情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体
【課題】より直感的に簡単に操作可能であり、かつ、セキュリティ性の高い装置間のデータの共有を実現する。
【解決手段】主表示部13aが配置されている表示面側とは反対側に他の携帯電話機1があることを検出する上端末状態判定部41と、上端末状態判定部41が他の携帯電話機1を検出すると、他の携帯電話機1が記憶する通常コンテンツおよび制限コンテンツをそれぞれ示す通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得するコンテンツ取得部43と、主表示部13aの表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、他の携帯電話機1に対応する第2表示領域とを設定し、コンテンツ取得部43の取得した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報に基づいて、制限コンテンツには認証表示情報を付加して、他の携帯電話機1が記憶する通常コンテンツおよび制限コンテンツを第2表示領域に表示する表示制御部32とを備える。
【解決手段】主表示部13aが配置されている表示面側とは反対側に他の携帯電話機1があることを検出する上端末状態判定部41と、上端末状態判定部41が他の携帯電話機1を検出すると、他の携帯電話機1が記憶する通常コンテンツおよび制限コンテンツをそれぞれ示す通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得するコンテンツ取得部43と、主表示部13aの表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、他の携帯電話機1に対応する第2表示領域とを設定し、コンテンツ取得部43の取得した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報に基づいて、制限コンテンツには認証表示情報を付加して、他の携帯電話機1が記憶する通常コンテンツおよび制限コンテンツを第2表示領域に表示する表示制御部32とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自装置が記憶する情報および他装置が記憶する情報を処理する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯情報端末には、高性能の演算処理装置や大容量の記憶装置、写真や動画を撮影可能なカメラ等が搭載されており、携帯情報端末が扱うコンテンツ(連絡先情報、テキスト、画像、動画、音楽情報等)の種類やデータ量が増えてきている。そのため、ユーザは、多種多量の各種コンテンツを携帯情報端末に保有しており、ユーザ同士でそれぞれが保有するコンテンツを交換することが行われている。
【0003】
ここで、ユーザがコンテンツを装置間で交換する際に、簡単な操作で装置間のデータの送受信が実行できることが望まれている。従来、装置間でデータの送受信を行うシステムとして、例えば、次のような技術がある。
【0004】
特許文献1には、IDタグリーダを備える端末装置であって、ユーザが保持するIDタグを検出し、検出したユーザの端末装置に、IDタグ検出期間中に操作されたデータを送信する端末装置が記載されている。
【0005】
特許文献2には、受光素子を備える表示部を搭載した携帯電話機であって、複数の携帯電話機の表示部を対向させて、光通信によりデータを送受信する携帯電話機が記載されている。
【0006】
特許文献3には、側面にセンサを備える携帯電話機であって、複数の携帯電話機の側面を接触させた状態で、それぞれの携帯電話機が記憶するコンテンツを、それぞれの携帯電話機で各種処理を行う技術が記載されている。
【0007】
また、技術水準を示す文献として特許文献4および5を例示する。
【0008】
特許文献4には、他の通信端末と画像およびメッセージを送受信して、画像を表示する通信端末を複数含む通信システムにおいて、通信端末間の距離が近い場合、ユーザの撮影画像を通信端末に表示し、通信端末間の距離が遠い場合、ユーザのアバタ画像を通信端末に表示する技術が記載されている。
【0009】
特許文献5には、他の機器の位置を検出する位置検出部と表示部とを備える機器を複数含む表示システムにおいて、1つの表示部より大きなサイズの表示データを、各機器の位置関係に基づいて、各機器の表示部で連続的に表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−276560号公報(2008年11月13日公開)
【特許文献2】特開2004−336203号公報(2004年11月25日公開)
【特許文献3】特開2010−108212号公報(2010年5月13日公開)
【特許文献4】特開2008−270913号公報(2008年11月6日公開)
【特許文献5】特開2007−225803号公報(2007年9月6日公開)
【特許文献6】特開2003−280781号公報(2003年10月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、本発明者のチームは、上述のような従来技術と比較して、装置間のデータの共有を、ユーザがより直感的に、より簡単に操作可能な情報処理システムを実現するに至った。
【0012】
具体的には、上記情報処理システムは、携帯電話機等の情報処理装置を2台重ねることにより、各情報処理装置が記憶するデータを互いに送受信可能な状態にし、上側の情報処理装置の表示部に、各情報処理装置が記憶するデータを、情報処理装置毎に異なる領域に表示するものである。また、上記情報処理システムは、情報処理装置が2台重なっている状態において、上側と下側との情報処理装置間におけるデータの送受信を、上側の情報処理装置に対するユーザ操作に基づいて実行可能にするものである。
【0013】
これにより、情報処理装置のユーザは、自装置を他の情報処理装置に重ねるという直感的かつ簡単な操作で、他のユーザが所持するデータを知ることができる。さらに、自分が所持するデータと他のユーザが所持するデータを、簡単な操作で、互いに授受することができる。
【0014】
しかしながら、上記情報処理システムでは、情報処理装置を2台重ねるだけで、誰もが簡単に相手のデータを認識したり、取得したりすることができるため、情報の安全性という点では不十分である。例えば、特定のユーザにのみ公開してもよいデータを保持していたとしても、情報処理装置を重ねた相手に対してその制限をかけることができない。また、上記情報処理システムでは、情報処理装置を重ねた時点で相手と共有するか否かをユーザが決定すること等ができない。
【0015】
また、上述のように、上記情報処理システムは、本発明者のチームが発明した新規なものであり、例えば、特許文献6に記載のような従来技術をそのまま適用することができない。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがより直感的により簡単に操作可能であり、かつ、セキュリティ性の高い装置間のデータの共有を実行する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る情報処理装置は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置であって、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出手段と、上記背面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得手段と、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御手段とを備えることを特徴としている。
【0018】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出ステップと、上記背面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得ステップと、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、上記背面側装置検出手段が上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出すると、上記コンテンツ識別情報取得手段は、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得する。そして、上記表示制御手段は、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する。
【0020】
そのため、上記表示制御手段は、上記背面側装置検出手段が自装置の背面側に他の情報処理装置があることを検出すると、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツと、制限コンテンツとを区別して上記第2表示領域に表示することができる。すなわち、上記表示制御手段は、ユーザに対して、上記他の情報処理装置が記憶するコンテンツであって、操作が制限されていないコンテンツと、操作が制限されているコンテンツとを通知することができる。
【0021】
従って、ユーザは、他のユーザの保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを知ることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明に係る情報処理装置は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力手段と、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されると、上記他の情報処理装置がユーザを認証するための認証データを取得する認証データ取得手段と、上記認証データ取得手段が取得した認証データを上記他の情報処理装置に送信する認証データ送信手段とをさらに備えることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されると、上記認証データ取得手段が上記他の情報処理装置がユーザを認証するための認証データを取得し、上記認証データ送信手段が上記認証データ取得手段の取得した認証データを上記他の情報処理装置に送信する。
【0024】
そのため、ユーザは、上記情報処理装置を操作して認証データを入力することにより、上記他の情報処理装置に対して、当該他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証に使用する認証データを取得させることができる。すなわち、ユーザは、上記他の情報処理装置を操作することなく、上記他の情報処理装置に認証を実行させることができる。
【0025】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されたとき、さらにユーザによって入力される操作入力に基づいて、認証データを取得することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれは、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されたとき、さらにユーザによって入力される操作入力に基づいて、認証データを取得する。そのため、上記情報処理装置は、上記操作用表示情報に対する操作入力とは別に、ユーザに対して認証データを入力させる。
【0027】
よって、ユーザは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作を行った後、当該操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証に使用する認証データを入力する操作を行うことができる。従って、ユーザが意図して認証データを入力することができ、正確な認証データを入力することができる。
【0028】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力に基づいて、認証データを生成することが好ましい。
【0029】
上記の構成によれは、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力に基づいて、認証データを生成する。そのため、ユーザは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作を行うだけで、上記他の情報処理装置に認証を実行させることができる。従って、ユーザは、制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証を簡単に実行させることができる。
【0030】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を受信する制限解除情報受信手段をさらに備え、上記表示制御手段は、上記制限解除情報受信手段が上記制限解除情報を受信すると、上記制限コンテンツを特定する操作用表示情報に付加されていた認証表示情報を除いて、当該操作用表示情報を表示することが好ましい。
【0031】
上記の構成によれは、上記表示制御手段は、上記制限解除情報受信手段が上記制限解除情報を受信すると、上記制限コンテンツを特定する操作用表示情報に付加されていた認証表示情報を除いて、当該操作用表示情報を表示する。そのため、上記表示制御手段は、ユーザに対して、制限コンテンツの操作の制限が解除されたことを通知することができる。
【0032】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの実体データを受信するコンテンツ受信手段と、上記コンテンツ受信手段が受信した上記制限コンテンツの実体データに対して、上記入力手段に入力された操作入力が示す処理を行うコンテンツ処理手段とをさらに備えることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれは、上記コンテンツ受信手段が、上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの実体データを受信し、上記コンテンツ処理手段が上記コンテンツ受信手段の受信した上記制限コンテンツの実体データに対して、上記入力手段に入力された操作入力が示す処理を行う。
【0034】
そのため、ユーザは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作を行うだけで、当該操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除して、上記情報処理装置に対して当該制限コンテンツに所定の処理を実行させることができる。
【0035】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置であって、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出手段と、上記表面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信手段とを備えることを特徴としている。
【0036】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出ステップと、上記表面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信ステップとを含むことを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれは、上記表面側装置検出手段が上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出すると、上記コンテンツ識別情報送信手段は、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信する。
【0038】
そのため、ユーザは、上記情報処理装置の表示面側に上記他の情報処理装置を置くことによって、上記情報処理装置が記憶するコンテンツを、操作が制限されているコンテンツと操作が制限されていないコンテンツとを区別して、上記他の情報処理装置に通知することができる。すなわち、ユーザは、上記情報処理装置の上に上記他の情報処理装置を重ねることによって、上記他の情報処理装置に上記情報処理装置の記憶する通常コンテンツと制限コンテンツとを区別して通知することができる。
【0039】
従って、上記情報処理装置のユーザは、保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを上記他の情報処理装置のユーザに知らせることができるという効果を奏する。
【0040】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記他の情報処理装置から、ユーザを認証するための認証データを受信すると、予め定められた認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定し、認証データが一致した場合、所定の処理を実行する認証手段をさらに備えることが好ましい。
【0041】
上記の構成によれは、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、ユーザを認証するための認証データを受信すると、予め定められた認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定し、認証データが一致した場合、所定の処理を実行する。
【0042】
そのため、ユーザは、上記他の情報処理装置を操作して認証データを入力することにより、上記情報処理装置に対して、当該情報処理装置が記憶する制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証を実行させることができる。すなわち、ユーザは、上記情報処理装置を操作することなく、上記情報処理装置に認証を実行させることができる。
【0043】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することが好ましい。
【0044】
上記の構成によれは、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信する。そのため、上記認証手段は、認証が完了し、操作の制限が解除された制限コンテンツを上記他の情報処理装置に通知することができる。
【0045】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記他の情報処理装置に自装置が記憶するコンテンツの実体データを送信するコンテンツ送信手段をさらに備え、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信するように上記コンテンツ送信手段に指示することが好ましい。
【0046】
上記の構成によれは、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信するように上記コンテンツ送信手段に指示する。そのため、上記コンテンツ送信手段は、上記認証手段の認証が完了すると、操作の制限が解除された制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信することができる。
【0047】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツ、および、当該制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することが好ましい。
【0048】
上記の構成によれは、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツ、および、当該制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信する。
【0049】
そのため、ユーザは、上記情報処理装置が記憶する制限コンテンツの操作の制限を解除する操作を行うだけで、上記制限コンテンツとは異なる上記情報処理装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限も解除することができる。
【0050】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することが好ましい。
【0051】
上記の構成によれは、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶する。そのため、上記認証手段は、記憶している制限解除管理情報を確認することによって、操作の制限を解除した制限コンテンツを特定することができる。よって、上記認証手段は、認証データが一致するか否かを判定する代わりに、制限解除管理情報を確認することによって、上記所定の処理を実行することができる。
【0052】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することが好ましい。
【0053】
上記の構成によれは、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶する。そのため、上記認証手段は、記憶している制限解除管理情報を確認することによって、認証を行った制限コンテンツだけではなく、他の制限コンテンツに関して操作の制限が解除されているか否かを特定することができる。
【0054】
なお、上記情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報処理装置の各手段として動作させることにより、上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0055】
以上のように、本発明に係る情報処理装置は、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出手段と、上記背面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得手段と、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御手段とを備えている構成である。
【0056】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出ステップと、上記背面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得ステップと、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御ステップとを含む。
【0057】
従って、ユーザは、他のユーザの保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを知ることができるという効果を奏する。
【0058】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出手段と、上記表面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信手段とを備えている構成である。
【0059】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出ステップと、上記表面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信ステップとを含む。
【0060】
従って、上記情報処理装置のユーザは、保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを上記他の情報処理装置のユーザに知らせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図3】上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図4】上記携帯電話機の記憶部に格納されているコンテンツのメタデータであるコンテンツ情報の一例を示す図であり、(a)は上側の携帯電話機の記憶部に格納されているコンテンツのメタデータであるコンテンツ情報の一例を示す図であり、(b)は下側の携帯電話機の記憶部に格納されているコンテンツのメタデータであるコンテンツ情報の一例を示す図である。
【図5】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】上記上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末の制限解除処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】上記上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ送受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】上記上端末のコンテンツ送受信処理に含まれる上端末における下端末へのコンテンツ送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】重層状態における上側の上記携帯電話機の主表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図15】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図16】上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図17】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図19】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図20】上記携帯電話機が2台重なっている状態に移行する様子を示す図であり、(a)は上記携帯電話機が2台重なる前の状態における側面視の外観を示す図であり、(b)は上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図21】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理並びに上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第4の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図23】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図24】上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図25】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理並びに上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理並びに上端末および下端末の通信接続確立処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図27】上記携帯電話機の筐体の概略構造の一例を示す側面視の断面図である。
【図28】上記携帯電話機の筐体の概略構造の他の一例を示す側面視の断面図である。
【図29】重層状態にある2台の上記携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図であり、(a)は図23に示す携帯電話機が重層状態にある場合を示し、(b)は図24に示す携帯電話機が重層状態にある場合を示す。
【図30】重層状態にある2台の上記携帯電話機の筐体の概略構造のさらに別の一例を示す側面視の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
<本発明の概要>
本発明の前提となる上記情報処理システムは、携帯電話機等の情報処理装置を2台重ねることにより、各情報処理装置が記憶するコンテンツを互いに送受信可能な状態にし、上側の情報処理装置の表示部に、各情報処理装置が記憶するコンテンツを、情報処理装置毎に異なる領域に表示するものである。また、上記情報処理システムは、情報処理装置が2台重なっている状態において、上側と下側との情報処理装置間におけるコンテンツの送受信を、上側の情報処理装置に対するユーザ操作に基づいて実行可能にするものである。
【0063】
本発明の情報処理システムは、情報処理装置を2台重ねた状態で上側の情報処理装置の表示部に表示されている各情報処理装置が記憶するコンテンツを、操作が制限されていないコンテンツと、操作が制限されているコンテンツとを区別して表示するものである。また、本発明の情報処理システムは、ユーザによって操作が制限されているコンテンツを送受信する指示が入力された場合、制限を解除するための認証を行い、認証が完了してから当該コンテンツの送受信処理を実行するものである。
【0064】
以下では、情報処理装置として携帯電話機を例示し、本発明について各実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本発明では、基本的に、携帯電話機が所定のアプリを起動中に、2台の携帯電話機が重なっていることを検出して、上側の携帯電話機が各携帯電話機の記憶するコンテンツを表示したり、コンテンツの送受信を行ったりするものとする。以下では、このアプリを「載せる通信アプリ」と称する。
【0065】
また、載せる通信アプリ実行時に、情報処理装置が他の情報処理装置と送受信を可能にするコンテンツは、上記情報処理装置が記憶するコンテンツの全てでもよいし、その一部のコンテンツであってもよい。例えば、ユーザが情報処理装置に格納されているコンテンツのうち、他の情報処理装置との送受信を可能にするコンテンツを予め設定しておいてもよい。以下では、情報処理装置が記憶するコンテンツであって、載せる通信アプリ実行時に、他の情報処理装置との送受信を可能にするコンテンツを共有コンテンツと称する。
【0066】
また、情報処理装置が記憶する共有コンテンツであって、操作が制限されていない共有コンテンツを通常コンテンツと称し、情報処理装置が記憶する共有コンテンツであって、操作が制限されている共有コンテンツを制限コンテンツと称する。
【0067】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について図1から図13に基づいて説明すると以下の通りである。第1の実施形態では、図2に示すように、携帯電話機1が、正面側(表示面側)に主表示部(表示部)13aとしてタッチパネルの光センサ液晶を搭載し、背面側に副表示部13bとして光センサ液晶を搭載しているものとする。
【0068】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、副表示部13bが他の携帯電話機の主表示部13aから照射される光を検出することにより、携帯電話機1が背面側にある他の携帯電話機とが重なっている状態であると判定している。そのため、図3に示すように、携帯電話機1Aの副表示部13bは、携帯電話機1Aと他の携帯電話機1Bとが重なっている状態において、他の携帯電話機1Bの主表示部13aと対向する位置に配置されていればよく、図2に示す配置およびその大きさに限るものではない。すなわち、主表示部13aおよび副表示部13bの大きさ、並びに、携帯電話機1の正面側における主表示部13aの配置および携帯電話機1の背面側における副表示部13bの配置は、適宜設計すればよい。
【0069】
また、本実施形態では、主表示部13aの光センサ17aが携帯電話機1aの正面側の物体の影を検出することにより、携帯電話機1aが正面側にある他の携帯電話機1aと重なっている状態であると判定している。そのため、光センサ17aは、携帯電話機1aの正面側に物体があるかどうかを検出できればよく、光センサ17a(主表示部13a)の配置、大きさ等は適宜設計すればよい。
【0070】
なお、以下では、2台の携帯電話機1が重なっている状態において、上側にある携帯電話機1を携帯電話機1Aと称し、下側にある携帯電話機1を携帯電話機1Bと称し、上側、下側を特に区別しない場合は、携帯電話機1と総称する。
【0071】
すなわち、本発明における情報処理システムは、上側にある携帯電話機1Aと下側にある携帯電話機1Bとを含むものである。
【0072】
〔携帯電話機の構成〕
図1は、携帯電話機1の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、携帯電話機1は、制御部11、記憶部12、主表示部13a、副表示部13b、近距離無線通信部14、電話網通信部15、操作部(入力手段)16a、音声入力部(入力手段)23および音声出力部24を備えている。
【0073】
なお、以下では、携帯電話機1Aの部材と携帯電話機1Bの部材とを区別する場合、部材番号の後に「A」または「B」を付記する。例えば、制御部11Aとは、携帯電話機1Aの制御部11を示し、主表示部13aBとは、携帯電話機1Bの主表示部13aを示す。
【0074】
主表示部13aおよび副表示部13bは、上述のように、光センサ液晶で構成されている。光センサ液晶とは、液晶パネルのトランジスタ形状面に光センサを内蔵し、液晶表面での指のマルチタッチ(多点検出)やペンの動き、形状を認識するものである。すなわち、主表示部13aおよび副表示部13bは、それぞれ光センサ(入力手段)17aおよび光センサ17bを備え、表示部としての画像表示機能に加え、光を検出する機能を備える。
【0075】
本発明では、光センサ17aおよび光センサ17bは、ユーザの入力操作を受け付ける操作部として機能すると共に、他の携帯電話機1を検出するものとして機能する。
【0076】
近距離無線通信部14は、無線通信手段によって、他の装置(例えば、他の携帯電話機1等)と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。本実施形態では、近距離無線通信部14は、Bluetooth(登録商標)によって無線通信を行うものとするが、これに限るものではない。近距離無線通信部14は、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IrDA、IrSimple等の無線通信技術を用いて通信を行ってもよい。
【0077】
電話網通信部15は、携帯電話網を介して、他の装置と通信を行い、制御部11の指示に従って、音声データや通信データのやりとりを行うものである。
【0078】
操作部16aは、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであり、ユーザが携帯電話機1に指示信号を入力し、携帯電話機1を操作するためのものである。
【0079】
音声入力部23は、携帯電話機1の周囲の音を集音して、集音した音を電気信号に変換して制御部11に出力するものである。音声入力部23は、いわゆるマイクである。
【0080】
音声出力部24は、制御部11から電気信号を受信し、受信した電気信号を音に変換し、携帯電話機1の外部に音を出力するものである。音声出力部24は、いわゆるスピーカである。
【0081】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0082】
制御部11は、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1と重なると、他の携帯電話機1からデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1が記憶するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0083】
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、重層状態判定部31、表示制御部(表示制御手段)32、入力操作特定部33、通信接続制御部34、コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)35および認証部(認証データ取得手段、認証データ送信手段、制限解除情報受信手段、認証手段)36を備える構成である。これらの制御部11の各機能ブロック(31〜36)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0084】
重層状態判定部31は、携帯電話機1が他の携帯電話機1と重なっている状態であるか否かを判定するものである。以下では、携帯電話機1が他の携帯電話機1と重なっている状態を重層状態と称する。具体的には、図3に示すように、携帯電話機1Aと携帯電話機1Bとが重なっている状態を重層状態とする。重層状態判定部31は、上端末状態判定部(背面側装置検出手段)41および下端末状態判定部(表面側装置検出手段)42を備える。
【0085】
上端末状態判定部41は、自装置が他の携帯電話機1の上側にある上端末A(携帯電話機1A)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41は、自装置の背面側に他の携帯電話機1があるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41は、副表示部13bの光センサ17bが主表示部13aから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定し、光センサ17bが主表示部13aから照射される所定の光を検出した場合に、自装置を上端末Aであると判定する。より具体的には、上端末状態判定部41は、副表示部13bの光センサ17bが所定の周波数の光を所定の受光間隔で検出したか否かを判定する。
【0086】
上端末状態判定部41は、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0087】
下端末状態判定部42は、自装置が他の携帯電話機1の下側にある下端末B(携帯電話機1B)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42は、自装置の正面側に他の携帯電話機1があるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42は、主表示部13aの光センサ17aが影を検出したか否かを判定し、光センサ17aが影で検出した場合に、自装置を下端末Bであると判定する。
【0088】
下端末状態判定部42は、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を表示制御部32に通知し、表示制御部32に対して、主表示部13aから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させるように指示する。また、下端末状態判定部42は、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0089】
なお、上端末状態判定部41は、上端末Aであるか否かを判定するために、光センサ17bが主表示部13aから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定するものである。すなわち、上端末状態判定部41は、副表示部13bが携帯電話機1Bの主表示部13aと対向しているかを判定するものであり、主表示部13aから照射する光(光センサ17bで検出する光)は任意でよく、予め適宜設定すればよい。
【0090】
入力操作特定部33は、操作部16a、光センサ17a、光センサ17bおよび音声入力部23からユーザの入力操作信号を取得し、取得した入力操作信号がどのような入力操作であるかを特定するものである。入力操作特定部33は、特定した入力操作の内容に応じて、その入力操作の内容を表示制御部32、コンテンツ処理部35または認証部36に通知する。入力操作特定部33は、例えば、ユーザの入力操作の内容が載せる通信アプリの起動もしくは終了であることを特定したり、コンテンツの移動もしくは複製であることを特定したりする。
【0091】
具体的には、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。そして、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、例えば、第1表示領域または第2表示領域に表示されている認証表示情報(認証アイコン)をタッチする操作指示を取得すると、その旨を認証部36Aに通知する。また、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、例えば、第1表示領域または第2表示領域に表示されている認証表示情報が付加されていない操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作指示を取得すると、その旨をコンテンツ処理部35Aに通知する。また、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、例えば、第1表示領域または第2表示領域に表示されている認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作指示を取得すると、その旨をコンテンツ処理部35Aおよび認証部36Aに通知する。
【0092】
また、入力操作特定部33は、後述の認証データ入力画面が表示されている時に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから所定のデータが入力されると、取得したデータを認証部36Aに出力する。
【0093】
通信接続制御部34は、近距離無線通信部14と他の携帯電話機1の近距離無線通信部との通信接続を確立するものである。通信接続制御部34は、上端末状態判定部41から自装置が上端末Aである通知を受信すると、近距離無線通信部14を介して、通信開始信号を携帯電話機1Bに送信する。次に、通信接続制御部34は、携帯電話機1Bから端末IDを受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1Bに自装置の端末IDを送信する。
【0094】
また、通信接続制御部34は、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bである通知を受信すると、近距離無線通信部14に対して、通信接続の待ち受けを開始するように指示する。次に、通信接続制御部34は、携帯電話機1Aから通信開始信号を受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1Aに自装置の端末IDを送信する。
【0095】
なお、端末IDとは、通信接続の際に相手先を特定するための装置を識別するための情報であって、例えば、アドレス等である。
【0096】
コンテンツ処理部35は、自装置が保持するコンテンツを処理するものであり、例えば、コンテンツの移動や複製、コンテンツの再生、コンテンツの削除等を行うものである。また、コンテンツ処理部35は、取得したコンテンツを記憶部12に格納する。また、コンテンツ処理部35は、他の携帯電話機1と重層状態になっている場合、他の携帯電話機が保持するコンテンツを処理するものである。
【0097】
コンテンツ処理部35は、コンテンツ取得部(コンテンツ識別情報取得手段、コンテンツ受信手段)43およびコンテンツ送信部(コンテンツ識別情報送信手段、コンテンツ送信手段)44を備える。
【0098】
コンテンツ取得部43は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1から、他の携帯電話機1が保持するコンテンツを示すコンテンツ識別情報を取得するものである。ここで、コンテンツ識別情報とは、携帯電話機1が保持するコンテンツを一意に特定する情報であり、例えば、コンテンツIDまたはコンテンツのファイル名等である。
【0099】
具体的には、重層状態における上端末Aのコンテンツ取得部43Aは、通信接続確立後、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに対して、携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツのコンテンツ識別情報を要求する共有コンテンツ要求指示を送信する。そして、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから、携帯電話機1Bが保持する通常コンテンツのコンテンツ識別情報と、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツのコンテンツ識別情報および操作が制限されている制限コンテンツであることを示す制限識別子とを受信する。
【0100】
ここで、以下では、通常コンテンツのコンテンツ識別情報を通常コンテンツ識別情報と称し、制限コンテンツのコンテンツ識別情報と、制限識別子とを含む情報を制限コンテンツ識別情報と称する。換言すると、制限コンテンツ識別情報は、操作が制限されている制限コンテンツを示す情報である。また、通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を含む情報を共有コンテンツ識別情報と称する。
