説明

巻き付き基板を有する多素子アンテナ構造

【課題】ポータブルコンピュータなどの電子デバイスに可撓性アンテナ共振素子基板上に複数の共振素子が形成されたアンテナを提供する。
【解決手段】可撓性アンテナ共振素子基板上に複数の共振素子が形成されてもよい。可撓性アンテナ共振素子基板は、一端部に第1のアンテナ共振素子を有し且つ他端部に第2のアンテナ共振素子を有してもよい。可撓性アンテナ共振素子基板は、誘電体キャリアに巻き付けられ且つ電子デバイス内部の非アクティブ表示領域の下方及び誘電体筐体窓の上方に装着されてもよい。導電性筐体構造などの導電性構造は、アンテナ接地点を形成してもよい。共振素子及びアンテナ接地点は、第1のアンテナ及び第2のアンテナを形成してもよい。無給電アンテナ共振素子は、第1のアンテナの一部を形成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年3月1日出願の米国特許出願第13/038,300の優先権を主張するものであり、その内容は、参照をもって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、該してアンテナに関し、特に、電子デバイスのアンテナに関する。
【背景技術】
【0003】
ポータブルコンピュータ及びハンドヘルド電子デバイスなどの電子デバイスには無線通信機能が設けられている場合が多い。例えば、電子デバイスは、携帯電話回路網などの長距離無線通信回路網と、無線ローカルエリアネットワーク通信回路網などの短距離通信回路網とを使用してもよい。デバイスによっては、全地球測位システム信号などの他の無線信号を受信する能力を有するものもある。
【0004】
アンテナを電子デバイスに問題なく組み込むのは困難であるといえる。薄型構造となるように製造される電子デバイスの場合、アンテナに使用できるスペースは限られてしまう。多くの電子デバイスにおいて、アンテナの付近にある電子部品は、電磁干渉を発生する原因になる。アンテナ付近の導電性構造によってアンテナの動作が妨害されるおそれもある。電子デバイスには、無線周波数信号を遮断する性質を潜在的に有する導電性筐体壁及び他の導電性構造が含まれているので、上記のような問題点を考慮しなければならないことによって、アンテナの実現は難しくなる。
【0005】
従って、無線電子デバイスの改善されたアンテナを提供できることが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0006】
ポータブルコンピュータなどの電子デバイスのアンテナが提供され得る。可撓性アンテナ共振素子基板は誘電体キャリアに巻き付けられてもよい。誘電体キャリアは、巻き付け基板により覆われる第1の面及び第1の面とは反対側の第2の面を有してもよい。第1の面は、ディスプレイカバーガラス層に当接するように装着される平坦な面であってもよい。第2の面は、電子デバイスの筐体の湾曲部分の湾曲した誘電体アンテナ窓の形状に適合する形状を有する湾曲面であってもよい。
【0007】
可撓性アンテナ共振素子基板は、一端部に第1のアンテナ共振素子を有し且つ他端部に第2のアンテナ共振素子を有してもよい。導電性筐体構造などの導電性構造がアンテナ接地点を形成してもよい。第1のアンテナ共振素子及びアンテナ接地点は、携帯電話アンテナ又は他の適切なアンテナのような第1のアンテナを形成してもよい。第2のアンテナ共振素子及びアンテナ接地点は、衛星ナビゲーションシステムアンテナ又は他の適切なアンテナのような第2のアンテナを形成してもよい。
【0008】
無給電アンテナ共振素子は第1のアンテナの一部を形成してもよい。第1のアンテナは、第1の通信帯域及び第2の通信帯域で動作するように構成されてもよい。無給電アンテナ共振素子は、アンテナを第2の通信帯域に確実に適応させるために使用されてもよい。
【0009】
本発明の更なる特徴、性質及び種々の利点は、添付の図面及び以下の好適な実施形態の詳細な説明から更に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るアンテナを有する例示的な電子デバイスを示す正面斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係るアンテナを有する例示的な電子デバイスを示す背面斜視図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係るアンテナを有する例示的な電子デバイスを示す概略図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係るアンテナを有する例示的な電子デバイスを示す背面図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係るアンテナを有する例示的な電子デバイスを示す側断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係るキャリアに巻き付けたアンテナ共振素子基板を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスの内部にアンテナ共振素子基板及びキャリアを装着する場合に使用されてもよい筐体の一部及び締め具を示す展開斜視図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係る1対のアンテナを形成する場合に使用されてもよい導電性アンテナトレースの例示的なパターンを示す図6及び図7に示される種類の巻き付け前のアンテナ共振素子基板を示す平面図である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係る図8に示される種類の基板上に形成された携帯電話アンテナ及び衛星ナビゲーションシステムアンテナなどの例示的な1対のアンテナの定在波比を動作周波数の関数として示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
