説明

多層配線板の製造方法および多層アンテナ

【課題】デラミネーションの発生が抑制される多層配線板の製造方法と、浮遊容量の発生に起因した性能低下を防ぐ多層アンテナとを提供する。
【解決手段】多層配線板としての多層アンテナの製造方法は、樹脂シート21上に、環状に延びる導体パターン36を形成する工程と、複数枚の樹脂シート21を積層して積層体120とするとともに、積層体120を、凸型プレス板61と平型プレス板62との間に配置する工程と、樹脂シート21を加熱しつつ、その積層方向に加圧する工程とを備える。凸型プレス板61は、平型プレス板62に向けて突出する凸部63が形成されたプレス面61aを有する。積層体120を凸型プレス板61と平型プレス板62との間に配置する工程は、樹脂シート21の積層方向から見た場合に、凸部63と、導体パターン36の内側の領域33とが重なるように、積層体120を位置決めする工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、多層配線板の製造方法および多層アンテナに関し、より特定的には、絶縁層を介して複数層に積み重ねられた環状の導体パターンを有する多層配線板の製造方法、ならびに、絶縁層を介して複数層に積み重ねられた環状のコイル電極および平板状のコンデンサ電極を有する多層アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の多層配線板の製造方法に関して、たとえば、特開2003−304071号公報には、積層される樹脂フィルム間からエアやガスを排除して、ボイドの発生を防止することを目的とした多層基板の製造方法が開示されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示された多層基板の製造方法においては、複数枚の片面導体パターンフィルムからなる積層体を、その上下両面から加熱しながら加圧することにより、多層基板を製造する。この際、一対の熱プレス板が、複数枚の片面導体パターンフィルムの積層体を両側から挟むように配置される。一対の熱プレス板は、たとえば、チタンなどの導電性金属から構成されており、電流を通電することにより発熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−304071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示されるように、表面上に導体パターンが形成された熱可塑性の樹脂フィルムを多層に積層し、得られた積層体を加熱しながら加圧することによって、多層基板を得る方法が知られている。
【0006】
しかしながら、このような方法を用いて多層基板を製造する場合、積層体の加熱、加圧工程時に、熱プレス板間に導体パターンが密に配置される位置と、疎に配置される位置とが生じる。この場合、熱プレス板から積層体に作用する圧力は、導体パターンが疎に配置された位置で相対的に小さくなるため、積層体に圧力が十分に加わらない箇所が生じる。この結果、積層方向に隣り合う樹脂フィルム同士が局所的に密着せず、熱圧着された樹脂フィルムが剥がれる現象(デラミネーション)が生じるおそれがある。
【0007】
一方、上記のような多層基板を、たとえばプリント基板上に実装する場合、多層基板およびプリント基板の導体パターン間で意図しない浮遊容量が生じる場合がある。このような浮遊容量が発生すると、多層基板において発揮される性能が低下するおそれが生じる。
【0008】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、デラミネーションの発生が抑制される多層配線板の製造方法と、浮遊容量の発生に起因した性能低下を防ぐ多層アンテナとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従った多層配線板の製造方法は、熱可塑性樹脂から形成される第1樹脂シートの表面上に、環状に延びる第1導体パターンを形成する工程と、複数枚の第1樹脂シートを積層して積層体とするとともに、積層体を、第1プレス板と、第1プレス板に対向して設けられた第2プレス板との間に配置する工程と、第1プレス板および第2プレス板の間で、複数枚の第1樹脂シートを加熱しつつ、その積層方向に加圧する工程とを備える。第1プレス板は、第2プレス板に向けて突出する凸部が形成された第1プレス面を有する。積層体を第1プレス板と第2プレス板との間に配置する工程は、第1樹脂シートの積層方向から見た場合に、凸部と、第1導体パターンの内側の領域とが重なるように、積層体を位置決めする工程を含む。
【0010】
このように構成された多層配線板の製造方法によれば、環状に延びる第1導体パターンの内側の領域は、導体パターンが相対的に疎に配置されるため、積層体を第1プレス板と第2プレス板との間に配置する工程時、その領域と、第1プレス面に形成された凸部とが重なるように積層体を位置決めする。これにより、複数枚の第1樹脂シートを加熱しつつ加圧する工程時、第1プレス板から積層体に加わる力を、導体パターンが相対的に疎に配置された位置で増大させる。結果、複数枚の第1樹脂シートからなる積層体をより均一な力で加圧することが可能となり、本発明によって製造された多層配線板においてデラミネーションが発生することを抑制できる。
