説明

廃水処理システム及び方法

【課題】単一のシステム内に収容された廃水の汚染を除去するための多くの技術を実施し、かくして廃水の汚染除去を最適化する廃水処理システム(10)を提供する。
【解決手段】一実施例では、廃水処理システム(10)は、鋼強化プラスチックタンク(12)を含み、このタンクは、タンク(12)を第1、第2、及び第3チャンバ(16, 22, 28)に分割する第1及び第2の隔壁(18, 50)を有する。第1チャンバ(16)は、少なくとも一つの流出液フィルタ(20)を含み、内部に受け入れた廃水から有機廃棄物を除去するための嫌気性細菌を収容している。第1チャンバ(16)は、廃水から粒状物及び有機物を少なくとも部分的に除去するように形成されている。第2チャンバ(22)は、散気装置を含み、内部に受け入れた廃水から有機廃棄物を更に除去するための好気性細菌を収容している。第3チャンバ(28)は、汚泥ポンプアッセンブリ(142)及び少なくとも一つの第2流出液フィルタを含む。結果的に得られた浄化水を第3チャンバ(28)から出口ポート(52)を通して選択的に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水供給システムに関し、更に詳細には、住宅、商業施設、産業施設、公営施設、農業施設で発生した廃水から、生分解性の脂肪、油脂、グリス、固形分、有機汚染物質、栄養塩類、病原体、等を除去する廃水処理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境を保護し、公衆衛生を促進するため、地域社会は、代表的には、廃水処理を必要とする。未処理の廃水を排出することは、地表水や地下資源の汚染等の多くの環境上の懸念を生じるため、適切ではない。未処理の廃水には有機物や栄養塩類が含まれており、これを処理せずに廃水流から除去しないと、環境汚染を引き起こす。かくして未処理の廃水を地上水域や地下ドレインフィールドのいずれかに放出すると、放流水域の溶存酸素レベルが低下し始める。これにより水域そのもの並びに植生及び水生生物が脅かされる。更に、飲み水にも事欠く開発途上国では、廃水及び汚染物の両方を廃棄するのでなく、廃水からできるだけ多くの再生可能水を回収するのが望ましい。
【0003】
廃水を処理するため、人口密集地域の地域社会は、一般的には、廃水を集めて一連の地下配管で大規模な中央廃水処理プラントに輸送する。しかしながら、大規模な中央廃水処理プラントには幾つかの問題点がある。中央廃水処理プラントは、一日に特定の流量の廃水を処理するように設計されており且つ定格が定められている。これは、代表的には、プラントの定格容量として表現される。全ての処理プラントには最大流量容量がある。かくして、プラントが取り扱うように設計されたよりも多くの廃水が特定の一日に中央廃水処理プラントに入ると問題が生じる。例えば処理プラントが通常よりも多くの未処理生廃水を受け入れると、処理性能が低下し、処理が部分的にしか行われず、プラントが取り扱うように設計された廃水の量を越えないようにするため、未処理の廃水が川等の水域に放出される。
【0004】
上述のように、この未処理の廃水が水域に放出されると、植生や水中の水生生物を危険に曝し、殺してしまう。更に、未処理の廃水は、人間にとって極めて危険な多くの病原体を含んでいる。例えば、未処理の廃水は、致命的な赤痢の主因の一つである。かくして、未処理の廃水が水域に大量に排出されると、人間はこの水域を使用できなくなってしまう。他方、処理プラントが、一部を水域に放出するのでなく、通常量以上の廃水を処理した場合には、プラントが未処理の廃水の処理に使用する細菌群即ちバイオマスが未処理の廃水の流れにより洗い流され、プラントの生物学的処理プロセス全体が損なわれる。更に、上文中に説明したように、廃水処理は特に開発途上国で必要とされており、このような大規模な処理プラントを利用できない場合がある。
【0005】
農村地域及び開発途上国では、中央廃水処理プラントは建設及び維持に費用が掛かり過ぎる。更に、農村地域の家庭や商店を下水道で中央廃水処理プラントに連結するのは、これらの間の距離が大きいため、非現実的である。こうした地域では、通常は、廃水処理に浄化槽システムが使用される。浄化槽は、代表的には、使用者が自費で地中に設置した大きなタンクである。浄化槽は、廃水が浄化槽の一端に流入し、入ったのと同じ量の廃水がタンクの他端から出るため、連続流システムの範疇に入る。浄化槽の目的は、最少量の嫌気性処理を行い、廃水中の固形分を保持し、液体廃水流出液だけを通し、ドレインフィールド処理ラインが詰まらないようにすることである。しかしながら、廃水が最少の処理がなされただけで浄化槽を出るため、廃水は、上述のように、その有機物及び栄養を含む汚染物質のため、環境にとって有害であり、再生水として回収されない。更に、固形分が浄化槽の内部に溜まっていくため、定期的変動(periodic upset)として周知の現象が生じ、固形分がタンクから、タンクに連結されたフィールドラインに流出する。最終的には、これらのフィールドラインが固形分の堆積及び持ち越しにより詰まってしまう。こうしたことが起こると、フィールドラインの清掃又は可能な場合には交換を行わなければならない。このことは、使用者の資産の一部の破壊を意味し、使用に出費を強いる。ひどい場合には、ドレインフィールドが損なわれ、適当な代替地がないということになる。
【0006】
更に、土質によっては、土の特定の構造、質、及び地下水条件について、限られた量の排出しか受け入れることができないということがわかっている。この場合、実際には、水及び/又は土による処理能力が限定的なドレインフィールドに高度に処理した廃水を排出する。更に、高品質の流出液を再生し、潅漑、産業用洗浄水、冷却水、及び家庭用雑排水等の二次的な用途に使用する。
【0007】
約5678l/日(約1500ガロン/日)以上を処理する中央廃水処理システムは、代表的には、システムを収容するため、コンクリート、鋼、又はガラスファイバ製のいずれかのタンクを使用する。こうした材料は、他に選択肢がないため、数十年に亘って使用されてきた。コンクリートや鋼は、それらの特定の材料特性のため、非常に腐蝕を受け易く、廃水及び廃水処理で一般的な腐食性ガス及びpHの変動に耐えるのに適していない。
更に、コンクリート製タンク及び鋼製タンクは、両方とも、製造、輸送、及び設置が困難であり、費用が掛かる。コンクリート製又は鋼製の廃水タンクの平均寿命は、20年乃至30年に過ぎない。更に、今日、378533l/日(約100000ガロン/日)以上の大型の廃水処理システム用の唯一のタンク材料の選択肢はコンクリートである。ガラスファイバは、予想寿命が比較的長い優れた材料であるが、選別性能が限られており、先が尖ったものが当たったり常に摩擦が作用すると剥離してしまう。
【0008】
ガラスファイバ製のタンクは、代表的には、予め形成した金型を使用して形成され、特定のプロジェクト要求に合わせて調節するのが比較的困難である。このため、必要とされるタンク、ヤード配管、及び機器の調節が困難であり、保守及び作動に費用が掛かる。
【0009】
更に、鋼製タンク、コンクリート製タンク、及びガラスファイバ製タンクは、全て、損傷した場合の修復が比較的困難である。5678l/日(1500ガロン/日)以下の廃水処理システムについての追加の選択肢は、プラスチックタンクをハウジングとして回転成形又は射出成形することである。このようなタンクは、浄化槽、グリストラップ、及び小型処理システムとして一般的に使用されているが、これらのタンクの大部分は空になると潰れてしまい、予め形成した金型のため大きさが限られている。このようなタンクは、これらの問題を緩和する材料から形成されるのが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
かくして、上述の問題点を解決する廃水処理システム及び方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
廃水処理システムは、廃水を集めて処理する可搬式の予め組み立てられたシステムである。システムは、垂直に配置された小型タンク又は比較的大型の水平に置いた円筒形タンクのいずれかを含み、入口配管及び出口配管が連結されている。好ましくは、タンク又はハウジングは、鋼強化プラスチックで形成される。水平形態システムは、好ましくは周知の熱可塑性融着溶接(thermoplastic fuse welding)技術を使用してタンクの端部と端部とを突き合わせ溶接することによって現場で拡げることができる。
【0012】
廃水処理システムは、単一のシステム内に収容された廃水から汚染を除去するための多くの技術を提供し、かくして廃水の汚染除去を最適化する。システムは、単一の家庭用、多くの家庭用、店舗用、公営施設用、又は単一の又は多数の産業施設又は農業施設用の大きさを備えている。廃水処理システムは、鋼強化プラスチック等で製造された、少なくとも一つのチャンバが内部に形成された好ましくは円筒形のタンクを含む。システムは、少なくとも一つのチャンバが内部に形成されたタンクを含む。タンクは、好ましくは、鋼強化プラスチックで形成されている。入口ポートは、廃水を少なくとも一つのチャンバに入れるための導管を形成し、出口ポートは、処理廃水をタンクから排出するための導管を形成する。好ましくは、少なくとも一つのチャンバは、固形廃棄物を集めるために廃水から沈殿するための重力清澄器を形成する。
