座標測定システムのための方法
本発明は、対象物の特徴形状を測定するための方法であって、少なくとも特徴形状の表象を、少なくとも特徴形状の表面測定を介して複数のデータ点を取得することによって対象物上で得ることを含む方法に関する。対象物の少なくとも特徴形状をほぼ複製するモデルが、表象に適合される。モデルは、共通点で連結される少なくとも2つの独立的に可変の部分を定義するパラメータを含む。適合させることは、少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つを変えることによってモデルの形態を変更することを含む。方法はまた、少なくとも特徴形状に関する情報を適合されたモデルから得ることも含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を測定するための、特に複数の面から構成された対象物の一部の面を測定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工作物が製造された後、これらを中空軸を有する座標測定機(CMM)上で検査することが一般的な方法であり、中空軸は、測定機の可動範囲内で3つの直交方向X、Y、Zに駆動させることができる。中空軸は、測定プローブを担持することができ、測定プローブは、検査される工作物の表面を、たとえば測定プローブのスタイラスとその表面の間の接触によって検出したときに信号を生成する。
【0003】
一般的に、CMMは、工作物の所望の寸法の完璧な検査を実施するために、工作物上のさまざまな場所において一続きの座標データの読み取りを行うようにプログラムされたコンピュータを含む。そして、工作物が、受け入れ可能な品質のものであるか、あるいは受け入れないものとすべきかについて決定がなされ得る。
【0004】
アナログ(または走査)接触プローブは、通常、偏向可能なスタイラスを備えたハウジング(すなわちプローブ本体)を備える。スタイラスは、表面と接触するチップを有し、その静止位置からの偏向が、変換器によって測定される。スタイラス偏向とCMM位置の組合せを使用して、スタイラスチップの場所(故にスタイラスチップが接触している表面上の座標点)を決定する。そのようなアナログプローブは、特許文献1に記載されている。
【0005】
測定プローブを連接型プローブヘッド上に装着することが知られており、連接型プローブヘッドは、測定プローブの向きを、通常約2本またはそれ以上の軸周りで変化させることができる。そのような連接型プローブヘッドは、特許文献2で記載されている。連接型プローブヘッドは、第1の直交軸および第2の直交軸の周りの回転を可能にする。連接型プローブヘッド内には、測定プローブを連接型プローブヘッドの回転軸の周りに連続的に配置しながら、その位置をコンピュータにフィードバックすることを可能にするために、モータおよび変換器が設けられる。
【0006】
従来の技術を用いて正確に測定することが難しいことが証明されている特徴形状は、弁、特に弁座、弁ガイド、および弁ディスクである。弁は、内燃エンジンで使用されるため、自動車業界にとって特に重要なものである。弁の適合が良好でないと、エンジンの効率性が影響を受ける。これは、弁ディスクと弁座の間の封止が良好でないことに起因する、または弁座の場所が弁の全開を妨げることによるものになり得る。弁座、弁ガイドおよび弁ディスクの形状もまた、特に重要になり得る。たとえば、これらが一様に丸くない場合、これは、良好な適合を妨げる恐れがあり、したがって漏出を生じさせる可能性がある。弁ディスクがその上に着座する領域の勾配に沿ってとられる寸法である弁座の幅もまた、特に重要になり得る。
【0007】
弁座は、従来の技術によって測定することが困難であり、時間がかかるものである。通常、弁は、従来方式では、弁座の上部から底部に至る4本の線に沿って測ることによって測定され、各々の線は、弁座の円周周りに90度で離間される。これらの測定は、弁座の外形を決定することを可能にする。弁座の円周は、その形態および弁ガイドとの同心度を決定するために、特有の高さで円形の測定経路をたどることによって測定される。これらの測定は通常、CMMの中空軸上に装着されたアナログ接触プローブを用いて行われ、測定が遅いという欠点を有する。この測定は、弁座の直径が許容誤差内であるかを決定するために使用される。しかし、データは、4本の測定線に関してのみ入手可能である(すなわちそれらの間に関しては入手可能でない)。また、測定点が分散するため、弁座の真円度を決定することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許第1551218号明細書
【特許文献2】欧州特許第0402440号明細書
【特許文献3】国際公開第95/20747号パンフレット
【特許文献4】国際公開第90/07097号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、対象物の特徴形状を測定するための、特に弁の特徴形状を測定するための改良された方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、対象物の特徴形状を測定するための方法が提供され、方法は、少なくとも特徴形状の表象を、少なくとも特徴形状の表面測定を介して複数のデータ点を取得することによって対象物上で得ることと、対象物の少なくとも特徴形状をほぼ複製するモデルをその表象に適合させることであって、モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合させることは、少なくとも2つの可変部分の少なくとも1つを変えることによってモデルの形態を変更することを含む、こととを含む。本方法は、少なくとも特徴形状に関する情報を適合されたモデルから得ることをさらに含むことができる。
【0011】
本発明の方法を用いて、対象物の特徴形状に関する正確な情報(たとえばサイズ情報を含む寸法情報および/または場所情報などの測定情報)を取り出すことが可能である。モデルの形態が、少なくとも特徴形状の表象に適合するように操作された時点で、正確な測定情報をモデルから得ることが可能になる。共通点で連結された少なくとも2つの可変部分の統一モデルを使用することにより、モデルの少なくとも2つの部分の表象への同時適合が可能になる。これは、たとえば、モデルのさまざまな部分、すなわちモデルの、全く連結されていない完全に個々の複数の部分に別個に適合させるよりも、より現実的にモデルを表象に適合させることをもたらすことが見出されている。モデルの各部分が、それらの間に連結を有さずに個々に処理され、各部分が別個に適合されるとき、隣接する部分が交差する点が仮定されなければならず、これは、重要な測定情報を得るために使用できるモデルの様相に不正確性をもたらす恐れがある。本発明は、共通点で連結された少なくとも2つの可変の部分を有するモデルを表象に適合させることによってこれを回避する。
【0012】
可変の部分は、その部分の各々を他方から独立的に(すなわち個々にまたは別個に)変えることができるという点で独立的に可変のものである。したがって、1つの部分を変えることが、必ずしも他の部分(複数可)に波及効果を及ぼす必要はない。たとえば、その部分の1つのサイズを、他の部分(複数可)のサイズから独立的に変更することができる。しかし、理解されるように、この部分は、何らかの方法で連結されている(すなわち結合されている)ので、これらの部分の1つを変えると、その部分が変えられる方法およびそのモデルが制御される方法に応じて、その部分に連結された他の部分(複数可)に波及効果を及ぼす可能性がある。たとえば、その部分の1つの位置および/または向きが変えられた場合、これは、その部分に連結された他の部分(複数可)に影響を及ぼす可能性がある。
【0013】
理解されるように、形態は、モデルの形状を含むことができる。形態は、モデルのサイズを含むことができる。適合させることは、モデルおよび表象の相対場所を操作することをさらに含むことができる。
【0014】
理解されるように、表象は、特徴形状のデジタル表象でよい。表象は、二次元的空間内の少なくとも特徴形状上の複数の点の場所を説明することができる。表象は、三次元的測定空間内の対象物の少なくとも特徴形状上の複数の点の場所を説明することができる。したがって、表象は、点群として一般的に知られているものを含むことができる。
【0015】
理解されるように、モデルは、対象物の特徴形状の公称の幾何学形を定義するパラメータを含むことができる。これは、対象物の特徴形状の予想されたまたは所望の幾何学形になり得る。
【0016】
少なくとも2つの独立的に可変の部分の各々は、対象物の特定の様相を複製するように形作られ得る。対象物の様相は、測定情報を得るべき対象となる対象物のいかなる様相でもよい。たとえば、少なくとも2つの独立的に可変の部分の各々は、対象物の表面の特定領域を複製するように形作られ得る。少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、対象物の少なくとも特徴形状の特定の様相、たとえば特徴形状の表面の特定領域などを複製するように形作られ得る。領域は、対象物の表面の一様な領域でよい。したがって、少なくとも2つの独立的に可変の部分はそれぞれ、対象物の異なる一様な領域を複製するように構成可能である。
【0017】
少なくとも1つのパラメータは、部分同士が連結される点を定義することができる。したがって、少なくとも1つのパラメータは、対象物の、たとえば表面の少なくとも2つの領域の少なくとも2つの様相の接触面を複製することができる。これは、測定情報を、部分同士が連結される点を定義する少なくとも1つのパラメータから導くことができるので、有用になり得る。これにより、対象物のさまざまな様相が接合する点について測定情報を得ることができる。たとえば、これにより、対象物の表面のさまざまな領域が合わさる点について測定情報を得ることができる。
【0018】
したがって、上記に沿って、少なくとも2つの独立的に可変の部分は、対象物の表面のさまざまな領域を複製することができ、共通の縁に沿って連結することができる。したがって、モデルの少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、ほぼ平面である対象物の表面の領域を複製することができる。領域は、定形または不定形の幾何学的形状を有することができる。したがって、少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、ほぼ環状である対象物の表面の領域を複製することができる。環状領域は、定形または不定形の幾何学的形状である断面形状を有することができる。たとえば、環状領域は、断面形状がほぼ円形、三角形、四角形または六角形のものでよい。少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、形がほぼ管状である対象物の表面の領域を複製することができる。たとえば、少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、形がほぼ円筒状である対象物の領域を複製することができる。任意選択で、少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、形がほぼ円錐形である対象物の表面の領域を複製することができる。
【0019】
適合させることは、モデルのパラメータを、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点を変更するように操作することを含むことができる。これは、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点の場所および/または向きを操作することを含むことができる。任意選択で、これは、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点の形態を操作することを含むことができる。たとえば、部分同士が縁によって連結されるとき、これは、少なくとも2つの独立的に可変の部分がそれに沿って連結される縁の形状および/または寸法を操作することを含むことができる。
【0020】
モデルは、一続きの少なくとも3つの可変の部分を定義するパラメータを含むことができ、その少なくとも1つの部分(「中間部分」)は、他の2つの部分に連結される。可変の部分は、上記で説明したように、その部分の各々を他方から独立して(すなわち個々にまたは別個に)変えることができる点で独立的に可変のものである。少なくとも3つの可変の部分は、対象物の表面のさまざまな領域を複製することができ、中間部分を、第1の縁に沿ってその部分の1つに連結し、また、第1の縁のほぼ反対側の第2の縁に沿って他の部分に連結することができる。この場合、パラメータは、さまざまな領域の縁を説明することができる。モデルを適合させることは、縁に関連するパラメータを操作することを含むことができる。たとえば、これは、パラメータを、縁の形態および/または縁の場所を変更するように操作することを含むことができる。測定情報は、実質的に対向する縁間の距離を含むことができる。したがって、測定情報は、中間部分の幅を含むことができる。
【0021】
一続きの少なくとも3つの可変の部分の少なくとも1つは、円錐形部分でよい。好ましくは、少なくとも3つの独立的に可変の部分の中間部分は、ほぼ円錐形である。好ましくは、モデルは、少なくとも3つの可変の円錐形部分を含む。円錐形部分は、共通軸に収束することができる。円錐形部分は、さまざまな角度で共通軸に収束することができる。この場合、パラメータは、円錐形部分がそれに沿って連結される縁に関連することができる。たとえば、少なくとも1つのパラメータは、第1の隣接する円錐形部分を用いて中間の円錐形部分の第1の縁を説明することができる。少なくとも第2のパラメータは、すべての円錐形部分が収束する軸と軸に対する円錐形部分の勾配との間の角度に関連することができる。少なくとも第3のパラメータは、第2の隣接する円錐形部分を用いて中間の円錐形部分の第2の縁を説明することができ、第2の縁は、第1の縁のほぼ反対側にある。少なくとも第3のパラメータは、第1の縁と第2の縁の間の軸に沿った高さを説明することができる。
【0022】
適合は、表象のさまざまな部分を特定することを含むことができる。特にこれは、モデルの少なくとも2つの可変の部分の1つに関連すると各々が推定される、少なくとも2つの部分を特定することを含むことができる。適合は、次いで、表象の各々の異なる部分に対して異なる誤差関数を用いることを含むことができる。さらに、適合は、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点に関連すると推定される、表象の少なくとも1つの連結する部分を特定することを含むことができ、ここでは、適合は、少なくとも1つの連結する部分を無視することを含む。これにより、適合プロセスの効率性を向上させることができる。
【0023】
表象は、特徴形状に隣接する対象物の少なくとも1つの部分を含むことができる。この場合、好ましくはモデルの少なくとも2つの可変の部分の少なくとも1つは、特徴形状に関連しており、少なくとも2つの可変の部分の少なくとも1つは、特徴形状に隣接する対象物の部分に関連する。特に、表象は、各々が特徴形状に直接隣接する対象物の少なくとも2つの部分を含むことができる。この場合、好ましくはモデルは、少なくとも3つの独立的に可変の部分を含み、その少なくとも1つは、特徴形状に関連し、その少なくとも1つは、特徴形状に直接隣接する対象物の少なくとも2つの部分の1つに関連し、その少なくとも1つは、特徴形状に直接隣接する対象物の少なくとも2つの部分の他方に関連している。これは、モデルを表象に適合を向上させ、さらに測定情報の正確性を向上させることが見出されている。
【0024】
本方法が寸法を得るのに適している適切な対象物としては、弁、特に弁の弁座領域があげられる。
【0025】
モデルの適合は、モデルの最良適合を含むことができる。すなわち、本方法は、モデルを定義するパラメータを、表象との最良適合を見出すように操作することを含むことができる。最良適合は、最小二乗の最良適合を用いることを含むことができる。
【0026】
対象物の少なくとも特徴形状に関する測定情報は、公称データと比較可能である。特に、測定情報を分析して、対象物の少なくとも特徴形状の、公称対象物上の公称特徴形状に対する偏差を決定することができる。これは、たとえば形態誤差を提供することができる。
【0027】
座標位置決め装置上に装着された表面検出デバイスを用いて、複数のデータ点を収集することができる。表面検出デバイスは、測定プローブを備えることができる。座標位置決め装置は、測定プローブが2つまたはそれ以上の軸の周りで回転することを可能にする連接型プローブヘッドを備えることができる。表面検出デバイスは、非接触の測定プローブを備えることができる。任意選択で、表面検出デバイスは、接触測定プローブを備える。測定プローブは、デュアルステート(dual−state)またはタッチトリガ(touch−trigger)のプローブでよい。特に、接触測定プローブは、プローブのスタイラスの偏向程度を決定することができるアナログ(または走査)測定プローブを備えることができる。また、アナログまたは走査プローブは、スタイラス偏向に関連する情報/データの動向を提供することができる。座標位置決め装置は、座標位置決め機(CMM)、工作機械、非デカルト機、連接型アーム、ロボットアームまたは手動CMMを備えることができる。
【0028】
本発明の方法は、複数のデータ点を取得する、すなわち対象物の少なくとも特徴形状の表面測定を介したことを含むことができる。しかし、理解されるように、これは、必ずしもそうである必要はない。たとえば、複数のデータ点を、本発明の方法の実施前に取得していた可能性がある。この場合、対象物の特徴形状の表象を得ることは、表象を受け取ることを含むことができる。たとえば、これは、表象が記憶されているメモリデバイスから表象を取り出すことを含むことができる。
【0029】
