説明

情報記録再生装置と方法

【課題】記録メディアに記録されている情報が、当該記録メディアに対応して規格化された論理フォーマットで記録されていない場合であっても、安心して利用できるようにする。
【解決手段】 装填された光ディスクの物理フォーマット情報からこの光ディスクの種類(第1の判定結果)を得て、また光ディスクのファイルシステムの情報から論理フォーマットをチェックし光ディスクの種類(第2の判定結果)を得る。そして第1の判定結果と第2の判定結果とが同じ種類のディスクであることを示しているか否かを判定するのである。そして、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、光ディスクの記録情報の再生のみを許すようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ディスク(DVD-ROM,DVD−Video,DVD−RAM,DVD-RW,DVD-R等)に記録されている情報を再生する装置、及び記録可能な媒体に対して情報を記録することが出来る装置に関するものであり、また記録再生方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報を高密度記録することができる光ディスクが開発され、また、その用途も多種に渡っている。この主光ディスクは、デジタルバーサタイルディスク(DVD)と称され、以下のような種類が規格化されている。即ち、ビデオ信号が記録されており再生専用として用いられるDVD−Video,また記録再生が可能なDVD-RAM, DVD-RW、追記型として用いられるDVD-R(ライトワンスタイプとも称される)である。
【特許文献1】特開平9−259538
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように各種のタイプのメディアが考案され、かつそれぞれに情報が記録される場合は、それぞれに対応した論理フォーマットに従った情報記録が行われている。つまりメディアと、このメディアに対して情報が記録されるときに利用される規格化された論理フォーマットは対となっている。
【0004】
したがって、従来は、記録装置に光ディスクを装填した時点でドライブ装置によりメディア判別が行われとき、当該メディアに対応する論理フォーマットに基づく処理を実行するためのアプリケーションが自動的に決定されていた。しかしながら、最近では、必ずしもメディアとこのメディアに対応して規格化された論理フォーマットが対応関係で使用されているとは限らない。記録メディアの多用途が要望されたために、例えば、DVD-Rに対して、DVD-ROMで規格化されている論理フォーマットに基づいた情報が記録されることもある。
【0005】
ここで、DVD-Rを記録装置に装填し、DVD-R用に規格化された論理フォーマットで情報を追記した場合、記録されているDVD-ROM用の論理フォーマットの管理情報を破壊する恐れがある。
【0006】
そこでこの発明は、記録メディアに記録されている情報が、当該記録メディアに対応して規格化された論理フォーマットで記録されていない場合であっても、安心して利用できるようにした情報記録再生装置と方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一実施形態は、上記の目的を達成するために、装填された光ディスクの物理フォーマット情報からこの光ディスクの種類を識別する第1の判定結果を得る第1の判定部と、前記光ディスクのファイルシステムの情報から論理フォーマットをチェックし前記光ディスクの種類を識別する第2の判定結果を得る第2の判定部と、前記第1の判定結果と第2の判定結果とが同じ種類のディスクであることを示しているか否かを判定する第3の判定部と、前記第3の判定部の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、前記光ディスクの記録情報の再生のみを許可する機能を有する。
【発明の効果】
【0008】
上記した手段により、記録メディアに記録されている情報が、当該記録メディアに対応して規格化された論理フォーマットで記録されていない場合であっても、安心して利用できる。また上記手段が存在することで、記録メディアに対する情報記録が、各種の論理フォーマットのアプリケーションで実行されてもよく、記録メディアを利用する上で拡張性が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。図1は、この発明を適用した映像録画装置の実施の一形態を示す図である。この実施例では、記録媒体としてDVDなどの光ディスクとハードディスクの双方を取り扱うことができる装置として示しているが、ハードディスクあるいはDVDなどの光ディスクは例えば半導体メモリによる記録媒体などに置換されてもよい。
【0010】
図1において、各ブロックを大きく分けると、左側には記録部の主なブロックを示し,右側には再生部の主なブロックを示している。
【0011】
図1の映像録画装置は、2種類のディスクドライブ部を有する。まず、ビデオファイルを構築できる情報記録媒体である第1のメディアとしての光ディスク1001を回転駆動し、情報の読み書きを実行するディスクドライブ部1002を有する。また、第2のメディアとしてのハードディスクを駆動するハードディスクドライブ部2001を有する。データプロセッサ部1003は、ディスクドライブ部1002及びハードディスクドライブ部2001に記録データを供給することができ、また、再生された信号を受け取ることができる。ディスクドライブ部1002は、光ディスク1001に対する回転制御系、レーザ駆動系、光学系などを有する。
【0012】
データプロセッサ部1003は、記録または再生単位のデータを取り扱うもので、バッファ回路、変調・復調回路、エラー訂正部などを含む。
【0013】
また図1の映像録画装置は、録画側を構成するエンコーダ部50と、再生側を構成するデコーダ部60と、装置本体の動作を制御するマイクロコンピュータブロック30とを主たる構成要素としている。
【0014】
エンコーダ部50は、入力されたアナログビデオ信号やアナログオーディオ信号をデジタル化するビデオ用及びオーディオ用のアナログデジタルコンバータと、ビデオエンコーダと、オーディオエンコーダとを有する。さらに、副映像エンコーダも含む。
