説明

情報出力装置

【課題】 地図等の媒体面に印刷されたドットパターンの同一の領域に複数の情報を定義して、撮像手段による撮像動作等によってそれらの情報を選択的に出力させることによって、利便性に富んだ媒体とその情報出力を実現する。
【解決手段】 媒体に地図等と重畳印刷されたドットパターンに、座標情報とコード情報とを含めることによって、座標情報に対応した情報と、コード情報に対応した情報とを選択的または重複的に出力させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドットパターンが印刷された媒体とその情報出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、媒体としての地図上にバーコード等の識別子を設けた地図が知られている。カーナビゲーション装置においては、地図上の識別子に緯度や経度等の位置データが記録されており、読取手段により識別子を読み取ると、カーナビゲーション装置により目的地として登録される。そして、カーナビゲーション装置のディスプレイ上には、現在地や、目的地までの方向および距離等が表示される(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、コンピュータのメモリ或いはメモリカード等に、地図上の識別子に対応した情報を記憶させておき、読取手段により識別子が読み取られると、識別子に対応した情報がコンピュータや携帯電話等の電子機器上に表示される、という情報表示方法も提案されている。たとえば、地図上の観光名所にバーコードが印刷されており、バーコードを読み取ると、観光地についての説明が映像で表示される(たとえば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−103498号公報
【特許文献2】特開2004−54465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1においては、ナビゲーション装置のディスプレイ上に表示される地図を拡大・縮小したり、または、現在地以外に表示させたい地点があっても簡単に表示させたりすることができず、柔軟性に欠けるという問題があった。
また、特許文献2においては、識別子から得られる情報が、施設の説明等に限定されており、たとえば、施設周辺の道路等、地図に関する情報を得たいと思っても得ることができないという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、地図等の媒体面に印刷されたドットパターンの同一の領域に複数の情報を定義して、撮像手段による撮像動作等によってそれらの情報を選択的に出力させることによって、利便性に富んだ媒体とその情報出力を実現することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の手段を採用した。すなわち、
本発明の請求項1は、印刷と重畳して所定の規則に基づいたドットパターンが印刷された媒体に対して、撮像手段によって、前記媒体面上のドットパターンを読み取って、当該撮像手段から得られた撮影画像からドットパターンの意味するコード値または座標値に変換する変換手段と、該コード値または座標値に対応した情報を出力する出力手段とを備えた情報出力装置であって、少なくとも一面に、座標情報をパターン化したドットパターンが重畳印刷された媒体と、前記媒体面上に少なくとも座標情報とともにコード情報をパターン化したドットパターンが重畳印刷された多重情報領域とを有しており、前記変換手段は、前記撮像手段が媒体面上の多重情報領域のドットパターンから座標情報を読み取ったときには、変換手段は座標情報に基づく情報を記憶手段から読み出して出力手段から出力し、媒体面上の多重情報領域上のドットパターンからコード情報を読み取ったときには、変換手段はコード情報に関連付けられた情報を記憶手段から読み出して出力手段から出力する情報出力装置である。
【0007】
このように、ドットパターン中にコード情報と座標情報とを組み合わせたドットパターンを印刷しているため、たとえば媒体が地図の場合、地図上のシンボルのコード情報からは当該シンボルの説明文、画像、動画、音声情報等を出力手段であるディスプレイ装置やスピーカから出力することができ、地図および前記シンボル上の座標情報からはそれに対応した地図画像をディスプレイ装置から出力させることができる。
【0008】
なお、座標情報にはXY座標の他にZ座標を含めてもよい。
【0009】
また、媒体面全体を座標情報とコード情報とを印刷した多重情報領域とする場合の他、媒体面全体はXY座標として、その中の一定の領域、またはシンボル部分のみコード情報を含めるようにしてもよい。
【0010】
請求項2は、前記媒体面には、多重情報領域上のドットパターンから読み取ったコード情報に対応した情報を記憶手段から読み出して出力するか、座標情報に対応した情報を記憶手段から読み出して出力するかを切り替えるためのモードを切り替えるためのドットパターンを印刷したアイコン図形が印刷された請求項1記載の情報出力装置である。
【0011】
このように、コード情報に対応した情報を出力するか、座標情報に対応した情報を出力するかを選択できるアイコン図形を媒体面に印刷しておくことにより、撮像手段を用いて選択的に情報を出力させることができる。
【0012】
たとえば、媒体が地図の場合、当該地図上に、「地図アイコン」と「情報アイコン」とを印刷しておき、「地図アイコン」が撮像されたときには、地図の座標情報を読み取ってそれに対応した地図画像をディスプレイ装置から出力させることができ、「情報アイコン」が撮像されたときには、地図上のシンボルに対応する説明文、画像、動画、音声等がディスプレイ装置やスピーカ等の出力手段から出力されるようになっている。
【0013】
なお、ここでの印刷とは、媒体面への直接の印刷はもとより、媒体面にドットパターンを印刷したシールや透明フィルムを積層する行為も含むものとする。
【0014】
請求項3は、前記媒体面上の座標情報は、少なくともXY座標とZ座標とからなり、前記記憶手段にはXYおよびZ座標に対応した情報が記憶されている請求項2記載の情報出力装置である。
【0015】
このように座標情報としてZ座標を含めることにより、たとえば地図等で山や丘の高さ、海、湖や池等の深さを情報として与えることが可能となる。
【0016】
請求項4は、前記媒体面には、前記出力手段から出力される画像情報を出力手段上で移動するための上下左右の移動用のコード情報が重畳印刷されたアイコン図形がさらに印刷されている請求項1記載の情報出力装置である。
【0017】
このようなアイコン図形を印刷配置することによって、ディスプレイ装置等の出力手段に表示される画像情報を容易に移動させることが可能となる。
【0018】
請求項5は、前記媒体面には、前記出力手段から出力される画像情報を出力手段上で拡大縮小するためのコード情報が重畳印刷されたアイコン図形がさらに印刷されている請求項1記載の情報出力装置である。
【0019】
このようなアイコン図形を印刷配置することによって、ディスプレイ装置等の出力手段に表示される画像情報を容易に拡大・縮小させることが可能となる。
【0020】
請求項6は、印刷と重畳して所定の規則に基づいたドットパターンが印刷された媒体に対して、撮像手段によって、前記媒体面上のドットパターンを読み取って、当該撮像手段から得られた撮影画像からドットパターンの意味するコード値または座標値に変換する変換手段と、該コード値または座標値に対応した情報を出力する出力手段とを備えた情報出力装置であって、少なくとも一面に、座標情報をパターン化したドットパターンが重畳印刷された媒体と、前記媒体面上に少なくとも座標情報とともにコード情報をパターン化したドットパターンが重畳印刷された多重情報領域とを有しており、前記変換手段は、前記撮像手段が媒体面上の多重情報領域のドットパターンから座標情報とコード情報とを読み出して、記憶手段から座標情報とコード情報とのそれぞれに対応した情報を読み出して、出力手段から出力するとともに、前記撮像手段の媒体面のドットパターンの読取動作によって、出力情報を切り替える情報出力装置である。
【0021】
このように、撮像手段の媒体面のドットパターンの読取動作によって出力情報を切り替えることができるため、たとえば、撮像手段の媒体面に対する簡単な動作によって出力手段から出力される情報を切り替えることができる。
【0022】
より具体的には、請求項7に記載したように、前記出力情報の切り替えは、座標情報に基づく出力情報とコード情報に基づく出力情報との切り替え、座標情報内またはコード情報内の出力情報の切り替え、または出力情報のリセットが挙げられる。
【0023】
たとえば媒体面に地図が印刷されており、その地図上に座標情報をパターン化したドットパターンが印刷され、かつその地図上に座標情報とともにコード情報をパターン化したシンボル領域が印刷されているような場合、座標情報に基づく出力情報とコード情報に基づく出力情報との切り替えとしては、撮像手段の媒体面(シンボル領域)へのグリッドタッピング動作によって、所定時間内にほぼ同一のXY座標情報またはコード情報を複数回読み取ることによって(請求項8)、出力手段であるディスプレイ装置に表示される地図等の画像情報と、シンボル領域に対応する観光スポット等の説明情報(文字、画像、音声、動画等)とを切り替えることが挙げられる。
