座標測定装置及び測定物の測定方法
本発明はX線源(10)及びX線を検出する少なくとも1個のX線センサ(7)からなる第1の感知装置としてのX線感知装置及び測定物に対して座標測定装置のx、y及びz方向に位置決めすることができる第2の感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置(8、11;9)を有する、測定物(3)の測定のための座標測定装置(110)に関する。大きなサイズの測定物も問題なく測定できるように、X線感知装置(7、10)が第2の感知装置(8,11;9)に対応して座標測定装置(10)に位置決めされることを提案する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線源、X線を検出する少なくとも1個のX線センサ及びX線放射に対する遮蔽からなる第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及び/又はz方向に位置決めすることができる第2感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置を有する、測定物の測定のための座標測定装置に関する。また本発明は少なくとも1個のX線感知装置を有する座標測定装置を含む測定物の測定方法並びにX線感知装置の校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工品の幾何学的形状の測定のために、種々のセンサを備えた座標測定装置が周知である。このようなセンサとして光学式及び触覚式センサが記載される(ドイツ刊行物:Die Bibliothek der Technik(技術ライブラリー)248巻)。また加工品の幾何学的形状、特に欠陥の決定のためのコンピュータ断層撮影装置が知られている。ドイツ特許公開DE−A−10331419には2つの装置の組合せが記載される。この場合はコンピュータ断層撮影装置が座標測定装置の基本構造に不動に固定されている。また古典的な座標測定技術感知装置によって測定物の位置が決定され、続いてコンピュータ断層撮影装置の測定範囲内に位置決めされる。
【0003】
上記の先行技術では種々の問題に考慮が払われていない。例えば測定物はコンピュータ断層撮影装置の測定範囲より大きなサイズを有することがあるという問題が未解決である。コンピュータ断層撮影装置は座標測定装置の基本構造に不動に固定されているから、複数のコンピュータ断層写真を組み合わせることは不可能である。
【0004】
さらにコンピュータ断層撮影装置は通常10nm以上の規模の比較的大きな測定誤差を有する。コンピュータ断層撮影装置による測定物の−ドイツ特許公開DE−A−10331419に記載されているように−ただ1回の測定では、通常の設計品で幾何学的測定課題を完全に解決するには十分でない。もう一つの問題は、コンピュータ断層撮影装置の幾何学的校正を行うことである。断層撮影測定の性質は測定物自体の性質に大いに左右されるから、これを測定基準で大域的に行うのははなはだ困難である。
【0005】
加工品の厚さの決定方法がドイツ特許公開DE−A−10044169により周知である。その場合測定される部材を透過するX線が検出器に入射する。マニピュレータで部材を回転し、昇降することができる。部材を完全に照射した後、コンピュータ断層撮影装置のコンピュータは一群のグレースケール断面像を与える。三次元ボクセルデータレコードを得るために、これらの像を組み合わせる。次にこのデータレコードから部材の肉厚を計算する。
【0006】
触覚式センサ、レーザセンサ及びビデオセンサを具備し、測定課題に従ってこれらのセンサの1つを使用する多センサ型スキャンシステムを有する座標測定装置がドイツ特許DE−C−3806686により周知である。欧州特許公開EP−A−1389263はこれらのセンサの1つをコンピュータ断層撮影装置に置き換えることを定めている。
【0007】
X線感知装置を使用する場合は、X線防護規則を満足するためにX線遮蔽のための広範な防護対策が必要である。その場合測定装置の外部のX線負荷が所定の限界値を超えないことを保証しなければならない。この要求を満たすために、測定装置の周囲に、これから独立に、例えば鉛又は鉛層を有する複合材料からなるX線防護外被を配置することが知られている。X線防護外被はコンピュータ断層撮影装置で発生するX線放射を吸収することが唯一の任務である。補助外被によって全装置がかさ高になる。望ましくない重量増加と高いコストがその他の結果である。
【0008】
また周知のコンピュータ断層撮影装置の欠点は、測定速度が光学式センサを備えた座標測定装置で得られるものより劣っていることである。コンピュータ断層撮影装置が座標測定装置の基本構造に不動に固定されているので、測定のための使用可能性が限られていることも欠点である。
【0009】
胴体内部でクレーンから張り出すX線源と胴体外部で同じくクレーンから張り出すセンサを具備する飛行機胴体の検査システムが米国特許公開US−A−2003/0043964により周知である。センサの位置を決定するために、三角法が利用される。
【0010】
ドイツ特許公開DE−A−10001239による測定装置は位置検出器のほかに、支持部材により互いに剛結された非光学式測定系、例えばAFM(Atomic Force Microscope(原子間力顕微鏡))を備えている。
【0011】
ドイツ特許公開DE−A−4445331による多センサ型測定ヘッドは垂直軸を具備し、これに複数のセンサを取り付けることができる。
【0012】
欧州特許公開EP−A−0504609では測定ヘッドのほかに、ヒンジ付きフライスヘッドも使用される。
【0013】
米国特許US−A−5,038,378によるX線検査装置では、X線検出器を互いに独立に3つの軸に沿って移動できるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、第1の感知装置としての少なくとも1個のX線感知装置及び例えば触覚式及び/又は光学式感知装置の形の第2の感知装置を有する測定物の測定のための方法及び座標測定装置を、大きなサイズの測定物も問題なく測定できるように改良することにある。さらに先行技術と比較して、より高い測定精度を得なければならない。またX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)の幾何学的校正が簡単にできなければならない。装置の構造がコンパクトであると同時に、X線放射に対する十分な遮蔽を保証しなければならない。簡単な処置と高い測定速度で高い測定密度を実現しなければならない。さらに解像度の改善と信号雑音比の減少を可能にしなければならない。X線放射に対して僅かなコントラストしか生じない測定物の測定を十分な精度で行うことができなければならない。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
本発明の上記課題の解決のために、X線源及びX線を検出する少なくとも1個のX線センサからなる第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及び/又はz方向に位置決めすることができる第2の感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置を有する、測定物の測定のための座標測定装置において、X線感知装置が第2の感知装置に対応して座標測定装置に位置決めされることを特徴とする座標測定装置を提案する。換言すれば、X線感知装置は座標測定装置に第2の感知装置と同等に配置されており、X線感知装置の位置決め及びその測定データの評価のために、原則として別の感知装置にも使用される同じ部品又はハード及びソフトウエアを使用することが原則として可能である。一方、第2の感知装置自体は2個以上のセンサからなることができる。
【0016】
そこで本発明に基づきX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)を座標測定装置に不動に付設するのではなく、感知装置として座標測定装置に完全に組み込むようにした。そのためにコンピュータ断層撮影装置の送信器と受信器を、通常透過光照明及び画像処理センサで実現されるように、座標測定装置に配置した。X線受信器と画像処理センサ又は機械式探触子を共通の機械軸に移動可能に配置することができる。各センサごとに別個の軸を使用することも可能である。光及びX線放射のための各線源を当該のセンサに対置することができる。
【0017】
本発明に基づく構造によって、測定物の複数の部分を周知の断層撮影法(部材の回転及び複数の透過像の撮影)によって逐次検出することが可能である。続いて、組み合わせた透過像の全体について3次元構成を行うことができる。こうして断層撮影装置の視野に制約されたものより大きな測定物を測定することが可能である。
【0018】
本発明によれば座標測定装置又は測定装置の座標系を関連させて、複数の断層像が相接して配列される。
【0019】
さらに測定物のより詳細に測定すべき特徴を多センサ型座標測定装置のセンサ(例えば触覚式−光学式)により伝統的方法で測定することが可能である。X線センサ及び画像処理センサ及び触覚式センサが多センサ型座標測定装置で慣用のように共通の座標系で測定するから、測定結果を直接相互に関連させることができる。
【0020】
そこで、与えられた構造で測定の校正をX線感知装置により断層撮影の原理に従って測定物自体で直接行うことが可能である。こうして測定物の主要点が座標測定装置の触覚式及び光学式感知装置により周知の精度で測定される。コンピュータ断層撮影装置の3次元再構成の計算を評価するときに、この再構成プロセスの幾何学的校正を行うために、これらの点が考慮される。
【0021】
コンパクトな構造でX線放射に対する十分な遮蔽を保証するために、本発明はとりわけ遮蔽又は少なくともその1つの区域が座標測定装置の必要な測定技術的構造のための機能部材として形成されるようにした。これは例えば機械軸の支承又は機械軸自体、台板、軸受装置等であるが、これによって本発明は限定されない。換言すれば、X線防護のために必要な遮蔽の全部又は一部を座標測定装置の測定技術的構造の機能部材が受け持つのである。
【0022】
特に座標測定装置の台板及び少なくともハウジングの後壁を、必要な遮蔽が同時に得られるように設計し、又はそのような材料で作製することが可能である。また台板又は側部隔壁を同様に形成することもできる。そのために特に遮蔽に関連する部材は硬質岩石、例えば花崗岩からなる。他の材料、特に場合によっては適当なX線吸収材料を混合した人工石を使用することもできる。
【0023】
本発明の強調すべき改良においては、座標測定装置の遮蔽又はこれを構成する部材、例えば隔壁が座標測定装置の機能部品の取付け場所であるように構成されている。その結果、遮蔽部材を同時に座標測定装置、特に使用されるコンピュータ断層撮影装置の機能部品の取付けのために使用することができる。その場合機能部品は機械軸又は移動軸及び/又はセンサ及び/又は線源又は光源である。
【0024】
十分な遮蔽を保証するために、遮蔽に使われる部材を測定技術的又は静力学的観点から必要なものより厚手に設計することができる。
【0025】
本発明に基づく提案によれば、測定物を貫く照射角が互いに異なる複数のセンサがX線源に配属され、特に測定物の測定のためにX線が同時に入射するn個のセンサがX線源に配属され、順次続く測定の間にX線源が測定物に対して基準角αだけ移動され、順次続くセンサがそれぞれ隣接のセンサに対して角α/nだけねじって配置されるように構成される。
【0026】
本発明に基づく配列は、各検出器又はセンサにより様々な照射角でそれぞれ1つの透過像が撮影されるように配置されたn個のX線検出器を具備する。このため断層像の作成に必要な角位置を減少することが不可避である。
【0027】
本発明によれば、X線センサは以下で明らかな相互の差角だけ調整される。線源と一方ではセンサの間、他方では測定物との間で使用されるステップ角の整数倍である基準角が使用される。その場合特に測定物はX線感知装置に対して回転可能な回転テーブル上にある。第2のセンサの角は値1/(センサの数)だけ増加され、第3のセンサの角は値2/(センサの数)だけ増加される。従ってn番目のセンサは(n−1)/(センサの数)だけ増加される。こうして1回の回転でu倍の数の角位置を評価することが可能になる。ここにuはn=センサの数とm=X線感知装置に対する測定物の位置決めの回数との積である。
【0028】
本発明によればX線センサは回転テーブルのステップ角の整数倍だけ相互に調整され、その際それぞれの角位置での照射時間を短縮することができる。このことは別として、何倍もの数のセンサによって何倍ものX線量が記録されるから、信号雑音比が減少される。
【0029】
本発明の独特な改良として、写真撮影又は画像伝送のときに、そのつどセンサの複数個の画素エレメントが1つの画素に統合され、適当に減少した画素数の像から計算した立体像でコンピュータ補間により元の解像度に到達し、又は超過するようにした。こうして断層撮影により2次元像を撮影した後、例えば隣接する画素から平均値を求めることによって、今ある2次元像を画素情報の少ない低解像度の像に換算することができる。次に種々の2次元透過像から3次元ボクセル像を得るために、解像度の低いこれらの像から3次元再構成が行われる。このボクセル像を決定した後、複数のボクセルの間で補間することによって、ボクセル像を元の解像度の像に逆算する。その場合所定のアルゴリズムを使用して同じ手法をさらに適用することにより補助ボクセルを計算して、ボクセル像のより高い解像度を得ることも可能である。
【0030】
測定時に測定物が連続的に回転されるが、運動によるぶれを回避するために、例えば機械式又は電子式シャッタもしくは同様な効果の処置、例えば高周波変調によってX線源を何回も短時間開放するという思想も本発明独特のものである。
【0031】
また、さらに発展させて、X線放射の種々のスペクトル領域を利用して、測定物から複数の断層像を作ることもできる。X線放射のスペクトル領域はX線放射装置の陰極電圧によって決まる。代表的には−但し単なる一例として−例えば測定物を50kV及び90kV及び130kVの陰極電圧で断層撮影し、次に異なる陰極電圧、即ち異なるX線光色又はX線放射周波数での測定結果の差から系統的測定偏差、例えば人為結果を推定し、その上でこれを修正することができる。
【0032】
測定物の複数の断層像を撮影することもでき、その際測定物を支える回転テーブルの回転軸とX線源及び所属のセンサとの間の角を機械式回転旋回軸により、又は複数の検出器を異なる角で使用することによって変化することができ、その際センサは特に回転テーブルの回転軸と平行な直線に沿って延びている。
【0033】
断層像の解像度を高めるために、複数の写真を撮影し、その間にセンサ又は測定物をセンサの感覚素子の一辺の長さより小さな距離だけ移動する。
【0034】
また本発明は、互いに平行なX線が測定物を貫くものとする。そのために適当な装置によってX線放射を平行化する。
【0035】
さらに、又は代案として、測定物とX線源/センサの間の並進相対運動によってセンサの面より大きな区域を撮影することが可能である。
【0036】
X線放射に対して僅かなコントラストしか示さない加工品も撮影するために、本発明は測定物自体より高い吸収を有する材料で測定物を取り囲むものとする。例えば小さな質量数の物質、例えばリチウムからなる測定物では、重い材料で測定物を型取りすることによって、断層撮影で検出される2次元透過像のコントラストを改善することができる。こうして測定物のめす型から、測定物の表示を可能にする十分にコントラストに富んだ像が得られる。
【0037】
測定の最適化を得るために、種々のセンサで測定することができる。そのためにX線源及びこれに割り当てられたセンサのほかに、測定物の測定技術的検出のためのその他のセンサ、例えば機械式探触子、レーザスキャナ、画像処置センサを装置に設けた構成とする。場合によってはこれらのセンサは別個の移動軸に配置される。
【0038】
また断層像の撮影に必要な、測定物の回転のための回転軸を移動軸上に配置することができる。それによって測定範囲が回転軸の方向に拡張される。換言すれば、測定物を回転軸の方向に移動することができる。
【0039】
座標測定装置のX線感知装置の校正のための本発明特有な提案は、測定物の主要点を触覚式及び/又は光学式感知装置で測定し、これから幾何学的特徴、例えば直径又は間隔を決定し、同じ幾何学的特徴をX線感知装置で決定した後にX線感知装置の校正のために利用するものである。
【0040】
こうして触覚式及び/又は光学式感知装置により主要点、例えば測定域の周縁区域について確かめた測定結果を、しきい値法で3次元ボクセルデータから生成された測定点図表の修正のために利用することができる。
【0041】
断層撮影の後に使用したしきい値演算の結果、ASCIフォーマット又はSTLフォーマットで表示することができる3次元点図表が得られる。この点図表は触覚的又は光学的に検出した測定点の間で、触覚的及び/又は光学的測定と断層撮影測定の間の偏差が最小になるように修正される。この場合偏差の決定のために触覚的及び/又は光学的測定点の間で補間が行われる。
【0042】
3次元再構成によりボクセルを計算するときは、断層撮影した測定物の物境界(測定域の周縁部)にあるボクセルの位置を、触覚式又は光学式対照測定で確かめた修正値だけ変更する。続いて測定された修正位置の間で補間することによって、再始動点の間にあるボクセル位置を修正する。このため3次元空間に不規則なボクセル格子が生じ、ボクセルスポットは測定物の実際の幾何学的形状に原ボクセル像よりよく対応する。このボクセル像を次に規則的な格子にリサンプリングすることが好ましい。これは、ボクセル像に対して基準格子を指定し、基準格子の各点ごとに、周囲にあるボクセル振幅から補間によって新しいボクセル振幅を計算することによって行うことができる。
【0043】
高い測定精度を得、かつX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)の幾何学的校正が簡単に行えるようにするために、本発明は所定の倍率及び測定範囲の指定でX線源及びX線検出器の位置を1回の校正の後に当該の校正データと共に記憶し、次にソフトウエア制御に基づき別に再校正せずに次の測定のために任意に呼び出すことを提案する。
【0044】
換言すれば、本発明に基づき所定の倍率又は所定の測定範囲による断層撮影に必要なすべての調整パラメータ−断層撮影装置又は座標測定装置の種々の軸の位置がこれに属する−及びこの位置に対応する倍率値及び当該の距離測定システムが与える位置測定値に関する軸位置の修正値を含むその他の校正データを座標測定装置の1回の校正操作で測定技術的に検出し、記憶する。この記憶された値を次に座標測定装置の通常の操作時に操作者がボタンを押すことにより、又はCNC(計算機数値制御)プログラムから呼び出すことにより呼び出し、機械を適当な位置に移動し、当該の校正データを次の測定プロセスで利用する。
【0045】
特に、あらかじめ校正した倍率及び測定範囲設定が座標測定装置の測定プログラムによって自動的に呼び出され、装置の当該のハードウエア部品が位置決めされるようにした。
【0046】
また倍率及び/又は測定範囲だけを変更するために、X線源とX線検出器を同期移動し、又は倍率及び/又は測定範囲を変更するために、X線源とX線検出器を互いに独立に移動することが可能である。
