説明

成膜装置

【課題】スプラッシュを低減させ、連続運転を可能とする成膜装置を提供する。
【解決手段】成膜装置は、成膜材料10を気化させ、成膜材料10を被成膜物の表面に堆
積させることにより成膜を行う成膜装置であって、真空容器14と、真空容器14内に設
けられ、成膜材料10を収容する絶縁性の坩堝18と、坩堝18に収容された成膜材料1
0の表面に生成される副生成物12を除去する副生成物除去部材26と、所定の待機位置
と坩堝18の近傍との間で副生成物除去部材26を移動させるための、先端部24aに副
生成物除去部材26が固定された腕部材24と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被成膜物の表面に成膜材料を成膜する方法として、例えば、真空容器内において成膜材
料にプラズマ照射を行うことによって成膜材料をイオン化し拡散させ、被成膜物の表面に
イオン化した該成膜材料を付着させて成膜するイオンプレーティング法がある。この方法
では、拡散した成膜材料の一部が成膜材料付近に留まり、成膜材料を保持する主ハース(
主陽極)の縁や、主ハースの周囲に配置された補助陽極に堆積する。この堆積物が過度に
堆積して主ハースと補助陽極とが短絡されると、主ハース及び補助陽極それぞれの機能が
失われてしまう。
【0003】
図8の成膜装置は、気密性の真空容器100を備えており、この真空容器100には、
加熱源としてのプラズマビーム発生器102が取り付けられている。
【0004】
真空容器100内には被成膜物としての基板104が搬送装置によって支持されている
。この基板104には負バイアス用の直流電源が接続される。また、基板104に対向す
るように真空容器100内にはハース(陽極部)106が配置されている。
【0005】
ハース106は、中空軸と、この中空軸に一体的に形成された環状部とを有している。
環状部には、冷却水を通すための冷却水路が形成されている。また、中空軸の中空部には
、成膜材料108が装填される。
【0006】
ハース106の外周には、環状磁石110を収容した磁石ケース112が、中空軸の先
端部を取り囲むように配置されている。磁石ケース112は、環状磁石110を冷却する
冷却水路も兼ねる。この磁石ケース112は、ハース106とともに支持部材114によ
って支持されている。
【0007】
ハース106の下方には、その中空部に成膜材料108を充填するとともに、成膜材料
108の先端部を常に一定の高さに保つための成膜材料充填装置116が設けられている
。また、成膜材料充填装置116の側方には、成膜装置の長時間にわたる連続運転を可能
にするため、真空容器100の外から新たな成膜材料108を取り込み、成膜材料充填装
置116へ補充する成膜材料補充装置118が設けられている。
【0008】
この成膜装置では、真空容器100を真空にした後、プラズマビーム発生器102でプ
ラズマを発生させると、プラズマビーム120が、ハース106の中心に位置する成膜材
料108に向うように制御誘導される。プラズマビーム120が照射された成膜材料10
8の先端部にはジュール熱が発生する。その結果、成膜材料108は、その先端部から徐
々に蒸発する。成膜材料108から蒸発した物質は、更にプラズマビーム120によりイ
オン化され、負電圧が印加された基板104へと向かい、基板104の表面に付着する。
こうして、基板104の表面には、成膜材料108を構成する物質からなる膜が形成され
る。
【0009】
成膜材料108の蒸発が続くと、その先端部位置が低下する。先端部位置の低下量が大
きくなると、蒸発特性変化が生じ、基板104上に均質な膜を形成することができなくな
る。そこで、成膜材料108の先端部位置を常に略一定とするために、成膜材料充填装置
116は、成膜材料108の減耗に伴い多段積みされた成膜材料108を徐々に上方に押
し上げる。
【0010】
成膜材料補充装置118は、成膜材料充填装置116によりハース106に装填された
成膜材料108が少なくなると、新たな成膜材料108を成膜材料充填装置116へ供給
する。これにより、成膜装置の連続運転が可能になる。なお、成膜装置が連続運転される
場合には、成膜材料補充装置118は、成膜材料108を定期的に成膜材料充填装置11
6へ供給することになる。
【0011】
