説明

感光性組成物、電極パターン形成方法

【課題】 本発明は、体積抵抗が低く、パターン形状に優れる電極を形成することができる感光性組成物を提供する。
【解決手段】 (A)アルミニウム粒子、(B)酸化ホウ素2〜40重量%、酸化ケイ素0.1〜3重量%および酸化ビスマス10〜50重量%を含むガラス粉末(C)アルカリ可溶性重合体(D)エチレン性不飽和基含有化合物ならびに(E)光重合開始剤を含有することを特徴とする感光性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性組成物、パターン形成方法およびフラットパネルディスプレイ用電極の製造方法に関する。より詳細には、フラットパネルディスプレイなどのディスプレイパネルや、電子部品の高度実装材料に用いられる微細な回路パターンを有する回路基板の製造において、精度の高いパターンを形成する場合に好適に使用することができる感光性組成物、これを用いたパターン形成方法、および該パターン形成方法によりフラットパネルディスプレイ用部材を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、回路基板やディスプレイパネルにおけるパターン加工に対して、高密度化および高精細化の要求が高まっている。このような要求が高まっているディスプレイパネルの中でも、特にプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」ともいう。)やフィールドエミッションディスプレイ(以下「FED」ともいう。)などのフラットパネルディスプレイ(以下「FPD」ともいう。)が注目されている。
【0003】
このようなPDPの部材である電極を形成するための導電性ペーストに配合される導電性微粒子としては、従来、銀の微粒子を用いることが一般的であった。しかし、銀は貴金属であるため、高価である。また、銀の微粒子は、高温多湿環境下でマイグレーションを起こしやすいという問題があった。そこで、近年、安価な材料として、アルミニウム粒子を用いた導電性ペーストに対する注目が高まってきている。
【0004】
FPD部材である電極の形成方法としては、基板上に感光性樹脂層をスクリーン印刷等により形成し、所望のパターンが描かれたフォトマスクを介して、前記感光性樹脂層に赤外線または紫外線を照射した上で現像することにより、基板上に所望のパターンを残存させ、これを焼成するフォトリソグラフィー法などが知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−142878号公報
【特許文献2】特開平11−194493号公報
【特許文献3】特開2001−154345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アルミニウム粒子は安価で簡単に使用できる反面、アルミニウムの表面状態が不安定であるため、ペースト中に存在する他の材料と反応し、導電性ペーストの保存安定性を悪化させるという問題が生じていた。
【0007】
本発明の課題は、安価に高精細な電極パターンを形成することができ、且つ保存安定性の良好な感光性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アルミニウムを含む粒子、ガラス粒子、特定の重合体、エチレン性不飽和基含有化合物および光重合化合物を含む感光性組成物は保存安定性が良好であり、これを用いることにより、精度の高いパターンを形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、少なくとも、
(A)アルミニウム粒子、
(B)酸化ホウ素2〜40重量%、酸化ケイ素0.1〜3重量%および酸化ビスマス10〜50重量%を含むガラス粉末
(C)アルカリ可溶性重合体
(D)エチレン性不飽和基含有化合物
(E)光重合開始剤
を含有することを特徴とする感光性組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の感光性組成物によれば、体積抵抗の低い優れたパターン形状の電極を形成することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)アルミニウム粒子
本発明の感光性組成物を構成するアルミニウム粒子(A)は、実質的にアルミニウムのみからなる粒子、アルミニウム合金粒子、およびこれらの粒子をアルミニウム以外の金属によりめっきしてなるめっきアルミニウム系粒子を含む。導電性粒子としてこのようなアルミニウム粒子を用いると、ペーストが安価に作成可能且つ、形成する電極の電気特性が良好であるという利点がある。
【0012】
