説明

形材の接合構造

【課題】少ない構成部材で長尺の形材同士の接合が可能であって、その接合作業を容易に行うことができ、しかもがたつきの発生を防止することができる形材の接合構造を提供すること。
【解決手段】形材1同士を継手材10を介して互いに接合する形材の接合構造において、形材は、接合側端部に上部垂直片3と下部垂直片4によって狭隘開口状に形成される係合溝2が設けられる共に、上部垂直片と下部垂直片の内方側面に凹凸曲面からなる係合受け部7が形成され、継手材は、接合される形材同士の係合溝の開口部内に挿入可能な基部11と、該基部の上端及び下端の両側にそれぞれ突設されると共に、係合受け部に形成される凹凸曲面に摺接可能な凹凸係合面を有する係合片13と、を備え、形材同士の接合側端部を当接した状態で、係合溝の長手方向の一端側から継手材を挿入して、係合受け部に形成される凹凸曲面と係合片に形成される凹凸係合面を接触して係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は形材の接合構造に関するもので、更に詳細には、例えば浄水場用覆蓋、壁や天井等に使用されるアルミニウム製の押出形材の接合構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、アルミニウム製押出形材は、装置や設備の制約上、幅寸法に制限があるため、形材同士を接合している。形材同士を接合する手法として、形材間に継手材を介して接合する構造が知られている。
【0003】
従来、形材同士を継手材を介して互いに接合する形材の接合構造において、係止片部を有する鉤型に形成された一対の係止部が互いに対向して設けられた雌型継手金具を構造物(形材)に固定し、それぞれの構造物に固定された雌型継手金具同士を対向させて配置することにより断面I字形の係合空間を形成し、その係合空間に断面I字形に形成された雄型継手金具(継手材)を挿入するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載の接合構造においては、対向する雌型継手金具により形成される断面I字形の係合空間に断面I字形に形成された雄型継手金具を挿入するためには、雌型継手金具と雄型継手金具の間にある程度のクリアランス(隙間)が必要となる。しかし、この隙間はがたつきや接合される構造物のズレの要因となるため、隙間に先細に形成されたクサビ材を打ち込んで、雌型継手金具と雄型継手金具を接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−231694号公報(特許請求の範囲、図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を長尺の被接合材の接合に適用すると以下のような問題が生じる。すなわち、被接合材であるパネル等の形材及び接合材である継手材が長尺になると、寸法誤差が生じ易くなり、この状態で特許文献1のような断面I字形の継手材を用いると、クリアランスが過大になるか、あるいは、過小になる更には干渉するようになる虞がある。前者すなわちクリアランスが過大になる場合は、特許文献1に記載のようにクサビ材を用いることでがたつきを防止することができる。しかし、後者すなわちクリアランスが過小となり干渉する虞がある場合は、この事態を避けるためにクリアランスを大きく取らざるを得ず、そのため、がたつきが生じるという問題がある。
【0007】
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、長尺方向で寸法誤差の生じ易い長尺材(形材)においても、少ない構成部材で形材同士の接合が可能であって、その接合作業を容易に行うことができ、しかもがたつきの発生を防止することができる形材の接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、形材同士を継手材を介して互いに接合する形材の接合構造において、 上記形材は、接合側端部に上部垂直片と下部垂直片によって狭隘開口状に形成される係合溝が設けられる共に、上記上部垂直片と上記下部垂直片の内方側面に凹凸曲面からなる係合受け部が形成され、 上記継手材は、接合される上記形材同士の上記係合溝の開口部内に挿入可能な基部と、該基部の上端及び下端の両側にそれぞれ突設されると共に、上記係合受け部に形成される凹凸曲面に摺接可能な凹凸係合面を有する係合片と、を備え、 上記形材同士の接合側端部を当接した状態で、上記係合溝の長手方向の一端側から上記継手材を挿入して、上記係合受け部に形成される凹凸曲面と上記係合片に形成される凹凸係合面を接触して係合してなる、ことを特徴とする。