【0047】
X線測定(断層撮影)に必要なすべての調整を事前に校正して記憶し、当該のX線測定操作、例えば断層撮影操作の際に校正操作がもはや必要でないことも可能である。
【0048】
ソフトウエアで校正操作及び/又は回転中心のずれの適当な修正によって回転中心の調整を実現することができる。
【0049】
さらに発展させて、断層撮影のための倍率及び/又はX線源及びX線検出器に対する回転中心の位置の決定が、少なくとも2個の球からなる基準によって決まるように構成する。特に基準は4個の球からなるものとする。
【0050】
座標測定装置の回転中心の位置の決定方法は特に次の手順を特徴とする。
即ち
−長方形、例えば正方形の頂点に配置された4個の球からなり、球の相互間隔が既知又は校正済みである四球基準を回転軸上に位置決めし、
−張る平面が検出器と平行になるように、四球基準を回し、
−検出器の測定域で四球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M1を計算し、
−回転軸を180°回転し、
−像の4つの球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M2を計算する
のである。
【0051】
回転の前後の4つの球位置に基づく回転中心のY位置の計算は次式
Pdyn=(Pkyn1*M2+Pkyn2*M1)/(M1+M2)
ここにPdynは球nに対する検出器上の回転軸のY位置、Pkyn1は回転角0°での球nのY位置、Pkyn2は回転角180°での球nのY位置、M1は回転角0°での平均倍率、M2は回転角180°での平均倍率
により行われる。
【0052】
触覚式及び/又は光学式感知装置で測定を行うことができるように、X線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)のほかに別のセンサを有する座標測定装置により測定物の測定を行うことも可能である。ここで特に触覚式−光学式測定に触れなければならない。X線感知装置又は断層撮影で測定した、測定物又はこれから計算した三角面要素の測定点図表の修正を、触覚的又は光学的に得た測定点によって行うことが可能である。その場合触覚的及び/又は光学的に測定された修正点の間で補間することができる。
【0053】
触覚式及び/又は光学式感知装置で得た修正点の間で、X線測定、例えば断層撮影で得た点図表の機能曲線を考慮して補間し、及び/又は基準CAD(計算機援用設計)モデルを考慮して補間することができる。
【0054】
別の提案は、まず当該の種類の測定物の見本品をX線により(断層撮影法で)かつ触覚的及び/又は光学的に走査し、2つの測定の差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定では1回だけ決定した修正値で断層撮影測定を修正するものである。
【0055】
これに関する手法は、最初の測定操作で測定物の典型的な代表について多数の測定点をX線で断層撮影法により、かつ触覚的又は光学的に測定するというものである。この場合十分に密な網状修正図表を得るために、触覚式及び/又は光学式測定でも非常に多くの測定点が取り扱われる。次に断層撮影される測定物の各表面部位ごとに、この網状修正図表から当該の修正値を決定する。修正値は触覚的及び/又は光学的測定値と断層撮影による測定値の比較から得られる。この修正値は別の品物のその後の断層撮影の際に直接評価される。再度の触覚式又は光学式対照測定は不要である。
【0056】
そこで測定物の校正品を断層撮影し、測定時の測定偏差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定では断層撮影測定をあらかじめ調整した修正値で調整するようにした。
【0057】
量産品の測定で光学的及び/又は触覚的に測定された個々の修正点を補足的に考慮することができる。
【0058】
修正のために触覚的及び/又は光学的測定点を操作者が断層撮影により決定された点図表で図式的に確定し、その上で座標測定装置により自動的に測定することができる。
【0059】
さらに発展させて、修正のために触覚的及び/又は光学的測定点を操作者が測定物の基礎をなすCADモデルで図式的に確定し、その上で座標測定装置が自動的に測定するものとする。その場合修正のために触覚的及び/又は光学的測定点が自動アルゴリズムにより、測定物の基礎をなすCADモデルの表面にほぼ均等に又は均等に分布し、座標測定装置によって自動的に測定することができる。また修正のために触覚的及び/又は光学的測定点を操作者がCADモデルで図式的に確定し、CADモデルをロードした後に座標測定装置が自動的に測定することもできる。
【0060】
また本発明によれば、断層撮影操作の際に原則として1個の基準体、特に球配列を共に断層撮影し、これから座標測定装置及び/又はX線源及び/又はX線センサに対する回転軸の相対位置を決定し、続いて数学的に修正する。その場合回転軸上の基準体の位置を光学式及び/又は触覚式センサで決定し、回転軸の位置の修正のために利用することができる。
【0061】
但し特に基準体、例えば少なくとも2個の基準球は測定物のマウント、即ち回転テーブルでX線に対する吸収が小さい材料に内蔵されるようにした。こうして基準体により回転テーブルの回転中心の位置、即ち回転軸を確かめることができるから、基準体の検出によって測定物を回転テーブル上に位置決めすることができる。
【0062】
本発明に基づきX線源及びX線検出器に対する回転軸の空間位置をX線感知装置及び/又は触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置で測定技術的に決定し、測定物の断層撮影の際にこの位置偏差を数学的に修正することができる。
【0063】
特に基準位置から偏る回転軸位置を2次元個別像の回転及び/又は並進及び/又はゆがみによって修正することができる。
【0064】
また基準位置から偏る回転軸位置を再構成アルゴリズムで考慮することができる。
【0065】
本発明のもう一つの提案は、触覚式及び/又は光学式センサ及び/又は断層撮影を使用することによって、測定装置の回転テーブル上の、即ち機械の座標系での測定物の位置を決定し、続いてX線センサの校正位置で2次元透過モードで画像処理法により測定するものである。
【0066】
この処置によって、X線感知装置を組み込んだ本発明座標測定装置の別の利用原理が明らかになる。即ち2次元透過像で測定することが可能になる。測定物の現実の倍率は不明であるから、通常これは不可能である。X線光路上の測定物の位置は未知であるが、この位置が照射による倍率をおおむね決定するのである。そこで座標測定装置での測定物の位置を光学式及び/又は触覚式感知装置で正確に決定すれば、この位置から現在照射される測定物の倍率が分かり、画像処理法による2次元測定のためにX線感知装置を使用することが可能である。
【0067】
X線検出器が本来の断層撮影操作時にX線源の放射円錐の中に位置決めされ、この時間以外では放射円錐の外で休止位置に置かれるように、X線検出器を装置ソフトウエアにより自動的に制御することができる。
【0068】
この処置によってX線センサの放射負荷が最小化され、こうしてその寿命が延長される。
【0069】
独自の発明として、多センサ型座標測定装置の画像処理感知装置及びX線感知装置は同じ画像処理ハードウエア及び同じ画像処理ソフトウエア又はその一部を備えている。その場合画像処理感知装置で周知の画像処理方法をX線感知装置にも適用することができる。
【0070】
また本発明は再構成の前に2次元X線像にゆがみ修正及び/又は輝度修正及び/又は暗信号修正及び/又は数学的並進及び/又は数学的回転及び/又はリサンプリング法及び/又は線形特性修正及び/又は画像処理フィルタリングを施すことを定めている。
【0071】
本発明の好ましい改良構成が独立請求項でも従属請求項でも明確にされている。
【0072】
本発明のその他の細部、利点及び特徴は特許請求の範囲及び特許請求の範囲に見られる特徴−単独で及び/又は組合せとして−だけでなく、図面に見られる好ましい実施例の下記の説明でも明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
図1にX線感知装置並びに光学式及び触覚式感知装置の複合使用のための座標測定装置の概要が示されている。但し本発明の学説の基本的特徴は、コンピュータ断層撮影装置以外に補助感知装置を具備しない座標測定装置にも適している。
【0074】
座標測定装置のX軸と平行な軸18に回転テーブル2が配置されている。回転テーブル2の上に測定物3があり、従って回転軸18の周りに回転し、軸18によってX方向に移動させることもできる(二重矢印)。Y軸と平行なスライド4の上にZ軸と平行な2つの軸5、6が配置されている。機械軸5の上にX線センサ7及び画像処理センサ8がある。さらに機械軸6に触覚式センサ9がある。X線センサ7にX線源10が対置され、X線源10は選択に応じてY方向に移動可能に又は不動に取り付けることができる。画像処理センサ8に対して透過光源11がある。座標測定装置のX、Y又はZ軸に沿って延びる機械軸又はスライドは、座標測定装置の中又は上に設置されたセンサがそれぞれ回転テーブル2の上の全測定範囲をカバーできるように設計されている。
【0075】
コンピュータ断層撮影(CT)を多センサ型座標測定装置に組み込むことによってまったく新規な可能性が作り出される。断層撮影による迅速、無故障の完全測定が触覚式又は光学式感知装置による機能サイズの高精度測定と統合される。その場合本発明に基づきX線感知装置(センサ、線源)が第2の感知装置(例えば画像処理センサ、透過又は反射光源もしくは触覚式センサと場合によっては所属の画像処理センサ)に対応して座標測定装置に位置決めされ、こうしてX線感知装置が第2の感知装置と同等に配置されるように構成されている。その場合X線感知装置を少なくとも触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置と共に共通の機械軸に配置し、又は触覚式及び/又は光学式感知装置のための機械軸と同様に動作する別個の機械軸に配置することができる。
【0076】
図2に基づき3次元コンピュータ断層撮影の機能原理を再度説明することにする。なお図1に見られる部材には同じ参照符号を使用する。
【0077】
加工品3は回転テーブル2の上に据え付けられ、X線が照射される。例えば接合形検出器の形のセンサ7がX線像をその後の処理のためにデジタル2次元像に変換する。測定物3が360°回転され、複数の回転位置でX線像が撮影される。続いて2次元像に基づき測定点の3次元再構成が行われる。この3次元再構成は測定される加工品のすべての幾何学的形状を記述する。その他のセンサ8、9の1つ又は幾つかを組み入れることによって、コンピュータ断層撮影の使用範囲が拡張される。画像処理センサ8によってコントラストが極めて乏しい複雑な加工品の透過及び反射光による全自動測定が可能である。接触式スキャンシステムは光学的にアクセスできない特徴の高精度測定を可能にする。
【0078】
センサ7とX線源10を測定物3と同期して、即ち不変の相互間隔で移動することが可能である。これによって測定範囲を適応させることが可能であり、場合によってはこれを自動的に行うことができる。加工品の大きさ及び精度の要求への適応を可能にするために、代案としてセンサ7に対して測定物を移動することもできる。測定物3をセンサ7寄りに移動すれば低い倍率が生じ、これに対して測定物3をX線源10寄りに移動すれば高い倍率が得られる。X線源10を測定物3に対し定置して、センサを移動することもできる。
【0079】
本発明においては特に次の利点をもたらす。
即ち
加工品のすべての標準及び自由形式幾何学的形状の1回の測定操作での完全な検出、
内部の幾何学的形状及びアクセス不能な特徴(例えば隠れた端縁、裏側の切り落とし)の測定、
多感知装置による断層撮影測定結果のフィードバック、
触覚式又は光学式感知装置による機能サイズの高精度測定、
断層撮影とその他のセンサによる1回の測定プロセスでの複合測定、
形状、寸法及び位置の2次元及び3次元測定、
X線像での2次元測定のための広範な機能、
3次元CADモデルと比較した3次元偏差表示としての3次元目標実際比較、
得たCTデータからの3次元CADデータの生成。
【0080】
本発明を特徴づける別の方法を図6に基づいて説明しよう。これによって解像度の不利を背負い込まずにデータ圧縮が可能である。むしろ当該の学説によれば元の解像度を超えることさえ可能である。これを2次元像に基づき説明する。
【0081】
図6の正方形は2次元像の画素を表す。今ある2次元像は、例えば隣接の画素から平均値を形成することによって、画素情報の少ない低解像度の像(画素を十字で示す)に換算される。次に3次元ボクセル像の計算のために、当該の低解像度の2次元透過像から3次元再構成を行う。このボクセル像を決定した後に、図6に見られる2次元表示で同じく十字でシミュレートしたボクセル像が複数のボクセル像の間の補間により元の解像度の像に逆算され、−同じく2次元表示で−再び正方形付きの像が生じる。またボクセル像の高い解像度を得るために、同じ手法をさらに適用して補助ボクセルを計算することが可能である。
【0082】
こうして最終的に解像度の損失をこうむらずに、低い解像度をまず基礎とすることができ、むしろこれを超えることさえできるから、より迅速に計算することができる。
【0083】
図7を参照して、断層像の解像度を高めることができる別の本発明方法を明らかにしよう。そのために複数の写真を撮影し、その間にセンサの感覚素子の一辺の長さより小さな距離だけセンサを測定物寄りに、又は測定物をセンサ寄りに移動する。図7では使用したX線検出器(センサ)の解像度を、正方形で表す画素で表示した。断層撮影の際に各回転位置で、正方形で示すX線検出器位置での像並びにXを記した円で表すX線検出器位置、Yを記した円で表すX線検出器位置及びZを記した円で示すX線検出器位置での像を撮影した。すべての像を1つの像にまとめ、全体として断層撮影再構成プロセスで考慮した。こうして検出器により物理的に与えられるものより高い解像度が得られる。
【0084】
X線源10又はセンサ7に関連して断層撮影の倍率及び/又は図1の回転テーブル2の回転中心を決定するために、図8の実施例で50で示す基準を利用することができる。この原理図で支脚52から支持材54が出ている。支持材54はX線に対する吸収が小さい材料からなる。X線をよく吸収する材料、例えば鋼材からなる少なくとも2個の球56、58が支持材54に配置されている。次に基準50を、図1の回転テーブル2に相当する断層撮影装置の回転テーブル60の上に配置する。回転テーブル60は、座標測定装置のX軸と一致する軸62の周りに回転することができる。そこで球形基準の種々の回転位置でX線センサ7に対する球56、58の位置を測定することによって、座標測定装置内の断層撮影装置の回転軸62の位置を決定する校正操作が決まる。
【0085】
倍率を決定しようとすれば、センサ7に対する2つの異なる距離で測定することが必要である。
【0086】
より高い精度を得るために、基準50は2つの別の球64、66を有することができる。
【0087】
次に、本例で正方形の頂点に配置された4個の球を備えた4球基準からなる基準により、X線源10とセンサ7の間隔をいかにして決定するかを説明しよう。
【0088】
球の間隔は既知(校正済み)である。
4球基準を回転軸上に配置する。
張る平面が検出器と平行になるように、4球基準を回す。
位置Z1の像で4つの球位置を測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M1を計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
線源の方向への回転軸の(又は回転軸に垂直に線源及び検出器の)移動。
位置Z2の像で4つの球位置の測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M2の計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
次式による線源・検出器間隔の計算。
AQD=dZ*M1*M2/(M2−M1)
ここに ADQ:線源・検出器間隔
M1:位置Z1での倍率
M2:位置Z2での倍率
dZ:位置Z1及びZ2の間隔
次式による線源とZ1の間隔の計算
D1=dZ*M2/(M1−M2)
次式による線源とZ2の間隔の計算
D2=D1+dZ=dZ*M1/(M1+M2)
次式による検出器上の円錐軸の位置の計算
Pd=(Pkn1*D1−Pkn2*D2)/dZ
ここに Pd:検出器の中心からの円錐軸位置の偏差ベクトル
Pkn1:位置Z1の検出器上の球nの位置ベクトル
Pkn2:位置Z2の検出器上の球nの位置ベクトル
・各球位置ごとに4つの偏差ベクトルから平均偏差ベクトルの計算
【0089】
同じく正方形の頂点に球を配置した4球基準に基づく回転軸中心のY位置の決定方法は次のように行われる。
即ち
球の間隔は既知(校正済み)である。
4球基準を回転軸上に配置する。
張る平面が検出器と平行になるように、4球基準を回す。
像で4つの球位置を測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M1を計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
回転軸を180°回転。
像で4つの球位置の測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M2の計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
回転の前後の4つの球位置に基づく回転中心のY位置の次式による計算、
Pdyn=(Pkyn1*M2+Pkyn2*M1)/(M1*M2)
ここに Pdyn:球nに対する検出器上の回転軸のY位置
Pkyn1:回転角0°での球nのY位置
Pkyn2:回転角180°での球nのY位置
M1:回転角0°での平均倍率
M2:回転角180°での平均倍率
【0090】
本発明のその他の特有の特徴は図3,図4及び5で明らかである。なお図3にはハウジング112を有する座標測定装置110の同じく純原理図が示されている。ハウジング112は台板114、後部隔壁116、側部隔壁118、120及び上部隔壁122からなり、上部隔壁122はカバープレートとも呼ばれる。
【0091】
座標測定装置のx軸、y軸及びz軸を図面に参照符号124、126及び128で表示した。ハウジング112の後部隔壁116の内側130に案内がx方向に延びており、これに沿って、即ちx方向に回転テーブル134のマウント132を移動することができる。回転テーブル134の上に測定物136が配置されている。換言すれば、x軸124に回転テーブル134が配置されている。
【0092】
y軸126に沿って案内が延びており、これに沿って受座138を移動することができる。マウント140がz軸128に沿って移動可能に受座138から出ている。
【0093】
また台板114からX線源142が出ており、そのX線放射は回転テーブル134の上に配置された測定物136を貫通する。一方、X線放射はX線放射に敏感な適当なセンサ、例えばCCD(電荷結合素子)センサによって検出される。
【0094】
