説明

感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、並びに半導体装置

【課題】銅又は銅合金の上でも変色を起こさず、感度及び保存安定性に優れた感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いる硬化レリーフパターン製造方法、並びに半導体装置を提供する。
【解決手段】(A)感光性樹脂:100質量部、(B)感光剤:1〜40質量部、(C)銅変色防止剤:0.05〜20質量部、及び(D)溶媒を含有する感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物中の水分含有量が0.6〜10質量%である、感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の絶縁材料、並びに半導体装置におけるパッシベーション膜、バッファーコート膜及び層間絶縁膜等のレリーフパターンの形成に用いられる感光性樹脂組成物、それを用いた硬化レリーフパターンの製造方法、並びに半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜の材料としては、200℃以上の熱に耐えられるという優れた耐熱性、電気特性、及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂及びポリベンゾオキサゾール樹脂が知られている。ポリイミド樹脂、及びポリベンゾオキサゾール樹脂は、一般に感光性ポリイミド前駆体組成物、及び感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物の形で供される。これらをシリコンウエハ等の支持体に塗布し、活性光線によるパターニング、現像、及び熱環化処理を施すことにより、支持体上に微細加工された耐熱性樹脂組成物皮膜を容易に形成させることができる。感光性ポリイミド前駆体組成物、及び感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物は、従来の非感光型ポリイミドに比べて、大幅な工程短縮を可能にするという特徴を有している。感光性ポリイミド前駆体組成物及び感光性ポリベンゾオキサゾール前駆体組成物は、パターンの形成方法によってポジ型材料とネガ型材料の2つに分類される。前者のポジ型は、露光部が現像液に可溶になることで、パターンを得る方法であり、後者のネガ型は、露光部が現像液に不溶となることで、パターンを得る方法である。
【0003】
一方、近年は、集積度及び機能の向上、並びにチップサイズの矮小化の観点から、半導体装置のプリント配線基板への実装方法も変化している。従来の金属ピンと鉛−錫共晶ハンダによる実装方法から、より高密度実装が可能なBGA(ボールグリップドアレイ)、CSP(チップサイズパッケージング)等、ポリイミド皮膜又はポリベンゾオキサゾール皮膜が、直接ハンダバンプに接触する構造が用いられるようになってきている。このようなバンプ構造を形成する際、当該皮膜には高い耐熱性と耐薬品性が要求される。ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を含む組成物に熱架橋剤を添加することによって、ポリイミド皮膜又はポリベンゾオキサゾール皮膜の耐熱性を向上させる方法が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
さらに、半導体装置の微細化が進むことで、半導体装置の配線抵抗が無視できなくなってきている。よって、これまで使用されてきた金又はアルミニウムの配線から、より抵抗の低い銅又は銅合金の配線への変更が行われている。そして、銅上への密着性を向上させるために、ポリイミド系樹脂にトリアゾール又はその誘導体を添加する技術(特許文献2参照)、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂にトリアゾール化合物を添加する技術(特許文献3参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−287889号公報
【特許文献2】特開2005−10360号公報
【特許文献3】特開2006−184660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
すなわち、従来の感光性樹脂組成物を用いて銅又は銅合金上でパターン形成をした場合、銅又は銅合金の変色が起こること、さらに感光性樹脂組成物の保存安定性が悪化するという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、銅又は銅合金の上でも変色を起こさず、感度、及び保存安定性に優れた感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を用いて樹脂レリーフパターンを形成する硬化レリーフパターンの製造方法、並びに半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、感光性樹脂組成物中における水分含有量を特定範囲とすることにより、銅又は銅合金の上でも変色を起こさず、保存安定性と感度の両者に優れた感光性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
[1] 以下の:
(A)感光性樹脂:100質量部、
(B)感光剤:1〜40質量部、
(C)銅変色防止剤:0.05〜20質量部、及び
(D)溶媒
を含有する感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物中における水分含有量が0.6〜10質量%である、感光性樹脂組成物。
[2] 上記水分含有量が1.0〜10質量%である、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] (E)架橋剤1〜40質量部をさらに含有する、上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 上記(A)感光性樹脂が、下記一般式(1):
【化1】

{式中、X1は、4価の有機基であり、Y1は、2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、又は下記一般式(2):
【化2】

(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてmは、2〜10の整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1〜4の飽和脂肪族基である。但し、R1及びR2の両者が同時に水素原子であることはない。}
又は下記一般式(3):
【化3】

{式中、Y2は、炭素原子を有する4価の有機基であり、Y3、X2及びX3は、それぞれ独立に、2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、kは、2〜1000の整数であり、lは、0〜500の整数であり、k/(k+l)>0.5であり、そしてX2及びY2を含むk個のジヒドロキシジアミド単位並びにX3及びY3を含むl個のジアミド単位の配列順序は問わない。}
で表される構造を有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5] 以下の:
(1)上記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程と、
(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程と
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
[6] 上記[5]に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる、半導体装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、高感度で、保存安定性に優れ、同時に、銅又は銅合金上での変色を抑制可能な感光性樹脂組成物を得ることができ、さらに、該感光性樹脂組成物を用いて樹脂パターンを形成する硬化レリーフパターン製造方法、並びに半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について、以下に具体的に説明する。なお本明細書を通じ、一般式において同一符号で表されている構造は、分子中に複数存在する場合互いに同一でも異なっていてもよい。
【0012】
<感光性樹脂組成物>
本発明は、(A)感光性樹脂:100質量部、(B)感光剤:1〜40質量部、(C)銅変色防止剤:0.05〜20質量部、及び(D)溶媒を含有する感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物中の水分含有量が0.6〜10質量%である、感光性樹脂組成物を提供する。すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(A)感光性樹脂100質量部、(B)感光剤1〜40質量部、(C)銅変色防止剤0.05〜20質量部、及び(D)溶媒を必須成分とする。
【0013】
(A)感光性樹脂
本発明に用いられる(A)感光性樹脂について説明する。(A)感光性樹脂は、本発明の感光性樹脂組成物における樹脂成分であり、後述の(B)感光剤とともに使用され、活性光線の照射により発生した活性種、例えばラジカル、酸、塩基等を介して構造変化を起こし、その後の現像工程において溶解あるいは未溶解の現象を引き起こす樹脂である。上記の作用を有するものであれば(A)感光性樹脂には特に構造上の制限はない。
【0014】
(A)感光性樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリオキサゾール、ポリイミド前駆体、ポリオキサゾール前駆体、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリエステル、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂、及びアクリル樹脂等を使用できる。これらの中でもポリイミド前駆体及びポリオキサゾール前駆体が、加工性及び耐熱性の点で好ましい。また、(A)感光性樹脂は、後述の(B)感光剤とともに、ネガ型又はポジ型のいずれの感光性樹脂組成物を調製するか等、所望の用途に応じて選択できる。
【0015】
本発明の感光性樹脂組成物における好ましい(A)感光性樹脂の1つの例は、下記一般式(1):
【化4】

