説明

感光性樹脂積層体

【課題】接着性、及び微細パターン形成性に優れ、離型処理をしないモールドに対しても離型性に優れた感光性樹脂積層体を提供する。
【解決手段】感光性樹脂積層体は、基材11と、基材11上に設けられた金属化合物層14、及び金属化合物層14上に設けられたSiO層15、が積層されてなるエッチング層12と、エッチング層12上に設けられ、カチオン硬化性樹脂組成物からなるレジスト層13と、を具備し、カチオン硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類のカチオン硬化性モノマーと、含フッ素カチオン硬化性モノマーと、光酸発生剤と、を含み、含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量が、カチオン硬化性樹脂組成物の固形分全体の10重量部〜50重量部であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノインプリントプロセスなどに用いられる感光性樹脂積層体に関し、特に光ナノインプリント用として好適に用いられる感光性樹脂積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、1μm未満のナノ構造を容易に形成できる技術として、ナノインプリントプロセスが注目されている。ナノインプリントプロセスとしては、主に熱ナノインプリントプロセス、光ナノインプリントプロセスが提唱されている。これらのナノインプリントプロセスの中でも、高いスループットや室温での硬化が可能なことから、特にフレキシブル樹脂基板を用いた微細構造の成型には、光ナノインプリントプロセスが適しているといわれている。
【0003】
光ナノインプリントプロセスでは、例えば、基材としての樹脂フィルム上に、エッチング層としてアルミニウムを成膜し、そこにレジスト層として光硬化性樹脂を成膜することによって得られる感光性樹脂積層体を用いる。光ナノインプリントプロセスでは、この光ナノインプリント用の感光性樹脂積層体に表面微細パターンを有する透明モールドを押圧し、UV照射で光硬化性樹脂を硬化することにより、レジスト層に微細パターンを転写する。その後、微細パターンを転写したレジスト層の残膜処理や、アルミニウムのエッチング処理を行うことにより、アルミニウムの微細配線パターンを得ることができ、ワイヤーグリッド偏光子などの光学材料を得ることができる。また、アルミニウムの代わりに他の金属化合物、例えば銅、銀などを用いてパターン転写を行うことにより、フレキシブルな微細金属配線や透明導電膜等を形成することもできる。
【0004】
このように、光ナノインプリントプロセス用の感光性樹脂積層体は、微細構造を有するデバイスの作成に非常に有用であるが、感光性樹脂積層体には金属化合物が積層されているため、基材側からのUV照射によるレジスト層の硬化は困難である。このため、このような系ではモールドとして透明材料を用いる必要があり、微細構造を有する透明板状モールドや透明ロール状モールド、透明リール状モールドの使用などが検討されている。このような透明材料で構成したモールドの一例としては、樹脂フィルム上に紫外線硬化樹脂で微細パターンを成形した透明リール状モールドが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、透明リール状モールド構造にすることにより、感光性樹脂積層体の基材側、及びモールド側がともにフレキシブルな構造となる。このため、いわゆるロールtoロール方式による微細構造の形成が可能となり、大面積化や連続成膜が可能となる。
【0005】
しかしながら、これらのロール状モールドやリール状モールドの使用においては、モールド側の離型処離が必須となっており、ロールtoロールプロセスの利点の一つである高スループットの障害となっている。離型処理を行わない透明モールドを使用した場合、レジスト層とモールドとの離型性が悪化し、光ナノインプリント時にモールド側にレジスト樹脂が接着してしまうという問題がある。特に、レジスト層にラジカル硬化樹脂を用いた場合には、レジスト層とエッチング層との接着強度が十分ではないため、モールド側に樹脂が吸着する傾向が顕著となる。接着性を改善するためには、シランカップリング剤の使用なども考えられるが、接着性向上を目的とした使用にはレジスト樹脂の加熱処理が必要となり、耐熱性の低い光学用フィルムを用いる用途には適用が困難である。
【0006】
一方、光ナノインプリント用の感光性樹脂積層体の金属層に対して、比較的接着性が良好とされているカチオン硬化型樹脂についても、離型性に関しては、離型処理を行わないモールドとの離型性が不十分である。このため、少量の界面活性剤の使用によりモールドへの離型性の向上が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このような界面活性剤は、ベースポリマーとの架橋点が無く、パターニングしたカチオン硬化樹脂の凹凸面のフラット化やパターンの山高さの低下が起こってしまう。
【0007】
また、カチオン硬化樹脂中に疎水性官能基を有する反応性化合物を少量添加する系が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、離型処理をしない樹脂モールドを使用する系では、エッチング層への接着性が弱く、またレジスト層と樹脂モールドとの離型性が不十分であるため、レジスト樹脂がモールド側に接着し、樹脂シートとエッチング層での剥離が起こってしまう。
【0008】