【0024】
また、座標情報内の出力情報の切り替えとは、撮像手段の媒体面(地図の座標情報)の読み取り動作により、出力手段(ディスプレイ装置)に表示される地図画像のレイヤの切り替え、拡大・縮小等の連続的な切り替え、地図画面のXY方向への移動、3D地図等における視点を移動させた風景画面の動的な変化等が挙げられる。
【0025】
また、コード情報内の切り替えとは、撮像手段の媒体面(地図のシンボル上のコード情報)の読み取り動作による、出力手段(ディスプレイ装置、スピーカ)に表示される説明文、画像、動画、音声の切り替えが挙げられる。
【0026】
また、前記撮像手段の媒体面の読取動作としては、円状のグリッドスライディング動作によって、所定時間内に読み取ったXY座標情報がほぼ円状の軌跡として認識されることによって行われるようにしてもよい(請求項9)。このように媒体面上で円を描くような動作を撮像手段で行うことにより、前述の出力手段からの出力情報を切り替えるようにしてもよい。
【0027】
また、撮像手段の媒体面の読取動作としては、撮像手段の媒体面での直線状のグリッドスクロール動作によって、所定時間内に読み取ったXY座標情報がほぼ直線状の軌跡として認識されることによって行われるようにしてもよい(請求項10)。
【0028】
さらに、撮像手段の媒体面の読取動作としては、撮像手段のグリッドスクラッチ動作、
すなわち、所定時間内に読み取ったXY座標の軌跡が短距離の直線上の軌跡の繰り返しとして認識されるようにしてもよい(請求項11)。また、撮像手段のグリッドティルト動作、すなわち媒体面の鉛直線に対する撮像光軸の傾きを認識することによって行われるようにしてもよい(請求項12)。さらに、撮像手段のグリッドグラインド動作、すなわち媒体面の鉛直線に対する撮像光軸の一定の傾きを維持した傾斜状態で鉛直線を中心に回転させることによって撮像光軸の傾斜状態の変化を認識することによって行われるようにしてもよい(請求項13)。以上のような撮像手段の傾きは、撮像手段の撮像視野における明度の差で認識することができる(請求項14)。
【0029】
請求項15は、前記媒体は地図であり、前記出力情報の切り替えは、地図から情報への切り替え、または地図のレイヤの切り替え、地図の拡大・縮小の連続的な切り替え、地図の表示位置のXY方向への連続的な切り替え、視線の切り替えである請求項6または7記載の情報出力装置である。このように媒体として地図を選択することによって、出力手段としての表示装置に表示される画像情報(デジタル地図)を様々に変化させることができる。
【0030】
また、さらに、前記媒体としては、座標情報としてXYZ座標による3D地図情報がパターン化されたドットパターンが重畳印刷された地図であり、前記出力情報は、視点からみた注視点に対して前記XYZ情報に基づいて生成された3D地図画像を注視点、アングルまたは視野角を連続的に切り替えて出力手段としてのディスプレイ装置に表示するようにしてもよい。
【0031】
さらに前記出力情報の切り替えは、視点の高度を連続的に切り替えてそれに対応する3D地図画像を出力手段としてのディスプレイ装置に表示するようにしてもよい。
【0032】
これにより、注視点を固定して視点のZ座標を変化させたり、注視点自体もZ方向に変化させるような3D画像を表示させることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、地図等の媒体面に印刷されたドットパターンに複数の情報を選択的に定義して、撮像手段による撮像動作等によってそれらを選択的に出力させることによって、利便性に富んだ媒体とその情報出力を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(第一の実施形態 平面地図)
図1から図22は、本発明における第一の実施形態を示すものである。
【0035】
この実施形態は、地図を媒体としたものであり、地図をペン型のスキャナ(撮像手段)で撮像すると、撮像内容に対応した地図や情報が出力手段であるディスプレイ装置(モニタ)に表示されるようになっている。ディスプレイ装置には、パーソナルコンピュータにインストールされた電子地図や、それに対応する文字、図形、音声、動画等が表示されるようになっている。
【0036】
図1は、本発明で用いる地図(媒体)の表面印刷状態を示した図である。
本発明における地図は、ディスプレイ装置上で各種表示を行なうための操作を指示するためのアイコンが印刷されたアイコン部と、道路、線路、観光施設等が印刷された地図部とから構成されている。
【0037】
アイコン部における各アイコンの領域には、操作指示に対応したコードを意味するドットパターンが印刷されているが、ここで印刷されるドットパターンについては後述する。
アイコン部は、地図の上部および下部にそれぞれ印刷されており、上部には、「情報」「地図」「GSガソリンスタンド」「コンビニ」「ATM銀行」「宿泊」「お食事」「解除」の各アイコンが設けられている。
【0038】
また、下部には、電子地図を移動させるための、「上へ」「右へ」「下へ」「左へ」「戻る」の各アイコン、電子地図のサイズを変更させるための、「拡大する」「標準」「縮小する」の各アイコンが印刷されている。
【0039】
地図部には、道路、線路等の他、観光施設等を表示するシンボルが印刷されている。この地図部の領域には、道路や線路の位置に対応したXY座標を意味するドットパターンが印刷されている。また、シンボルには、施設等の位置に対応したXY座標に加えて、施設の情報等をコード化したドットパターンが重畳印刷されている。
【0040】
図2は、地図の使用状態を示した説明図である。
【0041】
図に示す如く、本発明における地図(媒体)は、パーソナルコンピュータ等の電子機器およびペン型のスキャナ(撮像手段)と連動させて用いる。すなわち、ペン型のスキャナを、USBケーブル等でコンピュータに接続する。ユーザは、スキャナを用いて、地図部上の任意の位置やシンボル等、またはアイコン部に印刷されている各種アイコンをクリック(撮像)する。
【0042】
地図モードアイコンには、電子地図のアドレスが登録されており、ユーザが地図モードアイコンをクリックすることにより、パーソナルコンピュータのハードディスク装置に登録された電子地図が読み出されてディスプレイに出力表示される。
なお、図2においては、スキャナはコンピュータに接続されているが、本発明はこれに限らず、携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)等、他の通信機器と連動させて用
いるようにしてもよい。
【0043】
図3は、コンピュータとスキャナの構成を示すハードウエアブロック図である。
【0044】
同図に示すように、パーソナルコンピュータは、中央処理装置(CPU)を中心に、メインメモリ(MM)、バスで接続されたハードディスク装置(HD)、出力手段としての表示装置(DISP)、入力手段としてのキーボード(KBD)を有している。
【0045】
そして、USBインターフェース(USB I/F)を介して撮像手段としてのスキャナが接続されている。
【0046】
なお図示を省略してあるが、ディスプレイ装置(DISP)の他に、出力装置として、プリンタ、スピーカ等が接続されている。
【0047】
また、バス(BUS)は、ネットワークインターフェース(NW I/F)を介してインターネット等の汎用ネットワーク(NW)に接続されており、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報、プログラム等が図示しないサーバよりダウンロード可能となっている。
【0048】
ハードディスク(HD)内には、オペレーティングシステム(OS)とともに、本実施形態で用いられるドットパターンの解析プログラム等のアプリケーションプログラム、電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報や各種テーブル等のデータが登録されている。
【0049】
中央処理装置(CPU)は、ハードディスク内のアプリケーションプログラムをバス(BUS)およびメインメモリ(MM)を介して順次読み込んで実行処理するとともに、データを読み出してディスプレイ装置(DISP)に出力表示することによって、本実施形態に説明する機能が実現されることになる。
【0050】
スキャナは、図示は省略するが、赤外線照射手段(赤色LED)とIRフィルタと、CMOSセンサ、CCDセンサ等の光学撮像素子を備えており、媒体面に照射した照射光の反射光を撮像する機能を有している。ここで媒体面上のドットパターンはカーボンインクで印刷されており、ドットパターン以外の部分はノンカーボンインクで印刷されている。
【0051】
このカーボンインクは赤外光を吸収する特性を有しているため、前記光学撮像素子での撮像画像では、ドットの部分のみ黒く撮影されることになる。
【0052】
このようにして読み取ったドットパターンの撮像画像は、スキャナ内の中央処理装置(CPU)によって解析されて座標値またはコード値に変換されて、USBケーブルを介してパーソナルコンピュータに送信される。
