆金属層にそれぞれ位置合わせする精度の要求のため、多層基板の金属配線を製造する工程が失敗する可能性を向上し、多層基板の製造コストも向上する。さらに、従来のエッチング法は、一次露光工程により金属配線の側面さらに底面に被覆金属層を形成することができなく、つまり金属配線を被覆金属層で完全に被覆して金属配線の信頼性を向上することができなく、共軸導線にする金属配線を製造することもできない。
【0005】
図2A乃至図2Dを参照する。図2A乃至図2Dは、従来の多層工法により作製される多層基板の金属配線を示す略図である。図2Aにおいて、非常に薄い金属層102は、多層基板の誘電層100上に形成される。図2Bにおいて、所定の位置以外にフォトレジスト104を塗布する後、金属層が所定の位置の表面に(例えば、電気めっき方法を利用し、Electroplating)生成される。図2Cにおいて、フォトレジスト104を除去する後、誘電層100及び金属層102は示されている。図2Dにおいて、金属層102をエッチングし、所定の位置以外の金属材料を除去する。図2Dに矢印を示すように、ウェットエッチングの等方特性のため、金属配線102の側面にエッチングを形成する。なお、金属の粒径に制限されるため、金属配線の表面が粗くなっている。
【0006】
そのため、エッチング法または多層工法を問わず、金属の粒径に制限されている。金属配線の側面は必然的に一定の粗さがあり、金属配線のサイズの要求は徐々に精密になる場合、金属配線の精細感がその欠陥に制限されている。なお、エッチング法または多層工法を問わず、一次露光工程により金属配線の上表面、側面さらに底面に、完全に被覆して信頼性を向上する被覆金属層を形成することができない。
【0007】
従って、もし一次露光工程で金属配線の上表面、側面さらに底面に、完全に被覆する被覆金属層を形成できる多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を発展することができる場合、精密な且つ信頼性が高い金属配線を製作するとともに、共軸導線にする金属配線を製造することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一つの目的は、一次露光工程で金属配線の上表面及び側面に上被覆金属層を形成し、さらにその底面に下被覆金属層を形成することができる多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を提供することを課題とする。
【0009】
本発明のまた一つの目的は、多層基板やその他の材料により浸食或いは汚染されることを防止して精密な且つ信頼性が高い金属配線を製作することができる多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、誘電層の表面にフォトレジスト層を塗布する工程と、フォトレジスト層を露光して金属配線の所定の位置を定義する工程と、所定の位置に位置されるフォトレジスト層を除去する工程と、所定の位置に金属配線を形成する工程と、金属配線の表面に上被覆金属層を形成する工程とを含む。
【0011】
本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、所定の位置に金属配線を形成する工程前に、所定の位置に下被覆金属層を形成する工程ことで、金属配線の底面を被覆する工程をさらに含むことができる。前述した所定の位置に下被覆金属層を形成して金属配線の底面を被覆する工程後、下被覆金属層上に下被覆誘電層を形成し、且つ金属配線の上表面及び側面に上被覆金属層を形成する工程前に、上被覆誘電層を形成し、金属配線、上被覆誘電層、下被覆誘電層、上被覆金属層及び下被覆金属層は共軸導線を形成する。
【0012】
本発明の多層基板の金属配線構造は、金属配線及び上被覆金属層を含む。金属配線は、誘電層の所定の位置に位置される。上被覆金属層は、金属配線の上表面及び両側表面に形成され、さらにその底面に下被覆金属層を形成することで、金属配線を保護する。上被覆金属層及び下被覆金属層は、金属配線の上表面、両側表面及び底面を完全に被覆することができる。さらに、上被覆誘電層及び下被覆誘電層は、金属配線と上下被覆金属層との間に形成され、金属配線、上被覆誘電層、下被覆誘電層、上被覆金属層及び下被覆金属層は、共軸導線に応用されることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による提供された多層基板の金属配線の製造方法及びその構造は、一次露光工程のみで、金属配線及びその被覆金属層を製作することができ、且つ現在の技術のエッチング法または多層工法を使用しないため、金属配線の側面にエッチングを形成することはなく、現在の精密な金属配線の要求を満たすことができる。なお、本発明の製造方法は、金属配線の上表面、両側表面さらに底面に上下被覆金属層を形成することで、金属配線を完全に保護することができ、浸食或いは汚染を防止して金属配線の信頼性を向上するとともに、共軸導線に応用されることができる。そのため、多層基板の金属配線の密度をさらに上げることができる。本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、変形できる特性または柔軟な特性を有するフレキシブル基板に適用されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来のエッチング法により作製される金属配線を示す略図である。
【図2A−D】従来の多層工法により作製される多層基板の金属配線を示す略図である。
