説明

天然石の外観を備える複合材料

ここに開示するのは、天然石の外観を備えた、ポリマーおよび天然骨材から作られた複合材料である。この複合材料は、該材料の表面の微生物の増殖を阻害する抗菌材料をさらに含有している。上記材料を製造する方法もさらに開示されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の背景〕
本発明は、充填剤と、抗菌特性を示す高分子材料とを含有した複合材料の生産に関連する。本発明は、特に、他の天然または合成材料と比較して改良された特性を備えた大理石および/または花崗岩の外観を有する材料に関連する。このような材料は、例えばテーブル台や調理台のような、不要な細菌の増殖に影響を受けやすい面を提供するために使用されることが多い。
【0002】
例えば大理石または花崗岩、およびその他の火成形状の結晶質シリカまたは珪質岩のような研磨された天然石は、装飾的および機能的外装、および面として、長期耐用建築物に適用されることが多い。しかし、これらの製品は成型および仕上げの処理に費用がかかり、また地理的に比較的わずかな地域でしか得られない。これらの要因は、上記のような材料を使用するにあたってすでに高い費用をさらに大幅に増大させる。さらに天然ゆえの欠点があるため、天然石を扱う建築業者は、亀裂および一般的な脆弱性に直面する。
【0003】
天然石は非常に多孔質であり、接触する液体を吸収するという別の問題がある。液体を吸収するというこの傾向は、使用時の染み、および水染み(watermarking)を引き起こし得る。液体の吸収はまた、細菌の増殖に有利な湿潤環境を生み出し得る。
【0004】
天然石製品固有の問題を回避する試みとして、例えば調理台、床、および建築外装などへの適用のために、合成繊維が詰められた種々の高分子化合物が開発されている。これらの合成材料は市販されている。一般的に、これらの材料は、高分子樹脂および無機充填剤を含み、また、室温または高温で活性化される硬化系(curing system)を用いて硬化される。これら化合物の欠点の1つとしては、高い品質および趣を呈する天然石の外観を考慮する消費者に対する美的な魅力に欠けることが挙げられる。
【0005】
そこで、天然製品の魅力的な美的外観を備えた製品の開発に対して多くの試みがなされている。硬石の何分の一かの費用で、特に大理石および花崗岩のような天然石の外観を備えた一部の合成製品が利用できるようになった。このような、いわゆる埋め込み人造石製品は人工成型物であり、一般的には、天然骨材、無機粒子、および/または色素で高度に満たされた樹脂から構成されている。
【0006】
上記のような製品の1つは、マングラム(Mangrum)に対する米国特許第3,278,662号に記載されている。同特許は、石を含有する大量生産可能なタイル製品について記載しており、テラゾ製品のインストーラーが一般的に直面する問題を回避するために利用される。同特許に記載のタイル製品は、重量約7%〜約25%の熱硬化性ポリエステル樹脂、および重量約93%〜約75%の石粒子を含有している。上記化合物は金型内で圧縮され、そして硬化される。得られる製品は本質的に硬質であり、セラミックおよび大理石タイル製品で注目される欠点と同様の欠点を持っている。
【0007】
一般に「ブレトン・ストーン(Breton Stone)」処理として知られる、イタリアはCastello di Godegoのブレトン社(Breton S.p.A.)によって商業化された別の処理が、この分野での商業的成功を収めている。この技術では、従来のポリエステル樹脂前駆体が低重量比で骨材と混合され、比較的乾燥した材料の塊が生成される。この比較的乾燥した材料の塊は減圧下で振動圧縮され、次に硬化されて硬質のタイル製品が生成される。この技術を実行するための処理については、Toncelliによって、米国特許第4,698,010号に開示されている。この技術で使用できる特殊なポリエステル樹脂については、米国特許第5,321,055号にSlocumによって開示されている。この技術に関連する他の特許は、米国特許第5,264,168号、同5,800,752号、ならびに同6,387,985号である。
【0008】
人工石製品の高まる人気によって、住宅および企業用建築物へのこれらの製品の利用が高まっている。天然石の最も一般的な応用品は、硬石の調理台およびテーブル台の代用品である。天然石はまた、建築外装、通路、家庭の家具、パティオの家具、装飾用石材、室内および屋外用タイル、床、壁装、マントル、浴室の設備、および擬石構造にも利用される。
【0009】
これら全ての用途に1つ共通していることは、天然石が美観的に重要かつ人間の活動に密接した場所に置かれているという点である。これらの場所はまた、細菌、かび、白かび、および真菌の増殖が極めて望ましくない場所でもある。調理台およびテーブル台は、食事の準備にごく近接しているため、このような増殖が特に望ましくない用途の2つである。
【0010】
これらの合成石の代用品は、多くの面で石よりも優れてはいるが、天然石からなる製品固有のいくつかの欠点を持ち合わせている。そのような欠点の1つは、天然石の多孔性である。天然石およびその骨材は多孔性であり、また水を吸収する。これによって、天然石板に発生するものと同様の染みが発生し得る。また石粒子によって吸収された水によって、微生物の増殖に適した湿潤環境が生まれる。この湿潤環境は、製品を染みにさせ、表面を滑りやすく危険にし、好ましくない臭気を発生させ、食物を汚染し、二次汚染の媒介として作用し、また病気を助長する。
【0011】
天然骨材は多孔性かつ表面が粗いため、天然石の多くの生産業者は、製品の表面にゲルコートを施している。これらのゲルコートは、完成品の撥水度をある程度高めるが、強力な洗浄化学薬品によって損傷され得、また基礎をなす多孔性の骨材を完全にふさぐことができない可能性がある。
【0012】
つまり、調理台、テーブル台、およびその他の、人間と緊密に接触する場所における人工石製品の使用の増加によって、これら人工石の表面で微生物が増殖する可能性を低減または除去する必要性が生まれている。
【0013】
従って、天然石のそれと同様の外観を備えた改良型の複合材料であって、該材料の表面の微生物の存在を低減または除去する複合材料を提供することが本発明の目的である。本発明の別の目的は、幅広い商業利用に適した費用効率のよい方法で、上記のような材料を提供することにある。
【0014】
〔詳細な説明〕
本発明は、例えば炭酸カルシウム、大理石、花崗岩、石英、長石、珪岩、およびこれらの混合物のような天然骨材を含んだ種々の高分子複合物に適用される。このような複合物は、より費用効率がよく、また特定の構造的および美的特性を得るための設計ができるため、天然硬石板の代替品としてますます使用されるようになってきている。
【0015】
本明細書中で使用される場合、「天然骨材」という言葉は、主に天然砕石および鉱物を意味する。具体的には、「天然骨材」という言葉は、炭酸カルシウム、大理石、花崗岩、石英、長石、珪岩、およびこれらの混合物を含んだ骨材を含むものと理解されるであろう。同様に、「充填剤」という言葉は、高分子複合物の容量を増し、かつ強度を与える目的でしばしば添加される材料を含むものと理解されるであろう。このような「充填剤」は、ヒュームドシリカ、砂、粘土、飛灰、セメント、破損セラミック、雲母、珪酸フレーク、破損ガラス、ガラス玉、ガラス球体、鏡の破片、スチールグリット、アルミグリット、炭化物、プラスチックビーズ、ペレット化したゴム、粉末高分子複合物(例えば、銅充填剤を覆うアクリル)、木片、おがくず、ラミネート紙、顔料、着色剤、およびこれらの混合物を含む。
【0016】
本発明は、広義では、天然石と同様の外観を備えた構造材料の改善である。このような材料は、イタリアはCastello di Godegoのブレトン社が市販しており、一般に「ブレトン・ストーン」として知られている。本発明の最も基本的な実施形態の1つにおいて、天然石のそれと同様の外観を備えた複合構造材料がある。この材料は、天然骨材、高分子接合剤、および抗菌剤を含んでいる。この材料は、硬化剤および1つ以上の充填剤をさらに含んでいる。
