説明

情報表示装置、情報表示方法及びプログラム

【課題】一度のスクロール操作で、スクロール終了時にスクロール方向の画面周縁部に位置する施設を確認することができる情報表示装置、情報表示方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】施設を含む地図画像を表示する表示手段と、前記地図画像のスクロール方向を入力する入力手段を介して入力された前記地図画像のスクロール方向を検出するスクロール方向検出手段と、前記地図画像のスクロールが停止したときに表示画面に一部のみ表示される施設の有無を判別する施設判別方向を、前記スクロール方向に基づいて決定する施設判別方向決定手段と、前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にある場合には、当該施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整する地図画像調整手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面の押下操作に基づいて画像をスクロールさせる情報表示装置、情報表示方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用のナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などの携帯情報機器、携帯型音楽プレイヤ、携帯型ゲーム装置、パーソナルコンピュータ等の液晶ディスプレイを備える装置においては、ユーザの操作を受け付ける手段として液晶ディスプレイの前面にタッチパネル等を備えるものが多い。このようなタッチパネルを備える装置では、表示画面に表示しきれない画像を表示する場合、表示画面に表示する表示領域を画像の一部の領域に設定すると共に、表示画面の前側に設けられたタッチパネル等にユーザが触れることにより、表示領域を画像上で移動させてスクロール表示を行う表示装置が使われている。
【0003】
また、下記特許文献1に記載されたスクロール制御装置では、タッチパネルへの接触による入力データが発生しタッチ状態になったと判定された場合には、座標入力部4から入力される入力座標の変化ベクトルに基づいて、この変化ベクトルに等しい又は比例したベクトルで地図画像をスクロールさせる。その後、タッチパネルへの接触による入力データが無くなり、非接触状態になった場合には、タッチパネルへの接触による座標入力が無くなる直前の入力座標の変化ベクトルに基づいて、予め設定された減衰量で、地図画像のスクロール量を時間と共に徐々に減衰させ、スクロール量が0になるまで地図画像を慣性スクロールさせるように構成されている。これにより、ユーザはタッチパネルを押下して、希望するスクロール方向へ指を跳ねることによって、このスクロール方向へ地図画像を慣性スクロールさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−161628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたスクロール制御装置では、ユーザがタッチパネルを押下して、希望するスクロール方向へ指を跳ねて地図画像を慣性スクロールさせた場合には、スクロール量が0になると画面が停止する。このため、地図画像の停止時に、スクロール方向の画面周縁部に一部のみ表示された施設がある場合に、この施設を確認するためには、再度タッチパネルを押下してスクロール操作をしなければならず、使い勝手が悪いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、一度のスクロール操作で、スクロール終了時にスクロール方向の画面周縁部に位置する施設を確認することができる情報表示装置、情報表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係る情報表示装置は、施設に関する施設情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、前記地図情報に基づいて前記施設を含む地図画像を表示する表示手段と、前記地図画像のスクロール方向を入力する入力手段と、前記入力手段を介して入力された前記地図画像のスクロール方向を検出するスクロール方向検出手段と、前記地図画像のスクロールが停止したときに表示画面に一部のみ表示される施設の有無を判別する施設判別方向を、前記スクロール方向に基づいて決定する施設判別方向決定手段と、前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあるか否かを判定する施設判定手段と、前記施設判定手段を介して前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあると判定された場合には、当該施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整する地図画像調整手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る情報表示装置は、請求項1に記載の情報表示装置において、前記施設判別方向決定手段は、表示画面上の中心を通る一対の対角線によって区分される複数の画面区画のうち、前記中心から前記スクロール方向に引いた単位ベクトルが含まれる画面区画に向かう方向を前記施設判別方向として決定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る情報表示装置は、請求項1又は請求項2に記載の情報表示装置において、前記施設判定手段を介して前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあると判定された場合には、該判定された施設のうち、施設全体を表示する表示施設を決定する表示施設決定手段を備え、前記表示施設決定手段は、前記地図画像のスクロールが停止したときに、前記施設判別方向の表示画面に一部のみ表示される施設の個数が複数の場合は、各施設の前記表示画面の中心位置から最も遠い表示座標の距離に基づいて前記表示施設を決定