またz軸128から、即ち本例ではマウント140からセンサ144が張り出すことが可能である。これは座標測定装置で慣用のセンサ、例えば触覚式又は光学式センサである。こうして断層撮影することも、例えば画像処理センサ、レーザ距離センサ等で触覚的は光学的に測定することもできる。
【0095】
X線を使用することによって、座標測定装置を外部に対して十分に遮蔽することが必要である。そのために本発明に基づき支持部材の少なくとも幾つかは遮蔽機能を遂行するようになっている。例えば台板114及び/又は後壁116を必要な遮蔽機能が保証されるように設計又は形成することができる。
【0096】
その場合当該の隔壁114、116は同時に測定技術的構造に必要な機能、即ち本例ではx及びy軸のための案内を遂行する。
【0097】
十分な遮蔽効果を持たない隔壁の内面及び/又は外面に放射阻止層を設けることが差当り可能である。これは特に鉛板である。
【0098】
支壁、特に遮蔽機能を遂行する隔壁については、硬質岩石、例えば花崗岩又は適当な材料を使用することが好ましい。またX線吸収材料、例えば磁鉄鉱等を必要な範囲で混合することができる人工硬質岩石、例えばポリマーコンクリートも考えられる。
【0099】
本発明によれば座標測定装置110のハウジング112又はその一部は二重機能、即ち必要な遮蔽機能及び測定技術的構造の機能部材の機能を遂行する。こうしてコンパクトな構造が生まれる。
【0100】
図4の図示によれば、高い測定密度を得るために、又は各測定位置で測定精度の損失が生じることなく僅かな放射時間で済ませられるように、複数の断層像を様々な放射角で同時に−即ち測定物136の各測定位置で−撮影するように構成されている。図4では図3の構成と同様に台板114から回転テーブル134が張り出し、図示しない測定物112がその上に配置される。X線放射装置148から来るX線放射が測定物112を透過する。本例では合計3個のX線センサ152、154、156によって放射が検出されるから、測定物の1つの測定位置で異なる放射方向に3つの断層像が生じる。各側定位置、即ち回転テーブル134の各角位置でセンサ152、154、156が読み出され、断層像のための投影像が得られる。その場合センサ152、154、156の角位置は、センサ152、154、156の間の角がコンピュータ断層撮影装置の操作時に使用される回転テーブル136のステップ角の整数倍だけそれぞれ異なるように設計されており、第2及び第3のセンサ154、156は先行の第1のセンサ152又は第2のセンサ154に対してステップ角の3分の1だけ回して配置されている。
【0101】
回転テーブル154の回転軸158とX線放射150の間の角を見掛け上変えて、測定物136の複数の断層像を撮影するために、図5の実施例では3個のセンサ160、162、164がX線源148の主放射方向に対して異なる角度で
配置され、それによって回転軸158に対するX線源の見掛けの旋回がシミュレートされる。
【0102】
図5に記載した二重矢印166は、回転テーブル134が回転軸158に沿ってx軸と平行に移動可能であることを表示するためのものである。
【0103】
図9に基づき原理的に明らかにされるように、断層撮影の際に原則としてとりわけ球300、302の形の基準体を共に断層撮影することができ、それによって測定物136が配置された回転テーブル134の回転軸158の相対位置が明らかになる。球300、302はX線に対して僅かな吸収を示す受座304に配置することができ、一方、球300、302は吸収が大であり、例えば鋼材からなる。こうして断層撮影時に座標測定装置又はX線源10又はセンサ7に対する回転軸158の位置を問題なく決定し、続いて数学的に校正することができる。
【0104】
本発明によれば座標測定装置で触覚式及び/又は光学式感知装置によって測定物で測定点が記録され、X線感知装置で検出された測定点の修正のために利用される。このことを図11に基づいて明らかにしよう。当該の修正方法の原理がこの図で明らかである。図11の(a)には測定物400が示されており、その選ばれた点が触覚的及び/又は光学的に測定される。一例として当該の測定点を参照符号402、404、406で表示する。続いて同じ座標測定装置で行われる断層撮影で、断層撮影の典型的な誤差により変化した形状が断層撮影点図表408で得られる。これは例えば断層撮影特有の人為結果である。断層撮影した測定点の位置を、光学式及び/又は触覚式感知装置で正確に測定した利用可能な測定点に基づき修正する。この測定点を図11の(b)に再び記載した。その場合触覚的及び光学的に測定された測定点の間で補間することができる。その結果幾何学的に修正された、断層撮影測定による点図表410が得られる。これは測定物400の形状に、断層像の原データよりもよく対応している。図11の(b)と(c)の比較がこのことを示す。
【0105】
測定及び測定結果の評価を行うときに、透過光法−場合によっては反射光法−で可視光による測定のための画像処理感知装置を同じ画像処理評価ユニット又は同じ画像処理ボード、例えばX線感知装置と連結することができる。次にソフトウエア制御に基づき2つのセンサの間で切換えを行い、同じハードウエアでデジタル化し、計算することができる。その概要が図10で明らかである。前述のように動作するために、図10で画像処理感知装置500とX線感知装置502が同じ画像処理ボード504に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】多センサ型座標測定装置の原理図を示す。
【図2】3次元コンピュータ断層撮影装置の機能図を示す。
【図3】座標測定装置の別の原理図を示す。
【図4】X線源と所属のセンサの第1の配列の原理図を示す。
【図5】X線源と所属のセンサの第2の配列の原理図を示す。
【図6】画像解析の原理図を示す。
【図7】断層像の解像度を高める方法の説明のための原理図を示す。
【図8】基準体の原理図を示す。
【図9】基準体を有する回転テーブルの原理図を示す。
【図10】ブロック構成図を示す。
【図11】修正方法の説明のための原理図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線源、X線を検出する少なくとも1個のX線センサ及びX線放射に対する遮蔽からなる第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及び/又はz方向に位置決めすることができる第2感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置を有する、測定物の測定のための座標測定装置に関する。また本発明は少なくとも1個のX線感知装置を有する座標測定装置を含む測定物の測定方法並びにX線感知装置の校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工品の幾何学的形状の測定のために、種々のセンサを備えた座標測定装置が周知である。このようなセンサとして光学式及び触覚式センサが記載される(ドイツ刊行物:Die Bibliothek der Technik(技術ライブラリー)248巻)。また加工品の幾何学的形状、特に欠陥の決定のためのコンピュータ断層撮影装置が知られている。ドイツ特許公開DE−A−10331419には2つの装置の組合せが記載される。この場合はコンピュータ断層撮影装置が座標測定装置の基本構造に不動に固定されている。また古典的な座標測定技術感知装置によって測定物の位置が決定され、続いてコンピュータ断層撮影装置の測定範囲内に位置決めされる。
【0003】
上記の先行技術では種々の問題に考慮が払われていない。例えば測定物はコンピュータ断層撮影装置の測定範囲より大きなサイズを有することがあるという問題が未解決である。コンピュータ断層撮影装置は座標測定装置の基本構造に不動に固定されているから、複数のコンピュータ断層写真を組み合わせることは不可能である。
【0004】
さらにコンピュータ断層撮影装置は通常10nm以上の規模の比較的大きな測定誤差を有する。コンピュータ断層撮影装置による測定物の−ドイツ特許公開DE−A−10331419に記載されているように−ただ1回の測定では、通常の設計品で幾何学的測定課題を完全に解決するには十分でない。もう一つの問題は、コンピュータ断層撮影装置の幾何学的校正を行うことである。断層撮影測定の性質は測定物自体の性質に大いに左右されるから、これを測定基準で大域的に行うのははなはだ困難である。
【0005】
加工品の厚さの決定方法がドイツ特許公開DE−A−10044169により周知である。その場合測定される部材を透過するX線が検出器に入射する。マニピュレータで部材を回転し、昇降することができる。部材を完全に照射した後、コンピュータ断層撮影装置のコンピュータは一群のグレースケール断面像を与える。三次元ボクセルデータレコードを得るために、これらの像を組み合わせる。次にこのデータレコードから部材の肉厚を計算する。
【0006】
触覚式センサ、レーザセンサ及びビデオセンサを具備し、測定課題に従ってこれらのセンサの1つを使用する多センサ型スキャンシステムを有する座標測定装置がドイツ特許DE−C−3806686により周知である。欧州特許公開EP−A−1389263はこれらのセンサの1つをコンピュータ断層撮影装置に置き換えることを定めている。
【0007】
X線感知装置を使用する場合は、X線防護規則を満足するためにX線遮蔽のための広範な防護対策が必要である。その場合測定装置の外部のX線負荷が所定の限界値を超えないことを保証しなければならない。この要求を満たすために、測定装置の周囲に、これから独立に、例えば鉛又は鉛層を有する複合材料からなるX線防護外被を配置することが知られている。X線防護外被はコンピュータ断層撮影装置で発生するX線放射を吸収することが唯一の任務である。補助外被によって全装置がかさ高になる。望ましくない重量増加と高いコストがその他の結果である。
【0008】
また周知のコンピュータ断層撮影装置の欠点は、測定速度が光学式センサを備えた座標測定装置で得られるものより劣っていることである。コンピュータ断層撮影装置が座標測定装置の基本構造に不動に固定されているので、測定のための使用可能性が限られていることも欠点である。
【0009】
胴体内部でクレーンから張り出すX線源と胴体外部で同じくクレーンから張り出すセンサを具備する飛行機胴体の検査システムが米国特許公開US−A−2003/0043964により周知である。センサの位置を決定するために、三角法が利用される。
【0010】
ドイツ特許公開DE−A−10001239による測定装置は位置検出器のほかに、支持部材により互いに剛結された非光学式測定系、例えばAFM(Atomic Force Microscope(原子間力顕微鏡))を備えている。
【0011】
ドイツ特許公開DE−A−4445331による多センサ型測定ヘッドは垂直軸を具備し、これに複数のセンサを取り付けることができる。
【0012】
欧州特許公開EP−A−0504609では測定ヘッドのほかに、ヒンジ付きフライスヘッドも使用される。
【0013】
米国特許US−A−5,038,378によるX線検査装置では、X線検出器を互いに独立に3つの軸に沿って移動できるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、第1の感知装置としての少なくとも1個のX線感知装置及び例えば触覚式及び/又は光学式感知装置の形の第2の感知装置を有する測定物の測定のための方法及び座標測定装置を、大きなサイズの測定物も問題なく測定できるように改良することにある。さらに先行技術と比較して、より高い測定精度を得なければならない。またX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)の幾何学的校正が簡単にできなければならない。装置の構造がコンパクトであると同時に、X線放射に対する十分な遮蔽を保証しなければならない。簡単な処置と高い測定速度で高い測定密度を実現しなければならない。さらに解像度の改善と信号雑音比の減少を可能にしなければならない。X線放射に対して僅かなコントラストしか生じない測定物の測定を十分な精度で行うことができなければならない。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
本発明の上記課題の解決のために、X線源及びX線を検出する少なくとも1個のX線センサからなる第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及び/又はz方向に位置決めすることができる第2の感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置を有する、測定物の測定のための座標測定装置において、X線感知装置が第2の感知装置に対応して座標測定装置に位置決めされることを特徴とする座標測定装置を提案する。換言すれば、X線感知装置は座標測定装置に第2の感知装置と同等に配置されており、X線感知装置の位置決め及びその測定データの評価のために、原則として別の感知装置にも使用される同じ部品又はハード及びソフトウエアを使用することが原則として可能である。一方、第2の感知装置自体は2個以上のセンサからなることができる。
【0016】
そこで本発明に基づきX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)を座標測定装置に不動に付設するのではなく、感知装置として座標測定装置に完全に組み込むようにした。そのためにコンピュータ断層撮影装置の送信器と受信器を、通常透過光照明及び画像処理センサで実現されるように、座標測定装置に配置した。X線受信器と画像処理センサ又は機械式探触子を共通の機械軸に移動可能に配置することができる。各センサごとに別個の軸を使用することも可能である。光及びX線放射のための各線源を当該のセンサに対置することができる。
【0017】
本発明に基づく構造によって、測定物の複数の部分を周知の断層撮影法(部材の回転及び複数の透過像の撮影)によって逐次検出することが可能である。続いて、組み合わせた透過像の全体について3次元構成を行うことができる。こうして断層撮影装置の視野に制約されたものより大きな測定物を測定することが可能である。
【0018】
本発明によれば座標測定装置又は測定装置の座標系を関連させて、複数の断層像が相接して配列される。
【0019】
さらに測定物のより詳細に測定すべき特徴を多センサ型座標測定装置のセンサ(例えば触覚式−光学式)により伝統的方法で測定することが可能である。X線センサ及び画像処理センサ及び触覚式センサが多センサ型座標測定装置で慣用のように共通の座標系で測定するから、測定結果を直接相互に関連させることができる。
【0020】
そこで、与えられた構造で測定の校正をX線感知装置により断層撮影の原理に従って測定物自体で直接行うことが可能である。こうして測定物の主要点が座標測定装置の触覚式及び光学式感知装置により周知の精度で測定される。コンピュータ断層撮影装置の3次元再構成の計算を評価するときに、この再構成プロセスの幾何学的校正を行うために、これらの点が考慮される。
【0021】
コンパクトな構造でX線放射に対する十分な遮蔽を保証するために、本発明はとりわけ遮蔽又は少なくともその1つの区域が座標測定装置の必要な測定技術的構造のための機能部材として形成されるようにした。これは例えば機械軸の支承又は機械軸自体、台板、軸受装置等であるが、これによって本発明は限定されない。換言すれば、X線防護のために必要な遮蔽の全部又は一部を座標測定装置の測定技術的構造の機能部材が受け持つのである。
【0022】
特に座標測定装置の台板及び少なくともハウジングの後壁を、必要な遮蔽が同時に得られるように設計し、又はそのような材料で作製することが可能である。また台板又は側部隔壁を同様に形成することもできる。そのために特に遮蔽に関連する部材は硬質岩石、例えば花崗岩からなる。他の材料、特に場合によっては適当なX線吸収材料を混合した人工石を使用することもできる。
【0023】
本発明の強調すべき改良においては、座標測定装置の遮蔽又はこれを構成する部材、例えば隔壁が座標測定装置の機能部品の取付け場所であるように構成されている。その結果、遮蔽部材を同時に座標測定装置、特に使用されるコンピュータ断層撮影装置の機能部品の取付けのために使用することができる。その場合機能部品は機械軸又は移動軸及び/又はセンサ及び/又は線源又は光源である。
【0024】
十分な遮蔽を保証するために、遮蔽に使われる部材を測定技術的又は静力学的観点から必要なものより厚手に設計することができる。
【0025】
本発明に基づく提案によれば、測定物を貫く照射角が互いに異なる複数のセンサがX線源に配属され、特に測定物の測定のためにX線が同時に入射するn個のセンサがX線源に配属され、順次続く測定の間にX線源が測定物に対して基準角αだけ移動され、順次続くセンサがそれぞれ隣接のセンサに対して角α/nだけねじって配置されるように構成される。
【0026】
本発明に基づく配列は、各検出器又はセンサにより様々な照射角でそれぞれ1つの透過像が撮影されるように配置されたn個のX線検出器を具備する。このため断層像の作成に必要な角位置を減少することが不可避である。
【0027】
本発明によれば、X線センサは以下で明らかな相互の差角だけ調整される。線源と一方ではセンサの間、他方では測定物との間で使用されるステップ角の整数倍である基準角が使用される。その場合特に測定物はX線感知装置に対して回転可能な回転テーブル上にある。第2のセンサの角は値1/(センサの数)だけ増加され、第3のセンサの角は値2/(センサの数)だけ増加される。従ってn番目のセンサは(n−1)/(センサの数)だけ増加される。こうして1回の回転でu倍の数の角位置を評価することが可能になる。ここにuはn=センサの数とm=X線感知装置に対する測定物の位置決めの回数との積である。
【0028】
本発明によればX線センサは回転テーブルのステップ角の整数倍だけ相互に調整され、その際それぞれの角位置での照射時間を短縮することができる。このことは別として、何倍もの数のセンサによって何倍ものX線量が記録されるから、信号雑音比が減少される。
【0029】
本発明の独特な改良として、写真撮影又は画像伝送のときに、そのつどセンサの複数個の画素エレメントが1つの画素に統合され、適当に減少した画素数の像から計算した立体像でコンピュータ補間により元の解像度に到達し、又は超過するようにした。こうして断層撮影により2次元像を撮影した後、例えば隣接する画素から平均値を求めることによって、今ある2次元像を画素情報の少ない低解像度の像に換算することができる。次に種々の2次元透過像から3次元ボクセル像を得るために、解像度の低いこれらの像から3次元再構成が行われる。このボクセル像を決定した後、複数のボクセルの間で補間することによって、ボクセル像を元の解像度の像に逆算する。その場合所定のアルゴリズムを使用して同じ手法をさらに適用することにより補助ボクセルを計算して、ボクセル像のより高い解像度を得ることも可能である。
【0030】
測定時に測定物が連続的に回転されるが、運動によるぶれを回避するために、例えば機械式又は電子式シャッタもしくは同様な効果の処置、例えば高周波変調によってX線源を何回も短時間開放するという思想も本発明独特のものである。
【0031】
また、さらに発展させて、X線放射の種々のスペクトル領域を利用して、測定物から複数の断層像を作ることもできる。X線放射のスペクトル領域はX線放射装置の陰極電圧によって決まる。代表的には−但し単なる一例として−例えば測定物を50kV及び90kV及び130kVの陰極電圧で断層撮影し、次に異なる陰極電圧、即ち異なるX線光色又はX線放射周波数での測定結果の差から系統的測定偏差、例えば人為結果を推定し、その上でこれを修正することができる。
