説明

導電性高分子、導電性高分子組成物、導電性高分子有機膜およびこれらを含む有機光電素子

本発明は、導電性高分子、導電性高分子組成物、導電性高分子有機膜およびこれらを含む有機光電素子に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性高分子、導電性高分子組成物、導電性高分子有機膜およびこれらを含む有機光電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
光電素子とは、有機発光ダイオード(OLED)、太陽電池、トランジスタなどのように光エネルギーを電気エネルギーに変換したりまたは反対に電気エネルギーを光エネルギーに変換する素子を意味する。
【0003】
このような光電素子の中でも特に有機光電素子は、最近、平板ディスプレイ「FPD」の需要の増加に伴って大きく注目されている。
【0004】
現在FPDの中で、LCDは、画期的な技術的発展に基づきFPD市場の80%以上のシェアを占めているが、40インチ以上の大画面で応答速度の低下、視野角が狭いなどの決定的短所がありこれを克服するための新たなディスプレイが要求されている。
【0005】
このような状況で、有機光電素子はFPDの中でも低電圧、自然発光、薄膜型、広い視野角、速い応答速度、高いコントラスト、経済性などの多くの長所を有しているディスプレイであって、次世代FPDが備えなければならない条件を備えた唯一のディスプレイ方式として関心を集めている。
【0006】
現在、このような有機発光ダイオードを含む光電素子分野では電極で生成される電荷、つまり、正孔および電子を光電素子内に円滑に輸送して素子の効率を増大させるための目的で導電性高分子膜の形成に対して活発に研究が行われている。
【0007】
有機発光ダイオードは、蛍光性または燐光性有機化合物薄膜(以下、有機膜と称す。)に電流を流すと、電子と正孔が有機膜で結合しながら光が発生する現象を用いたアクティブ発光型表示素子である。
【0008】
有機発光ダイオード構造は効率向上および駆動電圧低下のために有機層として単一発光層のみを使用せず、 発光層と共に導電性高分子を用いた正孔注入層(HIL)、発光層、電子注入層(EIL)などを使用する多層構造を有することが一般的である。
【0009】
もちろん、このような構造は一層が複数の機能を発揮するようにそれぞれの層を除去することによって単純化され、最も簡単なOLED構造は2つの電極の間に発光層の機能を含むすべての機能を遂行する有機層が位置した場合である。
【0010】
しかしながら、輝度を実質的に増加させるためには電子注入層(EIL)または正孔注入層が前記電極と発光層との間に導入されなければならない。
【0011】
前記電子注入層(EIL)または正孔注入層(HIL)に使用される電荷(ホールまたは電子)を伝達させる多様な有機化合物が多くの文献に記載されており、このような有機化合物および用途は、例えば、欧州特許出願公開第387 715号、米国特許第4,539,507号、米国特許第4,720,432号および米国特許第4,769,292号に開示されている。
【0012】
特に、電荷を伝達させる代表的な、可溶性であり有機ELの製造に使用されている有機化合物は、バイエル(Bayer AG)社の市販品であり、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))−PSS(ポリ(4−スチレンスルホン酸塩))水溶液の一種であるバイトロン−ピー(Baytron−P)がある。
【0013】
PEDOT−PSSは、有機発光ダイオードの製作時に幅広く利用されており、インジウム錫酸化物(ITO)電極上にスピンコーティングして正孔注入層を形成する用途で利用され、下記の化学式18のような構造を有する。
【0014】
【化1】

【0015】
前記化学式18で表されたPEDOT/PSSは、ポリ(4−スチレンスルホン酸塩)(PSS)のポリ酸とポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)の導電性高分子の単純イオン複合体であって、PEDOTに水溶性ポリ酸がドーピングされている構造を有する。
【0016】
しかしながら、前記PEDOT−PSS導電性高分子組成物を用いて正孔注入層を形成すると、PSSが水分をよく吸収する性質により劣化されてデドーピング(dedoping)されたり、PSS部分が電子との反応により分解されて硫酸塩などのような物質を放出するようになり、このような物質が隣接した有機膜、例えば、発光層へ拡散され得るが、このように正孔注入層(HIL)由来の物質の発光層への拡散はエキシトン消滅を招いて有機発光ダイオードの効率および寿命低下を招くこととなる。
【0017】
したがって、このような短所を克服するため、米国特許出願公開第2005/0251597号と韓国公開特許第2006−0120378号では化学式13のような主鎖および分枝鎖がフッ素基で置換されているイオノマーを導電性高分子にドーピングして使用した例がを開示している。
【0018】
【化2】

【0019】
しかしながら、これら物質の問題点は主鎖および分枝鎖に存在する炭素基の大部分がフッ素基で置換されており、水に分散されて短時間でコロイド型の粒子を形成することである。これらを用いて導電性高分子を製造する場合、導電性高分子の繰り返し単位長さが少しでも長くなれば凝集現象が極めて激しく起こるという短所があり、これを用いてスピン方式で薄膜を製造する際に、薄膜の均一性が落ちるという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の一態様は、導電性高分子とポリ酸が化学結合で連結され得るようにして自己ドーピングされた導電性高分子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の他の一態様は、水分吸収力を抑制し、分子間凝集現象を減らして薄膜特性および貯蔵安定性に優れた導電性高分子組成物を提供する。
【0022】
本発明のさらに他の一態様は、前記導電性高分子組成物を使用して形成された導電性高分子有機膜を提供する。
【0023】
本発明のさらに他の一態様は、前記導電性高分子有機膜を含んで高効率および長寿命を有する有機光電素子を提供する。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、下記の化学式1、下記の化学式2および下記の化学式3で表される繰り返し単位を含む導電性高分子を提供する。
【0025】
【化3】

【0026】
【化4】

【0027】
【化5】

【0028】
(前記化学式1〜3中、各置換基は発明を実施するための形態における定義と同一である。)
本発明の他の一実施形態によれば、下記の化学式12を含む導電性高分子組成物を提供する。
【0029】
【化6】

