情報機器操作装置及び車載電子装置
【課題】外光の影響を受けにくい小型の車載用機器またはパソコン等の情報機器操作装置及びそれを用いた車載電子装置を提供する。
【解決手段】操作面に操作物体の位置及び操作物体による操作動作を検出して外部に出力するタッチパネル30を設け、操作面に対して操作物体と反対側にプリズムミラー40を配置し、プリズムミラー40で反射された入射光をカメラ60へ導くように平面ミラー50を配置する。カメラ60は、操作面とプリズムミラー40の間で平面ミラー50からの入射光を受光する位置に配置する。制御部80では、カメラ60で撮像した操作物体の画像の歪みを補正するとともに、タッチパネル30で得た操作物体の位置に基づいて、カーナビゲーション装置1の操作画面に操作物体の画像を重畳して表示するとともに、操作物体によるカーナビゲーション装置1の操作がなされた場合、カーナビゲーション装置1の操作のための制御を行う。
【解決手段】操作面に操作物体の位置及び操作物体による操作動作を検出して外部に出力するタッチパネル30を設け、操作面に対して操作物体と反対側にプリズムミラー40を配置し、プリズムミラー40で反射された入射光をカメラ60へ導くように平面ミラー50を配置する。カメラ60は、操作面とプリズムミラー40の間で平面ミラー50からの入射光を受光する位置に配置する。制御部80では、カメラ60で撮像した操作物体の画像の歪みを補正するとともに、タッチパネル30で得た操作物体の位置に基づいて、カーナビゲーション装置1の操作画面に操作物体の画像を重畳して表示するとともに、操作物体によるカーナビゲーション装置1の操作がなされた場合、カーナビゲーション装置1の操作のための制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置あるいはパソコン等の情報機器を遠隔操作するための情報機器操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置のような車載機器を操作する際に、操作者の手指などの操作物体を、車室内の天井部分に設置したカメラを用いて撮影し、操作物体をモニタ画面と重畳して、車載機器を操作する操作装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、車載環境は車両の窓などから入射する外光の明るさや色が大きく変化する。したがって、直射日光や影、トンネル照明の影響で見た目の色・明るさ変化してしまうので、安定して操作物体を検出することが困難である。また、外光の明るさ変化の大きさに対応するため、感度レンジの大きなカメラを使用したり、レンズ絞りなどの制御を広範囲に行ったりする必要があるためコストが増大するという問題があった。
【0004】
この問題を解決するため、本願出願人は、特願2006−097923において、撮像手段を操作物体の外光の当たる面とは反対の面の画像を取得できる位置に配置するようにした移動体用操作物体抽出装置を提案した。
【特許文献1】特開2000−6687
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記移動体用操作物体抽出装置を実現しようとした場合、装置が大型化してしまうという問題があった。例えば、図12に示すように、タッチパネル直下にカメラを配置した場合、仮に、タッチパネルのサイズをW=86mm、L=154mmとすると、タッチパネルからカメラまでの距離(すなわち光路長)D=200mm程度以上が必要となる。
【0006】
なぜなら、D<200mm以下に設定してタッチパネル全体を撮影した場合、手の上下移動に伴ってカメラにて撮影した手の大きさが極端に変化する(手を上方向に移動すると
手が大きなり、下方向に移動すると手が小さくなる)ために、撮影画像を操作者が見たと
き違和感があるためである。
【0007】
そこで、図11に示すように,ミラーを用いて装置の小型化を図ることができるが、タッチパネル直下に45°程度の傾斜角を有するミラーを配置する必要があるため、十分に小型化することはできなかった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、外光の影響を受けにくい小型の車載用機器またはパソコン等の情報機器操作装置及びそれを用いた車載電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる問題を解決するためになされた請求項1に記載の情報機器操作装置(10:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、操作位置検出手段(30)、撮像手段(60)、表示手段(70)、画像処理手段(90)、及び光路変更手段(40,50)を備えている
。
【0010】
操作位置検出手段(30)は、特定の波長光に対して透明であり、操作物体の押下位置及び操作物体による操作動作を検出し、検出した操作物体の位置及び操作物体により操作動作がなされた旨を外部へ出力する。
【0011】
撮像手段(60)は、操作物体を撮像し、画像処理手段(90)は、撮像手段(60)で撮像した操作物体を含んだ画像から操作物体に相当する画像部分を抽出する。
表示手段(70)は、画像処理手段(90)で抽出した操作物体に相当する画像部分を表示する。
【0012】
光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)に対して操作物体と反対側に配置され、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、撮像手段(60)に導くように入射光の光路を変更する。
【0013】
また、光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射する。
このような情報機器操作装置(10)は、外光の影響を受けにくく、また、小型化が可能である。以下説明する。
【0014】
操作位置検出手段(30)が特定の波長光に対して透明であるので、操作位置検出手段(30)上の操作物体からの光は、操作位置検出手段(30)を通過し光路変更手段(40,50)へ入射される。このとき、光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)に対して操作物体と反対側に配置されている。
【0015】
したがって、操作位置検出手段(30)に操作物体側から外光が当たっても、操作物体の光路変更手段(40,50)側の面の照度はあまり変化しないので、外光の影響を受けにくくなる。
【0016】
なぜならば、操作物体は外光に対して影になっており、この影の部分は外光に比べて常に暗く明るさ変化が少ないため、操作物体の影を撮影することで外光の明るさの影響を受けにくくできるためである。さらに、外光のない場合、つまり夜間やトンネル内においては、操作物体と反対側に照明を配置して操作物体を明るく照らすことにより、操作物体を確実に撮影できる。
【0017】
また、光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射し、撮像手段に導く。つまり、光路変更手段(40,50)では、入射光を通常の鏡とは異なる方向へ反射するので、入射光の到来方向と異なる方向に撮像手段を設置できる。操作物体の下側に撮像手段を設置しなくて済むため、情報機器操作装置(10)として小型化できる。
【0018】
光路変更手段(40,50)の構成としては、請求項2に記載のように、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射する第1光路変更手段(40)と、第1光路変更手段(40)によって反射された入射光を、撮像手段(60)に導くよう光路を変更する第2光路変更手段(50)で構成するとよい。
【0019】
第1光路変更手段(40)及び第2光路変更手段(50)は、操作位置検出手段(30
)に対し、操作物体と反対側に配置されており、第1光路変更手段(40)は、操作位置検出手段(30)を通して入射される操作物体からの入射光を反射する。また、第2光路変更手段(50)は、第1光路変更手段(40)で反射された入射光を撮像手段(60)へ導く。
【0020】
つまり、第2光路変更手段(50)は、操作位置検出手段(30)と第1光路変更手段(40)の間に配置されることになる。したがって、情報機器操作装置(10)の厚さを減少させることができるので、情報機器操作装置(10)を小型化することができる。
【0021】
