説明

情報提供システム

【課題】運転リスクを抑制でき、時間の無駄な浪費をなくすことが可能な情報提供システムを提供する。
【解決手段】本発明の情報提供システムは、所定施設までの経路データと、前記所定施設までの実走行経路データとを取得する手段(ステップS202、S204)と、前記予定経路データと前記実走行経路データとの相違に基づいて、前記施設周辺の施設関連特殊ルールを抽出する手段(ステップS208)と、前記施設関連特殊ルールの有無に応じて、前記所定施設までの経路データに前記施設関連特殊ルールを適用して提供する手段と、からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な交通ルールとは異なる施設に関連した特殊なルールが決められているような場合に、このような特殊なルールに係る情報をドライバーに提供することが可能な情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置等では地図を表示するのみでなく、利用者の利便性をより向上させる為に表示された道路の渋滞情報等の交通情報を提供することについても行われていた。その際、利用者に提供する為の交通情報を取得するシステムとして、例えば道路交通情報通信システム(VICS:登録商標)やプローブカーシステムがあった。
【0003】
ここで、VICSは、道路上に設置している感知器より路上を走行する車両を検出し、その検出結果をVICSセンターが収集して交通情報(以下、VICS情報という)を作成し、カーナビゲーション装置等の端末へ提供するシステムである。
【0004】
また、プローブカーシステムは、走行中の車両がセンサ(プローブ)となり、この車両で計測された走行軌跡、速度等の情報(以下、プローブ情報という)をプローブセンタに集め、交通情報を作成するシステムである。
【0005】
そして、例えば特開2004−234649号公報にはVICSセンターから取得したVICS情報やプローブカーから収集したプローブ情報を蓄積し、蓄積した情報に対して統計処理を施すことによって交通情報を生成するナビゲーションシステムについても記載されている。
【特許文献1】特開2004−234649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
道路事情などにより、一般的な交通ルールとは別の施設に関連した特殊なルールが決められている場合がある。このような特殊ルールについて図9を参照して説明する。図9の例では、施設として店舗Aを例にとり、その駐車場に進入する場合について説明している。この例においては、対向車線をまたぐことなく、左折によって店舗Aに進入できる車両Qについては進入を許可するが、対向車線をまたがって右折して店舗Aに進入しようとする車両Pについては進入を許可しないような特殊ルールが設けられている。このような特殊ルールは、渋滞の緩和や危険の防止などのために独自に運用されるものである。
【0007】
ところで、上記のような一般の交通ルールとは異なる施設独自の特殊なルールが決められている場合、図9の車両Pのように、直接的に施設(店舗A)に進入できないことが発生してしまうこととなる。従って、車両Pのように特殊ルールを知らないと、回り道を余儀なくされたり、Uターンをしなければならなくなったりして、運転リスクが増大したり、或いは、時間を無駄に浪費することとなったりするが、上記のような施設に特有の特殊ルールについては、従来のシステムによっては情報提供されることがなく、問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、所定施設までの経路データと、前記所定施設までの実走行経路データとを取得する手段と、前記予定経路データと前記実走行経路データとの相違に基づいて、前記施設周辺の施設関連特殊ルールを抽出する手段
と、前記施設関連特殊ルールの有無に応じて、前記所定施設までの経路データに前記施設関連特殊ルールを適用して提供する手段と、からなることを特徴とする情報提供システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る情報提供システムによれば、プローブカーからデータを取得して、これから施設関連特殊ルールを抽出し、提供するものであるので、ドライバーは施設に関連した特殊ルールを予め情報としてしることができ、意図しない回り道を余儀なくされたり、Uターンを行う必要がなくなったりするので、運転リスクを抑制でき、時間の無駄な浪費をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る情報提供システムにおける車載側システムの概略を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報提供システムにおける車載側システムのブロック構成の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報提供システムにおけるセンター側サーバー装置の概要を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報提供システムにおける車載側システムとセンター側サーバー装置の処理フローを示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る渋滞状況推定システムにおける施設関連特殊ルールデータベース1110のデータ構造を説明する図である。
