情報受信制御装置、情報受信制御方法、情報受信制御プログラム並びに情報配信システム
【課題】簡単に、放送対象範囲でコンテンツを受信する制御を行う。
【解決手段】放送局2の放送送信装置11(放送局)からの放送波の受信範囲内にIP通信網3(放送波とは異なる通信媒体)によってコンテンツの配信を行う配信サーバ12(情報配信装置)からコンテンツを受信可能な受信機4(情報受信制御装置)であって、本体部22と、本体部22に接続可能なアンテナ部21と、アンテナ部21が本体部22に接続されている状態での放送送信装置11からの放送波の受信状況と、接続されていない状態での放送送信装置11からの放送波の受信状況に基づいて、コンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段、当該判定においてコンテンツ受信可能と判定された場合に配信サーバ12からコンテンツを受信するコンテンツ受信手段を有する受信機4とする。
【解決手段】放送局2の放送送信装置11(放送局)からの放送波の受信範囲内にIP通信網3(放送波とは異なる通信媒体)によってコンテンツの配信を行う配信サーバ12(情報配信装置)からコンテンツを受信可能な受信機4(情報受信制御装置)であって、本体部22と、本体部22に接続可能なアンテナ部21と、アンテナ部21が本体部22に接続されている状態での放送送信装置11からの放送波の受信状況と、接続されていない状態での放送送信装置11からの放送波の受信状況に基づいて、コンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段、当該判定においてコンテンツ受信可能と判定された場合に配信サーバ12からコンテンツを受信するコンテンツ受信手段を有する受信機4とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報受信制御装置、情報受信制御方法、情報受信制御プログラム並びに情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送のコンテンツをインターネット経由で再送信する場合には、放送免許を取得している放送対象地域以外にも配信されてしまう可能性がある。したがって、放送対象地域内にのみ存在する移動体端末やTV、STB(Set Top Box)へ配信されるように、放送対象範囲について配信制御を行う必要がある。
【0003】
このような配信制御方法の1つとして、たとえば、送信されるコンテンツのIPデータのヘッダに含まれるTTL(Time To Live)値、つまり経由するルータのホップ数を放送対象地域毎に予め設定するものが提案されている(特許文献1参照)。このような設定でコンテンツを配信すると、当該IPデータに設定されたTTL値がゼロになると、転送途中経路にあるルータがIPデータを途中で破棄するため、インターネット経由であっても、コンテンツが放送対象地域以外に配信されないようにすることができる。すなわち、コンテンツが放送対象地域のみに送信することが可能となる。
【0004】
また、他の観点として、使用者が放送波を受信する地域に居住し、携帯できる受信機を有している場合に、特定の登録地域での受信許可を示す情報が記憶された記憶媒体を装着した受信機を用いるものが提案されている(特許文献2参照)。このような受信機は、正当な利用者であれば、登録地域外に滞在している場合であってもインターネット経由でコンテンツを受信することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−336022号公報
【特許文献2】特開2008−141429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、放送対象地域毎にTTL値を厳密に設定しなければ、放送対象地域内にのみ配信するように制御できないため、設定が煩雑となる。また、複数の通信事業者におけるルータがそれぞれ採用するルーティングプロトコルによっては、同一の放送対象地域内であっても、コンテンツが到着するまでの経路が異なることも考えられ、TTL値が必ずしも放送対象地域内にのみ到達できる値となっているか保証されるものではない。したがって、放送対象地域内であってもコンテンツが配信されない可能性や、放送対象地域外であってもコンテンツが配信される可能性があるため、IPデータのTTL値を利用した配信制御方法は、実現性や信頼性という観点から問題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示される技術では、受信機に受信許可を示す情報が記憶された記憶媒体を必ず装着しなければならない。したがって、ユーザが仮に放送対象地域内で受信機を持っていたとしても、この記憶媒体を受信機に常に装着していないとコンテンツが配信されない。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、簡単に、放送対象範囲のコンテンツについて配信要求の制御を行うことができる情報受信制御装置、情報受信制御方法、情報受信制御プログラム並びに情報配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての情報受信制御装置は、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からコンテンツを受信可能な情報受信制御装置であって、本体部と、本体部に接続可能なアンテナ部と、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、を有する。
【0010】
また、本発明の一側面としての情報受信制御装置は、上述した構成に加えて、コンテンツ受信可否判定手段は、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況が計測された時から所定時間内に本体部に接続された場合に、当該計測時のデータを用いて放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定を行うことが好ましい。
【0011】
また、本発明の一側面としての情報受信制御装置は、上述したいずれかの構成に加えて、当該装置は電源に接続され、コンテンツ受信可否判定手段は、自装置が電源から外されてから所定時間以上経過して再度接続された場合には、当該所定時間経過後に計測して当該装置に記憶されたデータについては、放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定に用いないことが好ましい。
【0012】
また、上述した放送波とは異なる通信媒体はIP通信網であり、本発明の一側面としての情報受信制御装置は、上述したいずれかの構成に加えて、情報受信制御装置において、放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可したときに自装置に割り振られていたIPアドレスが記憶され、コンテンツ受信可否判定手段は、自装置に割り振られているIPアドレスが、過去にコンテンツ受信を許可したときに割り振られていたIPアドレスと同一である場合に、放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可することが好ましい。
【0013】
また、本発明の一側面としての情報受信制御方法は、本体部、本体部に接続可能なアンテナ部、コンテンツ受信可否判定手段、コンテンツ受信手段を有し、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能な情報受信制御装置が実行する情報受信制御方法であって、コンテンツ受信可否判定手段が、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するステップと、コンテンツ受信手段が、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するステップと、を含む。
【0014】
また、本発明の一側面としての情報受信制御プログラムは、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能であり、かつ本体部と、本体部に接続可能なアンテナ部と、を有するコンピュータであって、コンピュータを、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段、として機能させるためのものである。
【0015】
また、本発明の一側面としての情報配信システムは、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置と、本体部と、本体部に接続可能なアンテナ部と、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上述したコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、を有する情報受信制御装置と、含むものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単に、放送対象範囲のコンテンツについて配信要求の制御を行うことができる情報受信制御装置、情報受信制御方法、情報受信制御プログラム並びに情報配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係る情報配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す放送局が有する放送送信装置と配信サーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す受信機の構成図である。
【図4】図3に示すアンテナ部の受信情報記憶部に記憶されているデータの一例である。
【図5】図3に示す本体部の受信情報記憶部に記憶されているデータの一例である。
【図6】図1に示す受信機のアンテナ部で実行される外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。
【図7】図6に示す処理で作成された外部受信状況情報を受信機の本体部の受信情報記憶部に登録する処理を示すフローチャートである。
【図8】図3に示す受信機が配信サーバに対して実行するコンテンツ配信要求処理を示すフローチャートである。
【図9】図8に示す外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例2に係る受信機の外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。
【図11】図10の処理でアンテナ部21に記憶された本体受信状況情報を本体部22に登録する処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例2における外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例3における外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施例4に係る放送送信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を挙げて説明する。しかしながら、本発明は、以下の各実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例1に係る情報配信システム1について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る情報配信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、情報配信システム1は、放送局2、IP通信網3、および受信機4から構成されている。この情報配信システム1では、受信機4が、放送局2からの放送波の受信強度に基づいて放送局2が放送するコンテンツと同一のコンテンツ、または関連するコンテンツの配信可否を判定し、受信強度が所定のレベル以上である場合に、IP通信網3を介してこれらのコンテンツの配信要求をおこなうものである。なお、図1には、1個の放送局2と受信機4が図示されているが、実際には、それぞれ複数個存在している。
【0020】
放送局2は、放送送信装置11と、配信サーバ12とを有している。放送送信装置11は、放送番組、データ放送、EPG(Electric Program Guide)情報などの放送コンテンツを放送波に乗せて送出する。配信サーバ12は、受信機4に対して、放送送信装置11が送出する放送コンテンツ若しくは当該放送コンテンツに関するコンテンツ、または当該放送コンテンツとは関係なく独自に制作したコンテンツを、IP通信網3を介して配信する。
【0021】
IP通信網3は、放送局2と受信機4間における、放送波による放送とは異なる他の通信媒体である。なお、このIP通信網3は、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを利用したインターネット、CATV、専用線、VPN(仮想LAN)、WANなどのいずれか、もしくはそれらの組み合わせたネットワークで構成されている。また、他の通信媒体としては、IP通信網3以外の他の通信プロトコルを利用したネットワークとしてもよい。
【0022】
受信機4は、実施例1の場合、家庭で利用される端末であり、家庭用電源5に接続されて用いられる。受信機4は、放送局2からの放送波をアンテナで受信し、受信した放送波に重畳される放送コンテンツの出力を行う。また、受信機4は、IP通信網3を経由して配信サーバ12より配信されるコンテンツの受信可否判定を自ら行い、受信可能である場合には当該コンテンツを受信する。受信機4は、アンテナ部21と本体部22を有して構成される。実施例1のアンテナ部21は、本体部22に対して専用ケーブルにより接続されており、当該専用ケーブルで本体部22と相互接続している状態における放送局2からの放送波の受信状況(当該状況を本体受信状況とする)、および本体部22に接続していない状態における放送局2からの放送波の受信状況(当該状況を外部受信状況とする)をそれぞれ計測することができる。
【0023】
なお、実施例1のアンテナ部21と本体部22の接続関係は、有線により接続する構成を採用しているが、無線で相互通信できるように構成されてもよい。ここで、無線通信における「アンテナ部21が本体部22に接続されている状態」とは、たとえばBlueTooth(登録商標)、WiFiなどの通信接続方法で相互通信可能な範囲内にアンテナ部21と本体部22の両方が存在する位置関係にある状態で、相互通信可能に設定されている場合をいい、「アンテナ部21が本体部22に接続されていない状態」とは、相互通信が不可能な位置関係にある状態か、もしくは相互通信が可能な位置関係にあるものの、相互通信可能に設定されていない場合を含む。なお、受信機4は、たとえばTV放送やラジオ放送の受信装置であり、録画機能、録音機能を有していてもよい。また、受信機4は、家庭で利用される端末に限らず、携帯可能な端末、車に搭載される端末であってもよい。
【0024】
この情報配信システム1では、受信機4が、自装置における放送波の受信強度に基づいて放送受信可能エリアの範囲内にあるものかを判定し、そのエリア内にある場合、配信サーバ12からのコンテンツ受信を許可する。ここで、たとえば本体部22とアンテナ部21が接続された状態において、当該受信機4が置かれている家屋内において放送波の受信感度をアンテナ部21で計測した情報(以後、当該情報を本体受信状況情報とする)から受信環境がよくないときは、ユーザは受信機4を介して放送を視聴することができないとともに、IP通信網3を介して配信されるコンテンツも視聴することができない。
【0025】
そこで、この情報配信システム1では、アンテナ部21が本体部22から取り外し可能となっており、取り外されて他の場所へ持ち出されたアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)により受信感度を計測した情報(当該情報を外部受信状況情報とする)から受信環境が良好であれば、所定時間内にアンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの出力を受信することができる。たとえば、受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外されたアンテナ部21を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、所定の時間内に、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの受信を許可することができる。
【0026】
図2は、図1に示す放送局2が有する放送送信装置11と配信サーバ12の構成例を示すブロック図である。
【0027】
(放送送信装置11の構成)
まず、放送送信装置11について説明する。放送送信装置11は、この例においては、地上デジタル放送を想定し、その放送スケジュールに沿って放送番組用のコンテンツをストリームデータとして送出する。また、放送送信装置11は、放送波にデータ放送、EPG(Electronic Program Guide)情報を放送波に重畳して送出することができる。なお、放送送信装置11は、請求項の放送局の一例に相当する。
【0028】
図2に示すように、放送送信装置11は、制御部31、記憶部32、サーバ通信部33から構成される。ここで、制御部31は、不図示のハードウェア資源であるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Randam Acess Memory)、ROM(Read Only Memory)などから構成され、当該CPUがROMに格納されている各種プログラムをRAMに読み出して協働して実行することによりコンテンツストリーム作成部41、EPG情報作成部42、データ放送作成部43、放送素材取得部44、MUX部45の各機能を実現している。また、記憶部32には、放送用コンテンツデータベース(Data Base)51、放送スケジュールDB52、データ放送用コンテンツDB53が記憶されており、当該記憶部32は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。サーバ通信部33は、配信サーバ12との通信を行う通信インタフェースである。
【0029】
コンテンツストリーム作成部41は、放送用コンテンツDB51を参照して放送用コンテンツを作成する。なお、本実施例において、放送用コンテンツは、MPEG2−TS(Motion Photographic Codeing Experts Groupe−2 Transport Stream)規格に準拠して符号化及び多重化されているトランスポートストリーム(TS)として説明する。MPEG2−TS規格では、伝送されるコンテンツの映像及び音声などは、符号化されたES(Elementary Stream)として生成され、ESを意味のある単位毎にパケット化されたPES(Packetized Elementary Stream)が生成される。更に、PESを分割したTS(Transport Stream)パケットが、放送送信装置11から伝送される。
【0030】
また、コンテンツストリーム作成部41が各TSパケットのヘッダにPIDと呼ばれる13ビットのパケット識別子を付与することにより、各TSパケットが、放送用コンテンツの映像データ、音声データ、制御データなどのいずれかに分類することができる。また、ここでいう制御データとは、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)と呼ばれるデータを指している。SI/PSIのSIは、EPG情報を作成するために必要な情報などを含み、PSIは、基本的な制御をするための情報を含む制御データのことである。なお、TSパケットには、放送送信装置11の意図に反する視聴を防止するための暗号化処理(以下、「スクランブル処理」という)が施されていてもよい。ここで、スクランブル処理の方式としてたとえば、Multi2を使用することができる。このMulti2は、デジタルデータを暗号化する方式の一つであり、BSデジタル放送や地上デジタル放送などでも広く採用されている。
【0031】
EPG情報作成部42は、放送スケジュールDB52を参照してEPG情報を作成する。
【0032】
データ放送作成部43は、データ放送用コンテンツDB53から例えば天気予報や番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報を作成し、これらの情報をあわせてMUX部45に供給する。
【0033】
放送素材取得部44は、放送用コンテンツDB51に格納されている放送コンテンツ以外の放送コンテンツを作成する。たとえば、放送素材取得部44は、図示しないカメラやマイクから直接生成される信号(たとえば、生放送番組や生中継番組などの映像データ、音声データ)が入力されると、これらの放送コンテンツ用のデータ形式に変換してコンテンツデータとして作成し、MUX部45に供給する。
