説明

情報処理装置及びその制御方法

【課題】 コラボモードによる会議や打合せでは、あるユーザが自分のアクセス権があるファイルにアクセスしようとした時には他の参加者から見られてしまう。またファイルの名称はブラウズしているだけで見られてしまう。
【解決手段】 ログインしたユーザのアクセス権情報を取得し、そのアクセス権情報に基づいて、ログインしたユーザがアクセス可能なオブジェクトを当該ユーザに対応するエリアに識別可能に表示する。そして複数のユーザがログインすると、ログインしたユーザがアクセス可能なオブジェクトを当該ユーザに対応するエリア701,711に識別可能に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザがログイン可能な情報処理装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、不正アクセスや個人情報の持ち出しという問題が発生し、セキュリティ技術によって情報の管理が行われることが強く求められてきている。これには例えば、情報機器を使う前にIDとパスワードによる個人認証を行ったり、ファイルに対するアクセス権を設定し、ユーザ毎に実行可能な操作を制御するものである。この要望は、パソコンに限らず、MFP(多機能装置)においても求められている。
【0003】
MFPは原稿をスキャンし、印刷や保存、表示する機能を持つため、PCを使用しないでビジネス業務を進めるためのツールとしての役割を担っている。例えば、このMFPを会議室や打合せスペース等の皆が集まる場所に設置し、会議や打合せで必要な文書をMFPから取り出して参加者に見えるように表示する。更に、会議や打合せでの検討結果を保存し、参加者各自に配信するという業務を、MFPを用いて行うことが考えられる。そのためには参加者が所有するデータをMFPが簡便に共有することが求められる。この場合、セキュリティを確保しながらデータを共有するために、会議の参加者全員が1台或は複数台のMFPにログインし、それらのMFPがその参加者毎の作業エリアを持ち、それぞれがアクセス権を保持する仕組みが必要である。このように複数の人が同時にログインしてコラボレーション可能な状態をコラボレーションモード、それが可能なMFPをコラボレーション型MFPと称する。なお、ユーザがMFPにログインを行って使用するものとして例えば下記特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2005−175530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コラボレーションモードによる会議や打合せでは、各自のファイルを持ち寄って、大型のディスプレイやプロジェクタに表示して議論を進めていく。例えば、あるユーザが自分のアクセス権があるファイルにアクセスしようとした時、その操作がディスプレイに映し出され、他の参加者から見せたくないファイルまで見られてしまうことがある。これは、データの共有を行うコラボレーションモードでは避けられないものであった。
【0005】
上記特許文献1は、MFPを使用するときにユーザ認証を行い、そのユーザに操作環境を提供するという機能を実現している。しかしこの文献では、MFPをシングルユーザで使用することを想定している。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
【0007】
本願発明の特徴は、複数のユーザで共同作業を行うためのコラボレーションモードが設定されているか否かに応じて、オブジェクトの表示を変更することにより、他のユーザへの情報の漏洩を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る情報処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
複数のユーザがログイン可能な情報処理装置であって、
ログインしたユーザのアクセス権情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得したアクセス権情報に基づいて、ログインしたユーザがアクセス可能なオブジェクトを当該ユーザに対応するエリアに識別可能に表示するオブジェクト表示手段と、
複数のユーザがログインし当該複数のユーザで共同作業を行うためのコラボレーションモードを設定する設定手段と、
前記設定手段でコラボレーションモードを設定しているか否かに応じて前記オブジェクト表示手段によるオブジェクト表示を変更する表示変更手段と、
を有することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る情報処理装置における制御方法は以下のような工程を備える。即ち、
複数のユーザがログイン可能な情報処理装置における制御方法であって、
ログインしたユーザのアクセス権情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得したアクセス権情報に基づいて、ログインしたユーザがアクセス可能なオブジェクトを当該ユーザに対応するエリアに識別可能に表示するオブジェクト表示工程と、
複数のユーザがログインし当該複数のユーザで共同作業を行うためのコラボレーションモードを設定する設定工程と、
前記設定工程でコラボレーションモードを設定しているか否かに応じて前記オブジェクト表示工程によるオブジェクト表示を変更する表示変更工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のユーザで共同作業を行うためのコラボレーションモードが設定されているか否かに応じて、オブジェクトの表示を変更することにより、他のユーザへの情報の漏洩を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係るMFPが接続されたネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0013】