【0009】
このように構成することにより、係合受け部に形成される凹凸曲面と係合片に形成される凹凸係合面の少なくとも一部が接触して係合することができる。特に、形材同士を接合し、その厚さ方向に負荷が掛かって接合部に変形が生じる場合であっても、係合受け片に形成される凹凸曲面と係合片に形成される凹凸係合面の少なくとも一部が接触して係合することができる。
【0010】
ここで、接触とは面接触と線接触であって、面接触とは係合受け片に形成される凹凸曲面と係合片に形成される凹凸係合面の少なくとも一部が面同士で接触することをいい、線接触とは上記凹凸曲面と上記凹凸係合面の少なくとも一部が線状に接触することをいう。
【0011】
また、上記係合受け部に形成される凹凸曲面及び上記係合片に形成される凹凸係合面が、複数の連続する円弧面にて形成されている方がよい(請求項2)。
【0012】
このように構成することにより、係合受け部に形成される凹凸曲面と係合片に形成される凹凸係合面の接触面積を増やすことができると共に、厚さ方向に加わる力に対する接合強度を増すことができる。
【0013】
また、上記係合受け部もしくは上記係合片のうち少なくとも一方が弾性変形可能に形成されている方がよい(請求項3)。
【0014】
このように構成することにより、形材に形成される係合溝への継手材を挿入が容易になる。また、係合受け部もしくは上記係合片の弾性変形を復帰させようとする力によって、係合受け部に形成される凹凸曲面と係合片に形成される凹凸係合面を、確実に接触して係合することができる。
【0015】
また、上記継手材は、断面矩形状の基部と、該基部の上端及び下端の両側にそれぞれ突設される上下及び左右に一対となる同一形状の係合片と、からなるアルミニウム製押出形材にて形成されていてもよい(請求項4)。
【0016】
このように構成することにより、継手材は基部を中心にして対称に形成されるため、製造が容易になると共に、形材の上下などを考慮せずに係合溝に挿入することができるため、接合作業が容易になる。
【0017】
また、上記形材に形成される係合溝が、上記形材の厚さ方向の一端又は両端に形成されていてもよい(請求項5)。
【0018】
このように構成することにより、形材同士を、形材の厚さと比較してコンパクトな継手材を介して互いに接合することができる。また、形材の厚さ方向の両端に係合溝を形成し、両端に継手材を挿入することにより接合強度を増すことができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る形材の接合構造によれば、上記のように構成されているので、少ない構成部材で形材同士の接合が可能であって、その接合作業を容易に行うことができる。また、係合受け部に形成される凸曲面と係合片に形成される凹凸係合面は、接触して係合することができるため、がたつきの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明に係る接合構造の第1実施形態の形材の接合状態を示す断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図(a)、(a)のI部拡大断面図(b)及び(a)の矢印の方向から負荷を掛けた場合におけるI部拡大断面図(c)である。
【図3】第1実施形態における形材の要部斜視図である。
【図4】第1実施形態における継手材の斜視図である。
【図5】第1実施形態における継手材の挿入状態を示す斜視図である。
【図6】この発明に係る接合構造の第2実施形態の形材の接合状態を示す断面図である。
【図7】この発明に係る接合構造の第3実施形態の形材の接合状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、この発明に係る形材の接合構造の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る形材の接合構造を浄水場用覆蓋の接合構造に用いた場合について説明する。
【0022】
<第1実施形態>
第1実施形態における形材1の接合構造は、図1に示すように、形材1同士を継手材10を介して互いに接合するものである。
【0023】
この形材1は、例えばアルミニウム合金製の中空状押出形材にて形成されており、図1〜図3に示すように、接合側端部に上部垂直片3と下部垂直片4によって狭隘開口状の係合溝2が形成されると共に、上部垂直片3と下部垂直片4の内方側面に凹凸曲面6からなる係合受け部7が形成されている。
【0024】