【0017】
本発明は、請求項に記載の複合材料を製造する方法をさらに包含している。請求項に記載の方法は、ブレトン・ストーン処理の改善である。広義では、請求項に記載の処理は、適切な寸法の天然骨材を入手する工程、該骨材を高分子接合剤と混合させて骨材と接合剤との混合物を形成する工程、該混合物を金型に分配する工程、および熱、圧力、振動を加えることによって該混合物を硬化させる工程を含んでいる。
【0018】
次に、請求項に記載の処理について具体的に説明する。ブレトン処理(Breton Process)が備える可変要素(例えば、使用される天然骨材の種類および量、高分子接合剤の種類および量、充填剤の使用、完成品の厚み等)は、可変要素において可能なあらゆる変更についての徹底的な議論を阻む。しかし当業者であれば、所望の結果を得るために、ブレトン・ストーン処理の基本概念、および種々の可変要素の操作について精通している。従って、当業者であれば、ここに記載の発明の教示を容易に理解し、これらの教示および基本となるブレトン処理を修飾して、過度の実験を行うことなく、所望の結果を得ることができる。しかし、以下の説明は、本発明を典型的なブレトン・ストーン工程に組み込む方法の一例として提示される。つまり、以下の説明は典型例に過ぎず、本発明の範囲を不当に制限するものとして解釈されるべきではない。
【0019】
本発明によると、高分子複合材料は、簡素化した処理で製造される。適切な寸法の天然骨材、高分子接合剤、および抗菌剤が混合されて金型へ分配される。その後、上記高分子接合剤が急速に硬化するように、振動、熱、圧力が同時に加えられる。硬化剤は、硬化工程を促進し、全体の処理を迅速化するために上記混合物へしばしば添加される。次に、この処理の各側面について以下に詳述する。
【0020】
本発明での使用に適した天然骨材は、天然砕石および鉱物を含む。好適な実施形態では、天然骨材は、炭酸カルシウム、石英、花崗岩、長石、大理石、珪岩、およびこれらの混合物からなるグループから選択される。大理石、花崗岩、および石英が特に好ましい。個々の骨材粒子の大きさは、複合材料の最終用途によって異なっていてもよく、使用される成型器具の大きさによって最終的に制限される。米国特許第4,698,010号および同5,800,752号に記載されているような適切な器具は市販されており、本明細書中で詳しく説明される。大部分の処理において、個々の骨材粒子の平均的な大きさは、約100mm未満、好ましくは約25mm未満、最も好ましくは約10mm未満に保たれる。平均的な粒子の大きさが約1mm〜3mmである骨材が特に好ましい。
【0021】
同様に、上記複合材料中の天然骨材の相対量は、製品の最終用途によって異なっていてもよい。ほとんどの場合、天然骨材は、最終的に得られる複合物の約85重量%〜約96重量%を構成している。割合が85重量%未満であると、一般的に、天然石様の外観を有する製品は得られない。骨材が96重量%を超えると、商業的に許容可能な製品を提供するための十分な接合剤が存在しない。好適な実施形態では、天然骨材は、硬化した複合物の約89重量%〜約93重量%を構成している。
【0022】
天然骨材に加えて、骨材と接合剤との混合物に充填剤が添加されていてもよい。充填剤は、混合物の容量を増やし、そして強度を与えるために、高分子混合物に添加される任意の従来の材料を含んでいてもよい。本発明での使用に適切である一般的な充填剤は、ヒュームドシリカ、砂、粘土、飛灰、セメント、破損セラミック、雲母、珪酸フレーク、破損ガラス、ガラス玉、ガラス球体、鏡の破片、スチールグリット、アルミグリット、炭化物、プラスチックビーズ、ペレット化したゴム、粉末高分子複合物(例えば、銅充填剤を覆うアクリル)、木片、おがくず、ラミネート紙、顔料、着色剤、およびこれらの混合物を含んでいる。
【0023】
本発明の実行に際して使用される充填剤の相対量もまた、製品の最終用途によって異なっていてもよい。テーブル台および調理台への適用においては、天然石の外観を保つために、かさばる充填剤(例えば粘土)の量は通常少ない。一方、着色剤のような充填剤は、均一な表面外観を得るための助けとして、しばしば混合物へ添加される。実際、着色剤は、一般的に屋外の適用品に用いられる複合物へ添加される、紫外線安定剤のような他の充填剤および添加剤に対して、しばしば有益な基材を提供する。本発明の実行に際して使用できる幅広い種類の充填剤を考慮すると、全複合物に対する充填剤の量は、0重量%(または極めてわずかな量)〜約12重量%の範囲内で異なっていてよい。充填剤は、最終製品の有効性を減じるに十分な量で存在していてはならない。ブレトン処理の技術に熟達した者であれば、この処理における充填剤の使用を決定する様々な考慮事項について理解している。
【0024】
本発明の実行に際して使用される高分子接合剤は、選択された天然骨材を固定するのに適した任意の高分子接合剤であってよい。適切な高分子接合剤は、実質的にあらゆる熱硬化性樹脂を含む。接合剤は、ポリマー、ポリマーの混合物(例えばポリエステルおよびウレタン)、モノマー、およびモノマーとポリマーとの混合物から形成されることができる。適切なポリマーの例として、ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール樹脂、ウレタン、およびこれらの混合物が挙げられる。上記高分子接合剤用のモノマーの例としては、α、β−エチレン不飽和モノマー(例えば、スチレンおよびスチレン誘導体)、低アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリル、アクリルおよびメタクリル酸のCl1−8アクリルエステル(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、およびメタクリル酸ブチル)、フェノール、およびフラン等が挙げられる。これらのモノマーは、単体または組み合わせで使用することができる。
【0025】
当業者は、本明細書に記載の各高分子接合剤独自の特性について十分理解している。また当業者であれば、特定の適用品の必要性に基づいて、適切な接合剤を容易に選択することができる。好適なポリマーの1つはポリエステルである。好適なモノマーは、特に費用の点から鑑みて、スチレン、メタクリル酸メチル、およびアクリル酸ブチルである。
【0026】
上記接合剤は、骨材と該接合剤との間の粘着を助ける結合剤(例えばシラン)をさらに含んでいてもよい。これは、特に硬い充填剤には有用である。例えば、シラン結合剤が上記混合物に添加された場合、ポリエステル接合剤は石英とより効果的に結合する。結合剤はまた、接合剤の添加前に充填剤(例えばガラス繊維)を前処理するために使用することもできる。
【0027】
本発明の実行に際して使用される高分子接合剤の量は、請求項に記載の複合材料の他の成分と同様に異なっていてもよい。本発明の全ての実施形態において、特定の適用品に必要な物理的特性(例えば強度)を有する構造材料を提供するために、十分な高分子接合剤が使用されている。天然石の外観を模倣することが目的である適用品のほとんどにおいて、上記高分子接合剤は、重量約4%〜重量約15%、より好ましくは約6%〜10%の範囲の量で存在している。当然、使用される接合剤の種類は、使用される接合剤の量に影響を与える。しかしながら、当業者はこの点について理解し、必要に応じて適切な調節を加えることができる。
【0028】
好適な実施形態において、上記高分子接合剤は主にポリエステルを含み、硬化した複合物中に約6重量%〜約10重量%の量で存在している。
【0029】