電子デバイスに無線通信回路網が設けられてもよい。無線通信回路網は、1つ以上の無線通信帯域における無線通信をサポートするために使用されてもよい。例えば、無線通信回路網は、携帯電話帯域及び他の通信帯域の信号を送受信してもよく且つ衛星ナビゲーションシステム帯域の無線信号を受信してもよい。
【0012】
ポータブル電子デバイスのような電子デバイスでは、スペースの確保は非常に重要である。電子デバイスの筐体は、アンテナ信号を遮断する導電性材料から製造される場合がある。アンテナ構造が誘電体アンテナ窓の背後に形成される構成は、そのような問題に対処するのに有効であるといえる。誘電体窓は、導電性筐体壁の開口部の中に形成されてもよい。必要に応じて、電子デバイス筐体のすべて又は大半の部分をプラスチックなどの誘電体から形成することにより、無線信号に対応してもよい。ディスプレイと関連するカバーガラス層などの誘電体構造を無線信号が通過できる構成もある。無線電子デバイスにおいて、このような構成、デバイスで無線信号に対応するための他の構成又はそれらの構成の組み合わせが必要に応じて使用されてもよい。
【0013】
アンテナのアンテナ共振素子は、アンテナ窓の付近のディスプレイカバー層の一部の下方に形成されてもよい。導電性筐体の一部又は他の導電性構造がアンテナ接地点として使用されてもよい。アンテナは、アンテナ共振素子に結合された正アンテナ給電端子及び導電性筐体に結合された接地アンテナ給電端子を使用して給電されてもよい。動作中、アンテナに対する無線周波数信号は、アンテナ窓及びカバーガラスの一部のような他の非導電性筐体構造を通過できる。
【0014】
アンテナは、アンテナ共振素子と、アンテナ接地点として作用する筐体の導電性部分又は他の導電性構造とから形成されてもよい。アンテナ共振素子は、誘電体基板上の導電性トレースから形成されてもよい。導電性トレースは銅又は他の金属から形成されてもよい。誘電体基板は、例えば、可撓性プリント回路であってもよい。可撓性プリント回路は、フレックス回路と呼ばれる場合もあり、ポリイミド又は他のポリマーのシートなどの可撓性誘電体基板上に形成された導電性トレースを有する。
【0015】
アンテナ共振素子基板は支持構造に装着されてもよい。例えば、複数のアンテナに対応する複数のアンテナ共振素子を含む可撓性アンテナ共振素子基板は、成形プラスチックキャリア又は他のプラスチック支持構造などの誘電体キャリアに巻き付けてもよい。そのようにキャリアにアンテナ共振素子基板を巻き付けることにより、筐体内部で利用できる狭いスペースの中にアンテナを効率よく装着できる。
【0016】
上記のような構成を有するアンテナ構造は、ポータブル電子デバイスの何らかの適切な露出部分に装着可能である。例えば、アンテナは、デバイスの正面又は上面に設けられてもよい。タブレットコンピュータ、携帯電話、あるいはデバイスの正面全体又はその大部分をタッチスクリーンディスプレイなどの導電性構造が占めている他のデバイスの場合、少なくともアンテナ窓の一部をデバイスの背面に形成することが望ましいだろう。他の構成も可能である(例えば、アンテナが更に限られた場所、デバイスの側壁などに装着されている構成)。本明細書において、誘電体アンテナ窓の少なくとも一部が導電性筐体背面に形成されるようにアンテナ装着場所を利用する構成を一例として説明する場合もあるが、一般に、電子デバイスの何らかの適切なアンテナ装着場所が必要に応じて使用されてもよい。
【0017】
キャリアに巻き付けられた共振素子基板を有するアンテナ構造を含む例示的なポータブルデバイスが図1に示される。一般に、図1のデバイス10のようなデバイスは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ及びタブレットコンピュータなどのポータブルコンピュータ、携帯電話などのハンドヘルド電子デバイス、腕時計形デバイス、ペンダント形デバイス、ヘッドホン形デバイス及びイヤホン形デバイスなどの小型ポータブル電子デバイス、又は他の着用型デバイス又は小型デバイスのように無線通信能力を備えた何らかの適切な電子デバイスであってもよい。
【0018】
図1に示されるように、デバイス10は、タブレットコンピュータのような相対的に薄型のデバイスであってもよい。デバイス10の正面(上面)に、ディスプレイ50のようなディスプレイが装着されてもよい。筐体12は、デバイス10の縁部を形成する湾曲部分と、デバイス10の背面を形成する相対的に平坦な部分とを有してもよい(一例として)。平坦な側壁を有する筐体及び他の構成も使用されてもよい。場合によっては、デバイス10の正面(すなわち、ディスプレイ50のカバー)がデバイス12の筐体正面を形成するとみなされてもよい。
【0019】
ディスプレイ50のカバーは、カバーガラスの層、プラスチックの層又は他の材料から形成されてもよい。ディスプレイ50のカバー層は、不活性縁部領域(すなわち、活性画素回路を含むディスプレイの導電部分から離れた領域)では無線透過性であってもよい。その結果、ディスプレイカバー層の縁部分の下方に装着されたアンテナ構造により無線周波数信号が受信されてもよく且つアンテナ構造からディスプレイカバー層の縁部分を介して無線周波数信号が送信されてもよい。筐体12が金属製であるか又は他の導電性材料から形成される構成の場合、誘電体窓58などの誘電体窓が筐体12に形成されてもよい。デバイス10のアンテナ構造は誘電体窓58の付近に形成されるので、無線周波数信号は、ディスプレイカバー層の縁部分を通過するのに加えて又は縁部分を通過する代わりに誘電体窓58を通過できる。