本発明の感光性組成物におけるアルミニウム粒子(A)の平均粒径は、D50として、好ましくは0.1〜20μmであり、さらに好ましくは1〜6μmである。アルミニウム粒子(A)の平均粒径が0.1μm未満の場合は、露光時に照射した紫外線が感光性組成物層中で光散乱等により膜深部まで十分に届かず、現像マージンが狭くなったり、パターン断面が逆テーパー形状となり、その後の焼成工程においてパターンの両端が反ったりする場合がある。アルミニウム粒子(A)の平均粒径が20μmを超える場合は、パターン直線性が劣ったり、焼成後の抵抗値が高くなったりする場合がある。
【0013】
アルミニウム粒子(A)の形状としては、特に制限はなく、球状およびフレーク状等を挙げることができる。
【0014】
アルミニウム粒子(A)とガラス粒子(B)との含有量の合計((A)+(B))は、前記組成物全体に対して、15〜75質量%の範囲にあることが好ましく、20〜50質量%の範囲にあることがより好ましい。前記含有量の合計が、前記範囲内にあると、印刷性及びパターニング性など、電極形成におけるプロセスマージンが広いという点で好ましい。
【0015】
アルミニウム粒子(A)とガラス粒子(B)との含有量の合計に対するアルミニウム粒子(A)の含有量は、通常20〜98質量%であり、好ましくは25〜95質量%である。
【0016】
(B)ガラス粒子
本発明の感光性組成物を構成するガラス粒子(B)は酸化ホウ素2〜40重量%、酸化ケイ素0.1〜3重量%および酸化ビスマス10〜50重量%を含むものであり、さらに酸化アルミニウム2〜15重量%を含むことが好ましい。
【0017】
また、さらに酸化カルシム、酸化バリウム、酸化亜鉛および酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種を0.5〜35重量%含むことが好ましい。
【0018】
さらにまた、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属の酸化物は5重量%以下であることが好ましい。
【0019】
本発明で使用されるガラス粒子の酸化ビスマスの含有量が10重量%未満の場合、ガラス転移点や軟化点が高くなり、基板上への焼付けが困難になる。また50重量%を超えると、軟化点が低くなり脱バインダー性が悪化する。また、酸化ビスマスに含まれる酸素によりアルミが酸化され、導電性が低下する。酸化ケイ素の含有量が0.1重量%未満の場合、基板上に焼き付けた際の接着強度やガラスフリットの安定性が低下する。また3重量%を超えるとガラスフリットの耐熱温度が増加し、ガラス基板上への焼付けが困難になる。
【0020】
本発明の感光性組成物を構成するガラス粒子(B)は、軟化点が400〜600℃の範囲内にあることが好ましく、450〜580℃の範囲内にあることが特に好ましい。軟化点が400℃未満の、または600℃を超えるガラス粒子(B)であっても、良好なパターン形状の形成は可能ではあるが、ガラス粒子(B)の軟化点が400℃未満である場合には、当該組成物による膜形成材料層の焼成工程において、結着樹脂などの有機物質が完全に分解除去されない段階でガラス粒子が溶融してしまうため、形成されるガラス焼結体中に有機物質の一部が残留し、この結果、得られる電極の抵抗値が上昇する場合がある。一方、ガラス粒子(B)の軟化点が600℃を超える場合には、600℃より高温で焼成する必要があるために、ガラス基板に歪みなどが発生しやすい。
【0021】
本発明の感光性組成物を構成するガラス粒子(B)の屈折率は、好ましくは1.5〜1.8である。ガラス粒子の屈折率がこの範囲外であると、結着樹脂の屈折率との屈折率差が大きくなり、感光性組成物層中で光散乱が発生し紫外線が膜深部まで十分に到達しない点で不利になる場合がある。
【0022】
本発明の感光性組成物を構成するガラス粒子(B)の粒径は、D50として、好ましくは0.1〜5μmである。
【0023】
本発明の感光性組成物におけるガラス粒子(B)の含有量は、前述のとおりである。
(C)アルカリ可溶性重合体
アルカリ可溶性重合体は、アルカリ可溶性官能基含有モノマー(C1)と(メタ)アクリル酸誘導体(C2)との共重合体が好ましい。なお、本発明において「アルカリ可溶性」とは、目的とする現像処理が可能な程度にアルカリ現像液に溶解する性質をいう。
【0024】
<アルカリ可溶性官能基含有モノマー(C1)>
アルカリ可溶性官能基含有モノマー(C1)としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(α−ヒドロキシメチル)アクリレートなどの水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モノマー類;などのアルカリ可溶性官能基と不飽和結合とを有するモノマーなどが挙げられる。上記モノマー(C1)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記モノマー(C1)の中では、(メタ)アクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
【0026】