【0032】
測定物の複数の断層像を撮影することもでき、その際測定物を支える回転テーブルの回転軸とX線源及び所属のセンサとの間の角を機械式回転旋回軸により、又は複数の検出器を異なる角で使用することによって変化することができ、その際センサは特に回転テーブルの回転軸と平行な直線に沿って延びている。
【0033】
断層像の解像度を高めるために、複数の写真を撮影し、その間にセンサ又は測定物をセンサの感覚素子の一辺の長さより小さな距離だけ移動する。
【0034】
また本発明は、互いに平行なX線が測定物を貫くものとする。そのために適当な装置によってX線放射を平行化する。
【0035】
さらに、又は代案として、測定物とX線源/センサの間の並進相対運動によってセンサの面より大きな区域を撮影することが可能である。
【0036】
X線放射に対して僅かなコントラストしか示さない加工品も撮影するために、本発明は測定物自体より高い吸収を有する材料で測定物を取り囲むものとする。例えば小さな質量数の物質、例えばリチウムからなる測定物では、重い材料で測定物を型取りすることによって、断層撮影で検出される2次元透過像のコントラストを改善することができる。こうして測定物のめす型から、測定物の表示を可能にする十分にコントラストに富んだ像が得られる。
【0037】
測定の最適化を得るために、種々のセンサで測定することができる。そのためにX線源及びこれに割り当てられたセンサのほかに、測定物の測定技術的検出のためのその他のセンサ、例えば機械式探触子、レーザスキャナ、画像処置センサを装置に設けた構成とする。場合によってはこれらのセンサは別個の移動軸に配置される。
【0038】
また断層像の撮影に必要な、測定物の回転のための回転軸を移動軸上に配置することができる。それによって測定範囲が回転軸の方向に拡張される。換言すれば、測定物を回転軸の方向に移動することができる。
【0039】
座標測定装置のX線感知装置の校正のための本発明特有な提案は、測定物の主要点を触覚式及び/又は光学式感知装置で測定し、これから幾何学的特徴、例えば直径又は間隔を決定し、同じ幾何学的特徴をX線感知装置で決定した後にX線感知装置の校正のために利用するものである。
【0040】
こうして触覚式及び/又は光学式感知装置により主要点、例えば測定域の周縁区域について確かめた測定結果を、しきい値法で3次元ボクセルデータから生成された測定点図表の修正のために利用することができる。
【0041】
断層撮影の後に使用したしきい値演算の結果、ASCIフォーマット又はSTLフォーマットで表示することができる3次元点図表が得られる。この点図表は触覚的又は光学的に検出した測定点の間で、触覚的及び/又は光学的測定と断層撮影測定の間の偏差が最小になるように修正される。この場合偏差の決定のために触覚的及び/又は光学的測定点の間で補間が行われる。
【0042】
3次元再構成によりボクセルを計算するときは、断層撮影した測定物の物境界(測定域の周縁部)にあるボクセルの位置を、触覚式又は光学式対照測定で確かめた修正値だけ変更する。続いて測定された修正位置の間で補間することによって、再始動点の間にあるボクセル位置を修正する。このため3次元空間に不規則なボクセル格子が生じ、ボクセルスポットは測定物の実際の幾何学的形状に原ボクセル像よりよく対応する。このボクセル像を次に規則的な格子にリサンプリングすることが好ましい。これは、ボクセル像に対して基準格子を指定し、基準格子の各点ごとに、周囲にあるボクセル振幅から補間によって新しいボクセル振幅を計算することによって行うことができる。
【0043】
高い測定精度を得、かつX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)の幾何学的校正が簡単に行えるようにするために、本発明は所定の倍率及び測定範囲の指定でX線源及びX線検出器の位置を1回の校正の後に当該の校正データと共に記憶し、次にソフトウエア制御に基づき別に再校正せずに次の測定のために任意に呼び出すことを提案する。
【0044】
換言すれば、本発明に基づき所定の倍率又は所定の測定範囲による断層撮影に必要なすべての調整パラメータ−断層撮影装置又は座標測定装置の種々の軸の位置がこれに属する−及びこの位置に対応する倍率値及び当該の距離測定システムが与える位置測定値に関する軸位置の修正値を含むその他の校正データを座標測定装置の1回の校正操作で測定技術的に検出し、記憶する。この記憶された値を次に座標測定装置の通常の操作時に操作者がボタンを押すことにより、又はCNC(計算機数値制御)プログラムから呼び出すことにより呼び出し、機械を適当な位置に移動し、当該の校正データを次の測定プロセスで利用する。
【0045】
特に、あらかじめ校正した倍率及び測定範囲設定が座標測定装置の測定プログラムによって自動的に呼び出され、装置の当該のハードウエア部品が位置決めされるようにした。
【0046】
また倍率及び/又は測定範囲だけを変更するために、X線源とX線検出器を同期移動し、又は倍率及び/又は測定範囲を変更するために、X線源とX線検出器を互いに独立に移動することが可能である。
【0047】
X線測定(断層撮影)に必要なすべての調整を事前に校正して記憶し、当該のX線測定操作、例えば断層撮影操作の際に校正操作がもはや必要でないことも可能である。
【0048】
ソフトウエアで校正操作及び/又は回転中心のずれの適当な修正によって回転中心の調整を実現することができる。
【0049】
さらに発展させて、断層撮影のための倍率及び/又はX線源及びX線検出器に対する回転中心の位置の決定が、少なくとも2個の球からなる基準によって決まるように構成する。特に基準は4個の球からなるものとする。
【0050】
座標測定装置の回転中心の位置の決定方法は特に次の手順を特徴とする。
即ち
−長方形、例えば正方形の頂点に配置された4個の球からなり、球の相互間隔が既知又は校正済みである四球基準を回転軸上に位置決めし、
−張る平面が検出器と平行になるように、四球基準を回し、
−検出器の測定域で四球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M1を計算し、
−回転軸を180°回転し、
−像の4つの球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M2を計算する
のである。
【0051】
回転の前後の4つの球位置に基づく回転中心のY位置の計算は次式
Pdyn=(Pkyn1*M2+Pkyn2*M1)/(M1+M2)
ここにPdynは球nに対する検出器上の回転軸のY位置、Pkyn1は回転角0°での球nのY位置、Pkyn2は回転角180°での球nのY位置、M1は回転角0°での平均倍率、M2は回転角180°での平均倍率
により行われる。
【0052】
触覚式及び/又は光学式感知装置で測定を行うことができるように、X線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)のほかに別のセンサを有する座標測定装置により測定物の測定を行うことも可能である。ここで特に触覚式−光学式測定に触れなければならない。X線感知装置又は断層撮影で測定した、測定物又はこれから計算した三角面要素の測定点図表の修正を、触覚的又は光学的に得た測定点によって行うことが可能である。その場合触覚的及び/又は光学的に測定された修正点の間で補間することができる。
【0053】
触覚式及び/又は光学式感知装置で得た修正点の間で、X線測定、例えば断層撮影で得た点図表の機能曲線を考慮して補間し、及び/又は基準CAD(計算機援用設計)モデルを考慮して補間することができる。
【0054】
別の提案は、まず当該の種類の測定物の見本品をX線により(断層撮影法で)かつ触覚的及び/又は光学的に走査し、2つの測定の差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定では1回だけ決定した修正値で断層撮影測定を修正するものである。
【0055】
これに関する手法は、最初の測定操作で測定物の典型的な代表について多数の測定点をX線で断層撮影法により、かつ触覚的又は光学的に測定するというものである。この場合十分に密な網状修正図表を得るために、触覚式及び/又は光学式測定でも非常に多くの測定点が取り扱われる。次に断層撮影される測定物の各表面部位ごとに、この網状修正図表から当該の修正値を決定する。修正値は触覚的及び/又は光学的測定値と断層撮影による測定値の比較から得られる。この修正値は別の品物のその後の断層撮影の際に直接評価される。再度の触覚式又は光学式対照測定は不要である。
【0056】
そこで測定物の校正品を断層撮影し、測定時の測定偏差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定では断層撮影測定をあらかじめ調整した修正値で調整するようにした。
【0057】
量産品の測定で光学的及び/又は触覚的に測定された個々の修正点を補足的に考慮することができる。
【0058】
修正のために触覚的及び/又は光学的測定点を操作者が断層撮影により決定された点図表で図式的に確定し、その上で座標測定装置により自動的に測定することができる。
【0059】
さらに発展させて、修正のために触覚的及び/又は光学的測定点を操作者が測定物の基礎をなすCADモデルで図式的に確定し、その上で座標測定装置が自動的に測定するものとする。その場合修正のために触覚的及び/又は光学的測定点が自動アルゴリズムにより、測定物の基礎をなすCADモデルの表面にほぼ均等に又は均等に分布し、座標測定装置によって自動的に測定することができる。また修正のために触覚的及び/又は光学的測定点を操作者がCADモデルで図式的に確定し、CADモデルをロードした後に座標測定装置が自動的に測定することもできる。
【0060】
また本発明によれば、断層撮影操作の際に原則として1個の基準体、特に球配列を共に断層撮影し、これから座標測定装置及び/又はX線源及び/又はX線センサに対する回転軸の相対位置を決定し、続いて数学的に修正する。その場合回転軸上の基準体の位置を光学式及び/又は触覚式センサで決定し、回転軸の位置の修正のために利用することができる。
【0061】
但し特に基準体、例えば少なくとも2個の基準球は測定物のマウント、即ち回転テーブルでX線に対する吸収が小さい材料に内蔵されるようにした。こうして基準体により回転テーブルの回転中心の位置、即ち回転軸を確かめることができるから、基準体の検出によって測定物を回転テーブル上に位置決めすることができる。
【0062】
本発明に基づきX線源及びX線検出器に対する回転軸の空間位置をX線感知装置及び/又は触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置で測定技術的に決定し、測定物の断層撮影の際にこの位置偏差を数学的に修正することができる。
【0063】
特に基準位置から偏る回転軸位置を2次元個別像の回転及び/又は並進及び/又はゆがみによって修正することができる。
【0064】
また基準位置から偏る回転軸位置を再構成アルゴリズムで考慮することができる。
【0065】
本発明のもう一つの提案は、触覚式及び/又は光学式センサ及び/又は断層撮影を使用することによって、測定装置の回転テーブル上の、即ち機械の座標系での測定物の位置を決定し、続いてX線センサの校正位置で2次元透過モードで画像処理法により測定するものである。
【0066】
この処置によって、X線感知装置を組み込んだ本発明座標測定装置の別の利用原理が明らかになる。即ち2次元透過像で測定することが可能になる。測定物の現実の倍率は不明であるから、通常これは不可能である。X線光路上の測定物の位置は未知であるが、この位置が照射による倍率をおおむね決定するのである。そこで座標測定装置での測定物の位置を光学式及び/又は触覚式感知装置で正確に決定すれば、この位置から現在照射される測定物の倍率が分かり、画像処理法による2次元測定のためにX線感知装置を使用することが可能である。
【0067】
X線検出器が本来の断層撮影操作時にX線源の放射円錐の中に位置決めされ、この時間以外では放射円錐の外で休止位置に置かれるように、X線検出器を装置ソフトウエアにより自動的に制御することができる。
【0068】
この処置によってX線センサの放射負荷が最小化され、こうしてその寿命が延長される。
【0069】
独自の発明として、多センサ型座標測定装置の画像処理感知装置及びX線感知装置は同じ画像処理ハードウエア及び同じ画像処理ソフトウエア又はその一部を備えている。その場合画像処理感知装置で周知の画像処理方法をX線感知装置にも適用することができる。
【0070】
また本発明は再構成の前に2次元X線像にゆがみ修正及び/又は輝度修正及び/又は暗信号修正及び/又は数学的並進及び/又は数学的回転及び/又はリサンプリング法及び/又は線形特性修正及び/又は画像処理フィルタリングを施すことを定めている。
【0071】
本発明の好ましい改良構成が独立請求項でも従属請求項でも明確にされている。
【0072】
本発明のその他の細部、利点及び特徴は特許請求の範囲及び特許請求の範囲に見られる特徴−単独で及び/又は組合せとして−だけでなく、図面に見られる好ましい実施例の下記の説明でも明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
図1にX線感知装置並びに光学式及び触覚式感知装置の複合使用のための座標測定装置の概要が示されている。但し本発明の学説の基本的特徴は、コンピュータ断層撮影装置以外に補助感知装置を具備しない座標測定装置にも適している。
【0074】
座標測定装置のX軸と平行な軸18に回転テーブル2が配置されている。回転テーブル2の上に測定物3があり、従って回転軸18の周りに回転し、軸18によってX方向に移動させることもできる(二重矢印)。Y軸と平行なスライド4の上にZ軸と平行な2つの軸5、6が配置されている。機械軸5の上にX線センサ7及び画像処理センサ8がある。さらに機械軸6に触覚式センサ9がある。X線センサ7にX線源10が対置され、X線源10は選択に応じてY方向に移動可能に又は不動に取り付けることができる。画像処理センサ8に対して透過光源11がある。座標測定装置のX、Y又はZ軸に沿って延びる機械軸又はスライドは、座標測定装置の中又は上に設置されたセンサがそれぞれ回転テーブル2の上の全測定範囲をカバーできるように設計されている。
【0075】
コンピュータ断層撮影(CT)を多センサ型座標測定装置に組み込むことによってまったく新規な可能性が作り出される。断層撮影による迅速、無故障の完全測定が触覚式又は光学式感知装置による機能サイズの高精度測定と統合される。その場合本発明に基づきX線感知装置(センサ、線源)が第2の感知装置(例えば画像処理センサ、透過又は反射光源もしくは触覚式センサと場合によっては所属の画像処理センサ)に対応して座標測定装置に位置決めされ、こうしてX線感知装置が第2の感知装置と同等に配置されるように構成されている。その場合X線感知装置を少なくとも触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置と共に共通の機械軸に配置し、又は触覚式及び/又は光学式感知装置のための機械軸と同様に動作する別個の機械軸に配置することができる。
【0076】
図2に基づき3次元コンピュータ断層撮影の機能原理を再度説明することにする。なお図1に見られる部材には同じ参照符号を使用する。
【0077】
加工品3は回転テーブル2の上に据え付けられ、X線が照射される。例えば接合形検出器の形のセンサ7がX線像をその後の処理のためにデジタル2次元像に変換する。測定物3が360°回転され、複数の回転位置でX線像が撮影される。続いて2次元像に基づき測定点の3次元再構成が行われる。この3次元再構成は測定される加工品のすべての幾何学的形状を記述する。その他のセンサ8、9の1つ又は幾つかを組み入れることによって、コンピュータ断層撮影の使用範囲が拡張される。画像処理センサ8によってコントラストが極めて乏しい複雑な加工品の透過及び反射光による全自動測定が可能である。接触式スキャンシステムは光学的にアクセスできない特徴の高精度測定を可能にする。
【0078】
センサ7とX線源10を測定物3と同期して、即ち不変の相互間隔で移動することが可能である。これによって測定範囲を適応させることが可能であり、場合によってはこれを自動的に行うことができる。加工品の大きさ及び精度の要求への適応を可能にするために、代案としてセンサ7に対して測定物を移動することもできる。測定物3をセンサ7寄りに移動すれば低い倍率が生じ、これに対して測定物3をX線源10寄りに移動すれば高い倍率が得られる。X線源10を測定物3に対し定置して、センサを移動することもできる。
【0079】
本発明においては特に次の利点をもたらす。
即ち
加工品のすべての標準及び自由形式幾何学的形状の1回の測定操作での完全な検出、
内部の幾何学的形状及びアクセス不能な特徴(例えば隠れた端縁、裏側の切り落とし)の測定、
多感知装置による断層撮影測定結果のフィードバック、
触覚式又は光学式感知装置による機能サイズの高精度測定、
断層撮影とその他のセンサによる1回の測定プロセスでの複合測定、
形状、寸法及び位置の2次元及び3次元測定、
X線像での2次元測定のための広範な機能、
3次元CADモデルと比較した3次元偏差表示としての3次元目標実際比較、
得たCTデータからの3次元CADデータの生成。
【0080】
本発明を特徴づける別の方法を図6に基づいて説明しよう。これによって解像度の不利を背負い込まずにデータ圧縮が可能である。むしろ当該の学説によれば元の解像度を超えることさえ可能である。これを2次元像に基づき説明する。
【0081】
図6の正方形は2次元像の画素を表す。今ある2次元像は、例えば隣接の画素から平均値を形成することによって、画素情報の少ない低解像度の像(画素を十字で示す)に換算される。次に3次元ボクセル像の計算のために、当該の低解像度の2次元透過像から3次元再構成を行う。このボクセル像を決定した後に、図6に見られる2次元表示で同じく十字でシミュレートしたボクセル像が複数のボクセル像の間の補間により元の解像度の像に逆算され、−同じく2次元表示で−再び正方形付きの像が生じる。またボクセル像の高い解像度を得るために、同じ手法をさらに適用して補助ボクセルを計算することが可能である。
【0082】
こうして最終的に解像度の損失をこうむらずに、低い解像度をまず基礎とすることができ、むしろこれを超えることさえできるから、より迅速に計算することができる。
【0083】
図7を参照して、断層像の解像度を高めることができる別の本発明方法を明らかにしよう。そのために複数の写真を撮影し、その間にセンサの感覚素子の一辺の長さより小さな距離だけセンサを測定物寄りに、又は測定物をセンサ寄りに移動する。図7では使用したX線検出器(センサ)の解像度を、正方形で表す画素で表示した。断層撮影の際に各回転位置で、正方形で示すX線検出器位置での像並びにXを記した円で表すX線検出器位置、Yを記した円で表すX線検出器位置及びZを記した円で示すX線検出器位置での像を撮影した。すべての像を1つの像にまとめ、全体として断層撮影再構成プロセスで考慮した。こうして検出器により物理的に与えられるものより高い解像度が得られる。
【0084】
