説明

安全運転の支援機能を備える車両用のナビゲーション装置

【課題】車両の安全運転の支援機能をより活用できるようにする。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、入力手段14と、支援機能を表示する表示手段12と、支援機能を有効または無効とする設定をおこなうための設定情報と、当該設定を支援する設定支援情報とを格納するメモリ18と、表示手段に設定情報を表示させる際に、設定情報に対する入力手段を介した入力に応じて、設定支援情報を表示手段に表示させる制御手段10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関し、より具体的には、安全運転の支援機能を備える車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ナビゲーション装置を開示する。この装置は、デモンストレーションモードにおいて、操作部で所定の操作が行われると通常動作モードに移ると共に、操作部での操作がされなくなってから所定時間たった際に、デモンストレーションモードに復帰するようにして、ユーザがデモンストレーションモードで説明した動作を通常動作モードで確かめることができるようにする。
【0003】
特許文献2は、ユーザインタフェースにおけるメッセージ出力処理、コマンド等の表示処理に関するデータ処理システムを開示する。このシステムは、ユーザにより選択されたコマンドが実行可能かどうかを実行可否判別処理手段により判定し、実行不可能な場合には,メッセージ情報記憶手段に記憶された該当する「実行不可能な理由」または「実行可能にする方法」等のメッセージを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−132582号公報
【特許文献2】特開2007−48311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明は、ナビゲーション装置の動作説明(ガイダンス)を通常動作モードで確かめることができるようにしたものであって、ユーザが車両を運転時に安全運転を行う上で必要となる情報を提供するものではない。
【0006】
特許文献2に記載の発明は、ユーザにより実行不可能なコマンドが選択された時、「実行不可能な理由」等を表示するが、ユーザが車両を運転時に安全運転を行う上で必要な機能の設定を支援するための情報を提供するものではない。
【0007】
本発明は、特許文献1または2に記載の発明の問題を改善して、運転者が車両の安全運転の支援機能の設定をする際に、その設定を支援する情報を提供することにより、安全運転の支援機能をより活用しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、安全運転の支援機能を備える車両用のナビゲーション装置を提供する。そのナビゲーション装置は、入力手段と、支援機能を表示する表示手段と、支援機能を有効または無効とする設定をおこなうための設定情報と、当該設定を支援する設定支援情報とを格納するメモリと、表示手段に設定情報を表示させる際に、設定情報に対する入力手段を介した入力に応じて、設定支援情報を表示手段に表示させる制御手段と、を備える。
【0009】
本発明によれば、安全運転の支援機能を設定する際に、その機能の設定支援情報を参考にできるので、より確かな判断の下でその有効または無効とする設定をおこなうことができる。
【0010】
本発明の一形態によると、支援機能は複数の支援機能からなり、制御手段は、入力手段を介した入力が支援機能の1つを無効にする入力であるときのみに、当該支援機能に係る設定支援情報を表示手段に表示させる。
【0011】
この本発明の一形態によれば、安全運転の支援機能を無効とする設定をおこなう際に、その機能の設定支援情報を参考にできるので、より確かな判断の下でその無効とする設定をおこなうことができる。逆に、安全運転の支援機能を有効とする設定をおこなう際には、その機能の設定支援情報は表示されないので、運転者が必ずしも確認が必要でない情報の表示によって煩わされることがない。
【0012】
本発明の一形態によると、設定支援情報は、各支援機能について、機能の説明、機能の発動条件、および機能の効果を含む。
【0013】