アルカリ可溶性官能基含有モノマー(C1)を共重合することにより、樹脂にアルカリ可溶性を付与できる。アルカリ可溶性官能基含有モノマー(C1)由来の構成単位の含有量は、アルカリ可溶性重合体(C)の全構成単位中、通常は5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15〜70重量%である。
【0027】
<(メタ)アクリル酸誘導体(C2)>
(メタ)アクリル酸誘導体(C2)は、アルカリ可溶性官能基含有モノマー(C1)と共重合可能な(メタ)アクリル酸誘導体であれば特に限定されない。(メタ)アクリル酸誘導体(C2)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどの、上記モノマー(C1)以外の(メタ)アクリレート類が挙げられる。(メタ)アクリル酸誘導体(C2)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
また、本発明では、(メタ)アクリル酸誘導体(C2)に代えて、あるいは(メタ)アクリル酸誘導体(C2)とともに、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどから得られるポリマーの一方の鎖末端に、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマーを用いてもよい。
【0029】
アルカリ可溶性重合体(C)の使用量は、有機成分全体(無機成分以外)に対して、 15 〜 85重量部、好ましくは20 〜80重量部である。アルカリ可溶性樹脂(C)の含有量が前記範囲にあると、無機粒子の分散性、およびパターンの現像性の観点から好ましい。
【0030】
(D)エチレン性不飽和基含有化合物
本発明の組成物を構成するエチレン性不飽和基含有化合物(D)は、露光により重合して、硬化し、現像液に対する溶解性が減少する物質である。このようなエチレン性不飽和基含有化合物(D)としては、露光により重合し、露光部分をアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性にする物質を挙げることができる。エチレン性不飽和基含有化合物(D)として、このような露光によりアルカリ不溶性等にする物質を用いると、露光部と未露光部のアルカリ現像液に対するコントラストを付けやすくなり、パターンの高精細化やパターン形状をコントロールし易くなるという利点がある。このようなエチレン性不飽和基含有化合物(D)としては、たとえば多官能(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
【0031】
エチレン性不飽和基含有化合物(D)の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;
グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】
これらのうち、トリプロピレングリコールジアクリレート(Tg:90℃)、テトラエチレングリコールジアクリレート(Tg:50℃)、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート(Tg:50℃)、ウレタンアクリレート(Tg:15℃)、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート(Tg:75℃)、等が特に好ましく用いられる。
【0033】
また、本発明の感光性組成物におけるエチレン性不飽和基含有化合物(D)が硬化してなる硬化物のガラス軟化点(Tg)は、好ましくは0〜100℃である。ガラス軟化点(Tg)が0℃未満の場合は、現像時に膨潤しやすくパターン直線性に劣る場合がある。ガラス軟化点(Tg)が100℃を超える場合は、焼成過程でパターン両端に反りが発生しやすくなる場合がある。
【0034】
上記エチレン性不飽和基含有化合物(D)の分子量としては、100〜2,000であることが好ましい。
【0035】
本発明の感光性組成物におけるエチレン性不飽和基含有化合物(D)の含有割合としては、有機成分全体に対して、好ましくは5重量%以上、より好ましくは6〜60重量%の範囲で含まれる。
【0036】
(E)光重合開始剤
本発明の感光性組成物に用いられる光重合開始剤(E)の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0037】
本発明の組成物における光重合開始剤(E)の含有割合は、エチレン性不飽和基含有化合物(D)100質量部に対して、通常、1〜200質量部であり、好ましくは、2〜200質量部である。
(F)シラン化合物
本発明の感光性組成物は、下記式(3)で表されるシラン化合物(F)を含有することができる。
【化1】

(上記(3)式中、R5は炭素数5〜20のアルキル基またはフェニル基である。R6、R7およびR8 は炭素数1〜3のアルキル基もしくはアルコキシ基、またはフェニル基であり、R6、R7およびR8 のうち少なくとも1個はアルコキシ基である。)