【図6】施設関連特殊ルールデータベース1110におけるデータ更新処理例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報提供システムの車載側システムにおける情報提供処理フローを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る情報提供システムの車載側システムにおける情報提供例を示すである。
【図9】施設に関連する特殊ルールについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る情報提供システムにおける車載側システムの概略を示す図であり、図2は本発明の実施形態に係る情報提供システムにおける車載側システムのブロック構成の概略を示す図である。図1及び図2において、10は車両、100はECU、120は計時部(カレンダー情報部)、500は通信部、510は通信ユニット、600はインターフェイス部、610はディスプレイ、630はスピーカー、800はナビゲーションシステム部、810はナビゲーションシステム、811は位置データ取得部、820は地図データベースをそれぞれ示している。
【0012】
図1及び図2に示す車載側システムは、1台の車両に搭載されるものを示しているが、本実施形態に係る車載側システムは複数台の車両(プローブカー)に搭載されており、これら複数の車載側システムからセンター側のサーバー装置へと走行情報等を送信するような構成となっている。また、センター側のサーバー装置は個々の車載側システム搭載のプローブカーから受信した情報に基づいて施設に関連して運用されている特殊ルールを把握することができるような構成となっている。さらに、本実施形態に係る情報提供システムにおいては、プローブカーの動向から把握された特殊ルールを、情報配信して提供するように構成されているので、車両のドライバーは施設に関連した特殊ルールを予め情報としてしることができ、回り道を余儀なくされたり、Uターンを行う必要がなくなったりするので、運転リスクを抑制でき、時間の無駄な浪費をなくすことができるのである。
【0013】
なお、本実施形態の情報提供システムは、原動機としてエンジンを搭載し、このエンジンの駆動力により走行を行う自動車、或いは、原動機としてモーターを搭載し、モーターの駆動力のみによる走行を行う電気自動車、或いは原動機として上記双方を搭載し、モーター及び/又はエンジンによる駆動に基づいて走行するハイブリッド車などの車両に搭載することが可能である。
【0014】
本実施形態に係る車載側システムにおいて、ECU100はエレクトロニックコントロールユニットの略であり、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理機構である。ECU100は、図示されているECU100と接続される各構成と協働・動作する。また、ECU100は、本発明の情報提供システムにおける種々の制御処理は、ECU100内のROMなどの記憶手段に記憶保持されるプログラムやデータに基づいて実行されるものである。なお、本実施形態においては、上記の各手段はECU100とECU100上で実行されるプログラムによって実現されるものとしているが、これらの各手段はこれに限定されるものではなく、論理回路などのハードウエアのみで実現されるようなものであってもよい。
【0015】
ECU100はさらに、計時部(カレンダー情報部)120を備えており、この計時部(カレンダー情報部)120はタイマーとカレンダーデータからなるものであり、日時データ取得と取得された日時データの曜日・祝祭日の特定に利用される。
【0016】
通信部500における通信ユニット510は、無線通信によりセンター側に設けられるサーバー装置とデータの送受を行うことを可能とするものである。より詳しくは、通信ユニット510は、車両10における車載側システムで取得された状態情報をサーバー装置に送信したり、また、サーバー装置側で把握されている、所定の施設に関連する特殊ルール情報を受信したりする。
【0017】
インターフェイス部600は、車両10の運転席部に設けられ、運転者に対し、所定の情報や車両10に係る情報などを提供する構成である。インターフェイス部600におけるディスプレイ610は液晶などの表示装置であり、このディスプレイ610に渋滞している道路を色分けしたり、強調したりした地図を表示することによって、運転者に対して視覚的に所定の特殊ルール情報を報知することを可能とする。また、インターフェイス部600は、スピーカー630も含んでおり、必要に応じて運転者に対して、音声による特殊ルール情報の案内や警告を行い得るようになっている。
【0018】