【0034】
MUX部45は、コンテンツストリーム作成部41が放送用コンテンツDB51を参照して作成したコンテンツデータ、または放送素材取得部44により作成されたコンテンツデータと、EPG情報作成部42が放送スケジュールDB52を参照して作成したEPG情報と、データ放送作成部43がデータ放送用コンテンツDB53を参照して作成したデータ放送番組データとを多重化して放送データを生成する。そして、当該放送データは、放送送信装置11の不図示のアンテナから放送波として送出される。なお、これら放送データは、サーバ通信部33を介して、専用回線などで配信サーバ12にも送信される。
【0035】
放送用コンテンツDB51には、放送用コンテンツの元になる放送番組情報が記憶されている。放送スケジュールDB52には、放送送信装置11が放送する放送番組の放送スケジュール情報が記憶されている。なお、放送スケジュールDB52には、他の放送局2の放送スケジュール情報が記憶されていてもよい。データ放送用コンテンツDB53には、天気予報や放送番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報が記憶されている。なお、データ放送用コンテンツDB53には、上記の情報以外にも、放送番組に関係する配信サーバ12が提供するURL(Uniform Resource Locator)情報やP2P(Peer to Peer)方式で利用できる検索クエリ情報が記憶されていてもよい。なお、データ放送に関連する情報も、上述した放送用コンテンツと同様にMPEG2−TS規格に準拠して符号化及び多重化されている。
【0036】
このように放送送信装置11は、放送用コンテンツDB51から放送スケジュールに沿ってコンテンツのストリームデータを放送番組として送出する。また、予め記憶されたコンテンツが放送されるような番組ではない生放送番組や生中継番組については、図示しないカメラやマイクの信号が放送素材取得部44に入力され、放送スケジュールDB52からEPG情報と共に放送データに多重化することができる。
【0037】
(配信サーバ12の構成)
続いて、配信サーバ12の構成について説明する。図2に示すように、配信サーバ12は、制御部96、放送装置通信部62、記憶部63、IP通信制御部64とから構成される。ここで、制御部96は、不図示のハードウェア資源であるCPU、RAM、ROMなどから構成され、当該CPUがROMに格納されている各種プログラムをRAMに読み出して協働して実行することによりコンテンツ配信制御部71、コンテンツ作成部72の各機能を実現している。放送装置通信部62は、放送送信装置11のサーバ通信部33からのコンテンツを受信する通信インタフェースである。記憶部63には、配信コンテンツDB82、周波数DB83が記憶されており、当該記憶部63は、たとえばHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。IP通信制御部64は、IP通信網3経由で受信機4との通信を行う通信インタフェースである。
【0038】
コンテンツ配信制御部71は、受信機4の機器ID情報などにより機器認証等を行った上で、受信機4からのコンテンツ配信要求に応じてコンテンツの配信を行う。なお、コンテンツ配信制御部71は、受信機4から要求されるコンテンツが、エリア限定であるか否かに関わらず、コンテンツを配信する。
【0039】
コンテンツ作成部72は、コンテンツ配信制御部71により配信を行う受信機4に対して配信すべきコンテンツを生成する。たとえばコンテンツ作成部72は、配信するコンテンツを配信コンテンツDB82から読み出す。なお、受信機4に対して配信するコンテンツは、受信機4が要求するコンテンツでもよいし、当該番組に連動するコンテンツを生成するようにしてもよい。コンテンツ作成部72は、特定のコンテンツを受信機4が要求した場合はその要求されたコンテンツを生成するようにし、それ以外では番組連動型のコンテンツを自動で生成し、送信するようにしてもよい。
【0040】
配信コンテンツDB82には、放送送信装置11のMUX部45から専用回線を経て送信されてきた放送データが記憶されている。また、配信コンテンツDB82に記憶されているコンテンツは、当該放送データに関連する番組連動型のコンテンツや放送終了後にも配信できるコンテンツ(リアルタイムに拘らないで配信可能なコンテンツ)、また前述したエリア限定のものではないコンテンツなども記憶されている。
【0041】
周波数DB83には、地域ごとに受信可能な放送局2の周波数や名称などが記憶されている。なお、配信サーバ12は、受信機4からの取得要求により、指定された地域が放送範囲と推定される放送局リストとなるデータを、周波数DB83を参照することで生成し、生成されたデータを提供することができる。
【0042】
このように、配信サーバ12は、コンテンツ配信要求をしてきた受信機4に対して、放送送信装置11で提供する放送コンテンツ、当該放送コンテンツに関するコンテンツ、その他のコンテンツをIP通信網3経由で配信する。
【0043】
(受信機4の構成)
続いて、受信機4の構成について説明する。図3は、図1に示す受信機4の構成図である。受信機4は、アンテナ部21、本体部22を主要な構成要素としている。アンテナ部21は、本体部22に対して専用ケーブルにより接続されており、このアンテナ部21をたとえばユーザが屋外に持ち出すことにより、受信状況が屋内より良好な状況で放送局2の放送波を受信することができる。
【0044】
図3に示すように、アンテナ部21は、チューナー91、受信情報記憶部92、バッテリ93、操作入力部94、受信状況検出部95、制御部96、タイマー97、放送局テーブル98、本体接続部99を主要な構成要素としている。ここで、制御部96は、CPUなどの中央処理演算装置などで構成され、アンテナ部21全体を制御する。また、上述した受信情報記憶部92、放送局テーブル98は、不図示の記憶部に記憶されており、当該記憶部は、たとえば、ROM、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0045】
チューナー91は、アンテナ21Aを介して放送送信装置11からの放送波を受信し、受信信号を本体部22に供給する。また、チューナー91は、放送送信装置11からの放送波の受信状況(例えば受信電界強度)を制御部96へ供給する。
【0046】
受信情報記憶部92は、アンテナ部21で受信された各放送局2の受信状況が記憶される記憶部位である。
【0047】
図4は、図3に示すアンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されているデータの一例である。図4に示すように、受信情報記憶部92には、「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」などの欄が設けられている。
【0048】
「放送種別」の欄(以下、単に「放送種別」と称する。他の欄においても同様である)には、FM、AM、地デジ、BS、CSなどの放送種別が格納される。「外部受信信号レベル」には、外部における受信信号レベルとして、当該受信機4のアンテナ部21が本体部22に接続されていない状態で、当該アンテナ部21で計測したときの放送局2毎の受信信号レベルを示す数値(単位は、dB)が格納されている。「外部受信信号レベル計測日時」には、当該「外部受信信号レベル」を計測された日時情報が格納されている。なお、同一の「放送種別」および「放送周波数」で特定される放送局2について受信検出処理が複数回なされた場合には、それまでに記憶されている「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の情報は上書きされる。ただし、複数回なされた場合に、当該回数分または所定回数分の記憶領域を設けて、それぞれが記憶されるようにしてもよい。なお、受信情報記憶部92には、上述の「放送種別」に加えて「放送局名」が記憶されていてもよい。その場合、「放送局名」には、放送局名として、各放送局2の名称を示す情報が格納される。
【0049】
図3に戻りバッテリ93は、アンテナ部21に電力を供給するための電源供給手段である。
【0050】
操作入力部94は、ユーザからの操作を受け付ける入力手段である。たとえば、ユーザが現在位置情報を入力する際に用いられ、郵便番号などを入力することができる。制御部96は、操作入力部94から入力された郵便番号に基づいて周波数DB83を参照し、当該地域に対応する周波数テーブルを特定することができる。また、ユーザがアンテナ部21を屋外に持ち出して受信状況を登録したい場合に受信状況登録要求を入力する際に用いられる。
【0051】
受信状況検出部95は、制御部96からの受信状況検出指示により、放送局2の放送送信装置11から送出される放送波の受信状況を検出する。たとえば、受信状況検出部95は、電界受信強度信号を生成できる電界受信強度信号生成回路(不図示)などから構成され、当該生成回路から得られる値が主制御部110に出力されるようにする。当該生成回路としては、たとえば公知のRSSI(Receive Signal Strength Indication)回路を備えさせ、当該RSSI回路から電界受信強度信号を得られるようにすることができる。なお、電界受信強度が検出できればどのような回路であってもよい。上述した電界受信強度信号生成回路から得られる電界受信強度信号を用いることで放送波の受信状況を検出することができる。
【0052】
タイマー97は、放送局2の受信状況の判別開始、または当該判定が終了してから、本体部22に接続されるまでの時間を計時する際に用いられる。制御部96は、タイマー97により、受信状況を検出してから所定時間を越えてからアンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを判定することができる。当該判定により、ユーザの不正により配信サーバ12からのコンテンツを取得できないようにすることができる。
【0053】
放送局テーブル98は、郵便番号などで特定される地域ごとに受信可能な放送局2の放送周波数情報、各放送周波数において受信可能とされる電界受信強度の所定値(所定レベルの値)、当該放送局2の放送局名などの情報から構成される。制御部96は、操作入力部94から入力された郵便番号情報に基づいて、放送局テーブル98を参照し、当該地域に対応する放送局2の放送周波数情報および当該放送周波数において受信可能とされる電界受信強度の所定レベルの値を特定することができる。アンテナ部21の制御部96は、放送局テーブル98を参照して特定された放送局2の放送周波数情報等を用いることで、チューナー91によるチューニング処理をよりはやく処理させることができる。また、本体部22の受信可否判定部113は、放送局テーブル98を参照して特定された放送局2の周波数において受信可能とされる電界受信強度の値と計測した値を比較することで、当該放送周波数に対応する放送局2から受信可能であるか否かを判定させることができる。なお、放送局テーブル98は、アンテナ部21のみではなく、本体部22にも備えられていてもよい。また、放送局テーブル98に含まれる上述の情報は、配信サーバ12の周波数DB83に問い合せることにより受信機4の受信情報記憶部に記憶するようにしても良い。
【0054】
本体接続部99は、後述する本体部22にアンテナ部21を接続するインタフェースである。主制御部110は、本体部22にアンテナ部21が本体接続部99を介して接続された状態で受信状況を計測した場合には、当該計測情報を「本体受信状況情報」として処理し、本体部22にアンテナ部21が本体接続部99を介して接続されていない状態で受信状況を計測した場合には、当該計測情報を「外部受信状況情報」として処理する。
【0055】
続いて、本体部22について説明する。本体部22は、アンテナ接続部101、復調部102、ROM103、RAM104、通信制御部105、受信情報記憶部106、電源検出部107、タイマー108、操作入力部109、主制御部110、映像出力部111、音声出力部112、受信可否判定部113および受信可否判定情報DB114を主要な構成要素としている。ここで、主制御部110は、CPUなどの中央処理演算装置などで構成され、本体部22および上述したアンテナ部21を含めた受信機4全体を制御する。また、上述した受信情報記憶部106および受信可否判定情報DB114に格納されている情報は、不図示の記憶部に記憶されており、当該記憶部は、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0056】
アンテナ接続部101は、アンテナ部21と接続するインタフェースである。主制御部110は、アンテナ部21が本体部22に接続された状態で、受信状況を検出した場合には、当該受信状況を本体受信状況として処理する。
【0057】
復調部102は、チューナー91からの受信情報をもとに受信信号を復調し、それぞれの信号をデコードする。ROM103には、プログラムや固定データが記憶され、主制御部110から適宜読み出される。RAM104は、主制御部110が演算処理中にデータを一時的に記憶するのに用いられる。通信制御部105は、IP通信網3を介して放送局2の配信サーバ12と通信を行う通信インタフェースである。
【0058】
受信情報記憶部106には、アンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されているデータが送信されてきた場合には、当該データ(図4)が記憶される。またその他に、アンテナ部21が本体部22に接続されている状態で放送局2の受信状況を計測した時の本体受信信号レベル、受信機4に割り振られているIPアドレス、機器ID、電源経過情報などの情報が記憶される。
【0059】
図5は、図3に示す本体部22の受信情報記憶部106に記憶されているデータの一例である。図5に示すように、受信情報記憶部106には「機器ID」、「放送種別」、「放送周波数」、「本体受信信号レベル」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」、「電源経過情報」、「電源経過日時」、「IPアドレス」の欄が設けられている。なお、図5に示す「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の各データは、図4に示した受信情報記憶部92に格納されている「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の各データとそれぞれ同様であるため、これらの説明は省略する。なお、受信情報記憶部106には、上述の受信情報記憶部92と同様に、上述の「放送種別」に加えて「放送局名」が記憶されていてもよい。その場合、「放送局名」には、放送局名として、各放送局2の名称を示す情報が格納される。
【0060】
「機器ID」の欄には、当該受信機4の機器IDとして、受信機4を一意に識別できる識別番号情報が格納されている。この識別番号情報は、たとえば配信サーバ12へコンテンツ配信要求をする際の機器認証処理などに用いられる。「本体受信信号レベル」には、本体受信信号レベルとして、当該受信機4のアンテナ部21が本体部22に接続されている状態で計測されたときの放送局2毎の受信信号レベルを示す数値(単位は、dB)が格納されている。「電源経過情報」には、電源経過情報として、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間経過したか否かを判定するフラグが格納されている。この「電源経過情報」の欄には、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間経過している場合には「1」が格納され、経過していない場合には「0」が格納される。「電源経過日時」には、電源経過日時として、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間が経過した日時が記憶されている。ここで、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間とは、家の中で当該受信機4の移動などを想定しており、当該受信機4を持って他の場所で取り付けられることがないように、たとえば、15分〜30分程度の間で設定されることが好ましく、電源が外されてからこの時間が経過した日時が記憶される。「IPアドレス」には、IPアドレスとして、当該受信機4に付与されているIPアドレス情報が格納されている。
【0061】
なお、主制御部110は、アンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されている「外部受信信号レベル」については、受信情報記憶部106に記憶しないようにしてもよい。
【0062】
電源検出部107は、家庭用電源5に接続されているか否かを検出する。タイマー108は、受信機4が家庭用電源5から外されてから経過した時間を計時する際に用いられる。主制御部110は、電源検出部107からの検出信号に基づいてタイマー108で計時を行い、家庭用電源5から切断されてから所定時間経過したか否かを判別する。主制御部110は、所定時間経過したと判定された場合、その情報(判定フラグの「1」)を受信情報記憶部106に記憶する。
【0063】
操作入力部109は、ユーザから入力を受け付け、主制御部110にユーザの指示を伝える。なお、操作入力部109は、たとえば、リモコンやタッチパネルであるが、音声入力などであってもよい。
【0064】
映像出力部111は、主制御部110から送られてきた表示情報を表示信号に変換し、表示装置6に表示する。表示装置6は、たとえば、ディスプレイ、テレビである。なお、受信機4が表示装置6を備えていてもよい。
【0065】
音声出力部112は、主制御部110からの音声データを音声信号に変換し、音声再生装置7で再生する。音声再生装置7は、たとえば、スピーカである。受信機4が音声再生装置7を備えていてもよい。
【0066】
受信可否判定部113は、受信機4における本体受信状況情報および外部受信状況情報から当該コンテンツの受信可否を判定する。具体的には、受信可否判定部113は、受信機4が当該放送局2の放送範囲内である(受信感度が所定のレベル以上である)と判定できれば、配信サーバ12からのコンテンツを受信可能と判定する。なお、受信機4から要求されるコンテンツが、エリア限定のものではない場合は、受信機4が当該放送局2の受信可能エリアであるか否かにかかわらず、コンテンツを受信可能と判定する。なお、受信可否判定部113のコンテンツ受信可否判定処理の詳細は後述する。
【0067】
受信可否判定情報DB114は、受信機4がコンテンツを受信可能か否かについての過去の情報を有するDBである。したがって、受信機4(受信可否判定部113)は、受信機4の受信情報記憶部に記憶されている情報に基づいて受信可否を判定する他に、当該情報を受信可否判定情報DB114に蓄積し、過去に記憶された情報を参照することにより、当該受信機4における受信可否を判定することもできる。
【0068】
(受信機の外部受信状況検出処理)
続いて、図6を参照し、受信機4の外部受信状況検出処理について説明する。図6は、受信機4のアンテナ部21が実行する外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。なお、以下のフローチャートでは、アンテナ部21は受信機4の本体部22から取り外されている状態(アンテナ部21と本体部22は接続されていない状態)となっている。
【0069】
START:アンテナ部21の制御部96は、外部受信状況の登録要求を操作入力部94から受けると以下の処理を開始する。なお、外部受信状況の登録要求は、たとえば、ユーザがアンテナ部21の操作入力部94から外部受信状況を検出したい旨をボタン操作などで入力することで発生させることができる。
【0070】
S1:制御部96は、操作入力部94から指定地域の入力(例えば郵便番号の入力)があるか否かを判別する。制御部96は、指定地域の入力がある場合(ステップS1でYES)には、ステップS2の処理へ移行し、入力がない場合(ステップS1でNO)にはステップ3の処理へ移行する。
【0071】
S2:制御部96は、指定された地域で受信できる各周波数を放送局テーブル98から読み出すとともに、読み出された周波数情報に基づくチューニング処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95はチューナー91により当該放送局2へのチューニング処理を実行する。制御部96は、ステップS2の処理が完了すると、ステップS4の処理へ移行する。
【0072】
S3:制御部96は、オートシーク処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95は、チューナー91により所定の周波数間隔で電界受信強度をそれぞれチェックしていいく処理を実行する。制御部96は、ステップS3の処理が完了すると、ステップS4の処理へ移行する。