【0030】
(前記化学式12中、各置換基は発明を実施するための形態における定義と同一である。)
本発明のさらに他の一実施形態によれば、前記導電性高分子組成物を用いて形成される導電性高分子有機膜を提供する。
【0031】
本発明のさらに他の一実施形態によれば、前記導電性高分子有機膜を含む有機光電素子を提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一実施形態によれば、導電性高分子とポリ酸が化学結合で連結されると同時にイオノマーにドーピングされており、有機光電素子内で発生する熱によりデドープされず、導電性高分子の凝集現象および水分吸収を抑制する。また、本発明の導電性高分子組成物は、フッ素基が多量含まれている高分子イオノマーと共に含むことから、水分吸収力が低く、薄膜の表面に存在するフッ素基による双極子力により正孔注入特性がよい。したがって、有機光電素子の効率特性および寿命特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1A】本発明の一実施形態における有機電界発光ダイオードの概略断面図である。
【図1B】本発明の一実施形態における有機電界発光ダイオードの概略断面図である。
【図1C】本発明の一実施形態における有機電界発光ダイオードの概略断面図である。
【図1D】本発明の一実施形態における有機電界発光ダイオードの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。ただし、これは例示として提示されるものであって、これにより本発明は制限されない。
【0035】
本明細書で別途の定義がない限り、「アルキル」とは、C1〜C30のアルキルを、「ヘテロアルキル」とは、C1〜C30のヘテロアルキルを、「アルコキシ」とは、C1〜C30のアルコキシを、「ヘテロアルコキシ」とは、C1〜C30のヘテロアルコキシを、「アリール」とは、C6〜C30のアリールを、「アリールアルキル」とは、C6〜C30のアリールアルキルを、「アリールオキシ」とは、C6〜C30のアリールオキシを、「ヘテロアリール」とは、C2〜C30のヘテロアリールを、「ヘテロアリールアルキル」とは、C2〜C30のヘテロアリールアルキルを、「ヘテロアリールオキシ」とは、C2〜C30のヘテロアリールオキシを、「シクロアルキル」とは、C5〜C20のシクロアルキルを、「ヘテロシクロアルキル」とは、C2〜C30のヘテロシクロアルキルを、「アルキルエステル」とは、C2〜C30のアルキルエステルを、「ヘテロアルキルエステル」とは、C1〜C30のヘテロアルキルエステルを、「アリールエステル」とは、C6〜C30のアリールエステルを意味し、
「アルキレン」とは、C1〜C30のアルキレンを、「ヘテロアルキレン」とは、C1〜C30のヘテロアルキレンを、「アルコキシレン」とは、C1〜C30のアルコキシレンを、「ヘテロアルコキシレン」とは、C1〜C30のヘテロアルコキシレンを、「アリーレン」とは、C6〜C30のアリーレンを、「アリールアルキレン」とは、C6〜C30のアリールアルキレンを、「アリールオキシレン」とは、C6〜C30のアリールオキシレンを、「ヘテロアリーレン」とは、C2〜C30のヘテロアリーレンを、「ヘテロアリールアルキレン」とは、C2〜C30のヘテロアリールアルキレンを、「ヘテロアリールオキシレン」とは、C2〜C30のヘテロアリールオキシレンを、「シクロアルキレン」とは、C5〜C20のシクロアルキレンを、「ヘテロシクロアルキレン」とは、C2〜C30のヘテロシクロアルキレンを、「アルキレンエステル」とは、C2〜C30のアルキレンエステルを、「ヘテロアルキレンエステル」とは、C1〜C30のヘテロアルキレンエステルを、「アリーレンエステル」とは、C6〜C30のアリーレンエステルを意味し、
ハロゲンは、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0036】
また本明細書で別途の定義がない限り、「置換された」とは、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI)、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アミノ(−NH2、−NH(R)、−N(R”')(R”” )(R、R”'およびR””、それぞれ独立して、C1〜C10のアルキルである))、アミジノ;ヒドラジンまたはヒドラゾン;カルボキシル;置換または非置換のアルキル;置換または非置換のアリール;置換または非置換のシクロアルキル;置換または非置換のヘテロアリールおよび置換または非置換ヘテロシクロアルキルなどの置換基の少なくとも一つで置換されたものを意味する。
【0037】
アルキルは、直鎖型または分枝型であってよく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0038】
ヘテロアルキルとは、アルキルの主鎖中の炭素原子の一つ以上、好ましくは1〜5個の炭素原子が、例えば、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)、リン原子(P)などのようなヘテロ原子で置換されたものを意味する。
【0039】
アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、iso−アミルオキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0040】
アリールとは、一つ以上の芳香族環を含む炭素環芳香族分子を意味し、前記環はペンダントのように結合したりまたは融合され得る。アリールの具体的な例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルなどのような芳香族基が挙げられる。
【0041】
アリールアルキルは、低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピルなどのようなC1〜C5のラジカルで置換されたアリールを意味し、例えばベンジルメチル、フェニルエチルなどがある。
【0042】
アリールオキシは、−O−アリールラジカルを意味し、ここで、アリールは前記定義と同一であり、具体的な例としては、フェノキシ、ナフトキシ、アントラセニルオキシ、フェナントレニルオキシ、フルオレニルオキシ、インデニルオキシなどがあり、アリールオキシに含まれている一つ以上の水素原子はアルキルに置換可能である。
【0043】
ヘテロアリールは、N、O、PおよびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素原子であるC5〜C30の環芳香族化合物を意味し、前記環はペンダントのように結合したりまたは融合され得る。
【0044】
ヘテロアリールアルキルは、低級アルキル基で置換されたヘテロアリールを意味し、ヘテロアリールアルキル中のヘテロアリールに対する定義は前述における定義と同一である。
【0045】
ヘテロアリールオキシは、−O−ヘテロアリールラジカルを意味し、ここで、ヘテロアリールは前記定義と同一である。
【0046】
シクロアルキルは、C5〜C30の1価モノサイクリックシステムを意味する。
【0047】
ヘテロシクロアルキルは、C5〜C30の1価モノサイクリック化合物であって、N、O、PまたはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含むシクロアルキルを意味する。
【0048】
ヘテロアルコキシは、−O−の一方にN、O、PまたはSから選択された1〜3個のヘテロ原子が連結された構造の炭素化合物である。
【0049】
アルキルエステルは、−COO−アルキルのラジカルを意味し、ここで、アルキルは前記定義と同一である。
【0050】
ヘテロアルキルエステルは、−COO−ヘテロアルキルのラジカルを意味し、ここで、ヘテロアルキルは前記定義と同一である。
【0051】
アリールエステルおよびヘテロアリールエステルは、−COO−アリールまたは−COO−ヘテロアリールのラジカルを意味し、ここで、アリールおよびヘテロアリールの定義は前述における定義と同一である。
【0052】
本発明は、導電性高分子に関し、特に化学的結合と共に自己ドーピングされて熱によりデドープされない導電性高分子に関する。
【0053】
本発明の一実施形態による導電性高分子は、下記の化学式1、下記の化学式2および下記の化学式3で表される繰り返し単位を有する。
【0054】
【化7】

【0055】
【化8】

【0056】
【化9】

【0057】
(前記化学式1〜3中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のアルキル;置換または非置換のヘテロアルキル;置換または非置換のアルコキシ;置換または非置換のヘテロアルコキシ;置換または非置換のアリール;置換または非置換のアリールアルキル;置換または非置換のアリールオキシ;置換または非置換のヘテロアリール;置換または非置換のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のシクロアルキル;置換または非置換のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のアルキルエステル;置換または非置換のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のアリールエステル;置換または非置換のヘテロアリールエステルおよびハロゲン(F、Br、Cl、またはI)からなる群より選択され、
Aは、単結合;置換または非置換のアルキレン;置換または非置換のヘテロアルキレン;置換または非置換のアルコキシレン;置換または非置換のヘテロアルコキシレン;置換または非置換のアリーレン;置換または非置換のアリールアルキレン;置換または非置換のアリールオキシレン;置換または非置換のヘテロアリーレン;置換または非置換のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のシクロアルキレン;置換または非置換のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のアルキレンエステル;置換または非置換のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のアリーレンエステルおよび置換または非置換のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
Bは、陽イオンと陰イオンのイオン対であり、陽イオンは、H+、Na+、K+、Li+、Mg2+、Zn2+およびAl3+からなる群より選択される金属イオン、NR3+(Rは、Hまたは置換または非置換のアルキル)およびCH3(−CH2−)p+(pは、1〜50)の有機イオンからなる群より選択される陽イオンであり、陰イオンは、PO32-、SO3-、COO-、I-およびCH3COO-からなる群より選択され、
Cは、単結合;−O−;−S−;−NH−;置換または非置換のアルキレン;置換または非置換のヘテロアルキレン;置換または非置換のアリーレン;置換または非置換のオキシアルキレン;置換または非置換のヘテロオキシアルキレン;置換または非置換のアリールアルキレン;置換または非置換のアリールオキシレン;置換または非置換のアリーレンアミン;置換または非置換のピローレン;置換または非置換のチオフェニレン;置換または非置換のヘテロアリーレン;置換または非置換のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のシクロアルキレン;置換または非置換のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のアルキレンエステル;置換または非置換のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のアリーレンエステルおよび置換または非置換のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
Dは、置換または非置換のポリフェニレン、置換または非置換のポリフェニレンビニレン、下記の化学式4で表されるポリアニリンまたはその誘導体、下記の化学式5で表されるポリピロールまたはその誘導体、置換または非置換のポリチオフェンまたはその誘導体および下記の化学式6で表される環状単量体の高分子からなる群より選択され、
Eは、窒素、リン、硫黄、ケイ素または酸素などのヘテロ原子で置換または非置換され、ハロゲン置換された炭素化合物の基である。)
【0058】
【化10】

【0059】
(前記化学式4中、
a、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリールアミン;置換または非置換のC6〜C30のピロール;置換または非置換のC6〜C30のチオフェン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルからなる群より選択される。)
【0060】
【化11】