さらに、請求項3に記載のように、第2光路変更手段(50)は、第1光路変更手段(40)によって反射された入射光を反射して光路を変更する反射面を有し、第1光路変更手段(40)は、第2光路変更手段(50)の反射面と平行な方向に傾斜面を有する複数の突起が形成され(ここで傾斜面の角度は、第2光路変更手段(50)の反射面と必ずしも並行でなくともよい)、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、傾斜面で入射光の到来方向に対して、通常の鏡面反射方向とは異なる角度に反射させるプリズムミラー(40)とする。
【0022】
そして、プリズムミラー(40)の第2光路変更手段(50)の反射面と平行な傾斜面が操作位置検出手段(30)に対して0°より大きく45°未満の傾斜角を有し、第2光路変更手段(50)及び撮像手段(60)を操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光と撮像手段(60)への入射光とが略直角をなすように、第2光路変更手段(50)及び撮像手段(60)が操作位置検出手段(30)とプリズムミラー(40)との間に設置するとよい。
【0023】
このようにすると、プリズムミラー(40)で反射された入射光は、第2光路変更手段(50)において、プリズムミラー(40)へ入射する光と略直角をなすように反射される。つまり、第2光路変更手段(50)で反射される光は、操作位置検出手段(30)と略平行に撮像手段(60)へ入射される。
【0024】
すなわち、第2光変更手段(50)で反射された光は、操作位置検出手段(30)とプリズムミラー(40)の方向へは、ほとんど進むことがないので、操作位置検出手段(30)とプリズムミラー(40)の間の距離を短くすること、つまり、情報機器操作装置(10)の厚さを薄くすることができる。
【0025】
ここで、「略直角」とは、完全な直角に対して許容範囲があることを意味している。つまり、下記(ア)(イ)の誤差などがあっても撮像手段(60)で得られる画像が使用できる程度に鮮明であれば、その誤差などによって直角からずれてもよいという意味である。
【0026】
(ア)プリズムミラー(40)や第2光路変更手段(50)の反射面における反射角の誤差。
(イ)プリズムミラー(40)の反射面の中心部分と端部とでの入射光の入射角の違い。
【0027】
ところで、前述したように、プリズムミラー(40)の反射面の中心部分と端部とでは入射光の入射角に違いがある。そうすると、操作物体から撮像手段(60)までの光路長に差ができるので、撮像手段(60)で得られる画像に歪みが生じる。
【0028】
そこで、請求項4に記載のように、プリズムミラー(41)を複数の突起が形成される
面が操作位置検出手段(30)から撮像手段(60)までの光路長が操作位置検出手段(30)内の位置によらず一定となる曲面形状に形成するとよい。
【0029】
このようにすると、操作物体から撮像手段(60)までの光路長がプリズムミラー(40)の全面において一定となるので、撮像手段(60)で得られる画像に歪みがなくなる。
【0030】
また、請求項5に記載のように、プリズムミラー(40)の突起の第2光路変更手段(50)の反射面と平行な傾斜面の傾斜角が、第2光路変更手段(50)に近い側では第2光路変更手段(50)から遠い側よりも大きくなるようにしても同様の効果、つまり操作物体から撮像手段(60)までの光路長をプリズムミラー(40)の全面において一定にすることができる。
【0031】
ところで、光路変更手段(42,50)は、入射光を反射する以外にも、請求項6に記載のように、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過するようにしても、光路変更手段(42,50)で透過される入射光を操作位置検出手段(30)に対し、水平に近くすることができるので、情報機器操作装置(10)を薄くすることができる。
【0032】
さらに、請求項7に記載のように、光路変更手段(42,50)は、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過する第1光路変更手段(42)と、第1光路変更手段(42)によって透過した入射光を撮像手段(60)に導くよう光路を変更する第2光路変更手段(50)とを備えるようにするとよい。
【0033】
このようにすると、第1光路変更手段(42)で屈折される光が水平に近くなるので、情報機器操作装置(10)を薄くすることができる。
また、請求項8に記載のように、光路変更手段(44)を単プリズム(44)としてもよい。例えば、三角型の単プリズム(44)とした場合、三角形の1面を操作位置検出手段(30)と平行にすれば、その面では、光の反射が起こらず、操作位置検出手段(30)からの入射光は単プリズム(44)内に入る。
【0034】
単プリズム(44)内に入った入射光は、単プリズム(44)の他の1面で反射され(この面が第1光路変更手段に相当する)、最初に入射光を透過した面で反射されて(この面が第2光路変更手段に相当する)、撮像手段(60)へ入射される。
【0035】
つまり、単プリズム(44)によっても、第1光路変更手段(40)と第2光路変更手
段(50)と同様に情報機器操作装置(10)を薄くすることができる。
請求項9に記載の車載電子装置(1)は、請求項1〜請求項8の何れかに記載の情報機器操作装置(10)と制御手段(80)とを備え、操作表示機能を有し、操作可能な車載電子装置(1)である。
【0036】
そして、制御手段(80)は、操作位置検出手段(30)から操作物体の押下位置と操作物体による操作がなされた旨を入力し、画像処理手段(90)で抽出した操作物体に相当する画像部分を、入力した操作物体の押下位置に基づき、車載電子装置(1)の操作表示機能で表示する操作画面の必要な位置に重畳して表示手段(70)に表示する。また、操作物体による操作がなされた旨が入力された場合には、操作画面に対応した車載電子装置(1)の操作を行うことを特徴とする。
【0037】
このような車載電子装置(1)は、請求項1〜請求項8の何れかに記載の情報機器操作装置(10)の特徴を有する車載電子装置(1)、つまり、操作物体による操作部分が小型化されたものとなる。
【0038】
また、前述したように情報機器操作装置(10)で得られる画像には、歪みがある場合がある。そこで、請求項10に記載のように、制御手段(80)は、情報機器操作装置(10)により得られた操作物体の画像に歪みがある場合、その歪みを補正し、補正した操作物体の画像を表示手段(70)に表示するようにすると、光学的な補正をする必要がないので、装置の構造を簡易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
図1は、情報機器操作装置10を組み込んだカーナビゲーション装置1の概略の構成を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、図1に示すように、情報機器操作装置10と制御部80とを備えている。
【0040】
情報機器操作装置10は、タッチパネル30、プリズムミラー40、平面ミラー50、カメラ60、表示装置70、画像処理部90を備えている。
タッチパネル30は、カーナビゲーション装置1を操作するための操作物体(運転者の指など)が接する部分であり、赤外光線又は可視光線あるいはその両方に対して透明な素材で構成された平面形状の接触検知センサーであり、主に指先で、運転者や同乗者等の操作者が押下した座標位置(x,y)及び押下した旨とを取得できる。
【0041】
プリズムミラー40は、透明な操作面であるタッチパネル30を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射するものであり、図2に示すように、その表面が平面ミラー50の反射面に平行な方向に傾斜角を有する微細な三角形状に形成され、タッチパネル30を通して入射する入射光を、三角形状に形成された表面の1面で入射光の到来方向の鏡面反射方向と異なる角度に反射させる。
【0042】
このプリズムミラー40の反射面は、タッチパネル30に対して例えば、32.5°の角度を有しており、タッチパネル30方向からの入射光を32.5°の角度で反射し、平面ミラー50へ入射する。
【0043】
このようなプリズムミラー40は、アクリル樹脂等に三角形状の切削加工を施した後、アルミ等を蒸着することにより実現することができる他、アクリル樹脂等のプレスや射出成形による加工後、アルミ蒸着することによっても実現することができる。
【0044】