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る情報表示装置は、請求項3に記載の情報表示装置において、前記地図画像調整手段は、前記表示施設決定手段によって決定された表示施設の全体を表示するために必要な地図画像のスクロール移動量を取得する移動量取得手段と、前記スクロール移動量が所定移動量以下か否かを判定する移動量判定手段と、を有し、該地図画像調整手段は、前記前記スクロール移動量が所定移動量以下であると判定した場合に、前記表示施設決定手段によって決定された表示施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る情報表示装置は、請求項3又は請求項4に記載の情報表示装置において、前記地図画像調整手段は、地図上の前記施設判別方向の表示画面の中央位置が表示画面の中心へ移動する方向に前記地図画像をスクロールさせることによって前記表示施設の全体を表示することができるか否かを判定する表示判定手段を有し、該地図画像調整手段は、前記表示判定手段を介して前記表示施設の全体を表示することができると判定した場合には、前記地図上の前記判別方向の表示画面の中央位置が表示画面の中心へ移動する方向に前記地図画像をスクロールさせて前記表示施設の全体を表示し、前記表示判定手段を介して前記表示施設の全体を表示することができないと判定した場合には、前記地図画像の縮尺を拡大することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項6に係る情報表示装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の情報表示装置において、前記施設判定手段を介して前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあると判定された場合には、前記施設判別方向以外の方向の表示画面にも一部のみ表示される施設があるか否かを判定する施設判別方向外施設判定手段を備え、前記地図画像調整手段は、前記施設判別方向外施設判定手段によって前記施設判別方向以外の方向の表示画面に一部のみ表示される施設が無いと判定された場合に、前記施設判別方向にある一部のみ表示される施設の全体が表示されるように地図画像を調整することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る情報表示方法は、施設に関する施設情報を含む地図情報に基づいて前記施設を含む地図画像を表示する表示工程と、地図画像のスクロール方向を入力する入力手段を介して入力された前記地図画像のスクロール方向を検出するスクロール方向検出工程と、前記地図画像のスクロールが停止したときに一部のみ表示される施設の有無を判別する施設判別方向を、前記スクロール方向に基づいて決定する施設判別方向決定工程と、前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあるか否かを判定する施設判定工程と、前記施設判定工程で前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあると判定された場合には、当該施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整する地図画像調整工程と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
更に、請求項8に係るプログラムは、コンピュータに、施設に関する施設情報を含む地図情報に基づいて前記施設を含む地図画像を表示する表示工程と、地図画像のスクロール方向を入力する入力手段を介して入力された前記地図画像のスクロール方向を検出するスクロール方向検出工程と、前記地図画像のスクロールが停止したときに一部のみ表示される施設の有無を判別する施設判別方向を、前記スクロール方向に基づいて決定する施設判別方向決定工程と、前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあるか否かを判定する施設判定工程と、前記施設判定工程で前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあると判定された場合には、当該施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整する地図画像調整工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
前記構成を有する請求項1に係る情報表示装置、請求項7に係る情報表示方法及び請求項8に係るプログラムでは、スクロール方向に基づいて決定された施設判別方向の表示画面に一部のみ表示された施設がある場合には、この施設の全体が表示されるように地図画像が調整される。これにより、一度のスクロール操作で、スクロール終了時にスクロール方向に基づいて決定された施設判別方向の画面周縁部に位置する施設の全体を確実に表示することができる。従って、ユーザは一度のスクロール操作により、スクロール方向に基づいて決定された施設判別方向の画面周縁部に表示された各施設を容易に確認でき、目的地の設定等を迅速に行うことが可能となる。
【0016】
また、請求項2に係る情報表示装置では、表示画面上の中心からスクロール方向に引いた単位ベクトルが含まれる画面区画に向かう方向を施設判別方向として決定することにより、ユーザの希望するスクロール方向の施設、つまり、ユーザの確認したい施設を確実に表示することができる。
【0017】
また、請求項3に係る情報表示装置では、施設判別方向の表示画面の周縁部に一部のみ表示される施設の個数が複数の場合は、各施設の表示画面の中心位置から最も遠い表示座標の距離に基づいて表示施設を決定するため、一部のみ表示された施設が複数個の場合にも、スクロール終了時にスクロール方向の画面周縁部に表示された複数個の施設を表示画面に表示することができる。
【0018】
また、請求項4に係る情報表示装置では、表示施設の全体を表示するために必要な地図画像のスクロール移動量が所定移動量以下の場合に、表示施設の全体が表示されるように地図画像を調整する。これにより、一部のみ表示された施設の面積が、国立公園や大規模遊園地等のように広く、追加してスクロールすることによって画面中心部が移動しすぎる場合には、ユーザに違和感を与えることなく、これらの施設の全体を表示することを防止することができる。