【0061】
(前記化学式5中、
Xは、−NH−または−NR−;−PH−または−PR−;−O−;および−S−からなる群より選択され(ここで、Rは、C1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールであり)、
eおよびRfは、それぞれ独立して、−NH2または−NRR';−PH2または−PRR';−OHまたは−OR;および−SHまたは−SR(ここで、RおよびR'は、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールである。);C1〜C30のアルキル;C6〜C30のアリール;C1〜C30のアルコキシ;C1〜C30のヘテロアルキル;C1〜C30のヘテロアルコキシ;C6〜C30のアリールアルキル;C6〜C30のアリールオキシ;C6〜C30のアリールアミン;C6〜C30のピロール;C6〜C30のチオフェン;C2〜C30のヘテロアリール;C2〜C30のヘテロアリールアルキル;C2〜C30のヘテロアリールオキシ;C5〜C20のシクロアルキル;C2〜C30のヘテロシクロアルキル;C2〜C30のアルキルエステル;C1〜C30のヘテロアルキルエステル;C6〜C30のアリールエステル;C2〜C30のヘテロアリールエステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。)
【0062】
【化12】

【0063】
(前記化学式6中、
XおよびYは、それぞれ独立して、−NH−または−NR−;−PH−または−PR−;−O−;および−S−からなる群より選択され、ここで、Rは、C1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールであり、
Zは、−(CR12x−CR34−(CR56yであり(ここで、R1〜R6は、それぞれ独立して、−H、C1〜C20のアルキルラジカル、C6〜C14のアリールラジカルまたは−CH2−ORiであり、ここで、Riは、−H、C1〜C6のアルキル酸基)、C2〜C6のアルキルエステル基、C1〜C6のヘテロアルキル酸基またはC1〜C6のアルキルスルホン酸基であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、0〜5の整数である。)
本発明の前記R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルからなる群より選択されることが好ましい。
【0064】
前記Aは、置換または非置換のC1〜C30のアルキレン;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキレン;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシレン;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシレン;置換または非置換のC6〜C30のアリーレン;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキレン;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリーレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のアルキレンエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリーレンエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択されることが好ましい。
【0065】
前記Eは、窒素、リン、硫黄、ケイ素または酸素などのヘテロ原子で置換または非置換され、ハロゲン置換されたC2〜C30の炭素化合物であることが好ましい。
【0066】
前記Dは、1〜50重量%の比率で加えられるが、1〜20重量%であることがより好ましい。導電性高分子総量に対しDの比率が1〜50重量%の範囲に含まれる場合には、導電性高分子組成物の凝集現象を抑制することができ、溶媒中に沈澱が発生しないため好ましい。つまり、Dの含量が1重量%以上の場合、有機光電素子で適用可能な導電性を有し、1重量%未満である場合には導電性が低過ぎ、正孔注入特性が急激に悪化する。したがって、1〜50重量%の範囲に含まれる時、分散性と導電性を適切に得ることができる。
【0067】
このような構成を有する本発明の導電性高分子は、導電性高分子とドーピングポリ酸とが共有結合し、電気化学的安定性が増加する。
【0068】
前期導電性高分子は、電子との反応により分解される残基の含量が少ないほど、分子内凝集現象は減り、貯蔵安定性および前記導電性高分子を含む有機光電素子は高効率および長寿命の特徴を有することができる。
【0069】
本発明の他の一実施形態による導電性高分子組成物は、下記の化学式12で表される導電性高分子および溶媒を含む。
【0070】
【化13】

【0071】
(前記化学式12中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、A、B、C、DおよびEは、前記化学式1〜3における定義と同一であり、
5≦l≦1,000,000、0.0001≦m/l≦0.2、0.0001≦n/l≦1、0.00000001≦m+n/l≦1.1である。)
【0072】
前記l、mおよびnは、より好ましくは5≦l≦1,000、0.01≦m/l≦0.2、0.01≦n/l≦1、0.0001≦m+n/l≦0.8である。
【0073】
本発明の前記導電性高分子組成物は、下記の化学式7で表される繰り返し単位ないし化学式11で表される繰り返し単位からなる群より選択されるいずれか一つ以上の繰り返し単位をさらに含むことが好ましい。
【0074】
【化14】

【0075】
(前記化学式7中、
+は、H+;アルカリ金属陽イオン;アルカリ土類金属陽イオンおよびアンモニウムイオン(NH4+、NH+212、またはNH+123)からなる群より選択され、
前記R1〜R3は、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のアルキル;置換または非置換のヘテロアルキル;置換または非置換のアルコキシ;置換または非置換のヘテロアルコキシ;置換または非置換のアリール;置換または非置換のアリールアルキル;置換または非置換のアリールオキシ;置換または非置換のヘテロアリール;置換または非置換のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のシクロアルキル;置換または非置換のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のアルキルエステル;置換または非置換のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のアリールエステル;置換または非置換のヘテロアリールエステルおよびハロゲンからなる群より選択され、Fで置換されるのが好ましく、
0<m<1,000,000であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、0〜20の整数である。)
【0076】
【化15】

【0077】
【化16】

【0078】
(前記化学式8および9中、
M、m、xおよびyは、前記化学式7における定義と同一であり、
0<n<1,000,000である。)
【0079】
【化17】