【0015】
エンコーダ部50の出力は、バッファメモリを含むフォーマッタ51にて所定のDVD-RAMのフォーマットに変換され、先のデータプロセッサ部1003に供給される。
【0016】
エンコーダ部50には、AV入力部41からの外部アナログビデオ信号と外部アナログオーディオ信号、あるいはTVチューナ部42からのアナログビデオ信号とアナログオーディオ信号が入力される。
【0017】
なお、エンコーダ部50は、直接圧縮されたデジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号が直接入力されるときは、圧縮デジタルビデオ信号やデジタルオーディオ信号を直接フォーマッタ51に供給することもできる。またエンコーダ部50は、アナログデジタル変換されたデジタルビデオ信号やオーディオ信号を、ビデオミキシング部71やオーディオセレクタ76に直接供給することもできる。
【0018】
エンコーダ部50に含まれるビデオエンコーダでは、デジタルビデオ信号はMPEG2またはMPEG1規格に基づいた可変ビットレートで圧縮されたデジタルビデオ信号に変換される。デジタルオーディオ信号は、MPEGまたはAC-3規格に基づいて固定ビットレートで圧縮されたデジタルオーディオ信号、あるいはリニアPCMのデジタルオーディオ信号に変換される。
【0019】
副映像信号がAV入力部41から入力された場合(例えば副映像信号の独立出力端子付DVDビデオプレーヤからの信号など)、あるいはこのようなデータ構成のDVDビデオ信号が放送されてそれがTVチューナ部42で受信された場合は、DVDビデオ信号中の副映像信号が副映像エンコーダでエンコード(ランレングス符号化)されて副映像のビットマップとなる。
【0020】
エンコードされたデジタルビデオ信号、デジタルオーディオ信号、副映像データは、フォーマッタ51にてパック化され、ビデオパック、オーディオパック、副映像パックとなり、さらにこれらが集合されて、DVD-ビデオ規格で規定されたフォーマット(DVD Videoフォーマット)や、DVD-レコーディング規格で規定されたフォーマット(DVD VRフォーマット)に変換される。
【0021】
ここで図1の装置は、フォーマッタ51でフォーマット化された情報(ビデオ、オーディオ、副映像データなどのパック)及び作成された管理情報を、データプロセッサ部1003を介してハードディスクドライブ部2001あるいはデータディスクドライブ部1002に供給し、ハードディスクあるいは光ディスク1001に記録することができる。またハードディスクあるいは光ディスク1001に記録された情報を、データプロセッサ部1003、ディスクドライブ部1002を介して光ディスク1001あるいはハードディスクに記録することもできる。
【0022】
またハードディスクあるいは光ディスク1001に記録されている複数番組のビデオオブジェクトを、一部削除したり、異なる番組のオブジェクトをつなげたり、といった編集処理を行うこともできる。これは、本発明にかかるフォーマットが取り扱うデータ単位を定義し、編集を容易にしているからである。
【0023】
マイクロコンピュータブロック30は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)、またはCPU(セントラルプロセッシングユニット)と、制御プログラム等が書きこまれたROMと、プログラム実行に必要なワークエリアを提供するためのRAMとを含んでいる。
【0024】
マイクロコンピュータブロック30のMPUは、そのROMに格納された制御プログラムに従い、RAMをワークエリアとして用いて、欠陥場所検出、未記録領域検出、録画情報記録位置設定、UDF記録、AVアドレス設定などを実行する。
【0025】
またマイクロコンピュータブロック30は、システム全体を制御するために必要な情報処理部を有するもので、ワークRAM31、ディレクトリ検出部32、VMG(全体のビデオ管理情報)情報作成部、コピー関連情報検知部、コピー及びスクランブリング情報処理部(RDI処理部)、パケットヘッダ処理部、シーケンスヘッダ処理部、アスペクト比情報処理部などを備える。
【0026】
またマイクロコンピュータブロック30は、録画を実行する際の管理情報の制御部34と、編集を実行する際の管理情報の制御部33をも備える。本発明が特徴としている手段は、制御プログラムの形で、この編集を実行する際の管理情報の制御部33および録画を実行する際の管理情報の制御部34で実行される。
【0027】
MPUの実行結果のうち、ユーザーに通知すべき内容は、映像データ記録再生装置の表示部43に表示されるか、またはモニターディスプレイにOSD(オンスクリーンディスプレイ)表示される。またマイクロコンピュータブロック30は、この装置を操作するための操作信号を与えるキー入力部44を有する。このキー入力部44は、例えば映像録画装置の本体上に設けた操作スイッチ類や、あるいはリモコン装置などに相当する。また、本発明の映像録画装置と有線通信あるいは無線通信あるいは光通信や赤外線通信などの手段を用いて接続されたパーソナルコンピューターであってもよい。いずれの形態であるにせよ、ユーザーがこのキー入力部44を操作することにより、入力された映像音声信号の録画処理や、録画されたコンテンツの再生処理、あるいは録画されたコンテンツに対する編集処理などを施すことができる。
【0028】
なお、マイクロコンピュータブロック30が、ディスクドライブ部1002、ハードディスクドライブ部2001、データプロセッサ部1003、エンコーダ部50及び/またはデコーダ部60などを制御するタイミングは、STC(システムタイムクロック)38からの時間データに基づいて実行することができる。録画や再生の動作は、通常はSTC38からのタイムクロックに同期して実行されるが、それ以外の処理はSTC38とは独立したタイミングで実行されてもよい。
【0029】