この本発明の一形態によれば、安全運転の支援機能の説明のみならず、その機能がどのような条件で発動するのか、あるいはその機能を設定した場合どのようなメリットがあるのかについても把握した上で、その有効または無効とする設定をおこなうことができる。したがって、運転者は各支援機能が安全運転上どのように役立つのかを把握した上で、その有効または無効とする設定をおこなうことができる。
【0014】
本発明の一形態によると、設定支援情報は、さらに、道路交通法規と安全運転のアドバイスの少なくともいずれか一方を含む。
【0015】
この本発明の一形態によれば、安全運転の支援機能について説明した解説書(マニュアル)には記載されない道路交通法規や安全運転のアドバイスをも参考にしながら、安全運転の支援機能の設定をおこなうことができる。
【0016】
本発明の一形態によると、設定支援情報は、表示手段に、文字と、画像および動画の少なくともいずれか一方の形態とで表示される。
【0017】
この本発明の一形態によれば、運転者は設定支援情報を文字としてのみならず画像または動画によるイメージとして素早く把握できる。
【0018】
本発明の一形態によると、設定支援情報は、車両が備える通信手段または読み出し手段を介して更新可能である。
【0019】
この本発明の一形態によれば、法改正や事故事例情報等の最新情報を反映した安全運転の支援機能の設定支援情報を提供できるので、機能の重要性が変化した場合に、運転者にタイムリーにその設定をしなおすべきかの判断を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の制御装置による制御フローを示す図である。
【図3】初期設定画面の一例である。
【図4】支援設定画面の一例である。
【図5】支援設定画面上に支援機能の設定を問うアイコンが表示された様子を示す図である。
【図6】支援設定画面上に支援機能の設定支援情報が表示された様子を示す図である。
【図7】支援設定画面上に支援機能の設定支援情報が表示された様子を示す図である。
【図8】機能説明が選択された場合の表示例である。
【図9】活用アドバイスが選択された場合の表示例である。
【図10】交通データの表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に従う、ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0022】
車両1内のナビゲーション装置100は、制御装置10、表示部12、操作部14、音声出力部16、記憶部18、センサインターフェース(I/F)20、GPS受信部22、通信インターフェース(I/F)24を備える。制御装置10は、電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)とも呼ばれ、中央演算処理装置(CPU)およびメモリを備えるコンピュータである。制御装置10は各種制御を実行する。制御装置10の詳細は後述する。
【0023】
表示部12は、LCD等のディスプレイを含む。表示部12は、タッチパネル機能を有するディスプレイとすることができる。その場合、操作部14の操作の少なくとも一部が表示部12のタッチパネル上で行われる。操作部14は、情報入力のためあるいは表示部12に表示された情報の選択のためのボタン等を含む。音声出力部16はスピーカを備え、制御装置10からの案内を音声として運転者に伝える。音声出力部16に、運転者の音声による指示を受けるため、マイクロフォンを介した音声入力機能を追加してもよい。
【0024】
記憶部18は、任意の記憶手段(記憶媒体、半導体メモリ、HDD等)にて実現される。記憶部18は、経路探索に必要な地図データを格納する。地図データは、表示部12の表示画面上に地図画像を描画するのに必要なデータを含む。地図データは、さらに道路の接続状態に関する情報を示す道路データを含む。道路データには、各道路についての属性を示す属性情報が含まれる。属性情報には、道路の種別、道路の形状、道路の勾配等に関する情報などが含まれる。
【0025】
記憶部18は、さらに、車両の安全運転の支援機能の設定情報と、当該設定を支援する設定支援情報とを格納する。安全運転の支援機能とは、安全運転を支援するための情報の提供と安全運転を実現するための車両の走行制御とを行う機能を言う。安全運転の支援機能は、カメラによる道路標識の撮像結果、車両間通信、あるいは地図データベース(DB)上に付与された道路属性情報等に基づいて、安全に留意すべき箇所を事前に報知する。本発明では、道路環境や車種に依存しない地図DBの情報を対象とする。
【0026】
