情報提供システム、および、通信端末
【課題】 リアルタイムで変化する正確な情報を一度に、かつ、確実に得ることを可能にする情報提供システム、および、通信端末を提供する。
【解決手段】 情報を提供するための携帯電話と接続するための無線基地局に関する情報を管理するとともに、前記携帯電話から要求される情報が属する位置を特定し、この位置が属するエリアの無線基地局を特定するシステムサーバ4と、システムサーバ4にて特定された無線基地局がカバーするエリアに存在する携帯電話と接続を確立するための交換機3と、前記接続が確立された携帯電話に、周辺の情報を要求するメッセージを含む電子メールを送信し、当該携帯電話より返信されてくる電子メールを受信するとともに、当該携帯電話より送られた情報を含む電子メールを当該情報を要求した携帯電話に送信するメールサーバ6と有する
【解決手段】 情報を提供するための携帯電話と接続するための無線基地局に関する情報を管理するとともに、前記携帯電話から要求される情報が属する位置を特定し、この位置が属するエリアの無線基地局を特定するシステムサーバ4と、システムサーバ4にて特定された無線基地局がカバーするエリアに存在する携帯電話と接続を確立するための交換機3と、前記接続が確立された携帯電話に、周辺の情報を要求するメッセージを含む電子メールを送信し、当該携帯電話より返信されてくる電子メールを受信するとともに、当該携帯電話より送られた情報を含む電子メールを当該情報を要求した携帯電話に送信するメールサーバ6と有する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに関し、特に所定の通信端末から送られる所定の地域の情報についての要求があったときに、対応する地域の情報を提供する情報提供システム、および通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CDMA(Code Division Multiple Access)方式の携帯電話システムや、またはPHSシステムを用いることにより携帯電話、もしくはPHSの所有者が現在位置付近における各種情報を取得することが行われている。またCDMA方式のうち、IS−95と呼称される方式に対応する携帯電話システムにおいては、携帯電話はGPSによる自己位置の取得が可能であり、これにより周辺の地図情報等、より狭く詳細な情報を前記所有者に提供できるようになっている。
【0003】
特許文献1には、各種情報を予めデータベースに蓄積しておき、通信端末の現在位置を特定して、この特定された位置に関連する情報をデータベースから検索し、得られた情報を通信端末に送信する情報配信に関する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、通信端末の位置を測定して各測定結果、通信端末、およびこの通信端末の所有者に関する個人情報を関係付けたデータベースを用意し、このデータベースに登録されたメンバーをある位置的範囲ごとにグループ分けして管理し、別の所有者がこの位置的範囲内に通信端末を持って入ったときに、この通信端末から一定の操作を行うことで当該通信端末もこの位置的範囲のグループに加わるとともに、この通信端末に同じグループに属する個人情報を提供し、またはこの位置的範囲を指定して相当するグループに属する個人情報を提供する移動体通信システムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−359162号公報
【特許文献2】特開2000−270358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された技術では、携帯電話の所有者が取得することができる情報は、予め蓄積された情報であって、リアルタイムで変化する情報、例えば観光地の混雑具合、道路混雑状況などには対応していない。
【0006】
また、特許文献2に記載された技術では、個人情報にリアルタイムで変化する情報を付加することでこのような情報を提供することが可能であるが、情報を所望する者は、所定のグループ内の通信端末に対して個々別々に連絡を取らなければならず、様々な角度からの情報を一度に得ることが困難である。
【0007】
そこで、本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、狭い地域での情報であって、特にリアルタイムで変化する正確な情報を一度に、かつ、確実に得ることを可能にする情報提供システム、および、通信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、通信端末から送られる所定のエリアの情報についての要求があったときにこのエリアの情報を前記通信端末に提供する、複数のエリアの無線基地局に接続する情報提供システムにおいて、前記複数のエリアの無線基地局の夫々について、その無線基地局に接続される通信端末の接続に関する情報を管理する接続情報管理手段と、前記所定のエリアの情報を要求した通信端末の位置を特定し、この位置が属するエリアを管理する無線基地局を、前記接続情報管理手段に基づいて特定する無線基地局特定手段と、この無線基地局特定手段によって特定された無線基地局がカバーするエリアに存在する通信端末と接続を確立する接続制御手段と、この接続制御手段によって接続が確立された通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信するメッセージ送信手段と、このメッセージ送信手段によって送信されたメッセージに応答して、前記接続が確立された通信端末より返信された情報を受信する情報受信手段と、この情報受信手段によって受信された情報を前記所定のエリアの情報を要求した通信端末へ送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接続制御手段によって接続が確立された通信端末に対し自己を識別するための識別データの返信を要求する要求手段を更に備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記周辺の情報を要求するメッセージの受信を許可するか否かの情報と前記識別データとを対応付けて記憶する端末情報記憶手段を更に備え、前記メッセージ送信手段は、接続制御手段によって接続が確立された通信端末のうち、前記端末情報記憶手段に受信許可の情報が記憶されている識別コードに対応する通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、通信端末において、位置情報を取得する位置情報取得手段と、この位置情報取得手段によって取得された位置情報を関連付けさせた各種データを記憶する記憶手段と、情報を要求するメッセージを受信する受信手段と、この受信手段によって受信されたメッセージに含まれる位置情報に基づいて、前記記憶手段より対応するデータを読み出す読出手段と、この読出手段によって読み出されたデータを添付したメッセージを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、撮像手段を更に備え、前記データとは、位置情報が関連付けられた静止画ファイルであることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、動画撮影手段を更に備え、前記データとは、位置情報が関連付けられた動画ファイルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、通信端末の所有者(利用者)は情報を所望するエリアを指定して、情報提供システムの運用者に当該情報を要求することで、リアルタイムで変化する正確な情報を一度に、かつ、確実に得ることが可能になる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、情報を提供する側の通信端末の所有者を特定することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、情報提供システムの運用者は、情報要求メッセージ送信時にメッセージの受信を許可している通信端末を事前に把握できるようになり、どの程度の返信メッセージを受け取れるのかを見積もることができるようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、情報提供システムより周辺の情報を要求するメッセージを受信し、携帯電話の所有者(利用者)がこのメッセージに対する情報内容を作成する場合、入力操作を簡単にすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の発明において、添付すべきファイルとして自端末で撮影した静止画ファイルを簡単に添付することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4の発明において、添付すべきファイルとして自端末で撮影した動画ファイルを簡単に添付することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を携帯電話システムに適用した場合について、その実施の携帯を図1から図14を参照して説明する。
【0021】
第1の実施形態
まず、第1の実施形態を図1から図9を用いて詳述する。
図1は本発明の実施の形態において共通するシステム構成図である。本実施形態の情報提供システムは、上記IS−95方式に代表されるCDMA方式を適用した携帯電話システムに適用されたものである。情報提供システムは、インターネット10および公衆回線網17を経由して、この情報提供システムの利用者(「携帯電話(11〜13、16)の所有者」という)が操作する外部の通信端末(図示せず)および無線基地局7〜9を介して携帯電話(通信端末)11〜13、16などと接続して通信する通信部1と、前記携帯電話11〜13、16に送信する情報を処理、管理する情報処理制御部2と、携帯電話11〜13、16が自己位置を取得するためのGPS衛星100とを備える。
【0022】