【0011】
また好ましくは、多層配線板の製造方法は、熱可塑性樹脂から形成される第2樹脂シートの表面上に、平面的に広がる第2導体パターンを形成する工程をさらに備える。第2プレス板は、平面状に形成された第2プレス面を有する。積層体を第1プレス板と第2プレス板との間に配置する工程は、複数枚の第1樹脂シートに対してさらに複数枚の第2樹脂シートを積層して積層体とするとともに、積層体を、第1樹脂シートが第1プレス面側に配置され、第2樹脂シートが第2プレス面側に配置されるように位置決めする工程を含む。
【0012】
このように構成された多層配線板の製造方法によれば、環状に延びる第1導体パターンが形成された第1樹脂シートを、凸部が形成された第1プレス面によって押圧し、平面的に広がる第2導体パターンが形成された第2樹脂シートを、平面状の第2プレス板によって押圧する。これにより、導体パターンの粗密にかかわらず、複数枚の第1樹脂シートおよび複数枚の第2樹脂シートからなる積層体をより均一な力で加圧することができる。
【0013】
また好ましくは、凸部の突出高さは、複数枚の第1樹脂シートに形成される第1導体パターンの総厚み以下である。
【0014】
このように構成された多層配線板の製造方法によれば、複数枚の第1樹脂シートを加熱しつつ加圧する工程時、軟化した樹脂材料が、凸部による押圧に起因して第1導体パターンの内側の領域から外側の領域に大きく流動する現象を防止できる。これにより、第1導体パターンの位置ずれや変形を防ぐとともに、デラミネーションの発生を防ぐことができる。
【0015】
また好ましくは、凸部は、第1プレス板と第2プレス板とが対向する方向に直交する平面により切断された場合の断面積が第2プレス板に近づくに従って小さくなるテーパ形状を有する。
【0016】
このように構成された多層配線板の製造方法によれば、複数枚の第1樹脂シートを加熱しつつ加圧する工程時、軟化した樹脂材料が、凸部による押圧に起因して第1導体パターンの内側の領域から外側の領域に急激に流動する現象を防止できる。これにより、第1導体パターンの位置ずれや変形を防ぐとともに、デラミネーションの発生を防ぐことができる。
【0017】
この発明に従った多層アンテナは、樹脂部と、樹脂部に埋設される複数のコイル電極と、樹脂部に埋設される複数のコンデンサ電極とを備える。樹脂部は、第1側面と、第1側面の裏側に配置される第2側面とを有する。複数のコイル電極は、第1側面および第2側面に直交する方向に積層され、第1側面側に配置される。複数のコンデンサ電極は、複数のコイル電極に対して第1側面および第2側面に直交する方向に積層され、第2側面側に配置される。コイル電極は、第1側面および第2側面に平行な平面内で環状に延びて形成される。コンデンサ電極は、第1側面および第2側面に平行な平面内で平面状に広がって形成される。樹脂部には、コイル電極の積層方向から見た場合にコイル電極の内側の領域に重なって配置され、第1側面から凹む凹部が形成される。
【0018】
このように構成された多層アンテナによれば、第1側面を実装面として多層アンテナを他部材に実装した場合に、凹部によって規定される空間が、コンデンサ電極と他部材との間で誘電層として機能する。これにより、多層配線板および他部材の間で意図しない浮遊容量が形成されることを抑制できる。結果、浮遊容量の発生に起因した多層アンテナの性能低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上に説明したように、この発明に従えば、デラミネーションの発生が抑制される多層配線板の製造方法と、浮遊容量の発生に起因した性能低下を防ぐ多層アンテナとを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態における多層アンテナを示す断面図である。
【図2】図1中のII−II線上に沿った多層アンテナを示す断面図である。
【図3】図1中のIII−III線上に沿った多層アンテナを示す断面図である。
【図4】図1中の樹脂部の外観を示す斜視図である。
【図5】図1中の多層アンテナを製造する方法の第1工程を示す断面図である。
【図6】図1中の多層アンテナを製造する方法の第2工程を示す断面図である。
【図7】図1中の多層アンテナを製造する方法の第3工程を示す断面図である。
【図8】図1中の多層アンテナを製造する方法の第4工程を示す断面図である。
【図9】比較のための多層アンテナを製造する方法の工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0022】
図1は、この発明の実施の形態における多層アンテナを示す断面図である。図2は、図1中のII−II線上に沿った多層アンテナを示す断面図である。図3は、図1中のIII−III線上に沿った多層アンテナを示す断面図である。