【0101】
すなわち、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから、携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を受信する。そして、コンテンツ取得部43Aは、受信した携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。
【0102】
また、コンテンツ取得部43Aは、通信接続確立後、記憶部12Aから自装置(携帯電話機1A)の通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを読み出し、読み出した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。
【0103】
また、コンテンツ取得部43は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1から、他の携帯電話機1が保持するコンテンツの実体データを取得するものである。
【0104】
具体的には、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている操作用表示情報を第1表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツの実体データの送信を要求するコンテンツ実体データ要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する。
【0105】
コンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の送信後、その応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0106】
コンテンツ送信部44は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1に対して、自装置が保持するコンテンツを示すコンテンツ識別情報を送信するものである。
【0107】
具体的には、重層状態における下端末Bのコンテンツ送信部44Bは、通信接続確立後携帯電話機1Aから共有コンテンツ要求指示を受信すると、記憶部12Bから自装置(携帯電話機1B)の共有コンテンツのコンテンツ識別情報を読み出し、当該共有コンテンツのうち、制限コンテンツのコンテンツ識別情報に制限識別子を付加して、通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を、近距離無線通信部14Bを介して携帯電話機1Aに送信する。
【0108】
なお、コンテンツ送信部44は、記憶部12から共有コンテンツ識別情報だけではなく、コンテンツのサムネイル画像、コンテンツのコンテンツ種別情報、コンテンツのサイズ情報、コンテンツの作成日時情報等のコンテンツの付属情報を読み出し、共有コンテンツ識別情報およびコンテンツ付属情報を他の携帯電話機1に送信してもよい。
【0109】
また、コンテンツ送信部44は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1に対して、自装置が保持するコンテンツの実体データを送信するものである。
【0110】
具体的には、携帯電話機1Bのコンテンツ送信部44Bは、携帯電話機1Aからコンテンツ実体データ要求指示を受信すると、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツであるか制限コンテンツであるかを特定する。
【0111】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツである場合、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(通常コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0112】
一方、コンテンツ送信部44Bは、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが制限コンテンツである場合、記憶部12Bに格納されているコンテンツ情報を参照して、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグ(制限解除管理情報)が立っているか否かを確認する。
【0113】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っている場合、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0114】
一方、コンテンツ送信部44Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていない場合、その旨を認証部36Bに通知する。そして、コンテンツ送信部44Bは、認証部36Bから制限コンテンツの操作の制限を解除したことを通知されると、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0115】
表示制御部32は、下端末状態判定部42や入力操作特定部33等の指示に基づいて、主表示部13aおよび副表示部13bに画像を表示するものである。
【0116】
具体的には、表示制御部32は、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bであることを示す通知を受信すると、主表示部13aから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させる。
【0117】
また、重層状態における上端末Aの表示制御部32Aは、通信接続確立後、主表示部13aの表示領域に、自装置に対応する第1表示領域WAと、他の携帯電話機1に対応する第2表示領域WBとを設定する。
【0118】
そして、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Aの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第1表示領域WAに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する。
【0119】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第2表示領域WBに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する。
【0120】
換言すると、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから取得したコンテンツ識別情報に制限識別子が付加されていれば、操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示し、一方、コンテンツ取得部43Aから取得したコンテンツ識別情報に制限識別子が付加されていなければ、操作用表示情報のみを表示する。
【0121】
ここで、操作用表示情報とは、ユーザがコンテンツを特定できるような情報であれば良く、例えば、コンテンツのファイル名、アイコン、サムネイル等である。また、認証表示情報とは、当該認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定されるコンテンツの操作が制限されていることを示す情報である。認証表示情報は、例えば、操作が制限されていることを示す文字情報やアイコン等である。
【0122】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ識別情報のみを取得した場合、操作用表示情報としてコンテンツ識別情報を使用し、表示部にコンテンツIDまたはコンテンツのファイル名等を表示してもよい。また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ識別情報およびコンテンツ付属情報を取得した場合、操作用表示情報としてコンテンツ付属情報を使用し、コンテンツをコンテンツの種別を示すアイコンやサムネイル等で表示してもよい。
【0123】
また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示する。
【0124】
また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示を受けて、指示された操作用表示情報から認証表示情報を除去して、主表示部13aAに当該操作用表示情報を表示する。
【0125】
また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証ができなかったことを示す認証エラー画面を表示する。また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、指示された操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する。
【0126】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aまたはコンテンツ送信部44Aから指示を受けて、指示された共有コンテンツを特定する操作用表示情報を第1表示領域または第2表示領域に追加して表示する。
【0127】
認証部36は、操作が制限されているコンテンツの操作の制限を解除するための認証を実行するものである。
【0128】
具体的には、携帯電話機1Aの認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証開始を要求する認証開始要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する。ここで、認証開始要求指示は、認証によって制限を解除する制限コンテンツのコンテンツ識別情報を含む。
【0129】
また、認証部36Aは、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して、受信した認証データ要求指示に基づいて、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。認証部36Aは、入力操作特定部33Aから認証データを取得すると、取得した認証データを、受信した認証データ要求指示に対する応答として、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する。
【0130】
また、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して認証データ入力画面を表示するように指示した後、所定時間以内に認証データを取得できない場合、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。
【0131】
また、認証部36Aは、認証開始要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから、認証開始要求指示が含むコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限が解除されたことを示す制限解除通知を受信すると、操作対象の認証表示情報を除去して、操作の制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示するように表示制御部32Aに指示する。すなわち、制限解除通知には、操作の制限を解除した制限コンテンツを示すコンテンツ識別情報が含まれる。
【0132】
また、認証部36Aは、制限解除通知を受信せず、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を受信した場合、表示制御部32Aに対して、受信した認証エラー通知に基づいて認証エラー画面を表示するように指示する。
【0133】
なお、認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、上記操作指示に基づいて、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証データを生成し、生成した認証データおよび認証開始要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信してもよい。
【0134】
携帯電話機1Bの認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証開始要求指示を受信すると、受信した認証開始要求指示に対する応答として、認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0135】
また、認証部36Bは、認証データ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Aから認証データを受信すると、記憶部12Bから、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する。
【0136】
認証部36Bは、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除し、その旨を示す制限解除通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。また、認証部36Bは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのメタデータであるコンテンツ情報を更新する。
【0137】
また、認証部36Bは、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致しない場合、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0138】
また、認証部36Bは、コンテンツ送信部44Bからコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていないことを通知されると、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0139】
なお、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証開始要求指示および認証データを受信すると、記憶部12Bから、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する。
【0140】
そして、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証データを受信すると、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する。読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合、認証部36Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除して、当該制限コンテンツの操作の制限を解除したことをコンテンツ送信部44Bに通知する。
【0141】
また、認証部36Bは、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除すると共に、当該制限コンテンツとは異なる自装置が保持する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除してもよい。ここで、上記他の制限コンテンツは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が保持する1つまたは複数の制限コンテンツであってもよいし、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が保持するその他全ての制限コンテンツであってもよい。
【0142】
この場合、認証部36Bは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツおよび当該制限コンテンツとは異なる自装置が保持する他の制限コンテンツの操作の制限を解除したことを示す制限解除通知を携帯電話機1Aに送信する。また、認証部36Bは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツおよび当該制限コンテンツとは異なる自装置が保持する他の制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている上記制限コンテンツおよび上記他の制限コンテンツのメタデータであるコンテンツ情報を更新する。
【0143】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものであり、例えば、コンテンツ処理部35が他の携帯電話機と送受信する画像、動画、テキストデータ、htmlデータ、連絡先情報、アプリデータ等の各種コンテンツの実体データおよび当該コンテンツのメタデータであるコンテンツ情報を格納している。
【0144】
記憶部12に格納されているコンテンツ情報は、例えば、図4に示すような情報であってよい。図4は、携帯電話機1の記憶部12に格納されているコンテンツ情報の一例を示す図であって、図4(a)は、携帯電話機1Aの記憶部12に格納されているコンテンツ情報を示し、図4(b)は、携帯電話機1Bの記憶部12に格納されているコンテンツ情報を示す。
【0145】
図4に示すように、コンテンツ情報は、「コンテンツID」61、「コンテンツ名」62、「種類」63、「サイズ」64、「サムネイル」65、「作成日時」66、「共有設定」67、「制限の有無」68、「認証方法」69、「認証データ」70、「制限解除有効範囲」71および「制限解除フラグ」72がそれぞれ対応付けられている情報である。
【0146】
「コンテンツID」61は、コンテンツを一意に識別するための情報である。また、「コンテンツ名」62は、コンテンツの名称を示す情報である。
【0147】
「種類」63は、コンテンツの種類を示す情報である。また、「サイズ」64は、コンテンツのデータのサイズを示す情報である。また、「サムネイル」65は、コンテンツのサムネイル画像を示す情報である。「作成日時」66は、コンテンツが作成された日時を示す情報である。
【0148】
「共有設定」67は、コンテンツが載せる通信アプリ実行時に他の携帯電話機1と共有するコンテンツであるか否かを示す情報である。図示の例では、「共有設定」67が「○」の場合、通信アプリ実行時に他の携帯電話機1と共有する共有コンテンツを示し、「共有設定」67が「×」の場合、通信アプリ実行時に他の携帯電話機1と共有しないコンテンツを示す。
【0149】
「制限の有無」68は、コンテンツの操作が制限されているか否かを示す情報である。図示の例では、「制限の有無」68が「○」の場合、操作が制限されている制限コンテンツを示し、「制限の有無」68が「×」の場合、操作が制限されていない通常コンテンツを示す。
【0150】
「認証方法」69は、制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証方法を示す情報である。認証方法として、例えば、ユーザの音声を照合する方法、ユーザの指紋を照合する方法、ユーザが設定したパスワードを照合する方法、ユーザが設定した画像を照合する方法等がある。また、その他にも、ユーザが画面上の所定位置をタッチした順番を照合する方法や、ユーザが画面上に触れた軌跡を照合する方法等でもよい。
【0151】
「認証データ」70は、制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証に使用する認証データであって、ユーザが予め設定した認証データを示す情報である。
【0152】
「制限解除有効範囲」71は、制限コンテンツの操作の制限が解除されてから、制限が解除された制限解除状態が継続する範囲を示す情報である。制限解除状態が継続する範囲とは、例えば、制限が解除されてからの所定期間でもよいし、制限が解除された後のユーザの操作回数でもよいし、制限解除状態から操作が制限される制限状態に切り替わる条件であってもよい。制限解除状態から制限状態に切り替わる条件として、例えば、載せる通信アプリ終了時でもよいし、2端末が離れた(重層状態ではなくなった)時点でもよいし、2端末間の通信接続が切断された時点でもよい。
【0153】
「制限解除フラグ」72は、制限コンテンツの操作の制限が解除されている制限解除状態であるか、制限コンテンツの操作が制限されている制限状態であるかを示す情報である。図示の例では、「制限解除フラグ」72が「T」の場合、制限コンテンツが制限解除状態であることを示し、「制限解除フラグ」72が「F」の場合、制限コンテンツが制限状態であることを示す。
【0154】
なお、図4に示す例では、「制限の有無」68、「認証方法」69、「認証データ」70、「制限解除有効範囲」71および「制限解除フラグ」72は、それぞれ1つのコンテンツごとに設定されているがこれに限るものではない。例えば、複数のコンテンツごと、もしくは、携帯電話機単位で設定されていてもよい。
【0155】
〔載せる通信アプリ実行処理〕
次に、携帯電話機1における載せる通信アプリ実行処理について図5〜図12に基づいて説明する。図5は、携帯電話機1における載せる通信アプリ実行処理の一例を示すフローチャートである。
【0156】
図5に示すように、まず、制御部11は、ユーザの操作に基づいて、載せる通信アプリを起動する(S1)。起動後、重層状態判定部31が、携帯電話機1が他の携帯電話機1と重なっている重層状態であるか否かを判定し、自装置が上端末Aであるか下端末Bであるかを特定する(S2)。
【0157】
次に、上端末Aである携帯電話機1Aおよび下端末Bである携帯電話機1Bは、それぞれ、通信接続確立処理を実行し、互いの通信接続を確立する(S3A、S3B)。両者が通信接続確立後、両者は、コンテンツ表示処理を実行し、携帯電話機1Aは、主表示部13aAに携帯電話機1Aおよび1Bの保持する共有コンテンツを表示させる(S4A、S4B)。そして、両者は、携帯電話機1Aが受け付けたユーザの操作に基づいて、コンテンツ処理を実行し、共有コンテンツの移動、複製等を行う(S5A、S5B)。
【0158】
その後、両者は、それぞれ、2台の携帯電話機1が離されたか否かを判定する(S6A、S6B)。重層状態が維持されていれば(S6A、S6BでNO)、引き続き両者は、それぞれS5A、S5Bの処理を行い、一方、2台の携帯電話機1が重層状態でなければ(S6A、S6BでYES)、両者は、それぞれ載せる通信アプリを終了する(S7A、S7B)。
【0159】
〔載せる通信アプリ実行処理における各処理の詳細について〕
次に、図6〜図12に基づいて、図5におけるS2〜S5(重層状態判定処理、通信接続確立処理、コンテンツ表示処理およびコンテンツ処理)の処理について詳細に説明する。図6は、重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。図7は、上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。図8は、上端末および下端末のコンテンツ表示処理の一例を示すフローチャートである。図9は、上端末および下端末のコンテンツ処理の一例を示すフローチャートである。図10は、上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末の制限解除処理の一例を示すフローチャートである。図11は、上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ送受信処理の一例を示すフローチャートである。図12は、上端末のコンテンツ送受信処理に含まれる上端末における下端末へのコンテンツ送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0160】
また、最後に、S6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1が重層状態を維持しているか否かの判定処理について説明する。
【0161】
〔重層状態判定処理〕
まず、図6に基づいて、重層状態判定処理について詳細に説明する。図6に示すように、載せる通信アプリを起動後、携帯電話機1の下端末状態判定部42は、主表示部13aの光センサ17aが影を検出したか否かを判定する(S11)。
【0162】
光センサ17aが影を検出すると(S11でYES)、下端末状態判定部42は、自装置を下端末Bであると判定し(S12)、その旨を表示制御部32に通知する。表示制御部32Bは、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bであることを通知されると、主表示部13aBから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させる。つまり、表示制御部32Bは、主表示部13aBを点滅表示させる(S13)。
【0163】
一方、光センサ17aが影を検出しない場合(S11でNO)、上端末状態判定部41は、副表示部13bの光センサ17bが主表示部13aの点滅表示を検出したか否かを判定する(S14)。光センサ17bが点滅表示を検出すると(S14でYES)、上端末状態判定部41は、自装置を上端末Aであると判定する(S15)。光センサ17bが点滅表示を検出しない場合(S14でNO)、再度S11に戻る。
【0164】
なお、図5および図6の処理例では、載せる通信アプリを起動してから、重層状態判定処理を行っているが、これに限るものではない。例えば、光センサ17aが影を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、下端末状態判定部42が、自装置を下端末Bであると判定し、光センサ17bが点滅表示を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、上端末状態判定部41は、自装置を上端末Aであると判定してもよい。
【0165】
また、図示していないが、所定期間、光センサ17aが影を検出せず、かつ、光センサ17bが点滅表示を検出しない場合、主表示部13aにエラーを表示し、重層状態にするように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0166】
〔通信接続確立処理〕
次に、図7に基づいて、通信接続確立処理について詳細に説明する。図7に示すように、自装置を下端末Bであると判定した携帯電話機1Bの通信接続制御部34Bは、下端末状態判定部42Bから下端末Bであることを通知されると、近距離無線通信部14Bを起動して、通信接続の待ち受けを開始させる(S21)。
【0167】
一方、自装置を上端末Aであると判定した携帯電話機1Aの通信接続制御部34Aは、上端末状態判定部41Aから上端末Aであることを通知されると、近距離無線通信部14Aを介して、通信開始信号を携帯電話機1Bに送信する(S22)。
【0168】
携帯電話機1Aから通信開始信号を受信すると、通信接続制御部34Bは、自装置(携帯電話機1B)の端末IDを携帯電話機1Aに送信する(S23)。携帯電話機1Bから携帯電話機1Bの端末IDを受信すると、通信接続制御部34Aは、自装置(携帯電話機1A)の端末IDを携帯電話機1Bに送信する(S24)。
【0169】
通信接続制御部34Bは、携帯電話機1Aから端末IDを受信して、通信接続の確立を完了し、通信接続制御部34Aは、端末ID送信に対するレスポンスを受信して、通信接続の確立が完了したことを確認する。
【0170】
〔コンテンツ表示処理〕
次に、図8に基づいて、コンテンツ表示処理について詳細に説明する。図8に示すように、携帯電話機1Aでは、通信接続確立後、コンテンツ取得部43Aは、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに共有コンテンツ要求指示を送信する(S31)。
【0171】
一方、携帯電話機1Bでは、通信接続確立後、携帯電話機1Aから共有コンテンツ要求指示を受信すると、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから自装置(携帯電話機1B)の通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを読み出し、読み出した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を、近距離無線通信部14Bを介して携帯電話機1Aに送信する(S32)。
【0172】
また、コンテンツ取得部43Aは、通信接続確立後、記憶部12Aから自装置(携帯電話機1A)の通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを読み出し、読み出した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を受信すると、受信した携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。
【0173】
携帯電話機1Aでは、通信接続確立後、表示制御部32Aは、主表示部13aAの表示領域に、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを設定する(S33)。
【0174】
そして、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Aの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第1表示領域WAに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する(S34)。
【0175】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第2表示領域WBに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する(S35)。
【0176】
なお、S32において、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから共有コンテンツ識別情報だけではなく、共有コンテンツのサムネイル画像、共有コンテンツのコンテンツ種別情報、共有コンテンツのサイズ情報、共有コンテンツの作成日時情報等の共有コンテンツの付属情報を読み出し、共有コンテンツ識別情報および共有コンテンツ付属情報を携帯電話機1Aに送信してもよい。
【0177】
また、上述のコンテンツ表示処理例では、携帯電話機1Bが携帯電話機1Aから共有コンテンツ要求指示を受信してから、通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を送信しているが、これに限るものではない。例えば、携帯電話機1Bが、通信接続確立後、携帯電話機1Aに通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を送信し、携帯電話機1Aは、通信接続確立後、携帯電話機1Bから通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報が送信されるのを待つようにしてもよい。
【0178】
〔コンテンツ処理〕
次に、図9に基づいて、コンテンツ処理について詳細に説明する。なお、ここでは、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる場合、ユーザは、一旦、制限を解除するための認証の操作をした後に、操作用表示情報を他の領域に移動させる操作を行うものとする。つまり、携帯電話機1Aにコンテンツが表示された後、ユーザは、制限コンテンツの操作制限を解除するための認証表示情報をタッチする操作、または、認証表示情報が付加されていない操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作を入力するものとする。
【0179】
図9に示すように、携帯電話機1Aは、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツを表示後、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。
【0180】
ここで、ユーザが主表示部13aに表示されている認証表示情報をタッチする操作を行うと(S41でYES)、携帯電話機1Aは、タッチされた認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための制限解除処理を実行する(S42)。
【0181】
また、ユーザが主表示部13aに表示されている操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作を行うと(S43でYES)、携帯電話機1Aは、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツを携帯電話機1Bと送受信するコンテンツ送受信処理を実行する(S44)。
【0182】
また、携帯電話機1Aは、ユーザから操作が入力されなければ(S41でNO、かつ、S43でNO)、コンテンツ処理を終了する。
【0183】
一方、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから指示が送信されるのを待つ。
【0184】
ここで、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツの制限を解除するための認証開始を要求する認証開始要求指示を受信すると(S45でYES)、認証開始要求指示の示す制限コンテンツの制限を解除するための制限解除処理を実行する(S46)。
【0185】
また、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから、携帯電話機1Aまたは携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツを携帯電話機1Aと送受信するコンテンツ送受信要求指示を受信すると(S47でYES)、コンテンツ送受信要求指示の示す共有コンテンツを携帯電話機1Aと送受信するコンテンツ送受信処理を実行する(S48)。
【0186】
また、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから指示が送信されなければ(S45でNO、かつ、S47でNO)、コンテンツ処理を終了する。
【0187】
〔制限解除処理〕
次に、図10に基づいて、制限解除処理について詳細に説明する。図10に示すように、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。
【0188】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示を取得すると(S401でYES)、その旨を認証部36Aに通知する。
【0189】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証開始を要求する認証開始要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S402)。
【0190】
一方、携帯電話機1Bの認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証開始要求指示を受信すると、受信した認証開始要求指示に対する応答として、認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S403)。
【0191】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して、受信した認証データ要求指示に基づいて、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S404)。
【0192】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S405)。
【0193】
認証データが入力されると(S405でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、取得した認証データを、受信した認証データ要求指示に対する応答として、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S406)。
【0194】
一方、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データ要求指示を送信した後、携帯電話機1Aから認証データが送信されるのを待つ(S407)。
【0195】
ここで、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証データを受信すると(S407でYES)、記憶部12Bから、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する(S408)。
【0196】
読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合(S408でYES)、認証部36Bは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除し、その旨を示す制限解除通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S409)。
【0197】
一方、携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証データを送信した後、携帯電話機1Bから制限解除通知が送信されるのを待つ(S410)。
【0198】
ここで、認証部36Aは、携帯電話機1Bから制限解除通知を受信すると(S410でYES)、操作対象の認証表示情報を除去して、操作の制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示するように表示制御部32Aに指示する。そして、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示を受けて、主表示部13aAの第2表示領域において、操作対象の認証表示情報が付加されていた操作用表示情報から当該認証表示情報を除去して、制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示する(S411)。
【0199】
また、携帯電話機1Bの認証部36Bは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S412)。
【0200】
ところで、S405において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S405でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S413)。
【0201】
また、S407において、携帯電話機1Bに認証データが送信されない場合(S407でNO)、認証部36Bは、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S414)。また、S408において、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致しなかった場合(S408でNO)も、認証部36Bは、認証エラー通知を携帯電話機1Aに送信する(S414)。
【0202】
また、S410において、携帯電話機1Aの認証部36Aが制限解除通知を受信せず、認証エラー通知を受信した場合(S410でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、受信した認証エラー通知に基づいて認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S413)。
【0203】
また、S401において、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、第1表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示を取得すると(S401でNO)、その旨を認証部36Aに通知する。
【0204】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第1表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、表示制御部32Aに対して、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データをユーザに入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S415)。
【0205】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S416)。
【0206】
認証データが入力されると(S416でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、入力操作特定部33Aから認証データを取得すると、記憶部12Aから、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致するか否かを判定する(S417)。
【0207】
読み出した認証データと、取得した認証データとが一致した場合(S417でYES)、認証部36Aは、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除する。そして、認証部36Aは、操作対象の認証表示情報を除去して、制限を解除した制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示するように表示制御部32Aに指示する。そして、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示を受けて、主表示部13aAの第1表示領域において、操作対象の認証表示情報が付加されていた操作用表示情報から当該認証表示情報を除去して、制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示する(S418)。
【0208】
また、認証部36Aは、制限コンテンツの操作の制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S419)。
【0209】
一方、S416において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S416でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S420)。また、S417において、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致しなかった場合(S417でNO)も、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証エラー画面を表示するように指示し、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S420)。
【0210】
なお、携帯電話機1Bの認証部36Bが音声による認証を行う場合、認証部Bは、携帯電話機1Aから認証データを取得する代わりに、携帯電話機1Bの音声入力部23Bから認証データを取得してもよい。
【0211】
具体的には、認証部36Bは、認証データ要求指示を携帯電話機1Aに送信すると共に、音声入力部23Bを起動させる。携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して、認証データ入力画面を表示するように指示する。
【0212】
そして、認証部36Bは、自装置の音声入力部23Bが音声を集音するのを待ち、音声入力部23Bから音声データを取得すると、取得した音声データと、記憶部12Bから読み出した認証データとが一致するか否かを判定する。
【0213】
このように、携帯電話機1Bの認証部36Bが音声による認証を行う場合、図10に示す制限解除処理における携帯電話機1Aの認証部36Aが認証データを取得して、携帯電話機1Bに送信するという処理が不要になる。従って、認証処理にかかる負荷を低減することができる。
【0214】
なお、携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して指示すると共に、携帯電話機1Aの音声入力部23Aを停止させることが望ましい。音声入力部23Aを停止させることにより、携帯電話機1Aが認証データを取得することができなくなり、携帯電話機1Aのユーザが不正に携帯電話機1Bの保持する制限コンテンツの操作の制限を解除することを防ぐことができる。