通信部1には、交換機3、携帯電話に関する情報を管理するシステムサーバ4、Webサーバ5、および、メールサーバ6が設けられている。
【0023】
システムサーバ4では、携帯電話11〜13、16からの端末識別情報より、これらの携帯電話が存在する位置が特定され、管理されている無線基地局に関する情報に基づいて、このエリアをカバーする無線基地局が特定されるようになっている。例えば、図1においては、GPS衛星100によって自己位置を取得した携帯電話16が存在する位置では、無線基地局7が特定され、地点Xであった場合には、この地点Xをカバーする無線基地局8,9が特定されるようになっている。
【0024】
また、システムサーバ4では、携帯電話11〜13、16に関する情報、例えばこれらの携帯電話を識別するための端末識別情報(識別データ)、所有者を特定する情報、ユーザID、電子メールアドレスなどと、携帯電話からの所定の地域周囲の情報を要求するメッセージ(「情報要求メッセージ」という)を含む電子メールの受信許可/不許可が関連付けて管理されるようになっていることが好ましい。
【0025】
交換機3は、無線基地局7〜9を経由して携帯電話11〜13、16との接続を確立するための接続制御手段として機能するものである。
この交換機3では、システムサーバ4で特定された無線基地局7〜9がカバーするエリアに存在する携帯電話11〜13、16との接続が確立されるようになっている。例えば、図1においては、システムサーバ4により特定された無線基地局7がカバーするエリアに存在する携帯電話として、携帯電話16が存在し、無線基地局8がカバーするエリア15に存在する携帯電話として、携帯電話12と13が存在し、無線基地局9がカバーするエリア14に存在する携帯電話として、携帯電話11、12が存在する。
【0026】
また、交換機3では、一旦接続が確立された携帯電話に対して、前記各携帯電話の端末識別情報を返信するよう要求する信号が送られるようになっている。このように、端末識別情報を要求するとともに、システムサーバ4にて当該端末識別情報を管理することで、接続が確立された携帯電話のうち、予め情報提供の意思を示した所有者の携帯電話の特定を行うことが可能になり、前記情報要求メッセージを含む電子メールをこの特定の携帯電話にのみ送信することができるようになる。
【0027】
メールサーバ6は、インターネット10または公衆回線網17を介して外部の携帯電話に対する電子メールの送受信、および無線基地局7〜9を介して接続が確立された携帯電話11〜13、16に対する電子メールの送受信を行う。
【0028】
このメールサーバ6では、前記外部の携帯電話から前記携帯電話への電子メール、前記携帯電話11〜13、16から前記外部の携帯電話への電子メール、および携帯電話11〜13、16同士の電子メール送受信が行われるようになっている。すなわち、送信元から送られる電子メールを一度受信して、指定された送信先に当該電子メールを送信するようになっている。
【0029】
なお、本実施形態では、メールサーバ6は、情報処理制御部2で作成される情報要求メッセージを含む電子メールを携帯電話11〜13に送信し、一方で携帯電話11〜136から提供された情報を、当該情報を所望した携帯電話16に送信するようになっている。なお、システムサーバ4で携帯電話11〜13、16に関する情報を管理し、かつ、交換機3より接続が確立された携帯電話11〜13、16に対して端末識別情報を返信するよう要求することにより、情報要求メッセージを含む電子メールを携帯電話11〜13に送信する際に、接続が確立され、かつ、この電子メールを受信する意思を示した所有者の携帯電話にのみ、当該電子メールを送信することができる。
【0030】
Webサーバ5は、携帯電話のインターネット10との接続制御を行うとともに、図示しないLAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)などの他のネットワークとの接続を管理するために機能するものである。
【0031】
情報処理制御部2は、携帯電話16から情報要求があったときに、例えば図6に示すような情報要求メッセージを含む電子メールを作成し、メールサーバ6に送るようになっている。また、携帯電話16から送られた情報に基づいて、当該情報を要求した携帯電話16宛ての返信メッセージを含む電子メールが作成され、メールサーバ6に送られるようになっている。この電子メールが携帯電話16に送信されることにより、情報の提供が行われる。このとき、情報提供者の携帯電話のアドレスなど、情報提供者を特定する情報が削除されるようになっている。
【0032】
携帯電話11〜13は、情報提供者が所有するものとする。所有者はメールサーバ6から送られる情報要求メッセージを含む電子メールに返信することで、周囲の情報を提供するようになっている。また、携帯電話11〜13、16は、交換機3からの端末識別情報要求に従って、予め割り当てられた端末識別情報を交換機3に送るようになっている。
【0033】
次に携帯電話11〜13、16の回路構成を図2に示す。携帯電話11〜13、16はいずれも撮像機能とこの撮像機能によって撮影された静止画、動画をメールに添付して送信する機能を有するものであり、夫々固有の情報(端末識別情報や、自己を呼び出すための電話番号、電子メールアドレス、W.W.W10に接続した際の認証情報)を除いては共通の回路構成であるので、ここでは、携帯電話11の回路構成について詳述する。
【0034】
同図において、無線部1102は、無線によりアンテナ1101を介して音声やデータ(メールデータ)を送受し変調/復調するなど、PSK方式に基づく変復調、CDMA方式に基づく端末認証処理を行う。入力部1110はテンキー、オフフックキー、オンフックキー、センターキー、カーソルキー、各種ファンクションキーを含むキーからなり、制御部1103へ所有者からの各種指示をコマンド信号に変換して出力する
【0035】
制御部1103は、WWW接続制御を含む当該携帯電話を制御する。また、カメラモードにおいて撮影された画像データを静止画像ならばJPEG圧縮して静止画ファイルを生成し、動画像ならばMPEG−4に準拠する符号化方式で画像、音声を圧縮処理し、動画ファイルを生成する。制御部1103は、CLEP系音声復号処理回路、パケットデータ生成回路、およびパケットデータ復元回路を含み、通信プロトコルに沿ったデータ処理、GPS衛星100より取得し、無線基地局7〜9を介して補正処理された自端末の位置情報の取得を含む通信処理を行う。
【0036】
システムROM1105は、当該携帯電話において、主に無線通信処理全般を制御するための基本システムプログラムや各種認証データを格納する。オーディオインターフェース1106は、通信データ処理部1104で処理される音声信号の入出力処理を行い、マイク1108または録音用マイク1109からの音声を入力して音声信号に変換して、音声信号をスピーカ1107から出力する。
【0037】
アドレスデータバス処理部1111は、周辺回路(点線枠)とのデータの入出力タイミング等を制御・管理する。RAM1112は、アドレス帳データ、メールデータ等、電話モードにて使用するデータや、カメラモードにて撮影された画像データを含む静止画ファイル、動画ファイル等、機器内で生成される各種データを記憶する。プログラムROM1113は、書換可能なFlash ROMで構成され、各種アプリケーションプログラムを格納する。
尚、自端末で撮影された静止画ファイル、動画ファイルについては、通信データ処理部1104にて取得された位置情報を格納するエリアを有する。
【0038】
図3は携帯電話11にて撮影された画像データを含む静止画ファイルのデータ構造を示す図である。同図において静止画ファイル200は、DCF(Exif)規格に沿ったデータ構造を有する。すなわちヘッダ201には、撮影され、JPEG圧縮処理された画像データのタイトル、カメラモジュールのメーカー名等を記憶する主画像情報記憶部と、
露出時間、レンズF値、ISO感度等の撮影情報を記憶する撮影情報記憶部と、通信データ処理部1104で取得された位置情報記憶部とが設定されている。また、サムネイル202には、主画像データ203を縮小し、画素数160×120の縮小画像データが設定される
【0039】
図4は携帯電話11にて撮影された動画像データを含む動画ファイルのデータ構造を示す図である。同図において動画ファイル300は、位置情報や著作権情報が設定される付属情報301、各種ヘッダ情報が設定されるファイル情報302、ストリームデータ303とからなる。
【0040】
図2に戻り、表示モジュール系ドライバ1117は、サブ表示部1118、メイン表示部1119、LED1120,1121を駆動させる。音源IC1114は、着信音などを生成する。AMP1115は、音源IC1114からの音声信号を増幅し、スピーカ1116から出力する。撮像デバイス1123は、CCD、若しくはCMOSで構成され、撮像レンズ1124により集束された映像をカラー画像として取り込む。DSP1122は、撮像デバイス1123にて取り込まれた画像を符号化処理する。
【0041】
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
図5は本実施形態の情報提供システムの作用を説明するためのフローチャートであり、図1に示す携帯電話16の所有者(不図示)が、エリア14、15にまたがる地点Xの情報を要求する電子メールを通信部1に送信し、この要求にしたがって、地点Xをカバーするエリア14、15に存在する携帯電話11〜13から情報の提供を要求する電子メールを送信し、返信された情報を携帯電話16へ送信する場合について、システムサーバ4側の処理を述べる。
【0042】
先ず所有者が自身の携帯電話16を操作して、システムサーバ4にアクセスすることにより、システムサーバ4からの指示で返信された画面40を表示させて、自己を特定するためのユーザIDおよび情報を所望する場所を特定するための情報を入力する。そして送信ボタン20に対応した入力部1110のキーを操作する。すると、入力された指示情報がシステムサーバ4を介してメールサーバ6に送られ、所有者からの情報要求が受信される(ステップS1)。