【0023】
図1から図3を参照して、多層アンテナ10は、携帯電話機などに内蔵されるチップ状のアンテナであって、本実施の形態では、携帯電話機の筐体内に配置されたプリント基板50に実装されている。
【0024】
多層アンテナ10は、複数のコイル電極30A,30B,30C,30D(以下、特に区別しない場合にはコイル電極30という)と、複数のコンデンサ電極40A,40B(以下、特に区別しない場合にはコンデンサ電極40という)と、樹脂部20とを有する。
【0025】
樹脂部20は、略直方体形状を有し、多層アンテナ10の外観をなしている。樹脂部20は、絶縁性の樹脂から形成されている。樹脂部20は、熱可塑性樹脂から形成されている。樹脂部20は、たとえば、ポリイミド、LCP(液晶ポリマ)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)から形成されている。
【0026】
複数のコイル電極30は、樹脂部20に埋設されている。複数のコンデンサ電極40は、樹脂部20に埋設されている。コイル電極30およびコンデンサ電極40は、導電性材料から形成されている。コイル電極30およびコンデンサ電極40は、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルまたは金などの金属や、これらの金属を含む合金などから形成されている。
【0027】
複数のコイル電極30は、樹脂部20の内部で互いに間隔を設けて、矢印101に示す一方向に積層されている。複数のコンデンサ電極40は、樹脂部20の内部で互いに間隔を設けて、矢印101に示す一方向に積層されている。複数のコンデンサ電極40は、複数のコイル電極30に対して矢印101に示す一方向に積層されている。積層された複数のコイル電極30と、積層された複数のコンデンサ電極40とは、矢印101に示す方向に並んで配置されている(以下、矢印101に示す方向を、コイル電極30もしくはコンデンサ電極40の積層方向ともいう)。
【0028】
本実施の形態では、コイル電極30A,30B,30C,30Dの4つのコイル電極30が積層され、コンデンサ電極40Aおよびコンデンサ電極40Bの2つのコンデンサ電極40が積層されている。コイル電極30Aとコンデンサ電極40Bとが隣り合って配置されている。互いに隣り合うコイル電極30の間、互いに隣り合うコンデンサ電極40の間および互いに隣り合うコイル電極30とコンデンサ電極40との間には、それぞれ、樹脂部20からなる樹脂層が介挿されている。
【0029】
図2中に示すように、コンデンサ電極40は、コンデンサ電極40の積層方向に直交する平面内で平面的に広がって形成されている。コンデンサ電極40は、平板形状を有する。コンデンサ電極40は、コンデンサ電極40の積層方向から見た場合に、略矩形の平面視を有する。コンデンサ電極40およびコイル電極30を、それぞれ、コンデンサ電極40およびコイル電極30の積層方向から見た場合に、コンデンサ電極40は、コイル電極30よりも大きい面積を有する。
【0030】
互いに隣り合って配置されたコンデンサ電極40、すなわち、コンデンサ電極40Aとコンデンサ電極40Bとは、コンデンサ電極40の積層方向において互いに対向するように配置されている。複数のコンデンサ電極40は、コンデンサ電極40の積層方向から見た場合に、互いに重なる部分が生じるように配置されている。複数のコンデンサ電極40は、コンデンサ電極40の積層方向から見た場合に、完全に重なるように配置されている。
【0031】
図3中に示すように、コイル電極30は、環状に延びている。コイル電極30は、一方端30pおよび他方端30qを有する。コイル電極30は、一方端30pと他方端30qとの間で線状に延びている。コイル電極30は、矩形形状の辺に沿って延びている。コイル電極30は、コイル電極30の積層方向に直交する平面内で周回形状を描くように形成されている。本実施の形態では、コイル電極30が、一周未満の長さで周回して形成されている。
【0032】
なお、コイル電極30は、図3中に示す形態に限られず、たとえば、複数回に渡って周回するように螺旋状に延びて形成されてもよいし、円周上を周回するように形成されてもよい。
【0033】
互いに隣り合って配置されたコイル電極30、たとえば、コイル電極30Aとコイル電極30Bとは、コイル電極30の積層方向において互いに対向するように配置されている。複数のコイル電極30は、コイル電極30の積層方向から見た場合に、一方端30pと他方端30qとの間で互いに重なる部分が生じるように配置されている。コンデンサ電極40およびコイル電極30を、それぞれ、コンデンサ電極40およびコイル電極30の積層方向から見た場合に、コイル電極30は、平面的に広がって形成されたコンデンサ電極40の周縁領域に重なる。
【0034】
