説明

局所活性「ソフト」抗アンドロゲン剤

本発明は、抗アンドロゲン化合物に関し、この化合物は、皮膚のアンドロゲン過剰を処置するため、及び結果として被験者又は患者のざ瘡、禿頭症又は多毛症を処置するために投与されることができる。これらの化合物は一般化学構造(I、II、III又はIV)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚のアンドロゲン過剰を処置し、結果として被験者又は患者のざ瘡、禿頭症又は多毛症を処置するために投与できる抗アンドロゲン化合物に関する。
【0002】
本願は、2007年5月3日に出願された同一名称の米国仮出願整理番号60/927,427から優先権の基礎を主張し、その内容全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0003】
本願の対象は、NIHグラント番号NIH R01 CA−37799及びHL−61432によって支援された。従って、米国政府は本発明に特定の権利を保有する。
【背景技術】
【0004】
アンドロゲンの作用は、生理学的に複雑な配列の結果であり、最終的にステロイド生合成及び異化の経路を妨害することによって制御される。何十年にもわたり、精巣分泌産物であるテストステロンが主要なアンドロゲンであると考えられていたが、今日では、このC19−ステロイドはアンドロゲン前駆体で、最終的なホルモン信号を導く不完全なステロイド産生経路の産物であると広く認識されている。数々の生理学及び病理学の研究により、睾丸及び卵巣によって(又は卵巣が分泌するアンドロステンジオンから末梢合成される)及び霊長類においては副腎によって分泌されるテストステロンが、標的組織によって活性アンドロゲンの5a−ジヒドロテストステロン(DHT)に転化されることがわかった(非特許文献1、非特許文献2)。5α−レダクターゼ2型酵素は、テストステロンであるΔ4−3−ケトンを、対応する5a−還元ステロイドに転化することによって活性アンドロゲンを産生する。循環テストステロン及びアンドロステンジオンは、多くの組織、特に脂肪に存在するアロマターゼ酵素によってエストラジオール(E2)及びエストロンへ転化されることで、エストロゲンの前駆体としても機能している(非特許文献3)。故に、性別に拘わらず、これらの分泌されたC19−Δ4−3−ケトステロイドは、ステロイドホルモン核内受容体ファミリーの2つの異なるメンバーに関する分岐信号に末梢変換される。卵巣で分泌されるため、エストロゲンは一般に女性に関連しており、精巣で分泌されるため、アンドロゲンは男性に関連している。実際には、それぞれが両方の性において重要な役割を果たす。1つの例として、男性には骨の成熟及び石灰化にエストロゲンが必須であることが、変異エストロゲン受容体(ER)アルファを有するエストロゲン抵抗性の男性で実証された(非特許文献4)。アンドロゲンは、女性でも生理学的に重要な役割を果たすことが知られており、女性でのアンドロゲン欠乏性症候群が、骨の再造形、性機能及び生活の質における欠陥を伴った重大な臨床症候群として認識されている(非特許文献5)。
【0005】
男性及び女性の両方において、アンドロゲンは生理学的に明らかに重要な必要条件である一方で、ステロイド産生器官又は標的組織のいずれかにおいて、アンドロゲンの病理学的な過剰産生による多くの症候群が存在する。主として21−ヒドロキシラーゼ欠損である副腎性器症候群がおそらく最もよく知られており、副腎からのアンドロゲンの過剰産生を導く。この症候群の一部の形態は、ほんのわずかに発現し(非古典的)、遅発性男性化(多毛症、ざ瘡)のような穏やかな形態を導く(非特許文献6)。女性におけるアンドロゲン過剰の最も一般的な疾患は、多嚢胞卵巣症候群(PCOS)であり、これは出産年齢の女性の5%以上が患う(非特許文献7)。薬物治療は疾患によって多様化する。副腎性器症候群は、ACTH分泌を減らすことによって副腎のアンドロゲン合成を制御するデキサメタゾンで処置される(非特許文献8)。女性では、アンドロゲンの供給源によって異なるが、アンドロゲン過剰症は、LHを低減することによって卵巣でのアンドロゲン分泌刺激を低減する経口避妊薬に反応することが多く、この避妊薬のエストロゲン成分が性ホルモン結合グロブリン濃度を増大させ、生物が利用可能なテストステロンを低減する。著しい多毛症は、抗アンドロゲン剤、例えばシプロテロンアセテート、スピロノラクトン又はフルタミドで処置されることが多い。シプロテロンアセテートはプロゲスチンであり、ゴナドトロピン、すなわち循環アンドロゲンを低下させる抗アンドロゲン剤であり、受容体レベルでのアンドロゲン作用を阻害する(非特許文献9)。スピロノラクトンは、鉱質コルチコイド拮抗物質であり、アンドロゲン受容体拮抗物質でもある。フルタミドは、純粋なアンドロゲン拮抗物質である(非特許文献10)。抗アンドロゲン剤に加えて、テストステロンの「代謝活性」の特異的阻害薬であるフィナステリドが利用可能である(非特許文献11)。この化合物は、5a−レダクターゼ酵素2型に作用し、アンドロゲン標的器官の大半においてテストステロンのDHTへの末梢転化を阻止する。
【0006】
こうした幅広い治療薬の利用により、大部分のアンドロゲン過剰症候群を処置できるが、こうした全身性治療には危険がある。例えば、男性では、フィナステリド(プロスカー)による抗アンドロゲン剤治療は、前立腺癌への進行を防ぐために、前立腺肥大症の処置において一般的である。プロスカーは、低悪性度の前立腺癌の発生率を低下させるのに有効であるが、高悪性度の前立腺癌の発生率は実際増大する(非特許文献12)。これにより、前立腺癌のような重篤な疾患を防止するために抗アンドロゲン剤治療を使用することは疑問を呼んだ。また、それほど重篤でない障害を処置するためにフィナステリドを使用することも疑問視されている。プロペシアと呼ばれる製剤中のフィナステリドは、禿頭症の処置にも使用されている。プロペシアは、プロスカーよりも低用量のフィナステリドを与えるが、血漿及び前立腺におけるDHT及びテストステロンの濃度では同じ効果がある(非特許文献13)。これは、脱毛症の処置のために生涯のほとんどの期間でプロペシアを服用する大勢の若者にとって、高悪性度の前立腺癌の危険性が増す可能性を提起している(非特許文献14)。上述したように、女性もアンドロゲン依存性の作用を有しているので、アンドロゲンの働きを妨げることは、男性と同様に女性にも臨床的な問題がある。このことは、アンドロゲン濃度が低い女性に対して、アンドロゲン代替治療が推奨される処置になっていることから明らかである(非特許文献15)。すなわち、アンドロゲン作用の薬学的阻害によってアンドロゲン欠乏性症候群を生じることは、男性及び女性の両方に重大な健康危機をもたらす。
【0007】
男性及び女性におけるざ瘡及び禿頭症の処置、並びに女性では多毛症の処置のためにアンドロゲン作用を阻害することが有効であるのは明らかであるが、重篤な危険をもたらし得る。しかし、この危険性は、こうした病気の全てが、全身ではなく直接処置が可能な器官である皮膚に局在化しているので、必ずしも必然的ではない可能性もある。全身性アンドロゲン拮抗作用は、拮抗物質が皮膚に適用でき、皮膚内で保持される場合は必然的でない。皮膚は局所適用された薬物に反応する器官であるけれども、種々広範な薬物に対して透過性でもある。故に、皮膚パッチで適用される多くの薬物、例えばエストロゲン、及びニコチンは体内に入り、血液中を循環して、全身に作用する(非特許文献16、非特許文献17)。全身作用ではなく、皮膚内だけに局所的に作用するように開発された抗アンドロゲン剤が、この問題を解決するであろう。ざ瘡、禿頭症、脂漏症及び多毛症を処置するために皮膚に適用される局所活性アンドロゲン拮抗物質の開発及び合成が本願の課題である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Bruchovsky N, Wilson JD 1968 The intranuclear binding of testosterone and 5-alpha- androstan-17-beta-ol-3-one by rat prostate. J Biol.Chem 243:5953-5960.
【非特許文献2】Imperato-McGinley J, Guerrero L, Gautier T, Peterson RE 1974 Steroid 5alpha-reductase deficiency in man: an inherited form of male pseudohermaphroditism. Science 186:1213- 1215.
【非特許文献3】Cleland WH, Mendelson CR, Simpson ER 1985 Effects of aging and obesity on aromatase activity of human adipose cells. J.Clin.Endocrinol.Metab. 60:174-177.
【非特許文献4】Smith EP, Boyd J, Frank GR, Takahashi H, Cohen RM, Specker B, Williams TC, Lubahn DB, Korach KS 1994 Estrogen resistance caused by a mutation in the estrogen- receptor gene in a man. N.Engl.J.Med. 331:1056-1061.
【非特許文献5】Snyder PJ 2001 The role of androgens in women. J.Clin.Endocrinol.Metab 86:1006- 1007.
【非特許文献6】Speiser PW, New MI 1987 Genotype and hormonal phenotype in nonclassical 21- hydroxylase deficiency. J Clin.Endocrinol.Metab 64:86-91.
【非特許文献7】Knochenhauer ES, Key TJ, Kahsar-Miller M, Waggoner W, Boots LR, Azziz R 1998 Prevalence of the polycystic ovary syndrome in unselected black and white women of the southeastern United States: a prospective study. J Clin.Endocrinol.Metab 83:3078-3082.
【非特許文献8】Avgerinos PC, Cutler GB, Jr., Tsokos GC, Gold PW, Feuillan P, Gallucci WT, Pillemer SR, Loriaux DL, Chrousos GP 1987 Dissociation between Cortisol and adrenal androgen secretion in patients receiving alternate day prednisone therapy. J Clin.Endocrinol.Metab 65:24-29.
【非特許文献9】Cumming DC, Yang JC, Rebar RW, Yen SS 1982 Treatment of hirsutism with spironolactone. JAMA 247:1295-1298.
【非特許文献10】Cusan L, Dupont A, Gomez JL, Tremblay RR, Labrie F 1994 Comparison of flutamide and spironolactone in the treatment of hirsutism: a randomized controlled trial. Fertil.Steril. 61 :281-287.
【非特許文献11】Rittmaster RS 1994 Finasteride. N.Engl.J Med 330:120-125.
【非特許文献12】Thompson IM, Goodman PJ, Tangen CM, Lucia MS, Miller GJ, Ford LG, Lieber MM, Cespedes RD, Atkins JN, Lippman SM, Carlin SM, Ryan A, Szczepanek CM, Crowley JJ, Coltman CA, Jr. 2003 The influence of finasteride on the development of prostate cancer. N.Engl.J Med 349:215-224.
【非特許文献13】McConnell JD, Wilson JD, George FW, Geller J, Pappas F, Stoner E 1992 Finasteride, an inhibitor of 5 alpha-reductase, suppresses prostatic dihydrotestosterone in men with benign prostatic hyperplasia. J Clin.Endocrinol.Metab 74:505-508.
【非特許文献14】Rosner W 2004 Proscar and propecia~a therapeutic perspective. J Clin.Endocrinol.Metab 89:3096-3098.
【非特許文献15】Davis S 1999 Androgen replacement in women: a commentary. J Clin.Endocrinol.Metab 84:1886-1891.
【非特許文献16】Youngkin EQ 1990 Estrogen replacement therapy and the estraderm transdermal system. Nurse Pract. 15:19-26, 31.
【非特許文献17】Fant RV, Henningfield JE, Shiftman S, Strahs KR, Reitberg DP 2000 A pharmacokinetic crossover study to compare the absorption characteristics of three transdermal nicotine patches. Pharmacol. Biochem . Behav. 67:479-482.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ざ瘡、脱毛症(禿頭症)、脂漏症(特に女性における)及び多毛症の処置に使用するための新規な化合物及び医薬組成物を提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、本発明に従う化合物及び組成物を利用して、ざ瘡、禿頭症、脂漏症及び多毛症の1つ以上を処置するための方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、ざ瘡、禿頭症、脂漏症及び多毛症の発症又は再発の可能性を低減するために、予防的に使用できる新規な化合物及び組成物を提供することである。
【0012】
本発明のこれらの及び/又は他の目的のいずれか1つは、次に示す本発明の説明から容易に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、次の化学構造に従う化合物に関する。
【0014】
【化1】