【0043】
図6は画面40の表示例を示したものであり、この入力画面40には、「あなたのユーザIDと情報を所望する場所を入力してください」という旨の入力を促すメッセージ、ユーザID入力窓18および場所入力窓19が設けられており、さらに入力内容を位置データ取出部3に送信するための送信ボタン20および入力内容をキャンセルするためのキャンセルボタン21が設けられている。そして、携帯電話16の所有者は、この入力画面40に任意の情報を入力し、メールサーバ6へ送信する。
【0044】
メールサーバ6では、携帯電話16からの情報要求をシステムサーバ4を介して受信し、また、システムサーバ4では、情報要求により地点Xに関する情報に基づいて、この場所をカバーする無線基地局8、9が特定される(ステップS2)。
【0045】
また、交換機3は、特定された無線基地局8、9を経由して、無線基地局8、9がそれぞれカバーするエリア14、15内に存在する携帯電話11〜13と接続を確立し(ステップS3)、この接続が確立された携帯電話11〜13に対して、それぞれの端末識別情報を返信するよう促す(ステップS4)。
【0046】
尚、このとき、携帯電話16は特定された無線基地局8,9のいずれも経由しないで接続が確立しているため、端末識別情報は送信しないものとする。
【0047】
携帯電話11〜13より返信された端末識別情報はシステムサーバ4に送られ、どの無線基地局を経由してどの携帯電話が接続を確立したか、すなわち地点Xに近い携帯電話がどれなのかが検出され、それぞれの携帯電話に関する情報、例えばユーザID、電子メールアドレスが特定される。
【0048】
情報処理制御部2では、情報要求メッセージが作成され(ステップS5)、システムサーバ4で特定された携帯電話12に関する情報に従って、メールサーバ6より該当する携帯電話11〜13に送信される(ステップS6)。
【0049】
そして、情報要求メッセージを受信した携帯電話11〜13では、情報要求メッセージにしたがってそのときの周辺の様子が入力される。例えば、図7では、天気入力ボタン23、気温入力ボタン24のそれぞれ該当するラジオボタン、情報入力窓25、送信ボタン26が表示される。そして、携帯電話12の所有者は地点Xの情報として「晴」の天気入力ボタン23をクリックし、「暑」の気温入力ボタン24をクリックし、さらに情報入力窓25に「○○イベントがあって普段よりも人出が多いみたいです。」と入力し、送信ボタン26を操作することにより、入力されたこれらの情報が返信メッセージとしてメールサーバ6に送られ、受信される(ステップS7)。
【0050】
携帯電話11〜13より送られたデータは、メールサーバ6から情報処理制御部2に送られて、情報処理制御部2では所定の情報表示画面、例えば図8に示したような情報画面28、図9に示したような画面33または図10に示したような画面35に相当する画像データが作成されて、この画像データがインターネット10を経由して携帯電話16に送られ(ステップS8)、本実施形態による情報提供は終了する。
【0051】
なおこのとき、情報処理制御部2では、携帯電話11〜13からの返信メッセージから送信元の携帯電話に関する情報を削除するようにする。
【0052】
携帯電話16では、図8に示したような返信メッセージを表示する情報画面28が表示され、携帯電話16の所有者は情報画面28の天気表示欄29、気温表示欄30、情報表示欄31を見て、内容を確認することができる。また、確認後は閉じるボタン32をクリックして、情報画面28を閉じることができる。なお、図4では、○○駅周辺では、晴れていて、暑く、あるイベントがあるので、普段よりも人出が多いという旨の返信メッセージが表示されている。
【0053】
また、携帯電話16にて、図5に示したような画面33が表示されるようにしてもよい。この場合、携帯電話16の所有者は表示一覧34から確認したいと思う情報に相当する部分をクリックすることで、図8に示した情報画面28に画面を切り替えることができる。また、図10に示したような画面35が表示されるようにしてもよい。この場合、携帯電話16の所有者は件名一覧37からメッセージ表示された部分をクリックすることで、図8に示した画面33に画面を切り替えることができ、さらに画面33の表示一覧34から所定の部分をクリックすることで情報画面28を表示させることができる。
【0054】
このように本実施形態によれば、携帯電話16の所有者は情報を所望する地域、例えば地点Xを指定して、情報提供システムの運用者が運用する通信部2に当該情報を要求することで、特にリアルタイムで変化する正確な情報を一度に、かつ、確実に得ることが可能になる。
【0055】
また、交換機3より接続が確立された各携帯電話、図1においては携帯電話11〜13に対して、各携帯電話の端末識別情報を要求することで、返信された端末識別情報に基づいて、情報提供システムの運用者は、どの携帯電話と接続を確立しているのかを知ることが可能になる。これにより、情報提供時に取り込んだ端末識別情報に基づいて、当該情報を提供する側の携帯電話の所有者を特定して、この所有者に対して情報を提供することによる点数加算などを行い、この点数を、例えば通話料の割引といったサービスに反映させることが可能になる。したがって、携帯電話の所有者に積極的な情報の提供を促すことができるようになるため、情報提供システムの運用者は情報を集めやすくなり、携帯電話の所有者(利用者)への情報の提供が容易になる。
【0056】
また、情報提供側の携帯電話からの返信メッセージから送信元の携帯電話に関する情報を削除してから、この返信メッセージの内容を送信することにより、情報提供側の個人情報の安全性を高めることができ、さらに積極的な情報の提供を望むことが可能になる。
【0057】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について図11を用いて詳述する。
本実施形態では、図1に示した情報提供システム1が用いられ、携帯電話16の所有者が情報を所望する地点Xを指定すると、エリア14、15をカバーする無線基地局8、9が特定されて、交換機3からの接続が確立される携帯電話11〜13のうち、特定された無線基地局の全てと個別に接続が確立される携帯電話12に対してのみ、メールサーバ6から図7に示したような情報要求メッセージを含む電子メールを送信するようになっている以外は、第1の実施形態と同様である。
【0058】
次に第2の実施形態の作用について説明する。
図11は第2の実施形態の情報提供システムの作用を説明するためのフローチャートである。
【0059】
携帯電話16の所有者は図6に示したような画面40に従って所定の入力を行い送信ボタン20に対応した入力部1110のキーを操作する。この操作により作成された、例えば地点Xに関する情報の要求がシステムサーバ4を介してメールサーバ6で受信され(ステップS11)、またシステムサーバ4にて該当無線基地局である無線基地局8、9が特定され(ステップS12)、交換機3にて特定された無線基地局がカバーするエリア14,15内に存在する携帯電話11〜13との接続が確立し(ステップS13)、接続が確立した携帯電話に対して端末識別情報が要求される(ステップS14)。
【0060】
ここで、システムサーバ4では、システムサーバ4で特定された複数の無線基地局の全てを経由して接続が確立している携帯電話が特定され、当該携帯電話の電子メールアドレスなどのこの携帯電話に関する情報が情報処理制御部2に送られる(ステップS15)。図1においては、ステップS12で特定された無線基地局8、9の両方を経由して接続が確立されている携帯電話12のみが特定される。
【0061】
その後、前記第1の実施形態と同様に、情報処理制御部2では、システムサーバ4にて特定された携帯電話の電子メールアドレスを送信先とした情報要求メッセージを含む電子メール(図3参照)が作成され、メールサーバ6に送られ(ステップS16)、メールサーバ6ではこの電子メールが送信される(ステップS17)。
【0062】
携帯電話12の所有者は、受信した電子メールに従って入力を行い、送信ボタン26に対応する入力部1110のキーを操作すると、入力されたデータがメールサーバ6に送られ、受信される(ステップS18)。これにより、携帯電話12の所有者からの情報提供が行われる。
【0063】
さらに、情報処理制御部2では、メールサーバ6にて受信した携帯電話12からのデータに基づいて地点Xに関する情報を提供するための返信メッセージを表示させるための画像データ(図4〜図6参照)が作成され、携帯電話16に送信され(ステップS19)、情報提供は終了する。
【0064】
本実施形態によれば、前記第1の実施形態で得られる効果以上に、より正確な地域に絞った情報を集めることが可能になり、ユーザには所望する情報のみが送信されることになる。
【0065】
第3の実施形態
本発明の第3の実施形態について詳述する。第3の実施形態においても、図1に示した情報提供システム1が用いられるが、本実施形態においては、携帯電話16の所有者が情報を所望する地点Xを指定すると、エリア14、15をカバーする無線基地局8、9が特定されて、交換機3からの接続が確立される携帯電話11〜13で、地点Xに相当する位置情報が記憶された静止画ファイルや動画ファイル等を検索し、提供すべき情報としてメールサーバ6にメール送信するようになっている以外は、上記第1の実施形態と同様である。
【0066】
次に第3の実施携帯の作用について説明する。図12は本実施形態の携帯電話11〜13において、システムサーバ4(メールサーバ6)から情報要求のメッセージを受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。図13は携帯電話11〜13のメイン表示部1116における表示態様、図14は携帯電話16におけるメイン表示部1116における表示態様を図示したものである。
【0067】