ナビゲーションシステム部800は、ナビゲーションシステム810やこのナビゲーションシステム810が参照する地図情報などが格納されたナビゲーションシステム用の地図データベース820とからなっている。ナビゲーションシステム810は、GPS衛星からのGPS信号を受信して自らの位置座標データを計算する位置データ取得部811を用いることによって、車両の現在位置データを取得することができる。本発明の情報提供システムにおいては、ナビゲーションシステム用データベース820には、道路情報、施設情報などが記憶されている。施設情報については、当該施設情報の種別(飲食店、公共施設などの別)情報を設けておくことが、また、道路情報には道路種別情報(一般道、高速道など)などを設けておくことが好ましい。また、ナビゲーションシステム用の地図データベース820で管理されている道路データは、ノードとリンクの概念によって管理されている。このようなノードとリンクの概念については従来周知のものを用いることができる。
【0019】
ナビゲーションシステム部800におけるナビゲーションシステム810は、経路を探
索したり、探索された経路のうちドライバーによって選択された経路を予定経路データとして登録したりすることができる機能を有している。このような機能を実現するためには、従来周知の技術を用いることができる。また、ナビゲーションシステム部800は、センター側のサーバー装置から送信される特殊ルールに基づいて、自ら探索した経路を修正することができるようになっている。
【0020】
次に、センター側に設けられるサーバー装置について説明する。図3は本発明の実施形態に係る情報提供システムにおけるセンター側サーバー装置の概要を示す図である。図3のセンター側のサーバー装置(情報提供システム)の構成において、1100は演算処理部、1110は施設関連特殊ルールデータベース、1120は通信部をそれぞれ示している。
【0021】
サーバー装置における演算処理部1100は、CPUを中心とし記憶装置、インターフェイス装置などから構成される情報処理機構であり、従来周知のものを用いることができる。演算処理部1100は、図示されている演算処理部1100と接続される各構成と協働・動作する。また演算処理部1100は、本実施形態の渋滞状況推定システムにおける種々の制御処理は、処理コンピュータ300内のROMなどの記憶手段に記憶保持されるプログラムやデータに基づいて実行されるものである。
【0022】
サーバー装置(情報提供システム)における施設関連特殊ルールデータベース1110は、プローブカーである車両10から収集されたデータを記憶するデータベースであり、車両10から収集されたデータにより適宜更新される。また、施設関連特殊ルールデータベース1110はサーバー装置が、各車両10の実走行経路などから特殊ルールを抽出したり、特殊ルールが発生するパターン(平日に発生するか、祝祭日に発生するか、など)を特定したり、また、特殊ルールで走行する車両10の頻度などを算出したりするための元のデータベースとして利用される。ここで、施設関連特殊ルールとは、所定の施設に関連して設けられた一般的な交通ルールとは異なるルールのことであり、当該施設に進入する際や当該施設から退出する際における車両の走行に対し適用されるものである。
【0023】
通信部1120は車両10とデータの送受信を行い得る無線通信装置であり、これによりセンター側のサーバー装置(情報提供システム)は、情報提供システム(図2記載のもの)から、車両10の予定経路データと実走行データを収集したり、サーバー装置側で抽出された特殊ルールを各車両10側に配信したりすることができるようになっている。
【0024】
以上のように構成される情報提供システムにおける処理の流れについて説明する。図4は本発明の実施形態に係る情報提供システムにおける車載側システムとセンター側サーバー装置の処理フローを示す図である。図4に示す例では、センター側サーバー装置が1台の車載側システムと通信を行っている場合について説明しているが、センター側サーバー装置は、走行中の全てのプローブカーの車載側システムと同様の通信を行うものである。
【0025】
ステップS100で、車両10の起動などに伴い、情報提供システム(車載側システム)における処理が開始されると、ステップS101では、ナビゲーションシステム部800において、所定の施設に係る目的地がセット済みであるか否かが判定される。ステップS101における判定がYESであるときには、ステップS102に進み、ナビゲーションシステム部800でセットされた予定経路データをセンターサーバー側に送信する。このように予定経路データがセットされた車両10からの情報は、センターサーバー側が特殊ルールを抽出するために利用される。一方、ステップS101における判定がNOである場合には、ステップS102にスキップしてステップS103に進む。センターサーバー側は、予定経路データがセットされていない車両からの情報については、一般的なプローブデータとして扱う。
【0026】
車両10の車載側システム側においては、ステップS103で、位置データ取得部811により現在位置データを取得し、ステップS104で、現在位置データをセンターサーバー側に送信することを走行終了するまで繰り返し、車両10の実走行経路データをセンターサーバー側に送信し続ける。このために、ステップS105で、車両10の走行が終了したか否かを判定し、当該判定がNO出るときには、ステップS106に進み、所定時間(又は所定距離)のウエイトをかけた上で、ステップS103に戻ってループする。一方、当該判定がYESであるときには、ステップS107に進み、センターサーバー側に走行が終了した旨の情報を送信する。ステップS108では、車両10の車載側システム側の処理を終了する。