プラズマビーム120を照射して成膜材料108を蒸発させると、蒸発物質は広角度範
囲に飛散する。磁石ケース112は、ハース106の中空軸先端部を囲むように配置され
ているため、その内周面には、飛散した蒸発物質が付着し易い。通常、磁石ケース112
の内周面には、飛散した蒸発物質が略均一に付着する。ところが、図9に示すように、何
らかの原因で、均一な付着物層122以外に、突起状付着物124が形成される場合があ
る。突起状付着物124が磁石ケース112の内周面に付着した状態で、成膜装置の運転
を継続すると、突起状付着物124が次第に成長し、やがて、ハース106の中空軸先端
部に接近して蒸発特性を不安定にするなどの影響を及ぼすようになる。
【0012】
これに対し、例えば特許文献1に開示された蒸着装置(成膜装置)においては、補助陽
極への成膜材料の付着を防止するためのカバーをハースの周囲に設けている。図10は、
この成膜装置のハース付近の構成を示す側面断面図である。この成膜装置においては、成
膜材料108を保持するハース106と、その周囲に設けられた環状の補助陽極126と
の間に、カバー128を配置している。これにより、成膜材料の堆積物によるハース10
6と補助陽極126との短絡を防いでいる。また、この成膜装置は、カバー128の壁面
に付着した堆積物に衝撃を加えて落下させるためのカップ130と、カップ130を支持
するとともに真空容器の外部から制御される支持棒132とを備えている。これにより、
真空容器の真空状態を維持したまま堆積物を除去できるので、長時間の成膜作業が可能と
なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−000854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、真空容器内のハースに保持された成膜材料の表面に副生成物が生成され
た場合、長時間の成膜作業を可能とするために、真空容器の真空状態を維持したまま副生
成物を除去することが好ましい。特許文献1では、堆積物に衝撃を加えるための構成(カ
ップ130及び支持棒132)が開示されているが、副生成物を除去するための好適な構
成については記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
【0016】
[適用例1]成膜材料を気化させ、該成膜材料を被成膜物の表面に堆積させることによ
り成膜を行う成膜装置であって、真空容器と、前記真空容器内に設けられ、前記成膜材料
を収容する絶縁性の坩堝と、前記坩堝に収容された前記成膜材料の表面に生成される副生
成物を除去する副生成物除去部材と、所定の待機位置と前記坩堝の近傍との間で前記副生
成物除去部材を移動させるための、先端部に該副生成物除去部材が固定された腕部材と、
を備えることを特徴とする成膜装置。
【0017】
これによれば、真空容器の真空度を維持したまま、毛細管現象を利用して、坩堝に保持
された成膜材料(例えば、SiOタブレット材料)の表面に、成膜時の副生成物として発
生するSi系異物を除去することが可能になり、もって、成膜時のスプラッシュを低減さ
せ、連続運転を可能とする成膜装置を提供する。
【0018】
[適用例2]上記成膜装置であって、前記副生成物除去部材は、前記成膜材料の融点よ
りも高い融点を有する高融点金属、若しくは高融点金属の合金からなる網線によって構成
されていることを特徴とする成膜装置。
【0019】
これによれば、副生成物除去部材が成膜材料の表面に生成される副生成物の熱により変
形することで除去性能が低下してしまうのを防止できる。
【0020】
[適用例3]上記成膜装置であって、前記副生成物除去部材は、所望の先端部形状を有
していることを特徴とする成膜装置。
【0021】
これによれば、成膜材料の表面に生成される副生成物を除去するため、副生成物除去部
材の表面積を大きくして除去性能を高めることができる。
【0022】
[適用例4]上記成膜装置であって、前記腕部材の後端を前記真空容器の外部に突出さ
せるとともに、前記真空容器の真空度を維持し、該真空容器の外で前記後端を手動で駆動
できるようにする真空フランジ付きベローズとボスとの組合せを有することを特徴とする
成膜装置。
【0023】
これによれば、真空容器内の真空度を維持したまま、成膜材料の表面に生成される副生