図において、105〜107はMFP(多機能装置)であり、102はファイルサーバである。また108は認証サーバであり、103,104はクライアントPCである。MFP105〜107、ファイルサーバ102、認証サーバ108、クライアントPC103〜104はネットワーク101を介して相互に通信可能に接続されている。
【0014】
次に図2を参照して本発明の実施の形態に係るMFP105を説明する。尚、ここではMFP105の場合で説明するが、他のMFP106,107の構成も同様であるため、その説明を省略する。
【0015】
図2は、本実施の形態に係るMFPを説明する図である。
【0016】
図2において、201はMFP本体を示し、このMFPは印刷処理や原稿の読取り等の機能を有している。202は、タッチパネルのように操作入力を行う表示入力部と、その結果等を同じ画面に表示する表示部である。また203はプロジェクタで、表示部202に表示する内容をスクリーンに表示できる。204は、このMFPでデータを保存するデータ保存部である。205は、個人認証用のためにIDカードを読み込むカードリーダである。但し、MFP105の構成は特にこれに限定されるものではない。例えば、表示部202が操作入力機能を有しない表示専用の機器であっても良い。またデータ保存部204が、本体装置201の中に収納するよう構成されていてもよい。更に、カードリーダ205に代えて、指紋認証や彩文認証等の個人認証方式を採用した装置が備えられていても良い。
【0017】
ここで、このMFP105を会議室に設置し、複数の参加者による会議に利用した場合の処理について説明する。
【0018】
このMFP105の利用に先立ち、まず、最初の参加者(ユーザA)がカードリーダ205により個人のIDカードを読み込ませる。また必要に応じてパスワードを入力し、個人認証を行うことでMFP105にログインする。続いて、次の参加者(ユーザB)がこのMFP105を利用すべく、カードリーダ205に個人のIDカードを読み込ませる。この時、従来のMFPでは、既にユーザAがログインしている状態であるため、ログイン画面が表示されないか、或は、ログイン画面が表示されたとしてもログインが拒否されていた。
【0019】
これに対して本実施の形態に係るMFP105では、ユーザBのログイン画面が表示され、必要に応じてユーザBのパスワードを入力し、個人認証を行うことで、ユーザBもこのMFP105にログインすることができる。更に会議に参加する人数に応じて、必要な人数がログインできるようにログイン画面が表示される。即ち、本実施の形態に係るMFP105では、複数の参加者がログインできるように構成されている。そして、本実施形態では、ログインしたユーザが複数となると自動的にコラボレーションモード(複数のユーザで共同作業を行うためのモード)が設定されるものとする。
【0020】
ただし、このように自動的にコラボレーションモードを設定するのに代えて、表示入力部202からコラボレーションモードの設定を指示するようにしてもよい。この場合は、ログイン中のユーザの数に関わらずコラボレーションモードが設定される。
【0021】
続いて、MFP105における上記ログイン機能について、図3を参照しながら説明する。
【0022】
図3は、本実施の形態に係るMFP105の機能構成を示すブロック図である。なお、前述したように、他のMFP106,107の構成も同様であるため、それらの説明を省略する。
【0023】
制御部301は、MFP105全体を制御している。この制御部301は、CPU301a、このCPU301aの制御プログラムや各データを記憶しているROM301b、CPU301aの制御時にワークエリアを提供しているRAM301c等を備えている。この制御部301の一つの制御機能としてログイン制御がある。ユーザはカードリーダ205を介してログイン作業を行う。このカードリーダ205にカードが挿入されると、そのカードに記録されている個人IDを読み込む。そして、必要に応じてカードの内部データを読み出すためのPINコードの入力を促す画面を表示部202に表示する。その後、PINの入力を操作部302から受け付けると、制御部301ではカードの内部データを読み出して個人認証を行う。この個人認証が正しく行うことができた場合には、ユーザのアクセス制御リスト(アクセス権情報)を取得する。このアクセス制御リストを取得方法は、認証システムの構成に依存するので、ここではその一例を示す。NIC(Network Interface Card)部304経由でネットワーク101上の認証サーバ108にアクセスして、そのユーザのアクセス制御リストを取得する。制御部301は、こうして取得したアクセス制御リストを、アクセス制御部305と連携してアクセス情報格納部306に保存する。
【0024】
MFP105は、内部にあるファイル格納部307やファイルサーバ102にアクセスして、それらが管理するファイルを読み書きする。この時、これらのファイルは認証サーバ108に登録されているユーザのアクセス制御リストに従ってアクセス権の範囲が決められており、それへのアクセスが制御される。これらの動作は、個人認証とアクセス制御という技術で実現されており、一般的に知られているものである。尚、ここでファイル格納部307、アクセス情報格納部306は、前述の図2のデータ保存部204に設けられている。
【0025】
尚、上述のように、個人認証の方法は、IDカードを用いる以外に指紋認証や彩文認証等を利用することも可能であり、それらに従って認証方法も変わってくるが、アクセス制御の本質は同じである。
【0026】
次に図4と図5とを参照してログイン時のユーザインタフェースについて説明する。
【0027】
図4及び図5は、MFP105の表示部202(タッチパネル式になっていて入力機能も備える)に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0028】
図4は、本実施の形態に係るMFPにおいて、ユーザが誰もログインしていない状態のときの表示部202の表示例を示す図である。