理解されるように、本発明の上記で説明した方法は、コンピュータによって実施され得る。したがって、ことの少なくとも一部は、少なくとも1つのプロセッサデバイスによって実施され得る。表象およびモデルの少なくとも1つは、少なくとも1つの適切な記憶デバイスから得ることができる。少なくとも1つの記憶デバイスは、本発明の方法を実施するコンピュータの近くにまたは遠隔にあってよい。適切な記憶デバイスは、ハードディスクなどの磁気記憶デバイス、フラッシュメモリデバイスなどのソリッドステート記憶デバイス、およびコンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学式記憶デバイスを含む。記憶デバイスがコンピュータの遠隔にある場合、表象および/またはモデルは、通信リンクを介して取り出され得る。理解されるように、通信リンクは、有線式または無線式でよい。したがって、たとえば表象およびモデルの少なくとも1つを、遠隔記憶デバイスからインターネットを介して得ることができる。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、対象物の特徴形状を測定するためのコンピュータ実装された方法が提供され、この方法は、少なくとも特徴形状の表象を対象物上で取り込むことと、対象物の少なくとも特徴形状を複製するモデルをその表象の適合であって、モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合は、少なくとも2つの可変の部分の少なくとも1つを変えることによってモデルの形態を変更することを含む、ことと、少なくとも特徴形状に関する情報を適合モデルから得ることとを含む。
【0031】
表象は、たとえば少なくとも特徴形状の表面測定を介して取得された、たとえば複数のデータ点を含むことができる。
【0032】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータによって実行されたとき、コンピュータに上記で説明した方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0033】
本発明の第4の態様によれば、上記で説明したコンピュータプログラムコードを有する、コンピュータ読み取り可能な媒体が設けられる。
【0034】
本出願はまた、平面内の対象物の外形情報を決定するための方法も説明しており、方法は、平面を貫いて延びる測定経路に沿って対象物の一続きの三次元の表面測定を得ることと、平面を貫いて延びる一続きの表面測定から、平面内の対象物の外形の少なくとも一部を説明するデータを導くこととを含む。
【0035】
これにより、平面内の対象物の表面の二次元外形に関する情報を、平面内の表面外形の完璧な測定を実際に実施することなく得ることが可能になる。それよりも、二次元の外形情報は、たとえば、平面を貫いて延び、三次元に延びる走査から得られた測定情報から導く、たとえば投影することが可能である。したがって、特定の平面内の対象物の外形を決定するために、走査作動中、平面が正確に測定されることを確実にする必要はない。そうではなく、その平面を含有する区域をより広く円を描くように測定することができ、平面に関する特定のデータをその描いた円から導くことができる。
【0036】
理解されるように、外形の少なくとも一部を説明するデータは、平面内の表面外形の形態をそこから導くことができるデータを含むことができる。理解されるように、この形態は、外形の形状を含むことができる。この形態は、外形のサイズを含むことができる。データは、たとえば平面内の表面の2D位置のデータを説明する複数の離散点を含むことができる。任意選択で、データは、たとえば平面内の表面の形状およびサイズを説明する2点間の曲線、たとえば関数を含むことができる。理解されるように、外形は、平面内に取り込まれた対象物の表面の形状でよい。したがって、本発明は、対象物の測定中に得られた三次元データを、平面内に含まれる(対象物の形状に関する)二次元データに低減する。
【0037】
平面は、対象物の表面の少なくとも一部を横切って、対象物に対して任意の向きに延びることができる。特に、平面は、対象物の長さに沿って延びる軸にほぼ垂直に延びることができる。たとえば、平面は横断面でよい。たとえば、平面は、対象物を上側セクションおよび下側セクションに概念的に分割するものでよい。平面は、対象物の長さに沿って延びる軸にほぼ平行に延びることができる。したがって、平面は、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越えることができる。たとえば、平面は、矢状面でよい。たとえば、平面は、対象物を左手セクションおよび右手セクションに概念的に分割するものでよい。外形は、平面内の対象物のほぼ完全な断面外形でよい。外形は、平面内の対象物の部分的断面外形でよい。
【0038】
外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、少なくとも何らかの一続きの表面測定から平面に向けて投影することによって導くことができる。投影することは、少なくとも1つの表面測定を平面上に変換することを含むことができる。これは、少なくとも1つの表面測定を平面上にあてはめることを含むことができる。投影することは、表面測定を、表面測定と平面の間の対象物の形状に一致する方向で平面上に投影することを含むことができる。特に、平面における点を説明するデータは、最も近い表面測定を平面上に投影することによって導くことができる。これは、表面測定と平面の間の平面の表面形状に沿って得られる平面に対して最も短い距離を有する表面測定でよい。
【0039】
表面外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、一続きの表面測定のサブセットから平面に向けて投影することによって導くことができる。サブセットは、その平面も含有する帯域内に含まれた表面測定を含むことができる。サブセットは、その平面も含有する帯域内に含まれた表面測定だけを含むことができる。外形をそこから投影する表面測定のサブセットは、平面の両側に位置することができる。サブセット内の表面測定は、対象物の表面周りの完全回転を説明することができる。
【0040】
外形の少なくとも一部を説明するデータを導くことは、表面の外形を一続きの表面測定のサブセットから平面に向けて投影することを含むことができる。一続きの表面測定のサブセットは、対象物の2つの異なる一様な部分の間(たとえば対象物の2つの異なるほぼ一様に成形された部分の間)の境界を越えることができる。この場合、平面が、対象物の2つの異なる一様な部分の第1の1つを横切って延びるとき、2つの異なる一様な部分の他方で行われたこれらの表面測定に関して、投影することは、表面測定を、その部分の広がりに関する2つの異なる一様な部分の他方の形状に一致する方向で投影し、次いで、表面測定を、2つの異なる一様な部分の第1の1つの形状と一致する異なる方向で投影することを含むことができる。
【0041】
方法は、連続的な表面測定の第1のサブセットを一続きの表面測定から選択することを含むことができる。第1のサブセットは、対象物の表面周りのほぼ完全な回転を説明することができる。外形が決定されるべき対象物の平面は、表面測定のその第1のサブセットによって説明された帯域内に含まれ得る。平面は、帯域内で最初の表面測定と最後の表面測定のほぼ中間点に位置するものでよい。表面外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、連続的な表面測定の第1のサブセット内の表面測定の少なくとも一部から平面に向けて投影することによって導くことができる。表面外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、連続的な表面測定の第1のサブセット内の表面測定の少なくとも半分から平面に向けて投影することによって導くことができる。表面外形の少なくとも一部分を説明するデータは、表面の外形を、連続的な表面測定の第1のサブセット内の表面測定のほぼすべてから平面に向けて投影することによって導くことができる。
【0042】
方法は、表面測定の複数のサブセットを選択し、サブセットごとに、表面の少なくとも一部を平面に投影することを含むことができる。方法は、連続的な表面測定の複数のサブセットを、対象物の表面周りの完全回転を説明する一続きの表面測定から選択することを含むことができる。したがって、方法は、複数のサブセットの各々内で平面についての外形情報を決定することを含むことができる。
【0043】
方法は、少なくとも一部の外形の、公称外形情報からの偏差を決定することをさらに含むことができる。たとえば、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、少なくとも一部の外形の、公称データからの偏差を決定することを含むことができる。特に、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、少なくとも一部の外形の形態誤差を決定することを含むことができる。たとえば、外形が円形である実施形態では、形態誤差は、外形の真円度を含むことができる。偏差を決定することは、公称外形データ(たとえば公称外形モデル)を導かれたデータの適合を含むことができる。適合は、最良適合させることを含むことができる。最良適合は、最小二乗の最良適合を用いることを含むことができる。偏差を決定することは、導かれたデータの少なくとも一部の偏差を、適合された公称外形から決定することを含むことができる。
【0044】
したがって、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、それが所定の基準と適合するかを決定することを含むことができる。特に、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、それが、所定の形状基準、たとえば所定の真円度基準に適合するかどうかを決定することを含むことができる。
【0045】
測定経路は、平面を貫いて斜めに延びることができる。測定経路は、対象物の長さに沿ってその周囲の少なくとも一部の周りで進むことができる。測定経路は、対象物の長さに沿ってその周囲を実質的に循環するように進むことができる。測定経路は、対象物の長さに沿って振動することができる。測定経路は、実質的に曲がりくねって対象物の長さに沿って進むことができる。好ましくは、測定経路は、実質的にらせん式に対象物の長さに沿って進むことができる。
【0046】
方法は、対象物を横切って延びる複数の平面の各々に対して、その平面に対する対象物の表面外形に関連するデータを、平面に対して斜めに延びる前記一続きの表面測定から決定することを含むことができる。特に方法は、複数の平面に対する対象物の表面外形に関連するデータを、これらの平面を貫いて延びる一続きの測定から導くことをさらに含むことができる。
【0047】
対象物の横断面外形は、ほぼ丸くてよく、特に、ほぼ円形でよい。しかし、これは、必ずしもそうである必要はない。たとえば、断面外形は、楕円形、または他の定形/不定形、たとえば四角形、六角形などでよい。
【0048】
対象物の断面サイズは、その長さに沿って非一様でよい。したがって、対象物は、たとえば円錐形でよい。任意選択で、対象物の断面サイズは、ほぼその長さに沿っていてよい。たとえば、対象物は、円筒状でよい。
【0049】
方法は、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の選択されたものに、線の適合をさらに含むことができる。方法は、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の第2の選択されたものに、少なくとも第2の線の適合をさらに含むことができ、このとき、表面測定の第1の選択されたものおよび少なくとも第2の選択されたものは、共通の表面測定を有さない。
【0050】
平面は、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越えるように対象物の長さに沿って延びることができる。特に、平面は、対象物の長手方向軸にほぼ平行に延びることができる。方法は、導かれたデータに線の適合をさらに含むことができる。理解されるように、線は、対象物の長手方向軸に沿って対象物の公称外形を実質的にたどることができる。したがって、対象物の公称形状に応じて、線は、単一の直線になり得る。線は、その長さに沿って少なくとも1つの屈曲部を含むことができる。線は、曲がっていてよい。
【0051】
方法は、第2の平面内の対象物の外形の少なくとも一部を説明する第2のデータを導くことをさらに含むことができ、第2の平面は、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越えるように対象物の長さに沿って延びる。特に、第2の平面は、対象物の長手方向軸にほぼ平行に延びることができる。方法は、次いで、第2の線の第2のデータの適合をさらに含むことができる。第2の平面は、対象物の周囲周りの平面から離間され得る。好ましくは第1の平面および第2の平面はそれぞれ、対象物の長手方向軸にほぼ平行に延びる。
【0052】
適合された線(複数可)を使用して、対象物の直線性に関する情報を得ることができる。
【0053】
理解されるように、対象物は、弁を備えることができる。特に、対象物は、弁座または弁ガイドの少なくとも1つを備えることができる。
【0054】
理解されるように、方法は、コンピュータ実装されてよい。したがって、コンピュータによって実行されたとき、コンピュータに上記で説明した方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品が提供され得る。さらに、上記で説明したコンピュータプログラムコードを有する、コンピュータ読み取り可能な媒体が設けられ得る。
【0055】
本出願は、対象物の長さに沿って表面の形態を決定する方法をさらに説明しており、この方法は、対象物の長さを横切って循環的に延びるように長さに沿って進む測定経路に沿って一続きの対象物の表面測定を得て、対象物の第1の端部と第2の端部の間に複数の測定を得ることと、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の選択されたものに、線の適合とをさらに含むことができる。適合は、少なくとも一部の表面測定を、表面測定と線の間の対象物の形状に一致した方向で、表面を貫き、適合させる線の長さに沿って延びる平面上に投影することを含むことができる。平面上に投影される表面測定は、平面に隣接するものでよい。特に、平面上に投影される表面測定は、表面測定と平面の間の対象物の形状に沿って得られる寸法における平面への最短距離を有する、平面に沿ったものでよい。適合は、平面における投影点の線の適合含むことができる。方法は、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の第2の選択されたものに、第2の線の適合をさらに含むことができ、このとき、表面測定の第1の選択されたものおよび少なくとも第2の選択されたものは、共通の表面測定を有さない。表面測定の第1の選択されたものおよび少なくとも第2の選択されたものは、互いに平行に延びる線内に含まれ得る。適合された線を使用して、対象物の直線性に関する情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
次に、本発明の実施形態を、以下の図を参照してほんの一例として説明する。
【図1】弁本体内の弁の概略斜視図である。
【図2】図1の弁座部および弁ガイドの側部断面図である。
【図3】弁ディスクの側面図である。
【図4】座標測定機上に装着された連接型プローブヘッドの斜視図である。
【図5】連接型プローブヘッドおよび測定プローブの斜視図である。
【図6】連接型プローブヘッド上に装着された測定プローブによって測定される弁座部および弁ガイドの概略図である。
【図7】弁を測定し確認する方法の高レベルのステップを示すフローチャートである。
【図8】弁の測定中に得られたデータを分析するステップを示すフローチャートである。
【図9】弁座の幅を決定し確認するためのことを示すフローチャートである。
【図10】弁座および弁ガイドの真円度を決定し確認するためのステップを示すフローチャートである。
【図11】(a)は、弁座部および図5に示した測定プローブのスタイラスチップによってとられる、弁座部に沿ったらせん測定経路の概略図である。(b)は、弁ガイドおよび図5に示した測定プローブのスタイラスチップによってとられる、弁ガイドに沿ったらせん測定経路の概略図である。
【図12】図15に示すモデルを定義するために使用されるパラメータの概略図である。
【図13a】弁座部の測定中に得られたデータ点が、弁座部のモデルを定義するパラメータの第1の組にどのように関連するかを示す概略図である。
【図13b】弁座部の測定中に得られたデータ点が、弁座部のモデルを定義するパラメータの第2の組にどのように関連するかを示す概略図である。
【図14a】平面内の弁座の真円度を算出するための、弁座のらせん走査中に得られた複数のデータ点の平面上の投影を示す図である。
【図14b】平面内の弁座部の真円度を算出するための、円筒状の弁ガイドを伴った弁座部のより広い範囲のらせん走査中に得られた複数のデータ点の平面上の投影を示す図である。
【図15】弁座部の寸法を決定するために使用されるモデルの概略図である。
【図16】弁座に沿った真円度における変動を示すグラフである。
【図17a】らせん走査情報からの直線性情報の決定を示す図である。
【図17b】らせん走査情報からの直線性情報の決定を示す図である。
【図18】弁ガイドの外形上の情報を決定する、公称データからの投影された測定点の偏差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1から3を参照すると、弁座部10が、弁本体12内に位置している。弁座部10は、いくつかの特徴形状、特に弁本体内にくぼみを画定し、形状がほぼ円筒状である弁ガイド16に至る円錐形領域14を含む。図11により詳細に示すように、弁座部10は、実際には、3つの円錐形特徴形状、すなわち上側円錐形領域11、中央円錐形領域13(これ以後「弁座13」と称される)および下側円錐形領域15を含む。図3を参照すると、弁ディスク18は、弁ガイド16内にぴったりと適合するように寸法設定された円筒状のステム20を備える。ディスク部材22は、ステム20の一方の端部に設けられ、ディスク部材22は、その円周表面上に円錐形表面24を有する。弁座部10および弁ディスクのディスク部材は、弁ディスクが弁座に挿入されたときに封止部を形成する対応する円錐形表面14、24を有する。特に、円錐形表面24は、弁座13に対してぴったりと適合するように形作られる。