【0215】
〔コンテンツ送受信処理〕
次に、図11に基づいて、コンテンツ送受信処理について詳細に説明する。図11に示すように、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。
【0216】
ここで、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、第2表示領域に表示されている操作用表示情報を第1表示領域に移動させる操作指示を取得すると(S431でYES)、その旨をコンテンツ処理部35Aに通知する。
【0217】
コンテンツ処理部35Aのコンテンツ取得部43Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている操作用表示情報を第1表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツの実体データの送信を要求するコンテンツ実体データ要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S432)。
【0218】
一方、携帯電話機1Bのコンテンツ送信部44Bは、携帯電話機1Aからコンテンツ実体データ要求指示を受信すると(S433でYES)、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツであるか制限コンテンツであるかを特定する(S434)。
【0219】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツである場合(S434でNO)、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(通常コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S435)。
【0220】
一方、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の送信後、その応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると(S436でNO)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する(S437)。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0221】
表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第1表示領域に追加して表示する(S438)。
【0222】
ところで、S434において、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが制限コンテンツである場合(S434でYES)、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bに格納されているコンテンツ情報を参照して、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っているか否かを確認する(S439)。
【0223】
ここで、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っている場合(S439でYES)、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S435)。
【0224】
一方、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の送信後、その応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると(S436でNO)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する(S437)。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0225】
表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第1表示領域に追加して表示する(S438)。
【0226】
ところで、S439において、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていない場合(S439でNO)、コンテンツ送信部44Bは、その旨を認証部36Bに通知する。
【0227】
認証部36Bは、コンテンツ送信部44Bからコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていないことを通知されると、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S440)。
【0228】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示の送信後、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると(S436でYES)、表示制御部32Aに対して、受信した認証データ要求指示に基づいて、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S441)。
【0229】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S442)。
【0230】
認証データが入力されると(S442でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、取得した認証データを、受信した認証データ要求指示に対する応答として、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S443)。
【0231】
一方、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データ要求指示を送信した後、携帯電話機1Aから認証データが送信されるのを待つ(S444)。
【0232】
ここで、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証データを受信すると(S444でYES)、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する(S445)。
【0233】
読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合(S445でYES)、認証部36Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除して、当該制限コンテンツの操作の制限を解除したことをコンテンツ送信部44Bに通知する。コンテンツ送信部44Bは、認証部36Bから制限コンテンツの操作の制限を解除したことを通知されると、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S446)。
【0234】
また、認証部36Bは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S447)。
【0235】
一方、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、認証部36Aが認証データを送信した後、携帯電話機1Bから共有コンテンツの実体データが送信されるのを待つ(S448)。
【0236】
コンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると(S448でYES)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する(S437)。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0237】
表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第1表示領域に追加して表示する(S438)。
【0238】
ところで、S442において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S442でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S449)。
【0239】
表示制御部32Aは、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、操作対象の操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する(S450)。
【0240】
また、S444において、携帯電話機1Bに認証データが送信されない場合(S444でNO)、認証部36Bは、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S451)。また、S445において、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致しなかった場合(S445でNO)も、認証部36Bは、認証エラー通知を携帯電話機1Aに送信する(S451)。
【0241】
また、S448において、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aが共有コンテンツの実体データを受信せず、認証部36Aが認証エラー通知を受信した場合(S448でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、受信した認証エラー通知に基づいて認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S449)。
【0242】
表示制御部32Aは、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、操作対象の操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する(S450)。
【0243】
ところで、S431において、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、第1表示領域に表示されている操作用表示情報を第2表示領域に移動させる操作指示を取得すると(S431でNO)、その旨をコンテンツ処理部35Aに通知する。
【0244】
コンテンツ処理部35Aは、入力操作特定部33Aから第1表示領域に表示されている操作用表示情報を第2表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを携帯電話機1Bに送信する「上端末における下端末へのコンテンツ送信処理」(詳細は後述)を実行する(S452)。
【0245】
一方、携帯電話機1Bのコンテンツ取得部43Bは、携帯電話機1Aから共有コンテンツの実体データを受信すると(S433でNO)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Bに格納する(S453)。
【0246】
〔上端末における下端末へのコンテンツ送信処理〕
次に、図12に基づいて、上端末における下端末へのコンテンツ送信処理について詳細に説明する。図12に示すように、コンテンツ処理部35Aのコンテンツ送信部44Aは、入力操作特定部33Aから第1表示領域に表示されている操作用表示情報を第2表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツが通常コンテンツであるか制限コンテンツであるかを特定する(S461)。
【0247】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツが通常コンテンツである場合(S461でNO)、記憶部12Bから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツ(通常コンテンツ)の実体データを読み出し、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S462)。また、コンテンツ送信部44Aは、共有コンテンツの実体データを送信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0248】
表示制御部32Aは、コンテンツ送信部44Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを送信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第2表示領域に追加して表示する(S463)。
【0249】
一方、S461において、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツが制限コンテンツである場合(S461でYES)、コンテンツ送信部44Aは、記憶部12Aに格納されているコンテンツ情報を参照して、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っているか否かを確認する(S464)。
【0250】
ここで、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っている場合(S464でYES)、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S462)。また、コンテンツ送信部44Aは、共有コンテンツの実体データを送信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0251】
表示制御部32Aは、コンテンツ送信部44Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを送信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第2表示領域に追加して表示する(S463)。
【0252】
一方、S464において、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていない場合(S464でNO)、コンテンツ送信部44Aは、その旨を認証部36Aに通知する。
【0253】
認証部36Aは、コンテンツ送信部44Aから操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていないことを通知されると、表示制御部32Aに対して、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データをユーザに入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S465)。
【0254】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S466)。
【0255】
認証データが入力されると(S466でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、認証データを取得すると、記憶部12Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致するか否かを判定する(S467)。
【0256】
読み出した認証データと、取得した認証データとが一致した場合(S467でYES)、認証部36Aは、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除して、当該制限コンテンツの操作の制限を解除したことをコンテンツ送信部44Aに通知する。コンテンツ送信部44Aは、認証部36Aから制限コンテンツの操作の制限を解除したことを通知されると、記憶部12Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S468)。また、コンテンツ送信部44Aは、共有コンテンツの実体データを送信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0257】
表示制御部32Aは、コンテンツ送信部44Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを送信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第2表示領域に追加して表示する(S469)。
【0258】
また、認証部36Aは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Aに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S470)。
【0259】
一方、S466において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S466でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S471)。
【0260】
表示制御部32Aは、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、操作対象の操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する(S472)。
【0261】
また、S467において、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致しなかった場合(S467でNO)も、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。そして、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S471)。
【0262】
〔重層状態維持判定処理〕
最後に、S6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1が重層状態を維持しているか否かの判定処理について詳細に説明する。
【0263】
S6Aにおいて、上端末状態判定部41Aは、光センサ17bAが主表示部13aBの点滅表示を検出したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。上端末状態判定部41Aは、光センサ17bAが点滅表示を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、上端末状態判定部41Aは、光センサ17bAが点滅表示を検出しなくなると、携帯電話機1Aが携帯電話機1Bから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11Aが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0264】
また、S6Bにおいて、下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが影を検出したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが影を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが影を検出しなくなると、携帯電話機1Bが携帯電話機1Aから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11Bが載せる通信アプリを終了する(S7B)。換言すると、下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが所定量以上の光を検出すると、携帯電話機1Bが携帯電話機1Aから離れたと判定する(S6BでYES)。
【0265】
ただし、重層状態を維持しているか否かの判定処理はこれに限るものではない。例えば、携帯電話機1が加速度センサを備えている場合、携帯電話機1が重層状態から所定方向に一定距離動かされたか否かを判定して、重層状態が維持しているか否かを判定してもよい。また、ユーザが載せる通信アプリを終了する指示が入力されると、重層状態ではないと判定し、載せる通信アプリを終了してもよい。また、2台の携帯電話機1のうち、一方が重層状態ではないと判定した場合もしくは載せる通信アプリを終了する場合、判定もしくは終了した携帯電話機1が他方にその旨を通知することにより、他方の携帯電話機1が重層状態ではないと判定したり、載せる通信アプリを終了したりしてもよい。
【0266】
〔表示画面例〕
次に、重層状態における主表示部13aAに表示される画面例について、図13に基づいて説明する。図13は、重層状態における携帯電話機1Aの主表示部13aAに表示される画面の一例を示す図である。
【0267】
図13に示す状態aは、重層状態になる前の通常の状態である。図示のように、この状態aにおいて、携帯電話機1Aが共有コンテンツCA1およびCA2を保持しており、携帯電話機1Bが共有コンテンツCB1およびCB2を保持しているものとする。このとき、携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツCB2は操作が制限されているものとする。つまり、携帯電話機1Aおよび1Bが保持する共有コンテンツのうち、共有コンテンツCA1、CA2およびCB1が通常コンテンツであり、共有コンテンツCB2が制限コンテンツである。
【0268】
状態aから携帯電話機1Bの上に携帯電話機1Aを重ねて重層状態になったとする(状態b)。図13に示すように、状態bでは、主表示部13aAの表示領域に、携帯電話機1Aの保持する共有コンテンツが表示される第1表示領域と、携帯電話機1Bの保持する共有コンテンツが表示される第2表示領域WBとが設定されている。そして、第1表示領域WAには、通常コンテンツCA1およびCA2をそれぞれ特定する操作用表示情報が表示され、第2表示領域WBには、通常コンテンツCB1を特定する操作用表示情報が表示され、制限コンテンツCB2を特定する操作用表示情報に認証表示情報が付加されて表示されている。
【0269】
なお、図13に示す例では、状態bにおいて、制限コンテンツCB2を特定する操作用表示情報の全体を覆うように認証表示情報が付加されて表示されているがこれに限るものではない。例えば、操作用表示情報の一部を覆うように認証表示情報を操作用表示情報に重畳させてもよいし、操作用表示情報に隣接させて認証表示情報を付加してもよい。
【0270】
状態bにおいて、ユーザが制限コンテンツCB2を特定する操作用表示情報に付加されている認証表示情報をタッチする操作を行うと状態cに遷移する。図13に示すように、状態cでは、主表示部13aAに、操作対象の認証表示情報が付加されている制限コンテンツCB2の制限を解除するための認証に使用する認証データをユーザに入力させるための認証データ入力画面が表示される。
【0271】
なお、図13に示す例では、状態cでは、認証データ入力画面を主表示部13aAの全表示領域に表示しているが、これに限るものではない。主表示部13aAの表示領域の一部、例えば、第1表示領域WAまたは第2表示領域WBに認証データ入力画面を表示してもよい。また、図13に示す例は、指紋による認証を行うための認証データ入力画面である。
【0272】
状態cにおいて、ユーザが画面上に指を接触させて、認証が完了したとする。制限コンテンツCB2の操作の制限を解除するための認証が完了すると、状態dに遷移する。図13に示すように、状態dでは、制限コンテンツCB2は、認証表示情報が取り除かれて操作用表示情報だけが表示される。
【0273】
状態dから、ユーザが制限コンテンツCB2を第2表示領域WBから第1表示領域WAへドラッグ操作を行うと状態eに遷移する。この操作により、制限コンテンツCB2が携帯電話機1Aに複製されるため、図13に示すように、状態eでは、第1表示領域には、通常コンテンツCA1およびCA2に加えて、制限コンテンツCB2が表示される。
【0274】
また、図13に示すように、状態b、d、eでは、表示制御部32は、重層状態にある携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの上下の位置関係に対応させて、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを、主表示部13aの表示領域において、上下の位置関係となるように、それぞれ配置する。なお、表示部の表示領域においては、図13に示すように、上下の方向を設定し、それに沿って、第1表示領域WAが上側、第2表示領域WBが下側になるように並置してもよいし、それとは別に、第1表示領域WAの下に第2表示領域WBの一部が重畳した状態で、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを配置してもよい。
【0275】
また、重層状態にある携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの上下の位置関係に対応させて、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを、主表示部13aの表示領域において、左右の位置関係となるように、それぞれ配置してもよい。
【0276】
また、状態b、cにおいて、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBが、それぞれ携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bに対応するものであることをユーザが理解できるようにするため、図9に示すように、表示制御部32は、第1表示領域WAに携帯電話機1Aを示す「A」を表示し、第2表示領域WBに携帯電話機1Bを示す「B」を表示してもよい。また、例えば、第1表示領域WAに携帯電話機1Aを示す「A」を表示する代わりに、携帯電話機1Aのユーザ名等を表示してもよい。また、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBに携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bをそれぞれ示すテキスト情報を表示する代わりに、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBの枠の色および/または背景色をそれぞれ異なる色で表示して、ユーザが両者を区別して認識できるようにしてもよい。この場合、上側の端末に対応する色および下側の端末に対応する色を予め設定しておいてもよいし、ユーザ毎に色を予め設定しておいてもよい。
【0277】
〔変形例1〕
本実施形態では、本発明の情報処理装置として携帯電話機を例示したが、これに限るものではない。本発明の情報処理装置として、表示部および通信部を備えるものであればよく、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルテレビ、ノートPC、携帯音楽再生機等であってもよい。
【0278】
また、本実施形態では、2台の携帯電話機1が同じ機種(大きさ)である場合を例にしているが、これに限るものではない。互いに異なる機器を重ねてもよいし、互いに異なる大きさの機器を重ねてもよい。例えば、デジタルテレビのディスプレイの上に、携帯ゲーム機を重ねて、コンテンツを共有するようにしてもよいし、表示部や筐体の大きさが異なる携帯電話機同士を重ねて、コンテンツを共有するようにしてもよい。
【0279】
すなわち、重層状態とは、情報処理装置が他の情報処理装置の全体と重なっている状態だけではなく、他の情報処理装置の一部と重なっている状態でもよい。この場合、情報処理装置における重層状態を判定するためのハードウェア(センサ等)およびソフトウェア(重層状態判定部31)を適宜設計すればよい。
【0280】
〔変形例2〕
また、本実施形態では、2台の携帯電話機1を重ねてコンテンツを共有しているが、これに限るものではなく、3台以上の携帯電話機1を重ねて、重層状態にある携帯電話機1全てでコンテンツを共有するようにしてもよい。
【0281】
〔変形例3〕
また、携帯電話機1Aの主表示部13aを3D液晶で構成してもよい。この場合、共有コンテンツ表示領域WAを共有コンテンツ表示領域WBの手前に表示することにより、重層状態にある各携帯電話機1の状態に対応させて表示することができ、より直感的にユーザが操作することができる。
【0282】
〔変形例4〕
また、本実施形態では、コンテンツ処理部35が共有コンテンツの移動や複製を行っているが、これに限るものではない。例えば、図9(b)に示す状態から、メールアプリを起動させて、携帯電話機1Aが他の装置へメールを送信する際に、携帯電話機1Aおよび1Bの共有コンテンツCA1、CA2、CB1、CB2の中から添付ファイルとして選択できるようにしてもよい。CB1またはCB2を添付ファイルとして選択した場合、メールの送信時に、コンテンツ取得部43Aが携帯電話機1Bに対してコンテンツを要求して取得すればよい。
【0283】
また、コンテンツCB1またはCB2が動画や音楽データの場合、図9(b)に示す状態から、ユーザがコンテンツの再生指示を入力することにより、携帯電話機1A上でコンテンツの再生を行ってもよい。
【0284】
また、携帯電話機1Aおよび1Bが共有コンテンツとしてゲームアプリ内で使用するアイテム等を保持している場合、図9(b)に示す状態から、ゲームアプリを起動させて、当該ゲームアプリ内で使用するアイテム等をゲーム内で共有できるようにしてもよい。
【0285】
また、図9(b)に示す状態から、ユーザがコンテンツを選択することにより、携帯電話機1Aのユーザまたは携帯電話機1Bのユーザの電子承認を得られるようにしてもよい。例えば、コンテンツCA1を選択することにより、コンテンツCA1に対して携帯電話機1Bのユーザの電子承認を付加するようにしてもよい。
【0286】
〔変形例5〕
また、上述の図9に示すコンテンツ処理例では、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる場合、ユーザは、一旦、制限を解除するための認証の操作をした後に、操作用表示情報を他の領域に移動させる操作を行うものとしているが、これに限るものではない。例えば、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作を行ってもよい。つまり、制限を解除するための認証と、コンテンツの送受信を同時または連続で行ってもよい。
【0287】
具体的には、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作指示が入力された場合、携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証開始要求指示を携帯電話機1Bに送信し、認証開始要求指示に対する応答として、制限解除通知を受信した後、連続してコンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示を携帯電話機1Bに送信してもよい。この場合、携帯電話機1Bの認証部36Bが認証開始要求指示に対する応答として、制限解除通知を送信した後、コンテンツ送信部44Bは、コンテンツ実体データ要求指示を受信すると、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報と、認証部36Bが送信した制限解除通知に含まれるコンテンツ識別情報とが一致する場合、コンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを携帯電話機1Aに送信する。
【0288】
また、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作指示が入力された場合、携帯電話機1Aの認証部36Aが認証開始要求指示を携帯電話機1Bに送信すると共に、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示を携帯電話機1Bに送信してもよい。この場合、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データが一致した場合、制限解除通知および制限コンテンツの実体データを携帯電話機1Aに送信してもよい。
【0289】
なお、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データが一致した場合、制限コンテンツの実体データのみを携帯電話機1Aに送信してもよい。この場合、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aがコンテンツの実体データを取得したことをもって、認証部36Aは、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限が解除されたと判断する。
【0290】
また、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作指示が入力された場合、携帯電話機1Aの認証部36Aが認証開始要求指示を携帯電話機1Bに送信してから、認証部36Aが制限解除通知を受信するまでに、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示を携帯電話機1Bに送信してもよい。例えば、コンテンツ取得部43Aは、認証部36Aが認証データを送信すると共に、携帯電話機1Bにコンテンツ実体データ要求指示を送信してもよい。
【0291】
〔変形例6〕
携帯電話機1Aと携帯電話機1Bとが保持する「載せる通信アプリ」のバージョンが違うこと等により、第2表示領域の制限コンテンツの操作の制限を解除する認証を実行する場合、携帯電話機1Bから要求された認証方法に携帯電話機1Aが対応していない場合が考えられる。この場合、携帯電話機1Aは、携帯電話機1Bから、要求された認証方法を実行するために必要な認証実行情報を取得し、取得した認証実行情報に基づいて、要求された認証方法を実行する。
【0292】
具体的には、携帯電話機1Aの認証部36Aは、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると、認証データ要求指示が示す認証方法を実行するために必要な認証実行情報を自装置が保持しているか否かを確認する。自装置が認証方法を実行するために必要な認証実行情報を保持していない場合、認証部36Aは、携帯電話機1Bの認証部36Bに対して、認証実行情報を要求する認証実行情報要求指示を送信する。
【0293】
携帯電話機1Bの認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証実行情報要求指示を受信すると、記憶部12Bから所定の認証実行情報を読み出し、読み出した認証実行情報を携帯電話機1Aに送信する。
【0294】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証実行情報要求指示に対する応答として、認証実行情報を受信すると、受信した認証実行情報に基づいて、表示制御部32Aに対して、認証データ入力画面を表示するように指示する。また、認証部36Aは、受信した認証実行情報に基づいて、入力操作特定部33Aが取得した入力信号から認証データを生成する。
【0295】
すなわち、認証方法を実行するために必要な認証実行情報とは、例えば、表示制御部32Aが認証データ入力画面を生成するための認証データ入力画面生成情報や、ユーザからの入力信号から認証データを生成するための認証データ生成情報等を含むものである。
【0296】
〔変形例7〕
また、本実施形態では、光センサ液晶である主表示部13aおよび副表示部13bを用いて重層状態を判定し、Bluetoothで互いに通信を行っているが、判定方法および通信方法はこれに限るものではない。例えば、磁気センサや圧力センサ等で他の携帯電話機1を検出してもよい。本発明では、2台の携帯電話機1が重なっている状態を判定できるものであれば、どのような方式でもよく、また、重層状態において、2台の携帯電話機1が通信できるものであれば、どのような通信方式でもよい。
【0297】
判定方法および通信方法の他の具体例を、以下の各実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0298】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について図14から図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第1の実施形態において定義した用語については、特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0299】
第2の実施形態では、第1の実施形態における2つの光センサ液晶(光センサ17aおよび17b)に代えて、近接センサおよび光センサを設けている。2台の携帯電話機1の通信方式は、第1の実施形態と同じBluetoothで行う。つまり、第2の実施形態は、第1の実施形態と重層状態判定処理が異なるだけであって、その他の処理は同じである。以下では、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0300】
第2の実施形態では、図15に示すように、携帯電話機1aには、正面側に近接センサ18と、表示部13cと、操作部16bとが配置されており、背面側に光センサ17cが配置されている。
【0301】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、光センサ17cが他の携帯電話機1aの表示部13cから照射される光を検出することにより、携帯電話機1aが背面側にある他の携帯電話機1aとが重なっている状態であると判定している。そのため、図16に示すように、携帯電話機1aAの光センサ17cは、携帯電話機1aAと他の携帯電話機1aBとが重なっている状態において、他の携帯電話機1aBの表示部13cと対向する位置に配置されていればよく、図15に示す配置およびその大きさに限るものではない。すなわち、表示部13cおよび光センサ17cの大きさ、並びに、携帯電話機1aの正面側における表示部13cの配置および携帯電話機1aの背面側における光センサ17cの配置は、適宜設計すればよい。
【0302】
また、本実施形態では、近接センサ18が携帯電話機1aの正面側の物体を検出することにより、携帯電話機1aが正面側にある他の携帯電話機1aとが重なっている状態であると判定している。そのため、近接センサ18は、携帯電話機1aの正面側に物体があるかどうかを検出できればよく、近接センサ18の配置、大きさ等は適宜設計すればよい。
【0303】
〔携帯電話機の構成〕
図14は、携帯電話機1aの要部構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、携帯電話機1aは、制御部11a、記憶部12、表示部13c、近距離無線通信部14、電話網通信部15、操作部16a、操作部16b、光センサ17c、近接センサ18、音声入力部23および音声出力部24を備えている。
【0304】
表示部13cは、制御部11aの指示に従って画像を表示するものである。表示部13cは、制御部11aの指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0305】
操作部16bは、ユーザが携帯電話機1aに指示信号を入力し、携帯電話機1aを操作するためのものである。操作部16bは、ポインティングデバイス、キーパッド、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであってもよい。なお、操作部16bと表示部13cとが一体となっているタッチパネルであってもよい。
【0306】
光センサ17cは、光を検出するものである。本実施形態では、他の携帯電話機1aの表示部13cから所定の照射間隔で照射される所定の周波数の光を検出するものである。
【0307】
近接センサ18は、近接センサ18から所定範囲内にある物体を検出するものである。近接センサ18は、誘導形近接センサ、静電容量形近接センサ等、他の携帯電話機1aを検出するものであれば何でもよい。
【0308】
制御部11aは、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1aが備える各部を統括的に制御するものである。
【0309】
制御部11aは、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1aと重なると、他の携帯電話機1aからデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1aが保持するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0310】
本実施形態では、制御部11aは、機能ブロックとして、重層状態判定部31a、表示制御部32、入力操作特定部33、通信接続制御部34、コンテンツ処理部35および認証部36を備える構成である。これらの制御部11aの各機能ブロック(31a、32〜36)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0311】
重層状態判定部31aは、携帯電話機1aが他の携帯電話機1aと重なっている状態であるか否かを判定するものである。重層状態判定部31aは、上端末状態判定部41aおよび下端末状態判定部42aを備える。
【0312】
上端末状態判定部41aは、自装置が他の携帯電話機1aの上側にある上端末A(携帯電話機1aA)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41aは、自装置の背面側に他の携帯電話機1aがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが表示部13cから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定し、光センサ17cが表示部13cから照射される所定の光を検出した場合に、自装置を上端末Aであると判定する。より具体的には、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが予め決められた光を所定の受光間隔で検出したか否かを判定する。
【0313】
上端末状態判定部41aは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0314】
下端末状態判定部42aは、自装置が他の携帯電話機1aの下側にある下端末B(携帯電話機1aB)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42aは、自装置の正面側に他の携帯電話機1aがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42aは、近接センサ18が物体を検出したか否かを判定し、近接センサ18が物体を検出した場合に、自装置を下端末Bであると判定する。
【0315】
下端末状態判定部42aは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を表示制御部32に通知し、表示制御部32に対して、表示部13cから予め決められた光を所定の発光間隔で発光させるように指示する。また、下端末状態判定部42aは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0316】
なお、上端末状態判定部41aは、上端末Aであるか否かを判定するために、光センサ17cが表示部13cから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定するものである。すなわち、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが携帯電話機1aBの表示部13cと対向しているかを判定するものであり、表示部13cから照射する光(光センサ17cで検出する光)は任意でよく、予め適宜設定すればよい。
【0317】
〔重層状態判定処理〕
次に、図17に基づいて、第2の実施形態における重層状態判定処理について詳細に説明する。図17は、第2の実施形態における重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0318】
図17に示すように、載せる通信アプリを起動後、携帯電話機1aの下端末状態判定部42aは、近接センサ18が所定範囲内にある物体を検出したか否かを判定する(S51)。
【0319】
近接センサ18が近接物を検出すると(S51でYES)、下端末状態判定部42aは、自装置を下端末Bであると判定し(S52)、その旨を表示制御部32に通知する。表示制御部32Bは、下端末状態判定部42aから自装置が下端末Bであることを通知されると、表示部13cBから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させる。つまり、表示制御部32Bは、表示部13cBを点滅表示させる(S53)。
【0320】