{式中、X1は、4価の有機基であり、Y1は、2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、又は下記一般式(2):
【化5】

(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてmは、2〜10の整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1〜4の飽和脂肪族基である。但し、R1及びR2の両者が同時に水素原子であることはない。}
で表される構造を有するポリイミド前駆体である。ポリイミド前駆体は、加熱(例えば200℃以上)環化処理を施すことによってポリイミドに変換される。ポリイミド前駆体はネガ型感光性樹脂組成物用として好適である。
【0016】
上記一般式(1)中、X1で表される4価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で、好ましくは炭素数6〜40の有機基であり、さらに好ましくは、−COOR1基及び−COOR2基と−CONH−基とが互いにオルト位置にある芳香族基、又は脂環式脂肪族基である。X1で表される4価の有機基として、さらに好ましくは、下記式(4):
【化6】

で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、X1の構造は1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。上記式(4)で表される構造を有するX1基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で特に好ましい。
【0017】
上記一般式(1)中、Y1で表される2価の有機基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で、好ましくは炭素数6〜40の芳香族基であり、例えば、下記式(5):
【化7】

で表される構造、及び下記式(6):
【化8】

{式中、Aは、メチル基(−CH3)、エチル基(−C25)、プロピル基(−C37)又はブチル基(−C49)を表す。}
で表される構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、Y1の構造は1種でも2種以上の組み合わせでも構わない。上記式(5)及び(6)で表される構造を有するY1基は、耐熱性と感光特性とを両立するという点で特に好ましい。
【0018】
1及びR2に関し、上記一般式(2)中のR3は、水素原子又はメチル基であることが好ましく、R4及びR5は、感光特性の観点から水素原子であることが好ましい。また、mは、感光特性の観点から2以上10以下、好ましくは2以上4以下である。
【0019】
[ポリイミド前駆体]
(A)感光性樹脂としてポリイミド前駆体を用いる場合に、感光性樹脂組成物に感光性を付与する方式としては、エステル結合型とイオン結合型とが挙げられる。前者は、ポリイミド前駆体の側鎖にエステル結合によって光重合性基、すなわちオレフィン性二重結合を有する化合物を導入する方法であり、後者は、ポリイミド前駆体のカルボキシル基と、アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物のアミノ基とをイオン結合を介して結合させて、光重合性基を付与する方法である。
【0020】
上記エステル結合型のポリイミド前駆体は、まず、前述の4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物と、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類及び任意に炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコール類とを反応させて、部分的にエステル化したテトラカルボン酸(以下、アシッド/エステル体ともいう)を調製した後、これと、前述の2価の有機基Y1を含むジアミン類とをアミド重縮合させることにより得られる。
【0021】
(アシッド/エステル体の調製)
本発明で、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、4価の有機基X1を含むテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)プロパン、2,2−ビス(3,4−無水フタル酸)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独で用いることができるのは勿論のこと2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
本発明で、エステル結合型のポリイミド前駆体を調製するために好適に用いられる、光重合性の不飽和二重結合を有するアルコール類としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、1−メタクリロイルオキシ−3−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−t−ブトキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルオキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
【0023】
上記アルコール類に、炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等を一部混合して用いることもできる。
【0024】
上記の本発明に好適なテトラカルボン酸二無水物と上記のアルコール類とを、ピリジン等の塩基性触媒の存在下、適当な反応溶媒中、温度20〜50℃で4〜10時間撹拌溶解、混合することにより、酸無水物のエステル化反応が進行し、所望のアシッド/エステル体を得ることができる。
【0025】
上記反応溶媒としては、アシッド/エステル体、及びこれとジアミン成分とのアミド重縮合生成物であるポリイミド前駆体を完全に溶解するものが好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ガンマブチロラクトン等が挙げられる。
【0026】
反応溶媒としては、その他、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは必要に応じて、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0027】
(ポリイミド前駆体の調製)
上記アシッド/エステル体(典型的には上記反応溶媒中の溶液)に、氷冷下、適当な脱水縮合剤、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、1,1−カルボニルジオキシ−ジ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、N,N’−ジスクシンイミジルカーボネート等を投入混合してアシッド/エステル体をポリ酸無水物とした後、これに、本発明で好適に用いられる2価の有機基Y1を含むジアミン類を別途溶媒に溶解又は分散させたものを滴下投入し、アミド重縮合させることにより、目的のポリイミド前駆体を得ることができる。
【0028】
本発明で好適に用いられる2価の有機基Y1を含むジアミン類としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、オルト−トリジンスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、及びこれらのベンゼン環上の水素原子の一部が、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ハロゲン等で置換されたもの、例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、並びにその混合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0029】
また、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって基板上に形成される感光性樹脂層と各種基板との密着性の向上を目的に、ポリイミド前駆体の調製に際して、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等のジアミノシロキサン類を共重合することもできる。
【0030】
アミド重縮合反応終了後、当該反応液中に共存している脱水縮合剤の吸水副生物を必要に応じて濾別した後、水、脂肪族低級アルコール、又はその混合液等の貧溶媒を、得られた重合体成分に投入し、重合体成分を析出させ、さらに、再溶解、再沈析出操作等を繰り返すことにより、重合体を精製し、真空乾燥を行い、目的のポリイミド前駆体を単離する。精製度を向上させるために、陰イオン及び/又は陽イオン交換樹脂を適当な有機溶媒で膨潤させて充填したカラムに、この重合体の溶液を通し、イオン性不純物を除去してもよい。
【0031】
一方、上記イオン結合型のポリイミド前駆体は、典型的には、テトラカルボン酸二無水物にジアミンを反応させて得られる。この場合、上記一般式(1)中のR1及びR2のうち少なくともいずれかはヒドロキシル基である。
【0032】
テトラカルボン酸二無水物としては、上記式(4)の構造を含むテトラカルボン酸の無水物が好ましく、ジアミンとしては、上記式(5)又は(6)の構造を含むジアミンが好ましい。得られたポリアミド前駆体に、後述する、アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物を添加することで、カルボキシル基とアミノ基とのイオン結合により光重合性基が付与される。
【0033】
上記エステル結合型及び上記イオン結合型のポリイミド前駆体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量で測定した場合に、8,000〜150,000であることが好ましく、9,000〜50,000であることがより好ましい。重量平均分子量が8,000以上である場合機械物性が良好であり、150,000以下である場合現像液への分散性が良好で、レリーフパターンの解像性能が良好である。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン、及びN−メチル−2−ピロリドンが推奨される。また分子量は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
【0034】
[ポリオキサゾール前駆体]
本発明の感光性樹脂組成物における好ましい(A)感光性樹脂のさらに1つの例は、下記一般式(3):
【化9】