デコーダ部60は、パック構造を持つDVDフォーマットの信号から各パックを分離して取り出すセパレータと、パック分離やその他の信号処理実行時に使用するメモリと、セパレータで分離された主映像データ(ビデオパックの内容)をデコードするVデコーダと、セパレータで分離された副映像データ(副映像パックの内容)をデコードするSPデコーダと、セパレータで分離されたオーディオデータ(オーディオパックの内容)をデコードするAデコーダとを有する。またデコードされた主映像にデコードされた副映像を適宜合成し、主映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕やその他の副映像を重ねて出力するビデオプロセッサを備えている。
【0030】
デコーダ部60の出力ビデオ信号は、ビデオミキシング部71に入力される。ビデオミキシング部71では、テキストデータの合成が行われる。またビデオミキシング部71には、TVチューナ42やA/V入力部41からの信号を直接取り込むラインもまた接続されている。ビデオミキシング部71には、バッファとして用いるフレームメモリ72が接続されている。ビデオミキシング部71の出力がアナログ出力の場合はI/F(インタフェース)73を介して外部出力され、デジタル出力の場合はデジタルアナログ変換器74を介して外部へ出力される。
【0031】
デコーダ部60の出力オーディオ信号は、セレクタ76を介してデジタルアナログ変換器77でアナログ変換され外部に出力される。セレクタ76は、マイクロコンピュータブロック30からのセレクト信号により制御される。これによりセレクタ76は、TVチューナ42やA/V入力部41からのデジタル信号を直接モニタする時、エンコーダ部50をスルーした信号を直接選択することも可能である。
【0032】
なお、エンコーダ部50のフォーマッタでは、録画中、各切り分け情報を作成し、定期的にマイクロコンピュータブロック30のMPUへ送る(GOP先頭割り込み時などの情報)。切り分け情報としては、VOBUのパック数、VOBU先頭からのIピクチャのエンドアドレス、VOBUの再生時間などである。
【0033】
同時に、アスペクト情報処理部からの情報を録画開始時にMPUへ送り、MPUはVOBストリーム情報(STI)を作成する。ここでSTIは、解像度データ、アスペクトデータなどを保存し、再生時、各デコーダ部ではこの情報を元に初期設定が行われる。
【0034】
また本装置では、ビデオファイルは1ディスクに1ファイルとしている。またデータをアクセス(シーク)している間に、途切れないで再生を続けるために、最低限連続する情報単位(サイズ)を決めている。この単位をCDA(コンティギュアス・データ・エリア)という。CDAサイズは、ECC(エラー訂正コード)ブロック(16セクタ)の倍数であり、ファイルシステムではこのCDA単位で記録を行っている。
【0035】
データプロセッサ部1003は、エンコーダ部50のフォーマッタからVOBU単位のデータを受け取り、CDA単位のデータをディスクドライブ部1002あるいはハードディスクドライブ部2001に供給している。またマイクロコンピュータブロック30のMPUは、記録したデータを再生するのに必要な管理情報を作成し、データ記録終了のコマンドを認識すると、作成した管理情報をデータプロセッサ部1003に送る。これにより、管理情報がディスクに記録される。従って、エンコードが行われているとき、エンコーダ部50からマイクロコンピュータブロック30のMPUは、データ単位の情報(切り分け情報など)を受け取る。また、マイクロコンピュータブロック30のMPUは、記録開始時には光ディスク及びハードディスクから読み取った管理情報(ファイルシステム)を認識し、各ディスクの未記録エリアを認識し、データ上の記録エリアをデータプロセッサ部1003を介してディスクに設定している。
【0036】
次に、図2を使用して、管理情報と、コンテンツである実映像データとの関係を簡単に説明する。 図2において、まず実映像データについて説明する。ここでは実映像データは記録メディア上で1つのファイルにまとめられているとする。1つのファイルは、1つまたは複数の実映像データストリームで構成されている。1つ1つの実映像データストリームは、例えば1回の録画処理により記録される単位であったりする。これは、例えばDVDレコーディング規格におけるVOB(ビデオオブジェクト)などに相当する。1つの実映像データストリームは、1つまたは複数のストリーム部分領域で構成される。これは、例えばDVDレコーディング規格におけるVOBU(ビデオオブジェクトユニット)や、MPEG2規格におけるGOP(グループオブピクチャ)などに相当する。1つのストリーム部分領域は、複数パックから構成される。複数のパックとしては、情報パック、映像パック、音声パックなどが存在する。副映像パックが存在してもよい。
【0037】
情報パックは、例えばDVDレコーディング規格におけるRDIパックなどに相当する。その場合、このパックには、これが属するVOBUの最初のフィールドが再生される開始時間を示す情報、当該VOBUの記録時を示す情報、製造者情報(MNFI)などを含む。また、ディスプレイ制御情報(DCI)及びコピーコントロール情報(CCI)を含む。ディスプレイ制御情報は、アスペクト比情報、サブタイトルモード情報、フィルムカメラモード情報を示す。コピーコントロール情報は、コピー許可情報、またはコピー禁止(非許可)情報を含む。
【0038】
映像パックはビデオデータがMPEG2の方式で圧縮されたもので、パックヘッダ、パケットヘッダ、ビデオデータ部で構成される。
【0039】
音声パックはオーディオデータが、例えばリニアPCMあるいはMPEG、あるいはAC-3などの方式で処理されたものであり、パックヘッダ、パケットヘッダ、オーディオデータ部で構成される。
【0040】
次に、管理情報について説明する。管理情報の中に、実映像データの再生順序を管理する情報(再生順序情報)であるオリジナルタイトル(プログラム)情報が定義されている。これは、例えばDVDレコーディング規格におけるプログラムなどに相当する。個々のオリジナルタイトル情報(またはプログラム情報)の中には参照情報が定義されており、これは再生すべき対象となる実映像データに関する情報である実映像データ情報とリンクしている。これらは、例えばDVDレコーディング規格におけるセルとビデオオブジェクト情報(VOBI)などに相当する。
【0041】
このようにオリジナルタイトル(プログラム)は、再生順序を管理する情報(再生順序情報)およびそれ自身の実映像データを持ち、通常、録画時にはこのタイトルが作成される。
【0042】
