平面表示パネルの表示領域検出装置、表示領域検出方法、表示領域検出用プログラムおよび記録媒体
【課題】 表示領域の端部近傍に線欠陥が生じている平面表示パネルであっても、表示領域の端部の位置を誤って検出してしまうことを防止する。
【解決手段】 表示領域検出装置は、予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定部と、各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得部と、撮像画像取得部によって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、表示領域の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定部と、端部位置座標推定部によって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、表示領域の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定部とを含む。
【解決手段】 表示領域検出装置は、予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定部と、各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得部と、撮像画像取得部によって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、表示領域の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定部と、端部位置座標推定部によって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、表示領域の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定部とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絵素を構成する複数色の画素がマトリクス状に配列された液晶パネルなどの平面表示パネルにおける表示領域を検出する表示領域検出装置、表示領域検出方法、表示領域検出用プログラムおよび該表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
絵素を構成する三原色すなわちR(赤)・G(緑)・B(青)の画素がマトリクス状に配列された液晶パネルなどの平面表示パネルを搭載するフラットパネルディスプレイ(
Flat Panel Display)の製造工程では、組み立てられた平面表示パネルに、点欠陥および線欠陥などの欠陥が存在していないかを自動的に検査する工程が含まれている。
【0003】
この検査工程では、機械的な手段または作業員の手動によって検査台上に載置された検査対象の平面表示パネルに対して、検査用の表示パターンを表示させ、検査台に対向して配設されたCCD(Charge Coupled Device)カメラなどの撮像装置を用いて、該平面表示パネルの表示画面を撮像し、取得された撮像画像の画像データに基づいて、欠陥の有無の検査が行われている。そして、欠陥が検出された場合には、その欠陥の状態を確認したり、その欠陥を修復したりする工程へと移行する。
【0004】
ところで、このような欠陥の確認工程または修復工程を自動的に実行するためには、確認または修復すべき欠陥の位置の座標を、撮像画像の画像データに基づいて算出しておく必要がある。そして、撮像画像における欠陥の位置の座標を算出するためには、撮像画像から平面表示パネルにおける特徴的な部分の位置を検出し、検出された特徴部分の位置を、欠陥の位置の座標を算出するための基準として設定する必要がある。
【0005】
このような平面表示パネルにおける特徴的な部分としては、絵素が配列されている領域の端部、すなわち画像を表示可能な矩形状の表示領域の端部が、しばしば用いられる。これは、表示領域の端部が、そこを境にして絵素が途切れるという比較的検出容易な特徴を有するためである。また、平面表示パネルの表示領域の端部の位置を検出することは、撮像画像において平面表示パネルの表示領域を正確に把握するためにも必要となってくる。
【0006】
平面表示パネルの表示領域の端部の位置を検出する従来技術としては、たとえば特許文献1に提案されている。特許文献1に記載の方法によれば、先ず、緑色の画素を全て点灯させる緑色単色点灯パターンを表示させたときの平面表示パネルの表示画面が、CCDカメラなどの撮像装置によって撮像される。そして、撮像画像の画像データに基づいて、三原色の各画素が周期的に配列される第1の配列方向における輝度プロファイルを作成する。そして、その輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置を、第1の配列方向の最も外側に位置する緑色の画素列の位置であると判定する。このようにして判定された緑色の画素の位置に基づいて、平面表示パネルの表示領域における第1の配列方向の一方側の端部の位置を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−226083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の方法では、検査対象の平面表示パネルにおいて、第1の配列方向の一方側の端部近傍に、該端部に平行な線欠陥が生じている場合には、表示領域の端部の位置を誤って検出してしまうおそれがあるという問題がある。
【0009】
たとえば、三原色R・G・Bの各画素が前記第1の配列方向に沿って、この順で周期的に繰り返し配列された平面表示パネルに対して、特許文献1のように、緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面の撮像画像に基づいて、平面表示パネルの表示領域における第1の配列方向の一方側の端部の位置を検出する場合を考える。
【0010】
この場合、平面表示パネルにおいて第1の配列方向の一方側の端部近傍に線欠陥が生じていなければ、特許文献1のように、輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置を、第1の配列方向の最も外側に位置する緑色の画素列の位置であると判定することにより、平面表示パネルの表示領域における第1の配列方向の一方側の端部の位置を、正確に検出することができる。
【0011】
しかしながら、第1の配列方向の最も外側に位置する緑色の画素列に、常時不点灯の線欠陥(以下、「黒線欠陥」と称する)が生じていれば、輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置は、第1の配列方向の外側から2番目に位置する緑色の画素列の位置を示すことになってしまう。すなわち、この場合には、表示領域の端部の位置として、表示領域の実際の端部の位置から3画素分内側にずれた位置が検出されてしまうこととなり、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。すなわち、表示パターンに従えば第1の配列方向の一方側の端部に最も近接して点灯する画素列に、黒線欠陥が生じていると、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。
【0012】
また、第1の配列方向の最も外側に位置する赤色の画素列に、常時点灯の線欠陥(以下、「輝線欠陥」と称する)が生じていれば、輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置は、当然に、第1の配列方向の最も外側に位置する赤色の画素列の位置を示すことになってしまう。すなわち、この場合には、表示領域の端部の位置として、実際の端部の位置から1画素分外側にずれた位置が検出されてしまうこととなり、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。すなわち、表示パターンに従えば第1の配列方向の一方側の端部に最も近接して点灯する画素列に対して、その画素列よりも該端部に近接した画素列に輝線欠陥が生じていると、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。
【0013】
このような端部の位置の誤検出は、特許文献1に記載の方法において、検査対象の平面表示パネルに対し、緑色単色点灯パターンを表示させた場合に限らず、赤色単色点灯パターンを表示させた場合、および青色単色点灯パターンを表示させた場合においても、同様に起こり得る。
【0014】
本発明の目的は、表示領域の端部近傍に線欠陥が生じている平面表示パネルであっても、表示領域の端部の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる表示領域検出装置、表示領域検出方法、表示領域検出用プログラムおよび該表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出装置であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定部と、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得部と、
撮像画像取得部によって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定部と、
端部位置座標推定部によって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定部とを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出装置である。
【0016】
また本発明は、前記端部位置座標推定部は、
前記撮像画像取得部によって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出部と、
前記端点灯画素座標算出部によって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定部とを含むことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の画素を少なくとも点灯させる表示パターンであることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて2番目〜k(ただし、kは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させない表示パターンであり、
前記第2の表示パターンは、前記一方側の端から数えてn(ただし、nは2≦n≦kを満たす整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該n番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない表示パターンであることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記第1および第2の表示パターンはそれぞれ、前記第1の配列方向に沿ってk−1列分の画素列を空けて周期的に画素列を点灯させる表示パターンであることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、前記第1の表示パターンは、画素を全て点灯させる表示パターンであることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出方法であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定ステップと、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得ステップと、
撮像画像取得ステップによって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定ステップと、
端部位置座標推定ステップによって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定ステップとを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出方法である。
【0024】
また本発明は、前記端部位置座標推定ステップは、
前記撮像画像取得ステップによって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出ステップと、
前記端点灯画素座標算出ステップによって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定ステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0026】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0027】
また本発明は、前記平面表示パネルの表示領域検出方法をコンピュータに実行させるための表示領域検出用プログラムである。
【0028】
また本発明は、前記表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、表示領域の端部近傍に線欠陥が生じている平面表示パネルであっても、表示領域の端部の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る検出装置100の概略的な構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態における検査対象の液晶パネルLを示す平面図であり、図2(a)は液晶パネルL全体を示す平面図であり、図2(b)は液晶パネルLの角部を拡大して示す平面図である。
【図3】制御装置41の構成を示すブロック図である。
【図4】制御装置41による表示領域検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図6】図5に示す表示画面の画像データに基づいて作成された、端辺C1付近の輝度を短辺方向Yに積算して得られた長辺方向Xの平均輝度プロファイルFxを示すグラフである。
【図7】正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図8】端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図9】端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図10】端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図11】端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図12】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図13】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図14】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図15】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図16】図6に示す平均輝度プロファイルFxを2次微分して得られた2次微分プロファイルDxを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る検出装置100の概略的な構成を示す模式図である。表示領域検出装置である検出装置100は、バックライト10と、検査台20と、CCDカメラ30と、コンピュータ40とを含んで構成される。