互いに隣り合って配置されたコイル電極30間は、一方端30pと他方端30qとの重なり部分に設けられた図示しないインナービア(層間接続部)により接続されている。複数のコイル電極30は、各コイル電極30での電流の旋回方向が互いに同一となるように接続されている。複数のコンデンサ電極40は、それぞれ、図示しないコンデンサ接続部によって、コイル電極30の適当な位置に接続されている。このような構成により、複数のコイル電極30と、複数のコンデンサ電極40とが接続されて、共振回路が構成されている。本実施の形態では、環状のコイル電極30が多層に積層されているため、コイル電極30の全長を大きく設定して、多層アンテナ10のアンテナ特性を向上させることができる。
【0035】
図4は、図1中の樹脂部の外観を示す斜視図である。図1から図4を参照して、樹脂部20は、側面20aと、その側面20aの裏側に配置される側面20bとを有する。側面20aと側面20bとは、互いに平行に配置されている。
【0036】
複数のコイル電極30は、側面20aおよび側面20bに直交する方向に積層されている。各コイル電極30は、側面20aおよび側面20bに平行な平面内に配置されている。複数のコンデンサ電極40は、側面20aおよび側面20bに直交する方向に積層されている。各コンデンサ電極40は、側面20aおよび側面20bに平行な平面内に配置されている。複数のコイル電極30は、側面20aおよび側面20bのうち側面20b側に配置され、複数のコンデンサ電極40は、側面20aおよび側面20bのうち側面20a側に配置されている。
【0037】
樹脂部20には、凹部26が形成されている。凹部26は、後述する多層アンテナの製造方法の熱圧着工程において凸型プレス板が配置される側の側面に形成され、本実施の形態では、側面20bに形成されている。凹部26は、側面20aおよび側面20bのうち、環状のコイル電極30が配置された側の側面20bに形成されている。
【0038】
樹脂部20をコイル電極30の積層方向から見た場合に、環状に延びるコイル電極30の内側に領域33を規定する。凹部26は、その領域33に重なるように形成されている。樹脂部20をコイル電極30の積層方向から見た場合に、凹部26は、領域33と一致するか、領域33に含まれるように形成されている。凹部26は、凹部26を複数のコイル電極30の積層方向に投影した場合に、複数のコイル電極30と重ならないように形成されている。
【0039】
凹部26は、側面20bから凹むように形成されている。凹部26は、樹脂部20をコイル電極30の積層方向に直交する平面により切断した場合の断面積が、側面20bから側面20aに向かうほど小さくなるように形成されている。
【0040】
凹部26は、底部26tおよび側部26sを有する。底部26tは、コイル電極30の積層方向において側面20bから最も離れて配置されている。側部26sは、底部26tと側面20bとの間で延在する。凹部26は、底部26tが、複数のコイル電極30のうち最も側面20a側に配置されたコイル電極30Aと、最も側面20b側に配置されたコイル電極30Dとの間に配置されるように形成されている。側部26sは、コイル電極30の積層方向に対して斜め方向に平面状に広がって形成されている。凹部26は、樹脂部20をコイル電極30の積層方向に直交する平面により切断した場合に、コイル電極30の内側の領域33に対応する形状、すなわち、矩形の断面形状を有する。
【0041】
プリント基板50は、主表面50aを有する。プリント基板50には、電極層51が形成されている。電極層51の一部は、主表面50aに露出するように形成されている。電極層51は、配線パターンやグランドパターンなどの導体層である。
【0042】
多層アンテナ10は、主表面50a上に実装されている。多層アンテナ10は、樹脂部20の側面20bと、主表面50aとが向かい合わせとなるように、プリント基板50に実装されている。多層アンテナ10は、矢印101に示す方向において、複数のコンデンサ電極40とプリント基板50との間に複数のコイル電極30が配置されるように、プリント基板50に実装されている。側面20bは、多層アンテナ10の実装面である。このような構成において、主表面50aと、凹部26の壁面(底部26tおよび側部26s)に囲まれた位置には、空間27が形成されている。
【0043】
多層アンテナをプリント基板上に実装する場合、多層アンテナ側のコンデンサ電極と、プリント基板側の表面電極との間で浮遊容量が形成されるため、多層アンテナにおいて共振回路の周波数特性がずれる問題が生じる。これに対して、本実施の形態における多層アンテナ10においては、樹脂部20に凹部26を形成することによって、プリント基板50側の電極層51と、多層アンテナ10に内蔵されるコンデンサ電極40との間に、空気層からなる空間27が配置される。これにより、空間27は、両電極間で誘電層として機能するため、意図しない浮遊容量が形成されることを抑制できる。結果、多層アンテナ10において安定したアンテナ特性を得ることができる。
【0044】
なお、多層アンテナ10が実装される部材は、図1中に示すようなプリント基板に限られず、たとえば、携帯電話機の筐体であってもよい。
【0045】