本発明の感光性組成物がシラン化合物(F)を含有すると、シラン化合物とガラス表面との反応により、ガラスの表面にシラン化合物が吸着し、ガラスとペースト中のシラン化合物以外の成分との相互作用を抑制するという利点がある。
【0038】
前記シラン化合物(F)の具体例としては、n-デシルトリメトキシシラン、n-ジフェニルトリメトキシシラン、n-ドデシルトリメトキシシラン、およびメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0039】
本発明の組成物におけるシラン化合物(F)の含有割合は、ガラス粒子(B)100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部であり、好ましくは、1〜5質量部である。
【0040】
<溶剤>
本発明の感光性組成物には、通常、適当な流動性または可塑性、良好な膜形成性を付与するために溶剤が含有される。用いられる溶剤としては、無機粒子との親和性、アルカリ可溶性重合体の溶解性が良好で、感光性組成物に適度な粘性を付与することができると共に、乾燥されることにより容易に蒸発除去できるものであることが好ましい。
【0041】
溶剤の具体例としては、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、1−ヒドロキシ−p−メンタン、8−ヒドロキシ−p−メンタン、p−メンタン−1−イル−アセテート、p−メンタン−8−イル−アセテート、ターピニルオキシエタノール、ジヒドロターピニルオキシエタノール、ターピニルメチルエーテル、ジヒドロターピニルメチルエーテル、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどのテルペン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類、2,2,4−トリメチル-1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどのエステル類、テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、などを挙げることができる。
【0042】
本発明の感光性組成物における溶剤の含有割合としては、良好な膜形成性(流動性または可塑性)が得られる範囲内において適宜選択することができる。
【0043】
<添加剤>
また、本発明の感光性組成物には、その他の任意成分として、顔料、増粘剤、可塑剤、分散剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、レベリング剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、増感剤、連鎖移動剤などの各種添加剤が含有されてもよい。
【0044】
本発明の感光性組成物は、アルミニウム粒子(A)、ガラス粒子(B)、アルカリ可溶性重合体(C)、エチレン性不飽和基含有化合物(D)および光重合開始剤(E)、並びに必要に応じてシラン化合物(F)、溶剤および上記その他の任意成分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミルなどの混練機を用いて混練することにより調製することができる。
【0045】
上記のようにして調製される感光性組成物は、従来において公知の膜形成材料層の形成方法、すなわち、スクリーン印刷法などによって当該組成物をガラス基板の表面に直接塗布し、塗膜を乾燥することにより膜形成材料層すなわち感光性樹脂層を形成する方法においてもっとも好適に使用することができる。
【0046】
上記のようにして調製される感光性組成物は、塗布に適した流動性を有するペースト状の組成物であり、その粘度は、通常1000〜500,000mPa・s、好ましくは5,000〜100,000mPa・sである。
【0047】
塗膜の乾燥条件としては、例えば、50〜150℃で0.5〜30分間程度であり、乾燥後における溶剤の残存割合(感光性樹脂層中の含有率)は、通常2質量%以内である。
【0048】
上記のようにしてガラス基板上に形成される感光性樹脂層の厚さとしては、無機粒子の含有率やサイズなどによっても異なるが、例えば5〜20μmである。
【0049】
<パターン形成方法およびFPD用電極の製造方法>
本発明のパターン形成方法は、本発明の感光性組成物を用いて、スクリーン印刷法などによって当該組成物をガラス基板の表面に直接塗布し感光性樹脂層を基板上に形成し、当該感光性樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成し、当該感光性樹脂層を現像処理してパターン層を形成し、当該パターン層を焼成処理することにより、無機パターンを形成することを特徴とし、FPD用電極の製造方法は、このパターン形成方法により無機パターンを有するパネル電極を形成することを特徴とする。以下に、各工程について説明する。