また、プリズムミラー40は、タッチパネル30とほぼ同じ大きさであり、図2に示すように、タッチパネル30の下方にタッチパネル30に対向するようにタッチパネル30と平行に配置されている。
【0045】
平面ミラー50は、プリズムミラー40によって反射された入射光を、カメラ60に導くよう光路を変更する。
平面ミラー50は、タッチパネル30とプリズムミラー40との間に配置され、プリズ
ムミラー40で反射された入射光がタッチパネル30を通して入射する入射光と略直角となるように、かつ、平面ミラー50と対向する位置に配置されたカメラ60へ入射するような傾斜角をもって配置されている。
【0046】
カメラ60は、操作物体を撮像するためのものであり、小型のCCDまたはCMOSビデオカメラであり、平面ミラー50と同様にタッチパネル30とプリズムミラー40との間に配置されている。
【0047】
表示装置70は、カメラ60で撮像した操作物体の画像を表示するものであり、液晶ディスプレイやCRTディスプレイで構成されている。
画像処理部90は、カメラ60で撮像された画像に歪み補正を行った後、補正後の画像の輝度を2値化判別して、操作物体(この場合、運転者の指)の領域のみを抽出する。
【0048】
そして、制御部80は、抽出した手指の領域をカーナビゲーション装置1の操作に必要な操作画像と半透過合成して表示装置へ出力する。
例えば、カーナビゲーション装置1で表示する経路案内用の地図の表示領域の切り替えや地図の拡大操作などの操作を行うために地図画面とともに表示する仮想的な操作ボタンと指を半透過合成し、表示装置70へ出力するのである。
【0049】
以上の構成により、表示装置70上に表示されているカーナビゲーション装置1の仮想的な操作ボタンを遠隔操作することが可能になる。
なお、本情報機器操作装置10は、図3に示すように運転者席(あるいは助手席)の操作者が容易に操作することができる位置に設置可能である。従来のカーナビゲーション装置1では、カーナビゲーション装置1のモニタ上にタッチパネルを配置する必要があったため、モニタを遠方に配置した場合、操作しづらかった。しかし、カーナビゲーション装置1によれば、モニタを遠方に配置しても操作性を損なわずにカーナビゲーション装置等に代表される車載電子装置を容易に操作することができる。
【0050】
以上に説明したカーナビゲーション装置1では、タッチパネル30が透明なので、タッチパネル30上の操作物体からの光は、タッチパネル30を通過しプリズムミラー40へ入射される。このとき、タッチパネル30操作物体側から外光が当たっても、タッチパネル30に対して操作物体の反対側の面の照度は変化しない。つまリ、タッチパネル30に対して操作物体と反対側にプリズムミラー40が配置されているので、外光の影響を受けにくくなる。
【0051】
また、プリズムミラー40で反射された入射光は、平面ミラー50において、プリズムミラー40へ入射する光と略直角をなすように反射される。つまり、平面ミラー50で反射される光は、タッチパネル30とほぼ平行にカメラ60へ入射される。
【0052】
すなわち、平面ミラー50で反射された光は、タッチパネル30とプリズムミラー40の方向へは、ほとんど進むことがないので、タッチパネル30とプリズムミラー40の間の距離を短くすること、つまり、情報機器操作装置10の厚さを薄くすることができ、延いては、カーナビゲーション装置1も小型化することができる。
【0053】
具体的には、図2に示すように、タッチパネル30からカメラ60までの光路長は約200mmであり、必要な光路長を確保できるとともに、情報機器操作装置10の厚さHを37mmに薄型化することができる。
【0054】
[第2実施形態]
次に、図4に基づき、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の平面形状のプリズムミラー40の代わりに、図4に示すように曲面プリズムミラー41を用いる。
【0055】
この場合、曲面プリズムミラー41がカメラ60に写り込まないようにするためには、図4中のc2で示す光の軌跡よりも下側に曲面プリズムミラー41を配置しておく必要がある。
【0056】
このとき図4において、タッチパネル30からカメラ60までの光路長が至るところで等しくなるように、曲面プリズムミラー41の曲面を決定する。
例えば、図4においてタッチパネル30中心からカメラ60までの光路長(図4中、a1+b1+c1で示す。)がタッチパネル30端での光路長(図4中、a2+b2+c2で示す。)、及び、光路長(図4中、a3+b3+c3)と等しくなるように曲面プリズムミラー41の曲面形状を決定しておけば、カメラ60で撮影された画像は、歪みのない画像となる。
【0057】
これに対し、第1実施形態に示した構成(図1参照)では、タッチパネル30の中心での光路長a1+b1+c1=200mmであるが、タッチパネル30端においては、光路長a2+b2+c2=170.7mm、光路長a3+b3+c3=236.8mmとなり、若干光路長に差が生じている。このためカメラ60で撮像した結果は図5に示すように、タッチパネル30の範囲が台形形状となる。したがって、正しい画像を得るためには、制御部80において画像補正を行って歪みを除去する必要がある。
【0058】
ただし、曲面プリズムミラー41を製作する場合に比べて、平面プリズムミラー40は製作が容易であることから、簡易的に平面プリズムミラー40のままでタッチパネル30面に対して傾斜させて設置することによって、ある程度の光路長の不均一さを補正することが可能である。
【0059】
この場合においても,平面形状で傾斜させたプリズムミラー40がカメラ60に写り込まないようにするには、図4中の光の軌跡c2よりも下側にプリズムミラー40を配置しておく必要がある。
【0060】
[第3実施形態]
次に、図6に基づいて第3実施形態について説明する。第3実施形態では、表面に一定反射角(32.5°)の反射面を有する三角形状の小ミラーを形成したプリズムミラー40の代わりに、反射角が一定ではない三角形状の小ミラーを形成したプリズムミラー40を用いる。
【0061】
例えば、図6に示すように、プリズムミラー40の中心付近(図6中bで示す部分)では反射角を32.5°、平面ミラー50に近い側(図6中aで示す部分)では35°、平面ミラー50から遠い側では30°(図6中cで示す部分)となるように連続的に傾斜角度を変化させる。
【0062】
この場合、プリズムミラー40によって反射されて、平面ミラー50に映る像の範囲が図6中a〜c〜bからa’〜c’〜b’の範囲に拡大されることになる。この結局、カメラ60において撮像されるタッチパネル30の範囲が縦方向に広がることになり、30度一定角度で構成する場合に比べてより鮮明な画像を得ることができる。
【0063】
[第4実施形態]
次に、図7に基づいて第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態(図1参照)のプリズムミラー40の代わりに、プリズムシート42を用いる。
【0064】
プリズムシート42は、プリズムミラー40のように入射光を反射するのではなく、入射光を透過する素材である。例えば、表面に金属を蒸着しないアクリルガラスなどである。
【0065】
プリズムシート42では、光がプリズムシート42を透過する過程で光の屈折が生じる。この屈折した光をプリズムシート42の図中左下方に配置した平面ミラー50を用いて反射させ、カメラ60にて撮像する。
【0066】
この構成によれば、光が屈折する分平面ミラー50の設置角度を従来の情報機器操作装置(図11参照)に比べて、より水平に近い状態に設置することができるので、高さHを薄型化することができる。
[第5実施形態]
次に、図8に基づいて第5実施形態について説明する。第5実施形態では、タッチパネル30の直下に三角柱状の単プリズム44を、単プリズム44の反射面(三角柱を形成する斜面)で反射される入射光がカメラ60に入射するように配置する。単プリズム44は、ガラスで形成されている。
【0067】
タッチパネル30から入射した光は、単プリズム44の境界面44bを透過した後、境界面44aにおいて全反射され、引き続き反対側の境界面44bにおいて再度全反射し、境界面44cを透過し、カメラ60に入射される。
【0068】
この構成によれば、プリズムミラー40と平面ミラー50を用いる場合と同様、従来の情報機器操作装置(図11参照)に比べ、ミラーを用いる必要がなくなるので、奥行きを薄型化することができる。
【0069】
[第6実施形態]