以上に説明した、この発明の実施の形態における多層アンテナの構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における多層アンテナ10は、樹脂部20と、樹脂部20に埋設される複数のコイル電極30と、樹脂部20に埋設される複数のコンデンサ電極40とを備える。樹脂部20は、第1側面としての側面20bと、側面20bの裏側に配置される第2側面としての側面20aとを有する。複数のコイル電極30は、側面20bおよび側面20aに直交する方向に積層され、側面20b側に配置される。複数のコンデンサ電極40は、複数のコイル電極30に対して側面20bおよび側面20aに直交する方向に積層され、側面20a側に配置される。コイル電極30は、側面20bおよび側面20aに平行な平面内で環状に延びて形成される。コンデンサ電極40は、側面20bおよび側面20aに平行な平面内で平面状に広がって形成される。樹脂部20には、コイル電極30の積層方向から見た場合にコイル電極30の内側の領域33に重なって配置され、側面20bから凹む凹部26が形成される。
【0046】
多層アンテナ10は、有機多層配線基板である。多層アンテナ10は、LC(コイル・コンデンサ)基板である。
【0047】
図5から図8は、図1中の多層アンテナを製造する方法の工程を示す断面図である。続いて、図1中の多層アンテナの製造方法について説明する。
【0048】
図5を参照して、まず、複数枚の樹脂シート21を準備する。樹脂シート21は、熱可塑性の樹脂から形成されており、表面21aと、その裏側に配置される表面21bとを有する。樹脂シート21は、表面21aおよび表面21bを正面から見た場合に矩形形状を有する。すなわち、樹脂シート21は、矩形形状の平面視を有する。樹脂シート21は、たとえば、6インチ角の大きさを有する。
【0049】
本実施の形態では、樹脂シート21として、表面21aに導体箔が形成された短冊状の熱可塑性樹脂フィルムを準備する。導体箔の一例としては、18μmの厚みを有する銅箔である。導体箔は、後に続く工程で回路形成が可能なように、3μm以上40μm以下の厚みを有することが好ましい。
【0050】
導体箔の樹脂シート21と接触する側の表面の表面粗さは、樹脂シート21と接触する側とは反対側の表面の表面粗さよりも大きいことが好ましい。この場合、導体箔が樹脂シート21に対してより深く噛み込むことによって、樹脂シート21と導体箔との接合強度を高めることができる。
【0051】
次に、樹脂シート21の表面21a上に、導体パターン36を形成する。導体パターン36は、図1中のコイル電極30A,30B,30C,30Dの各コイル電極30に対応するパターン形状を有する。本実施の形態では、フォトリソグラフィ加工などの回路形成方法を用いて、導体箔をパターニングすることにより、導体パターン36を形成する。
【0052】
次に、樹脂シート21に、表面21b側から導体パターン36に達するビアホール38を形成する。この際、炭酸ガスレーザなどを用いたレーザ加工により、図1中のコイル電極30間を接続するインナービア(層間接続部)に対応する位置にビアホール38を形成する。樹脂シート21に対する穿孔後、樹脂残渣であるスミアを除去する。
【0053】
次に、スクリーン印刷法などを用いて、ビアホール38に導電体としての導電性ペーストを充填することにより、インナービア37を形成する。この際、導電性ペーストに、接着温度において導体パターン36を形成する導体金属と合金層を形成するような金属粉を適量加えてもよい。たとえば、導体パターン36が銅から形成される場合、導電性ペーストに、Ag、CuおよびNiのうち少なくとも1種類と、Sn、BiおよびZnのうち少なくとも1種類との組み合わせを加える。
【0054】
以上の工程により、導体パターン36およびインナービア37が形成された樹脂シート21Aを得る。同様にして、複数枚の樹脂シート21B,21C,21Dを得る。
【0055】
図6を参照して、図5中に示す工程と同じように、表面22aと、その裏側に配置される裏面22bとを有する複数枚の樹脂シート22を準備する、樹脂シート22に対して、フォトリソグラフィ加工などの回路形成方法を適用することにより、表面22a上に導体パターン46を形成する。導体パターン46は、図1中のコンデンサ電極40A,40Bの各コンデンサ電極40に対応するパターン形状を有する。次に、樹脂シート22に対して、所定の穿孔工程および導電性ペーストの充填工程を実施することによって、コンデンサ電極40とコイル電極30とを接続するための図示しないインナービアを形成する。
【0056】
以上の工程により、導体パターン46および図示しないインナービアが形成された複数枚の樹脂シート22A,22Bを得る。
【0057】
なお、導体箔が形成された樹脂シート21,22の周縁領域に、パンチ加工によって複数の孔を形成し、その後、導体箔のパターニング工程時に、その孔が形成された領域を含むように導体箔を表面21a,22a上に残してもよい。この場合、樹脂シート21,22に形成された孔を、後述する熱圧着工程時においてピン挿入孔として利用し、これによって複数枚の樹脂シート21,22の位置ずれを防ぐことができる。