成物を容易に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る成膜装置を示す平面図。
【図2】図1のII−II断線に沿う概略断面図。
【図3】図1及び図2のブランケットの側面図。
【図4】本実施形態に係る副生成物除去部材を示す図。
【図5】本実施形態に係る副生成物除去部材の動作を説明するための斜視図。
【図6】変形例1における副生成物除去部材を示す図。
【図7】変形例2における副生成物除去部材を示す図。
【図8】従来の成膜装置の構成を示す断面図。
【図9】従来の成膜装置の問題点を説明するための断面図。
【図10】従来の成膜装置のハース付近の構成を示す側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態に係る成膜装置について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明
に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
ここで、図1は、本実施形態に係る成膜装置2を示す平面図、図2は、図1のII−II断線
に沿う概略断面図である。
【0026】
本実施形態に係る成膜装置2は、例えば有機エレクトロルミネッセンス(Electro-Lumi
nescence:以下、ELと略記する)パネルを構成する画素パターンを形成する際に用いら
れる中空陰極方式の成膜装置であって、例えば、真空容器内でArガスに直流電圧を印加
して発生したプラズマビームを成膜材料としてのSiOタブレット材料に照射してSiO
N膜の成膜を実施している。
【0027】
成膜装置2は、図1に示すように、ハース18に収容された成膜材料10の表面に生成
される副生成物(Si系異物)12(図5)を除去する副生成物除去装置4を有している
。なお、成膜装置2は、基本的に従来のものと同一の構造であって、真空容器14内に、
環状磁石ケース16と、環状磁石ケース16の中心軸とその中心軸を一致させたハース(
坩堝)18とを有している。ここで、成膜装置2における上記以外の構成については、本
実施形態に係る成膜装置2の副生成物除去装置4の説明を行う上で、その必要がないので
、図示及び説明を省略する。
【0028】
本実施形態の副生成物除去装置4は、図1に示すように、真空容器14の側壁に取り付
けられた、真空フランジ付きベローズ20と、このベローズに固定されたボス22とによ
って支持され、真空容器14の真空度を保ったまま図の左右方向に移動可能かつ中心軸を
回転軸として回転可能な支持棒24と、支持棒24の先端部(切り欠け部)24aに固定
された副生成物除去部材26(図4)と、ブランケット28と、可動カバー30とを有し
ている。副生成物除去装置4の長さは、例えば約20cmである。
支持棒24は、真空容器14内で屈曲している。
【0029】
図3は、図1及び図2のブランケット28の側面図である。ブランケット28には、図
3に示すように、U字型の切れ込みが形成された支持棒置き場32が形成されている。
【0030】
図4は、本実施形態に係る副生成物除去部材26を示す図であり、図4(A)は、正面
図及び図4(B)は、図4(A)のIV−IV断線に沿う側面断面図である。
本実施形態に係る副生成物除去部材26の形状は、様々な形のものに加え、線状にして
編みこんだものである。例えば、ハンダ吸い取り線のような網線のように、伸び縮みする
導電性のシートなどが適している。
副生成物除去部材26の材料は、高融点の金属(例えば、Mo、Ta、Ti、V、Nb
)、若しくは高融点の金属を原材料とした合金などであるが、加熱温度に耐えられ、ガス
放出の少ないものであれば使用可能である。
【0031】
副生成物除去部材26は、図4(A)及び(B)に示すように、支持棒24の先端部2
4aに第1及び第2プレート34,36を介して取り付けられている。副生成物除去部材
26は、支持棒24の先端部24aに、副生成物除去部材26の一方の端部、第1プレー
ト34、副生成物除去部材26の他方の端部、及び第2プレート36の順に重なり、支持
棒24の先端部24aを、第1及び第2プレート34,36に空けられた穴38を通して
、ネジ40で締めることによって固定されている。副生成物除去部材26は、第1プレー
ト34の先端部を覆うように配置されている。副生成物除去部材26は、ネジ40を緩め