これに対し、再生順序を管理する情報(再生順序情報)のみで構成されているものもある。これがプレイリスト情報であり、例えばDVDレコーディング規格におけるプレイリストなどがこれに相当する。このプレイリスト情報はそれ自身の実映像データを持たず、図2に示すように、オリジナルタイトルの実映像データ情報に対してリンクしている参照情報を編集(削除、追加)することでプレイリストとして作成される。
【0043】
実映像データ情報内にはタイムマップ情報が記述されている。このタイムマップ情報は、実映像データ情報に対応する実映像データストリームを構成している部分領域を指定する。管理情報のオリジナルタイトル情報あるいはプレイリスト情報の参照情報から実映像データ情報へのリンクは、論理アドレスで特定されている。またタイムマップ情報から実映像データストリーム及びその部分領域へのリンクは、実映像データストリームの番号、そのストリーム内の部分領域の数、個々の部分領域に対するエントリー番号、個々の部分領域への論理アドレスに基づいて行われている。このような構成により、録画された映像データの通常の再生のみならず、倍速/スロー再生や逆再生のような特殊再生、更にはシーンのサーチなどに対応することができる。
【0044】
以下、図3以降の図を使用して本発明の動作を説明するが、以下の説明においては、本発明の映像録画装置は、次のような構成を取るものとしている。
【0045】
まず、本発明に係る映像録画装置は、DVD録画規格(DVD VR規格)に基づいたDVD録画装置であるとする。この場合、DVD上にはDVD VRフォーマットと呼ばれるデータフォーマットで録画される。加えて、本発明に係る映像録画装置は、DVDビデオ規格(DVD Video規格)に基づいてDVDへ録画する機能も有するものとする。この場合は、DVD上にはDVD Videoフォーマットと呼ばれるデータフォーマットで録画される。
【0046】
また、本発明に係る映像録画装置では、書換え可能なDVD-RAMやDVD-RWだけでなく、ライトワンスメディアであるDVD-Rも使用できるものとする。これらDVDに対して録画を実施する際のフォーマットは、DVDの種類毎に一意に固定されるものではなく、例えばDVD-Rに対して、DVD VRフォーマットまたはDVD Videoフォーマットのいずれのフォーマットによっても録画が実施できるものとする。
【0047】
また、以下の説明においては、本発明の映像録画装置は、先に説明した図1のブロック図で示されるような、DVDとHDDの2つの録画メディアを有するハイブリッド録画機であるとし、DVDとHDD相互間での映像情報のダビングが可能であるとする。ただし、本発明の内容はハイブリッド録画機だけに適用されるものではなく、DVDへの録画機能のみを有した、DVD単体の録画機に対しても適用できるものである。
【0048】
また、本発明の映像録画装置においては、録画されたタイトル内の部分領域をチャプターと呼称することとする。たとえばDVD VRフォーマットで録画された場合、チャプターは、タイトル内に設定された、DVD VR規格で定義されているエントリーポイント(EP)をその境界の目印として利用している。すなわち、タイトル内に設定したEPとEPとで挟まれた区間をチャプターと呼ぶ。なお、タイトルの始点と終点については、EPの有無に関わらずチャプターの境界とする。従って、タイトルの1番目のチャプターについては、その始点にEPが立っていないこともあり得る。
【0049】
図3は、DVD録画規格(DVD VR規格)で規定されているディレクトリとファイルの構成を示す概略図である。この図3には、DVD VR規格のVer1.1で規定されているディレクトリおよびファイルを示している。
【0050】
DVD VR規格のVer1.1では、ルートディレクトリの下にDVD_RTAVというサブディレクトリを設けており、規格で規定されているファイルはこのDVD_RTAVの下に収められている。つまりDVD_RTAVの下には、図3に示す5種類のファイルのみが存在する。以下、個々のファイルについて説明する。
【0051】
まず、VR_MANGR.IFOは、オリジナルタイトル(プログラム)やプレイリストに対するナビゲーションデータである。これは先に説明した図2に示される管理情報に相当する。プレイリストやエントリーポイント(EP)などはこのVR_MANGR.IFOの中に記述されている。映像データに直接処理を施さなくても、このVR_MANGR.IFOの記述を変更することによって、不要なシーンの削除などの編集処理を施すことができる。従って、チャプター作成やプレイリスト編集などの編集処理を施す場合、主にこのVR_MANGR.IFOが処理の対象となる。また、このVR_MANGR.IFOには、録画に連動して実映像データに対するタイムマップ情報が書き込まれる。このVR_MANGR.IFOにはディスク全体に関わる情報も書き込まれるため、DVDを初期化した際にただちに作成される。
【0052】
VR_MANGR.BUPは上記のVR_MANGR.IFOのバックアップファイルである。このVR_MANGR.BUPは規格上はオプションとされており、必ずしも存在しなくてはならないものではない。もしもVR_MANGR.BUPを使用するのであれば、そのファイルの内容はVR_MANGR.IFOと同じでなくてはならない。
【0053】
一方、VR_MOVIE.VROは、録画された動画像のAV(Audio Visual)データファイルであり、先に説明した図2の実映像データに相当する。ここには、パック化された映像データ、音声データ、またサポートされている場合にはサブピクチャデータが多重化して収められている。
【0054】
VR_STILL.VROファイルは、静止画像のAVデータファイルであり、VR_MOVIE.VROと同様に、先に説明した図2の実映像データに相当する。ここにはパック化された映像データが収められている他、オプションとして音声データやサブピクチャデータが多重化されていることもある。
【0055】
また、VR_AUDIO.VROファイルは、前記VR_STILL.VROに収められた静止画像に対するアフレコ(アフターレコーディング)音声情報を収めたデータファイルである。
【0056】