携帯電話11〜13は、通常は音声着信、若しくはメール着信を待つ待受け状態に設定されているものとする。この状態において、メール着信の有無を判別する(ステップS21)。そしてメール着信を検出しなかった場合は再び待受け状態に戻るが、メール着信を検出した場合、そのメールの送信元がシステムサーバ4からの情報要求メッセージか、通常のメール着信かを判別する(ステップS22)。この時、システムサーバ4からの情報要求メッセージか、通常のメールかは、例えば、メールデータのサブジェクト(主題)に”information request”といったような文字が含まれるか、または、送信元のメールアドレスとして、システムサーバ4を意味する特有の文字が含まれているか、送信先のメールアドレスとして特定のメーリングリストに対応するアドレスが含まれる等で判別させると良い。
【0068】
そして、ステップS22において、通常のメールと判別した場合は、メールモードに移行しメール本文の閲覧や返信等の処理を行うが(ステップS23)、情報要求メッセージと判別した場合は、メール内容の表示に移行する(ステップS24)。このときの携帯電話11〜13におけるメイン表示部1119の表示の態様は、前記第1および第2の実施形態における図7と同様であるが、情報要求メッセージの着信時は、図7に示す入力フォームへのアクセス情報(URL)が表示されていることが望ましい。また、情報要求メッセージを受信すると、携帯電話11〜13はその時点で、この情報要求メッセージに含まれる情報要求の対象となる地点Xの位置情報を取得する。
【0069】
情報要求メッセージより地点Xの位置情報を取得すると、携帯電話11〜13では、その位置情報が関連付けられている静止画ファイル、および、動画ファイルを読み出すためRAM1112の検索を行い(ステップS25)、そして検索の結果、地点Xの位置情報が関連付けられる静止画ファイル、および、動画ファイルの有無を判別する(ステップS26)。判別の結果、地点Xの位置情報が関連付けられる静止画ファイル、および、動画ファイルが存在しない場合は、図7に図示される入力フォームに基づいたテキスト(文字データ)のみの情報を送信する設定を行うが(ステップS30)、地点Xの位置情報が関連付けられる静止画ファイル、および、動画ファイルが存在する場合は、地点Xの位置情報が関連付けられたファイルの一覧表示を行う(ステップS27)。
【0070】
携帯電話11〜13の所有者(操作者)は、表示されたファイル一覧より情報の提供に相応しい思われるファイルの選択を、入力部1110を操作して行う。この場合、ファイル名を一覧表示するだけでなく静止画ファイルであればサムネイルデータに基づく縮小画像をマルチ表示させ、動画ファイルであれば、選択画面においてプレビュー再生できるようにすることが望ましい。そして携帯電話11〜13では、この所有者の選択操作、決定操作の検出の有無の判別(ステップS28)、また、所有者の意思によるファイル添付のキャンセルの有無(ステップS29)を判別する。
【0071】
ファイル添付のキャンセルを検出した場合は、ステップS30へ移行し、図7に図示される入力フォームに基づいたテキスト(文字データ)のみの情報を送信する設定を行う。一方、ファイルの選択、決定を検出した場合は、ファイル添付テキストの情報を送信する設定を行う(ステップS31)。
【0072】
図13は、この場合における携帯電話11〜13のメイン表示部1116の表示態様を示すものである。同図においては、天気入力ボタン23、気温入力ボタン24のそれぞれ該当するラジオボタン、情報入力窓25、送信ボタン26の他、添付ファイルのファイル名を入力するための入力窓36が表示される。そして、携帯電話11〜13の所有者は地点Xの情報として「晴」の天気入力ボタン23をクリックし、「暑」の気温入力ボタン24をクリックし、さらに情報入力窓25に「○○イベントがあって普段よりも人出が多いみたいです。」と入力し、この地点Xの位置情報が関連付けられ、システムサーバ4にアップロードすべき静止画ファイル、もしくは、動画ファイルのファイル名をステップS28の選択・決定により入力される。尚、テキストのみの情報の送信に対する入力については前記第1および第2の実施形態で詳述したので説明を省略する(ステップS32)。
【0073】
そして、送信ボタン26の入力指示が行われたか否か判別し(ステップS33)、指示が行われなかった場合は、再びステップS32の処理に戻り、指示が行われた場合は、入力したテキスト(および、静止画ファイル、動画ファイル)をシステムサーバ4に送信し本処理を終了する。
【0074】
このように入力された情報は、携帯電話16のメイン表示部1116にて図14に図示されたように表示される。すなわち、情報画面28において、携帯電話16の所有者は情報画面28の天気表示欄29、気温表示欄30、情報表示欄31を見て、内容を確認することができる。また、確認後は閉じるボタン32をクリックして、情報画面28を閉じることができる。なお、図4では、○○駅周辺では、晴れていて、暑く、あるイベントがあるので、普段よりも人出が多いという旨の返信メッセージが表示され、添付された静止画ファイル、もしくは、動画ファイルに基づくイメージ37が表示される。
【0075】
したがって、第3の実施形態によれば、文字のみの情報提供と比較して、イメージ(画像)によって知りたい情報を得ることができるので、携帯電話16の所有者は、より直感的にその地点の情報を得ることができる。
【0076】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることがいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における携帯電話の回路構成図である。
【図3】携帯電話のRAMに記憶される静止画ファイルのデータ構造を示す図である。
【図4】携帯電話のRAMに記憶される動画ファイルのデータ構造を示す図である。
【図5】第1の実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図6】前記第1の実施形態で携帯電話から情報を要求する際の入力画面の一例を示す図である。
【図7】前記第1の実施形態で情報提供システムから接続が確立された携帯電話に対して送信される情報要求メッセージの一例を示す図である。
【図8】前記第1の実施形態で携帯電話の所有者に提供される情報である返信メッセージを表示する情報画面の一例を示す図である。
【図9】前記第1の実施形態で携帯電話の所有者の提供される情報を示す画面の一例を示す図である。
【図10】前記第1の実施形態で携帯電話の所有者の提供される情報を示す画面の他の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態の携帯電話における処理を説明するフローチャートである。
【図13】前記第3の実施形態における、情報を提供する側の携帯電話の表示例である。
【図14】前記第3の実施形態における、情報提供を受ける側の携帯電話の表示例である。
【符号の説明】
【0078】
1 通信部
2 情報処理制御部(メッセージ送信手段、情報受信手段、情報送信手段
3 交換機(接続制御手段)
4 システムサーバ(接続情報管理手段、無線基地局特定手段、要求手段、端末情報記憶手段)
6 メールサーバ(メッセージ送信手段、情報受信手段、情報送信手段)
7,8,9 無線基地局
11,12,13,16 携帯電話(通信端末)
1101 アンテナ(受信手段、送信手段)
1102 無線部(受信手段、送信手段)
1103 制御部(読出手段)
1104 通信データ処理部(位置情報取得手段)
1112 RAM(記憶手段)
1123 撮像デバイス(撮像手段、動画撮影手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムに関し、特に所定の通信端末から送られる所定の地域の情報についての要求があったときに、対応する地域の情報を提供する情報提供システム、および通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CDMA(Code Division Multiple Access)方式の携帯電話システムや、またはPHSシステムを用いることにより携帯電話、もしくはPHSの所有者が現在位置付近における各種情報を取得することが行われている。またCDMA方式のうち、IS−95と呼称される方式に対応する携帯電話システムにおいては、携帯電話はGPSによる自己位置の取得が可能であり、これにより周辺の地図情報等、より狭く詳細な情報を前記所有者に提供できるようになっている。
【0003】
特許文献1には、各種情報を予めデータベースに蓄積しておき、通信端末の現在位置を特定して、この特定された位置に関連する情報をデータベースから検索し、得られた情報を通信端末に送信する情報配信に関する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、通信端末の位置を測定して各測定結果、通信端末、およびこの通信端末の所有者に関する個人情報を関係付けたデータベースを用意し、このデータベースに登録されたメンバーをある位置的範囲ごとにグループ分けして管理し、別の所有者がこの位置的範囲内に通信端末を持って入ったときに、この通信端末から一定の操作を行うことで当該通信端末もこの位置的範囲のグループに加わるとともに、この通信端末に同じグループに属する個人情報を提供し、またはこの位置的範囲を指定して相当するグループに属する個人情報を提供する移動体通信システムに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−359162号公報
【特許文献2】特開2000−270358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された技術では、携帯電話の所有者が取得することができる情報は、予め蓄積された情報であって、リアルタイムで変化する情報、例えば観光地の混雑具合、道路混雑状況などには対応していない。
【0006】
また、特許文献2に記載された技術では、個人情報にリアルタイムで変化する情報を付加することでこのような情報を提供することが可能であるが、情報を所望する者は、所定のグループ内の通信端末に対して個々別々に連絡を取らなければならず、様々な角度からの情報を一度に得ることが困難である。