X線源10又はセンサ7に関連して断層撮影の倍率及び/又は図1の回転テーブル2の回転中心を決定するために、図8の実施例で50で示す基準を利用することができる。この原理図で支脚52から支持材54が出ている。支持材54はX線に対する吸収が小さい材料からなる。X線をよく吸収する材料、例えば鋼材からなる少なくとも2個の球56、58が支持材54に配置されている。次に基準50を、図1の回転テーブル2に相当する断層撮影装置の回転テーブル60の上に配置する。回転テーブル60は、座標測定装置のX軸と一致する軸62の周りに回転することができる。そこで球形基準の種々の回転位置でX線センサ7に対する球56、58の位置を測定することによって、座標測定装置内の断層撮影装置の回転軸62の位置を決定する校正操作が決まる。
【0085】
倍率を決定しようとすれば、センサ7に対する2つの異なる距離で測定することが必要である。
【0086】
より高い精度を得るために、基準50は2つの別の球64、66を有することができる。
【0087】
次に、本例で正方形の頂点に配置された4個の球を備えた4球基準からなる基準により、X線源10とセンサ7の間隔をいかにして決定するかを説明しよう。
【0088】
球の間隔は既知(校正済み)である。
4球基準を回転軸上に配置する。
張る平面が検出器と平行になるように、4球基準を回す。
位置Z1の像で4つの球位置を測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M1を計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
線源の方向への回転軸の(又は回転軸に垂直に線源及び検出器の)移動。
位置Z2の像で4つの球位置の測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M2の計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
次式による線源・検出器間隔の計算。
AQD=dZ*M1*M2/(M2−M1)
ここに ADQ:線源・検出器間隔
M1:位置Z1での倍率
M2:位置Z2での倍率
dZ:位置Z1及びZ2の間隔
次式による線源とZ1の間隔の計算
D1=dZ*M2/(M1−M2)
次式による線源とZ2の間隔の計算
D2=D1+dZ=dZ*M1/(M1+M2)
次式による検出器上の円錐軸の位置の計算
Pd=(Pkn1*D1−Pkn2*D2)/dZ
ここに Pd:検出器の中心からの円錐軸位置の偏差ベクトル
Pkn1:位置Z1の検出器上の球nの位置ベクトル
Pkn2:位置Z2の検出器上の球nの位置ベクトル
・各球位置ごとに4つの偏差ベクトルから平均偏差ベクトルの計算
【0089】
同じく正方形の頂点に球を配置した4球基準に基づく回転軸中心のY位置の決定方法は次のように行われる。
即ち
球の間隔は既知(校正済み)である。
4球基準を回転軸上に配置する。
張る平面が検出器と平行になるように、4球基準を回す。
像で4つの球位置を測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M1を計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
回転軸を180°回転。
像で4つの球位置の測定。
測定された4つの球間隔から平均倍率M2の計算。
基準球間隔及び検出器の基準画素サイズ。
回転の前後の4つの球位置に基づく回転中心のY位置の次式による計算、
Pdyn=(Pkyn1*M2+Pkyn2*M1)/(M1*M2)
ここに Pdyn:球nに対する検出器上の回転軸のY位置
Pkyn1:回転角0°での球nのY位置
Pkyn2:回転角180°での球nのY位置
M1:回転角0°での平均倍率
M2:回転角180°での平均倍率
【0090】
本発明のその他の特有の特徴は図3,図4及び5で明らかである。なお図3にはハウジング112を有する座標測定装置110の同じく純原理図が示されている。ハウジング112は台板114、後部隔壁116、側部隔壁118、120及び上部隔壁122からなり、上部隔壁122はカバープレートとも呼ばれる。
【0091】
座標測定装置のx軸、y軸及びz軸を図面に参照符号124、126及び128で表示した。ハウジング112の後部隔壁116の内側130に案内がx方向に延びており、これに沿って、即ちx方向に回転テーブル134のマウント132を移動することができる。回転テーブル134の上に測定物136が配置されている。換言すれば、x軸124に回転テーブル134が配置されている。
【0092】
y軸126に沿って案内が延びており、これに沿って受座138を移動することができる。マウント140がz軸128に沿って移動可能に受座138から出ている。
【0093】
また台板114からX線源142が出ており、そのX線放射は回転テーブル134の上に配置された測定物136を貫通する。一方、X線放射はX線放射に敏感な適当なセンサ、例えばCCD(電荷結合素子)センサによって検出される。
【0094】
またz軸128から、即ち本例ではマウント140からセンサ144が張り出すことが可能である。これは座標測定装置で慣用のセンサ、例えば触覚式又は光学式センサである。こうして断層撮影することも、例えば画像処理センサ、レーザ距離センサ等で触覚的は光学的に測定することもできる。
【0095】
X線を使用することによって、座標測定装置を外部に対して十分に遮蔽することが必要である。そのために本発明に基づき支持部材の少なくとも幾つかは遮蔽機能を遂行するようになっている。例えば台板114及び/又は後壁116を必要な遮蔽機能が保証されるように設計又は形成することができる。
【0096】
その場合当該の隔壁114、116は同時に測定技術的構造に必要な機能、即ち本例ではx及びy軸のための案内を遂行する。
【0097】
十分な遮蔽効果を持たない隔壁の内面及び/又は外面に放射阻止層を設けることが差当り可能である。これは特に鉛板である。
【0098】
支壁、特に遮蔽機能を遂行する隔壁については、硬質岩石、例えば花崗岩又は適当な材料を使用することが好ましい。またX線吸収材料、例えば磁鉄鉱等を必要な範囲で混合することができる人工硬質岩石、例えばポリマーコンクリートも考えられる。
【0099】
本発明によれば座標測定装置110のハウジング112又はその一部は二重機能、即ち必要な遮蔽機能及び測定技術的構造の機能部材の機能を遂行する。こうしてコンパクトな構造が生まれる。
【0100】
図4の図示によれば、高い測定密度を得るために、又は各測定位置で測定精度の損失が生じることなく僅かな放射時間で済ませられるように、複数の断層像を様々な放射角で同時に−即ち測定物136の各測定位置で−撮影するように構成されている。図4では図3の構成と同様に台板114から回転テーブル134が張り出し、図示しない測定物112がその上に配置される。X線放射装置148から来るX線放射が測定物112を透過する。本例では合計3個のX線センサ152、154、156によって放射が検出されるから、測定物の1つの測定位置で異なる放射方向に3つの断層像が生じる。各側定位置、即ち回転テーブル134の各角位置でセンサ152、154、156が読み出され、断層像のための投影像が得られる。その場合センサ152、154、156の角位置は、センサ152、154、156の間の角がコンピュータ断層撮影装置の操作時に使用される回転テーブル136のステップ角の整数倍だけそれぞれ異なるように設計されており、第2及び第3のセンサ154、156は先行の第1のセンサ152又は第2のセンサ154に対してステップ角の3分の1だけ回して配置されている。
【0101】
回転テーブル154の回転軸158とX線放射150の間の角を見掛け上変えて、測定物136の複数の断層像を撮影するために、図5の実施例では3個のセンサ160、162、164がX線源148の主放射方向に対して異なる角度で
配置され、それによって回転軸158に対するX線源の見掛けの旋回がシミュレートされる。
【0102】
図5に記載した二重矢印166は、回転テーブル134が回転軸158に沿ってx軸と平行に移動可能であることを表示するためのものである。
【0103】
図9に基づき原理的に明らかにされるように、断層撮影の際に原則としてとりわけ球300、302の形の基準体を共に断層撮影することができ、それによって測定物136が配置された回転テーブル134の回転軸158の相対位置が明らかになる。球300、302はX線に対して僅かな吸収を示す受座304に配置することができ、一方、球300、302は吸収が大であり、例えば鋼材からなる。こうして断層撮影時に座標測定装置又はX線源10又はセンサ7に対する回転軸158の位置を問題なく決定し、続いて数学的に校正することができる。
【0104】
本発明によれば座標測定装置で触覚式及び/又は光学式感知装置によって測定物で測定点が記録され、X線感知装置で検出された測定点の修正のために利用される。このことを図11に基づいて明らかにしよう。当該の修正方法の原理がこの図で明らかである。図11の(a)には測定物400が示されており、その選ばれた点が触覚的及び/又は光学的に測定される。一例として当該の測定点を参照符号402、404、406で表示する。続いて同じ座標測定装置で行われる断層撮影で、断層撮影の典型的な誤差により変化した形状が断層撮影点図表408で得られる。これは例えば断層撮影特有の人為結果である。断層撮影した測定点の位置を、光学式及び/又は触覚式感知装置で正確に測定した利用可能な測定点に基づき修正する。この測定点を図11の(b)に再び記載した。その場合触覚的及び光学的に測定された測定点の間で補間することができる。その結果幾何学的に修正された、断層撮影測定による点図表410が得られる。これは測定物400の形状に、断層像の原データよりもよく対応している。図11の(b)と(c)の比較がこのことを示す。
【0105】
測定及び測定結果の評価を行うときに、透過光法−場合によっては反射光法−で可視光による測定のための画像処理感知装置を同じ画像処理評価ユニット又は同じ画像処理ボード、例えばX線感知装置と連結することができる。次にソフトウエア制御に基づき2つのセンサの間で切換えを行い、同じハードウエアでデジタル化し、計算することができる。その概要が図10で明らかである。前述のように動作するために、図10で画像処理感知装置500とX線感知装置502が同じ画像処理ボード504に接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】多センサ型座標測定装置の原理図を示す。
【図2】3次元コンピュータ断層撮影装置の機能図を示す。
【図3】座標測定装置の別の原理図を示す。
【図4】X線源と所属のセンサの第1の配列の原理図を示す。
【図5】X線源と所属のセンサの第2の配列の原理図を示す。
【図6】画像解析の原理図を示す。
【図7】断層像の解像度を高める方法の説明のための原理図を示す。
【図8】基準体の原理図を示す。
【図9】基準体を有する回転テーブルの原理図を示す。
【図10】ブロック構成図を示す。
【図11】修正方法の説明のための原理図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源(10)及びX線を検出する少なくとも1個のX線センサ(7)からなる第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及び/又はz方向に位置決めすることができる第2感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置(8、11;9)を有する、測定物(3、136)の測定のための座標測定装置(110)において、X線感知装置(7、10)が第2の感知装置(8、11;9)に対応して座標測定装置(10)に位置決めされることを特徴とする座標測定装置。
【請求項2】
X線感知装置(7、10)が第2の感知装置(8,11;9)と同等に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の座標測定装置。
【請求項3】
X線感知装置(7、10)が少なくとも1個の触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置(8、11)と共に共通の機械軸(5、6)に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の座標測定装置。
【請求項4】
X線感知装置(7、10)が触覚式及び/又は光学式感知装置(8、11;9)のための機械軸と同様に動作する別個の機械軸に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項5】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、11;9)も測定物(3、136)の共通の測定域をカバーすることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項6】
座標測定装置(110)がX線感知装置(7、10)及び/又は光学式感知装置、例えば画像処理感知装置(8、11)及び/又は触覚式感知装置(9)の動作方向(y及び/又はz軸方向)に対して垂直な回転軸(18;x軸方向)を備えていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項7】
回転軸(18、158)が垂直に延びる軸(x軸)の周りに回転することを特徴とする少なくとも請求項6に記載の座標測定装置。
【請求項8】
光学式センサ(9)の光学軸及び/又はX線センサ(8)の光軸が回転軸(18、138;x軸)に対して水平及び/又は垂直に整列されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項9】
X線感知装置及び/又は画像処理感知装置のための線源又は光源(10、11)が所属のセンサ(7、8)と同期して移動可能であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項10】
X線感知装置のための線源が座標測定装置(110)の座標系に固設されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項11】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、10;9)も測定物(3、136)に対して少なくとも1つの軸で移動し得るように配置されていることを特徴とする少なくとも請求項1に記載の座標測定装置。
【請求項12】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、10;9)も測定物(3、136)に対して少なくとも2つの軸で移動し得るように配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項13】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、10;9)も測定物(3、136)に対して少なくとも3つの軸で移動し得るように配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項14】
少なくとも1個の別のセンサ(8)がX線感知装置(7、10)と共に移動し得るように配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項15】
測定範囲の調整がX線センサ(7)と線源(10)の間隔の調整及び/又は測定物(3)に対するX線感知装置(7、10)の相対的変位によってとりわけ自動的に行われることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項16】
X線に対する遮蔽(114、116)を備えた、とりわけ請求項1に記載の座標測定装置において、遮蔽(114、116、118)又は遮蔽の少なくとも1つの区域が座標測定装置(110)の必要な測定技術的構造の機能部材として形成されていることを特徴とする座標測定装置。
【請求項17】
座標測定装置(110)の台板(114)及び/又は少なくとも1つの側部隔壁又は後部隔壁(116、118)が遮蔽として形成されていることを特徴とする少なくとも請求項16に記載の座標測定装置。
【請求項18】
遮蔽のために必要な部材(114、116)が石材、例えば花崗岩で形成されていることを特徴とする少なくとも請求項16に記載の座標測定装置。
【請求項19】
遮蔽又は遮蔽をなす部材、例えば台板(114)もしくは後部又は側部隔壁(116、118)が単数又は複数の機能部品、例えば座標測定装置(110)の機械軸のための取付け場所であることを特徴とする少なくとも請求項16に記載の座標測定装置。
【請求項20】
遮蔽(114、116)が少なくとも1個の機械軸又は移動軸及び/又は部品例えばセンサ(144)の固定具及び/又は案内及び/又は機能部品としての線源又は光源(142)の固定具又は案内のための取付け場所又は区域であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項21】
X線源(142、148)に複数のセンサ(152、154、156)が割り当てられ、各センサの測定物を貫く照射角が相異なることを特徴とする上記請求項のとりわけ1つに記載の座標測定装置。
【請求項22】
測定物の測定のために、同時にX線放射が作用するn個のセンサ(152、154、156)がX線源に割り当てられ、逐次続く測定の間にX線源が測定物に対して基準角αだけ移動され、逐次続くセンサがそれぞれ互いに角α/nだけねじって又は傾けて整列されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項23】
装置がX線放射(150)を検出する複数個のセンサ(152、154、156、160、162、164)を有し、各センサによって様々な照射角で測定物(136)の透過像をそれぞれ撮影できるように、上記のセンサが配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項24】
X線放射(150)の種々のスペクトル領域を利用して、測定物(136)の断層像を検出することを特徴とする上記請求項のとりわけ少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項25】
写真撮影又は画像伝送及び画像解析においてセンサの複数の画素エレメントが1つの画素にそれぞれ統合され、適当に減少した画素数の像から計算した立体像で、コンピュータ補間により元の解像度に到達し又は超過することを特徴とする上記請求項のとりわけ少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項26】
測定時に測定物(136)を連続的に回転し、X線を間欠的に作用させることを特徴とする上記請求項のとりわけ少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項27】
X線源(148)の出射口に機械式及び/又は電子式シャッタが配属されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項28】
X線放射(150)が高周波変調されることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項29】