【0015】
式中、nは1、2又は3(好ましくは1又は2)であり、
Rは、(C1−C3アルキル又はフルオロアルキルで)任意に置換されたC4−C10基であり、n=1である場合、Rは、C5−C10アルキル基(好ましくは、非置換直鎖アルキル基)であり、n=2である場合、Rは、(C1−C3アルキル又はフルオロアルキルで)任意に置換されたC4−C10アルキル基、好ましくは非置換直鎖アルキル基である。あるいは、次の化学構造に従う化合物に関する。
【0016】
【化2】

【0017】
式中、nは1、2又は3(好ましくは1又は2)であり、R’は、(C1−C3アルキル又はフルオロアルキルで)任意に置換されたC1−C5アルキル基である。あるいは、次の化学構造に従う化合物に関する。
【0018】
【化3】

【0019】
式中、nは1、2又は3(好ましくは1又は2)であり、RNは、
【0020】
【化4】

基又は
【0021】
【化5】

基であり、jは2、3又は4(好ましくは2又は3、好ましくは3)であり、
【0022】
【化6】

は、カルボニル基と結合した少なくとも1つの窒素原子を含有する5又は6員の複素環式基であり、任意に、1〜3個のメチル基又はハロゲン基(F、Cl、Br、I、好ましくはF)で置換され、好ましくは、ピペリジン、ピペラジン又はモルホリン(好ましくはピペリジン)である。R1及びR2はそれぞれ独立に、H又はC1−C4アルキル基である。あるいは、次の化学構造に従う化合物に関する。
【0023】
【化7】

【0024】
式中、*は、キラル中心を示し、Rbは、(C1−C3アルキル又はフルオロアルキルで)任意に置換されたC1−C6アルキル基、好ましくはエチル基である。
【0025】
上記非ステロイド化合物に関連する本発明の特定の好ましい態様では、化合物は、
【0026】
【化8】