【0029】
この例では、表示部202の画面上には、ログインを行うためにIDカードをカードリーダ205により読み込ませることを促すメッセージ(「IDカードをリーダに読み込ませてください」)が表示されている。尚、この認証方法が、非接触方式や指紋認証である場合には、表示文字はそれに合わせた表記に変わることは言うまでもない。
【0030】
図5は、カードリーダ205にカードを読み込ませた時に、表示部202に表示される表示内容を示す図である。
【0031】
ユーザが、IDカードをカードリーダ205に読み込ませると、図5の表示画面が表示される。表示欄501には、読取ったIDカードのユーザ名が表示される。これによりユーザは、ユーザ名を確認することができる。そして、ユーザに対して、IDカード内の認証情報を読み出すためのPINコード(パスワード)の入力を促すメッセージ(「下記に読み出し用パスワードを入力してください」)を表示する。この表示欄502は、パスワードの入力欄である。このようにして、ユーザはMFP105にログインすることができる。
【0032】
<ユーザのワーク領域>
図6は、本実施の形態に係るMFPにおける、ユーザごとにカスタマイズされたワーク領域の表示例を示す図である。
【0033】
ユーザによるログインが完了すると、図6に示す、ユーザごとにカスタマイズされたワーク領域601が表示部202に表示される。このワーク領域601は、複数のパーツから構成されている。具体的には、ユーザ名を表示する部分602、このユーザが利用可能なツール(コマンドアイコン)603、このユーザがアクセス権を持つ(アクセス可能)フォルダやファイルを表示するオブジェクト表示領域604を含んでいる。オブジェクト表示領域604はフォルダとファイルを表示するが、それぞれの名称も表示しているので、それらを簡単に識別して選択することができる。またアクセス権として、書き込みと読み出しの両方をもつフォルダは、オブジェクト表示領域604のように実線で表示される。また、読み出しのアクセス権しか持たないフォルダは、オブジェクト表示領域605のように破線で表示される。このため、一目でアクセス権の状態を把握できる。また、ユーザがログイン中に本MFPの読取り機能によって原稿をスキャンして入力された画像データに対しては当該ユーザのアクセス権が設定される。
【0034】
このようにして、ユーザごとにカスタマイズされたワーク領域601が表示される。これにより、会議等において、各ユーザは目的のファイルを簡単に見つけ出すことができ、そのファイルを用いてプレゼンテーションを行ったり、そのファイルにアイデアを書き込んだりすることが可能である。また、任意のタイミングで本MFPの印刷処理機能を用いて記録紙上に各ファイルの印刷を行うことが可能である。
【0035】
<複数ユーザのログイン>
続いて、一人以上のユーザがログインしている状態において、別のユーザがログインする場合のユーザインタフェースについて説明する。
【0036】
既にログインしているユーザについては、図6に示すワーク領域601が表示部202に表示されている。この時、別のユーザがIDカードをカードリーダ205に読み込ませると、再び図5に示す画面が表示される。このときユーザは既に説明した方法でログインを行う。このようなユーザインタフェースにより、複数ユーザのIDカードの認証を行うことができ、ログインが実行される。
【0037】
この時のMFP105の処理について図3を用いて説明する。2人目以降のログインが行われると、1人目と同様に、NIC部304経由でネットワーク101上の認証サーバ108にアクセスし、そのユーザのアクセス制御リストを取得する。
【0038】
制御部301では、その取得したアクセス制御リストを、アクセス制御部305と連携してアクセス情報格納部306に保存する。この時、複数ユーザ分のアクセス制御リストがアクセス情報格納部306に保存されるが、どのユーザのアクセス制御リストであるかは、ユーザのIDから識別できる(識別可能)ので、混同されること無く保存できる。
【0039】
<複数ユーザのワーク領域>
図7は、複数ユーザのログインが完了した場合の、ユーザごとにカスタマイズされたワーク領域の表示例を示す図である。
【0040】
この場合、表示部202に、ワーク領域701と711とが表示される。ここで各ワーク領域701,711のユーザ名を表示する部分702,712に、それぞれ対応するユーザ名が表示されるため、どちらのワーク領域がどのユーザのものであるかが簡単に判別できる。
【0041】
図7の例では、ワーク領域701のユーザは、フォルダ704のファイルには読み書きができるが、フォルダ705のファイルに対しては、読み出しのみが許可されている。またワーク領域711のユーザは、フォルダ714のファイルには読み書きができるが、フォルダ715のファイルに対しては、読み出しのみが許可されている。
【0042】
尚、図7の表示画面の例では、各ユーザ間でワーク領域のデザインを同じように描画しているが(702〜705,712〜715参照)、各ユーザごとに、それぞれ対応するワーク領域のデザインをカスタマイズできる。このため、ワーク領域のデザインをみれば一目で、どのユーザのワーク領域であるかを識別できるようにもできる。
【0043】
このように本実施の形態に係るMFP105では、複数ユーザがログインしている場合に、各ユーザに対応して複数のワーク領域が表示される。尚、図7の表示画面の例では、ワーク領域を2つしか表示していないが、スクロールや頁をめくるなど、ユーザインタフェースを工夫することにより、2つ以上のワーク領域を表示することも可能である。
【0044】
<複数ユーザがログインした場合のアクセス制御方法>
続いて、ログインしているユーザが単数である場合のアクセス制御の方法について説明した後、複数ユーザがログインした場合のアクセス制御方法について説明する。
【0045】