測定物(36)の回転軸(58)と平行な直線に沿って複数のセンサ(160、162、164)が配置され、これらのセンサがX線源(48)の出射軸に対して相異なる角で配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項30】
X線放射(150)に対して小さなコントラストを有する測定物が、測定物より大きなX線吸収を有する材料で取り囲まれ、又は包囲されていることを特徴とする上記請求項のとりわけ1つに記載の座標測定装置。
【請求項31】
X線放射(150)を検出する単数個又は複数個のセンサ(152、154、156、160、162、164)のほかに、測定物(136)の測定技術的検出のための別のセンサ、例えば機械式探触子、レーザスキャナ、画像処理センサが装置に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項32】
センサの幾つかが別個の移動軸又は機械軸に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項33】
回転軸に沿って測定範囲を拡張するために、測定物(3)の回転軸(18)が移動軸(1)に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項34】
測定物(136)が回転軸(158)の周りに回転可能な回転テーブル(134)の上に配置され、回転テーブル又はこれと直結された部材にとりわけ少なくとも2個の基準球(300、302)の形の基準体が配置され、X線放射に対して基準体より小さな吸収を有する材料の中に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項35】
可視光測定のための画像処理感知装置(500)がX線感知装置(502)と同じ画像処理解析ユニット又は同じ画像処理ボード(504)に接続されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項36】
測定物自体の主要点を触覚式及び/又は光学式感知装置で測定し、これから幾何学的特徴、例えば直径又は間隔を決定し、X線感知装置で同じ幾何学的特徴を決定した後、前記の幾何学的特徴をX線感知装置の校正のために利用することを特徴とする特に上記請求項のいずれか1つに記載の座標測定装置のX線感知装置の校正方法。
【請求項37】
触覚式及び/又は光学式感知装置により決定された主要点の測定結果を、X線感知装置による測定(断層撮影)で生じる3次元ボクセルデータからしきい値法で生成された測定点図表の修正のために利用することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
触覚式及び/又は光学式感知装置により決定された主要点の測定結果を、X線(断層撮影)法の3次元再構成の計算の際にすでに考慮することを特徴とする請求項36又は37のとりわけいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
測定点を触覚式感知装置、光学式感知装置又はX線感知装置のいずれか1つで検出して、共通の座標系で評価することを特徴とする請求項36ないし38の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項40】
幾何学的特徴、例えば直径及び間隔を、X線感知装置、光学式感知装置又は触覚式感知装置で複合的に測定した点から計算することを特徴とする請求項36ないし39の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項41】
X線感知装置で検出した測定点及び/又は触覚的に検出した測定点及び/又は光学的に検出した測定点から、その後の評価のための共通の点図表を作成することを特徴とする請求項36ないし40の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項42】
X線源、X線を検出する少なくとも1個のX線センサ及びX線放射に対する遮蔽を有する第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及びz方向に位置決めされる第2の感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置を具備する座標測定装置による測定物の測定方法において、X線感知装置が第2の感知装置に対応して座標測定装置に位置決めされることを特徴とする方法。
【請求項43】
X線感知装置が第2の感知装置と同等に配置されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
X線感知装置又はそのセンサが少なくとも触覚式感知装置又はそのセンサ及び/又は光学式感知装置又はそのセンサと共に共通の機械軸に配置されることを特徴とする請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
X線感知装置が、触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置のための機械軸と同様に動作する別個の機械軸に配置されることを特徴とする請求項42ないし44の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項46】
X線感知装置と触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置によって共通の測定域がカバーされることを特徴とする請求項42ないし45の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項47】
座標測定装置がX線感知装置及び/又は光学式感知装置、例えば画像処理感知装置及び/又は触覚式感知装置の動作方向(x及び/又はy方向)に対して垂直な少なくとも1つの軸(z軸)を備えることを特徴とする請求項42ないし46の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項48】
回転軸が垂直な軸の周りに回転されることを特徴とする請求項42ないし47の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項49】
光学式感知装置又はそのセンサ及び/又はX線感知装置又はそのセンサのための作用軸又は機械軸が回転軸に対して水平又は垂直に整列されることを特徴とする請求項42ないし48の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項50】
X線感知装置及び/又は画像処理感知装置のための放射源が所属のセンサと同期して移動されることを特徴とする請求項42ないし49の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項51】
X線感知装置のための放射源が座標測定装置の座標系に固設されることを特徴とする請求項42ないし50の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項52】
X線センサ又はX線感知装置も光学式センサ又は光学式感知装置及び/又は触覚式センサ又は触覚式感知装置も、測定物に対して少なくとも1つの軸で移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし51の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項53】
X線センサも光学式センサ及び/又は触覚式センサも測定物に対して少なくとも2つの軸で移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし52の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項54】
X線センサも光学式センサ及び/又は触覚式センサも加工品に対して少なくとも3つの軸で移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし53の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1個の別のセンサがX線センサと共に移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし54の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項56】
X線センサと放射源の間隔の調整及び/又は測定物とX線感知装置の相互の相対的移動によって測定範囲の調整が行われることを特徴とする請求項42ないし55の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項57】
X線源、X線放射を検出する少なくとも1個のセンサ及びX線放射に対する遮蔽からなるX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)を使用し、測定時にX線感知装置を測定物に対して、特に測定物をX線感知装置に対して回転して行う、座標測定装置による測定物、例えば加工品の構造及び/又は幾何学的形状の測定方法において、座標測定装置の少なくとも1個の機能部材を遮蔽として形成することを特徴とする方法。
【請求項58】
遮蔽が座標測定装置の機能部品、例えば移動軸及び/又はセンサ及び/又は線源又は光源のための取付け場所として形成されることを特徴とする少なくとも請求項57に記載の方法。
【請求項59】
座標測定装置の台板及び側部隔壁及び/又は後部隔壁が遮蔽として形成されることを特徴とする少なくとも請求項57に記載の方法。
【請求項60】
遮蔽のために使用される機能部材が、測定技術的又は静力学的観点から必要なものより大きな寸法で設計されることを特徴とする請求項57ないし59の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項61】
各センサでそれぞれ1つの透過像が相異なる照射角で撮影されるように、X線源に複数のセンサが配属されることを特徴とする請求項57ないし60のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項62】
X線放射の種々のスペクトル領域を利用して測定物から断層像を撮影することを特徴とする請求項57ないし61のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項63】
写真撮影又は画像伝送又は画像解析において変換装置の複数個の画素エレメントをそれぞれ1つの画素に統合し、画素数を適当に減少した像から計算した立体像でコンピュータ補間により元の解像度に到達し、又は超過することを特徴とする請求項57ないし62のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項64】
測定(データ記録)の際に測定物を連続的に回転し、その際X線源を機械式又は電気式シャッタにより短時間だけ開放することを特徴とする請求項57ないし63のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項65】
測定時に測定物を連続的に回転し、X線を間欠的に作用させることを特徴とする請求項57ないし64のいずれか1つに記載の方法。
【請求項66】
測定物の複数の像(断層像)を同時に撮影し、その際測定物の回転軸とX線放射の間の角を機械式回転旋回軸により、又は種々の角で複数の検出器を使用することにより変化することを特徴とする請求項57ないし65のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項67】
断層像の解像度を高めるために、複数の写真を撮影し、その間にセンサ又は測定物を、センサの感覚素子の一辺の長さより小さな距離だけ移動することを特徴とする請求項57ないし66のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項68】
X線放射を平行化することを特徴とする請求項57ないし67のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項69】
測定物とX線源又はX線センサの間の並進相対運動によって、センサの面より大きな区域を撮影することを特徴とする請求項57ないし68のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項70】
X線吸収が測定物より大きい材料で測定物を取り囲むことによって、X線に対するコントラストが小さい材料からなる測定物を測定することを特徴とする請求項57ないし69のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項71】
単数又は複数のX線検出用センサのほかに、測定物の測定技術的検出のための別のセンサ、例えば機械式探触子、レーザスキャナ、画像処理センサを使用することを特徴とする請求項57ないし70の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項72】
センサの少なくとも幾つかを別個の移動軸に配置することを特徴とする請求項57ないし71の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項73】
測定範囲を回転軸の方向に拡大するために、断層像の撮影に必要な、測定物の回転のための回転軸を移動軸に配置することを特徴とする請求項57ないし72の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項74】
X線源とX線検出器を有する少なくとも1個のX線感知装置を含む座標測定装置による測定物の測定方法において、所定の倍率及び測定範囲の指定で1回校正した後にX線源及びX線検出器の位置を当該の校正データと共に記憶し、こうして記憶したデータをX線感知装置によるその後の測定で、別に再校正せずに考慮することを特徴とする方法。
【請求項75】
あらかじめ校正した倍率及び測定範囲の設定が座標測定装置の測定プログラムによって自動的に呼び出され、装置の当該のハードウエア部品が位置決めされることを特徴とする請求項74に記載の方法。
【請求項76】
倍率及び/又は測定範囲だけを変えるために、X線源とX線検出器を同期移動することを特徴とする請求項74又は75に記載の方法。
【請求項77】
倍率及び/又は測定範囲を変えるためにX線源とX線検出器を互いに独立に移動することを特徴とする請求項74ないし76の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項78】
X線測定(断層撮影)に必要なすべての設定を事前に校正して記憶し、それぞれのX線測定操作、例えば断層撮影操作のときに校正操作がもはや必要でないことを特徴とする請求項74ないし77の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項79】
校正操作による測定物の回転中心の調整及び/又は回転中心のずれの適当な修正がソフトウエアで実現されることを特徴とする請求項74ないし78の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項80】
断層撮影の倍率及び/又はX線源及びX線検出器に対する回転中心の位置の決定が、少なくとも2個の球からなる基準によって決まることを特徴とする請求項74ないし79の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項81】
X線測定(断層撮影)の倍率及び/又はX線源及びX線検出器に対する回転中心の位置の決定が、4個の球からなる基準によって決まることを特徴とする請求項74ないし80の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項82】
座標測定装置の回転軸の中心点の位置の決定のための手順、
即ち
−長方形、例えば正方形の頂点に配置された4個の球からなり、球の相互の間隔が既知又は校正済みである四球基準を回転軸上に位置決めし、
−張る平面が検出器と平行になるように、四球基準を回し、
−検出器の測定域で四球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M1を計算し、
−回転軸を180°回転し、
−像の4つの球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M2を計算する
ことを特徴とする請求項74ないし81の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項83】
回転の前後の4つの球位置に基づく回転中心のY位置の計算を次式
Pdyn=(Pkyn1*M2+Pkyn2+M1)/(M1*M2)
ここにPdynは球nに対する検出器上の回転軸のY位置、Pkyn1は回転角0°での球nのY位置、Pkyn2は回転角180°での球nのY位置、M1は回転角0°での平均倍率、M2は回転角180°での平均倍率
により行うことを特徴とする請求項74ないし82の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項84】
座標測定装置で触覚式及び/又は光学式感知装置により測定物で測定した測定点を、X線感知装置により検出した測定点の修正のために考慮することを特徴とする請求項74ないし83のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項85】
X線感知装置又は断層撮影で測定した測定物の測定点図表又はこれから算出した三角面要素の修正を、触覚的及び/又は光学的に得た測定点によって行うことを特徴とする請求項74ないし84の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項86】
触覚的及び/又は光学的に測定された修正点の間で補間することを特徴とする少なくとも請求項85に記載の方法。
【請求項87】
触覚式及び/又は光学式感知装置で得た修正点の間で、X線測定又は断層撮影により測定した点図表の機能曲線を考慮して補間し、及び/又は基準CADモデルを考慮して補間することを特徴とする少なくとも請求項86に記載の方法。
【請求項88】
まずある種類の測定物の見本品をX線(断層撮影)により、かつ触覚的及び/又は光学的に走査し、2つの測定の差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定では1回だけ決定した修正値で断層撮影測定を修正することを特徴とする請求項78ないし87の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項89】
ある種類の測定物の校正品を断層撮影し、この測定の測定偏差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定ではあらかじめ調整した修正値で断層撮影測定を調整することを特徴とする請求項74ないし88の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項90】
量産品の測定で、光学的及び/又は触覚的に測定された個々の修正点を補足的に考慮することを特徴とする少なくとも請求項88に記載された方法。