【0032】
検出装置100は、平面表示パネルである液晶パネルLにおいて、画像を表示可能な表示領域を検出するように構成されており、たとえば、液晶パネルLの表示領域における点欠陥および線欠陥などの欠陥の有無を検査するための欠陥検査装置の一部として構成される。
【0033】
バックライト10は、光を出射可能な光源を備え、本実施形態では、上方に向かって平面的に光を出射する面光源として構成されている。検査台20は、検査対象の液晶パネルLが載置される平坦な載置面Sを有する。検査台20は、本実施形態では、載置面Sが水平または略水平となるように、バックライト10上に取り付けられている。したがって、バックライト10を駆動することによって、検査台20に載置された液晶パネルLに対して、下方から光を照射することができる。
【0034】
撮像装置であるCCDカメラ30は、検査台20の上方に、検査台20の載置面Sに対向して配設され、検査台20に載置された液晶パネルLの表示領域を撮像可能に構成されている。また、CCDカメラ30は、撮像した画像の画像データをコンピュータ40へ出力するように構成されている。
【0035】
コンピュータ40は、検査台20に載置された液晶パネルLにおける表示領域を検出するための表示領域検出処理を実行する制御装置41を備える。制御装置41は、図示しないROM(Read Only Memory)に格納されている表示領域検出用プログラムを読み込むことによって、表示領域検出処理を実行する。
【0036】
制御装置41は、検査台20に載置された液晶パネルLの駆動を制御するとともに、CCDカメラ30から入力される画像データに基づいて所定の処理を行うことによって、表示領域検出処理を実行するように構成されている。
【0037】
検出装置100には、図示しないが、検査台20に載置された液晶パネルLとCCDカメラ30との相対的な位置関係を調節するための位置調節装置が設けられていてもよい。このような位置調節装置としては、たとえば検査台20およびバックライト10を一体的に、上下方向、左右方向および前後方向の3軸に沿って移動させる機構によって実現されてもよい。または、CCDカメラ30を、上下方向、左右方向および前後方向の3軸に沿って移動させる機構によって実現されてもよい。
【0038】
図2は、本実施形態における検査対象の液晶パネルLを示す平面図であり、図2(a)は液晶パネルL全体を示す平面図であり、図2(b)は液晶パネルLの角部を拡大して示す平面図である。
【0039】
液晶パネルLは、その厚み方向に見て矩形状に形成されており、画像を表示可能な矩形状の表示領域A1と、表示領域A1を囲繞する矩形枠状の周縁領域A2とを有する。表示領域A1には、複数の絵素Pが、液晶パネルLの長辺方向Xおよび短辺方向Yに沿って、マトリクス状に配列されている。
【0040】
表示領域A1を構成する各絵素Pは、複数色の画素によって構成され、本実施形態では、三原色R・G・Bの画素、すなわち赤色の画素SR、緑色の画素SGおよび青色の画素SBによって構成されている。
【0041】
各画素SR,SG,SBは、いずれも短冊状に形成された画素領域から成り、各画素領域は、相互に等しい大きさを有している。表示領域A1を構成する各絵素Pでは、このような三原色の画素SR,SG,SBが、液晶パネルLの一方の短辺B1から他方の短辺B2に向かう方向、すなわち長辺方向Xの一方から他方に向かう方向X1に沿って、この順に並んで配列されている。
【0042】
ここで、長辺方向Xに沿う画素の並びを「行」と称し、短辺方向Yに沿う画素の並びを「列」と称すると、各行には、液晶パネルLの短辺B1に隣接する表示領域A1の一端辺C1から方向X1に沿って、三原色の画素SR,SG,SBが周期的に繰り返し配列されている。一方、各列には、同色の画素が連続して配列されている。このように、表示領域A1には、三原色の画素SR,SG,SBが、長辺方向Xおよび短辺方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。なお、隣接する画素間には、混色を防ぐための遮光領域であるブラックマトリクスが設けられている。
【0043】
本実施形態では、各絵素Pにおいて、三原色の画素SR,SG,SBが長辺方向Xに沿って並んで配列されているが、これに限らず、短辺方向Yに沿って並んで配列されてもよい。また、各絵素Pにおける、三原色の画素SR,SG,SBの配列順についても、前記の順に限らず、他の配列順であってもよい。
【0044】
図3は、制御装置41の構成を示すブロック図である。制御装置41は、表示パターン指定部51と、液晶パネル情報格納部52と、撮像画像取得部53と、端部位置座標推定部54と、端部位置座標決定部57とを含んで構成される。
【0045】
表示パターン指定部51は、検査台20に載置された検査対象の液晶パネルLに対して、予め設定された複数種類の表示パターンをそれぞれ表示させるためのパターン指定信号を出力することにより、液晶パネルLの駆動を制御する。
【0046】
液晶パネルLは、表示パターン指定部51からパターン指定信号が入力されると、そのパターン指定信号に応答して液晶分子の向きが変化する。これにより、バックライト10によって照射される光の液晶パネルLにおける各画素を透過する量が制御されて、表示領域A1には、そのパターン指定信号に対応した表示パターンが表示される。
【0047】
ここで、予め設定された複数種類の表示パターンとは、本実施形態では、矩形の表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1の位置の座標を求めるために設定された2種類の表示パターンである。なお、この2種類の表示パターンについては、後述する。
【0048】
液晶パネル情報格納部52は、検査対象の液晶パネルLに関する情報が予め格納されている。液晶パネルLに関する情報には、表示領域A1の長辺方向Xおよび短辺方向Yの寸法情報、長辺方向Xおよび短辺方向Yにおける絵素数の情報、および、各画素の画素領域の長辺方向Xおよび短辺方向Yの寸法情報などが含まれる。
【0049】
撮像画像取得部53は、CCDカメラ30の動作を制御して、表示パターン指定部51によって指定された表示パターンが液晶パネルLの表示領域A1に表示されているときの表示画面を撮像させることにより、撮像画像の画像データを取得する。撮像画像取得部53は、取得した画像データを、所定の画像記憶領域に格納する。
【0050】
端部位置座標推定部54は、撮像画像取得部53によって取得された画像データと、その画像データの撮像時に液晶パネルLに対して指定されていた表示パターンと、液晶パネル情報格納部52に格納されている液晶パネルLに関する情報とに基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端部における所定の位置の座標を推定する。
【0051】
本実施形態では、端部位置座標推定部54は、端点灯画素座標算出部55と、端画素座標推定部56とを含んで構成される。
【0052】
端点灯画素座標算出部55は、撮像画像取得部53によって取得された画像データに基づいて、表示領域A1の長辺方向Xにおける最も外側で点灯している画素の位置の座標を算出する。
【0053】
端画素座標推定部56は、端点灯画素座標算出部55によって算出された画素の位置の座標と、液晶パネルLに対して指定されていた表示パターンと、液晶パネルLに関する情報とに基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1に隣接する画素列(以下、「端画素列」と称する)R1の位置の座標を推定する。
【0054】
すなわち、端部位置座標推定部54は、前記所定の位置として、端画素列R1の位置の座標を推定するように構成されている。
【0055】
端部位置座標決定部57は、端部位置座標推定部54によって推定された表示パターンごとの端画素列R1の位置の座標を比較して、端画素列R1の位置の座標を決定する。
【0056】
図4は、制御装置41による表示領域検出処理の処理手順を示すフローチャートである。以下、図4に示すフローチャートに従って、本実施形態に係る表示領域検出方法について説明する。
【0057】
表示領域検出処理は、検査対象の液晶パネルLが、機械的な手段または作業員の手動によって検査台20上に載置され、制御装置41によって駆動制御可能な状態にセッティングされるとともに、バックライト10が駆動されることにより開始される。
【0058】
ステップs1では、表示パターン指定部51が、予め設定された2種類の表示パターンのうちの第1の表示パターンを、液晶パネルLに表示させる。本実施形態では、第1の表示パターンとして、端画素列R1を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されており、具体的には、赤色の画素SRを全て点灯させ、緑色の画素SGおよび青色の画素SBを点灯させない赤色単色点灯パターンが予め設定されている。
【0059】
図5は、正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。図5および後述する図7〜図15において、ハッチングが付されている画素は点灯していない画素を示し、ハッチングが付されていない画素は点灯している画素を示しているものとする。なお、正常な液晶パネルとは、点欠陥ならびに、輝線欠陥および黒線欠陥などの線欠陥が全く生じていない液晶パネルのことを表すものとする。
【0060】
図5に示すように、赤色単色点灯パターンは、端画素列R1を少なくとも点灯させ、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1から数えて2番目の画素列R2および3番目の画素列R3を点灯させない表示パターンであり、詳細には、2列分の画素列を空けて端画素列R1から周期的に画素列を点灯させる表示パターンである。
【0061】
次に、ステップs2では、撮像画像取得部53が、液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンが表示されているときの表示画面をCCDカメラ30に撮像させ、撮像画像の画像データを取得する。
【0062】
次に、ステップs3では、端点灯画素座標算出部55が、ステップs2で取得された画像データに基づいて、表示領域A1の長辺方向Xにおける最も外側で点灯している画素列、換言すれば、端辺C1に対して最も近接した位置で点灯している画素列(以下、「端点灯画素列」と称する)RONの長辺方向Xにおける位置の座標x1を算出する。
【0063】
ここで、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標を算出する方法について説明する。図6は、図5に示す表示画面の画像データに基づいて作成された、端辺C1付近の輝度を短辺方向Yに積算して得られた長辺方向Xの平均輝度プロファイルFxを示すグラフである。なお、図6において、横軸は、長辺方向Xにおける位置を示し、縦軸は、輝度値を示している。
【0064】
平均輝度プロファイルFxを構成する各プロットは、長辺方向Xの各位置における輝度の平均値を表している。なお、図6に示す平均輝度プロファイルFxにおける各プロットは、輝度の平均値が所定の閾値以下である各位置については、輝度値が0であるとして示している。
【0065】
図6に示すように、平均輝度プロファイルFxでは、点灯している画素列の位置に対応して、輝度値のピークが出現する。したがって、平均輝度プロファイルFxに基づいて、所定の位置を原点としたときの各ピークにおける極大値をとる点の位置の座標を算出することにより、点灯している画素列の位置の座標を算出することができる。なお、この場合に算出される各画素列の位置の座標は、画素領域の中心位置の座標に対応している。
【0066】
そして、算出された点灯画素列の位置の座標のうち、端辺C1側から数えて1番目のピークに対応する座標を、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標x1として算出することができる。
【0067】
次に、ステップs4では、端画素座標推定部56が、ステップs3で算出された端点灯画素列RONの位置の座標x1と、ステップs1で指定された第1の表示パターンと、液晶パネルLに関する情報とに基づいて、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x1´を推定する。
【0068】
正常な液晶パネルLに対して第1の表示パターンを表示させた場合には、端画素列R1と端点灯画素列RONとの距離Lは、その2つの画素列R1,RON同士が何画素分離れているかを表す画素数αと、液晶パネルLにおいて長辺方向Xに隣接する2つの画素の中心間距離fとに基づいて、U=α×fとして算出することができる。したがって、ステップs3で取得された端点灯画素列RONの位置の座標x1から距離Uだけ差し引いた座標x1−Uを、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x1´として推定することができる。
【0069】
本実施形態のように、第1の表示パターンとして、端画素列R1を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されている場合には、α=0であるので、U=0として算出することができる。したがって、ステップs3で取得された端点灯画素列RONの位置の座標x1を、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x1´として推定することができる。
【0070】
次に、ステップs5では、表示パターン指定部51が、予め設定された2種類の表示パターンのうちの第2の表示パターンを、液晶パネルLに表示させる。本実施形態では、第2の表示パターンとして、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されており、具体的には、緑色の画素SGを全て点灯させ、赤色の画素SRおよび青色の画素SBを点灯させない緑色単色点灯パターンが予め設定されている。
【0071】
図7は、正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。図7に示すように、緑色単色点灯パターンは、2番目の画素列R2を少なくとも点灯させ、端画素列R1を点灯させない表示パターンであり、詳細には、2列分の画素列を空けて、2番目の画素列R2から周期的に画素列を点灯させる表示パターンである。
【0072】
次に、ステップs6では、撮像画像取得部53が、液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンが表示されているときの表示画面をCCDカメラ30に撮像させ、撮像画像の画像データを取得する。なお、ステップs6では、ステップs2において撮像が行われた位置と同じ位置から液晶パネルLの撮像が行われているものとする。
【0073】