【0007】
そこで、本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、狭い地域での情報であって、特にリアルタイムで変化する正確な情報を一度に、かつ、確実に得ることを可能にする情報提供システム、および、通信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、通信端末から送られる所定のエリアの情報についての要求があったときにこのエリアの情報を前記通信端末に提供する、複数のエリアの無線基地局に接続する情報提供システムにおいて、前記複数のエリアの無線基地局の夫々について、その無線基地局に接続される通信端末の接続に関する情報を管理する接続情報管理手段と、前記所定のエリアの情報を要求した通信端末の位置を特定し、この位置が属するエリアを管理する無線基地局を、前記接続情報管理手段に基づいて特定する無線基地局特定手段と、この無線基地局特定手段によって特定された無線基地局がカバーするエリアに存在する通信端末と接続を確立する接続制御手段と、この接続制御手段によって接続が確立された通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信するメッセージ送信手段と、このメッセージ送信手段によって送信されたメッセージに応答して、前記接続が確立された通信端末より返信された情報を受信する情報受信手段と、この情報受信手段によって受信された情報を前記所定のエリアの情報を要求した通信端末へ送信する情報送信手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接続制御手段によって接続が確立された通信端末に対し自己を識別するための識別データの返信を要求する要求手段を更に備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記周辺の情報を要求するメッセージの受信を許可するか否かの情報と前記識別データとを対応付けて記憶する端末情報記憶手段を更に備え、前記メッセージ送信手段は、接続制御手段によって接続が確立された通信端末のうち、前記端末情報記憶手段に受信許可の情報が記憶されている識別コードに対応する通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、通信端末において、位置情報を取得する位置情報取得手段と、この位置情報取得手段によって取得された位置情報を関連付けさせた各種データを記憶する記憶手段と、情報を要求するメッセージを受信する受信手段と、この受信手段によって受信されたメッセージに含まれる位置情報に基づいて、前記記憶手段より対応するデータを読み出す読出手段と、この読出手段によって読み出されたデータを添付したメッセージを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、撮像手段を更に備え、前記データとは、位置情報が関連付けられた静止画ファイルであることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、動画撮影手段を更に備え、前記データとは、位置情報が関連付けられた動画ファイルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、通信端末の所有者(利用者)は情報を所望するエリアを指定して、情報提供システムの運用者に当該情報を要求することで、リアルタイムで変化する正確な情報を一度に、かつ、確実に得ることが可能になる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、情報を提供する側の通信端末の所有者を特定することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、情報提供システムの運用者は、情報要求メッセージ送信時にメッセージの受信を許可している通信端末を事前に把握できるようになり、どの程度の返信メッセージを受け取れるのかを見積もることができるようになる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、情報提供システムより周辺の情報を要求するメッセージを受信し、携帯電話の所有者(利用者)がこのメッセージに対する情報内容を作成する場合、入力操作を簡単にすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の発明において、添付すべきファイルとして自端末で撮影した静止画ファイルを簡単に添付することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4の発明において、添付すべきファイルとして自端末で撮影した動画ファイルを簡単に添付することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を携帯電話システムに適用した場合について、その実施の携帯を図1から図14を参照して説明する。
【0021】
第1の実施形態
まず、第1の実施形態を図1から図9を用いて詳述する。
図1は本発明の実施の形態において共通するシステム構成図である。本実施形態の情報提供システムは、上記IS−95方式に代表されるCDMA方式を適用した携帯電話システムに適用されたものである。情報提供システムは、インターネット10および公衆回線網17を経由して、この情報提供システムの利用者(「携帯電話(11〜13、16)の所有者」という)が操作する外部の通信端末(図示せず)および無線基地局7〜9を介して携帯電話(通信端末)11〜13、16などと接続して通信する通信部1と、前記携帯電話11〜13、16に送信する情報を処理、管理する情報処理制御部2と、携帯電話11〜13、16が自己位置を取得するためのGPS衛星100とを備える。
【0022】
通信部1には、交換機3、携帯電話に関する情報を管理するシステムサーバ4、Webサーバ5、および、メールサーバ6が設けられている。
【0023】
システムサーバ4では、携帯電話11〜13、16からの端末識別情報より、これらの携帯電話が存在する位置が特定され、管理されている無線基地局に関する情報に基づいて、このエリアをカバーする無線基地局が特定されるようになっている。例えば、図1においては、GPS衛星100によって自己位置を取得した携帯電話16が存在する位置では、無線基地局7が特定され、地点Xであった場合には、この地点Xをカバーする無線基地局8,9が特定されるようになっている。
【0024】
また、システムサーバ4では、携帯電話11〜13、16に関する情報、例えばこれらの携帯電話を識別するための端末識別情報(識別データ)、所有者を特定する情報、ユーザID、電子メールアドレスなどと、携帯電話からの所定の地域周囲の情報を要求するメッセージ(「情報要求メッセージ」という)を含む電子メールの受信許可/不許可が関連付けて管理されるようになっていることが好ましい。
【0025】
交換機3は、無線基地局7〜9を経由して携帯電話11〜13、16との接続を確立するための接続制御手段として機能するものである。
この交換機3では、システムサーバ4で特定された無線基地局7〜9がカバーするエリアに存在する携帯電話11〜13、16との接続が確立されるようになっている。例えば、図1においては、システムサーバ4により特定された無線基地局7がカバーするエリアに存在する携帯電話として、携帯電話16が存在し、無線基地局8がカバーするエリア15に存在する携帯電話として、携帯電話12と13が存在し、無線基地局9がカバーするエリア14に存在する携帯電話として、携帯電話11、12が存在する。
【0026】
また、交換機3では、一旦接続が確立された携帯電話に対して、前記各携帯電話の端末識別情報を返信するよう要求する信号が送られるようになっている。このように、端末識別情報を要求するとともに、システムサーバ4にて当該端末識別情報を管理することで、接続が確立された携帯電話のうち、予め情報提供の意思を示した所有者の携帯電話の特定を行うことが可能になり、前記情報要求メッセージを含む電子メールをこの特定の携帯電話にのみ送信することができるようになる。
【0027】
メールサーバ6は、インターネット10または公衆回線網17を介して外部の携帯電話に対する電子メールの送受信、および無線基地局7〜9を介して接続が確立された携帯電話11〜13、16に対する電子メールの送受信を行う。
【0028】
このメールサーバ6では、前記外部の携帯電話から前記携帯電話への電子メール、前記携帯電話11〜13、16から前記外部の携帯電話への電子メール、および携帯電話11〜13、16同士の電子メール送受信が行われるようになっている。すなわち、送信元から送られる電子メールを一度受信して、指定された送信先に当該電子メールを送信するようになっている。
【0029】
なお、本実施形態では、メールサーバ6は、情報処理制御部2で作成される情報要求メッセージを含む電子メールを携帯電話11〜13に送信し、一方で携帯電話11〜136から提供された情報を、当該情報を所望した携帯電話16に送信するようになっている。なお、システムサーバ4で携帯電話11〜13、16に関する情報を管理し、かつ、交換機3より接続が確立された携帯電話11〜13、16に対して端末識別情報を返信するよう要求することにより、情報要求メッセージを含む電子メールを携帯電話11〜13に送信する際に、接続が確立され、かつ、この電子メールを受信する意思を示した所有者の携帯電話にのみ、当該電子メールを送信することができる。
【0030】
Webサーバ5は、携帯電話のインターネット10との接続制御を行うとともに、図示しないLAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)などの他のネットワークとの接続を管理するために機能するものである。
【0031】