【0020】
デバイス10は、ボタン59などのユーザ入出力デバイスを有してもよい。ディスプレイ50は、ユーザタッチ入力を収集する際に使用されるタッチスクリーンディスプレイであってもよい。ディスプレイ50の面の平坦なカバーガラス部材の下方に装着されたタッチパネルを使用してディスプレイの容量性タッチセンサ又は他のタッチセンサが実現されてもよいが、タッチセンサは、カバーガラス層に一体に形成されてもよく、あるいは他の方法によりディスプレイ50に組み込まれてもよい。
【0021】
ディスプレイ50の中央部分(図1には領域56として示される)は、タッチ入力を感知し且つ画素(例えば、液晶ディスプレイ画素、有機発光ダイオード画素又は他のディスプレイ画素)のアレイを使用してユーザに対して画像を表示する際に使用されるアクティブ領域であってもよい。領域54などのディスプレイ50の周囲領域は、タッチセンサ電極及び画素が存在しない非アクティブ領域であってもよい。周囲領域54のディスプレイ50の下面(例えば、カバーガラスの下面)に、不透明インクなどの材料の層が配置されてもよい。この層は、無線周波数信号を透過してもよい。領域56の導電性タッチセンサ電極及びディスプレイの画素のアレイと関連する導電性構造は、無線周波数信号を遮断する性質を有してもよい。しかし、無線周波数信号は、不活性ディスプレイ領域54のカバーガラス及び不透明インクを通過してもよい(一例として)。無線周波数信号はアンテナ窓58を更に通過してもよい。
【0022】
筐体12は1つ以上の構造から形成されてもよい。例えば、筐体12は、内部フレームと、フレームに装着された平坦な筐体壁とを含んでもよい。筐体12は、アルミニウムの鋳造ブロック又は機械加工ブロックなどの一体の材料ブロックから形成されてもよい。必要に応じて、それらの方法を共に使用する構成が使用されてもよい。
【0023】
筐体12は、プラスチック、木材、ガラス、セラミック、金属又は他の適切な材料、もしくはそれらの材料の組み合わせを含む何らかの適切な材料から形成されてもよい。状況によっては、筐体12に近接して配置された導電性アンテナ素子の動作を妨害しないように、筐体12の一部は誘電体材料又は他の低導電率材料から形成されてもよい。他の状況において、筐体12は金属要素から形成されてもよい。金属又は他の構造的に安定した導電性材料から形成された筐体12は、デバイスの見栄えをよくし且つ耐久性及び可搬性の向上に有益であるという利点を有する。
【0024】
適切な1つの構成において、筐体12は、アルミニウム又はステンレス鋼などの金属から形成されてもよい。アンテナ窓58の付近の筐体12の部分は、アンテナ接地点として使用されてもよい。アンテナ窓58は、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、PC/ABS混合物又は他のプラスチック(例として)などの誘電体材料から形成されてもよい。アンテナ窓58は、接着剤、締め具又は他の適切な装着機構を使用して筐体12に装着されてもよい。デバイス10が人目を引く外観を呈するようにするために、デバイス10のアンテナ窓58以外の部分で筐体12により規定される縁部輪郭形状とアンテナ窓58の外面が一致するように窓58を形成することが望ましいだろう。例えば、筐体12が平坦な縁部12A及び平坦な底面を有する場合、アンテナ窓58は直角の屈曲部及び垂直な側壁を有するように形成されてもよい。筐体12が湾曲した縁部12Aを有する場合、アンテナ窓58は同様に湾曲した面を有してもよい。
【0025】
図2は、デバイス10が相対的に平坦な背面12Bを有してもよいこと及び誘電体アンテナ窓58が筐体の湾曲した縁部12Aの形状に適合する湾曲部分を有する矩形の形状であってもよいこと(一例として)を示す図1のデバイス10の背面斜視図である。
【0026】
デバイス10が1つ以上のアンテナ26と、アンテナ26と通信するトランシーバ回路とを含んでもよいことを示すデバイス10の概略図が図3に示される。図3に示されるように、電子デバイス10は記憶/処理回路網16を含んでもよい。記憶/処理回路網16は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ又は他の電気的プログラム可能読み取り専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、スタティックランダムアクセスメモリ又はダイナミックランダムアクセスメモリ)などの1つ以上の種類の異なる記憶装置を含んでもよい。記憶/処理回路網16の処理回路網の部分は、デバイス10の動作を制御するために使用されてもよい。処理回路網16は、マイクロプロセッサ及び他の適切な集積回路などのプロセッサに基づいてもよい。適切な1つの構成において、記憶/処理回路網16は、インターネット閲覧アプリケーション、VOIP(Voice Over Internet Protocol)、通話アプリケーション、Eメールアプリケーション、メディア再生アプリケーション、オペレーティングシステム機能、無線周波数電力増幅器及び他の無線周波数トランシーバ回路網を制御するための制御機能などのデバイス10のソフトウェアを実行するために使用されてもよい。記憶/処理回路網16は、適切な通信プロトコルを実現する際に使用されてもよい。記憶/処理回路網16を使用して実現されてもよい通信プロトコルは、インターネットプロトコル、携帯電話プロトコル、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、WiFi(登録商標)と呼ばれる場合もあるIEEE 802.11プロトコル)、Bluetooth(登録商標)プロトコルのような他の短距離無線通信リンクに関するプロトコルなどを含む。