【0058】
高度な正確性で作製されることを必要とする弁座部10の特徴形状は、弁座13であり、弁座13と弁ディスク18の円錐形表面24の間の良好な適合が、弁の良好な作動に必要とされる。さらに、弁ガイド16の形状は、できるだけ円形に近くすることが重要である。弁座13または弁ガイド16は、不正確に成形または配置される場合、封止部の品質が損なわれる。たとえば、弁座13、または弁ガイド16の円筒状の表面は、不正確なサイズになることがあり、または正確な円形でないことがある。表面は、間違った横方向の位置または間違った高さで機械加工された可能性があり、または間違った角度で機械加工された可能性がある。
【0059】
図4は、本発明によって弁を測定するために使用される装置を示している。弁座部10および弁ガイド16を含む工作物は、座標測定機(CMM)30などの座標位置決め装置上に装着される。CMM30は、工作物をその上に装着することができるテーブル32を有する。Z柱は、テーブル32に対してX、YおよびZに移動可能であり、この動作は、それぞれX、YおよびZに移動することができる一続きのキャリッジ36、38、34によって可能にされ、キャリッジの各々には、軸受設備、モータおよび変換器(図示せず)が設けられている。
【0060】
連接型プローブヘッド40は、CMMのZ柱34上に装着され、それ上に装着された測定プローブなどの表面検出デバイスの回転動作をもたらす。連接型プローブヘッドを、図5を参照してより詳細に説明する。
【0061】
図5に示すように、連接型走査ヘッド40は、Z柱34上に装着された第1のハウジング42によって形成された固定部を含む。第1のハウジング42は、モータ(図示せず)によって第1のハウジング42に対して軸A1周りで回転可能な可動部44を支持する。可動部44は、第2のハウジング46に固定され、次に第2のハウジング46は、モータ(図示せず)によってハウジング46に対して、軸A1に対してほぼ垂直な軸A2周りで回転可能なシャフト48を支持する。
【0062】
表面検出デバイス、本例では接触測定プローブ50が、連接型プローブヘッドのシャフト48上に装着される。接触測定プローブ50には、プローブハウジング52および工作物と接触するチップ56を有する偏向可能スタイラス54が設けられる。
【0063】
上述した配置は、連接型プローブヘッドのモータが、測定プローブ50の工作物と接触するチップ56を軸AlまたはA2の周りに角度を付けて位置決めすることができ、CMMのモータ(図示せず)が、連接型プローブヘッドを、CMMの三次元座標フレームワーク内のどの場所にも線形的に配置して、スタイラスチップを走査されている表面と所定の関係にもっていくことができるようなものである。
【0064】
線形位置変換器(図示せず)は、連接型プローブヘッドの線形的変位を測定するためにCMM上に設けられ、角度位置変換器は、それぞれの軸AlおよびA2周りのスタイラスの角度変位を測定するために連接型プローブヘッド(図示せず)内に設けられる。測定プローブ50にはまた、スタイラス54の偏向を決定するために変換器も設けられる。
【0065】
CMMおよび連接型プローブヘッドの動作は、コントローラによって制御され、コントローラは、たとえば、特注のコントローラおよび/またはコンピュータ58(たとえばパーソナルコンピュータ(PC)などの汎用コンピュータ)を備えることができる。コントローラは、駆動命令をCMMおよび連接型プローブヘッドに送信してそれらのそれぞれのモータを駆動させ、したがって測定プローブを配置する。コントローラは、CMM、連接型プローブヘッド、および測定プローブ内の変換器からフィードバックを受け取り、それによってコントローラが、プローブチップの位置を決定することが可能になる。
【0066】
連接型プローブヘッドは、機械加工工具、手動CMM、ロボットアーム、または連接型アームのスピンドルなどの他のタイプの座標位置決め装置上に装着されてよい。座標測定機は、図4で説明したようにデカルトタイプの機械であることには限定されず、国際特許出願の特許文献3に記載されるように非デカルトタイプでもよい。
【0067】
次に、装置の作動の方法例を、図6から13を参照して説明する。方法の高レベルな概観が、図7のフローチャート100によって示されている。
【0068】
方法は、ステップ102においてコントローラ58によって開始し、コントローラ58は、弁座部の表象を、三次元空間内の弁座部10上の特定の点を各々が説明するデータ点群(すなわち点群)の形態で得るために、弁座部10のらせん走査を実施するようにプローブ50を制御する。弁座部10の円錐形表面14は、特許文献4に開示された孔を測定するための技術を用いて、但し走査を、以下により詳細に説明するように、非一様な半径(すなわち円筒状の表面よりも円錐形)を考慮に入れるように適合させることによって走査される。
【0069】
図6は、図4および5に示す装置によって走査される縦型の弁座部10の側面図を示しており、図11(a)は、スタイラスチップ56が、弁座部10の測定中にとることができる経路例17を示している。示されるように、経路17は、弁座部10の長さに沿って循環式に、特に、その内面周りで渦巻き式またはらせん式に進む。理解されるように、渦巻き経路以外の経路を類似の効果をあげて使用することができる。たとえば、経路は、弁座部10の長さに沿って、振動式(すなわち連接型ヘッドプローブヘッドが、スタイラスチップを、弁座部10の長さに沿って進みながら前後に移動または回転させる)に進むことができる。
【0070】
第1のステップでは、弁座部10および最大半径の中央線は、たとえばCADデータまたは直接測定から決定される。弁座13のすぐ上方および下方の弁座部10の領域もまた測定され、そのため、これは、最大半径を選択する際に考慮されなければならない。
【0071】
連接型プローブヘッドの回転の中心(すなわちAlおよびA2軸の交差部)は、弁座部10の中心線に合わせられる。連接型プローブヘッドのA2ヘッド角度(すなわち軸A2周りのシャフト48の位置)は、測定プローブ50の工作物と接触するチップ56が、弁座部10の内面と円錐形表面のすぐ上方で接触するように調整される。連接型ヘッドのAlヘッド角度(すなわち軸A1周りの部材44の位置)は、工作物と接触するチップ56を、弁座部10の円形経路内で中心線周りに移動させるように調整可能である。
【0072】
弁座部10の領域の渦巻き走査は、工作物と接触するチップを円形経路内でA1軸周りに移動させながら、連接型プローブヘッドを中心線に沿って移動させることによって実施される。渦巻き外形を用いることは、単一の走査で測定を実施する利点を有し、この外形はまた、CMMよりも高い連接型プローブヘッドの動的応答から恩恵を受ける。
【0073】
CMMおよび連接型ヘッドのこの動作は、円筒状の表面に沿って渦巻き走査経路を創出する。しかしながら、走査は、その工程中、測定される領域の実際の形状(すなわち円錐形表面)を受け入れるように適合される。
【0074】
測定プローブ50は、定義されたスタイラス偏向範囲(たとえば40〜50ミクロン)などの定義された測定範囲内で維持される。偏向が範囲外である場合、連接型プローブヘッド40のヘッド角度は、偏向をその範囲内に戻すように調整される。このようにして、走査は、表面形状に適合される。
【0075】
図6に示す例では、A2ヘッド角度は、円形走査の半径を低減するように調整され、それによってプローブをその定義されたスタイラス偏向範囲内に維持する。
【0076】
水平な弁座部または他の向きに関しては、AlおよびA2軸の組合せは、測定プローブ50をその測定範囲内に保つように調整される。
【0077】
弁座10が測定プローブ50によって走査されると、次いで、弁ガイドが、ステップ104において測定プローブ50によって走査される。弁座部10の円筒状の表面14は、特許文献4で開示されたように孔を測定するための技術を用いて走査される。特に、および図11(b)に示すように、測定プローブ50のチップ56の経路19は、弁ガイド16の長さに沿って循環式に、特に、その内面周りで渦巻き式またはらせん式に進む。ここでも、渦巻き経路以外の経路を類似の効果をあげて使用することができる。たとえば、経路は、弁ガイド16の長さに沿って振動式に進むことができる。
【0078】
接触測定プローブ50を使用することは、測定された区域にわたる細部を伴ったデータ点が非常に正確であるという利点を有するが、たとえば光学プローブ、静電容量プローブ、またはインダクタンスプローブなどの非接触測定プローブもまた、使用されてもよい。
【0079】
ステップ102および104で得られた複数のデータ点は、次いで、ステップ106において、たとえばコントローラ58によって分析されて、図8を参照して以下でより詳細に説明するように、弁座13および弁ガイド16の形状を決定し確認する。データの分析後、弁情報がステップ108で出力される。これは、たとえば、出力を後に使用するためにメモリデバイス内に記憶するステップおよび/または出力を、ユーザの解釈のために、視覚的表示装置などの視覚的指示デバイスを介してユーザに与えるステップを含むことができる。方法はステップ110において終了する。理解されるように、データは、測定情報を取得することを制御した同じコントローラ/コンピュータ58によって分析される必要はない。それよりも、ステップ102および/または104内で得られた複数のデータ点は、データを分析して測定情報を得る別のコンピュータなどの別のプロセッサデバイスに供給され得る。
【0080】
データ106を分析する高レベルなステップは、図8に示すフローチャート200に示されている。特に、データを分析するステップは、ステップ202において弁座13の幅「w」を決定するステップ(図9を参照して以下でより詳細に説明する)と、ステップ204において、弁座13および弁ガイド16に関する真円度情報を決定するステップ(図10を参照して以下でより詳細に説明する)とを含む。
【0081】
弁座13の幅を決定し確認するプロセス202は、図9に示すフローチャート300により詳細に示されている。特に、弁座13の幅を決定し確認するステップは、ステップ302において、ステップ102で測定された弁座部10に対応する参照モデルを得るステップを含む。参照モデルは、たとえばコントローラ58内に位置するメモリデバイスから取り出され得る。参照モデルは、遠隔に位置するコンピュータまたは記憶デバイスから、たとえばインターネットを介して取り出され得る。任意選択で、参照モデルは、コントローラ58に接続された入力デバイス(図示せず)を介してユーザによって入力され得る。理解されるように、参照モデルは、公称弁座部の幾何学的形を定義するパラメータの組を含むことができる。
【0082】
図15は、説明された方法で使用するのに適したモデル60を概略的に示している。この例では、測定されている対象物は、同じ軸を共有する異なる角度を有する3つの錐体を備える弁座部10である。したがって、モデル60は、弁座部10の3つの円錐形領域11、13、15それぞれに関連する上側円錐形部分62、中央円錐形部分64、および下側円錐形部分66を説明するパラメータを含む。特に、モデル60は、共通軸「d」を共有する(たとえばそれに向かって収束する)3つの円錐形部分を説明するパラメータの組を含み、パラメータは、たとえば共通軸「d」に沿った円錐形部分の高さ「h」の境界である円錐形部分の境界を定義し、共通軸「d」に対する円錐形部分の角度「α」も定義する。
【0083】
モデルを定義するパラメータの組を、モデル60の一部を例示する図12を参照してより詳細に説明する。特に、中央錐体、すなわち弁座13に対応するモデル60の部分は、空間内の方向および位置の観点から定義された軸「d」に対して定義可能である。たとえば、軸は、4つのパラメータによって定義可能であり、4つのパラメータは、XおよびY次元(すなわち相互に垂直な次元)における軸の並進位置を定義し、XおよびY次元周りの軸の回転位置も定義する。中央錐体64はまた、次の観点から定義可能である:軸「d」と、軸「d」に対して垂直に得られる中央錐体64の最も狭い部分(すなわち中央錐体部分64と下側錐体部分66の間の交差点65)との間の距離である半径「r」、軸「d」に対する中央錐体64の表面の勾配間の角度「α2」、軸「d」に沿った、中央錐体部分64と隣接する上側錐体部分62との交差部と中央錐体部分64と下側錐体部分66の交差部の間の距離である高さ「H」(α2と組み合わせて、Pおよびrは、中央錐体部分64と上側錐体部分66の間の交差点63を定義しており、たとえばこの点において、それらの部分が連結される)、および半径「r」が軸「d」に沿ってとられる位置「P」。これらのパラメータは、領域62、64、66の各々を独立的に変えることができる(たとえばα3およびα1をα2から独立的に変更することができる)ように変化させることができる。しかしながら、各領域は、少なくとも共通点によってその隣接する領域に連結され(たとえば結び付けられ)、そのためパラメータの一部の操作が、(何を変えるかに応じて)さまざまな領域の形態および/または場所に影響を及ぼすことがある。たとえば、α2、Pまたはrのいずれかが変更された場合、中央錐体部分64および上側錐体部分66にある空間内の点63が変化する。モデル60がどのように設定されるかによって、そのような変更は、上側錐体部分66の位置および/またはその寸法および向きだけに影響を及ぼし得る。しかし、図で見ることができるように、α1が変わることで、中央錐体部分64または下側錐体部分66に波及効果を及ぼすことはない。
【0084】
理解されるように、モデルの特徴形状に関連するこれらのパラメータは、領域を画定する対象物上のそれらの特徴形状に対応する。たとえば、説明した実施形態では、円錐形部分は、それらの接触面によって互いに定義され、これらのパラメータは、これらの接触面の位置および形態を説明する。
【0085】
(角度「α2」に沿った中央錐体64の広がりである)幅「w」を有する弁座13は、従来の方法による測定が困難である弁座部10の重要な特性の1つである。しかしながら、中央錐体64の幅「w」は、その広がりによって錐体の角度に沿って定義され、Hおよび錐体角度「α2」から決定することができる。上側錐体62は、第2の角度によって定義可能であり、下側錐体66は、第3の角度で定義可能である。
【0086】
次のステップ304は、モデル60のパラメータを操作して、弁座部10のらせん走査102中に収集された点群を最良に説明するパラメータの組を見出すステップを含む。理解されるように、パラメータを操作することにより、モデル60の形態(すなわちモデルの形状および/またはサイズ)ならびにモデル60の三次元測定空間における場所を変更することができる。点群を最良に説明するパラメータの組は、モデルに至る点群の距離の大きさの二乗の和が、最小限に抑えられるときのものになり得る。これは、最小二乗の最良適合として一般的に知られているものである。説明された実施形態では、モデルの独立的に可変の部分は、別個または順次ではなく(たとえば、その部分の1つの最良適合を見出し、次いでその決定後、次に進んで前の部分の適合を考慮せずに次の部分の最良適合を見出すのではなく)、ほぼ同時に点群に効果的に適合される。
【0087】
ステップ304は、使用され得るデータの任意の点群のためにモデルへの最小距離を戻す誤差関数「f」を利用することができる。そのような誤差関数は、よく知られており、平面、円形、球、円筒、または錐体などの簡単な幾何学的形状に適用される。しかしながら、説明した例における適合されるべき形状は、簡単な幾何学的形状ではない。それどころか、一続きの円錐形領域を含む三次元形状である。したがって、最小二乗の最良適合を実施するためには、モデルと測定情報の間の誤差を算出する異なる方法が必要とされる(その方法は、以下でより詳細に説明される)。
【0088】
説明した実施形態では、弁座部10は、弁座部10の表面と接触する固定寸法のスタイラスボール56を有する接触プローブ50で測定される。102および104の測定ステップ中、コントローラは、実際には、スタイラスチップ56の中心の位置を記録している。したがって、実際に測定されたデータは、弁座部10の実際の表面に対して平行な表面上にある。
【0089】
理解されるように、平行な表面は、その点の任意のものから参照表面までの最小距離が一定である表面である。すべての簡単な幾何学的特徴形状に関しては、平行表面は、同じ種類の表面であり、平面の平行表面は、平面に垂直な方向における平面のずれであり、円筒の平行表面は、円筒であり、その直径は、スタイラスのチップ半径分ずれた表面の直径である。
【0090】
しかしながら、上記で述べたように、弁座部10は、簡単な幾何学的特徴形状ではなく、その平行表面は、同じ種類のものではない。したがって、ステップ102中に得られた点群は、モデル60と同じ種類の形状を表わさない。これは、概略的に図13(a)に示されており、図13(a)は、弁座部10の円錐形領域に対応する点群70は、形状が円錐体であるが、2つの錐体の交差部における平行な点群は、部分円環面の形状を有することを示している。
【0091】
したがって、モデルと測定情報の間の誤差を算出するための方法は、これらの因子(すなわちチップの半径効果および異種の平行形状効果)を考慮に入れる。
【0092】
特に、方法は、測定情報のさまざまなセクションに異なる誤差関数を用いるステップを含む。特に、特定のデータ点に使用される誤差関数は、データ点が軸に沿ってどこにあるかによって決まる。たとえば、図13(a)を参照すれば、特定の点に使用される誤差関数は、その点が、下側錐体区域80(「錐体1」)、下側/中央の部分円環面区域82(「円環面1/2」)、中央錐体区域84(「錐体2」)、中央/上側円環面区域86(「円環面2/3」)または上側錐体区域88(「錐体3」)内に入るかを推定することに応じて決まる。最良適合が完了するまで、方法は、どの測定点がどの区域に関連するかを知らない。したがって、方法は、測定情報のどの点が、モデルのパラメータに基づくどの区域内に入るかを推定する。方法は、モデルの面積を測定情報に投影することによってこれを行うことができる。したがって、モデルパラメータが実際の測定点を良好に反映するほど、どの測定点がどの領域に関連するかの仮定がより良好になる。図13(a)に示す例では、モデルパラメータは、実際の測定点を非常に良好に反映し、そのため、面積を測定点上に投影すると、どの測定点がどの区域に関連するかに関する良好な仮定がもたらされる。図13(b)に示す例では、モデルパラメータは、実際の測定点をうまく反映しておらず、そのため、面積を測定点上に投影すると、どの測定点がどの区域に関連するかに関する良好でない仮定がもたらされる。