{式中、Y2は、炭素原子を有する4価の有機基であり、好ましくは2個以上の炭素原子を有する4価の有機基であり、Y3、X2及びX3は、それぞれ独立に、2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、kは、2〜1000の整数であり、lは、0〜500の整数であり、k/(k+l)>0.5であり、そしてX2及びY2を含むk個のジヒドロキシジアミド単位並びにX3及びY3を含むl個のジアミド単位の配列順序は問わない。}
で表される構造を有するポリオキサゾール前駆体(以下、上記一般式(3)で表されるポリオキサゾール前駆体を単に「ポリオキサゾール前駆体」という場合がある。)である。ポリオキサゾール前駆体はポジ型感光性樹脂組成物用として好適である。
【0035】
ポリオキサゾール前駆体は、上記一般式(3)中のk個のジヒドロキシジアミド単位(以下、単にジヒドロキシジアミド単位という場合がある。)を有するポリマーであり、上記一般式(3)中のl個のジアミド単位(以下、単にジアミド単位という場合がある。)を有してもよい。
【0036】
2の炭素原子数は、感光特性を得る目的で2個以上であり、X3の炭素原子数は、感光特性を得る目的で2個以上であり、Y2の炭素原子数は、感光特性を得る目的で2個以上であることが好ましく、そしてY3の炭素原子数は、感光特性を得る目的で2個以上である。X2、X3、Y2、及びY3は、感光特性の観点から、炭素数6〜40の芳香族基又は脂環式基であることが好ましい。
【0037】
該ジヒドロキシジアミド単位は、Y2(NH22(OH)2の構造を有するジアミノジヒドロキシ化合物(好ましくはビスアミノフェノール)及びX2(COOH)2の構造を有するジカルボン酸からの合成により形成できる。以下、上記ジアミノジヒドロキシ化合物がビスアミノフェノールである場合を例に典型的な態様を説明する。該ビスアミノフェノールの2組のアミノ基とヒドロキシ基とはそれぞれ互いにオルト位にあるものであり、該ジヒドロキシジアミド単位は、約250〜400℃での加熱によって閉環して、耐熱性のポリオキサゾール構造に変化する。一般式(3)中のkは、感光特性を得る目的で2〜1000である。kは2〜100の範囲が好ましく、3〜50の範囲がより好ましく、3〜20の範囲であることが最も好ましい。
【0038】
ポリオキサゾール前駆体には、必要に応じて上記ジアミド単位l個が縮合されていてもよい。該ジアミド単位は、Y3(NH22の構造を有するジアミン及びX3(COOH)2の構造を有するジカルボン酸からの合成により形成できる。一般式(3)中のlは、0〜500の範囲であり、lが500以下であることにより良好な感光特性が得られる。lは0〜10の範囲がより好ましい。ジヒドロキシジアミド単位に対するジアミド単位の割合が高すぎると現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が低下するので、一般式(3)中のk/(k+l)の値は0.5超であり、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが最も好ましい。
【0039】
2(NH22(OH)2の構造を有するジアミノジヒドロキシ化合物としてのビスアミノフェノールとしては、例えば、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン、等が挙げられる。これらのビスアミノフェノールは単独又は2種以上を組合せて使用できる。該ビスアミノフェノールにおけるY2基としては、下記式(7):
【化10】

で表されるものが、感光特性の点で好ましい。
【0040】
また、Y3(NH22の構造を有するジアミンとしては、芳香族ジアミン、シリコンジアミン等が挙げられる。このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(又は6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(α,α―ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等、並びに、これら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基及びフェニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基又は原子によって置換された化合物が挙げられる。
【0041】
また、上記ジアミンとして、基材との接着性を高めるためにシリコンジアミンを選択することができる。シリコンジアミンの例としては、ビス(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられる。
【0042】
また、X2(COOH)2又はX3(COOH)2の構造を有する好ましいジカルボン酸としては、X2及びX3が、それぞれ、直鎖、分岐鎖又は環状構造を有する脂肪族基又は芳香族基であるものが挙げられる。中でも、X2及びX3は、それぞれ、下記式(8):
【化11】

{式中、Aは、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−及び−C(CF32−からなる群から選択される2価の基を表す。}
で表される芳香族基から好ましく選択でき、これらは感光特性の点で好ましい。
【0043】
ポリオキサゾール前駆体は、末端基が特定の有機基で封止されたものであることもできる。このような封止基としては、例えば、特開平5−197153号公報に記載されているような不飽和結合を有する基が挙げられる。封止基で封止されたポリオキサゾール前駆体を用いる場合、本発明の感光性樹脂組成物の加熱硬化後の塗膜の機械物性(特に伸度)及び硬化レリーフパターン形状が良好となることが期待される。このような封止基の好適な例としては、下記式(9):
【化12】

で表されるものが挙げられる。
【0044】
ポリオキサゾール前駆体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量は、3,000〜70,000であることが好ましく、6,000〜50,000であることがより好ましい。この重量平均分子量は、硬化レリーフパターンの物性の観点から3,000以上が好ましい。また、解像性の観点から、70,000以下が好ましい。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドンが推奨される。また分子量は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
【0045】
(B)感光剤
本発明に用いられる(B)感光剤について説明する。(B)感光剤は、本発明の感光性樹脂組成物が、(A)感光性樹脂として例えば主にポリイミド前駆体を用いるネガ型であるか、(A)感光性樹脂として例えば主にポリオキサゾール前駆体を用いるポジ型であるかにより異なる。
【0046】
(B)感光剤の、感光性樹脂組成物中の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、1〜40質量部である。上記配合量は、光感度又はパターニング性の観点で1質量部以上であり、感光性樹脂組成物の硬化性又は硬化後の感光性樹脂層の物性の観点から40質量部以下である。(B)感光剤の好ましい配合量及び該配合量が好ましい理由は種類によって異なり、詳しくは後述する。
【0047】
まずネガ型を所望する場合について説明する。この場合(B)感光剤としては光重合開始剤が用いられ、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、ベンゾイルパークロライド等の過酸化物類、芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類、α−(n−オクタンスルフォニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド等の光酸発生剤類等が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの使用にあたっては、単独でも2種以上の混合物でもかまわない。上記の光重合開始剤の中では、特に光感度の点で、オキシム類がより好ましい。
【0048】
これらの光重合開始剤の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、1〜40質量部であり、光感度特性の観点から1〜20質量部が好ましく、2〜15質量部が更に好ましい。(B)感光剤として光重合開始剤を(A)感光性樹脂100質量部に対し1質量部以上配合することで光感度に優れ、40質量部以下配合することで厚膜硬化性に優れる。
【0049】
更に、上述した通り、(A)感光性樹脂がイオン結合型の場合、(A)感光性樹脂の側鎖にイオン結合を介して光重合性基を付与するために、アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物が用いられる。この場合には、アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物が(B)感光剤として使用され、例えばジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジエチルアミノブチルアクリレート、ジエチルアミノブチルメタクリレート、等のジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートが好ましく、中でも感光特性の観点から、アミノ基上のアルキル基が炭素数1〜10、アルキル鎖が炭素数1〜10のジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートが好ましい。
【0050】
これらのアミノ基を有する(メタ)アクリル化合物の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、1〜20質量部であり、光感度特性の観点から2〜15質量部が好ましい。(B)感光剤として、アミノ基を有する(メタ)アクリル化合物を(A)感光性樹脂100質量部に対し1質量部以上配合することで光感度に優れ、20質量部以下配合することで厚膜硬化性に優れる。
【0051】
次にポジ型を所望する場合について説明する。この場合(B)感光剤としては光酸発生剤が用いられ、具体的には、ジアゾキノン化合物、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、等を用いることができるが、溶剤溶解性及び保存安定性の観点から、ジアゾキノン構造を有する化合物が好ましい。
【0052】
上記ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド構造又は1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許第2,772,972号明細書、同第2,797,213号明細書、同第3,669,658号明細書等により公知の物質である。好ましいジアゾキノン化合物の例としては、例えば、下記一般式(10):
【化13】

