説明

情報提供システム

【課題】LED表示ユニット、太陽電池及び蓄電池を備えた情報提供システムにおいて、停電補償用電力の確保及び消費電力の低減化の両方を達成する。
【解決手段】蓄電池3の充電容量を、停電時にLED表示ユニット1の駆動に必要な電力量(停電補償電力容量)に、余裕電力量を加えた充電容量とするとともに、蓄電池3の充電残量が所定の判定閾値(停電補償に必要な電力容量に基づいて設定した判定閾値)まで降下した場合には、その蓄電池3の放電を禁止することで、停電補償用の電力容量を常に確保する。さらに、蓄電池3の充電容量が上記判定閾値よりも高くて充電状態に余裕がある場合は、蓄電池3からLED表示ユニット1に給電する。このような構成により、停電補償用の電力を確保しながらも、商用電源200からLED表示ユニット1に給電される電力の消費量を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路情報などの各種情報を提供する情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や一般道路の道路近傍には、交通に必要な案内情報、道路上で発生した事故、渋滞発生などの各種の道路情報を表示する道路情報板が設置されている。道路情報板としては、消費電力の低減化や保守・管理に要する手間の削減等を図ることを目的として、LED(発光ダイオード)を用いた道路情報板が実用化されている。その一例として、多数のLEDをドットマトリクス状に配列してユニット化したLED表示ユニットがある(例えば、特許文献1及び2参照)。このようなLED表示ユニットにあっては、LEDの高輝度化に伴って省電力化が進んでいる。
【0003】
LED表示ユニットを用いて道路情報を提供するシステムとして、太陽光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池パネルを組み合わせたシステム(情報提供システム)が構築されている(例えば、特許文献3参照)。こうしたシステムでは、太陽電池パネルで発電した電力で、LED表示ユニットの駆動電力の一部をまかなうことにより、商用電源からLED表示ユニットに給電される電力の消費量を低減している。また、LED表示ユニットを用いた情報表示装置として、地震等の災害発生時に商用電源が停電した場合に、その停電補償用電源として蓄電池を備えたものが提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−284977号公報
【特許文献2】特開2003−098993号公報
【特許文献3】特開2010−060882号公報
【特許文献4】特開平09−146471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如く、LED表示ユニットに太陽電池パネルを組み合わせることにより、商用電力の消費量を低減するシステムがあり、また、停電補償用の蓄電池を組み合わせたシステムがあるが、消費電力の低減化及び停電補償を両立したシステムは未だ実現化されていない。
【0006】
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、停電補償用の電力を確保しながらも、消費電力の低減化を図ることが可能な情報提供システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電力供給により駆動する情報提供ユニット(例えば、LED表示ユニット)と、太陽光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池と、蓄電装置(蓄電池)と、前記蓄電装置の充電容量に関する値(例えば、充電電圧)を監視する充電状態監視手段と、電源制御ユニットとを備えているとともに、上記蓄電装置の充電容量を、商用電源の停電時に上記情報提供ユニットの駆動電力を確保する電力容量に、余裕電力容量を加えた充電容量としている。そして、上記電源制御ユニットは、商用電源からの電力、太陽電池で発電された電力、及び、蓄電装置に蓄電された電力のうち、いずれか1つの系統または複数の系統の電力を上記情報提供ユニットに供給する給電制御と、上記充電状態監視手段が監視している蓄電装置の充電容量に関する値が所定の判定閾値まで降下した場合に、その蓄電装置の放電を禁止する放電制限制御とを含む電源制御を行うように構成されていることを技術的特徴としている。
【0008】
本発明において、上記蓄電装置の充電容量に対する上記判定閾値は、上記した停電補償に必要な電力容量に基づいて設定する。具体的には、停電補償に必要な電力容量に所定量のマージン(情報提供ユニットの駆動を考慮した容量)を加えた値(充電容量)を判定閾値とする。また、上記情報提供ユニットの具体的な例として、複数のLEDがドットマトリクス状に配列されてなるLED表示ユニットを挙げることができる。