【0093】
各区域に使用される実際の誤差関数は、任意のよく知られている標準的な誤差関数である。しかし、誤差関数で使用される特有の値は、各セクション内のモデルが異なる特性を有することにより、さまざまなセクションに対して誤差関数間で異なる。
【0094】
さらに、使用される誤差関数は、チップ半径を考慮に入れることによってチップ56の半径を補償する。これは、たとえばチップ半径を算出された誤差から引くことによって行うことができる。
【0095】
パラメータの所与の組を有するモデルに対する距離(「F」)の二乗の総合計は、次いで、次の項式を用いて算出可能である。
【0096】
【数1】
【0097】
部分円環面区域82、84内の点の数は、円錐形区域内の点のこれらの数に比べて比較的少ない。したがって、最良適合パラメータを決定するための方法を簡易化し、その効率性を向上させるために、部分円環面区域82、84に関連すると仮定される測定情報は、パラメータの所与の組を有するモデルに対する距離(「F」)の二乗の総合計を決定する間、無視することができる。したがって、Fは以下のように決定可能である。
【0098】
【数2】
【0099】
次いで、点群を適合する最良の弁座を定義するパラメータの組を得るために、Fの値が最小化される。この最小化は、たとえばよく知られているガウス−ニュートン最小化、またはレベンベルグ−マーカート最小化などのそのバリエーションの1つを用いて実施することができる最小二乗の最適化である。
【0100】
次に、弁座部10の寸法を、ステップ308において、適合されたモデル60を説明するパラメータから決定することができる。特に、たとえば、測定された対象物の弁座13の幅「w」を、このとき、中央円錐形部分64とその隣接する上側円錐形部分62および下側円錐形部分64との接触面の場所を定義するパラメータから正確に決定することができる。
【0101】
最良適合されたモデルは、また、弁座部10の部分の他の特定の寸法および場所の決定も可能にする。特にこれは、弁座13上のゲージ直径(たとえば軸「d」に沿った弁座13の位置)、座部上のゲージの位置、座部の幅、座部の角度、上側錐体および下側錐体の両方の角度を決定することを可能にする。
【0102】
次いで、適合されたモデル60から決定された寸法を公称寸法と比較して、弁座部10の寸法の、所望の寸法からの偏差を決定することができる。たとえば、幅「w」を、ステップ310において、弁座の公称幅と比較して測定された弁座部10の弁座13はどのようにうまく所望の寸法に適合しているかを決定することができる。
【0103】
弁座13および弁ガイド16の真円度データを決定し確認するプロセス204は、図10に示すフローチャート400でより詳細に示されている。プロセスは、弁座13の真円度を決定し確認するステップと関連付けて説明されるが、理解されるように、同じ方法を使用して、弁ガイド16の真円度を確認することができる。プロセスは、ステップ402において、特定の横断面内の弁座13の断面外形を、(平面を貫いて延びる)らせんデータから導くことによって始まる。たとえば、図14(a)は、弁座13のらせん走査中に得られた一続きの測定点70を概略的に示している。この導出は、最初に、第1の完全らせんを測定情報内に含む連続的な測定点の帯域を特定し、次いで、錐体を横切って延び、らせんの中央(すなわち、最高測定点と最低測定点の間の中間点)を含む平面を特定することによって実施される。次のステップは、らせん内の各々の測定された点70を、測定点70と平面72の間のその真円度が決定される対象物の形状に一致する方向に(すなわちその場の錐体の母線に沿って)投影するステップを含む。したがって、平面における点を、測定点と平面の間の対象物の形状を考慮に入れながら、実際に測定された点を平面上にマッピングすることによって推定することができる。
【0104】
理解されるように、方法は、各々の測定された点を平面上に投影するステップを必ずしも含む必要はない。それどころか、測定された点の一部の選択されたものだけを使用することができ、たとえば1つおきの測定点を使用することができる。いずれの場合も、投影された点は、次いで円形上に最良適合され、真円度はこのとき、たとえば最良適合円による投影された点との最小誤差と最大誤差の間の範囲を決定することによって通常の方法で決定することができる。
【0105】
このプロセスは、弁座の真円度をその長さに沿って決定するために、弁座13の長さに沿って複数回反復させることができる。たとえば、これは、完全ならせんを形成する点の選択されたものを弁座に沿って下方に滑らせ、次いでらせんデータの新しく選択されたものに対して投影および真円度決定ステップを繰り返すステップを含むことができる。図16は、弁座13の長さに沿って切り取られた100個の異なる完全ならせんセクションに対して決定された真円度誤差を示す図を示しており、各真円度誤差は、上記で説明した方法を用いて決定されている。示され得るように、真円度誤差は、弁座13の長さに沿って変わる。
【0106】
理解されるように、1回転のらせん走査中に得られた一続きの測定点は、弁座部の2つの異なる領域間の境界線を越えることができる。一回転のらせん走査中に得られた一続きの測定点は、弁座部と弁ガイドの間(たとえば弁の2つの異なる一様な部分の間)の境界線を越えることができる。これらの状況では、弁を横切り、1回転のらせん走査中に得られた測定点の領域内に位置する平面上への点の投影は、両方の領域の母線を考慮に入れることが必要になる。たとえば、図14(b)は、一回のらせん走査中に得られた測定点71が、弁座部10の下側円錐形領域15と弁ガイド16の間の境界線を越える状況を示している。したがって、特定の平面73内の下側円錐形領域15の断面外形をらせんデータから導くステップは、点の一部(たとえば下側円錐形領域15の円錐形表面上で測定されたこれらの点)を、下側円錐形領域15の形状に一致する方向で平面73上に投影するステップと、点の一部(たとえば円筒状の弁ガイド16上で測定されたこれらの点)を、工程の一部に関しては円筒状の弁ガイド16の形状に一致する方向で(すなわち円筒状の弁ガイド16の軸に対して平行に)、次いで、工程の残りに関しては下側円錐形領域15の形状に一致する方向で、平面73上に投影するステップとが必要になる。
【0107】
上記で説明した実施形態では、測定点は、直線に沿って平面上に投影される。しかしながら、理解されるように、これは、そうである必要はなく、たとえば測定点と、測定点がその上に投影される平面の間の対象物の形状が、湾曲している場合、測定点をその同じ形状の曲線に沿って平面上に投影することができる。
【0108】
真円度データを決定することに加えてまたはあるいは、振れ情報(たとえば弁座の固定された軸に対する表面外形位置が、弁座の長さに沿ってどのように変わるか)を、らせんデータからの平面上に投影された点から決定することができる。
【0109】
理解されるように、弁座13の真円度を決定し確認するための上記で説明した方法はまた、弁ガイド16の真円度を確認するために使用可能である。まとめると、特定の平面内の弁ガイド16の断面外形は、らせん走査手順によって得られたデータから、ガイドの弁軸に沿ったらせん内の各々の測定点を、真円度が決定される平面上に投影することによって導くことができる。
【0110】
上記で説明した実施形態では、らせん走査から決定され、公称データに対して確認された弁の外形は、横断面内の弁の外形に関するものである。しかしながら、理解されるように、他の平面、たとえば矢状面内の弁の外形を、らせん走査から決定し、公称データに対して確認することができる。たとえば、弁ガイド16の直線性の外形を、決定し確認することができる。これをどのように行うことができるかの1つの例が、図17(a)および(b)に関連付けて説明されている。広い意味では、これは、測定点75によって定義された経路を対象物の長さに沿った複数の点で越える、弁ガイド16の長さに沿って(この場合、弁ガイド16の長手方向軸に対してほぼ平行に)延びる線に隣接するらせん走査中に得られた測定点75の点94の選択されたものに、少なくとも1本の直線90を適合させることによって行われる。より具体的には、これは、最初に円筒96(すなわち測定される対象物の予想形状)を測定点75に最良適合し、次いで、適合された円筒96から中央軸Aを得ることによって行うことができる。点線および二重点線95によって示す矢状面(すなわち弁ガイドの長手方向軸に対してほぼ平行に延びる平面)が、次いで特定可能であり、この矢状面は、長手方向軸Aおよび外形情報が決定される対象の弁ガイド16の表面の線も含む。平面95に最も近い測定経路に沿った測定点が、選択され、次いで、平面と測定点の間の対象物の形状に一致する方法で平面95上に投影される。これは、図17(b)により明確に示されており、図17(b)は、例示のために、(十字線で表す)わずかな測定点97のみが、(小さいらせん点線によって示す)測定経路98に沿って実際に得られることを示している。実線の矢印で示すように、(太字の十字線で表す)平面95に最も近い測定点が、選択され、(測定点と平面95の間の対象物の表面の形状に一致する方法で)平面95上に投影される。したがって、この実施形態では、測定点は、対象物の円筒形態の曲率に一致する湾曲線に沿って投影される。線90は次いで、平面95上に投影されたときに点100に最良適合される。
【0111】
次いで、点94の線90からの偏差を算出することによって、直線性を決定することができる。(例示を簡単にするために、図示するように最良適合線90に対して平面95上に投影されたときの点100の相対位置を誇張して示す)図18に示すように、測定された弁ガイド16の直線性の外形の形態誤差は、最良適合された線からの最大(max)偏差と最良適合された線からの最小(min)偏差との間の範囲を決定することによって決定することができる。
【0112】
理解されるように、この同じ技術は、弁座部10の外形をその長さに沿って決定するために、弁領域部分10に対して使用され得る。したがって、この場合、完全に軸(「d」)を含み、弁座部10の表面を貫いて径方向に外方向に延びる平面上に投影された点に適合される線は、直線ではないが、(図12に示すようなものなどの)3本の交差する直線を含む。
【0113】
これは、らせん的に走査された測定点75周りの複数のそのような点に対して複数回(たとえば線92によって示すように)反復可能である。
【0114】
理解されるように、例示を簡単にするために、測定点のらせんは、非常に余裕があるように図では示しているが、実際には、かなり密ならせんになることができる。
【0115】
上記の実施形態は、弁座および弁ガイドの測定を説明しているが、対象物を横切って延びる平面内の対象物の表面外形に関連する情報を、平面に対して斜めに延びる対象物の一続きの表面測定から決定する同じ方法は、他の表面特徴形状にも適している。これは、他の用途の中でも面の封止部を測定するために特に有用な方法である。表面の特徴形状が、説明したように中心線周りの対称を有する必要はないが、このことによって、走査の速度が弱まる。
【0116】
測定情報を集めるために、座標測定機上の連接型走査ヘッドを使用することを説明したにも関わらず他の技術を使用することができるが、上記で説明した技術は、速度および正確性の利点を有する。
【0117】
上記で説明した弁は、たとえば自動車エンジンのシリンダーヘッドに見出されるタイプのものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を測定するための、特に複数の面から構成された対象物の一部の面を測定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工作物が製造された後、これらを中空軸を有する座標測定機(CMM)上で検査することが一般的な方法であり、中空軸は、測定機の可動範囲内で3つの直交方向X、Y、Zに駆動させることができる。中空軸は、測定プローブを担持することができ、測定プローブは、検査される工作物の表面を、たとえば測定プローブのスタイラスとその表面の間の接触によって検出したときに信号を生成する。
【0003】
一般的に、CMMは、工作物の所望の寸法の完璧な検査を実施するために、工作物上のさまざまな場所において一続きの座標データの読み取りを行うようにプログラムされたコンピュータを含む。そして、工作物が、受け入れ可能な品質のものであるか、あるいは受け入れないものとすべきかについて決定がなされ得る。
【0004】
アナログ(または走査)接触プローブは、通常、偏向可能なスタイラスを備えたハウジング(すなわちプローブ本体)を備える。スタイラスは、表面と接触するチップを有し、その静止位置からの偏向が、変換器によって測定される。スタイラス偏向とCMM位置の組合せを使用して、スタイラスチップの場所(故にスタイラスチップが接触している表面上の座標点)を決定する。そのようなアナログプローブは、特許文献1に記載されている。
【0005】
測定プローブを連接型プローブヘッド上に装着することが知られており、連接型プローブヘッドは、測定プローブの向きを、通常約2本またはそれ以上の軸周りで変化させることができる。そのような連接型プローブヘッドは、特許文献2で記載されている。連接型プローブヘッドは、第1の直交軸および第2の直交軸の周りの回転を可能にする。連接型プローブヘッド内には、測定プローブを連接型プローブヘッドの回転軸の周りに連続的に配置しながら、その位置をコンピュータにフィードバックすることを可能にするために、モータおよび変換器が設けられる。
【0006】
従来の技術を用いて正確に測定することが難しいことが証明されている特徴形状は、弁、特に弁座、弁ガイド、および弁ディスクである。弁は、内燃エンジンで使用されるため、自動車業界にとって特に重要なものである。弁の適合が良好でないと、エンジンの効率性が影響を受ける。これは、弁ディスクと弁座の間の封止が良好でないことに起因する、または弁座の場所が弁の全開を妨げることによるものになり得る。弁座、弁ガイドおよび弁ディスクの形状もまた、特に重要になり得る。たとえば、これらが一様に丸くない場合、これは、良好な適合を妨げる恐れがあり、したがって漏出を生じさせる可能性がある。弁ディスクがその上に着座する領域の勾配に沿ってとられる寸法である弁座の幅もまた、特に重要になり得る。
【0007】
弁座は、従来の技術によって測定することが困難であり、時間がかかるものである。通常、弁は、従来方式では、弁座の上部から底部に至る4本の線に沿って測ることによって測定され、各々の線は、弁座の円周周りに90度で離間される。これらの測定は、弁座の外形を決定することを可能にする。弁座の円周は、その形態および弁ガイドとの同心度を決定するために、特有の高さで円形の測定経路をたどることによって測定される。これらの測定は通常、CMMの中空軸上に装着されたアナログ接触プローブを用いて行われ、測定が遅いという欠点を有する。この測定は、弁座の直径が許容誤差内であるかを決定するために使用される。しかし、データは、4本の測定線に関してのみ入手可能である(すなわちそれらの間に関しては入手可能でない)。また、測定点が分散するため、弁座の真円度を決定することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許第1551218号明細書
【特許文献2】欧州特許第0402440号明細書
【特許文献3】国際公開第95/20747号パンフレット
【特許文献4】国際公開第90/07097号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、対象物の特徴形状を測定するための、特に弁の特徴形状を測定するための改良された方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、対象物の特徴形状を測定するための方法が提供され、方法は、少なくとも特徴形状の表象を、少なくとも特徴形状の表面測定を介して複数のデータ点を取得することによって対象物上で得ることと、対象物の少なくとも特徴形状をほぼ複製するモデルをその表象に適合させることであって、モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合させることは、少なくとも2つの可変部分の少なくとも1つを変えることによってモデルの形態を変更することを含む、こととを含む。本方法は、少なくとも特徴形状に関する情報を適合されたモデルから得ることをさらに含むことができる。
【0011】
本発明の方法を用いて、対象物の特徴形状に関する正確な情報(たとえばサイズ情報を含む寸法情報および/または場所情報などの測定情報)を取り出すことが可能である。モデルの形態が、少なくとも特徴形状の表象に適合するように操作された時点で、正確な測定情報をモデルから得ることが可能になる。共通点で連結された少なくとも2つの可変部分の統一モデルを使用することにより、モデルの少なくとも2つの部分の表象への同時適合が可能になる。これは、たとえば、モデルのさまざまな部分、すなわちモデルの、全く連結されていない完全に個々の複数の部分に別個に適合させるよりも、より現実的にモデルを表象に適合させることをもたらすことが見出されている。モデルの各部分が、それらの間に連結を有さずに個々に処理され、各部分が別個に適合されるとき、隣接する部分が交差する点が仮定されなければならず、これは、重要な測定情報を得るために使用できるモデルの様相に不正確性をもたらす恐れがある。本発明は、共通点で連結された少なくとも2つの可変の部分を有するモデルを表象に適合させることによってこれを回避する。
【0012】
可変の部分は、その部分の各々を他方から独立的に(すなわち個々にまたは別個に)変えることができるという点で独立的に可変のものである。したがって、1つの部分を変えることが、必ずしも他の部分(複数可)に波及効果を及ぼす必要はない。たとえば、その部分の1つのサイズを、他の部分(複数可)のサイズから独立的に変更することができる。しかし、理解されるように、この部分は、何らかの方法で連結されている(すなわち結合されている)ので、これらの部分の1つを変えると、その部分が変えられる方法およびそのモデルが制御される方法に応じて、その部分に連結された他の部分(複数可)に波及効果を及ぼす可能性がある。たとえば、その部分の1つの位置および/または向きが変えられた場合、これは、その部分に連結された他の部分(複数可)に影響を及ぼす可能性がある。