このように、従来の樹脂フィルムなどのフレキシブル基板を用い、エッチング層として金属化合物を用いた感光性樹脂積層体においては、光ナノプリント用の感光性樹脂積層体として十分な離型性、接着性、及び微細パターン形成性を有する感光性樹脂積層体を得ることが困難であり、ロールtoロール生産などにおける重大な課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−145742号公報
【特許文献2】特開2008−189821号公報
【特許文献3】特開2009−191172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、接着性、及び微細パターン形成性に優れ、離型処理をしないモールドに対しても離型性に優れた感光性樹脂積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は上記問題点を解決するために、鋭意検討を行った結果、基材、エッチング層、及びレジスト層を用いて感光性樹脂組成物を構成し、エッチング層として金属層及びSiO層を順に積層させ、また、カチオン硬化性樹脂組成物中に含フッ素カチオン硬化性モノマーを10重量部〜50重量部含有させることにより、光ナノインプリントでパターン転写を行う際に、エッチング層とレジスト層との接着性が良好で、かつ離型処理を行わないモールドとレジスト層との離型性が良好なナノインプリント用の感光性樹脂積層体を形成することが可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下のとおりである。
【0012】
本発明の感光性樹脂積層体は、基材と、前記基材上に設けられた金属層、及び前記金属層上に設けられたSiO層、が積層されてなるエッチング層と、前記エッチング層上に設けられ、カチオン硬化性樹脂組成物を含むレジスト層と、を具備し、前記カチオン硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類のカチオン硬化性モノマーと、含フッ素カチオン硬化性モノマーと、光酸発生剤と、を含み、前記含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量が、前記カチオン硬化性樹脂組成物の固形分全体の10重量部〜50重量部であることを特徴とする。
【0013】
本発明の感光性樹脂積層体においては、前記含フッ素カチオン硬化性モノマーが、含フッ素グリシジルエーテルであることが好ましい。
【0014】
本発明の感光性樹脂積層体においては、前記金属層が、アルミニウムを主に含有することが好ましい。
【0015】
本発明の微細パターン形成方法は、上記感光性樹脂積層体を用いた微細パターン形成方法であって、微細パターン形状を有し、光透過性を有する透明モールドを、レジスト層の表面に押圧する押圧工程と、前記押圧工程でレジスト層に押圧した前記透明モールド側から光を照射し、前記レジスト層を硬化する硬化工程と、前記硬化工程で硬化した前記レジスト層から前記透明モールドを離型することにより、カチオン硬化樹脂表面に微細パターン形状を転写する転写工程と、前記転写工程で微細パターンが転写された前記レジスト層をマスクとして、エッチング層をエッチングするエッチング工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の微細パターン形成方法においては、前記光透過性を有する透明モールドが、リール状モールドであることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、接着性、及び微細パターン形成性に優れる感光性樹脂積層体を提供することができる。また、この感光性樹脂積層体は、モールドとの離型性に優れるので、離型処理をしないモールドを用いた系において、ロールtoロールプロセスにも好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る感光性樹脂積層体の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明において、ナノインプリント、あるいはナノインプリントプロセスとは、およそ数nmから数μmのサイズの表面パターンを有したモールドを用い、そのパターンをレジスト層に転写することをいう。ナノインプリントリソグラフィーとは、レジストをマスクとして使用し、基板上のエッチング層のリソグラフィーを行うことをいう。光ナノインプリントとは、ナノインプリントにおいて、レジスト層の硬化に可視光やUV光などの活性エネルギー線を使用する場合をいう。本発明において、レジスト層の残膜(残膜厚ともいう)とは、凹凸のパターンを形成したレジスト層の凹部の高さのことをいう。
【0020】
次に、図1を参照して本実施の形態に係る光ナノインプリント用の感光性樹脂積層体の構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る感光性樹脂積層体は、基材11と、この基材11上に設けられたエッチング層12と、エッチング層12上に設けられたレジスト層13とを備える。この感光性樹脂積層体においては、必ずしも光の透過性が必要とされず、光が透過してもよく、光が透過しなくてもよい。
【0021】
基材11としては、光ナノインプリントを用途とした各種樹脂フィルムを用いることができる。樹脂フィルムに用いられる材質としては、具体的にはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、セルロース誘導体フィルム、ポリプロピレンフィルム、シクロオレフィン共重合体フィルムなどが挙げられる。