一方、近接センサ18が近接物を検出しない場合(S51でNO)、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが表示部13cの点滅表示を検出したか否かを判定する(S54)。光センサ17cが点滅表示を検出すると(S54でYES)、上端末状態判定部41aは、自装置を上端末Aであると判定する(S55)。光センサ17cが点滅表示を検出しない場合(S54でNO)、再度S51に戻る。
【0321】
なお、図17の処理例では、載せる通信アプリを起動してから、重層状態判定処理を行っているが、これに限るものではない。例えば、近接センサ18が物体を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、下端末状態判定部42aが、自装置を下端末Bであると判定し、光センサ17cが点滅表示を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、上端末状態判定部41aは、自装置を上端末Aであると判定してもよい。
【0322】
また、図示していないが、所定期間、近接センサ18が物体を検出せず、かつ、光センサ17cが点滅表示を検出しない場合、表示部13cにエラーを表示し、重層状態にするように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0323】
〔重層状態維持判定処理〕
また、第2の実施形態では、図5に示すS6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1aが重層状態を維持しているか否かの判定処理についても、第1の実施形態と異なるため、以下に本実施形態の重層状態維持判定処理について詳細に説明する。
【0324】
S6Aにおいて、上端末状態判定部41aAは、光センサ17cAが表示部13cBの点滅表示を検出したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。上端末状態判定部41aAは、光センサ17cAが点滅表示を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、上端末状態判定部41aAは、光センサ17cAが点滅表示を検出しなくなると、携帯電話機1aAが携帯電話機1aBから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11aAが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0325】
また、S6Bにおいて、下端末状態判定部42aBは、近接センサ18Bが物体を検出しているか否かを所定期間毎に継続的に判定する。下端末状態判定部42aBは、近接センサ18Bが物体を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、下端末状態判定部42aBは、近接センサ18Bが物体を検出しなくなると、携帯電話機1aBが携帯電話機1aAから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11aBが載せる通信アプリを終了する(S7B)。
【0326】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について図18から図21に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第1の実施形態において定義した用語については、特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0327】
第3の実施形態では、第1の実施形態における2つの光センサ液晶(光センサ17aおよび17b)に代えて、カメラを設けている。第3の実施形態では、2台の携帯電話機1の通信方式は、第1の実施形態と同じBluetoothで行うが、通信接続確立処理は第1の実施形態と異なっている。つまり、第3の実施形態は、第1の実施形態と重層状態判定処理および通信接続確立処理が異なるだけであって、その他の処理は同じである。以下では、第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0328】
第3の実施形態では、図19に示すように、携帯電話機1bには、正面側に表示部13dが配置されており、背面側にカメラ19が配置されている。
【0329】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、図20(a)に示すように、カメラ19が他の携帯電話機1bの表示部13dに表示されるユニークコードを認識した後、カメラ19が撮影した画像が暗くなることにより、携帯電話機1bが背面側にある他の携帯電話機1bとが重なっている状態であると判定している。そのため、図20(a)および(b)に示すように、携帯電話機1bAのカメラ19は、携帯電話機1bAと他の携帯電話機1bBとが重なる前の状態および重なっている状態において、他の携帯電話機1bBの表示部13dと対向する位置に配置されていればよく、図19に示す配置およびその大きさ(撮影範囲)に限るものではない。すなわち、表示部13dおよびカメラ19の大きさ(撮影範囲)、並びに、携帯電話機1bの正面側における表示部13dの配置および携帯電話機1bの背面側におけるカメラ19の配置は、適宜設計すればよい。
【0330】
〔携帯電話機の構成〕
図18は、携帯電話機1bの要部構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、携帯電話機1bは、制御部11b、記憶部12、表示部13d、近距離無線通信部14、電話網通信部15、操作部16a、カメラ19、音声入力部23および音声出力部24を備えている。
【0331】
表示部13dは、制御部11bの指示に従って画像を表示するものである。表示部13dは、制御部11bの指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。また、表示部13dは、操作部16cを備えており、タッチパネルである。
【0332】
操作部16cは、ユーザが携帯電話機1bに指示信号を入力し、携帯電話機1bを操作するためのものである。なお、表示部13dと操作部16cとは、第2の実施形態のように、別体であってもよい。
【0333】
カメラ19は、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして取得するものである。
【0334】
制御部11bは、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1bが備える各部を統括的に制御するものである。
【0335】
制御部11bは、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1bと重なると、他の携帯電話機1bからデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1bが保持するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0336】
本実施形態では、制御部11bは、機能ブロックとして、重層状態判定部31b、表示制御部32、入力操作特定部33、通信接続制御部34b、コンテンツ処理部35および認証部36を備える構成である。これらの制御部11bの各機能ブロック(31b、32、33、34b、35および36)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0337】
重層状態判定部31bは、携帯電話機1bが他の携帯電話機1bと重なっている状態であるか否かを判定するものである。重層状態判定部31bは、上端末状態判定部41bおよび下端末状態判定部42bを備える。
【0338】
上端末状態判定部41bは、自装置が他の携帯電話機1bの上側にある上端末A(携帯電話機1bA)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41bは、自装置の背面側に他の携帯電話機1bがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41bは、カメラ19が他の携帯電話機1bの表示部13dに表示されているユニークコードを認識したか否かを判定し、さらに、カメラ19が取得した画像が暗くなったかどうかを判定する。上端末状態判定部41bは、カメラ19がユニークコードを認識し、かつ、その後カメラ19が取得した画像が暗くなった場合に、自装置を上端末Aであると判定する。より具体的には、上端末状態判定部41bは、カメラ19が撮影した画像にユニークコードが含まれるか否かを判定し、ユニークコードが含まれている場合、その後、カメラ19が撮影した画像の輝度が所定値以下になったか否かを判定する。
【0339】
上端末状態判定部41bは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34bに通知する。
【0340】
下端末状態判定部42bは、自装置が他の携帯電話機1bの下側にある下端末B(携帯電話機1bB)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42bは、自装置の正面側に他の携帯電話機1bがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42bは、近距離無線通信部14を介して、ユニークコードが他の携帯電話機1bから送信されてきたか否かを判定し、ユニークコードを受信した場合に、自装置を下端末Bであると判定する。
【0341】
下端末状態判定部42bは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34bに通知する。
【0342】
なお、表示部13dに表示されるユニークコードは、1次元または2次元のバーコードであってもよいし、所定の画像であってもよい。ユニークコードは、2台の携帯電話機1b間で予め定めていればよく、任意に設定すればよい。
【0343】
通信接続制御部34bは、近距離無線通信部14と他の携帯電話機1bの近距離無線通信部14との通信接続を確立するものである。通信接続制御部34bは、載せる通信アプリ起動後、通信接続の待ち受けを開始し、上端末状態判定部41から自装置が上端末Aである通知を受信すると、通信接続の待ち受けを終了し、近距離無線通信部14を介して、通信開始信号およびユニークコードを携帯電話機1bBに送信する。次に、通信接続制御部34bAは、携帯電話機1bBから端末IDを受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1bBに自装置の端末IDを送信する。
【0344】
また、通信接続制御部34bは、載せる通信アプリ起動後、通信接続の待ち受けを開始し、通信開始信号およびユニークコードを受信して、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bである通知を受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1Aに自装置の端末IDを送信する。
【0345】
〔重層状態判定処理および通信接続確立処理〕
次に、図21に基づいて、第3の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理について詳細に説明する。図21は、第3の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【0346】
図21に示すように、載せる通信アプリを起動後、制御部11bは、表示制御部32に対して、表示部13dにユニークコードを表示するように指示する(S61)。また、通信接続制御部34bは、近距離無線通信部14を起動して、通信接続の待ち受けを介しさせる(S62)。さらに、制御部11bは、カメラ19を起動させる(S63)。
【0347】
次に、上端末状態判定部41bは、カメラ19がユニークコードを認識したか否かを判定する(S64)。カメラ19が撮影した画像にユニークコードが含まれていれば(S64でYES)、さらに、上端末状態判定部41bは、その後、カメラ19が撮影した画像が暗くなったかどうかを判定する(S65)。上端末状態判定部41bは、カメラ19がユニークコードを認識し、かつ、その後カメラ19が撮影した画像が暗くなった場合(S65でYES)に、自装置を上端末Aであると判定する(S66)。
【0348】
上端末状態判定部41bは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34bに通知する。通信接続制御部34bAは、上端末状態判定部41bAから通知を受信すると、通信接続の待ち受けを終了し、近距離無線通信部14Aを介して、通信開始信号およびユニークコードを携帯電話機1bBに送信する(S67)。
【0349】
一方、カメラ19がユニークコードを認識せず、または、カメラ19が撮影した画像が暗くならなかった場合(S64でNOまたはS65でNO)、通信接続制御部34bは、他の携帯電話機1bから通信接続開始信号と共に、ユニークコードが送信されるのを待つ(S68)。
【0350】
通信接続制御部34bが通信接続開始信号およびユニークコードを受信しない場合(S68でNO)、再度S64に戻る。一方、通信接続制御部34bが通信接続開始信号およびユニークコードを受信すると(S68でYES)、その旨を下端末状態判定部42bに通知する。通知を受けた下端末状態判定部42bは、自装置を下端末Bであると判定する(S69)。
【0351】
そして、通信接続制御部34bBは、自装置(携帯電話機1bB)の端末IDを携帯電話機1bAに送信する(S70)。携帯電話機1bBから携帯電話機1bBの端末IDを受信すると、通信接続制御部34bAは、自装置(携帯電話機1bA)の端末IDを携帯電話機1bBに送信する(S71)。
【0352】
通信接続制御部34bBは、携帯電話機1bAから端末IDを受信して、通信接続の確立を完了し、通信接続制御部34bAは、端末ID送信に対するレスポンスを受信して、通信接続の確立が完了したことを確認する。
【0353】
なお、図示していないが、所定期間、カメラ19がユニークコードを認識せず、かつ、通信接続制御部34bがユニークコードを受信しない場合、表示部13dにエラーを表示し、重層状態にするように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0354】
〔重層状態維持判定処理〕
また、第3の実施形態では、図5に示すS6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1bが重層状態を維持しているか否かの判定処理についても、第1の実施形態と異なるため、以下に本実施形態の重層状態維持判定処理について詳細に説明する。
【0355】
S6Aにおいて、上端末状態判定部41bAは、カメラ19が撮影した画像が暗いままであるかどうかを所定期間毎に継続的に判定する。上端末状態判定部41bAは、カメラ19が撮影した画像が暗いままであることを継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、上端末状態判定部41bAは、カメラ19が撮影した画像が暗くない、つまり、カメラ19が撮影した画像の輝度が所定値以上になると、携帯電話機1bAが携帯電話機1bBから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11bAが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0356】
また、上端末状態判定部41bAは、携帯電話機1bAが携帯電話機1bBから離れたと判定すると、その旨を通信接続制御部34bAに通知する。通知を受けた通信接続制御部34bAは、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1bBに重層状態ではなくなったことを通知する。
【0357】
ここで、S6Bにおいて、下端末状態判定部42bBは、通信接続制御部34bBが携帯電話機1bAから重層状態ではないことを示す通知を受信したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。下端末状態判定部42bBは、通信接続制御部34bBが当該通知を受信しなければ、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、下端末状態判定部42bBは、通信接続制御部34bBが当該通知を受信すると、携帯電話機1bBが携帯電話機1bAから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11bBが載せる通信アプリを終了する(S7B)。
【0358】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について図22から図30に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第1の実施形態において定義した用語については、特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0359】
第1の実施形態では、2つの光センサ液晶(光センサ17aおよび17b)を用いて重層状態を判定したが、第4の実施形態では、ユーザの操作に基づいて、重層状態であるかどうかを判定し、さらに自装置が上端末Aであるか下端末Bであるかを判定する。また、第1の実施形態では、Bluetoothで通信を行うが、第4の実施形態では、IrDA等の双方向の赤外線通信を用いて通信接続を行う。つまり、第4の実施形態は、第1の実施形態と重層状態判定処理および通信接続確立処理が異なるだけであって、その他の処理は同じである。以下では、第4の実施形態において、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0360】
第4の実施形態では、図23に示すように、携帯電話機1cには、正面側に正面側IRモジュール22aが配置されており、背面側に背面側IRモジュール22bが配置されている。
【0361】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、ユーザの操作入力に基づいて、自装置が上端末Aであるか下端末Bであるかを判定し、上端末Aである携帯電話機1cAの背面側IRモジュール22bと、下端末Bである携帯電話機1cBの正面側IRモジュール22aとが通信接続を行う。
【0362】
そのため、図24に示すように、正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bは、携帯電話機1cAと他の携帯電話機1cBとが重なっている状態において、互いに対向する位置に配置されていればよく、図23に示す配置およびその大きさに限るものではない。すなわち、正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bの配置および大きさは、適宜設計すればよい。
【0363】
〔携帯電話機の構成〕
図22は、携帯電話機1cの要部構成の一例を示すブロック図である。図22に示すように、携帯電話機1cは、制御部11c、記憶部12、表示部13d、赤外線通信部21、電話網通信部15、操作部16a、音声入力部23および音声出力部24を備えている。
【0364】
表示部13dは、制御部11cの指示に従って画像を表示するものである。表示部13dは、制御部11cの指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。また、表示部13dは、操作部16cを備えており、タッチパネルである。
【0365】
操作部16cは、ユーザが携帯電話機1cに指示信号を入力し、携帯電話機1cを操作するためのものである。なお、表示部13dと操作部16cとは、第2の実施形態のように、別体であってもよい。
【0366】
赤外線通信部21は、赤外線による無線通信手段によって、他の装置(例えば、他の携帯電話機1c等)と通信を行い、制御部11cの指示に従って、データのやりとりを行うものである。赤外線通信部21は、携帯電話機1cの正面側に配置されている正面側IRモジュール22aと、携帯電話機1cの背面側に配置されている背面側IRモジュール22bとを備える。
【0367】
制御部11cは、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1cが備える各部を統括的に制御するものである。
【0368】
制御部11cは、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1cと重なると、他の携帯電話機1cからデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1cが保持するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0369】
本実施形態では、制御部11cは、機能ブロックとして、重層状態判定部31c、表示制御部32、入力操作特定部33、通信接続制御部34c、コンテンツ処理部35および認証部36を備える構成である。これらの制御部11cの各機能ブロック(31c、32、33、34c、35および36)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0370】
重層状態判定部31cは、携帯電話機1cが他の携帯電話機1cと重なっている状態であるか否かを判定するものである。重層状態判定部31cは、上端末状態判定部41cおよび下端末状態判定部42cを備える。
【0371】
上端末状態判定部41cは、自装置が他の携帯電話機1cの上側にある上端末A(携帯電話機1cA)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41cは、自装置の背面側に他の携帯電話機1cがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41cは、操作部16aまたは操作部16cを用いて自装置に入力されたユーザの操作指示に基づいて、自装置が上端末Aであるか否かを判定する。より具体的には、上端末状態判定部41cは、ユーザが自装置を上端末として設定すると、自装置が上端末Aであると判定する。
【0372】
上端末状態判定部41cは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34cに通知する。
【0373】
下端末状態判定部42cは、自装置が他の携帯電話機1cの下側にある下端末B(携帯電話機1cB)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42cは、自装置の正面側に他の携帯電話機1cがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42cは、操作部16aまたは操作部16cを用いて自装置に入力されたユーザの操作指示に基づいて、自装置が下端末Bであるか否かを判定する。より具体的には、下端末状態判定部42cは、ユーザが自装置を下端末として設定すると、自装置が下端末Bであると判定する。
【0374】
また、下端末状態判定部42cは、ユーザから自装置が上端末か下端末かを設定されず、通信接続制御部34cが他の携帯電話機1cから端末IDを受信した場合に、自装置が下端末Bであると判定してもよい。
【0375】
下端末状態判定部42cは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34cに通知する。
【0376】
通信接続制御部34cは、自装置の赤外線通信部21と他の携帯電話機1cの赤外線通信部21との通信接続を確立するものである。通信接続制御部34cは、上端末状態判定部41cから自装置が上端末Aである通知を受信すると、背面側IRモジュール22bを起動させて、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信する。また、通信接続制御部34cは、下端末状態判定部42cから自装置が下端末Bである通知を受信すると、正面側IRモジュール22aを起動させて、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信する。なお、通信接続制御部34は、正面側IRモジュール22aまたは背面側IRモジュール22bを起動させた場合、他方を起動させないように制御してもよい。
【0377】
また、通信接続制御部34cは、載せる通信アプリ起動後、正面側IRモジュール22aを起動させておき、上端末状態判定部41cから自装置が上端末Aである通知を受信すると、正面側IRモジュール22aを停止させると共に、背面側IRモジュール22bを起動させて、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信してもよい。また、通信接続制御部34cは、載せる通信アプリ起動後、正面側IRモジュール22aを起動させておき、他の携帯電話機1cから端末IDを受信した後、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信してもよい。
【0378】
〔重層状態判定処理および通信接続確立処理〕
次に、図25および図26に基づいて、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理について詳細に説明する。図25は、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。図26は、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の他の一例を示すフローチャートである。
【0379】
図25に示すように、制御部11cは、載せる通信アプリを起動後、表示制御部32に対して、表示部13dに自装置を上端末Aにするか下端末Bにするかをユーザに設定させるメッセージを表示するように指示する(S81)。入力操作特定部33は、ユーザから上端末Aであるか下端末Bであるかの指示が入力されるのを待つ(S82)。
【0380】
ユーザが自装置を上端末Aであると設定すると、入力操作特定部33は、その旨を上端末状態判定部41cに通知する。上端末状態判定部41cは、ユーザの操作に基づいて、自装置が上端末Aであると判定する(S83)。ここで、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置を他の携帯電話機1cの上に載せるように促すメッセージを表示部13dに表示するように指示する。
【0381】
そして、上端末状態判定部41cは、自装置が上端末Aであることを通信接続制御部34cに通知する。通知を受けた通信接続制御部34cは、背面側IRモジュール22bを起動させて(S84)、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信する(S85)。
【0382】
一方、ユーザが自装置を下端末Bであると設定すると、入力操作特定部33は、その旨を下端末状態判定部42cに通知する。下端末状態判定部42cは、ユーザの操作に基づいて、自装置が下端末Bであると判定する(S86)。ここで、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置の上に他の携帯電話機1cを載せるように促すメッセージを表示部13dに表示するように指示する。
【0383】
そして、下端末状態判定部42cは、自装置が下端末Bであることを通信接続制御部34cに通知する。通知を受けた通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを起動させて(S87)、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信する(S88)。
【0384】
通信接続制御部34cは、自装置の端末IDの送信が完了し、他の携帯電話機1cの端末IDを受信したことを確認して、通信接続の確立を完了する。
【0385】
なお、図示していないが、所定期間、上端末Aか下端末Bかを選択する入力操作が無ければ、表示部13dにエラーを表示し、再度上端末Aか下端末Bかの選択を促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0386】
次に、図26に基づいて、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の他の一例を説明する。
【0387】
図26に示すように、制御部11cが載せる通信アプリを起動後、通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを起動させる(S91)。その後、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置を上端末Aにするかどうかをユーザに設定させるメッセージを表示部13dに表示するように指示する。そして、入力操作特定部33は、ユーザから上端末Aであるとする指示が入力されるのを待つ(S92)。
【0388】
ユーザが自装置を上端末Aであると設定すると(S92でYES)、入力操作特定部33は、その旨を上端末状態判定部41cに通知する。上端末状態判定部41cは、ユーザの操作に基づいて、自装置が上端末Aであると判定する(S93)。ここで、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置を他の携帯電話機1cの上に載せるように促すメッセージを表示部13dに表示するように指示する。
【0389】
そして、上端末状態判定部41cは、自装置が上端末Aであることを通信接続制御部34cに通知する。通知を受けた通信接続制御部34cは、背面側IRモジュール22bを起動させて(S94)、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信する(S95)。
【0390】
一方、ユーザから自装置が上端末Aであるとする操作入力がない場合(S92でNO)、通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを介して、他の携帯電話機1cから端末IDが送信されるのを待つ(S96)。
【0391】
端末IDを受信しなければ(S96でNO)、再度S92に戻る。一方、通信接続制御部34cは、他の携帯電話機1cから端末IDを受信すると(S96でYES)、その旨を下端末状態判定部42cに通知する。通知を受けた下端末状態判定部42cは、自装置が下端末Bであると判定する(S97)。そして、通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信する(S98)。
【0392】
通信接続制御部34cは、自装置の端末IDの送信が完了し、他の携帯電話機1cの端末IDを受信したことを確認して、通信接続の確立を完了する。
【0393】
なお、図示していないが、所定期間、ユーザから上端末Aであることを設定する入力操作が無く、他の携帯電話機1cから端末IDを受信しない場合、表示部13dにエラーを表示し、再度上端末Aであることを設定するように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0394】
〔重層状態維持判定処理〕
また、第4の実施形態では、図5に示すS6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1cが重層状態を維持しているか否かの判定処理についても、第1の実施形態と異なるため、以下に本実施形態の重層状態維持判定処理について詳細に説明する。
【0395】
S6Aにおいて、通信接続制御部34cAが背面側IRモジュール22bAを介して、他の携帯電話機1cBに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信している場合、上端末状態判定部41cAは、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、通信接続制御部34cAが背面側IRモジュール22bAを介して、他の携帯電話機1cBに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信しなくなった場合、上端末状態判定部41cAは、携帯電話機1cAが携帯電話機1cBから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11cAが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0396】
S6Bにおいて、通信接続制御部34cBが正面側IRモジュール22aを介して、他の携帯電話機1cAに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信している場合、下端末状態判定部42cBは、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、通信接続制御部34cBが正面側IRモジュール22aを介して、他の携帯電話機1cAに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信しなくなった場合、下端末状態判定部42cBは、携帯電話機1cBが携帯電話機1cAから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11cBが載せる通信アプリを終了する(S7B)。
【0397】
〔携帯電話機の筐体構造の変形例1〕
携帯電話機の筐体構造の変形例について、図27〜図29に基づいて説明する。図27および図28は、携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図である。図29は、重層状態にある2台の携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図である。
【0398】
本実施形態では、図27に示すように、携帯電話機1cの筐体の形状が略直方体であり、その携帯電話機1cの筐体の正面側に正面側IRモジュール22aを配置し、背面側に背面側IRモジュール22bを配置しているが、携帯電話機1cの筐体の形状並びに正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bの筐体上の位置はこれに限るものではない。
【0399】
例えば、図28に示すように、略直方体の筐体の正面側および背面側の一部に、すり鉢状の凹部51をそれぞれ1箇所設け、その凹部51の底部に正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bを配置してもよい。
【0400】
通常、IRモジュールは、図27に示すように、筐体の表面に配置されており、2つのIRモジュール間の距離が極端に短い場合(2つのIRモジュールがほぼ接している場合)は想定していない。しかしながら、本発明は、2つの携帯電話機1cが重なった状態で通信を行うものであるため、2つのIRモジュール間の距離がほぼ0になる場合が考えられる。この場合、図27に示すようなIRモジュールの配置では、2つの携帯電話機1cが重層状態であっても、背面側IRモジュール22bAと正面側IRモジュール22aBとがずれることによって、互いに通信できない場合がある。
【0401】
具体的には、図29(a)に示すように、携帯電話機1cAと携帯電話機1cBとが重層状態で接しているが、背面側IRモジュール22bAと正面側IRモジュール22aBとが接していない場合、通信路が確保できず、互いに通信できない。このように、図27に示すようなIRモジュールの配置では、2つの携帯電話機1cが重層状態であっても、少しずれただけで通信できない状態になる。
【0402】
一方、IRモジュールが凹部51の底部に配置されている場合、図29に示すように、携帯電話機1dAと携帯電話機1dBとがずれた状態で重層状態になっている場合であっても、通信路を確保することができ、互いに通信することができる。このように、携帯電話機1dの筐体の表面に凹部51を設けて、その凹部51の底部にIRモジュールを配置することにより、IRモジュール間の通信路の自由度が高まり、携帯電話機1dが多少ずれて重層状態になっていても、互いに通信することができる。
【0403】
なお、凹部51の形状は、すり鉢状に限るものではなく、凹状であれば何でもよい。また、携帯電話機1dの筐体の全表面がフラットな平面になるように、凹部51をIRレンズで覆ってもよい。
【0404】
〔携帯電話機の筐体構造の変形例2〕
次に、携帯電話機の筐体構造の他の変形例について、図30に基づいて説明する。図30は、重層状態にある2台の携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図である。
【0405】
図30に示すように、携帯電話機1eAおよび1eBの筐体は、略直方体の基部52と、基部52の一端から正面側の垂直方向に延伸する略直方体の延伸部53とで構成される。ここで、延伸部53の表面において、基部52の多端側の表面を内側面と称し、基部52の一端側の表面を外側面と称する。
【0406】
図30に示すように、携帯電話機1eAおよび1eBは、延伸部53の先端側(正面側)の内側面に正面側IRモジュール22aが配置され、基部52の一端の底部側の外側面に背面側IRモジュール22bが配置されている。
【0407】
このように、携帯電話機1eAおよび1eBの筐体の側面視の断面がL字形状になっている場合、ユーザが2台の携帯電話機1eを重層状態にする際に、簡単にかつ精度良く2台の携帯電話機1eを重ねることができる。よって、2台の携帯電話機1eが、重層状態において、ずれて重ねあわされることを軽減できるため、2台の携帯電話機1eが重層状態において通信不可となっている状態を低減することができる。
【0408】
<補足>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0409】
最後に、携帯電話機1、1a、1bおよび1cの各ブロック、特に制御部11、11a、11bおよび11cは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0410】
すなわち、携帯電話機1、1a、1bおよび1cは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1、1a、1bおよび1cの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機1、1a、1bおよび1cに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0411】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0412】
また、携帯電話機1、1a、1bおよび1cを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0413】
本発明は、携帯電話機等の表示部を備える情報処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0414】
1、1a、1b、1c、1d、1e 携帯電話機(情報処理装置)
13a 主表示部(表示部)
13c、13d 表示部(表示部)
16a、16b、16c 操作部(入力手段)
17a 光センサ(入力手段)
23 音声入力部(入力手段)
32 表示制御部(表示制御手段)
35 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
36 認証部(認証データ取得手段、認証データ送信手段、制限解除情報受信手段、認証手段)
41、41a、41b、41c 上端末状態判定部(背面側装置検出手段)
42、42a、42b、42c 下端末状態判定部(表面側装置検出手段)
43 コンテンツ取得部(コンテンツ識別情報取得手段、コンテンツ受信手段)
44 コンテンツ送信部(コンテンツ識別情報送信手段、コンテンツ送信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、自装置が記憶する情報および他装置が記憶する情報を処理する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の携帯情報端末には、高性能の演算処理装置や大容量の記憶装置、写真や動画を撮影可能なカメラ等が搭載されており、携帯情報端末が扱うコンテンツ(連絡先情報、テキスト、画像、動画、音楽情報等)の種類やデータ量が増えてきている。そのため、ユーザは、多種多量の各種コンテンツを携帯情報端末に保有しており、ユーザ同士でそれぞれが保有するコンテンツを交換することが行われている。
【0003】
ここで、ユーザがコンテンツを装置間で交換する際に、簡単な操作で装置間のデータの送受信が実行できることが望まれている。従来、装置間でデータの送受信を行うシステムとして、例えば、次のような技術がある。
【0004】
特許文献1には、IDタグリーダを備える端末装置であって、ユーザが保持するIDタグを検出し、検出したユーザの端末装置に、IDタグ検出期間中に操作されたデータを送信する端末装置が記載されている。
【0005】
特許文献2には、受光素子を備える表示部を搭載した携帯電話機であって、複数の携帯電話機の表示部を対向させて、光通信によりデータを送受信する携帯電話機が記載されている。
【0006】
特許文献3には、側面にセンサを備える携帯電話機であって、複数の携帯電話機の側面を接触させた状態で、それぞれの携帯電話機が記憶するコンテンツを、それぞれの携帯電話機で各種処理を行う技術が記載されている。
【0007】
また、技術水準を示す文献として特許文献4および5を例示する。
【0008】
特許文献4には、他の通信端末と画像およびメッセージを送受信して、画像を表示する通信端末を複数含む通信システムにおいて、通信端末間の距離が近い場合、ユーザの撮影画像を通信端末に表示し、通信端末間の距離が遠い場合、ユーザのアバタ画像を通信端末に表示する技術が記載されている。
【0009】
特許文献5には、他の機器の位置を検出する位置検出部と表示部とを備える機器を複数含む表示システムにおいて、1つの表示部より大きなサイズの表示データを、各機器の位置関係に基づいて、各機器の表示部で連続的に表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−276560号公報(2008年11月13日公開)
【特許文献2】特開2004−336203号公報(2004年11月25日公開)
【特許文献3】特開2010−108212号公報(2010年5月13日公開)
【特許文献4】特開2008−270913号公報(2008年11月6日公開)
【特許文献5】特開2007−225803号公報(2007年9月6日公開)
【特許文献6】特開2003−280781号公報(2003年10月2日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで、本発明者のチームは、上述のような従来技術と比較して、装置間のデータの共有を、ユーザがより直感的に、より簡単に操作可能な情報処理システムを実現するに至った。
【0012】
具体的には、上記情報処理システムは、携帯電話機等の情報処理装置を2台重ねることにより、各情報処理装置が記憶するデータを互いに送受信可能な状態にし、上側の情報処理装置の表示部に、各情報処理装置が記憶するデータを、情報処理装置毎に異なる領域に表示するものである。また、上記情報処理システムは、情報処理装置が2台重なっている状態において、上側と下側との情報処理装置間におけるデータの送受信を、上側の情報処理装置に対するユーザ操作に基づいて実行可能にするものである。
【0013】
これにより、情報処理装置のユーザは、自装置を他の情報処理装置に重ねるという直感的かつ簡単な操作で、他のユーザが所持するデータを知ることができる。さらに、自分が所持するデータと他のユーザが所持するデータを、簡単な操作で、互いに授受することができる。
【0014】
しかしながら、上記情報処理システムでは、情報処理装置を2台重ねるだけで、誰もが簡単に相手のデータを認識したり、取得したりすることができるため、情報の安全性という点では不十分である。例えば、特定のユーザにのみ公開してもよいデータを保持していたとしても、情報処理装置を重ねた相手に対してその制限をかけることができない。また、上記情報処理システムでは、情報処理装置を重ねた時点で相手と共有するか否かをユーザが決定すること等ができない。
【0015】
また、上述のように、上記情報処理システムは、本発明者のチームが発明した新規なものであり、例えば、特許文献6に記載のような従来技術をそのまま適用することができない。