【0013】
理解されるように、形態は、モデルの形状を含むことができる。形態は、モデルのサイズを含むことができる。適合させることは、モデルおよび表象の相対場所を操作することをさらに含むことができる。
【0014】
理解されるように、表象は、特徴形状のデジタル表象でよい。表象は、二次元的空間内の少なくとも特徴形状上の複数の点の場所を説明することができる。表象は、三次元的測定空間内の対象物の少なくとも特徴形状上の複数の点の場所を説明することができる。したがって、表象は、点群として一般的に知られているものを含むことができる。
【0015】
理解されるように、モデルは、対象物の特徴形状の公称の幾何学形を定義するパラメータを含むことができる。これは、対象物の特徴形状の予想されたまたは所望の幾何学形になり得る。
【0016】
少なくとも2つの独立的に可変の部分の各々は、対象物の特定の様相を複製するように形作られ得る。対象物の様相は、測定情報を得るべき対象となる対象物のいかなる様相でもよい。たとえば、少なくとも2つの独立的に可変の部分の各々は、対象物の表面の特定領域を複製するように形作られ得る。少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、対象物の少なくとも特徴形状の特定の様相、たとえば特徴形状の表面の特定領域などを複製するように形作られ得る。領域は、対象物の表面の一様な領域でよい。したがって、少なくとも2つの独立的に可変の部分はそれぞれ、対象物の異なる一様な領域を複製するように構成可能である。
【0017】
少なくとも1つのパラメータは、部分同士が連結される点を定義することができる。したがって、少なくとも1つのパラメータは、対象物の、たとえば表面の少なくとも2つの領域の少なくとも2つの様相の接触面を複製することができる。これは、測定情報を、部分同士が連結される点を定義する少なくとも1つのパラメータから導くことができるので、有用になり得る。これにより、対象物のさまざまな様相が接合する点について測定情報を得ることができる。たとえば、これにより、対象物の表面のさまざまな領域が合わさる点について測定情報を得ることができる。
【0018】
したがって、上記に沿って、少なくとも2つの独立的に可変の部分は、対象物の表面のさまざまな領域を複製することができ、共通の縁に沿って連結することができる。したがって、モデルの少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、ほぼ平面である対象物の表面の領域を複製することができる。領域は、定形または不定形の幾何学的形状を有することができる。したがって、少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、ほぼ環状である対象物の表面の領域を複製することができる。環状領域は、定形または不定形の幾何学的形状である断面形状を有することができる。たとえば、環状領域は、断面形状がほぼ円形、三角形、四角形または六角形のものでよい。少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、形がほぼ管状である対象物の表面の領域を複製することができる。たとえば、少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、形がほぼ円筒状である対象物の領域を複製することができる。任意選択で、少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、形がほぼ円錐形である対象物の表面の領域を複製することができる。
【0019】
適合させることは、モデルのパラメータを、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点を変更するように操作することを含むことができる。これは、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点の場所および/または向きを操作することを含むことができる。任意選択で、これは、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点の形態を操作することを含むことができる。たとえば、部分同士が縁によって連結されるとき、これは、少なくとも2つの独立的に可変の部分がそれに沿って連結される縁の形状および/または寸法を操作することを含むことができる。
【0020】
モデルは、一続きの少なくとも3つの可変の部分を定義するパラメータを含むことができ、その少なくとも1つの部分(「中間部分」)は、他の2つの部分に連結される。可変の部分は、上記で説明したように、その部分の各々を他方から独立して(すなわち個々にまたは別個に)変えることができる点で独立的に可変のものである。少なくとも3つの可変の部分は、対象物の表面のさまざまな領域を複製することができ、中間部分を、第1の縁に沿ってその部分の1つに連結し、また、第1の縁のほぼ反対側の第2の縁に沿って他の部分に連結することができる。この場合、パラメータは、さまざまな領域の縁を説明することができる。モデルを適合させることは、縁に関連するパラメータを操作することを含むことができる。たとえば、これは、パラメータを、縁の形態および/または縁の場所を変更するように操作することを含むことができる。測定情報は、実質的に対向する縁間の距離を含むことができる。したがって、測定情報は、中間部分の幅を含むことができる。
【0021】
一続きの少なくとも3つの可変の部分の少なくとも1つは、円錐形部分でよい。好ましくは、少なくとも3つの独立的に可変の部分の中間部分は、ほぼ円錐形である。好ましくは、モデルは、少なくとも3つの可変の円錐形部分を含む。円錐形部分は、共通軸に収束することができる。円錐形部分は、さまざまな角度で共通軸に収束することができる。この場合、パラメータは、円錐形部分がそれに沿って連結される縁に関連することができる。たとえば、少なくとも1つのパラメータは、第1の隣接する円錐形部分を用いて中間の円錐形部分の第1の縁を説明することができる。少なくとも第2のパラメータは、すべての円錐形部分が収束する軸と軸に対する円錐形部分の勾配との間の角度に関連することができる。少なくとも第3のパラメータは、第2の隣接する円錐形部分を用いて中間の円錐形部分の第2の縁を説明することができ、第2の縁は、第1の縁のほぼ反対側にある。少なくとも第3のパラメータは、第1の縁と第2の縁の間の軸に沿った高さを説明することができる。
【0022】
適合は、表象のさまざまな部分を特定することを含むことができる。特にこれは、モデルの少なくとも2つの可変の部分の1つに関連すると各々が推定される、少なくとも2つの部分を特定することを含むことができる。適合は、次いで、表象の各々の異なる部分に対して異なる誤差関数を用いることを含むことができる。さらに、適合は、少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点に関連すると推定される、表象の少なくとも1つの連結する部分を特定することを含むことができ、ここでは、適合は、少なくとも1つの連結する部分を無視することを含む。これにより、適合プロセスの効率性を向上させることができる。
【0023】
表象は、特徴形状に隣接する対象物の少なくとも1つの部分を含むことができる。この場合、好ましくはモデルの少なくとも2つの可変の部分の少なくとも1つは、特徴形状に関連しており、少なくとも2つの可変の部分の少なくとも1つは、特徴形状に隣接する対象物の部分に関連する。特に、表象は、各々が特徴形状に直接隣接する対象物の少なくとも2つの部分を含むことができる。この場合、好ましくはモデルは、少なくとも3つの独立的に可変の部分を含み、その少なくとも1つは、特徴形状に関連し、その少なくとも1つは、特徴形状に直接隣接する対象物の少なくとも2つの部分の1つに関連し、その少なくとも1つは、特徴形状に直接隣接する対象物の少なくとも2つの部分の他方に関連している。これは、モデルを表象に適合を向上させ、さらに測定情報の正確性を向上させることが見出されている。
【0024】
本方法が寸法を得るのに適している適切な対象物としては、弁、特に弁の弁座領域があげられる。
【0025】
モデルの適合は、モデルの最良適合を含むことができる。すなわち、本方法は、モデルを定義するパラメータを、表象との最良適合を見出すように操作することを含むことができる。最良適合は、最小二乗の最良適合を用いることを含むことができる。
【0026】
対象物の少なくとも特徴形状に関する測定情報は、公称データと比較可能である。特に、測定情報を分析して、対象物の少なくとも特徴形状の、公称対象物上の公称特徴形状に対する偏差を決定することができる。これは、たとえば形態誤差を提供することができる。
【0027】
座標位置決め装置上に装着された表面検出デバイスを用いて、複数のデータ点を収集することができる。表面検出デバイスは、測定プローブを備えることができる。座標位置決め装置は、測定プローブが2つまたはそれ以上の軸の周りで回転することを可能にする連接型プローブヘッドを備えることができる。表面検出デバイスは、非接触の測定プローブを備えることができる。任意選択で、表面検出デバイスは、接触測定プローブを備える。測定プローブは、デュアルステート(dual−state)またはタッチトリガ(touch−trigger)のプローブでよい。特に、接触測定プローブは、プローブのスタイラスの偏向程度を決定することができるアナログ(または走査)測定プローブを備えることができる。また、アナログまたは走査プローブは、スタイラス偏向に関連する情報/データの動向を提供することができる。座標位置決め装置は、座標位置決め機(CMM)、工作機械、非デカルト機、連接型アーム、ロボットアームまたは手動CMMを備えることができる。
【0028】
本発明の方法は、複数のデータ点を取得する、すなわち対象物の少なくとも特徴形状の表面測定を介したことを含むことができる。しかし、理解されるように、これは、必ずしもそうである必要はない。たとえば、複数のデータ点を、本発明の方法の実施前に取得していた可能性がある。この場合、対象物の特徴形状の表象を得ることは、表象を受け取ることを含むことができる。たとえば、これは、表象が記憶されているメモリデバイスから表象を取り出すことを含むことができる。
【0029】
理解されるように、本発明の上記で説明した方法は、コンピュータによって実施され得る。したがって、ことの少なくとも一部は、少なくとも1つのプロセッサデバイスによって実施され得る。表象およびモデルの少なくとも1つは、少なくとも1つの適切な記憶デバイスから得ることができる。少なくとも1つの記憶デバイスは、本発明の方法を実施するコンピュータの近くにまたは遠隔にあってよい。適切な記憶デバイスは、ハードディスクなどの磁気記憶デバイス、フラッシュメモリデバイスなどのソリッドステート記憶デバイス、およびコンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学式記憶デバイスを含む。記憶デバイスがコンピュータの遠隔にある場合、表象および/またはモデルは、通信リンクを介して取り出され得る。理解されるように、通信リンクは、有線式または無線式でよい。したがって、たとえば表象およびモデルの少なくとも1つを、遠隔記憶デバイスからインターネットを介して得ることができる。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、対象物の特徴形状を測定するためのコンピュータ実装された方法が提供され、この方法は、少なくとも特徴形状の表象を対象物上で取り込むことと、対象物の少なくとも特徴形状を複製するモデルをその表象の適合であって、モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合は、少なくとも2つの可変の部分の少なくとも1つを変えることによってモデルの形態を変更することを含む、ことと、少なくとも特徴形状に関する情報を適合モデルから得ることとを含む。
【0031】
表象は、たとえば少なくとも特徴形状の表面測定を介して取得された、たとえば複数のデータ点を含むことができる。
【0032】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータによって実行されたとき、コンピュータに上記で説明した方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0033】
本発明の第4の態様によれば、上記で説明したコンピュータプログラムコードを有する、コンピュータ読み取り可能な媒体が設けられる。
【0034】
本出願はまた、平面内の対象物の外形情報を決定するための方法も説明しており、方法は、平面を貫いて延びる測定経路に沿って対象物の一続きの三次元の表面測定を得ることと、平面を貫いて延びる一続きの表面測定から、平面内の対象物の外形の少なくとも一部を説明するデータを導くこととを含む。
【0035】
これにより、平面内の対象物の表面の二次元外形に関する情報を、平面内の表面外形の完璧な測定を実際に実施することなく得ることが可能になる。それよりも、二次元の外形情報は、たとえば、平面を貫いて延び、三次元に延びる走査から得られた測定情報から導く、たとえば投影することが可能である。したがって、特定の平面内の対象物の外形を決定するために、走査作動中、平面が正確に測定されることを確実にする必要はない。そうではなく、その平面を含有する区域をより広く円を描くように測定することができ、平面に関する特定のデータをその描いた円から導くことができる。
【0036】
理解されるように、外形の少なくとも一部を説明するデータは、平面内の表面外形の形態をそこから導くことができるデータを含むことができる。理解されるように、この形態は、外形の形状を含むことができる。この形態は、外形のサイズを含むことができる。データは、たとえば平面内の表面の2D位置のデータを説明する複数の離散点を含むことができる。任意選択で、データは、たとえば平面内の表面の形状およびサイズを説明する2点間の曲線、たとえば関数を含むことができる。理解されるように、外形は、平面内に取り込まれた対象物の表面の形状でよい。したがって、本発明は、対象物の測定中に得られた三次元データを、平面内に含まれる(対象物の形状に関する)二次元データに低減する。
【0037】
平面は、対象物の表面の少なくとも一部を横切って、対象物に対して任意の向きに延びることができる。特に、平面は、対象物の長さに沿って延びる軸にほぼ垂直に延びることができる。たとえば、平面は横断面でよい。たとえば、平面は、対象物を上側セクションおよび下側セクションに概念的に分割するものでよい。平面は、対象物の長さに沿って延びる軸にほぼ平行に延びることができる。したがって、平面は、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越えることができる。たとえば、平面は、矢状面でよい。たとえば、平面は、対象物を左手セクションおよび右手セクションに概念的に分割するものでよい。外形は、平面内の対象物のほぼ完全な断面外形でよい。外形は、平面内の対象物の部分的断面外形でよい。
【0038】
外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、少なくとも何らかの一続きの表面測定から平面に向けて投影することによって導くことができる。投影することは、少なくとも1つの表面測定を平面上に変換することを含むことができる。これは、少なくとも1つの表面測定を平面上にあてはめることを含むことができる。投影することは、表面測定を、表面測定と平面の間の対象物の形状に一致する方向で平面上に投影することを含むことができる。特に、平面における点を説明するデータは、最も近い表面測定を平面上に投影することによって導くことができる。これは、表面測定と平面の間の平面の表面形状に沿って得られる平面に対して最も短い距離を有する表面測定でよい。
【0039】
表面外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、一続きの表面測定のサブセットから平面に向けて投影することによって導くことができる。サブセットは、その平面も含有する帯域内に含まれた表面測定を含むことができる。サブセットは、その平面も含有する帯域内に含まれた表面測定だけを含むことができる。外形をそこから投影する表面測定のサブセットは、平面の両側に位置することができる。サブセット内の表面測定は、対象物の表面周りの完全回転を説明することができる。
【0040】
外形の少なくとも一部を説明するデータを導くことは、表面の外形を一続きの表面測定のサブセットから平面に向けて投影することを含むことができる。一続きの表面測定のサブセットは、対象物の2つの異なる一様な部分の間(たとえば対象物の2つの異なるほぼ一様に成形された部分の間)の境界を越えることができる。この場合、平面が、対象物の2つの異なる一様な部分の第1の1つを横切って延びるとき、2つの異なる一様な部分の他方で行われたこれらの表面測定に関して、投影することは、表面測定を、その部分の広がりに関する2つの異なる一様な部分の他方の形状に一致する方向で投影し、次いで、表面測定を、2つの異なる一様な部分の第1の1つの形状と一致する異なる方向で投影することを含むことができる。
【0041】
方法は、連続的な表面測定の第1のサブセットを一続きの表面測定から選択することを含むことができる。第1のサブセットは、対象物の表面周りのほぼ完全な回転を説明することができる。外形が決定されるべき対象物の平面は、表面測定のその第1のサブセットによって説明された帯域内に含まれ得る。平面は、帯域内で最初の表面測定と最後の表面測定のほぼ中間点に位置するものでよい。表面外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、連続的な表面測定の第1のサブセット内の表面測定の少なくとも一部から平面に向けて投影することによって導くことができる。表面外形の少なくとも一部を説明するデータは、表面の外形を、連続的な表面測定の第1のサブセット内の表面測定の少なくとも半分から平面に向けて投影することによって導くことができる。表面外形の少なくとも一部分を説明するデータは、表面の外形を、連続的な表面測定の第1のサブセット内の表面測定のほぼすべてから平面に向けて投影することによって導くことができる。