【0013】
一実施例では、ハウジングは、タンクを第1チャンバ、第2チャンバ、及び第3チャンバに分割する第1及び第2の隔壁を含む。第1チャンバは少なくとも一つの第1流出液フィルタを含み、内部に受け入れた廃水から有機廃棄物及び窒素等の栄養塩類を除去するための嫌気性細菌を収容している。第1チャンバは、廃水から粒状物及び有機物を少なくとも部分的に除去するように形成されている。
【0014】
廃水を第1チャンバに入れる導管を形成する入口ポートがシステムの外ハウジングを通して設けられている。同様に、処理廃水を第3チャンバから排出するための導管を形成する出口ポートが設けられている。廃水を第1チャンバから第2チャンバに選択的に移送するため、第1隔壁を通して第1ポートが形成されている。第2チャンバは散気装置を含み、内部に受け入れた廃水から有機廃棄物を更に除去するため、好気性細菌を収容している。第2チャンバ内での好気性細菌の成長を促すため、定置の固定生物膜又は浮遊媒体アッセンブリが提供される。第2チャンバ内の微生物は、一般的には、「活性汚泥」又は「バイオマス」と呼ばれ、更に特定的には、「懸垂成長(suspended growth)」及び「付着成長(attached growth)」 細菌と呼ばれる。
【0015】
第1隔壁を通して第2ポートが形成されている。返送汚泥ポンプアッセンブリ及び少なくとも一つの第2流出液フィルタを含む。沈降した廃固形分を第3チャンバから第1チャンバに選択的に移送するため、第2隔壁を通して第3ポートが形成されている。結果的に得られた浄化水を、第2流出液フィルタの通過後に出口ポートから選択的に排出する。好ましくは、タンクには、浮き上がり防止カラーとして役立つ底プレートが設けられている。これにより、空になったタンクが不時に浮き上がることがないようにする。浮き上がりは、建設中又は建設後に生じる場合がある。
本発明のこれらの及び他の特徴は、以下の説明及び添付図面を検討することにより、容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、上カバーを取り外した状態で示す、本発明による廃水処理システムの概略平面図である。
【図2】図2は、図1の2−2線に沿った廃水処理システムの部分概略断面図である。
【図3】図3は、図1の3−3線に沿った廃水処理システムの部分概略断面図である。
【図4】図4は、図1の4−4線に沿った廃水処理システムの部分概略断面図である。
【図5】図5は、本発明による廃水処理システムの平面図である。
【図6】図6は、上カバーを取り外した状態で示す、本発明の変形例の廃水処理システムの概略平面図である。
【図7】図7は、図6の7−7線に沿った図6の廃水処理システムの部分概略断面図である。
【図8】図8は、図6の8−8線に沿った図6の廃水処理システムの部分概略断面図である。
【図9】図9は、図6の9−9線に沿った図6の廃水処理システムの部分概略断面図である。
【図10】図10は、本発明による廃水処理システムの別の実施例の概略側面図である。
【図11】図11は、本発明による廃水処理システムの別の実施例の概略側面図である。
【図12】図12は、本発明による廃水処理システムの更に別の実施例の概略側面図である。
【図13】図13は、本発明による廃水処理システムの他の実施例の概略側面図である。
【図14】図14は、本発明による廃水処理システムの更に他の実施例の概略側面図である。
【図15】図15は、本発明による廃水処理システム用のハウジングの部分側面図である。
【図16】図16は、図15のハウジングの部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面に亘り、対応する特徴に同様の参照番号が付してある。
図1乃至図4を参照すると、第1実施例では、廃水処理システム10は、好ましくは、ハウジング12に収容された単一の閉鎖形ユニットとして形成されている。ハウジング12は実質的に円筒形であり、好ましくは鋼強化プラスチック等で形成されている。以下に詳細に説明するように、システム10は、単一のシステムに収容された廃水を浄化し、かくして、廃水の浄化を最適化するための三つの別々の技術を提供する。
【0018】
廃水処理システム10は、外タンクを形成するハウジング12、及び第1及び第2の隔壁18、50を含む。これらの隔壁は、夫々、タンクを第1チャンバ16、第2チャンバ22、及び第3チャンバ28に分割する。第1隔壁18は円筒形ハウジング12を直径方向でほぼ二分し、第2隔壁50は第1隔壁18と直交しており、全体に半径方向に延び、第1隔壁18が形成する二つの半円筒形空間の一方をほぼ二分する。第1チャンバ16は、好ましくは、無酸素環境を収容し、少なくとも一つの第1流出液フィルタ20を含み、更に、内部に受け入れた廃水から有機廃棄物及び窒素を除去するため、通性嫌気性細菌を収容している。第1チャンバ16は、廃水から微粒子及び有機物を少なくとも部分的に除去するように形成されている。ハウジング12は、鋼強化プラスチック又は任意の他の適当な材料から形成されていてもよい。
【0019】
第1チャンバ16内への廃水の入口用の導管を形成する入口ポート14(立下り管アッセンブリを含む)がシステム10の外ハウジング12を通って延びている。同様に、第3チャンバ28から処理廃水を排出するための導管を形成する出口ポート52が設けられている。未処理の原廃水が住宅施設又は小規模の商業施設から入口ポート14を通って第1チャンバ16に入る。例えば、システム10は、住宅施設又は小規模の商業施設から約5678l/日(約1500ガロン/日)の廃水を受け入れる。出口ポート52を通して高品質の浄化済流出液を排出する。流出液は、代替の地下ドレインフィールド(暗渠排水又は点滴潅漑システム等)によって受け入れられ、又は流れや水域に直接排出され、又は散水潅漑等に再使用される。
【0020】
システム10の寸法及び形態を含む全体の形態は変化してもよい。1892.6l/日(500ガロン/日)の廃水を処理できる例示のシステム10は、直径が約1.83m(約6フィート)であり且つ高さが約1.83m(約6フィート)の実質的に円筒形の外ハウジング12を含む。同様の構造であるが1892.6l/日(500ガロン/日)の廃水を処理できる例示のシステムは、直径が約2.13m(約7フィート)であり且つ高さが約1.83m(約6フィート)である。同様に、3785l/日(1000ガロン/日)の廃水を処理できるシステム10は、直径が約2.43m(約8フィート)であり且つ高さが約1.83m(約6フィート)であり、5678l/日(1500ガロン/日)の廃水を処理できるシステム10は、直径が約3.05m(約10フィート)であり且つ高さが約1.83m(約6フィート)である。好ましくは、ハウジング12は地中に埋設されるように形成されている。
【0021】
廃水が第1無酸素チャンバ16内に受け入れられたとき、チャンバ内の嫌気性細菌では消化が困難な処理が不可能なものは、流出液フィルタ20によって濾過され、これらが第2チャンバ即ちバイオリアクターチャンバ22に移行しないようにする。第1チャンバ16は、廃水処理の第1工程及び有機物の消化を行い、これは、追加の下流のタンクからリサイクルした廃水によって補助される。好ましくは、無酸素チャンバ16は、溶存酸素含有量が約0.5mg/l又はこれ以下と非常に低く、かくして、廃水流からの窒素の除去と代表的に関連した微生物代謝を涵養する(即ち嫌気性細菌又は通性嫌気性細菌)。廃水処理の分野で周知のように、廃水中の有機物を消化するための周知の嫌気性細菌の任意の適当な系統を使用してもよい。同様に、任意の適当な種類の流出液フィルタを使用してもよい。流出液フィルタ20は、好ましくは取り外し自在であり、これにより交換及び修理を容易に行うことができる。
【0022】
好ましくは、システム10内の細菌は、自然に発生した種の微生物であり、これらの微生物は、代表的には、廃水流中に豊富に見つかる。システム10は、主として、廃水中の有機物及び栄養を消化し除去する周知の細菌を使用するということに着目されたい。この目的に使用される微生物には、ニトロバクター及びニトロソーマ、並びに同様の生物学的特性及び代謝特性を持つ他の同様の多くの種が含まれる。これらの微生物及び同様の微生物は通性嫌気性細菌であり、廃水処理プラント中の溶存酸素量に応じて代謝を変化する。嫌気性ゾーンから好気性ゾーンへ、及び次いで最初の嫌気性ゾーンにリサイクルすることによって、以下に説明するように、これらの通性微生物は、最終的には、窒素化合物を代謝し、気体状の窒素を大気中に放出する。
【0023】
部分処理廃水を第1チャンバ16から第2チャンバ22に選択的に移送するため、第1隔壁18を通して第1ポートが形成されている。図2及び図3に最もよく示すように、処理廃水は、入口配管46(立下り管アッセンブリを含む)を通って第2チャンバ22の主本体内に入る。好ましくは、部分処理廃水は、第1チャンバ16から第2チャンバ22に重力で流れ、追加の圧送を必要としない。第1ポート及び入口配管46を通る廃水の流れを調節し制御するため、任意の適当な種類のバルブを使用してもよい。