【0053】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、受信した座標値またはコード値を示すテーブルを参照して、これらに対応した電子地図データ、文字情報、画像情報、音声情報、動画情報がディスプレイ装置(DISP)や図示しないスピーカから出力されるようになっている。
【0054】
次に、本発明で用いるドットパターンについて図4〜図9を用いて説明する。
【0055】
図4は本発明のドットパターンの一例であるGRID1を示す説明図である。
【0056】
なお、これらの図において、縦横方向の格子線は説明の便宜のために付したものであり実際の印刷面には存在していない。ドットパターン1を構成するキードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4等は撮像手段であるスキャナが赤外線照射手段を有している場合、当該赤外光を吸収するカーボンインクで印刷されていることが望ましい。
【0057】
図5はドットパターンの情報ドットおよびそれに定義されたデータのビット表示の一例を示す拡大図である。図6(a)、(b)はキードットを中心に配置した情報ドットを示す説明図である。
【0058】
本発明のドットパターンを用いた情報入出力方法は、ドットパターン1の生成と、そのドットパターン1の認識と、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力する手段とからなる。すなわち、ドットパターン1をカメラにより画像データとして取り込み、まず、基準格子点ドット4を抽出し、次に本来基準格子点ドット4がある位置にドットが打たれていないことによってキードット2を抽出し、次に情報ドット3を抽出することによりデジタル化して情報領域を抽出して情報の数値化を図り、その数値情報より、このドットパターン1から情報およびプログラムを出力させる。たとえば、このドットパターン1から音声等の情報やプログラムを、情報出力装置、パーソナルコンピュータ、PDAまたは携帯電話等に出力させる。
【0059】
本発明のドットパターン1の生成は、ドットコード生成アルゴリズムにより、音声等の情報を認識させるために微細なドット、すなわち、キードット2、情報ドット3、基準格子点ドット4を所定の規則に則って配列する。図4に示すように、情報を表すドットパターン1のブロックは、キードット2を基準に5×5の基準格子点ドット4を配置し、4点の基準格子点ドット4に囲まれた中心の仮想格子点5の周囲に情報ドット3を配置する。
このブロックには任意の数値情報が定義される。なお、図4の図示例では、ドットパターン1のブロック(太線枠内)を4個並列させた状態を示している。ただし、ドットパターン1は4ブロックに限定されないことはもちろんである。
【0060】
1つのブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させ、または、複数のブロックに1つの対応した情報およびプログラムを出力させることができる。
【0061】
基準格子点ドット4は、カメラでこのドットパターン1を画像データとして取り込む際に、そのカメラのレンズの歪みや斜めからの撮像、紙面の伸縮、媒体表面の湾曲、印刷時の歪みを矯正することができる。具体的には歪んだ4点の基準格子点ドット4を元の正方形に変換する補正用の関数(X,Y)=f(X’,Y’)を求め、その同一の関数で情報ドット3を補正して、正しい情報ドット3のベクトルを求める。
【0062】
ドットパターン1に基準格子点ドット4を配置してあると、このドットパターン1をカメラで取り込んだ画像データは、カメラが原因する歪みを補正するので、歪み率の高いレンズを付けた普及型のカメラでドットパターン1の画像データを取り込むときにも正確に認識することができる。また、ドットパターン1の面に対してカメラを傾けて読み取っても、そのドットパターン1を正確に認識することができる。
【0063】
キードット2は、図4に示すように、ブロックの四隅の角部にある4個の基準格子点ドット4を一定方向にずらして配置したドットである。このキードット2は、情報ドット3を表す1ブロック分のドットパターン1の代表点である。たとえば、ドットパターン1のブロックの四隅の角部にある基準格子点ドット4を上方に0.2mmずらしたものである。情報ドット3がX,Y座標値を表す場合に、キードット2を下方に0.2mmずらした位置が座標点となる。ただし、この数値はこれに限定されずに、ドットパターン1のブロックの大小に応じて可変し得るものである。
【0064】
情報ドット3は種々の情報を認識させるドットである。この情報ドット3は、キードット2を代表点にして、その周辺に配置すると共に、4点の基準格子点ドット4で囲まれた中心を仮想格子点5にして、これを始点としてベクトルにより表現した終点に配置したものである。たとえば、この情報ドット3は、基準格子点ドット4に囲まれ、図5に示すように、その仮想格子点5から0.2mm離れたドットは、ベクトルで表現される方向と長さを有するために、時計方向に45度ずつ回転させて8方向に配置し、3ビットを表現する。したがって、1ブロックのドットパターン1で3ビット×16個=48ビットを表現することができる。
【0065】
なお、図示例では8方向に配置して3ビットを表現しているが、これに限定されずに、16方向に配置して4ビットを表現することも可能であり、種々変更できることはもちろんである。
【0066】
キードット2、情報ドット3または基準格子点ドット4のドットの径は、見栄えと、紙質に対する印刷の精度、カメラの解像度および最適なデジタル化を考慮して、0.1mm程度が望ましい。
【0067】
また、撮像面積に対する必要な情報量と、各種ドット2,3,4の誤認を考慮して基準格子点ドット4の間隔は縦・横1mm前後が望ましい。基準格子点ドット4および情報ドット3との誤認を考慮して、キードット2のずれは格子間隔の20%前後が望ましい。
【0068】
この情報ドット3と、4点の基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点との間隔は、隣接する仮想格子点5間の距離の15〜30%程度の間隔であることが望ましい。情報ドッ
ト3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より近いと、ドット同士が大きな塊と視認されやすく、ドットパターン1として見苦しくなるからである。逆に、情報ドット3と仮想格子点5間の距離がこの間隔より遠いと、隣接するいずれの仮想格子点5を中心にしてベクトル方向性を持たせた情報ドット3であるかの認定が困難になるためである。
【0069】
たとえば,情報ドット3は、図6(a)に示すように、ブロック中心から時計回りでIからI16を配置する格子間隔は1mmであり、4mm×4mmで3ビット×16=48ビットを表現する。
【0070】
なお、ブロック内に個々に独立した情報内容を有し、かつ他の情報内容に影響されないサブブロックをさらに設けることができる。図6(b)はこれを図示したものであり、4つの情報ドット3で構成されるサブブロック[I、I、I、I]、[I、I
、I]、[I、I10、I11、I12]、[I13、I14、I15、I16]は
各々独立したデータ(3ビット×4=12ビット)が情報ドット3に展開されるようになっている。このようにサブブロックを設けることにより、エラーチェックをサブブロック単位で容易に行うことができる。
【0071】
情報ドット3のベクトル方向(回転方向)は、30度〜90度毎に均等に定めるのが望ましい。
【0072】
図7は情報ドット3およびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである。
【0073】
また、情報ドット3について基準格子点ドット4で囲まれた仮想格子点5から長・短の2種類を使用し、ベクトル方向を8方向とすると、4ビットを表現することができる。このとき、長い方が隣接する仮想格子点5間の距離の25〜30%程度、短い方は15〜20%程度が望ましい。ただし、長・短の情報ドット3の中心間隔は、これらのドットの径より長くなることが望ましい。
【0074】
4点の基準格子点ドット4で囲まれた情報ドット3は、見栄えを考慮し、1ドットが望ましい。しかし、見栄えを無視し、情報量を多くしたい場合は、1ベクトル毎に、1ビットを割り当て情報ドット3を複数のドットで表現することにより、多量の情報を有することができる。たとえば、同心円8方向のベクトルでは、4点の格子ドット4に囲まれた情報ドット3で2の情報を表現でき、1ブロックの情報ドット16個で2128となる。
【0075】
図8は情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものを示すものである。
【0076】
図9はドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【0077】
図4と図6に示すドットパターン1は、1ブロックに16(4×4)の情報ドット3を配置した例を示している。しかし、この情報ドット3は1ブロックに16個配置することに限定されずに、種々変更することができる。たとえば、必要とする情報量の大小またはカメラの解像度に応じて、情報ドット3を1ブロックに6個(2×3)配置したもの(a)、情報ドット3を1ブロックに9個(3×3)配置したもの(b)、情報ドット3を1ブロックに12個(3×4)配置したもの(c)、または情報ドット3を1ブロックに36個配置したもの(d)がある。