本発明の実行に際して使用される適切な抗菌剤は、有機および無機抗菌剤を含む。当業者には容易に明らかとなるように、様々な有機抗菌剤は、例えばクロルヘキシジン、アレキシジン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セタルコニウム、セトリミド、臭化セトリモニウム、塩化グリシジルトリメチルアンモニウム、塩化ステアラルコニウム、ヘキセチジン、トリクロサン、およびトリクロカルバンを含んでいることが知られている。抗菌剤の好適な化合物類(class)は、第4級アンモニウム化合物であり、以下の化合物を含むがこれらに限定されるものではない:
【0030】
フッ化物:
フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム
【0031】
塩化物:
塩化アセチルコリン、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンゾイルコリン、塩化ベンジルセチルジメチルアンモニウム、塩化N−ベンジルシンコニジニウム、塩化N−ベンジルシンコニニウム(cinchoninium)、塩化ベンジルジメチルフェニルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、塩化N−ベンジルキニジニウム、塩化N−ベンジルキニニウム(N-Benzylquininium Chloride)、塩化ベンジル−n−ブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化カルバミルコリン、塩酸DL−カミチン、塩化クロロコリン、(3−クロロ−2−ヒドロキシ−n−プロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、塩化コリン、塩化n−デシルトリメチルアンモニウム、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、塩化ジクロロメチレンジメチルイミニウム、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム、塩化n−ドデシルトリメチルアンモニウム、ジラード試薬T(Girard’s reagent T)、塩化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ラウロイルコリン(Lauroylcholine Chloride)、塩化メタコリン、塩化メタクロイルコリン、(2−メトキシエトキシメチル)トリエチルアンモニウムクロリド、[bgr]−塩化メチルコリン、塩化メチルトリエチルアンモニウム、塩化ミリストイルコリン、塩化n−オクチルトリメチルアンモニウム、塩化フェニルトリエチルアンモニウム、塩化フェニルトリメチルアンモニウム、ホスホコリン塩化カルシウム塩、ホスホコリン塩化ナトリウム塩、塩化サクシニルコリン、塩化テトラ−n−アミルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化n−テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、トリメチル〔2,3−(ジオレイロキシル(dioleyloxyl))プロピル〕アンモニウムクロリド、塩化トリメチルステアリルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、
【0032】
臭化物:
臭化アセチルコリン、臭化ベンゾイルコリン、臭化ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ブロモコリン、臭化セチルジメチルエチルアンモニウム、臭化コリン、臭化デカメトニウム、臭化n−デシルトリメチルアンモニウム、臭化ジデシルジメチルアンモニウム、臭化ジラウリルジメチルアンモニウム、臭化ジメチルジミリスチルアンモニウム、臭化ジメチルジオクチルアンモニウム、臭化ジメチルジパルミチルアンモニウム、臭化ジメチルジステアリルアンモニウム、臭化n−ドデシルトリメチルアンモニウム、(フェロセニルメチル)ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムブロミド、n−エクサデシル(exadecyl)トリメチルアンモニウムブロミド、臭化ヘキサメトニウム、臭化ヘキシルジメチルオクチルアンモニウム、臭化n−ヘキシルトリメチルアンモニウム、臭化メタコリン、臭化ネオスチグミン、臭化n−オクチルトリメチルアンモニウム、臭化フェニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化テトラ−n−アミルアンモニウム、臭化テトラ−n−臭化ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−デシルアンモニウム、臭化n−テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラ−n−オクチルアンモニウム、臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、臭化トリメチルビニルアンモニウム、臭化バレタメート。
【0033】
ヨウ化物:
ヨウ化アセチルコリン、ヨウ化アセチルチオコリン、ヨウ化ベンゾイルコリン、ヨウ化ベンゾイルチオコリン、ヨウ化ベンジルトリエチルアンモニウム、ヨウ化n−ブチリルコリン、ヨウ化n−ブチリルチオコリン、ヨウ化デカメトニウム、ヨウ化N,N−ジメチルメチレンアンモニウム、ヨウ化エチルトリメチルアンモニウム、ヨウ化エチルトリ−n−化プロピルアンモニウム、(フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムヨージド、(2−ヒドロキシエチル)トリエチルアンモニウムヨージド、[bgr]−メチルコリンヨージド、O−[bgr]−ネフチルオキシカルボニルコリンヨージド、ヨウ化フェニルトリエチルアンモニウム、ヨウ化フェニルトリメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−アミルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−オクチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−プロピルアンモニウム、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヨージド。
【0034】
水酸化物:
水酸化ベンジルトリエチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、コリン、水酸化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、水酸化フェニルトリメチルアンモニウム、スフィンゴミエリン、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−デシルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−オクチルアンモニウム、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド。
【0035】
その他:
過塩素酸アセチルコリン、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨーダート、ベンジルトリメチルアンモニウムテトラクロロヨーダート、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、ベタイン、塩酸ベタイン、重クロム酸ビス(テトラ−n−ブチルアンモニウム)、ビス(テトラ−n−ブチルアンモニウム)テトラシアノジフェノキノジメタニド(Tetracyanodiphenoquinodimethanide)、L−カルニチン、3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパンスルホネート、安息香酸デナトニウム、n−ドデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムハイドロオキサイド、内塩(Inner Salt)、N−フルオロ−N’−(クロロメチル)トリエチレンジアミンビス(テトラフルオロボラート)、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、過塩素酸n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムハイドロオキサイド、内塩、メチル硫酸ネオスチグミン、n−オクタデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムハイドロオキサイド、内塩、三臭化フェニルトリメチルアンモニウム、プロピオニルコリンp−トルエンスルホネート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアジド、テトラ−n−ブチルアンモニウムビフルオリド(Bifluoride)、テトラ−n−ブチルアンモニウムボロヒドリド(Borohydride)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロモジヨード(Bromodiiodide)、テトラ−n−ブチルアンモニウムジブロモアウラート、テトラ−n−ブチルアンモニウムジブロモクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムジブロモヨージド、テトラ−n−ブチルアンモニウムジクロロアウラート、テトラ−n−ブチルアンモニウムジクロロブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムジクロロアウラート、テトラ−n−ブチルアンモニウムジクロロブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムジフオロトリフェニルシリカート、テトラ−n−ブチルアンモニウムジフオロトリフェニルスタンナート、テトラ−n−ブチルアンモニウムジヒドロゲントリフルオリド(Dihydrogentrifluoride)、テトラ−n−ブチルアンモニウムジヨードアウラート(Diiodoaurate)、テトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、(イオン対クロマトグラフィーに対する)テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート(Hydrogensulfate)、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、テトラ−n−ブチルアンモニウムパークロラート(Perchlorate)、テトラ−n−ブチルアンモニウムパーレナート(Perrhenate)、テトラ−n−ブチルアンモニウムホスファート、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリシラート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフェニルボラート、テトラ−n−ブチルアンモニウムチオシアナート(Thiocyanate)、テトラ−n−ブチルアンモニウムトリヨージド、テトラエチルアンモニウムボロヒドリド、テトラエチルアンモニウムパークロラート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラエチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、酢酸テトラメチルアンモニウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、テトラメチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、硫酸テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボラート、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホネート、テトラメチルアンモニウムトリアセトキシボロヒドリド(Triacetoxyborohydride)、テトラ−n−プロピルアンモニウムペルテナート(Perruthenate)、トリフルオロメタンスルホニックアシッドテトラ−n−ブチルアンモニウム塩。
【0036】
特に好適な抗菌剤は、高分子接合剤を通って接合剤(および、得られる構造材料)の露出面に到るまでの制御が、平衡点に達するまで、実質的に制御される抗菌剤を含む。上記材料表面の使用中の摩耗、または露出された抗菌剤の劣化によって、これらの抗菌剤が除去され、確立された平衡が崩される。こうして、新たな平衡点が得られるまで、抗菌剤の表面へのさらなる移動が促進される。上述した抗菌剤の一部は、このタイプの移動を示す。この能力を持つ特定の有機抗菌剤は、トリクロサンとして商業的に知られている5−クロロ−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール、トリルジヨードメチルスルホン、亜鉛ピリチオン、ナトリウムピリチオン、オルトフェニルフェノール、ナトリウムオルトフェニルフェノール、ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ポリ〔オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンクロリド〕、プロピコナゾール、テブコナゾール、ベトキサジン、チアベンダゾール、ポリヘキサメチレンビグアニド(即ちPHMB)、商標名オニキシド(Onyxide)として市販されている1,3,5−トリアジン−1,3,5−(2H、4H、6H)−トリエタノール、ならびに、例えばN−ブチル−1,2−ベンゾソチアゾンリン(benzisothiazonlin)−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアザリノン(isothiazalinone)を含む。
【0037】
高分子接合剤としてポリエステルを共に使用する場合は、トリクロサンが特に好ましい。
【0038】
同様に、適切な無機抗菌剤は、任意の公知の抗菌金属塩およびセラミックを含む。このような金属塩は、銀、銅、亜鉛、水銀、スズ、鉛、ビスマス、バリウム、カドミウム、クロム、の塩、およびこれらの混合物の塩を含む。特に好適な金属塩は、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、スルファジアジン銀、酸化亜鉛、メタホウ酸バリウム、およびメタホウ酸亜鉛を含む。抗菌銀塩が特に好ましい。
【0039】
本発明を実行するにあたっての使用に適切な抗菌金属セラミックは、ゼオライト、ガラス、ヒドロキシアパタイト、リン酸ジルコニウム、または他のイオン交換セラミックを含むが、これらに限定されるものではない。銀を含有するセラミックの例としては、石塚硝子株式会社(Ishizuka Glass Company)のイオンピュアWPA(Ionpure WPA)、イオンピュアZAF(Ionpure ZAF)、およびイオンピュアIPL(Ionpure IPL)、ならびにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社(Ciba Speciality Chemicals)のチバB5000(Ciba B5000)およびチバB7000(Ciba B7000)が挙げられる。
【0040】