【0022】
次に、本発明に係る感光性樹脂積層体におけるエッチング層12について説明する。本発明においては、エッチング層12は、金属及び/又は金属化合物を含有する金属層14と、この金属層14上に設けられたSiO層15とを含む少なくとも2層が積層された多層構造で構成される。
【0023】
金属層14は、例えば、Cr,Cu,Ti,Ag,Pt,Au,Al,Ni,Fe,Pb,In,Znなどの単体金属、Al,ITO,TiO,Nb,ZnO、CuO,CuO,ZrO,WOなどの金属酸化物、Ni−Cr,SUS(ステンレススチール),Cu−Znなどの合金、MgF,LiFなどのフッ化物などの各種金属及び/又は金属化合物を用いて成膜される。また、金属層14は、これらの金属及び/又は金属化合物を1種類用いて成膜されていてもよく、2種類以上組み合わせて成膜されていてもよい。また金属層14は、1層でも多層でもよい。
【0024】
本発明においては、金属層14は、上述した金属及び金属化合物の中でもアルミニウム合金またはアルミニウムを主に含有することが好ましく、より好ましくはアルミニウムを主に含有することがより好ましい。金属層14にアルミニウムを用いることにより、光学特性や電気特性の良好なフレキシブルフィルムを得ることができ、また、ウエットエッチングやドライエッチングでのエッチングによる金属パターン形成が容易なため、好ましい。金属層14の厚みは、金属配線の電気的・光学的特性を損なうことなく、短いエッチング時間が可能という点から、好ましくは10nm〜500nm、より好ましくは50nm〜200nmである。
【0025】
金属層14の基材11上への成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法,プラズマプロセス、化学吸着、電鋳、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、プレス、コーティングが挙げられる。
【0026】
金属層14と基材11との接着性を上げるため、基材11表面に、例えば易接着コーティング、プライマー処理、コロナ処理、オゾン処理、高エネルギー線処理、表面粗化処理、多孔質化処理を行っても良い。
【0027】
SiO層15は、金属層14の上にSiOを成膜することにより形成される。SiO層15の成膜方法としては、金属層14と同様に、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法,プラズマプロセス、化学吸着、電鋳、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、プレス、コーティングが挙げられる。SiO層15の存在により、エッチング層12に特別な表面処理をすることなく、レジスト層13を成膜することができる。また、レジスト層13を硬化した後、エッチング層12とレジスト層13との接着性を飛躍的に向上させることができる。SiO層15の膜厚は、0.1nm〜10nmの範囲であることが好ましい。SiO層15の膜厚は、0.1nm以上あれば接着性の効果が発現できる。エッチング時間を短くする観点から、SiO層15の膜厚は、より好ましくは0.1nm〜3nmであり、更に好ましくは0.1nm〜1nmである。
【0028】
次に、本発明に係る感光性樹脂組成物におけるレジスト層13について説明する。本発明においては、レジスト層13は、カチオン硬化性樹脂組成物を主に含有する。ここで、カチオン硬化性樹脂組成物とは、少なくともカチオン硬化性モノマーと、含フッ素カチオン硬化性モノマーと、光酸発生剤とを含む組成物をいう。
【0029】
本発明におけるカチオン硬化性樹脂組成物のカチオン硬化性モノマーについて説明する。カチオン硬化性モノマーとは、カチオン重合開始剤の存在下で、例えばUV照射や過熱などの硬化処理を行うことにより硬化物が得られる化合物である。カチオン硬化性モノマーとしては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物が挙げられ、エポキシ化合物の例としては、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエーテルが挙げられる。これらの中でも、脂環式エポキシ化合物は重合開始速度の向上、オキセタン化合物は重合率の向上の効果があるので使用することが好ましく、グリシジルエーテルはカチオン硬化性樹脂組成物の粘度を低下させ、モールドへの高充填化や離型後の低残膜化に効果があるので使用することが好ましい。より好ましくは脂環式エポキシ化合物とオキセタン化合物とを併用することであり、更に好ましくは脂環式エポキシ化合物とオキセタン化合物との重量比率が1:99〜49:51の範囲で併用することである。
【0030】
カチオン硬化性モノマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、例えば、3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボン酸−3,4−エポキシ−6’−シクロヘキシルメチル、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。
【0031】
グリシジルエーテルとしては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0032】