【0050】
(i)感光性樹脂層の形成工程
感光性樹脂層は、本発明の感光性組成物を基板上に塗布することによって形成することができる。
【0051】
感光性組成物の塗布方法としては、スクリーン印刷法、ロール塗布法、回転塗布法、流延塗布法など種々の方法が挙げられ、本発明の感光性組成物を塗布した後、塗膜を乾燥する方法により、感光性樹脂層を形成することができる。なお、上記工程をn回繰り返すことでn層の積層体を形成してもよい。
【0052】
(ii)露光工程
感光性樹脂層の表面に、露光用マスクを介して紫外線などの放射線の選択的照射(露光)を行う方法や、レーザー光を走査する方法などで、パターンの潜像を形成する。ここに、放射線照射装置としては、フォトリソグラフィー法で一般的に使用されている紫外線照射装置、半導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている露光装置、レーザー装置などが用いられるが、特に限定されるものではない。
【0053】
(iii)現像工程
露光されて、パターンの潜像が形成された感光性樹脂層を現像して、感光性樹脂層のパターンを形成する。ここに、現像処理条件としては、感光性樹脂層の種類に応じて、現像液の種類・組成・濃度、現像時間、現像温度、現像方法(例えば浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法など)、現像装置などを適宜選択することができる。
【0054】
(iv)焼成工程
感光性樹脂層のパターンを焼成処理して、感光性樹脂層の残留部における有機物質を焼失させる。この工程により、感光性樹脂層のパターンから電極が形成される。
【0055】
ここに、焼成処理の温度としては、感光性樹脂層(残留部)中の有機物質が焼失される温度であることが必要であり、通常、400〜600℃である。また、焼成時間は、通常10〜90分間である。
【0056】
以下、上記各工程に用いられる材料、各種条件などについて説明する。
【0057】
<基板>
基板材料としては、例えばガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材が挙げられる。この板状部材の表面に対しては、必要に応じて、シランカップリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理のような適宜の前処理を施されていてもよい。
【0058】
なお、本発明においては、基板として、耐熱性を有するガラスを用いることが好ましい。ガラス基板としては、例えばセントラル硝子(株)製CP600V、旭硝子(株)製PD200、を好ましいものとして挙げることができる。
【0059】
<露光用マスク>
本発明の製造方法による露光工程において使用される露光用マスクの露光パターンとしては、材料によって異なるが、一般的に10〜500μm幅のストライプである。
【0060】
<現像液>
本発明の製造方法による現像工程で使用される現像液としては、アルカリ現像液を好ましく使用することができる。
【0061】
なお、結着樹脂としてアルカリ可溶性重合体を使用した場合、感光性樹脂層に含有される無機粒子は、アルカリ可溶性重合体により均一に分散されているため、アルカリ性溶液で結着樹脂であるアルカリ可溶性重合体を溶解させ、洗浄することにより、無機粒子も同時に除去される。
【0062】
アルカリ現像液の有効成分としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどの有機アルカリ性化合物などを挙げることができる。
【0063】
アルカリ現像液は、前記アルカリ性化合物の1種または2種以上を水などに溶解させることにより調製することができる。ここに、アルカリ性現像液におけるアルカリ性化合物の濃度は、通常0.001〜10質量%であり、好ましくは0.01〜5質量%である。なお、アルカリ現像液による現像処理がなされた後は、通常、水洗処理が施される。
【実施例】
【0064】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下において「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。また、実施例における各評価方法を下記に示す。
【0065】
まず、物性の測定方法および評価方法について説明する。
【0066】
〔重量平均分子量(Mw)および重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)(以下、Mw/Mnともいう。)の測定方法〕