【0019】
また、請求項5に係る情報表示装置では、施設判別方向の表示画面の中央位置が表示画面の中心へ移動する方向に地図画像をスクロールさせることによって表示施設の全体を表示することができない場合でも、地図画像の縮尺を拡大して、確実に表示施設の全体を表示することができる。従って、ユーザは一度のスクロール操作により、スクロール方向の画面周縁部に表示された各施設を容易に確認できる。
【0020】
また、請求項6に係る情報表示装置では、施設判別方向以外の方向の表示画面の周縁部に一部のみ表示される施設が無い場合のみ、地図画像を調整するため、地図画像の調整によって表示画面の周縁部から消される施設を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】スクロール操作された場合に地図画像をスクロールさせる「スクロール処理」を示すメインフローチャートである。
【図3】図2の「施設判別方向決定処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図4】図2の「表示施設決定処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】図2の「地図画像調整処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図6】施設判別方向の設定を説明する説明図である。
【図7】表示施設が施設判別方向の端縁部に位置する状態の一例を示す図である。
【図8】図7の地図画像を調整した一例を示す図である。
【図9】表示施設が施設判別方向の端縁部の両端よりも外側に位置する状態の一例を示す図である。
【図10】図9の地図画像を調整した一例を示す図である。
【図11】表示施設が施設判別方向の端縁部の両端よりも内側に位置する状態の一例を示す図である。
【図12】図11の地図画像を調整した一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る情報表示装置、情報表示方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置等を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、液晶ディスプレイ15の表面に装着されたタッチパネル18とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0024】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車両の現在位置(以下、「自車位置」という。)、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0025】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバ(図示せず)とを備えている。
【0026】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。ここで、ナビ地図情報26には、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0027】
また、店舗データとしては、各地域のホテル、遊園地、宮殿、病院、ガソリンスタンド、駐車場、駅、空港、フェリー乗り場等のPOIに関する名称や住所、電話番号、地図上の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、地図上に施設の位置を表示する施設アイコン等のデータがPOIを特定するIDとともに記憶されている。
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0028】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0029】
また、ROM43には、後述のユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面上を指で押下してドラッグ操作した場合に、この指を動かした方向へ地図画像をスクロールさせる「スクロール処理」(図2参照)等のプログラムが記憶されている。
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、タッチパネル18の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0030】
この操作部14は、走行開始時の現在位置を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0031】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、目的地周辺の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの推奨経路、推奨経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0032】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0033】
また、通信装置17は、不図示の地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報等の送受信を行う。また、通信装置17は地図情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0034】
また、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の表示画面上に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ15の画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドの入力や、表示画面上を指で押下してドラッグ操作した場合に、この指の移動方向の検出等をすることが可能に構成されている。尚、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の画面を直接押下する光センサ液晶方式等で構成してもよい。