情報処理制御部2は、携帯電話16から情報要求があったときに、例えば図6に示すような情報要求メッセージを含む電子メールを作成し、メールサーバ6に送るようになっている。また、携帯電話16から送られた情報に基づいて、当該情報を要求した携帯電話16宛ての返信メッセージを含む電子メールが作成され、メールサーバ6に送られるようになっている。この電子メールが携帯電話16に送信されることにより、情報の提供が行われる。このとき、情報提供者の携帯電話のアドレスなど、情報提供者を特定する情報が削除されるようになっている。
【0032】
携帯電話11〜13は、情報提供者が所有するものとする。所有者はメールサーバ6から送られる情報要求メッセージを含む電子メールに返信することで、周囲の情報を提供するようになっている。また、携帯電話11〜13、16は、交換機3からの端末識別情報要求に従って、予め割り当てられた端末識別情報を交換機3に送るようになっている。
【0033】
次に携帯電話11〜13、16の回路構成を図2に示す。携帯電話11〜13、16はいずれも撮像機能とこの撮像機能によって撮影された静止画、動画をメールに添付して送信する機能を有するものであり、夫々固有の情報(端末識別情報や、自己を呼び出すための電話番号、電子メールアドレス、W.W.W10に接続した際の認証情報)を除いては共通の回路構成であるので、ここでは、携帯電話11の回路構成について詳述する。
【0034】
同図において、無線部1102は、無線によりアンテナ1101を介して音声やデータ(メールデータ)を送受し変調/復調するなど、PSK方式に基づく変復調、CDMA方式に基づく端末認証処理を行う。入力部1110はテンキー、オフフックキー、オンフックキー、センターキー、カーソルキー、各種ファンクションキーを含むキーからなり、制御部1103へ所有者からの各種指示をコマンド信号に変換して出力する
【0035】
制御部1103は、WWW接続制御を含む当該携帯電話を制御する。また、カメラモードにおいて撮影された画像データを静止画像ならばJPEG圧縮して静止画ファイルを生成し、動画像ならばMPEG−4に準拠する符号化方式で画像、音声を圧縮処理し、動画ファイルを生成する。制御部1103は、CLEP系音声復号処理回路、パケットデータ生成回路、およびパケットデータ復元回路を含み、通信プロトコルに沿ったデータ処理、GPS衛星100より取得し、無線基地局7〜9を介して補正処理された自端末の位置情報の取得を含む通信処理を行う。
【0036】
システムROM1105は、当該携帯電話において、主に無線通信処理全般を制御するための基本システムプログラムや各種認証データを格納する。オーディオインターフェース1106は、通信データ処理部1104で処理される音声信号の入出力処理を行い、マイク1108または録音用マイク1109からの音声を入力して音声信号に変換して、音声信号をスピーカ1107から出力する。
【0037】
アドレスデータバス処理部1111は、周辺回路(点線枠)とのデータの入出力タイミング等を制御・管理する。RAM1112は、アドレス帳データ、メールデータ等、電話モードにて使用するデータや、カメラモードにて撮影された画像データを含む静止画ファイル、動画ファイル等、機器内で生成される各種データを記憶する。プログラムROM1113は、書換可能なFlash ROMで構成され、各種アプリケーションプログラムを格納する。
尚、自端末で撮影された静止画ファイル、動画ファイルについては、通信データ処理部1104にて取得された位置情報を格納するエリアを有する。
【0038】
図3は携帯電話11にて撮影された画像データを含む静止画ファイルのデータ構造を示す図である。同図において静止画ファイル200は、DCF(Exif)規格に沿ったデータ構造を有する。すなわちヘッダ201には、撮影され、JPEG圧縮処理された画像データのタイトル、カメラモジュールのメーカー名等を記憶する主画像情報記憶部と、
露出時間、レンズF値、ISO感度等の撮影情報を記憶する撮影情報記憶部と、通信データ処理部1104で取得された位置情報記憶部とが設定されている。また、サムネイル202には、主画像データ203を縮小し、画素数160×120の縮小画像データが設定される
【0039】
図4は携帯電話11にて撮影された動画像データを含む動画ファイルのデータ構造を示す図である。同図において動画ファイル300は、位置情報や著作権情報が設定される付属情報301、各種ヘッダ情報が設定されるファイル情報302、ストリームデータ303とからなる。
【0040】
図2に戻り、表示モジュール系ドライバ1117は、サブ表示部1118、メイン表示部1119、LED1120,1121を駆動させる。音源IC1114は、着信音などを生成する。AMP1115は、音源IC1114からの音声信号を増幅し、スピーカ1116から出力する。撮像デバイス1123は、CCD、若しくはCMOSで構成され、撮像レンズ1124により集束された映像をカラー画像として取り込む。DSP1122は、撮像デバイス1123にて取り込まれた画像を符号化処理する。
【0041】
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
図5は本実施形態の情報提供システムの作用を説明するためのフローチャートであり、図1に示す携帯電話16の所有者(不図示)が、エリア14、15にまたがる地点Xの情報を要求する電子メールを通信部1に送信し、この要求にしたがって、地点Xをカバーするエリア14、15に存在する携帯電話11〜13から情報の提供を要求する電子メールを送信し、返信された情報を携帯電話16へ送信する場合について、システムサーバ4側の処理を述べる。
【0042】
先ず所有者が自身の携帯電話16を操作して、システムサーバ4にアクセスすることにより、システムサーバ4からの指示で返信された画面40を表示させて、自己を特定するためのユーザIDおよび情報を所望する場所を特定するための情報を入力する。そして送信ボタン20に対応した入力部1110のキーを操作する。すると、入力された指示情報がシステムサーバ4を介してメールサーバ6に送られ、所有者からの情報要求が受信される(ステップS1)。
【0043】
図6は画面40の表示例を示したものであり、この入力画面40には、「あなたのユーザIDと情報を所望する場所を入力してください」という旨の入力を促すメッセージ、ユーザID入力窓18および場所入力窓19が設けられており、さらに入力内容を位置データ取出部3に送信するための送信ボタン20および入力内容をキャンセルするためのキャンセルボタン21が設けられている。そして、携帯電話16の所有者は、この入力画面40に任意の情報を入力し、メールサーバ6へ送信する。
【0044】
メールサーバ6では、携帯電話16からの情報要求をシステムサーバ4を介して受信し、また、システムサーバ4では、情報要求により地点Xに関する情報に基づいて、この場所をカバーする無線基地局8、9が特定される(ステップS2)。
【0045】
また、交換機3は、特定された無線基地局8、9を経由して、無線基地局8、9がそれぞれカバーするエリア14、15内に存在する携帯電話11〜13と接続を確立し(ステップS3)、この接続が確立された携帯電話11〜13に対して、それぞれの端末識別情報を返信するよう促す(ステップS4)。
【0046】
尚、このとき、携帯電話16は特定された無線基地局8,9のいずれも経由しないで接続が確立しているため、端末識別情報は送信しないものとする。
【0047】
携帯電話11〜13より返信された端末識別情報はシステムサーバ4に送られ、どの無線基地局を経由してどの携帯電話が接続を確立したか、すなわち地点Xに近い携帯電話がどれなのかが検出され、それぞれの携帯電話に関する情報、例えばユーザID、電子メールアドレスが特定される。
【0048】
情報処理制御部2では、情報要求メッセージが作成され(ステップS5)、システムサーバ4で特定された携帯電話12に関する情報に従って、メールサーバ6より該当する携帯電話11〜13に送信される(ステップS6)。
【0049】
そして、情報要求メッセージを受信した携帯電話11〜13では、情報要求メッセージにしたがってそのときの周辺の様子が入力される。例えば、図7では、天気入力ボタン23、気温入力ボタン24のそれぞれ該当するラジオボタン、情報入力窓25、送信ボタン26が表示される。そして、携帯電話12の所有者は地点Xの情報として「晴」の天気入力ボタン23をクリックし、「暑」の気温入力ボタン24をクリックし、さらに情報入力窓25に「○○イベントがあって普段よりも人出が多いみたいです。」と入力し、送信ボタン26を操作することにより、入力されたこれらの情報が返信メッセージとしてメールサーバ6に送られ、受信される(ステップS7)。
【0050】
携帯電話11〜13より送られたデータは、メールサーバ6から情報処理制御部2に送られて、情報処理制御部2では所定の情報表示画面、例えば図8に示したような情報画面28、図9に示したような画面33または図10に示したような画面35に相当する画像データが作成されて、この画像データがインターネット10を経由して携帯電話16に送られ(ステップS8)、本実施形態による情報提供は終了する。
【0051】
なおこのとき、情報処理制御部2では、携帯電話11〜13からの返信メッセージから送信元の携帯電話に関する情報を削除するようにする。
【0052】
携帯電話16では、図8に示したような返信メッセージを表示する情報画面28が表示され、携帯電話16の所有者は情報画面28の天気表示欄29、気温表示欄30、情報表示欄31を見て、内容を確認することができる。また、確認後は閉じるボタン32をクリックして、情報画面28を閉じることができる。なお、図4では、○○駅周辺では、晴れていて、暑く、あるイベントがあるので、普段よりも人出が多いという旨の返信メッセージが表示されている。
【0053】