【0042】
方法は、表面測定の複数のサブセットを選択し、サブセットごとに、表面の少なくとも一部を平面に投影することを含むことができる。方法は、連続的な表面測定の複数のサブセットを、対象物の表面周りの完全回転を説明する一続きの表面測定から選択することを含むことができる。したがって、方法は、複数のサブセットの各々内で平面についての外形情報を決定することを含むことができる。
【0043】
方法は、少なくとも一部の外形の、公称外形情報からの偏差を決定することをさらに含むことができる。たとえば、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、少なくとも一部の外形の、公称データからの偏差を決定することを含むことができる。特に、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、少なくとも一部の外形の形態誤差を決定することを含むことができる。たとえば、外形が円形である実施形態では、形態誤差は、外形の真円度を含むことができる。偏差を決定することは、公称外形データ(たとえば公称外形モデル)を導かれたデータの適合を含むことができる。適合は、最良適合させることを含むことができる。最良適合は、最小二乗の最良適合を用いることを含むことができる。偏差を決定することは、導かれたデータの少なくとも一部の偏差を、適合された公称外形から決定することを含むことができる。
【0044】
したがって、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、それが所定の基準と適合するかを決定することを含むことができる。特に、方法は、平面内の対象物の外形に関連する導かれたデータを分析して、それが、所定の形状基準、たとえば所定の真円度基準に適合するかどうかを決定することを含むことができる。
【0045】
測定経路は、平面を貫いて斜めに延びることができる。測定経路は、対象物の長さに沿ってその周囲の少なくとも一部の周りで進むことができる。測定経路は、対象物の長さに沿ってその周囲を実質的に循環するように進むことができる。測定経路は、対象物の長さに沿って振動することができる。測定経路は、実質的に曲がりくねって対象物の長さに沿って進むことができる。好ましくは、測定経路は、実質的にらせん式に対象物の長さに沿って進むことができる。
【0046】
方法は、対象物を横切って延びる複数の平面の各々に対して、その平面に対する対象物の表面外形に関連するデータを、平面に対して斜めに延びる前記一続きの表面測定から決定することを含むことができる。特に方法は、複数の平面に対する対象物の表面外形に関連するデータを、これらの平面を貫いて延びる一続きの測定から導くことをさらに含むことができる。
【0047】
対象物の横断面外形は、ほぼ丸くてよく、特に、ほぼ円形でよい。しかし、これは、必ずしもそうである必要はない。たとえば、断面外形は、楕円形、または他の定形/不定形、たとえば四角形、六角形などでよい。
【0048】
対象物の断面サイズは、その長さに沿って非一様でよい。したがって、対象物は、たとえば円錐形でよい。任意選択で、対象物の断面サイズは、ほぼその長さに沿っていてよい。たとえば、対象物は、円筒状でよい。
【0049】
方法は、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の選択されたものに、線の適合をさらに含むことができる。方法は、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の第2の選択されたものに、少なくとも第2の線の適合をさらに含むことができ、このとき、表面測定の第1の選択されたものおよび少なくとも第2の選択されたものは、共通の表面測定を有さない。
【0050】
平面は、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越えるように対象物の長さに沿って延びることができる。特に、平面は、対象物の長手方向軸にほぼ平行に延びることができる。方法は、導かれたデータに線の適合をさらに含むことができる。理解されるように、線は、対象物の長手方向軸に沿って対象物の公称外形を実質的にたどることができる。したがって、対象物の公称形状に応じて、線は、単一の直線になり得る。線は、その長さに沿って少なくとも1つの屈曲部を含むことができる。線は、曲がっていてよい。
【0051】
方法は、第2の平面内の対象物の外形の少なくとも一部を説明する第2のデータを導くことをさらに含むことができ、第2の平面は、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越えるように対象物の長さに沿って延びる。特に、第2の平面は、対象物の長手方向軸にほぼ平行に延びることができる。方法は、次いで、第2の線の第2のデータの適合をさらに含むことができる。第2の平面は、対象物の周囲周りの平面から離間され得る。好ましくは第1の平面および第2の平面はそれぞれ、対象物の長手方向軸にほぼ平行に延びる。
【0052】
適合された線(複数可)を使用して、対象物の直線性に関する情報を得ることができる。
【0053】
理解されるように、対象物は、弁を備えることができる。特に、対象物は、弁座または弁ガイドの少なくとも1つを備えることができる。
【0054】
理解されるように、方法は、コンピュータ実装されてよい。したがって、コンピュータによって実行されたとき、コンピュータに上記で説明した方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品が提供され得る。さらに、上記で説明したコンピュータプログラムコードを有する、コンピュータ読み取り可能な媒体が設けられ得る。
【0055】
本出願は、対象物の長さに沿って表面の形態を決定する方法をさらに説明しており、この方法は、対象物の長さを横切って循環的に延びるように長さに沿って進む測定経路に沿って一続きの対象物の表面測定を得て、対象物の第1の端部と第2の端部の間に複数の測定を得ることと、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の選択されたものに、線の適合とをさらに含むことができる。適合は、少なくとも一部の表面測定を、表面測定と線の間の対象物の形状に一致した方向で、表面を貫き、適合させる線の長さに沿って延びる平面上に投影することを含むことができる。平面上に投影される表面測定は、平面に隣接するものでよい。特に、平面上に投影される表面測定は、表面測定と平面の間の対象物の形状に沿って得られる寸法における平面への最短距離を有する、平面に沿ったものでよい。適合は、平面における投影点の線の適合含むことができる。方法は、対象物の長さに沿って延び、対象物の長さに沿った複数の点で測定経路を越える線に隣接する表面測定の第2の選択されたものに、第2の線の適合をさらに含むことができ、このとき、表面測定の第1の選択されたものおよび少なくとも第2の選択されたものは、共通の表面測定を有さない。表面測定の第1の選択されたものおよび少なくとも第2の選択されたものは、互いに平行に延びる線内に含まれ得る。適合された線を使用して、対象物の直線性に関する情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
次に、本発明の実施形態を、以下の図を参照してほんの一例として説明する。
【図1】弁本体内の弁の概略斜視図である。
【図2】図1の弁座部および弁ガイドの側部断面図である。
【図3】弁ディスクの側面図である。
【図4】座標測定機上に装着された連接型プローブヘッドの斜視図である。
【図5】連接型プローブヘッドおよび測定プローブの斜視図である。
【図6】連接型プローブヘッド上に装着された測定プローブによって測定される弁座部および弁ガイドの概略図である。
【図7】弁を測定し確認する方法の高レベルのステップを示すフローチャートである。
【図8】弁の測定中に得られたデータを分析するステップを示すフローチャートである。
【図9】弁座の幅を決定し確認するためのことを示すフローチャートである。
【図10】弁座および弁ガイドの真円度を決定し確認するためのステップを示すフローチャートである。
【図11】(a)は、弁座部および図5に示した測定プローブのスタイラスチップによってとられる、弁座部に沿ったらせん測定経路の概略図である。(b)は、弁ガイドおよび図5に示した測定プローブのスタイラスチップによってとられる、弁ガイドに沿ったらせん測定経路の概略図である。
【図12】図15に示すモデルを定義するために使用されるパラメータの概略図である。
【図13a】弁座部の測定中に得られたデータ点が、弁座部のモデルを定義するパラメータの第1の組にどのように関連するかを示す概略図である。
【図13b】弁座部の測定中に得られたデータ点が、弁座部のモデルを定義するパラメータの第2の組にどのように関連するかを示す概略図である。
【図14a】平面内の弁座の真円度を算出するための、弁座のらせん走査中に得られた複数のデータ点の平面上の投影を示す図である。
【図14b】平面内の弁座部の真円度を算出するための、円筒状の弁ガイドを伴った弁座部のより広い範囲のらせん走査中に得られた複数のデータ点の平面上の投影を示す図である。
【図15】弁座部の寸法を決定するために使用されるモデルの概略図である。
【図16】弁座に沿った真円度における変動を示すグラフである。
【図17a】らせん走査情報からの直線性情報の決定を示す図である。
【図17b】らせん走査情報からの直線性情報の決定を示す図である。
【図18】弁ガイドの外形上の情報を決定する、公称データからの投影された測定点の偏差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1から3を参照すると、弁座部10が、弁本体12内に位置している。弁座部10は、いくつかの特徴形状、特に弁本体内にくぼみを画定し、形状がほぼ円筒状である弁ガイド16に至る円錐形領域14を含む。図11により詳細に示すように、弁座部10は、実際には、3つの円錐形特徴形状、すなわち上側円錐形領域11、中央円錐形領域13(これ以後「弁座13」と称される)および下側円錐形領域15を含む。図3を参照すると、弁ディスク18は、弁ガイド16内にぴったりと適合するように寸法設定された円筒状のステム20を備える。ディスク部材22は、ステム20の一方の端部に設けられ、ディスク部材22は、その円周表面上に円錐形表面24を有する。弁座部10および弁ディスクのディスク部材は、弁ディスクが弁座に挿入されたときに封止部を形成する対応する円錐形表面14、24を有する。特に、円錐形表面24は、弁座13に対してぴったりと適合するように形作られる。
【0058】
高度な正確性で作製されることを必要とする弁座部10の特徴形状は、弁座13であり、弁座13と弁ディスク18の円錐形表面24の間の良好な適合が、弁の良好な作動に必要とされる。さらに、弁ガイド16の形状は、できるだけ円形に近くすることが重要である。弁座13または弁ガイド16は、不正確に成形または配置される場合、封止部の品質が損なわれる。たとえば、弁座13、または弁ガイド16の円筒状の表面は、不正確なサイズになることがあり、または正確な円形でないことがある。表面は、間違った横方向の位置または間違った高さで機械加工された可能性があり、または間違った角度で機械加工された可能性がある。
【0059】
図4は、本発明によって弁を測定するために使用される装置を示している。弁座部10および弁ガイド16を含む工作物は、座標測定機(CMM)30などの座標位置決め装置上に装着される。CMM30は、工作物をその上に装着することができるテーブル32を有する。Z柱は、テーブル32に対してX、YおよびZに移動可能であり、この動作は、それぞれX、YおよびZに移動することができる一続きのキャリッジ36、38、34によって可能にされ、キャリッジの各々には、軸受設備、モータおよび変換器(図示せず)が設けられている。
【0060】
連接型プローブヘッド40は、CMMのZ柱34上に装着され、それ上に装着された測定プローブなどの表面検出デバイスの回転動作をもたらす。連接型プローブヘッドを、図5を参照してより詳細に説明する。
【0061】
図5に示すように、連接型走査ヘッド40は、Z柱34上に装着された第1のハウジング42によって形成された固定部を含む。第1のハウジング42は、モータ(図示せず)によって第1のハウジング42に対して軸A1周りで回転可能な可動部44を支持する。可動部44は、第2のハウジング46に固定され、次に第2のハウジング46は、モータ(図示せず)によってハウジング46に対して、軸A1に対してほぼ垂直な軸A2周りで回転可能なシャフト48を支持する。
【0062】
表面検出デバイス、本例では接触測定プローブ50が、連接型プローブヘッドのシャフト48上に装着される。接触測定プローブ50には、プローブハウジング52および工作物と接触するチップ56を有する偏向可能スタイラス54が設けられる。
【0063】
上述した配置は、連接型プローブヘッドのモータが、測定プローブ50の工作物と接触するチップ56を軸AlまたはA2の周りに角度を付けて位置決めすることができ、CMMのモータ(図示せず)が、連接型プローブヘッドを、CMMの三次元座標フレームワーク内のどの場所にも線形的に配置して、スタイラスチップを走査されている表面と所定の関係にもっていくことができるようなものである。
【0064】
線形位置変換器(図示せず)は、連接型プローブヘッドの線形的変位を測定するためにCMM上に設けられ、角度位置変換器は、それぞれの軸AlおよびA2周りのスタイラスの角度変位を測定するために連接型プローブヘッド(図示せず)内に設けられる。測定プローブ50にはまた、スタイラス54の偏向を決定するために変換器も設けられる。
【0065】
CMMおよび連接型プローブヘッドの動作は、コントローラによって制御され、コントローラは、たとえば、特注のコントローラおよび/またはコンピュータ58(たとえばパーソナルコンピュータ(PC)などの汎用コンピュータ)を備えることができる。コントローラは、駆動命令をCMMおよび連接型プローブヘッドに送信してそれらのそれぞれのモータを駆動させ、したがって測定プローブを配置する。コントローラは、CMM、連接型プローブヘッド、および測定プローブ内の変換器からフィードバックを受け取り、それによってコントローラが、プローブチップの位置を決定することが可能になる。
【0066】
連接型プローブヘッドは、機械加工工具、手動CMM、ロボットアーム、または連接型アームのスピンドルなどの他のタイプの座標位置決め装置上に装着されてよい。座標測定機は、図4で説明したようにデカルトタイプの機械であることには限定されず、国際特許出願の特許文献3に記載されるように非デカルトタイプでもよい。
【0067】
次に、装置の作動の方法例を、図6から13を参照して説明する。方法の高レベルな概観が、図7のフローチャート100によって示されている。
【0068】
方法は、ステップ102においてコントローラ58によって開始し、コントローラ58は、弁座部の表象を、三次元空間内の弁座部10上の特定の点を各々が説明するデータ点群(すなわち点群)の形態で得るために、弁座部10のらせん走査を実施するようにプローブ50を制御する。弁座部10の円錐形表面14は、特許文献4に開示された孔を測定するための技術を用いて、但し走査を、以下により詳細に説明するように、非一様な半径(すなわち円筒状の表面よりも円錐形)を考慮に入れるように適合させることによって走査される。
【0069】
図6は、図4および5に示す装置によって走査される縦型の弁座部10の側面図を示しており、図11(a)は、スタイラスチップ56が、弁座部10の測定中にとることができる経路例17を示している。示されるように、経路17は、弁座部10の長さに沿って循環式に、特に、その内面周りで渦巻き式またはらせん式に進む。理解されるように、渦巻き経路以外の経路を類似の効果をあげて使用することができる。たとえば、経路は、弁座部10の長さに沿って、振動式(すなわち連接型ヘッドプローブヘッドが、スタイラスチップを、弁座部10の長さに沿って進みながら前後に移動または回転させる)に進むことができる。
【0070】
第1のステップでは、弁座部10および最大半径の中央線は、たとえばCADデータまたは直接測定から決定される。弁座13のすぐ上方および下方の弁座部10の領域もまた測定され、そのため、これは、最大半径を選択する際に考慮されなければならない。
【0071】
連接型プローブヘッドの回転の中心(すなわちAlおよびA2軸の交差部)は、弁座部10の中心線に合わせられる。連接型プローブヘッドのA2ヘッド角度(すなわち軸A2周りのシャフト48の位置)は、測定プローブ50の工作物と接触するチップ56が、弁座部10の内面と円錐形表面のすぐ上方で接触するように調整される。連接型ヘッドのAlヘッド角度(すなわち軸A1周りの部材44の位置)は、工作物と接触するチップ56を、弁座部10の円形経路内で中心線周りに移動させるように調整可能である。
【0072】
弁座部10の領域の渦巻き走査は、工作物と接触するチップを円形経路内でA1軸周りに移動させながら、連接型プローブヘッドを中心線に沿って移動させることによって実施される。渦巻き外形を用いることは、単一の走査で測定を実施する利点を有し、この外形はまた、CMMよりも高い連接型プローブヘッドの動的応答から恩恵を受ける。
【0073】
CMMおよび連接型ヘッドのこの動作は、円筒状の表面に沿って渦巻き走査経路を創出する。しかしながら、走査は、その工程中、測定される領域の実際の形状(すなわち円錐形表面)を受け入れるように適合される。
【0074】
測定プローブ50は、定義されたスタイラス偏向範囲(たとえば40〜50ミクロン)などの定義された測定範囲内で維持される。偏向が範囲外である場合、連接型プローブヘッド40のヘッド角度は、偏向をその範囲内に戻すように調整される。このようにして、走査は、表面形状に適合される。
【0075】
図6に示す例では、A2ヘッド角度は、円形走査の半径を低減するように調整され、それによってプローブをその定義されたスタイラス偏向範囲内に維持する。
【0076】
水平な弁座部または他の向きに関しては、AlおよびA2軸の組合せは、測定プローブ50をその測定範囲内に保つように調整される。
【0077】