て、第1プレート34の先端部方向に移動でき、その位置が変更できるようになっている

【0032】
第1及び第2プレート34,36は、SUS(ステンレス鋼)製の板状のものである。
第1プレート34の先端部は、支持棒24の先端部24aより突出している。副生成物除
去部材26を挟む支持棒24の先端部24aと、第1及び第2プレート34,36との表
面に細かな凹凸(ギザギザ)を設けておくことが好ましい。これにより、副生成物除去部
材26は、支持棒24と第1プレート34との間及び第1プレート34と第2プレート3
6との間から内外各方向への抜け落ちを防止された状態で、支持棒24と第1プレート3
4との間及び第1プレート34と第2プレート36との間に固定されることとなる。
【0033】
以下、図5を参照して、本実施形態に係る副生成物除去部材26の動作について説明す
る。
図5は、本実施形態に係る副生成物除去部材26の動作を説明するための斜視図である
。通常、副生成物除去部材26は、プラズマビーム42の照射範囲外に置かれている(図
1にその位置を点線で示す)。
【0034】
ハース18に保持された成膜材料10の表面に副生成物12が、成膜処理に影響を与え
るほど生成したならば、副生成物除去部材26を用いた除去処理を開始する。
【0035】
まず、真空容器14内を真空に保ったまま、プラズマビーム42を停止、又は微出力状
態にする。
【0036】
次に、副生成物除去部材26を持ち上げて、支持棒24を旋回させ、副生成物除去部材
26がハース18の真上に位置するようにする。
【0037】
副生成物除去部材26を持ち上げる及び支持棒24を旋回させるには、支持棒24の後
端を手動で操作する。支持棒24の後端を手動で操作することにより、副生成物除去部材
26を、上下(図2の上下方向)、左右(図1の上下方向)、前後(図1及び図2の左右
方向)に移動させることができるとともに、副生成物除去部材26の向きを変える(軸心
回転:支持棒の後端部の中心軸を回転軸とする回転)ことができる。これにより、副生成
物除去部材26の先端部を、ハース18に収容された成膜材料10の表面に生成される副
生成物12に接触させ、毛細管現象を利用して対象の副生成物12を副生成物除去部材2
6にしみこませる。これにより、成膜材料10の表面から副生成物12を除去することが
できる。
【0038】
なお、図5に示すように、もう一つの第2支持棒44で上から副生成物除去部材26を
押さえつけて毛細管現象を利用して対象の副生成物12を除去してもよい。
【0039】
この後、副生成物除去部材26を持ち上げ、支持棒24を旋回させて、元の位置に戻し
、成膜処理を再開する。副生成物12を除去するとき以外は、支持棒24の後端を支持棒
置き場32に載せれば、支持棒24の先端部24a及び副生成物除去部材26を、プラズ
マビーム42の照射領域から待避させることができる。
【0040】
以上のように本実施形態において、真空容器14の真空度を維持したまま、毛細管現象
を利用して、ハース18に保持された成膜材料(SiOタブレット材料)10の表面に、
成膜時の副生成物12として発生するSi系異物を除去することが可能になり、もって、
成膜時のスプラッシュを低減させ、連続運転を可能とする成膜装置2を提供する。
【0041】
(変形例1)
図6は、本変形例における副生成物除去部材46を示す側面図及び側面断面図であり、
図6(A)は、正面図及び図6(B)は、図6(A)のVI−VI断線に沿う側面断面図であ
る。
上記実施形態の副生成物除去部材26の先端部形状は、板状であったが、本変形例にお
ける副生成物除去部材46の先端部形状は、図6に示すように、曲面形状である。つまり
、副生成物除去部材26が覆っている第1プレート34の先端部形状は、板状であったが
、副生成物除去部材46が覆っている第1プレート48の先端部形状は、曲面形状である

【0042】
これにより、副生成物除去部材46の表面積が広くなり、副生成物除去部材46の先端
部を、ハース18に収容された成膜材料10の表面に生成される副生成物12に接触させ
、毛細管現象を利用して対象の副生成物12を除去する効率が向上する。
【0043】
なお、第1プレート48の先端部形状が板状のままで、副生成物除去部材46の先端部
形状が曲面形状であってもよい。
【0044】