{式中、Qは、水素原子又は下記式(11):
【化14】

で表されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基であり、全てのQが同時に水素原子であることはない。}で表されるものが挙げられる。
【0053】
上記一般式(10)で表されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基の中でも、下記一般式(12):
【化15】

{式中、Qは、上記一般式(10)において定義した通りである。}
で表されるものが特に好ましい。
【0054】
上記オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホシホニウム塩、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、及びジアゾニウム塩等が挙げられ、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、及びトリアルキルスルホニウム塩からなる群から選ばれるオニウム塩が好ましい。
【0055】
上記ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物等が挙げられ、トリクロロメチルトリアジンが好ましい。
【0056】
これら光酸発生剤の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、1〜40質量部であり、5〜30質量部が好ましい。(B)感光剤としての光酸発生剤の配合量が1質量部以上であれば感光性樹脂組成物によるパターニング性が良好であり、40質量部以下であれば感光性樹脂組成物の硬化後の膜の引張り伸び率が良好で、かつ露光部の現像残さ(スカム)が少ない。
【0057】
(C)銅変色防止剤
本発明に用いられる(C)銅変色防止剤について説明する。(C)銅変色防止剤としては、銅と相互作用が可能な官能基を分子内に持ち、かつ相互作用をした後に錯体形成による発色が軽微である化合物を使用できる。(C)銅変色防止剤は、本発明の感光性樹脂組成物を、例えば銅又は銅合金の上に形成する場合に銅又は銅合金の変色を防止する作用を有する。(C)銅変色防止剤は、典型的には、銅との相互作用を持つようにするために、例えば、ヘテロ原子(好ましくは窒素原子、酸素原子及び硫黄原子のうち少なくともいずれか)を分子骨格内に持つ、酸性又は塩基性の化合物である。また、(C)銅変色防止剤の具体例としては、例えば、銅と相互作用可能な官能基として、チオール基、チオエーテル基、フェノール基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、及びN原子が1個以上4個以下の複素環構造を持つアゾール基のうち1種以上を有する化合物が挙げられる。上記官能基を有する化合物の中でも特に、N原子が1個以上4個以下の複素環構造を持つアゾール基及びフェノール基を有する化合物であって、フェノール基の両隣の置換基がそれぞれメチル基とt−ブチル基とである構造を持つヒンダードフェノール化合物、並びに、下記一般式(13):
【化16】

{式中、R6は、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、R7は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は下記式(14):
【化17】