さらに、第5実施形態(図8参照)において、単プリズム44とカメラ60との間に、さらに平面ミラー52を配置し、さらに薄型化を行うことが考えられる。図9に、平面ミラー52を配置した例を示す。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、第1実施形態では、プリズムミラー40の傾斜角を32.5°としたが、32.5°に限定する必要はなく、任意の角度が実現できる。この場合,角度を32.5°よりも急峻にすることで反射方向を水平(タッチパネル30と平行)に近くできるので、結果としてコンパクトに構成できる。しかし一方で隣接する三角ミラーが障害物となり平面ミラーへ反射する部分が少なくなるため限界が生じる。したがって、45°よりも急峻にすることはできない。
【0071】
また、カメラ60で撮像される操作物体の画像のコントラスを向上させ、外光の影響をより少なくするために、発光ダイオード、赤外線発光ダイオードあるいは白熱電球などを、タッチパネル30に対し、操作物体と反対側に配置し、操作物体に光を照射するようにしてもよい。このようにすると、外光の影響受けにくいので、常に鮮明な画像を取得することができる。
【0072】
[第7実施形態]
以上説明した第1実施形態〜第6実施形態は、情報機器操作装置を車載した場合のものであるが、本情報機器操作装置はさらに、パソコン等の機器を遠隔操作する際にも同様に利用することができる。この場合図10に示すように、卓上に設置した操作装置をパソコン90等に接続し、押下位置と抽出した手の領域をパソコン90上で動作する地図表示ソフトウェアや電卓といったソフトウェアの画面と連動して動作するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】情報機器操作装置10を組み込んだカーナビゲーション装置1の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】プリズムミラー40における入射光の反射の様子を示す図である。
【図3】情報機器操作装置10の車室内での配置の様子を示す図である。
【図4】曲面プリズムミラー41における入射光の反射の様子を示す図である。
【図5】平面プリズムミラー40を用いたときにカメラ60で撮像される画像を示す図である。
【図6】第3実施形態におけるプリズムミラー40の断面形状を示す図である。
【図7】プリズムミラー40の代わりに、プリズムシート42を用いた場合の情報機器操作装置10の構成を示す図である。
【図8】プリズムミラー40の代わりに、単プリズム44を用いた場合の情報機器操作装置10の構成を示す図である。
【図9】単プリズム44と平面ミラー50を用いた場合の情報機器操作装置10の構成を示す図である。
【図10】パソコンに情報機器操作装置を使用した状態を示す図である。
【図11】従来の情報機器操作装置の構成を示す図である。
【図12】従来の情報機器操作装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…カーナビゲーション装置、10…情報機器操作装置、30…タッチパネル、40…プリズムミラー、40…平面プリズムミラー、41…曲面プリズムミラー、42…プリズムシート、44…単プリズム、44a…境界面、44b…境界面、50,52…平面ミラー、60…カメラ、70…表示装置、80…制御部、90…パソコン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置あるいはパソコン等の情報機器を遠隔操作するための情報機器操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置のような車載機器を操作する際に、操作者の手指などの操作物体を、車室内の天井部分に設置したカメラを用いて撮影し、操作物体をモニタ画面と重畳して、車載機器を操作する操作装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところが、車載環境は車両の窓などから入射する外光の明るさや色が大きく変化する。したがって、直射日光や影、トンネル照明の影響で見た目の色・明るさ変化してしまうので、安定して操作物体を検出することが困難である。また、外光の明るさ変化の大きさに対応するため、感度レンジの大きなカメラを使用したり、レンズ絞りなどの制御を広範囲に行ったりする必要があるためコストが増大するという問題があった。
【0004】
この問題を解決するため、本願出願人は、特願2006−097923において、撮像手段を操作物体の外光の当たる面とは反対の面の画像を取得できる位置に配置するようにした移動体用操作物体抽出装置を提案した。
【特許文献1】特開2000−6687
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記移動体用操作物体抽出装置を実現しようとした場合、装置が大型化してしまうという問題があった。例えば、図12に示すように、タッチパネル直下にカメラを配置した場合、仮に、タッチパネルのサイズをW=86mm、L=154mmとすると、タッチパネルからカメラまでの距離(すなわち光路長)D=200mm程度以上が必要となる。
【0006】
なぜなら、D<200mm以下に設定してタッチパネル全体を撮影した場合、手の上下移動に伴ってカメラにて撮影した手の大きさが極端に変化する(手を上方向に移動すると
手が大きなり、下方向に移動すると手が小さくなる)ために、撮影画像を操作者が見たと
き違和感があるためである。
【0007】
そこで、図11に示すように,ミラーを用いて装置の小型化を図ることができるが、タッチパネル直下に45°程度の傾斜角を有するミラーを配置する必要があるため、十分に小型化することはできなかった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、外光の影響を受けにくい小型の車載用機器またはパソコン等の情報機器操作装置及びそれを用いた車載電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる問題を解決するためになされた請求項1に記載の情報機器操作装置(10:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、操作位置検出手段(30)、撮像手段(60)、表示手段(70)、画像処理手段(90)、及び光路変更手段(40,50)を備えている
。
【0010】
操作位置検出手段(30)は、特定の波長光に対して透明であり、操作物体の押下位置及び操作物体による操作動作を検出し、検出した操作物体の位置及び操作物体により操作動作がなされた旨を外部へ出力する。
【0011】
撮像手段(60)は、操作物体を撮像し、画像処理手段(90)は、撮像手段(60)で撮像した操作物体を含んだ画像から操作物体に相当する画像部分を抽出する。
表示手段(70)は、画像処理手段(90)で抽出した操作物体に相当する画像部分を表示する。
【0012】
光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)に対して操作物体と反対側に配置され、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、撮像手段(60)に導くように入射光の光路を変更する。
【0013】
また、光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射する。
このような情報機器操作装置(10)は、外光の影響を受けにくく、また、小型化が可能である。以下説明する。
【0014】
操作位置検出手段(30)が特定の波長光に対して透明であるので、操作位置検出手段(30)上の操作物体からの光は、操作位置検出手段(30)を通過し光路変更手段(40,50)へ入射される。このとき、光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)に対して操作物体と反対側に配置されている。
【0015】
したがって、操作位置検出手段(30)に操作物体側から外光が当たっても、操作物体の光路変更手段(40,50)側の面の照度はあまり変化しないので、外光の影響を受けにくくなる。
【0016】
なぜならば、操作物体は外光に対して影になっており、この影の部分は外光に比べて常に暗く明るさ変化が少ないため、操作物体の影を撮影することで外光の明るさの影響を受けにくくできるためである。さらに、外光のない場合、つまり夜間やトンネル内においては、操作物体と反対側に照明を配置して操作物体を明るく照らすことにより、操作物体を確実に撮影できる。
【0017】