【0078】
次に、図10は、地図表面に印刷されたドットパターンとコード値とXY座標値との関係を示している。
【0079】
図10(a)は、本ドットパターンのC〜C31までの32ビットに定義される値を表で示したものである。C〜CがX座標、C〜C15がY座標、C16〜C27が地図番号、C28〜C30がパリティ、C31がXY地図データをそれぞれ意味している。
【0080】
なお、C16〜C27は、地図番号に限らず、それ以外のコード(コード値)でもよい。
【0081】
これらの値は図10(b)示す格子領域に配置される。
【0082】
このように、本ドットパターンでは、4×4個の格子領域中に、X座標、Y座標とともに、それに対応するコード情報(コード値)を登録しておくことができるため、地図上のシンボルの領域部分にXY座標とともに特定のコード情報を与えておくことができるようになっている。このようなドットパターンのフォーマットによって、XY座標に基づく情報とともに、建物等のシンボルアイコンに対応したテキスト、画像、動画、音声情報を対応付けておき、出力させることができるようになっている。
【0083】
図11は、アイコン部下部に表示されたアイコンをクリックすることにより、電子地図を拡大、縮小させる操作を説明する図である。
【0084】
図11(a)はユーザが地図上で行なう操作、(b)は、当該操作が行われた際にディスプレイ装置(モニタ)上に表示される映像を示した図である。(a)に示す如く、ユーザがスキャナを用いて、アイコン部下部に位置する「拡大する」のシンボルをクリックすると、撮像素子がシンボルに印刷されているドットパターンを撮像し、当該撮像画像は、スキャナに内蔵されている中央処理装置(CPU)によって解析されてドットコード(座標値またはコード値)に変換されてパーソナルコンピュータに送信される。
【0085】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、このドットコードに基づいて、ハードディスク装置(HD)内のテーブルを参照し、当該ドットコードに対応して格納された画像データ(ここでは電子地図の拡大データ)を読み出してディスプレイ装置(モニタ)に表示する。
【0086】
なお、中央処理装置(CPU)は、ドットコードに基づいて、ディスプレイ装置(DISP)の表示制御を行い、ディスプレイ(モニタ)上に表示されている地図の画像データを直接拡大してもよい。
【0087】
このようにして、同図(b)に示す如く、ディスプレイ装置(モニタ)上の電子地図の倍率が拡大される。同様に、「縮小する」のシンボルをクリックすると、電子地図の倍率が縮小される。「標準」のシンボルをクリックすると、標準倍率に戻る。
【0088】
図12は、アイコン部下部に表示されたアイコンをクリックしてディスプレイ装置(モニタ)上に表示される地図を移動させる操作を説明するための図である。
【0089】
同図において、「右へ」のアイコンをクリック(スキャナで撮像)すると、スキャナの中央処理装置(CPU)は、当該アイコンのドットパターンを解析プログラムによって解析し、ドットコード(座標値またはコード値)に変換してパーソナルコンピュータに送信
する。
【0090】
前記ドットコードを受信したパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)はこのドットコードに基づいて、ハードディスク装置(HD)内のテーブルを参照し、当該ドットコードに対応して格納された画像データ(ここでは電子地図の当該座標位置よりも左右側の地図データ)を読み出してディスプレイ装置(モニタ)上に表示する。
【0091】
なお、中央処理装置(CPU)は、ドットコードに基づいて、ディスプレイ装置(DISP)の表示制御を行い、ディスプレイ(モニタ)上に表示されている地図の画像データを直接移動描画してもよい。
【0092】
なお、上記実施形態では、「右へ」のアイコンでディスプレイ装置(DISP)上に表示されている画像データを画面上で左方向に移動させた例で説明したが、逆の右方向に移動させてもよい。
【0093】
同様に、ユーザが「左へ」をクリックすると左側(または右側)に、「上へ」をクリックすると上方(または下方)に、「下へ」をクリックすると下方(または上方)にスクロールされる。また、「戻る」をクリックするとスクロール前の状態に戻る。
【0094】
図13は、ユーザが地図上をクリックすることにより、電子地図をスクロールさせる操作を説明する図である。
【0095】
図13は、地図上の道路、河川等、ユーザが任意の位置をクリックした場合について説明した図である。(a)はユーザが地図上で行なう操作、(b)は、当該操作が行われた際にディスプレイ装置(モニタ)上に表示される映像を示した図である。たとえば、(a)に示す如く、ユーザがスキャナを用いて道路の交差点をクリックすると、スキャナの中央処理装置(CPU)がドットパターンを解析ソフトプログラムによって解析する。このドットコードはコンピュータの中央処理装置(CPU)に送信される。コンピュータでは、当該ドットコードのうち、その位置のXY座標を表すコードのみを読み取る。このようにして、同図(b)に示す如く、ディスプレイ中央に交差点が位置するようにスクロールされる。
【0096】
なお、本発明においては、クリックする部位は、道路や河川に限らず、ガソリンスタンド等、地図上のシンボルでもよい。ユーザがシンボルをクリックすると、上述した方法により、シンボルのXY座標を表すコードを読み取り、ディスプレイ中央にシンボルが位置するようにスクロールされる。
【0097】
図14は、グリッドドラッグ動作により電子地図をスクロールさせる操作について説明する図である。
【0098】
(a)はユーザが地図上で行なう操作、(b)は、当該操作が行われた際にディスプレイ上に表示される映像を示した図である。ここでグリッドドラッグ動作とは、地図部上にスキャナを接触させ、そのままの状態でスキャナを移動させることをいう。ここでは、ユーザが最初に交差点の中心をクリックし、そのままスキャナを地図部から離さずに、地図部中央まで移動させる。すると、(b)に示す如く、交差点の中央がディスプレイ中央に位置するように、画面がスクロールされる。
【0099】
このような動作によって、スキャナはまず交差点の座標値を読み込み、スキャナの移動にともなって読み取られる座標値が変化することになる。
【0100】
このように変化する座標値は順次パーソナルコンピュータに送信される。パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、前記座標値の変化に基づいて、ディスプレイ装置(モニタ)に表示される電子地図を移動(スクロール)させる。この結果、本発明においては、スキャナでクリックされた部位がディスプレイ中央に表示されるように、電子地図がスクロールされる。
【0101】
図15は、施設等検索機能について説明した図である。
【0102】
図15(a)はユーザが地図上で行なう操作、(b)は、当該操作が行われた際にディスプレイ装置(モニタ)上に表示される映像を示した図である。
【0103】
ユーザが、地図上部に印刷された「GS」「ATM」「宿泊」「お食事」のいずれかのアイコンをクリックすると、そのシンボルアイコンに対応した施設を示すアイコンシンボルが、電子地図上に表示される。たとえば(a)に示す如く、ユーザが「GS」のアイコンをクリックすると、(b)に示す如く、電子地図上のガソリンスタンドが存在する位置に、ガソリンスタンドを示す「GS」シンボルが表示される。同様に、ユーザが「ATM」のアイコンをクリックすると銀行等のATMを示すアイコンが、「宿泊」のアイコンをクリックするとホテルや旅館等の宿泊施設を示すシンボルが、「お食事」のシンボルをクリックするとレストラン等の飲食店を示すシンボルが表示される。これによりユーザは、目的とする施設がどこに位置しているか、容易に知ることができる。
【0104】
ここで、「GS」「ATM」「宿泊」「お食事」のアイコンには、所定のアイコン毎にコード値がドットパターンとして印刷されており、スキャナの撮像素子が当該ドットパターンを撮像画像として読み取ると、スキャナの中央処理装置(CPU)がROMの解析プログラムに基づいてコード値に変換し、該コード値をパーソナルコンピュータに送信する。
【0105】
パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、該コード値に基づいて、テーブルを検索し、コード値に対応したシンボル画像をディスプレイ(モニタ)に表示された電子地図画像上にマッピング表示する。
【0106】
なお、電子地図上にシンボルが表示された状態で、ユーザがそのシンボルに対応するアイコンを再度クリックすると、電子地図上のシンボルは消去される。
【0107】
図16は、情報モードについて説明した図である。
【0108】
情報モードとは、地図部上のシンボルに対応する情報(文字、画像、音声、動画等)を説明する状態であることをいう。
【0109】
本実施形態では、初期設定では地図モードに設定されている。情報モードに切り替えるためには、(a)に示す如く、ユーザは、まずアイコン部上部の「情報」アイコンをクリックする。これにより、地図モードから情報モードへの切り替え処理が行われる。
