情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置
【課題】 例えば、歩行経路において目標到着時刻までに目的地に到着するために走る必要があるか否かを携帯通信装置のユーザに通知する情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置を提供する。
【解決手段】 ユーザが目的地及び目標到着時刻を音声入力した携帯電話器2によって目的地への経路案内を情報提供装置1に要求した場合、システムコントロール部20はGPS受信機28が受信した電波に基づいて現在位置を取得し、既に入力された歩行速度、目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信する。情報提供装置1の制御部10は受信した各情報及び地図データに基づいて目的地までの経路を検索し、特定した経路の距離、歩行速度及び目標到着時刻に基づいて目標到着時刻までに目的地へ到着するために走行する必要があるか否かを判断し、判断結果を表記するメニュー画像と、判断結果に応じた楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【解決手段】 ユーザが目的地及び目標到着時刻を音声入力した携帯電話器2によって目的地への経路案内を情報提供装置1に要求した場合、システムコントロール部20はGPS受信機28が受信した電波に基づいて現在位置を取得し、既に入力された歩行速度、目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信する。情報提供装置1の制御部10は受信した各情報及び地図データに基づいて目的地までの経路を検索し、特定した経路の距離、歩行速度及び目標到着時刻に基づいて目標到着時刻までに目的地へ到着するために走行する必要があるか否かを判断し、判断結果を表記するメニュー画像と、判断結果に応じた楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信装置から受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を提供する情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、PDA(Personal Digital Assistant)を代表としたモバイルコンピュータ、携帯電話器、及びPHS(Personal Handy phone System)電話器等の携帯端末装置における多機能化、表示画面の大型化及び高解像度化が著しく、このような携帯端末装置にネットワークを介して各種のデータを提供するシステムが構築されている。携帯電話器での利用が可能なシステムとしては、例えば、株式会社エヌ・ティー・ティー・ドコモが提供するiモード(登録商標)、ボーダフォン株式会社が提供するボーダフォンライブ(登録商標)、KDDI株式会社が提供するEZweb(登録商標)等のサービスがあり、それぞれのサービスに対応した携帯電話器を用いることにより、iモード用、ボーダフォンライブ用又はEZweb用の各種コンテンツの提供を受けることができる。
【0003】
一方、GPS(Global Positioning System)を利用して現在地を検出する機能が搭載された携帯電話器が普及しており、このような携帯電話器にコンテンツとして地図データを提供するサービスが行なわれている。このようなサービスを利用するユーザは、携帯電話器によって検出した現在地に基づいて、対応する地図データの提供を受け、提供された地図データを表示させつつ、携帯電話器が定期的に検出する現在地をプロットすることによるナビゲーション機能を利用することができる。
【0004】
このように、携帯電話器によってナビゲーション機能を動作させることにより、ユーザは、携帯電話器に表示された所望の目的地までの経路を示す地図、及び各種の音声ガイダンスに従って移動すればよく、初めての土地で地理に詳しくない場合又は道に迷った場合であっても、確実に目的地に到着することができる。また、携帯電話器を携帯するユーザは、徒歩、自転車又はバイク等での移動だけでなく各種の交通機関も利用するため、携帯電話器によるナビゲーション機能を実現するためのシステムは、ユーザが所望する目的地までの経路において各種交通機関を利用する必要がある場合には、その旨を案内し、交通機関を利用した経路を案内する。
【0005】
なお、交通機関を利用した経路を案内する場合には、ユーザによって目的地への目標到着時刻が設定されることにより、目標到着時刻に間に合うように、各種交通機関における時刻表と照らし合わせて最良の経路を案内する。よって、ユーザは、ナビゲーション機能が案内する経路に従って必要に応じて各種交通機関を利用することによって目標到着時刻までに確実に目的地に到着することができる。なお、携帯電話器によるナビゲーション機能を実現するシステムとしては、以下の特許文献1及び2に示すものがある。
【特許文献1】特開2003−244767号公報
【特許文献2】特開2003−90733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したように、ナビゲーション機能を利用するユーザは所望する目的地への経路を知ることはできるが、実際に目的地までに要する移動時間を把握することは困難であるという問題がある。具体的には、これから目的地へ、例えば徒歩で向かう場合の経路において、ユーザが所望する目標到着時刻までに目的地へ到着するためには走る必要があるか否かをユーザ自身で判断しなければならず、誤った判断をした場合には、目標到着時刻に間に合わない事態を招く虞がある。
【0007】
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが希望する目標到着時刻までに目的地へ到着するために、予め登録してある移動速度での移動を行なえばよいか、又は前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを携帯通信装置を介してユーザに通知することが可能な情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ユーザが実際に目的地への移動を開始した場合に、移動速度を変更する必要があるか否かを携帯通信装置を介してユーザに通知することが可能な情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の他の目的は、携帯通信装置が情報提供装置から受信した各情報を音声出力することにより、携帯通信装置のユーザに各情報を効率よく通知することが可能であり、携帯通信装置が音声入力によってユーザからの各情報を受け付けることにより、ユーザの操作処理負担を軽減することが可能な情報提供方法を提供することにある。
【0010】
更に、本発明の他の目的は、情報提供装置が携帯通信装置へ送信する各情報に応じて異なる楽曲情報を提供することにより、各楽曲情報を再生した携帯通信装置のユーザは、再生された楽曲に従って通知された各情報を知ることが可能となる情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために第1発明に係る情報提供方法は、位置検出手段を有する携帯通信装置が、該位置検出手段によって検出した位置を示す位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を、地図情報を記憶部に記憶してある情報提供装置へ送信し、該情報提供装置が、受信した各情報に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供方法であって、前記携帯通信装置は、装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信し、前記情報提供装置は、受信した速度情報を前記記憶部に記憶し、前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定し、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る情報提供方法は、前記携帯通信装置は、目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信し、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る情報提供方法は、前記携帯通信装置は、音声出力部を備え、前記情報提供装置から受信した各情報を該音声出力部により音声出力することを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る情報提供方法は、前記携帯通信装置は、音声入力部を備え、該音声入力部で入力を受け付けた音声に基づいて、前記目的地情報及び目標到着時刻を作成することを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、複数の楽曲情報を前記記憶部に記憶しており、前記携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0016】
第6発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、前記移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0018】
第8発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から受信する位置情報が示す位置及び特定した前記経路を比較し、前記位置が前記経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0019】
第9発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、特定した経路上の経由地を特定し、特定した経由地への経路長及び受信した前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定し、前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0020】
第10発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を前記記憶部に記憶しており、前記携帯通信装置から受信した各情報及び前記記憶部に記憶してある路線情報に基づき、前記目的地情報が示す目的地への前記交通機関を用いた経路を特定することを特徴とする。
【0021】
第11発明に係る情報提供システムは、位置検出手段を有する携帯通信装置と、地図情報を記憶する記憶部を有し、前記携帯通信装置から受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供装置とを含む情報提供システムであって、前記携帯通信装置は、装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、前記情報提供装置の記憶部は、受信した前記速度情報を記憶する構成としてあり、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信する手段とを有することを特徴とする。
【0022】
第12発明に係る情報提供システムは、前記携帯通信装置は、目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する手段を有することを特徴とする。
【0023】
第13発明に係る情報提供装置は、地図情報を記憶する記憶部と、ネットワークとの接続を行なう接続部と、該接続部を介して受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記接続部から送信する情報提供装置であって、移動体の移動速度を示す速度情報を前記接続部を介して受信する手段と、前記位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記接続部から送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
第14発明に係る情報提供装置は、前記接続部を介して前記移動体の移動に係る位置情報を受信する手段と、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記接続部から送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
第1発明、第11発明及び第13発明にあっては、位置検出手段を有する携帯通信装置は、該位置検出手段によって検出した位置を示す位置情報、目的地情報、目標到着時刻及び装置携帯者の移動速度を示す速度情報を情報提供装置へ送信し、情報提供装置は、受信した各情報に基づいて、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、自身の記憶部に記憶してある地図情報に基づいて特定し、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。よって、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、予め携帯通信装置から情報提供装置へ送信してある移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを携帯電話器に通知することが可能となる。
【0026】
第2発明、第12発明及び第14発明にあっては、携帯通信装置は、目的地への移動中に位置検出手段が検出する移動に係る位置情報を情報提供装置へ送信し、情報提供装置は、携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する。よって、携帯通信装置の装置携帯者が実際に目的地への移動を開始した場合に、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、移動速度を変更する必要があるか否かを携帯電話器に通知することが可能となる。
【0027】
第3発明にあっては、携帯通信装置が音声出力部を備え、情報提供装置から受信した各情報を音声出力することにより、装置携帯者は、各情報が表示された画面を見る必要がなく、適宜音声出力されるメッセージを聞くことによって効率よく各情報の通知を受けることが可能となる。また、第4発明にあっては、携帯通信装置が音声入力部を備え、音声入力部から入力を受け付けた音声に基づいて目的地情報及び目標到着時刻を作成することにより、装置携帯者は、携帯通信装置の操作部を操作することなく目的地情報及び目標到着時刻を入力することが可能となる。
【0028】
第5発明にあっては、情報提供装置は、複数の楽曲情報を記憶部に記憶しており、携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を記憶部から読み出して送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合には、装置携帯者は、通知された情報の内容を再生された楽曲に基づいて知ることが可能となる。また、第6発明にあっては、情報提供装置は、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合、装置携帯者は、再生された楽曲に応じて指示された移動速度を知ることが可能となる。
【0029】
更に、第7発明にあっては、情報提供装置は、移動速度を指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合、装置携帯者は、再生された楽曲に応じて、移動速度を変化させる必要があるか否かを知ることが可能となる。一方、第8発明にあっては、情報提供装置は、携帯通信装置から受信する位置情報が示す位置と、特定した経路とを比較し、前記位置が前記経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を携帯通信装置へ送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合、装置携帯者は、再生された楽曲に基づいて経路を誤っていることを知ることが可能となる。
【0030】
第9発明にあっては、情報提供装置は、特定した目的地への経路上に経由地を特定し、特定した経由地への経路長及び前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定し、前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。よって、目的地までの経路上の各経由地において、次の経由地へ該経由地への目標到着時刻までに到着するために、前記移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるか否かを携帯電話器に通知することが可能となる。
【0031】
第10発明にあっては、情報提供装置は、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を記憶部に記憶しており、携帯通信装置から受信した各情報及び記憶部に記憶してある路線情報に基づき、交通機関を用いた目的地への経路を特定する。よって、予め情報提供装置に送信された移動速度での移動だけでなく、交通機関を利用する必要がある目的地への経路も案内することが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
第1発明、第11発明及び第13発明によれば、携帯通信装置は、位置情報、目的地情報、目標到着時刻及び装置携帯者の移動速度を示す速度情報を情報提供装置へ送信する。情報提供装置は、受信した各情報に基づいて、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、自身の記憶部に記憶してある地図情報に基づいて特定し、特定した経路の経路長、前記目標到着時刻及び速度情報に基づいて、該速度情報が示す移動速度での移動を行なえばよいか、該移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。これにより、携帯通信装置の装置携帯者は、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、予め携帯通信装置から情報提供装置へ送信してある移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを知ることができ、目標到着時刻までに確実に目的地へ到着することができる。
【0033】
第2発明、第12発明及び第14発明によれば、携帯通信装置は、目的地への移動中の装置携帯者の移動に係る位置情報を情報提供装置へ送信する。情報提供装置は、受信した移動に係る位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、移動速度の変更が必要であるか否かを指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する。これにより、携帯通信装置の装置携帯者は、実際に目的地への移動を開始した場合に、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、そのままの速度で移動すればよいか又は移動速度を変更する必要があるかを知ることができ、目標到着時刻までにより確実に目的地へ到着することができる。
【0034】
第3発明によれば、携帯通信装置が情報提供装置から受信した各情報を音声出力することにより、装置携帯者は、各情報が表示された画面を見る必要がなく、適宜音声出力されるメッセージを聞くことによって、目的地への移動中であっても効率よく各情報の通知を受けることができる。また、第4発明によれば、携帯通信装置が音声入力部から入力を受け付けた音声に基づいて目的地情報及び目標到着時刻を作成することにより、装置携帯者は、携帯通信装置の操作部を操作することなく目的地情報及び目標到着時刻を入力することができる。よって、装置携帯者は、どのような状況であっても音声入力によって効率よく目的地情報及び目標到着時刻を入力することができる。
【0035】
第5発明によれば、情報提供装置が携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を送信することにより、前記楽曲情報が再生された携帯通信装置の装置携帯者は、再生された楽曲に基づいて通知された情報の内容を知ることができる。従って、装置携帯者は、楽曲に基づいて通知された情報に従った速度によって移動することにより、目標到着時間までに目的地へ到着することができる。
【0036】
第6発明によれば、情報提供装置が、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を送信する。また、第7発明によれば、情報提供装置が、移動速度を指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を送信する。更に、第8発明によれば、情報提供装置が、携帯通信装置から受信する位置情報が示す携帯通信装置の現在地が、特定した経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を携帯通信装置へ送信する。
【0037】
第9発明によれば、情報提供装置は、特定した目的地への経路上に経由地を特定し、特定した経由地への経路長及び前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定する。また、情報提供装置は、前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。これにより、目的地までの経路上の各経由地において、装置携帯者は、次の経由地へ該経由地への目標到着時刻までに到着するために、前記移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを知ることができ、各経由地への目標到時刻までに各経由地へ到着することができる。