弁座10が測定プローブ50によって走査されると、次いで、弁ガイドが、ステップ104において測定プローブ50によって走査される。弁座部10の円筒状の表面14は、特許文献4で開示されたように孔を測定するための技術を用いて走査される。特に、および図11(b)に示すように、測定プローブ50のチップ56の経路19は、弁ガイド16の長さに沿って循環式に、特に、その内面周りで渦巻き式またはらせん式に進む。ここでも、渦巻き経路以外の経路を類似の効果をあげて使用することができる。たとえば、経路は、弁ガイド16の長さに沿って振動式に進むことができる。
【0078】
接触測定プローブ50を使用することは、測定された区域にわたる細部を伴ったデータ点が非常に正確であるという利点を有するが、たとえば光学プローブ、静電容量プローブ、またはインダクタンスプローブなどの非接触測定プローブもまた、使用されてもよい。
【0079】
ステップ102および104で得られた複数のデータ点は、次いで、ステップ106において、たとえばコントローラ58によって分析されて、図8を参照して以下でより詳細に説明するように、弁座13および弁ガイド16の形状を決定し確認する。データの分析後、弁情報がステップ108で出力される。これは、たとえば、出力を後に使用するためにメモリデバイス内に記憶するステップおよび/または出力を、ユーザの解釈のために、視覚的表示装置などの視覚的指示デバイスを介してユーザに与えるステップを含むことができる。方法はステップ110において終了する。理解されるように、データは、測定情報を取得することを制御した同じコントローラ/コンピュータ58によって分析される必要はない。それよりも、ステップ102および/または104内で得られた複数のデータ点は、データを分析して測定情報を得る別のコンピュータなどの別のプロセッサデバイスに供給され得る。
【0080】
データ106を分析する高レベルなステップは、図8に示すフローチャート200に示されている。特に、データを分析するステップは、ステップ202において弁座13の幅「w」を決定するステップ(図9を参照して以下でより詳細に説明する)と、ステップ204において、弁座13および弁ガイド16に関する真円度情報を決定するステップ(図10を参照して以下でより詳細に説明する)とを含む。
【0081】
弁座13の幅を決定し確認するプロセス202は、図9に示すフローチャート300により詳細に示されている。特に、弁座13の幅を決定し確認するステップは、ステップ302において、ステップ102で測定された弁座部10に対応する参照モデルを得るステップを含む。参照モデルは、たとえばコントローラ58内に位置するメモリデバイスから取り出され得る。参照モデルは、遠隔に位置するコンピュータまたは記憶デバイスから、たとえばインターネットを介して取り出され得る。任意選択で、参照モデルは、コントローラ58に接続された入力デバイス(図示せず)を介してユーザによって入力され得る。理解されるように、参照モデルは、公称弁座部の幾何学的形を定義するパラメータの組を含むことができる。
【0082】
図15は、説明された方法で使用するのに適したモデル60を概略的に示している。この例では、測定されている対象物は、同じ軸を共有する異なる角度を有する3つの錐体を備える弁座部10である。したがって、モデル60は、弁座部10の3つの円錐形領域11、13、15それぞれに関連する上側円錐形部分62、中央円錐形部分64、および下側円錐形部分66を説明するパラメータを含む。特に、モデル60は、共通軸「d」を共有する(たとえばそれに向かって収束する)3つの円錐形部分を説明するパラメータの組を含み、パラメータは、たとえば共通軸「d」に沿った円錐形部分の高さ「h」の境界である円錐形部分の境界を定義し、共通軸「d」に対する円錐形部分の角度「α」も定義する。
【0083】
モデルを定義するパラメータの組を、モデル60の一部を例示する図12を参照してより詳細に説明する。特に、中央錐体、すなわち弁座13に対応するモデル60の部分は、空間内の方向および位置の観点から定義された軸「d」に対して定義可能である。たとえば、軸は、4つのパラメータによって定義可能であり、4つのパラメータは、XおよびY次元(すなわち相互に垂直な次元)における軸の並進位置を定義し、XおよびY次元周りの軸の回転位置も定義する。中央錐体64はまた、次の観点から定義可能である:軸「d」と、軸「d」に対して垂直に得られる中央錐体64の最も狭い部分(すなわち中央錐体部分64と下側錐体部分66の間の交差点65)との間の距離である半径「r」、軸「d」に対する中央錐体64の表面の勾配間の角度「α2」、軸「d」に沿った、中央錐体部分64と隣接する上側錐体部分62との交差部と中央錐体部分64と下側錐体部分66の交差部の間の距離である高さ「H」(α2と組み合わせて、Pおよびrは、中央錐体部分64と上側錐体部分66の間の交差点63を定義しており、たとえばこの点において、それらの部分が連結される)、および半径「r」が軸「d」に沿ってとられる位置「P」。これらのパラメータは、領域62、64、66の各々を独立的に変えることができる(たとえばα3およびα1をα2から独立的に変更することができる)ように変化させることができる。しかしながら、各領域は、少なくとも共通点によってその隣接する領域に連結され(たとえば結び付けられ)、そのためパラメータの一部の操作が、(何を変えるかに応じて)さまざまな領域の形態および/または場所に影響を及ぼすことがある。たとえば、α2、Pまたはrのいずれかが変更された場合、中央錐体部分64および上側錐体部分66にある空間内の点63が変化する。モデル60がどのように設定されるかによって、そのような変更は、上側錐体部分66の位置および/またはその寸法および向きだけに影響を及ぼし得る。しかし、図で見ることができるように、α1が変わることで、中央錐体部分64または下側錐体部分66に波及効果を及ぼすことはない。
【0084】
理解されるように、モデルの特徴形状に関連するこれらのパラメータは、領域を画定する対象物上のそれらの特徴形状に対応する。たとえば、説明した実施形態では、円錐形部分は、それらの接触面によって互いに定義され、これらのパラメータは、これらの接触面の位置および形態を説明する。
【0085】
(角度「α2」に沿った中央錐体64の広がりである)幅「w」を有する弁座13は、従来の方法による測定が困難である弁座部10の重要な特性の1つである。しかしながら、中央錐体64の幅「w」は、その広がりによって錐体の角度に沿って定義され、Hおよび錐体角度「α2」から決定することができる。上側錐体62は、第2の角度によって定義可能であり、下側錐体66は、第3の角度で定義可能である。
【0086】
次のステップ304は、モデル60のパラメータを操作して、弁座部10のらせん走査102中に収集された点群を最良に説明するパラメータの組を見出すステップを含む。理解されるように、パラメータを操作することにより、モデル60の形態(すなわちモデルの形状および/またはサイズ)ならびにモデル60の三次元測定空間における場所を変更することができる。点群を最良に説明するパラメータの組は、モデルに至る点群の距離の大きさの二乗の和が、最小限に抑えられるときのものになり得る。これは、最小二乗の最良適合として一般的に知られているものである。説明された実施形態では、モデルの独立的に可変の部分は、別個または順次ではなく(たとえば、その部分の1つの最良適合を見出し、次いでその決定後、次に進んで前の部分の適合を考慮せずに次の部分の最良適合を見出すのではなく)、ほぼ同時に点群に効果的に適合される。
【0087】
ステップ304は、使用され得るデータの任意の点群のためにモデルへの最小距離を戻す誤差関数「f」を利用することができる。そのような誤差関数は、よく知られており、平面、円形、球、円筒、または錐体などの簡単な幾何学的形状に適用される。しかしながら、説明した例における適合されるべき形状は、簡単な幾何学的形状ではない。それどころか、一続きの円錐形領域を含む三次元形状である。したがって、最小二乗の最良適合を実施するためには、モデルと測定情報の間の誤差を算出する異なる方法が必要とされる(その方法は、以下でより詳細に説明される)。
【0088】
説明した実施形態では、弁座部10は、弁座部10の表面と接触する固定寸法のスタイラスボール56を有する接触プローブ50で測定される。102および104の測定ステップ中、コントローラは、実際には、スタイラスチップ56の中心の位置を記録している。したがって、実際に測定されたデータは、弁座部10の実際の表面に対して平行な表面上にある。
【0089】
理解されるように、平行な表面は、その点の任意のものから参照表面までの最小距離が一定である表面である。すべての簡単な幾何学的特徴形状に関しては、平行表面は、同じ種類の表面であり、平面の平行表面は、平面に垂直な方向における平面のずれであり、円筒の平行表面は、円筒であり、その直径は、スタイラスのチップ半径分ずれた表面の直径である。
【0090】
しかしながら、上記で述べたように、弁座部10は、簡単な幾何学的特徴形状ではなく、その平行表面は、同じ種類のものではない。したがって、ステップ102中に得られた点群は、モデル60と同じ種類の形状を表わさない。これは、概略的に図13(a)に示されており、図13(a)は、弁座部10の円錐形領域に対応する点群70は、形状が円錐体であるが、2つの錐体の交差部における平行な点群は、部分円環面の形状を有することを示している。
【0091】
したがって、モデルと測定情報の間の誤差を算出するための方法は、これらの因子(すなわちチップの半径効果および異種の平行形状効果)を考慮に入れる。
【0092】
特に、方法は、測定情報のさまざまなセクションに異なる誤差関数を用いるステップを含む。特に、特定のデータ点に使用される誤差関数は、データ点が軸に沿ってどこにあるかによって決まる。たとえば、図13(a)を参照すれば、特定の点に使用される誤差関数は、その点が、下側錐体区域80(「錐体1」)、下側/中央の部分円環面区域82(「円環面1/2」)、中央錐体区域84(「錐体2」)、中央/上側円環面区域86(「円環面2/3」)または上側錐体区域88(「錐体3」)内に入るかを推定することに応じて決まる。最良適合が完了するまで、方法は、どの測定点がどの区域に関連するかを知らない。したがって、方法は、測定情報のどの点が、モデルのパラメータに基づくどの区域内に入るかを推定する。方法は、モデルの面積を測定情報に投影することによってこれを行うことができる。したがって、モデルパラメータが実際の測定点を良好に反映するほど、どの測定点がどの領域に関連するかの仮定がより良好になる。図13(a)に示す例では、モデルパラメータは、実際の測定点を非常に良好に反映し、そのため、面積を測定点上に投影すると、どの測定点がどの区域に関連するかに関する良好な仮定がもたらされる。図13(b)に示す例では、モデルパラメータは、実際の測定点をうまく反映しておらず、そのため、面積を測定点上に投影すると、どの測定点がどの区域に関連するかに関する良好でない仮定がもたらされる。
【0093】
各区域に使用される実際の誤差関数は、任意のよく知られている標準的な誤差関数である。しかし、誤差関数で使用される特有の値は、各セクション内のモデルが異なる特性を有することにより、さまざまなセクションに対して誤差関数間で異なる。
【0094】
さらに、使用される誤差関数は、チップ半径を考慮に入れることによってチップ56の半径を補償する。これは、たとえばチップ半径を算出された誤差から引くことによって行うことができる。
【0095】
パラメータの所与の組を有するモデルに対する距離(「F」)の二乗の総合計は、次いで、次の項式を用いて算出可能である。
【0096】
【数1】
【0097】
部分円環面区域82、84内の点の数は、円錐形区域内の点のこれらの数に比べて比較的少ない。したがって、最良適合パラメータを決定するための方法を簡易化し、その効率性を向上させるために、部分円環面区域82、84に関連すると仮定される測定情報は、パラメータの所与の組を有するモデルに対する距離(「F」)の二乗の総合計を決定する間、無視することができる。したがって、Fは以下のように決定可能である。
【0098】
【数2】
【0099】
次いで、点群を適合する最良の弁座を定義するパラメータの組を得るために、Fの値が最小化される。この最小化は、たとえばよく知られているガウス−ニュートン最小化、またはレベンベルグ−マーカート最小化などのそのバリエーションの1つを用いて実施することができる最小二乗の最適化である。
【0100】
次に、弁座部10の寸法を、ステップ308において、適合されたモデル60を説明するパラメータから決定することができる。特に、たとえば、測定された対象物の弁座13の幅「w」を、このとき、中央円錐形部分64とその隣接する上側円錐形部分62および下側円錐形部分64との接触面の場所を定義するパラメータから正確に決定することができる。
【0101】
最良適合されたモデルは、また、弁座部10の部分の他の特定の寸法および場所の決定も可能にする。特にこれは、弁座13上のゲージ直径(たとえば軸「d」に沿った弁座13の位置)、座部上のゲージの位置、座部の幅、座部の角度、上側錐体および下側錐体の両方の角度を決定することを可能にする。
【0102】
次いで、適合されたモデル60から決定された寸法を公称寸法と比較して、弁座部10の寸法の、所望の寸法からの偏差を決定することができる。たとえば、幅「w」を、ステップ310において、弁座の公称幅と比較して測定された弁座部10の弁座13はどのようにうまく所望の寸法に適合しているかを決定することができる。
【0103】
弁座13および弁ガイド16の真円度データを決定し確認するプロセス204は、図10に示すフローチャート400でより詳細に示されている。プロセスは、弁座13の真円度を決定し確認するステップと関連付けて説明されるが、理解されるように、同じ方法を使用して、弁ガイド16の真円度を確認することができる。プロセスは、ステップ402において、特定の横断面内の弁座13の断面外形を、(平面を貫いて延びる)らせんデータから導くことによって始まる。たとえば、図14(a)は、弁座13のらせん走査中に得られた一続きの測定点70を概略的に示している。この導出は、最初に、第1の完全らせんを測定情報内に含む連続的な測定点の帯域を特定し、次いで、錐体を横切って延び、らせんの中央(すなわち、最高測定点と最低測定点の間の中間点)を含む平面を特定することによって実施される。次のステップは、らせん内の各々の測定された点70を、測定点70と平面72の間のその真円度が決定される対象物の形状に一致する方向に(すなわちその場の錐体の母線に沿って)投影するステップを含む。したがって、平面における点を、測定点と平面の間の対象物の形状を考慮に入れながら、実際に測定された点を平面上にマッピングすることによって推定することができる。
【0104】
理解されるように、方法は、各々の測定された点を平面上に投影するステップを必ずしも含む必要はない。それどころか、測定された点の一部の選択されたものだけを使用することができ、たとえば1つおきの測定点を使用することができる。いずれの場合も、投影された点は、次いで円形上に最良適合され、真円度はこのとき、たとえば最良適合円による投影された点との最小誤差と最大誤差の間の範囲を決定することによって通常の方法で決定することができる。
【0105】
このプロセスは、弁座の真円度をその長さに沿って決定するために、弁座13の長さに沿って複数回反復させることができる。たとえば、これは、完全ならせんを形成する点の選択されたものを弁座に沿って下方に滑らせ、次いでらせんデータの新しく選択されたものに対して投影および真円度決定ステップを繰り返すステップを含むことができる。図16は、弁座13の長さに沿って切り取られた100個の異なる完全ならせんセクションに対して決定された真円度誤差を示す図を示しており、各真円度誤差は、上記で説明した方法を用いて決定されている。示され得るように、真円度誤差は、弁座13の長さに沿って変わる。
【0106】
理解されるように、1回転のらせん走査中に得られた一続きの測定点は、弁座部の2つの異なる領域間の境界線を越えることができる。一回転のらせん走査中に得られた一続きの測定点は、弁座部と弁ガイドの間(たとえば弁の2つの異なる一様な部分の間)の境界線を越えることができる。これらの状況では、弁を横切り、1回転のらせん走査中に得られた測定点の領域内に位置する平面上への点の投影は、両方の領域の母線を考慮に入れることが必要になる。たとえば、図14(b)は、一回のらせん走査中に得られた測定点71が、弁座部10の下側円錐形領域15と弁ガイド16の間の境界線を越える状況を示している。したがって、特定の平面73内の下側円錐形領域15の断面外形をらせんデータから導くステップは、点の一部(たとえば下側円錐形領域15の円錐形表面上で測定されたこれらの点)を、下側円錐形領域15の形状に一致する方向で平面73上に投影するステップと、点の一部(たとえば円筒状の弁ガイド16上で測定されたこれらの点)を、工程の一部に関しては円筒状の弁ガイド16の形状に一致する方向で(すなわち円筒状の弁ガイド16の軸に対して平行に)、次いで、工程の残りに関しては下側円錐形領域15の形状に一致する方向で、平面73上に投影するステップとが必要になる。
【0107】
上記で説明した実施形態では、測定点は、直線に沿って平面上に投影される。しかしながら、理解されるように、これは、そうである必要はなく、たとえば測定点と、測定点がその上に投影される平面の間の対象物の形状が、湾曲している場合、測定点をその同じ形状の曲線に沿って平面上に投影することができる。
【0108】
真円度データを決定することに加えてまたはあるいは、振れ情報(たとえば弁座の固定された軸に対する表面外形位置が、弁座の長さに沿ってどのように変わるか)を、らせんデータからの平面上に投影された点から決定することができる。
【0109】
理解されるように、弁座13の真円度を決定し確認するための上記で説明した方法はまた、弁ガイド16の真円度を確認するために使用可能である。まとめると、特定の平面内の弁ガイド16の断面外形は、らせん走査手順によって得られたデータから、ガイドの弁軸に沿ったらせん内の各々の測定点を、真円度が決定される平面上に投影することによって導くことができる。
【0110】