【図3A−C】本発明の第1の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【図3D−E】本発明の第1の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【図4A−C】本発明の第2の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【図4D−F】本発明の第2の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【図5A−C】本発明の第3の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【図5D−E】本発明の第3の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【図6A−C】本発明の第4の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【図6D−F】本発明の第4の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
図3A乃至図3Eを参照する。図3A乃至図3Eは、本発明の第1の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。図3Aにおいて、誘電層300の表面に少なくとも一つのフォトレジスト層304を塗布する工程がある。図3Bにおいて、フォトレジスト層304を塗布する後、金属配線の所定の位置以外のフォトレジスト層301を露光する工程がある。図3Cにおいて、この所定の位置に位置されるフォトレジスト層301を除去する工程がある。本実施形態では、ネガ型フォトレジストを使用するため、現像液(Developer)を使用してフォトレジスト層301を除去する場合、フォトレジスト層304の上方の受光程度がその下方の受光程度よりも多く、図3Cに示すように、所定の位置に隣接するフォトレジスト層304の縁は、上方から突出した構造を形成している。しかしこれに限定されることなく、本発明では、二つのフォトレジスト層を使用することもでき、例えば、二つの異なる現像速度があるポジ型フォトレジストを塗布し、現像液を使用してフォトレジスト層301を除去する場合、上方のフォトレジスト層と下方のフォトレジスト層の現像速度は同じでないため、前述した上方から突出した構造を形成することができる。図3Dにおいて、所定の位置に金属配線302を形成する工程後(同時にフォトレジスト層304上に金属層303も形成し)、金属配線302の表面に上被覆金属層306を形成することで、金属配線302を保護する。図3Eにおいて、後続の工程が行えるのに都合が良いように、フォトレジスト層304及び金属層303を除去する。
【0017】
図3Dに示すように、所定の位置に金属配線302を形成する工程前に、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、所定の位置に誘電層300の表面400に界面接着強化処理を行うことで、誘電層300と金属配線302との間の接着強度を上げる工程をさらに含む。
【0018】
図4A乃至図4Fを参照する。図4A乃至図4Fは、本発明の第2の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。図4Aにおいて、誘電層300の表面に少なくとも一つのフォトレジスト層304を塗布する工程がある。図4Bにおいて、フォトレジスト層304を塗布する後、金属配線の所定の位置以外のフォトレジスト層301を露光する工程がある。図4Cにおいて、この所定の位置に位置されるフォトレジスト層301を除去する工程後、エッチング方式により所定の位置に位置される誘電層300の一部分をさらに除去する。本実施形態では、ネガ型フォトレジストを使用するため、現像液を使用してフォトレジスト層301を除去する場合、フォトレジスト層304の上方の受光程度がその下方の受光程度よりも多く、図4Cに示すように、所定の位置に隣接するフォトレジスト層304の縁は、上方から突出した構造を形成している。しかしこれに限定されることなく、本発明では、例えば二つのフォトレジスト層を使用して同じ構造を製作することもできる。図4Dにおいて、所定の位置に金属配線302を形成する工程後(同時にフォトレジスト層304上に金属層303も形成し)、金属配線302の表面に上被覆金属層306を形成することで、金属配線302を保護する。図4Eにおいて、後続の工程が行えるのに都合が良いように、フォトレジスト層304及び金属層303を除去する。
【0019】
本発明の第2の実施形態において、所定の位置に位置される誘電層300の一部分を除去するため、所定の位置に誘電層300は凹み構造を形成している。この凹み構造は、誘電層300と金属配線302との間の接着強度を上げる上、金属配線302を形成する工程において、金属配線302の厚さを調整することで、金属配線302の上表面の高さが誘電層300の表面の高さと同じであることもでき、その他の素子との後続のアセンブリが行えるのに都合が良いように、平面を提供する。或いは、図4Fに示すように、金属配線302の厚さを調整することで、誘電層300と誘電層307との間に金属配線302を製作し、多層基板が外力を受けて折り曲げられる場合、応力バランスを好適に提供することができ、柔軟な特性をさらに有すフレキシブル多層基板を製作する。
【0020】