図7において、ログインしているユーザは、その表示されているアイコン等を指示することにより、目的のファイルを開いて表示部202に表示させることができる。例えば、ユーザ「ユーザA」のフォルダ704のファイル「File101」を開く場合、ユーザはワーク領域701の「File101」のアイコンを指示して、「ファイルを開く」と指示する。この時、MFP105の内部では、次のような動作を行う。「ファイルを開く」と指示されたときに指し示しているのがワーク領域701であることを操作部302が検知する。
【0046】
制御部301は、アクセス制御部305に対し、ワーク領域701の「ユーザA」のアクセス制御リストをアクセス情報格納部306から取得し、これを用いて、ファイル「File101」にアクセスする。この時、ファイル「File101」がネットワーク101上のファイルサーバ102にあれば、NIC部304経由でアクセスし、MFP105内部のファイル格納部307にあれば、直接アクセスする。
【0047】
一方、「ユーザB」のフォルダ714のファイル「File501」を開く場合、ユーザはワーク領域711の中にある「File501」のアイコンを指示して、「ファイルを開く」と指示する。この時、MFP105の内部では、指し示しているのがワーク領域711であることを操作部302が検知する。アクセス制御部305では、ワーク領域711の「ユーザB」のアクセス制御リストをアクセス情報格納部306から取得し、これを用いて、ファイル「File501」にアクセスする。この時、ファイル「File501」がネットワーク101のファイルサーバ102にあれば、NIC部304経由でアクセスし、MFP105内部のファイル格納部307にあれば、直接アクセスする。
【0048】
以上のようにして、アクセス指示されたワーク領域のログインユーザのアクセス制御リストを用いてそのファイルにアクセスする。またこの方法は、ファイルに限らずアクセス制御リストでアクセス制御が行われているオブジェクトに対しても適用できることはいうまでもない。
【0049】
<MFPにおける処理の流れ>
図8は、本実施の形態に係るMFPにおけるアクセス制御を説明するフローチャートである。なお、この処理を実行するプログラムはROM301bに記憶されており、CPU301aの制御の下に実行される。
【0050】
まずステップS1で、複数ユーザがログインしている状態で、操作部302を介して、所定のオブジェクトへのアクセス指示を受け付ける。次にステップS2で、CPU301aは、どのワーク領域においてアクセス指示がなされたかを判別する。ここでワーク領域が特定されるとステップS3に進み、そのワーク領域のユーザを特定して、そのアクセス指示がなされたワーク領域に該当するユーザのアクセス制御リストを取得する。次にステップS4で、制御部301は、ステップS3で取得したアクセス制御リストを参照して、ユーザにより指示されたオブジェクトへのアクセスを制御する。
【0051】
このように、操作部302でなされたワーク領域のオブジェクトへのアクセス指示は、そのワーク領域のユーザのアクセス制御リストを用いて、そのアクセス権の範囲内で実行される。
【0052】
<ユーザのワーク領域の切り替え>
上述したように、ユーザが単独でログインすると、図6に示すようにワーク領域601が表示される。このとき、ログイン時に表示する環境を設定ファイルに予め記憶しておき、この環境設定ファイルを呼び出すことにより、その画面を表示している。この環境設定ファイルを、ユーザの数が1(単独)の場合と複数の場合とで(コラボレーションモードが設定されている場合と設定されていない場合とで)異なるワーク領域を表示するように設定しておく。これにより、ユーザ数が単数の場合と複数の場合とで(コラボレーションモードが設定されている場合と設定されていない場合とで)、表示設定情報に応じてそれぞれ異なる画面を表示することができる。
【0053】
例えば、図6は単独でログインした場合のワーク領域の例を示し、図7は複数ユーザがログインした場合(コラボレーションモード)のワーク領域の例を示している。図6に示す単独のワーク領域では、フォルダ名003〜006が表示されているが、図7の複数ユーザのワーク領域ではこれが隠されている。このように、単独のユーザでワーク領域の設定と、複数ユーザのワーク領域の設定とを異ならせることができる。この場合、MFPの制御部301は、ログインを制御しているので、ログインするユーザの数を把握できる。よって、そのユーザ数によって、どの環境設定ファイルを使用するかを選択すればよい。
【0054】
また、フォルダ名604,704やファイル101(File101),102(File102)などそれぞれに設定しても良い。これにより、単独ログインの場合と複数ユーザログインの場合とで、各フォルダやファイルを表示するか、しないかを設定して表示形態を変更しても良い。
【0055】
例えば、図6の単独ログインの場合では、フォルダ002やフォルダ005は表示している。しかし図7の複数ユーザログインの場合では、これらは表示しない。またツール603において、不用意に実行されては困る、例えば「削除」のツールアイコン(ここではゴミ箱のアイコン607)の表示方法も変更しても良い。例えば、図6の単独ログインの場合には表示するが、図7の複数ユーザログインの場合において表示しないようにしてもよい。
【0056】
これらは、単独ログイン時(単独モード)と複数のユーザがログインしている場合(コラボレーションモード)とで異なる環境設定ファイル(表示設定記憶)を用意し、MFPが把握するログインユーザ数によって表示する、しないを切り替えることにより実現できる。言うまでも無いが、一つの環境設定ファイルの中に単独モードとコラボレーションモードの設定値を記述し、それらを切り替える方法でも実現可能である。
【0057】
<ワーク領域の切り替え動作フロー>