また、光路変更手段(40,50)は、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射し、撮像手段に導く。つまり、光路変更手段(40,50)では、入射光を通常の鏡とは異なる方向へ反射するので、入射光の到来方向と異なる方向に撮像手段を設置できる。操作物体の下側に撮像手段を設置しなくて済むため、情報機器操作装置(10)として小型化できる。
【0018】
光路変更手段(40,50)の構成としては、請求項2に記載のように、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射する第1光路変更手段(40)と、第1光路変更手段(40)によって反射された入射光を、撮像手段(60)に導くよう光路を変更する第2光路変更手段(50)で構成するとよい。
【0019】
第1光路変更手段(40)及び第2光路変更手段(50)は、操作位置検出手段(30
)に対し、操作物体と反対側に配置されており、第1光路変更手段(40)は、操作位置検出手段(30)を通して入射される操作物体からの入射光を反射する。また、第2光路変更手段(50)は、第1光路変更手段(40)で反射された入射光を撮像手段(60)へ導く。
【0020】
つまり、第2光路変更手段(50)は、操作位置検出手段(30)と第1光路変更手段(40)の間に配置されることになる。したがって、情報機器操作装置(10)の厚さを減少させることができるので、情報機器操作装置(10)を小型化することができる。
【0021】
さらに、請求項3に記載のように、第2光路変更手段(50)は、第1光路変更手段(40)によって反射された入射光を反射して光路を変更する反射面を有し、第1光路変更手段(40)は、第2光路変更手段(50)の反射面と平行な方向に傾斜面を有する複数の突起が形成され(ここで傾斜面の角度は、第2光路変更手段(50)の反射面と必ずしも並行でなくともよい)、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を、傾斜面で入射光の到来方向に対して、通常の鏡面反射方向とは異なる角度に反射させるプリズムミラー(40)とする。
【0022】
そして、プリズムミラー(40)の第2光路変更手段(50)の反射面と平行な傾斜面が操作位置検出手段(30)に対して0°より大きく45°未満の傾斜角を有し、第2光路変更手段(50)及び撮像手段(60)を操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光と撮像手段(60)への入射光とが略直角をなすように、第2光路変更手段(50)及び撮像手段(60)が操作位置検出手段(30)とプリズムミラー(40)との間に設置するとよい。
【0023】
このようにすると、プリズムミラー(40)で反射された入射光は、第2光路変更手段(50)において、プリズムミラー(40)へ入射する光と略直角をなすように反射される。つまり、第2光路変更手段(50)で反射される光は、操作位置検出手段(30)と略平行に撮像手段(60)へ入射される。
【0024】
すなわち、第2光変更手段(50)で反射された光は、操作位置検出手段(30)とプリズムミラー(40)の方向へは、ほとんど進むことがないので、操作位置検出手段(30)とプリズムミラー(40)の間の距離を短くすること、つまり、情報機器操作装置(10)の厚さを薄くすることができる。
【0025】
ここで、「略直角」とは、完全な直角に対して許容範囲があることを意味している。つまり、下記(ア)(イ)の誤差などがあっても撮像手段(60)で得られる画像が使用できる程度に鮮明であれば、その誤差などによって直角からずれてもよいという意味である。
【0026】
(ア)プリズムミラー(40)や第2光路変更手段(50)の反射面における反射角の誤差。
(イ)プリズムミラー(40)の反射面の中心部分と端部とでの入射光の入射角の違い。
【0027】
ところで、前述したように、プリズムミラー(40)の反射面の中心部分と端部とでは入射光の入射角に違いがある。そうすると、操作物体から撮像手段(60)までの光路長に差ができるので、撮像手段(60)で得られる画像に歪みが生じる。
【0028】
そこで、請求項4に記載のように、プリズムミラー(41)を複数の突起が形成される
面が操作位置検出手段(30)から撮像手段(60)までの光路長が操作位置検出手段(30)内の位置によらず一定となる曲面形状に形成するとよい。
【0029】
このようにすると、操作物体から撮像手段(60)までの光路長がプリズムミラー(40)の全面において一定となるので、撮像手段(60)で得られる画像に歪みがなくなる。
【0030】
また、請求項5に記載のように、プリズムミラー(40)の突起の第2光路変更手段(50)の反射面と平行な傾斜面の傾斜角が、第2光路変更手段(50)に近い側では第2光路変更手段(50)から遠い側よりも大きくなるようにしても同様の効果、つまり操作物体から撮像手段(60)までの光路長をプリズムミラー(40)の全面において一定にすることができる。
【0031】
ところで、光路変更手段(42,50)は、入射光を反射する以外にも、請求項6に記載のように、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過するようにしても、光路変更手段(42,50)で透過される入射光を操作位置検出手段(30)に対し、水平に近くすることができるので、情報機器操作装置(10)を薄くすることができる。
【0032】
さらに、請求項7に記載のように、光路変更手段(42,50)は、操作位置検出手段(30)を通して入射する入射光を入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過する第1光路変更手段(42)と、第1光路変更手段(42)によって透過した入射光を撮像手段(60)に導くよう光路を変更する第2光路変更手段(50)とを備えるようにするとよい。
【0033】
このようにすると、第1光路変更手段(42)で屈折される光が水平に近くなるので、情報機器操作装置(10)を薄くすることができる。
また、請求項8に記載のように、光路変更手段(44)を単プリズム(44)としてもよい。例えば、三角型の単プリズム(44)とした場合、三角形の1面を操作位置検出手段(30)と平行にすれば、その面では、光の反射が起こらず、操作位置検出手段(30)からの入射光は単プリズム(44)内に入る。
【0034】
単プリズム(44)内に入った入射光は、単プリズム(44)の他の1面で反射され(この面が第1光路変更手段に相当する)、最初に入射光を透過した面で反射されて(この面が第2光路変更手段に相当する)、撮像手段(60)へ入射される。
【0035】
つまり、単プリズム(44)によっても、第1光路変更手段(40)と第2光路変更手
段(50)と同様に情報機器操作装置(10)を薄くすることができる。
請求項9に記載の車載電子装置(1)は、請求項1〜請求項8の何れかに記載の情報機器操作装置(10)と制御手段(80)とを備え、操作表示機能を有し、操作可能な車載電子装置(1)である。
【0036】
そして、制御手段(80)は、操作位置検出手段(30)から操作物体の押下位置と操作物体による操作がなされた旨を入力し、画像処理手段(90)で抽出した操作物体に相当する画像部分を、入力した操作物体の押下位置に基づき、車載電子装置(1)の操作表示機能で表示する操作画面の必要な位置に重畳して表示手段(70)に表示する。また、操作物体による操作がなされた旨が入力された場合には、操作画面に対応した車載電子装置(1)の操作を行うことを特徴とする。
【0037】
このような車載電子装置(1)は、請求項1〜請求項8の何れかに記載の情報機器操作装置(10)の特徴を有する車載電子装置(1)、つまり、操作物体による操作部分が小型化されたものとなる。
【0038】
また、前述したように情報機器操作装置(10)で得られる画像には、歪みがある場合がある。そこで、請求項10に記載のように、制御手段(80)は、情報機器操作装置(10)により得られた操作物体の画像に歪みがある場合、その歪みを補正し、補正した操作物体の画像を表示手段(70)に表示するようにすると、光学的な補正をする必要がないので、装置の構造を簡易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
図1は、情報機器操作装置10を組み込んだカーナビゲーション装置1の概略の構成を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、図1に示すように、情報機器操作装置10と制御部80とを備えている。