【0009】
本発明の情報提供システムによれば、停電補償用の電力容量を確保することができるとともに、消費電力の低減化を図ることができる。
【0010】
すなわち、本発明の情報提供システムにおいては、蓄電装置の充電容量を、停電時に情報提供ユニットの駆動に必要な電力量(停電補償の電力容量)に、余裕電力量を加えた充電容量とし、蓄電装置の充電容量(残容量)に関する値が、所定の判定閾値(停電補償に必要な電力容量に基づいて設定した判定閾値)にまで降下した場合には、蓄電装置の放電を禁止するようにしているので、停電補償用の電力容量を常に確保することができる。しかも、蓄電装置の充電容量に関する値が上記判定閾値よりも高い状態のときには、蓄電装置に蓄電された電力を、負荷である情報提供ユニットに給電することが可能になる。これによって、停電補償用の電力を確保しながらも、商用電源から情報提供ユニットに給電される電力の消費量を低減することができる。
【0011】
ここで、本発明において、蓄電装置の放電容量に関する値としては、例えば、蓄電装置の充電電圧を挙げることができる。また、蓄電装置の放電容量については、蓄電装置の充放電電流を検出し、その充放電電流を積算して充電容量(残容量)を算出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報提供システムによれば、停電補償用の電力を確保しながらも、消費電力の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の情報提供システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の情報提供システムに用いるLED表示ユニット及び太陽電池パネルの正面図(a)、側面図(b)並びに平面図(c)を併記して示す図である。
【図3】図1の情報提供システムに用いる蓄電池の充電電圧と放電時間との関係を示す図である。
【図4】電源コントロールユニットが実行する電源制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の情報提供システムの一例を示す概略構成図である。
【0016】
この例の情報提供システムは、道路情報を提供(表示)するシステムであって、LED表示ユニット1、太陽電池パネル(ソーラーパネル)2,2、蓄電池3、及び、電源コントロールユニット100などを備えている。これらの各部について以下に説明する。
【0017】
−LED表示ユニット−
この例のLED表示ユニット1は、図2に示すように、RGBの各色の多数個のLEDがドットマトリクス状に配列されてなる多数のLEDモジュール1a・・1aを有し、それら多数のLEDモジュール1a・・1aを更にマトリクス状に配列した大画面の表示ユニットである。
【0018】
LED表示ユニット1には、図示はしないが、上記LEDモジュール1a・・1aの各LEDを駆動するLED駆動回路が内蔵されており、そのLED駆動回路にてLEDモジュール1a・・1aの各LEDの点灯あるいは点滅することによって、各種の道路情報を文字・図形・シンボル表示することができる。このLED表示ユニット1の上部中央に、太陽電池パネル2,2が配置されている。
【0019】
なお、LED表示ユニット1(太陽電池パネル2,2も含む)は、一般道路や高速道路等に設置のポール(支柱)あるいは架橋に取り付けられることによって道路の上方に設置される。
【0020】
−太陽電池パネル−
この例の情報提供システムでは、複数枚(この例では2枚)の太陽電池パネル2,2を備えている。各太陽電池パネル2は、太陽光エネルギを電気エネルギに変換する多数の太陽電池セル2a・・2aがマトリクス状に配列されている。それら多数の太陽電池セル2a・・2aは直列接続(もしくは直並列接続)されている。各太陽電池パネル2は、それぞれ、後述する電源コントロールユニット100の系統連携部102にDC/DCコンバータ101bを介して接続されている。各太陽電池パネル2には、逆流防止ダイオード21,21が接続されており、太陽電池パネル2の電圧が低下しても、電源コントロールユニット100や蓄電池3等からの太陽電池パネル2への逆流が防止されている。
【0021】
なお、太陽電池パネル2,2の配置場所は特に限定されないが、この例では、太陽電池パネル2,2をLED表示ユニット1の上部に中心振り分けで配置している。また、太陽電池パネル2,2はLED表示ユニット1の長手方向(水平方向)に沿う軸を中心(図2に示す支持軸22を中心)として回動可能となっており、太陽電池パネル2,2の設置角度(水平面に対する傾斜角度)を調整することができる。
【0022】
−蓄電池−