例えば、誰もログインしていないMFPにユーザAがログインした場合、ユーザA用の単独のワーク領域の設定を使用する。次にユーザAがログインしている状態でユーザBがログインした場合、ユーザB用の複数ユーザのワーク領域の設定を使用する。そして、同時にユーザAに対しては、複数ユーザのワーク領域の設定に切り替える。こうすることにより、ユーザAへの表示は、図6に示す単独のワーク領域の設定から、図7の左半分に示す複数ユーザのワーク領域の設定に切り替わる。またユーザBに対しては、図7の右半分に示す複数ユーザのワーク領域の設定が使用される。
【0058】
図9は、本実施の形態に係るMFPにおいて、ログインしているユーザ数を検出する処理を説明するフローチャートである。
【0059】
まずステップS11で、MFPに新規にユーザがログインする。次にステップS12に進み、制御部301はアクセス情報格納部206に保存されているアクセス制御リストの数をカウントして、この時点でログインしているユーザ数を検出する。アクセス制御リストがなければ新規にログインしたユーザのみ(単独)であり、アクセス制御リストが一つ以上あれば複数ユーザがログインしていると判断できる。このようにして、ログインしているユーザ数を検知するとステップS13で、そのユーザ数が単数か否かを判断する。ここでログインしているユーザの数が単数の場合はステップS14に進み、新規ログインユーザに、単独ワーク領域用の環境設定ファイルを使用する。
【0060】
一方、ログインしているユーザ数が複数の場合はステップS15に進み、新規ログインユーザに、コラボレーションワーク領域用の環境設定ファイルを使用する。更にステップS16で、既存ユーザにも、コラボレーションワーク領域用の環境設定ファイルを使用する。
【0061】
通常、ユーザが単独でログインして行う作業とコラボレーションモードで行う作業とは異なる。例えば、コラボレーションモードでは、会議でプレゼンしたり検討したりするファイルが良く用いられるし、会議後にそれらのファイルを共有フォルダにコピーしたり、メールに送信したりする作業が良くなされる。従って、コラボレーション用のワーク領域を用意し、これらファイルやフォルダ、或は作業用ツールアイコン等をこのコラボレーション用のワーク領域に配置すると効率的である。
【0062】
例えば、図7に示すように、ユーザAは、コラボレーションモード時に良く使うフォルダ704,705と、コラボレーションモード時に良く使うツールアイコン703とをワーク領域701の使いやすいトップ画面に配置すると効率的である。図7に示すレイアウトは一例であり、配置するフォルダ、ファイルやツールアイコン等はユーザ毎に異なる。
【0063】
以上説明したように本実施の形態に係るMFPによれば、複数のユーザがログインしている場合、複数ユーザ用のワーク領域の設定に切り替える。この時に使用されるコラボレーション用環境設定ファイルにおいて、表示するフォルダやファイルやツールアイコンを特定し、その配置を指定することにより実現できる。したがって、各ユーザは単独で使用する場合と区別してコラボレーションモードで複数ユーザで作業する場合に自分が参加する会議等でよく用いるプレゼン用ファイルを置くなど使い勝手のよい環境を構築できる。
【0064】
<会議履歴による環境設定の切り替え>
各ユーザのワーク領域には、会議や打合せの履歴が記録されている記憶領域がある。これは、複数のユーザがログインするコラボレーションモードになったとき、この記憶領域にその履歴情報が記録される。その履歴情報としては、ログインの日時、MFP名、ログインしたユーザ名、使用したファイルやフォルダ、操作内容、使用したツールアイコン等が含まれる。そして、これらの履歴情報に基づき再びコラボレーションモードになったときに前回の操作状況を再表示するものである。これによって容易に前回までの作業を再開することができる。また、どのような原稿を読取り機能によって読み取ったか、どのような画像を印刷したかも履歴に含まれ、その画像データを再度読み出すことも可能である。
【0065】
次に、その履歴情報を参照し、その中から最適な候補を表示する方法を具体的に説明する。
【0066】
例えば、ログインユーザの組み合わせから検索する方法について説明する。いまユーザA,B,C,Dがログインしている場合を考える。まず、ユーザA,B,C,Dの全てが参加した会議があれば、全てのユーザの会議履歴に記録されているので、この時の記録内容が読み出される。
【0067】
ユーザA,B,C,Dの全てが参加した会議が無い場合、一部のメンバだけが参加している会議を検出して、これらを選択肢の候補会議として表示し、参加者に選ばせるようにする。この時選択肢の候補として表示する優先順は、メンバの参加者の数がより多い会議を最優先としても良い。また或は開催日付が直近のものを優先したり、或は会議の主催者が参加者として入っているものを優先させて表示する等が考えられる。
【0068】
具体例として、例えばユーザAは過去にBとの打合せと、C,Dとの打合せを持ったことがあり、これがユーザAの会議履歴に記録されているとする。この場合、ユーザBの会議履歴にはAとの打合せの記録が、ユーザCの会議履歴にはAとDとの打合せの記録が、ユーザDの会議履歴にはAとCとの打合せの記録がそれぞれ記述されている。この場合、第一候補はユーザA,C,Dが参加した会議、第二候補はユーザA,Bが参加した会議とした選択肢が表示される。
【0069】
これら選択肢の順番を決めるための履歴からの検出方法は、この方法に限る必要は無い。最初にログインしたユーザを主催者とみなし、主催者が参加したことのある会議を優先的に選択肢に載せる方法や、単純に開催日付順に並べる方法等のいずれでも良い。何らかの方法で示される選択肢からユーザが選択すると、その会議の履歴を参照し、各ユーザのワーク領域が表示される。
【0070】
以上説明した検索方法によって、MFPは複数のユーザがログインしコラボレーションモードになると、各ユーザの会議履歴から最適な会議を選択して、その会議の記録内容を読み出すことができる。こうして使用ファイルやフォルダ、操作内容、使用したツールアイコン等がワーク領域上に表示され、そのときの会議の続きが開始できる。これは、ログインしている全てのユーザにおいて行われる。
【0071】