【0027】
一方、ステップS200において、センターサーバー側の処理が開始されると続いて、ステップS201では、車両10の車載側システム側から、当該車両10のナビゲーションシステム部800でセットされた予定経路データを受信したか否かが判定される。ステップS201における判定がYESであるときには、ステップS202に進み、車両10の予定経路データをマッピングする処理を実行する。一方、ステップS202における判定がNOであるときには、ステップS201をスキップして、当該車両10からは通常のプローブデータを取得する処理を実行する。
【0028】
センターサーバー側は、ステップS203で、車両10の現在位置データを受信すると、ステップS204で、現在位置データをマッピングしていくことにより、実走行経路データを構築していく。この実走行経路データは車両10の走行が終了するまで行われることとなる。
【0029】
ステップS205では、(予定経路データが存在する場合には)実走行経路データと予定経路データとを比較し、ステップS206で相違するか否かが判定される。ステップS206の判定がNOであるときにはステップ209に進み、YESであるときにはステップS207に進む。
【0030】
ステップS207では、予定経路データでセットされている目的地である施設から所定距離内であるか否かが判定される。ステップS207の判定がNOであるときにはステップ209に進み、YESであるときにはステップS208に進む。ステップS208では、予定経路データと、施設周辺においてこれと相違した実走行経路データとをカレンダーデータ(曜日・祝祭日データ)などと共に、施設関連特殊ルールデータベース1110に登録する。ここで、施設関連特殊ルールデータベース1110について説明する。図5は本発明の実施形態に係る渋滞状況推定システムにおける施設関連特殊ルールデータベース1110のデータ構造を説明する図である。施設関連特殊ルールデータベース1110には、例えば、「施設名称」、「進入時/退出時の別」、「休日・祝祭日の別」、「予定経
路」、「実走行経路」、「頻度」、「採用/不採用」
の各項目のデータが格納される。
【0031】
施設関連特殊ルールデータベース1110における「施設名称」は、特殊ルールが決められている施設の名称(或いは、位置座標等でもよい)を記憶する項目である。また、
「進入時/退出時の別」は該当施設に対して進入するときの特殊ルールであるのか、該当
施設から退出するときの特殊ルールであるのかに係る別を記憶する項目である。
【0032】
また、「休日・祝祭日の別」は、特殊ルールが適用される曜日パターンを記憶する項目である。この項目では、例えば、特殊ルールが平日を含め全てに適用されているのか、或いは、特殊ルールが休日・祝祭日のみに適用されているのかなどを記憶する。
【0033】
また、施設関連特殊ルールデータベース1110における「予定経路」は車両10から取得した予定経路データを記憶する項目であり、「実走行経路」は車両10から取得した実走行経路データを記憶する項目である。これら2つの項目から得られる、予定経路データと実走行経路データとの相違を解析することによって、特殊ルールが具体的にどのようなものであるのか(例えば、右折禁止など)を把握することができる。また、「頻度」の項目では、特殊ルールに則って、走行した車両の割合が記憶される。また、当該「頻度」の項目に基づいて、特殊ルールとして、採用か不採用かが決められ、「採用/不採用」の
項目に採用か不採用かの別が記憶される。
【0034】
図4のフローチャートに戻り、ステップS209においては、車載側システムから走行終了情報を受信したか否かが判定される。ステップS209における判定がNOであるときにはステップS203に戻りループする。一方、判定がYESであるときにはステップS210に進み、処理を終了する。
【0035】
次に、施設関連特殊ルールデータベース1110において、「頻度」の項目に基づいて、特殊ルールとして採用とするか不採用とするかを決定するための処理を説明する。このような処理は、施設関連特殊ルールデータベース1110を最新情報が反映された状態に保つために、定期的に行うようにする。図6はこのような施設関連特殊ルールデータベース1110におけるデータ更新処理例を示す図である。ステップS300で、処理が開始されると、続くステップS301では、施設関連特殊ルールデータベース1110の登録データ(「頻度」のデータ)が取得される。ステップS302では、所定値以上の頻度で特殊ルール走行が発生しているかが判定され、この判定結果がYESであるときにはステップS303で、施設関連特殊ルールとして採用とし、「採用/不採用」の項目に「採用
」を書き込み、この判定結果がNOであるときにはステップS304で、施設関連特殊ルールとして不採用とし、「採用/不採用」の項目に「不採用」を書き込む。ステップS3
05で、処理を終了する。なお、ステップS302では、所定値以上の頻度で特殊ルール走行が発生していることを判定しているが、別の方法として、例えば、ある特定のユーザーの1回目の走行ルートと2回目以降の走行ルートを比較して、1回目の走行ルートが2回目以降の走行ルートと相違を調べることで特殊ルール走行が発生していると判断しても良い。