【0027】
式中、Rbは、(C1−C3アルキル又はフルオロアルキルで)任意に置換されたC1−C6アルキル基、好ましくはエチル基である。
【0028】
本発明はまた、薬学的に許容されるキャリア、添加剤又は賦形剤と組み合わせて、有効量の上述の少なくとも1つの化合物を含む本発明の医薬組成物に関する。好ましくは、本発明の医薬組成物は、患者に投与するために局所用の剤形で処方される。
【0029】
本発明の別の態様において、治療的処置は、本発明に従う1以上の活性化合物を、ざ瘡、脱毛症(禿頭症)、脂漏症又は多毛症の処置のために治療が必要な患者に投与することを含む。本発明の予防の態様もまた本発明によって考慮され、一般的な処置方法により取り入れられる。本発明の特に好ましい予防に用いる態様は、ざ瘡、禿頭症、脂漏症又は多毛症の可能性を低減するための本化合物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】化合物18−エステル及びその対応するカルボキシレートのアンドロゲン受容体(AR)結合を示す。典型的な非ステロイド系抗アンドロゲン剤であるビカルタミドと比較した、化合物18の酸及びエチルエステルの抗アンドロゲン潜在能は、1):ラットの前立腺サイトゾルにおける、それらのAR親和性を測定し(方法の項目を参照);[3H]5a−DHTの結合に関してそれらの競合を計測することで特徴付けられた。サイトゾルは、3つの化合物及びDHTの存在下において1nMの[3H]5a−DHTを一晩インキュベートした。その後、遊離のステロイドを木炭で吸着し、受容体結合放射活性を計数することにより計測した。この図からわかるように、化合物18−エチルエステルは、約6%のRBAを有してARへの結合を競合し、これは、ビカルタミド(カソデックス)の約2%に匹敵する。この結果から、エステル化化合物が顕著な抗アンドロゲン活性を示す一方で、対応するカルボキシレートは、アンドロゲン受容体に結合しないことが分かり、ここから、エステルは活性種であるけれども、遊離のカルボキシレートへの脱エステル化により不活性になると結論付けられる。
【図2】AR及びARE−ルシフェラーゼレポーター遺伝子でトランスフェクトされた細胞のDHT刺激に関する化合物18−エチルエステルの影響を示す。化合物18−エステル及びカルボキシレートの抗アンドロゲン作用を、先に述べたように、ヒトAR及びARE−ルシフェラーゼ連鎖レポーター遺伝子でトランスフェックトされた胎児ラット頭頂骨から得られた初代骨芽細胞培養において計測した。Centrellaら、Mol.Endocrinol.,18:1120−1130,2004年。この細胞を、DHT0.1nM又は賦形剤(DMSO 0.1%)単独の対照、又は次のうち1つとDHTで処置した:18−エチルエステル、18−カルボキシレート又はカソデックス(ビカルタミド)。非ステロイド類似体をDHTと共に添加した。24時間後に細胞をルシフェラーゼ活性について試験した。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次の用語は、本発明を説明するために明細書全体を通して使用される。
「患者」という用語は、本発明の化合物を用いて予防的処置を含む処置が施される動物、好ましくはヒトを説明するために本明細書全体を通して使用される。ヒト患者のような特定動物に特異的な兆候、状態又は疾患状況の処置に関しては、患者という用語はその特定の動物のことを指す。本発明のほとんどの場合、患者とは、ざ瘡、ある程度の禿頭症(完全な禿頭症を含む)又は多毛症を患うヒトのことである。
【0032】
「有効量」という用語は、処置される兆候、疾患又は状態に望ましい変化を生じるために使用される本発明に従う化合物の濃度又は量を説明するために、本明細書全体を通して使用されるが、この変化が、処置される疾患状況又は状態により、兆候又は疾患状況の作用を低減又は逆転させるかどうかには拘わらない。本発明において、好ましい態様では、有効量は、処置されるべき状態、すなわちざ瘡、禿頭症、脂漏症又は多毛症を処置するために使用される量である。上記状態のうち1以上を処置するために有効な量は、活性化合物が患者に投与されるタイミング及び方法を盛り込む。
【0033】
本明細書の文脈で使用される「化合物」という用語は、特に示さない限り、本明細書に開示される特定の化学的な化合物のいずれかを指す。文脈中で使用される範囲内では、この用語は一般に、単一化合物を指すが、特定の場合は、立体異性体及び/又は光学異性体(ラセミ混合物を含む)、並びに開示される化合物の特定の鏡像異性体又は鏡像異性体が豊富な混合物を指す場合もある。記号*を使用した場合、その記号に最も近い炭素原子がキラル中心であることを示す。キラル中心が示される場合、本発明は、キラル中心に関する立体配置異性体の全てを対象とし、その化合物の特定の鏡像異性体及び/又は(種々の割合の)ラセミ混合物を含む。
【0034】
「アルキル」という用語は、1〜13個の炭素単位、1〜10個の炭素単位、5〜10個の炭素単位、4〜9個の炭素単位、1〜5個の炭素単位、1〜4個の炭素単位、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12及び13を含む炭化水素ラジカルを説明するために本明細書全体を通して使用される。本発明に使用されるアルキル基としては、直鎖、分枝鎖基及びシクロアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、neo−ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルなどが挙げられる。アルキル基は、非置換であってもよく、又はC1−C3アルキル基で置換されてもよい。
【0035】
「複素環」という用語は、少なくとも1つの窒素基及び任意に2つまでの別のヘテロ原子(O、S、N)を環内に含有する5又は6員環を説明するために使用される。本発明に使用するための複素環は、特定の実施形態において、文脈内で、ヘテロアリール(不飽和を含む複素環)を含んでもよい。本発明に使用するのに好ましい複素環には、特にピペリジン、ピラジン及びモルホリンが含まれる。
【0036】
「置換された」という用語は、本発明に従う化合物中の炭素原子上の置換基を説明するために使用される。一般に、文脈上、置換基は、ハロゲン基(F,Cl、Br、I)又はC1−C3アルキル基であり、そのアルキル基自体が1以上のフッ素基で任意に置換されていてもよい(例えば、CF3、CF2CF3)。
【0037】
「ざ瘡」という用語は、毛包基部における油腺の過活性の結果として、局所的に皮膚の炎症を生じる皮膚状態を説明するために使用される。ざ瘡は、油(皮脂)腺が思春期に入り、これらの腺が、男子及び女子の両方の副腎で産生される男性ホルモンによって刺激された時に生じる。皮膚のすぐ下に位置する油腺は、継続的に油を産生し、皮膚の開口部を通して分泌する。油は皮膚を潤滑にし、保護する。特定の状況では、油腺の開口部に近い細胞が開口部を塞ぐ。これにより皮膚の下側に油が蓄積する。皮膚上に偏在する細菌は、この油を食し、繁殖して、周辺組織に炎症を起こす。炎症が表面のすぐ近くであれば膿疱を生じる。炎症が深ければ丘疹(にきび)を生じる。さらに深ければ嚢胞となる。油が表面に現れると、結果として「白いにきび」になる。この油が酸化されると(すなわち、空気中の酸素と作用すると)、油が白色から黒色に変化し、結果として「黒いにきび」になる。
【0038】
本発明に従う化合物は、ざ瘡を解決、低減又は抑制するために使用できる。本発明の化合物は、皮脂(皮脂腺が産生した油、脂肪及びコレステロールの複合混合物)産生を低減し、及び/又はにきびの形成を低減することによって作用する。にきびは、毛包の開口部に詰まった皮脂(油)及び死んだ皮膚粒子で塞がれた孔として皮膚科学的に説明される−これらは、白いにきび、黒いにきび又は日光性にきびであってもよい。
【0039】
「禿頭症」又は「脱毛症」は、男性又は女性の頭皮上の毛髪が欠乏する又は存在しない状態を説明するために使用される。本化合物は、比較的小さい領域での毛髪脱落を含むあらゆる形態の毛髪脱落又は禿頭症を処置するために使用できるが、本化合物は、男性型脱毛症及び女性型脱毛症の両方を処置するのに特に有効である。
【0040】
「脂漏症」という用語は、過剰な脂性肌をもたらす状態を説明するために使用される。それは、皮脂腺からの皮脂(油、脂肪及びコレステロールを含有する油性物質)の過活動産生によるものであり、男性及び女性の両方が患う。脂漏症を患う人々の大半は他の健康問題は抱えていないが、場合によっては、根底にあるパーキンソン病又は末端肥大症のサインである。脂漏症では、皮膚が不快で、すぐに汚れたように見える。顔面は光って見える。化粧は、流れ落ちたり固まったりすることがある。脂漏症はまた、ざ瘡又は脂漏性皮膚炎になり得る。
【0041】
「多毛症」という用語は、女性の体(唇、顎、胸、腹又は背中を含む)のアンドロゲン依存領域における終毛の過剰成長を説明するために使用される。それは通常、本質的に家族性であり、内分泌機能異常−例えば甲状腺機能異常−又はフェニトイン若しくはミノキシジルなどの薬物療法と関連する多毛症とは区別されなければならない。
【0042】
多毛症は、重大な医学的障害のサインである場合がある。多毛症は、毛包でアンドロゲン作用が増大することによって生じる。これは、循環アンドロゲン濃度の増大又は正常血清濃度のアンドロゲンに対する毛包の感受性の増大の結果であり得る。濾胞は、こうした領域で通常見られる非色素性の細い毛髪(産毛)とは対照的に、色素性の太い毛髪(終毛)を発現し始める。
【0043】
多毛症の原因には、副腎又は卵巣によるアンドロゲンの過剰産生、アンドロゲンに対する毛包の感受性増大(肥大した末梢5−α−レダクターゼ活性及びアンドロゲン受容体における機能異常によって生じ得る)が含まれる。多毛症は、心理学的な不快感の原因であることも多く、多毛症の処置を望む女性の大半は美容上の理由からである。本発明は、女性に限った多毛症の処置に限定されず、同じように過剰の毛髪にこうした美容上のアプローチを望む男性にも適用される。
【0044】
本発明に従う好ましい治療的態様は、ざ瘡(ざ瘡を低減し、重症の皮膚を洗浄可能にする)、禿頭症(脱毛症−毛髪の成長が減退、さらには停止した領域における毛髪成長の刺激を含む)、脂漏症(皮脂産生の低減及び美容的に皮膚をより望ましくする)及び多毛症(主に女性であるが、女性には限らない)を処置又は解決する方法に関する。
【0045】
本発明の別の方法は、有効量の本発明に従う1以上の化合物を投与して、ざ瘡、禿頭症、脂漏症及び/又は多毛症の発生又は再発を処置又はその可能性を低減することを含む。
【0046】
これらの新規な化合物に基づいた医薬組成物は、閉経期の兆候又はエストロゲン感受性乳癌を含む関連する状態若しくは疾患状況を、処置又は予防するために有効な量で上述の化合物を含み、任意に薬学的に許容される添加剤、キャリア又は賦形剤と組み合わされる。経口剤形の医薬組成物が特に好ましく、活性化合物を局所に与えるクリーム、ゲル及びローション形態の局所用剤形も好ましい。薬剤の剤形、特に局所用剤形での使用における本発明に従う有効量の化合物は、薬学的に許容されるキャリア、添加剤又は賦形剤と組み合わせて、このような態様で使用することが考えられる。
【0047】
活性化合物の変更は、活性種の溶解性及び代謝速度に影響を与え、それゆえ活性種の送達を制御することができる。さらに、変更は、化合物の活性に影響する場合があり、親化合物の活性を増大させる場合もある。これは、通常の技術である当業者に周知の方法で誘導体を調製し、その活性を試験することによって容易に評価できる。
【0048】
本発明の化合物は、例えば経口並びに静脈内、筋肉内、腹腔内、頬側、経皮的及び坐薬形態などの非経口を含むあらゆる投与経路用の製剤に組み込むことができる。局所用の剤形が好ましいのは明らかであり、それらには、皮膚の特定部位に送達でき、化合物を皮膚に放出して薬学的作用をもたらすクリーム、ローション、ゲル及び坐薬が含まれる。本発明の化合物は、好ましくは局所用の抗アンドロゲン剤として局所的に使用されるのが好ましい。
【0049】
これらの新規な化合物に基づく医薬組成物は、特にざ瘡、禿頭症、脂漏症及び/又は多毛症を含む、上述した状態又は疾患状況の兆候を処置、緩和及び/又は解消するのに有効な量で上述化合物を含み、薬学的に許容される添加剤、キャリア及び/又は賦形剤と任意に組み合わせる。当業者は、有効量の本発明に従う1以上の化合物が、処理又は予防される状態又は兆候、その重篤度、用いる治療計画、使用される薬剤の薬物動態、並びに処置されるべき患者によって変わることを認識する。
【0050】
本発明に従う薬学的態様において、本発明の化合物は、薬学的に許容されるキャリアと混合されて処方されるのが好ましい。一般に、局所投与可能な形態、特にクリーム、ローション、ゲル、液体又は坐薬として医薬組成物を投与するのが好ましいが、特定の場合には他の投与経路、例えば非経口の静脈内、筋肉内、経皮的、頬側、皮下又はその他の経路も想定できる。もちろん、当業者は、本発明の組成物を不安定にすることも治療活性を損なうこともなく、所望により、本明細書の教示内の剤形を変更し、特定の投与経路用の多くの剤形を提供することが可能であるが、エステル基は多少不安定であることに留意する。特に、例えば、本化合物を水又は他の賦形剤に対してより可溶性に変更することは、当業者に容易な僅かな変更によって達成できる。患者にとって最大限の有益な効果を得るために、特定化合物の投与経路及び治療計画を変更して本化合物の活性及び活性期間を調整することは、当業者の十分な技術範囲内である。
【0051】
本発明に従う治療活性製剤内に含まれる化合物量は、症状又は状態を処置するのに有効な量である。最も好ましい実施形態において、本化合物は、ざ瘡、禿頭症、脂漏症及び/又は多毛症を処置、緩和又は解決するため、又はこれらの症状の発生又は再発の可能性を低減するために局所投与される。一般に、剤形における本発明の好ましい化合物の治療に有効な量は、通常、使用される化合物、処置される状態又は兆候、及び投与形態に応じて、患者に対して約0.0005mg./kg.をわずかに下回る量から約0.1g./kg.までであり、好ましくは約0.01mg/kg〜約0.1mg/kg又はさらにそれ以上の範囲であるが、この用量範囲外でも本発明は想定でき、本発明の十分な技術範囲内である。好ましい投与形態である、患者の皮膚に適用される局所製剤の具体的な場合では、局所用量は上記範囲内であり、化合物の活性、化合物が適用されるべき皮膚の面積に応じて、約0.01〜約500mg以上の活性物質、約0.1〜約500mg、約0.5〜約250mg、約0.5〜約100mg、約1〜約500mg、約0.5〜約50mg、約1〜約225mg、約0.25〜約200mg、約0.0125〜約250mgの範囲が、標準的な用量である(これは、1日1回又はそれ以上投与されてもよい)。
【0052】
本発明に従って医薬組成物を調製するために、有効量の本発明に従う1以上の化合物は、1回用量を製造するための従来の薬学的コンパウンド技法に従って薬学的に許容されるキャリアと密に混合されるのが好ましい。キャリアは、投与に望ましい調製形態、例えば、局所用、経口又は非経口、好ましくは局所用として、種々広範な形態をとり得る。好ましい局所用剤形の医薬組成物を調製する際、増粘剤、皮膚軟化剤、乳化剤などを含む通常の薬学的媒質のいずれかを使用でき、それらを使用して患者に局所的に送達されるクリーム、ゲル、軟膏、軟膏基材などを製造できる。或いは、経皮送達用のパッチを使用してもよい。
【0053】
経口剤形、懸濁液などの液体経口調剤、エリキシル剤及び溶液の場合、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、防腐剤、着色剤などを含む好適なキャリア及び添加剤を使用できる。粉末、錠剤、カプセルなどの固形の経口調剤について、及び坐薬などの固形の調剤について、デンプン、糖キャリア、例えばデキストロース、マンニトール、ラクトース及び関連するキャリア、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを含む好適なキャリア及び添加剤を使用できる。所望により、錠剤又はカプセルは、標準技術により腸溶コーティングされてもよく、又は持続放出されてもよい。
【0054】
非経口製剤に関して、キャリアは通常、滅菌水又は塩化ナトリウム水溶液を含むが、分散を助ける成分を含む他の成分を含んでもよい。もちろん、滅菌水が使用されて、滅菌状態が維持される場合、組成物及びキャリアも滅菌されなければならない。注射可能な懸濁液も調製でき、この場合、適切な液体キャリア、懸濁剤などが使用できる。
【0055】
本化合物は、動物、特に哺乳類、とりわけヒトを患者として処置するために使用できる。患者は、処置されるべき状態又は兆候によって、任意に薬学的に許容されるキャリア若しくは希釈剤中で、単独で、又は他の既知の医薬剤と組み合わせて、有効量の本発明に従う1以上の化合物を患者に投与することによって処置され得る。こうした処置はまた、他の抗ざ瘡剤、並びに脱毛症、多毛症及び/又は脂漏症を処置及び/又は予防するための他の薬剤の投与を含む従来の他の治療法と組み合わせて投与できる。
【0056】
活性化合物は、処置される患者に毒性作用を及ぼすことなく、望ましい療法のために治療に有効な量を患者に送達するのに十分な量で、薬学的に許容されるキャリア又は希釈剤中に含まれる。
【0057】
化合物は、従来通り、有効量の好適ないずれかの単位剤形で投与され、そうした単位剤形としては、単位剤形あたり1mg未満(好ましくは、少なくとも1mg)〜500mg以上(通常はこの上限よりかなり低い)、好ましくは5〜300mgの活性成分を含有するものが挙げられるが、これらに限定されない。約1〜約500mg、約5mg〜約250mg、約7.5mg〜約100mg、約1mg〜約50mg、又は上記範囲の間のいずれかの量の範囲である、経皮パッチを含む局所剤形が、通常便利である。
【0058】
薬物組成物中の活性化合物の濃度は、薬物の吸収、分散、不活性化及び排泄速度並びに当業者に既知の他の因子に左右される。投与量はまた、処置されるべき状態又は兆候の重篤度に応じて変化する。特定の対象について、個々の必要性及び組成物を投与する人又は投与を監督する人の専門的な判断に従って、特定の治療計画を経時的に調節すべきであり、本明細書で示された濃度範囲は例示に過ぎず、特許請求の範囲での組成物の範囲又は実施を制限する意図ではないことをさらに理解すべきである。活性成分は、1度に投与されてもよく、又は種々の時間間隔で投与されるべき用量をより少量ずつ複数回に分けてもよい。本発明の最も好ましい態様において、すなわち本発明に従う化合物の処置されるべき患者への局所投与で、活性物質は、化合物の活性及び当該技術分野において周知の他の因子に応じて、数日毎に1回のように低頻度から、1日数回まで投与できる。
【0059】
経口組成物が使用される場合、一般に不活性希釈剤又は食用キャリアを含む。それは、ゼラチンカプセル(軟質又は硬質)に封入されてもよく、又は錠剤に固められてもよい。経口治療投与の目的で、活性化合物は賦形剤に組み込まれ、錠剤、トローチ剤又はカプセルの形態で使用できる。薬学的に適合する結合剤及び/又はアジュバント物質は、組成物の一部として含まれ得る。
【0060】
活性化合物はまた、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウエハ、チューインガムなどの成分として投与されてもよい。シロップ剤は、活性化合物に加えて、甘味剤としてのスクロース及び/又はコーンシロップ、特定の防腐剤、染料、着色剤並びに芳香剤を含有してもよい。
【0061】
活性化合物はまた、所望の作用を損なわない他の活性物質、又は所望の作用を補強する物質、例えば他のホルモン剤と混合でき、他の例では、所望の治療又は標的に応じて、他の医薬活性物質と混合できる。
【0062】
局所適用、場合によっては非経口、皮内又は皮下適用として主に使用される溶液又は懸濁液は、次の成分を含むことができる:注射用水などの滅菌希釈剤、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒;ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸又は亜硫酸ナトリウムなどの酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;アセテート、シトレート又はホスフェートなどの緩衝剤、及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの浸透圧調整剤。非経口調剤は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ又は複数回投与のバイアル瓶に封入できる。静脈内投与が行なわれる場合、好ましいキャリアとしては、例えば生理食塩水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。局所用剤形での好ましい医薬組成物の場合では、クリーム、ゲル及び/又は粘性ローションが膣送達形態として使用できる。クリーム、ゲル、ローション及び坐薬は、慣用の薬学的手法を用いて処方できる。
【0063】
実施形態の1つでは、活性化合物は、体から早急に排除されるのを防いで化合物を保持するキャリアと共に、インプラント及びマイクロカプセル化送達システムを含む放出制御製剤として調製できる。生分解性の生物適合性ポリマー、特に、エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ酢酸が使用できる。こうした製剤の調製方法は、当業者に周知であり、容易に明らかになる。
【0064】
リポソーム懸濁液も、薬学的に許容されるキャリアであり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製できる。例えば、リポソーム製剤は、無機溶媒中に適切な脂質を溶解し、次いでそれをエバポレートし、容器表面に乾燥した脂質薄膜を残すことによって調製できる。その後で、活性化合物の水溶液をその容器に導入する。次いで、容器を手で回転させ、容器の側部から脂質物質を離し、脂質凝集体を分散させて、リポソーム懸濁液を形成する。当業者に周知の他の調製方法も、本発明のこの態様において使用できる。
【0065】
本発明に従う化合物は、当該技術分野において周知の化学合成技法を用いて容易に調製できる。これらの合成は、付随の本文及び次のスキームに例示される。代表的な化学物質が示されるが、当業者は、本発明の技術を利用するか、又はそうでなければ本発明を慣用的に実施可能にする方法により本明細書に開示される手順を変更できることが分かる。類似化合物は、開示される特定の方法又は当該技術分野において周知の有機化学合成技法を適用することによって容易に合成できる。
【0066】
一般構造の化合物の合成:
【0067】
【化9】