【0016】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがより直感的により簡単に操作可能であり、かつ、セキュリティ性の高い装置間のデータの共有を実行する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る情報処理装置は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置であって、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出手段と、上記背面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得手段と、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御手段とを備えることを特徴としている。
【0018】
本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出ステップと、上記背面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得ステップと、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御ステップとを含むことを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、上記背面側装置検出手段が上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出すると、上記コンテンツ識別情報取得手段は、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得する。そして、上記表示制御手段は、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する。
【0020】
そのため、上記表示制御手段は、上記背面側装置検出手段が自装置の背面側に他の情報処理装置があることを検出すると、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツと、制限コンテンツとを区別して上記第2表示領域に表示することができる。すなわち、上記表示制御手段は、ユーザに対して、上記他の情報処理装置が記憶するコンテンツであって、操作が制限されていないコンテンツと、操作が制限されているコンテンツとを通知することができる。
【0021】
従って、ユーザは、他のユーザの保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを知ることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明に係る情報処理装置は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力手段と、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されると、上記他の情報処理装置がユーザを認証するための認証データを取得する認証データ取得手段と、上記認証データ取得手段が取得した認証データを上記他の情報処理装置に送信する認証データ送信手段とをさらに備えることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されると、上記認証データ取得手段が上記他の情報処理装置がユーザを認証するための認証データを取得し、上記認証データ送信手段が上記認証データ取得手段の取得した認証データを上記他の情報処理装置に送信する。
【0024】
そのため、ユーザは、上記情報処理装置を操作して認証データを入力することにより、上記他の情報処理装置に対して、当該他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証に使用する認証データを取得させることができる。すなわち、ユーザは、上記他の情報処理装置を操作することなく、上記他の情報処理装置に認証を実行させることができる。
【0025】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されたとき、さらにユーザによって入力される操作入力に基づいて、認証データを取得することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれは、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されたとき、さらにユーザによって入力される操作入力に基づいて、認証データを取得する。そのため、上記情報処理装置は、上記操作用表示情報に対する操作入力とは別に、ユーザに対して認証データを入力させる。
【0027】
よって、ユーザは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作を行った後、当該操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証に使用する認証データを入力する操作を行うことができる。従って、ユーザが意図して認証データを入力することができ、正確な認証データを入力することができる。
【0028】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力に基づいて、認証データを生成することが好ましい。
【0029】
上記の構成によれは、上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力に基づいて、認証データを生成する。そのため、ユーザは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作を行うだけで、上記他の情報処理装置に認証を実行させることができる。従って、ユーザは、制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証を簡単に実行させることができる。
【0030】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を受信する制限解除情報受信手段をさらに備え、上記表示制御手段は、上記制限解除情報受信手段が上記制限解除情報を受信すると、上記制限コンテンツを特定する操作用表示情報に付加されていた認証表示情報を除いて、当該操作用表示情報を表示することが好ましい。
【0031】
上記の構成によれは、上記表示制御手段は、上記制限解除情報受信手段が上記制限解除情報を受信すると、上記制限コンテンツを特定する操作用表示情報に付加されていた認証表示情報を除いて、当該操作用表示情報を表示する。そのため、上記表示制御手段は、ユーザに対して、制限コンテンツの操作の制限が解除されたことを通知することができる。
【0032】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの実体データを受信するコンテンツ受信手段と、上記コンテンツ受信手段が受信した上記制限コンテンツの実体データに対して、上記入力手段に入力された操作入力が示す処理を行うコンテンツ処理手段とをさらに備えることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれは、上記コンテンツ受信手段が、上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの実体データを受信し、上記コンテンツ処理手段が上記コンテンツ受信手段の受信した上記制限コンテンツの実体データに対して、上記入力手段に入力された操作入力が示す処理を行う。
【0034】
そのため、ユーザは、上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作を行うだけで、当該操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除して、上記情報処理装置に対して当該制限コンテンツに所定の処理を実行させることができる。
【0035】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置であって、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出手段と、上記表面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信手段とを備えることを特徴としている。
【0036】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出ステップと、上記表面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信ステップとを含むことを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれは、上記表面側装置検出手段が上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出すると、上記コンテンツ識別情報送信手段は、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信する。
【0038】
そのため、ユーザは、上記情報処理装置の表示面側に上記他の情報処理装置を置くことによって、上記情報処理装置が記憶するコンテンツを、操作が制限されているコンテンツと操作が制限されていないコンテンツとを区別して、上記他の情報処理装置に通知することができる。すなわち、ユーザは、上記情報処理装置の上に上記他の情報処理装置を重ねることによって、上記他の情報処理装置に上記情報処理装置の記憶する通常コンテンツと制限コンテンツとを区別して通知することができる。
【0039】
従って、上記情報処理装置のユーザは、保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを上記他の情報処理装置のユーザに知らせることができるという効果を奏する。
【0040】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記他の情報処理装置から、ユーザを認証するための認証データを受信すると、予め定められた認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定し、認証データが一致した場合、所定の処理を実行する認証手段をさらに備えることが好ましい。
【0041】
上記の構成によれは、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、ユーザを認証するための認証データを受信すると、予め定められた認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定し、認証データが一致した場合、所定の処理を実行する。
【0042】
そのため、ユーザは、上記他の情報処理装置を操作して認証データを入力することにより、上記情報処理装置に対して、当該情報処理装置が記憶する制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証を実行させることができる。すなわち、ユーザは、上記情報処理装置を操作することなく、上記情報処理装置に認証を実行させることができる。
【0043】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することが好ましい。
【0044】
上記の構成によれは、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信する。そのため、上記認証手段は、認証が完了し、操作の制限が解除された制限コンテンツを上記他の情報処理装置に通知することができる。
【0045】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記他の情報処理装置に自装置が記憶するコンテンツの実体データを送信するコンテンツ送信手段をさらに備え、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信するように上記コンテンツ送信手段に指示することが好ましい。
【0046】
上記の構成によれは、上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信するように上記コンテンツ送信手段に指示する。そのため、上記コンテンツ送信手段は、上記認証手段の認証が完了すると、操作の制限が解除された制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信することができる。
【0047】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツ、および、当該制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することが好ましい。
【0048】
上記の構成によれは、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツ、および、当該制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信する。
【0049】
そのため、ユーザは、上記情報処理装置が記憶する制限コンテンツの操作の制限を解除する操作を行うだけで、上記制限コンテンツとは異なる上記情報処理装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限も解除することができる。
【0050】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することが好ましい。
【0051】
上記の構成によれは、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶する。そのため、上記認証手段は、記憶している制限解除管理情報を確認することによって、操作の制限を解除した制限コンテンツを特定することができる。よって、上記認証手段は、認証データが一致するか否かを判定する代わりに、制限解除管理情報を確認することによって、上記所定の処理を実行することができる。
【0052】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することが好ましい。
【0053】
上記の構成によれは、上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶する。そのため、上記認証手段は、記憶している制限解除管理情報を確認することによって、認証を行った制限コンテンツだけではなく、他の制限コンテンツに関して操作の制限が解除されているか否かを特定することができる。
【0054】
なお、上記情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報処理装置の各手段として動作させることにより、上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0055】
以上のように、本発明に係る情報処理装置は、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出手段と、上記背面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得手段と、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御手段とを備えている構成である。
【0056】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出ステップと、上記背面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得ステップと、上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御ステップとを含む。
【0057】
従って、ユーザは、他のユーザの保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを知ることができるという効果を奏する。
【0058】
また、本発明に係る情報処理装置は、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出手段と、上記表面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信手段とを備えている構成である。
【0059】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出ステップと、上記表面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信ステップとを含む。
【0060】
従って、上記情報処理装置のユーザは、保有するコンテンツのうち、何れのコンテンツが操作制限されていないコンテンツであるか、また、何れのコンテンツが操作制限されているコンテンツであるかを上記他の情報処理装置のユーザに知らせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図3】上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図4】上記携帯電話機の記憶部に格納されているコンテンツのメタデータであるコンテンツ情報の一例を示す図であり、(a)は上側の携帯電話機の記憶部に格納されているコンテンツのメタデータであるコンテンツ情報の一例を示す図であり、(b)は下側の携帯電話機の記憶部に格納されているコンテンツのメタデータであるコンテンツ情報の一例を示す図である。
【図5】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】上記載せる通信アプリ実行処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】上記上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末の制限解除処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】上記上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ送受信処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】上記上端末のコンテンツ送受信処理に含まれる上端末における下端末へのコンテンツ送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】重層状態における上側の上記携帯電話機の主表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図15】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図16】上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図17】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第3の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図19】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図20】上記携帯電話機が2台重なっている状態に移行する様子を示す図であり、(a)は上記携帯電話機が2台重なる前の状態における側面視の外観を示す図であり、(b)は上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図21】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理並びに上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第4の実施形態を示すものであり、携帯電話機の要部構成の一例を示すブロック図である。
【図23】上記携帯電話機の正面側および背面側の外観を示す図である。
【図24】上記携帯電話機が2台重なっている状態における側面視の外観を示す図である。
【図25】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理並びに上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】上記携帯電話機における載せる通信アプリ実行処理に含まれる重層状態判定処理並びに上端末および下端末の通信接続確立処理の他の一例を示すフローチャートである。
【図27】上記携帯電話機の筐体の概略構造の一例を示す側面視の断面図である。
【図28】上記携帯電話機の筐体の概略構造の他の一例を示す側面視の断面図である。
【図29】重層状態にある2台の上記携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図であり、(a)は図23に示す携帯電話機が重層状態にある場合を示し、(b)は図24に示す携帯電話機が重層状態にある場合を示す。
【図30】重層状態にある2台の上記携帯電話機の筐体の概略構造のさらに別の一例を示す側面視の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
<本発明の概要>
本発明の前提となる上記情報処理システムは、携帯電話機等の情報処理装置を2台重ねることにより、各情報処理装置が記憶するコンテンツを互いに送受信可能な状態にし、上側の情報処理装置の表示部に、各情報処理装置が記憶するコンテンツを、情報処理装置毎に異なる領域に表示するものである。また、上記情報処理システムは、情報処理装置が2台重なっている状態において、上側と下側との情報処理装置間におけるコンテンツの送受信を、上側の情報処理装置に対するユーザ操作に基づいて実行可能にするものである。
【0063】
本発明の情報処理システムは、情報処理装置を2台重ねた状態で上側の情報処理装置の表示部に表示されている各情報処理装置が記憶するコンテンツを、操作が制限されていないコンテンツと、操作が制限されているコンテンツとを区別して表示するものである。また、本発明の情報処理システムは、ユーザによって操作が制限されているコンテンツを送受信する指示が入力された場合、制限を解除するための認証を行い、認証が完了してから当該コンテンツの送受信処理を実行するものである。
【0064】
以下では、情報処理装置として携帯電話機を例示し、本発明について各実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本発明では、基本的に、携帯電話機が所定のアプリを起動中に、2台の携帯電話機が重なっていることを検出して、上側の携帯電話機が各携帯電話機の記憶するコンテンツを表示したり、コンテンツの送受信を行ったりするものとする。以下では、このアプリを「載せる通信アプリ」と称する。
【0065】
また、載せる通信アプリ実行時に、情報処理装置が他の情報処理装置と送受信を可能にするコンテンツは、上記情報処理装置が記憶するコンテンツの全てでもよいし、その一部のコンテンツであってもよい。例えば、ユーザが情報処理装置に格納されているコンテンツのうち、他の情報処理装置との送受信を可能にするコンテンツを予め設定しておいてもよい。以下では、情報処理装置が記憶するコンテンツであって、載せる通信アプリ実行時に、他の情報処理装置との送受信を可能にするコンテンツを共有コンテンツと称する。
【0066】
また、情報処理装置が記憶する共有コンテンツであって、操作が制限されていない共有コンテンツを通常コンテンツと称し、情報処理装置が記憶する共有コンテンツであって、操作が制限されている共有コンテンツを制限コンテンツと称する。
【0067】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について図1から図13に基づいて説明すると以下の通りである。第1の実施形態では、図2に示すように、携帯電話機1が、正面側(表示面側)に主表示部(表示部)13aとしてタッチパネルの光センサ液晶を搭載し、背面側に副表示部13bとして光センサ液晶を搭載しているものとする。
【0068】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、副表示部13bが他の携帯電話機の主表示部13aから照射される光を検出することにより、携帯電話機1が背面側にある他の携帯電話機とが重なっている状態であると判定している。そのため、図3に示すように、携帯電話機1Aの副表示部13bは、携帯電話機1Aと他の携帯電話機1Bとが重なっている状態において、他の携帯電話機1Bの主表示部13aと対向する位置に配置されていればよく、図2に示す配置およびその大きさに限るものではない。すなわち、主表示部13aおよび副表示部13bの大きさ、並びに、携帯電話機1の正面側における主表示部13aの配置および携帯電話機1の背面側における副表示部13bの配置は、適宜設計すればよい。
【0069】
また、本実施形態では、主表示部13aの光センサ17aが携帯電話機1aの正面側の物体の影を検出することにより、携帯電話機1aが正面側にある他の携帯電話機1aと重なっている状態であると判定している。そのため、光センサ17aは、携帯電話機1aの正面側に物体があるかどうかを検出できればよく、光センサ17a(主表示部13a)の配置、大きさ等は適宜設計すればよい。
【0070】
なお、以下では、2台の携帯電話機1が重なっている状態において、上側にある携帯電話機1を携帯電話機1Aと称し、下側にある携帯電話機1を携帯電話機1Bと称し、上側、下側を特に区別しない場合は、携帯電話機1と総称する。
【0071】
すなわち、本発明における情報処理システムは、上側にある携帯電話機1Aと下側にある携帯電話機1Bとを含むものである。
【0072】
〔携帯電話機の構成〕
図1は、携帯電話機1の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、携帯電話機1は、制御部11、記憶部12、主表示部13a、副表示部13b、近距離無線通信部14、電話網通信部15、操作部(入力手段)16a、音声入力部(入力手段)23および音声出力部24を備えている。
【0073】
なお、以下では、携帯電話機1Aの部材と携帯電話機1Bの部材とを区別する場合、部材番号の後に「A」または「B」を付記する。例えば、制御部11Aとは、携帯電話機1Aの制御部11を示し、主表示部13aBとは、携帯電話機1Bの主表示部13aを示す。
【0074】
主表示部13aおよび副表示部13bは、上述のように、光センサ液晶で構成されている。光センサ液晶とは、液晶パネルのトランジスタ形状面に光センサを内蔵し、液晶表面での指のマルチタッチ(多点検出)やペンの動き、形状を認識するものである。すなわち、主表示部13aおよび副表示部13bは、それぞれ光センサ(入力手段)17aおよび光センサ17bを備え、表示部としての画像表示機能に加え、光を検出する機能を備える。
【0075】
本発明では、光センサ17aおよび光センサ17bは、ユーザの入力操作を受け付ける操作部として機能すると共に、他の携帯電話機1を検出するものとして機能する。
【0076】
近距離無線通信部14は、無線通信手段によって、他の装置(例えば、他の携帯電話機1等)と通信を行い、制御部11の指示に従って、データのやりとりを行うものである。本実施形態では、近距離無線通信部14は、Bluetooth(登録商標)によって無線通信を行うものとするが、これに限るものではない。近距離無線通信部14は、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IrDA、IrSimple等の無線通信技術を用いて通信を行ってもよい。
【0077】
電話網通信部15は、携帯電話網を介して、他の装置と通信を行い、制御部11の指示に従って、音声データや通信データのやりとりを行うものである。
【0078】
操作部16aは、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであり、ユーザが携帯電話機1に指示信号を入力し、携帯電話機1を操作するためのものである。
【0079】
音声入力部23は、携帯電話機1の周囲の音を集音して、集音した音を電気信号に変換して制御部11に出力するものである。音声入力部23は、いわゆるマイクである。
【0080】
音声出力部24は、制御部11から電気信号を受信し、受信した電気信号を音に変換し、携帯電話機1の外部に音を出力するものである。音声出力部24は、いわゆるスピーカである。
【0081】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0082】
制御部11は、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1と重なると、他の携帯電話機1からデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1が記憶するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0083】
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、重層状態判定部31、表示制御部(表示制御手段)32、入力操作特定部33、通信接続制御部34、コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)35および認証部(認証データ取得手段、認証データ送信手段、制限解除情報受信手段、認証手段)36を備える構成である。これらの制御部11の各機能ブロック(31〜36)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0084】
重層状態判定部31は、携帯電話機1が他の携帯電話機1と重なっている状態であるか否かを判定するものである。以下では、携帯電話機1が他の携帯電話機1と重なっている状態を重層状態と称する。具体的には、図3に示すように、携帯電話機1Aと携帯電話機1Bとが重なっている状態を重層状態とする。重層状態判定部31は、上端末状態判定部(背面側装置検出手段)41および下端末状態判定部(表面側装置検出手段)42を備える。
【0085】
上端末状態判定部41は、自装置が他の携帯電話機1の上側にある上端末A(携帯電話機1A)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41は、自装置の背面側に他の携帯電話機1があるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41は、副表示部13bの光センサ17bが主表示部13aから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定し、光センサ17bが主表示部13aから照射される所定の光を検出した場合に、自装置を上端末Aであると判定する。より具体的には、上端末状態判定部41は、副表示部13bの光センサ17bが所定の周波数の光を所定の受光間隔で検出したか否かを判定する。
【0086】
上端末状態判定部41は、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0087】
下端末状態判定部42は、自装置が他の携帯電話機1の下側にある下端末B(携帯電話機1B)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42は、自装置の正面側に他の携帯電話機1があるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42は、主表示部13aの光センサ17aが影を検出したか否かを判定し、光センサ17aが影で検出した場合に、自装置を下端末Bであると判定する。
【0088】
下端末状態判定部42は、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を表示制御部32に通知し、表示制御部32に対して、主表示部13aから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させるように指示する。また、下端末状態判定部42は、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0089】
なお、上端末状態判定部41は、上端末Aであるか否かを判定するために、光センサ17bが主表示部13aから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定するものである。すなわち、上端末状態判定部41は、副表示部13bが携帯電話機1Bの主表示部13aと対向しているかを判定するものであり、主表示部13aから照射する光(光センサ17bで検出する光)は任意でよく、予め適宜設定すればよい。
【0090】
入力操作特定部33は、操作部16a、光センサ17a、光センサ17bおよび音声入力部23からユーザの入力操作信号を取得し、取得した入力操作信号がどのような入力操作であるかを特定するものである。入力操作特定部33は、特定した入力操作の内容に応じて、その入力操作の内容を表示制御部32、コンテンツ処理部35または認証部36に通知する。入力操作特定部33は、例えば、ユーザの入力操作の内容が載せる通信アプリの起動もしくは終了であることを特定したり、コンテンツの移動もしくは複製であることを特定したりする。
【0091】
具体的には、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。そして、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、例えば、第1表示領域または第2表示領域に表示されている認証表示情報(認証アイコン)をタッチする操作指示を取得すると、その旨を認証部36Aに通知する。また、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、例えば、第1表示領域または第2表示領域に表示されている認証表示情報が付加されていない操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作指示を取得すると、その旨をコンテンツ処理部35Aに通知する。また、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、例えば、第1表示領域または第2表示領域に表示されている認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作指示を取得すると、その旨をコンテンツ処理部35Aおよび認証部36Aに通知する。
【0092】
また、入力操作特定部33は、後述の認証データ入力画面が表示されている時に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから所定のデータが入力されると、取得したデータを認証部36Aに出力する。
【0093】
通信接続制御部34は、近距離無線通信部14と他の携帯電話機1の近距離無線通信部との通信接続を確立するものである。通信接続制御部34は、上端末状態判定部41から自装置が上端末Aである通知を受信すると、近距離無線通信部14を介して、通信開始信号を携帯電話機1Bに送信する。次に、通信接続制御部34は、携帯電話機1Bから端末IDを受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1Bに自装置の端末IDを送信する。
【0094】
また、通信接続制御部34は、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bである通知を受信すると、近距離無線通信部14に対して、通信接続の待ち受けを開始するように指示する。次に、通信接続制御部34は、携帯電話機1Aから通信開始信号を受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1Aに自装置の端末IDを送信する。
【0095】
なお、端末IDとは、通信接続の際に相手先を特定するための装置を識別するための情報であって、例えば、アドレス等である。
【0096】
コンテンツ処理部35は、自装置が保持するコンテンツを処理するものであり、例えば、コンテンツの移動や複製、コンテンツの再生、コンテンツの削除等を行うものである。また、コンテンツ処理部35は、取得したコンテンツを記憶部12に格納する。また、コンテンツ処理部35は、他の携帯電話機1と重層状態になっている場合、他の携帯電話機が保持するコンテンツを処理するものである。
【0097】
コンテンツ処理部35は、コンテンツ取得部(コンテンツ識別情報取得手段、コンテンツ受信手段)43およびコンテンツ送信部(コンテンツ識別情報送信手段、コンテンツ送信手段)44を備える。
【0098】
コンテンツ取得部43は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1から、他の携帯電話機1が保持するコンテンツを示すコンテンツ識別情報を取得するものである。ここで、コンテンツ識別情報とは、携帯電話機1が保持するコンテンツを一意に特定する情報であり、例えば、コンテンツIDまたはコンテンツのファイル名等である。
【0099】
具体的には、重層状態における上端末Aのコンテンツ取得部43Aは、通信接続確立後、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに対して、携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツのコンテンツ識別情報を要求する共有コンテンツ要求指示を送信する。そして、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから、携帯電話機1Bが保持する通常コンテンツのコンテンツ識別情報と、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツのコンテンツ識別情報および操作が制限されている制限コンテンツであることを示す制限識別子とを受信する。
【0100】
ここで、以下では、通常コンテンツのコンテンツ識別情報を通常コンテンツ識別情報と称し、制限コンテンツのコンテンツ識別情報と、制限識別子とを含む情報を制限コンテンツ識別情報と称する。換言すると、制限コンテンツ識別情報は、操作が制限されている制限コンテンツを示す情報である。また、通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を含む情報を共有コンテンツ識別情報と称する。
【0101】
すなわち、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから、携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を受信する。そして、コンテンツ取得部43Aは、受信した携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。
【0102】
また、コンテンツ取得部43Aは、通信接続確立後、記憶部12Aから自装置(携帯電話機1A)の通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを読み出し、読み出した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。
【0103】
また、コンテンツ取得部43は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1から、他の携帯電話機1が保持するコンテンツの実体データを取得するものである。
【0104】
具体的には、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている操作用表示情報を第1表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツの実体データの送信を要求するコンテンツ実体データ要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する。
【0105】
コンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の送信後、その応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0106】
コンテンツ送信部44は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1に対して、自装置が保持するコンテンツを示すコンテンツ識別情報を送信するものである。
【0107】
具体的には、重層状態における下端末Bのコンテンツ送信部44Bは、通信接続確立後携帯電話機1Aから共有コンテンツ要求指示を受信すると、記憶部12Bから自装置(携帯電話機1B)の共有コンテンツのコンテンツ識別情報を読み出し、当該共有コンテンツのうち、制限コンテンツのコンテンツ識別情報に制限識別子を付加して、通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を、近距離無線通信部14Bを介して携帯電話機1Aに送信する。
【0108】
なお、コンテンツ送信部44は、記憶部12から共有コンテンツ識別情報だけではなく、コンテンツのサムネイル画像、コンテンツのコンテンツ種別情報、コンテンツのサイズ情報、コンテンツの作成日時情報等のコンテンツの付属情報を読み出し、共有コンテンツ識別情報およびコンテンツ付属情報を他の携帯電話機1に送信してもよい。
【0109】
また、コンテンツ送信部44は、他の携帯電話機1と重層状態において、通信接続確立後、他の携帯電話機1に対して、自装置が保持するコンテンツの実体データを送信するものである。
【0110】
具体的には、携帯電話機1Bのコンテンツ送信部44Bは、携帯電話機1Aからコンテンツ実体データ要求指示を受信すると、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツであるか制限コンテンツであるかを特定する。
【0111】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツである場合、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(通常コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0112】
一方、コンテンツ送信部44Bは、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが制限コンテンツである場合、記憶部12Bに格納されているコンテンツ情報を参照して、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグ(制限解除管理情報)が立っているか否かを確認する。
【0113】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っている場合、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0114】
一方、コンテンツ送信部44Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていない場合、その旨を認証部36Bに通知する。そして、コンテンツ送信部44Bは、認証部36Bから制限コンテンツの操作の制限を解除したことを通知されると、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0115】
表示制御部32は、下端末状態判定部42や入力操作特定部33等の指示に基づいて、主表示部13aおよび副表示部13bに画像を表示するものである。
【0116】
具体的には、表示制御部32は、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bであることを示す通知を受信すると、主表示部13aから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させる。
【0117】
また、重層状態における上端末Aの表示制御部32Aは、通信接続確立後、主表示部13aの表示領域に、自装置に対応する第1表示領域WAと、他の携帯電話機1に対応する第2表示領域WBとを設定する。
【0118】
そして、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Aの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第1表示領域WAに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する。
【0119】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第2表示領域WBに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する。
【0120】