【0024】
第2チャンバ22は散気装置26を含み、更に、内部に受け取った廃水から有機廃棄物を更に除去するため、好気性細菌を収容している。第2チャンバ22内での好気性細菌の成長を促進するため、固定生物膜アッセンブリ30が設けられている。空気を導管32を介して散気装置26を通して送出するため、ブロワーアッセンブリ24、リニアエアポンプ、又は任意の他の適当な圧縮空気源又は加圧空気源が設けられている(図3に最もよく示す)。散気装置26は、第2チャンバ22内の部分処理廃水を曝気し混合するための微細な気泡の流れを発生する膜形散気装置、粗散気装置、又は任意の他の適当な種類の散気装置であってもよい。好ましくは、ブロワー24は、空気流の調節及び廃空気の放出を使用者が制御できる排気バルブを含む。ブロワーアッセンブリ24又は任意の他の適当な加圧空気源は任意の適当な位置に配置されていてもよく、任意の適当な種類の配管等を通して散気装置26に空気を提供する。空気ポンプ−散気装置アッセンブリは、第2チャンバ22内の溶存酸素量が最少で約2.0mg/Lであるように主曝気を行う。空気ポンプは、更に、図4に示すように、スカム除去システム34を作動し、返送汚泥圧送システム42を作動する。
【0025】
固定生物膜アッセンブリ30は、有孔プラスチックチューブ、複数の個々の浮動プラスチック媒体、等であってもよく、好気性細菌が成長し付着するための表面として役立つ。有機廃棄物の除去に使用される任意の適当な種類の好気性細菌を使用してもよい。廃水を第2チャンバ22から第3チャンバ即ち清澄チャンバ28に選択的に移送するため、第1隔壁18を通して第2ポートが形成されている。好ましくは、部分処理廃水(一般的には、「排水−汚泥混合液」と呼ばれる)は、第2バイオリアクターチャンバ22からバッフル壁58の後方に形成された静水井55に流入した後、立下り管アッセンブリを持つ配管36を通って第3清澄チャンバ28に流入する。追加のポンプは必要とされない。
【0026】
好ましくは、固定生物膜アッセンブリ30は第2チャンバ22の内部に永久的に取り付けられている。上述のように、膜形散気装置や粗散気装置等の任意の適当な種類の散気装置26を使用してもよい。図3に示す散気装置26の配向は単に例示の目的で示したものであるということは理解されるべきである。散気装置26は、任意の適当な配向を備えていてもよく、好ましくは取り外し自在であり、修復や交換を行うことができる。
【0027】
第3チャンバ28の返送汚泥圧送システム42は、サイフォン排液エアリフトアッセンブリを使用する。サイフォン排液エアリフトアッセンブリは、重力沈降懸濁固形分を排水−汚泥混合液から、システムが第1無酸素チャンバ16に導管を通って流れ戻る速度の約4倍の選択可能な所定の流量で圧送する。第2隔壁50を通して形成された第3ポート51により、懸濁廃固形分を第3チャンバ28から第1チャンバ16に選択的に移送できる。好ましくは、清澄器の表面からスカムを収集し、これをシステムの設計流の約1/10の流量で静水井62に圧送して戻すため、別のサイフォン排液エアリフトアッセンブリを使用する第2表面スカム除去システム34が設けられている。余分の空気を清澄器の表面に差し向け、空気流により浮遊スカム及び固形分をスカム除去ポンプシステム34に向かって押しやるため、ブロワーアッセンブリからの配管消耗空気が提供されてもよい。返送汚泥ポンプアッセンブリ42及びスカム除去ポンプアッセンブリ34の調整は、空気ニードルバルブブロックアッセンブリ等の任意の適当な種類のバルブによって行ってもよい。ニードルバルブが、可撓性ホース又は剛性導管を通って各サイフォン排液エアリフトアッセンブリへの加圧空気の流れを制御する。
【0028】
チャンバ28内の浮遊スカムを入口配管75を介して受け取って集め、廃物は、圧送管40の下に取り付けられており且つ圧送管40に連結されたサイフォン排液ポンプ76を介して、ポート60のところでバッフル壁58の後側の静水井55内に出る。返送汚泥は、返送汚泥圧送管44の下に取り付けられた返送汚泥サイフォン排液ポンプ38を介して第1チャンバ16内に戻される。
【0029】
図1及び図4に示すように、追加の静水井アッセンブリ56が提供される。このアッセンブリ56は、第3チャンバ28内に取り付けられている。結果的に得られた浄化廃水を出口ポート52から選択的に排出する。好ましくは、出口ポート52を覆うため、取り外し自在の廃水フィルタを設け、かくして、三段流出液濾過を行い、流出液の放出前に清澄器残留フロック及び/又は微細懸濁固形分を除去する。
【0030】
流出液フィルタは、ポリエステル/ポリエチレン/ポリスチレンファイバから形成されていてもよく、又は可撓性フォーム材料等から形成されていてもよく、出口ポート52に連結された有孔キャニスタ等の内部又は外部に設けられる。取り外し自在の廃水フィルタは、清澄器のフロアに取り付けられた垂直有孔プラスチックチューブを持つ別体のフィルタスリーブアッセンブリ内に収容されていてもよい。流出液フィルタは、上文中に説明したように、任意の適当な種類の流出液フィルタであってもよく、好ましくは、その修復又は交換を容易にするため、取り外し自在である。更に、取り外し自在の流出液フィルタ及びフィルタスリーブアッセンブリの代りにパッケージ膜流出液濾過器アッセンブリを使用してもよい。
【0031】
好ましくは、使用者が制御及びプログラムを行うため、比較的簡単な電子式制御アッセンブリが設けられている。制御装置により、ブロワーアッセンブリ24の作動及び制御を選択的に行うことができ、タイマーにより、第2チャンバ22内の曝気を制御可能に作動し、かくして、エネルギを節約でき、固有の生物学的窒素除去プロセスを更に促進する。更に、ブロワー24の作動を監視するため、センサ及びこれに連結された警報装置が設けられている。停電やブロワーの故障が生じた場合に警報信号が使用者に送られる。
【0032】
図5に示すように、タンク12の上カバー66は、好ましくは、少なくとも二つのハッチを含み、散気装置及び/又はフィルタアッセンブリの修復や交換を行うため、第2バイオリアクターチャンバ22に選択的にアクセスできるアクセスハッチ68がヒンジ74によって枢動自在に固定されている。同様に、第1チャンバ16及び第3チャンバ28の内部にアクセスするため、アクセスハッチ70が設けられている(ヒンジ72によってカバー66に枢動自在に接合されている)。これらのアクセスハッチは単に例示の目的で示したものであって、任意の適当な種類又は数のハッチを使用してもよいということは理解されるべきである。
【0033】
例えば、図6、図7、図8、及び図9の実施例では、三つのこのようなハッチ168、169、及び170が(各チャンバに一つずつ)設けられている。各ハッチ168、169、及び170は、図5に示すヒンジ止めされた矩形のカバーでなく、マンホール型のカバーとして形成されている。このような形態では、マンホール型ハッチは、好ましくは、ライザー上に形成されており、少なくとも15.24cm(6インチ)の隙間がある。かくして、ハウジング12を地中に埋設したとき、地面レベルからこれらのハッチに容易にアクセスできる。別の態様として、これらのライザーの一つにベント48が組み込まれていてもよい。
【0034】
図1乃至図5の実施例に戻ると、外タンク即ちハウジング12は、任意の適当な材料、好ましくは、鋼強化プラスチック等から形成されていてもよく、これにより、外部土圧に耐えることができる(システム10を地面に埋設した場合)適当な強度を持ち、腐蝕及び生物的分解に耐えるハウジング12を提供する。オハイオ州ウェストチェスターのコンテック構造製品社は、螺旋状のリブが外側に設けられた鋼帯が高密度ポリエチレンプラスチックに封入された鋼強化ポリエチレン(SRPE)材料を製造し、これをデュロマックス(DuroMaxx)の名称で販売している。ハウジング12の製造でこのような材料又は同様の材料を使用し、地上での動的負荷の支持を高める。デュロマックス製のハウジングは、本明細書中に説明した廃水処理システムの全ての実施例に対して好ましいハウジングであるということは理解されるべきである。
【0035】
次に、図6乃至図9の変形例を参照すると、廃水処理システム100は、外タンクを形成するハウジング112と、第1及び第2の隔壁118、150とを含み、これらの隔壁は、夫々、タンクを第1チャンバ116、第2チャンバ122、第3チャンバ128の夫々に分割する。第1チャンバ116は、好ましくは、無酸素環境を収容し、少なくとも一つの第1流出液フィルタ120を含み、更に内部に受け入れた廃水から有機廃棄物及び窒素を除去するための通性嫌気性細菌を含む。第1チャンバ116は、廃水から微粒子及び有機物を少なくとも部分的に除去するように形成されている。
【0036】