【0073】
S4:制御部96は、ステップS2でのチューニング処理、またはステップS3でのオートシーク処理によって得られた各放送周波数と当該放送周波数における外部受信状況(この例の場合、受信電界強度を示す情報)を対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92(図3)に放送種別および放送周波数とともに、それらにより特定される外部受信信号レベルを、それぞれ対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。すなわち放送局2毎に、放送種別、放送周波数、および外部受信信号レベル(以下、これらの情報を「外部受信状況情報」とする)が受信情報記憶部92に記憶される。制御部96は、ステップS4の処理が完了すると、ステップS5の処理へ移行する。
【0074】
S5:制御部96は、タイマー97の計時を開始する。制御部96は、ステップS5の処理が完了すると、ステップS6の処理へ移行する。
【0075】
S6:制御部96は、タイマー97の計時を開始してから所定時間経過したか否かを判別する。ここで、所定時間とはたとえば10分、15分などが設定されるが、ユーザが受信機4からアンテナ部21を屋外に持ち出して当該処理を開始してから本体部22と再接続するまでの時間を考慮して適宜設定されることが好ましい。なお、タイマー97の計時開始時点は、本体部22から取り外されてからとしてもよい。制御部96は、計測して所定時間を経過した場合(ステップS6でYES)には、ステップS7の処理へ移行し、経過していない場合(ステップS6でNO)にはステップS9の処理へ移行する。
【0076】
S7:制御部96は、受信情報記憶部92に記憶されている外部受信状況情報を削除する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に記憶されている「外部受信信号レベル」の情報を削除する。なお、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に記憶されている「外部受信信号レベル」の情報が複数記憶されている場合には、すべて削除することが好ましい。制御部96は、ステップS7の処理が完了すると、ステップS8の処理へ移行する。
【0077】
S8:制御部96は、「外部受信信号レベル」の情報が削除された旨を表示装置6に表示し、処理を終了する(END)。なお、「外部受信信号レベル」の情報が削除された旨は、アンテナ部21が本体部22に再接続された後に、当該受信機4が接続されている表示装置6に表示されるようにしてもよい。
【0078】
S9:制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを検出する。制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたと検出された場合(ステップS9でYES)には、ステップS10の処理へ移行し、接続されていないと検出された場合(ステップS9でNO)には、ステップS6の処理へ移行する。
【0079】
S10:制御部96は、本体部22に外部受信状況情報を送信する。すなわちアンテナ部21が本体部22に接続されている状態から接続されていない状態となった時点から所定の時間内に本体部22に再度接続された場合、本体部22に外部受信状況情報は本体部22に送信される。その後、制御部96は、当該処理を終了する(END)。
【0080】
(受信機4の外部受信状況情報登録処理)
続いて、図7を参照しながら、図6に示す処理で作成された外部受信状況情報を受信機4の本体部22の受信情報記憶部106に登録する処理について説明する。図7は、この外部受信状況情報登録処理を示すフローチャートである。
【0081】
START:本体部22の主制御部110は、アンテナ部21が接続されると、以下の処理を開始する。
【0082】
S21:主制御部110は、アンテナ部21から送信されてきた外部受信状況情報(図6のステップS10)の受信有無を判定する。主制御部110は、外部受信状況情報を受信した場合(ステップS21でYES)には、ステップS22の処理へ移行し、外部受信状況情報を受信しない場合(ステップS21でNO)には、外部受信状況情報登録処理を終了する(END)。
【0083】
S22:主制御部110は、アンテナ部21から送信されてきた外部受信状況情報を受信情報記憶部106(図3)に記憶し、外部受信状況情報登録処理を終了する(END)。
【0084】
(コンテンツ受信可否判定処理)
続いて、図8を参照し、受信機4が配信サーバ12に対して実行するコンテンツ受信可否判定処理について説明する。図8は、このコンテンツ受信可否判定処理を示すフローチャートである。
【0085】
START:本体部22の主制御部110は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求があると以下の処理を開始する。たとえば、放送波で受信している番組をIP通信網3経由で視聴したい場合などにユーザが操作入力部94を操作すると、当該コンテンツ配信要求が発生する。
【0086】
ステップS31:主制御部110は、ユーザからのコンテンツ受信要求があった放送局2からコンテンツを放送波で受信中であるか否かを検出する。主制御部110は、放送局2からコンテンツを放送波で受信中でない場合には(ステップS31でNO)、ステップS32の処理へ移行し、放送波で受信中である場合には(ステップS31でYES)、ステップS33の処理へ移行する。
【0087】
ステップS32:主制御部110は、コンテンツ受信要求があった放送局2の放送波を受信する。具体的には、主制御部110は、当該放送局2の放送波の周波数情報について放送局テーブル98を参照して特定し、特定された放送周波数情報に基づくチューニング処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95は、チューナー91により当該放送局2の放送周波数へのチューニング処理を実行する。主制御部110は、ステップS32の処理が完了すると、ステップS33の処理へ移行する。
【0088】
ステップS33:主制御部110は、当該放送局2からの放送受信状況を検出する。主制御部110は、このステップS33の処理により検出された当該放送局2の本体受信状況情報(本体受信信号レベル)を受信情報記憶部106に記憶する。なお、当該放送局2の本体受信状況情報が既に受信情報記憶部106に記憶されている場合には上書きをする。主制御部110は、ステップS33の処理が完了すると、ステップS34の処理へ移行する。
【0089】
ステップS34:主制御部110は、ステップS33の処理によって検出された放送受信状況からコンテンツ受信が可能であるか否かを受信可否判定部113に判定させる。受信可否判定部113は、受信情報記憶部106に記憶されている本体受信状況情報に基づいて、放送局テーブル98を参照してコンテンツが受信可能であるか否かを判定する。具体的には、放送局テーブル98に記憶されている受信可能とされる放送周波数に関連付けられている電界受信強度の所定レベルの値と比較して、当該放送周波数の本体受信信号レベルが所定レベル以上の値である場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信してよいと判定し、所定レベル未満の値の場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信できないと判定する。主制御部110は、受信可否判定部113の判定がコンテンツ受信可能であると判定された場合には(ステップS34でYES)、ステップS35の処理へ移行し、コンテンツ受信不可能であると判定された場合には(ステップS34でNO)には、ステップS36の処理へ移行する。
【0090】
ステップS35:主制御部110は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を送信し、IP通信網3を介してコンテンツを受信する。そして、主制御部110は、復調部102、並びに映像出力部111および/または音声出力部112を制御して、受信したコンテンツを映像や音声の出力データとして出力させる。映像出力部111は、出力されたコンテンツを表示装置6に表示し、音声出力部112は、出力されたコンテンツを音声再生装置7で再生し、処理を終了する(END)。
【0091】
ステップS36:主制御部110は、受信機4の外部受信状況からコンテンツ受信可否の判定処理(外部受信状況判定処理)を行う。なお、外部受信状況判定処理の詳細は後述する。主制御部110は、ステップS36の処理が完了すると、ステップS37の処理へ移行する。
【0092】
ステップS37:主制御部110は、ステップS36の外部受信状況判定処理の判定からコンテンツの受信が可能であるか否かの判定を行う。主制御部110は、ステップS36の外部受信状況判定処理の判定からコンテンツの受信が可能であると判定された場合には(ステップS37でYES)、ステップS35の処理へ移行し、受信が不可能であると判定した場合には(ステップS37でNO)、ステップS38の処理へ移行する。
【0093】
ステップS38:主制御部110は、受信できない旨の表示を表示装置6に出力して処理を終了する(END)。
【0094】
(外部受信状況判定処理)
続いて、図9を参照し、図8のステップS36に示した受信機4の外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図9は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0095】
S71:受信機4の主制御部110は、受信可否判定部113に受信機4の外部受信状況からコンテンツ配信可否の判定処理を行わせる。受信可否判定部113は、受信情報記憶部106に記憶されている外部受信状況情報に基づいて、放送局テーブル98を参照してコンテンツが受信可能であるか否かを判定する。具体的には、放送局テーブル98に記憶されている受信可能とされる放送周波数に関連付けられている電界受信強度の所定レベルの値と比較して、当該放送周波数の外部受信信号レベルが所定レベル以上の値である場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信してよいと判定し、所定レベル未満の値の場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信できないと判定する。受信可否判定部113は、受信可能であると判定した場合(ステップS71でYES)には、S72の処理へ移行し、受信不可能であると判定した場合(ステップS71でNO)にはS73の処理へ移行する。なお、放送局2の放送波が受信可能なレベルにあるか否かを判定するために、BER(ビットエラーレート)の値を用いるようにしてもよい。その場合には、受信機4において、BERを検出できる回路を備えさせると共に、放送局テーブル98に受信可能なBERの値を記憶させておく必要がある。
【0096】
S72:受信可否判定部113は、当該受信機4へのコンテンツ受信が可能と判定し、当該判定結果を主制御部110に通知する。主制御部110は、当該通知を受けると、図8のステップS37の処理へ移行する(RETURN)。
【0097】
S73:受信可否判定部113は、当該受信機4へのコンテンツ受信が不可能と判定し、当該判定結果を主制御部110に通知する。主制御部110は、当該通知を受けると図8のステップS37の処理へ移行する(RETURN)。
【0098】
以上説明したことから、情報配信システム1において受信機4側でコンテンツ受信制御がなされる。すなわち、少なくとも本体受信状況において受信可能と判定された場合(図8のステップS34でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を行って、受信されたコンテンツを出力することができる(図8のステップS35)。
【0099】
また、本体受信状況および外部受信状況のいずれにおいても受信可能と判定されない場合(図8のS34でNO、S36、図9のステップS71でNO、S73)、当該受信機4へのコンテンツを受信できないので、放送範囲外になる受信機4は、配信サーバ12からコンテンツを受信することを制限できる。
【0100】
また、以上のように、本体部22に接続されていない状態でのアンテナ部21による外部受信状況に基づいて受信可能と判定された場合(図8のステップS36、図9のステップS71でYES、S72)、コンテンツが配信サーバ12より配信される(図9のステップS43)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツを受信することができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツを受信することができる。
【0101】
このように、この情報配信システム1では、放送の受信状況によりコンテンツ受信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを受信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが受信できないような不具合を防止することができる。
【0102】
また、アンテナ部21の本体部22への再接続が所定時間内に行われなかった場合、コンテンツを受信できないので(図6のステップS7,S8)、不正使用を防止することができる。たとえば、ユーザは、本体部22の設置されている場所とは異なり地域であり、かつ本体部22との再接続に上記の所定時間以上かかるようなる地域にアンテナ部21を持っていき、そこで受信状況を検出しても、本体部22でコンテンツを受信することができない。
【実施例2】
【0103】
続いて、本発明の実施例2について説明する。本発明の実施例2では、実施例1の図6に相当する処理において、アンテナ部21の本体部22への再接続が所定時間内に行われなかった場合に外部受信状況情報を削除するための処理(図6のステップS5〜ステップS8に相当する処理)を実行しない点と、図7に相当する処理において、受信機4の本体部22が、アンテナ部21から送信されてくる外部受信状況の計測日時と本体部22にアンテナ部が接続された日時を考慮して記憶する点と、コンテンツ受信可否判定処理において、受信機4の受信情報記憶部106に記憶された電源経過情報を用いてコンテンツ受信可否判定を行う点が、実施例1の処理と異なる。したがって、それ以外の各装置の機能、構成および動作は実施例1と同一であるため、図示および説明を省略する(なお、以下では、実施例2の情報配信システム全体を指すときには便宜上、情報配信システム1Aとする)。
【0104】
(外部受信状況検出処理)
図10を参照して、実施例2の外部受信状況検出処理について説明する。図10は、この外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。なお、図6に示した実施例1のアンテナ部21と同じ処理については、同じステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0105】
S2A:制御部96は、ステップS1の判定において指定地域の入力があると判定した場合には、その地域で受信できる各周波数を読み出し、それぞれの受信状況、及び現在日時を検出する。具体的には、制御部96は、指定された地域で受信できる各周波数を放送局テーブル98から読み出し、読み出された周波数情報に基づいて、チューニング処理を受信状況検出部95に実行させると共に、当該処理を行った現在日時を取得する。なお、現在日時は、受信機4が内蔵している不図示の時計機構、またはIP通信網3経由でNTPサーバなどから取得することができる。制御部96は、ステップS2Aの処理が完了すると、ステップS4Aの処理へ移行する。
【0106】
S3A:制御部96は、ステップS1の判定において指定地域の入力がないと判定した場合には、各放送種別について、オートシーク処理を行うとともに現在時刻を検出する。具体的には、制御部96は、オートシーク処理を受信状況検出部95に実行させると共に、当該処理を行った現在日時を取得する。制御部96は、ステップS3Aの処理が完了すると、ステップS4Aの処理へ移行する。
【0107】
S4A:制御部96は、ステップS2AまたはステップS3Aの処理により得られた各周波数、当該周波数における受信状況、現在日時を対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に「外部受信信号レベル」の情報および「外部受信信号レベル計測日時」の情報を記憶する。制御部96は、ステップS4Aの処理が完了すると、ステップS5Aの処理へ移行する。
【0108】
S5A:制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを検出する。制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたと検出された場合(ステップS5AでYES)には、ステップS6Aの処理へ移行し、接続されていない場合(ステップS5AでNO)には、接続を検出するまでステップS5Aの判定処理を続ける。
【0109】
S6A:制御部96は、本体部22に外部受信状況情報を送信する。すなわちアンテナ部21から本体部22に外部受信状況情報が送信される。その後、制御部96は、当該処理を終了する(END)。
【0110】
(外部受信状況登録処理)
続いて、図11を参照して、アンテナ部21に記憶された本体受信状況情報を本体部22に登録する処理について説明する。図11は、この外部受信状況情報登録処理を示すフローチャートである。なお、図7に示した実施例1のアンテナ部21と同じ処理については、同じステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0111】
S21A:主制御部110は、外部受信状況を計測したときの時刻データとアンテナ部21が本体部22に接続された日時を比較し、所定時間経過しているか否かを判定する。ここで、所定時間とはたとえば10分、15分などの値が設定されるが、ユーザがアンテナ部21を屋外に持ち出して当該処理を開始してから本体部22と再接続するまでの時間を考慮して適宜設定されることが好ましい。主制御部110は、外部受信状況を計測したときの時刻データとアンテナ部21が本体部22に接続された日時とを比較し、所定時間経過していない場合(ステップS21AでYES)には、ステップS22Bの処理へ移行し、所定時間経過している場合(ステップS21AでNO)には、ステップS22Aの処理へ移行する。
【0112】
S22A:主制御部110は、アンテナ部21の外部受信状況を受信情報記憶部106に記憶しないで、処理を終了する(END)。
【0113】
S22B:主制御部110は、アンテナ部21の外部受信状況を受信情報記憶部106に記憶して、処理を終了する(END)。
【0114】
(外部受信状況判定処理)
続いて、図12を参照して、実施例2における外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図12は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図12では、実施例1の図9に示す外部受信状況判定処理の詳細と異なる点のみを説明し、コンテンツ受信可否判定処理全体については実施例1の図8に示すコンテンツ受信可否判定処理と同一であるため、図示および説明を省略する。
【0115】
S71G:受信可否判定部113は、ステップS71の処理でコンテンツを受信可能と判定された場合には、当該判定時における電源経過情報を受信情報記憶部106に記憶する。受信可否判定部113は、ステップS71Gの処理が完了すると、ステップS71Hの処理へ移行する。
【0116】
S71H:受信可否判定部113は、受信情報記憶部106を参照して、当該受信機4の電源経過情報からコンテンツ受信可能に該当するか否かを判定する。受信可否判定部113は、受信情報記憶部106を参照して、当該受信機4に関連するデータを探索し、当該受信機4の電源経過情報が「0」の場合またはブランクデータの場合(ステップS71HでYES)には、「受信可能」と判定し、電源経過情報が「1」である場合には、電源経過情報の記憶された日時と外部受信状況が計測された日時とを更に比較する。そして、コンテンツ配信制御部71は、外部受信状況が計測された日時が新しい場合(ステップS71HでYES)には、ステップS72の処理へ移行して「受信可能」に該当すると判定し、電源経過情報の日時が新しい場合(ステップS71HでNO)にはステップS73の処理へ移行して「受信不可」に該当すると判定する。なお、電源経過情報が複数ある場合は、受信情報記憶部106に記憶されている電源経過日時が最新のものとの比較を行う。
【0117】