また、複数の会議履歴を一覧表示し、その中から選択した会議履歴に基づき前回までの操作状況を再表示するようにしてもよい。
【0072】
<環境設定ファイル>
各ユーザごとの環境設定ファイルや会議履歴ファイル等は、MFP毎にその内部記憶領域に保持されている。ユーザがログインすると、それらユーザ毎の環境設定ファイルや会議履歴ファイル等を読み出して、適切な設定に切り替わる。各ユーザの環境設定ファイルや会議履歴ファイル等は、ユーザ毎にネットワーク上のサーバ108に保持され、どこのMFPからでもアクセスできるようにしても良い。ユーザがログインすると、それらユーザ毎の環境設定ファイルや会議履歴ファイル等を読み出して適切な設定に切り替わる。この場合、どのMFPにログインしてもサーバ108に一元管理された環境設定ファイルや会議履歴ファイル等を呼び出すことができる。
【0073】
また或は、各ユーザの環境設定ファイルや会議履歴ファイル等は、ユーザ毎に持つIDカードに保持されていても良い。ユーザがログインすると、MFPがこのIDカードから各ユーザの環境設定ファイルや会議履歴等を読み出して、それに応じた設定に切り替わるようにしても良い。この場合、どのMFPにログインしても、各ユーザの環境設定ファイルや会議履歴等を使うことができる。
【0074】
<共有領域>
MFPに複数ユーザがログインしてコラボレーションモードで動作している場合は、これまでに説明しているように、複数ユーザ用のワーク領域がMFPの操作画面上に現れる。例えは、2人のユーザがログインしている場合は、図7に示すように2つのワーク領域701とワーク領域702とが表示される。また3人以上のユーザがログインしている場合は、同様にそれぞれのユーザのワーク領域が表示される。
【0075】
図10は、2人以上のユーザがログインしているコラボレーションモードにおいて、各ユーザのワーク領域以外に共有領域を設けた場合の操作画面の一例を示す図である。ここでは、ユーザA,B,Cの3人がログインした場合の操作画面の一例である。
【0076】
ログインしたユーザのワーク領域1002,1003,1004が表示画面に表示されている。これらのワーク領域では、これまで説明してきたのと同様の表示がなされる。そして、これらワーク領域1002〜1004とは別に共有領域1001が表示されている。この共有領域1001は、ログインしているユーザ全てのアクセス権限を論理積条件で表している。
【0077】
この共有領域1001は、コラボレーションモードにおいて参加ユーザが共同で参照したりファイルを編集したりするために使われる。例えば、ユーザAが保持している「ファイルA01」1005を参加者全員で参照して議論したい場合がある。これまでの説明では、ユーザAのワーク領域上の「ファイルA01」1005を直接開いて参照する方法を述べている。ここではこれとは別に、共有領域1001に「ファイルA01」をコピーする。こうしてコピーした後の「ファイルA01」が1006で示されている。このコピーされた「ファイルA01」1006を参照して参加者全員が議論することができる。
【0078】
同様に、ユーザCが保持している「ファイルC09」1007を共有領域1001にコピーする。こうしてコピーした後の「ファイルC09」1008を参照して参加者全員が議論することもできる。この場合の議論で、そのファイルを全員で推敲(編集)する場合には、このファイルを編集するアプリケーションを共有領域1001で動作させて、その内容を編集することができる。この編集作業中を示しているのがダイアログ1009である。
【0079】
こうして、そのファイルの編集が終了すると、その編集された内容を保存してファイルを閉じる。この動作は一般的なPC上で動作するアプリケーションと同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0080】
更に、こうして編集された「ファイルC09」1008を、その議論に参加したユーザ全員に配布したい場合には、「ファイルC09」1008をユーザA,B,Cの各ワーク領域にコピーするだけで配布できる。このコピー動作は、共有領域1001のアクセス権に応じて行われる。この共有領域1001のアクセス権は、上述したようにユーザA,B,Cのアクセス権限を論理積条件で持っているため、それぞれのワーク領域に書き込むことが可能である。但し、同じファイル名が存在している場合は、上書きするか、名前を変更して保存するか、キャンセルするかのいずれかの動作を選択可能である。この動作は一般的なPCで動作するアプリケーションと同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0081】
尚、この共有領域1001を表示させるかどうかは、設定によって決めることができる。また、ログインしているユーザ数が多くなれば有限の広さの画面上に全てのユーザのワーク領域を一概に表示させるのは非効率的であるため、画面レイアウト上の工夫が必要である。例えば、普段はログインユーザのワーク領域をアイコン化して小さく表示し、ファイルを共有領域1001にコピーするときだけ開いたりすればよい。
【0082】
<簡単資料配布>
また編集したファイルを参加ユーザ全員に配布したい場合、各ユーザのワーク領域にコピーする。上記で説明したように参加ユーザが3名ぐらいなら手間はかからないが、10名以上になると、コピー操作だけでも大変である。この場合、共有領域1001上のツールアイコン(図10では省略しているが、図7の703や713に表示している)の中に、参加ユーザ全員にコピーする機能のアイコンを表示する。そして、そのアイコンを指示することにより、ログインしているユーザ全員に、ファイル等をコピーする機能を実行させることにより、簡単な操作で全員に配布できる。
【0083】