【0038】
第10発明によれば、情報提供装置は、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を記憶部に記憶しており、携帯通信装置から受信した各情報及び記憶部に記憶してある路線情報に基づき、交通機関を用いた目的地への経路を特定する。よって、情報提供装置は、徒歩、自転車又はバイク等による予め情報提供装置に送信された移動速度での移動だけでなく、交通機関を利用する必要がある目的地への経路も案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に本発明に係る情報提供システムをその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は本発明に係る情報提供システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報提供システム100は、事業体が運営する情報配信サービスに加入したユーザ(装置携帯者)が有する携帯通信装置である携帯電話器2a〜2mへ、要求された情報(経路案内情報)を提供するものである。
【0040】
本実施形態では、本発明の情報提供装置1は、携帯電話器2a〜2mから受信した現在位置の情報、目的地の情報及び目的地への目標到着時刻に基づいて、目的地までの最適な経路、目標到着時刻までに目的地へ到着するために走る必要があるか否か等の目的地への到着に係る情報を提供する。なお、本実施形態の情報提供装置1は、各種情報を画面及び音声(楽曲)によって提供する。
【0041】
情報提供システム100は、情報配信サービス(経路案内サイト)を運営する事業体によって管理される情報提供装置1と、多数の携帯電話器2a〜2mのそれぞれとの無線接続を行なう多数の中継基地局4a〜4nとを夫々ネットワーク3に接続した構成としている。なお、以下では、多数の携帯電話器2a〜2mをまとめて携帯電話器2と記載し、多数の中継基地局4a〜4nをまとめて中継基地局4と記載して説明する。
【0042】
情報配信サービスへの加入は、各ユーザが所定の店舗において申し込みを行なう、又は各ユーザが携帯電話器2で情報提供装置1がネットワーク3上で公開するWebサイトで申し込みを行なうことで行なわれ、この申し込みにより各携帯電話器2が有する固有の識別データ(電話番号に相当)が情報提供装置1で管理される。
【0043】
以下に、本実施形態の情報提供システム100における情報提供装置1及び携帯電話器2の内部構成について説明する。図2は本実施形態の情報提供装置1及び携帯電話器2の内部構成例を示すブロック図である。携帯電話器2は、システムコントロール部20、第1メモリ部21、第2メモリ部22、音声入力部23、音声出力部24、表示部25、操作部26、通信部27、GPS受信機28等を備えており、それぞれはバス2aで相互に接続されている。
【0044】
システムコントロール部20は、タイマ(図示せず)を有するCPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等により構成されており、バス2aを介して接続される上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、第1メモリ部21に予め格納されている制御プログラムに従って所定の動作を実行する。
【0045】
第1メモリ部21は、ROM又はフラッシュメモリ等により構成されており、システムコントロール部20が行なう制御内容を規定した制御プログラムを各種記憶している。本実施形態では、所望のWebサイトに接続する通信プログラム、Webサイトの画像閲覧処理に係るブラウザプログラム、測位処理プログラム、音声認識処理プログラム等が第1メモリ部21に記憶されている。
【0046】
なお、システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムを実行することにより、GPS受信機28によりGPS衛星28b,28b…から受信した電波に基づき携帯電話器2の現在位置を示す位置情報を検出する位置検出手段として動作する。また、システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより、音声入力部23から入力される音声から文字情報を作成する。
【0047】
第2メモリ部22は、RAM又はフラッシュメモリ等により構成されており、システムコントロール部20による制御プログラムの実行時に発生するデータ、所望のWebサイトから取得した各種の情報を記憶する。また、第1メモリ部21は携帯電話器2が有する各種機能を選択できるようにするメニュー画像、携帯電話器2の機種情報(機種名)、及び携帯電話器2の電話番号等も記憶している。
【0048】
音声入力部23はマイクに相当するものであり、携帯電話器2が電話器として使用される際にユーザが話した音声を取得して通信部27へ伝送する処理を行なう。音声出力部24は音声増幅回路及びスピーカ等を備えており、携帯電話器2が電話器として使用される際に着信音及び通話先からの通話音を出力する。なお、本実施形態では、音声出力部24は、情報提供装置1から提供される音声データ及び楽曲データを音声出力する。
【0049】
表示部25は、システムコントロール部20の制御に基づき通信部27で受信したWebサイト画像、操作部26で操作入力された内容、及び第1メモリ部21に予め記憶されているメニュー画像等の各種内容を表示する。操作部26は、所望のWebサイトへアクセスする際等にユーザからの操作入力を受け付ける複数のボタン、及び各種の選択処理の際に用いる確定ボタン等で構成される。
【0050】
通信部27は、無線通話及び無線通信に係る電波の送受信を行なうアンテナ27aに接続されており、システムコントロール部20の制御により外部との通話及び通信を行なう手段であり、アンテナ27aを介して最寄りの中継基地局4との接続を確立する。よって、通信部27は、携帯電話器2が電話器として使用される際は通話音声を送受し、携帯電話器2が通信器として使用される際は各種データの通信を行なう。なお、通信されるデータにはインターネットのようなネットワーク3で公開されるWebサイト画像、及びWebアプリケーション等がある。
【0051】
GPS受信機28は、GPS衛星28b,28b…から送信される電波を受信するアンテナ28aを備え、このアンテナ28aを介して前記電波を受信する。尚、携帯電話器2は、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムをシステムコントロール部20により実行することによって、GPS受信機28が受信した電波に基づき、携帯電話器2の現在位置を、経度及び緯度の座標として計測する。
【0052】
システムコントロール部20は上述した各部の制御を行ない、特に本実施形態では、第1メモリ部21に記憶してある通信プログラム及びブラウザプログラムに従って所望のWebサイトへアクセスすると共に、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って得られた現在地を示す位置情報、ユーザから入力された目的地を示す目的地情報及び目的地への目標到着時刻をWebサイトへ送信する制御処理を行なう。また、システムコントロール部20は、送信した各情報に基づいてWebサイトから目的地への経路案内情報等を取得する。
【0053】
このような処理をシステムコントロール部20が行なうことにより携帯電話器2のユーザは、所望する目的地への経路、目的地までの歩行速度(移動速度)の指示等を情報提供装置1から取得できると共に、取得した各情報を表示部25及び音声出力部24で表示及び音声出力させることができる。なお、所望のWebサイトへのアクセス及びWebサイトとの各種情報の送受信等は、情報提供装置1との通信によって送られてくるメニュー画像等に基づきユーザからの所要の操作を操作部26で受け付けることで行なう。
【0054】
携帯電話器2は、一般にネットワーク3上で公開されている各事業体が運営するWebサイトへ通信部27の処理によりアクセスする場合、第1メモリ部21に記憶してある機種名及び電話番号をアクセス先のWebサイトに係るWebサーバへ送信する仕様になっている。
【0055】
次に、情報提供装置1の構成について説明する。情報提供装置1は、図2に示すように、制御部10、ROM11、RAM12、HDD(Hard Disk Drive)13及び通信インタフェース14等を備えており、それぞれはバス1aで相互に接続されている。通信インタフェース(接続部)14は、ネットワーク3と接続されてアクセス先とのデータ送受に係る通信処理を制御部10の制御に基づき行ない、HDD13に記憶してある各種データをアクセス先の携帯電話器2へ送信する処理等を行なう。
【0056】
制御部10は、CPU又はMPU等により構成されており、バス1aを介して接続される上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、ROM11に予め格納されている制御プログラムをRAM12に読み出して順次実行する。ROM11は、制御部10の主要処理に係る制御プログラムを予め記憶している。RAM12は、制御部10による制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
【0057】
HDD13には、制御部10が行なう制御内容を規定した制御プログラム、及びアクセスしてきた外部機器である携帯電話器2の表示部25で表示させる各種メニュー画像等を記憶している。なお、情報提供装置1から配信されてアクセス先の携帯電話器2で表示される画像の例を、後述する図4及び図5に示す。
【0058】
また、携帯電話器2からの要求に従った制御部10の処理によって情報提供装置1が携帯電話器2に経路情報を案内する場合に提供する地図データ(地図情報)、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線データ(路線情報)、複数の楽曲データ(楽曲情報)等もHDD(記憶部)13に記憶してある。なお、地図データ及び楽曲データは、携帯電話器2の機種名毎に記憶されている。
【0059】
更に、HDD13は、図4及び図5で示すようなメニュー画像を介して携帯電話器2から受信する各種の情報を蓄積する加入者情報データベース(以下、加入者情報DBという)を記憶している。加入者情報DBは、図3に示すように、情報提供サービスに加入している加入者毎に、加入者ID、携帯電話器2の電話番号、サービスへの加入手続きの際に登録された歩行速度、携帯電話器2から適宜受信する出発地情報、目的地情報、目標到着時刻及び現在地情報、制御部10の処理によって特定された前記出発地情報が示す出発地から前記目的地情報が示す目的地までの経路を示す経路情報等を蓄積したものである。
【0060】
また、加入者情報DBの内容は、新たなユーザのサービス利用申し込み、加入者がWebサイトへアクセスすることによる携帯電話器2からの各種情報の取得等に応じて制御部10の処理により適宜更新される。なお、歩行速度は、各ユーザが情報提供装置1によってネットワーク3上で公開されているWebサイトを介してサービスへの加入手続きを行なう際に、携帯電話器2を介して情報提供装置1へ送信され、制御部10によって加入者情報DBに登録される。また、携帯電話器2のシステムコントロール部20が、定期的に測位処理プログラムを実行することによって、GPS受信機28が受信した電波に基づく現在位置を検出し、順次検出される所定時間における移動距離に基づいて歩行速度を算出して情報提供装置1へ送信するようにしてもよい。
【0061】
以下に、情報提供装置1から配信されてアクセス先の携帯電話器2で表示される画像について説明する。ここで、図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(e)の各画像はそれぞれ、プログラム的な要素も含んでおり、表示される画像の選択可能項目がユーザの操作により携帯電話器2で選択されると、その項目が選択された旨が情報提供装置1へ通知される。情報提供装置1は、外部からのアクセスに伴い送信されてきたデータに応じて対応するメニュー画像をHDD13から読み出し、アクセス先の携帯電話器2へ送信する処理を行なう。
【0062】
上述した構成の情報提供システム100において、携帯電話器2のユーザが、情報提供装置1によって公開される経路案内サイトにアクセスするために操作部26の所定の操作ボタンを操作した場合、システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある通信プログラム及びブラウザプログラムを実行し、ユーザにより指定された経路案内サイトにアクセスする。なお、携帯電話器2は、経路案内サイトへアクセスする場合、第1メモリ部21に記憶してある電話番号をアクセス先のWebサイト、ここでは情報提供装置1へ送信する。
【0063】
情報提供装置1は、携帯電話器2からの電話番号を通信インタフェース14により受信することにより、制御部10が、Webサイトの要求を受け付け、受け付けた要求に対応するメニュー画像をHDD13から読み出して通信インタフェース14から携帯電話器2へ提供する。具体的には、情報提供装置1は、まず、アクセスされた経路案内サイトのトップページとして図4(a)に示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。なお、情報提供装置1の制御部10は、加入者情報DBに基づいて、携帯電話器2から受信した電話番号が加入者のものであるか否かを判断し、加入者でない者からのアクセスであった場合には、経路案内サイトへの加入を促すメニュー画面(図示せず)を提供する。
【0064】
図4(a)に示すメニュー画像は、携帯電話器2を携帯する経路案内サイトの加入者が経路を案内して欲しい目的地及びこの目的地への目標到着時刻の入力を要求する。ここで、携帯電話器2は、音声入力部23から入力される音声を文字情報に変換する音声認識機能を有しており、携帯電話器2のユーザ(加入者)は、音声入力部23に向かって所望の目的地及び目標到着時刻を発声する。システムコントロール部20は、音声入力部23から音声が入力された場合、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより、入力された音声を文字情報に変換し、図4(a)に示すように、それぞれ目的地又は目標到着時刻の入力欄に表示させ、ユーザによる確認を促す。
【0065】
図4(a)では、目的地のみ表示されたメニュー画面を表示しており、目的地として表示された「渋谷駅」が正しい場合、ユーザは、操作部26の確定ボタンを操作するか、又は「OK」と発声することにより、入力された目的地を確定する。なお、表示された目的地が正しくない場合、ユーザは、操作部26の確定ボタンによって「やり直し」ボタンを操作するか、又は「やり直し」と発声することにより、目的地の入力をやり直すことができる。
【0066】
同様にして、目標到着時刻の入力を行なったユーザは、操作部26の確定ボタンによって「検索開始」ボタンを操作するか、又は「検索開始」と発声することによって、入力した目的地へ、入力した目標到着時刻に間に合う経路の案内処理の開始を指示する。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、ユーザにより経路案内処理の開始が指示された場合、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく携帯電話器2の現在地を示す位置情報(具体的には、経度及び緯度)を検出し、入力された目的地を示す目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を情報提供装置1に要求する。
【0067】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した位置情報(出発地情報)、目的地情報及び目標到着時刻を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させる。次に制御部10は、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、携帯電話器2から受信して加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地(この時点での現在地)から目的地情報が示す目的地までの経路を検索する。制御部10は、経路が特定できた場合、この経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる。なお、経路情報には、例えば、出発地から最寄り駅までの歩行経路、電車、バス又はタクシー等を利用する交通機関経路、各交通機関間の乗り換えの際の乗換経路、交通機関の駅又は停留所から目的地までの歩行経路等がある。
【0068】
なお、図4(a)に示すメニュー画像を介して要求した経路案内は、渋谷駅から徒歩圏内の出発地から渋谷駅までの歩行経路の案内であり、情報提供装置1の制御部10は、検索した経路における距離(経路長)と、加入者情報DBに記憶してある歩行速度及び目標到着時刻とに基づいて、目的地である渋谷駅まで、前記歩行速度での移動を行なえばよいか、又は前記歩行速度よりも速い速度での移動(走行)を行なう必要があるか等を判断する。そして、制御部10は、その判断結果(移動情報)を表記する図4(b)又は図4(c)に示すようなメニュー画像と、それぞれの判断結果に応じた音声データ(メッセージデータ)及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する。
【0069】
具体的には、制御部10は、目的地である渋谷駅まで歩行速度での移動を行なえばよいと判断した場合、図4(b)に示すように「歩いても間に合います」を表記して歩行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。また、制御部10は、歩行速度よりも速い速度での移動を行なう必要があると判断した場合、図4(c)に示すように「走らないと間に合いません」を表記して走行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0070】
図4(b)及び(c)に示すメニュー画像は「地図表示」ボタン及び「終了」ボタンを表示しており、システムコントロール部20は、ユーザによって「地図表示」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「地図表示」と発声された場合、目的地として入力した渋谷駅までの地図データを情報提供装置1へ要求する。なお、図4(b)及び(c)に示すメニュー画像において、ユーザによって「終了」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「終了」と発声された場合、システムコントロール部20は、情報提供装置1との通信を終了する。
【0071】
地図データが要求された情報提供装置1において、制御部10は、加入者情報DBに記憶してある経路情報に基づいて、HDD13の地図データから必要な領域を抽出し、抽出した地図データを携帯電話器2へ送信する。具体的には、制御部10は、図4(d)に示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し、図4(d)に示すメニュー画像を表示部25に表示させた携帯電話器2のユーザは、表示された地図に従って、確実に目的地に到着することができる。
【0072】
目的地までの地図を表示している携帯電話器2において、即ち、装置携帯者であるユーザが目的地への移動中である携帯電話器2において、システムコントロール部20は、定期的にGPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報(移動に係る位置情報)を検出しており、検出した移動に係る位置情報(現在地情報)を表示部25に表示してある地図上にプロットすると共に情報提供装置1へ送信する。携帯電話器2から定期的に現在地情報を受信する情報提供装置1の制御部10は、受信する現在地情報(移動に係る位置情報)を加入者情報DBの対応する現在地情報欄に記憶(上書き)させる。
【0073】
また、制御部10は、携帯電話器2から現在地情報を受信した場合、受信した現在地情報、加入者情報DBに既に記憶してある目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、現在地から目的地である渋谷駅までの残りの距離について、歩行速度での移動を行なえばよいか、又はより速い速度での走行を行なう必要があるか等を判断する。そして、制御部10は、その判断結果(移動速度情報)を表記する図5(a)又は図5(b)に示すようなメニュー画像と、それぞれの判断結果に応じた音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0074】
具体的には、制御部10は、残りの距離について歩行速度での移動を行なえばよいと判断した場合、図5(a)に示すように「これからは歩いても間に合います」を表記して歩行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。また、制御部10は、より速い速度での走行を行なう必要があると判断した場合、図5(b)に示すように「もっと速く走ってください」と表記して走行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0075】
更に、制御部10は、携帯電話器2から現在地情報を受信する都度、受信した現在地情報が示す現在地と、加入者情報DBに記憶してある経路情報が示す目的地への経路とを比較し、現在地が経路から所定距離以内にあるか否かを判断し、現在地が経路から所定距離以上離れたと判断した場合、その旨を表記する図5(c)に示すようなメニュー画像と、対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0076】