【0080】
(前記化学式10中、
M、mおよびnは、前記化学式8における定義と同一であり、
zは、0〜20の整数である。)
【0081】
【化18】

【0082】
(前記化学式11中、
M、mおよびnは、前記化学式8における定義と同一であり、
gは、水素全体の1%以上、フッ素置換されたものを含む置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルおよびハロゲンからなる群より選択される。)
上述したように、前記化学式1、化学式2および化学式3の繰り返し単位を重合すれば前記化学式12で表される化合物が得られるが、前記化学式4のCとDの結合は、導電性高分子が単にドーピングされた場合よりも熱的により安定な構造を有する。
【0083】
また、多量のフッ素置換基は、分子内凝集現象のみならずイオノマー自体の凝集現象を防ぎ、導電性高分子有機膜の表面粗度を減らす。
【0084】
本発明で前記イオノマーと導電性高分子を合わせた総量に対するDの比率は、1〜50重量%が好ましく、1〜20重量%であることがより好ましい。前記イオノマーと導電性高分子との総量に対するDの比率が1〜50重量%の範囲に含まれる場合には、導電性高分子組成物の凝集現象を抑制することができ、溶媒中に沈澱が発生しないため好ましい。つまり、Dの含量が1重量%以上であると、有機光電素子に適用可能な導電性を有し、1重量%未満である場合には導電性が低過ぎ、正孔注入特性が急激に悪化するため好ましくない。したがって、1〜50重量%の範囲に含まれると、分散性と導電性を共に適切に得ることができる。
【0085】
導電性高分子組成物に使用されうる溶媒は、本発明の前記導電性高分子を溶解させることができるものであればいずれも使用可能であるが、水、アルコール類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン、およびクロロベンゼンからなる群より選択される少なくとも一つでありうる。
【0086】
本発明の導電性高分子組成物において、導電性高分子および/または架橋剤などの固形分の含量は、0.5〜30重量%であってよく、0.5〜10重量%がより好ましい。固形分の含量が前記範囲に含まれると、固形分含量が適当であり、組成物の濃度が適当であるので薄膜形態を形成しやすく、作業性に優れる。
【0087】
本発明の導電性高分子組成物は、導電性高分子の架橋能をさらに向上させるために架橋剤をさらに含むこともできる。
【0088】
前記架橋剤は、ヒドロキシを含む物理的架橋剤、化学的架橋剤またはこれらの組み合わせでありうる。
【0089】
本発明に使用される物理的架橋剤は、化学的な結合なしに物理的に高分子鎖間に架橋の役割を果たすものであって、ヒドロキシ(−OH)を含む低分子または高分子化合物をいう。前記物理的架橋剤の具体的な例としては、グリセロール、ブタノールなどの低分子化合物とポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの高分子化合物があり、その他にもポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなども物理的架橋剤として使用され得る。
【0090】
前記物理的架橋剤の含量は、前記導電性高分子100重量部に対して0.001〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部であることがより好ましい。物理的架橋剤の含量が前記範囲内であると、架橋剤の性能が効率的に発揮され、導電性高分子有機膜の薄膜モルフォロジーが効果的に維持され得る。
【0091】
化学的架橋剤とは、化学的に架橋させる物質であって、in−situでの重合が可能であり、IPN(相互侵入高分子網目構造)を形成することができる化学物質をいう。化学的架橋剤としてはシラン系物質が多く使用されるが、その具体的な例として、テトラエチルオキシシラン(TEOS)がある。その他にもポリアジリジン、メラミン系、エポキシ系物質が使用され得る。
【0092】
前記化学的架橋剤の含量は導電性高分子100重量部に対して0.001〜50重量部であってよく、1〜10重量部であることがより好ましい。化学的架橋剤の含量が前記範囲内である場合、架橋剤の性能が効果的に発揮され、導電性高分子に大きい影響を与えず、導電性も十分に維持され得る。
【0093】
前記物理的架橋剤と化学的架橋剤を混合して使用する場合には、前述した各使用範囲内で適切に混合して使用することができる。
【0094】
本発明の導電性高分子組成物は有機塩をさらに含むことができる。
【0095】
前記有機塩は、素子内で導電性高分子の電子をよく伝達して電流安定性を向上させ、寿命および電気化学的安定性を向上させる役割を果たし、その具体的な例としては、イミダゾリウム塩、チアゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、ピペリジニウム塩などが挙げられる。
【0096】
前記有機塩の含量は、導電性高分子100重量部に対して0.001〜10重量部が好ましく、0.01〜3重量部であることがより好ましい。前記有機塩の含量が導電性高分子100重量部に対して0.001〜10重量部の範囲内である場合、導電性高分子の組成物の物性を変化させない長所がある。
【0097】
本発明の導電性高分子組成物を用いて有機光電素子の製作に使用する場合、基板に塗布して溶媒の大部分は除去され、導電性高分子有機膜として形成されるようになる。
【0098】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明の導電性高分子組成物を使用して形成された導電性高分子有機膜を含む有機光電素子を提供する。ここで、有機光電素子とは、有機発光素子、有機太陽電池、有機トランジスタおよび有機メモリ素子などを意味する。
【0099】
有機光電素子では導電性高分子組成物が電荷注入層、つまり、正孔注入層または電子注入層に使用され、正孔および電子を均衡的かつ効率的に注入することによって有機光電素子の発光強さと効率を高める役割を果たす。
【0100】
また、有機太陽電池の場合には、本発明の導電性高分子組成物が電極や電極バッファー層として使用されて量子効率を増加させ、有機トランジスタの場合には、ゲート、またはソース−ドレイン電極などとして使用され得る。
【0101】
以下、本発明による導電性高分子組成物が有機光電素子に適用される場合について説明する。
【0102】
本発明の有機光電素子の製作は、特別な装置や方法を必要とせず、通常の導電性高分子組成物を用いた有機光電素子の製造方法により製造され得る。
【0103】
まず、図1A〜図1Dは、本発明の好ましい実施形態により製造される有機光電素子の積層構造を示す。
【0104】
図1Aの有機光電素子は、第1電極10上部に発光層12が積層され、前記第1電極10と発光層12との間に本発明による導電性高分子組成物を含む正孔注入層(HIL)(または「バッファー層」ともいう)11が積層され、前記発光層12上部に正孔抑制層(HBL)13が積層されており、その上部には第2電極14が形成される。
【0105】
図1Bの有機光電素子は、発光層12上部に形成された正孔抑制層(HBL)13の代わりに電子輸送層(ETL)15が形成されたことを除いては、図1Aの場合と同一の積層構造を有する。
【0106】
図1Cの有機光電素子は、発光層12上部に正孔抑制層(HBL)13と電子輸送層15が順次に積層された2層膜を使用したことを除いては、図1Aの場合と同一の積層構造を有する。
【0107】
図1Dの有機光電素子は、正孔注入層11と発光層12との間に正孔輸送層16をさらに形成したことを除いては、図1Cの有機光電素子と同一の構造を有している。ここで、正孔輸送層16は正孔注入層11から発光層12に不純物が侵入することを抑制する役割を果たす。
【0108】
前述した図1A〜図1Dの積層構造を有する有機光電素子は、一般的な製作方法により形成可能である。
【0109】
つまり、まず、基板上部にパターニングされた第1電極10を形成する。ここで前記基板は通常の有機光電素子で使用される基板を使用し、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性および防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板を好ましく使用することができる。そして、前記基板の厚さは0.3〜1.1mmであるものが適切に使用され得る。
【0110】
前記第1電極10の形成物質は特に制限されない。もし第1電極が陽極である場合には、陽極は正孔注入が容易な導電性金属またはその酸化物からなり、具体的な例として、ITO(インジウムスズ酸化物))、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)などを使用する。
【0111】
前記第1電極10が形成された基板を洗浄した後、UVオゾン処理を実施する。ここで、洗浄方法としてはイソプロパノール(IPA)、アセトンなどの有機溶媒を利用することができる。
【0112】
洗浄された基板の第1電極10上部に本発明による導電性高分子組成物を使用して正孔注入層11を形成する。このように正孔注入層11を形成すれば、第1電極10と発光層12との接触抵抗を減少させると同時に、発光層12に対する第1電極10の正孔輸送能力が向上し、素子の駆動電圧と寿命特性が全般的に改善される効果を得ることができる。
正孔注入層11は、本発明の導電性高分子、選択的に架橋剤を溶媒に溶解して製造した正孔注入層(HIL)形成用組成物を第1電極10上部にスピンコーティングした後、これを乾燥して形成する。
【0113】
ここで、前記正孔注入層(HIL)11の厚さは、5nm〜200nm、好ましくは20nm〜100nmであってもよい。前記正孔注入層の厚さが前記範囲内である場合、正孔注入層が良好に形成され、光の透過度が良好に維持される。
【0114】
前記正孔注入層(HIL)11上部に発光層12を形成する。発光層をなす物質は、特に制限されない。より具体的に、オキサジアゾールダイマー染料(Bis−DAPOXP)、スピロ化合物(Spiro−DPVBi、Spiro−6P)、トリアリールアミン化合物、ビス(スチリル)アミン(DPVBi、DSA)、Flrpic、CzTT、アントラセン、TPB、PPCP、DST、TPA、OXD−4、BBOT、AZM−Znなど(以上、青色発光)、クマリン6、C545T、キナクリドン、Ir(ppy)3など(以上、緑色発光)、DCM1、DCM2、ユウロピウム(テノイルトリフルオロアセトン)3(Eu(TTA)3)、(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン)(DCJTB)など(以上、赤色発光)を使用することができる。また、高分子発光物質としては、フェニレン系、フェニレンビニレン系、チオフェン系、フッ素系、スピロフルオレン系高分子などのような高分子と窒素を含む芳香族化合物などを含むことができるが、これに限定されない。
【0115】
前記発光層12の厚さは、10nm〜500nm、好ましくは50nm〜120nmであることが好ましい。発光層の厚さが前期範囲内である場合には、漏洩電流、駆動電圧上昇幅が適当に維持され、効率がよく寿命が長くなる。
【0116】
場合によっては前記発光層形成用組成物にドーパントをさらに付加することもある。ここで、ドーパントの含量は、発光層形成物質に応じて可変的であるが、一般に発光層形成物質(ホストとドーパントの総重量)100重量部を基準として30〜80重量部であることが好ましい。ドーパントの含量が前記範囲内の場合、EL素子の発光特性が効率的に維持される。前記ドーパントの具体的な例としては、アリールアミン、ペリル系化合物、ピロール系化合物、ヒドラゾン系化合物、カルバゾール系化合物、スチルベン系化合物、スターバースト系化合物、オキサジアゾール系化合物などが挙げられる。
【0117】
前記正孔注入層(HIL)11と発光層12との間には正孔輸送層(HTL)16を選択的に形成することができる。
【0118】
前記正孔輸送層を物質は特に制限されないが、例えば、正孔輸送の役割を果たすカルバゾールおよび/またはアリールアミンを有する化合物、フタロシアニン系化合物およびトリフェニレン誘導体からなる群より選択された1以上の物質を含むことができる。より具体的に、前記正孔輸送層(HIL)は、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、4,4'−ビスカルバゾリルビフェニル、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4'−ビスカルバゾリル−2,2'−ジメチルビフェニル、4,4',4"−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジアミン(TPD)、N,N'−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(1−ナフチル)−(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミン(NPB)、IDE320(出光興産社製)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−N−(4ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)およびポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−ビス−N,N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン(PFB)からなる群より選択された1以上の物質を含んでなることができるが、これに限定されない。
【0119】
前記正孔輸送層(HTL)16は、1nm〜100nm、好ましくは5nm〜50nmの厚さを有することができる。前記正孔輸送層の厚さが前記範囲内である場合、十分な正孔輸送能力および適当な駆動電圧を維持する。
【0120】
前記発光層12上部には蒸着またはスピンコーティング方法を利用して正孔抑制層13および/または電子輸送層(ETL)15を形成する。ここで正孔抑制層13は発光物質内に形成されるエキシトンが電子輸送層(ETL)15に移動することを防いだり正孔が電子輸送層(ETL)15に移動することを遮断する役割を果たす。
【0121】
前記正孔抑制層13の形成物質としては、例えば、フェナントロリン系化合物(例:UDC社製、BCP)、イミダゾール系化合物、トリアゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物(例えば、市販品のPBD)、アルミニウム錯体(UDC社製)、BAlqなどが好ましい。
【0122】
前記電子輸送層15の形成物質としては、例えば、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、トリアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、ペリレン系化合物、アルミニウム錯体(Alq3(トリス(8−キノリノラト)−アルミニウム、BAlq、SAlq、Almq3)、ガリウム錯体(Gaq'2OPiv、Gaq'2OAc、2(Gaq'2))などが好ましい。
【0123】
前記正孔抑制層の厚さは5nm〜100nmであり、前記電子輸送層(ETL)の厚さは5nm〜100nmであることが好ましい。前記正孔抑制層の厚さと電子輸送層(ETL)の厚さが前記範囲を外れる場合には電子輸送能力や正孔抑制能力の面で好ましくない。
【0124】
次に、前記結果物に第2電極14を形成し、前記結果物を密封して有機光電素子を完成する。
【0125】
前記第2電極14の形成物質は特に制限されないが、その中でも仕事関数が小さい金属、つまり、Li、Cs、Ba、Ca、Ca/Al、LiF/Ca、LiF/Al、BaF2/Ca、Mg、Ag、Alやこれらの合金あるいはこれらの多重層を利用して形成することが好ましい。前記第2電極14の厚さは50〜3000Åであることが好ましい。
【実施例】
【0126】
以下、本発明の実施例による導電性高分子を含むグラフト共重合体では、導電性高分子とポリ酸が化学結合で連結されているため、前記グラフト共重合体を適用する場合、素子内で発生される熱によりデドープされなくなる。また、フッ素基により導電性高分子の凝集現象を減らして貯蔵安全性を高めることができ、水分吸収を抑制させることができる。したがって、有機光電素子の効率特性および寿命特性を向上させることができることを具体的な実施例を挙げて説明する。実施例の化学式は理解を助けるためのものであって、正確に化学式で表されるのではなく、反応上ランダムな構造をなしており、したがって、導電性高分子組成物もランダム共重合体として示される。また、ここに記載されていない内容は当該技術分野における当業者であれば十分に技術的に類推することができるものであって、その説明を省略する。
【0127】
<合成例1>
(高分子Aの前駆体の製造)
シグマアルドリッチ社製のスチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)(化学式13−1)12g、ペンタフルオロスチレン(化学式15)3.4g(スチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)に対して30mol%相当)、4−tert−ブチルオキシカルボニルアミノスチレン(化学式14−1)0.83g(二つのモノマー総量に対して5mol%相当)をジメチルスルホキシド(DMSO)100mLに加え加熱しながら完全に溶かした。
【0128】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、前記得られた溶液に滴加した後、48時間超重合した。
【0129】
得られた反応物をアセトンに沈殿させて室温で放置した後、形成した沈殿物をフィルターを用いて除去してポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−tert−ブチルオキシカルボニルアミノスチレン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSNa−BOCAmS−PFS)}を得た。ここで、化学式13−1:化学式14−1:化学式15のモル比は15:1:5であった。
【0130】
【化19】

