説明

店頭端末装置、障害案内表示方法及び障害案内表示プログラム

【課題】顧客に不快感を与えることなく発生した障害の内容を知らせる。
【解決手段】CPU72が、障害の発生を検知すると(S11)、発生した障害を項目に分類し、その障害項目に対応する障害レベルをHDD75から特定し、発生した障害に対応する障害レベルと、障害対応レベル設定画面で設定された障害対応レベルとを比較する。そして、発生した障害に対応する障害レベルが発生した障害に対応する障害対応レベル以上であるか否かを判断する(S12)。“YES”の場合、店頭端末装置によるサービスを停止する旨の案内を表示する障害案内画面であるサービス停止画面を表示装置80に表示する(S13)。“NO”の場合、店員を呼び出す必要がある旨の案内を表示する障害案内画面である店員呼び出し画面を表示装置80に表示する(S14)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は店頭端末装置、障害案内表示方法及び障害案内表示プログラムに係り、特に店頭端末装置に発生した障害を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器のメンテナンスに関する情報を通知する技術が開発されている。例えば特許文献1のソフトウェアは、損耗または性能劣化する損耗部を含みコンピュータ制御される装置における駆動制御用ソフトウェアに付加して一体をなすメンテナンス管理用ソフトウェアであり、損耗部の設定値を記憶する記憶手段と、損耗部が損耗または性能劣化した程度を報知する劣化カウンタと、劣化カウンタのカウント値を記憶手段の記憶する設定値に参照し耐久限度を報知する保守期限報知手段とを備える。
【特許文献1】特開2003−186508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年各種店舗の店頭に設置されて顧客が自由に持ち込んだ画像をプリントする店頭プリント装置などの各種店頭端末装置が広く普及しているが、顧客が操作をしている最中に紙切れやマシントラブルを起こしてサービスを停止する場合がある。この場合、店頭にいる店員が一次的に応対することになるが、実際その店員が対処可能な程度の障害なのか直ちに判断できない場合がある。店員自身が対応するのか、それともメンテナンス要員を呼び出す必要があるのか、その切り分けに時間をかけていると、サービスを中断された顧客にとって迷惑であり、逸早くサービスを再開できないと、サービスの利用待ちをする他の顧客にも迷惑である。
【0004】
このような問題に対処するには、特許文献1のように、詳細なメンテナンス情報を表示することも考えられるが、メンテナンスに責任を持たない顧客にとってこのような情報は不快である。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、顧客に不快感を与えることなく発生した障害の内容を知らせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明に係る店頭端末装置は、店頭端末装置を構成するハードウェア又はソフトウェアの障害を検知する検知部と、前記検知部により検知される障害に対応する難易度を示す障害レベルを前記障害ごとに記憶する障害レベル記憶部と、前記検知部により検知される障害への対応可能性の度合を示す障害対応レベルの設定を前記障害ごとに受け付ける障害対応レベル設定部と、前記検知部により障害が検知された場合、前記障害に対応する障害レベルと前記障害に設定された障害対応レベルとの比較に基づいて前記検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断を行う判断部と、前記判断の結果に応じた案内を表示する表示部と、を備える。
【0006】
この発明によると、検知された障害の障害レベルと、任意に設定された障害対応レベルとの比較により、検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断の結果を案内する。この案内により、発生した障害が店員にとって対応可能であるか否かを店員が判断でき、店員自身が対処するか、あるいはメンテナンス要員を呼び出すかの切り分けを迅速に行え、顧客に迷惑をかけないようにできる。加えて、従来のように、検知された障害の内容そのものを表示するのではないため、案内を見た顧客が不快に感じることもない。
【0007】
この店頭端末装置は、障害レベルの設定を受け付ける障害レベル設定部をさらに備え、障害レベル記憶部は障害レベル設定部から設定された障害レベルを記憶するようにしてもよい。
【0008】
障害レベルの設定は店頭端末装置の出荷時に予め設定されたものでもよいし、店頭端末装置の設置された店舗の店員が自由に設定できるようにしてもよい。
【0009】