【0110】
具体的には、「情報」アイコンには所定のコード値がドットパターンとして印刷されており、スキャナの撮像素子が当該ドットパターンを撮像画像として読み取ると、スキャナの中央処理装置(CPU)がROMの解析プログラムに基づいてコード値に変換し、該コード値をパーソナルコンピュータに送信する。
【0111】
前記コード値を受信したパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、ディスプレイ(モニタ)の表示モードを情報モードに切り替える。
【0112】
次にユーザは、情報を得たい施設を示すシンボルをクリックする。たとえば、(a)に示す如く、寺院のアイコンシンボルをクリックする。これにより、寺院を意味するコード値がパーソナルコンピュータに送信される。当該寺院のコード値を受信したパーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)は、該コード値に基づいて、テーブルを検索し、コード値に対応した情報(文字、画像、音声、動画等)をディスプレイ(モニタ)から出力する。ここではディスプレイ上に寺院の映像が表示され、スピーカから寺院について説明する音声が出力される。
【0113】
図17は、地図モードから情報モードへ切り替える方法について説明した図である。
【0114】
図16で説明したように、アイコン部上部には、「情報」「地図」の2種類のアイコンが印刷されている。しかし、これらのアイコンをクリックする以外にも、スキャナの操作によりモードの切り替えを行うことが可能である。
【0115】
(a)はグリッドタッピング動作により切り替えを行うものである。グリッドタッピング動作とは、スキャナを地図の鉛直方向に立て、上下にスキャナを動かして地図をたたく動作のことである。たとえば、ユーザが寺院のシンボル上でグリッドタッピング動作を行なうと、地図モードから情報モードへの切り替えが行われ、ディスプレイ(モニタ)上に寺院の映像が表示される。
【0116】
具体的には、パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)が、所定時間内にほぼ同一のXY座標情報またはコード情報が複数回読み取られることによって、当該中央処理装置(CPU)がグリッドタッピング動作が行われたことを認識する。
【0117】
(b)は、グリッドスライディング動作により切り替えを行なうものである。グリッドスライディング動作とは、地図上でスキャナを円状にスライドさせる動作のことである。ユーザは、シンボルの周囲を囲むようにグリッドスライディング動作を行なう。これにより、地図モードから情報モードへの切り替えが行われ、ディスプレイ(モニタ)上に寺院の映像が表示される。
【0118】
具体的には、パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)が、撮像手段の媒体面への円状のグリッドスライディング動作によって、所定時間内に読み取ったXY座標情報がほぼ円状の軌跡として認識されることによって行われる
【0119】
(c)は、グリッドスクラッチ動作により切り替えを行なうものである。グリッドスクラッチ動作とは、地図上で、引っかくようにスキャナを複数回動かす動作をいう。ユーザは、シンボルの上でグリッドスクラッチ動作を行なう。これにより、地図モードから情報モードへの切り替えが行われ、ディスプレイ(モニタ)上に寺院の映像が表示される。
【0120】
具体的には、パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)が、所定時間内に読み取ったXY座標の軌跡が短距離の直線上の軌跡の繰り返し(スクラッチ)として認識されることによって行われる
【0121】
尚、地図モードから情報モードへの切り替えを行うためのスキャナの操作は、上述した実施例に限定されない。ユーザが上述した操作以外の操作を行うことにより、情報モードに切り替わるようにしてもよい。
【0122】
図18は、スキャナの向きにより(グリッドティルト動作)、電子地図をスクロールさせる操作を説明する図であり、(a)はユーザの操作を説明した図、(b)は鉛直方向に
対するスキャナの傾きを変更させた場合を説明した図、(c)はディスプレイ(モニタ)上でスクロールされる状態を説明した図である。
【0123】
スキャナの向きとは、撮像した際に、フレームバッファが上向きとなる方向のことである。(a)に示す如く、ユーザは、スクロールさせたい方向にスキャナの向きを設定し、クリックする。すると、ユーザがクリックした位置が、スキャナの向きの示す方向にスクロールされる。
【0124】
この場合、地図の鉛直線に対するスキャナの傾きにより、スキャナと地図とのなす角度により、電子地図のスクロール距離が決定される。(b)において、(1)はスキャナを倒す前の垂直に立てた状態、(2)は前方に倒した状態、(3)はさらに前方に倒した状態、(4)は後方に倒した状態、(5)はさらに後方に倒した状態である。このように、スキャナを前後に倒す動作をグリッドティルトという。それぞれの場合に、ディスプレイ(モニタ)上でどのようにスクロールされるかを説明したのが(c)である。ユーザが地図部上でクリックした部位が、スキャナを倒す前には画面中央に位置したとする。すると、スキャナを前方に倒した場合には、電子地図は、スキャナの向きが示す方向と同方向に平行に移動する。また、深く倒すほど移動速度および移動距離が増加する。一方、スキャナを後方に倒した場合には、スキャナの向きが示す方向と180度反対方向に電子地図が移動し、前方に倒した場合と同様、深く倒すほど移動速度および移動距離が増加する。
【0125】
図19は、ドットパターンの向きに対するスキャナの傾きにより、ディスプレイ(モニタ)上に表示される地図をスクロールさせる操作を説明する図であり、(a)はユーザの操作を説明した図、(b)は鉛直方向に対するスキャナの傾きを変更させた場合を説明した図、(c)はディスプレイ(モニタ)上でスクロールされる状態を説明した図である。
【0126】
スキャナの傾きとは、上述したドットパターンの向きと、スキャナ本体とがなす角度のことである。電子地図は、スキャナを傾けた方向にスクロールされる。
【0127】
また、スキャナを倒す深さにより、スクロールする距離が決定される。(b)において、(1)はペンを倒す前の垂直に立てた状態、(2)は前方に倒した状態、(3)はさらに前方に倒した状態である。それぞれの場合に、ディスプレイ(モニタ)上でどのようにスクロールされるかを説明したのが(c)である。ユーザが地図上でクリックした部位が、スキャナを倒す前には画面中央右下に位置したとする。スキャナを前方に倒した場合には、電子地図は、スキャナの向きが示す方向と同方向に平行に移動する。また、深く倒すほど移動速度および移動距離が増加する。
【0128】
なお、スキャナを倒す方向と、ディスプレイ上の電子地図のスクロール方向は上記と逆方向であってもよい。
【0129】
図20は、スキャナの傾きと、ディスプレイ(モニタ)上の地図がスクロールされる角度との関係を説明した図である。
【0130】
地図上のドットパターンは、紙面の縦方向と同方向に重畳印刷されている。(a)に示す如く、ドットパターンの向きと、スキャナの向きとがなす角度をαとする。また、(b)に示す如く、ユーザがスキャナを傾けたときに、スキャナの傾きとスキャナの向きとがなす角度をβとする。この場合に、電子地図は、ドットの向きとスキャナの傾きとがなす角度γの方向に移動する。すなわち、角度γは、
γ=α+β
となる。
【0131】
なお、スキャナの傾きについては、撮像視野における明度の差で認識することが可能であるが、この点については後述する。
【0132】
図21は、グリッドグラインド動作により、ディスプレイ(モニタ)上に表示される画面を拡大させるためのスキャナの操作について説明した図である。
【0133】
グリッドグラインドとは、スキャナを回転させる動作のことである。(a)はユーザが地図上で行なう操作、(b)は、当該操作が行われた際にディスプレイ(モニタ)上に表示される映像を示した図である。(a)に示す如く、ユーザがスキャナを右方向にグリッドグラインドさせると、(b)に示す如く、電子地図が拡大される。
【0134】
なお、グリッドグラインドとは、スキャナを回転させる動作のことであり、右方向にグリッドグラインドすることを「グリッドグラインドライト」とも呼ぶ。
【0135】
具体的には、パーソナルコンピュータの中央処理装置(CPU)が、媒体面の鉛直線に対する撮像光軸の一定の傾きを維持した傾斜状態で鉛直線を中心に回転させることによって撮像光軸の傾斜状態の変化を認識することによって行われる。
【0136】
図22は、このグリッドグラインド動作により、ディスプレイ(モニタ)上に表示される画面を縮小させるためのスキャナの操作について説明した図である。
【0137】
(a)はユーザが地図上で行う操作、(b)は、当該操作が行われた際にディスプレイ(モニタ)上に表示される映像を示した図である。(a)に示す如く、ユーザがスキャナを左方向にグリッドグラインドさせると、(b)に示す如く、電子地図が縮小される。
【0138】
なお、このように左方向にグリッドグラインドすることを「グリッドグラインドレフト」とも呼ぶ。
