説明

微結晶質セルロース組成物

【課題】食品、医薬、化粧品及び工業的用途に適したコロイド状微結晶質セルロース/ヒドロコロイド組成物(ヒドロコロイドは、結合の不均一な分布を有しそして従来可能であったのよりも微結晶質セルロースと緊密に混合され密接に結合している)の提供。
【解決手段】(a)少なくとも70重量%の微結晶質セルロース及び(b)ヒドロコロイドからなる組成物であって、約10ミクロンより小さい平均粒子径をもつ組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微結晶質セルロース組成物、それらの製造方法、並びにそれらを含む製品に関する。さらに詳細には、本発明は、約10ミクロンより小さい平均粒子径を有しさらに密接に結合された微結晶質セルロース及び少なくとも1つのヒドロコロイドからなる粒状微結晶質セルロース組成物に関する。組成物は、抗スリップ剤の存在下混合物を激しく練合することにより、微結晶質セルロース及びヒドロコロイドの高固体混合物にせん断力を適用することによって製造される。
【背景技術】
【0002】
微結晶質セルロース(MCC)は、白色、無臭、無味、比較的自由流動性の結晶質粉末であって、有機及び無機の汚染物を本質的に含まない。それは、繊維質の植物材料からのパルプとして得られるアルファセルロースを、代表的に鉱酸による加水分解にかけることにより得られる精製した部分的に解重合したセルロースである。それは、セルロース性物質の無定形(繊維状セルロース)領域を除くことにより得られる結晶質凝集物から主としてなる高度に結晶質の粒状セルロースである。MCCは、食品、薬品及び化粧品を含む種々の用途で使用されている。
【0003】
微結晶質セルロースは、セルロースの源好ましくは繊維質植物材料からパルプの形でのアルファセルロースを鉱酸好ましくは塩酸により処理することによって製造できる。酸は、セルロースポリマー鎖の不規則な領域を選択的に攻撃し、それにより微結晶質セルロースを構成する結晶質凝集物を形成する結晶性部位を明らかにしそして遊離させる。これらは、次に反応混合物から分離され、そして洗浄されて分解した副生物を除く。一般に40−60%の水分を含む得られた含湿の塊は、当業者によりいくつかの名称すなわち加水分解セルロース、加水分解セルロースウエットケーキ、レベルオフDPセルロース、微結晶質セルロースウエットケーキまたは簡単にウエットケーキと呼ばれる。
【0004】
ウエットケーキが乾燥されそして脱水されると、得られる生成物である微結晶質セルロースは、白色、無臭、無味、比較的自由流動性の粉末であり、水、有機溶媒、希釈したアルカリ及び酸に不溶である。微結晶質セルロースの詳細及びその製法については、特許文献1を参照。この文献は、製薬助剤、特に打錠する製薬錠剤の製造のための結合剤、崩壊剤、流動助剤及び/または充填剤としてのその用途を記述している。
【0005】
微結晶質セルロース及び/または加水分解セルロースウエットケーキは加工されて、他の用途、主として食品用ゲル化剤、食品用シックナー、種々の食品用の脂肪置換物及び/またはノンカロリー充填剤として、食品用の懸濁安定剤及び/またはテクスチャライザーとして、そして薬品及び化粧品のローション及びクリームにおけるエマルション安定剤及び沈澱防止剤として使用される。これらの用途のための改変は、微結晶質セルロースまたはウエットケーキを強烈な摩擦力にかけ、その結果微結晶が実質的にさらに分割されて細かく分割された粒子を生成することにより実施される。しかし、粒子径が小さくなると、個々の粒子は、恐らくより小さいサイズの粒子間の水素または他の結合力によって、乾燥により凝集または角化し勝ちである。凝集または角化を防ぐために、保護的コロイド、例えば凝集または角化を生ずる結合力を全部または部分的に中和するナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)が、摩擦中または摩擦後かつ乾燥前に添加される。この添加物は、乾燥後の物質の再分散を助ける。得られる物質は、しばしば、摩擦された微結晶質セルロースまたはコロイド状微結晶質セルロースとよばれる。コロイド状微結晶質セルロース、その製法及び用途の詳細については、特許文献2を参照。
【0006】
コロイド状微結晶質セルロースは、白色、無臭の吸湿性の粉末である。水に分散すると、それは、大きさが1ミクロンより小さい微結晶質セルロース粒子を有する白色、不透明なチキソトロピックゲルを形成する。それは、特に、名称Avicel RC及びAvicel CL(共処理された微結晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる)の下で種々のグレードでFMC Corporation(FMC)により製造販売されている。
【0007】
或る人口の多い国々において食品成分にCMCが使用できないことを認めて、特許文献3においてMcGinleyは、第一の成分(炭水化物甘味料例えば砂糖、デキストロースまたは加水分解した穀物の固体である)及び第二の成分(ヒドロコロイド例えばグアガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギネート、カラギーナン、カラヤガムまたはキサンタンガムである)からなる添加物の組み合わせを使用することにより、コロイド状微結晶質セルロース中のCMCの使用を避けている。
【0008】
他のMCCに基づく安定化剤は、Tuasonらにより特許文献4に記載されている。この剤は、水中でコロイド状MCCとアルギン酸ナトリウムとを混合し次にバリヤ被覆性をもたらすためにMCCの表面上にアルギン酸ナトリウムカルシウム複合体を沈着する量でスラリーに可溶性のカルシウム塩を添加することによって製造される。ホモゲナイズ化後、スラリーは噴霧乾燥される。得られる安定化剤は、アルギン酸カルシウム架橋を破壊しそれにより分散を生じさせるように思われ、高せん断法の使用により水中に再分散させる。しかし、最低の撹拌によってこの安定化剤を分散させるために、ナトリウムカルシウム複合体中のカルシウムと優先的に反応させそれによりアルギネートを安定化するためにカルシウム金属イオン封鎖剤を使用しなければならない。従来技術の方法に従ってMCCを共処理するとき、すべてのヒドロコロイドが、生成された噴霧乾燥粉末に有効なバリヤ性を付与するとは限らない。特許文献5では、McGinleyらは、MCCとガラクトマンナンガム例えばローカストビーンまたはグアガムとの共処理を記述している。噴霧乾燥前に、MCCは磨砕され、それゆえコロイド状である。しかし、浮遊する生成物は、0.1−100ミクロンのサイズに及ぶ球状の粒子からなるといわれる。例えば実施例1では、噴霧乾燥した粉末は、5−70ミクロンの粒子径の範囲を有する。この共処理された物質の再構成または再水和は、高いせん断条件を要する。15重量%以上のガラクトマンナンを有する組成物では、噴霧乾燥した物質の高いせん断分散は、繊維状の粒子をもたらす。球状の凝集物または繊維状物質の何れかは、食品原料に脂肪様の性質を付与するのに特に有効である。