【0040】
情報機器操作装置10は、タッチパネル30、プリズムミラー40、平面ミラー50、カメラ60、表示装置70、画像処理部90を備えている。
タッチパネル30は、カーナビゲーション装置1を操作するための操作物体(運転者の指など)が接する部分であり、赤外光線又は可視光線あるいはその両方に対して透明な素材で構成された平面形状の接触検知センサーであり、主に指先で、運転者や同乗者等の操作者が押下した座標位置(x,y)及び押下した旨とを取得できる。
【0041】
プリズムミラー40は、透明な操作面であるタッチパネル30を通して入射する入射光を、入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射するものであり、図2に示すように、その表面が平面ミラー50の反射面に平行な方向に傾斜角を有する微細な三角形状に形成され、タッチパネル30を通して入射する入射光を、三角形状に形成された表面の1面で入射光の到来方向の鏡面反射方向と異なる角度に反射させる。
【0042】
このプリズムミラー40の反射面は、タッチパネル30に対して例えば、32.5°の角度を有しており、タッチパネル30方向からの入射光を32.5°の角度で反射し、平面ミラー50へ入射する。
【0043】
このようなプリズムミラー40は、アクリル樹脂等に三角形状の切削加工を施した後、アルミ等を蒸着することにより実現することができる他、アクリル樹脂等のプレスや射出成形による加工後、アルミ蒸着することによっても実現することができる。
【0044】
また、プリズムミラー40は、タッチパネル30とほぼ同じ大きさであり、図2に示すように、タッチパネル30の下方にタッチパネル30に対向するようにタッチパネル30と平行に配置されている。
【0045】
平面ミラー50は、プリズムミラー40によって反射された入射光を、カメラ60に導くよう光路を変更する。
平面ミラー50は、タッチパネル30とプリズムミラー40との間に配置され、プリズ
ムミラー40で反射された入射光がタッチパネル30を通して入射する入射光と略直角となるように、かつ、平面ミラー50と対向する位置に配置されたカメラ60へ入射するような傾斜角をもって配置されている。
【0046】
カメラ60は、操作物体を撮像するためのものであり、小型のCCDまたはCMOSビデオカメラであり、平面ミラー50と同様にタッチパネル30とプリズムミラー40との間に配置されている。
【0047】
表示装置70は、カメラ60で撮像した操作物体の画像を表示するものであり、液晶ディスプレイやCRTディスプレイで構成されている。
画像処理部90は、カメラ60で撮像された画像に歪み補正を行った後、補正後の画像の輝度を2値化判別して、操作物体(この場合、運転者の指)の領域のみを抽出する。
【0048】
そして、制御部80は、抽出した手指の領域をカーナビゲーション装置1の操作に必要な操作画像と半透過合成して表示装置へ出力する。
例えば、カーナビゲーション装置1で表示する経路案内用の地図の表示領域の切り替えや地図の拡大操作などの操作を行うために地図画面とともに表示する仮想的な操作ボタンと指を半透過合成し、表示装置70へ出力するのである。
【0049】
以上の構成により、表示装置70上に表示されているカーナビゲーション装置1の仮想的な操作ボタンを遠隔操作することが可能になる。
なお、本情報機器操作装置10は、図3に示すように運転者席(あるいは助手席)の操作者が容易に操作することができる位置に設置可能である。従来のカーナビゲーション装置1では、カーナビゲーション装置1のモニタ上にタッチパネルを配置する必要があったため、モニタを遠方に配置した場合、操作しづらかった。しかし、カーナビゲーション装置1によれば、モニタを遠方に配置しても操作性を損なわずにカーナビゲーション装置等に代表される車載電子装置を容易に操作することができる。
【0050】
以上に説明したカーナビゲーション装置1では、タッチパネル30が透明なので、タッチパネル30上の操作物体からの光は、タッチパネル30を通過しプリズムミラー40へ入射される。このとき、タッチパネル30操作物体側から外光が当たっても、タッチパネル30に対して操作物体の反対側の面の照度は変化しない。つまリ、タッチパネル30に対して操作物体と反対側にプリズムミラー40が配置されているので、外光の影響を受けにくくなる。
【0051】
また、プリズムミラー40で反射された入射光は、平面ミラー50において、プリズムミラー40へ入射する光と略直角をなすように反射される。つまり、平面ミラー50で反射される光は、タッチパネル30とほぼ平行にカメラ60へ入射される。
【0052】
すなわち、平面ミラー50で反射された光は、タッチパネル30とプリズムミラー40の方向へは、ほとんど進むことがないので、タッチパネル30とプリズムミラー40の間の距離を短くすること、つまり、情報機器操作装置10の厚さを薄くすることができ、延いては、カーナビゲーション装置1も小型化することができる。
【0053】
具体的には、図2に示すように、タッチパネル30からカメラ60までの光路長は約200mmであり、必要な光路長を確保できるとともに、情報機器操作装置10の厚さHを37mmに薄型化することができる。
【0054】
[第2実施形態]
次に、図4に基づき、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態の平面形状のプリズムミラー40の代わりに、図4に示すように曲面プリズムミラー41を用いる。
【0055】
この場合、曲面プリズムミラー41がカメラ60に写り込まないようにするためには、図4中のc2で示す光の軌跡よりも下側に曲面プリズムミラー41を配置しておく必要がある。
【0056】
このとき図4において、タッチパネル30からカメラ60までの光路長が至るところで等しくなるように、曲面プリズムミラー41の曲面を決定する。
例えば、図4においてタッチパネル30中心からカメラ60までの光路長(図4中、a1+b1+c1で示す。)がタッチパネル30端での光路長(図4中、a2+b2+c2で示す。)、及び、光路長(図4中、a3+b3+c3)と等しくなるように曲面プリズムミラー41の曲面形状を決定しておけば、カメラ60で撮影された画像は、歪みのない画像となる。
【0057】
これに対し、第1実施形態に示した構成(図1参照)では、タッチパネル30の中心での光路長a1+b1+c1=200mmであるが、タッチパネル30端においては、光路長a2+b2+c2=170.7mm、光路長a3+b3+c3=236.8mmとなり、若干光路長に差が生じている。このためカメラ60で撮像した結果は図5に示すように、タッチパネル30の範囲が台形形状となる。したがって、正しい画像を得るためには、制御部80において画像補正を行って歪みを除去する必要がある。
【0058】
ただし、曲面プリズムミラー41を製作する場合に比べて、平面プリズムミラー40は製作が容易であることから、簡易的に平面プリズムミラー40のままでタッチパネル30面に対して傾斜させて設置することによって、ある程度の光路長の不均一さを補正することが可能である。
【0059】
この場合においても,平面形状で傾斜させたプリズムミラー40がカメラ60に写り込まないようにするには、図4中の光の軌跡c2よりも下側にプリズムミラー40を配置しておく必要がある。
【0060】
[第3実施形態]
次に、図6に基づいて第3実施形態について説明する。第3実施形態では、表面に一定反射角(32.5°)の反射面を有する三角形状の小ミラーを形成したプリズムミラー40の代わりに、反射角が一定ではない三角形状の小ミラーを形成したプリズムミラー40を用いる。
【0061】
例えば、図6に示すように、プリズムミラー40の中心付近(図6中bで示す部分)では反射角を32.5°、平面ミラー50に近い側(図6中aで示す部分)では35°、平面ミラー50から遠い側では30°(図6中cで示す部分)となるように連続的に傾斜角度を変化させる。
【0062】
この場合、プリズムミラー40によって反射されて、平面ミラー50に映る像の範囲が図6中a〜c〜bからa’〜c’〜b’の範囲に拡大されることになる。この結局、カメラ60において撮像されるタッチパネル30の範囲が縦方向に広がることになり、30度一定角度で構成する場合に比べてより鮮明な画像を得ることができる。
【0063】
[第4実施形態]
次に、図7に基づいて第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態(図1参照)のプリズムミラー40の代わりに、プリズムシート42を用いる。