図4Dに示すように、所定の位置に金属配線302を形成する工程前に、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、所定の位置に誘電層300の表面400に界面接着強化処理を行うことで、誘電層300と金属配線302との間の接着強度を上げる工程をさらに含む。
【0021】
図5A乃至図5Eを参照する。図5A乃至図5Eは、本発明の第3の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。図5A乃至図5Cが示す工程は、第1の実施形態において図3A乃至図3Cが示す工程と同様である。図5Dにおいて、所定の位置に下被覆金属層306‐1を形成する工程後、金属配線302を形成し(同時にフォトレジスト層304上に金属層303も形成し)、次に、金属配線302の表面に上被覆金属層306を形成することで、金属配線302を完全に被覆する。さらに、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、所定の位置に下被覆金属層306‐1を形成する工程後、下被覆金属層306‐1上に下被覆誘電層を形成し、且つ金属配線302の上表面及び側面に上被覆金属層306を形成する工程前に、上被覆誘電層も形成する工程をさらに含む。高周波数信号の伝送に応用される場合、金属配線302、上被覆誘電層、下被覆誘電層、上被覆金属層306及び下被覆金属層306‐1は共軸導線に応用されることで、上被覆金属層306及び下被覆金属層306‐1により伝送される高周波数信号を導通することができる。
【0022】
さらに、図5Dに示すように、本発明では、上被覆金属層306を形成する工程において、真空コーティング技術により上被覆誘電層を形成して上被覆金属層306を代替することもできる。且つ所定の位置に金属配線302を形成する工程前に、真空コーティング技術により下被覆誘電層を形成して下被覆金属層306‐1を代替することもできる。そのため、金属配線の上表面、側面及び底面に対して、上被覆誘電層及び下被覆誘電層を形成して完全な保護を提供することができる。図5Dに示すように、所定の位置に下被覆金属層306‐1を形成する工程前に、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、所定の位置に誘電層300の表面400に界面接着強化処理を行うことで、誘電層300と下被覆金属層306‐1との間の接着強度を上げる工程をさらに含む。
【0023】
図6A乃至図6Fを参照する。図6A乃至図6Fは、本発明の第4の実施形態による多層基板の金属配線の製造方法及びその構造を示す流れ図である。図6A乃至図6Cが示す工程は、第2の実施形態において図4A乃至図4Cが示す工程と同様である。図6Dにおいて、所定の位置に下被覆金属層306‐1を形成する工程後、金属配線302を形成し(同時にフォトレジスト層304上に金属層303も形成し)、次に、金属配線302の表面に上被覆金属層306を形成することで、金属配線302を完全に被覆する。さらに、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、所定の位置に下被覆金属層306‐1を形成する工程後、下被覆金属層306‐1上に下被覆誘電層を形成し、且つ金属配線302の上表面及び側面に上被覆金属層306を形成する工程前に、上被覆誘電層も形成する工程をさらに含む。高周波数信号の伝送に応用される場合、金属配線302、上被覆誘電層、下被覆誘電層、上被覆金属層306及び下被覆金属層306‐1は共軸導線に応用されることで、上被覆金属層306及び下被覆金属層306‐1により伝送される高周波数信号を導通することができる。
【0024】
なお、図6Dに示すように、本発明では、上被覆金属層306を形成する工程において、真空コーティング技術により上被覆誘電層を形成して上被覆金属層306を代替することもできる。且つ所定の位置に金属配線302を形成する工程前に、真空コーティング技術により下被覆誘電層を形成して下被覆金属層306‐1を代替することもできる。そのため、金属配線の上表面、側面及び底面に対して、上被覆誘電層及び下被覆誘電層を形成して完全な保護を提供することができる。図6Dに示すように、所定の位置に下被覆金属層306‐1を形成する工程前に、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、所定の位置に誘電層300の表面400に界面接着強化処理を行うことで、誘電層300と下被覆金属層306‐1との間の接着強度を上げる工程をさらに含む。
【0025】
本発明の第4の実施形態において、所定の位置に位置される誘電層300の一部分を除去するため、所定の位置に誘電層300は凹み構造を形成している。この凹み構造は、誘電層300と金属配線302との間の接着強度を上げる上、金属配線302を形成する工程において、金属配線302の厚さを調整することで、金属配線302の上表面の高さが誘電層300の表面の高さと同じであることもでき、その他の素子との後続のアセンブリが行えるのに都合が良いように、平面を提供する。或いは、図6Fに示すように、金属配線302の厚さを調整することで、誘電層300と誘電層307との間に金属配線302を製作し、多層基板が外力を受けて折り曲げられる場合、応力バランスを好適に提供することができ、柔軟な特性をさらに有すフレキシブル多層基板を製作する。
【0026】
本発明の全ての実施形態において、誘電層300の材料は、ポリイミドであることができる。金属配線の材料は、銅であることができる。上被覆金属層306及び下被覆金属層306‐1の材料は、クロム、チタン、プラチナ、金またはニッケルであることができる。界面接着強化処理は、プラズマ処理であることができる。