VR_MOVIE.VRO、VR_STILL.VROおよびVR_AUDIO.VROファイルは、DVDを初期化した際には存在せず、実際に録画が行われた際に作成され、映像データや音声データが記録されることになる。なお、この3種類のファイルは必ず存在するものではなく、例えば静止画の記録機能やアフレコ機能を有していない映像録画装置にはVR_STILL.VROやVR_AUDIO.VROファイルが存在しないということがある。
【0057】
DVD VR規格のVer1.1で規定されているファイルは以上であるが、それ以外に、映像録画装置の操作性の向上や機能の付加を目的として、その映像録画装置の独自の情報ファイルを作成することも可能である。その場合、それら独自の情報ファイルはDVD_RTAVの下に収めてはならず、ルートディレクトリの直下や、あるいはルートディレクトリの下に作成した独自のサブディレクトリの下に収めなくてはならない。
【0058】
本発明に係る装置は、例えばマイクロコンピュータブロック30内にこれから説明する物理フォーマット情報処理部(第1の判定部)と、論理フォーマット情報処理部(第2の判定部)を有する。また論理フォーマット情報処理部は、第1のチェック部、第2のチェック部を含む。さらに第1と第2の判定部から得られた結果を綜合して、最終的な処理モードを決定する第3の判定部も有する。
【0059】
ところで、図4には、上記第1の判定部で利用される物理フォーマット情報(Physical format information)のテーブルを示している。物理フォーマット情報は、UDF(ユニバーサルディスクフォーマット)を継承する光ディスクの規格に定義されており、リードインエリアに記述されている。この物理フォーマット情報は、トータル2048バイトであり、DVD規格の1ECC(1エラーコレクションコード)ブロック内に納められる情報量である。
最初のバイトポイント(BP)には、1バイトでブックタイプ及びパートバージョン(Book type and Part version)が記述されている。次の1バイトは、ディスクサイズ及びディスクの最大転送レート(Disc size and Maximum transfer rate of the disc)が記述されている。次の1バイトは、ディスク構造(Disc structure)が記述され、次の1バイトは、記録密度(Recorded density)が記述されている。さらに次の12バイトでは、データエリア割り当て(data area allocation)が記述され、次の1バイトでは、NBCA記述子(NBCA descriptor)が記述されている。次の15バイトは、予約(reserved)であり、次の8バイトは、ボーダーゾーンの開始セクター番号(Start sector number of Border Zone)が記述され、次の2008バイトは、予約(reserved)である。
【0060】
ブックタイプ及びパートバージョン(Book type and Part version)は、以下のように記述されている。第7ビット目から第4ビッ目にはBook typeが記述される。
【0061】
メディアがDVD-ROMの場合0000b、DVD-RAMの場合0001b、DVD-Rの場合0010b、DVD-RWの場合0011bが記述される。第3ビット目から第0ビット目には、バージョン情報が記述される。0000bは、バージョン0.9x、0001bは、バージョン1.0x、0010bは、バージョン1.1x、0101bは、バージョン2.0x、0110bは、バージョン2.1xを意味する。
【0062】
上記のディスクサイズ及びディスクの最大転送レート(Disc size and Maximum transfer rate of the disc)は、以下のように記述される。第7ビット目から第4ビッ目にはDisc size が記述される。0000bは、直径12cmディスク、0001bは、直径8cmディスクを意味する。第3ビット目から第0ビット目には、Maximum transfer rateが記述される。0000bは2.52Mbps、0001bは5.04Mbps、0010bは10.08Mbps、1111は特定されてないことを意味する。
【0063】
上記のディスク構造(Disc structure)は、第7ビット目が0、第6ビット目と第5ビット目が層数(Number of layers)を示す。00bの場合はシングルレイヤー、01bの場合はデュアルレイヤーのディスクであることを意味する。第4ビット目は、トラックパス(Track path)情報が記述され、0bの場合は、パラレルトラックパス又はシングルレイヤー、1bの場合は、オポジット(Opposite Track Path)を意味する。さらに第3ビット目は0bにセットされる。第2ビット目が、0bの場合は、このディスクがリライタブルユーザデータエリア(Rewritable user data area)を含まないことを意味し、1bの場合はリライタブルユーザデータエリア(Rewritable user data area)を含むことを意味する。第1ビット目が0bの場合は、このディスクがレコーダブルユーザデータエリア(Recordable user data area)を含まないことを意味し、1bの場合は、 このディスクがレコーダブルユーザデータエリア(Recordable user data area)を含むことを意味する。また第0ビット目が0bの場合は、このディスクがエンボスドユーザデータエリア(Embossed user data area)を含まないことを意味し、1bの場合は、 このディスクがエンボスドユーザデータエリア(Embossed user data area)を含むことを意味する。
【0064】
上記の記録密度(Recorded density)は、第7ビット目から第4ビット目がリニア密度(Linear density)であり、第3ビット目から第0ビット目がトラック密度(Track density)である。リニア密度(Linear density)は、0000bの場合0.267μm/bit、0001bの場合0.293μm/bit、0010bの場合0.409−0.435μm/bit、であることを意味する。トラック密度(Track density)は、0000bの場合0.74μm/track、0001bの場合0.80μm/track, であることを意味する。
【0065】