【0009】
特許文献6(Tuasonら)は、イオータカラギーナンと共処理されそして乾燥された磨砕したコロイド状微結晶質ウエットケーキからなる組成物を開示している。組成物は、以下の工程により製造される。
(a)加水分解したセルロースのみを摩擦にかけてコロイド状微結晶質セルロースを製造する工程、
(b)該コロイド状微結晶質セルロースを水中に分散し、乾燥イオータカラギーナンの溶解温度より高い温度に加熱して該コロイド状微結晶質セルロースと共処理する工程、
(c)乾燥イオータカラギーナンをコロイド状微結晶質セルロースの加熱した分散物に添加し、成分を混合してスラリーを生成する工程、
(d)該スラリーをホモゲナイズする工程、そして
(e)該スラリーを乾燥して共処理した粉末を生成する工程。
【0010】
特許文献7(Venablesら)は、微結晶質セルロース、比較的水不溶性の磨砕助剤そして任意に保護的コロイドからなる組成物を開示している。組成物は、以下の工程により製造される。
(a)磨砕されていない微結晶質セルロース、水に比較的不溶な磨砕剤及び所望により保護的コロイドをともにブレンドする工程、
(b)微結晶質セルロースの粒子径を減少させるのに充分な時間及びせん断力の下ブレンドを高いせん断含湿粉砕にかける工程、そして
(c)得られた超微細微結晶質セルロース組成物を回収する工程。
【0011】
特許文献8(Kamadaら)は、細かいセルロース及び水不溶性カルシウム物質を含む組成物を開示している。組成物は、セルロース粒子及びカルシウム粒子の水性懸濁物をともに粉砕することによって製造される。水溶性ガム及び/または親水性物質は、乾燥による細かいセルロース及び水不溶性カルシウム物質の再凝集を防ぐために配合される。
【0012】
特許文献9(Kamadaら)は、細かいセルロース及びゲル化剤からなる肉製品のための安定剤を開示している。安定剤は、ゲル化をコントロールするために、カリウムまたはカルシウムの塩例えば不溶性炭酸カルシウムを含むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許2978446
【特許文献2】米国特許3539365
【特許文献3】米国特許4263334
【特許文献4】米国特許5366742
【特許文献5】米国特許5192569
【特許文献6】米国特許6391368
【特許文献7】米国特許6037380
【特許文献8】米国特許6117474
【特許文献9】米国特許6270830
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明によれば、コロイド状微結晶質セルロース/ヒドロコロイド組成物(ヒドロコロイドは、結合の不均一な分布を有しそして従来可能であったのよりも微結晶質セルロースと緊密に混合され密接に結合している)を製造する方法が見いだされた。この結果は、抗スリップ剤の存在下激しく練合することによって微結晶質セルロース及びヒドロコロイドの高固体混合物をせん断することにより達成される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の組成物は、練合工程から回収された含湿の磨砕された微結晶質セルロース/ヒドロコロイド固体であるか、またはそれは含湿固体から水分を取り除くことにより製造されたその乾燥された残存物であり、後者は、貯蔵、輸送及び微結晶質セルロースに基づく分散物を製造する以後の使用に好ましい。組成物は、後述のように測定されたとき、約10ミクロンより小さい平均粒子径を有する。
【0016】
本発明によれば、微結晶質セルロース及びヒドロコロイドからなる改善された組成物が提供される。組成物は、(a)ヒドロコロイドの均一な膨潤の前に微結晶質セルロースウエットケーキ、ヒドロコロイド及び抗スリップ剤を混合し、そして(b)混合物をせん断することにより製造される。
【0017】
得られる組成物は、MCC/ヒドロコロイド組成物で従来達成されることができるのより小さい平均粒子径、並びに使用する1つ以上のヒドロコロイドに応じて独特の粒子径分布を有することを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
微結晶質セルロースと組み合わせて使用してコロイド状微結晶質セルロース単独に比べてコロイド状微結晶質セルロースを生成するとき増大した表面電荷を付与する任意のヒドロコロイドは、本発明の組成物で使用できる。これらのヒドロコロイドは、海藻多糖類例えばカラギーナン、寒天、フルセララン(furcellaran)、アルギネート及びアルギネート誘導体例えばポリプロピレングリコールアルギネート及びアルギネートの1価塩例えばカリウム及びナトリウムの塩、ガラクトマンナンを含む植物ガム例えばグア、ローカストビーンガム及びタラ;カルボキシメチルグア、カルボキシメチルローカストビーンガム;グルコマンナン例えばこんにゃく;タマリンド種子;多糖類;ペクチン;カラヤ;アラビア;トラガント;細菌性多糖類例えばキサンタン及びプルーラン;ゲラン及びウエラン;セルロースガム;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを含むアルキルセルロースエーテル;及びこれらの混合物を含む。カラギーナンは、ミュー、カッパー、カッパー−2、ニュー、イオータ、ラムダ、テータ及びこれらの混合物を含むことができる。カラギーナンは、アルカリなしで、または低レベルまたは高レベルのアルカリにより処理される。カラギーナンは、精製、半精製または未精製のグレードそしてこれらの混合物を含むことができる。好ましいヒドロコロイドは、アルギネート及びカラギーナンを含む。これらのなかで、イオータカラギーナン及びアルギン酸ナトリウムが特に好ましい。抗スリップ剤が、微結晶質セルロースウエットケーキの存在下ヒドロコロイドブレンドの水和を阻止するほど充分に相互作用して、せん断下充分な機械的エネルギーの移動を可能にしてともに磨砕されるコロイド状MCC/ヒドロコロイドを生成する限り、ヒドロコロイドのブレンドは、特に、イオータカラギーナンまたはアルギン酸ナトリウム及び少割合の他のヒドロコロイド例えばキサンタンまたはペクチン性物質のブレンドを使用できる。
【0019】
好ましい結果は、天然のヒドロコロイドにより達成される。本明細書で使用されるとき、「天然」は、自然に存在するかまたは生成されることを意味し、そして生物学的源例えば植物または細菌または微生物による発酵から回収されるヒドロコロイドを含む。
【0020】
任意の微結晶質セルロースが、本発明の組成物に使用できる。好適な原料は、例えば木材パルプ例えば漂白された亜硫酸及び硫酸パルプ、とうもろこし殻、バガス、わら、木綿、木綿リンター、アマ繊維、ケンプ、麻、発酵されたセルロースなどを含む。
【0021】