図5(a)〜(c)に示すメニュー画像も「地図表示」ボタン及び「終了」ボタンを表示しており、システムコントロール部20は、ユーザによって「地図表示」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「地図表示」と発声された場合、目的地である渋谷駅までの地図データを情報提供装置1から取得する。また、ユーザによって「終了」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「終了」と発声された場合、システムコントロール部20は、情報提供装置1との通信を終了する。
【0077】
上述のように、図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(c)を用いて説明した経路の案内処理は、目的地である渋谷駅から徒歩圏内の場所から渋谷駅までの経路を案内しているが、新宿駅から徒歩圏内の場所からJR山手線を利用して渋谷駅までの経路の案内処理を要求することもできる。具体的には、新宿駅から徒歩圏内の場所にいるユーザが、情報提供装置1から経路案内サイトのトップページとして受信したメニュー画像に従って、図5(d)に示すように目的地及び目標到着時刻を音声入力し、「検索開始」と発声することによって、入力した目的地へ、入力した目標到着時刻に間に合う経路の案内処理の開始を指示することができる。
【0078】
この場合も同様に、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、GPS受信機28によって受信した電波に基づく携帯電話器2の現在地を示す位置情報を検出し、入力された目的地を示す目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を情報提供装置1に要求する。
【0079】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した位置情報(出発地情報)、目的地情報及び目標到着時刻を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させ、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、携帯電話器2から受信して加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地から目的地情報が示す目的地までの経路を検索する。制御部10は、経路が特定できた場合、この経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる。
【0080】
ここで、図5(d)に示すメニュー画像を介して要求した経路案内は、JR新宿駅から徒歩圏内の出発地からJR新宿駅までの徒歩経路、JR山手線を利用する新宿駅から渋谷駅までの電車経路を有する経路案内である。従って、情報提供装置1の制御部10は、HDD13に記憶してある路線データにおけるJR新宿駅の運行時刻情報に基づいて、目標到着時刻に渋谷駅に到着するために乗るべき電車の新宿駅の出発時刻を特定し、特定した出発時刻、検索した徒歩経路における距離、及び加入者情報DBに記憶してある歩行速度に基づいて、途中の目的地(経由地)である新宿駅まで、前記歩行速度での移動を行なえばよいか、又は前記歩行速度よりも速い速度での移動(走行)を行なう必要があるか等を判断する。
【0081】
そして、制御部10は、その判断結果を表記する図5(e)に示すようなメニュー画像と、判断結果に応じた音声データ(メッセージデータ)及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する。具体的には、制御部10は、途中の目的地である新宿駅まで歩行速度での移動を行なえばよいと判断した場合、目標到着時刻までに目的地である渋谷駅に到着するために乗るべき電車の新宿駅の出発時刻を通知すると共に、図5(e)に示すように「JR新宿駅まで歩いても間に合います」を表記して歩行移動を指示するメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。
【0082】
なお、制御部10は、歩行速度よりも速い速度での移動を行なう必要があると判断した場合、図5(e)と同様に、目標到着時刻までに目的地である渋谷駅に到着するために乗るべき電車の新宿駅の出発時刻を通知すると共に、図4(c)に示すように「走らないと間に合いません」を表記して走行移動を指示するメニュー画像(図示せず)を携帯電話器2へ送信する。
【0083】
図5(e)に示すメニュー画像においても「地図表示」ボタン及び「終了」ボタンが表示されており、システムコントロール部20は、ユーザによって「地図表示」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「地図表示」と発声された場合、途中の目的地である新宿駅までの徒歩経路を示す地図データを情報提供装置1へ要求し、情報提供装置1から新宿駅までの地図データを取得して表示部25に表示させる。
【0084】
以下に、上述した構成の情報提供システム100において、情報提供装置1が携帯電話器2からの要求に従って経路案内を行なう際の処理について説明する。図6及び図7は実施形態1の情報提供装置1による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、携帯電話器2の第1メモリ部21及び第2メモリ部22に記憶してある制御プログラムに従ってシステムコントロール部20が実行すると共に、情報提供装置1のROM11に記憶してある制御プログラムに従って制御部10が実行する。
【0085】
まず、携帯電話器2のユーザは、所望の目的地までの経路案内を受けるために、携帯電話器2で情報提供装置1がネットワーク3で公開する経路案内サイトにアクセスする(S1)。情報提供装置1の制御部10は、アクセスされた経路案内サイトのトップページとして図4(a)に示すメニュー画像をHDD13から読み出してアクセス先の携帯電話器2へ送信する(S2)。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させる(S3)。
【0086】
システムコントロール部20は、表示部25に表示されるメニュー画像中の各入力項目を入力するためにユーザからの音声が音声入力部23に入力されたか否かを判断しており(S4)、音声が入力されたと判断した場合(S4:YES)、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行して、入力された音声から文字情報を作成し、図4(a)に示すようにメニュー画像中の対応する入力欄に表示させる(S5)。なお、システムコントロール部20は、音声入力部23から音声が入力されないと判断した場合(S4:NO)、ステップS6へ処理を移行する。ユーザは、メニュー画像中に表示された文字情報を確認し、正しい場合は「OK」と発声し、正しくない場合は「やり直し」と発声する。
【0087】
システムコントロール部20は、音声入力部23から適宜入力される音声から文字情報を作成しており、ユーザが「OK」と発声したか否かを判断し(S6)、「OK」と発声したと判断した場合(S6:YES)、メニュー画像中に表示した文字情報(具体的には、目的地又は目標到着時刻)を一旦第2メモリ部22に記憶する(S7)。一方、システムコントロール部20は、「OK」と発声しなかったと判断した場合(S6:NO)、即ちユーザが「やり直し」と発声したと判断した場合、メニュー画像中の文字情報の表示を終了し(S8)、ステップS4へ処理を移行する。
【0088】
また、システムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「検索開始」と発声したか否かを判断しており(S9)、「検索開始」と発声していないと判断した場合(S9:NO)、ステップS4へ処理を移行する。また、システムコントロール部20は、「検索開始」と発声したと判断した場合(S9:YES)、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく現在地情報を取得し(S10)、ステップS7で第2メモリ部22に記憶させた目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を要求する(S11)。
【0089】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した位置情報(出発地情報)、目的地情報及び目標到着時刻等の各情報を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させる(S12)。次に制御部10は、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地から目的地情報が示す目的地への経路を検索し、特定した経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる(S13)。なお、ここでは、説明の簡略化のため、特定した経路は徒歩経路のみであるとする。
【0090】
次に制御部10は、検索した徒歩経路における距離と、加入者情報DBに記憶してある歩行速度及び目標到着時刻とに基づいて、目的地まで歩行速度での移動を行なえばよいか、又は歩行速度よりも速い速度での走行を行なう必要があるかを携帯電話器2のユーザに指示するための移動情報を特定し、特定した移動情報を表記するメニュー画像と、特定した移動情報に対応する音声データ及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する(S14)。
【0091】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、図4(b)又は(c)に示すように、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させると共に、受信した音声データ及び楽曲データを音声出力部24から音声出力させる(S15)。次にシステムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「地図表示」と発声したか否かを判断する(S16)。システムコントロール部20は、「地図表示」と発声したと判断した場合(S16:YES)、目的地までの地図データを情報提供装置1へ要求し(S17)、「地図表示」と発声していないと判断した場合(S16:NO)、即ち、ユーザが「終了」と発声した場合、ステップS20へ処理を移行する。
【0092】
情報提供装置1の制御部10は、要求に応じて、加入者情報DBに記憶してある経路情報に基づいて、HDD13の地図データから必要な領域を抽出し、抽出した地図データを表記するメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S18)。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像に基づいて、図4(d)に示す地図を表示部25に表示する(S19)。携帯電話器2のユーザは、図4(b)又は(c)に示すメニュー画像が示す移動指示、及び図4(c)に示す地図に従って歩行移動又は走行移動を開始する。
【0093】
このように携帯電話器2を携帯するユーザが目的地への移動を開始した場合、システムコントロール部20は、定期的にGPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報を取得する。即ち、システムコントロール部20は、自身のタイマが示す時刻の経過に基づいて所定時間が経過したか否かを判断しており(S20)、所定時間が経過したと判断した場合(S20:YES)、GPS受信機28によって受信した電波に基づいて現在地情報を取得して携帯電話器2へ送信する(S21)。なお、所定時間が経過していないと判断した場合(S20:NO)、システムコントロール部20は、ステップS25へ処理を移行する。
【0094】
情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した現在地情報を加入者情報DBに記憶させ(S22)、受信した現在地情報が示す現在地から目的地までの残りの経路について、残りの距離と、加入者情報DBに記憶してある目標到着時刻と、必要に応じて歩行速度とに基づいて、歩行速度での移動を行なえばよいか、又はより速い速度での走行を行なう必要があるかを携帯電話器2のユーザに指示するための移動速度情報を特定し、又は現在地が案内中の経路から所定距離以内であるか否かを判断し、特定した移動速度情報、又は現在地が案内中の経路から所定距離以上離れた旨を表記するメニュー画像と、それぞれの判断結果に対応する音声データ及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する(S23)。
【0095】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、図5(a)〜(c)に示すように、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させると共に、受信した音声データ及び楽曲データを音声出力部24から音声出力させ(S24)、ユーザによって上述したような経路案内処理の終了が指示されたか否かを判断する(S25)。システムコントロール部20は、経路案内処理の終了が指示されていないと判断した場合(S25:NO)、ステップS16へ処理を移行し、経路案内処理の終了が指示されたと判断した場合(S25:YES)、上述したような処理を終了する。
【0096】
上述したように、ネットワーク3を介して目的地への経路案内を行なう情報提供装置1が、目的地への経路だけでなく、歩行経路において走行する必要があるか否かまで通知することにより、これから目的地へ向かうユーザは、走る必要がある場合にはすぐに走行を開始することができ、走る必要がない場合には慌てることなく歩いて目的地へ目標到着時間までに到着することができる。また、携帯電話器2を介してユーザに通知する各情報に対応して携帯電話器2が異なる楽曲データを再生することにより、例えば、携帯電話器2が鞄の中にある場合であっても、音声によって各情報を通知するこができる。
【0097】
上述した実施形態1では、携帯電話器2から予め情報提供装置1へ送信しておく移動速度として携帯電話器2のユーザの歩行速度を用いた例について説明したが、例えば、自転車、バイク等による移動速度を用いることもできる。この場合、目的地に目標到着時刻までに到着するために、予め情報提供装置1に登録してある自転車の移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度で自転車を走らせる必要があるか等をユーザに通知することができる。
【0098】
上述した実施形態1では、情報提供装置1が各情報を携帯電話器2へ送信する場合に、各情報に対応する楽曲データをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する構成について説明したが、携帯電話器2が、自身において記憶してある着信メロディを各情報に対応させて記憶しておく構成とすることもできる。この場合、携帯電話器2のユーザは、着信メロディを聞くだけで、通知された情報の内容を知ることができる。
【0099】
また、楽曲データを携帯電話器2へ送信する情報提供装置1は、各情報に対応して異なる楽曲データを送信してもよいし、同じ楽曲データのピッチを変更することにより、各情報に対応させるようにしてもよい。例えば、ユーザに走る必要があることを通知したい場合には、情報提供装置1から携帯電話器2に、速いピッチの楽曲データが送信されることにより、この楽曲データを再生した携帯電話器2のユーザは、走る必要があることを知ることができる。
【0100】
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る情報提供システムについて説明する。本実施形態2の情報提供システムは、上述した実施形態1の情報提供装置1及び携帯電話器2によって実現できるため、情報提供装置1及び携帯電話器2の内部構成についての説明は省略する。なお、上述の実施形態1では、携帯電話器2のユーザによる歩行経路の案内について特に説明した。従って、以下の実施形態2では、電車、バス、タクシー等の各種交通機関を利用する交通機関経路を含んだ経路の案内について説明する。
【0101】
図8は実施形態2の情報提供装置1が携帯電話器2へ送信するメニュー画像の構成例を示す模式図である。なお、図8(a)〜(f)の各画像もそれぞれ、プログラム的な要素も含んでおり、表示される画像の選択可能項目がユーザの操作により携帯電話器2で選択されると、その項目が選択された旨が情報提供装置1へ通知される。
【0102】
本実施形態2の情報提供システム100において、ユーザは、携帯電話器2を用いて情報提供装置1によって公開される経路案内サイトにアクセスした場合、情報提供装置1から経路案内サイトのトップページとして図8(a)に示すメニュー画像を受信する。図8(a)に示すメニュー画像は、図4(a)に示すメニュー画像の続きとして、経路の案内方法の選択を促す。従って、図示していないが、図8(a)に示すメニュー画像は、上部に目的地の入力欄及び目標到着時刻の入力欄も表示している。
【0103】
従って、携帯電話器2のユーザ(加入者)は、音声入力部23に向かって所望の目的地及び目標到着時刻と、「1.全部案内」又は「2.部分案内」とを発声する。なお、案内方法を選択する場合、単に「1」又は「2」と発声してもよいし、ユーザが操作部26を操作することによって各方法を選択するようにしてもよい。システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより、音声入力部23から入力された音声を適宜文字情報に変換し、目的地、目標到着時刻及び案内方法の選択を受け付ける。
【0104】
ここで、本実施形態2では、案内方法として、ユーザにより入力された目的地までの経路について、一度に全部を案内する方法と、部分的に案内する方法とがある。部分的に案内する方法とは、例えば、目的地までの経路が、第1の駅から第2の駅までの第1経路及び第2の駅から第3の駅までの第2経路からなる場合に、ユーザが第1の駅にいるときには第1経路の案内のみを行ない、ユーザが第2の駅(経由地)に到着して経路案内サイトに再度アクセスした場合に次の第2経路の案内を行なう方法とする。
【0105】
上述したように、目的地、目標到着時刻及び案内方法の選択を受け付け、ユーザが「検索開始」と発声することによって経路案内処理の開始を指示された携帯電話器2のシステムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報を取得し、受け付けた目的地を示す目的地情報、目標到着時刻及び案内方法と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を情報提供装置1に要求する。なお、以下の説明では、現在地(出発地)をJR東海道線の大阪駅とし、目的地を東京ディズニーランドとして説明する。
【0106】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した各情報を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させ、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、出発地(JR東海道線の大阪駅)から目的地情報が示す目的地(東京ディズニーランド)までの経路を検索する。なお、路線データには、各交通機関における駅及び停留所の位置情報及びそれぞれの駅及び停留所における電車及びバスの運行時刻情報等が含まれており、制御部10は、各交通機関における運行時刻情報をも参照し、携帯電話器2から取得した目標到着時刻に間に合うような経路を検索する。
【0107】
制御部10は、経路が特定できた場合、この経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる。ここでは仮に、JR東海道線の大阪(9:00発)から新大阪(9:05着)までの第1経路と、新幹線のぞみを利用する新大阪(9:30発)から東京(12:00 着)までの第2経路と、JR京葉線の東京(12:30 発)から舞浜(12:45 着)までの第3経路と、舞浜駅から東京ディズニーランドまでの歩行経路とを含む経路が特定されたとする。
【0108】
情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2からの要求に従って、一度に全部を案内する方法が選択されている場合には、検索した経路を全て表記する図8(b)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。また、制御部10は、部分的に案内する方法が選択されている場合には、検索した経路の内の第1経路を表記する図8(c)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。なお、ここでは、制御部10は、新大阪駅、東京駅、舞浜駅を経由地とし、それぞれの経由地に到着したユーザから再度アクセスされた場合に、第2経路、第3経路、歩行経路のそれぞれを案内する。
【0109】
携帯電話器2のユーザは、表示部25に図8(b)に示すメニュー画像が表示された場合、目的地までの経路を確認し、必要に応じてメニュー画像を第2メモリ部22に取り込んでおく。これにより、ユーザは、目的地までの移動中に経路を確認する必要がある場合に、このメニュー画像を表示部25に再度表示させることができる。