(式中、Zは、水酸基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であり、jは、0〜5の整数であり、Zは、複数存在する場合には互いに同一であっても異なっていてもよい。)で表される基である。}
で表されるカルボン酸化合物が、銅変色防止能に優れていて好ましい。これらは、銅と適度に相互作用するという理由で銅変色防止能に優れると考えられる。
【0058】
上記アゾール基を有する化合物としては、例えば:
ピリジン、ピペリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、4−ピコリン等の含窒素芳香族化合物、
イミダゾール、1−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール化合物、
ピラゾール、ベンゾピラゾール等のピラゾール化合物、
シアヌル酸、イソシアヌル酸等のシアヌル酸化合物、
【0059】
1H−トリアゾール、5−メチル−1H−トリアゾール、5−エチル−1H−トリアゾール、4,5−ジメチル−1H−トリアゾール、5−フェニル−1H−トリアゾール、4−t−ブチル−5−フェニル−1H−トリアゾール、5−ヒドロキシフェニル−1H−トリアゾール、フェニルトリアゾール、p−エトキシフェニルトリアゾール、5−フェニル−1−(2−ジメチルアミノエチル)トリアゾール、5−ベンジル−1H−トリアゾール、ヒドロキシフェニルトリアゾール、1,5−ジメチルトリアゾール、4,5−ジエチル−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α―ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール等のトリアゾール化合物、
【0060】
1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−1H−テトラゾール等のテトラゾール化合物、
等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0061】
上記ヒンダードフェノール化合物としては、例えば、Irganox245(チバジャパン製)、Cyanox1790(サイテック製)等が挙げられる。
【0062】
上記一般式(13)で表されるカルボン酸化合物としては、例えば、ヒドロキシ酢酸、乳酸、2‐ヒドロキシイソ酪酸、4−ヒドロキシフェニル乳酸、4−ヒドロキシマンデル酸、3,4−ジヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシマンデル酸、マンデル酸等が挙げられる。
【0063】
(C)銅変色防止剤の中でも、銅又は銅合金の変色抑制の観点から、1H−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、Irganox245、Cyanox1790、乳酸、マンデル酸等が特に好ましい。また、(C)銅変色防止剤は、単独でも2種以上の混合物で用いても構わない。
【0064】
(C)銅変色防止剤の、感光性樹脂組成物中の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、0.05〜20質量部であり、光感度特性の観点から0.1〜5質量部が好ましい。(C)銅変色防止剤の(A)感光性樹脂100質量部に対する配合量が、0.05質量部以上、特に0.1質量部以上であれば、本発明の感光性樹脂組成物を銅又は銅合金の上に形成した場合に、銅又は銅合金表面の変色が抑制され、一方、20質量部以下であれば、銅又は銅合金の上に本発明の感光性樹脂組成物を形成した場合に、良好なレリーフパターン形状が得られる。
【0065】
(D)溶媒
本発明に用いられる(D)溶媒について説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(C)の各成分及び必要に応じて使用する後述の任意成分を(D)溶媒に溶解してワニス状にした感光性樹脂組成物として提供される。(D)溶媒としては、(A)感光性樹脂に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上の組合せで用いることができる。
【0066】
(D)溶媒は、感光性樹脂組成物の所望の塗布膜厚及び粘度に応じて、(A)感光性樹脂100質量部に対し、例えば30〜1500質量部の範囲、好ましくは100〜1000質量部の範囲で用いることができる。
【0067】
感光性樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点からは、アルコール類を含む溶媒が好ましい。好適に使用できるアルコール類は、典型的には、分子内にアルコール性水酸基を持ち、オレフィン系二重結合を有さないアルコールであり、具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、乳酸エチル等の乳酸エステル類、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテル、プロピレングリコール−2−(n−プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル等のモノアルコール類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジアルコール類、tert−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類、を挙げることができる。これらの中では、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、及びエチルアルコールが好ましく、特に乳酸エチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、及びプロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテルがより好ましい。
【0068】
(D)溶媒全体に占める、オレフィン系二重結合を有さないアルコールの含量は、5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。オレフィン系二重結合を有さないアルコールの上記含量が5質量%以上の場合、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好になり、一方、50質量%以下の場合、(A)感光性樹脂の溶解性が良好になる。
【0069】
さらに、本発明においては、感光性樹脂組成物の感度及び保存安定性を向上させるために、感光性樹脂組成物中に特定範囲の量の水を含有させる。本発明の特徴の一つである(C)銅変色防止剤は、銅と相互作用を持つようにするために、典型的には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子をその分子骨格内に持つ。これらのヘテロ原子が存在する場合、それぞれの(C)銅変色防止剤は通常酸性又は塩基性を示す。本発明においては、感光性樹脂組成物中に十分な水分が存在することで、(C)銅変色防止剤(典型的には酸性又は塩基性を示すもの)の機能がより活性化され、期待される銅変色防止の性質を発現しやすくなるものと考えられる。さらに、十分な水分量があることで、感光性樹脂組成物全体の保存安定性が外的要因を受けにくい安定領域に達するものと考えられる。
【0070】
以上の観点から、感光性樹脂組成物中の水分含有量は0.6〜10質量%であり、好ましくは1.0〜10質量%である。水分は感光性樹脂組成物を構成するそれぞれの要素から副次的に導入されてもよいし、意図的に添加することもできる。水分含有量が0.6質量%以上であることにより、感光性樹脂組成物の感度及び保存安定性を確保するとともに(C)銅変色防止剤の機能をより活性化するという効果を十分に得ることができる。また水分含有量が10質量%以下であることにより、(A)感光性樹脂の(D)溶媒への溶解性を確保できる。本明細書に記載する、感光性樹脂組成物中の水分含有量は、カールフィッシャー法により測定される値である。
【0071】
(E)架橋剤
本発明の感光性樹脂組成物には、耐熱性及び耐薬品性を向上させる化合物として、さらに(E)架橋剤を含有させても良い。(E)架橋剤としては、典型的には、露光中に発生したラジカル、又は酸、アルカリ等の活性種と反応することで活性化し、(A)感光性樹脂と相互作用することでパターン形成に寄与するものや、レリーフパターンを加熱硬化する際に、(A)感光性樹脂を架橋させうるか、又は架橋剤自身が架橋ネットワークを形成しうることにより、耐熱性及び耐薬品性を更に強化することができるものを使用できる。
【0072】
(E)架橋剤としては、アミノ樹脂及びその誘導体が好適に用いられ、中でも、尿素樹脂、グリコール尿素樹脂、ヒドロキシエチレン尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、及びこれらの誘導体が好適に用いられる。特に好ましくは、アルコキシメチル化尿素樹脂及びアルコキシメチル化メラミン化合物であり、例として、UFR−65(日本サイテック社製)、MX−290(日本カーバイド社製)、MW−390(日本カーバイド社製)、及びヘキサメトキシメチルメラミンが挙げられる。
【0073】
耐熱性及び耐薬品性以外の諸性能との兼ね合いで、(E)架橋剤を配合する場合の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、1〜40質量部であることが好ましく、更に好ましくは2〜30質量部である。該配合量が1質量部以上である場合良好な耐熱性及び耐薬品性が発現し、また40質量部以下である場合保存安定性に優れる。
【0074】
(F)有機チタン化合物
本発明の感光性樹脂組成物には、耐熱性及び耐薬品性を向上させる化合物として、さらに(F)有機チタン化合物を含有させてもよい。ここで使用可能な有機チタン化合物としては、チタン原子に有機化学物質が共有結合又はイオン結合を介して結合しているものが挙げられる。
【0075】
(F)有機チタン化合物の具体的例を以下のI)〜VII)に示す:
I)チタンキレート化合物:中でも、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートが、感光性樹脂組成物の保存安定性及び良好なパターンが得られることからより好ましく、具体的な例は、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)ビス(2,4−ペンタンジオネート、チタニウムジイソプロポキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス( エチルアセトアセテート)等である。
【0076】
II)テトラアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2−エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n−ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n−プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス[ビス{2,2−(アリロキシメチル)ブトキサイド}]等である。
【0077】
III)チタノセン化合物:例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロフェニル)チタニウム、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等である。
【0078】
IV)モノアルコキシチタン化合物:例えば、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルフォネート)イソプロポキサイド等である。
V)チタニウムオキサイド化合物:例えば、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等である。
VI)チタニウムテトラアセチルアセトネート化合物:例えば、チタニウムテトラアセチルアセトネート等である。
VII)チタネートカップリング剤:例えば、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルフォニルチタネート等である。
【0079】
中でも、(F)有機チタン化合物が、上記I)チタンキレート化合物、II)テトラアルコキシチタン化合物、及びIII)チタノセン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが、より良好な耐薬品性を奏するという観点から好ましい。
【0080】
(F)有機チタン化合物を配合する場合の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、0.05〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜2質量部である。該配合量が0.05質量部以上である場合良好な耐熱性及び耐薬品性が発現し、一方10質量部以下である場合保存安定性に優れる。
【0081】
(G)その他成分
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(F)成分以外の成分を含有してもよい。その他成分の好ましいものは、(A)感光性樹脂として例えばポリイミド前駆体を用いるかポリオキサゾール前駆体を用いるか等によって異なる。
【0082】
(A)感光性樹脂としてポリイミド前駆体を用いる場合には、光感度を向上させるために増感剤を任意に配合することができる。該増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N’−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられる。これらは単独で又は例えば2〜5種類の組合せで用いることができる。
【0083】
光感度を向上させるための増感剤は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、0.1〜25質量部を用いるのが好ましい。
【0084】
また、レリーフパターンの解像性を向上させるために、光重合性の不飽和結合を有するモノマーを任意に配合することができる。このようなモノマーとしては、光重合開始剤によりラジカル重合反応する(メタ)アクリル化合物が好ましく、特に以下に限定するものではないが、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレートをはじめとする、エチレングリコール又はポリエチレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、プロピレングリコール又はポリプロピレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、グリセロールのモノ、ジ又はトリアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキサンジアクリレート及びジメタクリレート、1,4−ブタンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジアクリレート及びジメタクリレート、ネオペンチルグリコールのジアクリレート及びジメタクリレート、ビスフェノールAのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、ベンゼントリメタクリレート、イソボルニルアクリレート及びメタクリレート、アクリルアミド及びその誘導体、メタクリルアミド及びその誘導体、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、グリセロールのジ又はトリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリスリトールのジ、トリ、又はテトラアクリレート及びメタクリレート、並びにこれら化合物のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等の化合物を挙げることができる。
【0085】
レリーフパターンの解像性を向上させるための上記の光重合性の不飽和結合を有するモノマーは、(A)感光性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部を用いるのが好ましい。
【0086】
また、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される膜と基材との接着性向上のために接着助剤を任意に配合することができる。接着助剤としては、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルアミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1,4−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤等が挙げられる。
【0087】
これらの接着助剤のうちでは、接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。接着助剤の配合量は、(A)感光性樹脂100質量部に対し、0.5〜25質量部の範囲が好ましい。
【0088】
また、(D)溶媒を含む溶液の状態での保存時の感光性樹脂組成物の粘度及び光感度の安定性を向上させるために熱重合禁止剤を任意に配合することができる。熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
【0089】
感光性樹脂組成物に配合する熱重合禁止剤の量としては、(A)感光性樹脂100質量部に対し、0.005〜12質量部の範囲が好ましい。
【0090】
一方、本発明の感光性樹脂組成物において、(A)感光性樹脂としてポリオキサゾール前駆体を使用する場合は、必要に応じて、従来感光性樹脂組成物の添加剤として用いられている染料、界面活性剤、基材との密着性を高めるための接着助剤等を添加することが可能である。
【0091】
上記添加剤について更に具体的に述べると、染料としては、例えば、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が挙げられる。また、界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコール又はポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類又はその誘導体からなる非イオン系界面活性剤、例えばフロラード(商品名、住友3M社製)、メガファック(商品名、大日本インキ化学工業社製)あるいはルミフロン(商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤、例えばKP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。接着助剤としては、例えば、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー等、及び各種シランカップリング剤が挙げられる。
【0092】
シランカップリング剤の具体的な好ましい例としては、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、2−(トリアルコキシシリルエチル)ピリジン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン及び3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシラン並びに酸無水物及び酸二無水物の反応物、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン又は3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランのアミノ基をウレタン基又はウレア基に変換したもの等を挙げることができる。なお、この際のアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基等が、酸無水物としてはマレイン酸無水物、フタル酸無水物等が、酸二無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物等が、ウレタン基としてはt−ブトキシカルボニルアミノ基等が、ウレア基としてはフェニルアミノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
【0093】
<パターン製造方法>
本発明はまた、(1)上述した本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程と、(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、(3)露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程とを含む、硬化レリーフパターンの製造方法を提供する。以下、各工程の典型的な態様について説明する。
【0094】
(1)感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程