蓄電池3は、例えばリチウムイオン電池である。蓄電池3の充電容量(Ah)は、商用電源200が停電したときに、LED表示ユニット1を駆動する時間(停電補償時間:例えば最大3時間)を確保するのに必要な充電容量に、余裕電力容量を加えた充電容量としている。
【0023】
この例では、蓄電池3の充電容量(Ah)と、蓄電池3の充電電圧(V)とに相関がある点を利用し、例えば、図3に示すように、蓄電池3の満充電電圧(満充電容量状態)を27Vとし、充電電圧=22Vを通常時の放電を終了する電圧(停電補償の電力容量を確保する電圧:判定閾値電圧Vth)としており、[27V≧充電電圧>22V]の領域を、通常時の充放電領域(余裕充電容量)Avとしている。この通常時の充放電領域Avでは、蓄電池3に充電されている電力を、負荷であるLED表示ユニット1に給電することが可能である。
【0024】
−電源コントロールユニット−
電源コントロールユニット100は、AC/DCコンバータ(商用電源用)101a、DC/DCコンバータ(太陽電池用)101b,101b、系統連携部102、DC/DCコンバータ103、電圧共通化部104、蓄電池充電器105、DC/DCコンバータ(インターフェース電源用)106a,106b、DC/DCコンバータ(制御電源用)106c、DC/DCコンバータ(表示LED電源用)106d、入力状態監視部107、蓄電状態監視部108、及び、制御部110などを備えている。
【0025】
AC/DCコンバータ101aは商用電源(AC100V)200に接続される。AC/DCコンバータ101aは、バックブースト(昇降圧)型のコンバータであって、商用電源200からの交流電力を直流電力に変換して系統連携部102に出力する。
【0026】
DC/DCコンバータ101b,101bは太陽電池パネル2,2に接続されている。各DC/DCコンバータ101bは、フライバック型の昇圧コンバータであって、各太陽電池パネル2で発電された直流電力を昇圧して系統連携部102に出力する。
【0027】
系統連携部102は、商用電源200からの電力(AC/DCコンバータ101aで変換された直流電力)と、太陽電池パネル2,2で発電された電力(DC/DCコンバータ101b,101bで昇圧された直流電力)とを系統連携して、変圧系統のDC/DCコンバータ103、及び、充電系統の蓄電池充電器105のいずれか一方または両方に供給する、などの電力系統連携を行う。系統連携部102での電力の系統連携は制御部110によって制御される。その電力の系統連携等の詳細については後述する。
【0028】
変圧系統のDC/DCコンバータ103は、系統連携部102にて系統連携された電力(太陽電池パネル2,2で発電された電力のみの場合なども含む)を26Vに変圧する。この変圧後の電力は電圧共通化部104に入力される。
【0029】
蓄電池充電器105は、系統連携部102において系統連携された電力(太陽電池パネル2,2で発電された電力のみの場合なども含む)の一部を蓄電池3に充電する。この蓄電池充電器105による蓄電池3への電力充電は制御部110によって制御される。
【0030】
電圧共通化部104は、変圧系統の電圧と充電系統の電圧とを共通の電圧に揃える機能部である。電圧共通化部104には、DC/DCコンバータ(インターフェース電源用)106a,106b、DC/DCコンバータ(制御電源用)106c、DC/DCコンバータ(LED電源用)106dが接続されており、その各DC/DCコンバータ106a,106b,106c,106dに、それぞれ、電圧共通化部104において電圧が共通化された電力が供給される。
【0031】
DC/DCコンバータ106aは、電圧共通化部104から供給された電力を−12Vに変圧し、その変換後の電力(インターフェース駆動電力)をLED表示ユニット1に出力する。DC/DCコンバータ106bは、電圧共通化部104から供給された電力を12Vに変圧し、その変換後の電力(インターフェース駆動電力)をLED表示ユニット1に出力する。DC/DCコンバータ106cは、電圧共通化部104から供給された電力を5Vに変圧し、その変換後の電力(制御部駆動電力)をLED表示ユニット1に出力する。DC/DCコンバータ106dは、電圧共通化部104から供給された電力を5V以下に変圧し、その変換後の電力(LED駆動電力)をLED表示ユニット1に出力する。
【0032】
入力状態監視部107は、商用電源200からの商用電力と、太陽電池パネル2,2からの太陽電池電力とを系統連携した場合の電力割合(商用電力と太陽電池電力との割合)を判定する。この入力状態監視部107で判定された電力割合は省エネ状態を確認するための情報として制御部110に入力される。また、入力状態監視部107は、太陽電池パネル2,2から系統連携部102に入力される電力を監視しており、その太陽電池電力情報も制御部110に入力される。
【0033】