上記複合構成材料中の抗菌剤の種類および量は、該複合構成材料中に含有されている天然骨材、高分子接合剤、充填剤、またはそれ以外の添加物の種類および量によって異なっていてもよい。例えば、高度に交差結合された結晶性高分子接合剤は、量が多い抗菌剤の接合剤表面への移動、または上記複合構成材料の外側の高分子被覆を阻害する傾向がある。当業者であれば、適切な抗菌材料を適切な接合剤と適合させることができる。
【0041】
同様に、当業者であれば、複合構成材料への抗菌剤の適切な添加について判断することができる。抗菌剤の必要量を決定する上での主な指針は、懸念される微生物に対して、商業的に許容可能な程度の有効性を示すための十分な抗菌剤を複合物へ添加することである。
【0042】
好適な実施形態において、抗菌剤は、高分子接合剤を通って複合物表面へ制御移動する能力を備えている。このような抗菌剤は、複合物中に、該複合物の全重量に対して少なくとも500ppmの水準で含有されていなければならない。コスト要因によって、一般的に、抗菌剤の量の上限は約1%(即ち10,000ppm)に設定される。ほとんどの場合、そのような移動性の抗菌剤は、硬化した製品の重量に対して約800ppm〜7000ppmの範囲、最も好ましくは約1000ppm〜5000ppmの範囲で含有されている。
【0043】
特に好適な実施形態では、高分子接合剤はポリエステルであり、抗菌剤はトリクロサンである。この実施形態において、トリクロサンは、約800ppm〜5000ppmの範囲の濃度で複合物中に含有されている。
【0044】
特に好適なさらなる実施形態では、抗菌剤は金属である。特に好適な金属は銀であり、自由イオンとして、またはマトリックス(ゼオライトまたはガラスマトリックス)中に存在していてもよい。この実施形態において、銀は約1000ppm〜50,000ppmの範囲の濃度、より好ましくは約5000〜20,000の範囲の濃度で複合物中に存在している。これらの金属と共に使用する場合は、ポリエステルが特に好ましい高分子接合剤である。
【0045】
なおさらに別の、特に好適な実施形態において、抗菌剤は、フリーラジカル重合で反応する能力と、自身を高分子接合剤へ結合させる能力とを有する不飽和反応基(例えば、ビニルまたはスチレン基)を有する第4級アンモニウム化合物である。このような化合物はおそらく、高分子接合剤における移動を制限する。なぜなら、これら化合物の活動が、該化合物を接合剤内の所定の位置へ本質的に固定するからである。しかしながら、最終製品の表面に許容可能な効果を備えさせるために、この種類の抗菌剤を十分な量で添加することができる。別の方法として、以下に詳述するように、この種類の抗菌剤を表面または表面付近に選択的に配置させて、許容可能な効果を比較的低濃度で備えさせることができる。従って、この種類の抗菌剤の濃度は、その使い方次第で幅広い範囲で異なっていてもよい。抗菌剤が接合剤中にくまなく混合された場合、100,000ppm〜400,000ppmの範囲の濃度で許容可能な効果がもたらされると考えられる。抗菌剤が最終製品の主に表面または表面付近に配置されている場合、約1000ppm〜100,000ppmの範囲の低濃度で、許容可能な効果がもたらさせると考えられる。この種類の抗菌剤特有の利点の一つは、この抗菌剤の反応性によって、材料からの抗菌剤の浸出が防止されることである。
【0046】
抗菌剤は、複数の方法で複合物へ添加することができる。抗菌剤を添加する具体的な方法は、全体的な処理および使用される設備によって異なる。しかし一般的には、抗菌剤は1つまたは2つの方法で添加される、つまり、直接または基材を介して添加する方法である。
【0047】
例えば、抗菌剤は、混合物が金型へ配置される前に、骨材と接合剤との混合物に直接添加させることができる。接合剤がポリエステルである場合、粉末状のトリクロサンは、骨材と接合剤との混合物に直接添加させるとうまく機能する。金属抗菌剤を骨材と接合剤との混合物へ直接添加する方法もまた、うまく機能することが示されている。
【0048】
別の方法として、濃縮された抗菌剤と高分子接合剤とのマスタバッチを用意し、これを適切な時点で処理過程に投入する。トリクロサンとポリエステルとのマスタバッチはうまく機能する。
【0049】
さらに別の方法として、抗菌剤を液体基材に入れて、その抗菌剤/基材系を接合剤へ添加する方法がある。トリクロサン/ポリエステル系に対する適切な液体基材の1つとして、コグニス社(Cognis Corporation)から市販されているクロマシストWEZTM(Chromasist WEZTM)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0050】
液体基材系を使用する場合は、その基材系が全体的な処理と互換性があるものであることを注意して確かめなければならない。例えば、トリクロサンに対する基材としてのクロマシストWEZTMは、許容可能な製品をもたらすが、しかし特定の種類の器具、または骨材と接合剤との特定の組み合わせを用いると、硬化時間を延長し得る。ブレトン・ストーン処理の性質を考慮すると、選択される抗菌剤および運搬方法に関わらず、ある程度の微調整が必要となるであろう。
【0051】
なおさらに別の方法では、抗菌剤と着色剤とのマスタバッチを形成し、次にこれを、他の着色剤を混合物へ添加するのと同様に、骨材と接合剤との混合物へ添加する。この方法は、治験研究において、トリクロサンと共にうまく機能することが明らかになっている。
【0052】
本発明での使用に適していると思われるさらなる方法では、抗菌剤を所望の面付近に選択的に配置させる。これは、複数の方法の1つによって達成される。例えば、一部の処理において、金型と、鋳造骨材/接合剤混合物との間に薄い高分子層を備えさせることができる。この高分子層は、一般的にはゲルコートまたは離型剤として使用され、前述の接合剤についての説明において特定したポリマーを含んでいてもよい。ポリマーが、所望の抗菌剤に対して相溶性がある場合は、抗菌剤は、この薄い高分子層に添加され得る。この技術は、高分子接合剤を通ってあまり移動しない抗菌剤には特によく適していると考えられる。
【0053】
ブレトン・ストーン処理の性質を考慮すると、選択される抗菌剤および運搬方法に関わらず、ある程度の微調整が必要となるであろう。
【0054】
ほとんどの場合、抗菌剤の運搬方法は、その抗菌剤を(直接または基材の使用を介して)上記骨材と接合剤との混合物の中に混合させるいくつかの形式を含んでいることが期待されている。抗菌剤が複合物全体に均一に混ざるように注意を払わねばならない。混合工程では、一般的に、従来のブレトン処理で既に利用されている混合器具を利用する。混合時間は、前述の可変要素によって異なっていてもよい。抗菌剤が骨材および接合剤へ直接添加される場合の推奨混合時間は約5分〜20分である。抗菌剤が、着色剤などの基材を介して添加される場合の混合時間は、その基材に対して通常用いられる混合時間と一致し得る。
【0055】
一部の処理において、上記骨材と接合剤との混合物は加熱され、混合時に減圧下へ置かれる。これは、上記混合物から気泡を除去するために行われる。抗菌剤の抗菌活性を損なわせ得る、もしくは、抗菌剤または高分子接合剤の許容できない蒸発(volitization)を生じさせ得る温度および圧力を加えないように注意を払わねばならない。各抗菌剤は、独自の臨界温度および圧力曲線を持ち、これらの曲線は当業者には知られている、または実験室で容易に生み出すことができる。高温を用いる場合、蒸発に伴う損失を補うために、わずかに多い抗菌剤および接合剤が必要となる場合がある。
【0056】
もしくは、混合工程中に圧力を加えてもよい。加圧によって、揮発性の接合剤成分および抗菌剤の沸騰および蒸発が最小限になる。従って、失われた成分の代償が最小限になり、また最終製品には、実質的に空洞、亀裂、およびうねりがない。好適な実施形態において、圧力は減圧として加えられる。この減圧の強度は大幅に変化させることができる。許容可能な減圧強度は、ほぼ0トンから140トン超に渡る。減圧の上限は、使用される器具によって主に決定される。従って、本発明は、より強い減圧を可能にするであろう減圧技術における改良を見込み、これを包含している。現在の大部分の処理において、混合物へ加えられる減圧は、約70トン〜120トンの範囲である。