また、携帯電話16にて、図5に示したような画面33が表示されるようにしてもよい。この場合、携帯電話16の所有者は表示一覧34から確認したいと思う情報に相当する部分をクリックすることで、図8に示した情報画面28に画面を切り替えることができる。また、図10に示したような画面35が表示されるようにしてもよい。この場合、携帯電話16の所有者は件名一覧37からメッセージ表示された部分をクリックすることで、図8に示した画面33に画面を切り替えることができ、さらに画面33の表示一覧34から所定の部分をクリックすることで情報画面28を表示させることができる。
【0054】
このように本実施形態によれば、携帯電話16の所有者は情報を所望する地域、例えば地点Xを指定して、情報提供システムの運用者が運用する通信部2に当該情報を要求することで、特にリアルタイムで変化する正確な情報を一度に、かつ、確実に得ることが可能になる。
【0055】
また、交換機3より接続が確立された各携帯電話、図1においては携帯電話11〜13に対して、各携帯電話の端末識別情報を要求することで、返信された端末識別情報に基づいて、情報提供システムの運用者は、どの携帯電話と接続を確立しているのかを知ることが可能になる。これにより、情報提供時に取り込んだ端末識別情報に基づいて、当該情報を提供する側の携帯電話の所有者を特定して、この所有者に対して情報を提供することによる点数加算などを行い、この点数を、例えば通話料の割引といったサービスに反映させることが可能になる。したがって、携帯電話の所有者に積極的な情報の提供を促すことができるようになるため、情報提供システムの運用者は情報を集めやすくなり、携帯電話の所有者(利用者)への情報の提供が容易になる。
【0056】
また、情報提供側の携帯電話からの返信メッセージから送信元の携帯電話に関する情報を削除してから、この返信メッセージの内容を送信することにより、情報提供側の個人情報の安全性を高めることができ、さらに積極的な情報の提供を望むことが可能になる。
【0057】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について図11を用いて詳述する。
本実施形態では、図1に示した情報提供システム1が用いられ、携帯電話16の所有者が情報を所望する地点Xを指定すると、エリア14、15をカバーする無線基地局8、9が特定されて、交換機3からの接続が確立される携帯電話11〜13のうち、特定された無線基地局の全てと個別に接続が確立される携帯電話12に対してのみ、メールサーバ6から図7に示したような情報要求メッセージを含む電子メールを送信するようになっている以外は、第1の実施形態と同様である。
【0058】
次に第2の実施形態の作用について説明する。
図11は第2の実施形態の情報提供システムの作用を説明するためのフローチャートである。
【0059】
携帯電話16の所有者は図6に示したような画面40に従って所定の入力を行い送信ボタン20に対応した入力部1110のキーを操作する。この操作により作成された、例えば地点Xに関する情報の要求がシステムサーバ4を介してメールサーバ6で受信され(ステップS11)、またシステムサーバ4にて該当無線基地局である無線基地局8、9が特定され(ステップS12)、交換機3にて特定された無線基地局がカバーするエリア14,15内に存在する携帯電話11〜13との接続が確立し(ステップS13)、接続が確立した携帯電話に対して端末識別情報が要求される(ステップS14)。
【0060】
ここで、システムサーバ4では、システムサーバ4で特定された複数の無線基地局の全てを経由して接続が確立している携帯電話が特定され、当該携帯電話の電子メールアドレスなどのこの携帯電話に関する情報が情報処理制御部2に送られる(ステップS15)。図1においては、ステップS12で特定された無線基地局8、9の両方を経由して接続が確立されている携帯電話12のみが特定される。
【0061】
その後、前記第1の実施形態と同様に、情報処理制御部2では、システムサーバ4にて特定された携帯電話の電子メールアドレスを送信先とした情報要求メッセージを含む電子メール(図3参照)が作成され、メールサーバ6に送られ(ステップS16)、メールサーバ6ではこの電子メールが送信される(ステップS17)。
【0062】
携帯電話12の所有者は、受信した電子メールに従って入力を行い、送信ボタン26に対応する入力部1110のキーを操作すると、入力されたデータがメールサーバ6に送られ、受信される(ステップS18)。これにより、携帯電話12の所有者からの情報提供が行われる。
【0063】
さらに、情報処理制御部2では、メールサーバ6にて受信した携帯電話12からのデータに基づいて地点Xに関する情報を提供するための返信メッセージを表示させるための画像データ(図4〜図6参照)が作成され、携帯電話16に送信され(ステップS19)、情報提供は終了する。
【0064】
本実施形態によれば、前記第1の実施形態で得られる効果以上に、より正確な地域に絞った情報を集めることが可能になり、ユーザには所望する情報のみが送信されることになる。
【0065】
第3の実施形態
本発明の第3の実施形態について詳述する。第3の実施形態においても、図1に示した情報提供システム1が用いられるが、本実施形態においては、携帯電話16の所有者が情報を所望する地点Xを指定すると、エリア14、15をカバーする無線基地局8、9が特定されて、交換機3からの接続が確立される携帯電話11〜13で、地点Xに相当する位置情報が記憶された静止画ファイルや動画ファイル等を検索し、提供すべき情報としてメールサーバ6にメール送信するようになっている以外は、上記第1の実施形態と同様である。
【0066】
次に第3の実施携帯の作用について説明する。図12は本実施形態の携帯電話11〜13において、システムサーバ4(メールサーバ6)から情報要求のメッセージを受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。図13は携帯電話11〜13のメイン表示部1116における表示態様、図14は携帯電話16におけるメイン表示部1116における表示態様を図示したものである。
【0067】
携帯電話11〜13は、通常は音声着信、若しくはメール着信を待つ待受け状態に設定されているものとする。この状態において、メール着信の有無を判別する(ステップS21)。そしてメール着信を検出しなかった場合は再び待受け状態に戻るが、メール着信を検出した場合、そのメールの送信元がシステムサーバ4からの情報要求メッセージか、通常のメール着信かを判別する(ステップS22)。この時、システムサーバ4からの情報要求メッセージか、通常のメールかは、例えば、メールデータのサブジェクト(主題)に”information request”といったような文字が含まれるか、または、送信元のメールアドレスとして、システムサーバ4を意味する特有の文字が含まれているか、送信先のメールアドレスとして特定のメーリングリストに対応するアドレスが含まれる等で判別させると良い。
【0068】
そして、ステップS22において、通常のメールと判別した場合は、メールモードに移行しメール本文の閲覧や返信等の処理を行うが(ステップS23)、情報要求メッセージと判別した場合は、メール内容の表示に移行する(ステップS24)。このときの携帯電話11〜13におけるメイン表示部1119の表示の態様は、前記第1および第2の実施形態における図7と同様であるが、情報要求メッセージの着信時は、図7に示す入力フォームへのアクセス情報(URL)が表示されていることが望ましい。また、情報要求メッセージを受信すると、携帯電話11〜13はその時点で、この情報要求メッセージに含まれる情報要求の対象となる地点Xの位置情報を取得する。
【0069】
情報要求メッセージより地点Xの位置情報を取得すると、携帯電話11〜13では、その位置情報が関連付けられている静止画ファイル、および、動画ファイルを読み出すためRAM1112の検索を行い(ステップS25)、そして検索の結果、地点Xの位置情報が関連付けられる静止画ファイル、および、動画ファイルの有無を判別する(ステップS26)。判別の結果、地点Xの位置情報が関連付けられる静止画ファイル、および、動画ファイルが存在しない場合は、図7に図示される入力フォームに基づいたテキスト(文字データ)のみの情報を送信する設定を行うが(ステップS30)、地点Xの位置情報が関連付けられる静止画ファイル、および、動画ファイルが存在する場合は、地点Xの位置情報が関連付けられたファイルの一覧表示を行う(ステップS27)。
【0070】
携帯電話11〜13の所有者(操作者)は、表示されたファイル一覧より情報の提供に相応しい思われるファイルの選択を、入力部1110を操作して行う。この場合、ファイル名を一覧表示するだけでなく静止画ファイルであればサムネイルデータに基づく縮小画像をマルチ表示させ、動画ファイルであれば、選択画面においてプレビュー再生できるようにすることが望ましい。そして携帯電話11〜13では、この所有者の選択操作、決定操作の検出の有無の判別(ステップS28)、また、所有者の意思によるファイル添付のキャンセルの有無(ステップS29)を判別する。
【0071】
ファイル添付のキャンセルを検出した場合は、ステップS30へ移行し、図7に図示される入力フォームに基づいたテキスト(文字データ)のみの情報を送信する設定を行う。一方、ファイルの選択、決定を検出した場合は、ファイル添付テキストの情報を送信する設定を行う(ステップS31)。
【0072】
図13は、この場合における携帯電話11〜13のメイン表示部1116の表示態様を示すものである。同図においては、天気入力ボタン23、気温入力ボタン24のそれぞれ該当するラジオボタン、情報入力窓25、送信ボタン26の他、添付ファイルのファイル名を入力するための入力窓36が表示される。そして、携帯電話11〜13の所有者は地点Xの情報として「晴」の天気入力ボタン23をクリックし、「暑」の気温入力ボタン24をクリックし、さらに情報入力窓25に「○○イベントがあって普段よりも人出が多いみたいです。」と入力し、この地点Xの位置情報が関連付けられ、システムサーバ4にアップロードすべき静止画ファイル、もしくは、動画ファイルのファイル名をステップS28の選択・決定により入力される。尚、テキストのみの情報の送信に対する入力については前記第1および第2の実施形態で詳述したので説明を省略する(ステップS32)。