次に、ステップs7では、端点灯画素座標算出部55が、ステップs6で取得された画像データに基づいて、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標x2を、ステップs3に示す方法と同様の方法によって算出する。
【0074】
次に、ステップs8では、端画素座標推定部56が、ステップs7で算出された端点灯画素列RONの位置の座標x2と、ステップs5で指定された第2の表示パターンと、液晶パネルLに関する情報とに基づいて、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x2´を、ステップs4に示す方法と同様の方法によって推定する。
【0075】
なお、本実施形態のように、第2の表示パターンとして、端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されている場合には、α=1であるので、U=fとして算出することができる。したがって、ステップs7で取得された端点灯画素列RONの位置の座標x2から距離fだけ差し引いた座標x2−fを、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x2´として推定することができる。
【0076】
次に、ステップs9では、端部位置座標決定部57が、ステップs4において第1の表示パターンに基づいて推定された端画素列R1の位置の座標x1´と、ステップs8において第2の表示パターンに基づいて推定された端画素列R1の位置の座標x2´とを比較することにより、端画素列R1の位置の座標xを決定する。
【0077】
図5に示すように、正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、図7に示すように、正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0078】
したがって、検査対象の液晶パネルLが正常であれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0079】
図8は、端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0080】
図9は、端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0081】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に輝線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´+f)として決定することができる。
【0082】
図10は、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて4番目の画素列R4に一致する。
【0083】
図11は、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0084】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に黒線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´−3f(=x2´)として決定することができる。
【0085】
図12は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0086】
図13は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0087】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0088】
図14は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0089】
図15は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて5番目の画素列R5に一致する。
【0090】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=−3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´−3f)として決定することができる。
【0091】
図示しないが、端辺C1から数えて3番目以降の画素列に輝線欠陥または黒線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0092】
すなわち、端部位置座標決定部57は、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´との差分を算出することにより、前記のような関係に基づいて、端画素列R1の位置の座標xを決定することができる。
【0093】
本実施形態では、決定された端画素列R1の位置の座標xは、端画素列R1の画素領域の中心位置の座標に対応している。したがって、決定された座標xと、液晶パネル情報格納部52に格納されている画素領域の長辺方向Xの寸法情報とに基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1の位置の座標を算出することができる。
【0094】
また、このように一方側の端辺C1の位置の座標を算出することにより、液晶パネル情報格納部52に格納されている表示領域A1の長辺方向Xの寸法情報に基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの他方側の端辺の位置の座標を算出することができる。
【0095】
以上の説明では、表示領域A1における長辺方向Xの各端辺の位置の座標を算出しているが、表示領域A1における短辺方向Yの各端辺の位置の座標についても、上記と同様の手法により算出することができる。これにより、検査対象の液晶パネルLの表示領域A1を検出することができる。表示領域A1が検出されると、表示領域検出処理を終了する。
【0096】
以上のように、本実施形態によれば、赤色単色点灯パターンおよび緑色単色点灯パターンの2種類の表示パターンを用いることによって、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1の位置の座標が算出される。したがって、検査対象の液晶パネルLにおいて、表示領域A1の端辺C1近傍に輝線欠陥および黒線欠陥などの線欠陥が生じていたとしても、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる。これに対して、緑色単色点灯パターンのみを用いる特許文献1に記載の従来技術であれば、検査対象の液晶パネルLにおいて、端画素列R1に輝線欠陥が生じている場合および端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている場合に、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことになる。
【0097】
また、本実施形態によれば、誤検出を防止するだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができる。さらには、端画素列R1に輝線欠陥または黒線欠陥が生じていることを検出することができる。
【0098】
なお、上記の実施形態では、端画素列R1を少なくとも点灯させる第1の表示パターンとして、赤色単色点灯パターンが予め設定されている場合を例に挙げたが、これに限定されることない。たとえば、第1の表示パターンとして、端辺C1から数えて奇数番目の画素列の画素を全て点灯させる奇数列点灯パターンが予め設定されていてもよい。
【0099】
同様に、端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる第2の表示パターンとして、緑色単色点灯パターンが予め設定されている場合を例に挙げたが、これに限定されることない。たとえば、たとえば、第2の表示パターンとして、表示領域A1に含まれる画素のうち端辺C1から数えて1番目の画素列の画素を除く残余の画素を全て点灯させる点灯パターンが予め設定されていてもよい。また、第1の表示パターンとして前述の奇数列点灯パターンが設定されている場合には、端辺C1から数えて偶数番目の画素列の画素を全て点灯させる偶数列点灯パターンを設定するのが好ましい。また、第1の表示パターンとして上記の実施形態のように赤色単色点灯パターンが設定されている場合には、青色の画素SBを全て点灯させ、赤色の画素SRおよび緑色の画素SGを点灯させない青色単色点灯パターンが設定されていてもよい。
【0100】
また、上記の実施形態では、複数種類の表示パターンとして、赤色単色点灯パターンおよび緑色単色点灯パターンの2種類の表示パターンが予め設定されている場合を例に挙げた。この場合には、端画素列R1および2番目の画素列R2の両方に線欠陥が生じている場合を除いて、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる。
【0101】
端画素列R1および2番目の画素列R2の両方に線欠陥が生じている場合も含めて表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを確実に防止するためには、複数種類の表示パターンとして、赤色単色点灯パターンおよび緑色単色点灯パターンの2種類の表示パターンに、青色の画素SBを全て点灯させる青色単色点灯パターンを加えた3種類の表示パターンを予め設定すればよい。
【0102】
このように、予め設定する表示パターンの種類数を増加させることにより、端辺C1から連続して線欠陥が生じている場合にも対応することができる。しかしながら、予め設定する表示パターンの種類数を増加させると、液晶パネルL1枚あたりの検査に要するタクトタイムが長くなるという欠点がある。これに対して、一般的に端辺C1から連続して線欠陥が発生する確率は、連続する列の数が多くなるほど低下する。したがって、予め設定する表示パターンの種類数は、タクトタイムと検出精度とのバランスを斟酌した上で、適宜に決定するのが好ましい。
【0103】
また、上記の実施形態では、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標を、平均輝度プロファイルFxに基づいて算出しているが、これに限らず、たとえば、平均輝度プロファイルFxの2次微分値に基づいて算出することもできる。
【0104】
図16は、図6に示す平均輝度プロファイルFxを2次微分して得られた2次微分プロファイルDxを示すグラフである。図16において、横軸は、長辺方向Xにおける位置を示し、縦軸は、2次微分値を示している。
【0105】
上記の実施形態のように、平均輝度プロファイルFxを用いた場合には、点灯している画素列における画素領域の中心位置に対応してピークが出現するのに対し、図16に示すような2次微分プロファイルDxを用いた場合には、点灯している画素列における画素領域のエッジの位置に対応してピークが出現する。したがって、この場合には、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標として、端点灯画素列RONの端辺C1側のエッジの位置の座標を算出することができる。
【0106】
また、上記の実施形態では、端画素列R1を少なくとも点灯させる表示パターンが第1の表示パターンに設定され、端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる表示パターンが第2の表示パターンに設定されているが、これに限られることはない。
【0107】
つまり、一般化して記載すれば、端辺C1から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列RMの画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列RMよりも端辺C1に近接する画素列R1〜RM−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば緑色単色点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、端辺C1から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列RNの画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列RNよりも端辺C1に近接する画素列R1〜RN−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば青色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定することによっても、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるという効果を達成することができる。
【0108】
ここで、前記の例のように、緑色単色点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、青色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合について説明する。
【0109】
正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、正常な液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0110】
したがって、検査対象の液晶パネルLが正常であれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0111】
端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0112】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´+f(=x2´+2f)として決定することができる。
【0113】
端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0114】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0115】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0116】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´+f)として決定することができる。
【0117】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて5番目の画素列R5に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0118】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´−3f(=x2´)として決定することができる。
【0119】
端辺C1から数えて3番目の画素列R3に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0120】