【0057】
複合物が完全に混合されたら、該複合物は金型へ入れられる。これは、熱および/または圧力または減圧を加えている間に行うことが好ましい。その後、金型の内容物が振動される。混合物の振動によって、骨材が金型中に均一に分配される。密度が高く、かつ空洞がほぼない最終製品を生産するために、骨材粒子は、緊密に詰め込まれるように振動される。用いられる振動は、ブレトン処理で一般に用いられる振動である。
【0058】
混合物の振動に必要な振動数および時間は、製品の一片の厚み、混合物の構成、接合剤の濃度、および充填剤の大きさおよび濃度によって異なる。粗い充填材料が、振動によって微細な充填材料および接合剤から分離しないように、振動数および時間が選択されることが好ましい。
【0059】
振動完了時、または振動と同時に、混合物が硬化される。硬化は、一般的に、処理中のある時点で硬化剤を添加することにより促進される。ブレトン・ストーン処理で通常使用される硬化剤を、本発明の実行に際して使用してもよい。硬化剤の選択に関する主な必要事項は、その硬化剤が、請求項に記載されている材料の他の成分と同様に、高分子接合剤および抗菌剤に対して相溶性を有していなければならないという点である。
【0060】
当業者であれば、上記硬化工程は「断続的(on and off)」な工程ではなく連続して起こる事象であることを理解している。実際、硬化の一部は混合工程で早くも起こる。しかし、説明を簡単にするために、硬化工程は通常は別個の工程であるとみなされる。なぜなら、硬化工程は通常は処理過程における律速工程(rate-limiting step)であるからであり、そして硬化率は調節処理パラメータによって調節され得るからである。
【0061】
硬化工程は大部分の処理過程における律速工程であるが、当業者は、温度を上昇させて硬化を加速させることを通常好まない。なぜなら、高分子接合剤が沸騰し、硬化した製品中に気泡を発生させ、蒸発に伴って接合剤の損失が生じ得るからである。また高温によって、従来の処理で製造された板において、過度の亀裂およびうねりが生じる。温度が高すぎると、振動および圧力サイクルが始まる前に高分子接合剤が硬化するであろう。
【0062】
一方、温度が低すぎると、硬化していない混合物は、金型表面にしばしば加えられる離型剤を摩耗および希釈する傾向がある。硬化製品は、次に、金型の摩耗した表面に付着する。硬化温度は、処理の他の工程と同様に、混合物に含有されている成分に鑑みて選択されなければならない。当業者であれば、自社の接合剤、抗菌剤、および硬化剤等の臨界温度について理解しており、それに従ってこれらの処理パラメータを設定することができる。
【0063】
天然石模造製品を製造する従来の処理において、重合は、周囲温度〜200℃の範囲の温度で混合物を金型内で硬化させることによって開始される。高分子接合剤としてポリエステルを使用して行った試験では、約70℃〜100℃の硬化温度が用いられた。トリクロサンはこの温度でうまく機能する。そしてこれが、トリクロサンが好適な抗菌剤である理由のひとつである。
【0064】
熱および振動の付加と同時に、金型中の成分は、高分子成分の亀裂、うねり、沸騰、および蒸発を最小限にするために圧力下に置かれる。用いられる正確な圧力は、使用される高分子複合物および加えられる振動の度合いによって異なる。この処理に対する最低圧力は、高分子接合剤の沸騰および蒸発を最小限にするために必要な圧力である。例えば、ポリエステルとトリクロサンとを使用した適用における圧力は、好ましくは約70トン〜約120トンの範囲、より好ましくは約90トン〜約100トンの範囲である。圧力は、頂圧盤(top platen)または減圧によって加えられてもよい。
【0065】
圧力が低すぎると、混合物中に気泡が残り、得られる高分子複合製品に不要な空洞ができる。圧力を加えることによってさらに、接合剤の均一な分配が助けられ、硬化していない接合剤の気泡が「絞り」出されて、取り囲んでいる充填剤の周囲により均一に分配される。圧力がより低いと、接合剤が均一に分配されない場合がある。約140トンを超える圧力では、得られる製品において、追加コストの正当な理由となるような新たな改善は見られない可能性がある。
【0066】
熱、圧力、および振動を同時に加えることで、高分子複合製品の周囲に、硬化していないポリマーの蒸発および沸騰を阻害する高分子フィルムが形成される。この高分子フィルムはまた、充填剤による摩耗から金型表面を保護する役割を果たす。
【0067】
それでもやはり、表面の外観をよりよくするために、従来の処理においてゲルコートが用いられることが多い。ゲルコート表面への抗菌剤の制御移動を可能にするために、抗菌剤をゲルコートにも添加してもよく、もしくは十分な量の抗菌剤を混合物に添加してもよい。本発明の出願人と同一出願人による、米国特許第5,919,554号は、抗菌剤のゲルコートとの併用について論じている。
【0068】
硬化工程の完了時に、硬化した材料が金型から取り除かれて、完成品へと仕上げられる。このような製品は、とりわけテーブル台、調理台、建築外装、通路、家庭の家具、パティオの家具、装飾用石材、室内および屋外用タイル、床、マントル、浴室の設備、壁の外装、まな板、シンク、シャワー、浴槽、および擬石構造を含む。
【0069】
上記説明から明らかであるように、本発明は、天然骨材、高分子接合剤、硬化剤、および抗菌剤を含有した、天然石のそれと同様の外観を備えた複合材料をさらに包含するものである。充填剤および他の添加剤もまた、上記複合材料に含有されていてもよい。
【0070】
上記複合材料に含有されている上記各成分およびそれぞれの相対量は、処理工程に関連して説明される。当業者であれば、処理に関する説明から、得られる完成品へ容易に到達することができる。従って、簡潔にするために、それぞれの材料の成分に関する説明は繰り返さない。
【0071】
実施例
本発明の好適な実施形態に従って、天然大理石の外観を有する複数の調理台を製造した。具体的には、天然骨材には大理石、高分子接合剤にはポリエステル、そして抗菌剤にはトリクロサンを使用した。サンプルは、異なる量のトリクロサンによって特徴付けられている。各サンプルは、ASTM Test Method100の改良版を用いて試験したところ、5つの異なる微生物に対して効果を示した。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
【表3】

【0075】
【表4】

【0076】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然石の外観と同様の外観を備え、
天然骨材と、
高分子接合剤と、
硬化剤と、
抗菌剤と、を含んだ複合構成材料。
【請求項2】
上記天然骨材材料が、炭酸カルシウム、大理石、花崗岩、石英、長石、大理石および珪岩、並びにこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
ヒュームドシリカ、砂、粘土、飛灰、セメント、破損セラミック、雲母、珪酸フレーク、破損ガラス、ガラス玉、ガラス球体、鏡の破片、スチールグリット、アルミグリット、炭化物、プラスチックビーズ、ペレット化されたゴム、粉末高分子複合物、木片、おがくず、ラミネート紙、顔料、着色剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択された充填剤をさらに含む、請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
上記天然骨材材料が、上記複合物の全量の約85重量%〜約96重量%を構成する、請求項2に記載の複合材料。
【請求項5】
上記天然骨材材料が、上記複合物の全量の約89重量%〜約93重量%を構成する、請求項4に記載の複合材料。
【請求項6】