微結晶質セルロース及びヒドロコロイドの量は、最終の組成物に望まれる性質に応じて、広範囲にわたって変化できる。ほとんどの応用では、比は、50/50−90/10重量部、より好ましくは70/30−85/15重量部に等しくなければならない。
【0022】
抗スリップ剤は、ヒドロコロイドと組み合わされて機能する非潤滑物質である。抗スリップ剤は、処理中装置の作業ゾーン(すなわち、混合物の機械的処理中の2軸スクリュー押し出し機における回転スクリュー要素間、並びに押し出し機スクリュー要素と押し出し機バレルそれ自体との間)の生成混合物の滑りを減少するのに充分な量で使用される。
【0023】
本発明で使用するには、抗スリップ剤は、水中に本質的に完全に可溶な任意の無機塩である。使用できる水溶性の無機塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酒石酸カルシウム、クエン酸カルシウム、モノ燐酸カルシウム及び塩化マグネシウムを含む。これらのなかで、2価の塩が好ましい。塩化カルシウムは、特に好ましい。
【0024】
無機塩の量は、含まれる塩及びヒドロコロイドの原子価に依存する。最低の量は、MCC凝集物をコロイド状の形状に変形するのに充分な摩擦を有する非滑り環境を生ずるのに充分なものである。もしあまり多い塩が使用されるならば、これは、あまりに大きな摩擦を生じ、温度を上げ、それによりヒドロコロイドの劣化を生ずる。一般に、固体の全重量に基づいて約0.8−約3.0重量%の量が使用できる。ヒドロコロイドとしてアルギン酸ナトリウムを使用しそして無機塩として塩化カルシウムを使用する1つの態様では、添加される塩化カルシウム塩の量は、微結晶質セルロース対アルギネートの85:15の重量比で、0.8−2.0重量%好ましくは1.0−1.5重量%の範囲内である。ヒドロコロイドとしてイオータカラギーナンを使用しそして無機塩として塩化カルシウムを使用する他の態様では、添加される塩化カルシウムは、微結晶質セルロース対カラギーナンの85:15の比で、1.0−3.0重量%好ましくは2.0−2.5重量%の範囲内にある。或る量の塩は、一般に、最終の組成物中に残存する。2価の塩例えばカルシウムが使用されるとき、2価のカチオンであるCa++の量は、粉末状の組成物の全重量に基づいて約0.18−3.5%である。これは、使用されるヒドロコロイドに伴うカルシウムイオンの任意の量を含み、それゆえ、方法で使用される抗スリップ剤中のイオンの量より多いだろう。存在するカチオンの量は、下記の原子吸収テスト法により求められる。
【0025】
1つの態様では、本発明の方法は、原料として、上述のように40−60重量%の水を含む加水分解微結晶質セルロースウエットケーキを使用する。乾燥した粉末の形のヒドロコロイドは、混合によりウエットケーキに添加される。制限された量の水のみが含湿のために利用され、そして微結晶質セルロースウエットケーキ及び添加されたヒドロコロイド粉末の高固体混合物中のヒドロコロイド粉末を膨潤する。ヒドロコロイドが加水され始めた後すなわち含湿及び膨潤し始めた後、無機塩の溶液が添加される。塩の添加がヒドロコロイド粉末の均一な含湿及び膨潤前に生ずることが本発明の重要な構成である。しかし、成分の添加順序は、狭く厳格なものではなく、そして例えばヒドロコロイドの添加前にMCCに無機塩の溶液を添加することもできる。何れの場合でも、得られる混合物は、次にせん断力(例えば2軸スクリュー押し出し機中)にかけられて、混合物を激しく練合しそして微結晶質セルロース凝集物を細かく砕く。本明細書で使用されるとき、せん断力は、混合物の2つの接触する部分をそれらの接触平面にほぼ平行な方向に互いに滑らせるまたは滑らせようとする適用力から生ずる作用をいう。充分な塩が添加されたとき、ヒドロコロイドと微結晶質セルロースとの混合物は、もはや滑りやすくなくなり、微結晶質セルロース凝集物を細かく砕く機械的なエネルギーとして混合物に適用されるせん断力を伝達できる。適用される力の大きさは、微結晶質セルロースとヒドロコロイドとの間の結合を強いて生じさせるのに充分なものでなければならない。
【0026】
もし塩の添加が不十分ならば、混合物は滑り性を残しそしてせん断力は、微結晶質セルロース凝集物を細かく砕くのに変わるのよりむしろ滑る作用により主として機械的エネルギーになり消失する。もしあまりに多い塩が添加されるならば、せん断に対する抵抗は非常に高くなりそして混合物中のヒドロコロイドは局在化した熱により分解する。
【0027】
得られるせん断した物質は水中に分散され、ホモゲナイズされそして噴霧乾燥されて本発明の最終組成物を生成する。
【0028】
最も好都合には、本発明は、原料の1つとして、ヒドロコロイドが添加される約40−約60%の水分を一般に含む加水分解セルロースウエットケーキ(すなわち、セルロースの源好ましくは繊維状植物材料からのパルプの形のアルファセルロースが鉱酸によって処理され次に洗浄されて酸及び副生物を除いたとき生成した未乾燥の塊)を利用する。抗スリップ剤例えば可溶性の塩の水溶液を、ヒドロコロイドが均一に膨潤する機会を有する前に、微結晶質セルロースウエットケーキ及びヒドロコロイドの混合物に添加する。部分的に水和されたヒドロコロイド及び微結晶質セルロース粒子の混合物は、次に、高固体せん断にかけられ、部分的に膨潤したヒドロコロイドは微結晶質セルロースの磨砕を助けてコロイド状粒子を生ずる。もしヒドロコロイドがせん断前に均一に膨潤されるならば、膨潤したヒドロコロイドは、あまりに滑りやすくて処理されず、そして磨砕工程中微結晶質セルロースを一定したミクロン以下のサイズに低下させるのに要求される必要な粒子対粒子の摩擦力を生ずるのに不十分なエネルギーの移動がせん断中生ずる。含湿ブレンドの製造では、水分含量は、所望に応じて調節されて、ブレンドの磨砕に望まれる一定性を生じ、そして磨砕中必要に応じて調節されて望ましい一定性を維持する。好ましい態様では、ウエットケーキに存在する水分は、一般に充分である。過剰の水の使用は、それが一定のミクロン以下のサイズに微結晶質セルロースの粒子を低下させるのに必要な粒子対粒子の摩擦力を低下し勝ちであるため、避けるべきである。
【0029】
含湿ブレンドは、次に好ましくは高せん断高固体混合条件下で高固体含湿ブレンドとして磨砕され、微結晶質セルロースは、分散にあたってコロイド状で安定している超微細ミクロン以下のサイズの粒子に粉砕される。コロイド状の安定性は、保護的ヒドロコロイドの包含によりさらに助けられる。
【0030】
保護的ヒドロコロイドは、1つ以上のいくつかの機能を行う。それらは、恐らくそれらの間の水素結合力に結びつくかまたは置換することにより、微結晶質セルロース粒子の間及び/または回りのバリヤとして作用し、そのためそれらを角化から防ぐためにこれらの粒子間のバリヤを形成する。第二に、それらは、分散助剤として働いて、微結晶質セルロースの乾燥した固体組成物が再分散されるとき、微結晶質セルロース粒子の分散及び再水和を助ける。さらに、それらは、懸濁物のレオロジー性を改変及び/または懸濁を助けることができる。