【0068】
上記の1113−カルボキシアルキレンエステルの合成は、以下のスキーム1に示され、または、スキーム1の合成と類似の方法によって誘導される。同様の構造を有する他の化合物は、nが2(エチレン)又は3(プロピレン)である出発物質を用いて直接的な類推により合成できる。1113−ビニルエストラジオールのフェノール性ヒドロキシル基を、アセトン中のMel、K2CO3を用いてメチルエーテル(a)として保護し(42)、その後1713−ヒドロキシル基を、トルエン中のMOMCl及びジイソプロピルエチルアミンを用いてMOMエーテルとして保護(b)することにより、保護されたステロイド5を得る。類似の1113−ヒドロキシエチル置換ステロイドの合成(35)で使用したように、THE中のカテコールボラン及びLiBH4を用いて室温で、5のビニル基のヒドロホウ素化/酸化(c)を行い、その後、H22−NaOHで酸化処置を行い、6を得る。室温でのDMF中ピリジニウムジクロメート(PDC)による末端アルコール6の酸化(d)により(43)、酸7を得る。ステロイド7は、次いで、液体NH3、iPrOH及びTHE中のNaでの還元(e)により、バーチ還元/二重結合異性化手順(36)を行い、ジエン8を得て、次いで3−ケトンをアセトン−水中のシュウ酸と共に室温で攪拌することで遊離させ(f)、9を得る。ステロイド9は、次いで、ピリジン中のポリビニルピリジニウムブロミドパーブロミド、ポリビニルピリジンにより室温でホウ素化及びデヒドロホウ素化(g)してジエンを得て、その後CH2Cl2中のジメチルボロンブロミド(44,45)又は2−ブタノン中のピリジニウムp−トルエンスルホネート(46)のいずれかを用いてMOM保護基を除去し(h)、10を得る。SOCl2の存在下において適切なアルコールを用いてエステル化(i)することによって2を得る。
【0069】
【化10】

【0070】
一般構造IIの化合物の合成:
【0071】
【化11】

【0072】
スピロノラクトンに関連する上記の7α−カルボキシアルキルステロイドエステルの合成を以下のスキーム2に示す。合成には、17α−カルボキシエチル−17α−Δ4−プレグネン−17β−オール−3−オン−21−カルボン酸のy−ラクトンの合成に使用する手順を用いる。Nedelecら、仏国特許発明第81−401994号明細書(Roussel−UCLAF)を参照。簡潔に言えば、−30℃でTHF中において1,1−ジメチルエトキシプロピルマグネシウムクロリドをカンレノンに銅触媒グリニャール付加(a)し、主要な立体異性体として28を得る。t−ブチル保護基をHCl−ジオキサンにより室温で除去(b)し、その後得られたアルコールをジョーンズ試薬で酸化(c)して29を得る。上記のようにエステル化(d)して27を得る。
【0073】
同様に、同じ反応手順(e、b、c及びd)をカンレノン及び1,1−ジメチルエトキシエチルマグネシウムクロリドに適用して26を得る。わずかに異なる出発物質に適用される同一合成工程に従って、類似化合物が用いられ得る。
【0074】
【化12】