障害レベル設定部の受け付ける障害レベルはメンテナンス要員を呼ぶ必要があるレベルを示す第1の障害レベル、システム障害をある程度熟知した店員ならば対応できるレベルを示す第2の障害レベル又は初歩的なシステム障害対応を多少知っている店員ならば対応できるレベルを示す第3の障害レベルを含み、障害対応レベル設定部の受け付ける障害対応レベルはシステム障害に対応できる店員のレベルを示す第1の障害対応レベル、初歩的なシステム障害に対応できる店員のレベルを示す第2の障害対応レベル又は一切の障害に対応できない店員のレベルを示す第3の障害対応レベルを含む。
【0010】
判断部は検知された障害に対応する障害レベルが第1の障害レベルである場合は検知された障害が対応可能な障害でないと判断するようにしてもよい。
【0011】
判断部は、検知された障害に対応する障害レベルが第2の障害レベルであり、かつ検知された障害に対応する障害対応レベルが第2の障害対応レベル又は第3の障害対応レベルである場合は検知された障害が対応可能な障害でないと判断するようにしてもよい。
【0012】
検知された障害が対応可能な障害でないと判断された場合、表示部は店頭端末装置によるサービスを停止する旨の案内を表示するようにしてもよい。店員がこの表示を見れば、自分で対処できないレベルの障害が発生していることが分かる。
【0013】
判断部は、検知された障害に対応する障害レベルが第2の障害レベル又は第3の障害レベルであり、かつ検知された障害に対応する障害対応レベルが第1の障害対応レベルである場合は検知された障害が対応可能な障害であると判断するようにしてもよい。
【0014】
判断部は、検知された障害に対応する障害レベルが第3の障害レベルであり、かつ検知された障害に対応する障害対応レベルが第1の障害対応レベル又は第2の障害対応レベルである場合は検知された障害が対応可能な障害であると判断するようにしてもよい。
【0015】
検知された障害が対応可能な障害であると判断された場合、表示部は店員を呼び出す必要がある旨の案内を表示するようにしてもよい。店員がこの表示を見れば、自分で対処できるレベルの障害が発生していることが分かる。
【0016】
検知部により検知される障害はプリンタペーパー切れ、コインマシン釣銭切れ、レシートペーパー切れ、タッチパネル障害、プリンタ障害、コインマシン障害、レシートプリンタ障害、メディア障害、ハードウェア故障又はソフトウェアエラーである。
【0017】
店頭端末装置が店頭プリント装置の場合、検知部は一例として、以上のような障害を検知する。店頭端末装置は店頭プリント装置に限定されず、ATM、CD、キオスク、チケット自動発券装置など、各種の店頭情報端末を含む。検知部は、以上の障害の他に検知できる障害があってもよく、店頭端末装置のハードウェア構成ないしソフトウェア構成に応じて検知できる障害は変化しうることは言うまでもない。
【0018】
本発明に係る障害案内表示方法は、店頭端末装置を構成するハードウェア又はソフトウェアの障害を検知するステップと、前記検知部により検知される障害に対応する難易度を示す障害レベルを前記障害ごとに記憶するステップと、前記検知部により検知される障害への対応可能性の度合を示す障害対応レベルの設定を前記障害ごとに受け付けるステップと、前記検知部により障害が検知された場合、前記障害に対応する障害レベルと前記障害に設定された障害対応レベルとの比較に基づいて前記検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断を行うステップと、前記判断の結果に応じた案内を表示するステップと、を含む。
【0019】
この方法は、店頭プリント装置、ATM、CD、キオスク、チケット自動発券装置など、各種の店頭情報端末で実施可能である。
【0020】
本発明に係る障害案内表示プログラムは、店頭端末装置を構成するハードウェア又はソフトウェアの障害を検知するステップと、前記検知部により検知される障害に対応する難易度を示す障害レベルを前記障害ごとに記憶するステップと、前記検知部により検知される障害への対応可能性の度合を示す障害対応レベルの設定を前記障害ごとに受け付けるステップと、前記検知部により障害が検知された場合、前記障害に対応する障害レベルと前記障害に設定された障害対応レベルとの比較に基づいて前記検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断を行うステップと、前記判断の結果に応じた案内を表示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0021】
この障害案内表示プログラムは、店頭端末装置に備えられたCPUなどの各種演算手段で実行される。
【発明の効果】
【0022】