【0110】
一方、図8(c)に示すメニュー画像は、目的地への経路の第1経路の案内、「次へ」ボタン、「一時終了」ボタン、「終了」ボタンを表示しており、システムコントロール部20は、ユーザによって音声入力部23から入力された音声を第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより文字情報に変換し、いずれかのボタンの選択を受け付ける。なお、ユーザが操作部26を操作することによって各ボタンを操作してもよい。
【0111】
図8(c)に示すメニュー画像において、ユーザが「次へ」と発声した場合、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、次の経路、ここでは第2経路の案内処理の実行を情報提供装置1に要求し、情報提供装置1から図8(d)に示すようなメニュー画像を受信する。また、ユーザが「終了」と発声した場合、システムコントロール部20は、経路案内処理を終了して情報提供装置1との通信を終了する。
【0112】
一方、ユーザが「一時終了」と発声した場合、システムコントロール部20は、経路案内処理の一時終了を情報提供装置1に要求する。経路案内処理の一時終了が要求された情報提供装置1の制御部10は、経路案内の一時終了状況として、例えば既に案内した経路番号等をHDD13の加入者情報DBの対応する欄に記憶し、図8(e)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。携帯電話器2のユーザは、図8(e)に示すメニュー画像のメッセージを確認して経路案内処理を一時的に終了する。
【0113】
ここで、このように一時的に終了した経路案内処理があるユーザが、携帯電話器2を用いて情報提供装置1が公開する経路案内サイトにアクセスした場合、情報提供装置1から経路案内サイトのトップページとして図8(f)に示すメニュー画像を受信する。図8(f)に示すメニュー画像は、新規の経路案内処理を要求するか、一時終了してある経路案内処理の続きを要求するかの選択を促す。従って、ユーザが音声入力部23に向かって「新規の案内」又は「続きの案内」を発声することにより、携帯電話器2は、新規の経路案内処理又は一時終了してある経路案内処理の続きの選択を受け付け、それぞれ対応する処理の実行を情報提供装置1に要求する。
【0114】
図8(f)に示すメニュー画像において、ユーザが「新規の案内」と発声することによって新規の経路案内処理が要求された携帯電話器2のシステムコントロール部20は、新規の経路案内処理を情報提供装置1に要求して図8(a)に示すメニュー画像を情報提供装置1から受信し、図8(a)〜(e)に従って説明したような経路案内処理の提供を受ける。
【0115】
一方、ユーザが「続きの案内」と発声することによって、一時的に終了してある経路案内処理の続きが要求された携帯電話器2のシステムコントロール部20は、一時終了中の経路案内処理の続きからの実行を情報提供装置1に要求する。情報提供装置1の制御部10は、加入者情報DBに記憶してある一時終了状況から、対応する携帯電話器2へ既に案内が終了している経路を特定し、特定した経路の次の経路を表記した図8(c)又は(d)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。これにより、一時的に終了していた経路案内処理を再開させることができ、ユーザは、表示されたメニュー画像に従って目的地への移動を行なうことができる。
【0116】
なお、一時的に終了していた経路案内処理の再開を指示する場合に、携帯電話器2のシステムコントロール部20が、GPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報を検出し、検出した位置情報に基づいて経路案内処理の再開を指示することにより、経路案内処理の再開を指示した時点での現在地に応じた経路案内を行なうようにしてもよい。即ち、上述した説明において、JR東海道線の大阪駅で一時終了した経路案内処理を東京駅で再開させた場合には、東京駅から舞浜駅までの第3経路の案内処理から再開させればよい。
【0117】
以下に、本実施形態2の情報提供システム100において、情報提供装置1が携帯電話器2からの要求に従って経路案内を行なう際の処理について説明する。図9乃至図11は実施形態2の情報提供装置1による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、携帯電話器2の第1メモリ部21及び第2メモリ部22に記憶してある制御プログラムに従ってシステムコントロール部20が実行すると共に、情報提供装置1のROM11に記憶してある制御プログラムに従って制御部10が実行する。
【0118】
まず、携帯電話器2のユーザは、所望の目的地までの経路案内を受けるために、携帯電話器2で情報提供装置1がネットワーク3で公開する経路案内サイトにアクセスする(S31)。情報提供装置1の制御部10は、アクセスしてきた携帯電話器2の電話番号に対応する一時終了中の案内処理が有るか否かを加入者情報DBから判断し(S32)、一時終了中の案内処理が有ると判断した場合(S32:YES)、図8(f)に示すように、新規の経路案内処理を要求するか、一時終了してある経路案内処理の続きを要求するかの経路案内処理の選択を促すメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S33)。
【0119】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S34)、音声入力部23から適宜入力される音声から文字情報を作成することによって、ユーザが「新規案内」と発声したか否かを判断する(S35)。システムコントロール部20は、ユーザが「新規案内」と発声したと判断した場合(S35:YES)、新規の経路案内処理を情報提供装置1に要求する(S36)。
【0120】
情報提供装置1の制御部10は、新規の経路案内処理が要求された場合、又は、ステップS32で一時終了中の案内処理が無いと判断した場合(S32:NO)、図8(a)に示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S37)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させる(S38)。
【0121】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、音声入力部23から適宜入力される音声から文字情報を作成することによって、ユーザによって入力される目的地、目標到着時刻及び選択された案内方法を示す文字情報を特定し、第2メモリ部22に一旦記憶させる(S39)。また、システムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「検索開始」と発声したか否かを判断しており(S40)、「検索開始」と発声していないと判断した場合(S40:NO)、ステップS39へ処理を移行する。
【0122】
システムコントロール部20は、ユーザが「検索開始」と発声したと判断した場合(S40:YES)、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく現在地情報を取得し(S41)、ステップS39で第2メモリ部22に記憶させた目的地情報、目標到着時刻及び案内方法と共に情報提供装置1へ送信して、新規の経路案内処理の実行を要求する(S42)。
【0123】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した各情報を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させ(S43)、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地から目的地情報が示す目的地への経路を検索し、特定した経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる(S44)。
【0124】
次に制御部10は、携帯電話器2から受信した情報に従って、特定した目的地への経路を一度に全部案内するように要求されているか否かを判断し(S45)、一度に全部案内するように要求されていると判断した場合(S45:YES)、図8(b)に示すような、全経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S46)。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S47)、ユーザによって上述したような経路案内処理の終了が指示されたか否かを判断する(S48)。システムコントロール部20は、経路案内処理の終了が指示されていないと判断した場合(S48:NO)、メニュー画像の表示を続行し(S47)、経路案内処理の終了が指示されたと判断した場合(S48:YES)、上述したような処理を終了する。
【0125】
ステップS45で、一度に全部案内するように要求されていないと判断した場合(S45:NO)、即ち、部分的に案内するように要求されている場合、制御部10は、図8(c)に示すような、一部の経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S49)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像を表示部25に表示させる(S50)。
【0126】
図8(c)に示すメニュー画像において、システムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「終了」と発声したか否かを判断しており(S51)、「終了」と発声したと判断した場合(S51:YES)、上述した経路案内処理を終了する。また、システムコントロール部20は、ユーザが「終了」と発声していないと判断した場合(S51:NO)、ユーザが「一時終了」と発声したか否かを判断する(S52)。
【0127】
システムコントロール部20は、ユーザが「一時終了」と発声したと判断した場合(S52:YES)、経路案内処理の一時終了を情報提供装置1に要求する(S53)。情報提供装置1の制御部10は、経路案内処理の一時終了を要求された場合、経路案内処理が一時終了していることを示す一時終了状況をHDD13の加入者情報DBの対応する欄に記憶し、加入者情報DBを更新し(S54)、図8(e)に示すような、経路案内サイトへの再アクセスを指示するメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S55)。
【0128】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像を表示し(S56)、ユーザによって上述したような経路案内処理の終了が指示されたか否かを判断する(S57)。システムコントロール部20は、経路案内処理の終了が指示されていないと判断した場合(S57:NO)、メニュー画像の表示を続行し(S56)、経路案内処理の終了が指示されたと判断した場合(S57:YES)、上述したような処理を終了する。
【0129】
ステップS52で、ユーザが「一時終了」と発声していないと判断した場合(S52:NO)、即ち、ユーザが「次へ」と発声したと判断した場合、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、ステップS50で表示したメニュー画像が示す経路の次の経路の案内処理の実行を情報提供装置1に要求する(S58)。情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から要求された次の経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S59)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S60)、ステップS51へ処理を移行する。
【0130】
一方、ステップS35で、システムコントロール部20は、ユーザが「新規案内」と発声したと判断しなかった場合(S35:NO)、即ちユーザが「続き案内」と発声したと判断した場合、一時的に終了してある経路案内処理の続きを情報提供装置1に要求する(S61)。情報提供装置1の制御部10は、経路案内処理の続きが要求された場合、加入者情報DBに記憶してある一時終了状況から、対応する携帯電話器2へ既に案内が終了している経路を特定し(S62)、特定した経路の次の経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S63)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S64)、ステップS51へ処理を移行する。
【0131】
上述したように、ネットワーク3を介して目的地への経路案内を行なう情報提供装置1が、一度に目的地への全経路を案内することができると共に、目的地への経路を複数の経路に分割し、それぞれの経路毎に案内することもできる。これにより、目的地への全経路を一度に知りたいユーザは、全経路の案内を受けることができ、例えば交通機関の乗り換え時に次の経路を知りたいユーザは、分割された各経路毎に案内を受けることができる。なお、情報提供装置1が携帯電話器2へ経路案内を行なう場合に、メニュー画像によって経路を指示するだけでなく、音声データ及び楽曲データによって経路を指示するようにしてもよい。
【0132】
上述した実施形態1では、携帯電話器2を携帯するユーザが、徒歩圏内の目的地へ歩いて又は走っていく場合の経路案内処理について説明し、実施形態2では、携帯電話器2を携帯するユーザが、各種交通機関を利用する交通機関経路を含んだ経路案内処理について説明したが、歩行経路及び交通機関経路の両方を含む経路案内を行なう場合も、それぞれ同様の処理によって実現することができる。
【0133】
また、情報提供装置1が、各交通機関における駅又は停留所等の地図情報をHDD(記憶部)13に記憶している場合には、例えば、効率よく駅から目的地まで移動するために、また、効率よく電車を乗り換えるために、乗車する電車の車両番号を案内し、電車の乗り換え駅における駅構内地図を案内し、出口としての改札口を案内することができる。更に、電車の乗り換え時において、上述の実施形態1で説明したように、歩いても次の電車に間に合うか、又は走らないと次の電車に間に合わないか等の案内も行なうことができる。
【0134】
更に、情報提供装置1が、各種交通機関における事故情報、道路における工事情報及び渋滞情報等を取得する構成とした場合には、交通機関に発生した事故、及び道路の渋滞状況に応じた遅延情報、道路工事による通行止め等も加味した経路を案内することができる。従って、このような情報を考慮して、目標到着時刻に間に合うように、電車、バス又はタクシー等の交通機関を必要に応じて利用した最適な経路を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に係る情報提供システムの構成例を示す模式図である。
【図2】本実施形態の情報提供装置及び携帯電話器の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】加入者情報データベースの構成例を示す模式図である。
【図4】メニュー画像の構成例を示す模式図である。
【図5】メニュー画像の構成例を示す模式図である。
【図6】実施形態1の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態1の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】メニュー画像の構成例を示す模式図である。
【図9】実施形態2の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施形態2の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施形態2の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0136】
100 情報提供システム
1 情報提供装置
13 HDD(記憶部)
14 通信インタフェース(接続部)
2a〜2m 携帯電話器(携帯通信装置)
20 システムコントロール部(位置検出手段)
23 音声入力部
24 音声出力部
28 GPS受信機
3 ネットワーク
4a〜4n 中継基地局
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信装置から受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を提供する情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、PDA(Personal Digital Assistant)を代表としたモバイルコンピュータ、携帯電話器、及びPHS(Personal Handy phone System)電話器等の携帯端末装置における多機能化、表示画面の大型化及び高解像度化が著しく、このような携帯端末装置にネットワークを介して各種のデータを提供するシステムが構築されている。携帯電話器での利用が可能なシステムとしては、例えば、株式会社エヌ・ティー・ティー・ドコモが提供するiモード(登録商標)、ボーダフォン株式会社が提供するボーダフォンライブ(登録商標)、KDDI株式会社が提供するEZweb(登録商標)等のサービスがあり、それぞれのサービスに対応した携帯電話器を用いることにより、iモード用、ボーダフォンライブ用又はEZweb用の各種コンテンツの提供を受けることができる。
【0003】
一方、GPS(Global Positioning System)を利用して現在地を検出する機能が搭載された携帯電話器が普及しており、このような携帯電話器にコンテンツとして地図データを提供するサービスが行なわれている。このようなサービスを利用するユーザは、携帯電話器によって検出した現在地に基づいて、対応する地図データの提供を受け、提供された地図データを表示させつつ、携帯電話器が定期的に検出する現在地をプロットすることによるナビゲーション機能を利用することができる。
【0004】
このように、携帯電話器によってナビゲーション機能を動作させることにより、ユーザは、携帯電話器に表示された所望の目的地までの経路を示す地図、及び各種の音声ガイダンスに従って移動すればよく、初めての土地で地理に詳しくない場合又は道に迷った場合であっても、確実に目的地に到着することができる。また、携帯電話器を携帯するユーザは、徒歩、自転車又はバイク等での移動だけでなく各種の交通機関も利用するため、携帯電話器によるナビゲーション機能を実現するためのシステムは、ユーザが所望する目的地までの経路において各種交通機関を利用する必要がある場合には、その旨を案内し、交通機関を利用した経路を案内する。
【0005】
なお、交通機関を利用した経路を案内する場合には、ユーザによって目的地への目標到着時刻が設定されることにより、目標到着時刻に間に合うように、各種交通機関における時刻表と照らし合わせて最良の経路を案内する。よって、ユーザは、ナビゲーション機能が案内する経路に従って必要に応じて各種交通機関を利用することによって目標到着時刻までに確実に目的地に到着することができる。なお、携帯電話器によるナビゲーション機能を実現するシステムとしては、以下の特許文献1及び2に示すものがある。
【特許文献1】特開2003−244767号公報
【特許文献2】特開2003−90733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したように、ナビゲーション機能を利用するユーザは所望する目的地への経路を知ることはできるが、実際に目的地までに要する移動時間を把握することは困難であるという問題がある。具体的には、これから目的地へ、例えば徒歩で向かう場合の経路において、ユーザが所望する目標到着時刻までに目的地へ到着するためには走る必要があるか否かをユーザ自身で判断しなければならず、誤った判断をした場合には、目標到着時刻に間に合わない事態を招く虞がある。
【0007】
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが希望する目標到着時刻までに目的地へ到着するために、予め登録してある移動速度での移動を行なえばよいか、又は前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを携帯通信装置を介してユーザに通知することが可能な情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ユーザが実際に目的地への移動を開始した場合に、移動速度を変更する必要があるか否かを携帯通信装置を介してユーザに通知することが可能な情報提供方法、情報提供システム及び情報提供装置を提供することにある。
【0009】
更に、本発明の他の目的は、携帯通信装置が情報提供装置から受信した各情報を音声出力することにより、携帯通信装置のユーザに各情報を効率よく通知することが可能であり、携帯通信装置が音声入力によってユーザからの各情報を受け付けることにより、ユーザの操作処理負担を軽減することが可能な情報提供方法を提供することにある。
【0010】