したがって、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0121】
端辺C1から数えて3番目の画素列R3に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて6番目の画素列R6に一致する。
【0122】
したがって、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=−3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´+3f)として決定することができる。
【0123】
このように、緑色単色点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、青色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とが、x1´−x2´=0,3f,−3fのいずれかの関係を満たせば、端画素列R1の位置の座標xを決定することができる。
【0124】
しかしながら、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とが、x1´−x2´=fという関係を満たすときには、端画素列R1に輝線欠陥が生じているのか、または端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じているのかを判断することができない。したがって、x1´−x2´=fという関係を満たすときには、端画素列R1の位置の座標xを決定できない旨の出力を行えばよい。これにより、端画素列R1の位置を正確に検出できない場合が存在するものの、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することはできる。
【0125】
このことからも明らかなように、上記の実施形態のように、2種類の表示パターンを設定する場合には、端画素列R1を少なくとも点灯させ、端辺C1から数えて2番目〜k(ただし、kは2以上の整数)番目の画素列を少なくとも点灯させない表示パターンを第1の表示パターンに設定し、端辺C1から数えてn(ただし、nは2≦n≦kを満たす整数)番目の画素列Rnを少なくとも点灯させ、n番目の画素列Rnよりも端辺C1に近接する画素列R1〜Rn−1を点灯させない表示パターンを第2の表示パターンに設定するのが好ましい。
【0126】
具体的には、第1の表示パターンとして赤色単色点灯パターンが設定されている場合には、第2の表示パターンとして緑色単色点灯パターンまたは青色単色点灯パターンを設定するのが好ましい。また、第1の表示パターンとして奇数列点灯パターンが設定されている場合には、第2の表示パターンとして偶数列点灯パターンを設定するのが好ましい。
【0127】
このような表示パターンに設定しておくことにより、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができ、さらに、端画素列R1に輝線欠陥または黒線欠陥が生じていることを検出することができる。
【0128】
また、複数種類の表示パターンとしては、端辺C1から数えて1番目の画素列R1およびM(ただし、Mは2以上の正の整数)番目の画素列RMの画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列R1とM番目の画素列RMとの間の画素列R2〜RM−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば表示領域A1に含まれる全ての画素を点灯させる全点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、端辺C1から数えて1番目の画素列R1およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列RNの画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列R1とN番目の画素列RNとの間の画素列R2〜RN−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば赤色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定することによっても、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるとともに、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができるという効果を達成することができる。
【0129】
ここで、前記の例のように、全点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、赤色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合について説明する。
【0130】
正常な液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて1番目の画素列R1に一致する。また、正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて1番目の画素列R1に一致する。
【0131】
したがって、検査対象の液晶パネルLが正常であれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0132】
端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0133】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0134】
端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて4番目の画素列R4に一致する。
【0135】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=−2fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´−f(=x2´-3f)として決定することができる。
【0136】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0137】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0138】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0139】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0140】
このように、全点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、赤色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´との差分x1´−x2´の値に基づいて、端画素列R1の位置の座標xを決定することができる。
【0141】
すなわち、このような表示パターンに設定しておくことにより、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができる。
【0142】
また、このように表示パターンの1つとして全点灯パターンを使用することにより、非常に簡単な場合分けを考慮するだけで、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができる。
【0143】
コンピュータ40の制御装置41に含まれる各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0144】
すなわち、コンピュータ40の制御装置41は、各機能を実現する表示領域検出用プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである表示領域検出用プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体をコンピュータ40に供給し、コンピュータ40がその記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても達成可能である。
【0145】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0146】
また、コンピュータ40を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介してコンピュータ40に供給するようにしてもよい。この通信ネットワークとしては、とくに限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、とくに限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【符号の説明】
【0147】
10 バックライト
20 検査台
30 CCDカメラ
40 コンピュータ
41 制御装置
51 表示パターン指定部
52 液晶パネル情報格納部
53 撮像画像取得部
54 端部位置座標推定部
55 端点灯画素座標算出部
56 端画素座標推定部
57 端部位置座標決定部
100 検査装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、絵素を構成する複数色の画素がマトリクス状に配列された液晶パネルなどの平面表示パネルにおける表示領域を検出する表示領域検出装置、表示領域検出方法、表示領域検出用プログラムおよび該表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
絵素を構成する三原色すなわちR(赤)・G(緑)・B(青)の画素がマトリクス状に配列された液晶パネルなどの平面表示パネルを搭載するフラットパネルディスプレイ(
Flat Panel Display)の製造工程では、組み立てられた平面表示パネルに、点欠陥および線欠陥などの欠陥が存在していないかを自動的に検査する工程が含まれている。
【0003】
この検査工程では、機械的な手段または作業員の手動によって検査台上に載置された検査対象の平面表示パネルに対して、検査用の表示パターンを表示させ、検査台に対向して配設されたCCD(Charge Coupled Device)カメラなどの撮像装置を用いて、該平面表示パネルの表示画面を撮像し、取得された撮像画像の画像データに基づいて、欠陥の有無の検査が行われている。そして、欠陥が検出された場合には、その欠陥の状態を確認したり、その欠陥を修復したりする工程へと移行する。
【0004】
ところで、このような欠陥の確認工程または修復工程を自動的に実行するためには、確認または修復すべき欠陥の位置の座標を、撮像画像の画像データに基づいて算出しておく必要がある。そして、撮像画像における欠陥の位置の座標を算出するためには、撮像画像から平面表示パネルにおける特徴的な部分の位置を検出し、検出された特徴部分の位置を、欠陥の位置の座標を算出するための基準として設定する必要がある。
【0005】
このような平面表示パネルにおける特徴的な部分としては、絵素が配列されている領域の端部、すなわち画像を表示可能な矩形状の表示領域の端部が、しばしば用いられる。これは、表示領域の端部が、そこを境にして絵素が途切れるという比較的検出容易な特徴を有するためである。また、平面表示パネルの表示領域の端部の位置を検出することは、撮像画像において平面表示パネルの表示領域を正確に把握するためにも必要となってくる。
【0006】
平面表示パネルの表示領域の端部の位置を検出する従来技術としては、たとえば特許文献1に提案されている。特許文献1に記載の方法によれば、先ず、緑色の画素を全て点灯させる緑色単色点灯パターンを表示させたときの平面表示パネルの表示画面が、CCDカメラなどの撮像装置によって撮像される。そして、撮像画像の画像データに基づいて、三原色の各画素が周期的に配列される第1の配列方向における輝度プロファイルを作成する。そして、その輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置を、第1の配列方向の最も外側に位置する緑色の画素列の位置であると判定する。このようにして判定された緑色の画素の位置に基づいて、平面表示パネルの表示領域における第1の配列方向の一方側の端部の位置を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−226083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の方法では、検査対象の平面表示パネルにおいて、第1の配列方向の一方側の端部近傍に、該端部に平行な線欠陥が生じている場合には、表示領域の端部の位置を誤って検出してしまうおそれがあるという問題がある。
【0009】
たとえば、三原色R・G・Bの各画素が前記第1の配列方向に沿って、この順で周期的に繰り返し配列された平面表示パネルに対して、特許文献1のように、緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面の撮像画像に基づいて、平面表示パネルの表示領域における第1の配列方向の一方側の端部の位置を検出する場合を考える。
【0010】
この場合、平面表示パネルにおいて第1の配列方向の一方側の端部近傍に線欠陥が生じていなければ、特許文献1のように、輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置を、第1の配列方向の最も外側に位置する緑色の画素列の位置であると判定することにより、平面表示パネルの表示領域における第1の配列方向の一方側の端部の位置を、正確に検出することができる。
【0011】
しかしながら、第1の配列方向の最も外側に位置する緑色の画素列に、常時不点灯の線欠陥(以下、「黒線欠陥」と称する)が生じていれば、輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置は、第1の配列方向の外側から2番目に位置する緑色の画素列の位置を示すことになってしまう。すなわち、この場合には、表示領域の端部の位置として、表示領域の実際の端部の位置から3画素分内側にずれた位置が検出されてしまうこととなり、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。すなわち、表示パターンに従えば第1の配列方向の一方側の端部に最も近接して点灯する画素列に、黒線欠陥が生じていると、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。
【0012】
また、第1の配列方向の最も外側に位置する赤色の画素列に、常時点灯の線欠陥(以下、「輝線欠陥」と称する)が生じていれば、輝度プロファイルにおける最も外側に位置するピークの極大点の位置は、当然に、第1の配列方向の最も外側に位置する赤色の画素列の位置を示すことになってしまう。すなわち、この場合には、表示領域の端部の位置として、実際の端部の位置から1画素分外側にずれた位置が検出されてしまうこととなり、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。すなわち、表示パターンに従えば第1の配列方向の一方側の端部に最も近接して点灯する画素列に対して、その画素列よりも該端部に近接した画素列に輝線欠陥が生じていると、第1の配列方向の端部の位置を誤って検出してしまうことになる。