【0035】
[スクロール処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、ユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面上を指で押下してドラッグ操作した場合に、この指を動かした方向へ地図画像をスクロールさせる「スクロール処理」について図2乃至図12に基づいて説明する。尚、図2にフローチャートで示されるプログラムは、CPU41により実行される。
【0036】
図2に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、タッチパネル18の押下開始時の押下座標位置(以下、「タッチ座標」という。)、又は、前回のタッチ座標を取得した時刻から20ミリ秒経過毎に、各時点のタッチ座標を繰り返し取得してRAM42に時系列順に記憶する。そして、CPU41は、各タッチ座標を20ミリ秒経過毎に時系列順に読み出して、前回のタッチ座標に対応する画像の地点が、今回のタッチ座標へ移動するように画像をスクロールさせる。
【0037】
そして、S12において、CPU41は、後述の表示画面に一部のみ表示された施設を表す施設アイコンの有無を判別する施設判別方向、つまり、地図表示領域の周縁部の方向を決定する「施設判別方向決定処理」のサブ処理(図3参照)を実行する。尚、地図表示領域は、地図画像が表示されている表示画面内の領域であり、例えば、1つの画面内に複数のウィンドウが表示されている場合には、地図画像を表示しているウィンドウ領域である。また、2画面表示等で、各々の画面内に複数のウィンドウが表示されている場合には、地図表示領域は、各画面に表示されている複数のウィンドウのうち、地図画像を表示しているウィンドウ領域である。
【0038】
続いて、S13において、CPU41は、地図画像のスクロールを停止させるか否か、つまり、タッチパネル18の押下の解除(以下、「タッチオフ」という。)が確定したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、タッチオフが確定していないと判定した場合には(S13:NO)、CPU41は、再度S11以降の処理を実行する。尚、CPU41は、タッチオフが所定時間(例えば、約100ミリ秒である。)継続した場合に、タッチオフを確定する。
【0039】
一方、タッチオフが確定したと判定した場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。S14において、CPU41は、スクロールしている地図画像を停止表示する。
その後、S15において、CPU41は、上記S12で決定した施設判別方向の地図表示領域周縁部に一部のみ表示された施設アイコンがあるか否か、つまり、施設があるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0040】
例えば、施設判別方向が「上方向」の場合には、CPU41は、表示した地図画像の上端縁部、つまり、地図表示領域の上辺部において、一部のみ表示された施設アイコンがあるか否かを判定する。また、施設判別方向が「下方向」の場合には、CPU41は、表示した地図画像の下端縁部、つまり、地図表示領域の底辺部において、一部のみ表示された施設アイコンがあるか否かを判定する。
【0041】
また、施設判別方向が「左方向」の場合には、CPU41は、表示した地図画像の左端縁部、つまり、地図表示領域の左辺部において、一部のみ表示された施設アイコンがあるか否かを判定する。更に、施設判別方向が「右方向」の場合には、CPU41は、表示した地図画像の右端縁部、つまり、地図表示領域の右辺部において、一部のみ表示された施設アイコンがあるか否かを判定する。
【0042】
そして、施設判別方向の地図表示領域周縁部に一部のみ表示された施設アイコンは無いと判定した場合には(S15:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、施設判別方向の地図表示領域周縁部に一部のみ表示された施設アイコンがあると判定した場合には(S15:YES)、CPU41は、S16の処理に移行する。
【0043】
S16において、CPU41は、後述の施設判別方向の地図表示領域周縁部に一部のみ表示された施設アイコンによって示される施設を表示施設として決定する「表示施設決定処理」のサブ処理(図4参照)を実行する。
続いて、S17において、CPU41は、後述の上記S16で決定された表示施設を表示するように地図画像を調整する「地図画像調整処理」のサブ処理(図5参照)を実行後、当該処理を終了する。
【0044】
[施設判別方向決定処理]
次に、上記S12で、CPU41が実行する「施設判別方向決定処理」のサブ処理について図3及び図6に基づいて説明する。
図3に示すように、先ず、S111において、CPU41は、上記S11でRAM42に記憶したタッチオフ時のタッチ座標と、押下がなくなる1つ前のタッチ座標とから、地図表示領域上での押下座標位置の移動方向を算出し、この押下座標位置の移動方向に対して反対方向を地図画像のスクロール方向としてRAM42に記憶する。
【0045】
そして、図6に示すように、CPU41は、液晶ディスプレイ15の地図表示領域の一対の対角線51の交点を地図表示領域の中心52とし、この中心52から地図画像のスクロール方向に単位ベクトル53を引く。また、CPU41は、地図表示領域を一対の対角線51によって、地図表示領域の中心を共通の頂点とする4つの略三角形状に区画する。そして、CPU41は、地図表示領域の上端縁部を外側周縁部とする区画を上方向決定範囲55として設定する。
【0046】
また、CPU41は、地図表示領域の左端縁部を外側周縁部とする区画を左方向決定範囲56として設定する。また、CPU41は、地図表示領域の下端縁部を外側周縁部とする区画を下方向決定範囲57として設定する。更に、CPU41は、地図表示領域の右端縁部を外側周縁部とする区画を右方向決定範囲58として設定する。