【0064】
プリズムシート42は、プリズムミラー40のように入射光を反射するのではなく、入射光を透過する素材である。例えば、表面に金属を蒸着しないアクリルガラスなどである。
【0065】
プリズムシート42では、光がプリズムシート42を透過する過程で光の屈折が生じる。この屈折した光をプリズムシート42の図中左下方に配置した平面ミラー50を用いて反射させ、カメラ60にて撮像する。
【0066】
この構成によれば、光が屈折する分平面ミラー50の設置角度を従来の情報機器操作装置(図11参照)に比べて、より水平に近い状態に設置することができるので、高さHを薄型化することができる。
[第5実施形態]
次に、図8に基づいて第5実施形態について説明する。第5実施形態では、タッチパネル30の直下に三角柱状の単プリズム44を、単プリズム44の反射面(三角柱を形成する斜面)で反射される入射光がカメラ60に入射するように配置する。単プリズム44は、ガラスで形成されている。
【0067】
タッチパネル30から入射した光は、単プリズム44の境界面44bを透過した後、境界面44aにおいて全反射され、引き続き反対側の境界面44bにおいて再度全反射し、境界面44cを透過し、カメラ60に入射される。
【0068】
この構成によれば、プリズムミラー40と平面ミラー50を用いる場合と同様、従来の情報機器操作装置(図11参照)に比べ、ミラーを用いる必要がなくなるので、奥行きを薄型化することができる。
【0069】
[第6実施形態]
さらに、第5実施形態(図8参照)において、単プリズム44とカメラ60との間に、さらに平面ミラー52を配置し、さらに薄型化を行うことが考えられる。図9に、平面ミラー52を配置した例を示す。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、第1実施形態では、プリズムミラー40の傾斜角を32.5°としたが、32.5°に限定する必要はなく、任意の角度が実現できる。この場合,角度を32.5°よりも急峻にすることで反射方向を水平(タッチパネル30と平行)に近くできるので、結果としてコンパクトに構成できる。しかし一方で隣接する三角ミラーが障害物となり平面ミラーへ反射する部分が少なくなるため限界が生じる。したがって、45°よりも急峻にすることはできない。
【0071】
また、カメラ60で撮像される操作物体の画像のコントラスを向上させ、外光の影響をより少なくするために、発光ダイオード、赤外線発光ダイオードあるいは白熱電球などを、タッチパネル30に対し、操作物体と反対側に配置し、操作物体に光を照射するようにしてもよい。このようにすると、外光の影響受けにくいので、常に鮮明な画像を取得することができる。
【0072】
[第7実施形態]
以上説明した第1実施形態〜第6実施形態は、情報機器操作装置を車載した場合のものであるが、本情報機器操作装置はさらに、パソコン等の機器を遠隔操作する際にも同様に利用することができる。この場合図10に示すように、卓上に設置した操作装置をパソコン90等に接続し、押下位置と抽出した手の領域をパソコン90上で動作する地図表示ソフトウェアや電卓といったソフトウェアの画面と連動して動作するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】情報機器操作装置10を組み込んだカーナビゲーション装置1の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】プリズムミラー40における入射光の反射の様子を示す図である。
【図3】情報機器操作装置10の車室内での配置の様子を示す図である。
【図4】曲面プリズムミラー41における入射光の反射の様子を示す図である。
【図5】平面プリズムミラー40を用いたときにカメラ60で撮像される画像を示す図である。
【図6】第3実施形態におけるプリズムミラー40の断面形状を示す図である。
【図7】プリズムミラー40の代わりに、プリズムシート42を用いた場合の情報機器操作装置10の構成を示す図である。
【図8】プリズムミラー40の代わりに、単プリズム44を用いた場合の情報機器操作装置10の構成を示す図である。
【図9】単プリズム44と平面ミラー50を用いた場合の情報機器操作装置10の構成を示す図である。
【図10】パソコンに情報機器操作装置を使用した状態を示す図である。
【図11】従来の情報機器操作装置の構成を示す図である。
【図12】従来の情報機器操作装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…カーナビゲーション装置、10…情報機器操作装置、30…タッチパネル、40…プリズムミラー、40…平面プリズムミラー、41…曲面プリズムミラー、42…プリズムシート、44…単プリズム、44a…境界面、44b…境界面、50,52…平面ミラー、60…カメラ、70…表示装置、80…制御部、90…パソコン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操操作物体の押下位置及び前記操作物体による操作動作を検出し、検出した前記操作物体の押下位置及び前記操作物体により操作動作がなされた旨を外部へ出力する特定の波長光に対して透明な操作位置検出手段と、
前記操作物体を撮像するための撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した前記操作物体を含んだ画像から、前記操作物体に相当する画像部分を抽出する画像処理手段と、
前記画像処理手段で抽出した前記操作物体に相当する画像部分を表示する表示手段と、
前記操作位置検出手段に対して前記操作物体と反対側に配置され、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を、前記撮像手段に導くように前記入射光の光路を変更する光路変更手段と、
を備え、
前記光路変更手段は、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を、前記入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射することを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、
前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を、前記入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射する第1光路変更手段と、
前記第1光路変更手段によって反射された入射光を、前記撮像手段に導くよう光路を変更する第2光路変更手段と、
により構成されることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報機器操作装置において、
前記第2光路変更手段は、
前記第1光路変更手段によって反射された入射光を反射して光路を変更する反射面を有し、
前記第1光路変更手段は、
前記第2光路変更手段の前記反射面と平行な方向に傾斜面を有する複数の突起が形成され、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を前記傾斜面で入射光の到来方向の鏡面反射方向と異なる角度に反射させるプリズムミラーであって、
前記プリズムミラーの前記第2光路変更手段の反射面と平行な傾斜面が前記操作位置検出手段に対して0°より大きく45°未満の傾斜角を有し、
前記第2光路変更手段及び前記撮像手段が、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光と前記撮像手段への入射光とが略直角をなすように、前記第2光路変更手段及び前記撮像手段が前記操作位置検出手段と前記プリズムミラーとの間に設置されていることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報機器操作装置において、
前記プリズムミラーは、
前記複数の突起が形成される面が前記操作位置検出手段から前記撮像手段までの光路長が前記操作位置検出手段内の位置によらず一定となるか一定に近づくように曲面形状に形成されていることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項5】
請求項3に記載の情報機器操作装置において、