蓄電状態監視部108は蓄電池3の蓄電状態を監視する。この例では、蓄電状態監視部108は、蓄電池3の充電容量(残容量)に関する値である充電電圧Vbを監視する。この蓄電状態監視部108が監視している充電容量(充電電圧Vb)は制御部110に入力される。
【0034】
制御部110は、上記入力状態監視部107及び蓄電状態監視部108の監視情報などに基づいて系統連携部102及び蓄電池充電器105などを制御して以下の電源制御を行う。なお、制御部110は、例えば、商用電力のコストパフォーマンスが高い時(例えば、深夜電力を契約している場合)に蓄電値3に商用電力を充電するといった電源制御も行う。
【0035】
−電源制御−
電源制御の一例について図4のフローチャートを参照して説明する。この図4の制御ルーチンは電源コントロールユニット100の制御部110で実行される。
【0036】
まず、ステップST101では、蓄電状態監視部108の監視情報に基づいて、蓄電池3の充電電圧Vbが、図3に示す判定閾値電圧Vth(Vth=22V)よりも大きい状態であるか否かを判定する。このステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合([Vb>Vth]である場合)はステップST102に進む。ステップST101の判定結果が否定判定(NO)である場合については後述する。
【0037】
ステップST102においては、入力状態監視部107の監視情報に基づいて、太陽電池パネル2,2の発電電力のみでLED表示ユニット1を駆動することが可能であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定である場合はステップST108に進む。
【0038】
ステップST108では、系統連携部102を制御して太陽電池パネル2,2で発電される電力と商用電源200からの電力とを連携してLED表示ユニット1を駆動する。このとき、太陽電池パネル2,2で発電される電力を最大に利用し、残りの電力(駆動必要電力−発電電力)を商用電源200でまかなうようにする。また、夜間などにおいて太陽電池パネル2,2の発電電力がない場合には、商用電源200からの電力を利用する。この場合、蓄電池3の蓄電されている電力に余裕がある場合は、蓄電池3の電力の一部をLED表示ユニット1に給電するようにしてもよい。なお、このステップST108の電源制御は、ステップST101の判定結果が肯定判定であり、ステップST102の判定結果が否定判定である状況のときに継続して実行される。
【0039】
上記ステップST102の判定結果が肯定判定である場合は、太陽電池パネル2,2で発電される電力のみでLED表示ユニット1を駆動する(ステップST103)。このとき、入力状態監視部107の監視情報に基づいて、太陽電池パネル2,2が発電する電力に余剰があるか否かを判定する(ステップST104)。その判定結果が肯定判定である場合は、余剰電力を蓄電池3に充電する(ステップST105)。その後、リターン(ステップST101に戻る)する。
【0040】
一方、ステップST104の判定結果が否定判定である場合(太陽電池パネル2,2で発電される電力のみでLED表示ユニット1を駆動している状況で、その発電電力に余剰がない場合)は、日陰等による影響により太陽電池パネル2,2の発電電力に脈動が生じているか否かを判定する(ステップST106)。その判定結果が肯定判定である場合は蓄電池3に蓄電されている電力を一時給電する(ステップST107)。その後にリターンする。ステップST106の判定結果が否定判定である場合(発電電力に脈動が生じていない場合)はリターンする。
【0041】
そして、上記ステップST101の判定結果が否定判定である場合、つまり、蓄電池3の充電電圧Vbが、図3に示す判定閾値電圧Vth(=22V)にまで降下した場合([Vb≦Vth]になった場合)は蓄電池3の放電を禁止して、商用電源200が停電したときの非常用電力容量を確保する。この放電を禁止する放電制限制御は、ステップST101の判定結果が否定判定である場合は継続されるが、太陽電池パネル2,2の発電電力等により蓄電池3が充電され、充電電圧Vbが判定閾値電圧Vthよりも大きくなった場合([Vb>Vth]である場合)は放電制限制御が解除され、蓄電池3からの給電が可能な状態に戻る。
【0042】
以上のように、この例の情報提供システムによれば、蓄電池3の充電容量を、商用電源200の停電時にLED表示ユニット1の駆動電力を確保する電力容量に、余裕電力容量を加えた充電容量にするとともに、蓄電池3の充電容量(残容量)Vbが判定閾値電圧Vthにまで降下した場合には、その蓄電池3の放電を禁止するので、停電補償用の電力容量を常に確保することができる。これにより、例えば、地震等の災害時に商用電源200が停電した場合であっても、「災害の事象の種類(落石、津波、道路陥没、道路水没など)」や、「その各事象が発生した場所までの距離」などをLED表示ユニット1に表示することが可能となり、それらの道路情報をドライバ等に対して提供することができる。