【0139】
(第二の実施形態 立体地図)
図23から図31は、本発明における第二の実施形態である、電子地図が立体地図である場合の立体地図の表示について説明したものである。
【0140】
本実施例においても、平面地図と同様、ドットパターンが重畳印刷された地図とコンピュータ等の電子機器を連動させて用いる。すなわち、スキャナで山や池等、地図上の任意の部位をクリックすると、その部位に対応した立体映像がディスプレイ(モニタ)上に表示される。
【0141】
図23は、地図表面に印刷されたドットパターンとコード値とXYZ座標値との関係を示している。
【0142】
図23(a)は、本ドットパターンのC〜C31までの32ビットに定義される値を表で示したものである。C〜CがX座標、C〜C15がY座標、C16〜C23がZ座標、C24〜C27が地図番号、C28〜C30がパリティ、C31がXYZ地図データをそれぞれ意味している。
【0143】
なお、C24〜C27は、地図番号に限らず、それ以外のコードでもよい。
【0144】
これらの値は図23(b)示す格子領域に配置される。
【0145】
図24は、前述のグリッドグラインド動作によって、視点を変化させる操作について説
明した図である。
【0146】
(a)は、スキャナを反時計方向に回転させた場合、(b)はスキャナを時計方向に回転させた場合、(c)は(a)および(b)における視点の変化について説明した図である。
【0147】
(c)において、Zは、ユーザがクリックした部位における高度である。ユーザが任意の部位をクリックすると、ディスプレイ装置(モニタ)には、ユーザがクリックした部位から眺めた風景が立体映像で表示される。この場合、視点は、高度と人間の目の高さを合計した、Z+hとなり、これが標準視点である。(a)に示す如く、ユーザがスキャナを反時計方向に回転させると、視点が(1)の位置まで上昇する。それから、(b)に示す如く時計方向に回転させると、上昇した視点が下降する。
【0148】
図25、図26は、スキャナの向きにより、視点をチルドアップ、チルドダウンさせる操作を説明した図である。
【0149】
図25は、ユーザの地図上での操作を説明する図である。(1)に示す如く、ユーザは、まずスキャナを地図に対して垂直に置く。すると、図26(a)に示す如く、標準モードでディスプレイ(モニタ)上に表示される。ユーザが図25(2)に示す如く、スキャナを前方に倒すと、図26(b)に示す如く、人間の姿勢が前のめりになるような動きで視点が下方に移動する。また、図25(3)に示す如く、スキャナを後方に倒すと、図26(c)に示す如く、人間の上体が後ろに反るように視点が上方に移動する。
【0150】
図27、図28は、スキャナを左右に傾けることにより、アングルを変化させる操作を説明した図である。
【0151】
図27(a)において、(1)はスキャナを地図に対して垂直に立てた状態、(2)はスキャナを左側に傾けた状態、(3)は右側に傾けた状態である。
【0152】
(1)の場合は、ディスプレイ(モニタ)上には立体地図が標準モードで表示される。(2)に示す如く、ユーザがスキャナを左側に傾けると、図28(1)に示す如く、視点が左側に移動した状態の画面が表示される。(3)に示す如く、ユーザがスキャナを右側に傾けると、図28(2)に示す如く、視点が右側に移動した状態の画面が表示される。
【0153】
図29、図30は、グリッドポンプ動作により、画面上に表示される地図の倍率を変化させる操作を説明した図である。
【0154】
グリッドポンプ動作とは、スキャナを前方または後方に素早く繰り返し倒す操作のことである。グリッドポンプ動作を行う前は、ディスプレイ(モニタ)上には、図29(b)に示す如く、カメラの標準レンズで撮影されたのと同様の画面が表示される。ユーザが、図29(a)(1)に示す如く、ペンを前方に素早く繰り返し倒すと、図30(a)に示す如く、徐々に画像が拡大され、望遠レンズで撮影された状態の画面が表示される。また、図29(a)(2)に示す如く、ペンを後方に素早く繰り返し倒すと、徐々に画角が広くなり、図30(b)に示す如く、ワイドレンズで撮影された状態の画面が表示される。
【0155】
図31は、グリッドタッピング動作により視点オペレーションをリセットさせる操作を説明した図である。
【0156】
グリッドタッピング動作とは、スキャナを地図に垂直に立て、上下にスキャナを動かして地図をたたく操作のことである。
【0157】
たとえば、(b)に示す如く、上述したグリッドポンプ動作により、高高度まで上昇した位置で、ワイドレンズで撮影された状態の画面が表示されたとする。この場合に、図31(a)に示す如く、グリッドタッピング動作を行なうと、(c)に示す如く、標準モードにリセットされる。
【0158】
グリッドポンプ動作により望遠モードにした際にも、同様に標準モードにリセットされる。
【0159】
また、図24で説明したグリッドグラインド動作により視点を変化させた場合にも、グリッドタッピング動作を行うことにより、視点がリセットされる。
【0160】
図32は、スキャナの他の実施形態を示したものである。
【0161】
図32(a)は、三脚状の用具でスキャナを固定したものである。用具の中央には開口が設けられており、開口の周辺にはゴムが形成されている。開口部にスキャナをはめ込み使用する。このような構造とすることにより、ユーザがグリッドグラインド等の操作を行う場合に、スキャナを固定することができ、センサ部が、目的とするドットパターン以外のドットパターンを読み取ってしまうことを防止することができる。
【0162】
(b)は、杯状の用具にバネを設置してスキャナを固定したものである。用具の上部と下部には開口が設けられており、上部には複数のバネが設置されている。このバネでスキャナを固定し、使用する。
【0163】
ユーザがスキャナを用いて種々の操作を行う場合に、従来のスキャナでは、回転等させた場合に底部がぶれてしまい、ドットパターンを正確に読み取ることができないという問題があった。このような構造とすることにより底部が固定され、正確にドットパターンを読み取ることが可能となる。また、ゴムやバネを用いることにより、ユーザがスムーズに操作を行うことができる。
【0164】
図33から図37は、スキャナを傾けた際の傾斜方向の算出方法について説明した図である。
【0165】
スキャナ(撮像手段)の媒体面(地図)の鉛直方向に対する傾きについては、図20(b)に示すように、当該スキャナの撮像視野における明度の差で認識することが可能である。
【0166】
スキャナの傾斜方向とは、図34(a)に示す如く、スキャナと地図とのなす角度をいう。ユーザがどの方向にスキャナを傾けたかは、以下の方法により求めることができる。
【0167】
まず、キャリブレーションを行う。図33(b)に示す如く、スキャナを地図に対して垂直に立て、その場合の、(a)に示した、1〜48のセルの明るさを測定する。(a)は、スキャナ周辺の領域である。このときの明るさをBL0(i)とする。iは、測定したセルの値であり、たとえば、24番のセルの明るさは、BL0(24)と表示する。
【0168】
スキャナ内部には、LEDが2個設置されている。そのため、スキャナを地図に対して垂直に立てていても、LED付近のセルとLEDから離れた位置にあるセルとでは、明るさが異なる。そのため、キャリブレーションを行なう。
【0169】
次に、スキャナを傾けた場合の明るさを測定する。図34(b)に示す如く、スキャナ
を一定方向に傾けた場合の、セル1からセル48までの明るさを測定し、セルiにおける明るさをBL(i)とする。そして、各セルにおけるBL(i)とBL0(i)との差分を計算する。そして、
Max(BL0(i)−BL(i))
を計算する。
【0170】
スキャナを傾けた場合、傾けた方向と逆の方向が暗くなる。スキャナを傾けた方向にLEDも傾くため、傾けた方向と逆方向では、LEDとの距離が遠くなるからである。したがって、図34(b)に示す如く、差分が最大値となるセルと逆方向が、スキャナを傾けた位置となる。
【0171】
これにより、スキャナを傾けた方向が定まる。
【0172】
図33〜図34は、キャリブレーションを行なうことにより、傾斜方向および角度を決定する方法である。
【0173】
最初にキャリブレーションを行なう。まず、スキャナを地図に対して垂直に立て、図33(a)に示したセル1からセル48の明るさを測定し、セルiにおける明るさをBL0(i)とする。
【0174】
次に、スキャナを45°傾け、図35に示す如くペン先を軸にして一周させる。この場合に、スキャナがセルiの位置にきた場合の明るさをBL45(i)とする。セル1からセル48までのBL45(i)を求める。以上の操作によりキャリブレーションが終了する。
【0175】
次に、ユーザがスキャナを傾けた場合の、セル1からセル48までの明るさを測定し、セルiにおける明るさをBL(i)、i=1,n(=48)とする。そして、
【数1】


を求める。
【0176】
BL0(i)−BL45(i)は一定であるため、BL0(i)−BL(i)の値が最も大きいとき、すなわち、BL(i)が最小となるときに、
【数2】


は最大値となる。上述した如く、スキャナを傾けた方向と逆の方向が最も暗くなるため、この場合のセルiの逆方向が、スキャナを傾けた方向となる。
【0177】