【0027】
入出力回路網14は、デバイス10にデータを供給させ且つデバイス10から外部デバイスにデータを提供させるために使用されてもよい。タッチスクリーン及び他のユーザ入力インタフェースなどの入出力デバイス18は、入出力回路網14の例である。入出力デバイス18は、ボタン、ジョイスティック、クリックホイール、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイク、カメラなどのユーザ入出力デバイスを更に含んでもよい。ユーザは、そのようなユーザ入力装置を介してコマンドを供給することによりデバイス10の動作を制御できる。液晶ディスプレイ(LCD)画面、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)並びに視覚情報及び状態データを提示する他の構成要素のようなディスプレイ及び音声デバイスが入出力デバイス18に含まれてもよい。入出力デバイス18のディスプレイ及び音声デバイスは、スピーカ及び音声を発生する他のデバイスなどの音声機器を更に含んでもよい。必要に応じて、入出力デバイス18は、外部ヘッドホン及び外部モニタに対応するジャック及び他のコネクタなどの視聴覚インタフェース機器を含んでもよい。
【0028】
無線通信回路網20は、1つ以上の集積回路、増幅器回路網、低雑音入力増幅器、受動RF素子、1つ以上のアンテナ及びRF無線信号を処理するための他の回路網から形成された無線周波数(RF)トランシーバ回路網23を含んでもよい。無線信号は、光を使用して(例えば、赤外線通信を使用して)送信されてもよい。
【0029】
無線通信回路網20は、複数の無線周波数通信帯域を処理する無線周波数トランシーバ回路を含んでもよい。例えば、回路網23は、2.4GHz、WiFi(IEEE 802.11)通信に対応する5GHz帯域及び2.4GHz Bluetooth通信帯域を処理するトランシーバ回路網22を含んでもよい。回路網23は、850MHz、900MHz、1,800MHz、1,900MHz及び2,100MHz(例として)のような携帯電話帯域の無線通信を処理するための携帯電話トランシーバ回路網24を更に含んでもよい。無線通信回路網20は、他の短距離無線リンク及び長距離無線リンクに対応する回路網を必要に応じて含んでもよい。例えば、トランシーバ回路網23は、全地球測位システム(GPS)受信機21、無線信号及びTV信号を受信する無線回路網、ページング回路などを含んでもよい。WiFiリンク及びBluetoothリンク並びに他の短距離無線リンクにおいて、無線信号は、通常、数十フィート又は数百フィートの距離にわたりデータを搬送するために使用される。携帯電話リンク及び他の長距離リンクの場合、無線信号は、通常、数千フィート又は数千マイルの距離にわたりデータを搬送するために使用される。
【0030】
無線通信回路網20は、アンテナ窓58に隣接してディスプレイ50の不活性周囲部分54の下方に配置された1つ以上のアンテナのようなアンテナ26を含んでもよい。アンテナ26は、それぞれが特定の所望の通信帯域に対応する単一帯域アンテナであってもよいが、多帯域アンテナであってもよい。多帯域アンテナは、例えば、複数の携帯電話通信帯域に対応するために使用されてもよい。必要に応じて、2つのWiFi帯域(例えば、2.4GHz及び5GHz)に対応するために2帯域アンテナが使用されてもよい。単一帯域アンテナは、1575MHzの全地球測位システム信号(一例として)などの衛星ナビゲーションシステム信号を受信するために使用されてもよい。種々の帯域及び帯域の組み合わせに対して、種々の種類のアンテナが使用されてもよい。例えば、ローカル無線リンクアンテナを形成するための2帯域アンテナ、携帯電話通信帯域を処理するための多帯域アンテナ及び全地球測位システムアンテナを形成するための単一帯域アンテナ(例として)を形成することが望ましいだろう。
【0031】
伝送線経路44は、トランシーバ23とアンテナ26との間で無線周波数信号を搬送するために使用されてもよい。無線周波数トランシーバ23のような無線周波数トランシーバは、1つ以上の集積回路及び関連素子(例えば、交換回路、個別の誘導子、コンデンサ及び抵抗器などの整合回路網素子、並びに集積回路フィルタ回路網など)を使用して実現されてもよい。それらの素子は、何らかの適切な実装構造に実装されてもよい。1つの適切な構成において、トランシーバ集積回路はプリント回路基板に実装されてもよい。経路44は、プリント回路基板上のトランシーバ集積回路及び他の素子をデバイス10のアンテナ構造と相互に接続するために使用されてもよい。経路44は、同軸ケーブル、マイクロストリップ伝送線などの伝送線経路構造を含めて、無線周波数信号を搬送するための何らかの適切な導電性経路を含んでもよい。
【0032】
アンテナ26は、一般に、何らかの適切な種類のアンテナを使用して形成されてもよい。アンテナ26に適する適切なアンテナの種類は、パッチアンテナ構造、逆F型アンテナ構造、閉スロットアンテナ構造及び開スロットアンテナ構造、ループアンテナ構造、モノポール、ダイポール、平面逆F型アンテナ構造、それらの構造の混成構造などから形成された共振素子を有するアンテナを含む。本明細書で一例として説明される場合もある適切な1つの構成において、筐体12の一部(例えば、アンテナ窓58の近傍の筐体12の部分)は、アンテナ窓58と関連するアンテナの接地構造を形成してもよい。アンテナ接地構造は、プリント回路基板上の導電性トレース、フレーム部材及び内部筐体板構造などの筐体部材、コネクタなどの素子の導電部分及び他の導電性構造から形成されてもよい。