換言すると、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから取得したコンテンツ識別情報に制限識別子が付加されていれば、操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示し、一方、コンテンツ取得部43Aから取得したコンテンツ識別情報に制限識別子が付加されていなければ、操作用表示情報のみを表示する。
【0121】
ここで、操作用表示情報とは、ユーザがコンテンツを特定できるような情報であれば良く、例えば、コンテンツのファイル名、アイコン、サムネイル等である。また、認証表示情報とは、当該認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定されるコンテンツの操作が制限されていることを示す情報である。認証表示情報は、例えば、操作が制限されていることを示す文字情報やアイコン等である。
【0122】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ識別情報のみを取得した場合、操作用表示情報としてコンテンツ識別情報を使用し、表示部にコンテンツIDまたはコンテンツのファイル名等を表示してもよい。また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ識別情報およびコンテンツ付属情報を取得した場合、操作用表示情報としてコンテンツ付属情報を使用し、コンテンツをコンテンツの種別を示すアイコンやサムネイル等で表示してもよい。
【0123】
また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示する。
【0124】
また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示を受けて、指示された操作用表示情報から認証表示情報を除去して、主表示部13aAに当該操作用表示情報を表示する。
【0125】
また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証ができなかったことを示す認証エラー画面を表示する。また、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、指示された操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する。
【0126】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aまたはコンテンツ送信部44Aから指示を受けて、指示された共有コンテンツを特定する操作用表示情報を第1表示領域または第2表示領域に追加して表示する。
【0127】
認証部36は、操作が制限されているコンテンツの操作の制限を解除するための認証を実行するものである。
【0128】
具体的には、携帯電話機1Aの認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証開始を要求する認証開始要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する。ここで、認証開始要求指示は、認証によって制限を解除する制限コンテンツのコンテンツ識別情報を含む。
【0129】
また、認証部36Aは、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して、受信した認証データ要求指示に基づいて、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。認証部36Aは、入力操作特定部33Aから認証データを取得すると、取得した認証データを、受信した認証データ要求指示に対する応答として、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する。
【0130】
また、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して認証データ入力画面を表示するように指示した後、所定時間以内に認証データを取得できない場合、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。
【0131】
また、認証部36Aは、認証開始要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから、認証開始要求指示が含むコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限が解除されたことを示す制限解除通知を受信すると、操作対象の認証表示情報を除去して、操作の制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示するように表示制御部32Aに指示する。すなわち、制限解除通知には、操作の制限を解除した制限コンテンツを示すコンテンツ識別情報が含まれる。
【0132】
また、認証部36Aは、制限解除通知を受信せず、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を受信した場合、表示制御部32Aに対して、受信した認証エラー通知に基づいて認証エラー画面を表示するように指示する。
【0133】
なお、認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、上記操作指示に基づいて、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証データを生成し、生成した認証データおよび認証開始要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信してもよい。
【0134】
携帯電話機1Bの認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証開始要求指示を受信すると、受信した認証開始要求指示に対する応答として、認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0135】
また、認証部36Bは、認証データ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Aから認証データを受信すると、記憶部12Bから、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する。
【0136】
認証部36Bは、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除し、その旨を示す制限解除通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。また、認証部36Bは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのメタデータであるコンテンツ情報を更新する。
【0137】
また、認証部36Bは、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致しない場合、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0138】
また、認証部36Bは、コンテンツ送信部44Bからコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていないことを通知されると、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する。
【0139】
なお、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証開始要求指示および認証データを受信すると、記憶部12Bから、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する。
【0140】
そして、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証データを受信すると、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する。読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合、認証部36Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除して、当該制限コンテンツの操作の制限を解除したことをコンテンツ送信部44Bに通知する。
【0141】
また、認証部36Bは、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除すると共に、当該制限コンテンツとは異なる自装置が保持する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除してもよい。ここで、上記他の制限コンテンツは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が保持する1つまたは複数の制限コンテンツであってもよいし、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が保持するその他全ての制限コンテンツであってもよい。
【0142】
この場合、認証部36Bは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツおよび当該制限コンテンツとは異なる自装置が保持する他の制限コンテンツの操作の制限を解除したことを示す制限解除通知を携帯電話機1Aに送信する。また、認証部36Bは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツおよび当該制限コンテンツとは異なる自装置が保持する他の制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている上記制限コンテンツおよび上記他の制限コンテンツのメタデータであるコンテンツ情報を更新する。
【0143】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものであり、例えば、コンテンツ処理部35が他の携帯電話機と送受信する画像、動画、テキストデータ、htmlデータ、連絡先情報、アプリデータ等の各種コンテンツの実体データおよび当該コンテンツのメタデータであるコンテンツ情報を格納している。
【0144】
記憶部12に格納されているコンテンツ情報は、例えば、図4に示すような情報であってよい。図4は、携帯電話機1の記憶部12に格納されているコンテンツ情報の一例を示す図であって、図4(a)は、携帯電話機1Aの記憶部12に格納されているコンテンツ情報を示し、図4(b)は、携帯電話機1Bの記憶部12に格納されているコンテンツ情報を示す。
【0145】
図4に示すように、コンテンツ情報は、「コンテンツID」61、「コンテンツ名」62、「種類」63、「サイズ」64、「サムネイル」65、「作成日時」66、「共有設定」67、「制限の有無」68、「認証方法」69、「認証データ」70、「制限解除有効範囲」71および「制限解除フラグ」72がそれぞれ対応付けられている情報である。
【0146】
「コンテンツID」61は、コンテンツを一意に識別するための情報である。また、「コンテンツ名」62は、コンテンツの名称を示す情報である。
【0147】
「種類」63は、コンテンツの種類を示す情報である。また、「サイズ」64は、コンテンツのデータのサイズを示す情報である。また、「サムネイル」65は、コンテンツのサムネイル画像を示す情報である。「作成日時」66は、コンテンツが作成された日時を示す情報である。
【0148】
「共有設定」67は、コンテンツが載せる通信アプリ実行時に他の携帯電話機1と共有するコンテンツであるか否かを示す情報である。図示の例では、「共有設定」67が「○」の場合、通信アプリ実行時に他の携帯電話機1と共有する共有コンテンツを示し、「共有設定」67が「×」の場合、通信アプリ実行時に他の携帯電話機1と共有しないコンテンツを示す。
【0149】
「制限の有無」68は、コンテンツの操作が制限されているか否かを示す情報である。図示の例では、「制限の有無」68が「○」の場合、操作が制限されている制限コンテンツを示し、「制限の有無」68が「×」の場合、操作が制限されていない通常コンテンツを示す。
【0150】
「認証方法」69は、制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証方法を示す情報である。認証方法として、例えば、ユーザの音声を照合する方法、ユーザの指紋を照合する方法、ユーザが設定したパスワードを照合する方法、ユーザが設定した画像を照合する方法等がある。また、その他にも、ユーザが画面上の所定位置をタッチした順番を照合する方法や、ユーザが画面上に触れた軌跡を照合する方法等でもよい。
【0151】
「認証データ」70は、制限コンテンツの操作の制限を解除するための認証に使用する認証データであって、ユーザが予め設定した認証データを示す情報である。
【0152】
「制限解除有効範囲」71は、制限コンテンツの操作の制限が解除されてから、制限が解除された制限解除状態が継続する範囲を示す情報である。制限解除状態が継続する範囲とは、例えば、制限が解除されてからの所定期間でもよいし、制限が解除された後のユーザの操作回数でもよいし、制限解除状態から操作が制限される制限状態に切り替わる条件であってもよい。制限解除状態から制限状態に切り替わる条件として、例えば、載せる通信アプリ終了時でもよいし、2端末が離れた(重層状態ではなくなった)時点でもよいし、2端末間の通信接続が切断された時点でもよい。
【0153】
「制限解除フラグ」72は、制限コンテンツの操作の制限が解除されている制限解除状態であるか、制限コンテンツの操作が制限されている制限状態であるかを示す情報である。図示の例では、「制限解除フラグ」72が「T」の場合、制限コンテンツが制限解除状態であることを示し、「制限解除フラグ」72が「F」の場合、制限コンテンツが制限状態であることを示す。
【0154】
なお、図4に示す例では、「制限の有無」68、「認証方法」69、「認証データ」70、「制限解除有効範囲」71および「制限解除フラグ」72は、それぞれ1つのコンテンツごとに設定されているがこれに限るものではない。例えば、複数のコンテンツごと、もしくは、携帯電話機単位で設定されていてもよい。
【0155】
〔載せる通信アプリ実行処理〕
次に、携帯電話機1における載せる通信アプリ実行処理について図5〜図12に基づいて説明する。図5は、携帯電話機1における載せる通信アプリ実行処理の一例を示すフローチャートである。
【0156】
図5に示すように、まず、制御部11は、ユーザの操作に基づいて、載せる通信アプリを起動する(S1)。起動後、重層状態判定部31が、携帯電話機1が他の携帯電話機1と重なっている重層状態であるか否かを判定し、自装置が上端末Aであるか下端末Bであるかを特定する(S2)。
【0157】
次に、上端末Aである携帯電話機1Aおよび下端末Bである携帯電話機1Bは、それぞれ、通信接続確立処理を実行し、互いの通信接続を確立する(S3A、S3B)。両者が通信接続確立後、両者は、コンテンツ表示処理を実行し、携帯電話機1Aは、主表示部13aAに携帯電話機1Aおよび1Bの保持する共有コンテンツを表示させる(S4A、S4B)。そして、両者は、携帯電話機1Aが受け付けたユーザの操作に基づいて、コンテンツ処理を実行し、共有コンテンツの移動、複製等を行う(S5A、S5B)。
【0158】
その後、両者は、それぞれ、2台の携帯電話機1が離されたか否かを判定する(S6A、S6B)。重層状態が維持されていれば(S6A、S6BでNO)、引き続き両者は、それぞれS5A、S5Bの処理を行い、一方、2台の携帯電話機1が重層状態でなければ(S6A、S6BでYES)、両者は、それぞれ載せる通信アプリを終了する(S7A、S7B)。
【0159】
〔載せる通信アプリ実行処理における各処理の詳細について〕
次に、図6〜図12に基づいて、図5におけるS2〜S5(重層状態判定処理、通信接続確立処理、コンテンツ表示処理およびコンテンツ処理)の処理について詳細に説明する。図6は、重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。図7は、上端末および下端末の通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。図8は、上端末および下端末のコンテンツ表示処理の一例を示すフローチャートである。図9は、上端末および下端末のコンテンツ処理の一例を示すフローチャートである。図10は、上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末の制限解除処理の一例を示すフローチャートである。図11は、上端末および下端末のコンテンツ処理に含まれる上端末および下端末のコンテンツ送受信処理の一例を示すフローチャートである。図12は、上端末のコンテンツ送受信処理に含まれる上端末における下端末へのコンテンツ送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0160】
また、最後に、S6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1が重層状態を維持しているか否かの判定処理について説明する。
【0161】
〔重層状態判定処理〕
まず、図6に基づいて、重層状態判定処理について詳細に説明する。図6に示すように、載せる通信アプリを起動後、携帯電話機1の下端末状態判定部42は、主表示部13aの光センサ17aが影を検出したか否かを判定する(S11)。
【0162】
光センサ17aが影を検出すると(S11でYES)、下端末状態判定部42は、自装置を下端末Bであると判定し(S12)、その旨を表示制御部32に通知する。表示制御部32Bは、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bであることを通知されると、主表示部13aBから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させる。つまり、表示制御部32Bは、主表示部13aBを点滅表示させる(S13)。
【0163】
一方、光センサ17aが影を検出しない場合(S11でNO)、上端末状態判定部41は、副表示部13bの光センサ17bが主表示部13aの点滅表示を検出したか否かを判定する(S14)。光センサ17bが点滅表示を検出すると(S14でYES)、上端末状態判定部41は、自装置を上端末Aであると判定する(S15)。光センサ17bが点滅表示を検出しない場合(S14でNO)、再度S11に戻る。
【0164】
なお、図5および図6の処理例では、載せる通信アプリを起動してから、重層状態判定処理を行っているが、これに限るものではない。例えば、光センサ17aが影を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、下端末状態判定部42が、自装置を下端末Bであると判定し、光センサ17bが点滅表示を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、上端末状態判定部41は、自装置を上端末Aであると判定してもよい。
【0165】
また、図示していないが、所定期間、光センサ17aが影を検出せず、かつ、光センサ17bが点滅表示を検出しない場合、主表示部13aにエラーを表示し、重層状態にするように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0166】
〔通信接続確立処理〕
次に、図7に基づいて、通信接続確立処理について詳細に説明する。図7に示すように、自装置を下端末Bであると判定した携帯電話機1Bの通信接続制御部34Bは、下端末状態判定部42Bから下端末Bであることを通知されると、近距離無線通信部14Bを起動して、通信接続の待ち受けを開始させる(S21)。
【0167】
一方、自装置を上端末Aであると判定した携帯電話機1Aの通信接続制御部34Aは、上端末状態判定部41Aから上端末Aであることを通知されると、近距離無線通信部14Aを介して、通信開始信号を携帯電話機1Bに送信する(S22)。
【0168】
携帯電話機1Aから通信開始信号を受信すると、通信接続制御部34Bは、自装置(携帯電話機1B)の端末IDを携帯電話機1Aに送信する(S23)。携帯電話機1Bから携帯電話機1Bの端末IDを受信すると、通信接続制御部34Aは、自装置(携帯電話機1A)の端末IDを携帯電話機1Bに送信する(S24)。
【0169】
通信接続制御部34Bは、携帯電話機1Aから端末IDを受信して、通信接続の確立を完了し、通信接続制御部34Aは、端末ID送信に対するレスポンスを受信して、通信接続の確立が完了したことを確認する。
【0170】
〔コンテンツ表示処理〕
次に、図8に基づいて、コンテンツ表示処理について詳細に説明する。図8に示すように、携帯電話機1Aでは、通信接続確立後、コンテンツ取得部43Aは、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに共有コンテンツ要求指示を送信する(S31)。
【0171】
一方、携帯電話機1Bでは、通信接続確立後、携帯電話機1Aから共有コンテンツ要求指示を受信すると、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから自装置(携帯電話機1B)の通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを読み出し、読み出した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を、近距離無線通信部14Bを介して携帯電話機1Aに送信する(S32)。
【0172】
また、コンテンツ取得部43Aは、通信接続確立後、記憶部12Aから自装置(携帯電話機1A)の通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを読み出し、読み出した通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツ要求指示に対する応答として、携帯電話機1Bから通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を受信すると、受信した携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を表示制御部32Aに出力する。
【0173】
携帯電話機1Aでは、通信接続確立後、表示制御部32Aは、主表示部13aAの表示領域に、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを設定する(S33)。
【0174】
そして、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Aの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第1表示領域WAに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Aが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する(S34)。
【0175】
また、表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから携帯電話機1Bの通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を取得すると、主表示部13aAの第2表示領域WBに、取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を表示し、取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、認証表示情報を付加して表示する(S35)。
【0176】
なお、S32において、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから共有コンテンツ識別情報だけではなく、共有コンテンツのサムネイル画像、共有コンテンツのコンテンツ種別情報、共有コンテンツのサイズ情報、共有コンテンツの作成日時情報等の共有コンテンツの付属情報を読み出し、共有コンテンツ識別情報および共有コンテンツ付属情報を携帯電話機1Aに送信してもよい。
【0177】
また、上述のコンテンツ表示処理例では、携帯電話機1Bが携帯電話機1Aから共有コンテンツ要求指示を受信してから、通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を送信しているが、これに限るものではない。例えば、携帯電話機1Bが、通信接続確立後、携帯電話機1Aに通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報を送信し、携帯電話機1Aは、通信接続確立後、携帯電話機1Bから通常コンテンツ識別情報および制限コンテンツ識別情報が送信されるのを待つようにしてもよい。
【0178】
〔コンテンツ処理〕
次に、図9に基づいて、コンテンツ処理について詳細に説明する。なお、ここでは、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる場合、ユーザは、一旦、制限を解除するための認証の操作をした後に、操作用表示情報を他の領域に移動させる操作を行うものとする。つまり、携帯電話機1Aにコンテンツが表示された後、ユーザは、制限コンテンツの操作制限を解除するための認証表示情報をタッチする操作、または、認証表示情報が付加されていない操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作を入力するものとする。
【0179】
図9に示すように、携帯電話機1Aは、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツを表示後、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。
【0180】
ここで、ユーザが主表示部13aに表示されている認証表示情報をタッチする操作を行うと(S41でYES)、携帯電話機1Aは、タッチされた認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための制限解除処理を実行する(S42)。
【0181】
また、ユーザが主表示部13aに表示されている操作用表示情報を他の表示領域に移動させる操作を行うと(S43でYES)、携帯電話機1Aは、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツを携帯電話機1Bと送受信するコンテンツ送受信処理を実行する(S44)。
【0182】
また、携帯電話機1Aは、ユーザから操作が入力されなければ(S41でNO、かつ、S43でNO)、コンテンツ処理を終了する。
【0183】
一方、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから指示が送信されるのを待つ。
【0184】
ここで、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから、携帯電話機1Bが保持する制限コンテンツの制限を解除するための認証開始を要求する認証開始要求指示を受信すると(S45でYES)、認証開始要求指示の示す制限コンテンツの制限を解除するための制限解除処理を実行する(S46)。
【0185】
また、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから、携帯電話機1Aまたは携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツを携帯電話機1Aと送受信するコンテンツ送受信要求指示を受信すると(S47でYES)、コンテンツ送受信要求指示の示す共有コンテンツを携帯電話機1Aと送受信するコンテンツ送受信処理を実行する(S48)。
【0186】
また、携帯電話機1Bは、携帯電話機1Aから指示が送信されなければ(S45でNO、かつ、S47でNO)、コンテンツ処理を終了する。
【0187】
〔制限解除処理〕
次に、図10に基づいて、制限解除処理について詳細に説明する。図10に示すように、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。
【0188】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示を取得すると(S401でYES)、その旨を認証部36Aに通知する。
【0189】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証開始を要求する認証開始要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S402)。
【0190】
一方、携帯電話機1Bの認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証開始要求指示を受信すると、受信した認証開始要求指示に対する応答として、認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S403)。
【0191】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して、受信した認証データ要求指示に基づいて、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S404)。
【0192】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S405)。
【0193】
認証データが入力されると(S405でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、取得した認証データを、受信した認証データ要求指示に対する応答として、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S406)。
【0194】
一方、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データ要求指示を送信した後、携帯電話機1Aから認証データが送信されるのを待つ(S407)。
【0195】
ここで、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証データを受信すると(S407でYES)、記憶部12Bから、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する(S408)。
【0196】
読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合(S408でYES)、認証部36Bは、認証開始要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除し、その旨を示す制限解除通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S409)。
【0197】
一方、携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証データを送信した後、携帯電話機1Bから制限解除通知が送信されるのを待つ(S410)。
【0198】
ここで、認証部36Aは、携帯電話機1Bから制限解除通知を受信すると(S410でYES)、操作対象の認証表示情報を除去して、操作の制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示するように表示制御部32Aに指示する。そして、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示を受けて、主表示部13aAの第2表示領域において、操作対象の認証表示情報が付加されていた操作用表示情報から当該認証表示情報を除去して、制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示する(S411)。
【0199】
また、携帯電話機1Bの認証部36Bは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S412)。
【0200】
ところで、S405において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S405でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S413)。
【0201】
また、S407において、携帯電話機1Bに認証データが送信されない場合(S407でNO)、認証部36Bは、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S414)。また、S408において、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致しなかった場合(S408でNO)も、認証部36Bは、認証エラー通知を携帯電話機1Aに送信する(S414)。
【0202】
また、S410において、携帯電話機1Aの認証部36Aが制限解除通知を受信せず、認証エラー通知を受信した場合(S410でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、受信した認証エラー通知に基づいて認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S413)。
【0203】
また、S401において、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、第1表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示を取得すると(S401でNO)、その旨を認証部36Aに通知する。
【0204】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、入力操作特定部33Aから第1表示領域に表示されている認証表示情報をタッチする操作指示が通知されると、表示制御部32Aに対して、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データをユーザに入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S415)。
【0205】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S416)。
【0206】
認証データが入力されると(S416でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、入力操作特定部33Aから認証データを取得すると、記憶部12Aから、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致するか否かを判定する(S417)。
【0207】
読み出した認証データと、取得した認証データとが一致した場合(S417でYES)、認証部36Aは、操作対象の認証表示情報が付加されている操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除する。そして、認証部36Aは、操作対象の認証表示情報を除去して、制限を解除した制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示するように表示制御部32Aに指示する。そして、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示を受けて、主表示部13aAの第1表示領域において、操作対象の認証表示情報が付加されていた操作用表示情報から当該認証表示情報を除去して、制限が解除された制限コンテンツを特定する操作用表示情報を表示する(S418)。
【0208】
また、認証部36Aは、制限コンテンツの操作の制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S419)。
【0209】
一方、S416において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S416でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S420)。また、S417において、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致しなかった場合(S417でNO)も、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証エラー画面を表示するように指示し、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S420)。
【0210】
なお、携帯電話機1Bの認証部36Bが音声による認証を行う場合、認証部Bは、携帯電話機1Aから認証データを取得する代わりに、携帯電話機1Bの音声入力部23Bから認証データを取得してもよい。
【0211】
具体的には、認証部36Bは、認証データ要求指示を携帯電話機1Aに送信すると共に、音声入力部23Bを起動させる。携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して、認証データ入力画面を表示するように指示する。
【0212】
そして、認証部36Bは、自装置の音声入力部23Bが音声を集音するのを待ち、音声入力部23Bから音声データを取得すると、取得した音声データと、記憶部12Bから読み出した認証データとが一致するか否かを判定する。
【0213】
このように、携帯電話機1Bの認証部36Bが音声による認証を行う場合、図10に示す制限解除処理における携帯電話機1Aの認証部36Aが認証データを取得して、携帯電話機1Bに送信するという処理が不要になる。従って、認証処理にかかる負荷を低減することができる。
【0214】
なお、携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証データ要求指示を受信すると、表示制御部32Aに対して指示すると共に、携帯電話機1Aの音声入力部23Aを停止させることが望ましい。音声入力部23Aを停止させることにより、携帯電話機1Aが認証データを取得することができなくなり、携帯電話機1Aのユーザが不正に携帯電話機1Bの保持する制限コンテンツの操作の制限を解除することを防ぐことができる。
【0215】
〔コンテンツ送受信処理〕
次に、図11に基づいて、コンテンツ送受信処理について詳細に説明する。図11に示すように、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから表示中のコンテンツを操作する指示が入力されるのを待つ。
【0216】
ここで、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、第2表示領域に表示されている操作用表示情報を第1表示領域に移動させる操作指示を取得すると(S431でYES)、その旨をコンテンツ処理部35Aに通知する。
【0217】
コンテンツ処理部35Aのコンテンツ取得部43Aは、入力操作特定部33Aから第2表示領域に表示されている操作用表示情報を第1表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツの実体データの送信を要求するコンテンツ実体データ要求指示を、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S432)。
【0218】
一方、携帯電話機1Bのコンテンツ送信部44Bは、携帯電話機1Aからコンテンツ実体データ要求指示を受信すると(S433でYES)、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツであるか制限コンテンツであるかを特定する(S434)。
【0219】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが通常コンテンツである場合(S434でNO)、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(通常コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S435)。
【0220】
一方、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の送信後、その応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると(S436でNO)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する(S437)。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0221】
表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第1表示領域に追加して表示する(S438)。
【0222】
ところで、S434において、受信したコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツが制限コンテンツである場合(S434でYES)、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bに格納されているコンテンツ情報を参照して、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っているか否かを確認する(S439)。
【0223】
ここで、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っている場合(S439でYES)、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから、上記コンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S435)。
【0224】
一方、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の送信後、その応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると(S436でNO)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する(S437)。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0225】
表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第1表示領域に追加して表示する(S438)。
【0226】
ところで、S439において、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていない場合(S439でNO)、コンテンツ送信部44Bは、その旨を認証部36Bに通知する。
【0227】
認証部36Bは、コンテンツ送信部44Bからコンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていないことを通知されると、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データを要求する認証データ要求指示を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S440)。
【0228】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示の送信後、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると(S436でYES)、表示制御部32Aに対して、受信した認証データ要求指示に基づいて、ユーザに認証データを入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S441)。
【0229】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S442)。
【0230】
認証データが入力されると(S442でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、取得した認証データを、受信した認証データ要求指示に対する応答として、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S443)。
【0231】