前記プリズムミラーの前記突起の前記第2光路変更手段の反射面と平行な傾斜面の傾斜角が、前記第2光路変更手段に近い側では前記第2光路変更手段から遠い側よりも大きいことを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、
前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を前記入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過することを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、
前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を前記入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過する第1光路変更手段と、
前記第1光路変更手段によって透過した入射光を前記撮像手段に導くよう光路を変更する第2光路変更手段と、
を備えることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、単プリズムであることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れかに記載の情報機器操作装置と制御手段とを備え、操作表示機能を有し、操作可能な車載電子装置であって、
前記制御手段は、前記操作位置検出手段から前記操作物体の位置と前記操作物体による操作がなされた旨を入力し、
前記撮像手段で撮像した前記操作物体の画像を、前記入力した操作物体の位置に基づき、前記車載電子装置の操作表示機能で表示する操作画面の必要な位置に重畳して前記表示手段に表示するとともに、前記操作物体による操作がなされた旨が入力された場合には、前記操作画面に対応した前記車載電子装置の操作を行うことを特徴とする車載電子装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車載電子装置であって、
前記制御手段は、前記情報機器操作装置により得られた前記操作物体の画像に歪みがある場合、その歪みを補正し、前記補正した操作物体の画像を前記表示手段に表示することを特徴とする車載電子装置。
【請求項1】
操操作物体の押下位置及び前記操作物体による操作動作を検出し、検出した前記操作物体の押下位置及び前記操作物体により操作動作がなされた旨を外部へ出力する特定の波長光に対して透明な操作位置検出手段と、
前記操作物体を撮像するための撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した前記操作物体を含んだ画像から、前記操作物体に相当する画像部分を抽出する画像処理手段と、
前記画像処理手段で抽出した前記操作物体に相当する画像部分を表示する表示手段と、
前記操作位置検出手段に対して前記操作物体と反対側に配置され、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を、前記撮像手段に導くように前記入射光の光路を変更する光路変更手段と、
を備え、
前記光路変更手段は、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を、前記入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射することを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、
前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を、前記入射光の到来方向の鏡面反射方向とは異なる方向へ反射する第1光路変更手段と、
前記第1光路変更手段によって反射された入射光を、前記撮像手段に導くよう光路を変更する第2光路変更手段と、
により構成されることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報機器操作装置において、
前記第2光路変更手段は、
前記第1光路変更手段によって反射された入射光を反射して光路を変更する反射面を有し、
前記第1光路変更手段は、
前記第2光路変更手段の前記反射面と平行な方向に傾斜面を有する複数の突起が形成され、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を前記傾斜面で入射光の到来方向の鏡面反射方向と異なる角度に反射させるプリズムミラーであって、
前記プリズムミラーの前記第2光路変更手段の反射面と平行な傾斜面が前記操作位置検出手段に対して0°より大きく45°未満の傾斜角を有し、
前記第2光路変更手段及び前記撮像手段が、前記操作位置検出手段を通して入射する入射光と前記撮像手段への入射光とが略直角をなすように、前記第2光路変更手段及び前記撮像手段が前記操作位置検出手段と前記プリズムミラーとの間に設置されていることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報機器操作装置において、
前記プリズムミラーは、
前記複数の突起が形成される面が前記操作位置検出手段から前記撮像手段までの光路長が前記操作位置検出手段内の位置によらず一定となるか一定に近づくように曲面形状に形成されていることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項5】
請求項3に記載の情報機器操作装置において、
前記プリズムミラーの前記突起の前記第2光路変更手段の反射面と平行な傾斜面の傾斜角が、前記第2光路変更手段に近い側では前記第2光路変更手段から遠い側よりも大きいことを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、
前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を前記入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過することを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、
前記操作位置検出手段を通して入射する入射光を前記入射光の到来方向とは異なる方向へ屈折させて透過する第1光路変更手段と、
前記第1光路変更手段によって透過した入射光を前記撮像手段に導くよう光路を変更する第2光路変更手段と、
を備えることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報機器操作装置において、
前記光路変更手段は、単プリズムであることを特徴とする情報機器操作装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8の何れかに記載の情報機器操作装置と制御手段とを備え、操作表示機能を有し、操作可能な車載電子装置であって、
前記制御手段は、前記操作位置検出手段から前記操作物体の位置と前記操作物体による操作がなされた旨を入力し、
前記撮像手段で撮像した前記操作物体の画像を、前記入力した操作物体の位置に基づき、前記車載電子装置の操作表示機能で表示する操作画面の必要な位置に重畳して前記表示手段に表示するとともに、前記操作物体による操作がなされた旨が入力された場合には、前記操作画面に対応した前記車載電子装置の操作を行うことを特徴とする車載電子装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車載電子装置であって、
前記制御手段は、前記情報機器操作装置により得られた前記操作物体の画像に歪みがある場合、その歪みを補正し、前記補正した操作物体の画像を前記表示手段に表示することを特徴とする車載電子装置。
【図1】
【図4】
【図9】
【図12】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図4】
【図9】
【図12】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−242996(P2008−242996A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85047(P2007−85047)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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