上記で説明した実施形態では、らせん走査から決定され、公称データに対して確認された弁の外形は、横断面内の弁の外形に関するものである。しかしながら、理解されるように、他の平面、たとえば矢状面内の弁の外形を、らせん走査から決定し、公称データに対して確認することができる。たとえば、弁ガイド16の直線性の外形を、決定し確認することができる。これをどのように行うことができるかの1つの例が、図17(a)および(b)に関連付けて説明されている。広い意味では、これは、測定点75によって定義された経路を対象物の長さに沿った複数の点で越える、弁ガイド16の長さに沿って(この場合、弁ガイド16の長手方向軸に対してほぼ平行に)延びる線に隣接するらせん走査中に得られた測定点75の点94の選択されたものに、少なくとも1本の直線90を適合させることによって行われる。より具体的には、これは、最初に円筒96(すなわち測定される対象物の予想形状)を測定点75に最良適合し、次いで、適合された円筒96から中央軸Aを得ることによって行うことができる。点線および二重点線95によって示す矢状面(すなわち弁ガイドの長手方向軸に対してほぼ平行に延びる平面)が、次いで特定可能であり、この矢状面は、長手方向軸Aおよび外形情報が決定される対象の弁ガイド16の表面の線も含む。平面95に最も近い測定経路に沿った測定点が、選択され、次いで、平面と測定点の間の対象物の形状に一致する方法で平面95上に投影される。これは、図17(b)により明確に示されており、図17(b)は、例示のために、(十字線で表す)わずかな測定点97のみが、(小さいらせん点線によって示す)測定経路98に沿って実際に得られることを示している。実線の矢印で示すように、(太字の十字線で表す)平面95に最も近い測定点が、選択され、(測定点と平面95の間の対象物の表面の形状に一致する方法で)平面95上に投影される。したがって、この実施形態では、測定点は、対象物の円筒形態の曲率に一致する湾曲線に沿って投影される。線90は次いで、平面95上に投影されたときに点100に最良適合される。
【0111】
次いで、点94の線90からの偏差を算出することによって、直線性を決定することができる。(例示を簡単にするために、図示するように最良適合線90に対して平面95上に投影されたときの点100の相対位置を誇張して示す)図18に示すように、測定された弁ガイド16の直線性の外形の形態誤差は、最良適合された線からの最大(max)偏差と最良適合された線からの最小(min)偏差との間の範囲を決定することによって決定することができる。
【0112】
理解されるように、この同じ技術は、弁座部10の外形をその長さに沿って決定するために、弁領域部分10に対して使用され得る。したがって、この場合、完全に軸(「d」)を含み、弁座部10の表面を貫いて径方向に外方向に延びる平面上に投影された点に適合される線は、直線ではないが、(図12に示すようなものなどの)3本の交差する直線を含む。
【0113】
これは、らせん的に走査された測定点75周りの複数のそのような点に対して複数回(たとえば線92によって示すように)反復可能である。
【0114】
理解されるように、例示を簡単にするために、測定点のらせんは、非常に余裕があるように図では示しているが、実際には、かなり密ならせんになることができる。
【0115】
上記の実施形態は、弁座および弁ガイドの測定を説明しているが、対象物を横切って延びる平面内の対象物の表面外形に関連する情報を、平面に対して斜めに延びる対象物の一続きの表面測定から決定する同じ方法は、他の表面特徴形状にも適している。これは、他の用途の中でも面の封止部を測定するために特に有用な方法である。表面の特徴形状が、説明したように中心線周りの対称を有する必要はないが、このことによって、走査の速度が弱まる。
【0116】
測定情報を集めるために、座標測定機上の連接型走査ヘッドを使用することを説明したにも関わらず他の技術を使用することができるが、上記で説明した技術は、速度および正確性の利点を有する。
【0117】
上記で説明した弁は、たとえば自動車エンジンのシリンダーヘッドに見出されるタイプのものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の特徴形状を測定するための方法であって、
少なくとも前記特徴形状の表面測定を介して取得された複数のデータ点を含む、少なくとも前記特徴形状の表象を前記対象物上で取り込み、
前記対象物の少なくとも前記特徴形状をほぼ複製するモデルを前記表象に適合させ、前記モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの独立的に可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合は、前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つを変えることによって前記モデルの前記形態の変更を含み、
少なくとも前記特徴形状に関する情報を、前記適合されたモデルから得ること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのパラメータは、前記部分が連結された点を定義することを特徴とする前記請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記情報は、前記部分が連結された前記点を定義する前記少なくとも1つのパラメータから導かれることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記部分が連結された前記点を操作することを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記部分が連結された前記点の場所を操作することを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2つの独立的に可変の部分それぞれは、前記対象物の表面上で異なる領域を複製し、共通縁に沿って連結されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記領域は、形が輪状のものであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの領域は、形がほぼ円錐形であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記モデルは、一続きの少なくとも3つの独立的に可変の部分を定義するパラメータを含み、前記独立的に可変の部分のうちの少なくとも1つの中間部分は、他の2つの部分に連結されていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも3つの独立的に可変の部分それぞれは、前記対象物の表面上で異なる領域を複製し、前記少なくとも3つの独立的に可変の部分の1つは、第1の縁に沿って前記少なくとも3つの独立的に可変の部分の他の1つに連結され、前記第1の縁のほぼ反対側の第2の縁に沿って前記少なくとも3つの独立的に可変の部分の別のものに連結されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記情報は、前記ほぼ対向する縁間の距離を含むことを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
適合は、前記モデルの前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の1つに関連すると各々が推定される少なくとも2つの部分を含む、前記表象のさまざまな部分の特定を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
適合は、異なる誤差関数を前記表象の異なる部分ごとに使用することを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点に関連すると推定される前記表象の少なくとも1つの連結する部分を特定することを含み、適合は、その少なくとも1つの連結する部分を無視することを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記表象は、前記特徴形状に隣接する前記対象物の少なくとも1つの部分を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記モデルの前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、前記特徴形状に関連し、前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、前記特徴形状に隣接する前記対象物の部分に関連することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モデルを適合は、前記モデルを最良適合させることを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記特徴形状は、弁の弁座を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
情報を得ることは、少なくとも前記特徴形状に関する測定情報を前記対象物上で得ることを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも2つの可変の部分は、前記モデルにほぼ同時に適合されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
対象物の特徴形状を測定するためのコンピュータ実装された方法であって、
少なくとも前記特徴形状の表象を前記対象物上で取り込むことと、
前記対象物の少なくとも前記特徴形状を複製するモデルを前記表象の適合であって、前記モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの独立的に可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合は、前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つを変えることによって前記モデルの前記形態を変更することを含み、
少なくとも前記特徴形状に関する情報を、前記適合されたモデルから得ることと
を含むことを特徴とするコンピュータ実装された方法。
【請求項22】
コンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに請求項21の方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
請求項22に記載のコンピュータプログラムコードを有することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項1】
対象物の特徴形状を測定するための方法であって、
少なくとも前記特徴形状の表面測定を介して取得された複数のデータ点を含む、少なくとも前記特徴形状の表象を前記対象物上で取り込み、
前記対象物の少なくとも前記特徴形状をほぼ複製するモデルを前記表象に適合させ、前記モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの独立的に可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合は、前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つを変えることによって前記モデルの前記形態の変更を含み、
少なくとも前記特徴形状に関する情報を、前記適合されたモデルから得ること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのパラメータは、前記部分が連結された点を定義することを特徴とする前記請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記情報は、前記部分が連結された前記点を定義する前記少なくとも1つのパラメータから導かれることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記部分が連結された前記点を操作することを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記部分が連結された前記点の場所を操作することを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも2つの独立的に可変の部分それぞれは、前記対象物の表面上で異なる領域を複製し、共通縁に沿って連結されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記領域は、形が輪状のものであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの領域は、形がほぼ円錐形であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記モデルは、一続きの少なくとも3つの独立的に可変の部分を定義するパラメータを含み、前記独立的に可変の部分のうちの少なくとも1つの中間部分は、他の2つの部分に連結されていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも3つの独立的に可変の部分それぞれは、前記対象物の表面上で異なる領域を複製し、前記少なくとも3つの独立的に可変の部分の1つは、第1の縁に沿って前記少なくとも3つの独立的に可変の部分の他の1つに連結され、前記第1の縁のほぼ反対側の第2の縁に沿って前記少なくとも3つの独立的に可変の部分の別のものに連結されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記情報は、前記ほぼ対向する縁間の距離を含むことを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
適合は、前記モデルの前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の1つに関連すると各々が推定される少なくとも2つの部分を含む、前記表象のさまざまな部分の特定を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
適合は、異なる誤差関数を前記表象の異なる部分ごとに使用することを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの独立的に可変の部分が連結される点に関連すると推定される前記表象の少なくとも1つの連結する部分を特定することを含み、適合は、その少なくとも1つの連結する部分を無視することを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記表象は、前記特徴形状に隣接する前記対象物の少なくとも1つの部分を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記モデルの前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、前記特徴形状に関連し、前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つは、前記特徴形状に隣接する前記対象物の部分に関連することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モデルを適合は、前記モデルを最良適合させることを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記特徴形状は、弁の弁座を含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
情報を得ることは、少なくとも前記特徴形状に関する測定情報を前記対象物上で得ることを含むことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも2つの可変の部分は、前記モデルにほぼ同時に適合されることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
対象物の特徴形状を測定するためのコンピュータ実装された方法であって、
少なくとも前記特徴形状の表象を前記対象物上で取り込むことと、
前記対象物の少なくとも前記特徴形状を複製するモデルを前記表象の適合であって、前記モデルは、共通点で連結された少なくとも2つの独立的に可変の部分を定義するパラメータを含み、前記適合は、前記少なくとも2つの独立的に可変の部分の少なくとも1つを変えることによって前記モデルの前記形態を変更することを含み、
少なくとも前記特徴形状に関する情報を、前記適合されたモデルから得ることと
を含むことを特徴とするコンピュータ実装された方法。
【請求項22】
コンピュータによって実行されたとき、前記コンピュータに請求項21の方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
請求項22に記載のコンピュータプログラムコードを有することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図16】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【公表番号】特表2012−507029(P2012−507029A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533816(P2011−533816)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002576
【国際公開番号】WO2010/049693
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002576
【国際公開番号】WO2010/049693
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(391002306)レニショウ パブリック リミテッド カンパニー (166)
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
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