【0031】
微結晶質セルロースをコロイド状の粒子径に減少させることは、好ましくは、微結晶質セルロース、無機塩溶液及び保護的コロイドのブレンドの高固体含湿せん断によって実施される。好ましくは複数のスクリューを有する標準の押し出し機の使用は、微結晶質セルロースの粒子径を減少させる好ましい手段である。他の標準の装置、例えば遊星歯車ミキサー例えばHobartミキサー及びロールミル特に3つ以上のロールを有するものは、また、含湿せん断操作に使用できる。使用された装置が高いせん断作用をもたらし、そして例えば、制限された断面の通路例えば押し出し機及び種々の他の混合装置の有孔板に見いだされるもの、または制限されたクリアランスの他の通路例えばロールミルのロール間に混合物を押し出すことにより、微結晶質セルロースに強い擦りかつ摩擦作用をもたらすことが重要である。押し出し方法は、高固体かつ高処理量の処理における操作のその容易さにおいて、そして微結晶質セルロースの非常に細かい粒子を生ずるその有効性において好ましい。
【0032】
本発明の方法では、第一の工程は、未磨砕微結晶質セルロースとヒドロコロイドとをともにブレンドすることからなる。抗スリップ剤は高せん断練合前に添加される。上記のように、ヒドロコロイドの添加前に微結晶質セルロースと高スリップ剤とを混合することもできる。
【0033】
含湿ブレンドは、次に、微結晶質セルロースを粒子径(約80−100%有利には約90−100%の微結晶質セルロースが1ミクロメートル以下の粒子径を有しそして水性媒体中に分散したときコロイド状で安定である)に減少させるのに充分な時間及びせん断力下高いせん断練合にかけられる。ヒドロコロイドは、微結晶質セルロースに密接に結合する。
【0034】
押し出しまたは他の好適な練合工程から得られる含湿の磨砕した微結晶質セルロース組成物が回収され、次に懸濁物及び分散物用の安定剤/沈澱防止剤として分散される、及び/またはさらに処理され、乾燥され次にこれらの用途のために分散される。さらなる処理工程は、もし利用されるならば、最初の分散物を製造し、得られる分散物をホモゲナイズし、例えば噴霧乾燥または他の好適な手段(それらのすべては当該技術内にある)によりそれを乾燥することを含む。
【0035】
原料成分及びそれらが用いられる比に応じて、本発明の組成物は、従って、抗スリップ剤及び微結晶質セルロース粒子(上記の粒子径を有する)並びに保護的ヒドロコロイドからなる超微細の磨砕した微結晶質セルロース組成物からなり、微結晶質セルロース対保護的コロイドの重量比は、50:50−約90:10、好ましくは70:30−85:15の範囲にある。
【0036】
本発明の超微細のコロイド状で安定な微結晶質セルロース/ヒドロコロイド生成物は、約0.05−15重量%、有利には0.03−5重量%、好ましくは約0.05−3重量%の量で分散物、エマルション、懸濁物などで利用され、そして最終生成物に基づいて約1−15重量%の量で充填剤またはかさ高剤として使用される。食品の応用では、0.05−15重量%が好適に使用できる。
【0037】
本発明により製造された生成物は、従来の方法により製造されるものとは異なる。固体の磨砕助剤が使用される上記のKamadaら及びVenablesの方法によって製造される生成物に比べて、本発明の生成物は、細かい無機の粒状物の形よりむしろヒドロコロイド/微結晶質組成物の全体に及ぶ無機塩の分子分布を示す。コロイド状の微結晶質セルロースと密接に結合した結合ヒドロコロイドの不均一な分布は、再分散粉末の独特なレオロジー性をもたらす。上記のTuasonらの方法(予め磨砕された微結晶質セルロース及びアルギン酸ナトリウムの成分が単にスラリー中で混合されて、可溶性の2価の金属塩が添加されるとき、アルギネートは均一に水和され、次に例えばホモゲナイザー中で高いせん断にかけられ、そして乾燥されてアルギン酸カルシウムゲルマトリックス内にコロイド状の微結晶質セルロース粒子を捕捉する)に比べて、本発明の生成物は、抗スリップ剤の存在下微結晶質セルロースウエットケーキ及び部分的に膨潤したヒドロコロイドの高固体含湿せん断によって、密に結合しかつ不均一に結合したアルギネートポリマーによりさらに細かいコロイド状粒子径を示す。
【0038】
本発明の組成物は、「共磨砕」されるが、それは混合物への高いせん断力の適用前に、MCC及びヒドロコロイドが混合されることを意味する。それらは、今まで達成できなかった物理的な性質を特徴とする。
【0039】
組成物のすべては、少なくとも70%のMCCを含み、そして10ミクロンより小さい平均粒子径を有する。本明細書で使用されるとき、粒子径は、下記のテスト方法により得られる値をいう。好ましい組成物は、使用される1つ以上のヒドロコロイドに依存する粒子径分布(また下記のテスト方法により測定される)を有する。特に、
(i)ヒドロコロイドがカラギーナンのとき、粒子の少なくとも約50%が約3.5ミクロンより小さい粒子径を有し、
(ii)ヒドロコロイドがカラギーナン以外のヒドロコロイドであるとき、粒子の少なくとも約30%が約3.5ミクロンより小さい粒子径を有し、そして
(iii)ヒドロコロイドがカラギーナンと他のヒドロコロイドとの混合物であるとき、粒子の少なくとも約20%が約3.5ミクロンより小さい粒子径を有する。
【0040】
本発明の生成物は、コロイド状グレードのMCCが現在使用されている場合に用いることができ、レトルト可能なチョコレート飲料、ベーキングして安定なベーカリーのフィリング、冷凍デザート、炭酸ガス処理食品系及びサラダドレッシングを含む。これらの製品は、UHT処理飲料、乳製品及び非乳製品例えば新鮮な大豆蛋白または大豆単離物、ココア粉末及び栄養添加物例えばビタミン及びミネラルに特に適している。さらに、この新規なコロイド状のMCC製品は、コロイド状MCCに関する新しいチャンスをもたらす製品の機能性を拡大する。新しい製品の適用は、製品の新規及び/または改善された性質による。これらは、以下の性質を含む。蛋白との反応性の低下、低pHの発酵乳製品における冷凍−解凍の安定性の改善、UHT製造飲料における広範囲の処理許容性による懸濁機能性の改善、UHTクリーム製品におけるテキスチャーの改変の改善並びにベーカリーのフィリングにおける熱安定性の改善。それらの蛋白との反応性の低下により、組成物は低いレベルで使用できるが、処理の許容範囲はより広くなる。それは、有効性の範囲が広く、量が厳密を要しないからである。乾燥ミックス製品(インスタントソース、グレービーソース、スープ、インスタントココアドリンクなど)、低pH乳系(サワークリーム/ヨーグルト、ヨーグルトドリンク、安定化冷凍ヨーグルト)、ベーキングされた製品(パイ/ペーストリのフィリング)、飲料(柑橘類のフレーバー付きドリンクなど)並びにラベル付き製品は、すべて適用の領域である。他の用途は、非水性食品系例えばピーナッツバターなど、並びに低水分食品系におけるかさ高剤として、製薬の用途におけるチュアブル錠剤、医薬例えばAPAP、アスピリン、イブプロフェンなどの医薬の活性をマスキングする剤、沈澱防止剤及び徐放剤のための助剤としての用途である。これらの新しいコロイド状製品は、また食品、製薬及び農業の応用(動物飼料を含む)におけるフレーバー及び機能性食品の成分のための伝達系として、そして直打徐放剤として使用するのに好適である。さらに、それらは、パーソナルケア(皮膚、毛髪)の用途のためのフォーム、クリーム及びローションにおけるシックナーとして、そして沈澱防止剤として、セラミック、着色剤、化粧品及び口腔ケアにおける顔料及び充填剤としての用途に使用でき、工業上の応用例えばセラミック、殺昆虫剤を含む殺虫剤のための伝達系、そして他の農業用製品に使用できる。