【0047】
続いて、S112において、CPU41は、スクロール方向が上方向決定範囲55に属しているか否か、つまり、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が上方向決定範囲55に属しているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が上方向決定範囲55に属していると判定した場合には(S112:YES)、CPU41は、S113の処理に移行する。尚、単位ベクトル53が対角線51上にある場合には、単位ベクトル53は上方向決定範囲55に属していると判定する。
【0048】
S113において、CPU41は、上記S15で一部のみ表示された施設アイコンがあるか否か、つまり、施設があるか否かを判定する地図表示領域の周縁部を特定するための施設判別方向を「上方向」に決定して、RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0049】
一方、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が上方向決定範囲55に属していないと判定した場合には(S112:NO)、CPU41は、S114の処理に移行する。S114において、CPU41は、スクロール方向が下方向決定範囲57に属しているか否か、つまり、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が下方向決定範囲57に属しているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0050】
そして、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が下方向決定範囲57に属していると判定した場合には(S114:YES)、CPU41は、S115の処理に移行する。尚、単位ベクトル53が対角線51上にある場合には、単位ベクトル53は下方向決定範囲57に属していると判定する。
【0051】
S115において、CPU41は、上記S15で一部のみ表示された施設アイコンがあるか否か、つまり、施設があるか否かを判定する地図表示領域の周縁部を特定するための施設判別方向を「下方向」に決定して、RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0052】
一方、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が下方向決定範囲57に属していないと判定した場合には(S114:NO)、CPU41は、S116の処理に移行する。S116において、CPU41は、スクロール方向が左方向決定範囲56に属しているか否か、つまり、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が左方向決定範囲56に属しているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が左方向決定範囲56に属していると判定した場合には(S116:YES)、CPU41は、S117の処理に移行する。
【0053】
S117において、CPU41は、上記S15で一部のみ表示された施設アイコンがあるか否か、つまり、施設があるか否かを判定する地図表示領域の周縁部を特定するための施設判別方向を「左方向」に決定して、RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0054】
一方、地図表示領域の中心52から引いた単位ベクトル53が左方向決定範囲56に属していないと判定した場合には(S116:NO)、CPU41は、S118の処理に移行する。S118において、CPU41は、上記S15で一部のみ表示された施設アイコンがあるか否か、つまり、施設があるか否かを判定する地図表示領域の周縁部を特定するための施設判別方向を「右方向」に決定して、RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0055】
[表示施設決定処理]
次に、上記S16で、CPU41が実行する「表示施設決定処理」のサブ処理について図4及び図7に基づいて説明する。
図4に示すように、先ず、S211において、CPU41は、上記S12で決定された施設判別方向の地図表示領域周縁部に、つまり、施設判別方向の地図表示領域の端縁部に、一部のみ表示された施設アイコンによって示される施設は1つか否かを判定する判定処理を実行する。
【0056】
そして、施設判別方向の地図表示領域周縁部に、つまり、施設判別方向の地図表示領域の端縁部に、一部のみ表示された施設アイコンによって示される施設は1つであると判定した場合には(S211:YES)、CPU41は、S212の処理に移行する。S212において、CPU41は、この一部のみ表示された施設アイコンによって示される施設を「表示施設」として決定して、RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S17の処理に移行する。
【0057】
一方、施設判別方向の地図表示領域周縁部に、一部のみ表示された施設アイコンによって示される施設が複数個あると判定した場合には(S211:NO)、CPU41は、S213の処理に移行する。S213において、CPU41は、地図画像の中心から、つまり、地図表示領域の中心から、一部のみ表示された各施設アイコンの表示座標までの最大距離を算出する。
【0058】
例えば、図7に示すように、上記S12で、施設判別方向を「上向き」に決定した場合には、CPU41は、表示した地図画像の上端縁部、つまり、地図表示領域の上辺部において、駐車場の位置を示す駐車場アイコン61と、建物の位置を示す建物アイコン62とを、一部のみ表示された施設アイコンとして選択する。そして、CPU41は、地図表示領域の中心52から駐車場アイコン61と建物アイコン62のそれぞれの表示座標までの最大距離L1、L2を算出する。