【0036】
次に、以上のようにしてセンターサーバー側で構築された施設関連特殊ルールデータベース1110の情報を、各車両10に配信し各車両10においてこれをドライバーに提供する処理について図7を参照し説明する。図7は本発明の実施形態に係る情報提供システムの車載側システムにおける情報提供処理フローを示す図である。
【0037】
図7において、ステップS400で、車載側システムにおける情報提供処理が開始されると、続いて、ステップS401に進み、センター側から配信された施設関連特殊ルールを受信する。ステップS402では、配信された施設関連特殊ルールを参照し、車両10のナビゲーションシステム部800においてセットされた目的地の施設に特殊ルールが存在するか否かを判定する。ステップS402の判定結果がYESであるときにはステップS403に進み、NOであるときにはステップS405に進む。
【0038】
ステップS403では、ナビゲーションシステム810を基に通常の経路探索を行い、ステップS404で、当該探索経路をセンターサーバー側から受信した施設関連交通ルールで修正する。一方、ステップS405では、ナビゲーションシステム810を基に通常の経路探索を実行する。ステップS406では、ディスプレイ610やスピーカー630によって、経路検索結果を提供し、ステップS407で、処理を終了する。なお、ステップS404では、探索経路をセンターサーバー側から受信した施設関連交通ルールで修正するとして説明してきたが、施設関連交通ルールが存在していることを判断した場合、そ
の始まり前後までの経路を作成しておき、この経路の端部に施設関連交通ルールの経路を繋げて所定施設までの経路を作成するようにしても良い。このようにすることでステップS404と同様に施設関連交通ルールを適用して経路を作成することができる。
【0039】
ステップS404で探索経路をセンターサーバー側から受信した施設関連交通ルールで修正し、これをステップS406で情報提供例する場合について説明する。図8は本発明の実施形態に係る情報提供システムの車載側システムにおける情報提供例を示すである。図8では目的地として「○×デパート」なる施設がセットされており、この施設に進入するときには、対向車線をまたがっての右折が禁止されている特殊ルールの存在が施設関連特殊ルールデータベース1110によって抽出されており、この特殊ルールに基づいて車載側のナビゲーション部800による経路が修正された例を示している。
【0040】
図8は、インターフェイス部600のディスプレイ610における画面表示例である。図8に示すように例えばディスプレイ610によって、(センター情報)として「○×デパート」に進入する際における特殊ルールを、「特殊ルールにより右折ができない可能性があります。この先の信号を右折するルートをお薦めいたします。」などと解説することでドライバーも特殊ルールについて把握がしやすくなる。それと共に、図8に示す代替のルートを提案することが好ましい。また、前記の解説はスピーカー630によって音声でドライバーに伝達するように構成することもできる。
【0041】
以上のように、本発明に係る情報提供システムによれば、プローブカー(車両)からデータを取得して、これから施設関連特殊ルールを抽出し、抽出された施設関連特殊ルールを各車載機側に提供するものであるので、ドライバーは施設に関連した特殊ルールを予め情報としてしることができ、意図しない回り道を余儀なくされたり、Uターンを行う必要がなくなったりするので、運転リスクを抑制でき、時間の無駄な浪費をなくすことができる。
【符号の説明】
【0042】
10・・・車両、100・・・ECU、120・・・計時部(カレンダー情報部)、500・・・通信部、510・・・通信ユニット、600・・・インターフェイス部、610・・・ディスプレイ、630・・・スピーカー、700・・・データ記憶部、800・・・ナビゲーションシステム部、810・・・ナビゲーションシステム、811・・・位置データ取得部、820・・・地図データベース、1100・・・演算処理部、1110・・・施設関連特殊ルールデータベース、1120・・・通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定施設までの経路データと、前記所定施設までの実走行経路データとを取得する手段と、
前記予定経路データと前記実走行経路データとの相違に基づいて、前記施設周辺の施設関連特殊ルールを抽出する手段と、
前記施設関連特殊ルールの有無に応じて、前記所定施設までの経路データに前記施設関連特殊ルールを適用して提供する手段と、からなることを特徴とする情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−203052(P2011−203052A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69672(P2010−69672)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】