詳細には、図3に示すように、形材1は、上面板と下面板と一対の側壁1Sとから形成される矩形中空状の基部を有し、基部の接合側端部すなわち側壁1Sには、側壁1Sを底面とする狭隘開口状の係合溝2が形成されている。係合溝2は、側壁1Sを底面とし、側壁1Sの上下端から外方に向かって面板と水平に延設される水平片1b,1cと、水平片1b,1cの端部から対向する面板に向かって直交状に折曲される上部垂直片3と下部垂直片4と、により形成されている。なお、図3においては、一方の接合側端部のみを図示してあるが、対向する接合端部側も同様に形成されている。
【0025】
なお、上述したように形材1はアルミニウム合金で形成され、各構成部位の厚さは限定されるものではないが、上,下部垂直片3,4の厚さは、後述する継手材10を係合溝2に挿入する際に弾性変形が可能な程度の厚さで形成されることが好ましい。
【0026】
上部垂直片3,下部垂直片4は、図3に示すように、その内方側面の長手方向に複数例えば2つの連続する円弧状の凸曲面5を有する凹凸曲面6が形成されている。上部垂直片3と下部垂直片4の内方側面に形成される凹凸曲面6によって、後述する継手材10の係合片13を係合する係合受け部7を形成する。また、上,下部垂直片3,4の外方側面の長手方向には、上下端部側より内方側に凹んだ段部1d,1eが形成されている。段部1d,1eを設けることにより、接合される形材1の上,下部垂直片3,4同士の間に隙間を形成することができるため、上,下部垂直片3,4が外方側に弾性変形が可能なスペース20を与えることができる(図2(a)参照)。
【0027】
継手材10は、図1,図2及び図4に示すように、例えばアルミニウム合金製の中空状押出形材にて形成されており、接合される形材1同士の係合溝2の開口部内に挿入可能な基部11と、基部11の上端及び下端の両側にそれぞれ突設されると共に、凹凸係合面16を有する係合片13が形成されている。
【0028】
詳細には、図4に示すように、継手材10は、一対の垂直片と一対の水平片とから形成される矩形中空状の基部11を有し、基部11の上端及び下端の両側、すなわち、一対の垂直片の上下端部から上下及び左右に一対となる同一形状の係合片13が突設されている。係合片13は、その内方側面に例えば2つの連続する円弧状の凹曲面15を有する凹凸係合面16が形成されている。
【0029】
なお、上述したように継手材10はアルミニウム合金で形成され、各構成部位の厚さは限定されるものではないが、係合片13の厚さは、後述する継手材10を係合溝2に挿入する際に弾性変形が可能な程度の厚さで形成してある。
【0030】
次に、第1実施形態における形材1の接合方法について説明する。形材1同士を接合するには、形材1同士の接合側端部に形成される上,下部垂直片3,4同士を当接し、それぞれの接合側端部に形成された係合溝2を対面させる。
【0031】
次に、図5に示すように、係合溝2の長手方向の一端側から継手材10を挿入する。この際、継手材10の基部11を接合される形材10同士の係合溝2の開口部内に挿入すると共に、形材1の係合受け部7に形成される凹凸曲面6と、継手材10の係合片13に形成される凹凸係合面16を摺接しながら挿入する。上述したように係合受け部7と係合片13は弾性変形可能に形成されているため、継手材10の挿入は容易である。
【0032】
なお、継手材10の係合溝2への挿入が完了した後、図2(b)において想像線で示すように、形材1の係合受け部7に形成される凹凸曲面6と継手材10の係合片13に形成される凹凸係合面16のクリアランスが大きく、凹凸曲面6と凹凸係合面16の接触が十分でない場合は、継手材10の長手方向の端部側の上下端部を矢印の方向からペンチ等でかしめて塑性変形(矯正)させて、凹凸曲面6と凹凸係合面16との接触を確実にする。
【0033】
次に、第1実施形態における形材1の接合構造について説明する。図2(a),(b)に示すように、係合受け部7に形成される凹凸曲面6と係合片13に形成される凹凸係合面16は接触して係合する。この場合、係合受け部7に形成される凹凸曲面6と、係合片13に形成される凹凸係合面16の少なくとも一部が長手方向に沿って面接触するか、線接触して係合する。
【0034】
なお、形材1同士が接合された状態で、形材1に負荷が掛かって接合部に変形が生じる場合であっても、係合受け部7に形成される凹凸曲面6と係合片13に形成される凹凸係合面16は、接触して係合することができる。図2(a)に示す接合された形材1のうち、右側の形材1にのみ矢印の方向から負荷が掛かり、接合部に変形が生じたとしても、図2(c)に示すように、係合受け部7に形成される凹凸曲面6と、係合片13に形成される凹凸係合面16の少なくとも一部が長手方向に沿って面接触するか、線接触して係合することができる。