【0058】
図7を参照して、次に、先の工程で得られた複数枚の樹脂シート21および複数枚の樹脂シート22と、樹脂シート23とからなる積層体120を、凸型プレス板61と平型プレス板62との間に配置する。
【0059】
凸型プレス板61および平型プレス板62は、互いに対向して配置されている。凸型プレス板61および平型プレス板62の少なくともいずれか一方は、樹脂シート21,22の積層方向に移動可能に設けられている。凸型プレス板61および平型プレス板62には、加熱手段としてのオイル流路66が形成されている。オイル流路66は、樹脂シート21,22の積層方向に直交する平面内で蛇行しながら延びており、オイルが流通される。凸型プレス板61および平型プレス板62には、加熱手段としてヒータが設けられてもよい。
【0060】
凸型プレス板61および平型プレス板62は、それぞれ、プレス面61aおよびプレス面62bを有する。プレス面61aおよびプレス面62bは、互いに向かい合って配置されている。
【0061】
複数枚の樹脂シート21A,21B,21C,21Dは、凸型プレス板61と平型プレス板62とが対向する一方向に積層される。複数枚の樹脂シート22A,22Bは、凸型プレス板61と平型プレス板62とが対向する一方向に積層される。複数枚の樹脂シート21A,21B,21C,21Dは、プレス面61a側に配置され、複数枚の樹脂シート22A,22Bは、プレス面62b側に配置される。樹脂シート23は、熱可塑性の樹脂から形成されている。樹脂シート23は、樹脂シート21と凸型プレス板61との間に配置されている。
【0062】
本実施の形態では、隣り合う樹脂シート21,22間でコイル電極30もしくはコンデンサ電極40が形成された表面21a,22a同士が向かい合わせとならないように、複数枚の樹脂シート21,22が積層されている。より具体的には、平型プレス板62と樹脂シート22Aの表面22bとが向かい合わせとなり、樹脂シート22Aの表面22aと樹脂シート22Bの表面21bとが向かい合わせとなり、樹脂シート21Bの表面21aと樹脂シート21Cの表面21bとが向かい合わせとなり、樹脂シート21Cの表面21aと樹脂シート21Dの表面21bとが向かい合わせとなり、樹脂シート21Dの表面21aと凸型プレス板61とが樹脂シート23を介して向かい合わせとなるように、複数枚の樹脂シート21,22が積層されている。
【0063】
なお、積層する樹脂シート21,22の枚数や樹脂シート21,22の裏表は、上記に説明する数や組み合わせに限られず、適宜変更される。
【0064】
凸型プレス板61のプレス面61aに凸部63が形成されている。凸部63は、プレス面61aから、凸型プレス板61に対して対向配置された平型プレス板62に向けて突出するように形成されている。凸部63は、図1中の樹脂部20に形成された凹部26と同一形状を有する。すなわち、凸部63は、図1中の底部26tに対応する頂部63tと、図1中の側部26sに対応する側部63sとを有して形成されている。凸部63は、凸型プレス板61と平型プレス板62とが対向する方向に直交する平面により切断された場合の断面積が平型プレス板62に近づくに従って小さくなるテーパ形状を有する。
【0065】
凸部63の突出長さ(H)は、樹脂シート21に形成された導体パターン36の総厚み(h1+h2+h3+h4)と、樹脂シート22に形成された導体パターン46の総厚み(h5+h6)との和以下であることが好ましい。凸部63の突出長さ(H)は、樹脂シート21に形成された導体パターン36の総厚み(h1+h2+h3+h4)と、樹脂シート22に形成された導体パターン46の総厚み(h5+h6)との和に等しいことがさらに好ましい。
【0066】
平型プレス板62のプレス面62bは、樹脂シート21,22の積層方向に直交する平面内で平面状に延在する。
【0067】
積層体120を樹脂シート21,22の積層方向から見た場合に、環状に延びるコイル電極30の内側に領域33を規定する。本実施の形態では、積層体120を凸型プレス板61と平型プレス板62との間に配置する際に、領域33と凸部63とが重なるように、積層体120を位置決めする。凸部63とコイル電極30との重なりをより確実に防ぐため、一例として、凸部63の外径を、コイル電極30の内径よりも500μm小さく設定する。
【0068】
図8を参照して、次に、凸型プレス板61および平型プレス板62の間で、複数枚の樹脂シート21、複数枚の樹脂シート22および樹脂シート23を加熱しつつ、その積層方向に加圧する(熱圧着工程)。
【0069】
より具体的には、オイル流路66に高温のオイルを流通させつつ、凸型プレス板61と平型プレス板62との間を近接させることによって、樹脂シート21、樹脂シート22および樹脂シート23を熱圧着によって一体化する。熱圧着の条件は、たとえば、温度250〜300℃、圧力4.0Paとする。
【0070】