また、スキャナを傾けた角度は、
【数3】


となる。
【0178】
なお、上述した式は、明るさに対して角度θが線形となることを想定しているが、厳密には、三角関数等で以下のように近似するとさらに精度を高めることができる。このようにすると、角度は
【数4】

となる。
【0179】
図36は、フーリエ関数を用いて、傾斜方向を測定する方法である。
【0180】
図35に示す如く、1から8の8個のセルを測点とし、各セルの明るさを測定する。
サイン関数は、
αj{sin(1/2)j−1(θ―βj)}
で表される。すなわち、未知数は2個となる。
【0181】
したがって、n個の測点を有する場合には、離散したポイントがn個となるため、n/
2個のサイン関数の和を求め、これが解析中心から半径における明るさBL(i)となる。
すなわち、
【数5】

ただし、n=2m(nは測点の数)
で表される。
【0182】
本実施例においては、測点が8個であるため、n=8である。したがって、4個のサイン関数の式を合成することにより、フーリエ級数のα1〜α4及びβ1〜β4を求める。そして、解析中心から半径における明るさBL(i)を、4個のサイン関数の和で表す。
【0183】
上記式より、BL(i)が最小値となる角度θが最も暗い位置であり、その180度反対の方向が、スキャナを傾けた方向となる。
【0184】
図37は、n次方程式を解くことにより、傾斜方向を測定する方法である。
【0185】
図37のグラフは、n次関数を示したものである。n次関数を用いた場合、解析中心から半径における明るさBL(i)は、
BL(i)=α1(θ―β1)・α2(θ―β2)・・・・αj(θ―βj)
ただし、j=n/2,n=2m
で表される。
【0186】
図35に示す如く、本実施例においては、測点が8個であるため、8個の解を求める必要がある。1個の方程式には、αj,βjの2個の未知数が含まれているため、4個の方程式を解き、α1〜α4及びβ1〜β4を求める。
【0187】
これにより、BL(i)が最小値となる角度θを求める。角度θとなる位置が最も暗い位置であり、その180度反対の方向が、スキャナを傾けた方向となる。
【0188】
なお、図36および図37による測定方法では、地図の鉛直線に対するスキャナの傾きまでは測定できない。そこで、図33〜図34に示した測定方法と併用することにより、具体的に傾けた角度を測定することができる。
【0189】
図38は、図15で説明した施設等検索機能の、他の実施例を示した説明図である。
【0190】
本実施例は、ユーザがグリッドドラッグ動作を行なうと、その軌跡を元に指定範囲が定まり、ユーザが指定した施設等を、その範囲内で検索するものである。
【0191】
(a)では、Aが始点、Bが終点である。ユーザが、地図部内の任意のAからBまでドラッグすると、AおよびBの座標値が認識されて、ABを対角線とする長方形または正方形が指定範囲となる。グリッドドラッグ動作を行なった後に、アイコン部に印刷されている「GS」「ATM」等、検索したい施設のアイコンをクリックすると、施設のうち、指定範囲内にある施設のみが表示される。
【0192】
(b)は、ユーザが、地図部内の任意のAからBまでドラッグすると、ABを半径とする円が指定範囲となるものである。また(c)は、ユーザが、始点と終点が同一となるように任意の形状を描くと、その形状が指定範囲となるものである。
図39は、立体地図において、グリッドドラッグ動作により断面を表示させる方法を示した説明図である。
【0193】
(a)はユーザが地図上で行なう操作、(b)は当該操作が行なわれたときにディスプレイ(モニタ)上に表示される画面を示したものである。(a)に示す如く、ユーザが、Aを始点、Bを終点としてグリッドドラッグ動作を行なう。すると、(b)に示す如く、ディスプレイ(モニタ)上に、線分ABで切り取った断面図が表示される。かかる断面図は、当該地図が図23で説明したように、XY座標とともにZ座標を有しているために、その線分ABにおけるXY座標に対するZ座標に基づいて断面図の生成が容易となっているためである。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本発明の一実施形態である平面地図の正面図である。
【図2】地図の使用状態を示す説明図である。
【図3】地図と連動させて用いるスキャナおよびコンピュータのシステム構成を示すブロック図である。
【図4】ドットパターンの一例を示す説明図である。
【図5】ドットパターンの情報ドットの一例を示す拡大図である。
【図6】情報ドットの配置を示す説明図である。
【図7】情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、他の形態を示すものである
【図8】情報ドットおよびそこに定義されたデータのビット表示の例であり、(a)はドットを2個、(b)はドットを4個および(c)はドットを5個配置したものである。
【図9】ドットパターンの変形例を示すものであり、(a)は情報ドット6個配置型、(b)は情報ドット9個配置型、(c)は情報ドット12個配置型、(d)は情報ドット36個配置型の概略図である。
【図10】平面地図におけるドットパターンのフォーマットについて説明した図であり、(a)は各ドットに定義される値を表で示した説明図、(b)は各ドットの配置を示す説明図である。
【図11】アイコン部をクリックすることによってディスプレイ装置(モニタ)上に表示されるの地図を拡大・縮小させる操作を説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図12】アイコン部をクリックすることによってディスプレイ(モニタ)上の地図をスクロールさせる操作を説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図13】地図部の道路をクリックすることによってディスプレイ(モニタ)上の地図をスクロールさせる操作を説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図14】地図部のシンボルをクリックすることによってディスプレイ(モニタ)上の地図をスクロールさせる操作を説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図15】アイコン部をクリックすることによって、ディスプレイ(モニタ)上にシンボルを表示させる操作を説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図16】情報モードについて説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の表示画面について説明した図である。
【図17】地図モードから情報モードへ切り替えるための操作について説明するための図である。
【図18】スキャナの向きによりディスプレイ(モニタ)上の地図をスクロールさせる操作について説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)はスキャナを倒した状態、(c)は(b)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図19】スキャナの傾きによりディスプレイ(モニタ)上の地図をスクロールさせる操作について説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)はスキャナを倒した状態、(c)は(b)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図20】スキャナの向きおよび傾きと、スクロールさせる方向についての関係を示した説明図である。
【図21】スキャナを回転させることによりディスプレイ(モニタ)上の地図を拡大させる操作について説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図22】スキャナを回転させることによりディスプレイ(モニタ)上の地図を縮小させる操作について説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図23】本発明の他の実施形態である立体地図におけるドットパターンのフォーマットについて説明するための図であり、(a)は各ドットに定義される値を表で示した説明図、(b)は各ドットの配置を示す説明図である。
【図24】立体地図において、スキャナを回転させることにより視点を変化させる操作を説明するための図であり、(a)(b)はユーザの操作、(c)は(a)および(b)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図25】視点をチルドアップ、チルドダウンさせる操作を説明するための図であり、ユーザが行なう操作について説明した図である。
【図26】視点をチルドアップ、チルドダウンさせる操作を説明するための図であり、図25の各操作を行なった場合にディスプレイ(モニタ)上に表示される画面について説明した図である。