【0131】
【化20】

【0132】
【化21】

【0133】
(高分子Aの製造)
得られた高分子Aの前駆体を3N HCl水溶液250mLに溶かした後、1時間以上撹拌した。その後、陽イオン系樹脂Amberite IR−120およびMillipore社製のPrep/ScaleTFF膜を利用して反応中に生成したNaCl塩を十分に除去し、下記の化学式13−2、化学式14−2および化学式15のランダムな繰り返し単位を有するポリ(スチレンスルホン酸ナトリウムアンモニウムスチレン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSNa−AmS−PFS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−2:化学式14−2:化学式15のモル比は15:1:5であった。
【0134】
【化22】

【0135】
【化23】

【0136】
<合成例2>
(高分子A'の前駆体の製造)
シグマアルドリッチ社製のスチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)12g、ペンタフルオロスチレン2.3g(スチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)に対して20mol%相当)、4−tertブチルオキシカルボニルアミノスチレン0.61g(二つのモノマー使用量に対して4mol%相当)をジメチルスルホキシド(DMSO)250mLに加え加熱しながら完全に溶かした。
【0137】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、前記得られた溶液に滴加した後、48時間超重合した。
【0138】
得られた反応物をアセトンに沈殿させて室温で放置した後、形成した沈殿物をフィルターを用いて除去してポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−tertブチルオキシカルボニルアミノスチレン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSNa−BOCAmS−PFS)}を得た。ここで、化学式13−1:化学式14−1:化学式15のモル比は20:1:4であった。
【0139】
(高分子A'の製造)
得られた高分子を3N HCl水溶液250mLに溶かした後、1時間以上撹拌した。その後、陽イオン系樹脂Amberite IR−120およびMillipore社製のPrep/ScaleTFF膜を利用して反応中に生成したNaCl塩を十分に除去し、化学式13−2、化学式14−2および化学式15のランダムな繰り返し単位を有するポリ(スチレンスルホン酸−アンモニウムスチレン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSA−AmS−PFS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−2:化学式14−2:化学式15のモル比は20:1:4であった。
【0140】
<合成例3>
(高分子A”の前駆体の製造)
シグマアルドリッチ社製のスチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)12g、ペンタフルオロスチレン1.6g(スチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)に対して10mol%相当)、4−tert−ブチルオキシカルボニルアミノスチレン0.61g(二つのモノマー使用量に対して4mol%相当)をジメチルスルホキシド(DMSO)100mLに加え加熱しながら完全に溶かした。
【0141】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、前記得られた溶液に滴加した後、48時間超重合した。
【0142】
得られた反応物をアセトンに沈殿させて室温で放置した後、形成した沈殿物をフィルターを用いて除去してポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−tertブチルオキシカルボニルアミノスチレン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSNa−BOCAmS−PFS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−1:化学式14−1:化学式15のモル比は24:1:3であった。
【0143】
(高分子A"の製造)
得られた高分子を3N HCl水溶液250mLに溶かした後、1時間以上撹拌した。その後、陽イオン系樹脂Amberite IR−120およびMillipore社のPrep/ScaleTFF膜を利用して反応中に生成したNaCl塩を十分に除去し、ランダムな繰り返し単位を有するポリ(スチレンスルホン酸−アンモニウムスチレン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSA−AmS−PFS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−2:化学式14−2:化学式15のモル比は24:1:3であった。
【0144】
<合成例4>
(高分子Bの前駆体の製造)
シグマアルドリッチ社製のスチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)12g、4−tert−ブチルオキシカルボニルアミノスチレン0.61gをジメチルスルホキシド(DMSO)100mLに加えて加熱しながら完全に溶かした。
【0145】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、前記得られた溶液に滴加した後、48時間超重合した。
【0146】
得られた反応物をアセトンに沈殿させて室温で放置した後、形成した沈殿物をフィルターを用いて除去してポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム−tertブチルオキシカルボニルアミノスチレン)共重合体{P(SSNa−BOCAmS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−1:化学式14−1のモル比は19:1であった。
【0147】
(高分子Bの製造)
得られた高分子を3N HCl水溶液250mLに溶かした後、1時間以上撹拌した。その後、陽イオン系樹脂Amberite IR−120およびMillipore社製のPrep/ScaleTFF膜を利用して反応中に生成したNaCl塩を十分に除去し、ランダムな繰り返し単位を有するポリ(スチレンスルホン酸−アンモニウムスチレン)共重合体{P(SSA−AmS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−2:化学式14−2のモル比は19:1であった。
【0148】
<合成例5>
(高分子Cの前駆体の製造)
シグマアルドリッチ社製のスチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)12g、ペンタフルオロスチレン2.3g(スチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)に対して20mol%相当)、下記の化学式16の2−スチレニル(3,4−エチレンジオキシ)ピロール0.79g(二つのモノマー使用量に対して5mol%相当)をジメチルスルホキシド(DMSO)250mLに投入して加熱しながら完全に溶かした。
【0149】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、前記得られた溶液に滴加した後、48時間超重合した。
【0150】
得られた反応物をアセトンに沈殿させて室温で放置した後、形成した沈殿物をフィルターを用いて除去してポリ(スチレンスルホン酸ナトリウムスチレニル(3,4−エチレンジオキシ)ピロール−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSNa−StEDOP−PFS)}を得た。ここで、化学式13−1:化学式16:化学式15のモル比は15:1:5であった。
【0151】
【化24】