オキセタン化合物としては、例えば、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
【0033】
ビニルエーテルとしては、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル等が挙げられる。
【0034】
上記に挙げたカチオン硬化性モノマーのうち、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルエチルジエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシランに挙げられるモノマーは架橋性のシランカップリング剤としてレジスト膜の成膜状態の向上効果があるため、添加することが好ましい。
【0035】
次に、本発明におけるカチオン硬化性樹脂組成物の含フッ素カチオン硬化性モノマーについて説明する。含フッ素カチオン硬化性モノマーとは、上記カチオン硬化性モノマーの水素原子のうち少なくとも1原子がフッ素原子に置き換わったものを言う。含フッ素モノマーの具体例としては、含フッ素エポキシ化合物、含フッ素ビニルエーテル化合物が挙げられる。
【0036】
含フッ素エポキシ化合物としては、例えば、グリシジル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、グリシジル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、グリシジル2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルエーテル、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチロキシ)−1,2−エポキシプロパン等の含フッ素グリシジルエーテルが挙げられる。その他の含フッ素エポキシ化合物としては、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ブタン、1,6−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)−パーフルオロ−n−ヘキサン、が挙げられる。
【0037】
含フッ素ビニルエーテル化合物しては、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
【0038】
本発明においては、レジスト層13のカチオン硬化性樹脂組成物は、溶媒を除く固形分中、含フッ素カチオン硬化性モノマーを10重量部〜50重量部含む。含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量は、10重量部を上回ると含フッ素カチオン硬化性モノマーによる離型性向上の効果が顕著となる。また、含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量は、50重量部以下であれば、含フッ素カチオン硬化性モノマーと他のカチオン硬化性モノマーとの相溶性が維持される。このように、本発明においては、含フッ素カチオン硬化性モノマーと非含フッ素カチオン硬化性モノマーとを所定の重量比で用いることにより、含フッ素カチオン硬化性モノマーが有する撥水性、及び撥油性を効果的に発現することができ、感光性樹脂積層体の離型性が向上する。また、含フッ素カチオン硬化性モノマーとの相溶性が高い非含フッ素カチオン硬化性モノマーを、含フッ素カチオン硬化性モノマーに対して所定の割合用いることにより、撥水性、撥油性を有する含フッ素カチオン硬化性モノマーを用いた場合においてもレジスト層13の均一性、および硬化性を維持することができ、それによりレジスト層13の硬化物性を損なうことなく残膜を低減することができる。含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量は、好ましくは15重量部〜40重量部、より好ましくは20重量部〜35重量部である。
【0039】
また、本発明においては、含フッ素カチオン硬化性モノマーとして含フッ素エポキシ化合物が好ましく、上記のグリシジル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、グリシジル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、グリシジル2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルエーテル、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチロキシ)−1,2−エポキシプロパンに挙げられる含フッ素グリシジルエーテルを用いることが特に好ましい。含フッ素グリシジルエーテルを用いることにより、離型性・硬化性を維持したまま、レジスト層13の粘度を低減させることができるので、ナノインプリント時に低残膜でのパターン形成が可能となる。
【0040】
本発明において、カチオン硬化性樹脂組成物には、架橋性官能基を有するポリマー成分が含まれていても良いが、ポリマー成分を導入することにより、レジスト層13に柔軟性が付与できるため、添加することが好ましい。架橋性官能基含を有するポリマー成分としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0041】