この発明によると、検知された障害の障害レベルと、店員の障害対応レベルとの比較により、検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断の結果を案内する。この案内により、発生した障害が店員にとって対応可能であるか否かを店員が判断でき、店員自身が対処するか、あるいはメンテナンス要員を呼び出すかの切り分けを迅速に行え、顧客に迷惑をかけないようにできる。加えて、従来のように、検知された障害の内容そのものを表示するのではないため、案内を見た顧客が不快に感じることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る店頭プリント装置70の正面図である。この店頭プリント装置70は、顧客が挿入口89にスマートメディアなどの図示しない記録媒体50を挿入してお金を投入し、記録媒体50に格納されているデジタル画像をTAペーパーなどの印刷媒体にプリントするマシンである。プリント装置70は、写真店、書店、スーパーなどの各種店舗の店頭に設置された店頭情報端末であり、平常はプリントを購入する顧客が店員の補助なく単独で使用する。プリント装置70に異常が発生すると、設置先の店員あるいは専門のメンテナンス要員を呼んで対応させる。
【0025】
この店頭プリント装置70には、正面にタッチパネル98の積層された液晶型の表示装置80が配設されており、顧客は表示装置80を見ながらタッチパネル98を操作してプリントサイズ、プリント枚数などの必要な情報を入力する。店頭プリント装置70の内部には、図示しない1又は複数のプリンタ90が設置されており、各プリンタ90がデジタル画像をプリントするようになっている。本実施形態の店頭プリント装置70には、最大4機のプリンタ80が配設される。店頭プリント装置70の正面外側には、プリントされた印刷媒体が排出される取出口83が設けられ、また、後述するコインマシン88にコインを投入する投入口85及びコインマシン88が釣り銭を返却する返却口86が設けられている。
【0026】
図2は、店頭プリント装置70のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0027】
顧客が、記録媒体50をメディア挿入口89に挿入すると、ハードディスクコントローラ74は、ハードディスク(HDD)75に記録されている制御ソフトウェアをプログラムメモリ71にロードする。記録媒体50には、画像データが所定の形式で圧縮された状態で記録されており、CPU72は、メディアリーダコントローラ82に画像データの読み出しを指示して記録媒体50から所要の画像データを取得すると、画像処理部81によりこの画像データを伸張して元の画像データに復元し、更に、画像処理部81で所要の画像処理を施してその画像データをワークメモリ76に記憶させる。
【0028】
プリントサイズ、プリント枚数などの必要な情報は、顧客がタッチパネル98の所望位置を押圧することでその位置に対応した電気信号に変換され、タッチパネルインターフェイス部97を介してCPU72に入力される。入力された情報は表示装置80に表示される。表示装置80は、表示制御部78によって作動される。コインマシン88は、タッチパネル98から入力された情報に基づいて表示装置80に表示された金額を電気信号に変換し、コインマシンI/F部87を介してCPU72に入力する。CPU72は、顧客が必要な金額を投入したかどうかを確認する。必要な金額が投入されたら、プリントデータ処理部91は、ワークメモリ76に格納されている画像データからプリントジョブデータを作成し、プリンタI/F部84を介してプリントジョブデータを各プリンタ90に送る。これらの一連の制御はCPU72が行う。
【0029】
各プリンタ90は、TA方式と呼ばれる印画方式を採用したもので、熱を加えると発色し、所定の波長の光を照射すると定着するという特性を有するTAペーパーを使用する。
【0030】
プリントが終了すると、コインマシン88への投入金額及び返却した釣り銭額などが記載されたレシートがレシートプリンタ92から出力される。レシートプリンタ92がプリントする内容はCPU72がレシートプリンタI/F部93を介して指令する。
【0031】
図3は、店頭プリント装置70の通常時のプリント動作を概説するフローチャートである。
【0032】
まず、顧客は、表示装置80に表示されるグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)の表示部分を押圧することで、プリントする画像のサイズの選択(S1)、記録媒体50の種類の選択(S2)を行う。これらの項目の選択後、記録媒体50を挿入口89に挿入する(S3)。表示装置80には、記録媒体50から読み取られた画像が表示される(S4)。
【0033】