このとき、樹脂シート21,22,23を形成する樹脂材料が軟化し、導体パターン36,46を覆うように流動することにより、導体パターン36,46が樹脂に内包された形態が得られる。熱圧着された樹脂シート21,22,23は、図1中の樹脂部20を形成し、導体パターン36は、図1中のコイル電極30を形成し、導体パターン46は、図1中のコンデンサ電極40を形成する。また、凸型プレス板61の凸部63の形状が樹脂シート21,23に転写されることにより、図1中の樹脂部20に凹部26を形成する。
【0071】
次に、オイル流路66に低温のオイルを流通させることによって、熱圧着された樹脂シート21,22,23を冷却する。冷却後、熱圧着された複数枚の樹脂シート21,22,23を凸型プレス板61と平型プレス板62との間から取り外す。以上の工程により、図1中に示す多層アンテナ10が完成する。
【0072】
図9は、比較のための多層アンテナを製造する方法の工程を示す断面図である。図9は、図8に対応する図である。図9を参照して、本比較例では、熱圧着工程時に、平面状のプレス面161aを有する平型プレス板161と、平面状のプレス面162bを有する平型プレス板162とを用いる。
【0073】
積層体120の熱圧着工程時、プレス板間には、導体パターンが密に配置される位置と、疎に配置される位置とが生じる。より具体的には、樹脂シート21,22の積層方向から見て、環状の導体パターン36が重なる領域では導体パターンが密に配置され、環状の導体パターン36の内側の領域33では導体パターンが疎に配置される。図9中に示す比較例においては、平型プレス板161および平型プレス板162から積層体120に作用する圧力は、導体パターンが疎に配置された位置で相対的に小さくなるため、導体パターン36の内側の領域33に圧力が十分に加わらない懸念が生じる。また、軟化した樹脂材料は、圧力が大きく加わる位置から小さく加わる位置に向けて流動する傾向があるため、樹脂材料の流動に伴って、コイル電極30が位置ずれしたり、変形したりする懸念が生じる。
【0074】
これに対して、本実施の形態では、積層体120の熱圧着工程時、凸型プレス板61のプレス面61aに形成された凸部63によって、導体パターン36の内側の領域33を押圧する。これにより、凸型プレス板61から積層体120に加わる力を、導体パターンが相対的に疎に配置された領域33で増大させる。結果、積層体120の全体を均一かつ十分な大きさの力で加圧し、多層アンテナ10においてデラミネーションの発生を抑制することができる。また、積層体120に対してより均一に力を作用させることによって、樹脂材料の流動を抑え、コイル電極30の位置ずれや変形を防止できる。
【0075】
凸部63の突出長さを大きく設定すると凸型プレス板61から積層体120に加わる力が増大する一方、導体パターン36の内側から外側に流出しようとする樹脂流れが顕著となる。これに対して、凸部63の突出長さ(H)を、樹脂シート21に形成された導体パターン36の総厚み(h1+h2+h3+h4)と、樹脂シート22に形成された導体パターン46の総厚み(h5+h6)との和以下とすることにより、このような懸念を解消することができる。
【0076】
以上に説明した、この発明の実施の形態における多層アンテナの製造方法の工程についてまとめて説明すると、本実施の形態における多層配線板としての多層アンテナ10の製造方法は、熱可塑性樹脂から形成される第1樹脂シートとしての樹脂シート21の表面21a上に、環状に延びる第1導体パターンとしての導体パターン36を形成する工程と、複数枚の樹脂シート21を積層して積層体120とするとともに、積層体120を、第1プレス板としての凸型プレス板61と、凸型プレス板61に対向して設けられた第2プレス板としての平型プレス板62との間に配置する工程と、凸型プレス板61および平型プレス板62の間で、複数枚の樹脂シート21を加熱しつつ、その積層方向に加圧する工程とを備える。凸型プレス板61は、平型プレス板62に向けて突出する凸部63が形成された第1プレス面としてのプレス面61aを有する。積層体120を凸型プレス板61と平型プレス板62との間に配置する工程は、樹脂シート21の積層方向から見た場合に、凸部63と、導体パターン36の内側の領域33とが重なるように、積層体120を位置決めする工程を含む。
【0077】
本発明で用いられる樹脂シートは、片面に形成された面内導体パターンと、その片面の反対面から面内導体パターンに接続された導体ペースト由来のインナービア(層間接続導体)とを有する。
【0078】
このように構成された、この発明の実施の形態における多層アンテナ10の製造方法および多層アンテナ10によれば、多層アンテナ10の製造工程時、凸部63が形成された凸型プレス板61を用いることによって、多層アンテナ10においてデラミネーションが発生することやコイルパターンがずれることを防止できる。また、多層アンテナ10の樹脂部20には、凸部63の形状が転写されて凹部26が形成される。多層アンテナ10をプリント基板50などの他部材に実装する場合に、凹部26が形成された樹脂部20の側面20bを実装面とすることにより、多層アンテナ10および他部材間で浮遊容量が形成されることを抑制できる。