第1チャンバ116への廃水の入口用の導管を形成する入口ポート114(立下り管アッセンブリを含む)がシステム100の外ハウジング112を通って延びている。入口ポート114は、直径が10.16cm(4インチ)のPVC配管等であってもよい。同様に、第3チャンバ128から処理廃水を排出するための導管を形成する出口ポート152が設けられている。未処理の原廃水が住宅施設又は小規模の商業施設から入口ポート114を通って入る。例えば、システム100は、住宅施設又は小規模の商業施設から約5678l/日(約1500ガロン/日)の廃水を受け入れる。高品質の浄化廃水を出口ポート152を通して排出し、これを変形例の地下ドレインフィールド(暗渠排水又は点滴潅漑システム等)に送るか或いは、流れ又は他の水域に直接的に排出し、又は散水潅漑等に使用する。好ましくは、ハウジング112は地面に埋設されるように形成されている。
【0037】
廃水が第1無酸素チャンバ116内に受け入れられたとき、チャンバ内の嫌気性細菌では消化が困難で処理が不可能なものは、流出液フィルタ120によって濾過され、これらが第2チャンバ即ちバイオリアクターチャンバ122に移行しないようにする。第1チャンバ116は、廃水処理の第1工程及び有機物の消化を行い、これは、追加の下流のタンクからリサイクルした廃水によって補助される。好ましくは、無酸素チャンバ116は、溶存酸素含有量が約0.5mg/l又はこれ以下と非常に低く、かくして、廃水流からの窒素の除去と代表的に関連した微生物代謝を涵養する(即ち通性嫌気性細菌)。廃水処理の分野で周知のように、廃水中の有機物を消化することが周知の嫌気性細菌の任意の適当な系統を使用してもよい。同様に、任意の適当な種類の流出液フィルタを使用してもよい。流出液フィルタ120は、好ましくは取り外し自在であり、これにより交換及び修理を容易に行うことができる。
【0038】
部分処理廃水を第1チャンバ116から第2チャンバ122に選択的に移送するため、第1隔壁118を通して第1ポート146が形成されている。図7及び図8に最もよく示すように、処理廃水は、入口146(立下り管アッセンブリを含む)を通って第2チャンバ122の主本体に入る。好ましくは、部分処理廃水は、重力の作用で第1チャンバ116から第2チャンバ122に流れ、追加の圧送を必要としない。任意の適当な種類のバルブを使用し、入口146を通る廃水の流れを調整し制御する。
【0039】
第2チャンバ122は散気装置126を含み、更に、内部に受け入れた廃水から有機廃棄物を更に除去するための好気性細菌を収容している。好気性細菌を第2チャンバ122内に受け取ってこれらの細菌の成長を涵養するため、固定生物膜アッセンブリ130が設けられている。空気を導管132を介して散気装置126を通して送出するため、ブロワーアッセンブリ124、リニアエアポンプ又は任意の他の適当な圧縮空気源又は加圧空気源が設けられている(図8に最もよく示す)。散気装置126は、第2チャンバ122内の部分処理廃水を曝気し混合するための膜形散気装置、粗散気装置、又は任意の他の適当な種類の散気装置であってもよい。好ましくは、ブロワー124は、空気流の調節及び廃空気の放出を使用者が制御できる圧力逃がしバルブを含む。ブロワーアッセンブリ124又は任意の他の適当な加圧空気源は任意の適当な位置に配置されていてもよく、任意の適当な種類の配管等を通して散気装置126に空気を提供する。上述の実施例におけるのと同様に、空気ポンプ−散気装置アッセンブリは、チャンバ122内の溶存酸素量が最少で約2.0mg/Lであるように主曝気を行う。空気ポンプは、更に、スカム除去システム134を作動し、返送汚泥圧送システム142を作動する。
【0040】
廃水を第2チャンバ122から第3チャンバ即ち清澄チャンバ128に選択的に移送するため、第1隔壁118を通して第2ポートが形成されている。好ましくは、部分処理廃水は、第2バイオリアクターチャンバ122からバッフル壁158の後方に形成された静水井155にバッフル開口部159を通って流入した後、第3清澄チャンバ128に重力の作用で流入する。追加のポンプは必要とされない。
【0041】
第3チャンバ128の返送汚泥圧送システム142は、サイフォン排液エアリフトアッセンブリを使用する。サイフォン排液エアリフトアッセンブリは、重力沈降懸濁固形分を排水−汚泥混合液から、システムが第1無酸素チャンバ116に導管148(図6参照)を通って流れ戻る速度の約4倍の選択可能な所定の流量で圧送する。第2隔壁150を通して形成された第3ポート148により、懸濁廃固形分を第3チャンバ128から第1チャンバ116に選択的に移送できる。好ましくは、清澄器の表面からスカムを収集し、これをシステムの設計流の約1/10の流量で静水井155に圧送して戻すため、別のサイフォン排液エアリフトアッセンブリを使用する第2表面スカム除去システム134が設けられている。余分の空気を清澄器の表面に差し向け、空気流により浮遊スカム及び固形分をスカム除去システム134に向かって押しやるため、ブロワーアッセンブリからの配管消耗空気が提供されてもよい。返送汚泥ポンプアッセンブリ142及びスカム除去ポンプアッセンブリ134の調整は、空気ニードルバルブ等の任意の適当な種類のバルブによって行ってもよい。
【0042】
チャンバ128内の浮遊スカムを入口配管175を介して受け取って集め、廃物は、圧送管140の下に取り付けられており且つ圧送管140に連結されたサイフォン排液ポンプ176を介して、ポート160のところでバッフル壁158の後側の静水井155内に出る。返送汚泥は、返送汚泥圧送管144の下に取り付けられた返送汚泥サイフォン排液ポンプ138を介して第1チャンバ116内に戻される。更に、図6は、好ましくはニードルバルブブロック107まで延びる一対の可撓性空気ライン103、105を示す。ニードルバルブブロック107は、更に、空気の流量を調節するため、導管132と連通している。
【0043】
図6及び図8は、バッフル壁158の裏にある、壁118と第2チャンバ122との間に形成された静水井155を最もよく示す(図8に最もよく示すように、静水井入口開口部159は、バッフル壁158を通して形成されている)。図6に示すように、好ましくは、ハウジング112のカバーを通して静水井チャンバの上方に検査−保守ポート162が形成されている。結果的に得られた浄化水を出口ポート152から選択的に排出する。好ましくは、取り外し自在の流出液フィルタ151が出口152の経路のフィルタスリーブ153に設けられており、かくして、三段流出液濾過を行い、流出液の放出前に清澄器残留フロック及び/又は微細懸濁固形分を除去する。流出液フィルタ151は、ポリエステル/ポリエチレン/ポリスチレンファイバから形成されていてもよく、又は出口ポート152に連結された有孔キャニスタ等の内部に収容されたストランドフォーム材料等で形成されていてもよい。以下に説明するように、システムは、インライン紫外線殺菌システム等の追加の処理装置を含んでいてもよい。更に、好ましくは、タンク内に収容された物質は腐食性であるため、支持と関連した全ての内部配管は、プラスチック又は同様の非腐食性材料で形成されており、腐食性の金属製ファイバ等が用いられていない。好ましくはプラスチック又は鋼及びプラスチックの複合材料で形成された底プレート177は、浮力浮遊抵抗を提供する。
【0044】
図10及び図11の変形例では、システム200は、水平位置に配置された鋼強化プラスチックタンク212を使用する。この形態により、処理システム200の構造を7571l/日(2000ガロン/日)及びこれ以上と比較的大型にできる。水平タンク構造は、直径が1.58m(62インチ)、1.83m(72インチ)、2.13m(84インチ)、2.44m(96インチ)、2.74m(108インチ)、3.05m(120インチ)、3.66m(144インチ)、及びこれ以上の鋼強化プラスチックタンク212を使用できる。タンク212が水平に配置されるため、多数の処理区画を持つ比較的大型の廃水処理システム200を製造できる。これらの処理区画には、流量調整−流入液圧送区画202、無酸素区画204、バイオリアクター区画206、清澄区画208(流出液を濾過するため)、及び汚泥消化区画210が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
システム200は、以下に説明する様々な処理形態に加え、追加の従来の処理方法を含んでいてもよいということは理解されるべきである。これらの従来の処理方法には、活性汚泥/曝気型浄化(AS/EA)、固定生物膜統合活性汚泥法(IFAS)、移動層型生物学的リアクター(MBBRs)、回分式活性汚泥法(SBRs)、膜型バイオリアクター(MBRs)、散水濾床処理装置(TFs)、バイオフィルタ(BFs/BAFs)等が含まれるが、これらの方法に限定されない。更に、塩素接触チャンバ、脂肪、油脂、グリス(FOG)分離器チャンバ、散水濾床処理チャンバ、曝気後チャンバ、流出液ポンプステーションチャンバ、及び紫外線殺菌チャンバを含むがこれらに限定されない追加の区画が含まれていてもよいということは理解されるべきである。
【0046】
更に、タンク内の区画は、他の処理方法を行うために転用してもよいということは理解されるべきである。例えば、ミキサー及び熱交換器を設置することにより、無酸素区画を嫌気性消化装置に変えてもよい。嫌気性消化は、再生可能エネルギ源として広く使用されている。これは、このプロセスが、エネルギの発生に適したメタン分の高いバイオガスを発生し、かくして、化石燃料に代わるのを補助するためである。プロセスで発生する栄養分が豊富な消化残渣を肥料として使用できる。