以上に説明したことから、実施例2の情報配信システム1Aにおいて受信機4側でコンテンツ受信制御がなされる。すなわち、実施例1と同様に、少なくとも本体受信状況において受信可能と判定された場合(図8のステップS34でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を行って、受信されたコンテンツを出力することができる(図8のステップS35)。
【0118】
また、実施例1と同様に、本体受信状況および外部受信状況のいずれにおいても受信可能と判定されない場合(図8のS34でNO、S36、図12のステップS71HでNO、S73)、当該受信機4へのコンテンツを受信できないので、放送範囲外になる受信機4では、配信サーバ12からのコンテンツを受信することを制限できる。
【0119】
また、実施例1と同様に、本体部22に接続されていない状態でのアンテナ部21による外部受信状況に基づいて受信可能と判定された場合(図8のステップS36、図12のステップS71HでYES、S72)、コンテンツが配信される(図9のステップS43)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツを受信することができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツを受信することができる。
【0120】
このように、実施例1と同様に、この情報配信システム1Aでは、放送の受信状況によりコンテンツ受信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを受信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが受信できないような不具合を防止することができる。
【0121】
また、情報配信システム1Aにおいては、上述した各効果に加えて、電源経過情報の有無を判定し、電源経過情報がある場合には、家屋内での移動など以外の不正に受信機4を移動させて受信状況を検出させた行為である可能性が生じるため、この電源経過情報が記憶された日時以降に記録された外部受信状況情報についてはコンテンツの受信を許可しない制御としたため、適切にコンテンツ受信可否判定をすることができる。
【0122】
なお、上記の実施例2における受信機4が実行する外部受信状況検出処理および外部受信状況登録処理は、実施例1における受信機4が実行する外部受信状況検出処理(図6)および外部受信状況登録処理(図7)と同様の方法をそれぞれ採用してもよい。
【実施例3】
【0123】
続いて、本発明の実施例3について説明する。本発明の実施例3では、受信機4の受信情報記憶部106に記憶されたIPアドレス情報を用いてコンテンツ受信可否判定を行う点が実施例1の処理と異なる。したがって、それ以外の各装置の機能、構成および動作は実施例1と同一であるため、図示および説明を省略する(なお、以下では、実施例3の情報配信システム全体を指すときには便宜上、情報配信システム1Bとする)。
【0124】
図13を参照して、実施例3における外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図13は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図13では、実施例1の図9に示す外部受信状況判定処理の詳細と異なる点のみを説明し、コンテンツ受信可否判定処理全体については実施例1の図8に示すコンテンツ受信可否判定処理と同一であるため、図示および説明を省略する。
【0125】
S71D:受信可否判定部113は、ステップS71の処理でコンテンツを受信可能と判定された場合には、受信機4に割り振られているIPアドレス、外部受信状況情報について受信情報記憶部106に記憶する。コンテンツ配信制御部71は、ステップS71Dの処理が完了すると、ステップS71Eの処理へ移行する。
【0126】
S71E:受信可否判定部113は、受信情報記憶部106を参照して、前回受信可能と判定した時点のIPアドレス情報と今回ステップS71で配信可能と判定されたIPアドレス情報を比較する。なお、前回受信可能と判定した時点のデータとは、たとえば、受信機4においてコンテンツ受信可否判定処理によりコンテンツ受信可能と判断した場合に当該判定時の時刻を受信可否判定情報DB114に関連付けて記憶しておき、今回の判定日時に一番近い日時に判定したデータを前回配信可能と判定したデータとみなすことができる。受信可否判定部113は、前回配信可能と判定したデータがそもそもない場合(ステップS71EでYES)は、判定対象がないため、配信可能と判定し、ステップS72へ処理を移行する。一方で、受信可否判定部113は、IPアドレスが一致しない場合には配信不可と判定し、ステップS71Fの処理へ移行する。なお、受信可否判定部113は、IPアドレスが一致しない場合においても、受信情報記憶部106に記憶されている外部受信信号レベルの数値が違っていたり、外部受信状況情報の計測された日時が異なっている場合には、その異なっている外部受信信号レベルのみで判定を行い、所定の受信レベル以上である場合にはコンテンツ配信可能と判定し、ステップS72の処理へ移行するようにしてもよい。
【0127】
S71F:受信可否判定部113は、ステップS71Dで受信情報記憶部106に記憶した今回のIPアドレス情報を削除する。受信可否判定部113は、ステップS71Fの処理が完了すると、ステップS73の処理へ移行する。
【0128】
以上説明したことから、情報配信システム1Bにおいて受信機4側でコンテンツ受信制御がなされる。すなわち、実施例1と同様に、少なくとも本体受信状況において受信可能と判定された場合(図8のステップS34でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を行って、受信されたコンテンツを出力することができる(図8のステップS35)。
【0129】
また、実施例1と同様に、本体受信状況および外部受信状況のいずれにおいても受信可能と判定されない場合(図8のS34でNO、S36、図13のステップS71EでNO、S73)、当該受信機4ではコンテンツを受信できないので、放送範囲外になる受信機4は、配信サーバ12からのコンテンツを受信することを制限することができる。
【0130】
また、実施例1と同様に、本体部22に接続されていない状態でのアンテナ部21による外部受信状況に基づいて受信可能と判定された場合(図8のステップS36、図13のステップS71EでYES、S72)、コンテンツが配信される(図13のステップS43)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツを受信することができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツを受信することができる。
【0131】
このように、この情報配信システム1Bでは、実施例1と同様に、放送の受信状況によりコンテンツ受信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを受信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが受信できないような不具合を防止することができる。
【0132】
また、実施例1と同様に、アンテナ部21の本体部22への再接続が所定時間内に行われなかった場合、コンテンツを受信できないので(図6のステップS7,S8)、不正使用を防止することができる。たとえば、ユーザは、本体部22の設置されている場所とは異なり地域であり、かつ本体部22との再接続に上記の所定時間以上かかるようなる地域にアンテナ部21を持っていき、そこで受信状況を検出しても、本体部22でコンテンツを受信することができない。
【0133】
また、情報配信システム1Bにおいては、上述した各効果に加えて、前回配信可能と判断されたときに当該受信機4に割り振られていたIPアドレスと、今回新たに配信可能と判断されたときに当該受信機4に割り振られていたIPアドレスとを比較して、一致していた場合にコンテンツ配信可能と判断するようにしている。これにより、受信機4が前回コンテンツ配信要求をしたときに設置されていた場所と同一の場所(または同一の環境)、またはほぼ同様の場所からコンテンツ受信要求をしていたものと判断し、コンテンツ受信が可能と判定することができる。
【0134】
なお、上記の実施例3における受信機4が実行する外部受信状況検出処理および外部受信状況登録処理は、実施例1における受信機4が実行する外部受信状況検出処理(図6)および外部受信状況登録処理(図7)と同様の方法をそれぞれ採用しているが、実施例2における受信機4が実行する外部受信状況検出処理(図10)および外部受信状況登録処理(図11)を採用するようにしてもよい。
【実施例4】
【0135】
続いて、本発明の実施例4について説明する。本発明の実施例4では、放送送信装置11の構成について実施例1と異なる。したがって、それ以外の各装置の機能、構成および動作は実施例1と同一であるため、図示および説明を省略する(なお、以下では、実施例4の情報配信システム全体を指すときには便宜上、情報配信システム1Cとする)。
【0136】
本発明の実施例4に係る放送局2がアナログ放送を送信する場合について図14を参照して説明する。図14は、本発明の実施例4に係る放送送信装置11Aの構成を示すブロック図である。なお、実施例4では、他の実施例と比べて放送送信装置11Aについてのみ差異があるため、放送送信装置11Aについてのみ説明する。なお、配信サーバ12と受信機4間で行われるコンテンツ配信要求制御処理については上述した実施例1〜実施例3のいずれの方式であってもよい。
【0137】
放送送信装置11Aは、制御部31Aと、サーバ通信部33Aを有し、制御部31Aは、放送音声信号出力部41A、タイミング制御部42A、放送素材取得部43A、多重化情報生成部44A、多重化部45A、を主要な構成要素としている。放送音声信号出力部41Aでは、すでに録音されている番組などの音声信号を出力する。タイミング制御部42Aは、後述する多重化情報を放送音声信号に対し、所定のタイミングで送出できるように制御する部分である。例えば、放送番組中である楽曲を放送している場合に、多重化情報としてその楽曲のアーティスト名や楽曲名などの楽曲情報の送出を行うようにしている。放送素材取得部43Aは、放送コンテンツ以外の放送コンテンツを作成する。たとえば、放送素材取得部43Aは、図示しないカメラやマイクから直接生成される信号(たとえば、生放送番組や生中継番組などの映像データ、音声データ)が入力されると、これらの放送コンテンツ用のデータ形式に変換してコンテンツデータとして作成し、多重化部45Aに供給する。多重化情報生成部44Aは、例えば、放送番組中である楽曲を放送している場合に、多重化情報としてその楽曲のアーティスト名や楽曲名などの楽曲情報を生成し、多重化部45Aに供給する。多重化部45Aは、放送音声信号に多重化情報を多重化して放送を行う。また多重化情報としてURLやP2Pの検索クエリ情報を有していてもよい。
【0138】
以上の構成による情報配信システム1Cは、配信サーバ12と受信機4間で行われるコンテンツ配信処理については上述した実施例1と同様であるので、実施例1の効果を奏することができる。なお、配信サーバ12と受信機4間で行われるコンテンツ配信処理については上述した実施例2または実施例3のいずれの方式を採用することで、上述した実施例2または実施例3の効果をそれぞれ奏することもできる。
【0139】
上述したように本発明の実施例1〜4を例示して説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲であって種々の変形や変更が可能である。たとえば、上述した各実施例では、放送局2の放送送信装置11からコンテンツをダウンロードするクライアントサーバ型のネットワーク方式を採用していたが、P2P型のネットワーク方式で行うようにしてもよい。この場合、放送局2の放送送信装置11に対するコンテンツの要求を検索クエリとして受信機4がIP通信網3を介してブロードキャスト送信すると共に、当該受信状況の判定結果情報も送信し、当該コンテンツを保有するピアの情報を伝え、当該ピアからコンテンツをダウンロードするようにしてもよい。
【0140】
また、上述した各実施例における受信機4のアンテナ部21は、本体部22から物理的にも分離できるように構成されているが、その他の変形例として、物理的に取り外せないアンテナ部21を有している受信機4と、当該受信機4とは別のアンテナ部21の機能を有する装置とで構成し、当該アンテナ部21の機能を有する装置での受信状況を物理的に取り外せないアンテナ部21を有している受信機4にUSB等で送信するようにしてもよい。その場合、物理的に取り外せないアンテナ部21で検出した受信状況を、上述した「本体受信状況情報」として扱うと共に、当該受信機4とは別のアンテナ部21の機能を有する装置で検出した受信状況を上述した「外部受信状況情報」として扱うようにする。
【0141】
また、上述した本体部22とアンテナ部21を有する受信機4は、必ずしも1セットの製品である必要はなく、本体部22の機能を備えた装置に対して、アンテナ部21が別売りであり、当該装置とアンテナ部21を組み合わせて受信機4を構成するようにしてもよい。または、本来上述した受信機4の機能を備えていない装置(たとえばPCなど)に本体部22の機能を実現するプログラムがインストールされ、当該インストールされたPCと別売りのアンテナ部21により上述の受信機4が構成されるようにしてもよい。
【0142】
また、上述した各実施例では、受信機4の本体受信状況情報により受信可能と判断されない場合に限り、外部受信状況情報を参照し、当該受信機4においてコンテンツの受信可否を判定していたが、この他にも受信機4の外部受信状況情報のみ、または受信機4の本体受信状況情報のみを参照するようにし、この外部受信状況情報のみ、または本体受信状況情報のみに基づいて当該受信機4においてコンテンツの受信可否を判定するようにしてもよい。
【0143】
また、上述した各実施例で説明した各部の機能すべてまたは一部をプログラムによって構成し、このプログラムを情報処理装置(コンピュータ)にインストールすることで各部を機能させる手段として実現してもよい。なお、このプログラムを実行する状態で記憶した媒体からコンピュータに直接インストールすることも可能であるが、ネットワーク経由で遠隔にあるコンピュータにインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1・・・情報配信システム、2・・・放送局、3・・・IP通信網(放送局からの放送波とは異なる通信媒体)、4・・・受信機(情報受信制御装置)、5・・・家庭用電源(電源)、6・・・表示装置、7・・・音声再生装置、11,11A・・・放送送信装置(放送局の一部)、12・・・配信サーバ(情報配信装置)、21A・・・アンテナ、21・・・アンテナ部、22・・・本体部、31,31A・・・制御部、32・・・記憶部、33,33A・・・サーバ通信部、41・・・コンテンツストリーム作成部、41A・・・放送音声信号出力部、42A・・・タイミング制御部、42・・・EPG情報作成部、43・・・データ放送作成部、43A・・・放送素材取得部、44A・・・多重化情報生成部、44・・・放送素材取得部、45A・・・多重化部、51・・・放送用コンテンツDB、52・・・放送スケジュールDB、53・・・データ放送用コンテンツDB、62・・・放送装置通信部、63・・・記憶部、64・・・通信制御部、71・・・コンテンツ配信制御部(コンテンツ配信手段)、72・・・コンテンツ作成部、82・・・配信コンテンツDB、83・・・周波数DB、91・・・チューナー、92・・・受信情報記憶部、93・・・バッテリ、94・・・操作入力部、95・・・受信状況検出部、96・・・制御部、97・・・タイマー、98・・・放送局テーブル、99・・・本体接続部、101・・・アンテナ接続部、102・・・復調部、105・・・通信制御部、106・・・受信情報記憶部、107・・・電源検出部、108・・・タイマー、109・・・操作入力部、110・・・主制御部(コンテンツ受信手段)、111・・・映像出力部、112・・・音声出力部、113・・・受信可否判定部(コンテンツ受信可否判定手段)、114・・・受信可否判定情報DB、
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報受信制御装置、情報受信制御方法、情報受信制御プログラム並びに情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送のコンテンツをインターネット経由で再送信する場合には、放送免許を取得している放送対象地域以外にも配信されてしまう可能性がある。したがって、放送対象地域内にのみ存在する移動体端末やTV、STB(Set Top Box)へ配信されるように、放送対象範囲について配信制御を行う必要がある。
【0003】
このような配信制御方法の1つとして、たとえば、送信されるコンテンツのIPデータのヘッダに含まれるTTL(Time To Live)値、つまり経由するルータのホップ数を放送対象地域毎に予め設定するものが提案されている(特許文献1参照)。このような設定でコンテンツを配信すると、当該IPデータに設定されたTTL値がゼロになると、転送途中経路にあるルータがIPデータを途中で破棄するため、インターネット経由であっても、コンテンツが放送対象地域以外に配信されないようにすることができる。すなわち、コンテンツが放送対象地域のみに送信することが可能となる。
【0004】
また、他の観点として、使用者が放送波を受信する地域に居住し、携帯できる受信機を有している場合に、特定の登録地域での受信許可を示す情報が記憶された記憶媒体を装着した受信機を用いるものが提案されている(特許文献2参照)。このような受信機は、正当な利用者であれば、登録地域外に滞在している場合であってもインターネット経由でコンテンツを受信することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−336022号公報
【特許文献2】特開2008−141429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、放送対象地域毎にTTL値を厳密に設定しなければ、放送対象地域内にのみ配信するように制御できないため、設定が煩雑となる。また、複数の通信事業者におけるルータがそれぞれ採用するルーティングプロトコルによっては、同一の放送対象地域内であっても、コンテンツが到着するまでの経路が異なることも考えられ、TTL値が必ずしも放送対象地域内にのみ到達できる値となっているか保証されるものではない。したがって、放送対象地域内であってもコンテンツが配信されない可能性や、放送対象地域外であってもコンテンツが配信される可能性があるため、IPデータのTTL値を利用した配信制御方法は、実現性や信頼性という観点から問題がある。
【0007】
また、特許文献2に開示される技術では、受信機に受信許可を示す情報が記憶された記憶媒体を必ず装着しなければならない。したがって、ユーザが仮に放送対象地域内で受信機を持っていたとしても、この記憶媒体を受信機に常に装着していないとコンテンツが配信されない。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、簡単に、放送対象範囲のコンテンツについて配信要求の制御を行うことができる情報受信制御装置、情報受信制御方法、情報受信制御プログラム並びに情報配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての情報受信制御装置は、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からコンテンツを受信可能な情報受信制御装置であって、本体部と、本体部に接続可能なアンテナ部と、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、を有する。
【0010】
また、本発明の一側面としての情報受信制御装置は、上述した構成に加えて、コンテンツ受信可否判定手段は、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況が計測された時から所定時間内に本体部に接続された場合に、当該計測時のデータを用いて放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定を行うことが好ましい。
【0011】
また、本発明の一側面としての情報受信制御装置は、上述したいずれかの構成に加えて、当該装置は電源に接続され、コンテンツ受信可否判定手段は、自装置が電源から外されてから所定時間以上経過して再度接続された場合には、当該所定時間経過後に計測して当該装置に記憶されたデータについては、放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定に用いないことが好ましい。