【0013】
このような端部の位置の誤検出は、特許文献1に記載の方法において、検査対象の平面表示パネルに対し、緑色単色点灯パターンを表示させた場合に限らず、赤色単色点灯パターンを表示させた場合、および青色単色点灯パターンを表示させた場合においても、同様に起こり得る。
【0014】
本発明の目的は、表示領域の端部近傍に線欠陥が生じている平面表示パネルであっても、表示領域の端部の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる表示領域検出装置、表示領域検出方法、表示領域検出用プログラムおよび該表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出装置であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定部と、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得部と、
撮像画像取得部によって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定部と、
端部位置座標推定部によって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定部とを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出装置である。
【0016】
また本発明は、前記端部位置座標推定部は、
前記撮像画像取得部によって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出部と、
前記端点灯画素座標算出部によって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定部とを含むことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の画素を少なくとも点灯させる表示パターンであることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて2番目〜k(ただし、kは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させない表示パターンであり、
前記第2の表示パターンは、前記一方側の端から数えてn(ただし、nは2≦n≦kを満たす整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該n番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない表示パターンであることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記第1および第2の表示パターンはそれぞれ、前記第1の配列方向に沿ってk−1列分の画素列を空けて周期的に画素列を点灯させる表示パターンであることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0022】
また本発明は、前記第1の表示パターンは、画素を全て点灯させる表示パターンであることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出方法であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定ステップと、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得ステップと、
撮像画像取得ステップによって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定ステップと、
端部位置座標推定ステップによって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定ステップとを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出方法である。
【0024】
また本発明は、前記端部位置座標推定ステップは、
前記撮像画像取得ステップによって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出ステップと、
前記端点灯画素座標算出ステップによって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定ステップとを含むことを特徴とする。
【0025】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0026】
また本発明は、前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする。
【0027】
また本発明は、前記平面表示パネルの表示領域検出方法をコンピュータに実行させるための表示領域検出用プログラムである。
【0028】
また本発明は、前記表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、表示領域の端部近傍に線欠陥が生じている平面表示パネルであっても、表示領域の端部の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る検出装置100の概略的な構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態における検査対象の液晶パネルLを示す平面図であり、図2(a)は液晶パネルL全体を示す平面図であり、図2(b)は液晶パネルLの角部を拡大して示す平面図である。
【図3】制御装置41の構成を示すブロック図である。
【図4】制御装置41による表示領域検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図6】図5に示す表示画面の画像データに基づいて作成された、端辺C1付近の輝度を短辺方向Yに積算して得られた長辺方向Xの平均輝度プロファイルFxを示すグラフである。
【図7】正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図8】端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図9】端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図10】端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図11】端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図12】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図13】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図14】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図15】端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。
【図16】図6に示す平均輝度プロファイルFxを2次微分して得られた2次微分プロファイルDxを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る検出装置100の概略的な構成を示す模式図である。表示領域検出装置である検出装置100は、バックライト10と、検査台20と、CCDカメラ30と、コンピュータ40とを含んで構成される。
【0032】
検出装置100は、平面表示パネルである液晶パネルLにおいて、画像を表示可能な表示領域を検出するように構成されており、たとえば、液晶パネルLの表示領域における点欠陥および線欠陥などの欠陥の有無を検査するための欠陥検査装置の一部として構成される。
【0033】
バックライト10は、光を出射可能な光源を備え、本実施形態では、上方に向かって平面的に光を出射する面光源として構成されている。検査台20は、検査対象の液晶パネルLが載置される平坦な載置面Sを有する。検査台20は、本実施形態では、載置面Sが水平または略水平となるように、バックライト10上に取り付けられている。したがって、バックライト10を駆動することによって、検査台20に載置された液晶パネルLに対して、下方から光を照射することができる。
【0034】
撮像装置であるCCDカメラ30は、検査台20の上方に、検査台20の載置面Sに対向して配設され、検査台20に載置された液晶パネルLの表示領域を撮像可能に構成されている。また、CCDカメラ30は、撮像した画像の画像データをコンピュータ40へ出力するように構成されている。
【0035】
コンピュータ40は、検査台20に載置された液晶パネルLにおける表示領域を検出するための表示領域検出処理を実行する制御装置41を備える。制御装置41は、図示しないROM(Read Only Memory)に格納されている表示領域検出用プログラムを読み込むことによって、表示領域検出処理を実行する。
【0036】
制御装置41は、検査台20に載置された液晶パネルLの駆動を制御するとともに、CCDカメラ30から入力される画像データに基づいて所定の処理を行うことによって、表示領域検出処理を実行するように構成されている。
【0037】
検出装置100には、図示しないが、検査台20に載置された液晶パネルLとCCDカメラ30との相対的な位置関係を調節するための位置調節装置が設けられていてもよい。このような位置調節装置としては、たとえば検査台20およびバックライト10を一体的に、上下方向、左右方向および前後方向の3軸に沿って移動させる機構によって実現されてもよい。または、CCDカメラ30を、上下方向、左右方向および前後方向の3軸に沿って移動させる機構によって実現されてもよい。
【0038】
図2は、本実施形態における検査対象の液晶パネルLを示す平面図であり、図2(a)は液晶パネルL全体を示す平面図であり、図2(b)は液晶パネルLの角部を拡大して示す平面図である。
【0039】
液晶パネルLは、その厚み方向に見て矩形状に形成されており、画像を表示可能な矩形状の表示領域A1と、表示領域A1を囲繞する矩形枠状の周縁領域A2とを有する。表示領域A1には、複数の絵素Pが、液晶パネルLの長辺方向Xおよび短辺方向Yに沿って、マトリクス状に配列されている。
【0040】
表示領域A1を構成する各絵素Pは、複数色の画素によって構成され、本実施形態では、三原色R・G・Bの画素、すなわち赤色の画素SR、緑色の画素SGおよび青色の画素SBによって構成されている。
【0041】
各画素SR,SG,SBは、いずれも短冊状に形成された画素領域から成り、各画素領域は、相互に等しい大きさを有している。表示領域A1を構成する各絵素Pでは、このような三原色の画素SR,SG,SBが、液晶パネルLの一方の短辺B1から他方の短辺B2に向かう方向、すなわち長辺方向Xの一方から他方に向かう方向X1に沿って、この順に並んで配列されている。
【0042】
ここで、長辺方向Xに沿う画素の並びを「行」と称し、短辺方向Yに沿う画素の並びを「列」と称すると、各行には、液晶パネルLの短辺B1に隣接する表示領域A1の一端辺C1から方向X1に沿って、三原色の画素SR,SG,SBが周期的に繰り返し配列されている。一方、各列には、同色の画素が連続して配列されている。このように、表示領域A1には、三原色の画素SR,SG,SBが、長辺方向Xおよび短辺方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。なお、隣接する画素間には、混色を防ぐための遮光領域であるブラックマトリクスが設けられている。
【0043】
本実施形態では、各絵素Pにおいて、三原色の画素SR,SG,SBが長辺方向Xに沿って並んで配列されているが、これに限らず、短辺方向Yに沿って並んで配列されてもよい。また、各絵素Pにおける、三原色の画素SR,SG,SBの配列順についても、前記の順に限らず、他の配列順であってもよい。
【0044】
図3は、制御装置41の構成を示すブロック図である。制御装置41は、表示パターン指定部51と、液晶パネル情報格納部52と、撮像画像取得部53と、端部位置座標推定部54と、端部位置座標決定部57とを含んで構成される。
【0045】
表示パターン指定部51は、検査台20に載置された検査対象の液晶パネルLに対して、予め設定された複数種類の表示パターンをそれぞれ表示させるためのパターン指定信号を出力することにより、液晶パネルLの駆動を制御する。
【0046】
液晶パネルLは、表示パターン指定部51からパターン指定信号が入力されると、そのパターン指定信号に応答して液晶分子の向きが変化する。これにより、バックライト10によって照射される光の液晶パネルLにおける各画素を透過する量が制御されて、表示領域A1には、そのパターン指定信号に対応した表示パターンが表示される。
【0047】
ここで、予め設定された複数種類の表示パターンとは、本実施形態では、矩形の表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1の位置の座標を求めるために設定された2種類の表示パターンである。なお、この2種類の表示パターンについては、後述する。
【0048】
液晶パネル情報格納部52は、検査対象の液晶パネルLに関する情報が予め格納されている。液晶パネルLに関する情報には、表示領域A1の長辺方向Xおよび短辺方向Yの寸法情報、長辺方向Xおよび短辺方向Yにおける絵素数の情報、および、各画素の画素領域の長辺方向Xおよび短辺方向Yの寸法情報などが含まれる。
【0049】
撮像画像取得部53は、CCDカメラ30の動作を制御して、表示パターン指定部51によって指定された表示パターンが液晶パネルLの表示領域A1に表示されているときの表示画面を撮像させることにより、撮像画像の画像データを取得する。撮像画像取得部53は、取得した画像データを、所定の画像記憶領域に格納する。
【0050】
端部位置座標推定部54は、撮像画像取得部53によって取得された画像データと、その画像データの撮像時に液晶パネルLに対して指定されていた表示パターンと、液晶パネル情報格納部52に格納されている液晶パネルLに関する情報とに基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端部における所定の位置の座標を推定する。
【0051】
本実施形態では、端部位置座標推定部54は、端点灯画素座標算出部55と、端画素座標推定部56とを含んで構成される。
【0052】
端点灯画素座標算出部55は、撮像画像取得部53によって取得された画像データに基づいて、表示領域A1の長辺方向Xにおける最も外側で点灯している画素の位置の座標を算出する。
【0053】
端画素座標推定部56は、端点灯画素座標算出部55によって算出された画素の位置の座標と、液晶パネルLに対して指定されていた表示パターンと、液晶パネルLに関する情報とに基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1に隣接する画素列(以下、「端画素列」と称する)R1の位置の座標を推定する。