【0075】
一般構造IIIの化合物の合成:
【0076】
【化13】

【0077】
7−α置換ステロイド33(図10)の合成を以下のスキーム3に示す。既知の7α−アリルステロイド34(61,62)を、Li/NH3によりバーチ還元(a)に供し(63)、次いで3−ケトンをエチレングリコール及びベンゼン中のpTsOHによりケタールとして保護(b)し、H2Oを除去して36を得る。17p−ヒドロキシル基を、トルエン中のMOMCl及びジイソプロピルエチルアミンによりMOMエーテルとして保護(c)し、オレフィンを上記のようにヒドロホウ素化/酸化手順(d)に供して37を得る。37のアルコール基を上記のようにPDCにより酸化(e)して、酸38を得る。ステロイド38を上記のように脱保護(f)し、次いでCH2Cl2中の2−クロロ−1−メチルピリジニウムアイオダイド及びトリエチルアミン(65)の存在下で4−ヒドロキシ−1−ピペリジン−1−イル−ブタン−1−オンにより縮合(g)することにより(64)、33を得る。類似の化合物が、出発物質を変更して同様に合成される。
【0078】
【化14】

【0079】
一般構造IVの化合物の合成:
【0080】
【化15】

【0081】
上記の化合物4のキラル合成を以下のスキーム4に示す。(S)−エナンチオマーに関して、トランス−2−フェニルシクロヘキシル(S)−シトラマラート19(53)のカルボン酸基を、BH3 THFで選択的に還元(a)し(54)、1,3−ジオール20を得て、それをPHCHO及びTsOHを用いて還流下でベンジリデンアセタールとして保護(b)し、H2Oを除去して21を得る。THE/H2O中のKOHを用いて21を加水分解(c)して(53)、酸22を得て、それを(ジメチルアセトアミド中のSOCl2を用いる−20℃での22の処理後に)−20℃で市販の4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)アニリンと結合(d)し(49)、23を得る。保護基をBCl3で除去(e)し(55)、その後上記のように一級アルコールをPDCにより酸化(f)し、25を得る。上記のようなエステル化(g)により18を得る。(R)−エナンチオマーは、鏡像異性の出発物質から始めて同様に合成してもよい。
【0082】
【化16】