【0012】
また、上述した放送波とは異なる通信媒体はIP通信網であり、本発明の一側面としての情報受信制御装置は、上述したいずれかの構成に加えて、情報受信制御装置において、放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可したときに自装置に割り振られていたIPアドレスが記憶され、コンテンツ受信可否判定手段は、自装置に割り振られているIPアドレスが、過去にコンテンツ受信を許可したときに割り振られていたIPアドレスと同一である場合に、放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可することが好ましい。
【0013】
また、本発明の一側面としての情報受信制御方法は、本体部、本体部に接続可能なアンテナ部、コンテンツ受信可否判定手段、コンテンツ受信手段を有し、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能な情報受信制御装置が実行する情報受信制御方法であって、コンテンツ受信可否判定手段が、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するステップと、コンテンツ受信手段が、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するステップと、を含む。
【0014】
また、本発明の一側面としての情報受信制御プログラムは、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能であり、かつ本体部と、本体部に接続可能なアンテナ部と、を有するコンピュータであって、コンピュータを、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段、として機能させるためのものである。
【0015】
また、本発明の一側面としての情報配信システムは、放送局からの放送波の受信範囲内に放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置と、本体部と、本体部に接続可能なアンテナ部と、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送局からの放送波の受信状況と、アンテナ部が本体部に接続されている状態での放送局からの放送波の受信状況のうち、アンテナ部が本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上述したコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、を有する情報受信制御装置と、含むものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単に、放送対象範囲のコンテンツについて配信要求の制御を行うことができる情報受信制御装置、情報受信制御方法、情報受信制御プログラム並びに情報配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係る情報配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す放送局が有する放送送信装置と配信サーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す受信機の構成図である。
【図4】図3に示すアンテナ部の受信情報記憶部に記憶されているデータの一例である。
【図5】図3に示す本体部の受信情報記憶部に記憶されているデータの一例である。
【図6】図1に示す受信機のアンテナ部で実行される外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。
【図7】図6に示す処理で作成された外部受信状況情報を受信機の本体部の受信情報記憶部に登録する処理を示すフローチャートである。
【図8】図3に示す受信機が配信サーバに対して実行するコンテンツ配信要求処理を示すフローチャートである。
【図9】図8に示す外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例2に係る受信機の外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。
【図11】図10の処理でアンテナ部21に記憶された本体受信状況情報を本体部22に登録する処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例2における外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施例3における外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施例4に係る放送送信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を挙げて説明する。しかしながら、本発明は、以下の各実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
本発明の実施例1に係る情報配信システム1について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る情報配信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、情報配信システム1は、放送局2、IP通信網3、および受信機4から構成されている。この情報配信システム1では、受信機4が、放送局2からの放送波の受信強度に基づいて放送局2が放送するコンテンツと同一のコンテンツ、または関連するコンテンツの配信可否を判定し、受信強度が所定のレベル以上である場合に、IP通信網3を介してこれらのコンテンツの配信要求をおこなうものである。なお、図1には、1個の放送局2と受信機4が図示されているが、実際には、それぞれ複数個存在している。
【0020】
放送局2は、放送送信装置11と、配信サーバ12とを有している。放送送信装置11は、放送番組、データ放送、EPG(Electric Program Guide)情報などの放送コンテンツを放送波に乗せて送出する。配信サーバ12は、受信機4に対して、放送送信装置11が送出する放送コンテンツ若しくは当該放送コンテンツに関するコンテンツ、または当該放送コンテンツとは関係なく独自に制作したコンテンツを、IP通信網3を介して配信する。
【0021】
IP通信網3は、放送局2と受信機4間における、放送波による放送とは異なる他の通信媒体である。なお、このIP通信網3は、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを利用したインターネット、CATV、専用線、VPN(仮想LAN)、WANなどのいずれか、もしくはそれらの組み合わせたネットワークで構成されている。また、他の通信媒体としては、IP通信網3以外の他の通信プロトコルを利用したネットワークとしてもよい。
【0022】
受信機4は、実施例1の場合、家庭で利用される端末であり、家庭用電源5に接続されて用いられる。受信機4は、放送局2からの放送波をアンテナで受信し、受信した放送波に重畳される放送コンテンツの出力を行う。また、受信機4は、IP通信網3を経由して配信サーバ12より配信されるコンテンツの受信可否判定を自ら行い、受信可能である場合には当該コンテンツを受信する。受信機4は、アンテナ部21と本体部22を有して構成される。実施例1のアンテナ部21は、本体部22に対して専用ケーブルにより接続されており、当該専用ケーブルで本体部22と相互接続している状態における放送局2からの放送波の受信状況(当該状況を本体受信状況とする)、および本体部22に接続していない状態における放送局2からの放送波の受信状況(当該状況を外部受信状況とする)をそれぞれ計測することができる。
【0023】
なお、実施例1のアンテナ部21と本体部22の接続関係は、有線により接続する構成を採用しているが、無線で相互通信できるように構成されてもよい。ここで、無線通信における「アンテナ部21が本体部22に接続されている状態」とは、たとえばBlueTooth(登録商標)、WiFiなどの通信接続方法で相互通信可能な範囲内にアンテナ部21と本体部22の両方が存在する位置関係にある状態で、相互通信可能に設定されている場合をいい、「アンテナ部21が本体部22に接続されていない状態」とは、相互通信が不可能な位置関係にある状態か、もしくは相互通信が可能な位置関係にあるものの、相互通信可能に設定されていない場合を含む。なお、受信機4は、たとえばTV放送やラジオ放送の受信装置であり、録画機能、録音機能を有していてもよい。また、受信機4は、家庭で利用される端末に限らず、携帯可能な端末、車に搭載される端末であってもよい。
【0024】
この情報配信システム1では、受信機4が、自装置における放送波の受信強度に基づいて放送受信可能エリアの範囲内にあるものかを判定し、そのエリア内にある場合、配信サーバ12からのコンテンツ受信を許可する。ここで、たとえば本体部22とアンテナ部21が接続された状態において、当該受信機4が置かれている家屋内において放送波の受信感度をアンテナ部21で計測した情報(以後、当該情報を本体受信状況情報とする)から受信環境がよくないときは、ユーザは受信機4を介して放送を視聴することができないとともに、IP通信網3を介して配信されるコンテンツも視聴することができない。
【0025】
そこで、この情報配信システム1では、アンテナ部21が本体部22から取り外し可能となっており、取り外されて他の場所へ持ち出されたアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)により受信感度を計測した情報(当該情報を外部受信状況情報とする)から受信環境が良好であれば、所定時間内にアンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの出力を受信することができる。たとえば、受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外されたアンテナ部21を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、所定の時間内に、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツの受信を許可することができる。
【0026】
図2は、図1に示す放送局2が有する放送送信装置11と配信サーバ12の構成例を示すブロック図である。
【0027】
(放送送信装置11の構成)
まず、放送送信装置11について説明する。放送送信装置11は、この例においては、地上デジタル放送を想定し、その放送スケジュールに沿って放送番組用のコンテンツをストリームデータとして送出する。また、放送送信装置11は、放送波にデータ放送、EPG(Electronic Program Guide)情報を放送波に重畳して送出することができる。なお、放送送信装置11は、請求項の放送局の一例に相当する。
【0028】
図2に示すように、放送送信装置11は、制御部31、記憶部32、サーバ通信部33から構成される。ここで、制御部31は、不図示のハードウェア資源であるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Randam Acess Memory)、ROM(Read Only Memory)などから構成され、当該CPUがROMに格納されている各種プログラムをRAMに読み出して協働して実行することによりコンテンツストリーム作成部41、EPG情報作成部42、データ放送作成部43、放送素材取得部44、MUX部45の各機能を実現している。また、記憶部32には、放送用コンテンツデータベース(Data Base)51、放送スケジュールDB52、データ放送用コンテンツDB53が記憶されており、当該記憶部32は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。サーバ通信部33は、配信サーバ12との通信を行う通信インタフェースである。
【0029】
コンテンツストリーム作成部41は、放送用コンテンツDB51を参照して放送用コンテンツを作成する。なお、本実施例において、放送用コンテンツは、MPEG2−TS(Motion Photographic Codeing Experts Groupe−2 Transport Stream)規格に準拠して符号化及び多重化されているトランスポートストリーム(TS)として説明する。MPEG2−TS規格では、伝送されるコンテンツの映像及び音声などは、符号化されたES(Elementary Stream)として生成され、ESを意味のある単位毎にパケット化されたPES(Packetized Elementary Stream)が生成される。更に、PESを分割したTS(Transport Stream)パケットが、放送送信装置11から伝送される。
【0030】
また、コンテンツストリーム作成部41が各TSパケットのヘッダにPIDと呼ばれる13ビットのパケット識別子を付与することにより、各TSパケットが、放送用コンテンツの映像データ、音声データ、制御データなどのいずれかに分類することができる。また、ここでいう制御データとは、SI/PSI(Service Information/Program Specific Information)と呼ばれるデータを指している。SI/PSIのSIは、EPG情報を作成するために必要な情報などを含み、PSIは、基本的な制御をするための情報を含む制御データのことである。なお、TSパケットには、放送送信装置11の意図に反する視聴を防止するための暗号化処理(以下、「スクランブル処理」という)が施されていてもよい。ここで、スクランブル処理の方式としてたとえば、Multi2を使用することができる。このMulti2は、デジタルデータを暗号化する方式の一つであり、BSデジタル放送や地上デジタル放送などでも広く採用されている。
【0031】
EPG情報作成部42は、放送スケジュールDB52を参照してEPG情報を作成する。
【0032】
データ放送作成部43は、データ放送用コンテンツDB53から例えば天気予報や番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報を作成し、これらの情報をあわせてMUX部45に供給する。
【0033】
放送素材取得部44は、放送用コンテンツDB51に格納されている放送コンテンツ以外の放送コンテンツを作成する。たとえば、放送素材取得部44は、図示しないカメラやマイクから直接生成される信号(たとえば、生放送番組や生中継番組などの映像データ、音声データ)が入力されると、これらの放送コンテンツ用のデータ形式に変換してコンテンツデータとして作成し、MUX部45に供給する。
【0034】
MUX部45は、コンテンツストリーム作成部41が放送用コンテンツDB51を参照して作成したコンテンツデータ、または放送素材取得部44により作成されたコンテンツデータと、EPG情報作成部42が放送スケジュールDB52を参照して作成したEPG情報と、データ放送作成部43がデータ放送用コンテンツDB53を参照して作成したデータ放送番組データとを多重化して放送データを生成する。そして、当該放送データは、放送送信装置11の不図示のアンテナから放送波として送出される。なお、これら放送データは、サーバ通信部33を介して、専用回線などで配信サーバ12にも送信される。
【0035】
放送用コンテンツDB51には、放送用コンテンツの元になる放送番組情報が記憶されている。放送スケジュールDB52には、放送送信装置11が放送する放送番組の放送スケジュール情報が記憶されている。なお、放送スケジュールDB52には、他の放送局2の放送スケジュール情報が記憶されていてもよい。データ放送用コンテンツDB53には、天気予報や放送番組に関連した情報などのデータ放送に関連する情報が記憶されている。なお、データ放送用コンテンツDB53には、上記の情報以外にも、放送番組に関係する配信サーバ12が提供するURL(Uniform Resource Locator)情報やP2P(Peer to Peer)方式で利用できる検索クエリ情報が記憶されていてもよい。なお、データ放送に関連する情報も、上述した放送用コンテンツと同様にMPEG2−TS規格に準拠して符号化及び多重化されている。
【0036】
このように放送送信装置11は、放送用コンテンツDB51から放送スケジュールに沿ってコンテンツのストリームデータを放送番組として送出する。また、予め記憶されたコンテンツが放送されるような番組ではない生放送番組や生中継番組については、図示しないカメラやマイクの信号が放送素材取得部44に入力され、放送スケジュールDB52からEPG情報と共に放送データに多重化することができる。
【0037】
(配信サーバ12の構成)
続いて、配信サーバ12の構成について説明する。図2に示すように、配信サーバ12は、制御部96、放送装置通信部62、記憶部63、IP通信制御部64とから構成される。ここで、制御部96は、不図示のハードウェア資源であるCPU、RAM、ROMなどから構成され、当該CPUがROMに格納されている各種プログラムをRAMに読み出して協働して実行することによりコンテンツ配信制御部71、コンテンツ作成部72の各機能を実現している。放送装置通信部62は、放送送信装置11のサーバ通信部33からのコンテンツを受信する通信インタフェースである。記憶部63には、配信コンテンツDB82、周波数DB83が記憶されており、当該記憶部63は、たとえばHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。IP通信制御部64は、IP通信網3経由で受信機4との通信を行う通信インタフェースである。
【0038】
コンテンツ配信制御部71は、受信機4の機器ID情報などにより機器認証等を行った上で、受信機4からのコンテンツ配信要求に応じてコンテンツの配信を行う。なお、コンテンツ配信制御部71は、受信機4から要求されるコンテンツが、エリア限定であるか否かに関わらず、コンテンツを配信する。
【0039】
コンテンツ作成部72は、コンテンツ配信制御部71により配信を行う受信機4に対して配信すべきコンテンツを生成する。たとえばコンテンツ作成部72は、配信するコンテンツを配信コンテンツDB82から読み出す。なお、受信機4に対して配信するコンテンツは、受信機4が要求するコンテンツでもよいし、当該番組に連動するコンテンツを生成するようにしてもよい。コンテンツ作成部72は、特定のコンテンツを受信機4が要求した場合はその要求されたコンテンツを生成するようにし、それ以外では番組連動型のコンテンツを自動で生成し、送信するようにしてもよい。
【0040】
配信コンテンツDB82には、放送送信装置11のMUX部45から専用回線を経て送信されてきた放送データが記憶されている。また、配信コンテンツDB82に記憶されているコンテンツは、当該放送データに関連する番組連動型のコンテンツや放送終了後にも配信できるコンテンツ(リアルタイムに拘らないで配信可能なコンテンツ)、また前述したエリア限定のものではないコンテンツなども記憶されている。
【0041】
周波数DB83には、地域ごとに受信可能な放送局2の周波数や名称などが記憶されている。なお、配信サーバ12は、受信機4からの取得要求により、指定された地域が放送範囲と推定される放送局リストとなるデータを、周波数DB83を参照することで生成し、生成されたデータを提供することができる。
【0042】
このように、配信サーバ12は、コンテンツ配信要求をしてきた受信機4に対して、放送送信装置11で提供する放送コンテンツ、当該放送コンテンツに関するコンテンツ、その他のコンテンツをIP通信網3経由で配信する。
【0043】
(受信機4の構成)
続いて、受信機4の構成について説明する。図3は、図1に示す受信機4の構成図である。受信機4は、アンテナ部21、本体部22を主要な構成要素としている。アンテナ部21は、本体部22に対して専用ケーブルにより接続されており、このアンテナ部21をたとえばユーザが屋外に持ち出すことにより、受信状況が屋内より良好な状況で放送局2の放送波を受信することができる。
【0044】
図3に示すように、アンテナ部21は、チューナー91、受信情報記憶部92、バッテリ93、操作入力部94、受信状況検出部95、制御部96、タイマー97、放送局テーブル98、本体接続部99を主要な構成要素としている。ここで、制御部96は、CPUなどの中央処理演算装置などで構成され、アンテナ部21全体を制御する。また、上述した受信情報記憶部92、放送局テーブル98は、不図示の記憶部に記憶されており、当該記憶部は、たとえば、ROM、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0045】