上記のデータエリア割り当て(data area allocation)には、データエリアの開始セクター番号、例えば030000hが記述されている。またボーダエリアの最後のゾーンの最後の記録アドレスが記述されている。
【0066】
上記のNBCA記述子(NBCA descriptor)では、第7ビット目の0bがNBCAがないことを意味し、1bがNBCAがあることを意味する。第6ビット目から第0ビット目は予約である。
【0067】
光ディスクには、ディスクに記録されているファイルを管理するためにファイルシステムという管理情報が記述される。このファイルシステムには、ボリウム記述シーケンス(Volume Descriptor Sequence )と呼ばれる情報が含まれている。このボリウム記述シーケンス内には、パーティションディスクリプター(Partition Descriptor)、ロジカルボリウムディスクリプター(Logical Volume Descriptor)という情報が含まれる。
【0068】
パーティションディスクリプター(Partition Descriptor)には、パーティションコンテンツフィールド(Partition Contents field)、パーティショコンテンツユースフィールドのパーティションヘッダーディスクリプター(Partition Header Descriptor of Partition Contents Use field )が含まれる。
【0069】
パーティションヘッダーディスクリプター(Partition Header Descriptor of Partition Contents Use field )には、アンアロケーテッドスペースビットマップ(Unallocated Space Bitmap)という情報が含まれている。
【0070】
図5には、 パーティションディスクリプター(Partition Descriptor)テーブルを示している。このディスクリプターの形式は、DVD-RAM、DVD-RW、DVD-R、DVD-ROM共通である。パーティションディスクリプター(Partition Descriptor)の中にパーティションコンテンツユース(Partition Contents Use)という情報が含まれている。この情報は、DVD-RAM、DVD-RW、のグループと、DVD-R、DVD-ROMのグループを識別できる情報を含む。
【0071】
図6には、パーティションコンテンツユース(Partition Contents Use)フィールド内のパーティションヘッダーディスクリプター(Partition Header Descriptor)を示している。
【0072】
この Partition Header Descriptorには、アンアロケーテッドスペーステーブル(Unallocated Spaces Table)の領域、アンアロケーテッドスペースビットマップ(Unallocated Spaces Bitmap)の領域、その他が割り当てられている。
【0073】
ここで、アンアロケーテッドスペースビットマップ(Unallocated Spaces Bitmap)の領域、に着目すると以下のように理解できる。
【0074】
メディアがDVD-RAM、DVD-RWである場合には、このUnallocated Spaces Bitmapは、0でない値が記述されている。これに対して、メディアがDVD-R、DVD-ROMである場合には、このUnallocated Spaces Bitmapは、0が記述されている。このことは、論理フォーマットからメディアの種類を分類可能であることを意味する。
【0075】
図7は、光ディスクのファイルシステムの中に含まれる、ロジカルボリウムディスクリプター(Logical Volume Descriptor)を示している。この ロジカルボリウムディスクリプター(Logical Volume Descriptor)には、マップテーブル長(Map Table Length)という情報が含まれており、この情報により、DVD-RAM、DVD-RW、 DVD-R、DVD-ROMを識別することができる。Map Table Lengthは、メディアがDVD-RAMのとき6、DVD-RWのとき64、 DVD-Rのとき70、DVD-ROMのとき6がセットされている。
【0076】
図8には、上記の論理フォーマットの情報及び物理フォーマットの情報を有効に利用する装置の動作例を説明するためのフローチャートである。光ディスクが装填されると、物理フォーマット情報(図4)を読み取り、ディスクの種類を判別し、一時的にメモリに格納する。次にファイルシステムの読み取りを行い、アンアロケーテッドスペースビットマップ(Unallocated Space Bitmap)を読み取り、これを論理フォーマット情報1として一時メモリに格納する(ステップ8S2)。さらにフィあるシステムに含まれるマップテーブル長(Map Table Length)を読み取り、これを論理フォーマット情報2として一時メモリに格納する(ステップ8S3)。
【0077】
次に論理フォーマット情報1が>0で、かつ論理フォーマット情報2=6であるかどうかを判定する(ステップ8S4)。ハイ(YES)であれば、論理フォーマット上では、装填された光ディスクは、DVD-RAMであるとして、後述する処理に移行する(ステップ8S5)。
【0078】
しかしステップ8S4の判定で、いいえ(NO)であれば、ステップ8S6に移行する。ここでは、論理フォーマット情報1が>0で、かつ論理フォーマット情報2=64であるかどうかを判定する(ステップ8S6)。ハイ(YES)であれば、論理フォーマット上では、装填された光ディスクは、DVD-RWであるとして、後述する処理に移行する(ステップ8S7)。しかしステップ8S6の判定で、いいえ(NO)であれば、ステップ8S8に移行する。
【0079】
ここでは、論理フォーマット情報1が=0で、かつ論理フォーマット情報2=70であるかどうかを判定する(ステップ8S8)。ハイ(YES)であれば、論理フォーマット上では、装填された光ディスクは、DVD-Rであるとして、後述する処理に移行する(ステップ8S9)。しかしステップ8S8の判定で、いいえ(NO)であれば、ステップ8S10に移行する。
【0080】