【0152】
(高分子Cの製造)
得られた高分子を3N HCl水溶液250mLに溶かした後、1時間以上撹拌する。その後、陽イオン系樹脂Amberite IR−120およびMillipore社製のPrep/ScaleTFF膜を利用して反応中に生成したNaCl塩を十分に除去し、化学式13−2、化学式16および化学式15のランダムな繰り返し単位を有するポリ(スチレンスルホン酸−スチレニル(3,4−エチレンジオキシ)ピロール−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSA−StEDOP−PFS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−2:化学式16:化学式15のモル比は15:1:5であった。
【0153】
<合成例6>
(高分子Dの前駆体の製造)
シグマアルドリッチ社製のスチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)12g、ペンタフルオロスチレン2.3g(スチレンスルホン酸ナトリウム(SSNa)に対して20mol%相当)、下記の化学式17の2−スチレニル(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン0.85g(二つのモノマー使用量に対して5mol%相当)をジメチルスルホキシド(DMSO)250mLに加熱しながら完全に溶かした。
【0154】
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし、前記得られた溶液に滴加した後、48時間超重合した。
【0155】
得られた反応物をアセトンに沈殿させて室温で放置した後、形成した沈殿物をフィルターを用いて除去してポリ(スチレンスルホン酸ナトリウムスチレニル(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSNa−StEDOT−PFS)}を得た。ここで、化学式13−1:化学式17:化学式15のモル比は16:1:3であった。
【0156】
【化25】

【0157】
(高分子Dの製造)
得られた共重合体を3N HCl水溶液250mLに溶かした後、1時間以上撹拌した。その後、陽イオン系樹脂Amberite IR−120およびMillipore社製のPrep/ScaleTFF膜を利用して反応中に生成したNaCl塩を十分に除去し、化学式13−2、化学式17および化学式16のランダムな繰り返し単位を有するポリ(スチレンスルホン酸−スチレニル(3,4−エチレンジオキシ)チオフェン−ペンタフルオロスチレン)共重合体{P(SSA−StEDOT−PFS)}水溶液を得た。ここで、化学式13−2:化学式17:化学式16のモル比は15:1:3であった。
【0158】
[高分子の水に対する溶解度の評価]
本発明の導電性高分子は化学式15の疎水性単量体とポリ酸との化学結合を行う役割を果たす化学式14−1、化学式13−1の構造の単量体および親水性基であるスチレンスルホン酸ナトリウムの比率に応じて水に対する溶解度が変わる。したがって、下記表1に表示されたような含量比の合成例1〜6による溶解度を調べた。合成した導電性高分子のそれぞれ2重量%水溶液を調製し、直径13mm、0.45μmのPVDF性シリンジフィルターを利用してろ過レベルを分析した。溶解度は3mL以上ろ過できる場合、○で表示し、0.5mL以上ろ過できない場合、×、0.5mL以上3mL未満である場合は△で表示した。下記表1から合成例1〜6の全てが溶解度に優れていることが分かる。
【0159】
【表1】

【0160】
(自己ドーピングされた導電性高分子化合物溶液の製造)
<実施例1>
合成例1の共重合体水溶液(共重合体量2g)とイオノマーとして下記の化学式13のナフィオン10重量%水溶液を1:1の比率で混合した溶液に、共重合体とナフィオン固体含量4gに対して14重量%相当の量のアニリンを入れた後、0℃で過硫酸アンモニウム酸化剤を使用して12時間重合して自己ドーピングされた導電性高分子を製造した。反応終了および副産物として生成した塩はイオン交換樹脂または透析方法で精製した。
【0161】
【化26】

【0162】
このように得られた事故ドーピングされた導電性高分子化合物を含む水溶液を用いて導電性高分子組成物を調製した。ここで、導電性高分子の含量(固体量比)は1.2〜1.5重量%であった。
【0163】
<実施例2>
合成例1の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、2:1の比率で混合して重合したことを除いては前記実施例1と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0164】
<実施例3>
合成例1の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、5:1の比率で混合して重合したことを除いては前記実施例1と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0165】
<実施例4>
合成例1の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、合成例3の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合したことを除いては前記実施例1と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0166】
<実施例5>
合成例3の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、2:1の比率で混合して重合したことを除いては前記実施例4と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0167】
<実施例6>
合成例3の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、5:1の比率で混合して重合したことを除いては前記実施例4と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0168】
<比較例1>
合成例1の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、合成例4の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合したことを除いては前記実施例1と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0169】
<比較例2>
合成例4の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、5:1の比率で混合して重合したことを除いては前記比較例1と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0170】
<比較例3>
合成例4の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率で混合して重合する代わりに、1:1の比率でブレンドしたことを除いては前記比較例1と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0171】
<比較例4>
合成例4の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率でブレンドする代わりに、2:1の比率でブレンドしたことを除いては前記比較例3と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0172】
<比較例5>
合成例4の共重合体水溶液とナフィオンを1:1の比率でブレンドする代わりに、5:1の比率でブレンドしたことを除いては前記比較例3と同一の方法で導電性高分子組成物を製造した。
【0173】
[導電性高分子組成物の水に対する溶解度の評価]
前記実施例および比較例のろ過性を確認するために、直径13mm、0.45umのPVDF製シリンジフィルターを利用して5mLずつろ過して溶解度を調べ、下記表2に示した。溶解度は3mL以上ろ過できる場合、○で表示し、0.5mL以上ろ過できない場合×、0.5mL以上3mL未満である場合は△で表示した。
【0174】
[粗さの評価]
前記実施例および比較例の薄膜特性を確認するためにAFM装置を利用して表面粗度を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0175】
【表2】

【0176】
前記表2を参照すれば、本発明の導電性高分子組成物は疎水性基により溶解度に優れ、ナフィオンの凝集現象を減らして表面粗さが緩和されることが分かる。
【0177】
(有機光電素子の製造)
コーニング社製15Ψ/cm2 1200 ITOガラス基板を横×縦×厚さ50mm×50mm×0.7mmの大きさで切断してイソプロピルアルコールと脱イオン水中で各5分間超音波洗浄した後、30分間UVおよびオゾンで洗浄した。
【0178】
このように準備した基板上に実施例1、2、3、6および比較例5で製造した導電性高分子組成物をスピンコーティングして300nm厚さの正孔注入層(HIL)を形成した。
【0179】
形成した正孔注入層上部に緑色発光高分子で700nm厚さの発光層を形成した後、前記発光層上部に第2電極としてLiF 2nm、Al 100nmを形成して有機光電素子を製造した。
【0180】
[発光効率特性評価]
前記実施例1、2、3、6および比較例5を利用して製造した有機光電素子の発光効率をSpectraScan PR650スペクトロラジオメータを利用して測定し、その結果をの下記表3に示した。
【0181】
【表3】