【0083】
生物学的データ/活性
生物学的活性に関する試験の一部として、エステル(好ましくはエチルエステル)及び親カルボン酸を、アンドロゲン受容体(AR)との結合、及びアンドロゲン受容体/アンドロゲン受容体エステラーゼ(AR/ARE)のトランスフェクト細胞(以下に記載)におけるインビトロの抗アンドロゲン活性について試験する。良好な局所用抗アンドロゲン剤として、エステルは、高いAR親和性と高い抗アンドロゲン活性を示さなければならないが、親カルボン酸は、これらの特性が非常に弱いか、又はこれらの特性を欠くべきである。この試験の長所の1つは、エステルのアルコール部分を変更することによって加水分解速度を変更できることであり、従って類似体が、予想するよりも大きな全身性作用を有するようであれば、加水分解速度を大きくすることができ、逆もまた同様である。例えば、良好な受容体結合及び抗アンドロゲン活性を示すエステルに関し、そのカルボン酸は活性を欠くので、エステラーゼ加水分解を増大又は減少させるように設計して、エステル基のアルコール部分の構造を変更して、一連のエステルが合成される(例えば、加水分解を増大させるためのプロピル、フルオロエチルエステル、並びに加水分解を減少させるためのイソプロピル及びネオペンチルエステルなどの立体障害エステル又は親油性を減少させるメチル)。これらのエステルは、肝臓エステラーゼ試験(下記)で、それらの加水分解速度について試験される。これらの追加エステルについて、AR/AREのトランスフェクト細胞でAR結合及び抗アンドロゲン活性を試験する。結合試験は、0〜2℃で行なわれるので、エステラーゼ加水分解は重要な因子ではない。しかし、トランスフェクト細胞試験では、酵素加水分解が生じ、エステル基の加水分解速度が生物学的活性に影響を与える。故に、受容体結合について補正した後では、生物学的活性と酵素加水分解との間には相関がある。例えば、同様の受容体結合を示す化合物は、加水分解速度(エステル構造)と相関する生物学的活性が異なる。この相関により、インビボ試験が選択可能となり、「局所」作用のために加水分解速度(エステル構造)の最適化が可能になる。エステル構造は、局所作用を最大限にするために加水分解速度を低下させ、又は全身性作用を最小限にするために加水分解速度を増大させるように変更できる。それに続くインビボ試験において、その目的は、良好な局所的抗アンドロゲン活性を示し、全身性作用がある場合は最小限にする化合物を見出すことである。こうした試験の結果から、インビボ試験に関してそれぞれのファミリーにおいて初期の選択肢を同定する。この初期試験の結果は、必要とされる方向性(加水分解を増大又は減少させる)を示し、最終的な病型について適切なエステルを導く。
【0084】
これらの試験は、エステラーゼ加水分解と生物学的活性との関係を明らかにする。図1及び2から分かるように、エチルエステル18(スキーム4)は、カソデックスに比べて、それらのAR結合に基づいて予測されるよりも効果が弱かった。こうした結合と作用との明らかな不一致は、培養された細胞において、18−エチルエステルを不活性化するが、カソデックスは不活性化しないエステラーゼ加水分解によって説明できる。本発明者らは、AR−AREレポーター遺伝子又はER及びEREのいずれかで予めトランスフェクトした幾つかの細胞株において、特定のエステルの加水分解速度を比較することによって、この仮説を試験する。本発明者らは、最大量のエステラーゼを示す細胞が、最も高いカソデックス/18−エチルエステル活性比、例えば、エステル類似体の最も低い活性を有するはずであると予測する。
【0085】
物質及び方法
インビトロ生物学的試験。上述したエステル類似体をまず、AR親和性を測定することによる抗アンドロゲン(及びアンドロゲン)活性及び培養液中の細胞におけるアンドロゲン応答性レポーター遺伝子のアンドロゲン刺激に拮抗する効力について選別する。さらに、これらの類似体がエステラーゼによって加水分解される速度を測定する。一部の先駆物質(スピロノラクトン及びミフェプリストン)の活性スペクトルのために、他のステロイド受容体系(糖質コルチコイド及び鉱質コルチコイド)との潜在的な交差反応を測定する。これは、レポーター遺伝子構造体でトランスフェクトされた細胞において、鉱質コルチコイド及び糖質コルチコイド受容体との結合、並びに受容体作用の阻害を計測することによって行なう。
【0086】
アンドロゲン受容体分析。試験化合物の初期選別として、ARとの結合親和性の分析をラットの前立腺から調製したサイトゾルにおいて測定する。アンドロゲン結合試験は、先に記載したように行なう(37,66,67)。非放射性試験化合物それぞれについて、6logオーダー、10-12〜10-6Mにおいて試験し、[3H]R1881(約2nM)のARとの結合と競合させるために、5a−ジヒドロテストステロン(DHT)、RI881及び既知の抗アンドロゲン剤、例えばヒドロキシフルタミドと比較する。前立腺は、屠殺48時間前に去勢したSprague−Dawleyラットから得る。前立腺は、氷冷TEGDMo緩衝液(10mMのトリス、1.5mMのNa2−EDTA、10%(v/v)グリセロール、1.0mMのジチオトレイトール、25mMのモリブデン酸ナトリウム、4℃でpH7.4)中、1.5ml/前立腺において懸濁し、均質化し、4℃において105,000gで45分間遠心分離する。上清(サイトゾル)をドライアイスで凍結させ、試験まで−80℃で保存する。分析用に、サイトゾルを氷上で解凍し、TEGDMo緩衝液で希釈し、氷上で一晩試験類似体とインキュベートする。プロゲステロン受容体との潜在的な結合を防止するため、インキュベート物は全て1μMのトリアムシノロンアセトニドを含む。結合した放射性リガンドを、デキストランコーティングされた木炭での吸着により遊離物と分離し、計数によって定量化する。置換曲線を、コンピュータプログラムPrismを用いる曲線フィッティング法により分析する。通常、各ステロイドは、3回の別の試験において2組ずつ分析される。
【0087】
アンドロゲン又は抗アンドロゲン遺伝子活性。合成された類似体は、先に述べたように、アンドロゲン受容体及びアンドロゲン応答性レポーター遺伝子でトランスフェクトされた細胞を用いて、バイオ試験でアンドロゲン及び抗アンドロゲン活性について試験される(37,67)。この技術は、ER及びルシフェラーゼレポーター遺伝子と融合したエストロゲン応答エレメントを別々に含むプラスミドでトランスフェクトされた細胞における抗エストロゲン活性について、これまでに行なわれた試験と同様である(34)。ラットAR(68)及びAREは、最小限のRSVプロモータのラットプロバシン遺伝子プロモータ上流から誘導される4つのアンドロゲン応答エレメント[5≡−GGTTCTTGGAGTACT−3≡]をクローニングすることによって、4XARE−ルシフェラーゼ・コンストラクトのレポータープラスミドを作成したイエール大学のCentrella博士及びMcCarthy博士から得た(69)。COS細胞をコンフルーエンス50〜70%で、0.8%のウシ胎児血清を補充した培地において16時間、4XAREレポータープラスミドにcm2あたり30ngで、及びAR発現プラスミドにcm2あたり10ngで曝す。次いで培養液を補充し、5%血清の最終濃度を得て、全部で48時間培養する。その後、細胞を類似体単独(作動物質)又は類似体+10-9MのDHT(拮抗物質)で24時間処理する。さらに、ヒドロキシフルタミド及びスピロノラクトンを作動物質及び拮抗物質試験で対照として扱う。類似体を2つの組で10-12〜10-6Mの範囲で添加し、3回の別の実験において各実験を反復する。インキュベート後、培地をすすぎ、溶解し、レポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)活性について分析する。
【0088】
この試験において測定されるAR結合と相対的な抗アンドロゲン活性との間での差異が、初期情報をもたらし、酵素加水分解速度を増大又は低下させ、それによってインビトロでの局所抗アンドロゲン作用を最大限にするために、エステル変更の効果の項目において上述したようにエステル基をどのように変更すべきかについての傾向を確立する。
【0089】
エステラーゼ加水分解活性。比較としてのエストロゲンエステルE16−1,2と共に、各エステル化合物の相対的な加水分解速度を、本発明者らが先に記載した条件下で、肝臓ミクロソームを用いて測定する(32)。Sprague−Dawleyラットから得られた肝臓を、リン酸緩衝食塩水で洗浄し、3体積の冷0.25Mスクロースで均質化し、700xgで10分間遠心分離し、次いで10,000xgで20分間遠心分離する。得られた上清を105,000xgで60分間遠心分離する。得られたペレットを、pH7.4の0.1Mリン酸緩衝液に懸濁させ、再度洗浄して、105,000xgで60分間遠心分離する。洗浄されたペレットを、約13mgタンパク質/mlの濃度でpH8.0の0.1Mトリス−HClに懸濁させ、−80℃で凍結させる。試験用に、ペレットを解凍し、同じ緩衝液で希釈する。インキュベート混合物は、エタノール10μLに添加した、ミクロソーム酵素調製物、0.28mgタンパク質/ml、ステロイドエステル50μMからなり、全て最終体積1mLのpH8.0であるトリス緩衝液中にある。本発明者らは、反応速度が種々のエステルについて大きく異なり得ると予測するので、従ってインキュベート時間は、線形動力学を得るために変更される。幾つかの適切な時間点において、100pLアリコートを取り出し、その反応を、有機溶媒(通常、同様の流動性のUV吸収内部標準を含む)での抽出により停止させる。抽出物をエバポレートし、逆相HPLC及びUV検出によりエステラーゼ−加水分解生成物(対応するカルボン酸)を分析する(化合物33以外の類似体は全てUVに強い吸収がある)。化合物33の加水分解は、内部標準がステロイドカルボキシレートであり、加水分解生成物及び内部標準を、HPLC及び254nmでのUV検出の前に、N−クロロメチル−4−ニトロフタルイミドで誘導体化する以外、同様に分析する(70)。UV吸光度を、標準曲線と比較することによって生成物のモル数に変換し、内部標準の回収率に関して補正する。nmol生成物/分/ml単位の各エステルの反応速度は、相対加水分解活性(RHA)として、エストロゲンエステル標準El 6−1,2に対して規格化する。全ての化合物は、3回の別の実験において2組ずつ試験される。
【0090】
培養液中のトランスフェクト細胞におけるエステラーゼ加水分解活性。本発明者らは、AR/AREでトラスフェクトされた異なる細胞株では、類似体を含むエステルをビカルタミド(カソデックス)と比較した場合に抗アンドロゲン能について異なる評価を与え、さらにこの比(エステル/ビカルタミド)がエステラーゼ加水分解速度に反比例すると予測する。本発明者らは、COS、JAR、SaOS−2、CVl及びラット初代骨芽細胞を含む、ホルモン能を試験するためのホルモン受容体及びそれらの応答エレメントによる二重トランスフェクトにおいて先に使用した細胞で、相対的な抗アンドロゲン能を試験する(34,35,37,67)。これらの細胞が異なる組織及び4つの異なる種由来であるので、異なるレベルのエステラーゼ活性を生じ得る(71)。エステル類似体とビカルタミドとの抗アンドロゲン能比を、細胞のエステラーゼ活性と比較する。
【0091】
エステラーゼ活性は、生物学的(アンドロゲン)活性について使用されるものを含め、幾つかの間隔でインキュベートされる(通常、6時間又は一晩)トラスフェクトされた細胞において、動力学的に直接測定され、線形速度が得られる。エステラーゼ生成物であるカルボン酸は、培地から抽出され、2cで上述したように、HPLCによって測定される。正確な測定に十分な物質を得るために、体積を10mlまで増加させ、エステル類似体濃度を少なくとも1pMから10pMに上昇させることによって、インキュベートを変更する。すなわち、最低濃度1pMにおける10%〜30%の収率は、10〜30nmolの生成物を産生する。Δ4−3−ケトンについて、本発明者らは、正確に>0.1nmol及び約10分の1の芳香生成物を検出できる。故に、この方法を用いて、本発明者らは、これらの実験で予測される生成物について容易に測定できる。
【0092】
他の受容体系との交差反応性。これら類似体ファミリーの中の2つは、AR系以外のステロイド受容体系との活性を示す抗ホルモンから誘導される。これらには、抗鉱質コルチコイド(72)でもあるスピロノラクトン類似体の7aカルボキシアルキルエステル、及び抗プロゲスチン/抗糖質コルチコイドミフェプリストンにある程度基づく11[3−カルボキシアルキルエステルが含まれる。1113−類似体は、関連する11(i−アルカンがこうした受容体系と相互作用しないので、それらと相互作用するとは考えにくい(36)。これらの化合物は局所的に作用するように設計されているので、こうした他の受容体系との相互作用は重要な問題であり得ない。それでもなお、それらの生物学的作用のスペクトルの大きな見通しを与える。
【0093】
鉱質コルチコイド受容体。鉱質コルチコイドへの結合は、200nMのRU28362(74)の存在下、副腎摘出されたラットから得られた腎臓サイトゾルにおいて、MRへの[3H]アルドステロンの結合を測定することによって、本発明者らが記載したようにして測定される(73)。別の方法として、亜ヒ酸塩は、MRではなくてラットGRへの結合を選択的かつ完全に阻止するので、104Mの亜ヒ酸塩を使用してGR結合を排除できる(75)。副腎摘出されたラットの肝臓から調製されたサイトゾルは、2nMの[3H]アルドステロン±200nMの非放射性アルドステロン+10-"〜10-6Mの濃度範囲にわたる種々の濃度のDMFTEDM緩衝液中の類似体を用いて、22℃で2時間インキュベートされる。DMF−TEDM緩衝液は、50mMのトリス−HCl、1mMのEDTA、1.5mMのDTT、10mMのNa2MoO4を含み、pH7.5で、10%DMF中にステロイドが添加されている(DMFの最終濃度=1%)。その後、遊離のステロイドを氷浴中で木炭で吸収し、遠心分離する。上清を他の容器に静かに移し、結合ステロイドを計数により測定する(76)。アルドステロンと比較した相対結合親和性(RBA)を、コンピュータ化曲線フィッティングプログラムPrismを用いて計算する。
【0094】
糖質コルチコイド受容体:GRとの結合は、副腎摘出されたラットから調製された肝臓サイトゾルにおいて、本発明者らが記載したようにして(76,77)測定される。[3H]デキサメタソン2nM、及び種々の濃度10-”〜106Mの非放射性競合類似体(及びデキサメタソンなど)を、DMG−TEDM緩衝液(上記)中のサイトゾルを用いて室温で2時間(又は氷浴中で一晩)インキュベートする。結合ステロイドは、木炭での吸着後に上清画分において測定され、RBAは上述のようにして計算される。
【0095】
鉱質コルチコイド遺伝子活性の阻害。本発明者らは、鉱質コルチコイド受容体及び鉱質コルチコイド応答性レポーター遺伝子でトランスフェクトされた細胞における鉱質コルチコイド又は抗鉱質コルチコイド作用について、鉱質コルチコイド受容体と結合するいずれかの類似体を試験する。この試験は、記載されたように、ヒト鉱質コルチコイド受容体及びその鉱質コルチコイド応答性MMTV−Lucレポーター遺伝子でJAR細胞をトランスフェクトする以外、ARに関する上記の手順と同様の様式で行なう(78)。JAR細胞は、糖質コルチコイド受容体を有しなことで容易にトランスフェクトされ、選択されるので(79)、この受容体系を通る誤った結果を回避できる。これらのプラスミド発現ベクターは、Ron Evans博士によって与えられた(80)。アゴニスト作用について試験するために、トランスフェクトされた細胞を、広範な試験類似体単独の存在下で成長させる。対照は、比較のためにアルドステロンについて行なう。拮抗作用を試験するために、細胞を1nMのアルドステロン及び試験化合物で処理する。陽性対照は、スピロノラクトンのような他の拮抗物質を用いて行なう。インキュベート後、培地をすすぎ、溶解し、レポーター遺伝子(ルシフェラーゼ)活性について分析する。
【0096】