【0035】
上記のように構成される形材1の接合構造によれば、係合受け部7に形成される凹凸曲面6と係合片13に形成される凹凸係合面15は、接触して係合することができるため、がたつきの発生を防止することができる。
【0036】
また、係合受け部7に形成される凹凸曲面6及び係合片13に形成される凹凸係合面16が、複数の連続する円弧面にて形成されているため、係合受け部7に形成される凹凸曲面6と係合片13に形成される凹凸係合面16の接触面積を増やすことができると共に、厚さ方向に加わる力に対する接合強度を増すことができる。
【0037】
更に、係合受け部7及び係合片13が弾性変形可能に形成されているため、形材1に形成される係合溝2への継手材10の挿入が容易になる。また、係合受け部7と係合片13の弾性変形を復帰させようとする力によって、係合受け部7に形成される凹凸曲面6と係合片13に形成される凹凸係合面16を、確実に接触して係合することができる。
【0038】
更に、継手材10は基部11を中心にして対称に形成されるため、製造が容易になると共に、形材1の上下などを考慮せずに係合溝2に挿入することができるため、接合作業が容易になる。
【0039】
<第2実施形態>
第1実施形態は、形材1の側壁1Sの外方側に狭隘開口状の係合溝2を形成したが、図6に示すように、形材8に形成される係合溝2Aは、形材8の厚さ方向の一端に形成してもよい。
【0040】
第2実施形態における形材8の接合構造は、図6に示すように、形材8同士を、これら形材8の厚さ方向の一端部に継手材10を介して互いに接合するものである。
【0041】
この形材8は、例えばアルミニウム合金製の中空状押出形材にて形成されており、図6に示すように、接合側端部であって形材の厚さ方向の一端に狭隘開口状の係合溝2Aが形成されると共に、係合溝2Aの上部垂直片3と下部垂直片4の内方側面に凹凸曲面6からなる係合受け部7が形成されている。
【0042】
詳細には、形材8は、上面板と下面板と上部が内方に位置し、下部が外方に位置する断面略クランク状の側壁8Sとから形成される基部を有し、基部の接合側端部であって形材8の厚さ方向の一端、すなわち、側壁8Sの上端部に形成される段部8aに長手方向に沿って狭隘開口状の係合溝2Aが形成されている。係合溝2Aは、側壁8Sに形成される段部8aの垂直片8bを底面とし、段部8aの垂直片8bの上端から面板と水平に折曲される水平片8cと、水平片8cの端部から対向する面板に向かって直交状に折曲される上部垂直片3と、段部8aの水平片8dの外方端部から対向する面板に向かって直交状に折曲される下部垂直片4と、により形成される。なお、図6においては、一方の接合側端部のみを図示してあるが、対向する端部側も同様に形成されている。
【0043】
なお、第2実施形態において、その他の部分は上述した第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
上記のように構成される形材8の接合構造によれば、形材8に形成される係合溝2Aが、形材8の厚さ方向の一端に形成されているので、形材8同士を、形材8の厚さと比較してコンパクトな継手材10を介して互いに接合することができる。
【0045】
<第3実施形態>
第2実施形態は、形材8に形成される係合溝2Aを形材8の厚さ方向の一端に形成したが、図7に示すように、厚味のある形材9の場合には、形材9に形成される係合溝2Bを形材9の厚さ方向の両端に形成してもよい。
【0046】
第3実施形態における形材9の接合構造は、図7に示すように、形材9同士を、これら形材9の厚さ方向の両端部に継手材10を介して互いに接合するものである。
【0047】
この形材9は、例えばアルミニウム合金製の中空状押出形材にて形成されており、図7に示すように、接合側端部であって形材の厚さ方向の両端に狭隘開口状の係合溝2Bが形成されると共に、係合溝2Bの上部垂直片3と下部垂直片4の内方側面に凹凸曲面6からなる係合受け部7が形成されている。
【0048】