チューナー91は、アンテナ21Aを介して放送送信装置11からの放送波を受信し、受信信号を本体部22に供給する。また、チューナー91は、放送送信装置11からの放送波の受信状況(例えば受信電界強度)を制御部96へ供給する。
【0046】
受信情報記憶部92は、アンテナ部21で受信された各放送局2の受信状況が記憶される記憶部位である。
【0047】
図4は、図3に示すアンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されているデータの一例である。図4に示すように、受信情報記憶部92には、「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」などの欄が設けられている。
【0048】
「放送種別」の欄(以下、単に「放送種別」と称する。他の欄においても同様である)には、FM、AM、地デジ、BS、CSなどの放送種別が格納される。「外部受信信号レベル」には、外部における受信信号レベルとして、当該受信機4のアンテナ部21が本体部22に接続されていない状態で、当該アンテナ部21で計測したときの放送局2毎の受信信号レベルを示す数値(単位は、dB)が格納されている。「外部受信信号レベル計測日時」には、当該「外部受信信号レベル」を計測された日時情報が格納されている。なお、同一の「放送種別」および「放送周波数」で特定される放送局2について受信検出処理が複数回なされた場合には、それまでに記憶されている「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の情報は上書きされる。ただし、複数回なされた場合に、当該回数分または所定回数分の記憶領域を設けて、それぞれが記憶されるようにしてもよい。なお、受信情報記憶部92には、上述の「放送種別」に加えて「放送局名」が記憶されていてもよい。その場合、「放送局名」には、放送局名として、各放送局2の名称を示す情報が格納される。
【0049】
図3に戻りバッテリ93は、アンテナ部21に電力を供給するための電源供給手段である。
【0050】
操作入力部94は、ユーザからの操作を受け付ける入力手段である。たとえば、ユーザが現在位置情報を入力する際に用いられ、郵便番号などを入力することができる。制御部96は、操作入力部94から入力された郵便番号に基づいて周波数DB83を参照し、当該地域に対応する周波数テーブルを特定することができる。また、ユーザがアンテナ部21を屋外に持ち出して受信状況を登録したい場合に受信状況登録要求を入力する際に用いられる。
【0051】
受信状況検出部95は、制御部96からの受信状況検出指示により、放送局2の放送送信装置11から送出される放送波の受信状況を検出する。たとえば、受信状況検出部95は、電界受信強度信号を生成できる電界受信強度信号生成回路(不図示)などから構成され、当該生成回路から得られる値が主制御部110に出力されるようにする。当該生成回路としては、たとえば公知のRSSI(Receive Signal Strength Indication)回路を備えさせ、当該RSSI回路から電界受信強度信号を得られるようにすることができる。なお、電界受信強度が検出できればどのような回路であってもよい。上述した電界受信強度信号生成回路から得られる電界受信強度信号を用いることで放送波の受信状況を検出することができる。
【0052】
タイマー97は、放送局2の受信状況の判別開始、または当該判定が終了してから、本体部22に接続されるまでの時間を計時する際に用いられる。制御部96は、タイマー97により、受信状況を検出してから所定時間を越えてからアンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを判定することができる。当該判定により、ユーザの不正により配信サーバ12からのコンテンツを取得できないようにすることができる。
【0053】
放送局テーブル98は、郵便番号などで特定される地域ごとに受信可能な放送局2の放送周波数情報、各放送周波数において受信可能とされる電界受信強度の所定値(所定レベルの値)、当該放送局2の放送局名などの情報から構成される。制御部96は、操作入力部94から入力された郵便番号情報に基づいて、放送局テーブル98を参照し、当該地域に対応する放送局2の放送周波数情報および当該放送周波数において受信可能とされる電界受信強度の所定レベルの値を特定することができる。アンテナ部21の制御部96は、放送局テーブル98を参照して特定された放送局2の放送周波数情報等を用いることで、チューナー91によるチューニング処理をよりはやく処理させることができる。また、本体部22の受信可否判定部113は、放送局テーブル98を参照して特定された放送局2の周波数において受信可能とされる電界受信強度の値と計測した値を比較することで、当該放送周波数に対応する放送局2から受信可能であるか否かを判定させることができる。なお、放送局テーブル98は、アンテナ部21のみではなく、本体部22にも備えられていてもよい。また、放送局テーブル98に含まれる上述の情報は、配信サーバ12の周波数DB83に問い合せることにより受信機4の受信情報記憶部に記憶するようにしても良い。
【0054】
本体接続部99は、後述する本体部22にアンテナ部21を接続するインタフェースである。主制御部110は、本体部22にアンテナ部21が本体接続部99を介して接続された状態で受信状況を計測した場合には、当該計測情報を「本体受信状況情報」として処理し、本体部22にアンテナ部21が本体接続部99を介して接続されていない状態で受信状況を計測した場合には、当該計測情報を「外部受信状況情報」として処理する。
【0055】
続いて、本体部22について説明する。本体部22は、アンテナ接続部101、復調部102、ROM103、RAM104、通信制御部105、受信情報記憶部106、電源検出部107、タイマー108、操作入力部109、主制御部110、映像出力部111、音声出力部112、受信可否判定部113および受信可否判定情報DB114を主要な構成要素としている。ここで、主制御部110は、CPUなどの中央処理演算装置などで構成され、本体部22および上述したアンテナ部21を含めた受信機4全体を制御する。また、上述した受信情報記憶部106および受信可否判定情報DB114に格納されている情報は、不図示の記憶部に記憶されており、当該記憶部は、たとえば、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記憶装置から構成される。
【0056】
アンテナ接続部101は、アンテナ部21と接続するインタフェースである。主制御部110は、アンテナ部21が本体部22に接続された状態で、受信状況を検出した場合には、当該受信状況を本体受信状況として処理する。
【0057】
復調部102は、チューナー91からの受信情報をもとに受信信号を復調し、それぞれの信号をデコードする。ROM103には、プログラムや固定データが記憶され、主制御部110から適宜読み出される。RAM104は、主制御部110が演算処理中にデータを一時的に記憶するのに用いられる。通信制御部105は、IP通信網3を介して放送局2の配信サーバ12と通信を行う通信インタフェースである。
【0058】
受信情報記憶部106には、アンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されているデータが送信されてきた場合には、当該データ(図4)が記憶される。またその他に、アンテナ部21が本体部22に接続されている状態で放送局2の受信状況を計測した時の本体受信信号レベル、受信機4に割り振られているIPアドレス、機器ID、電源経過情報などの情報が記憶される。
【0059】
図5は、図3に示す本体部22の受信情報記憶部106に記憶されているデータの一例である。図5に示すように、受信情報記憶部106には「機器ID」、「放送種別」、「放送周波数」、「本体受信信号レベル」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」、「電源経過情報」、「電源経過日時」、「IPアドレス」の欄が設けられている。なお、図5に示す「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の各データは、図4に示した受信情報記憶部92に格納されている「放送種別」、「放送周波数」、「外部受信信号レベル」、「外部受信信号レベル計測日時」の各データとそれぞれ同様であるため、これらの説明は省略する。なお、受信情報記憶部106には、上述の受信情報記憶部92と同様に、上述の「放送種別」に加えて「放送局名」が記憶されていてもよい。その場合、「放送局名」には、放送局名として、各放送局2の名称を示す情報が格納される。
【0060】
「機器ID」の欄には、当該受信機4の機器IDとして、受信機4を一意に識別できる識別番号情報が格納されている。この識別番号情報は、たとえば配信サーバ12へコンテンツ配信要求をする際の機器認証処理などに用いられる。「本体受信信号レベル」には、本体受信信号レベルとして、当該受信機4のアンテナ部21が本体部22に接続されている状態で計測されたときの放送局2毎の受信信号レベルを示す数値(単位は、dB)が格納されている。「電源経過情報」には、電源経過情報として、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間経過したか否かを判定するフラグが格納されている。この「電源経過情報」の欄には、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間経過している場合には「1」が格納され、経過していない場合には「0」が格納される。「電源経過日時」には、電源経過日時として、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間が経過した日時が記憶されている。ここで、受信機4が家庭用電源5から外されてから所定時間とは、家の中で当該受信機4の移動などを想定しており、当該受信機4を持って他の場所で取り付けられることがないように、たとえば、15分〜30分程度の間で設定されることが好ましく、電源が外されてからこの時間が経過した日時が記憶される。「IPアドレス」には、IPアドレスとして、当該受信機4に付与されているIPアドレス情報が格納されている。
【0061】
なお、主制御部110は、アンテナ部21の受信情報記憶部92に記憶されている「外部受信信号レベル」については、受信情報記憶部106に記憶しないようにしてもよい。
【0062】
電源検出部107は、家庭用電源5に接続されているか否かを検出する。タイマー108は、受信機4が家庭用電源5から外されてから経過した時間を計時する際に用いられる。主制御部110は、電源検出部107からの検出信号に基づいてタイマー108で計時を行い、家庭用電源5から切断されてから所定時間経過したか否かを判別する。主制御部110は、所定時間経過したと判定された場合、その情報(判定フラグの「1」)を受信情報記憶部106に記憶する。
【0063】
操作入力部109は、ユーザから入力を受け付け、主制御部110にユーザの指示を伝える。なお、操作入力部109は、たとえば、リモコンやタッチパネルであるが、音声入力などであってもよい。
【0064】
映像出力部111は、主制御部110から送られてきた表示情報を表示信号に変換し、表示装置6に表示する。表示装置6は、たとえば、ディスプレイ、テレビである。なお、受信機4が表示装置6を備えていてもよい。
【0065】
音声出力部112は、主制御部110からの音声データを音声信号に変換し、音声再生装置7で再生する。音声再生装置7は、たとえば、スピーカである。受信機4が音声再生装置7を備えていてもよい。
【0066】
受信可否判定部113は、受信機4における本体受信状況情報および外部受信状況情報から当該コンテンツの受信可否を判定する。具体的には、受信可否判定部113は、受信機4が当該放送局2の放送範囲内である(受信感度が所定のレベル以上である)と判定できれば、配信サーバ12からのコンテンツを受信可能と判定する。なお、受信機4から要求されるコンテンツが、エリア限定のものではない場合は、受信機4が当該放送局2の受信可能エリアであるか否かにかかわらず、コンテンツを受信可能と判定する。なお、受信可否判定部113のコンテンツ受信可否判定処理の詳細は後述する。
【0067】
受信可否判定情報DB114は、受信機4がコンテンツを受信可能か否かについての過去の情報を有するDBである。したがって、受信機4(受信可否判定部113)は、受信機4の受信情報記憶部に記憶されている情報に基づいて受信可否を判定する他に、当該情報を受信可否判定情報DB114に蓄積し、過去に記憶された情報を参照することにより、当該受信機4における受信可否を判定することもできる。
【0068】
(受信機の外部受信状況検出処理)
続いて、図6を参照し、受信機4の外部受信状況検出処理について説明する。図6は、受信機4のアンテナ部21が実行する外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。なお、以下のフローチャートでは、アンテナ部21は受信機4の本体部22から取り外されている状態(アンテナ部21と本体部22は接続されていない状態)となっている。
【0069】
START:アンテナ部21の制御部96は、外部受信状況の登録要求を操作入力部94から受けると以下の処理を開始する。なお、外部受信状況の登録要求は、たとえば、ユーザがアンテナ部21の操作入力部94から外部受信状況を検出したい旨をボタン操作などで入力することで発生させることができる。
【0070】
S1:制御部96は、操作入力部94から指定地域の入力(例えば郵便番号の入力)があるか否かを判別する。制御部96は、指定地域の入力がある場合(ステップS1でYES)には、ステップS2の処理へ移行し、入力がない場合(ステップS1でNO)にはステップ3の処理へ移行する。
【0071】
S2:制御部96は、指定された地域で受信できる各周波数を放送局テーブル98から読み出すとともに、読み出された周波数情報に基づくチューニング処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95はチューナー91により当該放送局2へのチューニング処理を実行する。制御部96は、ステップS2の処理が完了すると、ステップS4の処理へ移行する。
【0072】
S3:制御部96は、オートシーク処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95は、チューナー91により所定の周波数間隔で電界受信強度をそれぞれチェックしていいく処理を実行する。制御部96は、ステップS3の処理が完了すると、ステップS4の処理へ移行する。
【0073】
S4:制御部96は、ステップS2でのチューニング処理、またはステップS3でのオートシーク処理によって得られた各放送周波数と当該放送周波数における外部受信状況(この例の場合、受信電界強度を示す情報)を対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92(図3)に放送種別および放送周波数とともに、それらにより特定される外部受信信号レベルを、それぞれ対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。すなわち放送局2毎に、放送種別、放送周波数、および外部受信信号レベル(以下、これらの情報を「外部受信状況情報」とする)が受信情報記憶部92に記憶される。制御部96は、ステップS4の処理が完了すると、ステップS5の処理へ移行する。
【0074】
S5:制御部96は、タイマー97の計時を開始する。制御部96は、ステップS5の処理が完了すると、ステップS6の処理へ移行する。
【0075】
S6:制御部96は、タイマー97の計時を開始してから所定時間経過したか否かを判別する。ここで、所定時間とはたとえば10分、15分などが設定されるが、ユーザが受信機4からアンテナ部21を屋外に持ち出して当該処理を開始してから本体部22と再接続するまでの時間を考慮して適宜設定されることが好ましい。なお、タイマー97の計時開始時点は、本体部22から取り外されてからとしてもよい。制御部96は、計測して所定時間を経過した場合(ステップS6でYES)には、ステップS7の処理へ移行し、経過していない場合(ステップS6でNO)にはステップS9の処理へ移行する。
【0076】
S7:制御部96は、受信情報記憶部92に記憶されている外部受信状況情報を削除する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に記憶されている「外部受信信号レベル」の情報を削除する。なお、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に記憶されている「外部受信信号レベル」の情報が複数記憶されている場合には、すべて削除することが好ましい。制御部96は、ステップS7の処理が完了すると、ステップS8の処理へ移行する。
【0077】
S8:制御部96は、「外部受信信号レベル」の情報が削除された旨を表示装置6に表示し、処理を終了する(END)。なお、「外部受信信号レベル」の情報が削除された旨は、アンテナ部21が本体部22に再接続された後に、当該受信機4が接続されている表示装置6に表示されるようにしてもよい。
【0078】
S9:制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを検出する。制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたと検出された場合(ステップS9でYES)には、ステップS10の処理へ移行し、接続されていないと検出された場合(ステップS9でNO)には、ステップS6の処理へ移行する。
【0079】
S10:制御部96は、本体部22に外部受信状況情報を送信する。すなわちアンテナ部21が本体部22に接続されている状態から接続されていない状態となった時点から所定の時間内に本体部22に再度接続された場合、本体部22に外部受信状況情報は本体部22に送信される。その後、制御部96は、当該処理を終了する(END)。
【0080】
(受信機4の外部受信状況情報登録処理)
続いて、図7を参照しながら、図6に示す処理で作成された外部受信状況情報を受信機4の本体部22の受信情報記憶部106に登録する処理について説明する。図7は、この外部受信状況情報登録処理を示すフローチャートである。
【0081】
START:本体部22の主制御部110は、アンテナ部21が接続されると、以下の処理を開始する。
【0082】
S21:主制御部110は、アンテナ部21から送信されてきた外部受信状況情報(図6のステップS10)の受信有無を判定する。主制御部110は、外部受信状況情報を受信した場合(ステップS21でYES)には、ステップS22の処理へ移行し、外部受信状況情報を受信しない場合(ステップS21でNO)には、外部受信状況情報登録処理を終了する(END)。
【0083】
S22:主制御部110は、アンテナ部21から送信されてきた外部受信状況情報を受信情報記憶部106(図3)に記憶し、外部受信状況情報登録処理を終了する(END)。
【0084】
(コンテンツ受信可否判定処理)
続いて、図8を参照し、受信機4が配信サーバ12に対して実行するコンテンツ受信可否判定処理について説明する。図8は、このコンテンツ受信可否判定処理を示すフローチャートである。
【0085】
START:本体部22の主制御部110は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求があると以下の処理を開始する。たとえば、放送波で受信している番組をIP通信網3経由で視聴したい場合などにユーザが操作入力部94を操作すると、当該コンテンツ配信要求が発生する。
【0086】
ステップS31:主制御部110は、ユーザからのコンテンツ受信要求があった放送局2からコンテンツを放送波で受信中であるか否かを検出する。主制御部110は、放送局2からコンテンツを放送波で受信中でない場合には(ステップS31でNO)、ステップS32の処理へ移行し、放送波で受信中である場合には(ステップS31でYES)、ステップS33の処理へ移行する。
【0087】
ステップS32:主制御部110は、コンテンツ受信要求があった放送局2の放送波を受信する。具体的には、主制御部110は、当該放送局2の放送波の周波数情報について放送局テーブル98を参照して特定し、特定された放送周波数情報に基づくチューニング処理を受信状況検出部95に実行させる。実行依頼を受けた受信状況検出部95は、チューナー91により当該放送局2の放送周波数へのチューニング処理を実行する。主制御部110は、ステップS32の処理が完了すると、ステップS33の処理へ移行する。
【0088】