更に、本発明の他の目的は、情報提供装置が携帯通信装置へ送信する各情報に応じて異なる楽曲情報を提供することにより、各楽曲情報を再生した携帯通信装置のユーザは、再生された楽曲に従って通知された各情報を知ることが可能となる情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために第1発明に係る情報提供方法は、位置検出手段を有する携帯通信装置が、該位置検出手段によって検出した位置を示す位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を、地図情報を記憶部に記憶してある情報提供装置へ送信し、該情報提供装置が、受信した各情報に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供方法であって、前記携帯通信装置は、装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信し、前記情報提供装置は、受信した速度情報を前記記憶部に記憶し、前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定し、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0012】
第2発明に係る情報提供方法は、前記携帯通信装置は、目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信し、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0013】
第3発明に係る情報提供方法は、前記携帯通信装置は、音声出力部を備え、前記情報提供装置から受信した各情報を該音声出力部により音声出力することを特徴とする。
【0014】
第4発明に係る情報提供方法は、前記携帯通信装置は、音声入力部を備え、該音声入力部で入力を受け付けた音声に基づいて、前記目的地情報及び目標到着時刻を作成することを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、複数の楽曲情報を前記記憶部に記憶しており、前記携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0016】
第6発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、前記移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0018】
第8発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から受信する位置情報が示す位置及び特定した前記経路を比較し、前記位置が前記経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0019】
第9発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、特定した経路上の経由地を特定し、特定した経由地への経路長及び受信した前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定し、前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする。
【0020】
第10発明に係る情報提供方法は、前記情報提供装置は、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を前記記憶部に記憶しており、前記携帯通信装置から受信した各情報及び前記記憶部に記憶してある路線情報に基づき、前記目的地情報が示す目的地への前記交通機関を用いた経路を特定することを特徴とする。
【0021】
第11発明に係る情報提供システムは、位置検出手段を有する携帯通信装置と、地図情報を記憶する記憶部を有し、前記携帯通信装置から受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供装置とを含む情報提供システムであって、前記携帯通信装置は、装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、前記情報提供装置の記憶部は、受信した前記速度情報を記憶する構成としてあり、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信する手段とを有することを特徴とする。
【0022】
第12発明に係る情報提供システムは、前記携帯通信装置は、目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、前記情報提供装置は、前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する手段を有することを特徴とする。
【0023】
第13発明に係る情報提供装置は、地図情報を記憶する記憶部と、ネットワークとの接続を行なう接続部と、該接続部を介して受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記接続部から送信する情報提供装置であって、移動体の移動速度を示す速度情報を前記接続部を介して受信する手段と、前記位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記接続部から送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
第14発明に係る情報提供装置は、前記接続部を介して前記移動体の移動に係る位置情報を受信する手段と、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記接続部から送信する手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
第1発明、第11発明及び第13発明にあっては、位置検出手段を有する携帯通信装置は、該位置検出手段によって検出した位置を示す位置情報、目的地情報、目標到着時刻及び装置携帯者の移動速度を示す速度情報を情報提供装置へ送信し、情報提供装置は、受信した各情報に基づいて、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、自身の記憶部に記憶してある地図情報に基づいて特定し、特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。よって、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、予め携帯通信装置から情報提供装置へ送信してある移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを携帯電話器に通知することが可能となる。
【0026】
第2発明、第12発明及び第14発明にあっては、携帯通信装置は、目的地への移動中に位置検出手段が検出する移動に係る位置情報を情報提供装置へ送信し、情報提供装置は、携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する。よって、携帯通信装置の装置携帯者が実際に目的地への移動を開始した場合に、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、移動速度を変更する必要があるか否かを携帯電話器に通知することが可能となる。
【0027】
第3発明にあっては、携帯通信装置が音声出力部を備え、情報提供装置から受信した各情報を音声出力することにより、装置携帯者は、各情報が表示された画面を見る必要がなく、適宜音声出力されるメッセージを聞くことによって効率よく各情報の通知を受けることが可能となる。また、第4発明にあっては、携帯通信装置が音声入力部を備え、音声入力部から入力を受け付けた音声に基づいて目的地情報及び目標到着時刻を作成することにより、装置携帯者は、携帯通信装置の操作部を操作することなく目的地情報及び目標到着時刻を入力することが可能となる。
【0028】
第5発明にあっては、情報提供装置は、複数の楽曲情報を記憶部に記憶しており、携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を記憶部から読み出して送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合には、装置携帯者は、通知された情報の内容を再生された楽曲に基づいて知ることが可能となる。また、第6発明にあっては、情報提供装置は、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合、装置携帯者は、再生された楽曲に応じて指示された移動速度を知ることが可能となる。
【0029】
更に、第7発明にあっては、情報提供装置は、移動速度を指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合、装置携帯者は、再生された楽曲に応じて、移動速度を変化させる必要があるか否かを知ることが可能となる。一方、第8発明にあっては、情報提供装置は、携帯通信装置から受信する位置情報が示す位置と、特定した経路とを比較し、前記位置が前記経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を携帯通信装置へ送信することにより、楽曲情報を受信した携帯通信装置が再生した場合、装置携帯者は、再生された楽曲に基づいて経路を誤っていることを知ることが可能となる。
【0030】
第9発明にあっては、情報提供装置は、特定した目的地への経路上に経由地を特定し、特定した経由地への経路長及び前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定し、前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。よって、目的地までの経路上の各経由地において、次の経由地へ該経由地への目標到着時刻までに到着するために、前記移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるか否かを携帯電話器に通知することが可能となる。
【0031】
第10発明にあっては、情報提供装置は、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を記憶部に記憶しており、携帯通信装置から受信した各情報及び記憶部に記憶してある路線情報に基づき、交通機関を用いた目的地への経路を特定する。よって、予め情報提供装置に送信された移動速度での移動だけでなく、交通機関を利用する必要がある目的地への経路も案内することが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
第1発明、第11発明及び第13発明によれば、携帯通信装置は、位置情報、目的地情報、目標到着時刻及び装置携帯者の移動速度を示す速度情報を情報提供装置へ送信する。情報提供装置は、受信した各情報に基づいて、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、自身の記憶部に記憶してある地図情報に基づいて特定し、特定した経路の経路長、前記目標到着時刻及び速度情報に基づいて、該速度情報が示す移動速度での移動を行なえばよいか、該移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。これにより、携帯通信装置の装置携帯者は、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、予め携帯通信装置から情報提供装置へ送信してある移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを知ることができ、目標到着時刻までに確実に目的地へ到着することができる。
【0033】
第2発明、第12発明及び第14発明によれば、携帯通信装置は、目的地への移動中の装置携帯者の移動に係る位置情報を情報提供装置へ送信する。情報提供装置は、受信した移動に係る位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、移動速度の変更が必要であるか否かを指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する。これにより、携帯通信装置の装置携帯者は、実際に目的地への移動を開始した場合に、目標到着時刻までに目的地へ到着するために、そのままの速度で移動すればよいか又は移動速度を変更する必要があるかを知ることができ、目標到着時刻までにより確実に目的地へ到着することができる。
【0034】
第3発明によれば、携帯通信装置が情報提供装置から受信した各情報を音声出力することにより、装置携帯者は、各情報が表示された画面を見る必要がなく、適宜音声出力されるメッセージを聞くことによって、目的地への移動中であっても効率よく各情報の通知を受けることができる。また、第4発明によれば、携帯通信装置が音声入力部から入力を受け付けた音声に基づいて目的地情報及び目標到着時刻を作成することにより、装置携帯者は、携帯通信装置の操作部を操作することなく目的地情報及び目標到着時刻を入力することができる。よって、装置携帯者は、どのような状況であっても音声入力によって効率よく目的地情報及び目標到着時刻を入力することができる。
【0035】
第5発明によれば、情報提供装置が携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を送信することにより、前記楽曲情報が再生された携帯通信装置の装置携帯者は、再生された楽曲に基づいて通知された情報の内容を知ることができる。従って、装置携帯者は、楽曲に基づいて通知された情報に従った速度によって移動することにより、目標到着時間までに目的地へ到着することができる。
【0036】
第6発明によれば、情報提供装置が、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を送信する。また、第7発明によれば、情報提供装置が、移動速度を指示する移動速度情報を携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を送信する。更に、第8発明によれば、情報提供装置が、携帯通信装置から受信する位置情報が示す携帯通信装置の現在地が、特定した経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を携帯通信装置へ送信する。
【0037】
第9発明によれば、情報提供装置は、特定した目的地への経路上に経由地を特定し、特定した経由地への経路長及び前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定する。また、情報提供装置は、前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、予め携帯通信装置から受信してある移動速度での移動又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を携帯通信装置へ送信する。これにより、目的地までの経路上の各経由地において、装置携帯者は、次の経由地へ該経由地への目標到着時刻までに到着するために、前記移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度での移動を行なう必要があるかを知ることができ、各経由地への目標到時刻までに各経由地へ到着することができる。
【0038】
第10発明によれば、情報提供装置は、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を記憶部に記憶しており、携帯通信装置から受信した各情報及び記憶部に記憶してある路線情報に基づき、交通機関を用いた目的地への経路を特定する。よって、情報提供装置は、徒歩、自転車又はバイク等による予め情報提供装置に送信された移動速度での移動だけでなく、交通機関を利用する必要がある目的地への経路も案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に本発明に係る情報提供システムをその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は本発明に係る情報提供システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報提供システム100は、事業体が運営する情報配信サービスに加入したユーザ(装置携帯者)が有する携帯通信装置である携帯電話器2a〜2mへ、要求された情報(経路案内情報)を提供するものである。
【0040】
本実施形態では、本発明の情報提供装置1は、携帯電話器2a〜2mから受信した現在位置の情報、目的地の情報及び目的地への目標到着時刻に基づいて、目的地までの最適な経路、目標到着時刻までに目的地へ到着するために走る必要があるか否か等の目的地への到着に係る情報を提供する。なお、本実施形態の情報提供装置1は、各種情報を画面及び音声(楽曲)によって提供する。
【0041】
情報提供システム100は、情報配信サービス(経路案内サイト)を運営する事業体によって管理される情報提供装置1と、多数の携帯電話器2a〜2mのそれぞれとの無線接続を行なう多数の中継基地局4a〜4nとを夫々ネットワーク3に接続した構成としている。なお、以下では、多数の携帯電話器2a〜2mをまとめて携帯電話器2と記載し、多数の中継基地局4a〜4nをまとめて中継基地局4と記載して説明する。
【0042】
情報配信サービスへの加入は、各ユーザが所定の店舗において申し込みを行なう、又は各ユーザが携帯電話器2で情報提供装置1がネットワーク3上で公開するWebサイトで申し込みを行なうことで行なわれ、この申し込みにより各携帯電話器2が有する固有の識別データ(電話番号に相当)が情報提供装置1で管理される。
【0043】
以下に、本実施形態の情報提供システム100における情報提供装置1及び携帯電話器2の内部構成について説明する。図2は本実施形態の情報提供装置1及び携帯電話器2の内部構成例を示すブロック図である。携帯電話器2は、システムコントロール部20、第1メモリ部21、第2メモリ部22、音声入力部23、音声出力部24、表示部25、操作部26、通信部27、GPS受信機28等を備えており、それぞれはバス2aで相互に接続されている。
【0044】
システムコントロール部20は、タイマ(図示せず)を有するCPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)等により構成されており、バス2aを介して接続される上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、第1メモリ部21に予め格納されている制御プログラムに従って所定の動作を実行する。
【0045】
第1メモリ部21は、ROM又はフラッシュメモリ等により構成されており、システムコントロール部20が行なう制御内容を規定した制御プログラムを各種記憶している。本実施形態では、所望のWebサイトに接続する通信プログラム、Webサイトの画像閲覧処理に係るブラウザプログラム、測位処理プログラム、音声認識処理プログラム等が第1メモリ部21に記憶されている。
【0046】
なお、システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムを実行することにより、GPS受信機28によりGPS衛星28b,28b…から受信した電波に基づき携帯電話器2の現在位置を示す位置情報を検出する位置検出手段として動作する。また、システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより、音声入力部23から入力される音声から文字情報を作成する。
【0047】
第2メモリ部22は、RAM又はフラッシュメモリ等により構成されており、システムコントロール部20による制御プログラムの実行時に発生するデータ、所望のWebサイトから取得した各種の情報を記憶する。また、第1メモリ部21は携帯電話器2が有する各種機能を選択できるようにするメニュー画像、携帯電話器2の機種情報(機種名)、及び携帯電話器2の電話番号等も記憶している。
【0048】
音声入力部23はマイクに相当するものであり、携帯電話器2が電話器として使用される際にユーザが話した音声を取得して通信部27へ伝送する処理を行なう。音声出力部24は音声増幅回路及びスピーカ等を備えており、携帯電話器2が電話器として使用される際に着信音及び通話先からの通話音を出力する。なお、本実施形態では、音声出力部24は、情報提供装置1から提供される音声データ及び楽曲データを音声出力する。
【0049】
表示部25は、システムコントロール部20の制御に基づき通信部27で受信したWebサイト画像、操作部26で操作入力された内容、及び第1メモリ部21に予め記憶されているメニュー画像等の各種内容を表示する。操作部26は、所望のWebサイトへアクセスする際等にユーザからの操作入力を受け付ける複数のボタン、及び各種の選択処理の際に用いる確定ボタン等で構成される。
【0050】
通信部27は、無線通話及び無線通信に係る電波の送受信を行なうアンテナ27aに接続されており、システムコントロール部20の制御により外部との通話及び通信を行なう手段であり、アンテナ27aを介して最寄りの中継基地局4との接続を確立する。よって、通信部27は、携帯電話器2が電話器として使用される際は通話音声を送受し、携帯電話器2が通信器として使用される際は各種データの通信を行なう。なお、通信されるデータにはインターネットのようなネットワーク3で公開されるWebサイト画像、及びWebアプリケーション等がある。
【0051】
GPS受信機28は、GPS衛星28b,28b…から送信される電波を受信するアンテナ28aを備え、このアンテナ28aを介して前記電波を受信する。尚、携帯電話器2は、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムをシステムコントロール部20により実行することによって、GPS受信機28が受信した電波に基づき、携帯電話器2の現在位置を、経度及び緯度の座標として計測する。
【0052】