顧客は、GUIを通して、プリントする画像の選択及び各画像のプリント枚数を設定する(S5)。CPU72は、プリントする画像の枚数からプリント価格を算出し、表示装置80にプリント価格を表示した上、金額投入を待機する。顧客はプリント価格の支払に必要な金額を投入し(S6)、必要な金額が投入されたら、プリントを開始する(S7)。プリントが完了すると、画像のプリントされた印刷媒体を排出口82から排出する。この一連の動作S1〜S8は、さらに別の画像のプリントを続行する場合など、必要に応じて繰り返される。
【0034】
CPU72は、プリント装置70を構成するハードウェア及びソフトウェアの障害状態を監視し、各部の障害発生を検知するRAS(Reliability, Availability, Scalability)機能を実行する。本実施形態では、CPU72は、タッチパネル98、タッチパネルI/F部97、表示装置80、表示制御部78、ハードディスク75、ハードディスクコントローラ74、メディアリーダコントローラ82、レシートプリンタI/F部93、レシートプリンタ92、コインマシンI/F部87、コインマシン88、プリンタI/F部84、プリンタ90、プリントデータ処理部91、画像処理部81、プログラムメモリ71及びワークメモリ76のハードウェア障害の発生を検知する。また、CPU72は、プログラムメモリ71にロードされてCPU72で作動する各種プログラムの動作異常を検知するウォッチドッグタイマ機能を有している。その他、CPU72は、図示しない冷却ファンの回転停止、本体内温度の異常、電源電圧の異常など、プリント装置70で生じる各種の障害を検知する機能を有していてもよい。
【0035】
CPU72は、検知した障害を項目に分類してワークメモリ76又はHDD75に記憶する。図4は障害項目の一例を示す。1)プリンタペーパー切れはプリンタ90の紙切れ、2)コインマシン釣銭切れはコインマシン88の釣り銭切れ、3)レシートペーパー切れはレシートプリンタ92のレシート用紙の紙切れ、4)タッチパネル障害はタッチパネル98の障害、5)プリンタ障害はプリンタ90の紙切れを除く障害、6)コインマシン障害88はコインマシン88の釣り銭切れ以外の障害、7)レシートプリンタ障害レシートプリンタ92のレシート用紙の紙切れ以外の障害、8)メディア(メモリカード)障害は記録媒体50の障害、9)ハードウェア故障はCPU72、プログラムメモリ71、ワークメモリ76、ハードディスクコントローラ74、HDD75、画像処理部81又はプリントデータ処理部91の障害、10)ソフトウェアエラーはCPU72が動作させるプログラムの動作異常を示す。
【0036】
本実施形態のプリント装置70では、各障害項目に対応して障害の難易度を示す障害レベルが予め設定されている。各障害項目に対応する障害レベルは、HDD75に記憶されている。図5は障害項目と障害レベルとの対応を例示している。レベルAが最も難易度の高いレベルを示し、B,Cと順に難易度が下がる。設定される障害レベルの目安として、障害レベルAはメンテナンス要員を呼ぶ必要があるレベルの障害、障害レベルBはシステム障害をある程度熟知した店員ならば対応できるレベルの障害、障害レベルCは初歩的なシステム障害対応を多少知っている店員ならば対応できるレベルの障害とする。
【0037】
障害項目と障害レベルとの対応は、プリント装置70の出荷時に予めHDD75に記憶されていてもよいし、プリント装置70を設置した店舗の従業員が自由に設定できるようにしてもよい。この場合、平常顧客がプリント注文用に操作する画面とは別の保守用画面として、障害レベル設定画面を設け、障害レベル設定画面上のGUIをタッチパネル98で操作することで、店員が自由に障害レベルを設定できるようにする。図6及び7は障害レベル設定画面の表示例である。
【0038】
また、本実施形態のプリント装置70では、各障害項目に対する店員の対応レベルを設定させることができる。この場合、平常顧客がプリント注文用に操作する画面とは別の保守用画面として、障害対応レベル設定画面を設け、障害対応レベル設定画面上のGUIをタッチパネル98で操作することで、店員が自由に障害対応レベルを設定できるようにする。障害対応レベルは店員の障害への対応可能性を段階的に示したものであり、障害レベルA〜Cの目安を1段階繰り下げたような設定となる。即ち、障害対応レベルAは店員がシステム障害に対応できるレベル、障害対応レベルBは店員が初歩的なシステム障害に対応できるレベル、障害対応レベルCは店員が一切の障害に対応できないレベルを示す。
【0039】
図8ないし10は障害対応レベル設定画面の表示例である。図8に示すように、全ての障害項目に対応する障害対応レベルを一律に設定できるようにしてもよいし、あるいは図9及び10に示すように、各障害項目に対応する障害対応レベルを個別に設定できるようにしてもよい。
【0040】
本実施形態のプリント装置70は、以上のように設定された障害レベルと障害対応レベルとの比較に基づき、検知された障害が店員で対応可能なのか否かを示す障害案内画面を表示装置80に表示する。