MwおよびMw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製「HLC−8220GPC」)により測定したポリスチレン換算の値である。なお、GPC測定は、GPCカラムとして東ソー(株)製「TSKguardcolumn SuperHZM−M」を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒、測定温度40℃の条件で行った。
【0067】
〔現像後および焼成後のパターンの評価方法〕
現像後および焼成後の試験片(パターンが形成されたガラス基板)を切断して、パターン切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所製「S4200」)で観察してパターンの幅および高さを計測し、それぞれを下記基準で評価した。なお、所望の規格は、パターンの幅が50μm、高さが10μm、パターン間隔が100μmである。
【0068】
(パターンの幅)
A:所望の規格のもの。
B:所望の規格±3μm以内のもの。
C:所望の規格±3μmを超えて±5μm以内のもの。
D:所望の規格±5μmを超えるもの。
−:評価不能であるもの。
【0069】
(パターンの高さ)
A:所望の規格のもの。
B:所望の規格±2μm以内のもの。
C:所望の規格±2μmを超えて±4μm以内のもの。
D:所望の規格±4μmを超えるもの。
−:評価不能であるもの。
【0070】
〔電気抵抗の測定〕
体積抵抗[μΩ・cm]は、支持体であるガラス基板上にFPD用電極形成材料を塗布して焼成することにより、該ガラス基板上に膜厚10μmの膜を形成して、これをNPS社製の「Resistivity Proccessor ModelΣ−5」により測定した値である。
【0071】
〔電極パターンの密着性評価〕
焼成後の試験片を用いて、電極パターンと支持体であるガラス基板との密着性を、以下のようにして評価した。先ず、セロテープ(登録商標)(ニチバン社製)を加熱ローラにより、試験片を構成する支持体に熱圧着した。圧着条件は、加熱ローラの表面温度を23℃、ロール圧を4kg/cm2、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、支持体の表面にセロテープ(登録商標)が転写されて密着した状態となった。次いで、セロテープ(登録商標)を支持体より剥離することで、電極パターンと支持体との密着性を以下の基準により評価した。
○:パターン剥れなし。
×:パターン剥れあり。
【0072】
〔アルミニウム粉末(A)〕
アルミニウム粉末(A)として、表2に示すアルミニウム粉末A1を用いた。
【0073】
【表1】

【0074】

〔ガラス粉末(B)〕
ガラス粉末(B)として、表3に示すガラス粉末B1〜B5を用いた。
【0075】
【表2】

【0076】
〔アルカリ可溶性重合体(C)〕
アルカリ可溶性重合体(C)として、以下のアルカリ可溶性重合体C1を用いた。
【0077】
メタクリル酸15g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20g、ベンジルメタクリレート65g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオン酸)(堺化学工業(株)製)1gを攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、ターピネオール120g中で均一になるまで攪拌した。
【0078】
次いで、70℃で3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後、室温まで冷却してアルカリ可溶性重合体C1を得た。このアルカリ可溶性重合体C1の重合率は98%であり、アルカリ可溶性重合体C1のMwは30000、Mw/Mnは2.0、Tgは72℃、酸価は44mgKOH/gであった。
【0079】
[実施例1]
アルミニウム粉末(A)として表2に示すアルミニウム粉末A1(45g)、
ガラス粉末(B)として表3に示すガラス粉末B1(5g)、
アルカリ可溶性重合体(C)として上記アルカリ可溶性重合体C1(15g)、
多官能(メタ)アクリレート(D)としてトリメチロールプロパン(PO変性)(n=1)トリアクリレート(TMP3Aと略記する。)(5g)、
光重合開始剤(E)として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン(MTPMPと略記する。)(1g)、および2,4−ジエチルチオキサントン(DETXと略記する。)(0.25g)、
有機溶剤としてターピネオール(TNOLと略記する。)(28.75g)
を混練機で混練して、FPD用電極形成材料(1)を調製した。前記材料(1)の粘度を上記方法に従って測定した。結果を表6に示す。
【0080】
上記FPD用電極形成材料(1)を325メッシュのスクリーンを用いて試験片であるガラス基板(150mm×150mm×2.8mm)上に100mm角の大きさに印刷し、120℃で20分間保持して乾燥した。得られた感光性樹脂層の厚みは、10μm±1μmの範囲にあった。