【請求項91】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために操作者が断層撮影で決定された点図表で図式的に確定し、次に座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする少なくとも請求項88又は90に記載の方法。
【請求項92】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために操作者が測定物のCADモデルで図式的に確定し、次に座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする少なくとも請求項88又は91に記載の方法。
【請求項93】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために自動アルゴリズムによりCADモデルの表面にほぼ均等又は均等に配分し、座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする少なくとも請求項88又は91に記載の方法。
【請求項94】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために操作者がCADモデルであらかじめ確定し、CADモデルをロードした後に座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする請求項74ないし93の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項95】
断層撮影操作で原則として1つの基準体、特に球配列を共に断層撮影し、これから座標測定装置及び/又はX線源及び/又はX線センサに対する回転軸の相対位置及び/又は有効倍率を決定し、続いて数学的に修正することを特徴とする請求項74ないし94の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項96】
基準体、特に基準球を基準体よりX線吸収性の少ない支持材に格納し、基準体を考慮して測定物を回転でテーブル上に位置決めすることを特徴とする少なくとも請求項95に記載の方法。
【請求項97】
回転軸上の基準体の位置を光学式及び/又は触覚式センサで決定して、回転軸の位置の修正のために利用することを特徴とする請求項74ないし96の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項98】
X線源及びX線検出器に対する回転軸の空間位置をX線感知装置及び/又は触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置で測定技術的に決定し、測定物の断層撮影の際にこの位置偏差を数学的に修正することを特徴とする請求項74ないし97の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項99】
基準位置から偏る回転軸位置を2次元個別像の回転及び/又は並進及び/又はゆがみにより修正することを特徴とする請求項74ないし98の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項100】
基準位置から偏る回転軸位置を再構成アルゴリズムで考慮することを特徴とする請求項74ないし99の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項101】
触覚式及び/又は光学式センサ及び/又は断層撮影を使用して測定装置の回転テーブル上の、即ち装置の座標系での測定物の位置を決定し、続いてX線センサの基準位置で2次元照射モードで画像処理法により測定することを特徴とする請求項74ないし100の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項102】
X線センサ又はX線感知装置が座標測定装置のソフトウエアにより自動制御され、本来の測定(断層撮影操作)の時はX線センサがX線源の放射円錐内に位置決めされ、この時間以外は放射円錐の外の休止位置に置かれることを特徴とする請求項74ないし101の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項103】
多センサ型座標測定装置の画像処理感知装置及びX線感知装置が同じ画像処理ハードウエア及び同じ画像処理ソフトウエア又はその一部を備えていることを特徴とする請求項74ないし102のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項104】
画像処理感知装置で周知の画像処理法がX線感知装置にも適用されることを特徴とする請求項74ないし103の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項105】
再構成の前に2次元X線像にゆがみ修正及び/又は輝度修正及び/又は暗信号修正及び/又は数学的並進及び/又は数学的回転及び/又はリサンプリング法及び/又は線形特性修正及び/又は画像処理フィルタリングを施すことを特徴とする請求項74ないし104の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項1】
X線源(10)及びX線を検出する少なくとも1個のX線センサ(7)からなる第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及び/又はz方向に位置決めすることができる第2感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置(8、11;9)を有する、測定物(3、136)の測定のための座標測定装置(110)において、X線感知装置(7、10)が第2の感知装置(8、11;9)に対応して座標測定装置(10)に位置決めされることを特徴とする座標測定装置。
【請求項2】
X線感知装置(7、10)が第2の感知装置(8,11;9)と同等に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の座標測定装置。
【請求項3】
X線感知装置(7、10)が少なくとも1個の触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置(8、11)と共に共通の機械軸(5、6)に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の座標測定装置。
【請求項4】
X線感知装置(7、10)が触覚式及び/又は光学式感知装置(8、11;9)のための機械軸と同様に動作する別個の機械軸に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項5】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、11;9)も測定物(3、136)の共通の測定域をカバーすることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項6】
座標測定装置(110)がX線感知装置(7、10)及び/又は光学式感知装置、例えば画像処理感知装置(8、11)及び/又は触覚式感知装置(9)の動作方向(y及び/又はz軸方向)に対して垂直な回転軸(18;x軸方向)を備えていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項7】
回転軸(18、158)が垂直に延びる軸(x軸)の周りに回転することを特徴とする少なくとも請求項6に記載の座標測定装置。
【請求項8】
光学式センサ(9)の光学軸及び/又はX線センサ(8)の光軸が回転軸(18、138;x軸)に対して水平及び/又は垂直に整列されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項9】
X線感知装置及び/又は画像処理感知装置のための線源又は光源(10、11)が所属のセンサ(7、8)と同期して移動可能であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項10】
X線感知装置のための線源が座標測定装置(110)の座標系に固設されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項11】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、10;9)も測定物(3、136)に対して少なくとも1つの軸で移動し得るように配置されていることを特徴とする少なくとも請求項1に記載の座標測定装置。
【請求項12】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、10;9)も測定物(3、136)に対して少なくとも2つの軸で移動し得るように配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項13】
X線感知装置(7、10)も第2の感知装置(8、10;9)も測定物(3、136)に対して少なくとも3つの軸で移動し得るように配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項14】
少なくとも1個の別のセンサ(8)がX線感知装置(7、10)と共に移動し得るように配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項15】
測定範囲の調整がX線センサ(7)と線源(10)の間隔の調整及び/又は測定物(3)に対するX線感知装置(7、10)の相対的変位によってとりわけ自動的に行われることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項16】
X線に対する遮蔽(114、116)を備えた、とりわけ請求項1に記載の座標測定装置において、遮蔽(114、116、118)又は遮蔽の少なくとも1つの区域が座標測定装置(110)の必要な測定技術的構造の機能部材として形成されていることを特徴とする座標測定装置。
【請求項17】
座標測定装置(110)の台板(114)及び/又は少なくとも1つの側部隔壁又は後部隔壁(116、118)が遮蔽として形成されていることを特徴とする少なくとも請求項16に記載の座標測定装置。
【請求項18】
遮蔽のために必要な部材(114、116)が石材、例えば花崗岩で形成されていることを特徴とする少なくとも請求項16に記載の座標測定装置。
【請求項19】
遮蔽又は遮蔽をなす部材、例えば台板(114)もしくは後部又は側部隔壁(116、118)が単数又は複数の機能部品、例えば座標測定装置(110)の機械軸のための取付け場所であることを特徴とする少なくとも請求項16に記載の座標測定装置。
【請求項20】
遮蔽(114、116)が少なくとも1個の機械軸又は移動軸及び/又は部品例えばセンサ(144)の固定具及び/又は案内及び/又は機能部品としての線源又は光源(142)の固定具又は案内のための取付け場所又は区域であることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項21】
X線源(142、148)に複数のセンサ(152、154、156)が割り当てられ、各センサの測定物を貫く照射角が相異なることを特徴とする上記請求項のとりわけ1つに記載の座標測定装置。
【請求項22】
測定物の測定のために、同時にX線放射が作用するn個のセンサ(152、154、156)がX線源に割り当てられ、逐次続く測定の間にX線源が測定物に対して基準角αだけ移動され、逐次続くセンサがそれぞれ互いに角α/nだけねじって又は傾けて整列されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項23】
装置がX線放射(150)を検出する複数個のセンサ(152、154、156、160、162、164)を有し、各センサによって様々な照射角で測定物(136)の透過像をそれぞれ撮影できるように、上記のセンサが配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項24】
X線放射(150)の種々のスペクトル領域を利用して、測定物(136)の断層像を検出することを特徴とする上記請求項のとりわけ少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項25】
写真撮影又は画像伝送及び画像解析においてセンサの複数の画素エレメントが1つの画素にそれぞれ統合され、適当に減少した画素数の像から計算した立体像で、コンピュータ補間により元の解像度に到達し又は超過することを特徴とする上記請求項のとりわけ少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項26】
測定時に測定物(136)を連続的に回転し、X線を間欠的に作用させることを特徴とする上記請求項のとりわけ少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項27】
X線源(148)の出射口に機械式及び/又は電子式シャッタが配属されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項28】
X線放射(150)が高周波変調されることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項29】
測定物(36)の回転軸(58)と平行な直線に沿って複数のセンサ(160、162、164)が配置され、これらのセンサがX線源(48)の出射軸に対して相異なる角で配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項30】
X線放射(150)に対して小さなコントラストを有する測定物が、測定物より大きなX線吸収を有する材料で取り囲まれ、又は包囲されていることを特徴とする上記請求項のとりわけ1つに記載の座標測定装置。
【請求項31】
X線放射(150)を検出する単数個又は複数個のセンサ(152、154、156、160、162、164)のほかに、測定物(136)の測定技術的検出のための別のセンサ、例えば機械式探触子、レーザスキャナ、画像処理センサが装置に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項32】
センサの幾つかが別個の移動軸又は機械軸に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項33】
回転軸に沿って測定範囲を拡張するために、測定物(3)の回転軸(18)が移動軸(1)に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項34】
測定物(136)が回転軸(158)の周りに回転可能な回転テーブル(134)の上に配置され、回転テーブル又はこれと直結された部材にとりわけ少なくとも2個の基準球(300、302)の形の基準体が配置され、X線放射に対して基準体より小さな吸収を有する材料の中に配置されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項35】
可視光測定のための画像処理感知装置(500)がX線感知装置(502)と同じ画像処理解析ユニット又は同じ画像処理ボード(504)に接続されていることを特徴とする上記請求項の少なくとも1つに記載の座標測定装置。
【請求項36】
測定物自体の主要点を触覚式及び/又は光学式感知装置で測定し、これから幾何学的特徴、例えば直径又は間隔を決定し、X線感知装置で同じ幾何学的特徴を決定した後、前記の幾何学的特徴をX線感知装置の校正のために利用することを特徴とする特に上記請求項のいずれか1つに記載の座標測定装置のX線感知装置の校正方法。
【請求項37】
触覚式及び/又は光学式感知装置により決定された主要点の測定結果を、X線感知装置による測定(断層撮影)で生じる3次元ボクセルデータからしきい値法で生成された測定点図表の修正のために利用することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
触覚式及び/又は光学式感知装置により決定された主要点の測定結果を、X線(断層撮影)法の3次元再構成の計算の際にすでに考慮することを特徴とする請求項36又は37のとりわけいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
測定点を触覚式感知装置、光学式感知装置又はX線感知装置のいずれか1つで検出して、共通の座標系で評価することを特徴とする請求項36ないし38の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項40】
幾何学的特徴、例えば直径及び間隔を、X線感知装置、光学式感知装置又は触覚式感知装置で複合的に測定した点から計算することを特徴とする請求項36ないし39の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項41】
X線感知装置で検出した測定点及び/又は触覚的に検出した測定点及び/又は光学的に検出した測定点から、その後の評価のための共通の点図表を作成することを特徴とする請求項36ないし40の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項42】
X線源、X線を検出する少なくとも1個のX線センサ及びX線放射に対する遮蔽を有する第1の感知装置としてのX線感知装置並びに測定物に対して座標測定装置のx、y及びz方向に位置決めされる第2の感知装置、例えば触覚式及び/又は光学式感知装置を具備する座標測定装置による測定物の測定方法において、X線感知装置が第2の感知装置に対応して座標測定装置に位置決めされることを特徴とする方法。
【請求項43】
X線感知装置が第2の感知装置と同等に配置されることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
X線感知装置又はそのセンサが少なくとも触覚式感知装置又はそのセンサ及び/又は光学式感知装置又はそのセンサと共に共通の機械軸に配置されることを特徴とする請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
X線感知装置が、触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置のための機械軸と同様に動作する別個の機械軸に配置されることを特徴とする請求項42ないし44の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項46】
X線感知装置と触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置によって共通の測定域がカバーされることを特徴とする請求項42ないし45の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項47】
座標測定装置がX線感知装置及び/又は光学式感知装置、例えば画像処理感知装置及び/又は触覚式感知装置の動作方向(x及び/又はy方向)に対して垂直な少なくとも1つの軸(z軸)を備えることを特徴とする請求項42ないし46の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項48】