具体的には、表示部12に表示される地図上に、安全運転の支援機能として、例えば一時停止案内、踏切案内、合流案内、カーブ案内、レーン案内、事故多発地点案内、スクールゾーン案内等が報知(表示)される。その際、音声出力部16から音声による案内も随時おこなわれる。報知は、例えば以下のタイミングで行われる。(i)案内すべき地点の所定距離前で事前案内、または(ii)支援機能案内の所定距離手前かつ一定条件(速度等)において事前案内をし、(iii)事前案内後に、安全運転のための回避行動をとらなかった場合に、最終報知(警告)をする。
【0027】
設定情報はこれらの支援機能を運転者が設定できるようにするするために、表示部12に表示される情報である。その設定には、機能の活性化(オン)、不活性化(オフ)や機能が発動する条件等の設定が含まれる。設定支援機能の設定を支援する設定支援情報には、機能の説明、機能の発動条件、機能の効果、すなわち機能を利用する場合としない場合でのメリット、デメリット、さらには、道路交通法規や安全運転のアドバイス等が含まれる。
【0028】
記憶部18は、さらに通信I/F22を介して受信される各種情報を保管するメモリとしても機能する。
【0029】
センサI/F20は、車両1に搭載されたジャイロスコープ26、地磁気センサ28から受信した信号を制御装置10へ送る。ジャイロスコープ26と地磁気センサ28は、GPS受信部22と同様に、車両の現在位置、向きを特定するための信号を制御装置10へ送る。このうち、GPS受信部22は、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために、複数のGPS衛星からの測位用のデータを含むGPS信号を受信する。制御装置10はGPS信号から車両の現在位置を算出する。
【0030】
通信I/F24は、車両1に搭載された無線通信機30を介して、ネットワーク通信32あるいは車両間通信をおこなう。無線通信機30は、専用の通信機の他に、無線通信可能な携帯端末(携帯電話、ノート型PC等)を利用することができる。ネットワーク通信網34は、各種道路情報を保有する情報サーバ36に接続する。情報サーバ36には、例えば道路交通情報通信システム(VICS)やインターナビ情報システムが含まれる。
【0031】
VICSからは、例えば渋滞、工事、交通規制等に関する情報が提供される。インターナビ情報システムからは、例えば道路種別毎の情報等が提供される。インターナビ情報システムは、プローブ車から区間毎の車速パターンを取得して、区間毎の平均車速等も算出できる。
【0032】
情報サーバ36は、車両の安全運転の支援機能をサポートする各種情報を配信する。その情報には、既に情報記憶部18の説明において述べた、車両の安全運転の支援機能の設定を支援する設定支援情報が含まれる。その設定支援情報は、定期的に更新された最新の情報として配信されるようになっている。本発明のナビゲーション装置では、こうした最新の各種情報を取得して利用する。
【0033】
設定支援情報の更新は、情報サーバ36を介してのみならず、記憶部18あるいは車両内の他の記憶手段(図示なし)に格納された更新情報を読み出すことによってもおこなわれる。その場合、記憶部18等は一種の情報読み出し手段として機能する。記憶部18等には定期的に設定支援情報の最新情報(更新情報)が格納される。また、情報サーバ36から取得した更新情報を記憶部18等に格納しておき、所定のタイミングで記憶部18等から更新情報を読み出すようにしてもよい。
【0034】
図2は、図1の制御装置10による、安全運転の支援機能の表示と設定をおこなうための制御フローの一例である。図2の動作フローは、制御装置10が内蔵するCPUが記憶部18に格納された制御用プログラムを呼び出して実行することにより実施される。その際、随時記憶部18に格納された各種情報も呼び出されて利用される。
【0035】
以下の例では、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイを想定している。したがって、個々に言及はしていないが、表示内容は、操作者によるディスプレイに表示されるアイコン等のタッチ(選択)により、任意に変更されて表示される。なお、タッチパネル式のディスプレイでない場合は、操作ボタン等の操作(クリック等)により表示内容が変更されることは言うまでもない。
【0036】