【0043】
しかも、蓄電池3の充電容量Vbが判定閾値電圧Vthよりも高い状態のときには、蓄電池3に蓄電されている電力を、負荷であるLED表示ユニット1に給電することが可能になる。これによって商用電源から情報提供ユニットに給電される電力の消費量を低減することができる。
【0044】
−他の実施形態−
以上の例では、蓄電池3の充電容量に関する値である充電電圧Vbを用いて電源制御を行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、蓄電池3の充放電電流を検出し、その充放電電流を積算して蓄電池3の充電容量(残容量)を算出する。そして、その充電容量と判定閾値(停電補償に必要な電力容量に基づいて設定した容量値)と比較して、上記した「蓄電池3の充放電(給電)制御」、及び、「蓄電池3の放電制限制御」などの電源制御を行うようにしてもよい。
【0045】
以上の例では、2枚の太陽電池パネル2,2を備えた情報提供システムの例について説明したが、その太陽電池パネル2の枚数は任意であって、必要な電力容量に応じて適宜に設定すればよい。また、太陽電池パネル2については、LED表示ユニット1の上部のほか、例えば、一般道路や高速道路等に設置のポール(支柱)あるいは架橋に取り付けるようにしてもよい。
【0046】
以上の例では、蓄電池3としてリチウムイオン電池(二次電池)を用いているが、このほか、例えば、リチウムイオンキャパシタなどの他の形式の蓄電装置を用いてもよい。
【0047】
以上の例では、道路情報を表示するシステムに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば、音声等により情報を提供するシステム、所定の領域を監視する監視システムなどの他の各種の情報提供システムに利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
道路情報などの各種情報を提供する情報提供システムに利用可能であり、さらに詳しくは、太陽電池及び蓄電装置を備えた情報提供システムに有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 LED表示ユニット
1a LEDモジュール
2 太陽電池パネル
2a 太陽電池セル
3 蓄電池
100 電源コントロールユニット
101a AC/DCコンバータ(商用電源用)
101b DC/DCコンバータ(太陽電池用)
102 系統連携部
103 DC/DCコンバータ(変圧系統)
104 電圧共通化部
105 蓄電池充電器
106c DC/DCコンバータ(制御電源用)
106d DC/DCコンバータ(LED電源用)
107 入力状態監視部
108 充電状態監視部
110 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給により駆動する情報提供ユニットと、太陽光エネルギを電気エネルギに変換する太陽電池と、蓄電装置と、前記蓄電装置の充電容量に関する値を監視する充電状態監視手段と、電源制御ユニットとを備え、
前記蓄電装置は、商用電源の停電時に前記情報提供ユニットの駆動電力を確保する電力容量に、余裕電力容量を加えた充電容量を有し、
前記電源制御ユニットは、商用電源からの電力、前記太陽電池で発電された電力、及び、前記蓄電装置に蓄電された電力のうち、いずれか1つの系統または複数の系統の電力を前記情報提供ユニットに供給する給電制御と、前記充電状態監視手段が監視している前記蓄電装置の充電容量に関する値が所定の判定閾値まで降下した場合に、その蓄電装置の放電を禁止する放電制限制御とを含む電源制御を行うことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報提供システムにおいて、
前記蓄電装置の充電容量に対する上記判定閾値は、前記停電補償に必要な電力容量に基づいて設定されていることを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の情報提供システムにおいて、
前記情報提供ユニットは、複数のLEDがドットマトリクス状に配列されてなるLED表示ユニットであることを特徴とする情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−231653(P2012−231653A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100020(P2011−100020)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000195029)星和電機株式会社 (143)
【Fターム(参考)】