【0033】
誘電体窓58の近傍の電子デバイス10の背面図が図4に示される。図4に示されるように、各アンテナ26はアンテナ共振素子及びアンテナ接地点を含んでもよい。図4の例において、アンテナ共振素子基板62Aは、アンテナ共振素子64‐1及びアンテナ共振素子64‐2を含む。アンテナ共振素子64‐1及び64‐2は、パターニングされた銅、金又は他の金属などの導体パターンから形成されてもよい。アンテナ共振素子基板62Aは、ポリイミドのシート又は別の可撓性ポリマーシートなどのフレックス回路基板から形成されてもよい。アンテナ接地点として作用する筐体12の部分又は他の接地構造のような付近の導電性構造と関連して、アンテナ共振素子64‐1は第1のアンテナ26を形成し且つアンテナ共振素子64‐2は第2のアンテナ26を形成する。
【0034】
図4の例のアンテナ窓58の下部において、アンテナ共振素子基板62Bのアンテナ共振素子64‐3は、別の携帯電話アンテナのような別のアンテナ26を形成してもよい。基板62Bは、例えば、フレックス回路基板であってもよく且つアンテナ共振素子64‐3は、フレックス回路基板上の金属トレースパターンを使用して形成されてもよい。デバイス10のカメラ又は他の電子機器のような構成要素60は、基板62A及び62Bの間に挿入されてもよい。
【0035】
適切な1つの構成において、アンテナ共振素子64‐3から形成されるアンテナは、デバイス10の一次携帯電話アンテナとして機能してもよく且つアンテナ共振素子64‐1は、デバイス10の二次携帯電話アンテナとして機能してもよい。アンテナ共振素子64‐2から形成されるアンテナは、全地球測位システムアンテナなどの衛星ナビゲーションシステムアンテナとして機能してもよい。これは単なる例である。アンテナ共振素子64‐1、64‐2及び64‐3並びに必要に応じてデバイス10に設けられる追加のアンテナ共振素子は、何らかの適切な種類のアンテナを形成するために使用されてもよい。
【0036】
アンテナ26は、伝送線経路44を使用してトランシーバ回路網23(例えば、携帯電話トランシーバ回路網、衛星ナビゲーションシステム受信機回路網など)に接続されてもよい。
【0037】
デバイス10の筐体12の側断面図が図5に示される。図5は、アンテナ共振素子基板62Aがディスプレイ50のカバーガラス層68の面の下方にどのように実装されるかを示す。図5に示されるように、ディスプレイ50は、ディスプレイモジュール(例えば、アクティブ領域56のモジュール72のような液晶ディスプレイモジュール又は有機発光ディスプレイモジュール)を含んでもよい。非アクティブ領域54において、アンテナ共振素子基板62Aがデバイス10のユーザに見えないように、黒色インクのような不透明材料の層66がアンテナ共振素子基板62Aを隠してもよい。
【0038】
基板62A上のアンテナ共振素子(すなわち、図4のアンテナ共振素子64‐1及び64‐2)は、それぞれ対応するアンテナ給電線を使用して給電されてもよく且つ第1のアンテナ及び第2のアンテナをそれぞれ形成してもよい。図5は、端子76のような正アンテナ給電端子及び端子78のような接地アンテナ給電端子を有するそれぞれ対応するアンテナ給電線を使用して、デバイス10の各伝送線経路44が対応するアンテナに結合されてもよいことを示す。正アンテナ給電端子76は、アンテナ共振素子基板上のトレースに結合されてもよい。接地アンテナ給電端子は、筐体構造12などの導電性アンテナ接地構造に結合されてもよい。伝送線経路44は、給電端子76及び78をプリント回路基板79上の無線周波数トランシーバ回路網23に結合してもよい。
【0039】
アンテナ共振素子基板62Aは、キャリア70などの誘電体キャリアに巻き付けられてもよい。キャリア70は、何らかの適切な誘電体材料(例えば、液晶ポリマーなどのプラスチック又は他の適切な誘電体)から形成されてもよい。筐体の一部(すなわち、アンテナ窓58)が湾曲している図5に示される種類の筐体構造の場合、キャリア70は、平坦な面及びその反対側の湾曲面を有してもよい。キャリア70の平坦な上面は、ディスプレイカバーガラス68の平坦な内面に当接するように装着されてもよい。キャリア70の湾曲した下面は、誘電体窓58の対応する湾曲面に当接するように装着されてもよい。他の形状の筐体の場合、必要に応じて他の適切な構成のキャリア70が使用されてもよい。アンテナ共振素子基板62Aは、必要に応じて接着剤(例えば、感圧接着剤)を使用してキャリア70に装着されてもよい。
【0040】
キャリア70の湾曲した下面及びその反対側の平坦な上面がデバイス10の周囲上縁部に沿って伸びる共通軸線(軸線90)に沿って隣接することを示すキャリア70の正面斜視図が図6に示される。
【0041】
図7は、キャリア70の背面斜視図である。図7に示されるように、アンテナ共振素子基板62Aには、キャリア70と関連する第1のアンテナ及び第2のアンテナに伝送線経路44を結合するのを助ける形状の構造が設けられてもよい。詳細には、基板62Aは、開口部86‐1のような第1の開口部を有する共振素子トレースを有する突起を有してもよい。トレースを接地し且つ第1のアンテナ(例えば、携帯電話アンテナ)の接地アンテナ端子78‐1を形成するために、この開口部86‐1にねじ82‐1が差し込まれ且つ筐体部分12”の対応するねじ穴80‐1に螺合されてもよい。広いサービスエリアを有する携帯電話アンテナを形成するために使用される無給電アンテナ共振素子は、端子92に結合されてもよい。デバイス10に装着された場合、端子92は導電性筐体部分12’に接地されてもよい。アンテナ共振素子基板62Aは、開口部86‐2のような第2の開口部を有する共振素子トレースを含む突起を更に有してもよい。トレースを接地し且つ第2のアンテナ(例えば、衛星ナビゲーションシステムアンテナ)の接地アンテナ端子78‐2を形成するために、この開口部86‐2にねじ82‐2が差し込まれ且つ筐体部分12”の対応するねじ穴80‐2に螺合されてもよい。