ステップS33:主制御部110は、当該放送局2からの放送受信状況を検出する。主制御部110は、このステップS33の処理により検出された当該放送局2の本体受信状況情報(本体受信信号レベル)を受信情報記憶部106に記憶する。なお、当該放送局2の本体受信状況情報が既に受信情報記憶部106に記憶されている場合には上書きをする。主制御部110は、ステップS33の処理が完了すると、ステップS34の処理へ移行する。
【0089】
ステップS34:主制御部110は、ステップS33の処理によって検出された放送受信状況からコンテンツ受信が可能であるか否かを受信可否判定部113に判定させる。受信可否判定部113は、受信情報記憶部106に記憶されている本体受信状況情報に基づいて、放送局テーブル98を参照してコンテンツが受信可能であるか否かを判定する。具体的には、放送局テーブル98に記憶されている受信可能とされる放送周波数に関連付けられている電界受信強度の所定レベルの値と比較して、当該放送周波数の本体受信信号レベルが所定レベル以上の値である場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信してよいと判定し、所定レベル未満の値の場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信できないと判定する。主制御部110は、受信可否判定部113の判定がコンテンツ受信可能であると判定された場合には(ステップS34でYES)、ステップS35の処理へ移行し、コンテンツ受信不可能であると判定された場合には(ステップS34でNO)には、ステップS36の処理へ移行する。
【0090】
ステップS35:主制御部110は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を送信し、IP通信網3を介してコンテンツを受信する。そして、主制御部110は、復調部102、並びに映像出力部111および/または音声出力部112を制御して、受信したコンテンツを映像や音声の出力データとして出力させる。映像出力部111は、出力されたコンテンツを表示装置6に表示し、音声出力部112は、出力されたコンテンツを音声再生装置7で再生し、処理を終了する(END)。
【0091】
ステップS36:主制御部110は、受信機4の外部受信状況からコンテンツ受信可否の判定処理(外部受信状況判定処理)を行う。なお、外部受信状況判定処理の詳細は後述する。主制御部110は、ステップS36の処理が完了すると、ステップS37の処理へ移行する。
【0092】
ステップS37:主制御部110は、ステップS36の外部受信状況判定処理の判定からコンテンツの受信が可能であるか否かの判定を行う。主制御部110は、ステップS36の外部受信状況判定処理の判定からコンテンツの受信が可能であると判定された場合には(ステップS37でYES)、ステップS35の処理へ移行し、受信が不可能であると判定した場合には(ステップS37でNO)、ステップS38の処理へ移行する。
【0093】
ステップS38:主制御部110は、受信できない旨の表示を表示装置6に出力して処理を終了する(END)。
【0094】
(外部受信状況判定処理)
続いて、図9を参照し、図8のステップS36に示した受信機4の外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図9は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0095】
S71:受信機4の主制御部110は、受信可否判定部113に受信機4の外部受信状況からコンテンツ配信可否の判定処理を行わせる。受信可否判定部113は、受信情報記憶部106に記憶されている外部受信状況情報に基づいて、放送局テーブル98を参照してコンテンツが受信可能であるか否かを判定する。具体的には、放送局テーブル98に記憶されている受信可能とされる放送周波数に関連付けられている電界受信強度の所定レベルの値と比較して、当該放送周波数の外部受信信号レベルが所定レベル以上の値である場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信してよいと判定し、所定レベル未満の値の場合には、IP通信網3を経由してコンテンツを受信できないと判定する。受信可否判定部113は、受信可能であると判定した場合(ステップS71でYES)には、S72の処理へ移行し、受信不可能であると判定した場合(ステップS71でNO)にはS73の処理へ移行する。なお、放送局2の放送波が受信可能なレベルにあるか否かを判定するために、BER(ビットエラーレート)の値を用いるようにしてもよい。その場合には、受信機4において、BERを検出できる回路を備えさせると共に、放送局テーブル98に受信可能なBERの値を記憶させておく必要がある。
【0096】
S72:受信可否判定部113は、当該受信機4へのコンテンツ受信が可能と判定し、当該判定結果を主制御部110に通知する。主制御部110は、当該通知を受けると、図8のステップS37の処理へ移行する(RETURN)。
【0097】
S73:受信可否判定部113は、当該受信機4へのコンテンツ受信が不可能と判定し、当該判定結果を主制御部110に通知する。主制御部110は、当該通知を受けると図8のステップS37の処理へ移行する(RETURN)。
【0098】
以上説明したことから、情報配信システム1において受信機4側でコンテンツ受信制御がなされる。すなわち、少なくとも本体受信状況において受信可能と判定された場合(図8のステップS34でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を行って、受信されたコンテンツを出力することができる(図8のステップS35)。
【0099】
また、本体受信状況および外部受信状況のいずれにおいても受信可能と判定されない場合(図8のS34でNO、S36、図9のステップS71でNO、S73)、当該受信機4へのコンテンツを受信できないので、放送範囲外になる受信機4は、配信サーバ12からコンテンツを受信することを制限できる。
【0100】
また、以上のように、本体部22に接続されていない状態でのアンテナ部21による外部受信状況に基づいて受信可能と判定された場合(図8のステップS36、図9のステップS71でYES、S72)、コンテンツが配信サーバ12より配信される(図9のステップS43)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツを受信することができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツを受信することができる。
【0101】
このように、この情報配信システム1では、放送の受信状況によりコンテンツ受信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを受信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが受信できないような不具合を防止することができる。
【0102】
また、アンテナ部21の本体部22への再接続が所定時間内に行われなかった場合、コンテンツを受信できないので(図6のステップS7,S8)、不正使用を防止することができる。たとえば、ユーザは、本体部22の設置されている場所とは異なり地域であり、かつ本体部22との再接続に上記の所定時間以上かかるようなる地域にアンテナ部21を持っていき、そこで受信状況を検出しても、本体部22でコンテンツを受信することができない。
【実施例2】
【0103】
続いて、本発明の実施例2について説明する。本発明の実施例2では、実施例1の図6に相当する処理において、アンテナ部21の本体部22への再接続が所定時間内に行われなかった場合に外部受信状況情報を削除するための処理(図6のステップS5〜ステップS8に相当する処理)を実行しない点と、図7に相当する処理において、受信機4の本体部22が、アンテナ部21から送信されてくる外部受信状況の計測日時と本体部22にアンテナ部が接続された日時を考慮して記憶する点と、コンテンツ受信可否判定処理において、受信機4の受信情報記憶部106に記憶された電源経過情報を用いてコンテンツ受信可否判定を行う点が、実施例1の処理と異なる。したがって、それ以外の各装置の機能、構成および動作は実施例1と同一であるため、図示および説明を省略する(なお、以下では、実施例2の情報配信システム全体を指すときには便宜上、情報配信システム1Aとする)。
【0104】
(外部受信状況検出処理)
図10を参照して、実施例2の外部受信状況検出処理について説明する。図10は、この外部受信状況検出処理を示すフローチャートである。なお、図6に示した実施例1のアンテナ部21と同じ処理については、同じステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0105】
S2A:制御部96は、ステップS1の判定において指定地域の入力があると判定した場合には、その地域で受信できる各周波数を読み出し、それぞれの受信状況、及び現在日時を検出する。具体的には、制御部96は、指定された地域で受信できる各周波数を放送局テーブル98から読み出し、読み出された周波数情報に基づいて、チューニング処理を受信状況検出部95に実行させると共に、当該処理を行った現在日時を取得する。なお、現在日時は、受信機4が内蔵している不図示の時計機構、またはIP通信網3経由でNTPサーバなどから取得することができる。制御部96は、ステップS2Aの処理が完了すると、ステップS4Aの処理へ移行する。
【0106】
S3A:制御部96は、ステップS1の判定において指定地域の入力がないと判定した場合には、各放送種別について、オートシーク処理を行うとともに現在時刻を検出する。具体的には、制御部96は、オートシーク処理を受信状況検出部95に実行させると共に、当該処理を行った現在日時を取得する。制御部96は、ステップS3Aの処理が完了すると、ステップS4Aの処理へ移行する。
【0107】
S4A:制御部96は、ステップS2AまたはステップS3Aの処理により得られた各周波数、当該周波数における受信状況、現在日時を対応付けて受信情報記憶部92に記憶する。具体的には、制御部96は、受信情報記憶部92に「放送種別」および「放送周波数」により特定される放送局2毎に「外部受信信号レベル」の情報および「外部受信信号レベル計測日時」の情報を記憶する。制御部96は、ステップS4Aの処理が完了すると、ステップS5Aの処理へ移行する。
【0108】
S5A:制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたか否かを検出する。制御部96は、アンテナ部21が本体部22に接続されたと検出された場合(ステップS5AでYES)には、ステップS6Aの処理へ移行し、接続されていない場合(ステップS5AでNO)には、接続を検出するまでステップS5Aの判定処理を続ける。
【0109】
S6A:制御部96は、本体部22に外部受信状況情報を送信する。すなわちアンテナ部21から本体部22に外部受信状況情報が送信される。その後、制御部96は、当該処理を終了する(END)。
【0110】
(外部受信状況登録処理)
続いて、図11を参照して、アンテナ部21に記憶された本体受信状況情報を本体部22に登録する処理について説明する。図11は、この外部受信状況情報登録処理を示すフローチャートである。なお、図7に示した実施例1のアンテナ部21と同じ処理については、同じステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0111】
S21A:主制御部110は、外部受信状況を計測したときの時刻データとアンテナ部21が本体部22に接続された日時を比較し、所定時間経過しているか否かを判定する。ここで、所定時間とはたとえば10分、15分などの値が設定されるが、ユーザがアンテナ部21を屋外に持ち出して当該処理を開始してから本体部22と再接続するまでの時間を考慮して適宜設定されることが好ましい。主制御部110は、外部受信状況を計測したときの時刻データとアンテナ部21が本体部22に接続された日時とを比較し、所定時間経過していない場合(ステップS21AでYES)には、ステップS22Bの処理へ移行し、所定時間経過している場合(ステップS21AでNO)には、ステップS22Aの処理へ移行する。
【0112】
S22A:主制御部110は、アンテナ部21の外部受信状況を受信情報記憶部106に記憶しないで、処理を終了する(END)。
【0113】
S22B:主制御部110は、アンテナ部21の外部受信状況を受信情報記憶部106に記憶して、処理を終了する(END)。
【0114】
(外部受信状況判定処理)
続いて、図12を参照して、実施例2における外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図12は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図12では、実施例1の図9に示す外部受信状況判定処理の詳細と異なる点のみを説明し、コンテンツ受信可否判定処理全体については実施例1の図8に示すコンテンツ受信可否判定処理と同一であるため、図示および説明を省略する。
【0115】
S71G:受信可否判定部113は、ステップS71の処理でコンテンツを受信可能と判定された場合には、当該判定時における電源経過情報を受信情報記憶部106に記憶する。受信可否判定部113は、ステップS71Gの処理が完了すると、ステップS71Hの処理へ移行する。
【0116】
S71H:受信可否判定部113は、受信情報記憶部106を参照して、当該受信機4の電源経過情報からコンテンツ受信可能に該当するか否かを判定する。受信可否判定部113は、受信情報記憶部106を参照して、当該受信機4に関連するデータを探索し、当該受信機4の電源経過情報が「0」の場合またはブランクデータの場合(ステップS71HでYES)には、「受信可能」と判定し、電源経過情報が「1」である場合には、電源経過情報の記憶された日時と外部受信状況が計測された日時とを更に比較する。そして、コンテンツ配信制御部71は、外部受信状況が計測された日時が新しい場合(ステップS71HでYES)には、ステップS72の処理へ移行して「受信可能」に該当すると判定し、電源経過情報の日時が新しい場合(ステップS71HでNO)にはステップS73の処理へ移行して「受信不可」に該当すると判定する。なお、電源経過情報が複数ある場合は、受信情報記憶部106に記憶されている電源経過日時が最新のものとの比較を行う。
【0117】
以上に説明したことから、実施例2の情報配信システム1Aにおいて受信機4側でコンテンツ受信制御がなされる。すなわち、実施例1と同様に、少なくとも本体受信状況において受信可能と判定された場合(図8のステップS34でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を行って、受信されたコンテンツを出力することができる(図8のステップS35)。
【0118】
また、実施例1と同様に、本体受信状況および外部受信状況のいずれにおいても受信可能と判定されない場合(図8のS34でNO、S36、図12のステップS71HでNO、S73)、当該受信機4へのコンテンツを受信できないので、放送範囲外になる受信機4では、配信サーバ12からのコンテンツを受信することを制限できる。
【0119】
また、実施例1と同様に、本体部22に接続されていない状態でのアンテナ部21による外部受信状況に基づいて受信可能と判定された場合(図8のステップS36、図12のステップS71HでYES、S72)、コンテンツが配信される(図9のステップS43)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツを受信することができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツを受信することができる。
【0120】
このように、実施例1と同様に、この情報配信システム1Aでは、放送の受信状況によりコンテンツ受信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを受信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが受信できないような不具合を防止することができる。
【0121】
また、情報配信システム1Aにおいては、上述した各効果に加えて、電源経過情報の有無を判定し、電源経過情報がある場合には、家屋内での移動など以外の不正に受信機4を移動させて受信状況を検出させた行為である可能性が生じるため、この電源経過情報が記憶された日時以降に記録された外部受信状況情報についてはコンテンツの受信を許可しない制御としたため、適切にコンテンツ受信可否判定をすることができる。
【0122】
なお、上記の実施例2における受信機4が実行する外部受信状況検出処理および外部受信状況登録処理は、実施例1における受信機4が実行する外部受信状況検出処理(図6)および外部受信状況登録処理(図7)と同様の方法をそれぞれ採用してもよい。
【実施例3】
【0123】
続いて、本発明の実施例3について説明する。本発明の実施例3では、受信機4の受信情報記憶部106に記憶されたIPアドレス情報を用いてコンテンツ受信可否判定を行う点が実施例1の処理と異なる。したがって、それ以外の各装置の機能、構成および動作は実施例1と同一であるため、図示および説明を省略する(なお、以下では、実施例3の情報配信システム全体を指すときには便宜上、情報配信システム1Bとする)。
【0124】
図13を参照して、実施例3における外部受信状況判定処理の詳細について説明する。図13は、この外部受信状況判定処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図13では、実施例1の図9に示す外部受信状況判定処理の詳細と異なる点のみを説明し、コンテンツ受信可否判定処理全体については実施例1の図8に示すコンテンツ受信可否判定処理と同一であるため、図示および説明を省略する。
【0125】
S71D:受信可否判定部113は、ステップS71の処理でコンテンツを受信可能と判定された場合には、受信機4に割り振られているIPアドレス、外部受信状況情報について受信情報記憶部106に記憶する。コンテンツ配信制御部71は、ステップS71Dの処理が完了すると、ステップS71Eの処理へ移行する。
【0126】
S71E:受信可否判定部113は、受信情報記憶部106を参照して、前回受信可能と判定した時点のIPアドレス情報と今回ステップS71で配信可能と判定されたIPアドレス情報を比較する。なお、前回受信可能と判定した時点のデータとは、たとえば、受信機4においてコンテンツ受信可否判定処理によりコンテンツ受信可能と判断した場合に当該判定時の時刻を受信可否判定情報DB114に関連付けて記憶しておき、今回の判定日時に一番近い日時に判定したデータを前回配信可能と判定したデータとみなすことができる。受信可否判定部113は、前回配信可能と判定したデータがそもそもない場合(ステップS71EでYES)は、判定対象がないため、配信可能と判定し、ステップS72へ処理を移行する。一方で、受信可否判定部113は、IPアドレスが一致しない場合には配信不可と判定し、ステップS71Fの処理へ移行する。なお、受信可否判定部113は、IPアドレスが一致しない場合においても、受信情報記憶部106に記憶されている外部受信信号レベルの数値が違っていたり、外部受信状況情報の計測された日時が異なっている場合には、その異なっている外部受信信号レベルのみで判定を行い、所定の受信レベル以上である場合にはコンテンツ配信可能と判定し、ステップS72の処理へ移行するようにしてもよい。
【0127】
S71F:受信可否判定部113は、ステップS71Dで受信情報記憶部106に記憶した今回のIPアドレス情報を削除する。受信可否判定部113は、ステップS71Fの処理が完了すると、ステップS73の処理へ移行する。
【0128】
以上説明したことから、情報配信システム1Bにおいて受信機4側でコンテンツ受信制御がなされる。すなわち、実施例1と同様に、少なくとも本体受信状況において受信可能と判定された場合(図8のステップS34でYES)、放送波が受信可能な範囲にある受信機4は、配信サーバ12に対してコンテンツ受信要求を行って、受信されたコンテンツを出力することができる(図8のステップS35)。
【0129】
また、実施例1と同様に、本体受信状況および外部受信状況のいずれにおいても受信可能と判定されない場合(図8のS34でNO、S36、図13のステップS71EでNO、S73)、当該受信機4ではコンテンツを受信できないので、放送範囲外になる受信機4は、配信サーバ12からのコンテンツを受信することを制限することができる。
【0130】