システムコントロール部20は上述した各部の制御を行ない、特に本実施形態では、第1メモリ部21に記憶してある通信プログラム及びブラウザプログラムに従って所望のWebサイトへアクセスすると共に、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って得られた現在地を示す位置情報、ユーザから入力された目的地を示す目的地情報及び目的地への目標到着時刻をWebサイトへ送信する制御処理を行なう。また、システムコントロール部20は、送信した各情報に基づいてWebサイトから目的地への経路案内情報等を取得する。
【0053】
このような処理をシステムコントロール部20が行なうことにより携帯電話器2のユーザは、所望する目的地への経路、目的地までの歩行速度(移動速度)の指示等を情報提供装置1から取得できると共に、取得した各情報を表示部25及び音声出力部24で表示及び音声出力させることができる。なお、所望のWebサイトへのアクセス及びWebサイトとの各種情報の送受信等は、情報提供装置1との通信によって送られてくるメニュー画像等に基づきユーザからの所要の操作を操作部26で受け付けることで行なう。
【0054】
携帯電話器2は、一般にネットワーク3上で公開されている各事業体が運営するWebサイトへ通信部27の処理によりアクセスする場合、第1メモリ部21に記憶してある機種名及び電話番号をアクセス先のWebサイトに係るWebサーバへ送信する仕様になっている。
【0055】
次に、情報提供装置1の構成について説明する。情報提供装置1は、図2に示すように、制御部10、ROM11、RAM12、HDD(Hard Disk Drive)13及び通信インタフェース14等を備えており、それぞれはバス1aで相互に接続されている。通信インタフェース(接続部)14は、ネットワーク3と接続されてアクセス先とのデータ送受に係る通信処理を制御部10の制御に基づき行ない、HDD13に記憶してある各種データをアクセス先の携帯電話器2へ送信する処理等を行なう。
【0056】
制御部10は、CPU又はMPU等により構成されており、バス1aを介して接続される上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、ROM11に予め格納されている制御プログラムをRAM12に読み出して順次実行する。ROM11は、制御部10の主要処理に係る制御プログラムを予め記憶している。RAM12は、制御部10による制御プログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
【0057】
HDD13には、制御部10が行なう制御内容を規定した制御プログラム、及びアクセスしてきた外部機器である携帯電話器2の表示部25で表示させる各種メニュー画像等を記憶している。なお、情報提供装置1から配信されてアクセス先の携帯電話器2で表示される画像の例を、後述する図4及び図5に示す。
【0058】
また、携帯電話器2からの要求に従った制御部10の処理によって情報提供装置1が携帯電話器2に経路情報を案内する場合に提供する地図データ(地図情報)、複数の交通機関のそれぞれに対応する路線データ(路線情報)、複数の楽曲データ(楽曲情報)等もHDD(記憶部)13に記憶してある。なお、地図データ及び楽曲データは、携帯電話器2の機種名毎に記憶されている。
【0059】
更に、HDD13は、図4及び図5で示すようなメニュー画像を介して携帯電話器2から受信する各種の情報を蓄積する加入者情報データベース(以下、加入者情報DBという)を記憶している。加入者情報DBは、図3に示すように、情報提供サービスに加入している加入者毎に、加入者ID、携帯電話器2の電話番号、サービスへの加入手続きの際に登録された歩行速度、携帯電話器2から適宜受信する出発地情報、目的地情報、目標到着時刻及び現在地情報、制御部10の処理によって特定された前記出発地情報が示す出発地から前記目的地情報が示す目的地までの経路を示す経路情報等を蓄積したものである。
【0060】
また、加入者情報DBの内容は、新たなユーザのサービス利用申し込み、加入者がWebサイトへアクセスすることによる携帯電話器2からの各種情報の取得等に応じて制御部10の処理により適宜更新される。なお、歩行速度は、各ユーザが情報提供装置1によってネットワーク3上で公開されているWebサイトを介してサービスへの加入手続きを行なう際に、携帯電話器2を介して情報提供装置1へ送信され、制御部10によって加入者情報DBに登録される。また、携帯電話器2のシステムコントロール部20が、定期的に測位処理プログラムを実行することによって、GPS受信機28が受信した電波に基づく現在位置を検出し、順次検出される所定時間における移動距離に基づいて歩行速度を算出して情報提供装置1へ送信するようにしてもよい。
【0061】
以下に、情報提供装置1から配信されてアクセス先の携帯電話器2で表示される画像について説明する。ここで、図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(e)の各画像はそれぞれ、プログラム的な要素も含んでおり、表示される画像の選択可能項目がユーザの操作により携帯電話器2で選択されると、その項目が選択された旨が情報提供装置1へ通知される。情報提供装置1は、外部からのアクセスに伴い送信されてきたデータに応じて対応するメニュー画像をHDD13から読み出し、アクセス先の携帯電話器2へ送信する処理を行なう。
【0062】
上述した構成の情報提供システム100において、携帯電話器2のユーザが、情報提供装置1によって公開される経路案内サイトにアクセスするために操作部26の所定の操作ボタンを操作した場合、システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある通信プログラム及びブラウザプログラムを実行し、ユーザにより指定された経路案内サイトにアクセスする。なお、携帯電話器2は、経路案内サイトへアクセスする場合、第1メモリ部21に記憶してある電話番号をアクセス先のWebサイト、ここでは情報提供装置1へ送信する。
【0063】
情報提供装置1は、携帯電話器2からの電話番号を通信インタフェース14により受信することにより、制御部10が、Webサイトの要求を受け付け、受け付けた要求に対応するメニュー画像をHDD13から読み出して通信インタフェース14から携帯電話器2へ提供する。具体的には、情報提供装置1は、まず、アクセスされた経路案内サイトのトップページとして図4(a)に示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。なお、情報提供装置1の制御部10は、加入者情報DBに基づいて、携帯電話器2から受信した電話番号が加入者のものであるか否かを判断し、加入者でない者からのアクセスであった場合には、経路案内サイトへの加入を促すメニュー画面(図示せず)を提供する。
【0064】
図4(a)に示すメニュー画像は、携帯電話器2を携帯する経路案内サイトの加入者が経路を案内して欲しい目的地及びこの目的地への目標到着時刻の入力を要求する。ここで、携帯電話器2は、音声入力部23から入力される音声を文字情報に変換する音声認識機能を有しており、携帯電話器2のユーザ(加入者)は、音声入力部23に向かって所望の目的地及び目標到着時刻を発声する。システムコントロール部20は、音声入力部23から音声が入力された場合、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより、入力された音声を文字情報に変換し、図4(a)に示すように、それぞれ目的地又は目標到着時刻の入力欄に表示させ、ユーザによる確認を促す。
【0065】
図4(a)では、目的地のみ表示されたメニュー画面を表示しており、目的地として表示された「渋谷駅」が正しい場合、ユーザは、操作部26の確定ボタンを操作するか、又は「OK」と発声することにより、入力された目的地を確定する。なお、表示された目的地が正しくない場合、ユーザは、操作部26の確定ボタンによって「やり直し」ボタンを操作するか、又は「やり直し」と発声することにより、目的地の入力をやり直すことができる。
【0066】
同様にして、目標到着時刻の入力を行なったユーザは、操作部26の確定ボタンによって「検索開始」ボタンを操作するか、又は「検索開始」と発声することによって、入力した目的地へ、入力した目標到着時刻に間に合う経路の案内処理の開始を指示する。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、ユーザにより経路案内処理の開始が指示された場合、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく携帯電話器2の現在地を示す位置情報(具体的には、経度及び緯度)を検出し、入力された目的地を示す目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を情報提供装置1に要求する。
【0067】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した位置情報(出発地情報)、目的地情報及び目標到着時刻を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させる。次に制御部10は、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、携帯電話器2から受信して加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地(この時点での現在地)から目的地情報が示す目的地までの経路を検索する。制御部10は、経路が特定できた場合、この経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる。なお、経路情報には、例えば、出発地から最寄り駅までの歩行経路、電車、バス又はタクシー等を利用する交通機関経路、各交通機関間の乗り換えの際の乗換経路、交通機関の駅又は停留所から目的地までの歩行経路等がある。
【0068】
なお、図4(a)に示すメニュー画像を介して要求した経路案内は、渋谷駅から徒歩圏内の出発地から渋谷駅までの歩行経路の案内であり、情報提供装置1の制御部10は、検索した経路における距離(経路長)と、加入者情報DBに記憶してある歩行速度及び目標到着時刻とに基づいて、目的地である渋谷駅まで、前記歩行速度での移動を行なえばよいか、又は前記歩行速度よりも速い速度での移動(走行)を行なう必要があるか等を判断する。そして、制御部10は、その判断結果(移動情報)を表記する図4(b)又は図4(c)に示すようなメニュー画像と、それぞれの判断結果に応じた音声データ(メッセージデータ)及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する。
【0069】
具体的には、制御部10は、目的地である渋谷駅まで歩行速度での移動を行なえばよいと判断した場合、図4(b)に示すように「歩いても間に合います」を表記して歩行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。また、制御部10は、歩行速度よりも速い速度での移動を行なう必要があると判断した場合、図4(c)に示すように「走らないと間に合いません」を表記して走行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0070】
図4(b)及び(c)に示すメニュー画像は「地図表示」ボタン及び「終了」ボタンを表示しており、システムコントロール部20は、ユーザによって「地図表示」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「地図表示」と発声された場合、目的地として入力した渋谷駅までの地図データを情報提供装置1へ要求する。なお、図4(b)及び(c)に示すメニュー画像において、ユーザによって「終了」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「終了」と発声された場合、システムコントロール部20は、情報提供装置1との通信を終了する。
【0071】
地図データが要求された情報提供装置1において、制御部10は、加入者情報DBに記憶してある経路情報に基づいて、HDD13の地図データから必要な領域を抽出し、抽出した地図データを携帯電話器2へ送信する。具体的には、制御部10は、図4(d)に示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し、図4(d)に示すメニュー画像を表示部25に表示させた携帯電話器2のユーザは、表示された地図に従って、確実に目的地に到着することができる。
【0072】
目的地までの地図を表示している携帯電話器2において、即ち、装置携帯者であるユーザが目的地への移動中である携帯電話器2において、システムコントロール部20は、定期的にGPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報(移動に係る位置情報)を検出しており、検出した移動に係る位置情報(現在地情報)を表示部25に表示してある地図上にプロットすると共に情報提供装置1へ送信する。携帯電話器2から定期的に現在地情報を受信する情報提供装置1の制御部10は、受信する現在地情報(移動に係る位置情報)を加入者情報DBの対応する現在地情報欄に記憶(上書き)させる。
【0073】
また、制御部10は、携帯電話器2から現在地情報を受信した場合、受信した現在地情報、加入者情報DBに既に記憶してある目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、現在地から目的地である渋谷駅までの残りの距離について、歩行速度での移動を行なえばよいか、又はより速い速度での走行を行なう必要があるか等を判断する。そして、制御部10は、その判断結果(移動速度情報)を表記する図5(a)又は図5(b)に示すようなメニュー画像と、それぞれの判断結果に応じた音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0074】
具体的には、制御部10は、残りの距離について歩行速度での移動を行なえばよいと判断した場合、図5(a)に示すように「これからは歩いても間に合います」を表記して歩行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。また、制御部10は、より速い速度での走行を行なう必要があると判断した場合、図5(b)に示すように「もっと速く走ってください」と表記して走行移動を指示するメニュー画像と、このメニュー画像に対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0075】
更に、制御部10は、携帯電話器2から現在地情報を受信する都度、受信した現在地情報が示す現在地と、加入者情報DBに記憶してある経路情報が示す目的地への経路とを比較し、現在地が経路から所定距離以内にあるか否かを判断し、現在地が経路から所定距離以上離れたと判断した場合、その旨を表記する図5(c)に示すようなメニュー画像と、対応する音声データ及び楽曲データとを携帯電話器2へ送信する。
【0076】
図5(a)〜(c)に示すメニュー画像も「地図表示」ボタン及び「終了」ボタンを表示しており、システムコントロール部20は、ユーザによって「地図表示」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「地図表示」と発声された場合、目的地である渋谷駅までの地図データを情報提供装置1から取得する。また、ユーザによって「終了」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「終了」と発声された場合、システムコントロール部20は、情報提供装置1との通信を終了する。
【0077】
上述のように、図4(a)〜(d)及び図5(a)〜(c)を用いて説明した経路の案内処理は、目的地である渋谷駅から徒歩圏内の場所から渋谷駅までの経路を案内しているが、新宿駅から徒歩圏内の場所からJR山手線を利用して渋谷駅までの経路の案内処理を要求することもできる。具体的には、新宿駅から徒歩圏内の場所にいるユーザが、情報提供装置1から経路案内サイトのトップページとして受信したメニュー画像に従って、図5(d)に示すように目的地及び目標到着時刻を音声入力し、「検索開始」と発声することによって、入力した目的地へ、入力した目標到着時刻に間に合う経路の案内処理の開始を指示することができる。
【0078】
この場合も同様に、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、GPS受信機28によって受信した電波に基づく携帯電話器2の現在地を示す位置情報を検出し、入力された目的地を示す目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を情報提供装置1に要求する。
【0079】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した位置情報(出発地情報)、目的地情報及び目標到着時刻を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させ、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、携帯電話器2から受信して加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地から目的地情報が示す目的地までの経路を検索する。制御部10は、経路が特定できた場合、この経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる。
【0080】
ここで、図5(d)に示すメニュー画像を介して要求した経路案内は、JR新宿駅から徒歩圏内の出発地からJR新宿駅までの徒歩経路、JR山手線を利用する新宿駅から渋谷駅までの電車経路を有する経路案内である。従って、情報提供装置1の制御部10は、HDD13に記憶してある路線データにおけるJR新宿駅の運行時刻情報に基づいて、目標到着時刻に渋谷駅に到着するために乗るべき電車の新宿駅の出発時刻を特定し、特定した出発時刻、検索した徒歩経路における距離、及び加入者情報DBに記憶してある歩行速度に基づいて、途中の目的地(経由地)である新宿駅まで、前記歩行速度での移動を行なえばよいか、又は前記歩行速度よりも速い速度での移動(走行)を行なう必要があるか等を判断する。
【0081】
そして、制御部10は、その判断結果を表記する図5(e)に示すようなメニュー画像と、判断結果に応じた音声データ(メッセージデータ)及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する。具体的には、制御部10は、途中の目的地である新宿駅まで歩行速度での移動を行なえばよいと判断した場合、目標到着時刻までに目的地である渋谷駅に到着するために乗るべき電車の新宿駅の出発時刻を通知すると共に、図5(e)に示すように「JR新宿駅まで歩いても間に合います」を表記して歩行移動を指示するメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。
【0082】
なお、制御部10は、歩行速度よりも速い速度での移動を行なう必要があると判断した場合、図5(e)と同様に、目標到着時刻までに目的地である渋谷駅に到着するために乗るべき電車の新宿駅の出発時刻を通知すると共に、図4(c)に示すように「走らないと間に合いません」を表記して走行移動を指示するメニュー画像(図示せず)を携帯電話器2へ送信する。
【0083】
図5(e)に示すメニュー画像においても「地図表示」ボタン及び「終了」ボタンが表示されており、システムコントロール部20は、ユーザによって「地図表示」ボタンが操作された場合、又はユーザによって「地図表示」と発声された場合、途中の目的地である新宿駅までの徒歩経路を示す地図データを情報提供装置1へ要求し、情報提供装置1から新宿駅までの地図データを取得して表示部25に表示させる。
【0084】
以下に、上述した構成の情報提供システム100において、情報提供装置1が携帯電話器2からの要求に従って経路案内を行なう際の処理について説明する。図6及び図7は実施形態1の情報提供装置1による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、携帯電話器2の第1メモリ部21及び第2メモリ部22に記憶してある制御プログラムに従ってシステムコントロール部20が実行すると共に、情報提供装置1のROM11に記憶してある制御プログラムに従って制御部10が実行する。
【0085】
まず、携帯電話器2のユーザは、所望の目的地までの経路案内を受けるために、携帯電話器2で情報提供装置1がネットワーク3で公開する経路案内サイトにアクセスする(S1)。情報提供装置1の制御部10は、アクセスされた経路案内サイトのトップページとして図4(a)に示すメニュー画像をHDD13から読み出してアクセス先の携帯電話器2へ送信する(S2)。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させる(S3)。
【0086】
システムコントロール部20は、表示部25に表示されるメニュー画像中の各入力項目を入力するためにユーザからの音声が音声入力部23に入力されたか否かを判断しており(S4)、音声が入力されたと判断した場合(S4:YES)、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行して、入力された音声から文字情報を作成し、図4(a)に示すようにメニュー画像中の対応する入力欄に表示させる(S5)。なお、システムコントロール部20は、音声入力部23から音声が入力されないと判断した場合(S4:NO)、ステップS6へ処理を移行する。ユーザは、メニュー画像中に表示された文字情報を確認し、正しい場合は「OK」と発声し、正しくない場合は「やり直し」と発声する。