ステップS102において、表示部12に初期設定画面を表示する。図3は初期設定画面の一例である。初期設定画面は、表示部12において1つのウィンドウ40として表示される。ウィンドウ40内の「設定」等の項目はアイコンとして表示される。図3では、「地図表示設定」から「運転支援設定」までの8つの設定項目が表示されている。なお、表示項目は8つに限られず、またその内容も任意に変更できる。
【0037】
図2のステップS104において、安全運転の支援設定42が選択されたかを判定する。支援設定42が選択されると、ステップS106において、表示部12に安全運転の支援設定画面が表示される。図4は、支援設定画面の一例である。支援設定画面は、表示部12において1つのウィンドウ44として表示される。支援設定画面44には、支援機能の「設定」45と「安全運転アドバイス」46の2つの選択肢(アイコン)がある。「設定」45は、文字通り各支援機能を設定するためのアイコンであり、「安全運転アドバイス」46は、その機能の情報を表示させて確認したい場合に選択するアイコンである。
【0038】
支援設定画面44には、「一時停止」から「最高速度慣れ」までの5つの支援機能(支援項目)が表示されている。各機能の「する」または「自宅以外」の表示は、現在の設定の状態をデフォルトとして示している。なお、「する」とは機能を活性化する(有効にする)という意味であり、「自宅以外」とは自宅周辺以外の「スクールゾーン」の機能を活性化するという意味である。これらのデフォルトは、画面下の「初期値にする」のアイコン49を選択することにより、機能毎に初期値に戻すことができる。
【0039】
支援設定画面44では、さらにスクロールボタン47により他の支援機能を表示させることができる。支援機能の数と内容は予め設定されている。また、スクロールボタン48により、図3の8つの設定項目のアイコンを表示させることができ、図4の操作の途中で、図3の画面に戻ることなく他の設定項目が選択できるようになっている。
【0040】
図2のステップS108において、「設定」と「安全運転アドバイス」のいずれが選択されたかを判定する。「設定」が選択された場合、ステップS110において、支援機能の少なくとも1つが選択されたかを判定する。支援機能の少なくとも1つが選択された場合、ステップS114において、その支援機能を設定「する」と「しない」が表示される。
【0041】
図4の例で説明すると、「設定」45が選択され、例えば支援機能の1つである「横風」54が選択されたとする。すると、ステップS114において、「横風」54を設定するかしないかを問うウィンドウが表示される。図5は、支援設定画面44上に、「横風」54の設定を問うウィンドウ55が表示された様子を示す図である。ウィンドウ55に、設定を「する」56と「しない」57のアイコンが表示される。
【0042】
ステップS116において、設定を「する」56が選択されたかを判定する。選択されない場合、ステップS118において、選択済みの支援機能の設定支援情報を表示する。図5の例では、設定を「しない」57が選択された場合、「横風」についての設定支援情報が支援設定画面44上に表示される。
【0043】
図6は、支援設定画面44上に、「横風」54の設定支援情報のウィンドウ58が表示された様子を示す図である。ウィンドウ58内には、吹き流しが描かれた「横風」の標識60が表示され、その右隣には、画像62として吹き流し63が風で棚引く様子が示されている。吹き流し63は風速が大きくなるほど横向きになる。これにより、運転者は吹き流し63の動きを瞬時にイメージとして理解することができる。なお、画像62の代わりに吹き流し63の動きを動画として表示させてもよい。それにより、その動きをよりリアルに理解することができる。
【0044】
ウィンドウ58内の上部64には、吹き流しの説明が記載されている。ここでは、吹き流しの目的である「風の向きや強さを確認し、風の状況を判断」すること」やその設置場所が「トンネル出口、橋の上など」であること等が文字で表示される。
【0045】
ウィンドウ58内の下部66には、吹き流し63の状態によって注意を促すメッセージとして、「真横になびいている場合は、およそ風速10m/秒以上です。
【0046】
走行が不安定になりますので、注意して運転しましょう。」が文字で表示されている。
【0047】
このように、「横風」54の設定支援情報が、文字として、画像として、あるいは動画として表示されるので、運転者はその機能の意義(重要性)を瞬時に把握することができる。その結果、一度「設定しない」を選択したとしても、その選択が再考され、「設定する」に変更される可能性が増えると予想される。これにより、運転者は安全運転の支援機能を最大限活用できるようになる。