【0073】
そして、送信ボタン26の入力指示が行われたか否か判別し(ステップS33)、指示が行われなかった場合は、再びステップS32の処理に戻り、指示が行われた場合は、入力したテキスト(および、静止画ファイル、動画ファイル)をシステムサーバ4に送信し本処理を終了する。
【0074】
このように入力された情報は、携帯電話16のメイン表示部1116にて図14に図示されたように表示される。すなわち、情報画面28において、携帯電話16の所有者は情報画面28の天気表示欄29、気温表示欄30、情報表示欄31を見て、内容を確認することができる。また、確認後は閉じるボタン32をクリックして、情報画面28を閉じることができる。なお、図4では、○○駅周辺では、晴れていて、暑く、あるイベントがあるので、普段よりも人出が多いという旨の返信メッセージが表示され、添付された静止画ファイル、もしくは、動画ファイルに基づくイメージ37が表示される。
【0075】
したがって、第3の実施形態によれば、文字のみの情報提供と比較して、イメージ(画像)によって知りたい情報を得ることができるので、携帯電話16の所有者は、より直感的にその地点の情報を得ることができる。
【0076】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることがいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における携帯電話の回路構成図である。
【図3】携帯電話のRAMに記憶される静止画ファイルのデータ構造を示す図である。
【図4】携帯電話のRAMに記憶される動画ファイルのデータ構造を示す図である。
【図5】第1の実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図6】前記第1の実施形態で携帯電話から情報を要求する際の入力画面の一例を示す図である。
【図7】前記第1の実施形態で情報提供システムから接続が確立された携帯電話に対して送信される情報要求メッセージの一例を示す図である。
【図8】前記第1の実施形態で携帯電話の所有者に提供される情報である返信メッセージを表示する情報画面の一例を示す図である。
【図9】前記第1の実施形態で携帯電話の所有者の提供される情報を示す画面の一例を示す図である。
【図10】前記第1の実施形態で携帯電話の所有者の提供される情報を示す画面の他の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態の携帯電話における処理を説明するフローチャートである。
【図13】前記第3の実施形態における、情報を提供する側の携帯電話の表示例である。
【図14】前記第3の実施形態における、情報提供を受ける側の携帯電話の表示例である。
【符号の説明】
【0078】
1 通信部
2 情報処理制御部(メッセージ送信手段、情報受信手段、情報送信手段
3 交換機(接続制御手段)
4 システムサーバ(接続情報管理手段、無線基地局特定手段、要求手段、端末情報記憶手段)
6 メールサーバ(メッセージ送信手段、情報受信手段、情報送信手段)
7,8,9 無線基地局
11,12,13,16 携帯電話(通信端末)
1101 アンテナ(受信手段、送信手段)
1102 無線部(受信手段、送信手段)
1103 制御部(読出手段)
1104 通信データ処理部(位置情報取得手段)
1112 RAM(記憶手段)
1123 撮像デバイス(撮像手段、動画撮影手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末から送られる所定のエリアの情報についての要求があったときにこのエリアの情報を前記通信端末に提供する、複数のエリアの無線基地局に接続する情報提供システムにおいて、
前記複数のエリアの無線基地局の夫々について、その無線基地局に接続される通信端末の接続に関する情報を管理する接続情報管理手段と、
前記所定のエリアの情報を要求した通信端末の位置を特定し、この位置が属するエリアを管理する無線基地局を、前記接続情報管理手段に基づいて特定する無線基地局特定手段と、
この無線基地局特定手段によって特定された無線基地局がカバーするエリアに存在する通信端末と接続を確立する接続制御手段と、
この接続制御手段によって接続が確立された通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信するメッセージ送信手段と、
このメッセージ送信手段によって送信されたメッセージに応答して、前記接続が確立された通信端末より返信された情報を受信する情報受信手段と、
この情報受信手段によって受信された情報を前記所定のエリアの情報を要求した通信端末へ送信する情報送信手段と
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記接続制御手段によって接続が確立された通信端末に対し自己を識別するための識別データの返信を要求する要求手段
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記周辺の情報を要求するメッセージの受信を許可するか否かの情報と前記識別データとを対応付けて記憶する端末情報記憶手段を更に備え、
前記メッセージ送信手段は、接続制御手段によって接続が確立された通信端末のうち、前記端末情報記憶手段に受信許可の情報が記憶されている識別コードに対応する通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
この位置情報取得手段によって取得された位置情報を関連付けさせた各種データを記憶する記憶手段と、
情報を要求するメッセージを受信する受信手段と、
この受信手段によって受信されたメッセージに含まれる位置情報に基づいて、前記記憶手段より対応するデータを読み出す読出手段と、
この読出手段によって読み出されたデータを添付したメッセージを送信する送信手段と
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項5】
撮像手段を更に備え、
前記データとは、位置情報が関連付けられた静止画ファイルであることを特徴とする請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
動画撮影手段を更に備え、
前記データとは、位置情報が関連付けられた動画ファイルであることを特徴とする請求項4に記載の通信端末。
【請求項1】
通信端末から送られる所定のエリアの情報についての要求があったときにこのエリアの情報を前記通信端末に提供する、複数のエリアの無線基地局に接続する情報提供システムにおいて、
前記複数のエリアの無線基地局の夫々について、その無線基地局に接続される通信端末の接続に関する情報を管理する接続情報管理手段と、
前記所定のエリアの情報を要求した通信端末の位置を特定し、この位置が属するエリアを管理する無線基地局を、前記接続情報管理手段に基づいて特定する無線基地局特定手段と、
この無線基地局特定手段によって特定された無線基地局がカバーするエリアに存在する通信端末と接続を確立する接続制御手段と、
この接続制御手段によって接続が確立された通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信するメッセージ送信手段と、
このメッセージ送信手段によって送信されたメッセージに応答して、前記接続が確立された通信端末より返信された情報を受信する情報受信手段と、
この情報受信手段によって受信された情報を前記所定のエリアの情報を要求した通信端末へ送信する情報送信手段と
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記接続制御手段によって接続が確立された通信端末に対し自己を識別するための識別データの返信を要求する要求手段
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記周辺の情報を要求するメッセージの受信を許可するか否かの情報と前記識別データとを対応付けて記憶する端末情報記憶手段を更に備え、
前記メッセージ送信手段は、接続制御手段によって接続が確立された通信端末のうち、前記端末情報記憶手段に受信許可の情報が記憶されている識別コードに対応する通信端末に周辺の情報を要求するメッセージを送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
位置情報を取得する位置情報取得手段と、
この位置情報取得手段によって取得された位置情報を関連付けさせた各種データを記憶する記憶手段と、
情報を要求するメッセージを受信する受信手段と、
この受信手段によって受信されたメッセージに含まれる位置情報に基づいて、前記記憶手段より対応するデータを読み出す読出手段と、
この読出手段によって読み出されたデータを添付したメッセージを送信する送信手段と
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項5】
撮像手段を更に備え、
前記データとは、位置情報が関連付けられた静止画ファイルであることを特徴とする請求項4に記載の通信端末。
【請求項6】
動画撮影手段を更に備え、
前記データとは、位置情報が関連付けられた動画ファイルであることを特徴とする請求項4に記載の通信端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2005−191911(P2005−191911A)
【公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−430567(P2003−430567)
【出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月25日(2003.12.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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