次に、本発明で用いる光酸発生剤について説明する。本発明の光ナノインプリント用樹脂組成物は光酸発生剤を使用するが、該ナノインプリント用樹脂組成物中、0.1重量%〜10重量%含むことが好ましく、0.3重量%〜5重量%含むことがより好ましい。
【0042】
光酸発生剤としては、紫外線等の活性エネルギーを受けることにより、酸を発生する化合物であればよく、例えばスルホニウム塩、ヨードニウム塩といった、芳香族オニウム塩が挙げられる。
【0043】
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−チオフェノキシスルホニウム、ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウム、等が挙げられる。
【0044】
上記の芳香族オニウム塩の対アニオンの例としては、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサクロロアンチモネート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸イオン、が挙げられる。
【0045】
本発明において、カチオン硬化性樹脂組成物は、増感剤を含んでいても良い。使用できる増感剤としては、例えばアントラセン、1,9−ジブトキシアントラセン、カルバゾール、フェノチアジン、ペリレン、キサントン、チオキサントン、ベンゾフェノンチオキサントン、2−4−ジエチル−9H−チオキサンテン−1−オンが挙げられる。
【0046】
本発明において、カチオン硬化性樹脂組成物は溶剤を含んでいてもよい。溶剤の例としては、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、γブチロラクトンなどのケトン類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;石油エーテル、石油ナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
本発明において、カチオン硬化樹脂組成物からなるレジスト層13は、一般的な方法でエッチング層を積層した樹脂シートに成膜できる。成膜方法の例としては、ディップコート、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、スピンコート、エクストルージョンコート、ダイコート、ラミネート、などが挙げられる。本発明において、レジスト層13は、感光性樹脂積層体の耐熱性を超えない範囲で熱処理工程を経ても良い。例えば、レジスト層13の成膜後、残存溶剤を揮発させるための熱処理工程が挙げられる。
【0048】
本発明においては、レジスト層13の膜厚が10nmから5μmの範囲であることが好ましい。レジスト層13の膜厚が10nm以上であれば、成膜・パターン転写の均一性が良好であるので、ロールtoロールプロセスに好適に適用できる。レジスト層13の膜厚が5μm以下であれば、ナノインプリント用のモールドを用いる際のレジストの充填効率が良好であるので、レジスト量の効率的な使用が可能である。レジスト層13の膜厚は、より好ましくは、10nmから1μmの範囲であり、さらに好ましくは、10nmから100nmの範囲である。
【0049】
次に、本発明に係る感光性樹脂積層体を用いた微細パターンの形成方法について説明する。
本発明においては、以下の製造工程により微細パターンを形成する。まず、上述した感光性樹脂積層体のレジスト層13に対し、光透過性を有する透明モールドをレジスト層13の表面に押圧する(押圧工程)。次いで、押圧工程でレジスト層13に押圧した透明モールド側(図1における紙面上側)から光を照射し、レジスト層13を硬化する(硬化工程)。露光によりレジスト層13を硬化させたあと、さらに硬化を加速させるための熱処理工程などを経てもよい。
【0050】
次に、硬化したレジスト層13から透明モールドを離型し、レジスト層13のカチオン硬化性樹脂表面に微細パターン形状を転写する(転写工程)。次いで、微細パターンが転写されたレジスト層13をマスクとしてエッチング層12をエッチングすることにより微細パターンが形成される(エッチング工程)。必要に応じて、残存しているレジスト層13を除去する工程を行う。以上の製造工程により、微細パターンの形成が可能となる。
【0051】
上述した微細パターンの製造方法において、感光性樹脂積層体にパターンを形成するための透明モールドは、例えばUV光など、感光性樹脂積層体を硬化するための活性エネルギー線を透過すればよい。透明モールドは例えば板状モールド、ロール状モールド、リール状モールドが使用される。ロール状モールドとは円柱ロールの表面に微細パターンが形成されているもの、リール状モールドとはフィルム状の長尺のモールドを巻き芯に巻回したものをいう。ナノインプリントプロセスを用いた微細パターンの連続形成を行える点では、ロール状モールド、リール状モールドが好ましい。
【0052】
透明モールドの材質としては、特に限定されないが、例えばセラミック材料やガラスなどの無機材料、透明フッ素系樹脂、シリコーンゴム、シクロオレフィンポリマー、アクリル樹脂などの有機材料が挙げられる。有機材料の透明モールドは樹脂フィルムに光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を積層し、表面に微細パターンを形成した複合体でもよく、樹脂フィルムに用いられる材質としては、具体的にはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、セルロース誘導体フィルム、ポリプロピレンフィルム、シクロオレフィン共重合体フィルムなどが挙げられる。