ここでは、論理フォーマット情報1が=0で、かつ論理フォーマット情報2=6であるかどうかを判定する(ステップ8S10)。ハイ(YES)であれば、論理フォーマット上では、装填された光ディスクは、DVD-ROMであるとして、後述する処理に移行する(ステップ8S11)。しかしステップ8S10の判定で、いいえ(NO)であれば、ステップ8S12に移行し、不明ディスクとしての処理を行う。例えば、表示部に警告を表示する。
【0081】
図9には、上述した、各ステップ8S5、8S7、8S9、8S11以降の処理を示している。
【0082】
論理フォーマット上で光ディスクがDVD-RAMであるとして判定されとき、ステップ8S5の次には、ステップ8S1で判断したメディアの種類が利用される。
【0083】
物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RAMを示している場合(ステップ9S1)、この種類の判定結果は論理フォーマット上での判定結果と一致したことになる。この場合は、装置は、録画/再生の両用のDVD-RAMとして装填された光ディスクを取り扱う。しかし物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RWを示している場合(ステップ9S2)は、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合は、装置は、再生専用のDVD-RAMとして装填された光ディスクを取り扱う。また物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-Rを示している場合(ステップ9S3)も、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合も、装置は、再生専用のDVD-RAMとして装填された光ディスクを取り扱う。
【0084】
論理フォーマット上で光ディスクがDVD-RWであるとして判定されとき、ステップ8S7の次には、ステップ8S1で判断したメディアの種類が利用される。
【0085】
物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RAMを示している場合(ステップ9S7)は、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合は、装置は、再生専用のDVD-RWとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S10)。物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RWを示している場合(ステップ9S8)、この種類の判定結果は論理フォーマット上での判定結果と一致したことになる。この場合は、装置は、録画/再生の両用のDVD-RWとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S11)。物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-Rを示している場合(ステップ9S9)は、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合は、装置は、再生専用のDVD-RWとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S12)。
【0086】
論理フォーマット上で光ディスクがDVD-Rであるとして判定されとき、ステップ8S9の次には、ステップ8S1で判断したメディアの種類が利用される。
【0087】
物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RAMを示している場合(ステップ9S13)は、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合は、装置は、再生専用のDVD-Rとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S16)。また、物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RWを示している場合(ステップ9S14)も、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合も、装置は、再生専用のDVD-RWとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S17)。物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-Rを示している場合(ステップ9S15)、この種類の判定結果は論理フォーマット上での判定結果と一致したことになる。この場合は、装置は、録画/再生の両用のDVD-Rとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S18)。
【0088】
論理フォーマット上で光ディスクがDVD-ROMであるとして判定されとき、ステップ8S11の次には、ステップ8S1で判断したメディアの種類が利用される。
【0089】
物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RAMを示している場合(ステップ9S19)は、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合は、装置は、再生専用のDVD-ROMとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S22)。また、物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-RWを示している場合(ステップ9S20)も、物理フォーマットからのメディア種類の判定が論理フォーマット上での判定結果と不一致になる。この場合も、装置は、再生専用のDVD-ROMとして装填された光ディスクを取り扱う(ステップ9S23)。物理フォーマットからのメディア種類の判定がDVD-Rを示している場合(ステップ9S21)、この種類の判定結果は論理フォーマット上での判定結果とは不一致である。しかしこの場合は、装置は、録画/再生の両用のDVD-Rとして装填された光ディスクを取り扱ってもよい(ステップ9S24)。