糖質コルチコイド遺伝子活性の阻害。糖質コルチコイド受容体と結合するいずれかの類似体を、糖質コルチコイド及び抗糖質コルチコイド作用について試験する。HeLa細胞におけるアルカリ性ホスファターゼ活性の刺激に対する影響も測定する。HeLa細胞における内在性のアルカリ性ホスファターゼ活性は、糖質コルチコイド刺激の優れたマーカーである(81)。さらに、HeLa細胞は、鉱質コルチコイド受容体を有しないため(それらは、鉱質コルチコイドに応答するために、この受容体でトランスフェクトする必要がある(82))、鉱質コルチコイド受容体を通した応答が避けられる。96ウェルプレートの試験を行うために、HeLa細胞におけるアルカリ性ホスファターゼの刺激を利用した(79)。記載したように、細胞は、アゴニスト活性を測定するために広範な用量範囲の試験類似体単独の存在下で3日間成長させる。対照は、比較のためにデキサメタゾン及びコルチゾルについて行なう。拮抗作用について試験するために、細胞は、1nMのデキサメタゾン及び試験化合物で処理される。陽性対照は、ミフェプリストン(RU486)のような他の拮抗物質を用いて行なう。その後、細胞を洗浄し、凍結させ、アルカリ性ホスファターゼ活性を先に記載したように測定する(83)。
【0097】
ハムスターにおけるインビボ局所及び全身アンドロゲン及び抗アンドロゲン作用。局所抗アンドロゲン剤に必要な特性(AR結合、COS細胞における抗アンドロゲン活性、エステラーゼによる加水分解)を示すエステル類似体を、シリアンハムスターの皮脂腺試験においてインビボで抗アンドロゲン剤として試験する。アンドロゲン感受性の皮脂腺は耳介の内側に局在し、それらは、皮脂腺に直接適用されるアンドロゲン及び抗アンドロゲン化合物を計測するのに有用である(84)。重要なことに、この試験は、全身及び局所作用を計測するために使用できる。試験化合物が適用される耳介は、局所活性を測定するように役立つ一方で、対側の器官は全身作用を測定するために役立つ(85)。用量を注意深く、限定的に選択することで、いずれの全身性薬物も局所的又は「ソフト」薬物であるように見え得るのは明らかである。例えば、作用する皮膚に直接適用される抗アンドロゲン剤の最少活性用量は、体内において全身に作用可能にするのに十分な濃度ではない。これらの実験は、人為的な「局所」効果のようなものを避ける。従って、これらの化合物は、広範な用量範囲にわたって適用され、局所作用及び全身作用(もしあれば)の両方を生じる量を測定するように試みられる。局所性抗アンドロゲン作用を全身性の作用に変換する用量レベルの差異は、典型的な全身性抗アンドロゲン剤、フルタミド、スピロノラクトンなどの差異と比較される。
【0098】
この試験は、一貫したアンドロゲンバックグラウンドの利点を有するテストステロン処理されたメスのハムスターについて先に記載された手順を用いて行なわれる(85)。10週齢のメスのシリアンハムスターを、毎日、ピーナッツ油中のテストステロンプロピオネート4pgを用いて皮下注射する。試験の抗アンドロゲン剤(フルタミド及びスピロノラクトンを含む)を、25plアセトンで右耳介の腹側表面に毎日2回、3〜4週間適用する。アンドロゲン活性は、テストステロンプロピオネートで処理されていない動物について同様に試験する。その後、動物を屠殺し、それぞれの耳を近位底部で切断し、腹側耳皮膚を軟骨から手で分離する。この皮膚を、ズダンブラック(Sudan Black)で染色し、洗浄して固定する。試験片を矢状(sagitally)に切除し、各皮脂腺の大きさをコンピュータ化画像形成分析システムを用いて顕微鏡で定量化する。
【0099】
これらの試験結果をエステラーゼ試験及び抗アンドロゲンレポーター系において得られた構造傾向と組み合わせて、最適な「局所」活性を生じるエステルを合成するのに必要な情報を得る(エステル変更の項目の効果を参照のこと)。
【0100】
ラットにおけるインビボ作用。コルチコイド応答に関する試験から、ハムスター試験において見込みのある化合物が顕著な(抗)コルチコイド活性を有することが分かる。そして、鉱質コルチコイド及び糖質コルチコイドにおけるそれらのインビボ作用を、コルチコイド作用の試験について典型的なモデルであるラットについて試験する。比較のラットでの抗アンドロゲン基準用量はないが、それでもこれらの化合物が非常に大きな用量で抗コルチコイド作用を生じるかどうかを測定できる。この試験は、まず、作用を最大限にするために皮下注射により化合物を投与することによって行なわれる。次いで、活性である場合、皮膚を通過する移行作用(エステラーゼ作用)を測定するために類似体を局所適用する。
【0101】
インビボ鉱質コルチコイド活性。トランスフェクトされたJAR細胞において鉱質コルチコイド受容体との結合及び鉱質コルチコイド又は抗鉱質コルチコイド活性を示す、ハムスター試験において試験された鉛化合物を、記載されたように、インビボで更に試験する。Sekihara及びYazaki,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.45:235−238,1993年。12週齢のオスのラットを、両側の副腎を摘出し、一晩絶食させる。翌日、3mlの生理食塩水及び0.2pgのアルドステロンを動物の腹腔内に注射する。さらに、段階的な用量の化合物(最大量が上記ハムスター試験において使用された最大濃度を超える広い範囲)を用いて動物に皮下注射する。活性であるこうした用量をまた、皮膚を通過する経路によって不活性化速度が増大するかどうかを測定するために、局所(剪毛した背中に)適用する。作動物質の作用は、アルドステロンを受容しない動物について測定する。3時間後、ラットを屠殺し、その膀胱から尿を吸引する。Na+及びK+の濃度を炎光光度計を用いて測定する。試験に応じて、Na+保持率を、賦形剤単独及び/又はアルドステロンを受容する副腎摘出された対照と比較する。スピロラクトンは、全身性抗鉱質コルチコイドとしての比較のために試験する。
【0102】
インビボ糖質コルチコイド活性。ハムスター試験において、トランスフェクトされたHeLa細胞において糖質コルチコイド受容体との結合及び糖質コルチコイド又は抗糖質コルチコイド活性を示す鉛化合物を、先に記載したモデルを用いてチロシンアミノトランスフェラーゼの誘導についてインビボ試験する。Petrazzuoliら,Endocrinology,127,555−559,1990年。12週齢のオスのラットを、両側の副腎を摘出し、一晩絶食させる。翌日、2.2mgのコルチコステロン(弱い糖質コルチコイドとして選択される)を動物に皮下注射し、広範囲(上記)に及ぶ段階的な用量の類似体を1日2回、動物に皮下投与する。皮膚を通過する効果を測定するために、活性であるいずれかの用量をまた、剪毛された背中に局所適用する。作動物質の作用をコルチコステロンを受容しない動物により測定する。この動物を12時間後に屠殺し、その肝臓を取り出し、洗浄し、均質化し、31,000xgで遠心分離する。チロシンアミノトランスフェラーゼ活性は、先に記載されたように、331nMで、p−ヒドロキシフェニルピルビン酸からp−ヒドロキシベンズアルデヒドへの転化を観察することにより可溶性画分について測定する。Rosner及びHochberg,Endocrinology,91,626−632,1972年。試験に応じて、酵素活性を、賦形剤単独及び/又はコルチコステロンを受容する副腎摘出された対照と比較する。ミフェプリストンは、全身性抗糖質コルチコイド剤として、比較のために試験される。
【0103】
簿毛のあるラットでの抗ホルモン作用。ラット試験での問題は、種(ハムスター及びラット)によって異なると考えられる抗アンドロゲン試験に関して、コルチコイド試験の結果を解釈するのが不可能であることである。1つの可能性として、コルチコイド活性(作動物質又は拮抗物質)が全く見られない場合は、この問題には意味がない。しかし、非常に高い用量でわずかに(抗)コルチコイド活性がみられる場合、コルチコイド用量を、「局所」抗アンドロゲン作用に必要な用量と比較する必要がある。これは、「薄毛のある」ラット(WF/PmWp−「fz」)について全ての試験を行なうことによって達成できる。このラットは、無毛ラットと有毛ラットとの間の遺伝子変異体であり、市販されている(ハーラン スプラグ ドーレイ社)。薄毛のあるラットは、薬物の経皮吸収を試験するために使用され、特にアンドロゲン誘導ざ瘡のモデルとして有用である。その皮脂腺は性的二形性である。メスは、通常の透き通った皮膚であるが、オスは、過形成腺性小葉を示し、その背中は厚い茶色の脂漏性皮膜で覆われている。これは、アンドロゲン依存性であり、去勢により可逆性であり、去勢されたオスではテストステロンで再構築される(89)。このモデルにおいて、局所的に有効な用量で局所適用されたフィナステリドは、顕著な全身性作用(前立腺)も有することがわかった(89)。副腎を含む薄毛のあるラットの生理機能は、通常のラットと同様であるように見える(90)。この動物は、局所適用される抗アンドロゲン剤を試験するのに有用であり(89)、それにより、抗コルチコイド(尿中のNa+/K+及び肝臓チロシンアミノトランスフェラーゼ)作用と共に、局所(皮膚)及び全身(前立腺)抗アンドロゲン作用の刺激測定が可能になる。
【0104】
25日齢の薄毛のあるラットを、そのまま又は去勢して、プロピレングリコール、エタノール及びH2Oの賦形剤中に溶解した種々の用量(範囲は上記実験で決定)の本発明の化合物を局所適用することによって処置する。記載したように、0.5ml溶液中の類似体を、下部領域4×4cmに1日1回、1週間で5日適用する(89)。去勢動物には、セサミ油中の200pgテストステロンを1日1回注射する。去勢された対照群はテストステロンで処理されない。比較のために、用量調整された濃度のスピロノラクトンも局所投与する。動物は、処理された領域を舐めないようにして室内で別々に飼育する。8週間の処理後、動物は副腎摘出され、翌日、抗アンドロゲン剤に加えて、上述したようにコルチコステロン又はアルドステロンで処理する。3時間(鉱質コルチコイド)又は12時間(糖質コルチコイド)後、動物を屠殺し、上述したようにNa+/K+について尿を分析し、チロシンアミノトランスフェラーゼについて肝臓を分析する。サブセットにおいて、コルチコイドアゴニスト活性を、いずれのコルチコイドも注射されず、試験化合物を投与した動物について測定する。
【0105】
全身性抗アンドロゲン作用に関しては、前立腺及び精嚢を取り出し、計量する。全ての動物を、腺性葉領域によって測定されるアンドロゲン誘導皮脂腺成長の阻害により「局所」抗アンドロゲン活性について評価する。試験化合物を適用した領域でのランダムな小さなスキンパンチの皮膚サンプルが用いられ、凍結されて、厚さ40pmの厚い切片を表皮面に平行に切断し(クリオスタットLeica CM3050S)、水を満たしたくぼみに入れる。皮脂腺性小葉を含有する遊離の浮遊した区域を選択し、1%オスミウム及び2.5%ジクロム酸カリウム溶液で2分間染色する。蒸留水で洗浄した後、その区域をスライドに載せ、各腺の画像の暗く染色された腺性小葉の最大物を、形態計測分析用顕微鏡での接眼ミクロメーターで較正したコンピュータ補助マイクロイメ−ジ装置(マサチューセッツ州レキシントンのImprovision製のコンピュータ化Openlab画像分析システム)によって計測する(34)。これら全ての分析は、盲試験方式で行なう。抗アンドロゲン化合物は、容易に測定される大きな小葉の低下を生じる。
【0106】
血漿テストステロンの測定。矛盾する結果から、スピロノラクトンはステロイド産生阻害物質である可能性があり、特に17α−ヒドロキシラーゼで作用し得ることを示している(91)。しかし、これには議論の余地があり、多くの試験では、血漿テストステロンのレベルへの影響はないことがわかっている(9,92)。この証拠は、アンドロゲン合成に影響しないことを示唆しているようであるが、こうした不正確さを鑑みて、血漿テストステロンを、去勢されていない全てのラットについて、類似体を受容しない対照と試験化合物で処理された全てのラットとを比較して測定する。血清テストステロンは、オスのラットについて、内部標準として微量の[3H]テストステロンを含有する血清のエーテルでの抽出により、先に記載されたのように(93)RIAで測定される。血清の分析後、結果は、抽出物のアリコートにより測定される[3H]内部標準の回収率で補正される。
【0107】
局所抗アンドロゲン剤要件。上述したように、全身性作用が本発明の化合物で生じるなら、皮膚に局所抗アンドロゲン作用を生じる用量と、前立腺又は反対側の耳介への全身作用を生じる用量との間に非常に大きな差異があるはずである。同様に、本明細書において得に有用な類似体について、何らかの全身性抗コルチコイド作用は、局所抗アンドロゲン作用に必須の用量を大きく超える場合にのみ生じなければならない。これらの試験において、全身性の抗アンドロゲン剤(スピロノラクトン、フルタミド)も、皮膚に適用することによって試験される。本発明者は、全身性作用を生じない抗アンドロゲン剤、又は全身性作用に比べて局所作用に必要な用量における差異が典型的な抗アンドロゲン剤の同じ差異よりも非常に大きいアンドロゲン剤を、局所活性の抗アンドロゲン剤として又は「ソフト」な抗アンドロゲン剤として規定する。
【0108】
本明細書に参照又は記載された全ての特許文献及び刊行物は、本発明に関連する当業者の技術レベルを示すものであり、こうした参照特許文献及び刊行物のそれぞれは、その全体が個々に参照され組み込まれるか、又はその全体が本明細書に記載されているかのように、本明細書に参考として組み込まれる。
【0109】
本明細書に記載された特定の方法及び組成物は、好ましい実施形態を示すものであり、それらは例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。他の目的、態様及び実施形態は、本明細書を考慮すれば当業者には明らかであり、特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨内に包含される。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本明細書に開示される本発明に対して種々の置換及び変更がなされ得ることは、当業者に容易に明らかとなる。本明細書に具体的に記載された本発明は、本明細書において必須であると特に開示されていない1又は複数の要素或いは1又は複数の限定が存在しなくても適切に実施できる。本明細書に具体的に記載された方法及びプロセスは、本明細書又は特許請求の範囲に示される工程順序に必ずしも制限されない別の工程順序においても好適に実施できる。
【0110】
使用された用語及び表現は、説明のための用語として使用され、制限するための用語としては使用されず、こうした用語及び表現を使用することは、示された及び記載された特徴の均等物又はその一部を排除することを意図せず、特許請求された本発明の範囲内で種々の変更が可能であることが認識される。したがって、本発明は、好ましい実施形態及び任意の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された概念の変更及び変形が当業者によって行われても良く、こうした変更及び変形も、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内であると考えられることが理解される。
【0111】
本発明は、本明細書に広く、一般的に記載されている。一般的な開示の範囲内にあるより狭い種類及び亜属群のそれぞれも本発明の一部をなす。これは、削除された物質が本明細書に具体的に記載されているかどうかに拘わらず、その種類からある対象を除く条件又は否定的限定を伴った本発明の一般的な説明を含む。
【0112】
さらに、本発明の特徴又は態様がマーカッシュ群において記載される場合、当業者は、本発明がマーカッシュ群の個々のメンバー又はメンバーのサブグループによっても記載されることを認識する。
【0113】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の化学構造Iに従う化合物であって、
【化1】