【図27】視点を左右に変化させる操作について説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は(a)の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図28】視点を左右に変化させる操作について説明するための図であり、図27の場合におけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図29】グリッドポンプ動作によりディスプレイ(モニタ)上の画面のモードを変更させる操作について説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は標準モードにおけるディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図30】グリッドポンプ動作によりディスプレイ(モニタ)上の画面のモードを変更させる操作について説明するための図であり、ディスプレイ(モニタ)上において(a)は望遠モード、(b)はワイドモードに変更した場合を説明した図である。
【図31】グリッドタッピング動作により視点を標準モードにリセットさせる操作について説明するための図であり、(a)はユーザの操作、(b)は操作前のディスプレイ(モニタ)上の画面、(C)は操作後のディスプレイ(モニタ)上の画面について説明した図である。
【図32】地図上で各種操作を行なうために用いるスキャナの、他の実施形態を示す説明図である。
【図33】スキャナの傾きにより各種操作を行なう場合において、傾けた方向および角度を測定する方法を説明するための図である。
【図34】スキャナの傾きにより各種操作を行なう場合において、傾けた方向および角度を測定する方法を説明するための図である。
【図35】スキャナの傾きにより各種操作を行なう場合において、傾けた方向を測定する方法を説明するための図である。
【図36】スキャナの傾きにより各種操作を行なう場合において、フーリエ関数を用いることにより傾けた方向を測定する方法を説明するための図である。
【図37】スキャナの傾きにより各種操作を行なう場合において、n次方程式を用いることにより傾けた方向を測定する方法を説明するための図である。
【図38】グリッドドラッグ動作で範囲を指定し、ディスプレイ(モニタ)上にシンボルを表示させる機能について説明するための図である。
【図39】グリッドドラッグ操作により、ディスプレイ(モニタ)上に切断面を表示させる機能について説明するための図である。
【符号の説明】
【0195】
CPU 中央処理装置
MM メインメモリ
USB I/F UFBインターフェース
HD ハードディスク装置
DISP ディスプレイ装置(表示手段)
KBD キーボード
NW I/F ネットワークインターフェース
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷と重畳して所定の規則に基づいたドットパターンが印刷された媒体に対して、
撮像手段によって、前記媒体面上のドットパターンを読み取って、当該撮像手段から得られた撮影画像からドットパターンの意味するコード値または座標値に変換する変換手段と、該コード値または座標値に対応した情報を出力する出力手段とを備えた情報出力装置であって、
少なくとも一面に、座標情報をパターン化したドットパターンと、コード情報をパターン化したドットパターンとが印刷された多重情報領域とを有しており、
前記変換手段は、前記撮像手段が媒体面上の多重情報領域のドットパターンから座標情報を読み取ったときには、変換手段は座標情報に基づく情報を記憶手段から読み出して出力手段から出力し、
媒体面上の多重情報領域上のドットパターンからコード情報を読み取ったときには、変換手段はコード情報に関連付けられた情報を記憶手段から読み出して出力手段から出力する情報出力装置。
【請求項2】
前記媒体面には、多重情報領域上のドットパターンから読み取ったコード情報に対応した情報を記憶手段から読み出して出力するか、座標情報に対応した情報を記憶手段から読み出して出力するかを切り替えるためのモードを切り替えるためのドットパターンを印刷したアイコン図形が印刷された請求項1記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記媒体面上の座標情報は、少なくともXY座標とZ座標とからなり、前記記憶手段にはXYおよびZ座標に対応した情報が記憶されている請求項2記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記媒体面には、前記出力手段から出力される画像情報を出力手段上で移動するための上下左右の移動用のコード情報がパターン化されて印刷されたアイコン図形がさらに印刷されている請求項1記載の情報出力装置。
【請求項5】
前記媒体面には、前記出力手段から出力される画像情報を出力手段上で拡大縮小するためのコード情報がパターン化されて印刷されたアイコン図形がさらに印刷されている請求項1記載の情報出力装置。
【請求項6】
印刷と重畳して所定の規則に基づいたドットパターンが印刷された媒体に対して、
撮像手段によって、前記媒体面上のドットパターンを読み取って、当該撮像手段から得られた撮影画像からドットパターンの意味するコード値または座標値に変換する変換手段と、該コード値または座標値に対応した情報を出力する出力手段とを備えた情報出力装置であって、
少なくとも一面に、座標情報をパターン化したドットパターンが重畳印刷された媒体と、
前記媒体面上に少なくとも座標情報とともにコード情報をパターン化したドットパターンが重畳印刷された多重情報領域とを有しており、
前記変換手段は、前記撮像手段が媒体面上の多重情報領域のドットパターンから座標情報とコード情報とを読み出して、記憶手段から座標情報とコード情報とのそれぞれに対応した情報を読み出して、出力手段から出力するとともに、
前記撮像手段の媒体面のドットパターンの読取動作によって、出力情報を切り替える情報出力装置。
【請求項7】
前記出力情報の切り替えは、座標情報に基づく出力情報とコード情報に基づく出力情報との切り替え、座標情報内またはコード情報内の出力情報の切り替え、または出力情報のリセットである請求項6記載の情報出力装置。
【請求項8】
前記出力情報の切り替えは、撮像手段の媒体面へのグリッドタッピング動作によって、所定時間内にほぼ同一のXY座標情報またはコード情報を複数回読み取ることによって行われることを特徴とする請求項6または7記載の情報出力装置。
【請求項9】
前記出力情報の切り替えは、撮像手段の媒体面への円状のグリッドスライディング動作によって、所定時間内に読み取ったXY座標情報がほぼ円状の軌跡として認識されることによって行われる請求項6または7記載の情報出力装置。
【請求項10】
前記出力情報の切り替えは、撮像手段の媒体面での直線状のグリッドスクロール動作によって、所定時間内に読み取ったXY座標情報がほぼ直線状の軌跡として認識されることによって行われる請求項6または7記載の情報出力装置。
【請求項11】
前記出力情報の切り替えは、撮像手段の媒体面でのグリッドスクラッチ動作によって、所定時間内に読み取ったXY座標の軌跡が短距離の直線上の軌跡の繰り返しとして認識されることによって行われる請求項6または7記載の情報出力装置。
【請求項12】
前記出力情報の切り替えは、撮像手段のグリッドティルト動作、すなわち媒体面の鉛直線に対する撮像光軸の傾きを認識することによって行われる請求項6または7記載の情報出力装置。
【請求項13】
前記出力情報の切り替えは、撮像手段のグリッドグラインド動作、すなわち媒体面の鉛直線に対する撮像光軸の一定の傾きを維持した傾斜状態で鉛直線を中心に回転させることによって撮像光軸の傾斜状態の変化を認識することによって行われる請求項12記載の情報出力装置。
【請求項14】
前記傾きは、撮像手段の撮像視野における明度の差で認識する請求項12または13記載の情報出力装置。
【請求項15】
前記媒体は地図であり、前記出力情報の切り替えは、地図から情報への切り替え、または地図のレイヤの切り替え、地図の拡大・縮小の連続的な切り替え、地図の表示位置のXY方向への連続的な切り替え、視線の切り替えである請求項6または7記載の情報出力装置。
【請求項16】
前記媒体は座標情報としてXYZ座標による3D地図情報がパターン化されたドットパターンが重畳印刷された地図であり、前記出力情報は、視点からみた注視点に対して前記XYZ情報に基づいて生成された3D地図画像を注視点、アングルまたは視野角を連続的に切り替えて出力手段としてのディスプレイ装置に表示する請求項6または7記載の情報出力装置。
【請求項17】
前記出力情報の切り替えは、視点の高度を連続的に切り替えてそれに対応する3D地図画像を出力手段としてのディスプレイ装置に表示する請求項16記載の情報出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2007−79993(P2007−79993A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267565(P2005−267565)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【特許番号】特許第3830956号(P3830956)
【特許公報発行日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(503349741)
【Fターム(参考)】