【0054】
すなわち、端部位置座標推定部54は、前記所定の位置として、端画素列R1の位置の座標を推定するように構成されている。
【0055】
端部位置座標決定部57は、端部位置座標推定部54によって推定された表示パターンごとの端画素列R1の位置の座標を比較して、端画素列R1の位置の座標を決定する。
【0056】
図4は、制御装置41による表示領域検出処理の処理手順を示すフローチャートである。以下、図4に示すフローチャートに従って、本実施形態に係る表示領域検出方法について説明する。
【0057】
表示領域検出処理は、検査対象の液晶パネルLが、機械的な手段または作業員の手動によって検査台20上に載置され、制御装置41によって駆動制御可能な状態にセッティングされるとともに、バックライト10が駆動されることにより開始される。
【0058】
ステップs1では、表示パターン指定部51が、予め設定された2種類の表示パターンのうちの第1の表示パターンを、液晶パネルLに表示させる。本実施形態では、第1の表示パターンとして、端画素列R1を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されており、具体的には、赤色の画素SRを全て点灯させ、緑色の画素SGおよび青色の画素SBを点灯させない赤色単色点灯パターンが予め設定されている。
【0059】
図5は、正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。図5および後述する図7〜図15において、ハッチングが付されている画素は点灯していない画素を示し、ハッチングが付されていない画素は点灯している画素を示しているものとする。なお、正常な液晶パネルとは、点欠陥ならびに、輝線欠陥および黒線欠陥などの線欠陥が全く生じていない液晶パネルのことを表すものとする。
【0060】
図5に示すように、赤色単色点灯パターンは、端画素列R1を少なくとも点灯させ、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1から数えて2番目の画素列R2および3番目の画素列R3を点灯させない表示パターンであり、詳細には、2列分の画素列を空けて端画素列R1から周期的に画素列を点灯させる表示パターンである。
【0061】
次に、ステップs2では、撮像画像取得部53が、液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンが表示されているときの表示画面をCCDカメラ30に撮像させ、撮像画像の画像データを取得する。
【0062】
次に、ステップs3では、端点灯画素座標算出部55が、ステップs2で取得された画像データに基づいて、表示領域A1の長辺方向Xにおける最も外側で点灯している画素列、換言すれば、端辺C1に対して最も近接した位置で点灯している画素列(以下、「端点灯画素列」と称する)RONの長辺方向Xにおける位置の座標x1を算出する。
【0063】
ここで、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標を算出する方法について説明する。図6は、図5に示す表示画面の画像データに基づいて作成された、端辺C1付近の輝度を短辺方向Yに積算して得られた長辺方向Xの平均輝度プロファイルFxを示すグラフである。なお、図6において、横軸は、長辺方向Xにおける位置を示し、縦軸は、輝度値を示している。
【0064】
平均輝度プロファイルFxを構成する各プロットは、長辺方向Xの各位置における輝度の平均値を表している。なお、図6に示す平均輝度プロファイルFxにおける各プロットは、輝度の平均値が所定の閾値以下である各位置については、輝度値が0であるとして示している。
【0065】
図6に示すように、平均輝度プロファイルFxでは、点灯している画素列の位置に対応して、輝度値のピークが出現する。したがって、平均輝度プロファイルFxに基づいて、所定の位置を原点としたときの各ピークにおける極大値をとる点の位置の座標を算出することにより、点灯している画素列の位置の座標を算出することができる。なお、この場合に算出される各画素列の位置の座標は、画素領域の中心位置の座標に対応している。
【0066】
そして、算出された点灯画素列の位置の座標のうち、端辺C1側から数えて1番目のピークに対応する座標を、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標x1として算出することができる。
【0067】
次に、ステップs4では、端画素座標推定部56が、ステップs3で算出された端点灯画素列RONの位置の座標x1と、ステップs1で指定された第1の表示パターンと、液晶パネルLに関する情報とに基づいて、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x1´を推定する。
【0068】
正常な液晶パネルLに対して第1の表示パターンを表示させた場合には、端画素列R1と端点灯画素列RONとの距離Lは、その2つの画素列R1,RON同士が何画素分離れているかを表す画素数αと、液晶パネルLにおいて長辺方向Xに隣接する2つの画素の中心間距離fとに基づいて、U=α×fとして算出することができる。したがって、ステップs3で取得された端点灯画素列RONの位置の座標x1から距離Uだけ差し引いた座標x1−Uを、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x1´として推定することができる。
【0069】
本実施形態のように、第1の表示パターンとして、端画素列R1を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されている場合には、α=0であるので、U=0として算出することができる。したがって、ステップs3で取得された端点灯画素列RONの位置の座標x1を、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x1´として推定することができる。
【0070】
次に、ステップs5では、表示パターン指定部51が、予め設定された2種類の表示パターンのうちの第2の表示パターンを、液晶パネルLに表示させる。本実施形態では、第2の表示パターンとして、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されており、具体的には、緑色の画素SGを全て点灯させ、赤色の画素SRおよび青色の画素SBを点灯させない緑色単色点灯パターンが予め設定されている。
【0071】
図7は、正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。図7に示すように、緑色単色点灯パターンは、2番目の画素列R2を少なくとも点灯させ、端画素列R1を点灯させない表示パターンであり、詳細には、2列分の画素列を空けて、2番目の画素列R2から周期的に画素列を点灯させる表示パターンである。
【0072】
次に、ステップs6では、撮像画像取得部53が、液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンが表示されているときの表示画面をCCDカメラ30に撮像させ、撮像画像の画像データを取得する。なお、ステップs6では、ステップs2において撮像が行われた位置と同じ位置から液晶パネルLの撮像が行われているものとする。
【0073】
次に、ステップs7では、端点灯画素座標算出部55が、ステップs6で取得された画像データに基づいて、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標x2を、ステップs3に示す方法と同様の方法によって算出する。
【0074】
次に、ステップs8では、端画素座標推定部56が、ステップs7で算出された端点灯画素列RONの位置の座標x2と、ステップs5で指定された第2の表示パターンと、液晶パネルLに関する情報とに基づいて、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x2´を、ステップs4に示す方法と同様の方法によって推定する。
【0075】
なお、本実施形態のように、第2の表示パターンとして、端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる表示パターンが予め設定されている場合には、α=1であるので、U=fとして算出することができる。したがって、ステップs7で取得された端点灯画素列RONの位置の座標x2から距離fだけ差し引いた座標x2−fを、端画素列R1の長辺方向Xにおける位置の座標x2´として推定することができる。
【0076】
次に、ステップs9では、端部位置座標決定部57が、ステップs4において第1の表示パターンに基づいて推定された端画素列R1の位置の座標x1´と、ステップs8において第2の表示パターンに基づいて推定された端画素列R1の位置の座標x2´とを比較することにより、端画素列R1の位置の座標xを決定する。
【0077】
図5に示すように、正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、図7に示すように、正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0078】
したがって、検査対象の液晶パネルLが正常であれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0079】
図8は、端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0080】
図9は、端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0081】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に輝線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´+f)として決定することができる。
【0082】
図10は、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて4番目の画素列R4に一致する。
【0083】
図11は、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0084】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に黒線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´−3f(=x2´)として決定することができる。
【0085】
図12は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0086】
図13は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0087】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0088】
図14は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0089】
図15は、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させたときの表示画面における端辺C1付近を拡大して示す平面図である。この場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて5番目の画素列R5に一致する。
【0090】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=−3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´−3f)として決定することができる。
【0091】
図示しないが、端辺C1から数えて3番目以降の画素列に輝線欠陥または黒線欠陥が生じていれば、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0092】
すなわち、端部位置座標決定部57は、ステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´との差分を算出することにより、前記のような関係に基づいて、端画素列R1の位置の座標xを決定することができる。
【0093】
本実施形態では、決定された端画素列R1の位置の座標xは、端画素列R1の画素領域の中心位置の座標に対応している。したがって、決定された座標xと、液晶パネル情報格納部52に格納されている画素領域の長辺方向Xの寸法情報とに基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1の位置の座標を算出することができる。
【0094】
また、このように一方側の端辺C1の位置の座標を算出することにより、液晶パネル情報格納部52に格納されている表示領域A1の長辺方向Xの寸法情報に基づいて、表示領域A1における長辺方向Xの他方側の端辺の位置の座標を算出することができる。
【0095】
以上の説明では、表示領域A1における長辺方向Xの各端辺の位置の座標を算出しているが、表示領域A1における短辺方向Yの各端辺の位置の座標についても、上記と同様の手法により算出することができる。これにより、検査対象の液晶パネルLの表示領域A1を検出することができる。表示領域A1が検出されると、表示領域検出処理を終了する。
【0096】
以上のように、本実施形態によれば、赤色単色点灯パターンおよび緑色単色点灯パターンの2種類の表示パターンを用いることによって、表示領域A1における長辺方向Xの一方側の端辺C1の位置の座標が算出される。したがって、検査対象の液晶パネルLにおいて、表示領域A1の端辺C1近傍に輝線欠陥および黒線欠陥などの線欠陥が生じていたとしても、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる。これに対して、緑色単色点灯パターンのみを用いる特許文献1に記載の従来技術であれば、検査対象の液晶パネルLにおいて、端画素列R1に輝線欠陥が生じている場合および端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている場合に、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことになる。
【0097】
また、本実施形態によれば、誤検出を防止するだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができる。さらには、端画素列R1に輝線欠陥または黒線欠陥が生じていることを検出することができる。
【0098】
なお、上記の実施形態では、端画素列R1を少なくとも点灯させる第1の表示パターンとして、赤色単色点灯パターンが予め設定されている場合を例に挙げたが、これに限定されることない。たとえば、第1の表示パターンとして、端辺C1から数えて奇数番目の画素列の画素を全て点灯させる奇数列点灯パターンが予め設定されていてもよい。
【0099】