【0053】
本発明において、透明モールドにはシリコーン系離型剤やフッ素系離型剤を用いて離型処理を行ってもよいが、高いスループットの面から、離型処理を行わないのが好ましい。
【0054】
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例をもとに本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるわけではない。
【0055】
以下の実施例1〜実施例5、および比較例1〜比較例12で用いた各カチオン硬化性モノマー、光酸発生剤、増感剤、界面活性剤は下記の通りである。
【0056】
(1)感光性樹脂組成物の固形分の調合
<カチオン硬化性モノマー(カチオン硬化性非含フッ素モノマー)>
A−1:3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(OXT−211、東亞合成社製)
A−2:3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボン酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(和光純薬社製)・非含フッ素系カチオン硬化性モノマーであるシランカップリング剤
A−3:3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン(LS−2940、信越シリコーン社製)
【0057】
<カチオン硬化性モノマー(カチオン硬化性含フッ素モノマー)>
B−1:グリシジル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(和光純薬社製)
B−2:グリシジル2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルエーテル(アルドリッチ社製)
【0058】
<架橋性官能基を有するポリマー成分(架橋性官能基含有ポリマー)>
C−1:AER260(旭化成ケミカルズ社製)
【0059】
<光酸発生剤>
D−1:DTS−102(みどり化学社製)
【0060】
<増感剤>
E−1:1,9−ジブトキシアントラセン(川崎化成社製)
【0061】
<界面活性剤>
F−1:メガファック、MCF−350SF(DIC社製)
F−2:メガファック、F477(DIC社製)
F−3:メガファック、F482(DIC社製)
【0062】
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0063】
(2)樹脂フィルムへのエッチング層の形成
トリアセチルセルロースフィルムにスパッタリング装置を用いてSiNを10nm成膜した。その後、蒸着法によりアルミニウムを100nm成膜し、さらにスパッタリング装置を用いて、SiOを10nm成膜し、実施例1〜実施例5、比較例6〜比較例12用の複合樹脂基板とした。
【0064】
同様の操作でトリアセチルセルロースフィルムにSiNを10nm、アルミニウムを100nm成膜し、さらにUVオゾン処理で表面処理を実施し、比較例1〜比較例5用の複合樹脂基板とした。
【0065】
(3)感光性樹脂積層体の作製
各固形分を表1に示す組成比で混合し感光性樹脂組成物を調整した。次いで、感光性樹脂組成物の固形分が3重量部になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈した塗布液を作製した。上記複合樹脂基板に、上記塗布液をスピンコーティング法(1000回転、30秒)を用いて塗布することによりレジスト層を形成し、感光性樹脂積層体を作製した。
【0066】
(4)透明モールド
厚さ100μmのポリエチレンテレフタラートフィルムに、アクリル硬化樹脂を10μmの厚さで塗膜した。この塗膜上に、ピッチが140nmであり、凹凸パターンの頂部と谷底部の垂直距離が175nmである、微細なラインアンドスペースの構造を有するニッケル製の原版を張り合わせた。次いで、ポリエチレンテレフタラートフィルム側から中心波長が365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、塗膜部分を硬化させた。原版を剥離し、得られたポリエチレンテレフタラート基板を透明樹脂モールドとした。透明樹脂モールドは、その後に特に離型処理は実施しなかった。
【0067】
(5)ナノインプリント装置・パターン転写工程
明昌機工社製のWローラー型ナノインプリント装置を用いた。上記感光性樹脂積層体に、上記透明樹脂モールドを張り合わせ、200Nの圧力でローラープレスした。プレス終了後、透明樹脂モールド側より紫外線を1000mJ/cm照射し、感光性樹脂部分を硬化させた。透明樹脂モールドを剥離し、パターン転写が行われた感光性樹脂積層体を得た。
【0068】
(6)評価方法
【0069】
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例12の感光性樹脂積層体について、下記の手法にて各項目の評価を行った。
【0070】
<塗布性>
感光性樹脂組成物を塗布したあとの複合樹脂基板の状態を下記の基準で評価した。
○:均一な塗布膜が得られた。
×:塗布膜上に凝集物が見られた。
【0071】
<インプリント後の状態>
透明樹脂モールドからの露光を行い、感光性樹脂組成物を硬化させ、モールドの剥離を行った状態を、下記の基準で評価した。