この全員へのコピー配布機能の実現方法を説明する。既に説明しているように、MFPはログインしているユーザを特定でき、MFP上にそれらのユーザのワーク領域が存在している。また、共有領域1001はそれらのユーザのアクセス権限を全て持っている。そこで、共有領域1001から全てのユーザに対するコピー作業を行うことにより、全員へのコピー機能を実現できる。なお、この配布用ツールアイコンは複数ユーザがログインしている場合(コラボレーションモードが設定されている場合)表示され、単独ユーザがログインしている場合(コラボレーションモードが設定されていない場合)表示されないよう制御部301が制御する。
【0084】
<簡単資料配布の拡張>
また、共有領域1001は、メールサーバに対してメーリングリストの作成を依頼する。このメーリングリストの参加者は、今回のコラボレーションに参加したユーザのメールアドレスを登録する。なお、このメールアドレスは、ユーザとメールアドレスとの対応を管理するサーバに問い合わせることで入手できる。このメーリングリストを用いて、共有領域1001で作業した全てのファイルや設定等を各ユーザにメールで配布したり、その後の追加の議論をメーリングリストで行ったりすることができる。これにより、ユーザが再び集まらなくてもバーチャルなコラボレーションが継続可能となる。
【0085】
また共有領域1001はファイルサーバに対して共有フォルダの作成を依頼する。この共有フォルダのアクセス権は、今回のコラボレーションに参加したユーザ全てに与える。こうしてサーバに共有フォルダが作成されると、そこには共有領域1001で作業した全てのファイルや設定等を保存することができる。このフォルダを用いることで、再びコラボレーションのために複数のユーザが一箇所に集まらなくても、参加者が独自に又はバーチャルに共同作業を行うことが可能となる。
【0086】
更には、ネットワークの共有フォルダを共有領域1001とすることも可能である。例えば、共有フォルダのエイリアスを共有領域1001としても良い。またログインしているユーザは共有領域1001を操作しているように見えるが、その実態はネットワーク上の共有フォルダに設けられているようにしても良い。又は、ネットワークファイルシステム(NFS)を用いて、共有領域1001と共有フォルダを一つのフォルダとして構成することでも実現可能である。
【0087】
以上説明したように本実施の形態によれば、1台或は複数台のMFPを含むネットワークシステムにおいて、1つのMFPに複数のユーザが同時にログインできるようになる。このとき、そのMFPの表示部には、各ユーザのワーク領域が表示され、各ワーク領域ごとのアクセス権を守りながら、各ユーザがMFPが有しているリソースにアクセスできる。会議システムにこのようなネットワークを採用することにより、会議を効率的に進行できるようになる。
【0088】
また、以上の説明では、MFPを例に行ったが、複数のユーザが同時にログイン可能な装置であれば他の装置でも同様の処理を行えることは言うまでもない。
【0089】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0090】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成され得る。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0091】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0092】
プログラムを供給するための記録媒体としては、様々なものが使用できる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0093】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。その場合、ダウンロードされるのは、本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0094】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する形態としても良い。その場合、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムが実行可能な形式でコンピュータにインストールされるようにする。
【0095】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される形態以外の形態でも実現可能である。例えば、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0096】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれるようにしてもよい。この場合、その後で、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態に係るMFPが接続されたネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】本実施の形態に係るMFPを説明する図である。
【図3】本実施の形態に係るMFPの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るMFPにおいて、ユーザが誰もログインしていない状態のときの表示部の表示例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るMFPのカードリーダ部にカードを読み込ませた時に、表示部に表示される表示内容の一例を示す図である。
【図6】本実施の形態に係るMFPにおける、ユーザごとにカスタマイズされたワーク領域の表示例を示す図である。
【図7】実施の形態に係るMFPにおいて、複数ユーザのログインが完了した場合の、ユーザごとにカスタマイズされたワーク領域の表示例を示す図である。
【図8】本実施の形態に係るMFPにおけるアクセス制御を説明するフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係るMFPにおいて、ログインしているユーザの数を検出する処理を説明するフローチャートである。