【0042】
空胴84のような空気で充満した空胴をキャリア70に設けることにより、射出成形技術を使用してキャリア70を容易に形成できる。
【0043】
図8は、アンテナ共振素子基板62Aがキャリア70に装着される前の、巻き付けていない状態の基板62Aの平面図である。装着中、基板62Aは長手方向軸線90に沿って折り曲げられ且つキャリア70の平坦な面及び湾曲面を覆うようにキャリア70に巻き付けられる。
【0044】
図8に示されるように、アンテナ共振素子基板62Aは、アンテナ共振素子64‐2を有してもよい。アンテナ共振素子64‐2は、衛星ナビゲーションアンテナ(例えば、1,575MHzで動作する全地球測位システムアンテナ)に対応する衛星ナビゲーションアンテナ共振素子を形成するために使用されてもよい。端子76‐2は、アンテナ共振素子64‐2のトレースの一端部に結合されてもよい。伝送線44‐1は、端子76‐2に結合された正導体と、接地端子78‐2及び穴86‐2を含むフレックス回路基板62Aの突出部分にあるトレースに結合された接地導体とを有してもよい。
【0045】
アンテナ共振素子基板62Aの反対側の端部(すなわち、図8の構成の左側の端部)に、基板62Aは、アンテナ共振素子64‐1を形成するために使用される第2のアンテナ共振素子トレースを有してもよい。アンテナ共振素子64‐1は、携帯電話回路網を介して音声無線データ及び非音声無線データを受信する2帯域携帯電話アンテナのような携帯電話アンテナと関連してもよい。正アンテナ給電端子76‐1は、アンテナ共振素子64‐2の脚部96に結合されてもよい。伝送線44‐1は、端子76‐1に結合された正導体を有してもよい。伝送線44‐1は、接地端子78‐1に結合された接地導体を更に有してもよい。接地端子78‐1は、穴86‐1を含む脚部98の端部のアンテナ共振素子64‐1の部分から形成されてもよい。
【0046】
無給電アンテナ共振素子94は、アンテナ共振素子基板62Aのトレース64‐1から電気的に絶縁され且つ伝送線44‐1及び44‐2のうち一方の伝送線により直接給電されない導体の条片(すなわち、金属トレースパターン)から形成されてもよい。無給電アンテナ共振素子94の一端部は、端子92において筐体12(すなわち、図7の筐体部分12’)に接地されてもよい。
【0047】
図8のアンテナ構造を使用して形成されたアンテナの応答の特性図が図9に示される。図9の特性図には、定在波比(SWR)が動作周波数の関数として示されている。実線100は、アンテナ共振素子64‐1及び無給電アンテナ共振素子94を使用して形成された携帯電話アンテナの応答を示す。実線100により示されるように、このアンテナは、周波数f1(例えば、850MHz又は700MHz又は900MHz)を中心とする低周波数帯域及び周波数f2(例えば、1,900MHz又は1,800MHz又は2,100MHz)を中心とする高周波数帯域で共振ピークを示してもよい。破線104は、無給電アンテナ共振素子94が使用されない場合に周波数f2と関連する高周波数帯域でアンテナ共振素子64‐1の応答が不十分になることを示す。しかし、無給電アンテナ共振素子94が存在する場合、実線100により示されるように、携帯電話アンテナは周波数f2で十分な応答を示す。線102は、基板64Aに形成された第2のアンテナ(すなわち、図9のトレース64‐2を使用して形成された全地球測位システムアンテナ)の応答を示す。
【0048】
必要に応じて、アンテナ共振素子基板62A上に他の種類のアンテナが形成されてもよい。基板62Aが携帯電話アンテナ及び全地球測位システムアンテナを含む図8及び図9の例示的な構成は、単なる例である。更に、共通の巻き付きフレックス回路基板に、3つ以上の個別のアンテナが形成されていてもよい。本例は、第1のアンテナ及び第2のアンテナが共通の巻き付きフレックス回路基板の長手方向両端部に形成された第1のアンテナ共振素子及び第2のアンテナ共振素子をそれぞれ有する構成を含む。必要に応じて、共通のフレックス回路アンテナ共振素子基板は、3つ以上の対応するアンテナに対して3つ以上のアンテナ共振素子を形成するために使用されてもよい。
【0049】
一実施形態によれば、第1の面及び第1の面とは反対側の第2の面を有するプラスチック支持構造と、第1のアンテナに対応する第1のアンテナ共振素子及び第2のアンテナに対応する第2のアンテナ共振素子を有し、プラスチック支持構造に巻き付けられ、且つ、第1の面及び第2の面を覆うアンテナ共振素子基板とを含む電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0050】
別の実施形態によれば、アンテナ共振素子基板上に、第1のアンテナの一部を形成する無給電アンテナ共振素子を更に含む電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0051】
別の実施形態によれば、無給電アンテナ共振構造は、電子デバイスの筐体に接続された端子を有する、帯状の導体を備える電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0052】