上記高分子接合剤が、上記複合物の全量の約4重量%〜約15重量%を構成する、請求項4に記載の複合材料。
【請求項7】
上記高分子接合剤が、上記複合物の全量の約6重量%〜約10重量%を構成する、請求項6に記載の複合材料。
【請求項8】
上記高分子接合剤が、モノマー、モノマーの混合物、ポリマー、ポリマーの混合物、およびモノマーとポリマーとの混合物からなるグループから選択される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項9】
上記高分子接合剤がポリマーであって、かつ、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーからなるグループから選択される、請求項8に記載の複合材料。
【請求項10】
上記高分子接合剤がポリマーであって、かつ、ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール樹脂、ウレタン、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項9に記載の複合材料。
【請求項11】
上記高分子接合剤がモノマーであって、かつ、アクリル、スチレン、スチレン誘導体、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、フェノール、およびフランからなるグループから選択される、請求項8に記載の複合材料。
【請求項12】
上記モノマーが、スチレン、メタクリル酸メチル、およびアクリル酸ブチルからなるグループから選択される、請求項11に記載の複合材料。
【請求項13】
上記抗菌剤が有機および無機抗菌剤からなるグループから選択される、請求項1に記載の複合材料。
【請求項14】
上記抗菌剤が有機物であって、かつ、上記材料中に約500ppm〜10,000ppmの量で存在している、請求項13に記載の複合材料。
【請求項15】
上記抗菌剤が有機物であって、かつ、上記材料中に約800ppm〜7000ppmの量で存在している、請求項14に記載の複合材料。
【請求項16】
上記抗菌剤が有機抗菌剤であって、かつ、第4級アンモニウム化合物、不飽和反応基を有する第4級アンモニウム化合物、金属、および上記高分子接合剤を通って移動する能力を示す抗菌剤からなるグループから選択される、請求項14に記載の複合材料。
【請求項17】
上記抗菌剤が、トリクロサン、トリルジヨードメチルスルホン、亜鉛ピリチオン、ナトリウムピリチオン、オルトフェニルフェノール、ナトリウムオルトフェニルフェノール、ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンクロリド、プロピコナゾール、テブコナゾール、ベトキサジン、チアベンダゾール、ポリヘキサメチレンビグアニド、ならびに1,3,5−トリアジン−1,3,5−(2H、4H、6H)−トリエタノール、イソチアザリノン、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項16に記載の複合材料。
【請求項18】
上記高分子接合剤がポリエステルであって、かつ上記抗菌剤がトリクロサンであって、該トリクロサンが、上記材料中に約800ppm〜5000ppmの量で存在している、請求項17に記載の複合材料。
【請求項19】
上記抗菌剤が無機剤であって、かつ、金属塩、セラミックを含有する金属、ゼオライトを含有する金属、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項13に記載の複合材料。
【請求項20】
上記抗菌剤が、銀、銅、亜鉛、水銀、スズ、鉛、ビスマス、バリウム、カドミウム、クロムのいずれかの塩、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項19に記載の複合材料。
【請求項21】
上記抗菌剤が銀を含み、かつ、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、スルファジアジン銀、セラミックを含有する銀、ゼオライトを含有する銀、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項20に記載の複合材料。
【請求項22】
上記抗菌剤が、上記材料中に約1000ppm〜50,000ppmの濃度で存在している、請求項19に記載の複合材料。
【請求項23】
上記接合剤がポリエステルであって、かつ、上記抗菌剤が上記複合物中に約1000ppm〜50,000ppmの濃度で存在している、請求項21に記載の複合材料。
【請求項24】
上記抗菌剤が、対象となる微生物に対して商業的に許容可能な有効性を示すための十分な量で存在している、請求項1に記載の複合材料。
【請求項25】
請求項1に記載の複合材料を有している製品。
【請求項26】
テーブル台、調理台、建築外装、通路、家庭の家具、パティオの家具、装飾用石材、室内および屋外用タイル、床、マントル、壁の外装、浴室の設備、および擬石構造物からなるグループから選択される、請求項25に記載の製品。
【請求項27】
着色剤をさらに含んでいる、請求項1に記載の複合材料。
【請求項28】
適切な寸法の天然骨材を入手する工程と、
骨材と接合剤との混合物を形成するために、上記骨材を高分子接合剤と混合する工程と、
抗菌剤を上記混合物に添加する工程と、
上記混合物を金型へ分配する工程と、
熱、圧力、および振動を加えることによって上記混合物を硬化させる工程とを含む、複合構成材料を製造する方法。
【請求項29】
上記天然骨材が、上記混合物の全量の約85重量%〜約96重量%を構成するような量で添加されている、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
上記天然骨材材料が、全複合物の重量の約89重量%〜約93重量%を構成する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
上記天然骨材を入手する工程が、炭酸カルシウム、石英、花崗岩、長石、大理石、珪岩、およびこれらの混合物からなるグループから選択される骨材を入手する工程を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
上記骨材を、ヒュームドシリカ、砂、粘土、飛灰、セメント、破損セラミック、雲母、珪酸フレーク、破損ガラス、ガラス玉、ガラス球体、鏡の破片、スチールグリット、アルミグリット、炭化物、プラスチックビーズ、ペレット化したゴム、粉末高分子複合物、木片、おがくず、ラミネート紙、顔料、着色剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択される充填剤と混ぜ合わせる工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
上記骨材が、花崗岩、大理石、石英、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
上記高分子接合剤が、上記混合物の全量の約4重量%〜約15重量%を構成するような量で上記骨材と混合される、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
上記高分子接合剤が、上記混合物の全量の約6重量%〜約10重量%を構成する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
上記高分子接合剤が、モノマー、モノマーの混合物、ポリマー、ポリマーの混合物、およびモノマーとポリマーとの混合物からなるグループから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
上記高分子接合剤がポリマーであって、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーからなるグループから選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