【0047】
上文中に論じた例示の図を使用し、直径が1.83m(72インチ)で全長が9.14m(30フィート)の水平鋼強化プラスチックタンク212の処理量は、約18926l/日(約5000ガロン/日)である。直径が3.05m(120インチ)で全長が12.19m(40フィート)の水平鋼強化プラスチックタンク212の処理量は、約75707l/日(約20000ガロン/日)である。
【0048】
図10及び図11のシステム200では、廃水は、入口ポート214を通って第1区画202に入る。入口ポート214の大きさは、上文中に論じた例示の図を使用すると、約約10.16cm乃至20.32cm(約4インチ乃至8インチ)である。処理システムの日平均処理流量と合致するため、流入液をここに一時的に貯留し、日々の流れを調整する。エアリフトポンプ又は電動水中ポンプのいずれであってもよいポンプ216を使用する単式又は複式のポンプシステムのいずれかにより廃水を無酸素区画204に圧送する。ポンプシステムの制御は、ポンプの種類及びその制御機能に応じて連続的に又は断続的に行われる。水中圧力トランスジューサ218を使用して電動ポンプの作動を監視してもよい。更に、沈降していない固形分を懸濁状態に保持するため、ブロワーアッセンブリ222からの圧縮空気が、好ましくは、空気配管224を通って水中散気装置227に送出されるということに着目されるべきである。
【0049】
流量調整区画202のベイズンからの圧送後、廃水を無酸素区画204内で混合する。ここで、通性嫌気性細菌が廃水流中の来入カーボン食糧源、溶存酸素又は利用可能な硝酸塩に化学的に結合した酸素のいずれかの形態の酸素、並びに別の亜硝酸塩を使用し、来入廃水汚染物質及び栄養物の細菌による消化を促進する。MLSS圧送システム220を使用することによって、バイオリアクター区画206から圧送された活性汚泥浮遊物質(MLSS)の形態で、無酸素区画204内で追加のリサイクル及び混合が行われる。
【0050】
無酸素区画204内の廃水は、重力によってバイオリアクター区画206に流入し、ここで曝気形態の追加の廃水処理が行われる。曝気は、電動圧縮空気ブロワーアッセンブリ222によって行われる。ブロワーアッセンブリ222は、再生式空気ブロワー又は容積形ポンプのいずれであってもよい。圧縮空気がブロワーアッセンブリ222から空気配管224を通して一連の水中散気装置226に送出される。散気装置226は、空気を気泡の形態で分散し、これらの気泡が水面に浮き上がる。散気装置226は、必要な廃水処理レベルに応じて粗空気ユニット又は細空気ユニットのいずれであってもよい。
【0051】
ブロワーアッセンブリ222で曝気を行うことにより大気中の酸素を廃水中に移送する。更に、ブロワーアッセンブリ222で曝気を行うことにより廃水を混合し、活性汚泥の成長を促進する。上述の実施例におけるのと同様に、定置のプラスチックアッセンブリ又は自由浮遊プラスチック媒体のいずれかの形態の固定生物膜構成要素を使用し、付着した微生物の成長を促進する。固定生物膜及び活性汚泥を組み合わせたプロセスは、廃水の高度の硝化及び脱硝を促進し、最終的には、窒素汚染物質を除去する。
【0052】
MLSS圧送アッセンブリ220は、エアリフトポンプ又は電動水中ポンプのいずれを使用してもよく、一つ又はそれ以上のポンプを同時に作動させてもよい。MLSS圧送アッセンブリ220は、好ましくは、排水−汚泥混合液を処理システムの設計流量の約4倍の流量で無酸素区画204に圧送するが、この流量は変化させることができ、処理システムの要求と合致するように調節できる。バイオリアクター区画206での処理後、図11に示すように、廃水は重力によって静水井アッセンブリ228を通って流れる。
【0053】
図11の実施例では、静水井アッセンブリ228は、重力によって、活性汚泥浮遊物質の量を減少する。活性汚泥浮遊物質は、バイオリアクター区画206から排出される。廃水は、次いで、プラスチック製立ち下り管アッセンブリ240によって清澄区画208に入り、ここで、活性汚泥浮遊物質が傾斜サンプアッセンブリ230の底に重力によって沈降する。傾斜サンプアッセンブリ230は、好ましくは、四面体アッセンブリを形成するプラスチックシート材料を使用して形成され、これにより、沈降固形分を清澄チャンバ208の底に差し向ける。傾斜サンプアッセンブリ230とハウジング212との間の空所空間は、好ましくは、独立気泡ウレタンフォーム231等で完全に充填されている。
次いで、追加の処理を行うため、返送汚泥ポンプアッセンブリ232が沈降固形分即ちバイオマスをバイオリアクター区画206に圧送し、戻す。固形分の沈降後、沈殿下水即ち流出液は、重力により、越流堰234を越えて流れる。越流堰234は、好ましくはプラスチック製であり、流出液を清澄区画208から一貫して排出できるように較正できる調節自在の堰ゲートを有する。更に、清澄区画208には、浮遊スカム及び固形分を清澄器の水面から除去する表面スカム除去アッセンブリ236が設けられている。スカム除去アッセンブリ236は、プラスチック製配管でエアリフトポンプに連結されたプラスチック製スカム吸引ポート238を含む。スカム除去アッセンブリは、追加の処理を行うため、スカムをバイオリアクター区画206に圧送して戻す。
【0054】
図10の実施例では、清澄器の代わりに膜濾過器アッセンブリ242(又は別の態様では、廃水フィルタ)が使用されている。膜アッセンブリ242は、製造された膜濾過器ユニット244を含む。このユニットは、エラストマー製の、ポリマー製の、又はセラミック製の膜濾材を使用してもよい。膜ユニット244はモジュール式であり、様々な形態のシステム200に設置できる。
【0055】
膜ユニット244は、バイオリアクターブロワー222又は専用の膜ブロワーアッセンブリ246のいずれかからの圧縮空気を使用する。膜ブロワー246からの圧縮空気が排水−汚泥混合液の追加の曝気を行い、更に硝化及び脱硝を行う。膜濾過器アッセンブリ242は、排出配管248を通して流出液即ち透過液を排出する。これは、地域環境に排出でき、又は再生水として又はリサイクル廃水として再使用される。
【0056】
廃水処理プラントのマスター電子式制御パネルに接続された圧力トランスジューサ又は水銀フロートスイッチアッセンブリを使用して膜区画208内の廃水レベルの制御を行う。バイオリアクター区画206には、再循環ポンプ又は膜タンクポンプ250が設けられている。再循環ポンプ250は、膜ユニットが適正に作動するように水レベルを維持する。再循環ポンプ250は、その配管252が排水−汚泥混合液を膜区画208又は汚泥消化装置区画210に圧送できるように形成されている。
【0057】
汚泥消化装置区画は、活性汚泥浮遊物質又は余剰汚泥を処理を行うために設けられている。この区画は、余剰汚泥の曝気及び混合物を行う一つ又は一連の散気装置254を含む。上澄液を汚泥消化装置区画210からバイオリアクター区画206に戻すように圧送できる汚泥脱水ポンプ又は上澄液ポンプアッセンブリ229が設けられていてもよい。ポンプアッセンブリ229は、ポンプアッセンブリ216と同様であり、チェーンで(図示のように)上壁から吊り下げられていてもよく又は任意の適当な方法で同様に支持されていてもよい。汚泥消化装置区画210に溜まった余剰汚泥は、廃水処理プロセスで代表的な承認された方法によって装置本体の境界の外側に圧送され、排出される。代表的には、タンク内に収容された材料が腐食性であるため、全ての内部配管は、プラスチック又は同様の非腐食性材料で形成されており、腐食性の金属製ファスナ等は設けられていない。図10は、部分的に埋設されるようになった外ハウジング290を示し、ポンプや制御装置は、プラスチック/耐蝕性金属製の包囲体のバルクヘッドに固定されているということに着目されるべきである。ポンプ及び制御装置は、別の態様では、タンクの内部に配置されるのでなく、タンクの外部にバルクヘッドに配置されてもよいということは理解されるべきである。
【0058】
上述の実施例に説明したように、水平タンク廃水処理システム200には、ライザー(好ましくはプラスチック製)及び取り外し自在の蓋(好ましくはプラスチック製)を含む円形のアクセスハッチ256又は矩形のアクセスハッチ291(好ましくは耐蝕性金属製)のいずれかを通してアクセスできる。同様に、上述の実施例におけるのと同様に、水平タンク廃水処理システム200の制御は、電子式制御パネルを使用して行われる。制御パネルは、流入液の圧送、バイオリアクターの曝気、MLSSの圧送、返送汚泥の圧送、膜曝気、再循環ポンプ、汚泥消化装置の曝気、上澄液の圧送、等を制御する。制御パネルは、更に、手動スイッチ及び自動スイッチの両方、インジケータライト、可聴警報ホーン、視認可能な警報灯、及び随意の自動ダイヤル機構を含む。自動ダイヤル機構は、廃水処理機構に問題が生じた場合にこれを有人ステーションに知らせ、又は特定のシステムが必要とする計測データを報告する。
【0059】