同様に、端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる第2の表示パターンとして、緑色単色点灯パターンが予め設定されている場合を例に挙げたが、これに限定されることない。たとえば、たとえば、第2の表示パターンとして、表示領域A1に含まれる画素のうち端辺C1から数えて1番目の画素列の画素を除く残余の画素を全て点灯させる点灯パターンが予め設定されていてもよい。また、第1の表示パターンとして前述の奇数列点灯パターンが設定されている場合には、端辺C1から数えて偶数番目の画素列の画素を全て点灯させる偶数列点灯パターンを設定するのが好ましい。また、第1の表示パターンとして上記の実施形態のように赤色単色点灯パターンが設定されている場合には、青色の画素SBを全て点灯させ、赤色の画素SRおよび緑色の画素SGを点灯させない青色単色点灯パターンが設定されていてもよい。
【0100】
また、上記の実施形態では、複数種類の表示パターンとして、赤色単色点灯パターンおよび緑色単色点灯パターンの2種類の表示パターンが予め設定されている場合を例に挙げた。この場合には、端画素列R1および2番目の画素列R2の両方に線欠陥が生じている場合を除いて、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができる。
【0101】
端画素列R1および2番目の画素列R2の両方に線欠陥が生じている場合も含めて表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを確実に防止するためには、複数種類の表示パターンとして、赤色単色点灯パターンおよび緑色単色点灯パターンの2種類の表示パターンに、青色の画素SBを全て点灯させる青色単色点灯パターンを加えた3種類の表示パターンを予め設定すればよい。
【0102】
このように、予め設定する表示パターンの種類数を増加させることにより、端辺C1から連続して線欠陥が生じている場合にも対応することができる。しかしながら、予め設定する表示パターンの種類数を増加させると、液晶パネルL1枚あたりの検査に要するタクトタイムが長くなるという欠点がある。これに対して、一般的に端辺C1から連続して線欠陥が発生する確率は、連続する列の数が多くなるほど低下する。したがって、予め設定する表示パターンの種類数は、タクトタイムと検出精度とのバランスを斟酌した上で、適宜に決定するのが好ましい。
【0103】
また、上記の実施形態では、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標を、平均輝度プロファイルFxに基づいて算出しているが、これに限らず、たとえば、平均輝度プロファイルFxの2次微分値に基づいて算出することもできる。
【0104】
図16は、図6に示す平均輝度プロファイルFxを2次微分して得られた2次微分プロファイルDxを示すグラフである。図16において、横軸は、長辺方向Xにおける位置を示し、縦軸は、2次微分値を示している。
【0105】
上記の実施形態のように、平均輝度プロファイルFxを用いた場合には、点灯している画素列における画素領域の中心位置に対応してピークが出現するのに対し、図16に示すような2次微分プロファイルDxを用いた場合には、点灯している画素列における画素領域のエッジの位置に対応してピークが出現する。したがって、この場合には、端点灯画素列RONの長辺方向Xにおける位置の座標として、端点灯画素列RONの端辺C1側のエッジの位置の座標を算出することができる。
【0106】
また、上記の実施形態では、端画素列R1を少なくとも点灯させる表示パターンが第1の表示パターンに設定され、端辺C1から数えて2番目の画素列R2を少なくとも点灯させる表示パターンが第2の表示パターンに設定されているが、これに限られることはない。
【0107】
つまり、一般化して記載すれば、端辺C1から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列RMの画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列RMよりも端辺C1に近接する画素列R1〜RM−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば緑色単色点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、端辺C1から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列RNの画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列RNよりも端辺C1に近接する画素列R1〜RN−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば青色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定することによっても、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるという効果を達成することができる。
【0108】
ここで、前記の例のように、緑色単色点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、青色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合について説明する。
【0109】
正常な液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、正常な液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0110】
したがって、検査対象の液晶パネルLが正常であれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0111】
端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0112】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´+f(=x2´+2f)として決定することができる。
【0113】
端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0114】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0115】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。
【0116】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´+f)として決定することができる。
【0117】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて5番目の画素列R5に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0118】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´−3f(=x2´)として決定することができる。
【0119】
端辺C1から数えて3番目の画素列R3に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に一致する。
【0120】
したがって、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0121】
端辺C1から数えて3番目の画素列R3に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に緑色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に青色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて6番目の画素列R6に一致する。
【0122】
したがって、端辺C1から数えて3番目の画素列R3に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=−3fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´+3f)として決定することができる。
【0123】
このように、緑色単色点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、青色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とが、x1´−x2´=0,3f,−3fのいずれかの関係を満たせば、端画素列R1の位置の座標xを決定することができる。
【0124】
しかしながら、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とが、x1´−x2´=fという関係を満たすときには、端画素列R1に輝線欠陥が生じているのか、または端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じているのかを判断することができない。したがって、x1´−x2´=fという関係を満たすときには、端画素列R1の位置の座標xを決定できない旨の出力を行えばよい。これにより、端画素列R1の位置を正確に検出できない場合が存在するものの、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することはできる。
【0125】
このことからも明らかなように、上記の実施形態のように、2種類の表示パターンを設定する場合には、端画素列R1を少なくとも点灯させ、端辺C1から数えて2番目〜k(ただし、kは2以上の整数)番目の画素列を少なくとも点灯させない表示パターンを第1の表示パターンに設定し、端辺C1から数えてn(ただし、nは2≦n≦kを満たす整数)番目の画素列Rnを少なくとも点灯させ、n番目の画素列Rnよりも端辺C1に近接する画素列R1〜Rn−1を点灯させない表示パターンを第2の表示パターンに設定するのが好ましい。
【0126】
具体的には、第1の表示パターンとして赤色単色点灯パターンが設定されている場合には、第2の表示パターンとして緑色単色点灯パターンまたは青色単色点灯パターンを設定するのが好ましい。また、第1の表示パターンとして奇数列点灯パターンが設定されている場合には、第2の表示パターンとして偶数列点灯パターンを設定するのが好ましい。
【0127】
このような表示パターンに設定しておくことにより、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができ、さらに、端画素列R1に輝線欠陥または黒線欠陥が生じていることを検出することができる。
【0128】
また、複数種類の表示パターンとしては、端辺C1から数えて1番目の画素列R1およびM(ただし、Mは2以上の正の整数)番目の画素列RMの画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列R1とM番目の画素列RMとの間の画素列R2〜RM−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば表示領域A1に含まれる全ての画素を点灯させる全点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、端辺C1から数えて1番目の画素列R1およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列RNの画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列R1とN番目の画素列RNとの間の画素列R2〜RN−1の画素を点灯させない表示パターン、たとえば赤色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定することによっても、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるとともに、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができるという効果を達成することができる。
【0129】
ここで、前記の例のように、全点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、赤色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合について説明する。
【0130】
正常な液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて1番目の画素列R1に一致する。また、正常な液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて1番目の画素列R1に一致する。
【0131】
したがって、検査対象の液晶パネルLが正常であれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0132】
端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端画素列R1に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0133】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0134】
端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に一致する。また、端画素列R1に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端辺C1から数えて4番目の画素列R4に一致する。
【0135】
したがって、検査対象の液晶パネルLの端画素列R1に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=−2fという関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´−f(=x2´-3f)として決定することができる。
【0136】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0137】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に輝線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0138】
端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に全点灯パターンを表示させた場合、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。また、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じている液晶パネルLの表示領域A1に赤色単色点灯パターンを表示させた場合も同様に、端点灯画素列RONは、端画素列R1に一致する。
【0139】