別の実施形態によれば、第1のアンテナは、第1の携帯電話通信帯域及び第2の携帯電話通信帯域で動作するように構成される電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0053】
別の実施形態によれば、第2のアンテナは、衛星ナビゲーションシステム帯域で動作するように構成される電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0054】
別の実施形態によれば、第1の面は平坦な面であり、第2の面は湾曲面であり、且つ、アンテナ共振素子基板は、第1の面及び第2の面に接着剤によって装着された可撓性のポリマーシートを備える電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0055】
別の実施形態によれば、第1の面及び第2の面は、ある軸線に沿って隣接し、且つ、アンテナ共振素子基板はその軸線に沿って折り曲げられる電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0056】
別の実施形態によれば、軸はアンテナ共振素子基板の長手方向に沿って伸び、アンテナ共振素子基板は、第1の端部及び長手方向に第1の端部とは反対側にある第2の端部を有し、第1のアンテナ共振素子は第1の端部に配置され、且つ第2のアンテナ共振素子は第2の端部に配置される電子デバイスアンテナ構造が提供される。
【0057】
一実施形態によれば、第1の面及び第1の面とは反対側の第2の面を有する誘電体キャリアと、第1の面及び第2の面の少なくとも一部を覆う可撓性アンテナ共振素子基板と、アンテナ接地点を形成する導電性筐体と、可撓性アンテナ共振素子基板上にあり且つアンテナ接地点と共に第1のアンテナを形成する第1のアンテナ共振素子と、可撓性アンテナ共振素子基板上にあり且つアンテナ接地点と共に第2のアンテナを形成する第2のアンテナ共振素子とを含む電子デバイスが提供される。
【0058】
別の実施形態によれば、導電性筐体にある誘電体窓を更に含み、キャリアは誘電体窓に隣接して装着される電子デバイスが提供される。
【0059】
別の実施形態によれば、カバーガラス層を有するディスプレイを更に含み、キャリアは、カバーガラス層に隣接して装着される電子デバイスが提供される。
【0060】
別の実施形態によれば、第1の面は平坦な面であり且つ誘電体キャリアは、平坦な面がカバーガラス層に当接するように装着される電子デバイスが提供される。
【0061】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、周囲の非アクティブ領域により取り囲まれたアクティブ領域を有し、周囲の非アクティブ領域にあるカバーガラス層の内面は、不透明マスク層によって覆われ、且つ平坦な面は不透明マスク層により覆われる電子デバイスが提供される。
【0062】
別の実施形態によれば、誘電体窓は湾曲形状を有し且つ第2の面は、誘電体窓の湾曲形状に適合するように湾曲している電子デバイスが提供される。
【0063】
別の実施形態によれば、可撓性アンテナ共振素子基板上に第1のアンテナ共振素子に隣接して配置された無給電アンテナ共振素子を更に含み、無給電アンテナ共振素子は第1のアンテナの一部を形成する電子デバイスが提供される。
【0064】
別の実施形態によれば、ディスプレイカバーガラス層及び誘電体窓を更に含み、ディスプレイカバーガラス及び誘電体窓を介して第1のアンテナ及び第2のアンテナにより無線周波数信号が受信されるように、誘電体キャリアは、ディスプレイカバーガラスと誘電体窓との間に挿入される電子デバイスが提供される。
【0065】
一実施形態によれば、誘電体キャリアと、誘電体キャリアに巻き付けられ、且つ、第1のアンテナを形成する第1のアンテナ共振素子及び第2のアンテナを形成する第2のアンテナ共振素子を有する可撓性アンテナ共振素子基板とを含む装置が提供される。
【0066】
別の実施形態によれば、誘電体キャリアは、ある軸線に沿って隣接する第1の面及び第2の面を有し、可撓性アンテナ共振素子基板は、その軸線に沿ってキャリアを覆うように折り曲げられ、且つ可撓性アンテナ共振素子基板は第1の面及び第2の面を覆う装置が提供される。
【0067】
別の実施形態によれば、可撓性アンテナ共振素子基板上にあり且つ第1のアンテナの一部を形成する無給電アンテナ共振素子を更に含む装置が提供される。
【0068】
別の実施形態によれば、第1のアンテナが少なくとも2つの携帯電話通信帯域で動作するように構成され且つ第2のアンテナが衛星ナビゲーションシステム帯域で動作するように構成される装置が提供される。
【0069】
以上の説明は、単に本発明の原理を例示しているにすぎず、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者により種々の変形を実施可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面及び前記第1の面とは反対側の第2の面を有するプラスチック支持構造と、
第1のアンテナに対応する第1のアンテナ共振素子及び第2のアンテナに対応する第2のアンテナ共振素子を有し、前記プラスチック支持構造に巻き付けられ、且つ、前記第1の面及び前記第2の面を覆うアンテナ共振素子基板と、
を備えることを特徴とする電子デバイスアンテナ構造。
【請求項2】
前記アンテナ共振素子基板上に、前記第1のアンテナの一部を形成する無給電アンテナ共振素子を更に備えることを特徴とする請求項1記載の電子デバイスアンテナ構造。
【請求項3】
前記無給電アンテナ共振素子は、電子デバイスの筐体に接続された端子を有する、帯状の導体を備えることを特徴とする請求項2記載の電子デバイスアンテナ構造。