式中、nは1、2又は3であり、
Rは、任意に置換されたC4−C10基であり、n=1である場合にRはC5−C10アルキル基であり、n=2である場合にRは任意に置換されたC4−C10アルキル基であり、
又は、次の化学構造IIに従う化合物であって、
【化2】

式中、nは1、2又は3であり、R’は任意に置換されたC1−C5アルキル基であり、
又は、次の化学構造IIIに従う化合物であって、
【化3】

式中、nは1、2又は3であり、
Nは、
【化4】

基又は
【化5】

基であり、
jは、2、3又は4であり、
【化6】

は、カルボニル基に結合した少なくとも1つの窒素原子を含有する5又は6員の複素環式基であり、任意に1〜3個のメチル基又はハロゲン基(F、Cl、Br、I、好ましくはF)で置換され、
1及びR2は、それぞれ独立して、H又は任意に置換されたC1−C4アルキル基であり、
又は、次の化学構造IVに従う化合物であって、
【化7】

式中、Rbは任意に置換されたC1−C6アルキル基である化合物。
【請求項2】
次の化学構造IVに従う化合物であって、
【化8】

式中、Rbはエチル基である化合物。
【請求項3】
前記nが1又は2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化学構造Iにおいて、前記RがC4−C7アルキル基である、請求項1又は3に記載の化合物。
【請求項5】
前記化学構造IIにおいて、前記R’がC1−C3アルキル基である、請求項1又は3に記載の化合物。
【請求項6】
前記化学構造IIIにおいて、前記jが2又は3である、請求項1又は3に記載の化合物。
【請求項7】
前記化学構造IVにおいて、前記Rbが任意に置換されたC2又はC3アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記化学構造IIにおいて、前記R’がエチル基である、請求項1、4又は5に記載の化合物。
【請求項9】
前記化学構造IIIにおいて、前記nが1又は2であり、前記jが2又は3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
前記化学構造IIIにおいて、前記nが1又は2であり、前記jが2又は3であり、前記RN
【化9】

基である、請求項1又は6に記載の化合物。
【請求項11】
前記
【化10】

が、任意に置換されたピペリジン基、ピラジン基又はモルホリン基である、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
前記nが2であり、前記jが3であり、前記
【化11】

が非置換ピペリジン基である、請求項1、9又は10に記載の化合物。
【請求項13】
前記
【化12】

が任意に置換されたピペリジン基である、請求項1、9〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
前記
【化13】

が任意に置換されたピラジン基である、請求項1、9又は10に記載の化合物。
【請求項15】
前記
【化14】

が任意に置換されたモルホリン基である、請求項1、9又は10に記載の化合物。
【請求項16】
前記化学構造IIIにおいて、前記RN
【化15】

基である、請求項1、3、6又は9に記載の化合物。
【請求項17】
前記R1及び前記R2が、独立してH又はC1−C3アルキル基である、請求項1、3、6又は9に記載の化合物。
【請求項18】
前記R1及び前記R2が、それぞれ独立にH又はCH3である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
薬学的に許容されるキャリア、添加剤又は賦形剤と組み合わせて請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物の有効量を含む医薬組成物。
【請求項20】
局所剤形である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
処置が必要な患者のざ瘡を処置する方法であって、前記患者に、請求項19又は20に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項22】
処置が必要な患者の禿頭症を処置する方法であって、前記患者に、請求項19又は20に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項23】
前記禿頭症が女性型禿頭症である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記禿頭症が男性型禿頭症である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
処置が必要な患者の多毛症を処置する方法であって、前記患者に、請求項19又は20に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項26】
前記患者が女性である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
処置が必要な患者の脂漏症を処置する方法であって、前記患者に、請求項19又は20に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項28】
患者の皮膚におけるアンドロゲン過剰を処置する方法であって、前記患者に、請求項19又は20に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項29】
前記アンドロゲン過剰が、前記患者の皮膚にざ瘡、禿頭症、多毛症又は脂漏症の状態を生じる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
患者のざ瘡を処置するための薬剤を製造するための、請求項19又は20に記載の医薬組成物の使用。
【請求項31】
患者の禿頭症を処置するための薬剤を製造するための、請求項19又は20に記載の医薬組成物の使用。
【請求項32】
患者の多毛症を処置するための薬剤を製造するための、請求項19又は20に記載の医薬組成物の使用。
【請求項33】
患者の脂漏症を処置するための薬剤を製造するための、請求項19又は20に記載の医薬組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−527380(P2010−527380A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514751(P2010−514751)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/005632
【国際公開番号】WO2008/137038
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(505311711)エール ユニヴァーシティ (5)
【Fターム(参考)】