【0041】
図11は障害案内画面の表示動作の流れを示すフローチャートである。この動作は、平常のプリント動作とは無関係に実行される。
【0042】
まず、CPU72が、障害の発生を検知すると(S11)、発生した障害を項目に分類し、その障害項目に対応する障害レベルをHDD75から特定し、発生した障害に対応する障害レベルと、障害対応レベル設定画面で設定された障害対応レベルとを比較する。そして、発生した障害に対応する障害レベルが発生した障害に対応する障害対応レベル以上であるか否かを判断する(S12)。“YES”の場合、店頭端末装置によるサービスを停止する旨の案内を表示する障害案内画面であるサービス停止画面を表示装置80に表示する(S13)。“NO”の場合、店員を呼び出す必要がある旨の案内を表示する障害案内画面である店員呼び出し画面を表示装置80に表示する(S14)。
【0043】
発生した障害に対応する障害レベルが発生した障害に対応する障害対応レベル以上である“YES”と判断されるのは、検知された障害に対応する障害レベルが障害レベルAである場合、あるいは検知された障害に対応する障害レベルが障害レベルBでありかつ検知された障害に対応する障害対応レベルが障害対応レベルB又は障害対応レベルCである場合である。
【0044】
また、発生した障害に対応する障害レベルが発生した障害に対応する障害対応レベル以上でない“NO”と判断されるのは、検知された障害に対応する障害レベルが障害レベルB又は障害レベルCであり、かつ検知された障害に対応する障害対応レベルが障害対応レベルAである場合、あるいは検知された障害に対応する障害レベルが障害レベルCであり、かつ検知された障害に対応する障害対応レベルが障害対応レベルA又は障害対応レベルBである場合である。
【0045】
図12はサービス停止画面、図13は店員呼び出し画面の表示例である。一般の顧客がプリント注文中に、サービス停止画面又は店員呼び出し画面が表示されると、プリント装置70に何らかのトラブルが発生したと認識して店員を呼び出すことになる。呼び出された店員がサービス停止画面を見れば、発生しているトラブルが店員による復旧が困難であり、専門のメンテナンス要員を呼び出す必要があると認識できる。一方、呼び出された店員が店員呼び出し画面を見れば、発生しているトラブルが店員による復旧が可能であると認識でき、店員自身が適宜対処することになる。
【0046】
このように、本実施形態に係るプリント装置は、障害の内容を顧客に明示することなく、かつ店員に障害の程度を示すことができる。従来では、複雑な障害の内容を顧客に明示することで一般の顧客に不快感を与えることがあったが、本プリント装置ではそのような不都合の発生を防ぎ、同時に店員に障害の程度を示して適切な対処を促すことができ、顧客サービス向上の一助となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の好ましい実施形態に係る店頭プリント装置の正面図
【図2】店頭プリント装置のブロック構成図
【図3】プリント動作の流れを示すフローチャート
【図4】障害項目の一例を示す図
【図5】障害項目に対応して設定された障害レベルの一例を示す図
【図6】障害レベル設定画面の表示例を示す図
【図7】障害レベル設定画面の表示例を示す図
【図8】障害対応レベル設定画面(一律設定)の表示例を示す図
【図9】障害対応レベル設定画面(個別設定)の表示例を示す図
【図10】障害対応レベル設定画面(個別設定)の表示例を示す図
【図11】障害案内画面表示動作の流れを示すフローチャート
【図12】サービス停止画面の表示例を示す図
【図13】店員呼び出し画面の表示例を示す図
【符号の説明】
【0048】
50:記録媒体、70:店頭プリント装置、71:プログラムメモリ、72:CPU、74:ハードディスクコントローラ、75:ハードディスク、76:ワークメモリ、78:表示制御部、80:表示装置、81:画像処理部、82:メディアリーダコントローラ、84:プリンタインターフェイス部、87:コインマシンインターフェイス部、88:コインマシン、90:プリンタ、91:プリントデータ処理部、92:レシートプリンタ、93:レシートプリンタインターフェイス部、97:タッチパネルインターフェイス部、98:タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店頭端末装置を構成するハードウェア又はソフトウェアの障害を検知する検知部と、
前記検知部により検知される障害に対応する難易度を示す障害レベルを前記障害ごとに記憶する障害レベル記憶部と、
前記検知部により検知される障害への対応可能性の度合を示す障害対応レベルの設定を前記障害ごとに受け付ける障害対応レベル設定部と、