本工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基材上に塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を形成する。塗布方法としては、従来から感光性樹脂組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。上記塗布によって形成された塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブン又はホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。具体的には、風乾又は加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で乾燥を行うことができる。以上により基板上に感光性樹脂層を形成できる。
【0095】
(2)感光性樹脂層を露光する工程
本工程では、上記で形成した感光性樹脂層を、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、パターンを有するフォトマスク又はレチクルを介して又は直接に、紫外線光源等を用いた活性光線により露光する。この後、光感度の向上等の目的で、必要に応じて、任意の温度及び時間の組合せによる露光後ベーク(PEB)及び/又は現像前ベークを施してもよい。ベーク条件の範囲は、温度は40〜120℃、時間は10秒〜240秒が好ましいが、本発明の感光性樹脂組成物の諸特性を阻害するものでない限り、この範囲に限らない。
【0096】
(3)露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程
本工程においては、露光後の感光性樹脂層の露光部又は未露光部を現像除去する。ネガ型の感光性樹脂組成物を用いる場合(例えば(A)感光性樹脂としてポリイミド前駆体を用いる場合)には、未露光部が現像除去され、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いる場合(例えば(A)感光性樹脂としてポリオキサゾール前駆体を用いる場合)には、露光部が現像除去される。現像方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法等の中から任意の方法を選択して使用することができる。また、現像の後、レリーフパターンの形状を調整する等の目的で、必要に応じて任意の温度及び時間の組合せによる現像後ベークを施してもよい。
【0097】
現像に使用される現像液としては、感光性樹脂組成物に対する良溶媒、又は該良溶媒と貧溶媒との組合せが好ましい。例えばアルカリ水溶液に溶解しない感光性樹脂組成物の場合、良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等が好ましく、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が好ましい。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、感光性樹脂組成物中のポリマーの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整することが好ましい。また、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。
【0098】
一方、アルカリ水溶液に溶解する感光性樹脂組成物の場合、現像に使用される現像液は、アルカリ水溶液可溶性重合体を溶解除去するものであり、典型的にはアルカリ化合物を溶解したアルカリ性水溶液である。現像液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物、又は有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。
【0099】
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、及びアンモニア等が挙げられる。
【0100】
また、該有機アルカリ化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0101】
更に、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、又はエチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、及び樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
以上のようにしてレリーフパターンを形成できる。
【0102】
(4)レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程
本工程では、(A)感光性樹脂(例えばポリイミド前駆体又はポリオキサゾール前駆体)のレリーフパターンを加熱して感光成分を希散させるとともに、例えばそれぞれイミド化又はオキサゾール化させることによって、例えばポリイミド又はポリオキサゾールからなる硬化レリーフパターンに変換する。加熱硬化の方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、例えば200℃〜400℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱硬化の際の雰囲気気体としては空気を用いてもよく、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
【0103】
<半導体装置>
本発明はまた、上述した本発明の硬化レリーフパターンの製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる、半導体装置を提供する。本発明は、半導体素子である基材と、該基材上に上述した硬化レリーフパターン製造方法により形成された硬化レリーフパターンとを有する半導体装置も提供する。また本発明は、基材として半導体素子を用い、上述した硬化レリーフパターン製造方法を工程の一部として実施することによる半導体装置の製造方法にも適用できる。
【0104】
本発明の半導体装置は、上記硬化レリーフパターン製造方法で形成される硬化レリーフパターンを、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、又はバンプ構造を有する半導体装置の保護膜等として形成し、公知の半導体装置の製造方法と組合せることで製造することができる。
【実施例】
【0105】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例、比較例、及び製造例においては、感光性樹脂組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価した。
【0106】
(1)重量平均分子量
各感光性樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。測定に用いたカラムは昭和電工社製 商標名 Shodex 805M/806M直列であり、標準単分散ポリスチレンは、昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105を選び、展開溶媒はN−メチル−2−ピロリドンであり、検出器は昭和電工製 商標名 Shodex RI−930を使用した。
【0107】
(2)水分含有量
各感光性樹脂組成物中の水分量はカール・フィシャー電量滴定法で測定した。測定は平沼微量水分測定装置AQ−200(平沼産業株式会社製)を用い、発生液にハイドラナールRアクアライトRS、対極液にアクアライトCNを選択した。シリンジを用い試料をおよそ1ml採取し0.0001gの位まで精秤することで試料量1とし、その後装置に注入し水分量を測定した(実測水分量)。注入後のシリンジの重さを0.0001gの位まで精秤し試料量2とした。感光性樹脂組成物中の水分含有量は以下の式で求めた。
水分含有量={実測水分量/(試料量1−試料量2)}×100(単位:%)
【0108】
(3)ネガ型感光性樹脂の感度評価
(A)感光性樹脂としてポリイミド前駆体を用いたネガ型感光性樹脂組成物を6インチシリコンウエハー又は銅基板上にスピン塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を感光性樹脂層として形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてi線ステッパーNSR2005i8A(ニコン社製)により、50mJ/cm2から300mJ/cm2まで25mJ/cm2ステップでエネルギーを照射して露光した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスして未露光部を現像除去し、ポリイミド前駆体のレリーフパターンを得た。
【0109】
レリーフパターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて350℃で2時間加熱処理することにより、5μm厚のポリイミドの硬化レリーフパターンをシリコンウエハー上又は銅基板上に得た。膜厚測定は、Tencor P−15型段差計(ケーエルエーテンコール社製)を用いて行った。得られた各パターンについて、パターン形状及びパターン部の幅を光学顕微鏡下で観察し、得られたパターン開口部の面積が、対応するパターンマスク開口面積の1/2以上であれば解像されたものとみなし、解像された開口部のうち最小面積を有するものに対応するマスクの開口辺の長さ10μm以下を解像する最小露光量(mJ/cm2)を感度とし、200mJ/cm2未満であれば「良好」とした。
【0110】
(4)ポジ型感光性樹脂の感度評価
(A)感光性樹脂としてポリベンゾオキサゾール前駆体を用いたポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、6インチシリコンウエハー又は銅基板上にスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、評価用膜を得た。各感光性樹脂組成物の初期膜厚は320℃で1時間キュアした時の硬化後樹脂膜厚が5〜7μmとなるように調整した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。感光性樹脂層としてのこの塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi−線(365nm)の露光波長を有するi線ステッパーNSR2005i8A(ニコン社製)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。これAZエレクトロニックマテリアルズ社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が初期膜厚の85%となるように現像時間を調整して露光部を現像除去し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。更に、得られたレリーフパターンを縦型キュア炉(光陽リンドバーグ社製)にて、窒素雰囲気中、320℃で1時間のキュア(加熱硬化処理)を施し、耐熱性被膜であるポリベンゾオキサゾール膜の硬化レリーフパターンを得た。得られた各パターンについて、パターン形状及びパターン部の幅を光学顕微鏡下で観察し、規定現像後膜厚において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量(mJ/cm2)を感度とし、200mJ/cm2未満であれば「良好」とした。
【0111】
(5)銅基板の変色・腐食評価
上記(3)又は(4)において銅基板上で形成したポリイミド又はポリベンゾオキサゾールの各パターンを以下の基準に基づき評価した:
「良好」:200倍の光学顕微鏡で観察しても銅基板の変色・腐食が認められないもの;
「やや良好」:200倍の光学顕微鏡で観察したとき銅基板の変色・腐食がわずかに認められるが、目視では認められないもの;
「やや不良」:目視において銅基板の変色・腐食がわずかに認められるもの;
「不良」:目視において銅基板の変色・腐食があきらかに認められるもの。
【0112】
(6)感光性樹脂組成物の保存安定性評価
(A)感光性樹脂としてポリイミド前駆体を用いたネガ型感光性樹脂組成物を6インチシリコンウエハーにスピン塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスすることで塗膜が完全に溶解する時間を求めた(初期溶解時間)。これとは別に、該感光性樹脂組成物を23℃の条件下に1ヶ月間放置し、放置後に同様の方法で塗膜形成及び塗膜の溶解時間の評価を実施した。1ヵ月後の塗膜溶解時間の初期溶解時間に対する割合を1ヶ月後の現像時間変化とし、これが120%未満であれば「良好」とし、120%以上の場合を「不良」とした。さらに上記(3)と同様の評価を実施し、23℃1ヶ月放置後の感光性樹脂組成物を用いた場合の感度を同様に求め、初期と比較して露光量の増加が50mJ/cm2以内であれば1ヵ月後の感度を「良好」とし、50mJ/cm2を超える場合を「不良」とした。
【0113】
(A)感光性樹脂としてポリベンゾオキサゾール前駆体を用いたポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、6インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、膜厚10.7μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。これをAZエレクトロニックマテリアルズ社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が9.1μmとなるように現像時間を求めた(初期現像時間)。これとは別に、該感光性樹脂組成物を23℃の条件下に1ヶ月間放置し、放置後に同様の方法で塗膜形成及び塗膜の現像時間の評価を実施した。1ヵ月後の現像後膜厚が9.1μmとなるように求めた現像時間の初期現像時間に対する割合(1ヶ月後の現像時間変化)が80%超120%未満であれば「良好」とし、80%以下又は120%以上の場合を「不良」とした。さらに上記(4)と同様の評価を実施し、23℃1ヶ月放置後の感光性樹脂組成物を用いた場合の感度を同様に求め、初期と比較して露光量の増加が50mJ/cm2以内であれば1ヶ月後の感度を「良好」とし、50mJ/cm2を超える場合を「不良」とした。
【0114】
<製造例1>((A)感光性樹脂としてのポリイミド前駆体A(ポリマーA)の合成)
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)155.1gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)131.2gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
【0115】
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)206.3gをγ−ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)93.0gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
【0116】
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリイミド前駆体A(以下、「ポリマーA」ともいう))を得た。ポリイミド前駆体Aの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は20,000であった。
【0117】
<製造例2>((A)感光性樹脂としてのポリイミド前駆体B(ポリマーB)の合成)
製造例1の4,4’−オキシジフタル酸二無水物155.1gに代えて、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物147.1gを用いた以外は、前述の製造例1に記載の方法と同様にして反応を行い、ポリイミド前駆体B(以下、「ポリマーB」ともいう)を得た。ポリイミド前駆体Bの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は22,000であった。
【0118】
<製造例3>((A)感光性樹脂としてのポリベンゾオキサゾール前駆体C(ポリマーC)の合成)
容量3Lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン183.1g(0.5モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)640.9g、ピリジン63.3g(0.8モル)を室温(25℃)で混合攪拌し、均一溶液とした。これに、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボニルクロリド118.0g(0.4モル)をジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)354gに溶解したものを滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で30℃であった。
【0119】
滴下終了から3時間後反応液に1,2−シクロヘキシルジカルボン酸無水物30.8g(0.2mol)を添加し、室温で15時間撹拌放置し、ポリマー鎖の全アミン末端基の99%をカルボキシシクロヘキシルアミド基で封止した。この際の反応率は投入した1,2−シクロヘキシルジカルボン酸無水物の残量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で追跡することにより容易に算出することができる。その後上記反応液を2Lの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した重量平均分子量9,000(ポリスチレン換算)の粗ポリベンゾオキサゾール前駆体を得た。
【0120】
上記で得られた粗ポリベンゾオキサゾール前駆体をγ−ブチロラクトン(GBL)に再溶解した後、これを陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂にて処理し、それにより得られた溶液をイオン交換水中に投入後、析出したポリマーを濾別、水洗、真空乾燥することにより精製されたポリベンゾオキサゾール前駆体C(ポリマーC)を得た。
【0121】
<実施例1>
ポリイミド前駆体A(ポリマーA)及びポリイミド前駆体B(ポリマーB)を用いて以下の方法で感光性樹脂組成物を調製し、調製した組成物の評価を行った。ポリマーA50g及びポリマーB50g((A)感光性樹脂として)を、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)−オキシム((B)感光剤として)6g、1H−ベンゾトリアゾール((C)銅変色防止剤として)1g、更に、N−フェニルジエタノールアミン10g、7−ジエチルアミノ−3−エトキシカルボニルクマリン0.05g、ヘキサメトキシメチルメラミン4g、テトラエチレングリコールジメタクリレート8g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸1.5g、及び2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.05gと共に、N−メチルピロリドン(以下ではNMPという)80gと乳酸エチル20gからなる混合溶媒((D)溶媒として)に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の該混合溶媒及び水を更に加えることによって約35ポイズに調整し、感光性樹脂組成物とした。該感光性樹脂組成物中の水分含有率は0.6質量%であった。
【0122】
該組成物を、前述の方法に従ってシリコンウエハー及び銅基板に塗布して乾燥させ、露光、現像及び加熱処理して得たポリイミド塗膜の感度は150mJ/cm2と高感度であり、銅基板上においても変色・腐食は見られず変色・腐食評価は「良好」であった。さらに23℃1ヵ月放置後の塗膜溶解時間は初期溶解時間の115%で1ヶ月後の現像時間変化の評価は「良好」であり、感度は175mJ/cm2で1ヶ月後の感度の評価は「良好」であった。
【0123】
<実施例2〜9>
表1に示す通りに各成分を添加した以外はそれぞれ実施例1と同様に感光性樹脂組成物の調製、塗膜形成及び評価を行った。いずれの場合においても、前述の方法に従って、感光性樹脂組成物をシリコンウエハー及び銅基板に塗布して乾燥させ、露光、現像及び加熱処理して得たポリイミド塗膜の感度は200mJ/cm2未満と高感度であり、銅基板上においても変色・腐食は見られず変色・腐食評価は「良好」であり、23℃1ヶ月放置後の塗膜溶解時間の延び(1ヶ月後の現像時間変化)及び1ヶ月後の感度の評価も「良好」であった。
【0124】
<実施例10>
ポリベンゾオキサゾール前駆体C(ポリマーC)を用いて以下の方法で感光性樹脂組成物を調製し、調製した組成物の評価を行った。ポリベンゾオキサゾール前駆体C((A)感光性樹脂として)100gを、下記式(15):
【化18】