【図10】2人以上のユーザがログインしているコラボレーションモードにおいて、各ユーザのワーク領域以外に共有領域を設けた場合の操作画面の一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザがログイン可能な情報処理装置であって、
ログインしたユーザのアクセス権情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得したアクセス権情報に基づいて、ログインしたユーザがアクセス可能なオブジェクトを当該ユーザに対応するエリアに識別可能に表示するオブジェクト表示手段と、
複数のユーザがログインし当該複数のユーザで共同作業を行うためのコラボレーションモードを設定する設定手段と、
前記設定手段でコラボレーションモードを設定しているか否かに応じて前記オブジェクト表示手段によるオブジェクト表示を変更する表示変更手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記設定手段によりコラボレーションモードが設定されている場合と設定されていない場合のそれぞれにおける前記オブジェクト表示手段での表示設定情報を記憶する表示設定記憶手段を更に有し、
前記表示変更手段は前記表示設定情報に従って、前記設定手段でコラボレーションモードが設定されている場合と設定されていない場合の前記オブジェクト表示手段によるオブジェクト表示を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記オブジェクト表示手段は、
各ユーザに対応して、当該ユーザがアクセス可能なオブジェクトを識別可能に表示するワークエリアと、
複数のユーザがログインしている場合、複数のユーザが共通にアクセス可能なオブジェクトを表示する共通ワークエリアとを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段でコラボレーションモードが設定された状態での操作状況を記憶する手段と、前記設定手段でコラボレーションモードが設定された場合に当該操作状況を読み出して再開する手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定手段でコラボレーションモードが設定されている場合、ログイン中の複数のユーザに対し前記オブジェクトを配布するための配布指示手段を表示する手段と、当該配布指示手段が操作された場合、前記オブジェクトをログイン中の複数のユーザに配布する手段とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数のユーザがログイン可能な情報処理装置における制御方法であって、
ログインしたユーザのアクセス権情報を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得したアクセス権情報に基づいて、ログインしたユーザがアクセス可能なオブジェクトを当該ユーザに対応するエリアに識別可能に表示するオブジェクト表示工程と、
複数のユーザがログインし当該複数のユーザで共同作業を行うためのコラボレーションモードを設定する設定工程と、
前記設定工程でコラボレーションモードを設定しているか否かに応じて前記オブジェクト表示工程によるオブジェクト表示を変更する表示変更工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置における制御方法。
【請求項7】
前記設定工程でコラボレーションモードが設定されている場合と設定されていない場合のそれぞれにおける前記オブジェクト表示工程での表示設定情報を記憶する表示設定記憶工程を更に有し、
前記表示変更工程は前記表示設定情報に従って、前記設定工程でコラボレーションモードが設定されている場合と設定されていない場合の前記オブジェクト表示工程によるオブジェクト表示を変更することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置における制御方法。
【請求項8】
前記オブジェクト表示工程では、
各ユーザに対応して、当該ユーザがアクセス可能なオブジェクトを識別可能に表示するワークエリアと、
複数のユーザがログインしている場合、複数のユーザが共通にアクセス可能なオブジェクトを表示する共通ワークエリアとを表示することを特徴とする請求項6又は7に記載の情報処理装置における制御方法。
【請求項9】
前記設定工程でコラボレーションモードが設定された状態での操作状況を記憶する工程と、前記設定工程でコラボレーションモードが設定された場合に当該操作状況を読み出して再開する工程とを有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置における制御方法。
【請求項10】
前記設定工程でコラボレーションモードが設定されている場合、ログイン中の複数のユーザに対し前記オブジェクトを配布するための配布指示手段を表示する工程と、当該配布指示手段が操作された場合、前記オブジェクトをログイン中の複数のユーザに配布する工程とを有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置における制御方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータにより実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータにより読取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−243066(P2008−243066A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85888(P2007−85888)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】