【請求項4】
前記第1のアンテナは、第1の携帯電話通信帯域及び第2の携帯電話通信帯域で動作するように構成されることを特徴とする請求項2記載の電子デバイスアンテナ構造。
【請求項5】
前記第2のアンテナは、衛星ナビゲーションシステム帯域で動作するように構成されることを特徴とする請求項4記載の電子デバイスアンテナ構造。
【請求項6】
前記第1の面は平坦な面であり、前記第2の面は湾曲面であり、且つ、前記アンテナ共振素子基板は、前記第1の面及び前記第2の面に接着剤によって装着された可撓性のポリマーシートを備えることを特徴とする請求項1記載の電子デバイスアンテナ構造。
【請求項7】
前記第1の面及び前記第2の面は、ある軸線に沿って隣接し、且つ、前記アンテナ共振素子基板は前記軸線に沿って折り曲げられることを特徴とする請求項1記載の電子デバイスアンテナ構造。
【請求項8】
前記軸線は、前記アンテナ共振素子基板の長手方向に沿って伸び、
前記アンテナ共振素子基板は、第1の端部及び長手方向に前記第1の端部の反対側にある第2の端部を有し、前記第1のアンテナ共振素子は前記第1の端部に配置され、且つ前記第2のアンテナ共振素子は前記第2の端部に配置されることを特徴とする請求項7記載の電子デバイスアンテナ構造。
【請求項9】
第1の面及び前記第1の面とは反対側の第2の面を有する誘電体キャリアと、
前記第1の面及び前記第2の面のうち少なくとも一部を覆う可撓性アンテナ共振素子基板と、
アンテナ接地点を形成する導電性筐体と、
前記可撓性アンテナ共振素子基板上にあり且つ前記アンテナ接地点と共に第1のアンテナを形成する第1のアンテナ共振素子と、
前記可撓性アンテナ共振素子基板上にあり且つ前記アンテナ接地点と共に第2のアンテナを形成する第2のアンテナ共振素子と、
を備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項10】
前記導電性筐体にある誘電体窓を更に備え、前記キャリアは前記誘電体窓に隣接して装着されることを特徴とする請求項9記載の電子デバイス。
【請求項11】
カバーガラス層を有するディスプレイを更に備え、前記キャリアは前記カバーガラス層に隣接して装着されることを特徴とする請求項10記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記第1の面は平坦な面であり、前記誘電体キャリアは、前記平坦な面が前記カバーガラス層に当接するように装着されることを特徴とする請求項11記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記ディスプレイは、周囲の非アクティブ領域により取り囲まれたアクティブ領域を有し、前記周囲の非アクティブ領域にある前記カバーガラス層の内面は不透明マスク層によって覆われ、且つ前記平坦な面は前記不透明マスク層により覆われることを特徴とする請求項12記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記誘電体窓は湾曲形状を有し、前記第2の面は、前記誘電体窓の前記湾曲形状に適合するように湾曲していることを特徴とする請求項13記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記可撓性アンテナ共振素子基板に前記第1のアンテナ共振素子に隣接して配置された無給電アンテナ共振素子を更に備え、前記無給電アンテナ共振素子は前記第1のアンテナの一部を形成することを特徴とする請求項9記載の電子デバイス。
【請求項16】
ディスプレイカバーガラス層及び誘電体窓を更に備え、前記ディスプレイカバーガラス層及び前記誘電体窓を介して前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナにより無線周波数信号が受信されるように、前記誘電体キャリアは前記ディスプレイカバーガラス層と前記誘電体窓との間に挿入されることを特徴とする請求項15記載の電子デバイス。
【請求項17】
誘電体キャリアと、
前記誘電体キャリアに巻き付けられ、且つ、第1のアンテナを形成する第1のアンテナ共振素子及び第2のアンテナを形成する第2のアンテナ共振素子を有する可撓性アンテナ共振素子基板と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項18】
前記誘電体キャリアは、ある軸線に沿って隣接する第1の面及び第2の面を有し、前記可撓性アンテナ共振素子基板は、前記軸線に沿って前記誘電体キャリアを覆うように折り曲げられ、且つ前記可撓性アンテナ共振素子基板は前記第1の面及び前記第2の面を覆うことを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記可撓性アンテナ共振素子基板上にあり且つ前記第1のアンテナの一部を形成する無給電アンテナ共振素子を更に備えることを特徴とする請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記第1のアンテナは、少なくとも2つの携帯電話通信帯域で動作するように構成され且つ前記第2のアンテナは、衛星ナビゲーションシステム帯域で動作するように構成されることを特徴とする請求項19記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−182791(P2012−182791A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−36742(P2012−36742)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】