で表される、フェノール性水酸基の77%をナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化した感光性ジアゾキノン化合物(東洋合成社製、(B)感光剤として)20g、1H−ベンゾトリアゾール((C)銅変色防止剤として)1g、と共に、γ−ブチロラクトン((D)溶媒として)100gに溶解した。得られた溶液の粘度を、少量のγ−ブチロラクトン及び水を更に加えることによって約20ポイズに調整し、感光性樹脂組成物とした。該感光性樹脂組成物中の水分含有率は1.2質量%であった。
【0125】
該組成物を、前述の方法に従ってシリコンウエハー及び銅基板に塗布して乾燥させ、露光、現像及び加熱処理して得たポリベンゾオキサゾール塗膜の感度は175mJ/cm2と高感度であり、かつパターン精度も良好であり、銅基板上においても変色・腐食は見られず変色・腐食評価は「良好」であった。さらに23℃1ヵ月放置後の塗膜現像時間は初期現像時間の110%で1ヵ月後の現像時間変化の評価は「良好」であり、感度は200mJ/cm2で1ヵ月後の感度の評価は「良好」であった。
【0126】
<比較例1>
実施例1において水を添加しない以外は実施例1と同様の感光性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。該感光性樹脂組成物中の水分含有率は0.5質量%であった。前述の方法に従って、感光性樹脂組成物をシリコンウエハー及び銅基板に塗布して乾燥させ、露光、現像及び加熱処理して得たポリイミド塗膜の感度は200mJ/cm2と感度が低く、かつ23℃1ヵ月放置後の塗膜現像時間は初期現像時間の120%で1ヶ月後の現像時間の変化の評価は「不良」であり、感度も300mJ/cm2で1ヵ月後の感度の評価は「不良」であった。
【0127】
<比較例2>
実施例10において水を添加しない以外は実施例10と同様の感光性樹脂組成物を調製し、実施例10と同様の評価を行った。該感光性樹脂組成物中の水分含有率は0.3質量%であった。前述の方法に従って、感光性樹脂組成物をシリコンウエハー及び銅基板に塗布して乾燥させ、露光、現像及び加熱処理して得たポリベンゾオキサゾール塗膜の感度は200mJ/cm2と感度が低く、かつ23℃1ヵ月放置後の塗膜現像時間は初期現像時間の120%で1ヵ月後の現像時間の変化の評価は「不良」であり、感度も300mJ/cm2で1ヶ月後の感度の評価は「不良」であった。
【0128】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置への適用の他、多層回路の層間絶縁、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、又は液晶配向膜等の用途にも好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の:
(A)感光性樹脂:100質量部、
(B)感光剤:1〜40質量部、
(C)銅変色防止剤:0.05〜20質量部、及び
(D)溶媒
を含有する感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物中の水分含有量が0.6〜10質量%である、感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記水分含有量が1.0〜10質量%である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
(E)架橋剤1〜40質量部をさらに含有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)感光性樹脂が、下記一般式(1):
【化1】