【0059】
続いて、S214において、CPU41は、表示した地図画像の中心から、つまり、地図表示領域の中心から、一部のみ表示された各施設アイコンの表示座標までの最大距離を比較し、地図表示領域の中心から最も遠い表示座標を持つ施設アイコンがあるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、地図表示領域の中心から最も遠い表示座標を持つ施設アイコンがあると判定した場合には(S214:YES)、CPU41は、S215の処理に移行する。
【0060】
S215において、CPU41は、地図表示領域の中心から最も遠い表示座標を持つ施設アイコンによって示される施設を「表示施設」として決定して、RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S17の処理に移行する。
例えば、図7に示すように、地図表示領域の中心52から駐車場アイコン61の表示座標までの最大距離L1が最も大きい場合には、CPU41は、駐車場アイコン61によって示される施設を「表示施設」として決定し、RAM42に記憶する。
【0061】
一方、地図表示領域の中心から最も遠い表示座標を持つ施設アイコンが無い、つまり、地図表示領域の中心から、一部のみ表示された各施設アイコンの表示座標までの最大距離が同じものが複数あると判定した場合には(S214:NO)、CPU41は、S216の処理に移行する。S216において、CPU41は、この最大距離が同じ複数の施設アイコンによって示される各施設を「表示施設」として決定して、RAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S17の処理に移行する。
【0062】
[地図画像調整処理]
次に、上記S17で、CPU41が実行する「地図画像調整処理」のサブ処理について図5、図7乃至図12に基づいて説明する。
図5に示すように、先ず、S311において、CPU41は、上記S16で決定した「表示施設」をRAM42から読み出し、上記S12で決定した「施設判別方向」に地図画像をスクロールして、当該「表示施設」を示す施設アイコンの全体を地図表示領域内に表示するために必要なスクロール移動量を算出する。
【0063】
続いて、S312において、CPU41は、上記S311で算出したスクロール移動量が、所定移動量以下(例えば、地図表示領域の当該スクロール方向の幅の約1/3以下である。)か否かを判定する判定処理を実行する。そして、スクロール移動量が所定移動量よりも大きいと判定した場合には(S312:NO)、CPU41は、地図画像をスクロールさせることなく当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0064】
一方、スクロール移動量が所定移動量以下であると判定した場合には(S312:YES)、CPU41は、S313の処理に移行する。S313において、CPU41は、上記S16で決定した「表示施設」をRAM42から読み出し、1つか否かを判定する判定処理を実行する。そして、「表示施設」が1つであると判定した場合には(S313:YES)、CPU41は、S314の処理に移行する。
【0065】
S314において、CPU41は、上記S311で算出したスクロール移動量だけ、上記S12で決定した「施設判別方向」に地図画像をスクロールして、当該「表示施設」を示す施設アイコンの全体を地図表示領域内に表示する。つまり、「表示施設」に対応する施設アイコンの全体を表示するように、施設判別方向の地図表示領域の周縁部の中央位置に対向する地点が、地図表示領域の中心へ移動する方向に地図画像をスクロールさせた後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0066】
例えば、図7に示すように、地図表示領域の中心52からの最大距離L1が最も大きい駐車場アイコン61によって示される施設が「表示施設」として決定された場合には、CPU41は、地図画像を「上方向」にスクロールして、当該「表示施設」を示す駐車場アイコン61の全体を地図表示領域内に表示するために必要なスクロール移動量を算出する。そして、図8に示すように、CPU41は、このスクロール移動量だけ地図画像を「上方向」へスクロールして、駐車場アイコン61及び建物アイコン62の全体を地図表示領域内に表示する。
【0067】
他方、上記S16で決定した「表示施設」が複数である、つまり、地図表示領域の中心から施設アイコンの表示座標までの最大距離が同じ表示施設が2個あると判定した場合には(S313:NO)、CPU41は、S315の処理に移行する。S315において、CPU41は、各「表示施設」は、上記S12で決定した「施設判別方向」の地図表示領域の端縁部の両端よりも該端縁部に沿った外側に位置するか否かを判定する判定処理を実行する。
【0068】
そして、各「表示施設」は、上記S12で決定した「施設判別方向」の地図表示領域の端縁部の両端よりも該端縁部に沿った外側に位置すると判定した場合には(S315:YES)、CPU41は、S316の処理に移行する。S316において、CPU41は、地図表示領域の中心から、一部のみ表示された各施設アイコンの表示座標までの最大距離に基づいて、地図画像の縮尺を拡大し、各施設アイコンの全体を地図表示領域内に表示した後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0069】
例えば、図9に示すように、上記S12で決定した施設判別方向が「上方向」で、地図表示領域の上端縁部において一部のみ表示された駐車場アイコン63と建物アイコン64が2個あり、これらが地図表示領域の上端縁部の両端よりも該端縁部に沿った外側に位置している。この場合には、図10に示すように、CPU41は、地図表示領域の中心52から、一部のみ表示された駐車場アイコン63と建物アイコン64のそれぞれの表示座標までの最大距離L3が、最大距離L4になるまで地図画像の縮尺を拡大し、駐車場アイコン63と建物アイコン64の全体を地図表示領域内に表示する。
【0070】