前記検知部により障害が検知された場合、前記障害に対応する障害レベルと前記障害に設定された障害対応レベルとの比較に基づいて前記検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断を行う判断部と、
前記判断の結果に応じた案内を表示する表示部と、
を備える店頭端末装置。
【請求項2】
前記障害レベルの設定を受け付ける障害レベル設定部をさらに備え、
前記障害レベル記憶部は前記障害レベル設定部から設定された障害レベルを記憶する請求項1に記載の店頭端末装置。
【請求項3】
前記障害レベル設定部の受け付ける障害レベルはメンテナンス要員を呼ぶ必要があるレベルを示す第1の障害レベル、システム障害をある程度熟知した店員ならば対応できるレベルを示す第2の障害レベル又は初歩的なシステム障害対応を多少知っている店員ならば対応できるレベルを示す第3の障害レベルを含み、
前記障害対応レベル設定部の受け付ける障害対応レベルはシステム障害に対応できる店員のレベルを示す第1の障害対応レベル、初歩的なシステム障害に対応できる店員のレベルを示す第2の障害対応レベル又は一切の障害に対応できない店員のレベルを示す第3の障害対応レベルを含む請求項2に記載の店頭端末装置。
【請求項4】
前記判断部は前記検知された障害に対応する障害レベルが前記第1の障害レベルである場合は前記検知された障害が対応可能な障害でないと判断する請求項3に記載の店頭端末装置。
【請求項5】
前記判断部は、前記検知された障害に対応する障害レベルが前記第2の障害レベルであり、かつ前記検知された障害に対応する障害対応レベルが前記第2の障害対応レベル又は前記第3の障害対応レベルである場合は前記検知された障害が対応可能な障害でないと判断する請求項3に記載の店頭端末装置。
【請求項6】
前記表示部は前記店頭端末装置によるサービスを停止する旨の案内を表示する請求項4又は5に記載の店頭端末装置。
【請求項7】
前記判断部は、前記検知された障害に対応する障害レベルが前記第2の障害レベル又は第3の障害レベルであり、かつ前記検知された障害に対応する障害対応レベルが前記第1の障害対応レベルである場合は前記検知された障害が対応可能な障害であると判断する請求項3に記載の店頭端末装置。
【請求項8】
前記判断部は、前記検知された障害に対応する障害レベルが前記第3の障害レベルであり、かつ前記検知された障害に対応する障害対応レベルが前記第1の障害対応レベル又は前記第2の障害対応レベルである場合は前記検知された障害が対応可能な障害であると判断する請求項3に記載の店頭端末装置。
【請求項9】
前記表示部は前記店員を呼び出す必要がある旨の案内を表示する請求項7又は8に記載の店頭端末装置。
【請求項10】
前記検知部により検知される障害はプリンタペーパー切れ、コインマシン釣銭切れ、レシートペーパー切れ、タッチパネル障害、プリンタ障害、コインマシン障害、レシートプリンタ障害、記録メディア障害、ハードウェア故障又はソフトウェアエラーである請求項1〜9のいずれかに記載の店頭端末装置。
【請求項11】
店頭端末装置を構成するハードウェア又はソフトウェアの障害を検知するステップと、
前記検知部により検知される障害に対応する難易度を示す障害レベルを前記障害ごとに記憶するステップと、
前記検知部により検知される障害への対応可能性の度合を示す障害対応レベルの設定を前記障害ごとに受け付けるステップと、
前記検知部により障害が検知された場合、前記障害に対応する障害レベルと前記障害に設定された障害対応レベルとの比較に基づいて前記検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断を行うステップと、
前記判断の結果に応じた案内を表示するステップと、
を含む障害案内表示方法。
【請求項12】
店頭端末装置を構成するハードウェア又はソフトウェアの障害を検知するステップと、
前記検知部により検知される障害に対応する難易度を示す障害レベルを前記障害ごとに記憶するステップと、
前記検知部により検知される障害への対応可能性の度合を示す障害対応レベルの設定を前記障害ごとに受け付けるステップと、
前記検知部により障害が検知された場合、前記障害に対応する障害レベルと前記障害に設定された障害対応レベルとの比較に基づいて前記検知された障害が対応可能な障害であるか否かの判断を行うステップと、
前記判断の結果に応じた案内を表示するステップと、
をコンピュータに実行させる障害案内表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−187988(P2006−187988A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2498(P2005−2498)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】