【0041】
本発明を説明するために以下の実施例を示す。
実施例では、以下の標準材料及びテスト法を使用した。
【0042】
1.「平均粒子径」及び粒子径分布
分散物を、Waring Blender(700シリーズ)により、跳ね返しをさけるためにWaring Blenderの速度を次第に上げることを可能にするPowerstat変圧器によってコントロールされる18000−19000rpmの速度で1000mLのボウルを使用して製造した。
(1)秤で16g(±0.01g)を測りとる。
(2)500mLのメスシリンダーで587±1gの蒸留水または脱イオン水を測りとりそしてそれをブレンダーボウル中に注ぐ。
(3)ブレンダーの速度を変圧器により徐々に約30ボルトに上げる。ボウルの側面に付着にしないように注意しつつ、粉末を水の中心に加える。
(4)粉末の添加後、ボウルの蓋をかぶせ15秒間混合する。
(5)15秒混合後、可能な限り早く電圧を115に上げ、そして2分間115ボルトで混合する。
(6)分散物を500mLのNalgene瓶に貯蔵する。
【0043】
平均粒子径及び粒子径分布は、Horiba LA−910(Horiba Instruments、Inc.,Irvine、カルホルニア)スタチック光散乱粒子径分布分析器を使用して測定された。
【0044】
2.Ca++及び塩化カルシウム含量
(以下のカルシウムフレーム原子吸収テスト法により測定)
方法
A.標準/ブランク調製
1.以下のように、5%塩化ランタン溶液をつくる
12.5gの塩化ランタン7水和物を正確に測りとり、約100mLの0.1N塩酸(HCl)を含む250mLのメスフラスコに移す。10分間超音波浴におき、取り出し、そして室温に冷却し、次に0.1N HClを満たす。
【0045】
2.以下のように、100ppmのカルシウム原料標準をつくる。
10.0mLの市販の1000ppmのカルシウム標準品(Thermo Orion No.922006、VWR No.34183−182)を、約50mLの0.1N HClを含む100mLのメスフラスコに移し、充分に振盪し、そして0.1N HClを満たす。
【0046】
3.以下のように2、4、7、10、13及び16ppmのカルシウム標準品をつくる。
100ppmのカルシウム標準品2、4、7、10、13及び16mLを、10mLの5%塩化ランタン溶液及び約50mLの0.1N HClを含むラベルした100mLのメスフラスコに入れる。充分に振盪し、そして0.1N HClにより満たす。
【0047】
4.以下のようにブランク溶液をつくる。
10mLの5%塩化ランタン溶液を100mLのメスフラスコの入れ、そして0.1N HClを満たす。
B.サンプルの調製
1.水分%を測定するためにすべてのサンプルについて乾燥損失(LOD)テストを行う。
【0048】
2.200mgのMCCサンプルを、約50mLの0.1 HClを入れたラベル付き100mLのメスフラスコに移す。
3.30分間超音波浴におき、取り出し、そして室温に冷却する。
4.10mLの5%塩化ランタン溶液を添加し、0.1N HClを満たす。
5.3500rpm/5分間で遠心分離し、そして上清を13×100mmの管に入れる。
6.必要に応じ0.5%塩化ランタンを含む0.1N HClにより希釈して、標準曲線の2−16ppmのカルシウム範囲内の結果を達成する。
【0049】
C.分析
装置:Perkin−Elmer Analyst 300原子吸収分光計
ランプ:カルシウム
波長:422.8nm
シグナル測定:時間平均
フレームタイプ:空気/アセチレン
オキシダント流:10.0L/分
燃料流:3.0L/分
スリット幅:0.7
読み取り時間:5秒
遅延時間:28秒
較正:線形
【0050】
D.計算
カルシウムの重量(mg)=ppmカルシウム・100・希釈ファクター/1000
%カルシウム=(カルシウムの重量(mg)/サンプル重量(mg)・(100−%LOD/100))・100
%塩化カルシウム=%カルシウム・(110.98/40.08)
【0051】
3.ベーキング(熱)安定性
ベーキング安定性は、以下の方法により形状保持を測定することによって測定された。形状保持は、所定の温度で或る時間焼かれた後その最初の形状及び体積を保持するフルーツのフィリングの製品の能力として定義される。或る体積のフルーツのフィリングの製品(約35g)を標準化したリング(3.5cm)にいれ、それを同心円の目盛をつけた紙におく。フルーツのフィリングを、通風オーブンで特定の温度で或る時間(通常華氏400度で10分間)焼く。熱処理後、フルーツのフィリングの広がりを測定する。広がりは、%[(最後の直径−最初の直径)/最初の直径×100]で表示される。
〔実施例〕
【実施例1】
【0052】
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキ1744.9gを90.8gのイオータカラギーナンと混合して、90/10重量部のMCC対イオータカラギーナンの固体比を得た。27.7gの30%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0053】
418.6gのMCC/イオータカラギーナン押し出し物を、華氏約160度で2581.4gの蒸留水に分散した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0054】
非常に細かいコロイド状粒子径分布を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。レーザー光回折による粒子径分析は、粉末が、5.33ミクロンの平均粒子径並びに3.5ミクロンより小さい粒子の85%の粒子径分布を有することを示した。脱イオン水に分散したとき、その2.6%の分散物は、1100cpsの最初のBrookfield粘度を示し、そして24時間後テストされたとき1150cpsの粘度を示した。
【0055】
〔比較例1〕
(抗スリップ剤なし)