一方、各「表示施設」は、上記S12で決定した「施設判別方向」の地図表示領域の端縁部の両端よりも内側に位置すると判定した場合には(S315:NO)、CPU41は、S317の処理に移行する。S317において、CPU41は、上記S311で算出したスクロール移動量だけ、上記S12で決定した「施設判別方向」に地図画像をスクロールして、各施設アイコンの全体を地図表示領域内に表示した後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻る。
【0071】
例えば、図11に示すように、上記S12で決定した施設判別方向が「上方向」で、地図表示領域の上端縁部において一部のみ表示された駐車場アイコン65と建物アイコン66が2個あり、これらが地図表示領域の上端縁部の両端よりも内側に位置している。この場合には、CPU41は、駐車場アイコン65と建物アイコン66の全体を地図表示領域内に表示するために必要なスクロール移動量を算出する。そして、図12に示すように、CPU41は、このスクロール移動量だけ地図画像を「上方向」へスクロールして、駐車場アイコン65及び建物アイコン66の全体を地図表示領域内に表示する
【0072】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、地図表示領域の中心52からスクロール方向に単位ベクトル53を引く。そして、CPU41は、地図表示領域の中心52から、この単位ベクトル53が含まれる各方向決定範囲55〜58の周縁部の中央位置に向かう方向を施設判別方向として決定することにより、ユーザの希望するスクロール方向の施設、つまり、ユーザの確認したい施設を確実に表示することができる。
【0073】
また、CPU41は、施設判別方向の地図表示領域周縁部に一部のみ表示された施設アイコンが1つある場合には、当該施設アイコンによって示される施設を「表示施設」として決定し、一部のみ表示された施設アイコンが2つ以上ある場合には、地図表示領域の中心から最も遠い表示座標を持つ施設アイコンによって示される施設を「表示施設」として決定する。また、地図表示領域の中心から最も遠い表示座標までの距離が等しい施設アイコンが2個ある場合には、この2個の施設アイコンによって示される各施設を「表示施設」として決定する。
【0074】
そして、「表示施設」に対応する施設アイコンの全体を表示するように、施設判別方向の地図表示領域の周縁部の中央位置が、地図表示領域の中心へ移動する方向に地図画像をスクロールさせる。また、地図画像をスクロールさせて「表示施設」に対応する施設アイコンの全体を表示することができない場合でも、地図画像の縮尺を拡大して、確実に表示施設の全体を表示することができる。
【0075】
これにより、スクロール終了時にスクロール方向の地図表示領域周縁部に位置する各施設アイコンの全体を確実に表示することができる。従って、ユーザは一度のスクロール操作により、スクロール方向の地図表示領域周縁部に表示された複数個の施設を表示画面に表示することができる。
【0076】
また、スクロール終了時にスクロール方向の地図表示領域周縁部に位置する各施設アイコンの全体を確実に表示するために必要なスクロール移動量が所定移動量より大きい場合には、当該各施設アイコンを一部のみ表示した状態でスクロールを停止させる。これにより、一部のみ表示された施設の面積が、国立公園や大規模遊園地等のように広く、追加してスクロールすることによって地図表示領域の中心部が移動しすぎる場合には、ユーザに違和感を与えることなく、これらの施設の全体を表示することを防止することができる。
【0077】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0078】
(A)例えば、タッチオフが確定したと判定した場合には(S13:YES)、CPU41は、上記S14の処理を実行することなく、S15の処理に移行するようにしてもよい。これにより、地図画像を一旦停止させることなく、地図表示領域周縁部に位置する施設アイコンの全体を表示するようにスムーズにスクロール表示させることが可能となる。
【0079】
(B)また、上記S15で、施設判別方向の地図表示領域周縁部に一部のみ表示された施設アイコンがあると判定した場合には(S15:YES)、CPU41は、施設判別方向以外の地図表示領域周縁部にも一部のみ表示された施設アイコンがあるか否かを判定する判定処理を実行するようにしてもよい。そして、施設判別方向以外の地図表示領域周縁部にも一部のみ表示された施設アイコンがあると判定した場合には、CPU41は、当該処理を終了するようにしてもよい。一方、施設判別方向以外の地図表示領域周縁部には、一部のみ表示された施設アイコンが無いと判定した場合に、CPU41は、S16以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0080】
これにより、施設判別方向以外の方向の地図表示領域の周縁部に一部のみ表示された施設アイコンが無い場合のみ、地図画像をスクロールさせ、又は、地図画像の縮尺を拡大するため、地図画像のスクロールや縮尺の拡大によって地図表示領域から消される施設を無くすことができる。
【符号の説明】
【0081】
1 ナビゲーション装置
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
18 タッチパネル
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 対角線
52 中心
53 単位ベクトル
55 上方向決定範囲
56 左方向決定範囲
57 下方向決定範囲
58 右方向決定範囲
61、63、65 駐車場アイコン
62、64、66 建物アイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に関する施設情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報に基づいて前記施設を含む地図画像を表示する表示手段と、
前記地図画像のスクロール方向を入力する入力手段と、
前記入力手段を介して入力された前記地図画像のスクロール方向を検出するスクロール方向検出手段と、
前記地図画像のスクロールが停止したときに表示画面に一部のみ表示される施設の有無を判別する施設判別方向を、前記スクロール方向に基づいて決定する施設判別方向決定手段と、