上記高分子接合剤がポリマーであって、ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール樹脂、ウレタン、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
上記高分子接合剤がモノマーであって、スチレン、スチレン誘導体、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、フェノール、およびフランからなるグループから選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
上記モノマーが、スチレン、メタクリル酸メチル、およびアクリル酸ブチルからなるグループから選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
上記高分子接合剤がポリエステルである、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
上記骨材と接合剤との混合物を減圧下に置く工程をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項43】
上記混合物を上記金型へと分配するとき、上記減圧が維持されている、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
上記混合物を圧力下で硬化させる上記工程が、減圧を加える工程を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項45】
上記硬化工程が、周囲の温度と約200℃との間の範囲の熱を加える工程を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
加えられる圧力が、約70トン〜約140トンである、請求項28に記載の方法。
【請求項47】
抗菌剤を上記骨材と接合剤との混合物へ添加する上記工程が、抗菌剤を、上記骨材と接合剤との混合物へ直接添加する工程を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項48】
抗菌剤を骨材と接合剤との混合物へ添加する上記工程が、上記骨材を上記接合剤と混合する前に上記抗菌剤を上記接合剤へ添加する工程を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項49】
上記抗菌剤を上記骨材と接合剤との混合物へ添加する上記工程が、上記抗菌剤を着色剤と混合して、次に上記抗菌剤および着色剤を上記骨材接合剤混合物へ添加する工程を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項50】
抗菌剤を添加する上記工程が、上記抗菌剤を、上記硬化した混合物の外面に隣接した高分子層へ添加する工程を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項51】
上記抗菌剤が、有機および無機剤からなるグループから選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項52】
上記抗菌剤が有機物であって、上記混合物の全量の約500ppm〜10,000ppmを構成するための十分な量で添加される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
上記抗菌剤が有機物であって、全上記混合物の約800ppm〜7000ppmである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
上記抗菌剤が有機抗菌剤であって、第4級アンモニウム化合物、不飽和反応基を有する第4級アンモニウム化合物、金属、上記高分子接合剤を通過することのできる抗菌剤、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
上記抗菌剤が、トリクロサン、トリルジヨードメチルスルホン、亜鉛ピリチオン、ナトリウムピリチオン、オルトフェニルフェノール、ナトリウムオルトフェニルフェノール、ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンクロリド、プロピコナゾール、テブコナゾール、ベトキサジン、チアベンダゾール、ポリヘキサメチレンビグアニド、ならびに1,3,5−トリアジン−1,3,5−(2H、4H、6H)−トリエタノール、イソチアザリノン、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
上記高分子接合剤がポリエステルであって、かつ上記抗菌剤がトリクロサンであって、該トリクロサンが、上記材料中に約800ppm〜5000ppmの量で存在している、請求項55に記載の複合材料。
【請求項57】
上記抗菌剤が無機剤であって、金属塩、セラミックを含有する金属、ゼオライトを含有する金属、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
上記抗菌剤が、銀、銅、亜鉛、水銀、スズ、鉛、ビスマス、バリウム、カドミウム、クロム、の塩、およびこれらの混合物の塩からなるグループから選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
上記抗菌剤が銀を含み、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、スルファジアジン銀、セラミックを含有する銀、ゼオライトを含有する銀、およびこれらの混合物からなるグループから選択される、請求項2,24に記載の方法。
【請求項60】
上記抗菌剤が、混合物の全量の約1000ppm〜50,000ppmの濃度を構成するように上記混合物へ添加される、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
上記接合剤がポリエステルであって、かつ上記抗菌剤が、上記複合物中に約1000ppm〜50,000ppmの濃度で存在する、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
上記抗菌剤が、懸念される微生物に対して商業的に許容可能な有効性を示すための十分な量で存在している、請求項51に記載の方法。
【請求項63】
上記接合剤がポリエステルを含み、かつ上記抗菌剤がトリクロサンであって、該トリクロサンが、上記硬化した混合物の重量に対して約800ppm〜約5000ppmで、上記硬化した混合物中に存在している、請求項28に記載の方法。
【請求項64】
上記硬化した混合物から完成品を形成する工程を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項65】
完成品を形成する上記工程が、テーブル台、調理台、建築外装、通路、家庭の家具、パティオの家具、装飾用石材、室内および屋外用タイル、床、マントル、壁の外装、浴室の設備、まな板、シンク、シャワー、浴槽、および擬石構造物を形成する工程を含む、請求項64に記載の方法。

【公表番号】特表2007−522263(P2007−522263A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518603(P2006−518603)
【出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/002712
【国際公開番号】WO2005/014256
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(506009877)コセンティノ,ソシエダッド アノニマ (3)
【Fターム(参考)】