【0027】
ここで注意しなければならないのは、本発明の多層基板の金属配線の製造方法は、金属配線302の上表面に上被覆金属層306を形成できる上、同時に金属配線302の両側表面に上被覆金属層306も形成でき、金属配線302を完全に保護することで、金属配線302が浸食或いは汚染されることを防止して金属配線の信頼性を向上する。なお、もし金属配線302と上被覆金属層306との間に上被覆誘電層を形成し、且つ金属配線302と下被覆金属層306‐1との間に下被覆誘電層を形成する場合、共軸導線に応用されることができる。
【0028】
要するに、現在の技術に比べ、本発明の金属配線302は、エッチング方式を使用して形成されることではなく、金属の粒径に制限されなく、その表面が精密になるとともに、配線の縁はレベリング性が良好であり、表面が粗くなることではない。且つ本発明では、一次露光工程のみで、上被覆金属層306及び下被覆金属層306‐1を有する金属配線302を製作することができる。多層基板の回路の集積度が高くなるに従って金属配線302のサイズは次第に縮小している場合、本発明の金属配線の製造方法は、金属配線302の精細感の要求を確保することができる以外に、現在の技術に比べ、比較的簡易な製造工程であり、多層基板の信頼性及び歩留り率を向上することもできる。
【0029】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0030】
100、300、307: 誘電層
102、302: 金属配線
104: フォトレジスト
301、304: フォトレジスト層
303: 金属層
306: 上被覆金属層
306‐1: 下被覆金属層
400: 表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層基板の金属配線の製造方法であって、
誘電層の表面に少なくとも一つのフォトレジスト層を塗布する工程と、
前記フォトレジスト層を露光して前記金属配線の所定の位置を定義する工程と、
前記所定の位置に位置される前記フォトレジスト層を除去する工程と、
前記所定の位置に前記金属配線を形成する工程と、
前記金属配線の表面に少なくとも一つの上被覆金属層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記上被覆金属層は、前記金属配線の上表面及び両側表面を被覆することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記所定の位置に前記金属配線を形成する工程前に、前記所定の位置に下被覆金属層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記下被覆金属層は、前記金属配線の底面を被覆することを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記所定の位置に前記下被覆金属層を形成する工程後、前記下被覆金属層上に下被覆誘電層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記金属配線の表面に前記上被覆金属層を形成する工程前に、前記金属配線の表面に上被覆誘電層を形成し、共軸導線を形成するために用いられる工程をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記上被覆誘電層及び前記下被覆誘電層は、前記金属配線の底面、上表面及び両側表面を被覆することを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記誘電層の材料は、ポリイミドであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記金属配線の材料は、銅であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記被覆金属層の材料は、クロム、チタン、プラチナ、金及びニッケルからなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
前記金属配線を形成する工程前に、前記所定の位置に前記誘電層の表面に界面接着強化処理を行うことで、前記誘電層と前記金属配線との間の接着強度を上げる工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項12】
前記界面接着強化処理は、プラズマ処理であることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記フォトレジスト層を除去する工程後、前記所定の位置に位置される前記誘電層の部分を除去する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
前記金属配線を形成する工程前に、前記所定の位置に前記誘電層の表面に界面接着強化処理を行うことで、前記誘電層と前記金属配線との間の接着強度を上げる工程をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
多層基板の金属配線の製造方法であって、
誘電層の表面に少なくとも一つのフォトレジスト層を塗布する工程と、
前記フォトレジスト層を露光して前記金属配線の所定の位置を定義する工程と、
前記所定の位置に位置されるフォトレジスト層を除去する工程と、
前記所定の位置に前記金属配線を形成する工程と、