【0182】
表3を参照すれば、実施例1および2を利用して製造した有機光電素子が最大発光効率が優れた、よいデバイスであることが分かる。
【0183】
現在デバイス最適化が行われていない状態で直接的な比較をすることは難しいが、実施例1および2を利用して製造した有機光電素子の場合、比較例5のデバイスと比較すれば、約200%以上の最大発光効率の増加を示した。
【0184】
以上、添付図面および表を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明は前記実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態で製造され得、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や特許請求の範囲の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施し得る。したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なものであって、限定的ではないことを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0185】
10 第1電極
11 バッファー層
12 発光層
13 正孔抑制層
14 第2電極
15 電子輸送層
16 正孔輸送層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1、下記の化学式2および下記の化学式3で表される繰り返し単位を有する、導電性高分子:
【化1】

【化2】

【化3】

(前記化学式1〜3中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のアルキル;置換または非置換のヘテロアルキル;置換または非置換のアルコキシ;置換または非置換のヘテロアルコキシ;置換または非置換のアリール;置換または非置換のアリールアルキル;置換または非置換のアリールオキシ;置換または非置換のヘテロアリール;置換または非置換のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のシクロアルキル;置換または非置換のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のアルキルエステル;置換または非置換のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のアリールエステル;置換または非置換のヘテロアリールエステルおよびハロゲン(F、Br、Cl、またはI)からなる群より選択され、
Aは、単結合;置換または非置換のアルキレン;置換または非置換のヘテロアルキレン;置換または非置換のアルコキシレン;置換または非置換のヘテロアルコキシレン;置換または非置換のアリーレン;置換または非置換のアリールアルキレン;置換または非置換のアリールオキシレン;置換または非置換のヘテロアリーレン;置換または非置換のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のシクロアルキレン;置換または非置換のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のアルキレンエステル;置換または非置換のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のアリーレンエステルおよび置換または非置換のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
Bは、陽イオンと陰イオンのイオン対であり、陽イオンは、H+、Na+、K+、Li+、Mg2+、Zn2+およびAl3+からなる群より選択される金属イオン、NR3+(Rは、Hまたは置換または非置換のアルキル)およびCH3(−CH2−)p+(pは、1〜50)の有機イオンからなる群より選択される陽イオンであり、陰イオンは、PO32-、SO3-、COO-、I-およびCH3COO-からなる群より選択され、
Cは、単結合;−O−;−S−;−NH−;置換または非置換のアルキレン;置換または非置換のヘテロアルキレン;置換または非置換のアリーレン;置換または非置換のオキシアルキレン;置換または非置換のヘテロオキシアルキレン;置換または非置換のアリールアルキレン;置換または非置換のアリールオキシレン;置換または非置換のアリーレンアミン;置換または非置換のピローレン;置換または非置換のチオフェニレン;置換または非置換のヘテロアリーレン;置換または非置換のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のシクロアルキレン;置換または非置換のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のアルキレンエステル;置換または非置換のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のアリーレンエステルおよび置換または非置換のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
Dは、置換または非置換のポリフェニレン、置換または非置換のポリフェニレンビニレン、下記の化学式4で表されるポリアニリンまたはその誘導体、下記の化学式5で表されるポリピロールまたはその誘導体、置換または非置換のポリチオフェンまたはその誘導体および下記の化学式6で表される環状単量体の高分子からなる群より選択され、
Eは、窒素、リン、硫黄、ケイ素または酸素のヘテロ原子で置換または非置換され、ハロゲン置換された炭素化合物の基である。)
【化4】

(前記化学式4中、
a、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリールアミン;置換または非置換のC6〜C30のピロール;置換または非置換のC6〜C30のチオフェン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルからなる群より選択される。)
【化5】

(前記化学式5中、
Xは、−NH−または−NR−;−PH−または−PR−;−O−;および−S−からなる群より選択され(ここで、Rは、C1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールであり)、
eおよびRfは、それぞれ独立して、−NH2または−NRR';−PH2または−PRR';−OHまたは−OR;および−SHまたは−SR(ここで、RおよびR'は、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールである。);C1〜C30のアルキル;C6〜C30のアリール;C1〜C30のアルコキシ;C1〜C30のヘテロアルキル;C1〜C30のヘテロアルコキシ;C6〜C30のアリールアルキル;C6〜C30のアリールオキシ;C6〜C30のアリールアミン;C6〜C30のピロール;C6〜C30のチオフェン;C2〜C30のヘテロアリール;C2〜C30のヘテロアリールアルキル;C2〜C30のヘテロアリールオキシ;C5〜C20のシクロアルキル;C2〜C30のヘテロシクロアルキル;C2〜C30のアルキルエステル;C1〜C30のヘテロアルキルエステル;C6〜C30のアリールエステル;C2〜C30のヘテロアリールエステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。)
【化6】

(前記化学式6中、
XおよびYは、それぞれ独立して、−NH−または−NR−;−PH−または−PR−;−O−;および−S−からなる群より選択され、ここで、Rは、C1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールであり、
Zは、−(CR12x−CR34−(CR56yであり(ここで、R1〜R6は、それぞれ独立して、−H、C1〜C20のアルキルラジカル、C6〜C14のアリールラジカルまたは−CH2−ORiであり、ここで、Riは、−H、C1〜C6のアルキル酸基)、C2〜C6のアルキルエステル基、C1〜C6のヘテロアルキル酸基またはC1〜C6のアルキルスルホン酸基である)、
xおよびyは、それぞれ独立して、0〜5の整数である。)
【請求項2】
前記R1、R2、R3、R4、R5およびR6が、それぞれ独立して、置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルからなる群より選択され、
前記Aは、置換または非置換のC1〜C30のアルキレン;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキレン;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシレン;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシレン;置換または非置換のC6〜C30のアリーレン;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキレン;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリーレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のアルキレンエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリーレンエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
前記Eは、窒素、リン、硫黄、ケイ素または酸素のヘテロ原子で置換または非置換され、ハロゲン置換された炭素化合物の基であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性高分子。
【請求項3】
下記の化学式12で表される導電性高分子および
溶媒
を含む、導電性高分子組成物:
【化7】

(前記化学式12中、
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のアルキル;置換または非置換のヘテロアルキル;置換または非置換のアルコキシ;置換または非置換のヘテロアルコキシ;置換または非置換のアリール;置換または非置換のアリールアルキル;置換または非置換のアリールオキシ;置換または非置換のヘテロアリール;置換または非置換のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のシクロアルキル;置換または非置換のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のアルキルエステル;置換または非置換のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のアリールエステル;置換または非置換のヘテロアリールエステルおよびハロゲン(F、Br、Cl、またはI)からなる群より選択され、
Aは、単結合;置換または非置換のアルキレン;置換または非置換のヘテロアルキレン;置換または非置換のアルコキシレン;置換または非置換のヘテロアルコキシレン;置換または非置換のアリーレン;置換または非置換のアリールアルキレン;置換または非置換のアリールオキシレン;置換または非置換のヘテロアリーレン;置換または非置換のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のシクロアルキレン;置換または非置換のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のアルキレンエステル;置換または非置換のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のアリーレンエステルおよび置換または非置換のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
Bは、陽イオンと陰イオンのイオン対であり、陽イオンは、H+、Na+、K+、Li+、Mg2+、Zn2+およびAl3+からなる群より選択される金属イオン、NR3+(Rは、Hまたは置換または非置換のアルキル)およびCH3(−CH2−)p+(pは、1〜50)の有機イオンからなる群より選択される陽イオンであり、陰イオンは、PO32-、SO3-、COO-、I-およびCH3COO-からなる群より選択され、
Cは、単結合;−O−;−S−;−NH−;置換または非置換のアルキレン;置換または非置換のヘテロアルキレン;置換または非置換のアリーレン;置換または非置換のオキシアルキレン;置換または非置換のヘテロオキシアルキレン;置換または非置換のアリールアルキレン;置換または非置換のアリールオキシレン;置換または非置換のアリーレンアミン;置換または非置換のピローレン;置換または非置換のチオフェニレン;置換または非置換のヘテロアリーレン;置換または非置換のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のシクロアルキレン;置換または非置換のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のアルキレンエステル;置換または非置換のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のアリーレンエステルおよび置換または非置換のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
Dは、置換または非置換のポリフェニレン、置換または非置換のポリフェニレンビニレン、下記の化学式4で表されるポリアニリンまたはその誘導体、下記の化学式5で表されるポリピロールまたはその誘導体、置換または非置換のポリチオフェンまたはその誘導体および下記の化学式6で表される環状単量体の高分子からなる群より選択され、
Eは、窒素、リン、硫黄、ケイ素または酸素のヘテロ原子で置換または非置換され、ハロゲン置換された炭素化合物であり、
前記lは、5≦l≦1,000,000であり、mおよびnのlに対する比率は、0.0001≦m/l≦0.2であり、0.0001≦n/l≦1であり、0.00000001≦m+n/l≦1.1である。)
【化8】