詳細には、形材9は、上面板と下面板と上部と下部が内方に位置し、中部が外方に位置する断面略ハット状の側壁9Sとから形成される基部を有し、基部の接合側端部であって形材9の厚さ方向の両端、すなわち、側壁9Sの上端及び下端部に形成される段部9aに長手方向に沿って狭隘開口状の係合溝2Bが形成されている。係合溝2Bは、側壁9Sに形成される段部9aの垂直片9bを底面とし、段部9aの垂直片8bの面板側端部から面板と水平に折曲される水平片9cと、水平片9cの端部から対向する面板に向かって直交状に折曲される上部垂直片3と、段部9aの水平片9dの外方端部から面板に向かって直交状に折曲される下部垂直片4と、により形成される。なお、図7においては、一方の接合側端部のみを図示してあるが、対向する端部側も同様に形成されている。このように、形材9は基部を中心にして上下対称に形成されるため、製造が容易になると共に、形材9の上下などを考慮せずに形材9同士を接合することができるため、接合作業が容易になる。
【0049】
なお、第3実施形態において、その他の部分は上述した第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0050】
上記のように構成される形材9の接合構造によれば、形材9に形成される係合溝2Bが、形材9の厚さ方向の両端に形成されているので、厚味のある形材9同士を、形材の厚さと比較してコンパクトな2本の継手材10を介して互いに接合することができるため、接合強度を増すことができる。
【0051】
<その他の実施形態>
上述した実施形態では、係合受け部7に形成される凹凸曲面6及び係合片13に形成される凹凸係合面16が、2つの連続する円弧面(凸曲面5,凹曲面15)にて形成されているが、凹凸曲面6及び凹凸係合面16は、複数例えば3つの連続する円弧面であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、この発明に係る形材の接合構造を浄水場用覆蓋の接合構造に用いた場合について説明したが、この発明に係る形材の接合構造は、壁、天井等の長尺面材の接合構造に用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1,8,9 形材
2,2A,2B 係合溝
3 上部垂直片
4 下部垂直片
6 凹凸曲面
7 係合受け部
10 継手材
11 基部
13 係合片
16 凹凸係合面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形材同士を継手材を介して互いに接合する形材の接合構造において、
上記形材は、接合側端部に上部垂直片と下部垂直片によって狭隘開口状に形成される係合溝が設けられる共に、上記上部垂直片と上記下部垂直片の内方側面に凹凸曲面からなる係合受け部が形成され、
上記継手材は、接合される上記形材同士の上記係合溝の開口部内に挿入可能な基部と、該基部の上端及び下端の両側にそれぞれ突設されると共に、上記係合受け部に形成される凹凸曲面に摺接可能な凹凸係合面を有する係合片と、を備え、
上記形材同士の接合側端部を当接した状態で、上記係合溝の長手方向の一端側から上記継手材を挿入して、上記係合受け部に形成される凹凸曲面と上記係合片に形成される凹凸係合面を接触して係合してなる、ことを特徴とする形材の接合構造。
【請求項2】
請求項1記載の形材の接合構造において、
上記係合受け部に形成される凹凸曲面及び上記係合片に形成される凹凸係合面が、複数の連続する円弧面にて形成されている、ことを特徴とする形材の接合構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の形材の接合構造において、
上記係合受け部もしくは上記係合片のうち少なくとも一方が弾性変形可能に形成されている、ことを特徴とする形材の接合構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の形材の接合構造において、
上記継手材は、断面矩形状の基部と、該基部の上端及び下端の両側にそれぞれ突設される上下及び左右に一対となる同一形状の係合片と、からなるアルミニウム製押出形材にて形成されている、ことを特徴とする形材の接合構造。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の形材の接合構造において、
上記形材に形成される係合溝が、上記形材の厚さ方向の一端又は両端に形成されている、ことを特徴とする形材の接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−77839(P2012−77839A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223428(P2010−223428)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(502444733)日軽金アクト株式会社 (107)
【Fターム(参考)】