したがって、端辺C1から数えて2番目の画素列R2に黒線欠陥が生じていれば、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´とは、x1´−x2´=0という関係を満たす。そして、この場合には、端画素列R1の位置の座標xは、x=x1´(=x2´)として決定することができる。
【0140】
このように、全点灯パターンを第1の表示パターンとして予め設定し、赤色単色点灯パターンを第2の表示パターンとして予め設定した場合、図4におけるステップs4において推定される座標x1´と、ステップs8において推定される座標x2´との差分x1´−x2´の値に基づいて、端画素列R1の位置の座標xを決定することができる。
【0141】
すなわち、このような表示パターンに設定しておくことにより、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができる。
【0142】
また、このように表示パターンの1つとして全点灯パターンを使用することにより、非常に簡単な場合分けを考慮するだけで、表示領域A1の端辺C1の位置を誤って検出してしまうことを防止することができるだけでなく、表示領域A1の端辺C1の位置を正確に検出することができる。
【0143】
コンピュータ40の制御装置41に含まれる各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0144】
すなわち、コンピュータ40の制御装置41は、各機能を実現する表示領域検出用プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである表示領域検出用プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体をコンピュータ40に供給し、コンピュータ40がその記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても達成可能である。
【0145】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0146】
また、コンピュータ40を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介してコンピュータ40に供給するようにしてもよい。この通信ネットワークとしては、とくに限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、とくに限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【符号の説明】
【0147】
10 バックライト
20 検査台
30 CCDカメラ
40 コンピュータ
41 制御装置
51 表示パターン指定部
52 液晶パネル情報格納部
53 撮像画像取得部
54 端部位置座標推定部
55 端点灯画素座標算出部
56 端画素座標推定部
57 端部位置座標決定部
100 検査装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出装置であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定部と、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得部と、
撮像画像取得部によって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定部と、
端部位置座標推定部によって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定部とを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項2】
前記端部位置座標推定部は、
前記撮像画像取得部によって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出部と、
前記端点灯画素座標算出部によって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項3】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項4】
前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の画素を少なくとも点灯させる表示パターンであることを特徴とする請求項3に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項5】
前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて2番目〜k(ただし、kは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させない表示パターンであり、
前記第2の表示パターンは、前記一方側の端から数えてn(ただし、nは2≦n≦kを満たす整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該n番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない表示パターンであることを特徴とする請求項4に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項6】
前記第1および第2の表示パターンはそれぞれ、前記第1の配列方向に沿ってk−1列分の画素列を空けて周期的に画素列を点灯させる表示パターンであることを特徴とする請求項5に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項7】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項8】
前記第1の表示パターンは、画素を全て点灯させる表示パターンであることを特徴とする請求項7に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項9】
絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出方法であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定ステップと、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得ステップと、
撮像画像取得ステップによって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定ステップと、
端部位置座標推定ステップによって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定ステップとを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項10】
前記端部位置座標推定ステップは、
前記撮像画像取得ステップによって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出ステップと、
前記端点灯画素座標算出ステップによって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定ステップとを含むことを特徴とする請求項9に記載の平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項11】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項12】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1つに記載の平面表示パネルの表示領域検出方法をコンピュータに実行させるための表示領域検出用プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項1】
絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出装置であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定部と、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得部と、
撮像画像取得部によって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定部と、
端部位置座標推定部によって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定部とを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項2】
前記端部位置座標推定部は、
前記撮像画像取得部によって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出部と、
前記端点灯画素座標算出部によって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項3】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項4】
前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の画素を少なくとも点灯させる表示パターンであることを特徴とする請求項3に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項5】
前記第1の表示パターンは、前記一方側の端から数えて2番目〜k(ただし、kは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させない表示パターンであり、
前記第2の表示パターンは、前記一方側の端から数えてn(ただし、nは2≦n≦kを満たす整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該n番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない表示パターンであることを特徴とする請求項4に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項6】
前記第1および第2の表示パターンはそれぞれ、前記第1の配列方向に沿ってk−1列分の画素列を空けて周期的に画素列を点灯させる表示パターンであることを特徴とする請求項5に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項7】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項8】
前記第1の表示パターンは、画素を全て点灯させる表示パターンであることを特徴とする請求項7に記載の平面表示パネルの表示領域検出装置。
【請求項9】
絵素を構成する複数色の画素が、互いに直交する第1および第2の配列方向に沿ってマトリクス状に配列された平面表示パネルにおいて、画像を表示可能な表示領域を、撮像装置によって撮像された平面表示パネルの画像データに基づいて検出する表示領域検出方法であって、
予め定める複数種類の表示パターンを平面表示パネルにそれぞれ表示させる表示パターン指定ステップと、
各表示パターンを表示させたときの平面表示パネルを撮像した画像の画像データを取得する撮像画像取得ステップと、
撮像画像取得ステップによって取得された画像データと該画像データに対応する表示パターンとに基づいて、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端部の位置の座標を推定する端部位置座標推定ステップと、
端部位置座標推定ステップによって表示パターンごとに個別に推定された各座標を比較して、前記一方側の端部の位置の座標を決定する端部位置座標決定ステップとを含むことを特徴とする平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項10】
前記端部位置座標推定ステップは、
前記撮像画像取得ステップによって取得された画像データに基づいて、前記第1の配列方向一方側の端に最も近接した位置で点灯している画素の位置の座標を算出する端点灯画素座標算出ステップと、
前記端点灯画素座標算出ステップによって算出された座標および対応する表示パターンに基づいて、前記一方側の端から数えて1番目の画素列の位置の座標を推定する端画素座標推定ステップとを含むことを特徴とする請求項9に記載の平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項11】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えてM(ただし、Mは正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該M番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記一方側の端から数えてN(ただし、NはMより大きな正の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、該N番目の画素列よりも前記一方側の端に近接する画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項12】
前記予め定める複数種類の表示パターンは、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびM(ただし、Mは2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とM番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第1の表示パターンと、
前記第2の配列方向に平行な画素列のうち、前記表示領域における前記第1の配列方向一方側の端から数えて1番目およびN(ただし、NはMより大きな2以上の整数)番目の画素列の画素を少なくとも点灯させ、1番目の画素列とN番目の画素列との間の画素列の画素を点灯させない第2の表示パターンとを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の平面表示パネルの表示領域検出方法。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1つに記載の平面表示パネルの表示領域検出方法をコンピュータに実行させるための表示領域検出用プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の表示領域検出用プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−52969(P2012−52969A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197172(P2010−197172)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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