【0081】
次に、ネガ型クロムマスク(パターン幅50μm、パターン間隔100μm)を用いて、25mW/cm出力の超高圧水銀灯により、上面から感光性樹脂層を紫外線露光した。露光量は200mJ/cmであった。
【0082】
次に、露光後の感光性樹脂層に、23℃に保持した炭酸ナトリウムの0.5%水溶液をシャワーで60秒間かけることにより現像した。その後、シャワースプレーを用いて水洗浄し、光硬化していない部分を除去してガラス基板上に格子状の硬化パターンを形成した。この現像後の硬化パターンを上記評価方法に従って評価した。結果を表6に示す。
【0083】
次に、得られた硬化パターンを580℃で30分間焼成して電極パターンを形成した。この焼成後の電極パターンを上記評価方法に従って評価した。結果を表6に示す。また、体積抵抗および支持体との密着性を上記評価方法に従って評価した。結果を表6に示す。
【0084】
[実施例2〜4]
実施例1において、表4に示す組成のFPD用電極形成材料(2)〜(4)を調製したこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に感光性樹脂層、硬化パターンおよび電極パターンを順次形成した。得られた硬化パターンおよび電極パターンを上記評価方法に従って評価した。また、体積抵抗および支持体との密着性を上記評価方法に従って評価した。結果を表6に示す。
【0085】
[比較例1〜5]
実施例1において、表5に示す組成のFPD用電極形成材料(5)〜(9)を調製したこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に感光性樹脂層、硬化パターンおよび電極パターンを順次形成した。得られた硬化パターンおよび電極パターンを上記評価方法に従って評価した。また、体積抵抗および支持体との密着性を上記評価方法に従って評価した。結果を表6に示す。
【0086】
【表3】

【0087】
【表4】


【0088】
【表5】

【0089】
表6に示すように、実施例1〜4における現像後の硬化パターン評価では、実施例1〜4が特に優れていた。また、焼成後の電極パターン評価では実施例1〜4が特に優れていた。
【0090】
実施例1〜4において、焼成後の電極パターンの欠けや剥がれなどは見られなかった。実施例1〜6における体積抵抗の評価では、実施例1〜6は400〜900μΩ・cmの範囲に入った。
【0091】
表6に示すように、比較例1〜5における体積抵抗の評価では、1200〜2000μΩ・cmの範囲に入った。また、比較例4については焼成後の電極パターンの欠けや剥がれが見られた。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明によれば、体積抵抗の低い電極パターンを形成することができる感光性組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アルミニウム粒子、
(B)酸化ホウ素2〜40重量%、酸化ケイ素0.1〜3重量%および酸化ビスマス10〜50重量%を含むガラス粉末
(C)アルカリ可溶性重合体
(D)エチレン性不飽和基含有化合物
(E)光重合開始剤
を含有することを特徴とする感光性組成物。
【請求項2】
(B)ガラス粉末がさらに酸化アルミニウム2〜15重量%を含むことを特徴とする請求項1記載の感光性組成物。
【請求項3】
前記ガラス粉末(B)の50重量%平均粒子径(D50)が、0.2〜4.0μmであることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の感光性組成物。
【請求項4】
前記ガラス粉末(B)の軟化点が350〜700℃であり、かつ前記ガラス粉末(B)が無機粒子全体に対して2〜80重量%の範囲で含まれることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の感光性組成物。
【請求項5】
プラズマディスプレイの電極形成用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性組成物。
【請求項6】
(1)請求項1〜5の何れかに記載の感光性組成物を用いて感光性樹脂層を基板上に形成する工程、
(2)前記樹脂層を露光処理してパターンの潜像を形成する工程、
(3)前記樹脂層を現像処理してパターンを形成する工程、および
(4)前記パターンを焼成処理する工程
を含むことを特徴とする電極パターン形成方法。


【公開番号】特開2010−217610(P2010−217610A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65369(P2009−65369)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】