○:エッジ部分を除くパターン転写領域において、全面的にモールド/感光性樹脂積層体間で剥離し、Al層/トリアセチルセルロース基材間での剥離が見られなかった。
×:エッジ部分を除くパターン転写領域において、モールド/感光性樹脂積層体間で剥離している領域もあるものの、部分的にAl層/トリアセチルセルロース基材間での剥離が見られた。
△:白化や結晶析出など、硬化後の樹脂が不均一であった。
−:<塗布性>の状態が不良のため、評価せず。
【0072】
<パターン観察>
硬化後の感光性樹脂積層体を走査型顕微鏡、または断面SEMを用いて観察し、形状の評価を行った。
○:良好なパターン形状が得られた。
×:パターンの山高さの減少が見られた。
−:<塗布性><インプリント後の状態>が不良のため、評価せず。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】

【0076】
表1〜表3に示すように、本発明に係る感光性樹脂積層体は、塗布性、インプリント後の状態、及びパターン観察において、良好な結果が得られた(実施例1〜実施例5)。一方、実施例1〜実施例5とレジスト層13の組成を同一にして作製した比較例1〜比較例5に係る感光性樹脂積層体は、インプリント後の状態が不良であった。これは、エッチング層12にSiO層15を用いていないため、レジスト層13とエッチング層12との接着性が低下したためと考えられる。また、レジスト層13の含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量が低い比較例6〜比較例8及び含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量が高い比較例9は、インプリント後の状態が不良となることが分かる。また、界面活性剤を用いた比較例10〜比較例12に係る感光性樹脂積層体においても、含フッ素含有カチオン硬化性モノマーを含有しない場合には、塗布性、インプリント後の状態、及びパターン観察において、十分な結果が得られないことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る感光性樹脂積層体は、光硬化性、密着性、低残膜性、離型性、パターン形状、塗布性、エッチング性に優れると共に、塗布性、インプリント後の状態、及びパターン観察において良好な結果が得られるので、特にナノインプリント用の感光性樹脂積層体として好適に用いることができる。また、本発明に係る感光性樹脂積層体は、モールドとの離型性に優れるので、ロールtoロールプロセスによる光ナノインプリントにも好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0078】
11 基材
12 エッチング層
13 レジスト層
14 金属層
15 SiO

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に設けられた金属層、及び前記金属層上に設けられたSiO層、が積層されてなるエッチング層と、前記エッチング層上に設けられ、カチオン硬化性樹脂組成物を含むレジスト層と、を具備し、前記カチオン硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニルエーテル化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種類のカチオン硬化性モノマーと、含フッ素カチオン硬化性モノマーと、光酸発生剤と、を含み、前記含フッ素カチオン硬化性モノマーの含有量が、前記カチオン硬化性樹脂組成物の固形分全体の10重量部〜50重量部であることを特徴とする感光性樹脂積層体。
【請求項2】
前記含フッ素カチオン硬化性モノマーが、含フッ素グリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂積層体。
【請求項3】
前記金属層が、アルミニウムを主に含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂積層体。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の感光性樹脂積層体を用いた微細パターン形成方法であって、微細パターン形状を有し、光透過性を有する透明モールドを、レジスト層の表面に押圧する押圧工程と、前記押圧工程でレジスト層に押圧した前記透明モールド側から光を照射し、前記レジスト層を硬化する硬化工程と、前記硬化工程で硬化した前記レジスト層から前記透明モールドを離型することにより、カチオン硬化樹脂表面に微細パターン形状を転写する転写工程と、前記転写工程で微細パターンが転写された前記レジスト層をマスクとして、エッチング層をエッチングするエッチング工程と、を含むことを特徴とする微細パターン形成方法。
【請求項5】
前記光透過性を有する透明モールドが、リール状モールドであることを特徴とする請求項4記載の微細パターン形成方法。


【図1】
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【公開番号】特開2011−108887(P2011−108887A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263114(P2009−263114)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】