回転軸が垂直な軸の周りに回転されることを特徴とする請求項42ないし47の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項49】
光学式感知装置又はそのセンサ及び/又はX線感知装置又はそのセンサのための作用軸又は機械軸が回転軸に対して水平又は垂直に整列されることを特徴とする請求項42ないし48の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項50】
X線感知装置及び/又は画像処理感知装置のための放射源が所属のセンサと同期して移動されることを特徴とする請求項42ないし49の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項51】
X線感知装置のための放射源が座標測定装置の座標系に固設されることを特徴とする請求項42ないし50の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項52】
X線センサ又はX線感知装置も光学式センサ又は光学式感知装置及び/又は触覚式センサ又は触覚式感知装置も、測定物に対して少なくとも1つの軸で移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし51の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項53】
X線センサも光学式センサ及び/又は触覚式センサも測定物に対して少なくとも2つの軸で移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし52の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項54】
X線センサも光学式センサ及び/又は触覚式センサも加工品に対して少なくとも3つの軸で移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし53の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1個の別のセンサがX線センサと共に移動し得るように配置されることを特徴とする請求項42ないし54の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項56】
X線センサと放射源の間隔の調整及び/又は測定物とX線感知装置の相互の相対的移動によって測定範囲の調整が行われることを特徴とする請求項42ないし55の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項57】
X線源、X線放射を検出する少なくとも1個のセンサ及びX線放射に対する遮蔽からなるX線感知装置(コンピュータ断層撮影装置)を使用し、測定時にX線感知装置を測定物に対して、特に測定物をX線感知装置に対して回転して行う、座標測定装置による測定物、例えば加工品の構造及び/又は幾何学的形状の測定方法において、座標測定装置の少なくとも1個の機能部材を遮蔽として形成することを特徴とする方法。
【請求項58】
遮蔽が座標測定装置の機能部品、例えば移動軸及び/又はセンサ及び/又は線源又は光源のための取付け場所として形成されることを特徴とする少なくとも請求項57に記載の方法。
【請求項59】
座標測定装置の台板及び側部隔壁及び/又は後部隔壁が遮蔽として形成されることを特徴とする少なくとも請求項57に記載の方法。
【請求項60】
遮蔽のために使用される機能部材が、測定技術的又は静力学的観点から必要なものより大きな寸法で設計されることを特徴とする請求項57ないし59の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項61】
各センサでそれぞれ1つの透過像が相異なる照射角で撮影されるように、X線源に複数のセンサが配属されることを特徴とする請求項57ないし60のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項62】
X線放射の種々のスペクトル領域を利用して測定物から断層像を撮影することを特徴とする請求項57ないし61のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項63】
写真撮影又は画像伝送又は画像解析において変換装置の複数個の画素エレメントをそれぞれ1つの画素に統合し、画素数を適当に減少した像から計算した立体像でコンピュータ補間により元の解像度に到達し、又は超過することを特徴とする請求項57ないし62のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項64】
測定(データ記録)の際に測定物を連続的に回転し、その際X線源を機械式又は電気式シャッタにより短時間だけ開放することを特徴とする請求項57ないし63のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項65】
測定時に測定物を連続的に回転し、X線を間欠的に作用させることを特徴とする請求項57ないし64のいずれか1つに記載の方法。
【請求項66】
測定物の複数の像(断層像)を同時に撮影し、その際測定物の回転軸とX線放射の間の角を機械式回転旋回軸により、又は種々の角で複数の検出器を使用することにより変化することを特徴とする請求項57ないし65のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項67】
断層像の解像度を高めるために、複数の写真を撮影し、その間にセンサ又は測定物を、センサの感覚素子の一辺の長さより小さな距離だけ移動することを特徴とする請求項57ないし66のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項68】
X線放射を平行化することを特徴とする請求項57ないし67のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項69】
測定物とX線源又はX線センサの間の並進相対運動によって、センサの面より大きな区域を撮影することを特徴とする請求項57ないし68のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項70】
X線吸収が測定物より大きい材料で測定物を取り囲むことによって、X線に対するコントラストが小さい材料からなる測定物を測定することを特徴とする請求項57ないし69のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項71】
単数又は複数のX線検出用センサのほかに、測定物の測定技術的検出のための別のセンサ、例えば機械式探触子、レーザスキャナ、画像処理センサを使用することを特徴とする請求項57ないし70の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項72】
センサの少なくとも幾つかを別個の移動軸に配置することを特徴とする請求項57ないし71の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項73】
測定範囲を回転軸の方向に拡大するために、断層像の撮影に必要な、測定物の回転のための回転軸を移動軸に配置することを特徴とする請求項57ないし72の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項74】
X線源とX線検出器を有する少なくとも1個のX線感知装置を含む座標測定装置による測定物の測定方法において、所定の倍率及び測定範囲の指定で1回校正した後にX線源及びX線検出器の位置を当該の校正データと共に記憶し、こうして記憶したデータをX線感知装置によるその後の測定で、別に再校正せずに考慮することを特徴とする方法。
【請求項75】
あらかじめ校正した倍率及び測定範囲の設定が座標測定装置の測定プログラムによって自動的に呼び出され、装置の当該のハードウエア部品が位置決めされることを特徴とする請求項74に記載の方法。
【請求項76】
倍率及び/又は測定範囲だけを変えるために、X線源とX線検出器を同期移動することを特徴とする請求項74又は75に記載の方法。
【請求項77】
倍率及び/又は測定範囲を変えるためにX線源とX線検出器を互いに独立に移動することを特徴とする請求項74ないし76の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項78】
X線測定(断層撮影)に必要なすべての設定を事前に校正して記憶し、それぞれのX線測定操作、例えば断層撮影操作のときに校正操作がもはや必要でないことを特徴とする請求項74ないし77の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項79】
校正操作による測定物の回転中心の調整及び/又は回転中心のずれの適当な修正がソフトウエアで実現されることを特徴とする請求項74ないし78の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項80】
断層撮影の倍率及び/又はX線源及びX線検出器に対する回転中心の位置の決定が、少なくとも2個の球からなる基準によって決まることを特徴とする請求項74ないし79の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項81】
X線測定(断層撮影)の倍率及び/又はX線源及びX線検出器に対する回転中心の位置の決定が、4個の球からなる基準によって決まることを特徴とする請求項74ないし80の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項82】
座標測定装置の回転軸の中心点の位置の決定のための手順、
即ち
−長方形、例えば正方形の頂点に配置された4個の球からなり、球の相互の間隔が既知又は校正済みである四球基準を回転軸上に位置決めし、
−張る平面が検出器と平行になるように、四球基準を回し、
−検出器の測定域で四球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M1を計算し、
−回転軸を180°回転し、
−像の4つの球位置を測定し、
−測定された4つの球距離、基準球距離及び検出器の基準画素サイズから平均倍率M2を計算する
ことを特徴とする請求項74ないし81の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項83】
回転の前後の4つの球位置に基づく回転中心のY位置の計算を次式
Pdyn=(Pkyn1*M2+Pkyn2+M1)/(M1*M2)
ここにPdynは球nに対する検出器上の回転軸のY位置、Pkyn1は回転角0°での球nのY位置、Pkyn2は回転角180°での球nのY位置、M1は回転角0°での平均倍率、M2は回転角180°での平均倍率
により行うことを特徴とする請求項74ないし82の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項84】
座標測定装置で触覚式及び/又は光学式感知装置により測定物で測定した測定点を、X線感知装置により検出した測定点の修正のために考慮することを特徴とする請求項74ないし83のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項85】
X線感知装置又は断層撮影で測定した測定物の測定点図表又はこれから算出した三角面要素の修正を、触覚的及び/又は光学的に得た測定点によって行うことを特徴とする請求項74ないし84の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項86】
触覚的及び/又は光学的に測定された修正点の間で補間することを特徴とする少なくとも請求項85に記載の方法。
【請求項87】
触覚式及び/又は光学式感知装置で得た修正点の間で、X線測定又は断層撮影により測定した点図表の機能曲線を考慮して補間し、及び/又は基準CADモデルを考慮して補間することを特徴とする少なくとも請求項86に記載の方法。
【請求項88】
まずある種類の測定物の見本品をX線(断層撮影)により、かつ触覚的及び/又は光学的に走査し、2つの測定の差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定では1回だけ決定した修正値で断層撮影測定を修正することを特徴とする請求項78ないし87の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項89】
ある種類の測定物の校正品を断層撮影し、この測定の測定偏差から断層撮影測定値の修正のための網状修正図表を計算し、量産品の測定ではあらかじめ調整した修正値で断層撮影測定を調整することを特徴とする請求項74ないし88の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項90】
量産品の測定で、光学的及び/又は触覚的に測定された個々の修正点を補足的に考慮することを特徴とする少なくとも請求項88に記載された方法。
【請求項91】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために操作者が断層撮影で決定された点図表で図式的に確定し、次に座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする少なくとも請求項88又は90に記載の方法。
【請求項92】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために操作者が測定物のCADモデルで図式的に確定し、次に座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする少なくとも請求項88又は91に記載の方法。
【請求項93】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために自動アルゴリズムによりCADモデルの表面にほぼ均等又は均等に配分し、座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする少なくとも請求項88又は91に記載の方法。
【請求項94】
触覚的及び/又は光学的測定点を修正のために操作者がCADモデルであらかじめ確定し、CADモデルをロードした後に座標測定装置により自動的に測定することを特徴とする請求項74ないし93の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項95】
断層撮影操作で原則として1つの基準体、特に球配列を共に断層撮影し、これから座標測定装置及び/又はX線源及び/又はX線センサに対する回転軸の相対位置及び/又は有効倍率を決定し、続いて数学的に修正することを特徴とする請求項74ないし94の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項96】
基準体、特に基準球を基準体よりX線吸収性の少ない支持材に格納し、基準体を考慮して測定物を回転でテーブル上に位置決めすることを特徴とする少なくとも請求項95に記載の方法。
【請求項97】
回転軸上の基準体の位置を光学式及び/又は触覚式センサで決定して、回転軸の位置の修正のために利用することを特徴とする請求項74ないし96の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項98】
X線源及びX線検出器に対する回転軸の空間位置をX線感知装置及び/又は触覚式感知装置及び/又は光学式感知装置で測定技術的に決定し、測定物の断層撮影の際にこの位置偏差を数学的に修正することを特徴とする請求項74ないし97の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項99】
基準位置から偏る回転軸位置を2次元個別像の回転及び/又は並進及び/又はゆがみにより修正することを特徴とする請求項74ないし98の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項100】
基準位置から偏る回転軸位置を再構成アルゴリズムで考慮することを特徴とする請求項74ないし99の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項101】
触覚式及び/又は光学式センサ及び/又は断層撮影を使用して測定装置の回転テーブル上の、即ち装置の座標系での測定物の位置を決定し、続いてX線センサの基準位置で2次元照射モードで画像処理法により測定することを特徴とする請求項74ないし100の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項102】
X線センサ又はX線感知装置が座標測定装置のソフトウエアにより自動制御され、本来の測定(断層撮影操作)の時はX線センサがX線源の放射円錐内に位置決めされ、この時間以外は放射円錐の外の休止位置に置かれることを特徴とする請求項74ないし101の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項103】
多センサ型座標測定装置の画像処理感知装置及びX線感知装置が同じ画像処理ハードウエア及び同じ画像処理ソフトウエア又はその一部を備えていることを特徴とする請求項74ないし102のとりわけ1つに記載の方法。
【請求項104】
画像処理感知装置で周知の画像処理法がX線感知装置にも適用されることを特徴とする請求項74ないし103の少なくとも1つに記載の方法。
【請求項105】
再構成の前に2次元X線像にゆがみ修正及び/又は輝度修正及び/又は暗信号修正及び/又は数学的並進及び/又は数学的回転及び/又はリサンプリング法及び/又は線形特性修正及び/又は画像処理フィルタリングを施すことを特徴とする請求項74ないし104の少なくとも1つに記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−500521(P2008−500521A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513786(P2007−513786)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005598
【国際公開番号】WO2005/119174
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(500473760)ベルス・メステヒニーク・ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005598
【国際公開番号】WO2005/119174
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(500473760)ベルス・メステヒニーク・ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】
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