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1744.9gの微結晶質セルロース(MCC)を、90.8gのイオータカラギーナンと混合して90/10重量部のMCC対イオータカラギーナン固体比を得た。混合物を数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは非常に滑りやすく、そのためMCC凝集物を機械的に崩壊させてコロイド状粒子を生成するのに必要な摩擦または押し出し機の作業プロフィルは得られなかった。押し出し物の顕微鏡的評価は、MCC粒子が大きくしかも磨砕されておらず、従ってそれらがコロイド状でないことを明らかにした。
【実施例2】
【0056】
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1550.5gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、136.6gのイオータカラギーナンと混合して85/15重量部のMCC対イオータカラギーナンの固体比を得た。40gの30%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0057】
584.4gのMCC/イオータカラギーナン押し出し物を、華氏約160度で2415.6gの蒸留水に分散した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0058】
非常に細かいコロイド状粒子径分布を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。レーザー光回折による粒子径分析は、粉末が、4.27ミクロンの平均粒子径を有することを示した。水に分散したとき、その2.6%の分散物は、1700cpsの最初の粘度を示し、そして24時間後再テストされたとき2450cpsの粘度を示し、MCCとイオータカラギーナンとの間の相互作用すなわち良好なゲルネットワークを示唆した。
【0059】
0.5%レベルのこの85/15微結晶質セルロース/イオータカラギーナンは、レトルトにできる機能性チョコレート飲料における安定なココア懸濁物及びUHT処理大豆蛋白に基づくチョコレート飲料を提供した。
【0060】
〔比較例2〕
(不十分なレベルの抗スリップ剤)
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1539.3gの微結晶質セルロース(MCC)を、127.8gのイオータカラギーナンと混合して90/10重量部のMCC対イオータカラギーナン固体比を得た。25.0gの30%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは非常に滑りやすく、そのためMCC凝集物を機械的に崩壊させて超微細粒子にするのに必要な摩擦または押し出し機の作業プロフィルは得られなかった。押し出し物の顕微鏡的評価は、MCC粒子が大きくしかも磨砕されておらず、従ってそれらがコロイド状でないことを明らかにした。添加されたカルシウム塩の量は、水についてカラギーナンと競合し、カラギーナンガムをさらに溶媒和するのに不十分であった。
【実施例3】
【0061】
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1915.3gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、387.1gのイオータカラギーナンと混合して70/30重量部のMCC対イオータカラギーナンの固体比を得た。75gの30%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0062】
309.3gのMCC/イオータカラギーナン押し出し物を、華氏約160度で2690.7gの蒸留水に分散した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0063】
非常に細かいコロイド状粒子径分布を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。水に分散したとき、その2.6%の分散物は、2000cpsの最初の粘度を示し、そして24時間後再テストされたとき12900cpsの粘度を示し、MCCとイオータカラギーナンとの間の相互作用すなわち良好なゲルネットワークを示唆した。
【0064】
この70/30微結晶質セルロース/イオータカラギーナン粉末0.25重量%を使用して製造した甘味料入りヨーグルトは、滑らかなコンシステンシー及び光沢のあるテクスチャを有した。冷凍/解凍の条件にかけられたとき、70/30のMCC/イオータに基づく製品は、それがその滑らかさ及び光沢のあるテクスチャを維持して、安定であった。
【実施例4】
【0065】
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1947.9gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、171.7gのアルギン酸ナトリウムと混合して85/15重量部のMCC対アルギン酸ナトリウムの固体比を得た。33.3gの30%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0066】
258.6gのMCC/アルギネート押し出し物を、華氏約160度で2741.4gの蒸留水に分散した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0067】
非常に細かいコロイド状粒子径分布を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。レーザー光回折による粒子径分析は、粉末が6.04ミクロンの平均粒子径を有することを示した。水に分散したとき、その2.6%の分散物は、1675cpsの最初の粘度を示し、そして1725cpsの24時間後の最終粘度を示した。
【実施例5】
【0068】
(85/15MCC/A−Hカッパカラギーナン)
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1938.1gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、168.9gの完全に変性したカルシウムカッパカラギーナンと混合して望ましいMCC対カッパカラギーナンの固体比を得た。100gの15%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0069】
331.1gのMCC/カッパカラギーナン押し出し物を、華氏約160度で2268.9gの蒸留水に分散した。1.35gのKCOを添加し、そして数分間混合してpHを8.0−8.5に調節した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0070】