【0090】
なおメディア判定がDVD-ROMであれば、再生専用モードに移行する。
【0091】
上記したようにこの発明の装置は、装填された光ディスクの物理フォーマット情報(図4参照)からこの光ディスクの種類(第1の判定結果)を決定する(図8のステップ8S1)手段と、前記光ディスクのファイルシステムの情報から論理フォーマット(図5−図7参照)をチェックし(図8)前記光ディスクの種類(第2の判定結果)を決定する手段とを有する。そして、第1の判定結果と第2の判定結果とが同じ種類のディスクであることを示しているか否かを判定する判定部とを有する(図9)。
【0092】
ここで、判定手段の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、前記光ディスクの記録情報の再生のみを実行する手段を有する。また、前記判定手段の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、前記光ディスクへの記録情報記録及び編集処理を禁止する手段を有してもよい。さらにまた、前記判定手段の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、表示部において、物理フォーマット情報から取得したディスクの種類と、論理フォーマットから取得したディスクの種類とが不一致であることをメッセージとして示してもよい。つまり、判定部の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、表示部に対して物理系と論理系の判定結果に相違があることのメッセージを表示する手段を有してもよい。これは、マイクロコンピュータブロック30に表示制御部が設けられることで実現できる。
【0093】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明が適用された情報記録再生装置の全体的な構成を示す図。
【図2】本発明に係わる管理情報と実映像データとの関係を表す説明図。
【図3】DVD録画規格(DVD VR規格)で規定されているディレクトリとファイルの構成を示す概略図。
【図4】光ディスクにおける物理フォーマット情報の説明図。
【図5】光ディスクにおける論理フォーマット情報の説明図。
【図6】光ディスクにおけるさらに論理フォーマット情報の説明図。
【図7】光ディスクにおけるさらにまた論理フォーマット情報の説明図。
【図8】本発明の装置の動作例を説明するために示したフローチャート。
【図9】図8に示すフローチャートの続きを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0095】
30…マイクロコンピュータブロック、31…ワークRAM、32…ディレクトリ検出部、33…編集時の管理情報制御部、34…録画時の管理情報制御部、41…AV入力部、42…TVチューナ、43…表示部、44…キー入力部、50…エンコーダ部、51…フォーマッタ、52…バッファメモリ、60…デコーダ部、1001…光ディスク、1002…ディスクドライブ部、1003…データプロセッサ部、2001…ハードディスクドライブ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装填された光ディスクの物理フォーマット情報からこの光ディスクの種類を識別する第1の判定結果を得る第1の判定部と、
前記光ディスクのファイルシステムの情報から論理フォーマットをチェックし前記光ディスクの種類を識別する第2の判定結果を得る第2の判定部と、
前記第1の判定結果と第2の判定結果とが同じ種類のディスクであることを示しているか否かを判定する第3の判定部と、
前記第3の判定部の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、前記光ディスクの記録情報の再生のみを許可する機能を有する
ことを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項2】
第3の判定部の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、
前記光ディスクへの記録情報記録及び編集処理を禁止する手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項3】
第3の判定部の判定結果が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、
物理系と論理系の判定結果に相違があることのメッセージを表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記光ディスクは、DVD-RAM、DVD-RW、DVD-R、DVD-ROMのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記第3の判定部の判定結果が、同じ種類のディスクであることを示し、ディスクがDVD-RAM又はDVD-RW又はDVD-Rであるときは、記録、編集、再生を許可する機能を有する
ことを特徴とする請求項4記載の情報記録再生装置。
【請求項6】
装填された光ディスクの物理フォーマット情報からこの光ディスクの種類を識別する第1の判定結果を得るとともに、前記光ディスクのファイルシステムの情報から論理フォーマットをチェックし前記光ディスクの種類を識別する第2の判定結果を得、
前記第1の判定結果と第2の判定結果とが同じ種類のディスクであることを示しているか否かを判定し、
前記判定が、同じ種類のディスクでないことを示す場合には、前記光ディスクの記録情報の再生のみを許可する
ことを特徴とする情報記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−120225(P2006−120225A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305986(P2004−305986)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】