【0087】
システムコントロール部20は、音声入力部23から適宜入力される音声から文字情報を作成しており、ユーザが「OK」と発声したか否かを判断し(S6)、「OK」と発声したと判断した場合(S6:YES)、メニュー画像中に表示した文字情報(具体的には、目的地又は目標到着時刻)を一旦第2メモリ部22に記憶する(S7)。一方、システムコントロール部20は、「OK」と発声しなかったと判断した場合(S6:NO)、即ちユーザが「やり直し」と発声したと判断した場合、メニュー画像中の文字情報の表示を終了し(S8)、ステップS4へ処理を移行する。
【0088】
また、システムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「検索開始」と発声したか否かを判断しており(S9)、「検索開始」と発声していないと判断した場合(S9:NO)、ステップS4へ処理を移行する。また、システムコントロール部20は、「検索開始」と発声したと判断した場合(S9:YES)、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく現在地情報を取得し(S10)、ステップS7で第2メモリ部22に記憶させた目的地情報及び目標到着時刻と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を要求する(S11)。
【0089】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した位置情報(出発地情報)、目的地情報及び目標到着時刻等の各情報を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させる(S12)。次に制御部10は、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地から目的地情報が示す目的地への経路を検索し、特定した経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる(S13)。なお、ここでは、説明の簡略化のため、特定した経路は徒歩経路のみであるとする。
【0090】
次に制御部10は、検索した徒歩経路における距離と、加入者情報DBに記憶してある歩行速度及び目標到着時刻とに基づいて、目的地まで歩行速度での移動を行なえばよいか、又は歩行速度よりも速い速度での走行を行なう必要があるかを携帯電話器2のユーザに指示するための移動情報を特定し、特定した移動情報を表記するメニュー画像と、特定した移動情報に対応する音声データ及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する(S14)。
【0091】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、図4(b)又は(c)に示すように、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させると共に、受信した音声データ及び楽曲データを音声出力部24から音声出力させる(S15)。次にシステムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「地図表示」と発声したか否かを判断する(S16)。システムコントロール部20は、「地図表示」と発声したと判断した場合(S16:YES)、目的地までの地図データを情報提供装置1へ要求し(S17)、「地図表示」と発声していないと判断した場合(S16:NO)、即ち、ユーザが「終了」と発声した場合、ステップS20へ処理を移行する。
【0092】
情報提供装置1の制御部10は、要求に応じて、加入者情報DBに記憶してある経路情報に基づいて、HDD13の地図データから必要な領域を抽出し、抽出した地図データを表記するメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S18)。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像に基づいて、図4(d)に示す地図を表示部25に表示する(S19)。携帯電話器2のユーザは、図4(b)又は(c)に示すメニュー画像が示す移動指示、及び図4(c)に示す地図に従って歩行移動又は走行移動を開始する。
【0093】
このように携帯電話器2を携帯するユーザが目的地への移動を開始した場合、システムコントロール部20は、定期的にGPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報を取得する。即ち、システムコントロール部20は、自身のタイマが示す時刻の経過に基づいて所定時間が経過したか否かを判断しており(S20)、所定時間が経過したと判断した場合(S20:YES)、GPS受信機28によって受信した電波に基づいて現在地情報を取得して携帯電話器2へ送信する(S21)。なお、所定時間が経過していないと判断した場合(S20:NO)、システムコントロール部20は、ステップS25へ処理を移行する。
【0094】
情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した現在地情報を加入者情報DBに記憶させ(S22)、受信した現在地情報が示す現在地から目的地までの残りの経路について、残りの距離と、加入者情報DBに記憶してある目標到着時刻と、必要に応じて歩行速度とに基づいて、歩行速度での移動を行なえばよいか、又はより速い速度での走行を行なう必要があるかを携帯電話器2のユーザに指示するための移動速度情報を特定し、又は現在地が案内中の経路から所定距離以内であるか否かを判断し、特定した移動速度情報、又は現在地が案内中の経路から所定距離以上離れた旨を表記するメニュー画像と、それぞれの判断結果に対応する音声データ及び楽曲データとをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する(S23)。
【0095】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、図5(a)〜(c)に示すように、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させると共に、受信した音声データ及び楽曲データを音声出力部24から音声出力させ(S24)、ユーザによって上述したような経路案内処理の終了が指示されたか否かを判断する(S25)。システムコントロール部20は、経路案内処理の終了が指示されていないと判断した場合(S25:NO)、ステップS16へ処理を移行し、経路案内処理の終了が指示されたと判断した場合(S25:YES)、上述したような処理を終了する。
【0096】
上述したように、ネットワーク3を介して目的地への経路案内を行なう情報提供装置1が、目的地への経路だけでなく、歩行経路において走行する必要があるか否かまで通知することにより、これから目的地へ向かうユーザは、走る必要がある場合にはすぐに走行を開始することができ、走る必要がない場合には慌てることなく歩いて目的地へ目標到着時間までに到着することができる。また、携帯電話器2を介してユーザに通知する各情報に対応して携帯電話器2が異なる楽曲データを再生することにより、例えば、携帯電話器2が鞄の中にある場合であっても、音声によって各情報を通知するこができる。
【0097】
上述した実施形態1では、携帯電話器2から予め情報提供装置1へ送信しておく移動速度として携帯電話器2のユーザの歩行速度を用いた例について説明したが、例えば、自転車、バイク等による移動速度を用いることもできる。この場合、目的地に目標到着時刻までに到着するために、予め情報提供装置1に登録してある自転車の移動速度での移動を行なえばよいか、前記移動速度よりも速い速度で自転車を走らせる必要があるか等をユーザに通知することができる。
【0098】
上述した実施形態1では、情報提供装置1が各情報を携帯電話器2へ送信する場合に、各情報に対応する楽曲データをHDD13から読み出して携帯電話器2へ送信する構成について説明したが、携帯電話器2が、自身において記憶してある着信メロディを各情報に対応させて記憶しておく構成とすることもできる。この場合、携帯電話器2のユーザは、着信メロディを聞くだけで、通知された情報の内容を知ることができる。
【0099】
また、楽曲データを携帯電話器2へ送信する情報提供装置1は、各情報に対応して異なる楽曲データを送信してもよいし、同じ楽曲データのピッチを変更することにより、各情報に対応させるようにしてもよい。例えば、ユーザに走る必要があることを通知したい場合には、情報提供装置1から携帯電話器2に、速いピッチの楽曲データが送信されることにより、この楽曲データを再生した携帯電話器2のユーザは、走る必要があることを知ることができる。
【0100】
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る情報提供システムについて説明する。本実施形態2の情報提供システムは、上述した実施形態1の情報提供装置1及び携帯電話器2によって実現できるため、情報提供装置1及び携帯電話器2の内部構成についての説明は省略する。なお、上述の実施形態1では、携帯電話器2のユーザによる歩行経路の案内について特に説明した。従って、以下の実施形態2では、電車、バス、タクシー等の各種交通機関を利用する交通機関経路を含んだ経路の案内について説明する。
【0101】
図8は実施形態2の情報提供装置1が携帯電話器2へ送信するメニュー画像の構成例を示す模式図である。なお、図8(a)〜(f)の各画像もそれぞれ、プログラム的な要素も含んでおり、表示される画像の選択可能項目がユーザの操作により携帯電話器2で選択されると、その項目が選択された旨が情報提供装置1へ通知される。
【0102】
本実施形態2の情報提供システム100において、ユーザは、携帯電話器2を用いて情報提供装置1によって公開される経路案内サイトにアクセスした場合、情報提供装置1から経路案内サイトのトップページとして図8(a)に示すメニュー画像を受信する。図8(a)に示すメニュー画像は、図4(a)に示すメニュー画像の続きとして、経路の案内方法の選択を促す。従って、図示していないが、図8(a)に示すメニュー画像は、上部に目的地の入力欄及び目標到着時刻の入力欄も表示している。
【0103】
従って、携帯電話器2のユーザ(加入者)は、音声入力部23に向かって所望の目的地及び目標到着時刻と、「1.全部案内」又は「2.部分案内」とを発声する。なお、案内方法を選択する場合、単に「1」又は「2」と発声してもよいし、ユーザが操作部26を操作することによって各方法を選択するようにしてもよい。システムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより、音声入力部23から入力された音声を適宜文字情報に変換し、目的地、目標到着時刻及び案内方法の選択を受け付ける。
【0104】
ここで、本実施形態2では、案内方法として、ユーザにより入力された目的地までの経路について、一度に全部を案内する方法と、部分的に案内する方法とがある。部分的に案内する方法とは、例えば、目的地までの経路が、第1の駅から第2の駅までの第1経路及び第2の駅から第3の駅までの第2経路からなる場合に、ユーザが第1の駅にいるときには第1経路の案内のみを行ない、ユーザが第2の駅(経由地)に到着して経路案内サイトに再度アクセスした場合に次の第2経路の案内を行なう方法とする。
【0105】
上述したように、目的地、目標到着時刻及び案内方法の選択を受け付け、ユーザが「検索開始」と発声することによって経路案内処理の開始を指示された携帯電話器2のシステムコントロール部20は、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報を取得し、受け付けた目的地を示す目的地情報、目標到着時刻及び案内方法と共に情報提供装置1へ送信して、経路案内処理の実行を情報提供装置1に要求する。なお、以下の説明では、現在地(出発地)をJR東海道線の大阪駅とし、目的地を東京ディズニーランドとして説明する。
【0106】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した各情報を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させ、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、出発地(JR東海道線の大阪駅)から目的地情報が示す目的地(東京ディズニーランド)までの経路を検索する。なお、路線データには、各交通機関における駅及び停留所の位置情報及びそれぞれの駅及び停留所における電車及びバスの運行時刻情報等が含まれており、制御部10は、各交通機関における運行時刻情報をも参照し、携帯電話器2から取得した目標到着時刻に間に合うような経路を検索する。
【0107】
制御部10は、経路が特定できた場合、この経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる。ここでは仮に、JR東海道線の大阪(9:00発)から新大阪(9:05着)までの第1経路と、新幹線のぞみを利用する新大阪(9:30発)から東京(12:00 着)までの第2経路と、JR京葉線の東京(12:30 発)から舞浜(12:45 着)までの第3経路と、舞浜駅から東京ディズニーランドまでの歩行経路とを含む経路が特定されたとする。
【0108】
情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2からの要求に従って、一度に全部を案内する方法が選択されている場合には、検索した経路を全て表記する図8(b)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。また、制御部10は、部分的に案内する方法が選択されている場合には、検索した経路の内の第1経路を表記する図8(c)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。なお、ここでは、制御部10は、新大阪駅、東京駅、舞浜駅を経由地とし、それぞれの経由地に到着したユーザから再度アクセスされた場合に、第2経路、第3経路、歩行経路のそれぞれを案内する。
【0109】
携帯電話器2のユーザは、表示部25に図8(b)に示すメニュー画像が表示された場合、目的地までの経路を確認し、必要に応じてメニュー画像を第2メモリ部22に取り込んでおく。これにより、ユーザは、目的地までの移動中に経路を確認する必要がある場合に、このメニュー画像を表示部25に再度表示させることができる。
【0110】
一方、図8(c)に示すメニュー画像は、目的地への経路の第1経路の案内、「次へ」ボタン、「一時終了」ボタン、「終了」ボタンを表示しており、システムコントロール部20は、ユーザによって音声入力部23から入力された音声を第1メモリ部21に記憶してある音声認識処理プログラムを実行することにより文字情報に変換し、いずれかのボタンの選択を受け付ける。なお、ユーザが操作部26を操作することによって各ボタンを操作してもよい。
【0111】
図8(c)に示すメニュー画像において、ユーザが「次へ」と発声した場合、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、次の経路、ここでは第2経路の案内処理の実行を情報提供装置1に要求し、情報提供装置1から図8(d)に示すようなメニュー画像を受信する。また、ユーザが「終了」と発声した場合、システムコントロール部20は、経路案内処理を終了して情報提供装置1との通信を終了する。
【0112】
一方、ユーザが「一時終了」と発声した場合、システムコントロール部20は、経路案内処理の一時終了を情報提供装置1に要求する。経路案内処理の一時終了が要求された情報提供装置1の制御部10は、経路案内の一時終了状況として、例えば既に案内した経路番号等をHDD13の加入者情報DBの対応する欄に記憶し、図8(e)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。携帯電話器2のユーザは、図8(e)に示すメニュー画像のメッセージを確認して経路案内処理を一時的に終了する。
【0113】
ここで、このように一時的に終了した経路案内処理があるユーザが、携帯電話器2を用いて情報提供装置1が公開する経路案内サイトにアクセスした場合、情報提供装置1から経路案内サイトのトップページとして図8(f)に示すメニュー画像を受信する。図8(f)に示すメニュー画像は、新規の経路案内処理を要求するか、一時終了してある経路案内処理の続きを要求するかの選択を促す。従って、ユーザが音声入力部23に向かって「新規の案内」又は「続きの案内」を発声することにより、携帯電話器2は、新規の経路案内処理又は一時終了してある経路案内処理の続きの選択を受け付け、それぞれ対応する処理の実行を情報提供装置1に要求する。
【0114】
図8(f)に示すメニュー画像において、ユーザが「新規の案内」と発声することによって新規の経路案内処理が要求された携帯電話器2のシステムコントロール部20は、新規の経路案内処理を情報提供装置1に要求して図8(a)に示すメニュー画像を情報提供装置1から受信し、図8(a)〜(e)に従って説明したような経路案内処理の提供を受ける。
【0115】
一方、ユーザが「続きの案内」と発声することによって、一時的に終了してある経路案内処理の続きが要求された携帯電話器2のシステムコントロール部20は、一時終了中の経路案内処理の続きからの実行を情報提供装置1に要求する。情報提供装置1の制御部10は、加入者情報DBに記憶してある一時終了状況から、対応する携帯電話器2へ既に案内が終了している経路を特定し、特定した経路の次の経路を表記した図8(c)又は(d)に示すようなメニュー画像を携帯電話器2へ送信する。これにより、一時的に終了していた経路案内処理を再開させることができ、ユーザは、表示されたメニュー画像に従って目的地への移動を行なうことができる。
【0116】
なお、一時的に終了していた経路案内処理の再開を指示する場合に、携帯電話器2のシステムコントロール部20が、GPS受信機28によって受信した電波に基づく位置情報を検出し、検出した位置情報に基づいて経路案内処理の再開を指示することにより、経路案内処理の再開を指示した時点での現在地に応じた経路案内を行なうようにしてもよい。即ち、上述した説明において、JR東海道線の大阪駅で一時終了した経路案内処理を東京駅で再開させた場合には、東京駅から舞浜駅までの第3経路の案内処理から再開させればよい。
【0117】
以下に、本実施形態2の情報提供システム100において、情報提供装置1が携帯電話器2からの要求に従って経路案内を行なう際の処理について説明する。図9乃至図11は実施形態2の情報提供装置1による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理は、携帯電話器2の第1メモリ部21及び第2メモリ部22に記憶してある制御プログラムに従ってシステムコントロール部20が実行すると共に、情報提供装置1のROM11に記憶してある制御プログラムに従って制御部10が実行する。
【0118】
まず、携帯電話器2のユーザは、所望の目的地までの経路案内を受けるために、携帯電話器2で情報提供装置1がネットワーク3で公開する経路案内サイトにアクセスする(S31)。情報提供装置1の制御部10は、アクセスしてきた携帯電話器2の電話番号に対応する一時終了中の案内処理が有るか否かを加入者情報DBから判断し(S32)、一時終了中の案内処理が有ると判断した場合(S32:YES)、図8(f)に示すように、新規の経路案内処理を要求するか、一時終了してある経路案内処理の続きを要求するかの経路案内処理の選択を促すメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S33)。
【0119】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S34)、音声入力部23から適宜入力される音声から文字情報を作成することによって、ユーザが「新規案内」と発声したか否かを判断する(S35)。システムコントロール部20は、ユーザが「新規案内」と発声したと判断した場合(S35:YES)、新規の経路案内処理を情報提供装置1に要求する(S36)。
【0120】
情報提供装置1の制御部10は、新規の経路案内処理が要求された場合、又は、ステップS32で一時終了中の案内処理が無いと判断した場合(S32:NO)、図8(a)に示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S37)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させる(S38)。
【0121】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、音声入力部23から適宜入力される音声から文字情報を作成することによって、ユーザによって入力される目的地、目標到着時刻及び選択された案内方法を示す文字情報を特定し、第2メモリ部22に一旦記憶させる(S39)。また、システムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「検索開始」と発声したか否かを判断しており(S40)、「検索開始」と発声していないと判断した場合(S40:NO)、ステップS39へ処理を移行する。
【0122】
システムコントロール部20は、ユーザが「検索開始」と発声したと判断した場合(S40:YES)、第1メモリ部21に記憶してある測位処理プログラムに従って、GPS受信機28によって受信した電波に基づく現在地情報を取得し(S41)、ステップS39で第2メモリ部22に記憶させた目的地情報、目標到着時刻及び案内方法と共に情報提供装置1へ送信して、新規の経路案内処理の実行を要求する(S42)。
【0123】