非常に細かいコロイド状粒子径分布(粒子の50%は3.5ミクロンより小さい)を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。水に分散したとき、その2.6%の分散物は、725cpsの最初の粘度を示し、そして3350cpsの最終粘度を示した。
【0071】
UHT処理機能性チョコレート飲料の応用では、0.10%で使用された85/15MCC/カッパカラギーナンは、安定なココア懸濁物を生じた。
【実施例6】
【0072】
(70/30MCC/HMペクチン)
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1676.5gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、100gの30%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。324.1gの高メトキシル(HM)ペクチンを添加して所望のMCC対HMペクチン固体比を得た。混合物を、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0073】
315.1gのMCC/ペクチン押し出し物を、華氏約160度で2684.9gの蒸留水に分散した。3gのKCOを添加し、そして数分間混合してpHを5.0−5.4に調節した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0074】
非常に細かいコロイド状粒子径分布を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。その2.6%分散物のレーザー光回折による粒子径分析は、それが、6.56ミクロンの中位粒子径を有し、そして8.98ミクロンの平均粒子径を有することを示した。水に分散したとき、その2.6%の分散物は、675cpsの最初の粘度を示し、そして975cpsの最終粘度を示した。
【0075】
飲用ヨーグルト製品では、0.33%で使用された70/30MCC/HMペクチンは、良好な安定性を生じた。
【実施例7】
【0076】
(70/30MCC/PGA)
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1089.8gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、197.2gの高度のエステル化度(DE)を有するプロピレングリコールアルギネート(PGA)と混合して望ましいMCC対PGAの固体比を得た。65gの30%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。312.0gのMCC/PGA押し出し物を、華氏約160度で2268.9gの蒸留水に分散した。1.35gのKCOを添加し、そして数分間混合してpHを8.0−8.5に調節した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0077】
非常に細かいコロイド状粒子径分布(粒子の50%は3.5ミクロンより小さい)を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。その2.6%分散物のレーザー光回折による粒子径分析は、それが、5.87ミクロンの中位粒子径を有し、そして7.40ミクロンの平均粒子径を有することを示した。
【0078】
飲用ヨーグルト製品では、0.35%で使用された70/30MCC/PGAは、良好な安定性を生じた。
【実施例8】
【0079】
(75/15/10MCC/イオータカラギーナン/HMペクチン)
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1818.8gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、163.7gのイオータカラギーナンと混合して所望のMCC対イオータカラギーナン固体比を得た。200gの15%CaCl溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を共回転2軸押し出し機に1回通した。108gの高メトキシル(HM)ペクチンをMCC/イオータカラギーナン混合物に添加した。これを、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0080】
343.6gのMCC/イオータカラギーナン/HMペクチン押し出し物を、華氏約160度で2656.4gの蒸留水に分散した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0081】
非常に細かいコロイド状粒子径分布(21%の粒子が3.5ミクロンより小さい)を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。水に分散したとき、その2.6%の分散物は、725cpsの最初の粘度を示し、そして925cpsの最終粘度を示した。
【0082】
甘味料入りヨーグルト製品では、0.25%のレベルで使用される75/25/10MCC/イオータカラギーナン/HMペクチンは、滑らかなコンシステンシー及び光沢のあるテクスチャを有する甘味料入りヨーグルトを生成した。冷凍/解凍の条件にかけられたとき、MCC/イオータカラギーナン/HMペクチン製品は、それがその滑らかさ及び光沢のあるテクスチャを維持して、安定であった。
【実施例9】
【0083】
(75/25/10MCC/イオータカラギーナン/キサンタンガム)
5ガロンのHobartミキサー中で、38−44%に及ぶ固体含量を有する1818.8gの微結晶質セルロース(MCC)ウエットケーキを、163.7gのイオータカラギーナンと混合して所望のMCC対イオータカラギーナン固体比を得た。200gの15%CaCl・2HO溶液を添加し、そして数分間混合した。混合物を共回転2軸押し出し機に1回通した。107.2gのキサンタンガムをMCC/イオータカラギーナン混合物に添加した。これを、数回共回転2軸押し出し機を通して混合物をせん断し、そして微結晶質凝集物を細かく砕いた。押し出し物の得られたコンシステンシーは、滑ることがなく、それによりコロイド状の微結晶質セルロース粒子の形成を助ける高い作業プロフィルにかけることができた。
【0084】
343.5gのMCC/イオータカラギーナン/キサンタンガム押し出し物を、華氏約160度で2656.6gの蒸留水に分散した。得られるスラリーを、2500psiでManton Gaulinホモゲナイザーを通し、噴霧乾燥して粉末を形成させた。噴霧乾燥は以下のように行われた。ホモゲナイズしたスラリーを、ノズル噴霧化0.1インチ(0.00254m)開口を利用して3フィート(0.9144m)のBowen噴霧乾燥機に供給した。スラリーを、所望の出口温度を生ずる速度で可変供給Moynoポンプによって乾燥機に供給した。噴霧乾燥機の操作入口/出口の空気温度は、約195℃/95℃であった。噴霧乾燥条件は、供給物の性質例えば粘度、得られる乾燥生成物の特徴及び結果として生ずる収量に応じて調節された。