【0079】
なお、本実施の形態では、本発明における多層アンテナを、一括多層プレス工程により熱圧着して得られる多層配線板として説明したが、このような製造方法に限られず、本発明における多層アンテナは、たとえば、接着剤が塗布された熱硬化性の樹脂シートから製造されてもよい。また、本発明における多層配線板の製造方法においては、板状のコンデンサ電極40は必須の構成でなく、環状の導体パターンのみを用いて多層配線板を製造してもよい。この場合、熱圧着工程時に、樹脂シートの積層体の両側に凸型プレス板を配置してもよい。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
この発明は、主に、樹脂に埋設された複数の導体パターン層を有する多層配線板およびその製造に利用される。
【符号の説明】
【0082】
10 多層アンテナ、20 樹脂部、20a,20b 側面、21,21A,21B,21C,21D,22,22A,22B,23 樹脂シート、21a,21b,22a,22b 表面、26 凹部、26s 側部、26t 底部、27 空間、30,30A,30B,30C,30D コイル電極、30p 一方端、30q 他方端、33 領域、36,46 導体パターン、37 インナービア、38 ビアホール、40,40A,40B コンデンサ電極、50 プリント基板、50a 主表面、51 電極層、61 凸型プレス板、61a プレス面、62 平型プレス板、62b プレス面、63 凸部、63s 側部、63t 頂部、66 オイル流路、120 積層体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂から形成される第1樹脂シートの表面上に、環状に延びる第1導体パターンを形成する工程と、
複数枚の前記第1樹脂シートを積層して積層体とするとともに、前記積層体を、第1プレス板と、前記第1プレス板に対向して設けられた第2プレス板との間に配置する工程と、
前記第1プレス板および前記第2プレス板の間で、複数枚の前記第1樹脂シートを加熱しつつ、その積層方向に加圧する工程とを備え、
前記第1プレス板は、前記第2プレス板に向けて突出する凸部が形成された第1プレス面を有し、
前記積層体を第1プレス板と第2プレス板との間に配置する工程は、前記第1樹脂シートの積層方向から見た場合に、前記凸部と、前記第1導体パターンの内側の領域とが重なるように、前記積層体を位置決めする工程を含む、多層配線板の製造方法。
【請求項2】
熱可塑性樹脂から形成される第2樹脂シートの表面上に、平面的に広がる第2導体パターンを形成する工程をさらに備え、
前記第2プレス板は、平面状に形成された第2プレス面を有し、
前記積層体を第1プレス板と第2プレス板との間に配置する工程は、複数枚の前記第1樹脂シートに対してさらに複数枚の前記第2樹脂シートを積層して積層体とするとともに、前記積層体を、前記第1樹脂シートが前記第1プレス面側に配置され、前記第2樹脂シートが前記第2プレス面側に配置されるように位置決めする工程を含む、請求項1に記載の多層配線板の製造方法。
【請求項3】
前記凸部の突出高さは、複数枚の前記第1樹脂シートに形成される前記第1導体パターンの総厚み以下である、請求項1または2に記載の多層配線板の製造方法。
【請求項4】
前記凸部は、前記第1プレス板と前記第2プレス板とが対向する方向に直交する平面により切断された場合の断面積が前記第2プレス板に近づくに従って小さくなるテーパ形状を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の多層配線板の製造方法。
【請求項5】
第1側面と、前記第1側面の裏側に配置される第2側面とを有する樹脂部と、
前記樹脂部に埋設され、前記第1側面および前記第2側面に直交する方向に積層され、前記第1側面側に配置される複数のコイル電極と、
前記樹脂部に埋設され、複数の前記コイル電極に対して前記第1側面および前記第2側面に直交する方向に積層され、前記第2側面側に配置される複数のコンデンサ電極とを備え、
前記コイル電極は、前記第1側面および前記第2側面に平行な平面内で環状に延びて形成され、
前記コンデンサ電極は、前記第1側面および前記第2側面に平行な平面内で平面状に広がって形成され、
前記樹脂部には、前記コイル電極の積層方向から見た場合に前記コイル電極の内側の領域に重なって配置され、前記第1側面から凹む凹部が形成される、多層アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−195423(P2012−195423A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57924(P2011−57924)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】