{式中、X1は、4価の有機基であり、Y1は、2価の有機基であり、nは、2〜150の整数であり、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、又は下記一般式(2):
【化2】

(式中、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3の有機基であり、そしてmは、2〜10の整数である。)で表される1価の有機基、又は炭素数1〜4の飽和脂肪族基である。但し、R1及びR2の両者が同時に水素原子であることはない。}
又は下記一般式(3):
【化3】

{式中、Y2は、炭素原子を有する4価の有機基であり、Y3、X2及びX3は、それぞれ独立に、2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、kは、2〜1000の整数であり、lは、0〜500の整数であり、k/(k+l)>0.5であり、そしてX2及びY2を含むk個のジヒドロキシジアミド単位並びにX3及びY3を含むl個のジアミド単位の配列順序は問わない。}
で表される構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
以下の:
(1)請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布することによって感光性樹脂層を該基板上に形成する工程と、
(2)該感光性樹脂層を露光する工程と、
(3)露光後の感光性樹脂層を現像してレリーフパターンを形成する工程と、
(4)該レリーフパターンを加熱処理することによって硬化レリーフパターンを形成する工程と
を含む、硬化レリーフパターンの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる、半導体装置。

【公開番号】特開2011−169980(P2011−169980A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31580(P2010−31580)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(309002329)旭化成イーマテリアルズ株式会社 (771)
【Fターム(参考)】