【0085】
非常に細かいコロイド状粒子径分布(26%の粒子が3.5ミクロンより小さい)を有する水に分散可能なコロイド状MCC粉末を得た。水に分散したとき、その2.6%の分散物は、450cpsの最初の粘度を示し、そして700cpsの最終粘度を示した。
【実施例10】
【0086】
フルーツのフィリング組成物を下記の成分からつくった。すべての量は、重量による。この実施例では、以下の材料が使用された。
GRINSTED LA410−Daniscoから入手できる低エステルアミド化ペクチン。
COLFLO 67−National Starchから入手できるワックス状とうもろこしからの変性調理ずみ澱粉。
ラズペリー濃縮物−IFFから入手できる20%フルーツ固体。
MCC/アルギン酸ナトリウム−上記の実施例9で記述したようにして製造。
【0087】
成 分 量
GRINSTED LA410 5
MCC/アルギン酸ナトリウム 5
水 420
砂糖 337
COLFLO 67澱粉 20
ラズベリー濃縮物 200
ソルビン酸カリウム 1
水中3%乳酸カルシウム 5
水中50%クエン酸 7
ブリックス固体 43%
加熱粘度、cp 13800
ベーキング安定性 11%
ゲル強さ、g 75
【0088】
GRINSTED LA410及びMCC/アルギン酸ナトリウムを乾燥ブレンドし、次に7分間高せん断混合を使用して水中に分散した。サンプルを次に撹拌しつつ90℃に加熱した。COLFLO 67澱粉、砂糖及びソルビン酸カリウムの乾燥ブレンドを撹拌しつつ添加した。10分間加熱して澱粉が分散したことを確かめた後、ラズベリー濃縮物を添加し、サンプルを再加熱し、そして87−90℃に10分間保持した。ブリックスを屈折計を使用して測定した。乳酸カルシウム及びクエン酸溶液を順次添加した。フルーツフィリングをジャーに注いだ。熱粘度を、1分後Brookfield RTV No.4スピンドル、10rpmを使用して測定した。サンプルを室温に冷却し、ゲル強さ及びベーキング安定性をテストする前に冷凍した。
【0089】
本願発明は以下の付記のようにも表記され得る。
(付記1)
(a)少なくとも70重量%の微結晶質セルロース及び(b)ヒドロコロイドからなる組成物であって、約10ミクロンより小さい平均粒子径をもつことを特徴とする組成物。
(付記2)
(i)ヒドロコロイドがカラギーナンであるとき、粒子の少なくとも約50%が約3.5ミクロンより小さい粒子径を有し、
(ii)ヒドロコロイドがカラギーナン以外のヒドロコロイドであるとき、粒子の少なくとも約30%が約3.5ミクロンより小さい粒子径を有し、そして
(iii)ヒドロコロイドがカラギーナンと他のヒドロコロイドとの組み合わせであるとき、粒子の少なくとも約20%が約3.5ミクロンより小さい粒子径を有する
付記1の組成物。
(付記3)
組成物の全重量に基づいて0.18−3.5重量%のCa++含量を有する付記1の組成物。
(付記4)
ヒドロコロイドの量が、ヒドロコロイドと微結晶質セルロースとの全重量に基づいて15−30重量%に等しい付記1の組成物。
(付記5)
ヒドロコロイドがカラギーナンである付記1の組成物。
(付記6)
ヒドロコロイドがアルギネートである付記1の組成物。
(付記7)
微結晶質セルロースの量が、ヒドロコロイドと微結晶質セルロースとの全重量に基づいて70−85重量%に等しい付記1の組成物。
(付記8)
水溶性無機塩をさらに含む付記1の組成物。
(付記9)
無機塩の量が、組成物の全重量に基づいて少なくとも1重量%に等しい付記8の組成物。
(付記10)
無機塩が、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酒石酸カルシウム及びモノ燐酸カルシウムからなる群から選ばれる付記7の組成物。
(付記11)
無機塩が塩化カルシウムである付記7の組成物。
(付記12)
微結晶質セルロース及びヒドロコロイドがともに磨砕されている付記1の組成物。
(付記13)
微結晶質セルロース組成物を製造する方法であって、
(a)微結晶質セルロース、ヒドロコロイド及び抗スリップ剤の高固体混合物を形成し、
そして
(b)混合物を練合する
ことからなることを特徴とする方法。
(付記14)
微結晶質セルロースが、抗スリップ剤が添加される前にヒドロコロイドと混合される付記13の方法。
(付記15)
微結晶質セルロースが、ヒドロコロイドが添加される前に抗スリップ剤と混合される付記13の方法。
(付記16)
ヒドロコロイドが、カラギーナン及びアルギネートからなる群から選ばれる付記13の方法。
(付記17)
ヒドロコロイドがカラギーナンである付記13の方法。
(付記18)
ヒドロコロイドがアルギネートである付記13の方法。
(付記19)
抗スリップ剤が無機塩の水溶液である付記13の方法。
(付記20)
無機塩が2価の塩である付記19の方法。
(付記21)
2価の塩が塩化カルシウムである付記20の方法。
(付記22)
無機塩の量が、混合物中の固体の全重量に基づいて約0.8−約3.0重量%に等しい付記19の方法。
(付記23)
抗スリップ剤が無機塩である付記17の方法。
(付記24)
無機塩の量が、混合物中の固体の全重量に基づいて1.0−3.0重量%に等しい付記23の方法。
(付記25)
抗スリップ剤が無機塩である付記18の方法。
(付記26)
無機塩の量が、混合物中の固体の全重量に基づいて0.8−2.0重量%に等しい付記25の方法。
(付記27)
付記1の組成物を含むことを特徴とする食品。
(付記28)
付記1の組成物を含むことを特徴とする製薬組成物。
(付記29)
付記1の組成物を含むことを特徴とする化粧品組成物。
(付記30)
付記1の組成物を含むことを特徴とする製薬投与形。
(付記31)
付記1の組成物を含むことを特徴とする工業用組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも70重量%の微結晶質セルロース及び(b)ヒドロコロイドからなる組成物であって、約10ミクロンより小さい平均粒子径をもつことを特徴とする組成物。

【公開番号】特開2011−46962(P2011−46962A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252690(P2010−252690)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【分割の表示】特願2004−504975(P2004−504975)の分割
【原出願日】平成15年5月14日(2003.5.14)
【出願人】(391022452)エフ エム シー コーポレーション (74)
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
【Fターム(参考)】