また、実施例1と同様に、本体部22に接続されていない状態でのアンテナ部21による外部受信状況に基づいて受信可能と判定された場合(図8のステップS36、図13のステップS71EでYES、S72)、コンテンツが配信される(図13のステップS43)。すなわち、たとえば受信機4の本体部22が置かれている家屋内では放送の受信環境がよくない場合、本体部22から取り外したアンテナ部21(本体部22に接続されていない状態のアンテナ部21)を屋外に持ち出し、アンテナ部21による放送の受信状況が良好であれば、その後、アンテナ部21を本体部22に再び取り付けることにより、本体部22でコンテンツを受信することができる。また、たとえば家のレイアウト変更等におり、受信機4が放送を受信しにくい環境におかれる場合でも、アンテナ部21を受信状況が良好な場所に持ち出せば、同様に、本体部22でコンテンツを受信することができる。
【0131】
このように、この情報配信システム1Bでは、実施例1と同様に、放送の受信状況によりコンテンツ受信の地域が制限される一方で、放送が受信しにくい環境の場合でも、適切にコンテンツを受信することができる。すなわち、アンテナ部21に記憶された外部受信状況情報を本体部22に記憶することで、たとえば、受信機4の設置場所によっては受信状況が好ましくなく、本来は放送対処地域であるのに、受信状況が悪くて、IP通信網3経由でコンテンツが受信できないような不具合を防止することができる。
【0132】
また、実施例1と同様に、アンテナ部21の本体部22への再接続が所定時間内に行われなかった場合、コンテンツを受信できないので(図6のステップS7,S8)、不正使用を防止することができる。たとえば、ユーザは、本体部22の設置されている場所とは異なり地域であり、かつ本体部22との再接続に上記の所定時間以上かかるようなる地域にアンテナ部21を持っていき、そこで受信状況を検出しても、本体部22でコンテンツを受信することができない。
【0133】
また、情報配信システム1Bにおいては、上述した各効果に加えて、前回配信可能と判断されたときに当該受信機4に割り振られていたIPアドレスと、今回新たに配信可能と判断されたときに当該受信機4に割り振られていたIPアドレスとを比較して、一致していた場合にコンテンツ配信可能と判断するようにしている。これにより、受信機4が前回コンテンツ配信要求をしたときに設置されていた場所と同一の場所(または同一の環境)、またはほぼ同様の場所からコンテンツ受信要求をしていたものと判断し、コンテンツ受信が可能と判定することができる。
【0134】
なお、上記の実施例3における受信機4が実行する外部受信状況検出処理および外部受信状況登録処理は、実施例1における受信機4が実行する外部受信状況検出処理(図6)および外部受信状況登録処理(図7)と同様の方法をそれぞれ採用しているが、実施例2における受信機4が実行する外部受信状況検出処理(図10)および外部受信状況登録処理(図11)を採用するようにしてもよい。
【実施例4】
【0135】
続いて、本発明の実施例4について説明する。本発明の実施例4では、放送送信装置11の構成について実施例1と異なる。したがって、それ以外の各装置の機能、構成および動作は実施例1と同一であるため、図示および説明を省略する(なお、以下では、実施例4の情報配信システム全体を指すときには便宜上、情報配信システム1Cとする)。
【0136】
本発明の実施例4に係る放送局2がアナログ放送を送信する場合について図14を参照して説明する。図14は、本発明の実施例4に係る放送送信装置11Aの構成を示すブロック図である。なお、実施例4では、他の実施例と比べて放送送信装置11Aについてのみ差異があるため、放送送信装置11Aについてのみ説明する。なお、配信サーバ12と受信機4間で行われるコンテンツ配信要求制御処理については上述した実施例1〜実施例3のいずれの方式であってもよい。
【0137】
放送送信装置11Aは、制御部31Aと、サーバ通信部33Aを有し、制御部31Aは、放送音声信号出力部41A、タイミング制御部42A、放送素材取得部43A、多重化情報生成部44A、多重化部45A、を主要な構成要素としている。放送音声信号出力部41Aでは、すでに録音されている番組などの音声信号を出力する。タイミング制御部42Aは、後述する多重化情報を放送音声信号に対し、所定のタイミングで送出できるように制御する部分である。例えば、放送番組中である楽曲を放送している場合に、多重化情報としてその楽曲のアーティスト名や楽曲名などの楽曲情報の送出を行うようにしている。放送素材取得部43Aは、放送コンテンツ以外の放送コンテンツを作成する。たとえば、放送素材取得部43Aは、図示しないカメラやマイクから直接生成される信号(たとえば、生放送番組や生中継番組などの映像データ、音声データ)が入力されると、これらの放送コンテンツ用のデータ形式に変換してコンテンツデータとして作成し、多重化部45Aに供給する。多重化情報生成部44Aは、例えば、放送番組中である楽曲を放送している場合に、多重化情報としてその楽曲のアーティスト名や楽曲名などの楽曲情報を生成し、多重化部45Aに供給する。多重化部45Aは、放送音声信号に多重化情報を多重化して放送を行う。また多重化情報としてURLやP2Pの検索クエリ情報を有していてもよい。
【0138】
以上の構成による情報配信システム1Cは、配信サーバ12と受信機4間で行われるコンテンツ配信処理については上述した実施例1と同様であるので、実施例1の効果を奏することができる。なお、配信サーバ12と受信機4間で行われるコンテンツ配信処理については上述した実施例2または実施例3のいずれの方式を採用することで、上述した実施例2または実施例3の効果をそれぞれ奏することもできる。
【0139】
上述したように本発明の実施例1〜4を例示して説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲であって種々の変形や変更が可能である。たとえば、上述した各実施例では、放送局2の放送送信装置11からコンテンツをダウンロードするクライアントサーバ型のネットワーク方式を採用していたが、P2P型のネットワーク方式で行うようにしてもよい。この場合、放送局2の放送送信装置11に対するコンテンツの要求を検索クエリとして受信機4がIP通信網3を介してブロードキャスト送信すると共に、当該受信状況の判定結果情報も送信し、当該コンテンツを保有するピアの情報を伝え、当該ピアからコンテンツをダウンロードするようにしてもよい。
【0140】
また、上述した各実施例における受信機4のアンテナ部21は、本体部22から物理的にも分離できるように構成されているが、その他の変形例として、物理的に取り外せないアンテナ部21を有している受信機4と、当該受信機4とは別のアンテナ部21の機能を有する装置とで構成し、当該アンテナ部21の機能を有する装置での受信状況を物理的に取り外せないアンテナ部21を有している受信機4にUSB等で送信するようにしてもよい。その場合、物理的に取り外せないアンテナ部21で検出した受信状況を、上述した「本体受信状況情報」として扱うと共に、当該受信機4とは別のアンテナ部21の機能を有する装置で検出した受信状況を上述した「外部受信状況情報」として扱うようにする。
【0141】
また、上述した本体部22とアンテナ部21を有する受信機4は、必ずしも1セットの製品である必要はなく、本体部22の機能を備えた装置に対して、アンテナ部21が別売りであり、当該装置とアンテナ部21を組み合わせて受信機4を構成するようにしてもよい。または、本来上述した受信機4の機能を備えていない装置(たとえばPCなど)に本体部22の機能を実現するプログラムがインストールされ、当該インストールされたPCと別売りのアンテナ部21により上述の受信機4が構成されるようにしてもよい。
【0142】
また、上述した各実施例では、受信機4の本体受信状況情報により受信可能と判断されない場合に限り、外部受信状況情報を参照し、当該受信機4においてコンテンツの受信可否を判定していたが、この他にも受信機4の外部受信状況情報のみ、または受信機4の本体受信状況情報のみを参照するようにし、この外部受信状況情報のみ、または本体受信状況情報のみに基づいて当該受信機4においてコンテンツの受信可否を判定するようにしてもよい。
【0143】
また、上述した各実施例で説明した各部の機能すべてまたは一部をプログラムによって構成し、このプログラムを情報処理装置(コンピュータ)にインストールすることで各部を機能させる手段として実現してもよい。なお、このプログラムを実行する状態で記憶した媒体からコンピュータに直接インストールすることも可能であるが、ネットワーク経由で遠隔にあるコンピュータにインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1・・・情報配信システム、2・・・放送局、3・・・IP通信網(放送局からの放送波とは異なる通信媒体)、4・・・受信機(情報受信制御装置)、5・・・家庭用電源(電源)、6・・・表示装置、7・・・音声再生装置、11,11A・・・放送送信装置(放送局の一部)、12・・・配信サーバ(情報配信装置)、21A・・・アンテナ、21・・・アンテナ部、22・・・本体部、31,31A・・・制御部、32・・・記憶部、33,33A・・・サーバ通信部、41・・・コンテンツストリーム作成部、41A・・・放送音声信号出力部、42A・・・タイミング制御部、42・・・EPG情報作成部、43・・・データ放送作成部、43A・・・放送素材取得部、44A・・・多重化情報生成部、44・・・放送素材取得部、45A・・・多重化部、51・・・放送用コンテンツDB、52・・・放送スケジュールDB、53・・・データ放送用コンテンツDB、62・・・放送装置通信部、63・・・記憶部、64・・・通信制御部、71・・・コンテンツ配信制御部(コンテンツ配信手段)、72・・・コンテンツ作成部、82・・・配信コンテンツDB、83・・・周波数DB、91・・・チューナー、92・・・受信情報記憶部、93・・・バッテリ、94・・・操作入力部、95・・・受信状況検出部、96・・・制御部、97・・・タイマー、98・・・放送局テーブル、99・・・本体接続部、101・・・アンテナ接続部、102・・・復調部、105・・・通信制御部、106・・・受信情報記憶部、107・・・電源検出部、108・・・タイマー、109・・・操作入力部、110・・・主制御部(コンテンツ受信手段)、111・・・映像出力部、112・・・音声出力部、113・・・受信可否判定部(コンテンツ受信可否判定手段)、114・・・受信可否判定情報DB、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能な情報受信制御装置であって、
本体部と、
上記本体部に接続可能なアンテナ部と、
上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況のうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、
上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、
を有することを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報受信制御装置であって、
前記コンテンツ受信可否判定手段は、前記アンテナ部が前記本体部に接続されていない状態での前記放送局からの放送波の受信状況が計測された時から所定時間内に前記本体部に接続された場合に、当該計測時のデータを用いて前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定を行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報受信制御装置であって、
当該装置は電源に接続され、
前記コンテンツ受信可否判定手段は、自装置が上記電源から外されてから所定時間以上経過して再度接続された場合には、
当該所定時間経過後に計測して当該装置に記憶されたデータについては、前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定に用いないことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記放送波とは異なる通信媒体はIP通信網であり、
前記情報受信制御装置において、前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可したときに自装置に割り振られていたIPアドレスが記憶され、
前記コンテンツ受信可否判定手段は、
自装置に割り振られているIPアドレスが、過去にコンテンツ受信を許可したときに割り振られていたIPアドレスと同一である場合に、前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可することを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項5】
本体部、上記本体部に接続可能なアンテナ部、コンテンツ受信可否判定手段、コンテンツ受信手段を有し、放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能な情報受信制御装置が実行する情報受信制御方法であって、
上記コンテンツ受信可否判定手段が、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況のうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するステップと、
上記コンテンツ受信手段が、上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するステップと、
を含むことを特徴とする情報受信制御方法。
【請求項6】
放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能であり、かつ本体部と、上記本体部に接続可能なアンテナ部と、を有するコンピュータであって、
上記コンピュータを、
上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況のうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段、
上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段、
として機能させるための情報受信制御プログラム。
【請求項7】
放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置と、
本体部と、上記本体部に接続可能なアンテナ部と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況とのうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、を有する情報受信制御装置と、
を含むことを特徴とする情報配信システム。
【請求項1】
放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能な情報受信制御装置であって、
本体部と、
上記本体部に接続可能なアンテナ部と、
上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況のうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、
上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、
を有することを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報受信制御装置であって、
前記コンテンツ受信可否判定手段は、前記アンテナ部が前記本体部に接続されていない状態での前記放送局からの放送波の受信状況が計測された時から所定時間内に前記本体部に接続された場合に、当該計測時のデータを用いて前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定を行うことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報受信制御装置であって、
当該装置は電源に接続され、
前記コンテンツ受信可否判定手段は、自装置が上記電源から外されてから所定時間以上経過して再度接続された場合には、
当該所定時間経過後に計測して当該装置に記憶されたデータについては、前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否判定に用いないことを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報受信制御装置であって、
前記放送波とは異なる通信媒体はIP通信網であり、
前記情報受信制御装置において、前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可したときに自装置に割り振られていたIPアドレスが記憶され、
前記コンテンツ受信可否判定手段は、
自装置に割り振られているIPアドレスが、過去にコンテンツ受信を許可したときに割り振られていたIPアドレスと同一である場合に、前記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信を許可することを特徴とする情報受信制御装置。
【請求項5】
本体部、上記本体部に接続可能なアンテナ部、コンテンツ受信可否判定手段、コンテンツ受信手段を有し、放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能な情報受信制御装置が実行する情報受信制御方法であって、
上記コンテンツ受信可否判定手段が、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況のうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するステップと、
上記コンテンツ受信手段が、上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するステップと、
を含むことを特徴とする情報受信制御方法。
【請求項6】
放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置からこれらのコンテンツの受信が可能であり、かつ本体部と、上記本体部に接続可能なアンテナ部と、を有するコンピュータであって、
上記コンピュータを、
上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況のうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段、
上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段、
として機能させるための情報受信制御プログラム。
【請求項7】
放送局からの放送波の受信範囲内に上記放送波とは異なる通信媒体による通信手段によって上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの配信を行う情報配信装置と、
本体部と、上記本体部に接続可能なアンテナ部と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での上記放送局からの放送波の受信状況と、上記アンテナ部が上記本体部に接続されている状態での上記放送局からの放送波の受信状況とのうち、上記アンテナ部が上記本体部に接続されていない状態での放送波の受信状況、または両方の放送波の受信状況に基づいて、上記コンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツの受信可否を判定するコンテンツ受信可否判定手段と、上記コンテンツ受信可否判定手段の判定において受信可能と判定された場合に上記放送局からの放送波に重畳されているコンテンツと同一のコンテンツまたは関連するコンテンツを上記情報配信装置から受信するコンテンツ受信手段と、を有する情報受信制御装置と、
を含むことを特徴とする情報配信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−124874(P2011−124874A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282040(P2009−282040)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【特許番号】特許第4585032号(P4585032)
【特許公報発行日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【特許番号】特許第4585032号(P4585032)
【特許公報発行日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】
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