(変形例2)
図7は、本変形例における副生成物除去部材50を示す側面図及び側面断面図であり、
図7(A)は、正面図及び図7(B)は、図7(A)のVII−VII断線に沿う側面断面図で
ある。
上記実施形態における副生成物除去部材26の先端部形状は、板状であったが、本変形
例における副生成物除去部材50の先端部形状は、図7に示すように、鋭角に尖った形状
である。つまり、副生成物除去部材26が覆っている第1プレート34の先端部形状は、
板状であったが、副生成物除去部材50が覆っている第1プレート52の先端部形状は、
鋭角に尖った形状である。
【0045】
これにより、副生成物除去部材50の表面積が広くなり、副生成物除去部材50の先端
部を、ハース18に収容された成膜材料10の表面に生成される副生成物12に接触させ
、毛細管現象を利用して対象の副生成物12を除去する効率が向上する。
【0046】
なお、第1プレート52の先端部形状が板状のままで、副生成物除去部材50の先端部
形状が鋭角に尖った形状であってもよい。
【0047】
上記実施形態及び各変形例において、副生成物除去部材26(或いは副生成物除去部材
46,50)を挟む支持棒24と第1プレート34(或いは第1プレート48,52)と
第2プレート36とは、ネジ40で固定されていたが、その他の固定方法でもよい(例え
ば、クランプ等)。
また、除去後の副生成物除去部材26(或いは副生成物除去部材46,50)は、真空
容器14内を真空に保ったまま、切除用の工具(例えば、はさみ、カッター等)を使用し
て交換してもよい。その際、副生成物除去部材26(或いは副生成物除去部材46,50
)の固定治具には切除した後に、取り付けた副生成物除去部材26(或いは副生成物除去
部材46,50)を延伸させる機構を内蔵していてもよい。
【符号の説明】
【0048】
2…成膜装置 4…副生成物除去装置 10…成膜材料 12…副生成物 14…真空
容器 16…環状磁石ケース 18…ハース(坩堝) 20…真空フランジ付きベローズ
22…ボス 24…支持棒(腕部材) 24a…先端部 26…副生成物除去部材 2
8…ブランケット 30…可動カバー 32…支持棒置き場 34…第1プレート 36
…第2プレート 38…穴 40…ネジ 42…プラズマビーム 44…第2支持棒 4
6…副生成物除去部材 48…第1プレート 50…副生成物除去部材 52…第1プレ
ート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜材料を気化させ、該成膜材料を被成膜物の表面に堆積させることにより成膜を行う
成膜装置であって、
真空容器と、
前記真空容器内に設けられ、前記成膜材料を収容する絶縁性の坩堝と、
前記坩堝に収容された前記成膜材料の表面に生成される副生成物を除去する副生成物除
去部材と、
所定の待機位置と前記坩堝の近傍との間で前記副生成物除去部材を移動させるための、
先端部に該副生成物除去部材が固定された腕部材と、
を備えることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
請求項1に記載の成膜装置において、
前記副生成物除去部材は、前記成膜材料の融点よりも高い融点を有する高融点金属、若
しくは高融点金属の合金からなる網線によって構成されていることを特徴とする成膜装置

【請求項3】
請求項1又は2に記載の成膜装置において、
前記副生成物除去部材は、所望の先端部形状を有していることを特徴とする成膜装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の成膜装置において、
前記腕部材の後端を前記真空容器の外部に突出させるとともに、前記真空容器の真空度
を維持し、該真空容器の外で前記後端を手動で駆動できるようにする真空フランジ付きベ
ローズとボスとの組み合わせを有することを特徴とする成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−222620(P2010−222620A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69612(P2009−69612)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】