(前記化学式4中、
a、Rb、RcおよびRdは、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリールアミン;置換または非置換のC6〜C30のピロール;置換または非置換のC6〜C30のチオフェン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルからなる群より選択される。)
【化9】

(前記化学式5中、
Xは、−NH−または−NR−;−PH−または−PR−;−O−;および−S−からなる群より選択され(ここで、Rは、C1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールであり)、
eおよびRfは、それぞれ独立して、−NH2または−NRR';−PH2または−PRR';−OHまたは−OR;および−SHまたは−SR(ここで、RおよびR'は、それぞれ独立して、水素原子またはC1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールである。);C1〜C30のアルキル;C6〜C30のアリール;C1〜C30のアルコキシ;C1〜C30のヘテロアルキル;C1〜C30のヘテロアルコキシ;C6〜C30のアリールアルキル;C6〜C30のアリールオキシ;C6〜C30のアリールアミン;C6〜C30のピロール;C6〜C30のチオフェン;C2〜C30のヘテロアリール;C2〜C30のヘテロアリールアルキル;C2〜C30のヘテロアリールオキシ;C5〜C20のシクロアルキル;C2〜C30のヘテロシクロアルキル;C2〜C30のアルキルエステル;C1〜C30のヘテロアルキルエステル;C6〜C30のアリールエステル;C2〜C30のヘテロアリールエステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。)
【化10】

(前記化学式6中、
XおよびYは、それぞれ独立して、−NH−または−NR−;−PH−または−PR−;−O−;および−S−からなる群より選択され、ここで、Rは、C1〜C20のアルキルまたはC6〜C20のアリールであり、
Zは、−(CR12x−CR34−(CR56yであり(ここで、R1〜R6は、それぞれ独立して、−H、C1〜C20のアルキルラジカル、C6〜C14のアリールラジカルまたは−CH2−ORiであり、ここで、Riは、−H、C1〜C6のアルキル酸基)、C2〜C6のアルキルエステル基、C1〜C6のヘテロアルキル酸基またはC1〜C6のアルキルスルホン酸基である)、
xおよびyは、それぞれ独立して、0〜5の整数である。)
【請求項4】
前記R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルからなる群より選択され、
前記Aは、置換または非置換のC1〜C30のアルキレン;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキレン;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシレン;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシレン;置換または非置換のC6〜C30のアリーレン;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキレン;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリーレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシレン;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキレン;置換または非置換のC2〜C30のアルキレンエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキレンエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリーレンエステルおよび置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリーレンエステルからなる群より選択され、
前記Eは、窒素、リン、硫黄、ケイ素または酸素のヘテロ原子で置換または非置換され、ハロゲン置換されたC2〜C30の炭素化合物であることを特徴とする、請求項3に記載の導電性高分子組成物。
【請求項5】
前記導電性高分子が、下記の化学式7〜11で表される繰り返し単位からなる群より選択される少なくとも一つをさらに含む、請求項3に記載の導電性高分子組成物:
【化11】

(前記化学式7中、
+は、H+;アルカリ金属陽イオン;アルカリ土類金属陽イオンおよびアンモニウムイオン(NH4+、NH+212、またはNH+123)からなる群より選択され、
前記R1〜R3は、それぞれ独立して、水素;置換または非置換のアルキル;置換または非置換のヘテロアルキル;置換または非置換のアルコキシ;置換または非置換のヘテロアルコキシ;置換または非置換のアリール;置換または非置換のアリールアルキル;置換または非置換のアリールオキシ;置換または非置換のヘテロアリール;置換または非置換のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のシクロアルキル;置換または非置換のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のアルキルエステル;置換または非置換のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のアリールエステル;置換または非置換のヘテロアリールエステルおよびハロゲンからなる群より選択され、Fで置換されるのが好ましく、
0<m<1,000,000であり、
xおよびyは、それぞれ独立して、0〜20の整数である。)
【化12】

【化13】

(前記化学式8および9中、
M、m、xおよびyの定義は、前記化学式7における定義と同一であり、
0<n<1,000,000である。)
【化14】

(前記化学式10中、
M、mおよびnは、前記化学式8における定義と同一であり、
zは、0〜20の整数である。)
【化15】

(前記化学式11中、
M、mおよびnは、前記化学式8における定義と同一であり、
gは、水素全体の1%以上、フッ素置換されたものを含む置換または非置換のC1〜C30のアルキル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキル;置換または非置換のC1〜C30のアルコキシ;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルコキシ;置換または非置換のC6〜C30のアリール;置換または非置換のC6〜C30のアリールアルキル;置換または非置換のC6〜C30のアリールオキシ;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリール;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールオキシ;置換または非置換のC5〜C20のシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロシクロアルキル;置換または非置換のC2〜C30のアルキルエステル;置換または非置換のC1〜C30のヘテロアルキルエステル;置換または非置換のC6〜C30のアリールエステル;置換または非置換のC2〜C30のヘテロアリールエステルおよびハロゲンからなる群より選択される。)
【請求項6】
前記溶媒が、水、アルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン、クロロベンゼンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される溶媒を含む、請求項3に記載の導電性高分子組成物。
【請求項7】
架橋剤をさらに含む、請求項3に記載の導電性高分子組成物。
【請求項8】
前記架橋剤が、ヒドロキシを含む物理的架橋剤、ヒドロキシを含む化学的架橋剤またはこれらの混合物からなる群より選択される、請求項7に記載の導電性高分子組成物。
【請求項9】
前記物理的架橋剤が、グリセロール、ブタノール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンおよびこれらの混合物からなる群より選択されるものを含む、請求項8に記載の導電性高分子組成物。
【請求項10】
前記物理的架橋剤が、導電性高分子100重量部に対して0.001〜5重量部で含まれる、請求項8に記載の導電性高分子組成物。
【請求項11】
前記化学的架橋剤が、テトラエチルオキシシラン、ポリアジリジン、メラミン系高分子、エポキシ系高分子およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含む、請求項8に記載の導電性高分子組成物。
【請求項12】
前記化学的架橋剤が、導電性高分子100重量部に対して0.001〜50重量部で含まれる、請求項8に記載の導電性高分子組成物。
【請求項13】
有機塩をさらに含むものである、請求項3に記載の導電性高分子組成物。
【請求項14】
前記有機塩が、イミダゾリウム塩、チアゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩およびピペリジニウム塩からなる群より選択されるものを含む、請求項13に記載の導電性高分子組成物。
【請求項15】
前記有機塩が、導電性高分子100重量部に対して0.1〜10重量部で含まれる、請求項13に記載の導電性高分子組成物。
【請求項16】
請求項3〜15のいずれか一項に記載の導電性高分子組成物を用いて形成される、導電性高分子有機膜。
【請求項17】
請求項16に記載の導電性高分子有機膜を含む、有機光電素子。
【請求項18】
前記有機光電素子は、有機発光ダイオードである、請求項17に記載の有機光電素子。
【請求項19】
導電性高分子有機膜が正孔注入層または電子注入層である、請求項17に記載の有機光電素子。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【公表番号】特表2012−514064(P2012−514064A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543414(P2011−543414)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007284
【国際公開番号】WO2010/074432
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】