前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあるか否かを判定する施設判定手段と、
前記施設判定手段を介して前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあると判定された場合には、当該施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整する地図画像調整手段と、
を備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記施設判別方向決定手段は、表示画面上の中心を通る一対の対角線によって区分される複数の画面区画のうち、前記中心から前記スクロール方向に引いた単位ベクトルが含まれる画面区画に向かう方向を前記施設判別方向として決定することを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記施設判定手段を介して前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあると判定された場合には、該判定された施設のうち、施設全体を表示する表示施設を決定する表示施設決定手段を備え、
前記表示施設決定手段は、前記地図画像のスクロールが停止したときに、前記施設判別方向の表示画面に一部のみ表示される施設の個数が複数の場合は、各施設の前記表示画面の中心位置から最も遠い表示座標の距離に基づいて前記表示施設を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記地図画像調整手段は、
前記表示施設決定手段によって決定された表示施設の全体を表示するために必要な地図画像のスクロール移動量を取得する移動量取得手段と、
前記スクロール移動量が所定移動量以下か否かを判定する移動量判定手段と、
を有し、
該地図画像調整手段は、前記前記スクロール移動量が所定移動量以下であると判定した場合に、前記表示施設決定手段によって決定された表示施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整することを特徴とする請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記地図画像調整手段は、地図上の前記施設判別方向の表示画面の中央位置が表示画面の中心へ移動する方向に前記地図画像をスクロールさせることによって前記表示施設の全体を表示することができるか否かを判定する表示判定手段を有し、
該地図画像調整手段は、
前記表示判定手段を介して前記表示施設の全体を表示することができると判定した場合には、前記地図上の前記判別方向の表示画面の中央位置が表示画面の中心へ移動する方向に前記地図画像をスクロールさせて前記表示施設の全体を表示し、
前記表示判定手段を介して前記表示施設の全体を表示することができないと判定した場合には、前記地図画像の縮尺を拡大することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記施設判定手段を介して前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定手段によって決定された施設判別方向にあると判定された場合には、前記施設判別方向以外の方向の表示画面にも一部のみ表示される施設があるか否かを判定する施設判別方向外施設判定手段を備え、
前記地図画像調整手段は、前記施設判別方向外施設判定手段によって前記施設判別方向以外の方向の表示画面に一部のみ表示される施設が無いと判定された場合に、前記施設判別方向にある一部のみ表示される施設の全体が表示されるように地図画像を調整することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項7】
施設に関する施設情報を含む地図情報に基づいて前記施設を含む地図画像を表示する表示工程と、
地図画像のスクロール方向を入力する入力手段を介して入力された前記地図画像のスクロール方向を検出するスクロール方向検出工程と、
前記地図画像のスクロールが停止したときに一部のみ表示される施設の有無を判別する施設判別方向を、前記スクロール方向に基づいて決定する施設判別方向決定工程と、
前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあるか否かを判定する施設判定工程と、
前記施設判定工程で前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあると判定された場合には、当該施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整する地図画像調整工程と、
を備えたことを特徴とする情報表示方法。
【請求項8】
コンピュータに、
施設に関する施設情報を含む地図情報に基づいて前記施設を含む地図画像を表示する表示工程と、
地図画像のスクロール方向を入力する入力手段を介して入力された前記地図画像のスクロール方向を検出するスクロール方向検出工程と、
前記地図画像のスクロールが停止したときに一部のみ表示される施設の有無を判別する施設判別方向を、前記スクロール方向に基づいて決定する施設判別方向決定工程と、
前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあるか否かを判定する施設判定工程と、
前記施設判定工程で前記一部のみ表示される施設が、前記施設判別方向決定工程で決定された施設判別方向にあると判定された場合には、当該施設の全体が表示されるように前記地図画像を調整する地図画像調整工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−128100(P2012−128100A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278360(P2010−278360)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】