上述の実施例において、上述のように、タンクの大きさ並びにタンクの構造で使用された材料は、必要に応じて変えてもよい。7570656l/日(200万ガロン/日)又はそれ以上の廃水を処理できるシステムが考えられる。タンク自体は製造工場で装置本体の境界の外側で製造でき、又は現場で製造できる。特定の作業環境では、タンクのハウジングを形成する鋼強化プラスチック材料等を移動型巻き付け機でスプールから巻き出し、この材料を螺旋状に巻き、配管を形成する(溶接によって)。
【0060】
次いで、製造機器によってこの配管を現場で処理タンクにできる。大きな処理量を得るため、更に、ユニットは、現場で熱可塑性融着溶接技術によって、又は他の方法によって端部と端部とを向き合わせて突き合わせ溶接できる。
【0061】
図12は、過酷な条件用の別の変形例のシステム300を示す。システム300は、図10を参照して上文中に説明したタンク212と同様の内タンク312を含む。タンク312は、従来の貨物専用コンテナ又は輸送コンテナと同様の外ハウジング400内に取り付けられる。内タンク312のフロア406は、断熱材層402等によって外ハウジング400のフロアから離間されていてもよい。内タンク312の外部と外ハウジング400との間の残りの空間は独立気泡ウレタンフォーム等の断熱材404で充填されていてもよい。システム300は、マイニングキャンプ、一時的労働キャンプ、季節的村落及びリゾート、一時的又は半一時的な軍隊基地及び施設、軍の前進活動拠点、極地又は極寒の作戦、沙漠や高温の気候、又は丈夫で信頼性があり耐久性があるパッケージド廃水処理設備を必要とする他の設備等の遠隔の及び過酷な又は困難な場所での廃水処理作業用である。外ハウジング400により、システム300をその組み立てを最少にして容易に輸送できる。外ハウジング400により、更に、システム300を少なくとも部分的に埋設できる。外ハウジング400には、使用者が区画310にアクセスできるようにするドア412が設けられていてもよい。使用者がハウジング400のルーフに容易にアクセスできるようにするはしご414がドア412の反対側に取り付けられていてもよい。
【0062】
外ハウジング400は、従来の鋼製輸送コンテナ等であってもよい。このようなコンテナの寸法は、例えば、幅が約2.44m(約8フィート)、高さが約2.59m(約8.5フィート)、及び長さが約12.19m(約40フィート)である。施設404の断熱R値(R-insulation value)は、好ましくは、約70である。システム300の処理量は、好ましくは、約56780l/日(約15000ガロン/日)であるが、これは、流入液及び要求流出液性能で決まるということは理解されるべきである。上文中に説明したように、膜濾過を使用する場合には、処理システムの全処理量は、約75707l/日(約20000ガロン/日)に増大する。
【0063】
上述の実施例におけるのと同様に、システム300は、水平位置に配置された鋼強化プラスチックタンク312を使用する。水平に配置したタンク312により、流量調整−流入液圧送区画302(即ち前置無酸素ゾーン)、無酸素区画304、バイオリアクター区画306、及び清澄区画308(流出液を濾過する)を含むがこれらに限定されない多数の処理区画を持つ比較的大型の廃水処理システム300を形成できる。タンクのバルクヘッド壁は、厚さが例えば2.54cm乃至7.62cm(1インチ乃至3インチ)の高密度ポリエチレン(HDPE)等で形成された中実のシートで形成されていてもよい。必要に応じて追加のHDPE製補剛材をその外面に(垂直に及び/又は水平に)溶接してもよい。別の態様では鋼等で形成されたシートをHDPE製の外層間に挟み、タンクの壁を形成してもよい。随意であるが、プラスチック製半球形成形端を使用してもよい。上述のバルクヘッド態様を上述のシステム200(及び以下に説明するシステム500)に適用してもよいということは理解されるべきである。好ましくは、タンク内の材料が腐食性であるため全ての内部配管は、プラスチック又は同様の非腐食性材料で形成されており、腐食性の金属製ファスナ等は設けられていない。
【0064】
システム300では、廃水は、入口ポート314を通って無酸素区画304に入る。廃水は、無酸素区画304内で混合され、ここで通性嫌気性細菌が廃水流中の来入カーボン食糧源を、溶存酸素の形態の酸素又は利用可能な硝酸塩に化学的に結合した酸素のいずれか、並びに別の亜硝酸塩とともに使用し、来入廃水汚染物質及び栄養物の細菌による消化を促す。上述の実施例におけるのと同様に、バイオリアクター区画306から(MLSSポンプ420を介して配管422を通して)圧送された活性汚泥浮遊物質(MLSS)の形態で、無酸素区画304内で追加のリサイクル及び混合が行われる。無酸素区画304内での追加の混合及び処理は、浮遊媒体416、即ち従来の水中ミキサーを使用して流体自体を通って浮動し移動する移動層型生物学的リアクターを使用することによって行ってもよい。
【0065】
無酸素区画304内の廃水は、重力によりバイオリアクター区画306に流入し、ここで曝気の形態の追加の廃水処理が行われる。曝気は、上述の実施例におけるのと同様に、電動圧縮空気ブロワーアッセンブリ424等によって行われる。ブロワーアッセンブリ424は、再生式空気ブロワー又は容積形ポンプのいずれであってもよい。圧縮空気がブロワーアッセンブリ424から空気配管426を通して少なくとも一つの水中散気装置326に送出される。散気装置326は、空気を気泡の形態で分散し、これらの気泡が水面に浮き上がる。散気装置326は、必要な廃水処理レベルに応じて粗空気ユニット又は細空気ユニットのいずれであってもよい。
【0066】
ブロワーアッセンブリ424による曝気により、大気中の酸素を廃水中に移送する。ブロワーアッセンブリ424による曝気により、更に、廃水を混合し、活性汚泥の成長を促進する。上述の実施例におけるのと同様に、定置のプラスチックアッセンブリ又は自由浮遊プラスチック媒体のいずれかの形態の固定生物膜構成要素(図12には、浮遊媒体416、418として示してある)を使用することにより、構成要素に付着した微生物の形成を促進する。固定生物膜及び活性汚泥を組み合わせたプロセスは、廃水の硝化及び脱硝を促進し、最終的には、窒素汚染物質を除去する。
【0067】
エアリフトポンプ又は電動水中ポンプのいずれかであるMLSS圧送アッセンブリ420を使用してもよい。MLSS圧送アッセンブリ420は、同時に作動する一つ又はそれ以上のポンプを含んでいてもよい。廃水は、上述の実施例におけるのと同様に、バイオリアクター区画306での処理後、重力により静水井アッセンブリを通って流れる。上述の実施例におけるのと同様に、静水井アッセンブリは、活性汚泥浮遊物質の量を重力により減少する。活性汚泥浮遊物質は、バイオリアクター区画306から排出される。次いで、廃水は清澄区画308に入り、ここで、活性汚泥浮遊物質がサンプアッセンブリの底に重力によって沈降する。サンプアッセンブリは、上述の実施例でわかるように傾斜している。傾斜したサンプアッセンブリは、沈降した固形分を清澄チャンバ308の底に差し向ける。
【0068】
次いで、返送汚泥ポンプアッセンブリが、上述の実施例に関して上文中に説明したように追加の処理を行うため、沈降した固形分をバイオリアクター区画306に戻す。沈殿下水即ち流出液が重力により流出液排出堰を越え、清澄区画308を出る。清澄区画308には、好ましくは、浮遊スカム及び固形分を上述の実施例に関して上文中に説明したように清澄器の水面から除去する表面スカム除去アッセンブリが設けられている。
【0069】
膜濾過器アッセンブリ342(又は別の態様では流出液フィルタ)を清澄器として使用する。図12では、膜濾過器アッセンブリ342は、プラットホーム333(好ましくはプラスチック製である)に設置した状態で示してある。膜濾過器アッセンブリ342は、製造された膜濾過器ユニット344を含む。膜濾過器ユニット344は、エラストマー製の、ポリマー製の、又はセラミック製の膜濾材を使用してもよい。膜ユニット344はモジュール式であり、様々な形態のシステム300に設置できる。
【0070】
膜濾過器ユニット344は、バイオリアクターブロワー424又は別体の専用の膜ブロワーアッセンブリのいずれかからの圧縮空気を使用する。膜ブロワー424からの圧縮空気が排水−汚泥混合液の追加の曝気を行い、更に硝化及び脱硝を行う。膜濾過器アッセンブリ342は、透過液排出配管348を通して流出液即ち透過液を排出する。これは、次いで、インライン紫外線殺菌システム350に通される。流出液即ち透過液は、貯蔵タンクに排出できる。次いで、地域環境に排出され、又は再生水即ちリサイクル廃水として再利用する。処理システムは、pHを調節するためのソーダ灰供給システム440又は追加の処理剤を含んでいてもよい。好ましくは、タンク内に収容された材料が腐食性であるため、全ての内部配管及び関連した支持体は、プラスチック又は同様の非腐食性材料で形成されており、腐食性の金属製ファスナ等は設けられていない。更に、出口ポートを通して圧送する前に最終流出液フィルタを使用してもよい。20μmのフィルタソックス、ドラムフィルタ、等でライニングした上文中に説明したコンクリート製のマンホール型プレート等の任意の適当な種類の流出液フィルタを使用してもよい。更に、必要であれば、燐を微生物の細胞構造に付着し、燐を余剰汚泥の部分として廃棄することによって燐を生物学的に除去できる。