一方、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データ要求指示を送信した後、携帯電話機1Aから認証データが送信されるのを待つ(S444)。
【0232】
ここで、認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証データを受信すると(S444でYES)、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定する(S445)。
【0233】
読み出した認証データと、受信した認証データとが一致した場合(S445でYES)、認証部36Bは、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの操作の制限を解除して、当該制限コンテンツの操作の制限を解除したことをコンテンツ送信部44Bに通知する。コンテンツ送信部44Bは、認証部36Bから制限コンテンツの操作の制限を解除したことを通知されると、記憶部12Bから、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、受信したコンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S446)。
【0234】
また、認証部36Bは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Bに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S447)。
【0235】
一方、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aは、認証部36Aが認証データを送信した後、携帯電話機1Bから共有コンテンツの実体データが送信されるのを待つ(S448)。
【0236】
コンテンツ取得部43Aは、コンテンツ実体データ要求指示の応答として、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信すると(S448でYES)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Aに格納する(S437)。また、コンテンツ取得部43Aは、共有コンテンツの実体データを受信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0237】
表示制御部32Aは、コンテンツ取得部43Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを受信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第1表示領域に追加して表示する(S438)。
【0238】
ところで、S442において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S442でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S449)。
【0239】
表示制御部32Aは、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、操作対象の操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する(S450)。
【0240】
また、S444において、携帯電話機1Bに認証データが送信されない場合(S444でNO)、認証部36Bは、認証ができなかったことを示す認証エラー通知を、近距離無線通信部14Bを介して、携帯電話機1Aに送信する(S451)。また、S445において、読み出した認証データと、受信した認証データとが一致しなかった場合(S445でNO)も、認証部36Bは、認証エラー通知を携帯電話機1Aに送信する(S451)。
【0241】
また、S448において、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aが共有コンテンツの実体データを受信せず、認証部36Aが認証エラー通知を受信した場合(S448でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、受信した認証エラー通知に基づいて認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S449)。
【0242】
表示制御部32Aは、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、操作対象の操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する(S450)。
【0243】
ところで、S431において、携帯電話機1Aの入力操作特定部33Aは、共有コンテンツ表示後に、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aから、第1表示領域に表示されている操作用表示情報を第2表示領域に移動させる操作指示を取得すると(S431でNO)、その旨をコンテンツ処理部35Aに通知する。
【0244】
コンテンツ処理部35Aは、入力操作特定部33Aから第1表示領域に表示されている操作用表示情報を第2表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを携帯電話機1Bに送信する「上端末における下端末へのコンテンツ送信処理」(詳細は後述)を実行する(S452)。
【0245】
一方、携帯電話機1Bのコンテンツ取得部43Bは、携帯電話機1Aから共有コンテンツの実体データを受信すると(S433でNO)、受信した共有コンテンツの実体データを記憶部12Bに格納する(S453)。
【0246】
〔上端末における下端末へのコンテンツ送信処理〕
次に、図12に基づいて、上端末における下端末へのコンテンツ送信処理について詳細に説明する。図12に示すように、コンテンツ処理部35Aのコンテンツ送信部44Aは、入力操作特定部33Aから第1表示領域に表示されている操作用表示情報を第2表示領域に移動させる操作指示が通知されると、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツが通常コンテンツであるか制限コンテンツであるかを特定する(S461)。
【0247】
ここで、コンテンツ送信部44Bは、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツが通常コンテンツである場合(S461でNO)、記憶部12Bから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツ(通常コンテンツ)の実体データを読み出し、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S462)。また、コンテンツ送信部44Aは、共有コンテンツの実体データを送信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0248】
表示制御部32Aは、コンテンツ送信部44Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを送信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第2表示領域に追加して表示する(S463)。
【0249】
一方、S461において、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツが制限コンテンツである場合(S461でYES)、コンテンツ送信部44Aは、記憶部12Aに格納されているコンテンツ情報を参照して、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っているか否かを確認する(S464)。
【0250】
ここで、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っている場合(S464でYES)、コンテンツ送信部44Bは、記憶部12Bから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S462)。また、コンテンツ送信部44Aは、共有コンテンツの実体データを送信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0251】
表示制御部32Aは、コンテンツ送信部44Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを送信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第2表示領域に追加して表示する(S463)。
【0252】
一方、S464において、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていない場合(S464でNO)、コンテンツ送信部44Aは、その旨を認証部36Aに通知する。
【0253】
認証部36Aは、コンテンツ送信部44Aから操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている制限解除フラグが立っていないことを通知されると、表示制御部32Aに対して、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの制限を解除するための認証に使用する認証データをユーザに入力させるための認証データ入力画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証データ入力画面を表示する(S465)。
【0254】
ここで、入力操作特定部33Aは、光センサ17aA、操作部16aAまたは音声入力部23Aを介して、ユーザから認証データが入力されるのを待つ(S466)。
【0255】
認証データが入力されると(S466でYES)、入力操作特定部33Aは、取得した認証データを認証部36Aに出力する。認証部36Aは、認証データを取得すると、記憶部12Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツのコンテンツ識別情報に対応付けられている認証データを読み出し、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致するか否かを判定する(S467)。
【0256】
読み出した認証データと、取得した認証データとが一致した場合(S467でYES)、認証部36Aは、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限を解除して、当該制限コンテンツの操作の制限を解除したことをコンテンツ送信部44Aに通知する。コンテンツ送信部44Aは、認証部36Aから制限コンテンツの操作の制限を解除したことを通知されると、記憶部12Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツ(制限コンテンツ)の実体データを読み出し、読み出した共有コンテンツの実体データを、近距離無線通信部14Aを介して、携帯電話機1Bに送信する(S468)。また、コンテンツ送信部44Aは、共有コンテンツの実体データを送信すると、その旨を表示制御部32Aに通知する。
【0257】
表示制御部32Aは、コンテンツ送信部44Aから、操作対象の操作用表示情報によって特定される共有コンテンツの実体データを送信したことを通知されると、操作対象の操作用表示情報を第2表示領域に追加して表示する(S469)。
【0258】
また、認証部36Aは、制限コンテンツの制限を解除すると、制限を解除した制限コンテンツの制限解除フラグを立てて、記憶部12Aに格納されている当該制限コンテンツのコンテンツ情報を更新する(S470)。
【0259】
一方、S466において、携帯電話機1Aに認証データが入力されなければ、(S466でNO)、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S471)。
【0260】
表示制御部32Aは、主表示部13aAに認証エラー画面を表示した後、再度、携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの共有コンテンツをそれぞれ第1表示領域、第2表示領域に表示する。この際、表示制御部32Aは、操作対象の操作用表示情報に認証表示情報を付加して表示する(S472)。
【0261】
また、S467において、読み出した認証データと、取得した認証データとが一致しなかった場合(S467でNO)も、認証部36Aは、表示制御部32Aに対して、認証ができなかったことをユーザに通知するための認証エラー画面を表示するように指示する。そして、表示制御部32Aは、認証部36Aからの指示に基づいて、主表示部13aAに認証エラー画面を表示する(S471)。
【0262】
〔重層状態維持判定処理〕
最後に、S6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1が重層状態を維持しているか否かの判定処理について詳細に説明する。
【0263】
S6Aにおいて、上端末状態判定部41Aは、光センサ17bAが主表示部13aBの点滅表示を検出したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。上端末状態判定部41Aは、光センサ17bAが点滅表示を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、上端末状態判定部41Aは、光センサ17bAが点滅表示を検出しなくなると、携帯電話機1Aが携帯電話機1Bから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11Aが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0264】
また、S6Bにおいて、下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが影を検出したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが影を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが影を検出しなくなると、携帯電話機1Bが携帯電話機1Aから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11Bが載せる通信アプリを終了する(S7B)。換言すると、下端末状態判定部42Bは、光センサ17aBが所定量以上の光を検出すると、携帯電話機1Bが携帯電話機1Aから離れたと判定する(S6BでYES)。
【0265】
ただし、重層状態を維持しているか否かの判定処理はこれに限るものではない。例えば、携帯電話機1が加速度センサを備えている場合、携帯電話機1が重層状態から所定方向に一定距離動かされたか否かを判定して、重層状態が維持しているか否かを判定してもよい。また、ユーザが載せる通信アプリを終了する指示が入力されると、重層状態ではないと判定し、載せる通信アプリを終了してもよい。また、2台の携帯電話機1のうち、一方が重層状態ではないと判定した場合もしくは載せる通信アプリを終了する場合、判定もしくは終了した携帯電話機1が他方にその旨を通知することにより、他方の携帯電話機1が重層状態ではないと判定したり、載せる通信アプリを終了したりしてもよい。
【0266】
〔表示画面例〕
次に、重層状態における主表示部13aAに表示される画面例について、図13に基づいて説明する。図13は、重層状態における携帯電話機1Aの主表示部13aAに表示される画面の一例を示す図である。
【0267】
図13に示す状態aは、重層状態になる前の通常の状態である。図示のように、この状態aにおいて、携帯電話機1Aが共有コンテンツCA1およびCA2を保持しており、携帯電話機1Bが共有コンテンツCB1およびCB2を保持しているものとする。このとき、携帯電話機1Bが保持する共有コンテンツCB2は操作が制限されているものとする。つまり、携帯電話機1Aおよび1Bが保持する共有コンテンツのうち、共有コンテンツCA1、CA2およびCB1が通常コンテンツであり、共有コンテンツCB2が制限コンテンツである。
【0268】
状態aから携帯電話機1Bの上に携帯電話機1Aを重ねて重層状態になったとする(状態b)。図13に示すように、状態bでは、主表示部13aAの表示領域に、携帯電話機1Aの保持する共有コンテンツが表示される第1表示領域と、携帯電話機1Bの保持する共有コンテンツが表示される第2表示領域WBとが設定されている。そして、第1表示領域WAには、通常コンテンツCA1およびCA2をそれぞれ特定する操作用表示情報が表示され、第2表示領域WBには、通常コンテンツCB1を特定する操作用表示情報が表示され、制限コンテンツCB2を特定する操作用表示情報に認証表示情報が付加されて表示されている。
【0269】
なお、図13に示す例では、状態bにおいて、制限コンテンツCB2を特定する操作用表示情報の全体を覆うように認証表示情報が付加されて表示されているがこれに限るものではない。例えば、操作用表示情報の一部を覆うように認証表示情報を操作用表示情報に重畳させてもよいし、操作用表示情報に隣接させて認証表示情報を付加してもよい。
【0270】
状態bにおいて、ユーザが制限コンテンツCB2を特定する操作用表示情報に付加されている認証表示情報をタッチする操作を行うと状態cに遷移する。図13に示すように、状態cでは、主表示部13aAに、操作対象の認証表示情報が付加されている制限コンテンツCB2の制限を解除するための認証に使用する認証データをユーザに入力させるための認証データ入力画面が表示される。
【0271】
なお、図13に示す例では、状態cでは、認証データ入力画面を主表示部13aAの全表示領域に表示しているが、これに限るものではない。主表示部13aAの表示領域の一部、例えば、第1表示領域WAまたは第2表示領域WBに認証データ入力画面を表示してもよい。また、図13に示す例は、指紋による認証を行うための認証データ入力画面である。
【0272】
状態cにおいて、ユーザが画面上に指を接触させて、認証が完了したとする。制限コンテンツCB2の操作の制限を解除するための認証が完了すると、状態dに遷移する。図13に示すように、状態dでは、制限コンテンツCB2は、認証表示情報が取り除かれて操作用表示情報だけが表示される。
【0273】
状態dから、ユーザが制限コンテンツCB2を第2表示領域WBから第1表示領域WAへドラッグ操作を行うと状態eに遷移する。この操作により、制限コンテンツCB2が携帯電話機1Aに複製されるため、図13に示すように、状態eでは、第1表示領域には、通常コンテンツCA1およびCA2に加えて、制限コンテンツCB2が表示される。
【0274】
また、図13に示すように、状態b、d、eでは、表示制御部32は、重層状態にある携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの上下の位置関係に対応させて、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを、主表示部13aの表示領域において、上下の位置関係となるように、それぞれ配置する。なお、表示部の表示領域においては、図13に示すように、上下の方向を設定し、それに沿って、第1表示領域WAが上側、第2表示領域WBが下側になるように並置してもよいし、それとは別に、第1表示領域WAの下に第2表示領域WBの一部が重畳した状態で、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを配置してもよい。
【0275】
また、重層状態にある携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bの上下の位置関係に対応させて、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBを、主表示部13aの表示領域において、左右の位置関係となるように、それぞれ配置してもよい。
【0276】
また、状態b、cにおいて、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBが、それぞれ携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bに対応するものであることをユーザが理解できるようにするため、図9に示すように、表示制御部32は、第1表示領域WAに携帯電話機1Aを示す「A」を表示し、第2表示領域WBに携帯電話機1Bを示す「B」を表示してもよい。また、例えば、第1表示領域WAに携帯電話機1Aを示す「A」を表示する代わりに、携帯電話機1Aのユーザ名等を表示してもよい。また、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBに携帯電話機1Aおよび携帯電話機1Bをそれぞれ示すテキスト情報を表示する代わりに、第1表示領域WAおよび第2表示領域WBの枠の色および/または背景色をそれぞれ異なる色で表示して、ユーザが両者を区別して認識できるようにしてもよい。この場合、上側の端末に対応する色および下側の端末に対応する色を予め設定しておいてもよいし、ユーザ毎に色を予め設定しておいてもよい。
【0277】
〔変形例1〕
本実施形態では、本発明の情報処理装置として携帯電話機を例示したが、これに限るものではない。本発明の情報処理装置として、表示部および通信部を備えるものであればよく、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子書籍端末、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルテレビ、ノートPC、携帯音楽再生機等であってもよい。
【0278】
また、本実施形態では、2台の携帯電話機1が同じ機種(大きさ)である場合を例にしているが、これに限るものではない。互いに異なる機器を重ねてもよいし、互いに異なる大きさの機器を重ねてもよい。例えば、デジタルテレビのディスプレイの上に、携帯ゲーム機を重ねて、コンテンツを共有するようにしてもよいし、表示部や筐体の大きさが異なる携帯電話機同士を重ねて、コンテンツを共有するようにしてもよい。
【0279】
すなわち、重層状態とは、情報処理装置が他の情報処理装置の全体と重なっている状態だけではなく、他の情報処理装置の一部と重なっている状態でもよい。この場合、情報処理装置における重層状態を判定するためのハードウェア(センサ等)およびソフトウェア(重層状態判定部31)を適宜設計すればよい。
【0280】
〔変形例2〕
また、本実施形態では、2台の携帯電話機1を重ねてコンテンツを共有しているが、これに限るものではなく、3台以上の携帯電話機1を重ねて、重層状態にある携帯電話機1全てでコンテンツを共有するようにしてもよい。
【0281】
〔変形例3〕
また、携帯電話機1Aの主表示部13aを3D液晶で構成してもよい。この場合、共有コンテンツ表示領域WAを共有コンテンツ表示領域WBの手前に表示することにより、重層状態にある各携帯電話機1の状態に対応させて表示することができ、より直感的にユーザが操作することができる。
【0282】
〔変形例4〕
また、本実施形態では、コンテンツ処理部35が共有コンテンツの移動や複製を行っているが、これに限るものではない。例えば、図9(b)に示す状態から、メールアプリを起動させて、携帯電話機1Aが他の装置へメールを送信する際に、携帯電話機1Aおよび1Bの共有コンテンツCA1、CA2、CB1、CB2の中から添付ファイルとして選択できるようにしてもよい。CB1またはCB2を添付ファイルとして選択した場合、メールの送信時に、コンテンツ取得部43Aが携帯電話機1Bに対してコンテンツを要求して取得すればよい。
【0283】
また、コンテンツCB1またはCB2が動画や音楽データの場合、図9(b)に示す状態から、ユーザがコンテンツの再生指示を入力することにより、携帯電話機1A上でコンテンツの再生を行ってもよい。
【0284】
また、携帯電話機1Aおよび1Bが共有コンテンツとしてゲームアプリ内で使用するアイテム等を保持している場合、図9(b)に示す状態から、ゲームアプリを起動させて、当該ゲームアプリ内で使用するアイテム等をゲーム内で共有できるようにしてもよい。
【0285】
また、図9(b)に示す状態から、ユーザがコンテンツを選択することにより、携帯電話機1Aのユーザまたは携帯電話機1Bのユーザの電子承認を得られるようにしてもよい。例えば、コンテンツCA1を選択することにより、コンテンツCA1に対して携帯電話機1Bのユーザの電子承認を付加するようにしてもよい。
【0286】
〔変形例5〕
また、上述の図9に示すコンテンツ処理例では、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる場合、ユーザは、一旦、制限を解除するための認証の操作をした後に、操作用表示情報を他の領域に移動させる操作を行うものとしているが、これに限るものではない。例えば、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作を行ってもよい。つまり、制限を解除するための認証と、コンテンツの送受信を同時または連続で行ってもよい。
【0287】
具体的には、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作指示が入力された場合、携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証開始要求指示を携帯電話機1Bに送信し、認証開始要求指示に対する応答として、制限解除通知を受信した後、連続してコンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示を携帯電話機1Bに送信してもよい。この場合、携帯電話機1Bの認証部36Bが認証開始要求指示に対する応答として、制限解除通知を送信した後、コンテンツ送信部44Bは、コンテンツ実体データ要求指示を受信すると、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報と、認証部36Bが送信した制限解除通知に含まれるコンテンツ識別情報とが一致する場合、コンテンツ実体データ要求指示に対する応答として、コンテンツ実体データ要求指示に含まれるコンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを携帯電話機1Aに送信する。
【0288】
また、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作指示が入力された場合、携帯電話機1Aの認証部36Aが認証開始要求指示を携帯電話機1Bに送信すると共に、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示を携帯電話機1Bに送信してもよい。この場合、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データが一致した場合、制限解除通知および制限コンテンツの実体データを携帯電話機1Aに送信してもよい。
【0289】
なお、携帯電話機1Bの認証部36Bは、認証データが一致した場合、制限コンテンツの実体データのみを携帯電話機1Aに送信してもよい。この場合、携帯電話機1Aのコンテンツ取得部43Aがコンテンツの実体データを取得したことをもって、認証部36Aは、操作対象の操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの操作の制限が解除されたと判断する。
【0290】
また、認証表示情報が付加されている操作用表示情報を他の領域に移動させる操作指示が入力された場合、携帯電話機1Aの認証部36Aが認証開始要求指示を携帯電話機1Bに送信してから、認証部36Aが制限解除通知を受信するまでに、コンテンツ取得部43Aがコンテンツ実体データ要求指示を携帯電話機1Bに送信してもよい。例えば、コンテンツ取得部43Aは、認証部36Aが認証データを送信すると共に、携帯電話機1Bにコンテンツ実体データ要求指示を送信してもよい。
【0291】
〔変形例6〕
携帯電話機1Aと携帯電話機1Bとが保持する「載せる通信アプリ」のバージョンが違うこと等により、第2表示領域の制限コンテンツの操作の制限を解除する認証を実行する場合、携帯電話機1Bから要求された認証方法に携帯電話機1Aが対応していない場合が考えられる。この場合、携帯電話機1Aは、携帯電話機1Bから、要求された認証方法を実行するために必要な認証実行情報を取得し、取得した認証実行情報に基づいて、要求された認証方法を実行する。
【0292】
具体的には、携帯電話機1Aの認証部36Aは、携帯電話機1Bから認証データ要求指示を受信すると、認証データ要求指示が示す認証方法を実行するために必要な認証実行情報を自装置が保持しているか否かを確認する。自装置が認証方法を実行するために必要な認証実行情報を保持していない場合、認証部36Aは、携帯電話機1Bの認証部36Bに対して、認証実行情報を要求する認証実行情報要求指示を送信する。
【0293】
携帯電話機1Bの認証部36Bは、携帯電話機1Aから認証実行情報要求指示を受信すると、記憶部12Bから所定の認証実行情報を読み出し、読み出した認証実行情報を携帯電話機1Aに送信する。
【0294】
携帯電話機1Aの認証部36Aは、認証実行情報要求指示に対する応答として、認証実行情報を受信すると、受信した認証実行情報に基づいて、表示制御部32Aに対して、認証データ入力画面を表示するように指示する。また、認証部36Aは、受信した認証実行情報に基づいて、入力操作特定部33Aが取得した入力信号から認証データを生成する。
【0295】
すなわち、認証方法を実行するために必要な認証実行情報とは、例えば、表示制御部32Aが認証データ入力画面を生成するための認証データ入力画面生成情報や、ユーザからの入力信号から認証データを生成するための認証データ生成情報等を含むものである。
【0296】
〔変形例7〕
また、本実施形態では、光センサ液晶である主表示部13aおよび副表示部13bを用いて重層状態を判定し、Bluetoothで互いに通信を行っているが、判定方法および通信方法はこれに限るものではない。例えば、磁気センサや圧力センサ等で他の携帯電話機1を検出してもよい。本発明では、2台の携帯電話機1が重なっている状態を判定できるものであれば、どのような方式でもよく、また、重層状態において、2台の携帯電話機1が通信できるものであれば、どのような通信方式でもよい。
【0297】
判定方法および通信方法の他の具体例を、以下の各実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0298】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について図14から図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第1の実施形態において定義した用語については、特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0299】
第2の実施形態では、第1の実施形態における2つの光センサ液晶(光センサ17aおよび17b)に代えて、近接センサおよび光センサを設けている。2台の携帯電話機1の通信方式は、第1の実施形態と同じBluetoothで行う。つまり、第2の実施形態は、第1の実施形態と重層状態判定処理が異なるだけであって、その他の処理は同じである。以下では、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0300】
第2の実施形態では、図15に示すように、携帯電話機1aには、正面側に近接センサ18と、表示部13cと、操作部16bとが配置されており、背面側に光センサ17cが配置されている。
【0301】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、光センサ17cが他の携帯電話機1aの表示部13cから照射される光を検出することにより、携帯電話機1aが背面側にある他の携帯電話機1aとが重なっている状態であると判定している。そのため、図16に示すように、携帯電話機1aAの光センサ17cは、携帯電話機1aAと他の携帯電話機1aBとが重なっている状態において、他の携帯電話機1aBの表示部13cと対向する位置に配置されていればよく、図15に示す配置およびその大きさに限るものではない。すなわち、表示部13cおよび光センサ17cの大きさ、並びに、携帯電話機1aの正面側における表示部13cの配置および携帯電話機1aの背面側における光センサ17cの配置は、適宜設計すればよい。
【0302】
また、本実施形態では、近接センサ18が携帯電話機1aの正面側の物体を検出することにより、携帯電話機1aが正面側にある他の携帯電話機1aとが重なっている状態であると判定している。そのため、近接センサ18は、携帯電話機1aの正面側に物体があるかどうかを検出できればよく、近接センサ18の配置、大きさ等は適宜設計すればよい。
【0303】
〔携帯電話機の構成〕
図14は、携帯電話機1aの要部構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、携帯電話機1aは、制御部11a、記憶部12、表示部13c、近距離無線通信部14、電話網通信部15、操作部16a、操作部16b、光センサ17c、近接センサ18、音声入力部23および音声出力部24を備えている。
【0304】
表示部13cは、制御部11aの指示に従って画像を表示するものである。表示部13cは、制御部11aの指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。
【0305】
操作部16bは、ユーザが携帯電話機1aに指示信号を入力し、携帯電話機1aを操作するためのものである。操作部16bは、ポインティングデバイス、キーパッド、操作ボタンなどの入力機器等で構成されているものであってもよい。なお、操作部16bと表示部13cとが一体となっているタッチパネルであってもよい。
【0306】
光センサ17cは、光を検出するものである。本実施形態では、他の携帯電話機1aの表示部13cから所定の照射間隔で照射される所定の周波数の光を検出するものである。
【0307】
近接センサ18は、近接センサ18から所定範囲内にある物体を検出するものである。近接センサ18は、誘導形近接センサ、静電容量形近接センサ等、他の携帯電話機1aを検出するものであれば何でもよい。
【0308】
制御部11aは、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1aが備える各部を統括的に制御するものである。
【0309】
制御部11aは、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1aと重なると、他の携帯電話機1aからデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1aが保持するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0310】
本実施形態では、制御部11aは、機能ブロックとして、重層状態判定部31a、表示制御部32、入力操作特定部33、通信接続制御部34、コンテンツ処理部35および認証部36を備える構成である。これらの制御部11aの各機能ブロック(31a、32〜36)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0311】
重層状態判定部31aは、携帯電話機1aが他の携帯電話機1aと重なっている状態であるか否かを判定するものである。重層状態判定部31aは、上端末状態判定部41aおよび下端末状態判定部42aを備える。
【0312】
上端末状態判定部41aは、自装置が他の携帯電話機1aの上側にある上端末A(携帯電話機1aA)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41aは、自装置の背面側に他の携帯電話機1aがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが表示部13cから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定し、光センサ17cが表示部13cから照射される所定の光を検出した場合に、自装置を上端末Aであると判定する。より具体的には、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが予め決められた光を所定の受光間隔で検出したか否かを判定する。
【0313】
上端末状態判定部41aは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0314】
下端末状態判定部42aは、自装置が他の携帯電話機1aの下側にある下端末B(携帯電話機1aB)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42aは、自装置の正面側に他の携帯電話機1aがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42aは、近接センサ18が物体を検出したか否かを判定し、近接センサ18が物体を検出した場合に、自装置を下端末Bであると判定する。
【0315】
下端末状態判定部42aは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を表示制御部32に通知し、表示制御部32に対して、表示部13cから予め決められた光を所定の発光間隔で発光させるように指示する。また、下端末状態判定部42aは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34に通知する。
【0316】
なお、上端末状態判定部41aは、上端末Aであるか否かを判定するために、光センサ17cが表示部13cから照射される予め定められた光を検出したか否かを判定するものである。すなわち、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが携帯電話機1aBの表示部13cと対向しているかを判定するものであり、表示部13cから照射する光(光センサ17cで検出する光)は任意でよく、予め適宜設定すればよい。
【0317】
〔重層状態判定処理〕
次に、図17に基づいて、第2の実施形態における重層状態判定処理について詳細に説明する。図17は、第2の実施形態における重層状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0318】
図17に示すように、載せる通信アプリを起動後、携帯電話機1aの下端末状態判定部42aは、近接センサ18が所定範囲内にある物体を検出したか否かを判定する(S51)。
【0319】
近接センサ18が近接物を検出すると(S51でYES)、下端末状態判定部42aは、自装置を下端末Bであると判定し(S52)、その旨を表示制御部32に通知する。表示制御部32Bは、下端末状態判定部42aから自装置が下端末Bであることを通知されると、表示部13cBから所定の周波数の光を所定の発光間隔で発光させる。つまり、表示制御部32Bは、表示部13cBを点滅表示させる(S53)。
【0320】
一方、近接センサ18が近接物を検出しない場合(S51でNO)、上端末状態判定部41aは、光センサ17cが表示部13cの点滅表示を検出したか否かを判定する(S54)。光センサ17cが点滅表示を検出すると(S54でYES)、上端末状態判定部41aは、自装置を上端末Aであると判定する(S55)。光センサ17cが点滅表示を検出しない場合(S54でNO)、再度S51に戻る。
【0321】
なお、図17の処理例では、載せる通信アプリを起動してから、重層状態判定処理を行っているが、これに限るものではない。例えば、近接センサ18が物体を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、下端末状態判定部42aが、自装置を下端末Bであると判定し、光センサ17cが点滅表示を検出した時点で、載せる通信アプリを起動して、上端末状態判定部41aは、自装置を上端末Aであると判定してもよい。
【0322】
また、図示していないが、所定期間、近接センサ18が物体を検出せず、かつ、光センサ17cが点滅表示を検出しない場合、表示部13cにエラーを表示し、重層状態にするように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0323】
〔重層状態維持判定処理〕
また、第2の実施形態では、図5に示すS6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1aが重層状態を維持しているか否かの判定処理についても、第1の実施形態と異なるため、以下に本実施形態の重層状態維持判定処理について詳細に説明する。
【0324】
S6Aにおいて、上端末状態判定部41aAは、光センサ17cAが表示部13cBの点滅表示を検出したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。上端末状態判定部41aAは、光センサ17cAが点滅表示を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、上端末状態判定部41aAは、光センサ17cAが点滅表示を検出しなくなると、携帯電話機1aAが携帯電話機1aBから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11aAが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0325】
また、S6Bにおいて、下端末状態判定部42aBは、近接センサ18Bが物体を検出しているか否かを所定期間毎に継続的に判定する。下端末状態判定部42aBは、近接センサ18Bが物体を継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、下端末状態判定部42aBは、近接センサ18Bが物体を検出しなくなると、携帯電話機1aBが携帯電話機1aAから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11aBが載せる通信アプリを終了する(S7B)。
【0326】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について図18から図21に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第1の実施形態において定義した用語については、特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0327】
第3の実施形態では、第1の実施形態における2つの光センサ液晶(光センサ17aおよび17b)に代えて、カメラを設けている。第3の実施形態では、2台の携帯電話機1の通信方式は、第1の実施形態と同じBluetoothで行うが、通信接続確立処理は第1の実施形態と異なっている。つまり、第3の実施形態は、第1の実施形態と重層状態判定処理および通信接続確立処理が異なるだけであって、その他の処理は同じである。以下では、第3の実施形態において、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0328】
第3の実施形態では、図19に示すように、携帯電話機1bには、正面側に表示部13dが配置されており、背面側にカメラ19が配置されている。
【0329】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、図20(a)に示すように、カメラ19が他の携帯電話機1bの表示部13dに表示されるユニークコードを認識した後、カメラ19が撮影した画像が暗くなることにより、携帯電話機1bが背面側にある他の携帯電話機1bとが重なっている状態であると判定している。そのため、図20(a)および(b)に示すように、携帯電話機1bAのカメラ19は、携帯電話機1bAと他の携帯電話機1bBとが重なる前の状態および重なっている状態において、他の携帯電話機1bBの表示部13dと対向する位置に配置されていればよく、図19に示す配置およびその大きさ(撮影範囲)に限るものではない。すなわち、表示部13dおよびカメラ19の大きさ(撮影範囲)、並びに、携帯電話機1bの正面側における表示部13dの配置および携帯電話機1bの背面側におけるカメラ19の配置は、適宜設計すればよい。
【0330】
〔携帯電話機の構成〕
図18は、携帯電話機1bの要部構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、携帯電話機1bは、制御部11b、記憶部12、表示部13d、近距離無線通信部14、電話網通信部15、操作部16a、カメラ19、音声入力部23および音声出力部24を備えている。
【0331】