【0048】
ウィンドウ58内の「閉じる」68を選択すると、ウィンドウ58は消えて図5の画面に戻る。運転者は再考の結果、ウィンドウ55の設定を「する」56に変更することができる。
【0049】
図2のステップS108において、「安全運転アドバイス」が選択された場合、ステップS112において、支援機能の少なくとも1つが選択されたかを判定する。支援機能の少なくとも1つが選択された場合、ステップS118において、選択済みの支援機能の設定支援情報を表示する。
【0050】
図7は、ステップS118で「一時停止案内」51が選択された場合において、支援設定画面44上に、その設定支援情報のウィンドウ70が表示された様子を示す図である。ウィンドウ70において、一時停止案内の機能説明72が、「一時停止が必要な箇所を事前に音声と画面で案内する機能です。」と表示される。また、現在の設定73は、「常に案内(表示)する」となっていることが示される。アイコン74は設定画面を呼び出すためのもので、これを選択すると例えば図5の設定ウィンドウ55が表示される。機能説明のアイコン75は、機能の説明72の他にさらに機能の発動条件等を報知させるためのアイコンである。活性アドバイスのアイコン76は、機能を活用(オン)した場合のメリット、活用しなかった場合のデメリットを報知させるためのアイコンである。法規情報77は、関連する法規情報を報知させるためのアイコンである。
【0051】
図8に機能説明のアイコン75が選択された場合に表示されるウィンドウの一例を示す。図8のウィンドウ80は、実際には図7のウィンドウ70の上に重ねて表示される。ウィンドウ80では、一時停止の標識「止まれ」81が表示される。機能の説明82は図7の説明72と同じ内容である。符号83で示す領域には、機能の発動条件(案内の流れ)として、「まず、Xm手前で一時停止箇所を音声で案内します。その後、十分に減速できていない場合は、直前で再度音声と画面で案内します。」が表示される。「続き」84を選択することにより、さらに詳細な発動条件(例えば「常に案内する」、「自宅周辺以外」等)が別のウィンドウとして表示される。
【0052】
「音声案内を確認」のアイコン85を選択すると、音声出力部16から音声による案内がおこなわれる。例えば「この先一時停止箇所です。」や「一時停止箇所付近です。減速してください。」と音声案内が出る。「アニメーションで確認」のアイコン86を選択すると、別ウィンドウで動画として一時停止案内がおこなわれる。このように、最大で1画面分の1つのウィンドウで必要な情報(機能概要、最低限の発動条件)を報知できるようにするのが望ましい。
【0053】
図9に、図7の活用アドバイスのアイコン76が選択された場合に表示されるウィンドウの一例を示す。ウィンドウ90では、一時停止案内の機能を活用(オン)した場合の効果(メリット)として、「一時停止案内を活用すると、事前に一時停止箇所を把握することができ、急ブレーキや急激な加減速を回避することができます。」91と、「一時停止案内は、不慣れな道路を走行する場合や信号のない交差点での一時不停止の予防に繋がります。」92が表示される。また、統計情報として、「一時不停止は、交通死亡事故の5〜6%を占める主要原因の一つです。」93も表示される。「続き」94を選択することによりさらに詳細な情報が別ウィンドウとして表示される。「設定を変更する」のアイコン95を選択することにより、例えば図5の設定ウィンドウ55が表示され、運転者は設定変更をすることができる。
【0054】
「交通データを見る」のアイコン96を選択すると、例えば図10に示される情報が表示される。図10のウィンドウ97では、例として「死亡事故原因」と「道路交通法取締件数」のデータが表示されている。各データは円グラフ98、99として表示されるので、「一時不停止違反」の割合(Dとc)をイメージとして容易に把握できる。これらの交通データは、通信I/F24を介して情報サーバ36から適時更新された最新情報として取得される。
【0055】
最後に、本発明の実施形態による作用効果(特徴)をまとめると以下のようになる。
【0056】