【0071】
水平タンク廃水処理システム300へのアクセスは、上述の実施例で説明したライザー及び取り外し自在の蓋を含む円形のアクセスハッチ356、又はドア412のいずれかを通して提供される。同様に、上述の実施例におけるのと同様に、水平タンク廃水処理システム300の制御は、電子式制御パネル410を使用して行われる。制御パネルは、流入液の圧送、バイオリアクターの曝気、MLSSの圧送、返送汚泥の圧送、膜曝気、再循環ポンプ、及び汚泥消化曝気を制御する。制御パネル410は、好ましくは、手動スイッチ及び自動スイッチの両方、インジケータライト、可聴警報ホーン、視認可能な警報灯、及び随意の自動ダイヤル機構を含む。自動ダイヤル機構は、廃水処理機構に問題が生じた場合にこれを有人ステーションに知らせ、又は特定のシステムが必要とする計測データを報告する。制御パネル及びブロワーは、図示のように別の機器室310内に位置決めされるのでなく、外ハウジング400の上に固定されていてもよいということに着目されるべきである。
【0072】
図13は、好ましくは従来の浄化槽と同様の形態のハウジング502を含む別の処理システム500を示す。従来の浄化槽システムにおけるのと同様に固形廃棄物を固形廃棄物タンク508に供給するため、立下り管アッセンブリを含む入口ポート504が設けられている。好ましくは、固形廃棄物タンク508は、上述の実施例の無酸素処理に関して上文中に説明したように生物学的処理を行う。固形廃棄物タンク508は、好ましくは、円筒形の鋼強化プラスチックタンクである。この領域で処理が行われた後、処理済廃棄物は重力により流出液フィルタアッセンブリ510を通ってポンプタンク516に流入する(圧送が必要とされる場合)。
【0073】
流出液フィルタアッセンブリ510は、垂直支持体506上に支持され及び/又はバッフル壁512(これは、好ましくはプラスチック製である)に取り付けられ、固形廃棄物タンク508をポンプタンク516から離す。修復又は交換を行うため、アクセスハッチ514を介して流出液フィルタアッセンブリ510にアクセスできる。次いで、ポンプ518が発生した圧力の作用で処理済廃棄物を出口ポート520を通して圧送してもよい。システム500は廃水を収集し、沈殿物を浮遊固形分(即ち汚泥及びスカムの夫々)から分離し、蓄積し、塊にし、固形分を貯蔵し、嫌気性処理プロセスにより有機物を消化する。システム500は、廃水流から脂肪、油脂、及びグリスを集めて分離するため、更に、グリストラップ(例えばFOG分離器)として役立つように形成されている。
【0074】
システム200、300、及び500の全体形態及び相対的寸法は、単に例示の目的で図示したものに過ぎないということは理解されるべきである。例えば、タンクの右側に(図13の特定の配向で)示す半球形バルクヘッド即ち端部521を取り外すことができ、図14に示すように同様の半球形端ピース523をタンクの左側に追加してもよい。図14では、更に、アクセスハッチ525が追加してある。更に、アクセスハッチ等の追加のエレメントを端ピースに組み込んでもよいということは理解されるべきである。このようなタンクは個々に製造でき、個々のタンクを現場で直列に連結し、比較的大型のタンクを形成してもよく、又は熱可塑性材料電子不加圧溶接(electro-thermoplastic fuse welding)等によってタンクのチェーンを形成してもよい。一例として、一対のハウジング212を個々に製造してもよい。各ハウジング212の長さは約12.19m(約40フィート)である。ついで、対を現場に運び込み、これらを互いに連結して長さが24.38m(80フィート)のタンクを形成する。このような現場での溶接は、導水管等の技術分野で周知である。
【0075】
タンクで使用される鋼強化プラスチック材料(鋼強化ポリエチレン、ポリプロピレン、カーボン強化熱可塑性材料、又は他の適当なプラスチック)は、上文中に説明した廃水処理システムの使用寿命を長くし、材料を耐蝕性にし、システムを埋設するための手段を提供し、かくして損傷から全体として保護する。タンク及びプラスチック製内部構成要素の推定寿命は、約75年である。このような予備組み立て済の可搬式鋼強化システムは、土木基盤整備プロジェクトの全体設計、構造、及び作動における融通性を高める。
【0076】
上述のように、オハイオ州ウェストチェスターのコンテック構造製品社は、螺旋状のリブが外側に設けられた鋼帯が高密度ポリエチレンプラスチックに封入された鋼強化ポリエチレン(SRPE)配管を製造し、これをデュロマックス(デュロマックス(DuroMaxx)は登録商標である)の名称で販売している。図15はハウジング502の部分図であり、高密度ポリエチレンプラスチックシェル513に封入した螺旋状に巻いたリブ511を示す。図16はハウジング502の断面図であり、プラスチック513に埋設した鋼強化リブ511を示す。
本発明は、上文中に説明した実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施例を含むということは理解されるべきである。
【符号の説明】
【0077】
10 廃水処理システム
12 ハウジング
14 入口ポート
16 第1チャンバ
18 第1隔壁
20 流出液フィルタ
22 第2チャンバ
24 ブロワーアッセンブリ
26 散気装置
28 第3チャンバ
30 固定生物膜アッセンブリ
32 導管
50 第2隔壁
52 出口ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水処理システムにおいて、
プラスチック製の細長い円筒形中空本体であって、螺旋状に巻いた鋼帯が形成する強化リブがプラスチックに埋設され、前記細長い円筒形本体の両端間を延びる、円筒形中空本体と、
前記円筒形本体の両端を横切って延び且つこれを覆う端部材であって、これらの端部材及び前記円筒形本体が、廃水の処理を行うようになった少なくとも一つのチャンバを形成する水密タンクを形成する、端部材と、
廃水を前記タンク内に入れるようになった、前記タンク内に延びる入口配管と、
前記タンクから処理廃水を排出するようになった、前記タンクから延びる出口配管とを含む、廃水処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の廃水処理システムにおいて、
前記円筒形本体は、高密度ポリエチレンで形成されている、廃水処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記端部材の一方に形成されたアクセスハッチを含む、廃水処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の廃水処理システムにおいて、
前記タンクは垂直に配向されている、廃水処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の廃水処理システムにおいて、
前記入口配管は単一の入口配管を含み、
前記出口配管は単一の出口配管を含む、廃水処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記タンクを三つのチャンバに分割する第1及び第2の隔壁を含み、これらのチャンバには、
細菌を収容するようになった第1無酸素チャンバであって、前記入口配管は前記第1チャンバ内に延びており、前記細菌は、嫌気性細菌及び通性細菌からなる群から選択された細菌である、第1無酸素チャンバと、
好気性細菌を収容するようになったバイオリアクターを形成する第2チャンバと、
清澄器を形成する第3チャンバであって、前記出口配管が前記第3チャンバから延びる、第3チャンバとが含まれ、更に、
前記無酸素チャンバから前記バイオリアクターチャンバまで部分処理廃水を通すため、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間を延びる第1導管と、
前記バイオリアクターチャンバから前記清澄器チャンバまで部分処理廃水を通すため、前記第2チャンバと前記第3チャンバとの間を延びる第2導管とを含む、廃水処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
部分処理廃水が前記バイオリアクターチャンバに入る前に部分処理廃水中の未消化の有機物を濾過するため、前記第1無酸素チャンバに配置された第1流出液フィルタと、
加圧空気源と、
前記加圧空気源から前記バイオリアクターチャンバ内に延びる空気導管と、
前記空気導管に連結された、前記バイオリアクターチャンバ内に配置された、気泡流を発生する散気装置と、
前記好気性細菌の成長を支持するため、前記バイオリアクターチャンバ内に配置された固定生物膜アッセンブリと、
廃水を更に処理するため、前記清澄器チャンバから前記第1無酸素チャンバに活性汚泥をフィードバックするため、前記清澄器チャンバに配置された返送汚泥ポンプと、
前記清澄器チャンバから前記バイオリアクターチャンバに表面スカムをフィードバックするため、前記清澄器チャンバに配置されたサイフォン排液エアリフトアッセンブリとを含む、廃水処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記バイオリアクターチャンバに配置されたバッフル壁と、