携帯電話器2から経路案内処理の実行が要求された場合、情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から受信した各情報を加入者情報DBのそれぞれ対応する欄に記憶させ(S43)、HDD13に記憶してある地図データ及び路線データに基づいて、加入者情報DBに記憶させた出発地情報が示す出発地から目的地情報が示す目的地への経路を検索し、特定した経路を示す経路情報を加入者情報DBの対応する経路情報欄に記憶させる(S44)。
【0124】
次に制御部10は、携帯電話器2から受信した情報に従って、特定した目的地への経路を一度に全部案内するように要求されているか否かを判断し(S45)、一度に全部案内するように要求されていると判断した場合(S45:YES)、図8(b)に示すような、全経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S46)。携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S47)、ユーザによって上述したような経路案内処理の終了が指示されたか否かを判断する(S48)。システムコントロール部20は、経路案内処理の終了が指示されていないと判断した場合(S48:NO)、メニュー画像の表示を続行し(S47)、経路案内処理の終了が指示されたと判断した場合(S48:YES)、上述したような処理を終了する。
【0125】
ステップS45で、一度に全部案内するように要求されていないと判断した場合(S45:NO)、即ち、部分的に案内するように要求されている場合、制御部10は、図8(c)に示すような、一部の経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S49)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像を表示部25に表示させる(S50)。
【0126】
図8(c)に示すメニュー画像において、システムコントロール部20は、音声入力部23から入力される音声に基づいて、ユーザが「終了」と発声したか否かを判断しており(S51)、「終了」と発声したと判断した場合(S51:YES)、上述した経路案内処理を終了する。また、システムコントロール部20は、ユーザが「終了」と発声していないと判断した場合(S51:NO)、ユーザが「一時終了」と発声したか否かを判断する(S52)。
【0127】
システムコントロール部20は、ユーザが「一時終了」と発声したと判断した場合(S52:YES)、経路案内処理の一時終了を情報提供装置1に要求する(S53)。情報提供装置1の制御部10は、経路案内処理の一時終了を要求された場合、経路案内処理が一時終了していることを示す一時終了状況をHDD13の加入者情報DBの対応する欄に記憶し、加入者情報DBを更新し(S54)、図8(e)に示すような、経路案内サイトへの再アクセスを指示するメニュー画像を携帯電話器2へ送信する(S55)。
【0128】
携帯電話器2のシステムコントロール部20は、受信したメニュー画像を表示し(S56)、ユーザによって上述したような経路案内処理の終了が指示されたか否かを判断する(S57)。システムコントロール部20は、経路案内処理の終了が指示されていないと判断した場合(S57:NO)、メニュー画像の表示を続行し(S56)、経路案内処理の終了が指示されたと判断した場合(S57:YES)、上述したような処理を終了する。
【0129】
ステップS52で、ユーザが「一時終了」と発声していないと判断した場合(S52:NO)、即ち、ユーザが「次へ」と発声したと判断した場合、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、ステップS50で表示したメニュー画像が示す経路の次の経路の案内処理の実行を情報提供装置1に要求する(S58)。情報提供装置1の制御部10は、携帯電話器2から要求された次の経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S59)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S60)、ステップS51へ処理を移行する。
【0130】
一方、ステップS35で、システムコントロール部20は、ユーザが「新規案内」と発声したと判断しなかった場合(S35:NO)、即ちユーザが「続き案内」と発声したと判断した場合、一時的に終了してある経路案内処理の続きを情報提供装置1に要求する(S61)。情報提供装置1の制御部10は、経路案内処理の続きが要求された場合、加入者情報DBに記憶してある一時終了状況から、対応する携帯電話器2へ既に案内が終了している経路を特定し(S62)、特定した経路の次の経路を示すメニュー画像を携帯電話器2へ送信し(S63)、携帯電話器2のシステムコントロール部20は、情報提供装置1から受信したメニュー画像を表示部25に表示させ(S64)、ステップS51へ処理を移行する。
【0131】
上述したように、ネットワーク3を介して目的地への経路案内を行なう情報提供装置1が、一度に目的地への全経路を案内することができると共に、目的地への経路を複数の経路に分割し、それぞれの経路毎に案内することもできる。これにより、目的地への全経路を一度に知りたいユーザは、全経路の案内を受けることができ、例えば交通機関の乗り換え時に次の経路を知りたいユーザは、分割された各経路毎に案内を受けることができる。なお、情報提供装置1が携帯電話器2へ経路案内を行なう場合に、メニュー画像によって経路を指示するだけでなく、音声データ及び楽曲データによって経路を指示するようにしてもよい。
【0132】
上述した実施形態1では、携帯電話器2を携帯するユーザが、徒歩圏内の目的地へ歩いて又は走っていく場合の経路案内処理について説明し、実施形態2では、携帯電話器2を携帯するユーザが、各種交通機関を利用する交通機関経路を含んだ経路案内処理について説明したが、歩行経路及び交通機関経路の両方を含む経路案内を行なう場合も、それぞれ同様の処理によって実現することができる。
【0133】
また、情報提供装置1が、各交通機関における駅又は停留所等の地図情報をHDD(記憶部)13に記憶している場合には、例えば、効率よく駅から目的地まで移動するために、また、効率よく電車を乗り換えるために、乗車する電車の車両番号を案内し、電車の乗り換え駅における駅構内地図を案内し、出口としての改札口を案内することができる。更に、電車の乗り換え時において、上述の実施形態1で説明したように、歩いても次の電車に間に合うか、又は走らないと次の電車に間に合わないか等の案内も行なうことができる。
【0134】
更に、情報提供装置1が、各種交通機関における事故情報、道路における工事情報及び渋滞情報等を取得する構成とした場合には、交通機関に発生した事故、及び道路の渋滞状況に応じた遅延情報、道路工事による通行止め等も加味した経路を案内することができる。従って、このような情報を考慮して、目標到着時刻に間に合うように、電車、バス又はタクシー等の交通機関を必要に応じて利用した最適な経路を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に係る情報提供システムの構成例を示す模式図である。
【図2】本実施形態の情報提供装置及び携帯電話器の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】加入者情報データベースの構成例を示す模式図である。
【図4】メニュー画像の構成例を示す模式図である。
【図5】メニュー画像の構成例を示す模式図である。
【図6】実施形態1の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態1の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】メニュー画像の構成例を示す模式図である。
【図9】実施形態2の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施形態2の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施形態2の情報提供装置による経路案内処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0136】
100 情報提供システム
1 情報提供装置
13 HDD(記憶部)
14 通信インタフェース(接続部)
2a〜2m 携帯電話器(携帯通信装置)
20 システムコントロール部(位置検出手段)
23 音声入力部
24 音声出力部
28 GPS受信機
3 ネットワーク
4a〜4n 中継基地局
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置検出手段を有する携帯通信装置が、該位置検出手段によって検出した位置を示す位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を、地図情報を記憶部に記憶してある情報提供装置へ送信し、該情報提供装置が、受信した各情報に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供方法であって、
前記携帯通信装置は、
装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信し、
前記情報提供装置は、
受信した速度情報を前記記憶部に記憶し、
前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定し、
特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする情報提供方法。
【請求項2】
前記携帯通信装置は、
目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信し、
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記携帯通信装置は、音声出力部を備え、
前記情報提供装置から受信した各情報を該音声出力部により音声出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記携帯通信装置は、音声入力部を備え、
該音声入力部で入力を受け付けた音声に基づいて、前記目的地情報及び目標到着時刻を作成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項5】
前記情報提供装置は、複数の楽曲情報を前記記憶部に記憶しており、
前記携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項6】
前記情報提供装置は、
前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項5に記載の情報提供方法。
【請求項7】
前記情報提供装置は、
前記移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項5又は6に記載の情報提供方法。
【請求項8】
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から受信する位置情報が示す位置及び特定した前記経路を比較し、
前記位置が前記経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項9】
前記情報提供装置は、
特定した経路上の経由地を特定し、
特定した経由地への経路長及び受信した前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定し、
前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項10】
前記情報提供装置は、
複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を前記記憶部に記憶しており、
前記携帯通信装置から受信した各情報及び前記記憶部に記憶してある路線情報に基づき、前記目的地情報が示す目的地への前記交通機関を用いた経路を特定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項11】
位置検出手段を有する携帯通信装置と、地図情報を記憶する記憶部を有し、前記携帯通信装置から受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供装置とを含む情報提供システムであって、
前記携帯通信装置は、
装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、
前記情報提供装置の記憶部は、受信した前記速度情報を記憶する構成としてあり、
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、
特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信する手段とを有すること
を特徴とする情報提供システム。
【請求項12】
前記携帯通信装置は、
目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する手段を有すること
を特徴とする請求項11に記載の情報提供システム。
【請求項13】
地図情報を記憶する記憶部と、ネットワークとの接続を行なう接続部と、該接続部を介して受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記接続部から送信する情報提供装置であって、
移動体の移動速度を示す速度情報を前記接続部を介して受信する手段と、
前記位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、
特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記接続部から送信する手段と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項14】
前記接続部を介して前記移動体の移動に係る位置情報を受信する手段と、
受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記接続部から送信する手段と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の情報提供装置。
【請求項1】
位置検出手段を有する携帯通信装置が、該位置検出手段によって検出した位置を示す位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を、地図情報を記憶部に記憶してある情報提供装置へ送信し、該情報提供装置が、受信した各情報に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供方法であって、
前記携帯通信装置は、
装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信し、
前記情報提供装置は、
受信した速度情報を前記記憶部に記憶し、
前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定し、
特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする情報提供方法。
【請求項2】
前記携帯通信装置は、
目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信し、
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項1に記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記携帯通信装置は、音声出力部を備え、
前記情報提供装置から受信した各情報を該音声出力部により音声出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記携帯通信装置は、音声入力部を備え、
該音声入力部で入力を受け付けた音声に基づいて、前記目的地情報及び目標到着時刻を作成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項5】
前記情報提供装置は、複数の楽曲情報を前記記憶部に記憶しており、
前記携帯通信装置へ各情報を送信する場合、各情報に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項6】
前記情報提供装置は、
前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動情報に係る指示に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項5に記載の情報提供方法。
【請求項7】
前記情報提供装置は、
前記移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する場合、前記移動速度情報に係る移動速度に応じた楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項5又は6に記載の情報提供方法。
【請求項8】
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から受信する位置情報が示す位置及び特定した前記経路を比較し、
前記位置が前記経路から所定距離以上離れた場合、その旨に対応する楽曲情報を前記記憶部から読み出して前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項9】
前記情報提供装置は、
特定した経路上の経由地を特定し、
特定した経由地への経路長及び受信した前記目標到着時刻に基づいて、前記経由地への目標到着時刻を特定し、
前記経由地への経路長及び特定した前記経由地への目標到着時刻に基づいて、前記移動情報を前記携帯通信装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項10】
前記情報提供装置は、
複数の交通機関のそれぞれに対応する路線情報を前記記憶部に記憶しており、
前記携帯通信装置から受信した各情報及び前記記憶部に記憶してある路線情報に基づき、前記目的地情報が示す目的地への前記交通機関を用いた経路を特定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかひとつに記載の情報提供方法。
【請求項11】
位置検出手段を有する携帯通信装置と、地図情報を記憶する記憶部を有し、前記携帯通信装置から受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記携帯通信装置へ送信する情報提供装置とを含む情報提供システムであって、
前記携帯通信装置は、
装置携帯者の移動速度を示す速度情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、
前記情報提供装置の記憶部は、受信した前記速度情報を記憶する構成としてあり、
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、
特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び前記記憶部が記憶する速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記携帯通信装置へ送信する手段とを有すること
を特徴とする情報提供システム。
【請求項12】
前記携帯通信装置は、
目的地への移動中に前記位置検出手段が検出した位置を示す移動に係る位置情報を前記情報提供装置へ送信する手段を有し、
前記情報提供装置は、
前記携帯通信装置から移動に係る位置情報を受信した場合、受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記携帯通信装置へ送信する手段を有すること
を特徴とする請求項11に記載の情報提供システム。
【請求項13】
地図情報を記憶する記憶部と、ネットワークとの接続を行なう接続部と、該接続部を介して受信した位置情報、目的地情報及び目標到着時刻に基づいて、前記目的地情報が示す目的地への到着に係る情報を前記接続部から送信する情報提供装置であって、
移動体の移動速度を示す速度情報を前記接続部を介して受信する手段と、
前記位置情報、目的地情報及び目標到着時刻を受信した場合、前記位置情報が示す位置から前記目的地情報が示す目的地への経路を、前記記憶部が記憶する地図情報に基づいて特定する手段と、
特定した経路の経路長、受信した目標到着時刻及び速度情報に基づいて、前記速度情報が示す移動速度又は該移動速度よりも速い速度での移動を指示する移動情報を前記接続部から送信する手段と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項14】
前記接続部を介して前記移動体の移動に係る位置情報を受信する手段と、
受信した移動に係る位置情報、前記目的地情報及び前記目標到着時刻に基づいて、移動速度を指示する移動速度情報を前記接続部から送信する手段と
を備えることを特徴とする請求項13に記載の情報提供装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−84436(P2006−84436A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−272122(P2004−272122)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】
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