前記金属配線の表面に少なくとも一つの上被覆誘電層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項16】
前記上被覆誘電層は、前記金属配線の上表面及び両側表面を被覆することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記所定の位置に前記金属配線を形成する工程前に、前記所定の位置に下被覆誘電層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
前記下被覆誘電層は、前記金属配線の底面を被覆することを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記上被覆誘電層は、真空コーティング技術により前記金属配線の表面に形成されることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項20】
金属配線及び上被覆金属層を含む多層基板の金属配線構造であって、
前記金属配線は、誘電層の所定の位置に位置され、
前記上被覆金属層は、前記金属配線の上表面及び両側表面を被覆することを特徴とする金属配線構造。
【請求項21】
前記金属配線の底面に形成される下被覆金属層をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の金属配線構造。
【請求項22】
前記金属配線と前記被覆金属層との間に形成されて共軸導線を形成するために用いられる上被覆誘電層及び下被覆誘電層をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の金属配線構造。
【請求項23】
前記所定の位置以外の前記誘電層に比べ、前記所定の位置に位置される前記誘電層は凹み構造であることを特徴とする請求項20に記載の金属配線構造。
【請求項24】
界面接着強化処理は、前記誘電層の表面に行なわれることで、前記誘電層と前記金属配線との間の接着強度を上げることを特徴とする請求項20に記載の金属配線構造。
【請求項25】
前記界面接着強化処理は、プラズマ処理であることを特徴とする請求項24に記載の金属配線構造。
【請求項26】
前記誘電層の材料は、ポリイミドであることを特徴とする請求項20に記載の金属配線構造。
【請求項27】
前記金属配線の材料は、銅であることを特徴とする請求項20に記載の金属配線構造。
【請求項28】
前記被覆金属層の材料は、クロム、チタン、プラチナ、金及びニッケルからなるグループから選択されることを特徴とする請求項20に記載の金属配線構造。
【請求項29】
金属配線及び上被覆誘電層を含む多層基板の金属配線構造であって、
前記金属配線は、誘電層の所定の位置に位置され、
前記上被覆誘電層は、前記金属配線の上表面及び両側表面を被覆することを特徴とする金属配線構造。
【請求項30】
前記金属配線の底面に形成される下被覆誘電層をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の金属配線構造。
【請求項31】
前記上被覆誘電層は、真空コーティング技術により前記金属配線の表面に形成されることを特徴とする請求項29に記載の金属配線構造。

【図1】
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【図2A−D】
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【図3A−C】
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【図3D−E】
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【図4A−C】
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【図4D−F】
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【図5A−C】
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【図5D−E】
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【図6A−C】
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【図6D−F】
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【公表番号】特表2010−528461(P2010−528461A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508687(P2010−508687)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/CN2007/001678
【国際公開番号】WO2008/141481
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(503458515)巨擘科技股▲ふん▼有限公司 (11)
【氏名又は名称原語表記】PRINCO CORPORATION
【住所又は居所原語表記】No.6 Creation 4th Road,Science−Based Industrial Park,Hsinchu,Taiwan
【Fターム(参考)】