前記バッフル壁の後側に配置された静水井であって、廃水を更に処理するため、前記サイフォン排液エアリフトアッセンブリが前記清澄器チャンバ内の表面スカムを前記静水井にフィードバックする、静水井とを含む、廃水処理システム。
【請求項9】
請求項7に記載の廃水処理システムにおいて、
前記加圧空気源は、ブロワーアッセンブリを含む、廃水処理システム。
【請求項10】
請求項7に記載の廃水処理システムにおいて、
前記加圧空気源は、機械式空気圧送システムを含む、廃水処理システム。
【請求項11】
請求項4に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記円筒形本体を実質的に直径方向に横切って、向き合った端部間を延び、前記円筒形本体を二つの半円筒形チャンバに二分する第1隔壁と、
前記第1隔壁と実質的に直交するように向き合った端部間を延び、前記半円筒形チャンバの一方を二分し、第1無酸素チャンバ、半円筒形の第2バイオリアクターチャンバ、及び前記第1及び第2のチャンバの両方と隣接した第3清澄器チャンバを形成する第2隔壁と、
廃水処理の進行段階について、廃水を第1チャンバ、第2チャンバ、及び第3チャンバに順次通すため、前記第1及び第2の隔壁を通って延びる第1導管群と、
廃水処理の別の段階について、表面スカムを前記第3清澄器チャンバから前記第2バイオリアクターチャンバにフィードバックし、活性汚泥を前記第3清澄器チャンバから前記第1無酸素チャンバにフィードバックするための第2導管群とを含む、廃水処理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
三つのチャンバ間の廃水の流れ、チャンバ間の表面スカム及び活性汚泥のフィードバック、及び廃水の前記タンクへの投入及び前記タンクからの排出を調節する電子式制御ユニットを含む、廃水処理システム。
【請求項13】
請求項2に記載の廃水処理システムにおいて、
前記タンクは水平に配向されている、廃水処理システム。
【請求項14】
請求項13に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記端部材の一方に形成されたアクセスハッチを含む、廃水処理システム。
【請求項15】
請求項13に記載の廃水処理システムにおいて、
前記端部材は平らである、廃水処理システム。
【請求項16】
請求項13に記載の廃水処理システムにおいて、
前記端部材は実質的に半球形である、廃水処理システム。
【請求項17】
請求項13に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記タンクが内部に配置されたコンテナと、
前記タンクと前記コンテナとの間に配置された、独立気泡ウレタンフォーム断熱材を含む断熱材とを含む、廃水処理システム。
【請求項18】
請求項13に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記円筒形本体を複数の隣接した廃水処理区画に分ける垂直方向に延びる複数のバッフルであって、前記区画には、流量調整−流入液圧送区画、無酸素区画、バイオリアクター区画、流出液を更に浄化するための清澄区画、及び汚泥消化区画が含まれる、バッフルと、
水レベルを監視し、廃水を必要に応じて前記無酸素区画に圧送するため、前記流量調整−流入液圧送区画に配置されたポンプ及びポンプ制御システムと、
来入廃水を嫌気性細菌と混合するようになった前記無酸素区画内に延びる入口配管と、
廃水を好気性細菌で処理するようになった前記バイオリアクター区画内の廃水を曝気するため、前記バイオリアクター区画に配置された散気装置と、
更に処理を行うために活性汚泥浮遊物質を前記バイオリアクター区画から圧送して前記無酸素区画に戻すため、前記バイオリアクター区画に配置されたポンプと、
好気性細菌の成長を促し、バイオマスを懸垂成長し、付着成長するため、前記バイオリアクター区画に配置された固定生物膜媒体アッセンブリと、
前記バイオリアクター区画に配置された静水井アッセンブリと、
前記清澄器区画に配置された傾斜サンプアッセンブリと、
前記傾斜サンプアッセンブリの下に配置された、独立気泡ウレタンフォーム断熱材を含む断熱材と、
更に処理を行うために活性汚泥を前記バイオリアクター区画にフィードバックするため、前記清澄器区画に配置された返送汚泥ポンプと、
前記清澄器区画に配置された排出堰と、
更に処理を行うために表面スカムを前記バイオリアクター区画にフィードバックするため、前記清澄器区画に配置されたスカム除去アッセンブリと、
余剰汚泥を曝気し混合するため、前記汚泥消化区画に配置された散気装置と、
更に処理を行うために上澄液を前記汚泥消化区画から前記バイオリアクター区画に圧送するため、前記汚泥消化区画に配置されたポンプアッセンブリと、
前記区画の各々へのアクセスを提供する複数のアクセスハッチとを含む、廃水処理システム。
【請求項19】
請求項13に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記円筒形本体を複数の隣接した廃水処理区画に分ける垂直方向に延びる複数のバッフルであって、前記区画には、流量調整−流出液圧送区画、無酸素区画、バイオリアクター区画、流出液を濾過するための膜区画、及び汚泥消化区画が含まれる、バッフルと、
水レベルを監視し、廃水を前記無酸素区画に必要に応じて圧送するため、前記流量調整−流出液圧送区画に配置されたポンプ及びポンプ制御システムと、
来入廃水を嫌気性細菌及び通性細菌と混合するようになった前記無酸素区画内に延びる入口配管と、
廃水を好気性細菌で処理するようになった前記バイオリアクター区画内の廃水を曝気するため、前記バイオリアクター区画に配置された散気装置と、
更に処理を行うために活性汚泥浮遊物質を前記バイオリアクター区画から圧送して前記無酸素区画に戻すため、前記バイオリアクター区画に配置されたポンプと、
好気性細菌の成長を促進し、バイオマスを懸垂成長し、付着成長するため、前記バイオリアクター区画に配置された固定生物膜媒体アッセンブリと、
前記バイオリアクター区画に配置された静水井アッセンブリと、
前記膜区画に配置された膜濾過器アッセンブリと、
前記膜濾過器アッセンブリを曝気する膜ブロワーアッセンブリと、
前記膜区画に配置された、圧力トランスジューサ及びフロートスイッチからなる群から選択された複数の制御部材と、
前記バイオリアクター区画に配置された再循環ポンプであって、前記制御部材に連結されており、随意であるが、前記膜濾過器アッセンブリが適正に作動するための前記膜区画内の水レベルを維持するため、排水−汚泥混合液を前記膜区画又は前記汚泥消化区画に圧送する、再循環ポンプと、
余剰汚泥を曝気し混合するため、前記汚泥消化区画に配置された散気装置と、
更に処理を行うために前記汚泥消化区画から前記バイオリアクター区画に上澄水を圧送して戻すため、前記汚泥消化区画に配置されたポンプアッセンブリと、
前記区画の各々へのアクセスを提供する複数のアクセスハッチと、
複数のプラスチック製の曝気及びプロセス配管支持体とを含む、廃水処理システム。
【請求項20】
請求項13に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記円筒形本体に配置されたバッフル壁であって、前記タンクを、固形分を含む廃水を嫌気性細菌で無酸素処理するようになった固形分タンク領域、及びポンプタンク領域に分ける、バッフル壁と、
処理廃水を前記出口配管に圧送するため、前記ポンプタンク領域に配置された排出ポンプと、
前記固形分タンク領域と前記ポンプタンク領域との間に配置された流出液フィルタとを含む、廃水処理システム。
【請求項21】
請求項1に記載の廃水処理システムにおいて、更に、
前記タンク内に配置された廃水処理ユニットを含む、廃水処理システム。
【請求項22】
請求項21に記載の廃水処理システムにおいて、
前記廃水処理ユニットは、活性汚泥/曝気型浄化(AS/EA)処理ユニット、固定生物膜統合活性汚泥法(IFAS)処理ユニット、移動層型生物学的リアクター(MBBR)処理ユニット、回分式活性汚泥法(SBR)処理ユニット、散水濾床(TF)処理ユニット、バイオフィルタ(BF/BAF)処理ユニット、及び膜型バイオリアクター(MBR)処理ユニットを含むからなる群から選択される、廃水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2013−517127(P2013−517127A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549071(P2012−549071)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021110
【国際公開番号】WO2011/088197
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512185039)
【出願人】(512185040)
【Fターム(参考)】