安全運転の支援機能自体は、より相応しい目的地が検索できるとか、目的地により速く到着できるといった直接的なメリットをもたらすものではないため、機能の有効性が実感しにくい。そこで、安全運転の支援機能を活性にした場合に、どのようなメリットがあるかをその設定時に情報提供する。逆に、当該機能を不活性にする場合には、本当にその有効性や必要性を検討したのかの再考を促すために、機能を使わない場合のデメリットの情報を提供する。この両者の情報提供を行うことにより、わずらわしさから漫然と機能を完全に無効化したり、機能による報知があまり重要視されなくなるような、機能が有効活用されないような事態を防止できる。
【0057】
安全運転の支援機能の活用は、車両そのものの性能よりも、運転者の運転技能、道路交通法規の理解、運転マナーに依存する部分が少なくない。例えば、「どのような道路交通法規が存在し、運転者はどのような運転行為を行えばよいのか」や「道路周辺の環境、車の流れ等からどのような危険を予測し、対応することが望ましいのか」といった内容に依存する。単純に安全運転の支援機能によって運転者に報知を行っても、運転者がその意味や、どのように活用すれば良いかが分かっていなければ効果が伴わない。そこで、支援機能の機能説明や発動条件等に加えて、その背景となる情報を提供することで機能のさらなる活用を促すことができる。また、近年マニュアルを簡易化していく傾向にあり、これらの有用な情報をマニュアル以外で提供していくことにも寄与する。
【0058】
さらに、ナビゲーション装置は、地図DBを最新の情報に更新することを目的に、地図DBのデータを更新することが一般的に行われている。これと同様に、安全運転の支援情報についても、最新の情報に更新できるようにすることが望ましい。例えば、法改正があった場合、従来と異なる事項を速やかに情報提供することが必要である。さらに事故事例や統計データを提供して、運転者に注意喚起を促すような場合は、根拠となるデータは最新情報に更新しておくことが望ましい。これらの最新情報を元に、運転者は改めて安全運転の支援機能を活用すべきかどうかの判断材料を得ることが出来る。
【0059】
上述した実施形態は一例でありこれに限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で多様な変形が可能である。本発明は、基本的に情報サーバとの間で無線通信が可能なあらゆる車両に適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 車両、 100 ナビゲーション装置、 36 情報サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全運転の支援機能を備える車両用のナビゲーション装置であって、
入力手段と、
前記支援機能を表示する表示手段と、
前記支援機能を有効または無効とする設定をおこなうための設定情報と、当該設定を支援する設定支援情報とを格納するメモリと、
前記表示手段に前記設定情報を表示させる際に、当該設定情報に対する前記入力手段を介した入力に応じて、前記設定支援情報を前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記支援機能は複数の支援機能からなり、前記制御手段は、前記入力手段を介した入力が前記支援機能の1つを無効にする入力であるときのみに、当該支援機能に係る前記設定支援情報を前記表示手段に表示させる、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記設定支援情報は、各支援機能について、機能の説明、機能の発動条件、および機能の効果を含む、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記設定支援情報は、さらに、道路交通法規と安全運転のアドバイスの少なくともいずれか一方を含む、請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記設定支援情報は、前記表示手段に、文字と、画像および動画の少なくともいずれか一方の形態とで表示される、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記設定支援情報は、前記車両が備える通信手段または読み出し手段を介して更新可能である、請求項1〜5のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−145250(P2011−145250A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8096(P2010−8096)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】