表示部13dは、制御部11bの指示に従って画像を表示するものである。表示部13dは、制御部11bの指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。また、表示部13dは、操作部16cを備えており、タッチパネルである。
【0332】
操作部16cは、ユーザが携帯電話機1bに指示信号を入力し、携帯電話機1bを操作するためのものである。なお、表示部13dと操作部16cとは、第2の実施形態のように、別体であってもよい。
【0333】
カメラ19は、撮像素子で撮影した画像をデジタルデータとして取得するものである。
【0334】
制御部11bは、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1bが備える各部を統括的に制御するものである。
【0335】
制御部11bは、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1bと重なると、他の携帯電話機1bからデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1bが保持するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0336】
本実施形態では、制御部11bは、機能ブロックとして、重層状態判定部31b、表示制御部32、入力操作特定部33、通信接続制御部34b、コンテンツ処理部35および認証部36を備える構成である。これらの制御部11bの各機能ブロック(31b、32、33、34b、35および36)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0337】
重層状態判定部31bは、携帯電話機1bが他の携帯電話機1bと重なっている状態であるか否かを判定するものである。重層状態判定部31bは、上端末状態判定部41bおよび下端末状態判定部42bを備える。
【0338】
上端末状態判定部41bは、自装置が他の携帯電話機1bの上側にある上端末A(携帯電話機1bA)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41bは、自装置の背面側に他の携帯電話機1bがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41bは、カメラ19が他の携帯電話機1bの表示部13dに表示されているユニークコードを認識したか否かを判定し、さらに、カメラ19が取得した画像が暗くなったかどうかを判定する。上端末状態判定部41bは、カメラ19がユニークコードを認識し、かつ、その後カメラ19が取得した画像が暗くなった場合に、自装置を上端末Aであると判定する。より具体的には、上端末状態判定部41bは、カメラ19が撮影した画像にユニークコードが含まれるか否かを判定し、ユニークコードが含まれている場合、その後、カメラ19が撮影した画像の輝度が所定値以下になったか否かを判定する。
【0339】
上端末状態判定部41bは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34bに通知する。
【0340】
下端末状態判定部42bは、自装置が他の携帯電話機1bの下側にある下端末B(携帯電話機1bB)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42bは、自装置の正面側に他の携帯電話機1bがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42bは、近距離無線通信部14を介して、ユニークコードが他の携帯電話機1bから送信されてきたか否かを判定し、ユニークコードを受信した場合に、自装置を下端末Bであると判定する。
【0341】
下端末状態判定部42bは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34bに通知する。
【0342】
なお、表示部13dに表示されるユニークコードは、1次元または2次元のバーコードであってもよいし、所定の画像であってもよい。ユニークコードは、2台の携帯電話機1b間で予め定めていればよく、任意に設定すればよい。
【0343】
通信接続制御部34bは、近距離無線通信部14と他の携帯電話機1bの近距離無線通信部14との通信接続を確立するものである。通信接続制御部34bは、載せる通信アプリ起動後、通信接続の待ち受けを開始し、上端末状態判定部41から自装置が上端末Aである通知を受信すると、通信接続の待ち受けを終了し、近距離無線通信部14を介して、通信開始信号およびユニークコードを携帯電話機1bBに送信する。次に、通信接続制御部34bAは、携帯電話機1bBから端末IDを受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1bBに自装置の端末IDを送信する。
【0344】
また、通信接続制御部34bは、載せる通信アプリ起動後、通信接続の待ち受けを開始し、通信開始信号およびユニークコードを受信して、下端末状態判定部42から自装置が下端末Bである通知を受信すると、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1Aに自装置の端末IDを送信する。
【0345】
〔重層状態判定処理および通信接続確立処理〕
次に、図21に基づいて、第3の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理について詳細に説明する。図21は、第3の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。
【0346】
図21に示すように、載せる通信アプリを起動後、制御部11bは、表示制御部32に対して、表示部13dにユニークコードを表示するように指示する(S61)。また、通信接続制御部34bは、近距離無線通信部14を起動して、通信接続の待ち受けを介しさせる(S62)。さらに、制御部11bは、カメラ19を起動させる(S63)。
【0347】
次に、上端末状態判定部41bは、カメラ19がユニークコードを認識したか否かを判定する(S64)。カメラ19が撮影した画像にユニークコードが含まれていれば(S64でYES)、さらに、上端末状態判定部41bは、その後、カメラ19が撮影した画像が暗くなったかどうかを判定する(S65)。上端末状態判定部41bは、カメラ19がユニークコードを認識し、かつ、その後カメラ19が撮影した画像が暗くなった場合(S65でYES)に、自装置を上端末Aであると判定する(S66)。
【0348】
上端末状態判定部41bは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34bに通知する。通信接続制御部34bAは、上端末状態判定部41bAから通知を受信すると、通信接続の待ち受けを終了し、近距離無線通信部14Aを介して、通信開始信号およびユニークコードを携帯電話機1bBに送信する(S67)。
【0349】
一方、カメラ19がユニークコードを認識せず、または、カメラ19が撮影した画像が暗くならなかった場合(S64でNOまたはS65でNO)、通信接続制御部34bは、他の携帯電話機1bから通信接続開始信号と共に、ユニークコードが送信されるのを待つ(S68)。
【0350】
通信接続制御部34bが通信接続開始信号およびユニークコードを受信しない場合(S68でNO)、再度S64に戻る。一方、通信接続制御部34bが通信接続開始信号およびユニークコードを受信すると(S68でYES)、その旨を下端末状態判定部42bに通知する。通知を受けた下端末状態判定部42bは、自装置を下端末Bであると判定する(S69)。
【0351】
そして、通信接続制御部34bBは、自装置(携帯電話機1bB)の端末IDを携帯電話機1bAに送信する(S70)。携帯電話機1bBから携帯電話機1bBの端末IDを受信すると、通信接続制御部34bAは、自装置(携帯電話機1bA)の端末IDを携帯電話機1bBに送信する(S71)。
【0352】
通信接続制御部34bBは、携帯電話機1bAから端末IDを受信して、通信接続の確立を完了し、通信接続制御部34bAは、端末ID送信に対するレスポンスを受信して、通信接続の確立が完了したことを確認する。
【0353】
なお、図示していないが、所定期間、カメラ19がユニークコードを認識せず、かつ、通信接続制御部34bがユニークコードを受信しない場合、表示部13dにエラーを表示し、重層状態にするように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0354】
〔重層状態維持判定処理〕
また、第3の実施形態では、図5に示すS6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1bが重層状態を維持しているか否かの判定処理についても、第1の実施形態と異なるため、以下に本実施形態の重層状態維持判定処理について詳細に説明する。
【0355】
S6Aにおいて、上端末状態判定部41bAは、カメラ19が撮影した画像が暗いままであるかどうかを所定期間毎に継続的に判定する。上端末状態判定部41bAは、カメラ19が撮影した画像が暗いままであることを継続的に検出していれば、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、上端末状態判定部41bAは、カメラ19が撮影した画像が暗くない、つまり、カメラ19が撮影した画像の輝度が所定値以上になると、携帯電話機1bAが携帯電話機1bBから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11bAが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0356】
また、上端末状態判定部41bAは、携帯電話機1bAが携帯電話機1bBから離れたと判定すると、その旨を通信接続制御部34bAに通知する。通知を受けた通信接続制御部34bAは、近距離無線通信部14を介して、携帯電話機1bBに重層状態ではなくなったことを通知する。
【0357】
ここで、S6Bにおいて、下端末状態判定部42bBは、通信接続制御部34bBが携帯電話機1bAから重層状態ではないことを示す通知を受信したか否かを所定期間毎に継続的に判定する。下端末状態判定部42bBは、通信接続制御部34bBが当該通知を受信しなければ、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、下端末状態判定部42bBは、通信接続制御部34bBが当該通知を受信すると、携帯電話機1bBが携帯電話機1bAから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11bBが載せる通信アプリを終了する(S7B)。
【0358】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について図22から図30に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施形態において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第1の実施形態において定義した用語については、特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0359】
第1の実施形態では、2つの光センサ液晶(光センサ17aおよび17b)を用いて重層状態を判定したが、第4の実施形態では、ユーザの操作に基づいて、重層状態であるかどうかを判定し、さらに自装置が上端末Aであるか下端末Bであるかを判定する。また、第1の実施形態では、Bluetoothで通信を行うが、第4の実施形態では、IrDA等の双方向の赤外線通信を用いて通信接続を行う。つまり、第4の実施形態は、第1の実施形態と重層状態判定処理および通信接続確立処理が異なるだけであって、その他の処理は同じである。以下では、第4の実施形態において、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0360】
第4の実施形態では、図23に示すように、携帯電話機1cには、正面側に正面側IRモジュール22aが配置されており、背面側に背面側IRモジュール22bが配置されている。
【0361】
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、ユーザの操作入力に基づいて、自装置が上端末Aであるか下端末Bであるかを判定し、上端末Aである携帯電話機1cAの背面側IRモジュール22bと、下端末Bである携帯電話機1cBの正面側IRモジュール22aとが通信接続を行う。
【0362】
そのため、図24に示すように、正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bは、携帯電話機1cAと他の携帯電話機1cBとが重なっている状態において、互いに対向する位置に配置されていればよく、図23に示す配置およびその大きさに限るものではない。すなわち、正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bの配置および大きさは、適宜設計すればよい。
【0363】
〔携帯電話機の構成〕
図22は、携帯電話機1cの要部構成の一例を示すブロック図である。図22に示すように、携帯電話機1cは、制御部11c、記憶部12、表示部13d、赤外線通信部21、電話網通信部15、操作部16a、音声入力部23および音声出力部24を備えている。
【0364】
表示部13dは、制御部11cの指示に従って画像を表示するものである。表示部13dは、制御部11cの指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。また、表示部13dは、操作部16cを備えており、タッチパネルである。
【0365】
操作部16cは、ユーザが携帯電話機1cに指示信号を入力し、携帯電話機1cを操作するためのものである。なお、表示部13dと操作部16cとは、第2の実施形態のように、別体であってもよい。
【0366】
赤外線通信部21は、赤外線による無線通信手段によって、他の装置(例えば、他の携帯電話機1c等)と通信を行い、制御部11cの指示に従って、データのやりとりを行うものである。赤外線通信部21は、携帯電話機1cの正面側に配置されている正面側IRモジュール22aと、携帯電話機1cの背面側に配置されている背面側IRモジュール22bとを備える。
【0367】
制御部11cは、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、携帯電話機1cが備える各部を統括的に制御するものである。
【0368】
制御部11cは、記憶部12から載せる通信アプリデータを読み出し、載せる通信アプリ起動後に自装置が他の携帯電話機1cと重なると、他の携帯電話機1cからデータを取得し、自装置および他の携帯電話機1cが保持するデータを表示し、ユーザの指示に基づいてデータの送受信を行う。
【0369】
本実施形態では、制御部11cは、機能ブロックとして、重層状態判定部31c、表示制御部32、入力操作特定部33、通信接続制御部34c、コンテンツ処理部35および認証部36を備える構成である。これらの制御部11cの各機能ブロック(31c、32、33、34c、35および36)は、CPUが、ROM等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0370】
重層状態判定部31cは、携帯電話機1cが他の携帯電話機1cと重なっている状態であるか否かを判定するものである。重層状態判定部31cは、上端末状態判定部41cおよび下端末状態判定部42cを備える。
【0371】
上端末状態判定部41cは、自装置が他の携帯電話機1cの上側にある上端末A(携帯電話機1cA)であるか否かを判定するものである。換言すると、上端末状態判定部41cは、自装置の背面側に他の携帯電話機1cがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、上端末状態判定部41cは、操作部16aまたは操作部16cを用いて自装置に入力されたユーザの操作指示に基づいて、自装置が上端末Aであるか否かを判定する。より具体的には、上端末状態判定部41cは、ユーザが自装置を上端末として設定すると、自装置が上端末Aであると判定する。
【0372】
上端末状態判定部41cは、自装置を上端末Aであると判定すると、その旨を通信接続制御部34cに通知する。
【0373】
下端末状態判定部42cは、自装置が他の携帯電話機1cの下側にある下端末B(携帯電話機1cB)であるか否かを判定するものである。換言すると、下端末状態判定部42cは、自装置の正面側に他の携帯電話機1cがあるか否かを判定するものである。本実施形態では、下端末状態判定部42cは、操作部16aまたは操作部16cを用いて自装置に入力されたユーザの操作指示に基づいて、自装置が下端末Bであるか否かを判定する。より具体的には、下端末状態判定部42cは、ユーザが自装置を下端末として設定すると、自装置が下端末Bであると判定する。
【0374】
また、下端末状態判定部42cは、ユーザから自装置が上端末か下端末かを設定されず、通信接続制御部34cが他の携帯電話機1cから端末IDを受信した場合に、自装置が下端末Bであると判定してもよい。
【0375】
下端末状態判定部42cは、自装置を下端末Bであると判定すると、その旨を通信接続制御部34cに通知する。
【0376】
通信接続制御部34cは、自装置の赤外線通信部21と他の携帯電話機1cの赤外線通信部21との通信接続を確立するものである。通信接続制御部34cは、上端末状態判定部41cから自装置が上端末Aである通知を受信すると、背面側IRモジュール22bを起動させて、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信する。また、通信接続制御部34cは、下端末状態判定部42cから自装置が下端末Bである通知を受信すると、正面側IRモジュール22aを起動させて、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信する。なお、通信接続制御部34は、正面側IRモジュール22aまたは背面側IRモジュール22bを起動させた場合、他方を起動させないように制御してもよい。
【0377】
また、通信接続制御部34cは、載せる通信アプリ起動後、正面側IRモジュール22aを起動させておき、上端末状態判定部41cから自装置が上端末Aである通知を受信すると、正面側IRモジュール22aを停止させると共に、背面側IRモジュール22bを起動させて、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信してもよい。また、通信接続制御部34cは、載せる通信アプリ起動後、正面側IRモジュール22aを起動させておき、他の携帯電話機1cから端末IDを受信した後、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信してもよい。
【0378】
〔重層状態判定処理および通信接続確立処理〕
次に、図25および図26に基づいて、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理について詳細に説明する。図25は、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の一例を示すフローチャートである。図26は、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の他の一例を示すフローチャートである。
【0379】
図25に示すように、制御部11cは、載せる通信アプリを起動後、表示制御部32に対して、表示部13dに自装置を上端末Aにするか下端末Bにするかをユーザに設定させるメッセージを表示するように指示する(S81)。入力操作特定部33は、ユーザから上端末Aであるか下端末Bであるかの指示が入力されるのを待つ(S82)。
【0380】
ユーザが自装置を上端末Aであると設定すると、入力操作特定部33は、その旨を上端末状態判定部41cに通知する。上端末状態判定部41cは、ユーザの操作に基づいて、自装置が上端末Aであると判定する(S83)。ここで、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置を他の携帯電話機1cの上に載せるように促すメッセージを表示部13dに表示するように指示する。
【0381】
そして、上端末状態判定部41cは、自装置が上端末Aであることを通信接続制御部34cに通知する。通知を受けた通信接続制御部34cは、背面側IRモジュール22bを起動させて(S84)、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信する(S85)。
【0382】
一方、ユーザが自装置を下端末Bであると設定すると、入力操作特定部33は、その旨を下端末状態判定部42cに通知する。下端末状態判定部42cは、ユーザの操作に基づいて、自装置が下端末Bであると判定する(S86)。ここで、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置の上に他の携帯電話機1cを載せるように促すメッセージを表示部13dに表示するように指示する。
【0383】
そして、下端末状態判定部42cは、自装置が下端末Bであることを通信接続制御部34cに通知する。通知を受けた通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを起動させて(S87)、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信する(S88)。
【0384】
通信接続制御部34cは、自装置の端末IDの送信が完了し、他の携帯電話機1cの端末IDを受信したことを確認して、通信接続の確立を完了する。
【0385】
なお、図示していないが、所定期間、上端末Aか下端末Bかを選択する入力操作が無ければ、表示部13dにエラーを表示し、再度上端末Aか下端末Bかの選択を促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0386】
次に、図26に基づいて、第4の実施形態における重層状態判定処理および通信接続確立処理の他の一例を説明する。
【0387】
図26に示すように、制御部11cが載せる通信アプリを起動後、通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを起動させる(S91)。その後、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置を上端末Aにするかどうかをユーザに設定させるメッセージを表示部13dに表示するように指示する。そして、入力操作特定部33は、ユーザから上端末Aであるとする指示が入力されるのを待つ(S92)。
【0388】
ユーザが自装置を上端末Aであると設定すると(S92でYES)、入力操作特定部33は、その旨を上端末状態判定部41cに通知する。上端末状態判定部41cは、ユーザの操作に基づいて、自装置が上端末Aであると判定する(S93)。ここで、制御部11cは、表示制御部32に対して、自装置を他の携帯電話機1cの上に載せるように促すメッセージを表示部13dに表示するように指示する。
【0389】
そして、上端末状態判定部41cは、自装置が上端末Aであることを通信接続制御部34cに通知する。通知を受けた通信接続制御部34cは、背面側IRモジュール22bを起動させて(S94)、背面側IRモジュール22bを介して自装置の端末IDを送信する(S95)。
【0390】
一方、ユーザから自装置が上端末Aであるとする操作入力がない場合(S92でNO)、通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを介して、他の携帯電話機1cから端末IDが送信されるのを待つ(S96)。
【0391】
端末IDを受信しなければ(S96でNO)、再度S92に戻る。一方、通信接続制御部34cは、他の携帯電話機1cから端末IDを受信すると(S96でYES)、その旨を下端末状態判定部42cに通知する。通知を受けた下端末状態判定部42cは、自装置が下端末Bであると判定する(S97)。そして、通信接続制御部34cは、正面側IRモジュール22aを介して自装置の端末IDを送信する(S98)。
【0392】
通信接続制御部34cは、自装置の端末IDの送信が完了し、他の携帯電話機1cの端末IDを受信したことを確認して、通信接続の確立を完了する。
【0393】
なお、図示していないが、所定期間、ユーザから上端末Aであることを設定する入力操作が無く、他の携帯電話機1cから端末IDを受信しない場合、表示部13dにエラーを表示し、再度上端末Aであることを設定するように促すメッセージを表示したり、タイムアウトになったとして載せる通信アプリを終了したりする。
【0394】
〔重層状態維持判定処理〕
また、第4の実施形態では、図5に示すS6A、S6Bにおける2台の携帯電話機1cが重層状態を維持しているか否かの判定処理についても、第1の実施形態と異なるため、以下に本実施形態の重層状態維持判定処理について詳細に説明する。
【0395】
S6Aにおいて、通信接続制御部34cAが背面側IRモジュール22bAを介して、他の携帯電話機1cBに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信している場合、上端末状態判定部41cAは、重層状態が維持されていると判定する(S6AでNO)。一方、通信接続制御部34cAが背面側IRモジュール22bAを介して、他の携帯電話機1cBに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信しなくなった場合、上端末状態判定部41cAは、携帯電話機1cAが携帯電話機1cBから離れたと判定し(S6AでYES)、制御部11cAが載せる通信アプリを終了する(S7A)。
【0396】
S6Bにおいて、通信接続制御部34cBが正面側IRモジュール22aを介して、他の携帯電話機1cAに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信している場合、下端末状態判定部42cBは、重層状態が維持されていると判定する(S6BでNO)。一方、通信接続制御部34cBが正面側IRモジュール22aを介して、他の携帯電話機1cAに対してポーリングを行い、相手先から応答を受信しなくなった場合、下端末状態判定部42cBは、携帯電話機1cBが携帯電話機1cAから離れたと判定し(S6BでYES)、制御部11cBが載せる通信アプリを終了する(S7B)。
【0397】
〔携帯電話機の筐体構造の変形例1〕
携帯電話機の筐体構造の変形例について、図27〜図29に基づいて説明する。図27および図28は、携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図である。図29は、重層状態にある2台の携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図である。
【0398】
本実施形態では、図27に示すように、携帯電話機1cの筐体の形状が略直方体であり、その携帯電話機1cの筐体の正面側に正面側IRモジュール22aを配置し、背面側に背面側IRモジュール22bを配置しているが、携帯電話機1cの筐体の形状並びに正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bの筐体上の位置はこれに限るものではない。
【0399】
例えば、図28に示すように、略直方体の筐体の正面側および背面側の一部に、すり鉢状の凹部51をそれぞれ1箇所設け、その凹部51の底部に正面側IRモジュール22aおよび背面側IRモジュール22bを配置してもよい。
【0400】
通常、IRモジュールは、図27に示すように、筐体の表面に配置されており、2つのIRモジュール間の距離が極端に短い場合(2つのIRモジュールがほぼ接している場合)は想定していない。しかしながら、本発明は、2つの携帯電話機1cが重なった状態で通信を行うものであるため、2つのIRモジュール間の距離がほぼ0になる場合が考えられる。この場合、図27に示すようなIRモジュールの配置では、2つの携帯電話機1cが重層状態であっても、背面側IRモジュール22bAと正面側IRモジュール22aBとがずれることによって、互いに通信できない場合がある。
【0401】
具体的には、図29(a)に示すように、携帯電話機1cAと携帯電話機1cBとが重層状態で接しているが、背面側IRモジュール22bAと正面側IRモジュール22aBとが接していない場合、通信路が確保できず、互いに通信できない。このように、図27に示すようなIRモジュールの配置では、2つの携帯電話機1cが重層状態であっても、少しずれただけで通信できない状態になる。
【0402】
一方、IRモジュールが凹部51の底部に配置されている場合、図29に示すように、携帯電話機1dAと携帯電話機1dBとがずれた状態で重層状態になっている場合であっても、通信路を確保することができ、互いに通信することができる。このように、携帯電話機1dの筐体の表面に凹部51を設けて、その凹部51の底部にIRモジュールを配置することにより、IRモジュール間の通信路の自由度が高まり、携帯電話機1dが多少ずれて重層状態になっていても、互いに通信することができる。
【0403】
なお、凹部51の形状は、すり鉢状に限るものではなく、凹状であれば何でもよい。また、携帯電話機1dの筐体の全表面がフラットな平面になるように、凹部51をIRレンズで覆ってもよい。
【0404】
〔携帯電話機の筐体構造の変形例2〕
次に、携帯電話機の筐体構造の他の変形例について、図30に基づいて説明する。図30は、重層状態にある2台の携帯電話機の筐体の概略構造の側面視の断面図である。
【0405】
図30に示すように、携帯電話機1eAおよび1eBの筐体は、略直方体の基部52と、基部52の一端から正面側の垂直方向に延伸する略直方体の延伸部53とで構成される。ここで、延伸部53の表面において、基部52の多端側の表面を内側面と称し、基部52の一端側の表面を外側面と称する。
【0406】
図30に示すように、携帯電話機1eAおよび1eBは、延伸部53の先端側(正面側)の内側面に正面側IRモジュール22aが配置され、基部52の一端の底部側の外側面に背面側IRモジュール22bが配置されている。
【0407】
このように、携帯電話機1eAおよび1eBの筐体の側面視の断面がL字形状になっている場合、ユーザが2台の携帯電話機1eを重層状態にする際に、簡単にかつ精度良く2台の携帯電話機1eを重ねることができる。よって、2台の携帯電話機1eが、重層状態において、ずれて重ねあわされることを軽減できるため、2台の携帯電話機1eが重層状態において通信不可となっている状態を低減することができる。
【0408】
<補足>
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0409】
最後に、携帯電話機1、1a、1bおよび1cの各ブロック、特に制御部11、11a、11bおよび11cは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0410】
すなわち、携帯電話機1、1a、1bおよび1cは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機1、1a、1bおよび1cの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機1、1a、1bおよび1cに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0411】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0412】
また、携帯電話機1、1a、1bおよび1cを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0413】
本発明は、携帯電話機等の表示部を備える情報処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0414】
1、1a、1b、1c、1d、1e 携帯電話機(情報処理装置)
13a 主表示部(表示部)
13c、13d 表示部(表示部)
16a、16b、16c 操作部(入力手段)
17a 光センサ(入力手段)
23 音声入力部(入力手段)
32 表示制御部(表示制御手段)
35 コンテンツ処理部(コンテンツ処理手段)
36 認証部(認証データ取得手段、認証データ送信手段、制限解除情報受信手段、認証手段)
41、41a、41b、41c 上端末状態判定部(背面側装置検出手段)
42、42a、42b、42c 下端末状態判定部(表面側装置検出手段)
43 コンテンツ取得部(コンテンツ識別情報取得手段、コンテンツ受信手段)
44 コンテンツ送信部(コンテンツ識別情報送信手段、コンテンツ送信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える情報処理装置であって、
上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出手段と、
上記背面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得手段と、
上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ユーザからの操作入力を受け付ける入力手段と、
上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されると、上記他の情報処理装置がユーザを認証するための認証データを取得する認証データ取得手段と、
上記認証データ取得手段が取得した認証データを上記他の情報処理装置に送信する認証データ送信手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されたとき、さらにユーザによって入力される操作入力に基づいて、認証データを取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力に基づいて、認証データを生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を受信する制限解除情報受信手段をさらに備え、
上記表示制御手段は、上記制限解除情報受信手段が上記制限解除情報を受信すると、上記制限コンテンツを特定する操作用表示情報に付加されていた認証表示情報を除いて、当該操作用表示情報を表示することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの実体データを受信するコンテンツ受信手段と、
上記コンテンツ受信手段が受信した上記制限コンテンツの実体データに対して、上記入力手段に入力された操作入力が示す処理を行うコンテンツ処理手段とをさらに備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
表示部を備える情報処理装置であって、
上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出手段と、
上記表面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
上記他の情報処理装置から、ユーザを認証するための認証データを受信すると、予め定められた認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定し、認証データが一致した場合、所定の処理を実行する認証手段をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記他の情報処理装置に自装置が記憶するコンテンツの実体データを送信するコンテンツ送信手段をさらに備え、
上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信するように上記コンテンツ送信手段に指示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツ、および、当該制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、
上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出ステップと、
上記背面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得ステップと、
上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御ステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、
上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出ステップと、
上記表面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信ステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項16】
請求項1〜6の何れか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項17】
請求項7〜13の何れか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項18】
請求項16および17の少なくとも一方に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
表示部を備える情報処理装置であって、
上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出手段と、
上記背面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得手段と、
上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得手段の取得した制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ユーザからの操作入力を受け付ける入力手段と、
上記第2表示領域に表示されている上記認証表示情報が付加されている上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されると、上記他の情報処理装置がユーザを認証するための認証データを取得する認証データ取得手段と、
上記認証データ取得手段が取得した認証データを上記他の情報処理装置に送信する認証データ送信手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力が上記入力手段に入力されたとき、さらにユーザによって入力される操作入力に基づいて、認証データを取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記認証データ取得手段は、上記操作用表示情報に対する操作入力に基づいて、認証データを生成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を受信する制限解除情報受信手段をさらに備え、
上記表示制御手段は、上記制限解除情報受信手段が上記制限解除情報を受信すると、上記制限コンテンツを特定する操作用表示情報に付加されていた認証表示情報を除いて、当該操作用表示情報を表示することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記認証データ送信手段が上記他の情報処理装置に送信した上記認証データの応答として、上記他の情報処理装置から上記操作用表示情報によって特定される制限コンテンツの実体データを受信するコンテンツ受信手段と、
上記コンテンツ受信手段が受信した上記制限コンテンツの実体データに対して、上記入力手段に入力された操作入力が示す処理を行うコンテンツ処理手段とをさらに備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
表示部を備える情報処理装置であって、
上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出手段と、
上記表面側装置検出手段が他の情報処理装置を検出すると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
上記他の情報処理装置から、ユーザを認証するための認証データを受信すると、予め定められた認証データと、受信した認証データとが一致するか否かを判定し、認証データが一致した場合、所定の処理を実行する認証手段をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記他の情報処理装置に自装置が記憶するコンテンツの実体データを送信するコンテンツ送信手段をさらに備え、
上記認証手段は、上記他の情報処理装置から、認証データと共に、自装置の制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報を受信し、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツの実体データを上記他の情報処理装置に送信するように上記コンテンツ送信手段に指示することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツ、および、当該制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限を解除することを示す制限解除情報を上記他の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
上記認証手段は、認証データが一致した場合、受信した制限コンテンツ識別情報の示す制限コンテンツとは異なる自装置が記憶する他の制限コンテンツに対する操作の制限が解除されていることを示す制限解除管理情報を記憶することを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、
上記表示部が配置されている表示面側とは反対の背面側に他の情報処理装置があることを検出する背面側装置検出ステップと、
上記背面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置から、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、上記他の情報処理装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報と、を取得するコンテンツ識別情報取得ステップと、
上記表示部の表示領域に、自装置に対応する第1表示領域と、上記他の情報処理装置に対応する第2表示領域とを設定し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された通常コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する通常コンテンツを特定する操作用表示情報を上記第2表示領域に表示し、上記コンテンツ識別情報取得ステップにおいて取得された制限コンテンツ識別情報に基づいて、上記他の情報処理装置が記憶する制限コンテンツを特定する操作用表示情報に、操作が制限されていることを示す認証表示情報を付加して上記第2表示領域に表示する表示制御ステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
表示部を備える情報処理装置の制御方法であって、
上記表示部が配置されている表示面側に他の情報処理装置があることを検出する表面側装置検出ステップと、
上記表面側装置検出ステップにおいて他の情報処理装置が検出されると、上記他の情報処理装置に、自装置が記憶し、操作が制限されていない通常コンテンツを示す通常コンテンツ識別情報と、自装置が記憶し、操作が制限されている制限コンテンツを示す制限コンテンツ識別情報とを送信するコンテンツ識別情報送信ステップとを含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項16】
請求項1〜6の何れか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項17】
請求項7〜13の何れか1項に記載の情報処理装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項18】
請求項16および17の少なくとも一方に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−238040(P2012−238040A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104682(P2011−104682)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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